JP2004079601A - 波長の高速制御を可能にした波長可変レーザ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2つの反射面により形成される共振器を有する波長可変レーザにおいて、レーザ光を発生する利得媒体と、RF信号を印加することにより光導波路に表面弾性波を発生させ、RF信号の周波数に対応した周波数領域の光を選択的に透過する第1のフィルタと、周期的な透過周波数領域を有する第2のフィルタとが前記共振器内に設けられている。そして、共振器から出力される出力光に含まれる前記RF信号のN倍(Nは1を含む整数)の周波数を有するビート信号の大きさに応じて、前記RF信号の周波数を制御する周波数制御手段とを有する。出力光のビート信号は、最適のRF信号の周波数に制御された時に、最小値になるので、その特性を利用することで、所望の周波数に対応するRF信号周波数への制御を正確に行うことができる。
【選択図】図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長可変レーザに関し、特に広い波長範囲内から所望の波長を高速にそして正確に制御することができる波長可変レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の通信需要の飛躍的な増大に伴い、波長が異なる複数の信号光を多重化して1本の光ファイバで大容量伝送を可能にする波長分割多重通信システム(WDM: Wavelength Division Multiplexing通信システム)の開発が行われている。このような波長分割多重通信システムにおいて、広い波長範囲内から高速に且つ正確に所望の波長光を選択できる波長可変レーザが必要になる。
【0003】
このような波長可変レーザとして、従来、光増幅器である利得媒体と、ファイバブラッグ格子により形成された2つ以上の反射フィルタと、バンドパスフィルタと、単一モードの光学ファイバとを有し、バンドパスフィルタの伝送ピークとファイバブラッグ格子による反射のピークとに一致する周波数でレーザ発振させることが提案されている(例えば以下の特許文献1参照)。この構成では、広域な周波数からのモード制御は、異なる狭域周波数帯で相互に反射する2つ以上のファイバブラッグ格子を用いて実現され、バンドパスフィルタにより、その反射スペクトルの1つを選択的に透過させて、所望の周波数に制御する。しかしながら、この構成では、所望の波長チャネル数だけのファイバブラッグ格子が必要となり、共振器が長くなり装置が大型化し、高価なものになる。
【0004】
別の波長可変レーザとして、利得媒体と回折格子からなる反射格子とを組合せたものが提案されている(例えば以下の特許文献2参照)。この構成では、反射格子を機械的に回転させることで波長選択が行われる。従って、波長制御のために大きな機械的構成が必要となるという問題点を有する。
【0005】
更に別の波長可変レーザとして、利得媒体と音響光学フィルタ(AOTF:Acousto−Optical Tunable Filter)とを組み合わせたものが提案されている(例えば以下の特許文献3参照)。この構成では、利得媒体で発生した広い波長範囲の光のうち一部が、音響光学フィルタによって選択される。つまり、音響光学フィルタの櫛形電極にRF信号を印加して表面弾性波を発生させ、光導波路での表面弾性波と伝播光との相互作用により、RF信号の周波数に対応した特定の波長の伝播光に対して偏波モードTE、TM間変換を生じさせ、その特定の波長光を選択する。しかしながら、音響光学フィルタにより特定の単一波長の光を選択することは極めて困難である。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6,091,744号公報
【0007】
【特許文献2】
