JP2004075925A - 導電性ローラ - Google Patents

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林 信俊
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Noriyuki Yanai
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庭野 謙太郎
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佐藤 秀紀
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Abstract

【課題】低硬度で低圧縮永久歪みのポリウレタンエラストマー組成物、ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法および画像形成装置用現像ローラを提供する。
【解決手段】導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物からなり、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物を得る。また、現像ローラにおいて導電性弾性体層および導電性樹脂層に主としてポリウレタンエラストマー組成物を用いる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体上の静電潜像を可視像化するために低硬度、低圧縮永久歪み特性を要求される現像ローラに関する。また、このようなローラに好適に使用できる導電性弾性体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真記録装置について以下に説明する。この装置の本体内部には画像形成部が設置され、画像がクリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着プロセスを経て形成される。画像形成部は像担持体である感光ドラムを備えており、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部及び転写部を備えている。この画像形成部で形成された感光ドラム上の画像は転写部材により、記録材に転写され、搬送された後、定着部にて加熱、加圧され、定着された記録画像として排出される。
【0003】
次に、クリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着のプロセスの内、帯電、潜像形成、現像、転写プロセスについて説明する。
【0004】
帯電部材は、感光ドラムの表面に対し、所定の極性で、電位が一様になるように一次帯電処理を行う。帯電部材により均一に帯電処理された後、目的画像情報の露光を受ける事で、ドラム表面に目的画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置によりトナー画像として可視像化されていく。この可視像化されたトナー画像は、感光ドラム下で転写手段により記録材の裏面から電圧を印加することにより記録材に転写される。その後記録材は定着部へ搬送され、像定着を受け、画像形成物として出力される。
【0005】
以上に示した電子写真装置等の画像形成装置における現像工程の実行手段として、電圧を印加する事により現像作用を施し、一般にはローラ型の導電性弾性体が近年盛んに使用されはじめている。以上に示した現像方式においては、現像部材は半導電領域の電気抵抗値を有し、また感光ドラム、現像ブレード、トナー供給ローラ等に常に圧接しているために、低硬度で低圧縮永久歪みである材料で構成される事が、良好な画像を得る為の必須条件である。
【0006】
従来、導電性弾性体ローラに使用される材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(ECO)、多硫化ゴム(T)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられるが、低硬度で、配合設計が容易で、材料単価が安いという点でウレタンゴム(U)が広く使用されている。
【0007】
しかしながら、上記記載のウレタン材料を現像ローラに使用した場合、以下のような問題点があった。現像ローラの基本特性として、低硬度(AskerC硬度で60度以下が好ましい)で低圧縮永久歪み(5%以下であることが望ましい。実施例1〜5および比較例1〜5では、外径29mm、厚み12.5mmの円柱形のテストピースを用い40℃、湿度95%の環境下で3日間、25%圧縮放置し、解放1時間後の歪み率を算出し測定値とする。実施例6〜10および比較例6〜10では、ローラ形状のものを用い40℃、湿度95%の環境下で3日間、80μm圧縮放置し、解放1時間後の歪み率を算出し測定値とする。)の2つの特性を両立させる必要がある。
【0008】
ウレタンゴムを低硬度化するためには、ポリオールの分子量を大きくしていく等の手法があるが、この場合、確かに低硬度化は可能であるが、圧縮永久歪みが大きくなってしまうといった問題点があった。また、発泡剤等を用いてウレタンフォームを成型した場合においても低硬度化と共に、圧縮永久歪みが大きくなり、配合設計が煩雑になるといった欠点があった。
【0009】
