JP2004075943A - Cyclic peptide bonding vinyl aromatic compound polymer and its manufacturing method - Google Patents
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Abstract
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、側鎖に環状ペプチド構造を導入した環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体に関するものであり、さらに詳しくは、イオン性物質や生理活性物質・毒素などの吸着、除去などに好適に使用し得る環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体およびその製法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ポリミキシンＢを固定化したポリスチレン繊維は、エンドトキシンを吸着・不活化する性質があり、これを充填した体外循環モジュールは、敗血症の治療に実用されている（特開昭５８−１１２６９５号公報）。また、ポリミキシンＢやグラミシジンＳなどの環状ペプチドを固定化したポリスチレンシャーレは、細胞の活性化作用もあることが知られていて（特開平４−７１４７８号公報）、今後、さらに幅広い応用が期待される重要な分野である。この他、ポリスルホン中空糸の表面に環状ペプチドを固定化した変性ポリスルホン半透膜も知られている（特開平９−２２０４５４号公報）が、これらはいずれも成型品の表面を環状ペプチドの溶液で処理する不均一系反応で製造されたものである。
【０００３】
しかるに、固体・液体系の反応では表面の官能基密度の調整が難しく架橋反応が起きやすい反応のため、不均一系反応で製造した場合、表面と内部では架橋密度や化学構造が異なり、再現性よく製造することが難しい。そこでポリスルホンについてはポリミキシンＢを結合した可溶性の変性ポリスルホン（特開平１１−１４０１８９号公報）が開発された。このものは成膜性が良く、優れたエンドトキシン吸着性を持つ有用な機能性ポリマーであるが、極性の高い剛直な分子構造をしているので、極性の低いポリマーであるポリスチレンやポリエチレンの成型品の上にコーティングしたときは剥離しやすい欠点がある。ポリスチレンやポリエチレンのオレフィン系ポリマーはバイオや医療分野に広く利用されているので、これらと親和性のあるポリマーが望まれる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、かかる従来技術の問題点に鑑み、均一系で製造できればこれらの問題点が解決できると考え、溶媒に溶ける可溶性のビニル芳香族化合物重合体が簡便な方法で得られないか、種々検討した結果、官能基密度の低いハロアセトアミドメチル化ポリスチレンの溶液とポリミキシンＢの溶液を混ぜることによって、可溶性かつ成膜性があり、良好な膜を与えるポリミキシンＢ結合アセトアミドメチル化ポリスチレンの調製に成功し、本発明に到達した。
【０００５】
すなわち、本発明は、イオン性物質や生理活性物質・毒素などの吸着、除去などに好適に使用し得る材料として有用な、環状ペプチド殘基を側鎖にもち、かつ、加工性のよい、新規なビニル芳香族化合物重合体とその製法を提供することを目的とするものである。
【０００６】
本発明の他の目的は、以下の説明から明らかにされる。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成から成る。
【０００８】
（１） ビニル芳香族化合物重合体に、アミノ基をもつ環状ペプチド殘基を結合してなることを特徴とする環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体。
【０００９】
（２） 前記環状ペプチド殘基がポリミキシンＢまたはその誘導体であることを特徴とする（１）に記載の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体。
【００１０】
（３） 前記環状ペプチド殘基がグラミシジンＳまたはその誘導体であることを特徴とする（１）に記載の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体。
【００１１】
（４） （１）〜（３）のいずれかに記載の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体を成型してなることを特徴とする環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体の成型品。
【００１２】
（５） 形状が繊維、膜、中空糸または粒状物であることを特徴とする（４）に記載の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体の成型品。
【００１３】
（６） （１）〜（３）のいずれかに記載のビニル芳香族化合物重合体を繊維、膜、中空糸または粒状物にコーティングしてなることを特徴とする環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体がコーティングされた成型品。
【００１４】
（７） （１）〜（３）のいずれかに記載のビニル芳香族化合物重合体、（４）もしくは（５）記載のビニル芳香族化合物重合体の成型品または（６）に記載の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体がコーティングされた成型品からなる内毒素除去材。
【００１５】
（８） （７）に記載の内毒素除去材を充填してなる体外循環カラム。
【００１６】
（９） 主鎖の芳香核に、側鎖官能基として活性ハロゲン含有置換基を繰り返し単位あたり０．０００１以上、０．３以下の密度で有するビニル芳香族化合物重合体の溶液とアミノ基をもつ環状ペプチド化合物の溶液を混合し反応せしめることを特徴とする環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体の製法。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【００１８】