米国特許第5,970,076号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2000−261086号公報(平成12年9月22日公開)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のとおり、従来の波長可変レーザは、小型化が困難であり、更に、広域周波数領域のなかから特定の周波数または波長の光を短時間で正確に選択することが困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、周波数制御を高速または正確に行うことができ、簡単な構成で小型化が可能な波長可変レーザを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、2つの反射面により形成される共振器を有する波長可変レーザにおいて、広い波長範囲の光を発生する利得媒体と、RF信号を印加することにより光導波路に表面弾性波を発生させ、RF信号の周波数に対応した周波数領域の光を選択的に透過する第1のフィルタと、周期的な透過周波数領域を有する第2のフィルタとが前記共振器内に設けられている。そして、共振器から出力される出力光に含まれる前記RF信号のN倍(Nは1を含む整数)の周波数を有するビート信号の大きさに応じて、前記RF信号の周波数を制御する周波数制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
上記発明の側面によれば、第1のフィルタは、RF信号の周波数を制御することにより、第2のフィルタの周期的な透過周波数領域のうち特定の透過周波数領域内のレーザ光を選択的に透過することができる。更に、第1のフィルタの光導波路内には、第2のフィルタの透過周波数がRF信号の周波数だけシフトした第1の光と、第2のフィルタの透過周波数の第2の光とが混在して両光の周波数差であるRF信号の周波数のビート信号が発生する。そして、RF信号の周波数が、第2のフィルタの透過周波数に対して偏波モードの変換効率が最も高い周波数の時に、第2の光強度が弱くなり、第1の光強度が高くなる。従って、それらのビート信号の大きさが最小になるようにまたは所定値以下になるように、RF信号の周波数を制御することにより、第2のフィルタの透過周波数の光を最も効率的に透過させることができる。つまり、出力光のビート信号の大きさに応じてRF信号の周波数を制御することで、高速に且つ正確に所望の周波数のレーザ光に制御することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、本発明の保護範囲は、以下の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0014】
図1は、本実施の形態に適用される波長可変レーザの概念図である。この波長可変レーザは、半透過鏡2と反射鏡6との間にレーザ共振器となるキャビティ10が形成されている。そして、この共振器10内の導波路7に沿って、光学エネルギーを発生させる利得媒体1と、所定の透過周波数領域を有する第1のフィルタ3と、周期的な透過周波数領域を有する第2のフィルタ5とが設けられる。利得媒体1は、例えば半導体光増幅素子(SOA)であり、第1のフィルタ3は、例えば音響光学フィルタであり、周波数コントローラ4によりその透過周波数を制御される。第2のフィルタ5は、例えばファブリペローエタロンフィルタ(FPエタロンフィルタ)であり、その両面の反射膜間の距離に応じて周期的で且つ離散的な複数の透過周波数領域を有する。
【0015】
上記の波長可変レーザは、本出願人により先に出願した特許出願(特願平14−84254号、平成2002年3月25日出願)に記載されている。
【0016】
図2及び図3は、図1の波長可変レーザの動作を説明するための特性図である。図2(A)は、利得媒体である半導体光増幅素子1での典型的な利得スペクトラムを示し、横軸が周波数、縦軸が利得を示し、破線はキャビティ10内でレーザ光が往復するために必要な最小限の利得レベルであり、これより高い利得の周波数領域でレーザ発振が可能になる。図2(B)は、第1のフィルタである音響光学フィルタ3の透過特性を示し、横軸が周波数で縦軸が透過率を示す。音響光学フィルタ3は、後述する動作原理により明らかになるとおり、印加するRF信号の周波数により特定される所定の周波数領域の光のみを透過し、その周波数領域外の光は除去される。第2のフィルタであるFPエタロンフィルタ5の透過ピーク間隔が広く且つ狭帯域であるので、両フィルタを組み合わせることで、第1のフィルタ3の透過周波数領域が相対的に広域であっても、単一の縦モード光を選択することができる。
【0017】