このような問題に対する1つの解決手段として、例えば、特開平7−110617号公報、特開平10−171210号公報等に開示された技術が挙げられる。この手法によれば、ポリオールの官能基数、分子量を規定することにより、低硬度でかつ低圧縮永久歪みであるウレタン材料を提供することが出来るとされている。しかしながら、イソシアネート化合物側の官能基についての低硬度化、低圧縮永久歪み化に関する記載は無く、配合設計がポリオール側だけで、配合の自由度が少ないとった問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点を解決するために成されたものであり、低硬度で低圧縮永久歪みであるポリウレタン材料および製造方法を提供し、低硬度で低圧縮永久歪みである画像形成装置用現像ローラを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決するために検討を重ねた結果、支持体と支持体上に設けられた導電性弾性体とからなる画像形成装置用現像ローラにおいて導電性弾性体を構成するポリウレタンエラストマーの分岐濃度を0.2〜0.8mmol/gになるように配合設計することによって、圧縮永久歪みを小さくすることが出来、弾性体ローラ(現像ローラ)を感光ドラムに長期圧接放置直後にハーフトーンによる画像評価を行っても、良好な画質を得ることが出来ることを見出した。
【0012】
ここで、分岐濃度とは樹脂成分1g中に含まれる分岐性官能基のモル数を表す。
【0013】
また本発明者は、導電付与剤を含有し、平均官能基数が2.1〜3であるイソシアネート化合物と、数平均分子量が2000〜10000で、平均官能基数が2.1〜3であるポリオールと、を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gで尚且つポリオールに含まれている水酸基のモル数をイソシアネート化合物に含まれているイソシアネート基のモル数で除した値(α値:以下同様)が1.5〜2.5になるように配合設計し、反応させることにより、低圧縮永久歪みで、且つ低硬度(AskerC硬度が20〜60度)であるポリウレタンエラストマー組成物を得ることが出来ることを見出した。
【0014】
ここで、イソシアネート化合物の平均官能基数とはイソシアネート化合物1モル中に存在する全てのイソシアネート化合物の1分子あたりのイソシアネート基の平均値を表した数値である。また、ポリオールの平均官能基数とは、ポリオール1モル中に存在する全てのポリオールの1分子あたりの水酸基の平均値を表した数値である。
【0015】
また、このポリウレタンエラストマーを使用した現像ローラを用い画像評価を行ったところ、適度な押し圧力により適正なニップ幅を得ることが出来、ハーフトーンによる画像評価を行っても、良好な画質を得ることが出来ることも見出した。
【0016】
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物からなり、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物に関するものである。
【0017】
ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるイソシアネート化合物はジフェニルメタン−4,4’ジイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むイソシアネート化合物であることが好ましい。ここで、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートは一分子中に3以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、粗MDIとも言われている。
【0018】
ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるポリオールの数平均分子量は2000〜10000、好ましくは2000〜5000であるのが良い。
【0019】
ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるポリオールの平均官能基数は2.1〜3、好ましくは2.1〜2.5であるのが良い。
【0020】
ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるイソシアネート化合物の平均官能基数は2.1〜3、好ましくは2.1〜2.5であるのが良い。
【0021】
また、本発明は導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得ることを特徴とする末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物の製造方法に関するものである。
【0022】
ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法において、ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるイソシアネート化合物がジフェニルメタン−4,4’ジイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むイソシアネート化合物であることが好ましい。
【0023】
ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法において、ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるポリオールの数平均分子量は2000〜10000であることが好ましい。また、より好ましくは2000〜5000であるのが良い。
