【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舶用プロペラのプロペラ軸への取り付けに際し行なわれる軸摺り合わせに用いる治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に基づき、従来の舶用のキーレスプロペラのプロペラ軸への取り付けと、その際の軸摺り合わせにつき説明する。図3(a)は、軸摺り合わせ時のプロペラのボス部の縦断面とプロペラ軸の状態の説明図、(b)は取り付け時のプロペラのボス部の縦断面とプロペラ軸の状態の説明図である。
【0003】
近年、大形船舶のプロペラ1は、プロペラ1のボス部1aのキーを設けないテーパ軸穴部(以下「プロペラコーンパート」という)2に、プロペラ軸3のテーパ軸部(プロペラ軸コーンパート:以下単に「軸コーンパート」という)4を圧入嵌合し、プロペラコーンパート2の押し広げられた歪みによる面圧で両者1、3を固定するキーレスプロペラが採用されている。
【0004】
したがって、嵌合部での伝達トルクは、接触面積×面圧×軸半径に比例するため、プロペラコーンパート2と軸コーンパート4との接触面積が十分確保されることが肝要となる。しかし、プロペラ1とプロペラ軸3とは、別の工程で製造され、場合によっては別の製造所で製造されるから、プロペラコーンパート2と軸コーンパート4の面を一致させるためにプロペラ1のプロペラコーンパート2とプロペラ軸3の軸コーンパート4の軸摺り合わせが行なわれる。
【0005】
軸摺り合わせは、図3(a)に示すように、調整機構を含めた台座5上にプロペラ1を水平Hに調整して設置し、上部からプロペラ軸3をクレーン等の吊り下げ機構で昇降自在に(図中、矢印A)、鉛直Vに吊り下げた状態で行なわれる。
【0006】
プロペラ軸3は前端部(図中、上端部)のフランジ3aがクレーンの吊具6に取り付けられ、後端側(図中、下端側)の軸コーンパート4がプロペラコーンパート2の前縁(図中、上縁)2a側から挿入される位置に置かれる。(なお、本明細書では、船舶の通常の進行方向に向かう側を「前」、後方に向かう側を「後」として表現する。)
挿入に先立って、軸コーンパート4にはペイント(例えば、「光明丹(red lead)」、「ベアリングレッド/ブルー(bearing red/blue)」等)を塗布し、プロペラ軸3を吊り下げた状態で、プロペラコーンパート2と軸コーンパート4の中心軸を一致させる芯合わせを行なう。
【0007】
その後、芯合わせの微調整を行ないつつプロペラ軸3を下降させて軸コーンパート4をプロペラコーンパート2内に挿入して接触させ、次いでプロペラ軸3を引き上げる。
【0008】
そこでプロペラコーンパート2にペイントが転写された部分が接触部であり、ペイントの付着していない部分が非接触部であることから、接触部を研磨し、再度軸コーンパート4にペイントを塗布して上記工程を繰り返し、徐々に転写範囲を広げ、求める接触状態を得るものである。なお、プロペラコーンパート2と軸コーンパート4には、トップマークを付け、プロペラ軸3の回転方向の位置は一定範囲に抑えるようにしている。
【0009】
以上のように軸摺り合わせが済むと、図3(b)に示すように、プロペラ軸3の後端に設けられた雄ネジ部7はプロペラコーンパート2より後方(図中下方)に突出した位置にあるので、雄ネジ部7に螺合させたナット8と、プロペラコーンパート2の後縁2b側との間をジャッキ9で押し広げ雄ネジ部7を後方(図中下方)に引っ張り(図中、矢印B)、同時に、プロペラコーンパート2の内面に設けられた油溝に高圧油を圧入するとプロペラコーンパート2の内面2cが押し広げられるので、軸コーンパート4が十分にプロペラコーンパート2内に挿入される。しかるのち、高圧油を排出すると、軸コーンパート4がプロペラコーンパート2を押し広げた状態で嵌装され、十分な面圧と接触面積でプロペラ軸3がプロペラ1に固定される。そしてジャッキ9を外し、ナット8を締め、図示しないナット止めを締めて、キャップ10をボス部1aに取り付け、キーレスプロペラのプロペラ軸への取り付けがなされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の舶用プロペラのプロペラ軸への取り付け時の軸摺り合わせにおいては、接触状態をチェックしながら何度もプロペラ軸3を昇降させる必要があるが、プロペラ軸3の挿入にあたりその中心軸がプロペラコーンパート2の中心軸と一致していないと、挿入途中で軸コーンパート4の外周面がプロペラコーンパート2に接触し、面同士が擦れてペイントの転写状況が判断困難となる。
