JP2004078499A - 流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法 - Google Patents
流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004078499A JP2004078499A JP2002237102A JP2002237102A JP2004078499A JP 2004078499 A JP2004078499 A JP 2004078499A JP 2002237102 A JP2002237102 A JP 2002237102A JP 2002237102 A JP2002237102 A JP 2002237102A JP 2004078499 A JP2004078499 A JP 2004078499A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- content
- format
- product
- sample
- distribution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 74
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims abstract description 6
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 17
- 238000000605 extraction Methods 0.000 claims description 6
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 abstract description 7
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 11
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 9
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 8
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 7
- 238000006731 degradation reaction Methods 0.000 description 7
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 5
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 4
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 4
- 101000969688 Homo sapiens Macrophage-expressed gene 1 protein Proteins 0.000 description 3
- 102100021285 Macrophage-expressed gene 1 protein Human genes 0.000 description 3
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 2
- 238000003908 quality control method Methods 0.000 description 2
- 206010000117 Abnormal behaviour Diseases 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000004590 computer program Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 1
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 238000010561 standard procedure Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Television Signal Processing For Recording (AREA)
- Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
- Storage Device Security (AREA)
- Television Systems (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
【課題】サンプル/製品の切り替えを行うことで1つのファイルから2つの品質のコンテンツを提供するものがある。サンプル版は製品コンテンツ内のデータにノイズ等を混入して作成されており、製品コンテンツの再生時には、ノイズ除去を実施しながら再生するため処理負荷が重くなり、「音とび」や「コマ落ち」が起こることがある。また、サンプルは、製品コンテンツの品質を劣化させただけものであり、他の付加価値を加えることができない。
【解決手段】流通コンテンツ作成装置10では、サンプルコンテンツ1と製品コンテンツ2を異なるデータフォーマットでフォーマット変換し、フォーマット変換された製品コンテンツと流通コンテンツを結合して流通コンテンツ3を作成する。また、製品コンテンツ2についてはフォーマット変換と共に、データの圧縮と暗号化を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】流通コンテンツ作成装置10では、サンプルコンテンツ1と製品コンテンツ2を異なるデータフォーマットでフォーマット変換し、フォーマット変換された製品コンテンツと流通コンテンツを結合して流通コンテンツ3を作成する。また、製品コンテンツ2についてはフォーマット変換と共に、データの圧縮と暗号化を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツ/製品コンテンツを切り替えて閲覧するための流通コンテンツに関する発明であり、流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ユーザが、内容の確認ができないデジタルコンテンツを購入する際には、事前に内容を確認した上で納得して購入するための手段が必要となる。これを実現する方法として、サンプルコンテンツ/製品コンテンツの切り替えを行うことで1つのファイルから2つの品質のコンテンツを提供する流通コンテンツが提案されてきた。
この方法は、サンプルコンテンツと製品コンテンツをインターネット上の販売サイトなどで別々に提供する場合と比較して有効である。なぜなら、利用者間で流通コンテンツを交換し合うことが可能になり、販売サイトへの入店者数よりもより多くの潜在的購入者へ、製品となり得るコンテンツを配布することが可能になるためである。
【0003】
しかし、従来のサンプルコンテンツ/製品コンテンツの切り替え方式では、サンプルコンテンツの品質及び製品コンテンツの品質などに問題があり、実用的とはいい難い面もあった。
【0004】
以下、従来のサンプルコンテンツ/製品コンテンツ切り替え方式の内容について説明する。
従来の流通コンテンツのサンプルコンテンツ/製品コンテンツ切り替え方式は以下の特徴を有する。
(1)一般に普及しているデータフォーマットでコンテンツを提供し、汎用閲覧プログラムで閲覧を可能としている。
(2)製品コンテンツ内のデータにノイズ混入等を行い品質を劣化させ、サンプル版を作成している。
(3)通常の閲覧ではサンプル版のコンテンツのみ閲覧可能であり、製品版のコンテンツを閲覧するには、専用の閲覧プログラムにて品質劣化させた部分を元に戻して閲覧するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来方式では、以下の前提があることがわかる
・サンプルコンテンツと製品コンテンツは同一データである。
・サンプルコンテンツと製品コンテンツは同一データフォーマットである。
・データフォーマットは汎用閲覧ソフトが対応する普及した規格を採用する。
【0006】
しかしながら、これらの前提は、マルチメディア分野における高圧縮・高品質を実現する新しいデータフォーマットの利用を妨げ、サンプルの品質・製品の品質の問題を提起しており、以下のような問題がある。
(1)普及しているデータフォーマットは数世代前の技術であり、技術革新の著しい最新の高圧縮・高品質技術の恩恵を受けられない。このため、データサイズの大きい、品質の低いものを製品として扱わなければならない
(2)サンプルコンテンツは、製品コンテンツの品質を劣化させたものであり、販売促進用途としての付加価値を加えることができない。このため、購入時の訴求力を高めることが困難である。
(3)動画や音響の再生を必要とするコンテンツでは、再生時の全域でノイズ除去を実施しなければならず、再生時の閲覧プログラム処理負荷が高くなり、「音とび」や「コマ落ち」等の品質劣化が起こる可能性がある(サンプルの方が安定した再生ができる本末転倒な状態が生じる恐れがある)。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、従来のサンプルコンテンツ/製品コンテンツ切り替え方式の問題点を解決し得る、流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の流通コンテンツ作成装置は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置であって、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手段と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手段とを具備することを特徴とする。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0009】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換手段より製品コンテンツをフォーマット変換する際には、データを圧縮してフォーマット変換する手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、従来より小さいデータサイズの流通コンテンツを作成できる。
【0010】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツへのID情報(識別記号)の埋め込み手段と、前記フォーマット変換された製品コンテンツへのID情報の埋め込み手段と、前記フォーマット変換された製品コンテンツの暗号化手段と、前記暗号化された製品コンテンツを閲覧するためのライセンス情報を生成するためのライセンス生成手段とをさらに具備する。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0011】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツへID情報(識別記号)を埋め込む際には、電子透かしによる埋め込みか、又はデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の手段を使用することを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情報を埋め込むことができる。