本発明でいう、ビニル芳香族化合物重合体に、アミノ基をもつ環状ペプチド殘基を結合してなる環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体とは、ポリスチレン、ポリビニルトルエンで代表されるビニル芳香族化合物重合体であって、その芳香核の一部が環状ペプチド殘基を結合しているものを示す。好ましい環状ペプチド殘基の結合状態を化学式で表すと、下記一般式（１）
−（ＣＨ２ ）ｎ −Ａ−（ＣＨ２ ）ｍ −Ｙ （１）
（式中、ｎとｍは０以上２０以下の整数を表し、ｎとｍは同一でも異なっていてもよい。Ａは酸素原子、硫黄原子、窒素原子、尿素基、アミド基またはメチレン基を示し、Ｙはアミノ基をもつ環状ペプチド殘基を示す。）で示される基で表される。
【００１９】
本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体の具体例としては、その芳香核に、好適には上記一般式（１）で表される環状ペプチド残基を結合させたものであって、かつ、それらが、Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドなどの有機溶媒に可溶であるものを挙げることができる。
【００２０】
上記一般式（１）で表される環状ペプチド残基が、芳香核に結合している位置はどこでもよく、特に限定はされない。
【００２１】
本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体中における一般式（１）で示される環状ペプチド残基の適正な量、即ち、密度は幹となる重合体の化学構造および用途によって異なるが、少なすぎるとその機能が発現されない。一方、芳香核に置換基をたくさん入れすぎると、その優れた機械的性質が失われる。したがって、一般式（１）で表される環状ペプチド残基の量が多すぎると、単独では強靭な膜になりにくいので、通常、繰り返し単位当たり０．０００１〜０．３個、とりわけ、０．００１〜０．１個が好ましい。
【００２２】
本発明において、アミノ基をもつ環状ペプチドは、好ましくは２個以上、５０個以下のアミノ酸からなる環状ペプチドであって、その側鎖に１個以上のアミノ基をもち、その側鎖が１個以上あるものであり、その具体例としてはポリミキシンＢ、ポリミキシンＥ、コリスチン、グラミシジンＳあるいはこれらのアルキルあるいはアシル誘導体などをあげることができる。ここでのアミノ基は、吸着の特異性を発揮するためにあると共に、主鎖であるビニル芳香族化合物重合体との結合に利用される。
【００２３】
本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体は、本発明の効果を妨げない範囲で、他の共重合成分を共重合させることができる。共重合成分としては、エチレン、プロピレン、イソブテンなどが挙げられ、９９％程度まで含有させることができる。本発明の上記重合体（および共重合体）の分子量は、成型できるものであればよく特に制限はないが、通常、５万以上５００万以下、とりわけ、１０万以上１００万以下のものが好ましく用いられる。
【００２４】
本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体は、対応する活性ハロゲン基含有置換基を有するビニル芳香族化合物重合体の溶液に、アミノ基をもつ環状ペプチド化合物の溶液を混合せしめ反応させることにより製造することができる。ここで活性ハロゲン基含有置換基を有するビニル芳香族化合物重合体中の活性ハロゲン基量は少なすぎると、環状ペプチド結合の機能が発現されず、一方、多すぎると、ビニル芳香族化合物重合体の優れた機械的性質が失われるので、繰り返し単位あたり０．０００１以上、０．３以下の密度で有することが好ましい。本発明でいう活性ハロゲン含有置換基とはクロルアセトアミドメチル基、２−ブロムプロピオニルアミドメチル基、２−ヨウドブチロイルアミドメチル基等で代表されるハロアセチル基、および、クロルメチル基のようなものをいう。また、繰り返し単位とは重合体中の最小繰り返し構造を意味し、ポリスチレンを例に上げるなら、スチレン残基が繰り返し単位である。なお、ここで用いる繰り返し単位あたり０．０００１以上、０．３以下の密度でハロアセチル基を有するビニル芳香族化合物重合体は、ビニル芳香族化合物重合体に硫酸触媒下、同モルのＮ−ヒドロキシメチル−２−クロロアセトアミドを０〜室温で反応させることにより調製することが出来る。また、クロルメチル基を有するビニル芳香族化合物重合体はビニル芳香族化合物重合体をクロルメチル化することにより得ることが出来る。
【００２５】
本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体調製の具体例をあげると、ハロアセトアミドメチル化ビニル芳香族化合物重合体の溶液中に対応したアミノ基をもつ環状ペプチドを加えて、０〜１００℃の温度で反応させることにより、製造することができる。 環状ペプチドの量は、ハロアセトアミドメチル基に対し等モルあればよく、特に制限はないが、再現性よく、ビニル芳香族化合物重合体を得るためには２倍モル以上用いることが望ましい。とりわけ、環状ペプチドがポリミキシンＢやその誘導体およびグラミシジンＳのように分岐のあるポリアミンの場合は、重合体を得るためにはポリミキシンＢやその誘導体またはグラミシジンＳやその誘導体を大過剰に用いることが好ましい。
【００２６】
また、反応溶媒としては、均一系で反応させる場合には、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルアセトアミドおよびＮ−メチルピロリドンなどのビニル芳香族化合物重合体とアミノ基をもつ環状ペプチドの両者を溶解する溶媒が好ましく用いられる。
【００２７】