そのため、挿入作業は慎重に行なう必要があり、その度にクレーン等の吊り下げ機構の位置合わせと、芯合わせの微調整をする要があった。また、途中で接触した場合は、再度、軸コーンパート4へのペイント塗布、プロペラコーンパート2の洗浄が必要となって、無駄な作業、時間がかかるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記の従来の、舶用プロペラのプロペラ軸への取り付けに際し行なわれる軸摺り合わせでの問題を解消し、プロペラ軸挿入の際、毎回芯合わせを行なう必要がなく、工数低減が図れる舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の手段として、水平に配置したプロペラのプロペラコーンパート内に、垂直に昇降可能に吊り下げたプロペラ軸の軸コーンパートを挿入して接触部を検出しつつ行う軸摺り合わせ工程に用いる舶用プロペラの軸摺り合わせ治具であって、前記プロペラ軸の平行部を囲み一水平面上で放射状にスライド可能にフレーム上に支持され前記放射方向と直角な水平軸にローラを前記平行部に向けて回転自在に支持した3個以上のローラ支持台と、同ローラ支持台を前記フレームに対してそれぞれ前記放射方向にスライドさせ且つ固定するスライド機構とを有してなることを特徴とする舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を提供する。
【0013】
上記の構成により、第1の手段によれば、舶用プロペラとプロペラ軸との軸摺り合わせにおいて、水平に設置されたプロペラのプロペラコーンパートに、鉛直に吊り下げられたプロペラ軸の軸コーンパートを芯合わせを行ないつつ挿入するが、最初の挿入時の芯合わせがなされた状態で、ローラをプロペラ軸の平行部に当接した位置で固定すれば、プロペラ軸が上方に抜かれ、再度の挿入を行なうときは、細かい芯合わせを再度行なうことなくとも、プロペラ軸は複数のローラにガイドされ、自ずと芯合わせがなされた状態で挿入される。
【0014】
また、軸摺り合わせ工程の最初の軸コーンパート挿入時の芯合わせにおいても、ローラを用いて微調整を行えば、芯合わせ作業をより効率的に行える。
【0015】
(2)第2の手段としては、第1の手段の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具において、前記ローラ支持台を前記一水平面上で90°間隔に4個設けてなることを特徴とする舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を提供する。
【0016】
第2の手段によれば、第1の手段の作用に加え、芯合わせに際しての移動距離を縦横座標上で捉え易い。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態に係る舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を、図1および図2に基づき説明する。図1は、本実施の形態の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を用いた軸摺り合わせ時の軸摺り合わせ治具とプロペラのボス部の縦断面とプロペラ軸の状態の説明図であり、図2は図1中X−X矢視による平面図である。
【0018】
本実施の形態の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を用いた舶用のキーレスプロペラのプロペラ軸への取り付けに於ける軸摺り合わせは、図3(a)に基づき説明した軸摺り合わせと、本実施の形態の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を用いたこと以外、同様であり、同様部分には同じ符号を付して重複する説明を省略し、異なる点を主に以下説明する。