【0024】
ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法において、ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるポリオールの平均官能基数は2.1〜3、好ましくは2.1〜2.5であるのが良い。
【0025】
ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法において、ポリウレタンエラストマー組成物の原料であるイソシアネート化合物の平均官能基数は2.1〜3、好ましくは2.1〜2.5であるのが良い。
【0026】
本発明はさらに、支持体と、支持体上に設けられた導電性弾性体とを有する画像形成装置用現像ローラにおいて、導電性弾性体が、導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物からなり、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラに関するものである。
【0027】
本発明はさらに、導電性弾性体および導電性弾性体の外周面にさらに導電性樹脂層を配した少なくとも2層以上が形成された現像ローラであり、導電性弾性体層が一層以上から構成されており、ゴムを主成分とし、ゴムが主としてポリウレタンエラストマー組成物からなり、導電性樹脂層が少なくとも一層以上からなり、導電性弾性体層に直接、接触している導電性樹脂層が主としてポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラに関するものである。
【0028】
ここで、「ゴムを主成分とする」とは、現像ローラが低硬度、低圧縮永久歪みを示す程度に弾性体層中にゴムが含まれていれば良く、好ましくは弾性体中にゴム成分が50質量%以上、含まれているのが良い。
【0029】
本発明はさらに、導電性弾性体および導電性樹脂層からなる画像形成装置用現像ローラにおいて、導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマー組成物がポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラに関するものである。
【0030】
導電性弾性体および導電性樹脂層からなる画像形成装置用現像ローラにおいて、導電性樹脂層を構成するポリウレタンエラストマー組成物が、α値0.5〜2.5になる条件で反応させて得られるものであることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明は、導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物からなり、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物に関するものである。
【0032】
本発明において、導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマーの分岐濃度は0.2〜0.8mmol/gであることが必要である。分岐濃度が0.2mmol/g未満であるとローラとして最低限、必要な硬度が得られず0.8を超えると硬度が高くなりすぎ本願発明の目的である低硬度のローラが得られなくなるからである。より好ましくは、分岐濃度は0.25〜0.40mmol/gであることが良い。
【0033】
本発明に係るポリウレタンエラストマー組成物およびその製造方法においては、α値が1.5〜2.5であることが必要である。このα値が1.5未満では硬度が硬くなってしまい、またα値が2.5を超えると今度は必要硬度よりも柔らかくなってしまうと同時に、材料表面の粘着性が増し、脱型等の作業効率が格段に悪くなってしまう。
【0034】
本発明で使用されるイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタン−4、4’ジイソシアネート(以下、ピュアMDIと称す。)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニルジイソシアネート、4,4’ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、キシレンジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートおよび多官能性のポリイソシアネート化合物、例えばポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDI、または粗MDIと称す。)等のイソシアネート化合物を用いることができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。また、これらの混合物を用いることもできる。
【0035】
これらの中でも、工業的に入手しやすいので、ピュアMDIおよびポリメリックMDIをイソシアネート化合物として用いることが好ましい。このようにして平均官能基数が2のピュアMDIと平均官能基数が3以上のポリメリックMDIの比率を選択することでイソシアネート化合物の平均官能基数を調節できる。
【0036】