【0012】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合するために、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込むためのステガノグラフィ埋め込み手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0013】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合するために、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込むための手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0014】
また、本発明の流通コンテンツは、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとが結合して記録される流通コンテンツであって、第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換されたサンプルコンテンツと、第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換された製品コンテンツとが所定の方式により結合されて記録されることを特徴とする。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0015】
また、本発明の流通コンテンツは、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツにはサンプルコンテンツを識別するためのID情報(識別記号)が埋め込まれ、前記フォーマット変換された製品コンテンツには製品コンテンツを識別するためのID情報が埋め込まれ、さらに、前記フォーマット変換された製品コンテンツが暗号化されて記録されることを特徴とする。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0016】
また、本発明の流通コンテンツは、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツのID情報が、電子透かしによる埋め込みか、またはデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方により記録されることを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情報を埋め込むことができる。
【0017】
また、本発明の流通コンテンツは、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込まれることを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0018】
また、本発明の流通コンテンツは、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込まれることを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0019】
また、本発明の流通コンテンツ再生装置は、サンプルコンテンツと製品コンテンツが異なるデータフォーマットで記録されると共、製品コンテンツが暗号化されて記録された流通コンテンツを再生するための流通コンテンツ再生装置であって、流通コンテンツ中のID情報(識別記号)を読み取るためのID読み出し手段と、前記ID情報を基に、ライセンス情報を取得するためのライセンス取得手段と、前記ライセンス情報を基に、暗号化された製品コンテンツを取り出すための製品コンテンツ抽出手段と、前記ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化するための復号化手段と、再生するコンテンツをサンプルコンテンツか又は製品コンテンツに切り替えるための閲覧モード切り替え手段とを具備することを特徴とする。
これにより、従来の品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のような劣化を戻すための負荷が発生しないため、製品コンテンツの再生負荷が低くなる。このため、従来方式のような「音飛び」や「コマ落ち」等の品質劣化が起こる可能性がない。
【0020】
また、本発明の流通コンテンツの作成方法は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置における流通コンテンツの作成方法であって、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順とを具備することを特徴とする。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0021】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置内のコンピュータに、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
また、本発明のコンピュータプログラムは、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置内のコンピュータに、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順とを実行させるためのプログラムである。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。
【0024】
[発明の背景思想]
本発明で使用するサンプルコンテンツ/製品コンテンツの切り替え方法は、以下の機能を実現することを目的としている。
(1)従来の方法より小さいデータサイズの流通コンテンツの提供を可能とし、かつサンプルコンテンツは汎用閲覧プログラムで閲覧を行うことを可能とする。
(2)サンプルコンテンツは、製品版の品質劣化バージョンという、従来の定型的な手法を排除し、広告のような販売促進のための付加情報も提供できるサンプルコンテンツとする。
(3)製品コンテンツ閲覧時の閲覧プログラムの再生負荷を、サンプルコンテンツ閲覧時と同等とする。
【0025】
さらにまた、本発明では、以下の考え方を発想の軸としている。
「サンプルコンテンツは汎用閲覧プログラムで閲覧できなければならないが、製品コンテンツは専用閲覧プログラムでしか扱わない」という前提条件より、以下のようにすることができる。
▲1▼ 専用閲覧プログラムで閲覧する製品コンテンツのデータフォーマットは、一般に普及していない規格でもよい。
▲2▼ サンプルと製品コンテンツが別フォーマットでよければ(つまり別々に用意することができれば)、内容が同一である必要はない。
▲3▼ 品質を劣化させていない製品コンテンツを扱えれば、劣化を戻す負荷は再生時に発生しない。
以上のような、技術的な思想及び発想のもとに、本発明はなされたものである。
【0026】
[システム構成の説明]
本発明によるシステム構成図(流通コンテンツ作成装置及び流通コンテンツ再生装置)を図1に示す。なお、本方式で対象とするコンテンツの種類は、静止画像、音響、動画映像、ドキュメントなどのデジタルコンテンツである。
【0027】
図1において、流通コンテンツ作成装置10は、サンプルコンテンツ1と製品コンテンツ2から、流通コンテンツ3を作成するための装置であり、流通コンテンツ作成装置10には、以下の機能が含まれる。
・ID埋め込み・フォーマット変換機能11は、サンプルコンテンツ1と製品コンテンツ2のそれぞれのデータフォーマットを指定し、指定フォーマットへ変換する機能(フォーマット変換機能)であり、また、コンテンツを特定するためと不正使用抑止のために各コンテンツにID情報(識別記号)を埋め込む機能(ID埋め込み機能)である。なお、ID埋め込み方法としては、「電子透かし」と「データフォーマットのヘッダの自由領域(ユーザ拡張領域)等のフォーマット構造に影響しない部分への埋め込み」とを併用する。
・暗号化機能12は、指定した暗号キーを用いて、製品コンテンツを暗号化するための機能である。
・コンテンツ結合機能13は、図2に示すように、フォーマット変換されたサンプルコンテンツ1aとフォーマット変換された製品コンテンツ2aを、図2に示すデータ構造に結合するための機能である。また、製品コンテンツを復号化する際に必要となる情報をひとまとめにしたものをライセンス情報として出力する機能も有する。
なお、サンプルコンテンツと製品コンテンツの結合方法としては、サンプルコンテンツ中の「音響、画像データの知覚しづらい領域の値を製品コンテンツのデータと差し替える方法(ステガノグラフィ)」、「サンプルコンテンツとのデータフォーマットの整合性を保ったまま追加する方法(データフォーマットのユーザ拡張領域等に製品コンテンツのデータを埋め込む)」の2つの方法を併用する(製品コンテンツの埋め込み方法についての詳細は後述する)。これにより、流通コンテンツのサイズは、「サンプルコンテンツのサイズ+製品コンテンツのサイズ」よりも小さくなる。
【0028】
また、流通コンテンツ再生装置20を使用することにより、流通コンテンツ3から、汎用閲覧プログラムまたは流通コンテンツ閲覧プログラムを用いてサンプルコンテンツ1を閲覧することができる。また、流通コンテンツ閲覧プログラムと、ライセンス購入によりライセンス情報を得ることでサンプルコンテンツ1から製品コンテンツ2へ切り替えて製品コンテンツ2を閲覧することができる。
このために、流通コンテンツ再生装置20内には以下の機能が含まれる。
・ID読み出し機能21は、流通コンテンツ3からID情報を読み取る機能である。
・ライセンス取得機能22は、ID情報を基にライセンス情報を取得するために機能である。なお、ライセンス購入手続き(別システムを通して行われる)の結果としてライセンス情報が流通コンテンツ再生装置20内に保存される。
・製品コンテンツ抽出機能23は、ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツ2を流通コンテンツ3から取り出すための機能である。
【0029】
・復号化機能24は、ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化するための機能である。なお、復号化機能24により復号が完了するため、従来のような再生時に劣化を及ぼす再生負荷は発生しない。
・閲覧モード切り替え機能25は、製品コンテンツを閲覧できるように再生機能への入力を製品コンテンツに切り替えるための機能である。
・再生機能26は、再生するコンテンツを表示画面、スピーカに出力するための機能である。
【0030】