【0019】
図1に示すように、軸摺り合わせにおいて、台座5上に水平に調整の上設置されたプロペラ1を囲んで、作業台20が設けられ、その上部にはプロペラ1のボス部1aの上方に、昇降するプロペラ軸3を挿通するように囲んで軸摺り合わせ治具11が設けられる。
【0020】
軸摺り合わせ治具11は、図2に示すように、そのフレーム12上面に一水平面上で放射状Cにスライド可能に支持された3個以上(本実施の形態においては4個)のローラ支持台13と、ローラ支持台13に前記放射方向Cと直角な水平軸で回転自在に支持されたローラ14と、各ローラ支持台13をフレーム12に対して前記放射方向Cにスライドさせ且つ固定するスライド機構15を有している。ローラ14は、アクリルまたは同様の撓みが少なく回転半径等の寸法精度が高く且つプロペラ軸3表面を傷つける恐れのない材料で形成され、あるいはコーティングされたものである。
【0021】
そして、軸摺り合わせ治具11のフレーム12は作業台20を介して台座5上のプロペラ1に対して位置が固定されるが、軸摺り合わせにおいて、軸摺り合わせ治具11はその上記放射方向Cの中心Dをプロペラコーンパート2の中心軸と略合わせて、好ましくは、合致させて設置される。
【0022】
スライド機構15は各々が個別に調整、固定できるものであれば適宜のものでよいが、例えば、ローラ支持台13をフレーム12に固定する長穴とボルトナットの組み合わせであり、またはスライド溝と押しボルトの組み合わせであり、さらに電動機構によるもの、油圧機構によるものであってもよい。
【0023】
また軸摺り合わせ治具11のローラ14は、プロペラ軸3が前述のように鉛直に吊り下げられその中心軸をプロペラコーンパート2内にその中心軸と略合わせて挿入されるとき、プロペラ軸3の軸コーンパート4のテーパ始まり部3bより前方(図中、上方)の平行部3cを囲み、一水平面上で放射状にスライド可能にフレーム12上に支持されたローラ支持台13において、放射方向と直角な水平軸に回転自在に平行部3cに向けて支持されているので、平行部3cに対して進退させ、当接させ、また、その位置を固定できる。
【0024】
以上のような本実施の形態の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具によれば、舶用プロペラとプロペラ軸との軸摺り合わせにおいて、台座5上に水平に調整の上設置されたプロペラ1のプロペラコーンパート2に、鉛直に吊り下げられたプロペラ軸3の軸コーンパート4をクレーン等の吊り下げ機構で両者の中心軸を合わせる芯合わせを行ないつつ挿入するが、最初の挿入時の芯合わせがなされた状態で、軸摺り合わせ治具11のローラ14を、スライド機構15によりプロペラ軸3の平行部3cに向かってスライドし、当接した位置で固定する。
【0025】
軸摺り合わせ治具11の複数のローラ14のスライド方向の中心Dはプロペラコーンパート2の中心軸と合致させてあれば最も好ましいが、多少のずれがあっても、スライド機構15は個々に位置調整がなされるものであるから、ローラ14の位置をそれぞれプロペラ軸3の平行部3cに当接させた状態で固定すれば支障はない。
【0026】
その状態でプロペラ軸3が上方に抜かれ、再度の挿入を行なうときは、細かい芯合わせを再度行なうことなく、プロペラ軸3を複数のローラ14の間に無理が生じないように入ることを目安に位置を合わせ徐々に下ろせば、プロペラ軸3は吊り下げられて鉛直V(図3参照)を保っているから、ローラ14にガイドされて、自ずと軸コーンパート4はプロペラコーンパート2と芯合わせがなされた状態で挿入される。
【0027】
したがって、本実施の形態の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を用いれば、軸摺り合わせ工程において複数回行なわれる軸コーンパート4挿入において、毎回芯合わせを行なう必要がなくなり、工数の低減が図られ、また芯ずれによる接触の場合の、軸コーンパート4へのペイント再塗布、プロペラコーンパート2の洗浄のような、無駄な作業、時間を防止できる。
【0028】
また、軸摺り合わせ工程は、最終的に客先立会い検査等が行なわれる場合が多く、そのような場合にも、スムーズな検査を行うことができる、という効果がある。