図2(C)は、FPエタロンフィルタ5の周期的な透過周波数領域特性を示す。横軸が周波数、縦軸が透過率である。FPエタロンフィルタは、透明板の両側に反射膜が形成された構成を有し、反射膜間の距離に応じて共鳴する波長の光のみを通過させる。従って、FPエタロンフィルタ5は、周期的に現れる狭い透過周波数帯域幅を有する透過特性を有する。好ましいFPエタロンフィルタは、周期的な透過周波数帯域をITUグリッドで規定された周波数に一致させるように設計される。その結果、FPエタロンフィルタを透過する複数の周波数は、波長分割多重通信システムで利用可能な周波数と一致し、あとは音響光学フィルタによりその一つを選択するだけで、光通信に利用されるレーザ光を生成することができる。
【0018】
図2(D)は、キャビティ10内で発振する縦モードの周波数スペクトルを示す。キャビティ10内でのレーザ発振の条件は、往復により生じる波長の位相変化量が360度の倍数であり、更に、往復により与えられる全損失と全利得とが基本的に同等であることである。一般には、レーザ発振は、往復による損失が最も小さい周波数の周りに生じる。キャビティの長さを短くすると、それに伴い周波数間隔が比較的広くなる。
【0019】
図3(A)は、前述の縦モードの周波数スペクトル(図2(D))と半導体光増幅素子の利得が利得特性(図2(A))とを組み合わせた図であり、半導体光増幅素子の閾値利得より高い周波数帯の縦モードがレーザ発振する。図3(B)は、更に、音響光学フィルタ3の透過特性を重ねた図であり、比較的広い透過周波数領域の縦モードのみがレーザ発振の対象になる。図3(C)は、更に、FPエタロンフィルタ5の透過特性を重ねたものである。音響光学フィルタ3の透過周波数帯域が比較的広くても、FPエタロンフィルタ5により透過する周期的かつ狭帯域な透過周波数帯の一つのみが、音響光学フィルタ3の透過特性により選択される。その結果、図3(D)に示されるような単一モードのレーザ光が選択される。
【0020】
図4は、本実施の形態における波長可変レーザの具体的構成図である。図1と同じ構成部品には同じ引用番号を与えている。ハーフミラー2とミラー6との間で共振器を構成するキャビティが形成され、その間に半導体光増幅素子1と、音響光学フィルタ3と、FPエタロンフィルタ5とが設けられている。音響光学フィルタ3には、モード変換を起こさせるためのRF信号fsが印加される。このRF信号fsを供給しその周波数を制御するのが、周波数コントローラ4に対応する。
【0021】
図4には、音響光学フィルタ3の拡大図が示される。音響光学フィルタは、LiNbO3基板12表面にTiイオン拡散により形成された光導波路16上に櫛形電極14が形成されている。そして、その櫛形電極にRF信号が印加されると、RF信号に対応した媒質の疎密が励起され、疎密波である表面弾性波が光と共に導波路16上の電界導波路18上を伝播する。それに伴い、表面弾性波と伝播光との相互作用により、伝播光の偏波モードが、TEからTMへ、若しくはTMからTEへと変換される。このモード変換は、表面弾性波の周期に対応したある特定の波長の光に対してのみ起こり、その表面弾性波の周期は、RF信号の周波数に対応している。従って、RF信号の周波数とモード変換を起こす光の波長(周波数)とはユニークに対応付けられる。
【0022】
入射光の偏光モードがTEでありその周波数がf0とすると、音響光学フィルタの基板12上の導波路16に設けられた偏波分離手段である偏光ビームスプリッタPBSにより、モード変換されたTM波のみが導波路16に沿って出力され、モード変換されなかったTE波は分離される。モード変換されたTM波の周波数は、入射光の周波数f0とRF信号の周波数fsの和f0+fsである。このように、偏光ビームスプリッタによりモード変換された伝播光のみが選択的に出力されるので、結局、RF信号の周波数を制御することにより、音響光学フィルタ3の透過周波数帯域を可変制御することができる。なお、入射光の周波数f0に対して、RF信号の周波数fsは非常に低い値である。
【0023】
図5は、音響光学フィルタを用いた波長可変レーザの波長選択の原理を示す図である。図5(a)は、図2(D)と同じ共振器の縦モードの周波数スペクトラムを示し、それらの縦モード発振のうち、図5(b)に示されるFPエタロンフィルタの周期的透過特性により、離散的な周波数f0、f−1、f1の光が選択される。そして、図5(c)に示されるとおり、音響光学フィルタの特性AOTFにより、離散的な周波数f0、f−1、f1のうち、一つの周波数f0が選択されて、単一縦モード発振が実現される。
【0024】
以上のように、本実施の形態における波長可変レーザでは、FPエタロンフィルタの透過波長のうち発振させたい波長に音響光学フィルタの透過率が最大になる波長を一致させる必要がある。隣接する周波数成分が混在することは、波長多重通信システムではノイズとなり、好ましくない。そのためには、音響光学フィルタに印加するRF信号の周波数fsを制御しながら、レーザの光出力が最大になるようにすることが考えられる。
