JP2004075028A - ツイン自転車 - Google Patents
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Abstract
【目的】自転車を二台横並びにフレキシブルかつ着脱自在に連結し、走行性、操作性、乗り心地の良いツイン自転車の提供を目的とする。
【構成】自転車の主構造体であるフレーム2相互をフレキシビリティを具備する連結装置3、4を介して複数箇所連結し、またハンドルステム8d相互も両ハンドルの同一回転連動性及びフレキシビリティを具備する連繋装置8を介して連結するツイン自転車1である。
【効果】上記の構成になるツイン自転車は、平地はもとより凹凸路でも快適な走行が可能であり、乗員一人でも連動するハンドルを切ることができ、他の一人の手は自由に使えるので、微速度走行も可能であり単純な走行のみでなく多彩かつ健康によいサイクリングをペアーで楽しめる。分解すればそれぞれ単車走行が可能である。
【選択図】 図1
【構成】自転車の主構造体であるフレーム2相互をフレキシビリティを具備する連結装置3、4を介して複数箇所連結し、またハンドルステム8d相互も両ハンドルの同一回転連動性及びフレキシビリティを具備する連繋装置8を介して連結するツイン自転車1である。
【効果】上記の構成になるツイン自転車は、平地はもとより凹凸路でも快適な走行が可能であり、乗員一人でも連動するハンドルを切ることができ、他の一人の手は自由に使えるので、微速度走行も可能であり単純な走行のみでなく多彩かつ健康によいサイクリングをペアーで楽しめる。分解すればそれぞれ単車走行が可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二台の自転車を横並びに柔軟にかつ着脱自在に連結するツイン自転車に係わり、一人運転が可能かつ悪路でも快適に走行するツイン自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の四輪自転車のあるものは、二台の自転車が並行に剛連結されてあり、平坦な走路ではスムーズに走行できるが、凹凸のある走路では車輪の空転を生じ、またハンドルの切れも悪くなる構造であり、走行に伴う自転車の多様な不快な変動がそのまま相互に伝達され、乗り心地悪く、遊園地など限られた場所でしか実用されておらず、また他のものは両ハンドルの連動回動機構がなく、一人では運転操作が不可能な構造であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の欠点、二台の自転車の剛連結による凹凸走路における変動の相互伝達による運転操作性と走行性の不良を、その剛連結をフレキシブルな連結にすることで改善し、ハンドル相互もフレキシブルな連動性を付与し、一人でもハンドルを操作でき、一般道路において快適なサイクリングのできる四輪自転車であるツイン自転車を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成のために、2台の自転車を着脱自在に横並びに連結したツイン自転車であり、前記自転車のフレーム相互を、その前部隅角部に鞍掛け式連結装置により、その後部隅角部にピン式連結装置により連結し、さらにハンドルステム相互をハンドル連繋装置により連繋してなり、前記各装置が構造的柔軟性を具備するこのツイン自転車は、前記連結装置とハンドル連繋装置により、上下左右方向の比較的大きな変位や捩じれ等が吸収され、2台の自転車が相互に影響し合う衝撃、変動の少ないフレキシブルな連結、連繋となり、安定した走行状態を実現しかつ一人でも運転操作が可能であるツイン自転車である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のツイン自転車1(図1)を実用車において図に基ずいて説明する。
二台の実用自転車の主構造体であるフレーム2相互の一定間隔かつ略真横連結およびハンドル8a相互の連繋を基本要件とし、詳しくは(図1)において、フレーム2相互の連結の一つは、鞍掛け式連結装置3またはピン式連結装置4によるフレーム2の前部隅角部相互の連結であり、他の連結は、ピン式連結装置によるサドル下の後部隅角部相互の連結である。この鞍掛け式連結装置3は、連結バー5AとU字形鞍6とからなり、ピン式連結装置4は、連結バー5Aと連結具7とからなる。また、ハンドルの連繋は、連繋バー8bとアームロッド8cとからなるハンドル連繋装置8である。前記連結バーと連繋バーは、中央部のスリーブに左右から嵌入したパイプをバネ等を介して連結し左右自転車の比較的大きい左右の変動と捩じれを吸収し、U字形鞍と連結具は、自転車の上下変動と傾斜動を許容するフレキシブルな機能を果たす。なお、自転車に関する三次元の方向即ち前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向と決めておく。
【0006】
まず、前記連結装置3と4の連結バー5A(図2)は、一定長さのスリーブ5aの中央内部に接合された円板5bの両側に軸心棒5c、5dがネジ接合され、これら棒は、スリーブに部分的に嵌入した一定長さの二つのパイプ5e、5fの一端に接合された有孔端板5g、5hを貫通し各パイプの内部に入り、それぞれの端部にナット5j、5kが嵌まり、そして前記スリーブの一端と前記パイプ5eの、スリーブ端外にある部分とを予め縮めたスプリングバネ5mを介して連結するので前記有孔端板5gがナット5jに止接し、前記円板と一定間隔即ち後記の縮み代をなし、同様に前記スリーブの他端と他のパイプ5fとを、予め伸ばしたスプリングバネ5nを介して連結し、このためパイプ5fの有孔端板5hが円板5bに押し付けられ、この有孔端板とナット5kの間隔が後記の縮み代となる外バネ式の構造である。なお、前記パイプ5eを縮動パイプと、パイプ5fを伸動パイプと称し、また、予縮、予伸したスプリングバネの反発力と収縮力は略等しいものとする。
また、バネの配設は、クローズドエンドバネの両端をスリーブと両パイプにネジで接合したバネ受けリング5pに予縮または予伸して当接または掛ける、またはオープンエンドバネの一端に加工した曲り部をパイプの小孔に差し込み、他端に加工した小フックをスリーブ端の突起に掛けてなされる。
【0007】