【0029】
なお、軸摺り合わせ工程の最初の軸コーンパート4挿入時の芯合わせにおいて、吊り下げ機構による位置合わせに加え、軸摺り合わせ治具11のローラ14を用いて芯合わせの微調整を行えば、芯合わせ作業をより効率的に行うこともできる。
【0030】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲でその具体的構造に種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【0031】
例えば、軸摺り合わせ治具11を取り付ける作業台20と軸摺り合わせ治具11のフレーム12とを一体的に構成してもよい。
【0032】
また、ローラ14は前述のように、3個以上の複数でよいが、本実施の形態のように90°間隔で4個設けた場合は、芯合わせに際しての移動距離を縦横座標上で捉え易く、より好ましい。
【0033】
【発明の効果】
(1)請求項1の発明によれば、舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を、水平に配置したプロペラのプロペラコーンパート内に、垂直に昇降可能に吊り下げたプロペラ軸の軸コーンパートを挿入して接触部を検出しつつ行う軸摺り合わせ工程に用いる舶用プロペラの軸摺り合わせ治具であって、前記プロペラ軸の平行部を囲み一水平面上で放射状にスライド可能にフレーム上に支持され前記放射方向と直角な水平軸にローラを前記平行部に向けて回転自在に支持した3個以上のローラ支持台と、同ローラ支持台を前記フレームに対してそれぞれ前記放射方向にスライドさせ且つ固定するスライド機構とを有してなるように構成したので、舶用プロペラとプロペラ軸との軸摺り合わせにおいて、水平に設置されたプロペラのプロペラコーンパートに、鉛直に吊り下げられたプロペラ軸の軸コーンパートを芯合わせを行ないつつ挿入するが、最初の挿入時の芯合わせがなされた状態で、ローラをプロペラ軸の平行部に当接した位置で固定すれば、プロペラ軸が上方に抜かれ、再度の挿入を行なうときは、細かい芯合わせを再度行なうことなくとも、プロペラ軸は複数のローラにガイドされ、自ずと芯合わせがなされた状態で挿入される。したがって、毎回芯合わせを行なう必要がなくなり、工数低減が図られ、また芯ずれによる接触の場合の、ペイント再塗布、洗浄のような、無駄な作業、時間を防止でき、さらに客先立会い検査等もスムーズに行うことができる。
【0034】
また、軸摺り合わせ工程の最初の軸コーンパート挿入時の芯合わせにおいても、ローラを用いて微調整を行えば、芯合わせ作業をより効率的に行える。
【0035】
(2)請求項2の発明によれば、請求項1に記載の舶用プロペラの軸摺り合わせ治具において、前記ローラ支持台を前記一水平面上で90°間隔に4個設けてなるように構成したので、請求項1の発明の効果に加え、芯合わせに際しての移動距離を縦横座標上で捉え易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る舶用プロペラの軸摺り合わせ治具を用いた軸摺り合わせ時の軸摺り合わせ治具とプロペラのボス部の縦断面とプロペラ軸の状態の説明図である。
【図2】図1中X−X矢視による平面図である。
【図3】(a)は、従来の舶用のキーレスプロペラのプロペラ軸への取り付けにおける軸摺り合わせ時のプロペラのボス部の縦断面とプロペラ軸の状態の説明図、(b)は舶用のキーレスプロペラのプロペラ軸への取り付け時のプロペラのボス部の縦断面とプロペラ軸の状態の説明図である。
【符号の説明】
1 プロペラ
1a ボス部
2 プロペラコーンパート
3 プロペラ軸
3a フランジ
3b テーパ始まり部
3c 平行部
4 軸コーンパート
5 台座
6 吊具
11 軸摺り合わせ治具
12 フレーム
13 ローラ支持台
14 ローラ
15 スライド機構
20 作業台[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a jig used for sliding a marine propeller on a propeller shaft when the marine propeller is mounted on a propeller shaft.
