JP2004073854A - 肩又は股関節用プロテーゼ - Google Patents

Abstract

【課題】肩又は股関節用プロテーゼを改良する。
【解決手段】肩又は股関節用プロテーゼは、凹状関節面を有する上腕骨又は大腿骨構成要素と、第１及び第２の凸状関節面を有する中間構成要素とを有する。上腕骨又は大腿骨構成要素の凹状関節面に対する第１の凸状関節面の回転の瞬間中心の位置及び肩関節窩又は寛骨臼の関節面に対する第２の凸状関節面の回転の瞬間中心の位置が第１の凸状関節面の両側にある。
【選択図】　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然の関節の特徴を改良された精度で再現することを可能にする完全又は部分的な肩又は股関節用プロテーゼに関する。
【０００２】
【従来の技術】
肩用プロテーゼの分野においては、例えば、欧州特許出願公開第０２９９８８９号明細書に記載されているように、肩関節窩構成要素に凸状関節面を形成することが知られている。その場合において、対応する形状の凹状関節面が上腕骨構成要素上に形成される。このような面の肩関節窩構成要素は極めて高い侵襲性を有しており、また、上腕骨構成要素の肩峰下の衝突が外転運動の最後に起こり得る。
【０００３】
さらに、米国特許第４８４６８４０号明細書は、プロテーゼの中間要素上に、２つの実質的に同心の凸状面を形成することを開示している。これは、相互に関節接合される２つの骨にそれぞれ設けられた対応する形状の凹状面上でのそれらの関節接合を目的としたものである。このようなプロテーゼは不安定である。これは、特に、このプロテーゼに設けられた２組の関節面間にオフセットがあるためである。
【０００４】
【特許文献１】欧州特許出願公開第０２９９８８９号明細書
【特許文献２】米国特許第４８４６８４０号明細書
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、外転の最初における三角筋又は大殿筋によって及ぼされる力の応力中心距離（ｌｅｖｅｒ　ａｒｍ）の増大のために、肩の回転子のカバー又は股関節の安定化構造がない場合において、解剖学的な関節を再現すると同時に腕又は脚の外転を容易にする肩又は股関節用プロテーゼを提案することによってこれらの欠点を克服することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この精神において、本発明は、凹状関節面を有する上腕骨又は大腿骨構成要素と、第１及び第２の凸状関節面を有する中間構成要素とを有する肩又は股関節用プロテーゼに関する。第１の凸状関節面は上腕骨又は大腿骨構成要素の凹状関節面と協働するように設計され、第２の凸状関節面は自然の肩関節窩又は寛骨臼の凹状関節面又は肩関節窩構成要素若しくは寛骨臼構成要素に属する肩関節窩又は寛骨臼の凹状関節面と協働するように設計されている。このプロテーゼの特徴は、上腕骨又は大腿骨構成要素の凹状関節面に対する第１の凸状関節面の回転の瞬間中心の位置及び肩関節窩又は寛骨臼の関節面に対する第２の凸状関節面の回転の瞬間中心の位置が第１の凸状関節面の両側にあることである。
【０００７】
本発明によれば、肩用プロテーゼの場合、肩に上腕骨の外転力を及ぼす三角筋の応力中心距離は大きい。このため、中間要素の第１の凸状関節面に対する上腕骨構成要素の凹状関節面の摺動により、外転が容易化されている。股関節用プロテーゼの場合には、大殿筋によって制御される大腿骨の外転が容易にされる。