【0025】
しかしながら、図5(c)に示されるとおり、音響光学フィルタの透過特性AOTFは、比較的広域におよぶ穏やかなカーブを有する。これは、レーザ装置自体の小型化に伴って音響光学フィルタの長さを短くすることが原因であり、短くするとより穏やかな透過特性になる。従って、FPエタロンフィルタの周期的な透過周波数帯間のフリースペクトルレンジに比較して、音響光学フィルタの透過周波数帯域幅が十分に広く、RF信号の周波数を変化させてその透過周波数帯域のピーク値をずらしても、光出力の大きさが殆ど変化しないままで、発振周波数がFPエタロンフィルタの隣の透過周波数f1やf−1に移ってしまうことが、本発明者らにより見いだされた。
【0026】
図6は、波長可変レーザの光出力と発振波長とRF信号の周波数との関係を示すグラフ図である。横軸にRF信号の周波数(MHz)を、縦軸にレーザ光出力と発振波長とが示されている。発振波長は、1.549μm〜1.556μmのレンジが示されている。図6の例では、RF信号の周波数fsを175MHz近傍に制御すると、破線で示されるとおり、発振周波数f0の波長の光が発振し、RF信号の周波数fsを高くすると隣の発振周波数f−1の波長の光が発振し、逆にRF信号の周波数fsを低くすると逆となりの発振周波数f1の波長の光が発振する。一方、図中実線で示されるとおり、RF信号の周波数fsを変化させて発振周波数が隣に移行しても、光出力の大きさはほぼ一定になる。従って、光出力をモニタしてRF信号の周波数fsを制御することは困難である。その結果、サイドモード抑圧比の減少や多モード発振など、レーザの発振状態の悪化を招くことになる。
【0027】
前述のとおり、音響光学フィルタでは、RF信号の周波数fsに対して、偏光方向が変わるモード変換対象の光周波数はユニークに対応する。例えば、fs=175MHzに対しては波長λ=1.55μmの光がTEからTMへ、またはTMからTEへのモード変換を受ける。RF信号周波数fsを変化させると、異なる波長の光がモード変換を受ける。また、音響光学フィルタでは、偏波モードの変換と同時に、電界導波路18においてドップラーシフトによりRF信号の周波数fsだけ透過光の周波数がシフトする。従って、モード変換された伝播光の周波数はf0+fsにシフトする。そして、RF信号の周波数fsが最適値からずれるとモード変換効率が下がり、周波数fsに対応するモード変換対象周波数f0の光のうち、モード変換されて伝播する周波数f0+fsの光強度が下がる。その一方で、モード変換されないでTE波のままで伝播する周波数f0の光強度が高くなる。つまり、導波路18内には、周波数f0+fsのTM波と周波数f0のTE波とが混在して伝播する。
【0028】
一方、RF信号の周波数fsがモード変換対象周波数f0にちょうど対応する最適の周波数の場合は、周波数f0の光のモード変換効率が最大になり、周波数f0の殆どがモード変換されて周波数f0+fsのTM波となり、モード変換されない周波数f0のTE波の光強度は低くなる。
【0029】
そこで、発明者らは、上記の特性を考慮して、レーザ光に含まれる周波数f0+fsと周波数f0の光のビート信号(周波数fsまたはその整数倍)の強度を監視することにより、最適のRF信号周波数fsに制御することが可能であることを見いだした。即ち、レーザ装置の出力光に含まれるRF信号の周波数fsのN倍(Nは1を含む整数)のビート信号の大きさが最小になるように、RF信号の周波数fsを制御すれば、所望のレーザ光周波数f0に対応するRF信号にすることができる。あるいは、ビート信号の大きさが所定値以下になるようにfsを制御すれば良い。
【0030】
ビート信号の周波数がfsの整数倍になるのは、音響光学フィルタ3を多段構成にした場合や、音響光学フィルタ3の端面で反射が発生する場合などに、周波数シフトが複数回発生するのが原因と推察される。つまり、周波数シフトした光の周波数がf0+2fs、f0+3fsとなると、それによりビート信号の周波数は2fs、3fsとより高次になる。例えば、前述のLiNbO3基板にイオン拡散により光導波路を形成した音響光学フィルタの場合、1.55μm帯の光を選択するためのRF信号の周波数fsは175MHz程度であるが、その結果、175MHz、350MHz、525MHz、700MHzなどの周波数のビート信号が発生する。特に、2倍の周波数の成分が最も大きなビート強度を有する。
