JP2004077162A - 廃棄物処理方法 - Google Patents

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Kazumi Anazawa
穴沢 和美
Masato Oura
大浦 正人
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Abstract

【課題】放射性廃棄物の汚染レベルを低減することにより、発電事業者等の放射性廃棄物の処理に要する総費用を低減できる廃棄物処理方法を提供する。
【解決手段】放射性廃棄物の保管或いは処分の責任を有する事業者から入手した放射性核種に汚染された放射性廃棄物を除染し、除染後の汚染レベルが表示された放射性廃棄物を当該放射性廃棄物処理の責任を有する事業者に提供する。
【効果】放射性廃棄物の汚染レベルを低減することにより、放射性廃棄物の処理に要する総費用を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所内等で発生する放射性廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、原子力発電所内で発生する使用済み廃棄物や原子力発電所の解体に伴って発生する解体廃棄物のうち放射性核種に汚染された放射性廃棄物は、発電事業者が発電所敷地内で保管するか、発電所外廃棄として廃棄物埋設施設地等に引渡して処分することが法規で義務付けられている(以下、放射性廃棄物の保管及び処分を「放射性廃棄物の処理」という。)。
【0003】
発電所敷地内で保管する場合には、法規で定められた仕様を満足する保管施設を設け、その中で法規に従って管理し続けなければならない。一方、廃棄物埋設施設地等へ処分する場合には、放射性核種に汚染された廃棄物を容器に密閉封入し、最終処分地まで法規に基づく輸送を行い、廃棄物埋設施設地の管理事業者に有償で処分を委託しなければならない。
【0004】
何れの処理を行うにしても、その具体的な方策は放射性廃棄物の放射能レベルの区分により異なる。区分としては、高レベル放射性廃棄物,TRU(超ウラン)廃棄物,高βγ低レベル放射性廃棄物,低レベル放射性廃棄物,極低レベル放射性廃棄物,ウラン廃棄物,RI・研究所等廃棄物等がある。例えば高レベル放射性廃棄物の処理は、安定な形態に固化した後、30年から50年程度冷却の為の貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分(地層処分)することを基本的な方針としている(「放射性廃棄物データブック(1998年11月)」財団法人原子力環境整備センター発行)。
【0005】
以上の区分に加え、クリアランス・レベルという概念も検討されている。クリアランス・レベルとは、放射性廃棄物に含まれる放射性物質の濃度が極めて低く、特段の対策を施さなくても、人間環境への放射線による影響を考慮する必要が無い放射性物質の濃度のことで、このレベル以下の廃棄物については、放射性廃棄物として扱わないという選択も含め、上述してきた廃棄物処分方策のいずれよりもさらに簡易的な方法での処分が選定されるものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
発電所敷地内で放射性廃棄物を保管する場合でも、廃棄物埋設施設等へ処分する場合でも、その施設は、遮蔽機能,密閉機能及び耐震機能等前述の法規を遵守する高い基準が要求される。このための費用は高く、廃棄物量の増大に伴って安易に施設を拡大することはできない。また、放射性廃棄物の処理費用は廃棄物の区分によって大きく異なり、放射能による汚染のレベル(放射能レベル)が高いほど増大する。発電事業者等は、以上のように廃棄物処理のために発生する莫大な費用を負担する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、放射性廃棄物の放射能レベルを低減することにより、発電事業者等(電力会社等)の放射性廃棄物の処理に要する総費用を低減できる廃棄物処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放射性廃棄物の保管或いは処分の責任を有する事業者(以下「放射性廃棄物処理の責任を有する事業者」という、具体的には電力会社などの発電事業者。)から入手した放射性核種に汚染された放射性廃棄物(以下「放射性廃棄物」という。)を除染し、除染後の放射能レベルが表示された放射性廃棄物の収納容器を当該放射性廃棄物処理の責任を有する事業者に提供する。放射性廃棄物の放射能レベルを低減することにより、放射性廃棄物の処理に要する総費用を低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の第1の実施例について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施例を示すフロー図であり、図2は図1の放射性廃棄物の開梱・分割(A5)から汚染レベル別再分別・再充填(A9)(以下、「放射性廃棄物の開梱・分割」から「汚染レベル別再分別・再充填」までを「除染工程」という。)を示す図である。本実施例は、サービス提供者が放射性廃棄物処理の責任を有する事業者から放射性廃棄物を入手し、該事業者敷地内で放射性廃棄物を除染し、除染後の廃棄物を該事業者へ提供する実施例である。本実施例では、放射性廃棄物処理の責任を有する事業者2は原子力発電所を運営,管理する電力会社(以下「電力会社」という。)2aであり、除染方法は化学除染を用いるものとする。
【0010】