この外バネ式の連結バーに左右から、縮動パイプの予縮したスプリングバネ5mの反発力以上の押し外力が作用すると、漸増するこのバネの反発力に抗しながら縮動パイプが、最大限、その有孔端板5gが円板5bまでの前記間隔を移動し即ち連結バーが縮じみ、また伸動パイプの予伸したスプリングバネ5nの収縮力以上の引張外力が作用すると、同様に最大限、伸動パイプ5fの有孔端板5hが前記ナット5kまで、バネ5nの収縮力に抗しながら伸動パイプが移動即ち連結バーが伸びることになる。このように、この連結バーは、縮動パイプの縮動量または伸動パイプの伸動量であるパイプ径程度の伸び縮みが可能であり、また、スリーブを媒介にして両パイプ間の相対的軸心回動即ちY軸まわりの捩じれも許容する構造的なフレキシビリティを具備する。これにより、自転車の走行時の比較的大きい左右の衝撃的な変動と捩じれを吸収するクッション作用をし、自転車が相互に衝撃が少ない一定限度内の独自の動きをする機能を具備することになる。
【0008】
別型の連結バー(図3)として、両側の軸心棒5c、5dを長くし、前記縮動パイプ5cの有孔端板5gと固定円板5bの間に予縮してスプリングバネ5mを、伸動パイプ5fの有孔端板5hとパイプ内径以下のバネ受けナット5q間に予縮してスプリングバネ5nを配設する内バネ式の連結バー5Bもよい。
なお、ナットの位置を変えて伸縮量を変えてよく、異径のバネをダブルに配設してもよく、また、外バネ式連結バーに内バネ式同様に内バネを併用する複合バネ式の連結バーもよい。
【0009】
この内バネ式の連結バー5Bの組立ては、パイプ内径より小さい円板とナット一体のバネ受けナット5qを軸心棒5dに嵌め込み、伸動パイプ5fのバネ5nをその軸心棒に通した後、伸動パイプ5fの一端からこれらを挿入し、その軸心棒を有孔端板5hを貫通突出するまでバネを縮めながら押し込み、固定円板5bにその板厚中間までネジ接合し、さらに対称的に即ち縮動パイプ側に他の軸心棒5cを固定円板の板厚中間までネジ接合し、他のバネ5mを通した軸心棒5cが、縮動パイプ5eの有孔端板5gを貫通し、そのパイプの他端からナット5jを長手のナット締め具によりバネ5mを縮めながら嵌め込み、その後一体化した両パイプの連結部を、その固定円板5bをスリーブ5aの略中央にして嵌入配設し、スリーブと円板をネジ接合して行う。
【0010】
また、別の方法は、バネ受けナット5qを嵌め込み、伸動パイプの軸心棒5dにバネと有孔端板を通し、この軸心棒を前記バネを縮めて固定円板に板厚中間までネジ接合して一体化したものを伸動パイプに嵌挿し、パイプと有孔端板を溶接接合し、さらに、前記軸心棒を前記円板に接合しバネを配設し縮動パイプの有孔端板貫通した軸心棒にナットを、前記バネを縮めつつ嵌め込み連結したものを、その前記円板をスリーブ5aの略中央にして嵌入配設し、スリーブとこの円板をネジ接合して行う。パイプが長すぎる場合、短いパイプで組立て後、所定の長さに繋ぐ。なお、バネの反発力や収縮力の調節はバネ受けのリングやナットの位置を変えればよく、また反発力や収縮力を補うため、縮動パイプの有孔端板とナットの間および伸動パイプの有孔端板と円板との間に有孔円板状磁石をNS極吸引状に配接することもよい。
【0011】
また、鞍掛け式連結装置3のの構成要素である鞍6は(図4、図5)、自転車の上下動と傾斜動を許容する、連結バーとフレームとのフレキシブルな連結をするものである。そして、フレームの上パイプ2aに上側から被さる即ち鞍掛けする一定幅かつ深溝の逆さU字形金物6aが、その両端部内側の溝頂部に、一端に前記上パイプに上から当接する当て板6cを接合したスプリングバネ6dまたは板バネの他端を接合されており、かつその平面下端部に二組の対向のボルト孔を有する構造であり、このU字形金物6aの一方の平面部が前記連結バー5a又は5bの両端にその軸心に垂直に接合されて、後記のスペーサ、長板ワッシャ、接合用のボルトとナットを含め、鞍掛け式連結装置3となる。
【0012】
この連結装置3を、そのU字形金物6aをして両フレームの上パイプ2aの前端隅角部に即ちハンドルチューブ2bの直近に鞍掛けし(図6)、前記U字形金物の平面部内側に、上パイプの下側に一定の隙間を置いて(図5)、このU字形金物の長さに略等しい補強を兼ねるスペーサ6eを挿入し、平面部両外側に長板ワッシャ6fを配し、ボルト6gとナット6hでU字形金物を着脱自在に取付け、さらに、上パイプ2aに下側から当接する当て板6cを接合したスプリングバネ6dを前記スペーサの上に配設して、鞍6が形成され、鞍掛け式の前部連結とする。なお、U字形金物の両側に配設される前記長板ワッシャはその一部が、ハンドルチューブ2bを両側から一定の隙間をおいて挟み、上パイプと連結装置の前後方向即ちX軸まわりの回転である自転車の傾斜を制限するため、その長さの略三分の一が段差付きの長板である。そして前記隙間は後記のピン式連結装置の回動制限と略一致するように設定されている。
【0013】
この場合、鞍6と上パイプとの鞍掛け係合は、連結装置の連結バーを軸とするY軸まわりの回動を許すが、Z軸まわりの略水平面内の回動を抑制防止し即ち自転車の前後方向ズレをほぼ許さい剛性を有し、また、前記上下のバネ6dによる連結装置の鞍と上パイプ即ちフレームとの相対的上下動及び通常平行状態にある鞍と上パイプ即フレーム相互が一定限度内の傾動即ちY軸まわりの回動が可能となるフレキシビリティを具備している。
なお、U字形金物6aの前後端に相当する上パイプの両側部に、この金物を含む連結装置の前後移動を防ぐ小さなストッパネジ6jを接合する。また、前記中央に配接するバネの代わりに、上パイプ上面の突起として丸ネジを接合してもよく、この丸ネジがU字形金物の内溝面と点接触し、その金物の端部が上パイプに接するまでの、前記同様の相対的傾動が可能となる。
【0014】
ピン式連結装置4の構成要素である連結具7は(図7)、前記の鞍等と同様、連結バーとフレームをフレキシブルに連結するものであり、フレームの隅角部付き受け板2cにボルト接合される接合板7aに接合した長円断面の筒7bに、その両側平面部に長径方向に一定長さのボルト孔7cを開け、前記筒の短径にほぼ等しい外径の、その筒に一部嵌入される前記連結バー5Aを、この筒の長ボルト孔7cとその連結バー端部のボルト孔を貫通するボルト7dとナットにより上下動可能にピン接合し、かつ前記連結バーの端部を、この端部と前記筒に接合したスプリングバネ7fで上下から筒の長径方向中位に支持する構造である。