【0031】
図7は、波長可変レーザの光出力のビート信号と発振波長とRF信号の周波数との関係を示すグラフ図である。RF信号周波数fsと発振波長に対する発振周波数f0、f1、f−1との関係は、図6と同じである。図7には、RF信号の周波数fsを変えたときの光出力のビート信号の大きさが実線で示される。ここに示されるとおり、RF信号の周波数fsが最適値になるときに、伝播光のモード変換が最も効率的に行われ、それに伴ってビート信号強度は最小になる。しかも、FPエタロンフィルタの透過周波数毎にそのビート信号強度が最小になるようにすることができる。
【0032】
図8は、音響光学フィルタのRF信号周波数に対する透過光強度とビート信号強度とを示すグラフ図である。横軸はRF信号の周波数fsを、縦軸は雑音レベルをそれぞれ示す。この図から、X印で示された透過光(出力光)強度にはRF信号の周波数依存はないが、丸印で示されたビート信号強度にはRF信号の周波数依存があるのが理解される。
【0033】
このように、ビート信号の大きさが最小になるようにRF信号の周波数fsを制御すれば、音響光学フィルタの透過強度が最大になる波長と、周期的なFPエタロンの透過波長とを一致させることができる。更に、発振波長がFPエタロンフィルタの隣の透過波長に移る前に、ビート信号の大きさは大きくなるので、ビート信号の大きさを監視すれば、単一の透過波長に維持することが可能になる。その結果、本実施の形態の波長可変レーザにおいて、FPエタロンフィルタの透過周波数帯域間のフリースペクトルレンジに対して、音響光学フィルタの波長選択幅が比較的広い場合でも、安定した波長選択を行うことができる。
【0034】
図9は、本実施の形態における波長可変レーザの構成図である。図4に示した波長可変レーザ20の光出力22を、光カプラ24によって一部分離して、モニタ光22Bを取り出す。このモニタ光22Bを光電変換素子などの光検出器26で電気信号に変換し、バンドパスフィルタ28により、ビート信号の周波数成分のみを抽出して、RF信号制御回路32により、そのビート信号強度が最小になるようにRF信号の周波数fsを制御する。つまり、選択しようとしているFPエタロンフィルタの透過周波数に対応するRF信号の周波数fsに制御し、且つ、その近傍でビート信号が最小値になるように周波数fsを制御することで、隣接する周波数の雑音を含まない所望の単一の周波数のレーザ光に制御することができる。
【0035】
上記のバンドパスフィルタ28は、RF信号周波数fsの整数倍の周波数を通過するように構成される。より好ましい実施例では、RF信号周波数fsの2倍の周波数成分を通過させる。ビート信号のうちRF信号周波数の2倍の周波数成分が最も大きく且つRF周波数依存性も大きいので、その大きなビート信号を利用することで制御を容易に且つ正確に行うことができる。
【0036】
図10は、本実施の形態における波長可変レーザの構成図である。この例では、波長可変レーザ20からの出力光の一部を分離する光カプラとしてハーフミラー38を利用している。更に、ハーフミラーで分離抽出したモニタ光22BをフォトダイオードPDで電気信号42に変換し、その直流成分34とバンドパスフィルタ28を通過させたビート成分30とをRF信号制御回路32に供給する。RF信号制御回路では、ビート成分を直流成分で除して正規化したビート信号強度が最小になるようにまたは所定値以下になるように、音響光学フィルタのRF信号周波数fsを制御する。ビート成分と直流成分の比を利用することにより出力光の強度に依存しない正規化された値をモニタすることができる。
【0037】
発振波長を1.55μm帯にするためには、RF信号周波数は175MHz程度に制御される。ハーフミラー38は、例えば9:1で出力光を分離して、比率1のほうのモニタ光22Bが1.55μm帯用のフォトダイオードPDに入射され、比率9のほうの出力光22Aが、レンズ40を介して光ファイバ36に入射される。フォトダイオードPDにより変換された電気信号42は、例えば、音響光学フィルタに印加するRF信号周波数fsの2倍の周波数成分、即ち340〜360MHzの成分が、バンドパスフィルタ28で通過させられる。そして、前述のとおり、ビート成分30と直流成分34との比が最小もしくは所定値より低くなるように、RF信号周波数fsが制御される。RF信号周波数fsの2倍の周波数成分のビート信号を監視するので、感度を高くすることができる。また、電気信号42のビート成分と直流成分との比を監視するので、モニタ光22Bの強度が変化しても、その比は一定に正規化されているので、RF信号周波数の制御に適している。