まず、放射性廃棄物処理開始(A1)後、サービス提供者1と電力会社2aは、放射性廃棄物汚染低減委託契約8を締結する(A2)。放射性廃棄物汚染低減委託契約8の主要項目としては下記(B1)〜(B9)があげられる。
(B1)放射性廃棄物3の種類及び物量
(B2)放射性廃棄物3の貸与方法
(B3)実施時期及び施工期間
(B4)施工施設等の貸与方法
(B5)適用する除染方法
(B6)除染後の放射性廃棄物3a放射能レベルの測定方法
(B7)除染後の放射性廃棄物3aの返却方法
(B8)二次廃棄物等の処分或いは返却方法
(B9)対価算出方法
以下、(B1)〜(B9)を説明する。
【0011】
(B1)放射性廃棄物3の種類及び物量:放射性廃棄物は例えば200リットルサイズのドラム缶形状等の容器(放射性廃棄物収納容器)に分割して密閉封入される。この場合の仕様は、対象ドラム缶X本とする。
【0012】
(B2)放射性廃棄物3の貸与方法:ドラム缶の中には金属に加えてシール材及びプラスチック等付随する廃棄物が混在している場合ある。例えば金属部材の汚染低減を主要な目的とする場合には、電力会社2aは、除染対象とする金属廃棄物3bと混在した廃棄物3cとを分別してからサービス提供者1に引渡すか、分別せずに引渡すかについて決定する必要がある。本実施例では金属部材の汚染低減を目的とし、分別せずにドラム缶形状のままサービス提供者1に引渡すものとする。除染対象物3bに油分等が付着している場合、必要に応じこれらを除去するためのブラスト処理等の前処理工程を行う。
【0013】
さらに、後述する本役務施工施設までの放射性廃棄物3運搬方法及び運搬実施者について決定する。放射性廃棄物3運搬作業は、電力会社2a自身が発電所内の揚重設備や運搬車両を使用して実施することも可能であり、これらの設備をサービス提供者1に貸与しサービス提供者1に実施させることも可能である。
【0014】
尚、放射性廃棄物3がドラム缶形状ではなく大型廃棄物の場合は、本役務施工施設との関係を考慮し、役務提供に適したサイズに分断する等の前処理を行うことが必要になる。当該前処理を本役務契約に含めるかについても事前に決定する。
【0015】
(B3)実施時期及び施工期間:原子力発電所が供用中であれば、定期検査期間との重なり等を考慮して実施時期及び施工期間を決定する事が望ましい。
【0016】
(B4)施工施設の貸与方法:化学除染を適用する場合、電力会社2aがサービス提供者1に対して、管理区域内の一定スペースを化学除染施工スペースとして貸与する。この際、合わせて建屋の付帯設備(具体的には空調,照明,電気,冷却水供給系統,ドレン系統等)についても提供する。本役務を継続的に実施する場合には、電力会社2aが発電所の敷地内に本役務を施工するための施工施設を建設し、サービス提供者1に貸与する方法もある。上述の作業を既存の管理区域で実施することが困難である場合には、新たに管理区域を設ける必要がある。この場合の所掌分担についても、予め契約で取り決めておく。
【0017】
(B5)適用する除染方法:本実施例では、化学除染を採用する。
【0018】
(B6)除染後の放射性廃棄物3a放射能レベルの測定方法:放射性廃棄物を処分する場合の放射能レベル(放射線線量率)の検認方法については、行政側で現在検討がなされているのでその規定に従う。サービス提供者1が実施することが許される場合は、測定方法,測定個所,測定員数及び記録作成方法等を予め決定し、この決定に従ってサービス提供者1が実施する。
【0019】
(B7)除染後の放射性廃棄物の返却方法:除染を実施すると、放射性廃棄物3の汚染レベルが低下する。このため、放射性廃棄物の中には、前述の廃棄物区分が変更されるものがある。区分変更
(効果)を想定し、予め除染後の放射性廃棄物3aの再分別及び再充填の方法を決めておく。
【0020】
(B8)二次廃棄物等の処分或いは返却方法:化学除染では、放射性廃棄物から除去した放射能を含む金属をイオン交換樹脂塔で除去する場合がある。当該使用済み樹脂等の二次廃棄物処分者についても予め決めておく。本実施例では、電力会社2aが処分するものとする。
【0021】
(B9)対価算出方法:サービス提供者1に発生する総費用を算出し、これに基づいて電力会社2aからの対価を設定する。電力会社2aは、本役務を受領したことにより低減された放射性廃棄物処理に要する費用(以下「処分費用低減分」という。)95から、サービス提供者1が要求する対価5を支払うことを定める。
【0022】
以上(B1)〜(B9)を定めた契約(その他の本役務の施工に必要な設備,作業労働力,資材類等の提供・支給等の詳細についても契約に定める。)に基づき、サービス提供者1が契約を履行し、電力会社2aが受益者としてその対価を支払う。
【0023】
続いて、サービス提供者1が行う業務の内容を具体的に説明する。放射性廃棄物汚染低減委託契約8締結の前又は後に、除染前の放射性廃棄物3の放射線線量率及び物量等に関する放射性廃棄物データ90から、放射性廃棄物3を除染せずに処理した場合の処理費用91を算出する。例えば、高レベルに汚染された放射性廃棄物3が容器5体分あるものとする。容器1体分あたりの廃棄物処理費用が1金額単位とすると、これらを除染せずに処理した場合、廃棄物処理費用91は5金額単位ということになる。ここで、放射性廃棄物データ90は、電力会社
2aが所有していればそれを用い、該当するものがない場合は、電力会社2a又はサービス提供者1等が放射性廃棄物データ90を作成する。
【0024】
放射性廃棄物汚染低減委託契約8締結後、電力会社2aは施工施設をサービス提供者1に貸与する(A3)。
【0025】