以上説明した本発明の流通コンテンツ作成装置10及び流通コンテンツ再生装置20を使用することにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツとを同一内容にする必要はなくなり、サンプルコンテンツに新聞広告の静止画像やプロモーションビデオを用い、本編を製品コンテンツとする等の利用が可能になる。また、製品コンテンツは1つでなくてもよく、複数の静止画像をたばねて「本」としたり、複数の楽曲をまとめてアルバムとして扱うコンテンツの作成も可能になる。さらに、サンプルコンテンツに動画(プロモーションビデオ)を用い、製品コンテンツを音響とするように、複数の種別のメディアの組み合わせも可能となる。
【0031】
また、図2に流通コンテンツ3のデータ構造を示す。図2に示す流通コンテンツの例は、サンプルコンテンツ1aのデータ内にコンテンツを識別するIDと製品コンテンツ2aそのものを埋め込んだ例である。
なお、製品コンテンツの埋め込み方法については、後で詳細に説明する。
【0032】
また、従来方式と本発明の方式におけるデータサイズの比較例を図3に示す。・従来方式のサンプル/製品兼用の流通コンテンツ4のデータは、全体がMPEG1でフォーマットされたデータで占められており、そのデータサイズは約50MBである。
・本発明の方式では、MPEG1でフォーマットされたデータのデータサイズを半分(30fpsから15fpsに)にし品質を低下させたサンプルコンテンツ1bを作成する。このサンプルコンテンツ1bのデータサイズは25MBである。
・また、新たな高圧縮・高品質フォーマットにて製品コンテンツ2bを作成する。この例では、20%程度までに圧縮可能なフォーマットを製品コンテンツ2bに採用することで、製品コンテンツ2bのデータサイズは10MBとなる。
従って、本発明による流通コンテンツでは、従来方式の流通コンテンツより30%以上のデータサイズの軽減が図られる。
【0033】
また、図4に、流通コンテンツ作成装置における動作の流れを示す。
流通コンテンツ作成は以下ようにして行われる。
(1)フォーマット変換(ステップS1、S2)
サンプルコンテンツ1および製品コンテンツ2のそれぞれに対して、流通させるデータフォーマットを指定し、指定フォーマットへ変換する。
(2)ID埋め込み(ステップS3、S4)
流通コンテンツ再生装置(再生装置)20でコンテンツを特定するためと、不正使用抑止のために各コンテンツにID情報(識別記号)を埋め込む(ステップS3、S4)。ここで「ID埋め込み」は、「電子透かし」と、「ヘッダの自由領域等」のフォーマット構造に影響しない部分への埋め込みを用いる。
(3)製品コンテンツ暗号化(ステップS5)
製品コンテンツを、指定した暗号キーを用いて暗号化する。
(4)コンテンツ結合(ステップS6)
サンプルコンテンツと製品コンテンツを図2に示す構造に結合し、流通コンテンツ3を生成する。また、このときに、製品コンテンツ2を復号化する際に必要となる情報をひとまとめにしたものをライセンス情報5として出力する。
【0034】
なお、製品コンテンツの埋め込み方法は、「音響、画像データの知覚しづらい領域の値と差し替える方法」と「データフォーマットの整合性を保ったまま追加する方法」の2つを併用する(詳細は後述する)。これにより、流通コンテンツのサイズは、「サンプルコンテンツのサイズ+製品コンテンツのサイズ」よりも小さくなる。
(5)作成した流通コンテンツ3を、市場に流通させる。
【0035】
また、図5に、流通コンテンツ再生装置における動作の流れを示す。
流通コンテンツの再生は以下ようにして行われる。
(1)ID読み出し(ステップS11)
流通コンテンツ3に記録されたサンプルコンテンツからIDを読み取る。
(2)ライセンス取得(ステップS12)
ID情報を基にライセンス情報5を取得する。本例では、ライセンス購入手続き(別システム)の結果としてライセンス情報5が流通コンテンツ再生装置20に保存される。
(3)製品コンテンツ抽出(ステップS13)
ライセンス情報5を基に暗号化された製品コンテンツを流通コンテンツ3から取り出す。
(4)復号化(ステップS14)
ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化する。この時点で復号化が完了するため、従来のような再生時に劣化を戻す再生負荷は発生しない。
(5)閲覧モード切替(ステップS15)
製品コンテンツを閲覧できるように再生機能への入力を製品コンテンツに切り替える.
(6)再生(ステップS16)
画面、スピーカに出力する(再生)
【0036】
なお、図1に示す流通コンテンツ作成装置10及び流通コンテンツ再生装置20内の各処理機能は、専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、また、各処理機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより流通コンテンツ作成装置10及び流通コンテンツ再生装置20に必要な処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可般媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、及び流通コンテンツ再生装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0038】
[製品コンテンツの埋め込み方法についての補足説明]
本発明では、サンプルコンテンツと製品コンテンツを結合する場合の、製品コンテンツの埋め込み方法として、「ステガノグラフィ」と「データフォーマットのユーザ拡張領域へのデータ埋め込み方法」を併用しているが、その理由、及び埋め込むデータの種類について以下に説明する。
【0039】
サンプルコンテンツへ製品コンテンツを埋め込む方法としては、大分類として、「データ領域への埋め込み」と、「制御領域への埋め込み」の2つの方法がある。
・「データ領域への埋め込み」は、サンプルコンテンツのデータ領域に、製品コンテンツのデータを埋め込む(挿入)方法である。
・「制御領域への埋め込み」は、サンプルコンテンツのデータフォーマット(規格)が定める制御コードの領域に製品コンテンツのデータを埋め込む(挿入)方法である。
【0040】
以下、「データ領域への埋め込み」と、「制御領域への埋め込み」の各方法について説明する。
(1)データ領域への埋め込み方法
・ステガノグラフィ
図2に示す「音響、映像データの知覚しづらい領域の値と入れ替え」を実現する方法であり、画像や音楽などのデジタルコンテンツの中に、画質、音質に影響を及ぼさないように特別な情報を埋め込む技術である。埋め込む場所は、画像ではRGB(またはYCrCb)信号の各最下位ビット〜2ビット程度の色差が目立たない領域であり、この領域の値を埋め込む情報で置き換える。この方法では、サンプルコンテンツのデータサイズは増加しない。なお、次に説明する「電子透かし」と同様な埋め込み方法である。
・電子透かし
画像や音楽などのデジタルコンテンツの中に、画質、音質に影響を及ぼさないように特別な情報を埋め込む技術である。ステガノグラフィとの違いは、耐性を高めるために「特別な情報」は冗長性を持って記録するため、ステガノグラフィより埋め込める情報量は少ない。
・コマ挿入
サンプルコンテンツ映像の数コマ置きに製品コンテンツの映像1コマ分を挿入する。あまり頻繁に挿入すると、通常鑑賞(サンプル版の鑑賞)でも確認できてしまう(1コマ/1秒程度が目安)。また、コマ送り等の特殊再生時に挿入映像が確認されてしまう。サンプルファイルサイズは、挿入コマ数の分増加する。
・コマ差し替え
サンプルコンテンツ映像の数コマ置きに製品コンテンツの映像1コマ分と置き換える。あまり頻繁に挿入すると、通常鑑賞でも確認できてしまう(1コマ/1秒程度が目安)。また、コマ送り等の特殊再生時に差し替え映像が確認されてしまう。サンプルファイルサイズは、増加しない。
・可視ノイズ
電子透かしのように、画質、音質に影響を及ぼさないように埋め込むのではなく、画質、音質の変化が確認できてしまうまでノイズ情報を埋め込む。サンプルファイルサイズは増加しない。ただし、画面全体から製品コンテンツを抽出するため、電子透かしに比べて抽出時間が大きくなる。
【0041】
(2)制御領域への埋め込み方法
・ユーザ拡張領域の利用
図2に示す「データフォーマットの整合性を保ったままのデータ追加」を実現する方法である。メディアフォーマットの規定している制御コードのうち、任意に情報を設定可能な領域に情報を埋め込む。サンプルファイルサイズは増加する。また、任意情報の設定可能なユーザ拡張領域が規定されていないフォーマットには適用できない。
・制御コード偽造
本来不要な制御コードを追加し、そのパラメータ領域に情報を埋め込む。サンプルファイルサイズは増加する。この方法では、汎用閲覧プログラムがフォーマット解析時に整合性が取れず異常動作を引き起こす可能性がある。どのような異常動作になるかは汎用閲覧プログラムの実装によるため予測できない。
・制御フォーマット付加
本来のメディアフォーマットと共存可能な別規格フォーマットを付加し、この中のユーザ拡張領域を使用する。サンプルファイルサイズは増加する。この方法は、本来のメディアフォーマットにユーザ拡張領域が規定されていない場合に有効である。
・フォーマット外への追加
サンプルファイルの末尾に、単に製品データを追加する。サンプルファイルサイズが増加する。メディアフォーマットがストリーミング対応の規格の場合、再生時間は(ヘッダ等に設定されておらず)単位時間当たりのデータサイズとファイルサイズより計算するため、この方法では汎用閲覧プログラムが行う再生時間の計算が狂うことになる。
【0042】
(3)各方法の評価
上述した各方法を、以下の評価項目により評価する。
・品質制御
サンプルデータの画像、音響の劣化具合を制御できるか。
・ファイルサイズの増加
製品コンテンツのデータを埋め込むことで、サンプルコンテンツのファイルサイズが増加するかどうか。
・取り出し速度
埋め込んだ製品データを取り出す際の抽出速度は実用的か。
・埋め込み許容量
製品データを埋め込めるデータ量は多いか少ないか。
・解析難易度
埋め込まれた製品データを第三者が取り出すことは容易か。
・汎用閲覧プログラムの異常動作の有無
製品データを埋め込んだことで、汎用閲覧プログラムが異常な動作を引き起こすことはないか。
【0043】
以上の評価項目のうち、「ファイルサイズの増加」については、製品コンテンツに高圧縮のメディアフォーマットを適用することで、データ量の増加の欠点を補えることと、「解析難易度」は製品コンテンツを事前に暗号化しておくことで、解析抽出されてもそのまま利用できない状態が保てることから、これら2項目についての評価の重要性は低い。
他の評価項目である「品質制御が行えるか」、「取り出し速度が実用的か」、「埋め込み許容量の多少」、「汎用閲覧プログラムで異常動作が発生しないか」を総合的に評価して、以下の方法を採用する。
・ステガノグラフィ
・ユーザ拡張領域の利用
・ユーザ拡張領域の規定のない規格(MPEG1など)の場合には、データフォーマット(制御フォーマット)を付加
【0044】
以上の方法を使用することにより、以下のようにして各データを埋め込む。
(1)ステガノグラフィで埋め込む情報は、以下の通りである。
・制御領域に埋め込まれたデータの抽出方法
・製品データの先頭部(データのヘッダ)
・ライセンス取得先へのアクセス手段
(2)また、ユーザ拡張領域には、製品データのヘッダ部を除いた、以降のデータを埋め込む。
【0045】