【0015】
そして、この連結具と長さ70cmから100cm程度の連結バー5Aを接合したものをピン式連結装置4とし、この装置の接合板7aを、前記筒7bの長径を地面に垂直な方向であるZ軸方向にして、前記受け板2cに複数のボルト7g
とナット7hで着脱自在に接合し後部連結とする。この連結具は、
【0012】に記した長板ワッシャと同様の機能を果たし、長円断面の筒7bの上下端部との連結バーの当接状態を自転車後部のX軸まわりの最大回動即ち傾斜とし、また上下方向の変動の状況が前記上下のバネ7fにより緩和される。
なお、筒7bの長円端部全周に鍔状等の補強材を接合してもよく、前記スプリングバネ7fを板バネに代えてもよく、また前記筒は長方形断面でもよい。
【0016】
これら連結装置は、Z軸まわりの水平面内の回動を許さず即ち自転車の前後方向ズレを許さず、限度内で前後方向のX軸まわりの回動性すなわち自転車の傾斜、およびフレームと連結バーの相対的上下動およびY軸まわり捩じれを許容する構造的柔軟性であるフレキシビリティ、即ち上下動性、回動性即ち傾動性、伸縮性と捩じれ性を具備するフレキシブルな多機能性の連結装置である。
また、後部連結の隅角部接合の前記受け板2cは(図8)、サドルの下方に相当する、立パイプ2dと二本に分かれたシートステー2eで形成する隅角部において、そのシートステー間に補強を兼ねる補助板2gを接合し、この補助板と立パイプ2dに基準中心面即ちフレーム構成中心面に合せ、接合されている。また、フレーム前端部に上パイプ2a、ハンドルチューブ2b、下パイプ2f(図4)で形成する隅角部接合の受け板もほぼ同様に配設され、これにピン式連結装置4が接合され前部連結としてもよいことは容易に理解されよう。
【0017】
また、上パイプが下方に傾斜や湾曲した近年の軽快車その他の自転車の場合、フレーム前端部(図9)の上パイプ2aと下パイプ2fの両側にネジ接合ないし溶接した受け板2c(図示せず)に連結具7と一体の接合板7dをボルト7gで接合し、同様にハンドルチューブ2bの両側に接合した受け板に連結具を接合してもよい。この他後記するように、車種に応じて変形する接合方法がある。
一方、ハンドル連繋装置8(図1、図6)は、ハンドルステム相互をフレキシブルに連結するものであり、両ハンドルステム8dの前側に略水平即ちX軸方向にして頭を接合したボルト8eに、直径3cm長さ30cmのアームロッド8cを固締めせずにネジ接合し、その先端に後記する連繋バー8bを、その両端の孔を緩く貫通するボルト8fで固締めせずにピン接合し、両ハンドルの略同一回転角度の連動性を具備するリンク機構とする構成である。
【0018】
前記連結バー5A(図2)または5B(図3)を機能を変えず寸法を変えてスリム化し、Y軸方向の伸縮性とY軸まわりの捩じれ性を具備する前記連繋バー8bと二本のX軸まわりの回動性のアームロッド8cからなるハンドル連結装置8は、一方のハンドル8aの略Z軸まわりの回転であるアームロッド8cの回転角度を、連繋バーが伸縮し捩じれることにより、常に円滑に他方のアームロッド8cへ伝達するリンク機構であり、連繋バーのスプリングバネによる伸縮と捩じれの復原性による構造的柔軟性即ちフレキシビリティを具有し、左右自転車相互に一定限度内の相対的な高低ズレと傾斜、衝撃的変動等を生じても、両ハンドルの連動回転性を保持し、左右自転車に安定快適なハンドル操作を実現し、自転車が左右のいずれにカーブするにも、どちらか一方のハンドル操作でよいのである。
【0019】
ツイン自転車は、フレーム前部の鞍掛け式連結装置またはピン式連結装置、フレーム後部のピン式連結装置および両ハンドルステムがハンドル連携装置により、着脱自在かつ構造的にフレキシブルに一体化され、従って二台の、前後のズレはほぼ生ぜず、前後方向X軸まわりの回動性と上下可動性により捩じれの位置関係即ち限度内の独自の運動を可能とする。
このことを走行時の状況に即して検討すると、平坦走行路では左右の自転車の前後車輪には大きな横力が作用せず高低差も生ぜず、両ハンドルの連動性のまま即ち片方のハンドルを切ることで左右の横並びを確保しつつ走行できる。
【0020】
また、凹凸走行路では左右の自転車の前後車輪それぞれには大きな複雑な三次元的な力が作用し変動、傾斜や高低差も生じるが、前記のような連結装置と連携装置の伸縮性、上下可動性、傾動性と捩じれ性及びそれらの復原性即ち多様な構造的柔軟性であるフレキシビリティにより自転車相互の独自の運動を許容し、相互の影響を小さくする、即ち左右の自転車が捩じれと傾斜の状態となっても、他車に起因する動揺等は小さく滑らかに伝達され、ハンドルの連動性の多少の低下を伴うが走行性はほぼ維持され、快適な乗心地を実現する。
従って、走路の凹凸やカーブ走行にスムーズに対応できる操縦性を発現し、ペアーによる乗り心地のより快適なサイクリングを可能とすることが了解できる。勿論、倒れずに微速度走行も可能である。
【0021】
なお、前後方向ズレ防止強化のため、前後の連結バーのスリーブ相互を、長さ寸法の調整および縮動機構の除去、さらに伸動機構の予伸バネの予伸の除去した前記鞍掛け式連結装置3a(図1)により連結し、前後の連結バーとこの改造連結装置とで水平剛性を高めた水平フレームを形成するのもよい。このフレームは、水平面内の変形に抵抗し即ち二自転車の前後方向ズレを一層抑制防止し、この改造連結装置であるセンター連結バーの上下可動の回動接合、伸長性と捩じれ可能性とにより、前後の連結バー相互は高低差、自由な間隔伸び及び捩じれが許容される。このことは二自転車の捩じれの位置関係即ち一定限度内の独自の動きを可能とし、前記フレキシビリティを損なうことはない。なお、前記した自由な間隔伸びは、センター連結バーのバネの予伸を除去した結果である。
【0022】
また、直進走行時の前後ズレの発生はハンドルの回転を意味し、走行が不安定になる。また、本ツイン自転車は差動機能を欠くのでカーブを切る場合、連動する各ハンドルの同一角度の回転性のため、外側自転車は内側自転車より速度を上げるのがよく、外側乗員はペダルを漕ぎ、内側乗員は漕がないか又はブレーキで減速することでスムーズに曲がれることになる。また、横ズレしにくいタイヤの車輪の使用がよい。