このプロテーゼは、請求項２から１２に記載の一つ又は複数の特徴を有する。本発明は、以下の四つの実施形態から簡単に理解されるとともにその他の利点も一層明瞭になるであろう。なお、これらの実施形態は単なる例であり、発明を限定するものではない。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図面を参照すると、図１から５に示すプロテーゼＰは上腕骨構成要素１を含む。上腕骨構成要素１はプロテーゼＰが設けられるべき関節の上腕骨Ｈの髄腔内に固定することが意図される部分１１を含んでいる。部分１１はステム１２によって延びている。ステム１２は、上腕骨が一旦切除されると、その上腕骨の外側に突き出す。また、ステム１２の端部にはプレート１３が設けられている。このプレート１３は部分１１及び１２と一体に形成される。なお、プレート１３は部分１１及び１２に別体として取り付けられていてもよい。
【０００９】
プレート１３は凹状面Ｓ_１を限定している。凹状面Ｓ_１のキャビティは肩関節窩Ｇを向いている。
プロテーゼは肩関節窩構成要素２も含む。構成要素２は肩関節窩に固定され、凹状面Ｓ_２を限定している。凹状面Ｓ_２のキャビティは肩関節窩の外側を向いている。
【００１０】
構成要素１及び２の間には、中空の皿３１を形成する中間構成要素３が置かれている。中空の皿３１の内側にはボタン３２及びワッシャ３３が固定化されている。
これらの要素３２及び３３は、何らかの適切な手段によって、例えば、ネジ締め、連結及び／又は接着によって、中空の皿３１の内側に固定される。変形例として、ボタン３２は中空の皿３１と一体化されていてもよい。
【００１１】
Ｓ’_１は皿３１の外側から接触可能なボタン３２の凸状面を表している。
面Ｓ_１及びＳ’_１は、両方とも、実質的に同じ半径Ｒ_１を有する球状部分であり、その結果、プレート１３はボタン３２の面Ｓ’_１の上を摺動可能になっている。
【００１２】
皿３１の凸状の外側面Ｓ’_２も球状の部分であり、面Ｓ_２の半径と類似した半径Ｒ_２を有する。このため、面Ｓ_２及びＳ’_２の相対摺動運動が可能になっている。
【００１３】
要素３２及び３３は皿３１の内腔Ｖ内に収容されている。この内腔Ｖは皿３１の凸状面Ｓ’_２及び皿３１の周縁部３１１に当接する仮想のディスクＤの内側に限定される。本発明の変形例（図示せず）によれば、ワッシャ３３は内腔Ｖの外に突き出ていてもよい。
【００１４】
プレート１３は皿の形であり、ステム１２の周りを延びて、円形周縁延長部すなわち突起１４を形成している。この突起１４は、ボタン３２及びワッシャ３３の間において、内腔Ｖ内に形成された周縁ノッチ３４に係合可能である。
【００１５】
ワッシャ３３はその内部に円錐台形面３３１を有する。この円錐台形面３３１にはステム１２が当接可能であり、その結果、面３３１はボタン３２に対するプレート１３の摺動運動のストッパを構成する。なお、面３３１は必ずしも円錐台形である必要はない。
Ｚ−Ｚ’は患者が立った状態における脊椎と実質的に平行な垂直軸を表す。
【００１６】
構成要素３は重量Ｐ_３を受けるし、肩関節窩Ｇによってそこに伝達される力Ｆ_１を受ける。このアセンブリはプレート１３から来る反力Ｆ_２も受ける。力Ｐ_３、Ｆ_１及びＦ_２は上腕骨Ｈの残りの位置で平衡が保たれる。
【００１７】
構成要素１は上腕骨の重量といっしょに累積されたその重量を受ける。その重量Ｐ_Ｈは合力を表す。構成要素１はボタン３２の反力、すなわち、力Ｆ_２に対向する力Ｆ’_２も受ける。最後に、構成要素１は上腕骨Ｈを支持する三角筋によって及ぼされる力Ｆ_３を受ける。
【００１８】
面Ｓ’_１に対する面Ｓ_１の回転の瞬間中心Ｃ_１は面Ｓ_１及びＳ’_１を限定する球に共通な中心である。構成要素３の幾何学的配列を考慮すると、この中心Ｃ_１は肩関節窩Ｇ、すなわち、手術前の肩の回転の解剖学的中心に対する中間部分に位置する。
【００１９】
実際には、面Ｓ_１及びＳ’_１の曲率半径はできるだけ大きくなるように選択され、その結果、中心Ｃ_１はできるだけ中間にある。皿３１内におけるボタン３２の位置もそのために選択される。