これにより、専用閲覧プログラムは、ステガノグラフィ解析により製品データの先頭部を抽出し、制御領域に埋め込まれた製品データの抽出方法を取得することで、ユーザ拡張領域でのデータ埋め込み箇所を特定し抽出し、製品データの先頭部とヘッダ部を除いた以降のデータを結合する。また、ライセンス取得先へのアクセス手段の情報を得て、ライセンスの取得を行い、取得したライセンス情報に含まれる暗号化解除の情報を用いて製品データを復号化しながら再生する。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流通コンテンツ作成装置及び流通コンテンツの作成方法においては、サンプルコンテンツと製品コンテンツとを異なるデータフォーマットでフォーマット変換し、フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツとを所定の方式により結合して流通コンテンツを作成する。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0047】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、サンプルコンテンツと製品コンテンツを異なるフォーマットで変換すると共に、製品コンテンツのデータを圧縮してフォーマット変換する。
これにより、従来より小さいデータサイズの流通コンテンツを作成できる。
【0048】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、サンプルコンテンツと製品コンテンツのID情報(識別記号)を流通コンテンツ中へ埋め込み、製品コンテンツを暗号化し、また、流通コンテンツ中の暗号化された製品コンテンツを閲覧するためのライセンス情報を生成する。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0049】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、サンプルコンテンツへID情報を埋め込む際には、ID情報を電子透かしによる埋め込みか、又はデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の手段を使用する。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情識を埋め込むことができる。
【0050】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置においては、フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合する際には、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込む。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0051】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合する際には、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中に埋め込む。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0052】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、異なるデータフォーマットでフォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツとが、所定の方式により結合して記録される。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のような、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0053】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、サンプルコンテンツを識別するためにID情報と、製品コンテンツを識別するためのID情報が埋め込まれ、さらに、フォーマット変換された製品コンテンツが暗号化されて記録される。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0054】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、ID情報が、電子透かしによる埋め込みか、またはデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の方法により記録される。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情報を埋め込むことができる。
【0055】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込まれる。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0056】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込まれる。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0057】
また、本発明の流通コンテンツ再生装置においては、流通コンテンツ中のID情報を読み取り、このID情報を基にライセンス情報を取得し、暗号化された製品コンテンツを復号化して再生する。
これにより、従来の品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のような劣化を戻すための負荷が発生しないため、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。このため、従来方式のような「音とび」や「コマ落ち」等の品質劣化が起こる可能性が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステム構成図である。
【図2】流通コンテンツのデータ構造を示す図である。
【図3】従来方式と本発明の方式におけるデータサイズの比較例を示す図である。
【図4】流通コンテンツ作成装置における動作の流れを示す図である。
【図5】流通コンテンツ再生装置における動作の流れを示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b サンプルコンテンツ
2、2a、2b 製品コンテンツ
3、4 流通コンテンツ
5 ライセンス情報
10 流通コンテンツ作成装置
11 ID埋め込み・フォーマット変換機能
12 暗号化機能
13 コンテンツ結合機能
20 流通コンテンツ再生装置
21 ID読み出し機能
22 ライセンス取得機能
23 製品コンテンツ抽出機能
24 復号化機能
25 閲覧モード切り替え機能
26 再生機能
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツ/製品コンテンツを切り替えて閲覧するための流通コンテンツに関する発明であり、流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ユーザが、内容の確認ができないデジタルコンテンツを購入する際には、事前に内容を確認した上で納得して購入するための手段が必要となる。これを実現する方法として、サンプルコンテンツ/製品コンテンツの切り替えを行うことで1つのファイルから2つの品質のコンテンツを提供する流通コンテンツが提案されてきた。
この方法は、サンプルコンテンツと製品コンテンツをインターネット上の販売サイトなどで別々に提供する場合と比較して有効である。なぜなら、利用者間で流通コンテンツを交換し合うことが可能になり、販売サイトへの入店者数よりもより多くの潜在的購入者へ、製品となり得るコンテンツを配布することが可能になるためである。
【0003】
しかし、従来のサンプルコンテンツ/製品コンテンツの切り替え方式では、サンプルコンテンツの品質及び製品コンテンツの品質などに問題があり、実用的とはいい難い面もあった。
【0004】
以下、従来のサンプルコンテンツ/製品コンテンツ切り替え方式の内容について説明する。
従来の流通コンテンツのサンプルコンテンツ/製品コンテンツ切り替え方式は以下の特徴を有する。
(1)一般に普及しているデータフォーマットでコンテンツを提供し、汎用閲覧プログラムで閲覧を可能としている。
(2)製品コンテンツ内のデータにノイズ混入等を行い品質を劣化させ、サンプル版を作成している。
(3)通常の閲覧ではサンプル版のコンテンツのみ閲覧可能であり、製品版のコンテンツを閲覧するには、専用の閲覧プログラムにて品質劣化させた部分を元に戻して閲覧するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来方式では、以下の前提があることがわかる
・サンプルコンテンツと製品コンテンツは同一データである。
・サンプルコンテンツと製品コンテンツは同一データフォーマットである。
・データフォーマットは汎用閲覧ソフトが対応する普及した規格を採用する。
【0006】
しかしながら、これらの前提は、マルチメディア分野における高圧縮・高品質を実現する新しいデータフォーマットの利用を妨げ、サンプルの品質・製品の品質の問題を提起しており、以下のような問題がある。
(1)普及しているデータフォーマットは数世代前の技術であり、技術革新の著しい最新の高圧縮・高品質技術の恩恵を受けられない。このため、データサイズの大きい、品質の低いものを製品として扱わなければならない
(2)サンプルコンテンツは、製品コンテンツの品質を劣化させたものであり、販売促進用途としての付加価値を加えることができない。このため、購入時の訴求力を高めることが困難である。
(3)動画や音響の再生を必要とするコンテンツでは、再生時の全域でノイズ除去を実施しなければならず、再生時の閲覧プログラム処理負荷が高くなり、「音とび」や「コマ落ち」等の品質劣化が起こる可能性がある(サンプルの方が安定した再生ができる本末転倒な状態が生じる恐れがある)。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、従来のサンプルコンテンツ/製品コンテンツ切り替え方式の問題点を解決し得る、流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の流通コンテンツ作成装置は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置であって、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手段と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手段とを具備することを特徴とする。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0009】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換手段より製品コンテンツをフォーマット変換する際には、データを圧縮してフォーマット変換する手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、従来より小さいデータサイズの流通コンテンツを作成できる。