電力会社2aは放射性廃棄物3をサービス提供者1に貸与する(A4)。放射性廃棄物データ90に基づき、発電所内での放射性物質輸送基準を満たす遮蔽機能を備えた容器4を用意する。既存の容器5が使える場合には、容器5に取り付ける遮蔽材を用意し、遮蔽容器4に替えることができる。その後、放射性廃棄物3が一時保管されている原子力発電所内の固体廃棄物貯蔵庫6で、放射性廃棄物(使用済み汚染配管,汚染工事資材等)3入りドラム缶を遮蔽容器4に収納する。遮蔽容器4に収納された放射性廃棄物3を輸送用車両に積み込み、役務施工施設に設けた前処理エリア(管理区域)に移送する。
【0026】
サービス提供者1は、ドラム缶を開梱し、放射性廃棄物3を取り出す(A5−1)。放射性廃棄物3の性状により、化学除染の対象物としている除染対象放射性物質3bとその他の廃棄物3cとに分別し、本実施例の除染対象放射性物質3bである金属部材を選別する(A5−2)。分別されたその他の廃棄物3cについては、新たにドラム缶詰めする。除染対象物3bに油分等が付着している場合、必要に応じこれらを除去するためのブラスト処理等の前処理工程を行う(A6)。
【0027】
次に、放射性廃棄物3に化学除染を実施する(A7)。図3を用いて、化学除染方法の一例を説明する。化学除染装置は、還元除染槽51a,51b,洗浄槽52及び循環配管から構成される。還元除染槽51aの循環配管には、ポンプ53a,加熱器54a,薬品投入口55a,カチオン樹脂塔56a,混床樹脂塔58a及び還元剤分解装置59等が設けられている。還元除染槽51bの循環配管には、ポンプ53b,加熱器54b,薬品投入口55b,カチオン樹脂塔56b等が設けられている。洗浄槽52の循環配管には、ポンプ57,混床樹脂塔58b等が設けられている。
【0028】
まず、還元除染槽51a,51b及び洗浄槽52並びにそれらの循環配管内に純水を張る。次に、還元除染槽51a及びその循環配管について、ポンプ53aを用いて循環運転をしながら加熱器54aで所定の温度まで昇温する。さらに、薬品投入口55aから還元除染剤を投入して所定の還元剤濃度とする。その後、所定の流量をカチオン樹脂塔56aに通水する。還元除染槽51b及びその循環配管についても同様の方法で所定の還元剤濃度にし、その後カチオン樹脂塔56bに通水する。洗浄槽52及びその循環配管については、ポンプ57を用いて循環運転し、その後、所定の流量を混床樹脂塔58bに通水する。
【0029】
以上の除染準備終了後、放射性廃棄物3を還元除染槽51aに設置する。放射性廃棄物3を還元除染液中に浸漬させ、カチオン樹脂塔56aに通水しながら還元除染を行う。所定時間経過後、放射性廃棄物3を還元除染槽51aから取り出し、還元除染槽51bに設置し、還元除染槽51aと同様の方法で還元除染を行う。還元除染槽51bでの還元除染終了後、放射性廃棄物3を洗浄槽52に移動させる。ポンプ57により混床樹脂塔58bに通水し、放射性廃棄物3の洗浄により流入した還元除染液及び放射性物質を混床樹脂塔で吸着除去し、化学除染工程が終了となる。上記化学除染工程に酸化除染工程を加え、酸化除染工程及び還元除染工程を繰り返すことにより、除染効果をさらに向上させることも可能である。還元除染剤の一例としてはシュウ酸、酸化除染剤の一例としては過マンガン塩等があげられる。
【0030】
除染対象物3bの汚染レベルが異なる場合、化学除染(A7)前に、放射性廃棄物を汚染レベル別に分別する。分別後の放射性廃棄物は、汚染レベルごとに用意された複数の除染槽で除染される。これにより、汚染レベルが低い放射性廃棄物が除染液により二次汚染されることを防ぐ。
【0031】
化学除染のように、除染方法によってはイオン交換樹脂等7の二次廃棄物が発生する。イオン交換樹脂等7の二次廃棄物は選別され、放射性廃棄物分別段階(A5−2)で除染不適として除かれたその他の廃棄物3cと共に、放射性二次廃棄物11として容器に移される。
【0032】
化学除染終了後、汚染レベルが低減された放射性廃棄物3aの放射能レベル
(放射線線量率)測定を行う(A8)。また、(A5)において除染対象から除かれた廃棄物3c及び化学除染の実施(A7)により発生したイオン交換樹脂等7についても放射能レベル測定を行う。ここで、汚染レベルがクリアランス・レベル範囲のものは、非放射性資源10として分別する。尚、本作業に関して法規が定められている場合には、当該法規に基づいた測定方法,測定個所,測定者,測定員数及び記録作成方法等によって当該項目の測定及び記録等を行う。上記作業のうちの少なくとも何れかが行政機関又はその代行機関(以下「行政機関等」という。)79が行うことが義務付けられている場合には、当該法規に従って、行政機関等79が作業を実施する。行政機関等79の作業実施に先立ち、サービス提供者1又は電力会社2aは、行政機関等79との間で別途契約を取り交わし、必要な費用を支払う。
【0033】
放射能レベル測定結果に基づき、除染後の放射性廃棄物3a及び放射性二次廃棄物を同等の汚染レベルごとに再分別し、別途用意したドラム缶に再充填する(A9)。
【0034】
放射性廃棄物3aの再充填後、サービス提供者1は汚染レベルが低減された放射性廃棄物3aを電力会社2aに提供する(A10)。放射性廃棄物3aを再充填したドラム缶を遮蔽容器4に収納するが、遮蔽が不要なレベルにまで放射能汚染が低減された廃棄物3aについては遮蔽容器に収納する必要はない。その後、放射性廃棄物3aを固体廃棄物貯蔵庫6まで輸送し、電力会社2aに返却する。また必要に応じて、サービス提供者1は、(A5)において除染対象から除かれた廃棄物3c及び化学除染(A7)により発生したイオン交換樹脂等7を電力会社2aに返却する(A11)。
【0035】