【００２０】
さらに、面Ｓ’_２及びＳ_２の間の回転の瞬間中心Ｃ_２はこれらの面を含む球に共通な中心であり、面Ｓ_２に対して面Ｓ’_１を越えて位置する。実際には、中心Ｃ_２は手術前の肩の回転の解剖学的中心に実質的に近い。従って、中心Ｃ_１及びＣ_２の間の空間的関係は中心Ｃ_１と肩の筋肉及び靭帯が埋め込まれる回転の解剖学的中心との間の空間的関係の像（ｉｍａｇｅ）である。
【００２１】
中心Ｃ_１及びＣ_２のこの位置決めは上腕骨Ｈの外転運動を容易にすることを可能にする。その場合、三角筋によって及ぼされる力Ｆ_３をあまり大きくする必要がない。
【００２２】
実際、図１の形状から図２のそれへの変化によって示される外転の第１ステップの間においては、三角筋によって及ぼされる力Ｆ_３は直線Δ_１から第１の比較的大きな距離ｄ_１において及ぼされる。直線Δ_１は力Ｆ_３と平行であるとともに中心Ｃ_１を通過する直線である。この距離ｄ_１は回転の瞬間中心Ｃ_１に対する力Ｆ_３の応力中心距離を示し、この比較的大きな応力中心距離はボタン３２上のプレート１３の摺動運動を比較的容易に発生させることを可能にし、一方、皿３１は構成要素２に対し不動なままでいる。外転の第１段階中においては、肩関節窩及び構成要素３の間の反力Ｆ_１及びＦ_２はほぼ同じ方向に維持され、それ故に、皿３１は釣り合った状態に維持される。
【００２３】
外転運動が図３の形状に達するまで引き延ばされるならば、プレート１３は中間構成要素３の面Ｓ’_１上を摺動し続け、一方、皿３１は構成要素２の面Ｓ_２に対する摺動運動を開始する。実際、図２の形状から図３のそれへの変化に対応するこの追加の運動中においては、力Ｆ_１及びＦ_２は方向が変化する。
【００２４】
外転運動が上腕骨の水平位置に実質的に対応する最大の開きに至るまで継続されるなら、ステム１２は、その上部のレベルにおいて、ワッシャ３３の面３３１に対して当接するようになり、次に、関節運動が専ら構成要素２に対する皿３１の移動によって起こる。実際には、ワッシャ３３の本質的な機能はプレート１１又はステム１２及び皿３１の間の金属／金属接触を避けることである。
【００２５】
このように、関節回転の瞬間中心は、中心Ｃ_１のように、肩関節窩内にもはや位置せず、上腕骨の内側における回転の解剖学的中心に近い位置に位置する。この姿勢においては、三角筋によって及ぼされる力Ｆ_３と中心Ｃ_２との間の応力中心距離ｄ_２の値はｄ_１の値と同じ程度である。
【００２６】
実際には、中心Ｃ_１は、外転運動中において、円弧Ａ_１を描く。この円弧Ａ_１は、図中では、面Ｓ_２及びＳ’_２の軌跡とほぼ一致する。その理由は、半径Ｒ_１及びＲ_２は中心Ｃ_１がこれらの面のレベルにほぼ位置するようになっているからである。この円弧Ａ_１は外転運動コースにおけるこれらの回転の瞬間中心の軌跡である。中心Ｃ_２は面Ｓ’_２及びＳ_２の間の回転の中心位置を構成する円弧Ａ_２を描く。
【００２７】
回転の中心Ｃ_１の軌跡Ａ_１は必ずしも面Ｓ_２及びＳ’_２の軌跡と一致する必要はない。その形状は図に示された変形例から簡単に得られる。実際には、三角筋の応力中心距離を増加させるために、軌跡Ａ_１はできるだけ中間にあり、例えば、構成要素２又は肩関節窩Ｇ内に位置する。
【００２８】
図５で更に詳しく示されるように、本発明によるプロテーゼは著しい動的安定を有する。実際、同一の荷重条件の下で、皿３１が図２の位置から矢印Ｆ_４の方向に移動されるならば、力Ｆ_１及びＦ_２のオフセットによって、変位方向Ｆ_４に対向する方向に構成要素３を戻そうとする戻り偶力Ｃ_４が生じ、その結果として、構成要素３の安定平衡状態が形成される。
【００２９】