【0010】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツへのID情報(識別記号)の埋め込み手段と、前記フォーマット変換された製品コンテンツへのID情報の埋め込み手段と、前記フォーマット変換された製品コンテンツの暗号化手段と、前記暗号化された製品コンテンツを閲覧するためのライセンス情報を生成するためのライセンス生成手段とをさらに具備する。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0011】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツへID情報(識別記号)を埋め込む際には、電子透かしによる埋め込みか、又はデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の手段を使用することを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情報を埋め込むことができる。
【0012】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合するために、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込むためのステガノグラフィ埋め込み手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0013】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置は、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合するために、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込むための手段をさらに具備することを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0014】
また、本発明の流通コンテンツは、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとが結合して記録される流通コンテンツであって、第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換されたサンプルコンテンツと、第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換された製品コンテンツとが所定の方式により結合されて記録されることを特徴とする。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0015】
また、本発明の流通コンテンツは、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツにはサンプルコンテンツを識別するためのID情報(識別記号)が埋め込まれ、前記フォーマット変換された製品コンテンツには製品コンテンツを識別するためのID情報が埋め込まれ、さらに、前記フォーマット変換された製品コンテンツが暗号化されて記録されることを特徴とする。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0016】
また、本発明の流通コンテンツは、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツのID情報が、電子透かしによる埋め込みか、またはデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方により記録されることを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情報を埋め込むことができる。
【0017】
また、本発明の流通コンテンツは、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込まれることを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0018】
また、本発明の流通コンテンツは、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込まれることを特徴とする。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0019】
また、本発明の流通コンテンツ再生装置は、サンプルコンテンツと製品コンテンツが異なるデータフォーマットで記録されると共、製品コンテンツが暗号化されて記録された流通コンテンツを再生するための流通コンテンツ再生装置であって、流通コンテンツ中のID情報(識別記号)を読み取るためのID読み出し手段と、前記ID情報を基に、ライセンス情報を取得するためのライセンス取得手段と、前記ライセンス情報を基に、暗号化された製品コンテンツを取り出すための製品コンテンツ抽出手段と、前記ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化するための復号化手段と、再生するコンテンツをサンプルコンテンツか又は製品コンテンツに切り替えるための閲覧モード切り替え手段とを具備することを特徴とする。
これにより、従来の品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のような劣化を戻すための負荷が発生しないため、製品コンテンツの再生負荷が低くなる。このため、従来方式のような「音飛び」や「コマ落ち」等の品質劣化が起こる可能性がない。
【0020】
また、本発明の流通コンテンツの作成方法は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置における流通コンテンツの作成方法であって、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順とを具備することを特徴とする。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0021】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置内のコンピュータに、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
また、本発明のコンピュータプログラムは、デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置内のコンピュータに、前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順とを実行させるためのプログラムである。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。
【0024】
[発明の背景思想]
本発明で使用するサンプルコンテンツ/製品コンテンツの切り替え方法は、以下の機能を実現することを目的としている。
(1)従来の方法より小さいデータサイズの流通コンテンツの提供を可能とし、かつサンプルコンテンツは汎用閲覧プログラムで閲覧を行うことを可能とする。
(2)サンプルコンテンツは、製品版の品質劣化バージョンという、従来の定型的な手法を排除し、広告のような販売促進のための付加情報も提供できるサンプルコンテンツとする。
(3)製品コンテンツ閲覧時の閲覧プログラムの再生負荷を、サンプルコンテンツ閲覧時と同等とする。
【0025】
さらにまた、本発明では、以下の考え方を発想の軸としている。
「サンプルコンテンツは汎用閲覧プログラムで閲覧できなければならないが、製品コンテンツは専用閲覧プログラムでしか扱わない」という前提条件より、以下のようにすることができる。
▲1▼ 専用閲覧プログラムで閲覧する製品コンテンツのデータフォーマットは、一般に普及していない規格でもよい。
▲2▼ サンプルと製品コンテンツが別フォーマットでよければ(つまり別々に用意することができれば)、内容が同一である必要はない。
▲3▼ 品質を劣化させていない製品コンテンツを扱えれば、劣化を戻す負荷は再生時に発生しない。
以上のような、技術的な思想及び発想のもとに、本発明はなされたものである。
【0026】
[システム構成の説明]
本発明によるシステム構成図(流通コンテンツ作成装置及び流通コンテンツ再生装置)を図1に示す。なお、本方式で対象とするコンテンツの種類は、静止画像、音響、動画映像、ドキュメントなどのデジタルコンテンツである。
【0027】
図1において、流通コンテンツ作成装置10は、サンプルコンテンツ1と製品コンテンツ2から、流通コンテンツ3を作成するための装置であり、流通コンテンツ作成装置10には、以下の機能が含まれる。
・ID埋め込み・フォーマット変換機能11は、サンプルコンテンツ1と製品コンテンツ2のそれぞれのデータフォーマットを指定し、指定フォーマットへ変換する機能(フォーマット変換機能)であり、また、コンテンツを特定するためと不正使用抑止のために各コンテンツにID情報(識別記号)を埋め込む機能(ID埋め込み機能)である。なお、ID埋め込み方法としては、「電子透かし」と「データフォーマットのヘッダの自由領域(ユーザ拡張領域)等のフォーマット構造に影響しない部分への埋め込み」とを併用する。
・暗号化機能12は、指定した暗号キーを用いて、製品コンテンツを暗号化するための機能である。
・コンテンツ結合機能13は、図2に示すように、フォーマット変換されたサンプルコンテンツ1aとフォーマット変換された製品コンテンツ2aを、図2に示すデータ構造に結合するための機能である。また、製品コンテンツを復号化する際に必要となる情報をひとまとめにしたものをライセンス情報として出力する機能も有する。
なお、サンプルコンテンツと製品コンテンツの結合方法としては、サンプルコンテンツ中の「音響、画像データの知覚しづらい領域の値を製品コンテンツのデータと差し替える方法(ステガノグラフィ)」、「サンプルコンテンツとのデータフォーマットの整合性を保ったまま追加する方法(データフォーマットのユーザ拡張領域等に製品コンテンツのデータを埋め込む)」の2つの方法を併用する(製品コンテンツの埋め込み方法についての詳細は後述する)。これにより、流通コンテンツのサイズは、「サンプルコンテンツのサイズ+製品コンテンツのサイズ」よりも小さくなる。
【0028】
また、流通コンテンツ再生装置20を使用することにより、流通コンテンツ3から、汎用閲覧プログラムまたは流通コンテンツ閲覧プログラムを用いてサンプルコンテンツ1を閲覧することができる。また、流通コンテンツ閲覧プログラムと、ライセンス購入によりライセンス情報を得ることでサンプルコンテンツ1から製品コンテンツ2へ切り替えて製品コンテンツ2を閲覧することができる。
このために、流通コンテンツ再生装置20内には以下の機能が含まれる。
・ID読み出し機能21は、流通コンテンツ3からID情報を読み取る機能である。
・ライセンス取得機能22は、ID情報を基にライセンス情報を取得するために機能である。なお、ライセンス購入手続き(別システムを通して行われる)の結果としてライセンス情報が流通コンテンツ再生装置20内に保存される。