[0002]
[Prior art]
With reference to FIG. 3, a description will be given of how a conventional marine keyless propeller is attached to a propeller shaft and how the shaft is rubbed at that time. FIG. 3A is an explanatory view of the longitudinal section of the boss portion of the propeller and the state of the propeller shaft at the time of shaft sliding, and FIG. 3B is an explanatory view of the longitudinal section of the boss section of the propeller and the state of the propeller shaft at the time of attachment. It is.
[0003]
In recent years, the propeller 1 of a large vessel has a tapered shaft hole portion (hereinafter referred to as a “propeller cone part”) 2 without a key of a boss portion 1 a of the propeller 1 and a tapered shaft portion of a propeller shaft 3 (propeller shaft cone part: Hereafter, a keyless propeller is employed in which a shaft cone part 4 is press-fitted, and the propeller cone part 2 is fixed to both parts 1 and 3 by a surface pressure caused by the expanded strain of the propeller cone part 2.
[0004]
Therefore, since the transmission torque at the fitting portion is proportional to contact area × surface pressure × shaft radius, it is important to ensure a sufficient contact area between the propeller cone part 2 and the shaft cone part 4. However, since the propeller 1 and the propeller shaft 3 are manufactured in different processes, and in some cases, are manufactured at different manufacturing sites, the propeller 1 is used to make the surfaces of the propeller cone part 2 and the shaft cone part 4 coincide with each other. The shaft of the propeller cone part 2 and the shaft cone part 4 of the propeller shaft 3 are aligned.
[0005]
As shown in FIG. 3 (a), the propeller 1 is adjusted to be horizontal H on a pedestal 5 including an adjusting mechanism, and the propeller shaft 3 is raised and lowered by a hanging mechanism such as a crane from above. It is carried out freely (arrow A in the figure) while being suspended from the vertical V.
[0006]
The propeller shaft 3 has a flange 3a at a front end (upper end in the figure) attached to a hanging tool 6 of a crane, and a rear end (lower end in the figure) shaft cone part 4 has a front edge (at a front edge) of the propeller cone part 2. It is placed at a position where it is inserted from the upper edge 2a side in the figure. (Note that in this specification, the side heading in the normal traveling direction of the ship is referred to as “front”, and the side heading backward is referred to as “rear”.)
Prior to insertion, the shaft cone part 4 is coated with paint (for example, “red lead”, “bearing red / blue”, etc.), and the propeller shaft 3 is suspended. Then, the propeller cone part 2 and the shaft cone part 4 are aligned with each other so that the central axes thereof coincide with each other.
[0007]
Thereafter, the propeller shaft 3 is lowered while fine adjustment of the alignment is performed, and the shaft cone part 4 is inserted into the propeller cone part 2 to make contact therewith, and then the propeller shaft 3 is pulled up.
[0008]
Therefore, the portion where the paint is transferred to the propeller cone part 2 is the contact portion, and the portion where the paint is not adhered is the non-contact portion. Therefore, the contact portion is polished, and paint is applied again to the shaft cone part 4. The above steps are repeated to gradually expand the transfer range to obtain a desired contact state. The propeller cone part 2 and the shaft cone part 4 are provided with a top mark so that the position of the propeller shaft 3 in the rotational direction is kept within a certain range.