本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体は、ジメチルスルホキシド、Ｎ，Ｎ−ジメチルホルムアミド、Ｎ，Ｎ−ジメチルアセトアミドおよびＮ−メチルピロリドン等の溶媒に可溶性の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体であり、それ自体で繊維、膜、中空糸および粒体などに成型し、吸着材、あるいは、より高度な機能をもつ吸着材の製造中間体として用いることができる。成型方法の例としては、本発明重合体の溶液を水などの重合体の非溶媒中押し出して繊維や膜を作ることが出来る。また、ポリエチレン、ナイロン、ポウレタン、ポリイミドなどの繊維、膜、中空糸などの成型品の表面にコーティングして用いることもできる。また、本発明重合体の溶液中にポリエチレン、ナイロン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどの繊維、膜、中空糸、粒状物などの成型品を浸した後、取り出し、溶媒を蒸発させるか、水等の重合体の非溶媒中に該成型品を浸積することにより表面をコーティングされた成型品を得ることができる。コーティングに用いる本発明の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体は溶媒に可溶であると、均一なコーティングができるので、特に好ましい。本発明の実施においては、環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体を単独で成型あるいはコーティングに用いることもできるが、他のポリマー、例えば、芳香族ポリスルホン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド等のポリマーとブレンドして使用することもできる。
【００２８】
これらは、内毒素（エンドトキシン）に対する吸着性があるので、内毒素吸着材として用いることができ、細胞培養用器具、体外循環用カラム、人工血管、カテーテル等への用途に好適であるが、本発明ではこれらの用途に限定されるものではない。内毒素吸着材として用いる場合、該吸着材をカラムに充填し体外循環用カラムとして好適に用いることができ、体外循環用カラムは環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体成型品を内容積３００ｍＬ以下のカラムに、一分間に５ｍＬから２００ｍＬの流速条件で血液が円滑に流れるように充填し、高圧蒸気滅菌などの滅菌操作を施すことにより得ることが出来る。これは敗血症などの体外循環治療に用いることが出来る。
【００２９】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本実施例中の赤外線吸収スペクトルとアミノ酸分析の評価方法は、以下に従った。
１．赤外線吸収スペクトル：
島津フーリエ変換赤外分光光度計ＦＴ−ＩＲ４３００を用い、膜状またはＫＢｒ錠剤に成型して測定した。
２．アミノ酸分析：
０．１ｇのポリマーを１０ｍＬの６Ｎ塩酸とともにガラス封管に封入し、１１５℃で１５時間加熱して、加水分解した後、減圧濃縮した。この液についてアミノ酸分析を行なって、含まれているペプチドの量を求めた。
【００３０】
［重合体Ａの作製］
硫酸２３ｍＬとニトロベンゼン１２ｍＬの混合液を０℃に冷却し、これに ３．２ｇ（０．０２６モル）のＮ−メチロール−α−クロルアセトアミドを溶解した。この溶液をポリスチレン２６．５ｇ（０．２６モル）を４５０ｍｌのニトロベンゼンに溶かした溶液に、良く撹拌しながら加えた。これを室温で３時間撹拌した後、大過剰の冷メタノール中に入れ、ポリマーを沈殿させた。沈殿をメタノールおよび水で洗った後、乾燥して、２８．９ｇα−クロルアセトアミドメチル化ポリスチレン（重合体−Ａ）を得た。Ｎ、Ｎ−ジメチルホルムアミド、クロロホルムに良く溶ける。クロロホルム溶液をガラス板上にキャストして、良好な膜が得られた。赤外線吸収スペクトルで１６７６ｃｍ−１にアミド基の吸収を示した。
【００３１】
［実施例１］
次に、ポリミキシンＢ硫酸塩８ｇを２８０ｍＬのジメチルスルホキシドと１５０ｍＬのジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶かし、６Ｍ−水酸化ナトリウム４ｍＬを加えた溶液に、上記で得た重合体−Ａの１６ｇを２００ｍＬのジメチルアセトアミドと２００ｍＬのジメチルスルホキシド２００ｍＬからなる混合溶媒に溶かしたものを加え、室温で４８時間撹拌した。反応混合物を大過剰の希塩酸中に入れ、ポリマーを沈殿させ、沈殿物を水でよく洗った後、乾燥して、１７．５ｇのポリマーを得た。これをＤＭＦ５０ｍＬに溶かし、水で沈殿させて３．５ｇの本発明の実施例１の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体を得た。このポリマーをアミノ酸分析した結果、ポリミキシンＢ結合量はポリマー１ｇあたり４９ｍｇであった。
【００３２】
このポリマーはジメチルホルムアミドとジメチルアセトアミドによく溶けるものであった。このポリマーのジメチルホルムアミド溶液をガラス上にコーティングし、真空乾燥したところ、良好な膜が得られた。
【００３３】
［実施例２］
５０ｍＬのジメチルホルムアミドに実施例１の環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体を１ｇ溶かした溶液に、ナイロン６繊維（７０デニール−５２フィラメント）の筒編み６ｇを１日浸した後、遠心脱水し、次いで、５０℃で真空乾燥して、コーティング糸の編み地（実施例２）を得た。この編み地０．２ｇを、エンドトキシンの牛胎児血清溶液（Ｅ．ｃｏｌｉＯ１１１：Ｂ４を１０ｎｇ／ｍＬ濃度に溶かしたもの）１５ｍＬ中に入れ、１時間振盪した後、溶液のエンドトキシンを和光純薬製のリムラスＥＳテストワコー試薬とトキシノメーターを用いて測定したところ、エンドトキシン濃度が１ｎｇ／ｍＬまで低下していた。
【００３４】
［実施例３］
グラミシジンＳ塩酸塩１ｇを５０ｍＬのジメチルアセトアミドに溶かし、５Ｎ−水酸化ナトリウム１ｍＬを加えた溶液に、実施例１で得た重合体−Ａの４ｇを５０ｍＬのジメチルアセトアミドに溶かしたものを加え、室温で４８時間撹拌した。反応混合物を大過剰の希塩酸中に入れ、ポリマーを沈殿させ、沈殿物を水でよく洗った後、乾燥して、４ｇの本発明にかかる環状ペプチド結合ビニル芳香族化合物重合体（実施例３）を得た。このポリマーをアミノ酸分析した結果、グラミシジンＳ結合量はポリマー１ｇあたり２５ｍｇであった。