・製品コンテンツ抽出機能23は、ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツ2を流通コンテンツ3から取り出すための機能である。
【0029】
・復号化機能24は、ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化するための機能である。なお、復号化機能24により復号が完了するため、従来のような再生時に劣化を及ぼす再生負荷は発生しない。
・閲覧モード切り替え機能25は、製品コンテンツを閲覧できるように再生機能への入力を製品コンテンツに切り替えるための機能である。
・再生機能26は、再生するコンテンツを表示画面、スピーカに出力するための機能である。
【0030】
以上説明した本発明の流通コンテンツ作成装置10及び流通コンテンツ再生装置20を使用することにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツとを同一内容にする必要はなくなり、サンプルコンテンツに新聞広告の静止画像やプロモーションビデオを用い、本編を製品コンテンツとする等の利用が可能になる。また、製品コンテンツは1つでなくてもよく、複数の静止画像をたばねて「本」としたり、複数の楽曲をまとめてアルバムとして扱うコンテンツの作成も可能になる。さらに、サンプルコンテンツに動画(プロモーションビデオ)を用い、製品コンテンツを音響とするように、複数の種別のメディアの組み合わせも可能となる。
【0031】
また、図2に流通コンテンツ3のデータ構造を示す。図2に示す流通コンテンツの例は、サンプルコンテンツ1aのデータ内にコンテンツを識別するIDと製品コンテンツ2aそのものを埋め込んだ例である。
なお、製品コンテンツの埋め込み方法については、後で詳細に説明する。
【0032】
また、従来方式と本発明の方式におけるデータサイズの比較例を図3に示す。・従来方式のサンプル/製品兼用の流通コンテンツ4のデータは、全体がMPEG1でフォーマットされたデータで占められており、そのデータサイズは約50MBである。
・本発明の方式では、MPEG1でフォーマットされたデータのデータサイズを半分(30fpsから15fpsに)にし品質を低下させたサンプルコンテンツ1bを作成する。このサンプルコンテンツ1bのデータサイズは25MBである。
・また、新たな高圧縮・高品質フォーマットにて製品コンテンツ2bを作成する。この例では、20%程度までに圧縮可能なフォーマットを製品コンテンツ2bに採用することで、製品コンテンツ2bのデータサイズは10MBとなる。
従って、本発明による流通コンテンツでは、従来方式の流通コンテンツより30%以上のデータサイズの軽減が図られる。
【0033】
また、図4に、流通コンテンツ作成装置における動作の流れを示す。
流通コンテンツ作成は以下ようにして行われる。
(1)フォーマット変換(ステップS1、S2)
サンプルコンテンツ1および製品コンテンツ2のそれぞれに対して、流通させるデータフォーマットを指定し、指定フォーマットへ変換する。
(2)ID埋め込み(ステップS3、S4)
流通コンテンツ再生装置(再生装置)20でコンテンツを特定するためと、不正使用抑止のために各コンテンツにID情報(識別記号)を埋め込む(ステップS3、S4)。ここで「ID埋め込み」は、「電子透かし」と、「ヘッダの自由領域等」のフォーマット構造に影響しない部分への埋め込みを用いる。
(3)製品コンテンツ暗号化(ステップS5)
製品コンテンツを、指定した暗号キーを用いて暗号化する。
(4)コンテンツ結合(ステップS6)
サンプルコンテンツと製品コンテンツを図2に示す構造に結合し、流通コンテンツ3を生成する。また、このときに、製品コンテンツ2を復号化する際に必要となる情報をひとまとめにしたものをライセンス情報5として出力する。
【0034】
なお、製品コンテンツの埋め込み方法は、「音響、画像データの知覚しづらい領域の値と差し替える方法」と「データフォーマットの整合性を保ったまま追加する方法」の2つを併用する(詳細は後述する)。これにより、流通コンテンツのサイズは、「サンプルコンテンツのサイズ+製品コンテンツのサイズ」よりも小さくなる。
(5)作成した流通コンテンツ3を、市場に流通させる。
【0035】
また、図5に、流通コンテンツ再生装置における動作の流れを示す。
流通コンテンツの再生は以下ようにして行われる。
(1)ID読み出し(ステップS11)
流通コンテンツ3に記録されたサンプルコンテンツからIDを読み取る。
(2)ライセンス取得(ステップS12)
ID情報を基にライセンス情報5を取得する。本例では、ライセンス購入手続き(別システム)の結果としてライセンス情報5が流通コンテンツ再生装置20に保存される。
(3)製品コンテンツ抽出(ステップS13)
ライセンス情報5を基に暗号化された製品コンテンツを流通コンテンツ3から取り出す。
(4)復号化(ステップS14)
ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化する。この時点で復号化が完了するため、従来のような再生時に劣化を戻す再生負荷は発生しない。
(5)閲覧モード切替(ステップS15)
製品コンテンツを閲覧できるように再生機能への入力を製品コンテンツに切り替える.
(6)再生(ステップS16)
画面、スピーカに出力する(再生)
【0036】
なお、図1に示す流通コンテンツ作成装置10及び流通コンテンツ再生装置20内の各処理機能は、専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、また、各処理機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより流通コンテンツ作成装置10及び流通コンテンツ再生装置20に必要な処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可般媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、及び流通コンテンツ再生装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0038】
[製品コンテンツの埋め込み方法についての補足説明]
本発明では、サンプルコンテンツと製品コンテンツを結合する場合の、製品コンテンツの埋め込み方法として、「ステガノグラフィ」と「データフォーマットのユーザ拡張領域へのデータ埋め込み方法」を併用しているが、その理由、及び埋め込むデータの種類について以下に説明する。
【0039】
サンプルコンテンツへ製品コンテンツを埋め込む方法としては、大分類として、「データ領域への埋め込み」と、「制御領域への埋め込み」の2つの方法がある。
・「データ領域への埋め込み」は、サンプルコンテンツのデータ領域に、製品コンテンツのデータを埋め込む(挿入)方法である。
・「制御領域への埋め込み」は、サンプルコンテンツのデータフォーマット(規格)が定める制御コードの領域に製品コンテンツのデータを埋め込む(挿入)方法である。
【0040】
以下、「データ領域への埋め込み」と、「制御領域への埋め込み」の各方法について説明する。
(1)データ領域への埋め込み方法
・ステガノグラフィ
図2に示す「音響、映像データの知覚しづらい領域の値と入れ替え」を実現する方法であり、画像や音楽などのデジタルコンテンツの中に、画質、音質に影響を及ぼさないように特別な情報を埋め込む技術である。埋め込む場所は、画像ではRGB(またはYCrCb)信号の各最下位ビット〜2ビット程度の色差が目立たない領域であり、この領域の値を埋め込む情報で置き換える。この方法では、サンプルコンテンツのデータサイズは増加しない。なお、次に説明する「電子透かし」と同様な埋め込み方法である。
・電子透かし
画像や音楽などのデジタルコンテンツの中に、画質、音質に影響を及ぼさないように特別な情報を埋め込む技術である。ステガノグラフィとの違いは、耐性を高めるために「特別な情報」は冗長性を持って記録するため、ステガノグラフィより埋め込める情報量は少ない。
・コマ挿入
サンプルコンテンツ映像の数コマ置きに製品コンテンツの映像1コマ分を挿入する。あまり頻繁に挿入すると、通常鑑賞(サンプル版の鑑賞)でも確認できてしまう(1コマ/1秒程度が目安)。また、コマ送り等の特殊再生時に挿入映像が確認されてしまう。サンプルファイルサイズは、挿入コマ数の分増加する。
・コマ差し替え
サンプルコンテンツ映像の数コマ置きに製品コンテンツの映像1コマ分と置き換える。あまり頻繁に挿入すると、通常鑑賞でも確認できてしまう(1コマ/1秒程度が目安)。また、コマ送り等の特殊再生時に差し替え映像が確認されてしまう。サンプルファイルサイズは、増加しない。
・可視ノイズ
電子透かしのように、画質、音質に影響を及ぼさないように埋め込むのではなく、画質、音質の変化が確認できてしまうまでノイズ情報を埋め込む。サンプルファイルサイズは増加しない。ただし、画面全体から製品コンテンツを抽出するため、電子透かしに比べて抽出時間が大きくなる。
【0041】
(2)制御領域への埋め込み方法
・ユーザ拡張領域の利用
図2に示す「データフォーマットの整合性を保ったままのデータ追加」を実現する方法である。メディアフォーマットの規定している制御コードのうち、任意に情報を設定可能な領域に情報を埋め込む。サンプルファイルサイズは増加する。また、任意情報の設定可能なユーザ拡張領域が規定されていないフォーマットには適用できない。
・制御コード偽造
本来不要な制御コードを追加し、そのパラメータ領域に情報を埋め込む。サンプルファイルサイズは増加する。この方法では、汎用閲覧プログラムがフォーマット解析時に整合性が取れず異常動作を引き起こす可能性がある。どのような異常動作になるかは汎用閲覧プログラムの実装によるため予測できない。
・制御フォーマット付加
本来のメディアフォーマットと共存可能な別規格フォーマットを付加し、この中のユーザ拡張領域を使用する。サンプルファイルサイズは増加する。この方法は、本来のメディアフォーマットにユーザ拡張領域が規定されていない場合に有効である。
・フォーマット外への追加
サンプルファイルの末尾に、単に製品データを追加する。サンプルファイルサイズが増加する。メディアフォーマットがストリーミング対応の規格の場合、再生時間は(ヘッダ等に設定されておらず)単位時間当たりのデータサイズとファイルサイズより計算するため、この方法では汎用閲覧プログラムが行う再生時間の計算が狂うことになる。
【0042】
(3)各方法の評価
上述した各方法を、以下の評価項目により評価する。
・品質制御
サンプルデータの画像、音響の劣化具合を制御できるか。
・ファイルサイズの増加
製品コンテンツのデータを埋め込むことで、サンプルコンテンツのファイルサイズが増加するかどうか。
・取り出し速度
埋め込んだ製品データを取り出す際の抽出速度は実用的か。
・埋め込み許容量
製品データを埋め込めるデータ量は多いか少ないか。
・解析難易度
埋め込まれた製品データを第三者が取り出すことは容易か。
・汎用閲覧プログラムの異常動作の有無
製品データを埋め込んだことで、汎用閲覧プログラムが異常な動作を引き起こすことはないか。
【0043】