上記除染工程により、役務前廃棄物40は、役務後廃棄物41(除染後廃棄物12(高レベル放射性廃棄物,低レベル放射性廃棄物,非放射性廃棄物),二次廃棄物11及び非放射性資源10)となる。ここで、最終的な放射性廃棄物等の廃棄物区分,物量及び処理費用が以下の通りであると、
Figure 2004077162
【0036】
本発明によるサービスによる廃棄物処理費用低減分95は、
Figure 2004077162
となり、放射性廃棄物の汚染レベルを低減することにより、放射性廃棄物の処理に要する総費用の低減が可能となることがわかる。
【0037】
ここで、予め放射性廃棄物データ90と採用した除染方法等の除染性能に関するデータから、放射性廃棄物3を除染した場合の除染効果を示す放射性廃棄物除染効果データを予測算出し、放射性廃棄物除染効果データから、放射性廃棄物を除染して処理した場合の処理費用93を算出することもできる。この場合は放射性廃棄物処理費用低減分95は、
廃棄物処理費用低減分95=(放射性廃棄物を除染せずに処理した場合の処理費用91)−(放射性廃棄物を除染して処理した場合の処理費用93)
と事前評価することができ、予め対価を決めて契約する方法も選択可能となる。
【0038】
電力会社2aは、放射性廃棄物処理費用低減分95に基づき算出された役務提供の対価をサービス提供者1に支払う(A12)。対価支払い(A12)により、電力会社2aのサービス受領は終了し、サービス提供者1のサービス提供も終了する。その後、電力会社2aは放射性廃棄物処理に必要な作業を実施し、放射性廃棄物処理を終了させる(A13)。
【0039】
本発明による放射性廃棄物処理サービスにより、放射性廃棄物3の汚染レベルを低減し、放射性廃棄物3の処理に要する総費用を低減することができる。
【0040】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を図4を用いて説明する。本実施例は、放射性廃棄物処理の責任を有する事業者2である電力会社2aが所有する放射性廃棄物3の処理をサービス提供者1に委託し、サービス提供者1は化学除染により放射性廃棄物3の放射能汚染のレベルを低減させ、汚染レベルが軽減された放射性廃棄物3a及び化学除染工程等で発生した放射性二次廃棄物等を電力会社2aとは異なる放射性廃棄物を埋設する事業者(以下、「放射性廃棄物埋設事業者」70という。)へ引渡す場合の実施例である。
【0041】
まず、放射性廃棄物処理開始(C1)後、サービス提供者1と電力会社2aは、放射性廃棄物汚染低減委託契約9を締結する(C2)。放射性廃棄物汚染低減委託契約9の主要項目としては下記(D1)〜(D5)があげられる。
(D1)放射性廃棄物3の種類と物量
(D2)放射性廃棄物3の引渡し方法
(D3)実施時期及び施工期間
(D4)施工施設の貸与
(D5)電力会社2aからサービス提供者1に支払う対価算出方法
放射性廃棄物汚染低減委託契約9の各内容(上記D1〜D5)については、実施例2の場合と同様に取り決める。この場合は放射性廃棄物は貸与ではなく引渡しとなり、また、電力会社2aへの返却は想定しない。
【0042】
対価算出方法(D5)に関しては、サービス提供者1に発生する費用と放射性廃棄物埋設事業者70へ支払う費用13とを合算して、廃棄物処理費用低減分95に基づき、電力会社2aからサービス提供者1に支払う対価(金額A)を設定する。
【0043】
サービス提供者1と放射性廃棄物埋設事業者70は、放射性廃棄物処分委託契約13を締結する(C3)。放射性廃棄物処分委託契約13の主要項目としては下記(E1)〜(E3)があげられる。
(E1)放射性廃棄物3aの種類と物量
(E2)放射性廃棄物3aの引渡方法
(E3)サービス提供者1から放射性廃棄物埋設事業者70に支払う対価算出方法
放射性廃棄物3aの種類と物量(E1)に関しては、化学除染により汚染レベルが低減された放射性廃棄物3aに加えて、化学除染等で発生した放射性二次廃棄物の処分も合わせて委託する。
【0044】
放射性廃棄物の引渡方法(E2)に関しては、再分別後の放射性廃棄物を、最終処分地まで法規に基づいて輸送し、放射性廃棄物埋設事業者70に有償で引渡す。
【0045】
対価算出方法(E3)に関しては、放射性廃棄物3a等の汚染レベル及び物量並びに廃棄物処理費用低減分95を考慮し、サービス提供者1から放射性廃棄物埋設事業者70に支払う対価(金額B)を定める。
【0046】
本実施例では、放射性廃棄物処分委託契約13と放射性廃棄物汚染低減委託契約9とは別個に結んだ。しかし、サービス提供者,電力会社2a及び放射性廃棄物埋設事業者70の三者間で、放射性廃棄物汚染低減・処分委託契約9aとして放射性廃棄物汚染低減委託契約9及び放射性廃棄物処分委託契約13を纏めた契約を結ぶことも可能である。
【0047】
施工施設の貸与(C4)及び放射性廃棄物の引渡(C5)については、実施例2のA3及びA4と同様であるので省略する。
【0048】
電力会社2aは、放射性廃棄物汚染低減委託契約9に基づく放射性廃棄物処理対価(金額A)の支払い(C6)により、本役務の受領を終了する。
【0049】
「放射性廃棄物の開梱・分割,除染対象物の選定(C7)」から「汚染レベル別再分別・再充填(C11)」は、実施例2のA5からA9と同様であるので省略する。
【0050】
放射性廃棄物3aの再充填後、サービス提供者は、汚染レベルが低減された放射性廃棄物3aを放射性廃棄物埋設事業者70に引渡す(C12)。放射性廃棄物3aを再充填したドラム缶を遮蔽容器4に収納するが、遮蔽が不要なレベルにまで放射能汚染が低減された廃棄物3aについては、遮蔽容器に収納する必要はない。