また、前記各接合連結部の寸法形状は、機能をそのままに構造、車種により多様に変化し、例えば、U字形金物の両端は直線並行より、ストッパネジとの当接
点間を直径とする円状端部がよく、また、
【0016】の記載に関連して、上パイプ傾斜型の自転車の場合、上パイプ前端部を水平にした被鞍掛部を形成する。
【0023】
さらに、軽量化を加味して適宜変形した前記受け板、補助板、接合板、筒、アームロッド、パイプ、スプリングバネ等により連結装置と連繋装置を構成し、フレーム相互の連結部位も適宜変わり、例えば、後輪軸間にピン式連結装置の配設もよく、その接合板を後輪軸、シートステーとチェーンステーに接合すること、また前記連結具のスプリングバネを除き、長ボルト孔を丸孔にし、接合板を筒断面と等しくした簡易型の連結具を後輪軸にナット接合し、連結バーを嵌入し、ボルトとナットでピン接合した後、前記筒と自転車構造体のシートステーとチェーンステーとを補強材でネジ接合すること、またハンドル前に荷台を付設するため、アームロッドを後方向きに接合し、ハンドル連結装置をハンドルより後位置に配設することがある。さらに、フレームや前記諸部材等への補強の付加もある。
【0024】
また、前記諸部材の原則的接合方法は、着脱しない場合に溶接、接着、着脱接合の場合には締め金、ボルト、ナットにより行う。また、これら諸部材の材質は金属やプラスチックであり、スプリングバネは非金属の弾性体であるゴム、プラスチックや流体を用いるエアークッションに代え又は併用してもよい
なお、U字形鞍、連結バーと連結具の簡素変形型として、当て金付きバネのないU字形鞍、スプリングバネのない連結バーや長円のボルト孔を円形とする連結具もよい。この場合、操縦性と乗り心地の低下を来すであろう。また、スリーブ内面にテフロン円筒膜を接触配設し両パイプの滑動性の向上を図ってもよく、この処置は他の滑動部にも適用してよい。
また、前記複合バネ式の連結バーは、内外のスプリングバネを強弱に分け、ダンパーを併用して乗り物等のサスペンションへの適用もよい。
【0025】
また、実用車以外のスポーツ自転車相互や電動アシスト自転車相互の、さらに、異種自転車相互のツイン化も可能である。なお、電動アシスト自転車の場合、共通のオン−オフスイッチを双方の自転車に装着する。また、後部連結装置をバネ付き鎖に代え、前部連結装置と連結部位を強化したツイン自転車もよい。
また、各連結装置の長さ即ち自転車間隔を自由に変える手段をそれらの各パイプに施してよく、その手段は、分断したパイプを共通のスリーブで左右逆向きのネジ接合しておくことであり、そのスリーブを回転して間隔を調整する。
【0026】
また、各連結装置が着脱自在であるこれらツイン自転車の連結組立て及び分解は、二十本以下のボルト、ナットの締め外しで、容易であり、必要に応じて単車での使用が可能である。例えば、交通量の多い都心部では単車で、周辺部や郊外ではツイン自転車での使用法である。
なお、前記のように、三の連結バーで構成する水平フレームの他に、四の連結装置で構成する四角の柔軟性フレームを台車とする四輪車もよい(詳細省略)。
参考文献:特開昭49−88239「二台の自転車の連結装置」、
特開昭50−146042「二台の自転車を並列に連結した四輪自転車」
【0027】
【発明の効果】
上記のごとく、二台の自転車をフレキシブルかつ着脱自在に横並びに連結装置等により連結してなるツイン自転車は、操縦性と乗り心地が良く、一人でも連動するハンドルを切ることができ、他の一人の手は自由に使え、カメラ等の操作、飲食物の摂取等ができ、乗員二人が会話を楽しみながら、平地はもとより登坂も微速度走行が可能であり、単純な走行のみでなく多彩かつ体力に合せたより健康増進に適するサイクリングを、ペアーで楽しめるものであり、環境に優しく高齢化社会においても新しい自転車文化の普及をもたらし、さらに全世界への発信がされる。なお、組立て分解が容易でありそれぞれ単車走行も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ツイン自転車の概略斜視図
【図2】外バネ式連結バーの概略断面図
【図3】内バネ式連結バーの概略断面図
【図4】鞍の正面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】鞍掛け式連結装置とハンドル連繋装置の部分斜視図
【図7】連結具の正面図
【図8】後部連結部の斜視図
【図9】軽快車等のフレーム前部のピン式連結装置の概略図
【符号の説明】
1 ツイン自転車、 2 フレーム、 2a 上パイプ、
2b ハンドルチューブ、 2c 受け板、 2d 立パイプ、
2e シートステー、 2f 下パイプ、 2g 補助板、
3と3a 鞍掛け式連結装置、 4ピン式連結装置、
5A 外バネ式連結バー、 5B 内バネ式連結バー、 5a スリーブ、
5b 円板、 5cと5d 軸芯棒、 5e (縮動)パイプ、
5f (伸動)パイプ、 5gと5h 有孔端板、 5jと5k ナット、
5mと5n スプリングバネ、 5p バネ受けリング、
5q バネ受けナット、
6 鞍、 6a U字形金物、 6b ボルト孔、 6c 当て板、
6d スプリング バネ、 6e スペーサ、 6f ワッシャ、
6g ボルト、 6h ナット、 6j ストッパネジ、
7 連結具、 7a 接合板、 7b 筒、 7c 長ボルト孔、
7d ボルト、 7e ナット、 7f スプリングバネ、 7g ボルト、
7h ナット、
8 ハンドル連繋装置、 8a ハンドル、 8b 連繋バー、