[0009]
When the shaft sliding is completed as described above, the male screw portion 7 provided at the rear end of the propeller shaft 3 projects rearward (downward in the figure) from the propeller cone part 2 as shown in FIG. Since it is at the position, the jack 9 pushes the gap between the nut 8 screwed to the male screw portion 7 and the rear edge 2b side of the propeller cone part 2 to pull the male screw portion 7 backward (downward in the figure) ( At the same time, when high-pressure oil is press-fitted into an oil groove provided on the inner surface of the propeller cone part 2, the inner surface 2c of the propeller cone part 2 is pushed open, so that the shaft cone part 4 is sufficiently enlarged. 2 is inserted. Thereafter, when the high-pressure oil is discharged, the shaft cone part 4 is fitted in a state where the propeller cone part 2 is expanded, and the propeller shaft 3 is fixed to the propeller 1 with a sufficient surface pressure and a contact area. Then, the jack 9 is removed, the nut 8 is tightened, the nut stopper (not shown) is tightened, the cap 10 is mounted on the boss 1a, and the keyless propeller is mounted on the propeller shaft.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional sliding of the marine propeller to the propeller shaft as described above, it is necessary to raise and lower the propeller shaft 3 many times while checking the contact state. If the axis does not coincide with the central axis of the propeller cone part 2, the outer peripheral surface of the shaft cone part 4 comes into contact with the propeller cone part 2 during insertion, and the surfaces rub against each other, making it difficult to determine the paint transfer state.
Therefore, it is necessary to carefully perform the insertion operation, and it is necessary to finely adjust the position of the suspension mechanism such as the crane and the centering each time. In addition, when the contact is made in the middle, it is necessary to apply the paint to the shaft cone part 4 and to wash the propeller cone part 2 again.
[0011]
The present invention solves the above-described problem of shaft alignment performed when mounting a marine propeller on a propeller shaft, and eliminates the need to perform centering every time when inserting a propeller shaft, thereby reducing man-hours. An object of the present invention is to provide a jig for aligning a propeller shaft.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
(1) The present invention has been made to solve the above-mentioned problem. As a first means, a propeller shaft suspended vertically vertically in a propeller cone part of a horizontally disposed propeller is provided. A rubbing jig for a marine propeller used in a rubbing process performed while inserting a cone part and detecting a contact portion, wherein the jig surrounds a parallel portion of the propeller shaft and is slidable radially on a horizontal plane on a frame. Three or more roller supports that are rotatably supported on a horizontal axis perpendicular to the radiation direction toward the parallel portion and that are slid in the radial direction with respect to the frame. A slidable jig for a marine propeller.
[0013]
According to the above configuration, according to the first means, when the marine propeller and the propeller shaft are rubbed together, the propeller shaft part of the propeller shaft suspended vertically is attached to the propeller cone part of the propeller installed horizontally. Insert while aligning, but if the roller is fixed at the position where it is in contact with the parallel part of the propeller shaft in the state where the initial insertion has been done, the propeller shaft will be pulled out and inserted again. When performing this operation, the propeller shaft is guided by a plurality of rollers and inserted in a self-aligned state without performing fine alignment again.
[0014]
Also, in the centering when the shaft cone part is first inserted in the shaft aligning process, if the fine adjustment is performed using the roller, the centering operation can be performed more efficiently.
[0015]
(2) As a second means, the marine propeller jig of the first means is provided with four roller supports at 90 ° intervals on the horizontal plane. Provided is a jig for aligning a propeller shaft.
[0016]
According to the second means, in addition to the operation of the first means, the moving distance at the time of centering can be easily grasped on the vertical and horizontal coordinates.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A jig for aligning a shaft of a marine propeller according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 and 2. FIG. 1 is an explanatory view of a longitudinal section of a shaft sliding jig and a boss portion of a propeller and a state of a propeller shaft at the time of shaft sliding using a shaft sliding jig of a marine propeller according to the present embodiment. FIG. 2 is a plan view taken along the line XX in FIG.
[0018]
The shaft sliding in the mounting of the keyless propeller for a ship to the propeller shaft using the shaft sliding jig of the ship propeller according to the present embodiment is the same as the shaft sliding described with reference to FIG. This is the same except that the shaft sliding jig of the marine propeller of the embodiment is used. The same parts are denoted by the same reference numerals, and redundant description will be omitted, and different points will be mainly described below.