以上の評価項目のうち、「ファイルサイズの増加」については、製品コンテンツに高圧縮のメディアフォーマットを適用することで、データ量の増加の欠点を補えることと、「解析難易度」は製品コンテンツを事前に暗号化しておくことで、解析抽出されてもそのまま利用できない状態が保てることから、これら2項目についての評価の重要性は低い。
他の評価項目である「品質制御が行えるか」、「取り出し速度が実用的か」、「埋め込み許容量の多少」、「汎用閲覧プログラムで異常動作が発生しないか」を総合的に評価して、以下の方法を採用する。
・ステガノグラフィ
・ユーザ拡張領域の利用
・ユーザ拡張領域の規定のない規格(MPEG1など)の場合には、データフォーマット(制御フォーマット)を付加
【0044】
以上の方法を使用することにより、以下のようにして各データを埋め込む。
(1)ステガノグラフィで埋め込む情報は、以下の通りである。
・制御領域に埋め込まれたデータの抽出方法
・製品データの先頭部(データのヘッダ)
・ライセンス取得先へのアクセス手段
(2)また、ユーザ拡張領域には、製品データのヘッダ部を除いた、以降のデータを埋め込む。
【0045】
これにより、専用閲覧プログラムは、ステガノグラフィ解析により製品データの先頭部を抽出し、制御領域に埋め込まれた製品データの抽出方法を取得することで、ユーザ拡張領域でのデータ埋め込み箇所を特定し抽出し、製品データの先頭部とヘッダ部を除いた以降のデータを結合する。また、ライセンス取得先へのアクセス手段の情報を得て、ライセンスの取得を行い、取得したライセンス情報に含まれる暗号化解除の情報を用いて製品データを復号化しながら再生する。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流通コンテンツ作成装置及び流通コンテンツの作成方法においては、サンプルコンテンツと製品コンテンツとを異なるデータフォーマットでフォーマット変換し、フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツとを所定の方式により結合して流通コンテンツを作成する。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のように、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0047】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、サンプルコンテンツと製品コンテンツを異なるフォーマットで変換すると共に、製品コンテンツのデータを圧縮してフォーマット変換する。
これにより、従来より小さいデータサイズの流通コンテンツを作成できる。
【0048】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、サンプルコンテンツと製品コンテンツのID情報(識別記号)を流通コンテンツ中へ埋め込み、製品コンテンツを暗号化し、また、流通コンテンツ中の暗号化された製品コンテンツを閲覧するためのライセンス情報を生成する。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0049】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、サンプルコンテンツへID情報を埋め込む際には、ID情報を電子透かしによる埋め込みか、又はデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の手段を使用する。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情識を埋め込むことができる。
【0050】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置においては、フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合する際には、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込む。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0051】
また、本発明の流通コンテンツ作成装置おいては、フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合する際には、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中に埋め込む。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0052】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、異なるデータフォーマットでフォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツとが、所定の方式により結合して記録される。
これにより、サンプルコンテンツと製品コンテンツ内容とに依存関係がなくなり、サンプルコンテンツに独自の内容を付加できる。また、製品コンテンツを特定のデータフォーマットに特化せず、その時々で有用な圧縮技術を柔軟に取り入れることができる。さらに、従来方式のように品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のような、劣化を戻すための再生負荷が発生せず、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。
【0053】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、サンプルコンテンツを識別するためにID情報と、製品コンテンツを識別するためのID情報が埋め込まれ、さらに、フォーマット変換された製品コンテンツが暗号化されて記録される。
これにより、ライセンスを取得していない第三者が流通コンテンツから製品コンテンツを取り出すことが困難となる。
【0054】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、ID情報が、電子透かしによる埋め込みか、またはデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の方法により記録される。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを増加させることなく、ID情報を埋め込むことができる。
【0055】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込まれる。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0056】
また、本発明の流通コンテンツにおいては、フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込まれる。
これにより、流通コンテンツのデータサイズを減少させることができる。
【0057】
また、本発明の流通コンテンツ再生装置においては、流通コンテンツ中のID情報を読み取り、このID情報を基にライセンス情報を取得し、暗号化された製品コンテンツを復号化して再生する。
これにより、従来の品質を劣化(例えば、ノイズの混入)させた製品コンテンツを再生する場合のような劣化を戻すための負荷が発生しないため、製品コンテンツの再生負荷が軽くなる。このため、従来方式のような「音とび」や「コマ落ち」等の品質劣化が起こる可能性が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステム構成図である。
【図2】流通コンテンツのデータ構造を示す図である。
【図3】従来方式と本発明の方式におけるデータサイズの比較例を示す図である。
【図4】流通コンテンツ作成装置における動作の流れを示す図である。
【図5】流通コンテンツ再生装置における動作の流れを示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b サンプルコンテンツ
2、2a、2b 製品コンテンツ
3、4 流通コンテンツ
5 ライセンス情報
10 流通コンテンツ作成装置
11 ID埋め込み・フォーマット変換機能
12 暗号化機能
13 コンテンツ結合機能
20 流通コンテンツ再生装置
21 ID読み出し機能
22 ライセンス取得機能
23 製品コンテンツ抽出機能
24 復号化機能
25 閲覧モード切り替え機能
26 再生機能
Claims (15)
- デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置であって、
前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手段と、
前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手段と
を具備することを特徴とする流通コンテンツ作成装置。 - 前記フォーマット変換手段より製品コンテンツをフォーマット変換する際には、データを圧縮してフォーマット変換する手段を
さらに具備することを特徴とする請求項1に記載の流通コンテンツ作成装置。 - 前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツへのID情報の埋め込み手段と、
前記フォーマット変換された製品コンテンツへのID情報の埋め込み手段と、
前記フォーマット変換された製品コンテンツの暗号化手段と、
前記暗号化された製品コンテンツを閲覧するためのライセンス情報を生成するためのライセンス生成手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流通コンテンツ作成装置。 - 前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツへID情報を埋め込む際には、電子透かしによる埋め込みか、又はデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方の手段を使用すること
を特徴とする請求項3に記載の流通コンテンツ作成装置。 - 前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合するために、
フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込むためのステガノグラフィ埋め込み手段を
さらに具備することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の流通コンテンツ作成装置。 - 前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを結合するために、
フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部を、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込むための手段を
さらに具備することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の流通コンテンツ作成装置。 - デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとが結合して記録される流通コンテンツであって、