図６に示された本発明の第２の実施形態においては、構成要素１及び２はそれぞれ大腿骨Ｆ及び寛骨Ｉ内に固定することを意図したものである。これらは第１の実施形態に関連して記載されたものと類似しているが、中間構成要素３は先のものと異なる。その相違点は、それが実質的に両凸状形状を有している点である。すなわち、この中間構成要素３は第１の面Ｓ’_２と第２の面Ｓ’_２とを有し、第１の面Ｓ’_２は幾何学的中心Ｃ_１を有する球状の面であり、第２の面Ｓ’_２は幾何学的中心Ｃ_２を有する同じく球状の面である。中心Ｃ_１及びＣ_２は構成要素３に対する構成要素１のプレート１３の摺動運動中及び構成要素２に対する構成要素３の摺動運動中における回転の瞬間中心である。
【００３０】
実際には、摩擦力（図示せず）は、上腕骨Ｈ又は大腿骨Ｆの運動中において、克服されねばならない。これらの力は、上述の力に対して低い値を有し、このことは、上記説明中の摩擦力を無視することを可能にしている。
【００３１】
本発明によるプロテーゼは、外転運動の容易さを可能することに加えて、構成要素２を埋め込むために肩関節窩又は寛骨に対して行われる介入が限られおり、皆無でさえあるという特殊な利点を有する。実際、肩関節窩又は寛骨臼の関節面は、その状態が良好ならば、保存され得るので、本発明によるプロテーゼは肩関節窩構成要素又は寛骨臼構成要素を必ずしも含まなくてもよい。添付図面に示すような完全なプロテーゼの場合、構成要素２は、大多数の先行技術におけるプロテーゼの対応する構成要素と異なり、その体積は小さい。
【００３２】
図７から９に示す本発明の第３の実施形態においては、構成要素１及び２はそれぞれ上腕骨及び肩関節窩内に固定することを意図したものである。中間構成要素３は構成要素１及び２によって形成される凹状関節面Ｓ_１及びＳ_２とそれぞれ協働することが意図された２つの凸状関節面Ｓ’_１及びＳ’_２を限定している。
面Ｓ_１及びＳ_２に対する面Ｓ’_１及びＳ’_２の回転の瞬間中心の位置は、先に説明されたように、面Ｓ’_１の両側に位置する。
【００３３】
この実施形態は、上腕骨構成要素１が、一体でなく、２つの部分に分かれているという点において、先の実施形態のものと異なる。より正確には、構成要素１は上腕骨ステム１５と、フィンガ１６とを有する。そして、フィンガ１６はその一端１６ａがプレート１３を形成している。また、フィンガ１６の他端は実質的に球状に形成され、ステム１５内の対応する形状のキャビティ内に受容されている。
【００３４】
プレート１３は、その形状が実質的に楕円形であり、その最小寸法は図７に示された寸法である。これにより、外転運動の振幅を改良されている。
【００３５】
図８に見られるように、この図における矢視面に沿った横方向の運動の振幅は限定される。
また、プレート１３の幅は図８の平面内における構成要素１と構成要素３との間の不測の分離を回避できるように寸法設定されている。
留意すべき点は、１つの単独の一体要素３６が第１の実施形態のボタン３２及びワッシャ３３の役割を演じることである。
【００３６】
図１０及び１１に示す本発明の第４の実施形態においては、構成要素１及び２はそれぞれ大腿骨及び寛骨に固定することを意図したものである。中間構成要素３は第３の実施形態のそれと類似している。この中間構成要素３が限定する凸状面Ｓ’_１及びＳ’_２は、先の実施形態と同様に、回転の瞬間中心を位置決めする。
【００３７】
この実施形態は、大腿骨ステム１５とフィンガ１６と間の結合部が円錐形であるという点において、第３の実施形態と相違する。円錐台形部分１７がフィンガ１６上に設けられており、ステム１５内のハウジング内に係合されるようになっている。
【００３８】
さらに、プレート１３は実質的に矩形状であり、構成要素３の面Ｓ’_１と協働することを意図した凹状面Ｓ_１を限定している。第３の実施形態と同様、プレート１３の最小寸法は図１０に示された寸法である。