[0019]
As shown in FIG. 1, a work table 20 is provided around the propeller 1, which is horizontally adjusted on the pedestal 5, and the work table 20 is provided above the boss 1 a of the propeller 1. A shaft sliding jig 11 is provided so as to surround the propeller shaft 3 that moves up and down.
[0020]
As shown in FIG. 2, three or more (four in this embodiment) roller supports are supported on the upper surface of the frame 12 so as to be slidable radially C on a horizontal plane. 13, a roller 14 rotatably supported on the roller support 13 on a horizontal axis perpendicular to the radiation direction C, and a slide for sliding and fixing each roller support 13 to the frame 12 in the radiation direction C. It has a mechanism 15. The roller 14 is formed of, or coated with, acrylic or a similar material having a small bending and a high dimensional accuracy such as a radius of rotation, and having no risk of damaging the surface of the propeller shaft 3.
[0021]
The position of the frame 12 of the shaft sliding jig 11 is fixed with respect to the propeller 1 on the pedestal 5 via the work table 20. In the shaft sliding, the shaft sliding jig 11 is moved in the radial direction. The center D of C is substantially aligned with the center axis of the propeller cone part 2, and is preferably set to be aligned.
[0022]
The slide mechanism 15 may be any suitable one as long as it can be individually adjusted and fixed. For example, the slide mechanism 15 may be a combination of a long hole and a bolt and nut for fixing the roller support 13 to the frame 12, or a slide groove and a push. It is a combination of bolts, and may be an electric mechanism or a hydraulic mechanism.
[0023]
When the propeller shaft 3 is suspended vertically as described above and the center axis thereof is inserted into the propeller cone part 2 with the center axis thereof substantially aligned with the center axis of the propeller shaft 3, the roller 14 of the shaft sliding jig 11 is rotated. The roller support 13 surrounding the parallel portion 3c forward (upper in the figure) of the tapered start portion 3b of the shaft cone part 4 and supported on the frame 12 so as to be slidable radially on one horizontal plane has a radial direction. Since it is supported rotatably on the parallel horizontal portion 3c on the horizontal axis, it can be moved forward and backward, abut against the parallel portion 3c, and its position can be fixed.
[0024]
According to the jig for aligning the propeller of a marine vessel of the present embodiment as described above, the propeller cone of the propeller 1 that is horizontally adjusted and installed on the pedestal 5 when the axle of the marine propeller and the propeller shaft are aligned. The shaft cone part 4 of the vertically suspended propeller shaft 3 is inserted into the part 2 while the center axes of the two are aligned by a hanging mechanism such as a crane, but the first insertion is performed. In this state, the roller 14 of the shaft sliding jig 11 is slid toward the parallel portion 3c of the propeller shaft 3 by the slide mechanism 15, and is fixed at the contact position.
[0025]
It is most preferable that the center D in the sliding direction of the plurality of rollers 14 of the shaft sliding jig 11 is aligned with the center axis of the propeller cone part 2. However, even if there is some deviation, the slide mechanisms 15 are individually positioned. Since the adjustment is performed, there is no problem if the position of the roller 14 is fixed in a state where the roller 14 is in contact with the parallel portion 3c of the propeller shaft 3.
[0026]
In this state, when the propeller shaft 3 is pulled out upward and reinserted, the propeller shaft 3 is inserted into the plurality of rollers 14 without causing excessive force without performing fine alignment again. If the position is gradually lowered, the propeller shaft 3 is suspended and maintains the vertical V (see FIG. 3), and is guided by the rollers 14 so that the shaft cone part 4 naturally aligns with the propeller cone part 2. It is inserted as done.