本発明で使用されるポリオールの数平均分子量は2000〜10000が好ましく、より好ましくは2000〜5000である。ポリオールの数平均分子量を2000〜10000とすることによって、本願発明の目的を達成できるような適度な硬度を有するローラを得ることができる。
【0037】
ポリオールの平均官能基数は2.1〜3であることが好ましい。ポリオールの平均官能基数を2.1〜3とすることによって、本願発明の目的を達成できるような適度な硬度を有するローラを得ることができる。ポリオールとして様々なポリオールの混合物を用いる場合には、混合物全体の平均官能基数がこの範囲となるように各成分の混合割合を調整することが好ましい。より好ましくは、ポリオールの平均官能基数は2.1〜2.5であるのが良い。
【0038】
また、イソシアネート化合物の平均官能基数は2.1〜3であることが好ましい。イソシアネート化合物の平均官能基数を2.1〜3とすることによって、本願発明の目的を達成できるような適度な硬度を有するローラを得ることができる。平均官能基数が2.1〜3のイソシアネート化合物を混合物に用いる場合には、混合物全体の平均官能基数がこの範囲となるように各成分の混合割合を調整することが好ましい。より好ましくは、イソシアネート化合物の平均官能基数は2.1〜2.5であるのが良い。
【0039】
ポリオール製造に使用される水酸基含有化合物(開始剤と呼ばれる)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールキシレングリコール、トリエチレングリコールなどの2価の開始剤が使用できる。また、3価以上の開始剤としては、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等を用いることができる。また、これらの混合物を用いることもできる。ポリオールは上記開始剤の水酸基にプロピレンオキサイドやエチレンオキサイド等のエポキシ化合物を付加して製造される。2価の開始剤と3価以上の開始剤の比率を適宜選択することでポリオールの平均官能基数を調節することができる。
【0040】
以上のような実施形態をとることにより、立体的に架橋する構造をとりやすくなり低硬度と低圧縮永久歪みが両立すると考えられる。
【0041】
本発明は、導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得ることを特徴とする末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物の製造方法に関するものである。
【0042】
ポリウレタンエラストマー組成物の製造方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、ポリオール、イソシアネート化合物および必要な添加物を混合攪拌装置に混ぜ、重合反応を行なわせた後、装置から取り出す。重合反応中の容器温度は100〜140℃に保つことが好ましい。
【0043】
また、本発明のウレタン材料を導電化して、導電性弾性体ローラにするための導電付与材としては、イオン導電機構による導電付与剤と、電子導電機構による導電付与剤が挙げられる。
【0044】
イオン導電機構による導電付与剤としては、LiCFSO、NaClO、LiClO、LiAsF、LiBF、NaSCN,KSCN,NaCl等の周期律表第1族金属の塩、NHCl、(NHSO、NHNO等のアンモニウム塩、Ca(ClO、Ba(ClO等の周期律表第2族金属の塩、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ベタイン等の両性界面活性剤、およびこれらの混合物を挙げる事が出来る。これらのイオン導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。また、ローラ成形時にあらかじめ原料と混合し、原料中に内添して用いることも出来る。
【0045】
一方、電子導電機構による導電付与剤としては、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系物質、アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅−ニッケル合金等の金属或いは合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物、各種フィラーに銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質等を挙げる事が出来る。これら電子導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。
【0046】
導電付与剤は原料であるポリオール、イソシアネート化合物およびこれらの混合物中に混合して用いることができる。混合方法は公知の技術を適用すればよい。また、現像ローラを成形した後、ローラ表面に塗布することもできる。
【0047】
導電付与剤は導電性弾性体層中に1〜30質量%を含有するのが好ましい。また、導電性樹脂層中に1〜40質量%を含有するのが好ましい。導電性付与剤を有する導電性弾性体および導電性樹脂層を有する現像ローラは、例えば、1E+3〜1E+9Ω・cmの体積固有抵抗を有することが出来る。
【0048】
本発明はさらに、支持体と、支持体上に設けられた導電性弾性体とを有する画像形成装置用現像ローラにおいて、導電性弾性体が、導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物からなり、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラに関するものである。