【0051】
また必要に応じて、サービス提供者1は、C7において除染対象から除かれた廃棄物3c及び化学除染(C8)により発生したイオン交換樹脂等7は二次廃棄物11として放射性廃棄物埋設事業者70に引渡す(C13)。
【0052】
放射性廃棄物3aを放射性廃棄物埋設事業者70に引渡すに際し、サービス提供者1は、放射性廃棄物3aの放射線線量率記録を放射性廃棄物埋設事業者70に提出する。この記録に基づき、放射性廃棄物埋設事業者70への輸送基準を満たす遮蔽機能を備えた容器4を用意する。なお、既存の容器5が使える場合には、容器5に取り付ける遮蔽材を用意し、遮蔽容器4に替えることができる。
【0053】
放射性廃棄物処分委託契約13に基づき、サービス提供者1は放射性廃棄物埋設事業者70に、放射性廃棄物処理対価(金額B)を支払う(C14)。サービス提供者1は、放射性廃棄物処理対価(金額B)の支払いにより、本役務の提供を終了する。その後、放射性廃棄物埋設事業者70は、放射性廃棄物処理に必要な作業を実施し、放射性廃棄物3a等の管理を行い(C15)、放射性廃棄物処理を終了させる(C16)。
【0054】
本実施例による放射性廃棄物処理サービスにより、放射性廃棄物3の汚染レベルを低減し、放射性廃棄物3の処理に要する総費用を低減することができる。本役務によるサービス提供者の正味の対価は、電力会社2aから受け取った放射性廃棄物処理対価(金額A)から放射性廃棄物埋設事業者70に支払う対価(金額B)を差し引いた差分(金額C)ということになる。
【0055】
(実施例3)
本発明の第3の実施例を図5を用いて説明する。本実施例は、上記各実施例において、本役務の化学除染により放射性廃棄物3の汚染レベルがクリアランス・レベルを下回る廃棄物(以下「クリアランス・レベル廃棄物」という。)3dが生じる場合の実施例である。
【0056】
一例として実施例3を基に本実施例を説明する。本実施例は、放射性廃棄物処分委託契約13(F3)を除き、放射性物質処理開始(F1)から放射能レベル測定(F11)まで、実施例3と同様であるので省略する。ただし、サービス提供者1と非放射性廃棄物処理事業者17は、少なくともF16の前に、非放射性廃棄物処分委託契約19を締結する(F4)。詳細については、放射性廃棄物汚染低減委託契約8及び放射性廃棄物処分委託契約13に準ずる。
【0057】
本実施例が実施例3と異なる点は、放射性廃棄物3を化学除染したことにより、クリアランス・レベル廃棄物3dが生じることにある。クリアランス・レベル廃棄物3dについて、法制上一般の廃棄物と同様の処分が可能となった場合には、以下の手順をとる。
【0058】
放射能レベル測定(F11)終了後、測定結果に基づいて放射性廃棄物3aを再分別する。さらに、クリアランス・レベル廃棄物3dについては、有用性により非放射性廃棄物15と非放射性資源10に分別する(F12)。
【0059】
放射性廃棄物の引渡(F13)から対価(B)支払(F15)は、実施例3と同様なので省略する。
【0060】
非放射性廃棄物15及び非放射性資源10は、管理区域から搬出する事が可能なので、非放射性廃棄物処理事業者17に処分を委託する(F16及びF17)。
【0061】
サービス提供者1は、非放射性廃棄物15を非放射性廃棄物処理事業者17へ委託するに際し、非放射性廃棄物15処理対価(金額D)を支払う。一方、サービス提供者1は、非放射性資源16を非放射性廃棄物処理事業者17へ委託(サービス提供者1から非放射性廃棄物処理事業者17へ売却)するに際し、非放射性資源売却対価(金額E)を非放射性廃棄物処理事業者17から受け取る。本実施例では、金額Dから金額Eを差し引いた正味の処理対価(金額F)をサービス提供者1が非放射性廃棄物処理事業者17に支払う(F18)。
【0062】
その後、非放射性廃棄物処理事業者17は、非放射線資源の利用及び非放射性廃棄物の処理を行う(F21)。
【0063】
本実施例による放射性廃棄物処理サービスにより、放射性廃棄物3の汚染レベルを低減し、放射性廃棄物3の処理に要する総費用を低減することができる。この場合における本役務に対する正味の対価は、電力会社2aから受け取った放射性廃棄物処理対価(金額A)と廃棄物処理者8から受け取った非放射性資源売却価格(金額E)の合計から、放射性廃棄物埋設事業者70に支払う放射性廃棄物処理及び放射性二次廃棄物処理対価(金額B)並びに非放射性廃棄物処理事業者17に支払う非放射性廃棄物処理対価(金額D)を差し引いた差分である。
【0064】
(実施例4)
本発明の第4の実施例を図6を用いて説明する。本実施例は、上記各実施例において、除染後の放射能レベル測定をサービス提供者1とは異なる放射能測定者21が行い、また、放射性廃棄物3a及び放射性二次廃棄物11の輸送をサービス提供者1とは異なる輸送業者23が行う場合の実施例である。
【0065】
実施例3との相違点を基に本実施例を説明する。本実施例と実施例3とでは、除染後の放射能測定者並びに放射性廃棄物3a及び放射性二次廃棄物11のサービス提供者から放射性廃棄物埋設施設事業者70への輸送業者23が異なる。以下、実施例3と異なる作業のみを説明する。
【0066】
まず、除染後の放射能測定者21の相違について説明する。サービス提供者1と放射能測定者21は、少なくとも放射能レベル測定(G14)前に、放射能測定委託契約22を締結する(G6)。放射能測定者21は、化学除染(G12)終了後、放射性廃棄物3aの汚染レベルを測定する(G14)。法規によって放射能測定を行政機関等が実施することが義務付けられた場合は、放射能測定者21は行政機関等79とする。放射能レベル測定(G14)の費用(金額G)の負担者については、廃棄物汚染低減委託契約9等で予め決定しておく。法規による規定がある場合にはそれに従い、サービス提供者1が支払う場合には電力会社2aから受け取る対価(金額A)に含める。