【0038】
図11は、本実施の形態における波長可変レーザの更に別の構成図である。この例では、波長可変レーザ20からの出力光が、先端がテーパ状で且つ球になっているファイバ50に光結合され、その光ファイバに光結合した光の一部を、ファイバカプラ52によりモニタ光22Bとして取り出している。またファイバカプラ42を通過した出力光22Aは、光ファイバを通じて光通信の光源として利用される。それ以外の構成は、図10と同じである。
【0039】
以上、実施の形態例をまとめると以下の付記の通りである。
【0040】
(付記1)波長可変レーザにおいて、
共振器を有し、
広帯域な利得を有する利得媒体と、RF信号を印加することにより光導波路に表面弾性波を発生させ、前記RF信号の周波数に対応した周波数領域の光を選択的に透過する第1のフィルタと、周期的な透過周波数領域を有する第2のフィルタとが前記共振器内に設けられ、
更に、前記共振器から出力される出力光に含まれる前記RF信号の周波数のN倍(Nは1を含む整数)を有するビート信号の大きさに応じて、前記RF信号の周波数を制御する周波数制御手段を有することを特徴とする波長可変レーザ。
【0041】
(付記2)付記1において、
前記周波数制御手段は、前記ビート信号の大きさが所定のRF信号周波数範囲内で最小値になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。
【0042】
(付記3)付記1において、
前記周波数制御手段は、前記ビート信号の大きさが所定のRF信号周波数範囲内で所定値以下になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。
【0043】
(付記4)付記1において、
前記周波数制御手段は、ビート信号の大きさと前記出力光の大きさとの比が、所定のRF信号周波数範囲内で最小値になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。
【0044】
(付記5)付記1において、
前記周波数制御手段は、ビート信号の大きさと前記出力光の大きさとの比が、所定のRF信号周波数範囲内で所定値以下になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。
【0045】
(付記6)付記1において、
前記第1のフィルタは、光導波路に近接して前記RF信号が印加されて表面弾性波を発生する電極を有し、当該表面弾性波により伝播光を偏光モード変換し、偏光モード変換された光が取り出される音響光学フィルタであることを特徴とする波長可変レーザ。
【0046】
(付記7)付記1において、
前記第2のフィルタは、ファブリペローエタロンフィルタであることを特徴とする波長可変レーザ。
【0047】
(付記8)付記1において、
前記周波数制御手段は、前記第2のフィルタが透過する周期的な透過周波数のうちの、選択しようとする周波数に対応するRF信号周波数に制御して、当該選択しようとする周波数のレーザ光を出力させることを特徴とする波長可変レーザ。
【0048】
(付記9)付記1において、
前記周波数制御手段が監視する前記ビート信号が、前記RF信号の周波数の2倍の周波数の信号を有することを特徴とする波長可変レーザ。
【0049】
(付記10)付記1において、
更に、前記共振器から出力される出力光の一部を分離する分離手段と、
当該分離された光を電気信号に変換する光電変換手段と、
前記電気信号から前記ビート信号成分を抜き出す手段とを有し、
前記周波数制御手段は、前記ビート信号成分が最小になるように前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。
【0050】
(付記11)付記10において、
前記分離手段は、入射光の一部を反射し、一部を透過するハーフミラーを有することを特徴とする波長可変レーザ。
【0051】
(付記12)付記10において、
更に、前記共振器から出力される出力光を光結合する光ファイバを有し、
前記分離手段は、前記光ファイバに結合した光出力の一部を分離するファイバカプラを有することを特徴とする波長可変レーザ。