【００３９】
留意すべき点は、フィンガ１６が直線形でなく、それによって、プレート１３の回転中心の位置が最適化できるという点である。実際には、面Ｓ_１を横切る軸とステム１５の長手軸との間の角度αが約１３０°に等しいように選択される。
これにより、外転運動の最大振幅を得る必要性と脱臼の危険を減少させるという要求との間に良好な折衷案が与えられる。
【００４０】
図示しない本発明の側面によれば、フィンガ１６のネック連結部１３及び１７は、矢視面内において、図示された方向と反対の方向に曲げることが可能である。また、このネックは、矢視面に垂直な平面内で曲げられてもよい。このことは、前傾姿勢の変更を可能にする。
【００４１】
要素１５及び１６は組立及び分解可能である。換言すれば、フィンガ１６はステム１５から取り外すことができる。要素１５及び１６の組立分解可能性は第３の実施形態の場合も同様である。
【００４２】
本発明は球状部分の形の関節面で示された。しかしながら、他のタイプの面、例えば、円形又は放物線形の基部を有する筒形面にも適用可能である。その場合、回転の瞬間中心の位置は、外転運動の間、必ずしも円弧でない軌跡上で変化する。同じように、面Ｓ_１及びＳ’_１は直線母線及び円形の基部を有する筒形面であってもよい。その場合、実質的に前後軸が外転運動のみを可能にし、面Ｓ_２及びＳ’_２が球形のままであり、外転運動及び上腕骨又は大腿骨の軸方向の回転の両方を可能にする。
【００４３】
添付図面において、矢印の長さは説明のためのものであり、対応する力の強度を厳密に代表すると見なされてはならない。矢印の方向についても同様である。
【００４４】
本発明は完全な肩及び股関節用プロテーゼでの使用を例として説明された。しかしながら、本発明は、肩関節窩構成要素を有さないプロテーゼにも適用可能である。その場合、肩関節窩の凹状関節面が図に示された面Ｓ_２の代わりに使用される。同じことが、自然の寛骨臼腔を使用できる股関節用プロテーゼにも当てはまる。示された異なる実施形態の特徴は、本発明の枠内において、一緒に組み合わされてもよい。たとえば、第２及び第４の実施形態のプロテーゼは肩に使用してもよく、一方、第１及び第３の実施形態のそれは股関節に使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】患者に取り付けられた本発明の第１の実施形態による肩用プロテーゼの縦断面図であり、患者の腕が低い位置にある状態を示す図である。
【図２】上腕骨の外転運動の第１段階における図１と同様な断面図である。
【図３】上腕骨の外転運動の第２段階における図１と同様な断面図である。
【図４】上腕骨の外転運動の終点における図１と同様な断面図である。
【図５】プロテーゼがその平衡位置から離される方向の力を受けた状態における図１と同様な断面図である。
【図６】本発明の第２の実施形態による股関節用プロテーゼの図１と同様な断面図であり、縮小して示されるととともに大腿骨のみ平面図で示された図である。
【図７】本発明の第３の実施形態による肩用プロテーゼの縦断面図である。
【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線断面図である。
【図９】図７及び８のプロテーゼの上腕骨構成要素の一部の斜視図である。
【図１０】本発明の第４の実施形態による股関節プロテーゼの図７と同様な図である。
【図１１】図１０のＸＩ−ＸＩ線断面図である。
【図１２】図１０のプロテーゼの大腿骨構成要素の一部の斜視図である。
【符号の説明】
１　上腕骨構成要素（又は大腿骨構成要素）
２　肩関節窩構成要素（又は寛骨臼構成要素）
３　中間構成要素
１１　部分
１２　ステム
１３　プレート
１４　突起
１５　固定ステム
１６　フィンガ
３１　皿
３２　ボタン
３３１　円錐台形面