【0067】
放射性廃棄物3a及び放射性二次廃棄物11の輸送業者の相違について説明する。サービス提供者1と輸送業者23は、少なくとも輸送(G19)前に、輸送委託契約24を締結する(G5)。輸送業者23は、汚染レベル別再分別・再充填(G15)終了後、放射性廃棄物3a及び放射性二次廃棄物11をサービス提供者1から放射性廃棄物埋設施設事業者70へ輸送する(G19)。輸送費用(金額H)の負担者については、廃棄物汚染低減委託契約9等で予め決定しておく。法規による規定がある場合にはそれに従い、サービス提供者1が支払う場合には電力会社2aから受け取る対価(金額A)に含める。
【0068】
実施例4の全ての対価についても、放射性廃棄物処理費用低減分95を考慮して算出することができる。
【0069】
サービス提供者1は、放射能レベル測定(G14)及び輸送(G19)のうち必ずしも両作業をサービス提供者1とは異なる者に委託する必要はなく、何れかの作業のみ委託してもよい。
【0070】
本実施例による放射性廃棄物処理サービスにより、放射性廃棄物3の汚染レベルを低減し、放射性廃棄物3の処理に要する総費用を低減することができる。
【0071】
(実施例5)
本発明の第5の実施例を図7を用いて説明する。上記各実施例においては、複数の事業者が関与してくるため、放射性廃棄物のトレーサビリティ(追跡可能性)を適切に確保することが重要となる。放射性廃棄物のトレーサビリティを適切に確保するためには、放射性廃棄物に関する情報(以下「放射性廃棄物管理データ」という。)30を適切に管理,更新及び提供することが必要である。ここで放射性廃棄物管理データ30とは、具体的には、放射性廃棄物の発生元,放射性廃棄物の物量,放射性廃棄物の材質,放射性廃棄物の放射能レベルに関する情報,各作業を実施する作業者に関する情報,放射性廃棄物所有者及び放射性廃棄物位置情報等の放射性廃棄物管理に必要となるデータをいう。本実施例は、放射性廃棄物管理データ30が当該役務により変更される度に、サービス提供者1が、電気通信回線を通じて新たな放射性廃棄物管理データ33を追加(更新),管理及び提供する場合の実施例である。
【0072】
一例として実施例5を基に本実施例を説明する。まず、サービス提供者は、電力会社2a,放射性廃棄物埋設事業者70,放射能測定者21,非放射性廃棄物処理事業者17及び輸送業者23(以下「役務に関与する者35」という。)と、各契約9,13,22,19,24を締結する際に、合わせて放射性廃棄物管理データに関する契約99を締結する。本契約99により、サービス提供者1は役務に関与する者35から適時放射性廃棄物管理データを入手し、放射性廃棄物管理データの追加(更新),管理及び提供を行うことを取り決める。
【0073】
具体的には以下の通りである。サービス提供者1は、電力会社2aとの契約において取り決められた、本役務受領に対する対価の額及び支払時期・支払方法,除染を依頼する放射性廃棄物の収納容器の数及び汚染レベル・放射性廃棄物の内容,本役務の実施時期・実施期間,除染方法,本役務に関する全ての作業工程・本役務に関する全ての作業実施時期,その他契約に関する情報等を、サービス提供者が有するサーバ31に接続された、廃棄物管理データベース98,対価データベース97,契約データベース96,資料データベース95等に保管する。電力会社2aが除染を依頼する放射性廃棄物の収納容器の数及び汚染レベル・放射性廃棄物の内容について、適当なデータがない場合は、その後電力会社2a又はサービス提供者1等が測定したデータを、データベース(以下、DBという。)に保管する。サービス提供者1は、放射性廃棄物埋設事業者70との契約において取り決められた、放射性廃棄物の埋設委託に対する対価の額及び支払時期・支払方法,放射性廃棄物業者に委託予定の放射性廃棄物の収納容器の数及び汚染レベル・放射性廃棄物の内容,廃棄物引渡し時期・廃棄物引渡し方法,埋設場所・埋設方法・埋設期間,その他契約に関する情報等を、サーバ31に接続されたDBに保管する。サービス提供者1は、放射能測定者21との契約において取り決められた、放射能レベル測定に対する対価の額及び支払時期・支払方法,放射能測定者に委託予定の放射性廃棄物の収納容器の数及び汚染レベル・放射性廃棄物の内容,放射能測定の実施時期・実施期間・実施方法・実施場所,その他契約に関する情報等を、サーバ31に接続されたDBに保管する。サービス提供者1は、非放射性廃棄物処理事業者17との契約において取り決められた、非放射性廃棄物及び非放射性資源の処理の委託に対する対価の額及び支払時期・支払方法,非放射性廃棄物処理事業者に委託予定の非放射性廃棄物及び非放射性資源のそれぞれの物量・内容・引渡しの時期・引渡し方法,非放射性廃棄物の処理方法・非放射性資源の利用方法,その他契約に関する情報等を、サーバ31に接続されたDBに保管する。サービス提供者1は、輸送業者23との契約において取り決められた、放射性廃棄物の輸送に対する対価の額及び支払時期・支払方法,輸送業者に委託予定の放射性廃棄物の収納容器の数及び汚染レベル・放射性廃棄物の内容,放射性廃棄物の輸送時期・輸送期間・輸送手段・輸送経路,その他契約に関する情報等を、サーバ31に接続されたDBに保管する。
【0074】
また、サービス提供者1は、サービス提供者及び役務に関与する者35に関する情報をDBに保管するとともに、電力会社2aに提供する。
【0075】