[0027]
Therefore, by using the shaft-propagating jig of the marine propeller of the present embodiment, it is not necessary to perform the centering every time when the shaft cone part 4 is inserted a plurality of times in the shaft-sliding process, thereby reducing man-hours. In addition, in the case of contact due to misalignment, useless work and time, such as re-painting the shaft cone part 4 and cleaning the propeller cone part 2, can be prevented.
[0028]
In addition, in the shaft sliding step, a customer witness inspection or the like is often performed finally, and in such a case, there is an effect that a smooth inspection can be performed.
[0029]
In addition, in the centering when the first shaft cone part 4 is inserted in the centering process, in addition to the positioning by the suspension mechanism, if the centering is finely adjusted using the roller 14 of the centering jig 11, The centering operation can be performed more efficiently.
[0030]
Although the embodiment of the present invention has been described above, it is needless to say that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications may be made to the specific structure within the scope of the present invention.
[0031]
For example, the worktable 20 on which the shaft sliding jig 11 is mounted and the frame 12 of the shaft sliding jig 11 may be integrally formed.
[0032]
As described above, the number of the rollers 14 may be three or more. However, when four rollers are provided at 90 ° intervals as in the present embodiment, it is easy to capture the moving distance in centering on the vertical and horizontal coordinates. Is more preferable.
[0033]
【The invention's effect】
(1) According to the first aspect of the present invention, the shaft cone part of the propeller shaft, in which the shaft sliding jig of the marine propeller is vertically suspended vertically, is inserted into the propeller cone part of the horizontally arranged propeller. A jig for a marine propeller used in an axle sliding step performed while detecting a contact portion, wherein the jig is supported on a frame so as to surround a parallel portion of the propeller shaft and slide radially on a horizontal plane. Three or more roller supports rotatably supported on a horizontal axis perpendicular to the radiation direction toward the parallel portion, and the roller supports are slid and fixed in the radial direction with respect to the frame, respectively. Since it is configured to have a slide mechanism, the propeller cone part of a horizontally mounted propeller is used for sliding the marine propeller and the propeller shaft. , Insert the shaft cone part of the vertically suspended propeller shaft while aligning it, but fix it at the position where the roller is in contact with the parallel part of the propeller shaft with the centering made at the first insertion Then, when the propeller shaft is pulled out upward and reinserted, the propeller shaft is guided by a plurality of rollers and inserted in a self-aligned manner without performing fine alignment again. Therefore, it is not necessary to perform the alignment every time, and the man-hour can be reduced. In the case of the contact due to the misalignment, unnecessary work and time such as repainting and washing can be prevented. Can also be performed smoothly.
[0034]
Also, in the centering when the shaft cone part is first inserted in the shaft aligning process, if the fine adjustment is performed using the roller, the centering operation can be performed more efficiently.
[0035]
(2) According to the second aspect of the present invention, in the shaft propeller jig of the first aspect of the present invention, four roller support bases are provided at 90 ° intervals on the horizontal plane. Therefore, in addition to the effect of the first aspect of the present invention, the moving distance at the time of centering can be easily grasped on the vertical and horizontal coordinates.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view of a longitudinal section of a shaft sliding jig and a boss portion of a propeller and a state of a propeller shaft during shaft sliding using a shaft sliding jig of a marine propeller according to an embodiment of the present invention. It is.
FIG. 2 is a plan view taken along the line XX in FIG.
FIG. 3 (a) is an explanatory view of a longitudinal section of a boss portion of a propeller and a state of a propeller shaft when a conventional keyless propeller for marine use is mounted on a propeller shaft, and FIG. FIG. 4 is an explanatory view of a longitudinal section of a boss portion of the propeller and a state of the propeller shaft when the propeller is mounted on the propeller shaft.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Propeller 1a Boss part 2 Propeller cone part 3 Propeller shaft 3a Flange 3b Taper starting part 3c Parallel part 4 Axis cone part 5 Base 6 Hanging tool 11 Axis sliding jig 12 Frame 13 Roller support base 14 Roller 15 Slide mechanism 20 Work table