【0049】
分岐濃度が0.8mmol/gを超えた場合、導電性弾性体の硬度が高くなる問題が発生してしまう。導電性弾性体の硬度を低下させるために可塑剤を入れるなどの手段をとれば、このような高硬度化の問題は解決することは出来るが、可塑剤を入れることにより長期保管等により可塑剤が基層から滲み出してしまい、経時による密着力の低下を招いてしまう、感光体ドラムを汚染してしまうといった問題が発生してしまうためである。また、分岐濃度が0.2mmol/g未満の場合、圧縮永久歪みが大きくなるといった問題が発生する。導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマーは、分岐濃度0.25〜0.5mmol/gで反応させるのが好ましい。
【0050】
導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマーをα値が1.5〜2.5で反応させて得るのは、α値が1.5未満で反応させ場合、導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマーの硬度が硬くなってしまうと共にα値が2.5を超えた場合、今度は導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマーが必要硬度よりも柔らかくなってしまうと同時に、材料表面の粘着性が増し、脱型等の作業効率が格段に悪くなってしまう、或いは汚染性が格段に悪くなるといった問題が生じるためである。
【0051】
本発明はさらに、導電性弾性体および導電性弾性体の外周面にさらに導電性樹脂層を配した少なくとも2層以上が形成された現像ローラであり、導電性弾性体層が一層以上から構成されており、ゴムを主成分とし、ゴムが主としてポリウレタンエラストマー組成物からなり、導電性樹脂層が少なくとも一層以上からなり、導電性弾性体層に直接、接触している導電性樹脂層が主としてポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラに関するものである。
【0052】
このように導電性弾性体層の上にさらに導電性樹脂層を設けることで低硬度かつ低圧縮永久歪みを有するとともに表面硬度が適度なローラを得ることが出来る。導電性弾性体層および導電性樹脂層にポリウレタンエラストマー組成物を使用することによって、低硬度(AskerC硬度で60度以下が好ましく、20〜50度がより好ましい)で低圧縮永久歪み(5%以下が好ましい)である現像ローラを得ることができ、長期ドラム圧接状態でも局部的に応力が集中せず、導電性弾性体層と導電性弾性体層に密着している導電性樹脂層の密着力の低下が起きない。また、導電性弾性体層、導電性樹脂層に主としてウレタンエラストマー組成物を使用しているので導電性弾性体層と導電性樹脂層との接着性が良く、これらの層間に接着剤を必要とせず、接着剤を塗布する工程を省略することが出来る。
【0053】
導電性弾性体層および導電性樹脂層は、主としてポリウレタンエラストマー組成物からなる。ここで、「主として」とは、現像ローラが本願発明の目的である低硬度、低圧縮永久歪みを示す程度に弾性体層中および樹脂層中にポリウレタンエラストマー組成物が含まれていれば良く、好ましくは弾性体層中にポリウレタンエラストマー組成物が50質量%以上、樹脂層中にポリウレタンエラストマー組成物が50質量%以上、含まれているのが良い。また、導電性弾性体層および導電性樹脂層中にはポリウレタンエラストマー以外にエポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、水系樹脂などがあり、更に、これらに導電性を付与して使用することが出来る。
【0054】
本発明の導電性弾性体、および導電性弾性体の外周面にさらに導電性樹脂層を配した現像ローラを製造するには、公知の方法を使用することができる。例えば、ロール混合装置によって、ポリオールとイソシアネート化合物を混合した後、円筒金型内に材料を注入してこの原料を芯金上に円筒状に成形する。これらの原料の混合注入後の成形温度は、重合反応を効果的に行なえる温度であれば良く、好ましくは100〜140℃である。このようにして成形した導電性弾性体層上にさらに同様の方法によって成形した導電性樹脂層を積層させることによって所望の現像ローラを得ることができる。
【0055】
ローラを構成する支持体としては、帯電ローラの支持体として公知のものを使用でき、アルミや鉄等の金属からなる芯金がその代表例である。非導電性の基体の表面を導電処理した形態の支持体も公知であり、本発明にこれを用いることもできる。
【0056】
また、導電付与剤はあらかじめ原料の混合時に加えても良いし、上記方法により現像ローラ成形後に公知の方法を用いて塗布しても良い。塗布の方法は例えば、ディッピング、スプレー及びロールコート等の方法によりローラの表面層を形成すれば良い。
【0057】
本発明は導電性弾性体層および導電性樹脂層からなる現像ローラにおいて導電性弾性体層は、分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られるウレタンエラストマー組成物であることが好ましく、導電性樹脂層を構成するポリウレタンエラストマー組成物は、α値0.5〜2.5になる条件で反応させて得られるものであることが好ましい。より好ましくは、ポリウレタンエラストマー組成物がα値0.5〜2.0になる条件で反応させるのが良い。このように導電性弾性体層と導電性樹脂層とを所望のα値に設定することにより、低硬度かつ低圧縮永久歪みの現像ローラを得ることができる。