サービス提供者1は、本役務の対象となる放射性廃棄物3に対応したサーバへのアクセス権を、役務に関与する者35に適時付与する。これにより、役務に関与する者35は、DBから自由に放射性廃棄物管理データ30等を入手することができる。
【0076】
放射性廃棄物引渡(G8)において、放射性廃棄物の所有者は電力会社2aからサービス提供者へ変更されるため、所有者に関するデータを、電力会社からサービス提供者に変更する。放射性廃棄物の開梱・分別から化学除染(G10〜G12)に際しても、放射性廃棄物物量及び放射能汚染レベルに関する情報等をDBに保管するとともに、電力会社2aに提供する。
【0077】
放射能レベル測定(G14)終了後、放射能測定者21はサービス提供者1に、放射能レベル測定結果情報を提供する。サービス提供者1は、該情報をDBに保管するとともに、電力会社2aに提供する。
【0078】
汚染レベル別再分別・再充填(G15)後、放射性廃棄物の収納容器の数及び各収納容器の放射能レベルに関する情報をDBに保管する。サービス提供者は電力会社2aに、除染前及び除染後の放射性廃棄物の収納容器の数及び各収納容器の放射能レベルに関する情報を提供する。
【0079】
放射性廃棄物及び放射性二次廃棄物の輸送(G19)において、放射性廃棄物の所有者はサービス提供者1から輸送業者23へ、輸送業者23から放射性廃棄物埋設事業者70に変更される。変更の度に、所有者に関する新しい情報を、DBに保管する。また、サービス提供者1は、放射性廃棄物及び放射性二次廃棄物の輸送(G19)に際し、輸送される収納容器の数,放射能レベルに関する情報,輸送業者,輸送方法,放射性廃棄物埋設事業者及び埋設地等の情報を、電力会社,輸送業者及び放射性廃棄物埋設事業者に輸送前に予め提供しておく。
【0080】
放射性廃棄物埋設事業者70は、放射性廃棄物管理(G20)期間中、必要に応じ放射性廃棄物の放射能レベルに関する情報をサービス提供者1に提供する。サービス提供者は該情報をDBに保管するとともに、電力会社2aに提供する。
【0081】
非放射性資源引渡(G16)及び非放射性廃棄物引渡(G17)において、非放射性資源及び非放射性廃棄物の所有者はサービス提供者1から非放射性廃棄物処理事業者17へ変更されるため、所有者に関するデータを、サービス提供者1から非放射性廃棄物処理事業者17に変更する。
【0082】
非放射性廃棄物処理事業者17は、非放射性資源利用,非放射性廃棄物処理(G25)において、該非放射性資源及び非放射性廃棄物の放射性廃棄物管理データ30等が変更された場合に変更後の情報をサービス提供者1に提供する。サービス提供者は該変更後の情報をDBに保管するとともに、電力会社2aに提供する。
【0083】
また、対価支払(G9,G13,G16,G22)に際し、対価支払いに関する情報を対価DB97に保管することも可能である。
【0084】
サービス提供者1は、役務に関与する者による各作業実施ごとの作業報告を、サーバ31に接続された作業報告DB94に保管するとともに、電力会社2aに提供することも可能である。
【0085】
放射性廃棄物管理データ30等全ての情報は、電気通信回線を通じて提供することが可能である。
【0086】
さらに、役務に関与する者35の間で取り交わされる受発注及び契約に関する手続き,資料の授受及び作業手順等についても、同様に電気通信回線を通じて情報管理・提供等することが可能である。
【0087】
また、サービス提供者1は除染前の放射性廃棄物データ90により、放射性廃棄物除染効果データ92,除染して処理する場合の処理費用93,除染せずに処理する場合の処理費用91及び廃棄物処理費用低減分95を計算機を用いて算出し、役務に関与する者35に対して、電気通信回線を介して、廃棄物処理費用低減分95を基に算出された各役務に関与する者35に対する対価の請求処理及び支払処理を行うことが可能である。
【0088】
本実施例では、放射性廃棄物管理データの管理はサービス提供者1が実施したが、役務に関与する者35又は他の第三者が行ってもよい。また、サービス提供者1はサーバを所有するのみとし、サービス提供者1を介さずに、DBへの情報の追加・更新等を直接可能としてもよい。さらに、サーバ31は、サービス提供者ではなく、役務に関与する者35のうち何れか或いは他の第三者が所有していてもよい。
【0089】
本実施例での保管は、データの新規作成,管理,追加及び更新を含むものとする。本実施例での放射性廃棄物の所有者とは、放射性廃棄物に対する作業を実施している者という程度の意味である。
【0090】
本実施例による放射性廃棄物処理サービスにより、複数の者が関与する場合においても、役務に関する情報の管理,追加(更新)及び提供等が容易となる。また、放射性廃棄物のトレーサビリティの適切な確保が可能となる。
【0091】
上記各実施例では、本役務の除染対象物として既存(既に固体廃棄物貯蔵庫に移送された)の放射性廃棄物を対象とした。しかし、直接サービス提供者1が当該取替工事等で発生する放射性廃棄物3を受け取り、本役務を実施することも可能である。この場合は、機器配管取替工事等に先立ち(固体廃棄物貯蔵庫に移送される前に)、事前にサービス提供者1と電力会社2aとで放射性廃棄物汚染低減委託契約9を締結する必要がある。
【0092】
上記各実施例において、放射性廃棄物の汚染レベルがクリアランス・レベル以下となった廃棄物は、そのまま発電所敷地内で一般廃棄物として保管或いは利用することも可能である、また、放射性廃棄物埋設事業者70の施設内で一般廃棄物として保管或いは利用することも可能である。保管費用は除染後の放射性廃棄物3aに比べさらに低減できる。
【0093】