8c アームロッド、 8dハンドルステム、 8e ボルト、8f ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、二台の自転車を横並びに柔軟にかつ着脱自在に連結するツイン自転車に係わり、一人運転が可能かつ悪路でも快適に走行するツイン自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の四輪自転車のあるものは、二台の自転車が並行に剛連結されてあり、平坦な走路ではスムーズに走行できるが、凹凸のある走路では車輪の空転を生じ、またハンドルの切れも悪くなる構造であり、走行に伴う自転車の多様な不快な変動がそのまま相互に伝達され、乗り心地悪く、遊園地など限られた場所でしか実用されておらず、また他のものは両ハンドルの連動回動機構がなく、一人では運転操作が不可能な構造であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の欠点、二台の自転車の剛連結による凹凸走路における変動の相互伝達による運転操作性と走行性の不良を、その剛連結をフレキシブルな連結にすることで改善し、ハンドル相互もフレキシブルな連動性を付与し、一人でもハンドルを操作でき、一般道路において快適なサイクリングのできる四輪自転車であるツイン自転車を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成のために、2台の自転車を着脱自在に横並びに連結したツイン自転車であり、前記自転車のフレーム相互を、その前部隅角部に鞍掛け式連結装置により、その後部隅角部にピン式連結装置により連結し、さらにハンドルステム相互をハンドル連繋装置により連繋してなり、前記各装置が構造的柔軟性を具備するこのツイン自転車は、前記連結装置とハンドル連繋装置により、上下左右方向の比較的大きな変位や捩じれ等が吸収され、2台の自転車が相互に影響し合う衝撃、変動の少ないフレキシブルな連結、連繋となり、安定した走行状態を実現しかつ一人でも運転操作が可能であるツイン自転車である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のツイン自転車1(図1)を実用車において図に基ずいて説明する。
二台の実用自転車の主構造体であるフレーム2相互の一定間隔かつ略真横連結およびハンドル8a相互の連繋を基本要件とし、詳しくは(図1)において、フレーム2相互の連結の一つは、鞍掛け式連結装置3またはピン式連結装置4によるフレーム2の前部隅角部相互の連結であり、他の連結は、ピン式連結装置によるサドル下の後部隅角部相互の連結である。この鞍掛け式連結装置3は、連結バー5AとU字形鞍6とからなり、ピン式連結装置4は、連結バー5Aと連結具7とからなる。また、ハンドルの連繋は、連繋バー8bとアームロッド8cとからなるハンドル連繋装置8である。前記連結バーと連繋バーは、中央部のスリーブに左右から嵌入したパイプをバネ等を介して連結し左右自転車の比較的大きい左右の変動と捩じれを吸収し、U字形鞍と連結具は、自転車の上下変動と傾斜動を許容するフレキシブルな機能を果たす。なお、自転車に関する三次元の方向即ち前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向と決めておく。
【0006】
まず、前記連結装置3と4の連結バー5A(図2)は、一定長さのスリーブ5aの中央内部に接合された円板5bの両側に軸心棒5c、5dがネジ接合され、これら棒は、スリーブに部分的に嵌入した一定長さの二つのパイプ5e、5fの一端に接合された有孔端板5g、5hを貫通し各パイプの内部に入り、それぞれの端部にナット5j、5kが嵌まり、そして前記スリーブの一端と前記パイプ5eの、スリーブ端外にある部分とを予め縮めたスプリングバネ5mを介して連結するので前記有孔端板5gがナット5jに止接し、前記円板と一定間隔即ち後記の縮み代をなし、同様に前記スリーブの他端と他のパイプ5fとを、予め伸ばしたスプリングバネ5nを介して連結し、このためパイプ5fの有孔端板5hが円板5bに押し付けられ、この有孔端板とナット5kの間隔が後記の縮み代となる外バネ式の構造である。なお、前記パイプ5eを縮動パイプと、パイプ5fを伸動パイプと称し、また、予縮、予伸したスプリングバネの反発力と収縮力は略等しいものとする。
また、バネの配設は、クローズドエンドバネの両端をスリーブと両パイプにネジで接合したバネ受けリング5pに予縮または予伸して当接または掛ける、またはオープンエンドバネの一端に加工した曲り部をパイプの小孔に差し込み、他端に加工した小フックをスリーブ端の突起に掛けてなされる。
【0007】
この外バネ式の連結バーに左右から、縮動パイプの予縮したスプリングバネ5mの反発力以上の押し外力が作用すると、漸増するこのバネの反発力に抗しながら縮動パイプが、最大限、その有孔端板5gが円板5bまでの前記間隔を移動し即ち連結バーが縮じみ、また伸動パイプの予伸したスプリングバネ5nの収縮力以上の引張外力が作用すると、同様に最大限、伸動パイプ5fの有孔端板5hが前記ナット5kまで、バネ5nの収縮力に抗しながら伸動パイプが移動即ち連結バーが伸びることになる。このように、この連結バーは、縮動パイプの縮動量または伸動パイプの伸動量であるパイプ径程度の伸び縮みが可能であり、また、スリーブを媒介にして両パイプ間の相対的軸心回動即ちY軸まわりの捩じれも許容する構造的なフレキシビリティを具備する。これにより、自転車の走行時の比較的大きい左右の衝撃的な変動と捩じれを吸収するクッション作用をし、自転車が相互に衝撃が少ない一定限度内の独自の動きをする機能を具備することになる。
【0008】
別型の連結バー(図3)として、両側の軸心棒5c、5dを長くし、前記縮動パイプ5cの有孔端板5gと固定円板5bの間に予縮してスプリングバネ5mを、伸動パイプ5fの有孔端板5hとパイプ内径以下のバネ受けナット5q間に予縮してスプリングバネ5nを配設する内バネ式の連結バー5Bもよい。
なお、ナットの位置を変えて伸縮量を変えてよく、異径のバネをダブルに配設してもよく、また、外バネ式連結バーに内バネ式同様に内バネを併用する複合バネ式の連結バーもよい。
【0009】
この内バネ式の連結バー5Bの組立ては、パイプ内径より小さい円板とナット一体のバネ受けナット5qを軸心棒5dに嵌め込み、伸動パイプ5fのバネ5nをその軸心棒に通した後、伸動パイプ5fの一端からこれらを挿入し、その軸心棒を有孔端板5hを貫通突出するまでバネを縮めながら押し込み、固定円板5bにその板厚中間までネジ接合し、さらに対称的に即ち縮動パイプ側に他の軸心棒5cを固定円板の板厚中間までネジ接合し、他のバネ5mを通した軸心棒5cが、縮動パイプ5eの有孔端板5gを貫通し、そのパイプの他端からナット5jを長手のナット締め具によりバネ5mを縮めながら嵌め込み、その後一体化した両パイプの連結部を、その固定円板5bをスリーブ5aの略中央にして嵌入配設し、スリーブと円板をネジ接合して行う。