Ａ_１　円弧
Ａ_２　円弧
Ｃ_１　中心
Ｃ_２　中心
Ｓ_１　凹状面
Ｓ_２　凹状面
Ｓ’_１　凸状面
Ｓ’_２　凸状面
Ｖ　内腔

Claims (13)

1. 凹状関節面を有する上腕骨又は大腿骨構成要素と、第１及び第２の凸状関節面を有する中間構成要素とを有する肩又は股関節用プロテーゼであって、
   第１の凸状関節面は上腕骨又は大腿骨構成要素の凹状関節面と協働するように設計され、第２の凸状関節面は自然の肩関節窩又は寛骨臼の凹状関節面又は肩関節窩構成要素若しくは寛骨臼構成要素に属する肩関節窩又は寛骨臼の凹状関節面と協働するように設計され、
   上腕骨又は大腿骨構成要素の凹状関節面（Ｓ_１）に対する第１の凸状関節面（Ｓ’_１）の回転の瞬間中心（Ｃ_１）の位置（Ａ_１）及び肩関節窩又は寛骨臼の関節面（Ｓ_２）に対する第２の凸状関節面（Ｓ’_２）の回転の瞬間中心（Ｃ_２）の位置（Ａ_２）が第１の凸状関節面（Ｓ’_１）の両側にあるプロテーゼ。
2. 第１の凸状関節面（Ｓ’_１）は第２の凸状関節面（Ｓ’_２）によって限定された内腔（Ｖ）の内側に位置する請求項１に記載のプロテーゼ。
3. 関節面（Ｓ_１、Ｓ_２、Ｓ’_１、Ｓ’_２）は実質的に球の部分の形である請求項１又は２に記載のプロテーゼ。
4. 第１の凸状関節面（Ｓ’_１）及び上腕骨凹状関節面（Ｓ_１）が直線母線及び円形の基部を有する筒形であり、その対称軸は関節に対して実質的に前後方向であり、一方、第２の凸状関節面（Ｓ’_２）及び肩関節窩の関節面（Ｓ_２）は実質的に球の部分の形である請求項１又は２に記載のプロテーゼ。
5. 中間構成要素（３）は第２の凸状関節面（Ｓ’_２）を形成する皿（３１）と、第１の凸状関節面（Ｓ’_１）を形成するボタン（３２）とを有し、ボタンは皿と一体化されているか又はその中に固定化されている請求項１から４のいずれかに記載のプロテーゼ。
6. 上腕骨又は大腿骨構成要素（１）は第１の凸状関節面（Ｓ’_１）と協働する凹状関節面（Ｓ_１）を形成するプレート（１３）と、上腕骨又は大腿骨の髄腔内に固定されるようになっている部分（１１）とを有し、プレート（１３）は連結ステム（１２）によって部分（１１）へ接続されている請求項１から５のいずれかに一項に記載のプロテーゼ。
7. プレート（１３）は非円形形状である請求項６に記載のプロテーゼ。
8. プレート（１３）の最小寸法は図７及び図１０における矢視面と平行に配置される請求項７に記載のプロテーゼ。
9. 中間構成要素（３）は実質的に両凸形状である請求項１から４、７及び８のいずれか一項に記載のプロテーゼ。
10. 肩関節窩又は寛骨臼の凹状関節面（Ｓ_２）を形成する肩関節窩構成要素又は寛骨臼構成要素（２）を含む請求項１から９のいずれかに記載のプロテーゼ。
11. 上腕骨又は大腿骨構成要素（１）には、中間構成要素に形成された対応する形状のハウジング（３４）に係合可能な少なくとも一つの突起（１４）が設けられ、その位置は凹状関節面（Ｓ_１）が形成されている部分（１３）である請求項１から１０のいずれか一項に記載のプロテーゼ。
12. 中間構成要素（３）は第２関節面（Ｓ’_２）を形成している皿（３１）内に固定化されたワッシャ（３３）を有し、ワッシャの内面（３３１）は上腕骨又は大腿骨構成要素（１）及び中間構成要素の間の相対移動の振幅を限定するように適合されている請求項１から１１のいずれか一項に記載のプロテーゼ。
13. 上腕骨又は大腿骨構成要素（１）は２つの部分に分かれており、固定ステム（１５）を有し、その固定ステムには、上腕骨又は大腿骨構成要素の関節面（Ｓ_１）を限定する要素（１６）が取り付けられている請求項１から１２のいずれか一項に記載のプロテーゼ。

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