【0058】
本発明の現像ローラは、例えば図1に示したような装置構成において用いることができる。この形態においては、芯金3上に本発明のポリウレタンエラストマー組成物である導電性弾性体層4、さらにその上に導電性樹脂層7が形成されてなる本発明の現像ローラに、現像ローラ表面にトナーを供給するトナー供給ローラ6、一次帯電処理を行なう現像ブレード5、一次帯電処理を行なうトナーチャージローラ2および像担持体である感光ドラム1が圧接されており、これらによって現像ローラは圧縮力を受けている。本発明の現像ローラは、その導電性弾性体が圧縮力により適度に歪んで他の部材との間に適度なニップを形成でき、かつその歪みが容易に回復することにより長期間の使用においても良好な画像を形成できる。
【0059】
また、図2に本発明に係る現像ローラの一例を示す。芯金3上に導電性弾性体層4を形成し、さらにこの上に導電性樹脂層7を形成することでローラを低硬度かつ低圧縮永久歪みとすることができる。
【0060】
【実施例】
〔実施例1〕
数平均分子量2400、平均官能基数2.5のポリオール100質量部にカーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC600JD:ケッチェンブラックインターナショナル社製)1質量部を3本ロールで練り、数平均分子量330、平均官能基数2.2のNCO含有量28%のMDIイソシアネート8質量部を混合攪拌装置により混合攪拌し、真空ポンプを用いて減圧脱泡して反応させた(分岐濃度=0.238mmol/g、α値=1.95)。例えば、実施例1では分岐濃度およびα値は、下記式により計算した(以下に述べる実施例および比較例においても同様の計算方法により分岐濃度とα値を算出した)。
【0061】
分岐濃度(mmol/g)=((ポリオール質量/ポリオールの数平均分子量)×(ポリオールの平均官能基数−2)+(イソシアネート化合物の質量/イソシアネート化合物の数平均分子量)×(イソシアネート化合物の平均官能基数−2))×1000/(ポリオール質量+イソシアネート化合物の質量)。
【0062】
α値=(ポリオールmol数×ポリオールの平均官能基数)/(イソシアネート化合物mol数×イソシアネート化合物の平均官能基数)。
【0063】
次に、接着剤を塗布した芯金(直径0.8cm)を120℃に加熱したローラ金型にセットし、上記混合材料を注入し120℃、1hrの加熱条件で硬化反応を行なわせ、導電性弾性体層を得た。この成形体を型から取り外した後、更に120℃、2hrの加熱条件で硬化反応を行なわせた。その後、ローラ表面を研磨することでAskerC硬度22度の導電性ローラを得た(導電性弾性体層の直径は1.4cm)。
【0064】
上記方法により成形した現像ローラの「画像評価」、「圧縮永久歪み」および「ローラ硬度」を測定した。「画像評価方法」、「圧縮永久歪み」および「ローラ硬度」の測定方法を下記に示す。
【0065】
「画像評価方法」
実施例1〜5および比較例1〜5では、「初期画像評価」および「3日放置後の画像評価」の測定を行なった。「初期画像評価」として導電性弾性体層の上部に導電性樹脂層を塗工後のローラを用いて画像評価を行なった。次に、「3日放置後の画像評価」として、この現像ローラを感光ドラムに80μm進入させた状態で圧接し40℃、湿度95%の環境下で3日間放置後に圧接解放後、この現像ローラを使いハーフトーンにより、画像評価を行った。
【0066】
実施例6〜10および比較例6〜10では、「初期画像評価」、「3日放置後の画像評価」に加えて「耐久後の画像評価」の測定を行なった。「耐久後の画像評価」として現像ローラ(A)を組み込んだLBPを用いて8000枚の通紙耐久後の画像評価を行なった。
【0067】
なお、上記3種類の画像評価は圧接跡が全くないものを「○」、圧接跡が僅かに見えるものの実用上問題ないものを「△」、圧接跡が見えるものを「×」とした。
【0068】
「圧縮永久歪み」の測定方法
実施例1〜5及び比較例1〜5においては、圧縮永久歪みは次のように測定した。まず、上記混合攪拌および減圧脱泡した原料を圧縮永久歪み測定用金型(テストピース形状は外径29mm、厚み12.5mmの円柱形)を用い120℃、1hrで硬化反応させ、型から取り外した後、更に120℃、2hrの加熱条件で硬化反応を完結させ導電性テストピースを作成した。その後、このテストピースを40℃、湿度95%の環境下において3日間、25%圧縮状態に置き、解放1時間後に、圧縮方向の厚みを測定し圧縮永久歪み率を算出した。その結果、上記実施例1によるローラの圧縮永久歪みは2.6%であった。なお、同様にして実施例2〜5および比較例1〜5においては、弾性体層のみを有するローラの「圧縮永久歪み」を測定した。
【0069】
実施例6〜10および比較例6〜10においては、弾性体層と樹脂層を有するローラの「圧縮永久歪み」を測定した。ローラは以下のようにして成形した。実施例1と同様に作成した導電性弾性体層を型ごと冷却し、この成形体を型から取り外し、更に120℃、4hrの加熱条件で硬化反応を行なわせAskerC硬度22度の導電性ローラを得た。
【0070】
次に、塗工液中に導電性ローラを浸漬してコーティングした後、ローラを引き上げて乾燥させ、100℃にて2時間加熱処理することで、導電性樹脂層を導電性弾性体層の外周部に設けた。その後、このローラを40℃、湿度95%の環境下において3日間、80μm変形させた圧縮状態に置き、解放1時間後に、圧縮方向の厚みを測定しローラの変形量(μm)を測定した。