【0010】
また、別の方法は、バネ受けナット5qを嵌め込み、伸動パイプの軸心棒5dにバネと有孔端板を通し、この軸心棒を前記バネを縮めて固定円板に板厚中間までネジ接合して一体化したものを伸動パイプに嵌挿し、パイプと有孔端板を溶接接合し、さらに、前記軸心棒を前記円板に接合しバネを配設し縮動パイプの有孔端板貫通した軸心棒にナットを、前記バネを縮めつつ嵌め込み連結したものを、その前記円板をスリーブ5aの略中央にして嵌入配設し、スリーブとこの円板をネジ接合して行う。パイプが長すぎる場合、短いパイプで組立て後、所定の長さに繋ぐ。なお、バネの反発力や収縮力の調節はバネ受けのリングやナットの位置を変えればよく、また反発力や収縮力を補うため、縮動パイプの有孔端板とナットの間および伸動パイプの有孔端板と円板との間に有孔円板状磁石をNS極吸引状に配接することもよい。
【0011】
また、鞍掛け式連結装置3のの構成要素である鞍6は(図4、図5)、自転車の上下動と傾斜動を許容する、連結バーとフレームとのフレキシブルな連結をするものである。そして、フレームの上パイプ2aに上側から被さる即ち鞍掛けする一定幅かつ深溝の逆さU字形金物6aが、その両端部内側の溝頂部に、一端に前記上パイプに上から当接する当て板6cを接合したスプリングバネ6dまたは板バネの他端を接合されており、かつその平面下端部に二組の対向のボルト孔を有する構造であり、このU字形金物6aの一方の平面部が前記連結バー5a又は5bの両端にその軸心に垂直に接合されて、後記のスペーサ、長板ワッシャ、接合用のボルトとナットを含め、鞍掛け式連結装置3となる。
【0012】
この連結装置3を、そのU字形金物6aをして両フレームの上パイプ2aの前端隅角部に即ちハンドルチューブ2bの直近に鞍掛けし(図6)、前記U字形金物の平面部内側に、上パイプの下側に一定の隙間を置いて(図5)、このU字形金物の長さに略等しい補強を兼ねるスペーサ6eを挿入し、平面部両外側に長板ワッシャ6fを配し、ボルト6gとナット6hでU字形金物を着脱自在に取付け、さらに、上パイプ2aに下側から当接する当て板6cを接合したスプリングバネ6dを前記スペーサの上に配設して、鞍6が形成され、鞍掛け式の前部連結とする。なお、U字形金物の両側に配設される前記長板ワッシャはその一部が、ハンドルチューブ2bを両側から一定の隙間をおいて挟み、上パイプと連結装置の前後方向即ちX軸まわりの回転である自転車の傾斜を制限するため、その長さの略三分の一が段差付きの長板である。そして前記隙間は後記のピン式連結装置の回動制限と略一致するように設定されている。
【0013】
この場合、鞍6と上パイプとの鞍掛け係合は、連結装置の連結バーを軸とするY軸まわりの回動を許すが、Z軸まわりの略水平面内の回動を抑制防止し即ち自転車の前後方向ズレをほぼ許さい剛性を有し、また、前記上下のバネ6dによる連結装置の鞍と上パイプ即ちフレームとの相対的上下動及び通常平行状態にある鞍と上パイプ即フレーム相互が一定限度内の傾動即ちY軸まわりの回動が可能となるフレキシビリティを具備している。
なお、U字形金物6aの前後端に相当する上パイプの両側部に、この金物を含む連結装置の前後移動を防ぐ小さなストッパネジ6jを接合する。また、前記中央に配接するバネの代わりに、上パイプ上面の突起として丸ネジを接合してもよく、この丸ネジがU字形金物の内溝面と点接触し、その金物の端部が上パイプに接するまでの、前記同様の相対的傾動が可能となる。
【0014】
ピン式連結装置4の構成要素である連結具7は(図7)、前記の鞍等と同様、連結バーとフレームをフレキシブルに連結するものであり、フレームの隅角部付き受け板2cにボルト接合される接合板7aに接合した長円断面の筒7bに、その両側平面部に長径方向に一定長さのボルト孔7cを開け、前記筒の短径にほぼ等しい外径の、その筒に一部嵌入される前記連結バー5Aを、この筒の長ボルト孔7cとその連結バー端部のボルト孔を貫通するボルト7dとナットにより上下動可能にピン接合し、かつ前記連結バーの端部を、この端部と前記筒に接合したスプリングバネ7fで上下から筒の長径方向中位に支持する構造である。
【0015】
そして、この連結具と長さ70cmから100cm程度の連結バー5Aを接合したものをピン式連結装置4とし、この装置の接合板7aを、前記筒7bの長径を地面に垂直な方向であるZ軸方向にして、前記受け板2cに複数のボルト7g
とナット7hで着脱自在に接合し後部連結とする。この連結具は、
【0012】に記した長板ワッシャと同様の機能を果たし、長円断面の筒7bの上下端部との連結バーの当接状態を自転車後部のX軸まわりの最大回動即ち傾斜とし、また上下方向の変動の状況が前記上下のバネ7fにより緩和される。
なお、筒7bの長円端部全周に鍔状等の補強材を接合してもよく、前記スプリングバネ7fを板バネに代えてもよく、また前記筒は長方形断面でもよい。
【0016】
これら連結装置は、Z軸まわりの水平面内の回動を許さず即ち自転車の前後方向ズレを許さず、限度内で前後方向のX軸まわりの回動性すなわち自転車の傾斜、およびフレームと連結バーの相対的上下動およびY軸まわり捩じれを許容する構造的柔軟性であるフレキシビリティ、即ち上下動性、回動性即ち傾動性、伸縮性と捩じれ性を具備するフレキシブルな多機能性の連結装置である。
また、後部連結の隅角部接合の前記受け板2cは(図8)、サドルの下方に相当する、立パイプ2dと二本に分かれたシートステー2eで形成する隅角部において、そのシートステー間に補強を兼ねる補助板2gを接合し、この補助板と立パイプ2dに基準中心面即ちフレーム構成中心面に合せ、接合されている。また、フレーム前端部に上パイプ2a、ハンドルチューブ2b、下パイプ2f(図4)で形成する隅角部接合の受け板もほぼ同様に配設され、これにピン式連結装置4が接合され前部連結としてもよいことは容易に理解されよう。
【0017】
また、上パイプが下方に傾斜や湾曲した近年の軽快車その他の自転車の場合、フレーム前端部(図9)の上パイプ2aと下パイプ2fの両側にネジ接合ないし溶接した受け板2c(図示せず)に連結具7と一体の接合板7dをボルト7gで接合し、同様にハンドルチューブ2bの両側に接合した受け板に連結具を接合してもよい。この他後記するように、車種に応じて変形する接合方法がある。