【００３５】
このポリマーはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドによく溶けるものであった。このポリマーのジメチルホルムアミド溶液をガラス上にコーティングし、真空乾燥したところ、強靭な膜が得られた。
【００３６】
【発明の効果】
本発明によれば、加工性に優れ、エンドトキシンなどの生理活性物質の吸着、分離材料として有用な可溶性ビニル芳香族化合物重合体が得られる。
【００３７】
また、このビニル芳香族化合物重合体は、シャーレ、瓶、膜、繊維、中空糸、粒状物またはこれらを用いた組み立て品などの成型品の形で、アフィニティークロマトグラフ用吸着剤、治療用血液処理剤として好適に使用することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer having a cyclic peptide structure introduced into a side chain, and more particularly, it is suitably used for adsorption and removal of ionic substances, bioactive substances, toxins, and the like. The present invention relates to a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer and a process for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Hitherto, polymyxin B having immobilized polymyxin B has a property of adsorbing and inactivating endotoxin, and an extracorporeal circulation module filled with this is used for the treatment of sepsis (Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-112699). . Further, it is known that a polystyrene petri dish in which a cyclic peptide such as polymyxin B or gramicidin S is immobilized also has an activity of activating cells (Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-71478), and is expected to be applied in a wider range in the future. Important area. In addition, a modified polysulfone semipermeable membrane in which a cyclic peptide is immobilized on the surface of a polysulfone hollow fiber is also known (Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-220454). It is produced by a heterogeneous reaction to be processed.
[0003]
However, in the case of solid-liquid reactions, it is difficult to adjust the functional group density on the surface because of the difficulty in adjusting the functional group density, and when manufactured by a heterogeneous reaction, the crosslink density and chemical structure are different between the surface and the interior, resulting in reproducibility. Difficult to manufacture well. Therefore, as for polysulfone, a soluble modified polysulfone to which polymyxin B is bound (JP-A-11-140189) has been developed. This is a useful functional polymer with good film-forming properties and excellent endotoxin-adsorbing properties, but it has a highly polar and rigid molecular structure, so it is a molded product of low-polarity polymers such as polystyrene and polyethylene. There is a disadvantage that it is easily peeled off when coated on the surface. Since olefin-based polymers such as polystyrene and polyethylene are widely used in the biotechnology and medical fields, polymers having affinity with these are desired.