上記各実施例では、原子力発電所内で発生した放射性廃棄物に対する除染役務について説明したが、除染対象である放射性廃棄物は原子力発電所内で発生したものに限られず、医療機関・研究所等で発生した放射性廃棄物についても本役務の対象とすることができる。
【0094】
上記各実施例では、除染工程を放射性廃棄物処理の責任を有する事業者敷地内で実施したが、適切な管理区域であれば、当該事業者敷地外で実施してもよい。
【0095】
上記各実施例では、除染方法として化学除染を採用する例で説明したが、この他にブラスト処理等に代表される機械除染,レーザ除染,電解研磨除染等を採用しても同様の役務提供が可能である。
【0096】
上記各実施例において、サービス提供者1は、自らが実施するとした作業(例えばA5〜A11)のうち少なくとも何れかを外部業者に二次委託することも可能である。この場合、サービス提供者1は、二次委託をしない作業の実施及び一連の作業の管理を行う。
【0097】
対価支払(A12等)時期は実施例に記載された時期に限られるものではなく、どの時期に行ってもよい。また、各種契約(放射性廃棄物汚染低減委託契約8等)の時期についても、実施例に記載された時期に限られるものではなく、委託等を受ける者が当該委託作業を実施する前に行えばよい。
【0098】
【発明の効果】
本発明の廃棄物処理サービスにより、放射性廃棄物の保管あるいは処分において、当該放射性廃棄物の汚染レベルを低減することができ、放射性廃棄物の処理に要する総費用の低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】化学除染工程を示す図である。
【図3】本実施例において採用した化学除染装置を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…サービス提供者、2…放射性廃棄物処理の責任を有する事業者、2a…電力会社、3…放射性廃棄物、3a…除染後の放射性廃棄物、17…非放射性廃棄物処理事業者、21…放射能測定者、23…輸送業者、35…役務に関与する者、70…放射性廃棄物埋設事業者。

Claims (8)

  1. 電力会社が有する原子力発電所内に保管されている放射性核種に汚染された放射性廃棄物を前記原子力発電所内で除染し、
    除染後の前記放射性廃棄物の放射能レベルを測定し、
    該測定結果に基づいて前記放射性廃棄物を放射能レベルごとに分別し、
    分別された前記放射性廃棄物を対応する放射能レベルが表示された収納容器に収納し、該収納容器を前記電力会社に提供する
    ことを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
  2. 電力会社が有する原子力発電所内に保管されている放射性核種に汚染された放射性廃棄物を前記原子力発電所内で除染し、
    除染後の前記放射性廃棄物の放射能レベルを測定し、
    該測定結果に基づいて前記放射性廃棄物を放射能レベルごとに分別し、
    分別された前記放射性廃棄物を対応する放射能レベルが表示された収納容器に収納し、該収納容器を放射性廃棄物を埋設する事業者に提供する
    ことを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記除染の前に、前記放射性廃棄物を、除染を行うものと行わないものに分別することを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
  4. 請求項1又は2において、前記除染により発生した放射性二次廃棄物も前記収納容器に収納することを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
  5. 請求項1又は2において、除染前の前記放射性廃棄物の処分費用と、除染後の前記放射性廃棄物の処分費用との差額に基づいて算出される対価を、前記電力会社から受けることを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
  6. 請求項1又は2において、前記除染は、化学除染,機械除染,レーザ除染及び電解研磨除染のうち少なくとも何れかであることを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
  7. 電力会社から除染処理を依頼された放射性廃棄物の収納容器の数と各収納容器の放射能レベルに関する情報を、除染前の放射性廃棄物管理データとしてデータベースに保管し、
    除染処理後に測定された前記放射性廃棄物の放射能レベルに従って分別された前記収納容器の数と各収納容器の放射能レベルに関する情報を、除染後の放射性廃棄物管理データとしてデータベースに保管し、
    データベースに保管された放射性廃棄物管理データのうち、少なくとも除染後の放射性廃棄物管理データを、通信回線を介して前記電力会社に提供することを特徴とする放射性廃棄物管理データ提供方法。
  8. 請求項7において、更に、前記電力会社が所有する原子力発電所から放射性廃棄物の埋設地まで除染後の前記収納容器を輸送する際に、輸送される収納容器の数及び放射能レベルに関する情報と、輸送業者,輸送方法,受け入れ業者,埋設地のうち少なくとも1つに関する情報とをデータベースに保管し、
    この情報を、少なくとも前記電力会社,前記輸送業者及び前記受け入れ業者の何れかに、通信回線を介して提供することを特徴とする放射性廃棄物管理データ提供方法。
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