一方、ハンドル連繋装置8(図1、図6)は、ハンドルステム相互をフレキシブルに連結するものであり、両ハンドルステム8dの前側に略水平即ちX軸方向にして頭を接合したボルト8eに、直径3cm長さ30cmのアームロッド8cを固締めせずにネジ接合し、その先端に後記する連繋バー8bを、その両端の孔を緩く貫通するボルト8fで固締めせずにピン接合し、両ハンドルの略同一回転角度の連動性を具備するリンク機構とする構成である。
【0018】
前記連結バー5A(図2)または5B(図3)を機能を変えず寸法を変えてスリム化し、Y軸方向の伸縮性とY軸まわりの捩じれ性を具備する前記連繋バー8bと二本のX軸まわりの回動性のアームロッド8cからなるハンドル連結装置8は、一方のハンドル8aの略Z軸まわりの回転であるアームロッド8cの回転角度を、連繋バーが伸縮し捩じれることにより、常に円滑に他方のアームロッド8cへ伝達するリンク機構であり、連繋バーのスプリングバネによる伸縮と捩じれの復原性による構造的柔軟性即ちフレキシビリティを具有し、左右自転車相互に一定限度内の相対的な高低ズレと傾斜、衝撃的変動等を生じても、両ハンドルの連動回転性を保持し、左右自転車に安定快適なハンドル操作を実現し、自転車が左右のいずれにカーブするにも、どちらか一方のハンドル操作でよいのである。
【0019】
ツイン自転車は、フレーム前部の鞍掛け式連結装置またはピン式連結装置、フレーム後部のピン式連結装置および両ハンドルステムがハンドル連携装置により、着脱自在かつ構造的にフレキシブルに一体化され、従って二台の、前後のズレはほぼ生ぜず、前後方向X軸まわりの回動性と上下可動性により捩じれの位置関係即ち限度内の独自の運動を可能とする。
このことを走行時の状況に即して検討すると、平坦走行路では左右の自転車の前後車輪には大きな横力が作用せず高低差も生ぜず、両ハンドルの連動性のまま即ち片方のハンドルを切ることで左右の横並びを確保しつつ走行できる。
【0020】
また、凹凸走行路では左右の自転車の前後車輪それぞれには大きな複雑な三次元的な力が作用し変動、傾斜や高低差も生じるが、前記のような連結装置と連携装置の伸縮性、上下可動性、傾動性と捩じれ性及びそれらの復原性即ち多様な構造的柔軟性であるフレキシビリティにより自転車相互の独自の運動を許容し、相互の影響を小さくする、即ち左右の自転車が捩じれと傾斜の状態となっても、他車に起因する動揺等は小さく滑らかに伝達され、ハンドルの連動性の多少の低下を伴うが走行性はほぼ維持され、快適な乗心地を実現する。
従って、走路の凹凸やカーブ走行にスムーズに対応できる操縦性を発現し、ペアーによる乗り心地のより快適なサイクリングを可能とすることが了解できる。勿論、倒れずに微速度走行も可能である。
【0021】
なお、前後方向ズレ防止強化のため、前後の連結バーのスリーブ相互を、長さ寸法の調整および縮動機構の除去、さらに伸動機構の予伸バネの予伸の除去した前記鞍掛け式連結装置3a(図1)により連結し、前後の連結バーとこの改造連結装置とで水平剛性を高めた水平フレームを形成するのもよい。このフレームは、水平面内の変形に抵抗し即ち二自転車の前後方向ズレを一層抑制防止し、この改造連結装置であるセンター連結バーの上下可動の回動接合、伸長性と捩じれ可能性とにより、前後の連結バー相互は高低差、自由な間隔伸び及び捩じれが許容される。このことは二自転車の捩じれの位置関係即ち一定限度内の独自の動きを可能とし、前記フレキシビリティを損なうことはない。なお、前記した自由な間隔伸びは、センター連結バーのバネの予伸を除去した結果である。
【0022】
また、直進走行時の前後ズレの発生はハンドルの回転を意味し、走行が不安定になる。また、本ツイン自転車は差動機能を欠くのでカーブを切る場合、連動する各ハンドルの同一角度の回転性のため、外側自転車は内側自転車より速度を上げるのがよく、外側乗員はペダルを漕ぎ、内側乗員は漕がないか又はブレーキで減速することでスムーズに曲がれることになる。また、横ズレしにくいタイヤの車輪の使用がよい。
また、前記各接合連結部の寸法形状は、機能をそのままに構造、車種により多様に変化し、例えば、U字形金物の両端は直線並行より、ストッパネジとの当接
点間を直径とする円状端部がよく、また、
【0016】の記載に関連して、上パイプ傾斜型の自転車の場合、上パイプ前端部を水平にした被鞍掛部を形成する。
【0023】
さらに、軽量化を加味して適宜変形した前記受け板、補助板、接合板、筒、アームロッド、パイプ、スプリングバネ等により連結装置と連繋装置を構成し、フレーム相互の連結部位も適宜変わり、例えば、後輪軸間にピン式連結装置の配設もよく、その接合板を後輪軸、シートステーとチェーンステーに接合すること、また前記連結具のスプリングバネを除き、長ボルト孔を丸孔にし、接合板を筒断面と等しくした簡易型の連結具を後輪軸にナット接合し、連結バーを嵌入し、ボルトとナットでピン接合した後、前記筒と自転車構造体のシートステーとチェーンステーとを補強材でネジ接合すること、またハンドル前に荷台を付設するため、アームロッドを後方向きに接合し、ハンドル連結装置をハンドルより後位置に配設することがある。さらに、フレームや前記諸部材等への補強の付加もある。
【0024】
また、前記諸部材の原則的接合方法は、着脱しない場合に溶接、接着、着脱接合の場合には締め金、ボルト、ナットにより行う。また、これら諸部材の材質は金属やプラスチックであり、スプリングバネは非金属の弾性体であるゴム、プラスチックや流体を用いるエアークッションに代え又は併用してもよい
なお、U字形鞍、連結バーと連結具の簡素変形型として、当て金付きバネのないU字形鞍、スプリングバネのない連結バーや長円のボルト孔を円形とする連結具もよい。この場合、操縦性と乗り心地の低下を来すであろう。また、スリーブ内面にテフロン円筒膜を接触配設し両パイプの滑動性の向上を図ってもよく、この処置は他の滑動部にも適用してよい。
また、前記複合バネ式の連結バーは、内外のスプリングバネを強弱に分け、ダンパーを併用して乗り物等のサスペンションへの適用もよい。
【0025】
また、実用車以外のスポーツ自転車相互や電動アシスト自転車相互の、さらに、異種自転車相互のツイン化も可能である。なお、電動アシスト自転車の場合、共通のオン−オフスイッチを双方の自転車に装着する。また、後部連結装置をバネ付き鎖に代え、前部連結装置と連結部位を強化したツイン自転車もよい。