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the problems of the prior art, the present inventors consider that these problems can be solved if they can be produced in a homogeneous system, and whether a soluble vinyl aromatic compound polymer soluble in a solvent can be obtained by a simple method. Preparation of polymyxin B-bonded acetamidomethylated polystyrene that is soluble, has a film-forming property and gives a good film by mixing a solution of haloacetamide methylated polystyrene with a low functional group density and a solution of polymyxin B as a result of various studies. Succeeded and arrived at the present invention.
[0005]
That is, the present invention provides a novel peptide having a cyclic peptide residue on the side chain, which is useful as a material that can be suitably used for adsorption and removal of ionic substances, physiologically active substances and toxins, and has good processability. It is an object of the present invention to provide a novel vinyl aromatic compound polymer and a method for producing the same.
[0006]
Other objects of the present invention will be apparent from the following description.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configuration to achieve the above object.
[0008]
(1) A cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer obtained by bonding a cyclic peptide residue having an amino group to a vinyl aromatic compound polymer.
[0009]
(2) The cyclic peptide-bound vinyl aromatic compound polymer according to (1), wherein the cyclic peptide residue is polymyxin B or a derivative thereof.
[0010]
(3) The cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer according to (1), wherein the cyclic peptide residue is gramicidin S or a derivative thereof.
[0011]
(4) A molded article of a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer obtained by molding the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer according to any one of (1) to (3).
[0012]
(5) The molded article of the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer according to (4), wherein the shape is a fiber, a membrane, a hollow fiber, or a granular material.
[0013]
(6) A cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer obtained by coating the vinyl aromatic compound polymer according to any one of (1) to (3) on a fiber, a membrane, a hollow fiber, or a granular material. Molded product coated with coalescence.
[0014]
(7) The vinyl aromatic compound polymer according to any one of (1) to (3), a molded article of the vinyl aromatic compound polymer according to (4) or (5), or the cyclic peptide according to (6) Endotoxin removal material consisting of a molded article coated with a bound vinyl aromatic compound polymer.