【0071】
「ローラ硬度」の測定方法
実施例1〜5および比較例1〜5については導電性弾性体層のみを有するローラについて成形直後のAskerC硬度を測定した(ローラ硬度(A))。また、実施例6〜10および比較例6〜10については導電性弾性体および導電性樹脂層を有するローラについて、ローラ成形直後のAskerC硬度を測定した(ローラ硬度(B))。
【0072】
〔実施例2〜5および比較例1〜5〕
実施例2〜5および比較例1〜5については、表1に示したようにポリオールの数平均分子量および平均官能基数、イソシアネート化合物の数平均分子量および平均官能基数、ポリオールとイソシアネート化合物の混合比、分岐濃度およびα値を変化させた以外は、実施例1と同様な作業でウレタンエラストマー組成物を得て、前記ウレタンエラストマー組成物を使用したローラを成形した。
実施例1〜5および比較例1〜5で用いた原料物性を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 2004075925
【0074】
実施例1〜5および比較例1〜5で作製したローラの物性測定結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 2004075925
【0076】
表2からも分かるように実施例1〜5では、「初期画像評価」及び「3日放置後の画像評価」は全て「○」であり、良好な画像を得ることが出来た。
【0077】
〔実施例6〕
実施例1と同様に作成した導電性弾性体層を型ごと冷却し、この成形体を型から取り外し、更に120℃、4hrの加熱条件で硬化反応を行なわせAskerC硬度22度の導電性ローラを得た。
【0078】
実施例1で作成した導電性ローラに、さらに導電性樹脂層を塗工し現像ローラを得た。導電性樹脂層は以下のように調整し塗工した。まず、メチルエチルケトンを主溶媒とし、ポリオール(商品名:ニッポラン5033:日本ポリウレタン社製)の固形分が混合溶液中12質量%となるように調整した混合溶液に、イソシアネート化合物(商品名:コロネートL:日本ポリウレタン社製)をポリオール成分100重量部に対して10重量部添加し、さらにカーボンブラック(商品名:XC72:キャボット社製)をウレタン樹脂成分に対し20質量部添加し、十分に攪拌分散したものを塗工液とした。この液中に導電性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、100℃にて2時間加熱処理することで、導電性樹脂層を導電性弾性体層の外周部に設けた。このようにして、本実施例6の現像ローラを得た(導電性弾性体層の直径1.4cm、導電性樹脂層の厚み20μm)。得られた現像ローラの硬度を測定したところAskerC硬度で24度であった。
【0079】
〔実施例7〜10〕
実施例2〜5と同様に作成した導電性ローラ上に、実施例6と同様の原料を用いて、同様の組成からなる導電性樹脂層を導電性ローラの外周部に設けた。実施例7では実施例2で作成した導電性ローラに、実施例8では実施例3で作成した導電性ローラに、実施例9では実施例4で作成した導電性ローラに、実施例10では実施例5で作成した導電性ローラに導電性樹脂層を外周部に設けた。
【0080】
〔比較例6〜10〕
実施例1〜5と同様に作成した導電性ローラに、さらに導電性樹脂層を塗工し現像ローラを得た。導電性樹脂層は以下のように調整し塗工した。まず、メチルエチルケトンを主溶媒とし、ナイロン樹脂(商品名:CM4000:東レ社製)の固形分が混合溶液中5質量%となるように調整した混合溶液に、さらにカーボンブラック(商品名:XC72:キャボット社製)をナイロン樹脂成分に対し20質量部添加し、十分に攪拌分散したものを塗工液とした。この液中に導電性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、120℃にて2時間加熱処理することで、導電性樹脂層を導電性弾性体層の外周部に設けた。このようにして、本比較例の現像ローラを得た(導電性弾性体層の直径1.4cm、導電性樹脂層の厚み20μm)。なお、比較例6では比較例1で作成した導電性ローラに、比較例7では比較例2で作成した導電性ローラに、比較例8では比較例3で作成した導電性ローラに、比較例9では比較例4で作成した導電性ローラに、比較例10では比較例5で作成した導電性ローラに、導電性樹脂層を外周部に設けた。
表3には実施例6〜10及び比較例6〜10の現像ローラの物性値を示した。
【0081】
【表3】
Figure 2004075925
【0082】