また、各連結装置の長さ即ち自転車間隔を自由に変える手段をそれらの各パイプに施してよく、その手段は、分断したパイプを共通のスリーブで左右逆向きのネジ接合しておくことであり、そのスリーブを回転して間隔を調整する。
【0026】
また、各連結装置が着脱自在であるこれらツイン自転車の連結組立て及び分解は、二十本以下のボルト、ナットの締め外しで、容易であり、必要に応じて単車での使用が可能である。例えば、交通量の多い都心部では単車で、周辺部や郊外ではツイン自転車での使用法である。
なお、前記のように、三の連結バーで構成する水平フレームの他に、四の連結装置で構成する四角の柔軟性フレームを台車とする四輪車もよい(詳細省略)。
参考文献:特開昭49−88239「二台の自転車の連結装置」、
特開昭50−146042「二台の自転車を並列に連結した四輪自転車」
【0027】
【発明の効果】
上記のごとく、二台の自転車をフレキシブルかつ着脱自在に横並びに連結装置等により連結してなるツイン自転車は、操縦性と乗り心地が良く、一人でも連動するハンドルを切ることができ、他の一人の手は自由に使え、カメラ等の操作、飲食物の摂取等ができ、乗員二人が会話を楽しみながら、平地はもとより登坂も微速度走行が可能であり、単純な走行のみでなく多彩かつ体力に合せたより健康増進に適するサイクリングを、ペアーで楽しめるものであり、環境に優しく高齢化社会においても新しい自転車文化の普及をもたらし、さらに全世界への発信がされる。なお、組立て分解が容易でありそれぞれ単車走行も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ツイン自転車の概略斜視図
【図2】外バネ式連結バーの概略断面図
【図3】内バネ式連結バーの概略断面図
【図4】鞍の正面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】鞍掛け式連結装置とハンドル連繋装置の部分斜視図
【図7】連結具の正面図
【図8】後部連結部の斜視図
【図9】軽快車等のフレーム前部のピン式連結装置の概略図
【符号の説明】
1 ツイン自転車、 2 フレーム、 2a 上パイプ、
2b ハンドルチューブ、 2c 受け板、 2d 立パイプ、
2e シートステー、 2f 下パイプ、 2g 補助板、
3と3a 鞍掛け式連結装置、 4ピン式連結装置、
5A 外バネ式連結バー、 5B 内バネ式連結バー、 5a スリーブ、
5b 円板、 5cと5d 軸芯棒、 5e (縮動)パイプ、
5f (伸動)パイプ、 5gと5h 有孔端板、 5jと5k ナット、
5mと5n スプリングバネ、 5p バネ受けリング、
5q バネ受けナット、
6 鞍、 6a U字形金物、 6b ボルト孔、 6c 当て板、
6d スプリング バネ、 6e スペーサ、 6f ワッシャ、
6g ボルト、 6h ナット、 6j ストッパネジ、
7 連結具、 7a 接合板、 7b 筒、 7c 長ボルト孔、
7d ボルト、 7e ナット、 7f スプリングバネ、 7g ボルト、
7h ナット、
8 ハンドル連繋装置、 8a ハンドル、 8b 連繋バー、
8c アームロッド、 8dハンドルステム、 8e ボルト、8f ボルト
Claims (8)
- 2台の自転車を着脱自在に横並びに連結したツイン自転車であり、前記自転車のフレーム相互を、その前部隅角部に鞍掛け式連結装置により、その後部隅角部にピン式連結装置により連結し、さらにハンドルステム相互をハンドル連繋装置により連繋してなり、前記各装置が構造的柔軟性を具備することを特徴とするツイン自転車。
- 請求項1に記載のツイン自転車の鞍掛け式連結装置を、ピン式連結装置にすることを特徴とするツイン自転車。
- 連結バーは、連結装置の構成要素であり、一定長さのスリーブの中央内部に配接された円板の両側に接合した軸心棒それぞれが、前記スリーブの両端から部分的に嵌入した一定長さのパイプの一端に接合された有孔端板を貫通し、その端部にナットが嵌まり、そして前記スリーブの一端と一方の前記パイプのスリーブ端外の部分とを、予縮したスプリングバネを介して連結し、さらに前記スリーブの他端と他の前記パイプのスリーブ端外の部分とを、予伸したスプリングバネを介して連結することを特徴とする外バネ式の連結バー。
- 請求項3に記載の連結バーの二つのスプリングバネに代えて、一つの有孔端板外面と円板の間および他の有孔端板内面とバネ受けナットの間に予縮スプリングバネを配設することを特徴とする内バネ式の連結バー。
- 請求項1に記載の鞍掛け式連結装置は、U字形鞍と連結バーからなり、この鞍が、フレームの上パイプの外径にほぼ等しい深い溝幅と平面部分に対向のボルト孔を有し、かつ当て板を一端に接合したスプリングバネを溝内に配接され、前記連結バーの二本のパイプの両他端部に、接合することを特徴とする鞍掛け式連結装置。
- 請求項1に記載のピン式連結装置は、連結具と連結バーとからなり、前記連結具が、接合板に接合した長円断面の筒の両側平面部にある長径方向の長ボルト孔と前記筒に一部嵌入した前記連結バーのパイプ端部のボルト孔とを貫通するボルトとナットによりピン接合し、かつ前記嵌入パイプの端部を上下のバネにより支持してなる連結具であることを特徴とするピン式連結装置。
- 請求項3と4に記載の連結バーと同質の連繋バーを、ハンドルステムに配設した略前後方向を軸とする回動性の両アームロッド端部にピン接合してリンク機構とすることを特徴とするハンドル連繋装置。
- 請求項1と2に記載のツイン自転車の前後の連結装置を、鞍掛け式連結装置を介して連結することを特徴とするツイン自転車。
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KR101611693B1 (ko) * | 2014-05-19 | 2016-04-12 | 김창래 | 자전거 연결장치 |
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-
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