[0015]
(8) An extracorporeal circulation column packed with the endotoxin removing material according to (7).
[0016]
(9) The aromatic nucleus of the main chain has an amino group and a solution of a vinyl aromatic compound polymer having an active halogen-containing substituent as a side chain functional group at a density of 0.0001 or more and 0.3 or less per repeating unit. A method for producing a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer, comprising mixing and reacting a solution of a cyclic peptide compound.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0018]
In the present invention, a vinyl aromatic compound polymer, a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer obtained by bonding a cyclic peptide residue having an amino group is a vinyl aromatic compound represented by polystyrene and polyvinyl toluene. It shows a polymer in which a part of the aromatic nucleus has a cyclic peptide residue bonded thereto. When the preferred bonding state of the cyclic peptide residue is represented by a chemical formula, the following general formula (1)
- (CH 2) n -A- ( CH 2) m -Y (1)
(In the formula, n and m represent an integer of 0 or more and 20 or less, and n and m may be the same or different. A represents an oxygen atom, a sulfur atom, a nitrogen atom, a urea group, an amide group or a methylene group. , Y represents the residue of a cyclic peptide having an amino group.).
[0019]
As a specific example of the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention, a compound in which a cyclic peptide residue represented by the above general formula (1) is preferably bonded to the aromatic nucleus, and And those in which they are soluble in organic solvents such as N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide and dimethylsulfoxide.
[0020]
The position where the cyclic peptide residue represented by the general formula (1) is bonded to the aromatic nucleus may be anywhere, and is not particularly limited.
[0021]
The appropriate amount of the cyclic peptide residue represented by the general formula (1), that is, the density, in the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention varies depending on the chemical structure and application of the trunk polymer, but is small. If it is too much, its function is not expressed. On the other hand, if the aromatic nucleus contains too many substituents, its excellent mechanical properties are lost. Therefore, if the amount of the cyclic peptide residue represented by the general formula (1) is too large, it is difficult to form a tough film by itself, so that usually 0.0001 to 0.3, especially 0.1. 001 to 0.1 are preferred.
[0022]
In the present invention, the cyclic peptide having an amino group is preferably a cyclic peptide consisting of 2 or more and 50 or less amino acids, and has one or more amino groups on its side chain and one side chain. Specific examples thereof include polymyxin B, polymyxin E, colistin, gramicidin S, and alkyl or acyl derivatives thereof. The amino group here is used for exhibiting the specificity of adsorption, and is used for bonding to the vinyl aromatic compound polymer as the main chain.
[0023]
The cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention can be copolymerized with other copolymer components as long as the effects of the present invention are not impaired. Examples of the copolymer component include ethylene, propylene, and isobutene, and can be contained up to about 99%. The molecular weight of the polymer (and copolymer) of the present invention is not particularly limited as long as it can be molded, but is generally preferably 50,000 to 5,000,000, particularly preferably 100,000 to 1,000,000. Used.
[0024]
The cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention is prepared by mixing a solution of a vinyl aromatic compound polymer having a corresponding active halogen group-containing substituent with a solution of a cyclic peptide compound having an amino group and reacting the mixture. Can be manufactured. Here, if the amount of the active halogen group in the vinyl aromatic compound polymer having an active halogen group-containing substituent is too small, the function of the cyclic peptide bond is not exhibited, while if the amount is too large, the vinyl aromatic compound polymer Since excellent mechanical properties are lost, it is preferable to have a density of 0.0001 or more and 0.3 or less per repeating unit. The active halogen-containing substituent referred to in the present invention means a haloacetyl group represented by a chloroacetamidomethyl group, a 2-bromopropionylamidomethyl group, a 2-iodobutyroylamidomethyl group, and the like, and a chloromethyl group. . Further, the repeating unit means the minimum repeating structure in the polymer. In the case of polystyrene as an example, a styrene residue is a repeating unit. In addition, the vinyl aromatic compound polymer having a haloacetyl group at a density of 0.0001 or more and 0.3 or less per repeating unit used herein is the same mole of N-hydroxymethyl as the vinyl aromatic compound polymer under a sulfuric acid catalyst. It can be prepared by reacting -2-chloroacetamide at 0 to room temperature. Further, a vinyl aromatic compound polymer having a chloromethyl group can be obtained by chloromethylating the vinyl aromatic compound polymer.