【0052】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、共振器内に、利得媒体と、周期的な透過特性を有するフィルタと、RF信号により透過特性が選択可能な音響光学フィルタとを有する波長可変レーザにおいて、音響光学フィルタのRF信号の周波数制御をより正確または高速に行うことができ、安定した波長選択が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に適用される波長可変レーザの概念図である。
【図2】図1の波長可変レーザの動作を説明するための特性図である。
【図3】図1の波長可変レーザの動作を説明するための特性図である。
【図4】本実施の形態における波長可変レーザの具体的構成図である。
【図5】音響光学フィルタを用いた波長可変レーザの波長選択の原理を示す図である。
【図6】波長可変レーザの光出力と発振波長とRF信号の周波数との関係を示すグラフ図である。
【図7】波長可変レーザの光出力のビート信号と発振波長とRF信号の周波数との関係を示すグラフ図である。
【図8】音響光学フィルタのRF信号周波数に対する透過光強度とビート信号強度とを示すグラフ図である。
【図9】本実施の形態における波長可変レーザの構成図である。
【図10】本実施の形態における波長可変レーザの具体的な構成図である。
【図11】本実施の形態における波長可変レーザの具体的な構成図である。
【符号の説明】
1 半導体光増幅素子、利得媒体
2,6 共振器、キャビティ
3 音響光学フィルタ
4 周期的透過波長を有するフィルタ、FPエタロンフィルタ
fs RF信号の周波数
32 RF信号周波数の制御回路
Claims (9)
- 波長可変レーザにおいて、
共振器を有し、
広帯域な利得を有する利得媒体と、RF信号を印加することにより光導波路に表面弾性波を発生させ、前記RF信号の周波数に対応した周波数領域の光を選択的に透過する第1のフィルタと、周期的な透過周波数領域を有する第2のフィルタとが前記共振器内に設けられ、
更に、前記共振器から出力される出力光に含まれる前記RF信号の周波数のN倍(Nは1を含む整数)を有するビート信号の大きさに応じて、前記RF信号の周波数を制御する周波数制御手段を有することを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記周波数制御手段は、前記ビート信号の大きさが所定のRF信号周波数範囲内で最小値になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記周波数制御手段は、前記ビート信号の大きさが所定のRF信号周波数範囲内で所定値以下になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記周波数制御手段は、ビート信号の大きさと前記出力光の大きさとの比が、所定のRF信号周波数範囲内で最小値になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記周波数制御手段は、ビート信号の大きさと前記出力光の大きさとの比が、所定のRF信号周波数範囲内で所定値以下になるように、前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記第1のフィルタは、光導波路に近接して前記RF信号が印加されて表面弾性波を発生する電極を有し、当該表面弾性波により伝播光を偏光モード変換し、偏光モード変換された光が取り出される音響光学フィルタであることを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記第2のフィルタは、ファブリペローエタロンフィルタであることを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
前記周波数制御手段が監視する前記ビート信号が、前記RF信号の周波数の2倍の周波数の信号を有することを特徴とする波長可変レーザ。 - 請求項1において、
更に、前記共振器から出力される出力光の一部を分離する分離手段と、
当該分離された光を電気信号に変換する光電変換手段と、
前記電気信号から前記ビート信号成分を抜き出す手段とを有し、
前記周波数制御手段は、前記ビート信号成分が最小になるように前記RF信号周波数を制御することを特徴とする波長可変レーザ。
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