第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換されたサンプルコンテンツと、第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換された製品コンテンツとが所定の方式により結合されて記録されること
を特徴とする流通コンテンツ。 - 前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツにはサンプルコンテンツを識別するためのID情報が埋め込まれ、
前記フォーマット変換された製品コンテンツには製品コンテンツを識別するためのID情報が埋め込まれ、
さらに、前記フォーマット変換された製品コンテンツが暗号化されて記録されること
を特徴とする請求項7に記載の流通コンテンツ。 - 前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツのID情報が、電子透かしによる埋め込みか、またはデータフォーマットの制御コード中への埋め込みかの、いずれか又は両方により記録されること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載の流通コンテンツ。 - フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータ中にステガノグラフィにより埋め込まれること
を特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の流通コンテンツ。 - フォーマット変換された製品コンテンツのデータの一部または全部が、フォーマット変換されたサンプルコンテンツのデータフォーマットの制御コード中か、またはサンプルコンテンツのフォーマットと共存可能な新たに付加したデータフォーマットの制御コード中かの、いずれか又は両方に埋め込まれること
を特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の流通コンテンツ。 - サンプルコンテンツと製品コンテンツが異なるデータフォーマットで記録されると共、製品コンテンツが暗号化されて記録された流通コンテンツを再生するための流通コンテンツ再生装置であって、
流通コンテンツ中のID情報を読み取るためのID読み出し手段と、
前記ID情報を基に、ライセンス情報を取得するためのライセンス取得手段と、
前記ライセンス情報を基に、暗号化された製品コンテンツを取り出すための製品コンテンツ抽出手段と、
前記ライセンス情報を基に暗号化された製品コンテンツを復号化するための復号化手段と、
再生するコンテンツをサンプルコンテンツか又は製品コンテンツに切り替えるための閲覧モード切り替え手段と
を具備することを特徴とする流通コンテンツ再生装置。 - デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置における流通コンテンツの作成方法であって、
前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、
前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順と
を具備することを特徴とする流通コンテンツの作成方法。 - デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置内のコンピュータに、
前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、
前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順と
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - デジタルコンテンツのサンプルコンテンツと製品コンテンツとを結合して流通コンテンツを作成する流通コンテンツ作成装置内のコンピュータに、
前記サンプルコンテンツを第1の種類のデータフォーマットでフォーマット変換し、前記製品コンテンツを第2の種類のデータフォーマットでフォーマット変換するフォーマット変換手順と、
前記フォーマット変換されたサンプルコンテンツと製品コンテンツを所定の方式により結合して記録するためのコンテンツ結合手順と
を実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002237102A JP2004078499A (ja) | 2002-08-15 | 2002-08-15 | 流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002237102A JP2004078499A (ja) | 2002-08-15 | 2002-08-15 | 流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004078499A true JP2004078499A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32021021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002237102A Pending JP2004078499A (ja) | 2002-08-15 | 2002-08-15 | 流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004078499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008176148A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Nintendo Co Ltd | 液晶表示制御装置および液晶表示制御プログラム |
-
2002
- 2002-08-15 JP JP2002237102A patent/JP2004078499A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008176148A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Nintendo Co Ltd | 液晶表示制御装置および液晶表示制御プログラム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7961949B2 (en) | Extracting multiple identifiers from audio and video content | |
EP2206273B1 (en) | Method, device and system for dynamically embedding watermark information into multimedia content | |
US7146501B2 (en) | Method and apparatus for encrypting and decrypting data using encrypting key contained in electronic watermark | |
US20020078178A1 (en) | Content distribution control | |
US20050033700A1 (en) | Method and apparatus for creating and rendering an advertisement | |
CA2551083A1 (en) | Method and system for session based watermarking of encrypted content | |
JP2002077572A (ja) | ディジタルコンテンツ生成・再生装置及び広告情報配信システム | |
US7899752B2 (en) | Method and system for preventing skipping playback of a special content section of a digital media stream | |
JP2004007533A (ja) | マルチメディア・ファイル・フォーマットのデータ構造、その暗号化方法並びに装置及びその暗号の復号化方法及び装置 | |
JP4087537B2 (ja) | データ処理装置及びデータ記録媒体 | |
US8532332B2 (en) | Information processor, information processing method, and program for content delivery | |
US20020141737A1 (en) | Audio data recording medium and related apparatuses | |
JP2009100265A (ja) | データ処理装置、データ処理方法、データ処理プログラム、およびそのデータ処理プログラムを記録した記録媒体、並びに集積回路 | |
JP2004078499A (ja) | 流通コンテンツ作成装置、流通コンテンツ、流通コンテンツ再生装置、及び流通コンテンツの作成方法 | |
JP2010508795A (ja) | 圧縮マルチメディアファイル制御編集放送方法およびデバイス | |
KR101041261B1 (ko) | 코덱 디알엠을 이용한 디알엠 컨텐츠 제공 시스템, 디알엠컨텐츠의 생성/재생 장치 및 방법, 상기 방법을 수행하기위한 프로그램을 기록한 컴퓨터로 읽을 수 있는 기록매체 | |
JP2003152707A (ja) | コンテンツ作成装置,コンテンツ再生装置,コンテンツ提供方法 | |
KR101067145B1 (ko) | 워터마킹 삽입/추출 장치 및 그 방법과 그를 이용한디지털 저작권 관리 시스템 및 그 방법 | |
KR20160070674A (ko) | 이미지 부호화 및 복호화 장치 및 그 작동 방법 | |
JPH11344926A (ja) | コンテンツの無断利用・無断コピ―・無断改変防止装置、及び記録媒体 | |
US20130329939A1 (en) | Decoding a quilted image representation into a digital asset along with content control data | |
JP2001175170A (ja) | ストリーム再生方法及びストリーム再生装置 | |
JP2008048163A (ja) | コンテンツ受信方法 | |
JP2004312568A (ja) | フォーマット情報に基づく電子透かし情報の検出方法 | |
JP2003304230A (ja) | 暗号化装置及び暗号解読装置並びに電子透かし挿入装置及び電子透かし検出装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051213 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060411 |