[0025]
To give a specific example of the preparation of the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention, a cyclic peptide having a corresponding amino group is added to a solution of a haloacetamide methylated vinyl aromatic compound polymer, and 0 to 100 ° C. By reacting at a temperature of The amount of the cyclic peptide may be an equimolar amount to the haloacetamide methyl group, and is not particularly limited. In particular, when the cyclic peptide is a branched polyamine such as polymyxin B or its derivative and gramicidin S, it is preferable to use polymyxin B or its derivative or gramicidin S or its derivative in a large excess in order to obtain a polymer. .
[0026]
When the reaction is carried out in a homogeneous system, a vinyl aromatic compound polymer such as tetrahydrofuran, dimethyl sulfoxide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide and N-methylpyrrolidone is used as a reaction solvent with an amino group. A solvent that dissolves both of the cyclic peptides having the above formula (1) is preferably used.
[0027]
The cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention is a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer soluble in a solvent such as dimethyl sulfoxide, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide and N-methylpyrrolidone. It can be itself molded into fibers, membranes, hollow fibers, granules, and the like, and used as an adsorbent or an intermediate for the production of an adsorbent having higher functions. As an example of a molding method, a solution of the polymer of the present invention can be extruded into a non-solvent of a polymer such as water to produce a fiber or a membrane. Further, it can be used by coating the surface of a molded product such as a fiber such as polyethylene, nylon, polyurethane, or polyimide, a membrane, or a hollow fiber. Also, after immersing a molded article such as polyethylene, nylon, polyurethane, polyimide, polyphenylene sulfide or the like, a fiber, a membrane, a hollow fiber, or a granular material in a solution of the polymer of the present invention, taking out the solvent, evaporating the solvent or water or the like. By immersing the molded article in a non-solvent of the above polymer, a molded article whose surface is coated can be obtained. The cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of the present invention used for coating is particularly preferably soluble in a solvent because a uniform coating can be formed. In the practice of the present invention, a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer can be used alone for molding or coating, but other polymers such as aromatic polysulfone, polyurethane, polyimide, polyetherimide, polyamide, etc. It can be used by blending with a polymer.
[0028]
These are adsorbents for endotoxin (endotoxin), so they can be used as endotoxin adsorbents and are suitable for use in cell culture instruments, extracorporeal circulation columns, artificial blood vessels, catheters, etc. The invention is not limited to these uses. When used as an endotoxin adsorbent, the adsorbent can be packed into a column and used suitably as a column for extracorporeal circulation. The extracorporeal circulation column is a cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer molded product having an internal volume of 300 mL or less. It can be obtained by packing a column so that blood flows smoothly at a flow rate of 5 mL to 200 mL per minute, and performing a sterilization operation such as high-pressure steam sterilization. It can be used for extracorporeal circulation treatment such as sepsis.
[0029]
【Example】
Next, the present invention will be specifically described based on examples. In addition, the evaluation method of the infrared absorption spectrum and amino acid analysis in the present example was as follows.
1. Infrared absorption spectrum:
Using a Shimadzu Fourier Transform Infrared Spectrophotometer FT-IR4300, measurement was performed by molding into a film or a KBr tablet.
2. Amino acid analysis:
0.1 g of the polymer was sealed in a glass sealed tube together with 10 mL of 6N hydrochloric acid, heated at 115 ° C. for 15 hours, hydrolyzed, and then concentrated under reduced pressure. This solution was subjected to amino acid analysis to determine the amount of the contained peptide.