表3からも分かるように実施例6〜10では、「初期画像評価」、「3日放置後の画像評価」及び「耐久後の画像評価」は全て「○」であり、良好な画像を得ることが出来た。これに対して、比較例6および7では「耐久後の画像評価」が「×」であった。これは比較例6では導電性弾性体層の永久歪みが大きいため、また、比較例7ではこれに加えて分岐濃度が小さいために導電性弾性体層内からの低分子量成分などの染み出しにより導電性弾性体層と導電性樹脂層の密着力が低下して部分的に剥離したことが原因である。比較例8の「耐久後の画像評価」が「×」の理由は硬度が高いために現像ローラと感光体ドラムの当接圧が大きいために導電性弾性体層と導電性樹脂層の密着力が低下して部分的に剥離したことが原因である。比較例9の「耐久後の画像評価」が「×」の理由は分岐濃度が小さいために導電性弾性体層内からの低分子量成分などの染み出しにより、導電性弾性体層と導電性樹脂層の密着力が低下して部分的に剥離したことが原因である。比較例10の「耐久後の画像評価」が「×」の理由は比較例8と同様、硬度が高いために現像ローラと感光体ドラムの当接圧が大きいためと、分岐濃度が小さいために導電性弾性体層内からの低分子量成分などの染み出しにより導電性弾性体層と導電性樹脂層の密着力が低下して部分的に剥離したことが原因である。このように導電性樹脂層材料として弾性層と種類の違う(ウレタン材料以外)材料を用いた場合には密着力の低下を招く恐れがある。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮による永久歪みが少なく、かつ低硬度であるポリウレタンエラストマー組成物とその製造方法が提供された。また、感光体やトナー供給ローラ、電荷付与板等の圧接による変形に対する影響が少なく、かつ低硬度である現像ローラを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ローラの使用例を示した模式的側面図である。
【図2】導電性弾性体層および導電性樹脂層を有する現像ローラの断面図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 トナーチャージローラ
3 芯金
4 導電性弾性体層
5 現像ブレード
6 トナー供給ローラ
7 導電性樹脂層
8 現像ローラ

Claims (14)

  1. 導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物との反応生成物からなり、該ポリオールと該イソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつポリオールに含まれている水酸基のモル数をイソシアネート化合物に含まれているイソシアネート基のモル数で除した値(α値)が1.5〜2.5になる条件で反応させて得られる、末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物。
  2. 前記イソシアネート化合物がジフェニルメタン−4、4’ジイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むイソシアネート化合物である請求項1記載のポリウレタンエラストマー組成物。
  3. 前記ポリオールの数平均分子量が2000〜10000である請求項1または2記載のポリウレタンエラストマー組成物。
  4. 前記ポリオールの平均官能基数が2.1〜3である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマー組成物。
  5. 前記イソシアネート化合物の平均官能基数が2.1〜3である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマー組成物。
  6. 導電付与剤を含有し、ポリオールとイソシアネート化合物を分岐濃度が0.2〜0.8mmol/gかつα値が1.5〜2.5になる条件で反応させて得ることを特徴とする末端水酸基を含むポリウレタンエラストマー組成物の製造方法。
  7. 前記イソシアネート化合物がジフェニルメタン−4、4’ジイソシアネートおよびポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むイソシアネート化合物である請求項6記載の方法。
  8. 前記ポリオールの数平均分子量が2000〜10000である請求項6または7記載の方法。
  9. 前記ポリオールの平均官能基数が2.1〜3である請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記イソシアネート化合物の平均官能基数が2.1〜3である請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 支持体と、該支持体上に設けられた導電性弾性体とを有する画像形成装置用現像ローラにおいて、
    該導電性弾性体が請求項1〜5のいずれか一項記載のポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラ。
  12. 導電性弾性体および該導電性弾性体の外周面にさらに導電性樹脂層を配した少なくとも2層以上が形成された現像ローラであり、
    該導電性弾性体層が一層以上から構成されており、ゴムを主成分とし、該ゴムが主としてポリウレタンエラストマー組成物からなり、
    該導電性樹脂層が少なくとも一層以上からなり、
    該導電性弾性体層に直接、接触している導電性樹脂層が主としてポリウレタンエラストマー組成物であることを特徴とする画像形成装置用現像ローラ。
  13. 前記導電性弾性体層を構成するポリウレタンエラストマー組成物が請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリウレタンエラストマー組成物である請求項12記載の画像形成装置用現像ローラ。
  14. 前記導電性樹脂層を構成する前記ポリウレタンエラストマー組成物が、α値0.5〜2.5になる条件で反応させて得られるものであることを特徴とする請求項12または13記載の画像形成装置用現像ローラ。
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