[0030]
[Preparation of Polymer A]
A mixture of 23 mL of sulfuric acid and 12 mL of nitrobenzene was cooled to 0 ° C., and 3.2 g (0.026 mol) of N-methylol-α-chloroacetamide was dissolved therein. This solution was added to a solution of 26.5 g (0.26 mol) of polystyrene in 450 ml of nitrobenzene with good stirring. This was stirred at room temperature for 3 hours and then poured into a large excess of cold methanol to precipitate the polymer. The precipitate was washed with methanol and water, and then dried to obtain 28.9 g of α-chloroacetamidomethylated polystyrene (polymer-A). Dissolves well in N, N-dimethylformamide and chloroform. A good film was obtained by casting the chloroform solution on a glass plate. The infrared absorption spectrum showed absorption of an amide group at 1676 cm -1 .
[0031]
[Example 1]
Next, 8 g of polymyxin B sulfate was dissolved in a mixed solvent of 280 mL of dimethyl sulfoxide and 150 mL of dimethylformamide, and 16 g of the polymer-A obtained above was added to 200 mL of dimethyl sulfoxide in a solution containing 4 mL of 6 M sodium hydroxide. A solution dissolved in a mixed solvent composed of acetamide and 200 mL of dimethyl sulfoxide (200 mL) was added, and the mixture was stirred at room temperature for 48 hours. The reaction mixture was placed in a large excess of dilute hydrochloric acid to precipitate the polymer, and the precipitate was thoroughly washed with water and then dried to obtain 17.5 g of a polymer. This was dissolved in DMF (50 mL) and precipitated with water to obtain 3.5 g of the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of Example 1 of the present invention. As a result of amino acid analysis of this polymer, the amount of polymyxin B bound was 49 mg / g of polymer.
[0032]
This polymer was soluble in dimethylformamide and dimethylacetamide. A solution of this polymer in dimethylformamide was coated on glass and dried under vacuum to obtain a good film.
[0033]
[Example 2]
In a solution of 1 g of the cyclic peptide-bonded vinyl aromatic compound polymer of Example 1 in 50 mL of dimethylformamide, dipped 6 g of nylon 6 fiber (70 denier-52 filament) in a tubular knit for 1 day, followed by centrifugal dehydration. Next, it was vacuum-dried at 50 ° C. to obtain a knitted fabric of a coating yarn (Example 2). 0.2 g of the knitted fabric was placed in 15 mL of fetal bovine serum solution of endotoxin (E. coli O111: B4 dissolved at a concentration of 10 ng / mL), shaken for 1 hour, and the endotoxin in the solution was purified by Wako Pure Chemical Industries, Ltd. As a result of measurement using Limulus ES Test Wako Reagent and a toxinometer, the endotoxin concentration was reduced to 1 ng / mL.
[0034]
[Example 3]
To a solution in which 1 g of gramicidin S hydrochloride was dissolved in 50 mL of dimethylacetamide and 1 mL of 5N-sodium hydroxide was added, a solution obtained by dissolving 4 g of the polymer-A obtained in Example 1 in 50 mL of dimethylacetamide was added. For 48 hours. The reaction mixture is placed in a large excess of dilute hydrochloric acid to precipitate the polymer, and the precipitate is thoroughly washed with water and then dried, and 4 g of the cyclic peptide-bound vinyl aromatic compound polymer of the present invention (Example 3) Got. As a result of amino acid analysis of this polymer, the amount of gramicidin S bound was 25 mg / g of polymer.
[0035]
This polymer was soluble in dimethylformamide and dimethylacetamide. A dimethylformamide solution of this polymer was coated on glass and dried under vacuum to obtain a tough film.
[0036]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the soluble vinyl aromatic compound polymer which is excellent in processability and is useful as a material for adsorbing and separating physiologically active substances such as endotoxin is obtained.
[0037]
In addition, this vinyl aromatic compound polymer is used in the form of a molded product such as a petri dish, a bottle, a membrane, a fiber, a hollow fiber, a granular material, or an assembly using the same, as an adsorbent for affinity chromatography, blood treatment for treatment. It can be suitably used as an agent.
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT507846B1 (en) * | 2009-01-22 | 2011-12-15 | Fresenius Medical Care De Gmbh | SORPTION FOR ENDOTOXINES |
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2002
- 2002-08-22 JP JP2002241578A patent/JP2004075943A/en active Pending
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