JP2004073843A - 出血検知ライナー - Google Patents

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Tadao Kawamori
河盛 唯夫
Masaru Hamabe
浜辺 勝
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】本格的な出血に先立つ微量出血を確実に検出することができ、該微量出血検出の経時による安定性に優れ、さらに人体に安全である出血検知積層シートを提供する。
【解決手段】人体から分泌される微量の血液を発色反応で検知するグアヤク脂及び酸化剤が、それぞれ、グアヤク脂が付着されたグアヤク脂付着シートと、酸化剤が付着された酸化剤付着シートとして用意されており、該グアヤク脂付着シートと酸化剤付着シートとが積層されてなる、出血検知積層シート。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量の出血を検知するのに用いられる出血検知積層シートに関し、例えば、予め発生した微小出血により月経時の出血時期を予測するのに好適に用いられる出血検知積層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
月経時の出血を吸収するための衛生ナプキンまたは大型のパンティーライナーは、一定量以上の血液を吸収し得るように構成されている。従って、これらの衛生ナプキンや比較的大型のパンティーライナーは嵩が大きく、かつ使用者に違和感を与える。そのため、実際に出血が生じている時期のみに装着が行われることが望ましい。
【0003】
もっとも、実際に出血の生じた時期のみに衛生ナプキンや比較的大型のパンティーライナーを装着するには、出血開始時期を何らかの方法で予測することが必要である。しかしながら、出血開始時期を確実に予測する方法は存在しなかった。従って、従来、各個人の月経周期から出血開始時期を概算し、概算された出血開始時期の数日前から予防的に衛生ナプキンや大型のパンティーライナーが装着され、出血に備えられていた。
【0004】
よって、本来必要のない時期から、血液を吸収するための衛生ナプキンや大型のパンティーライナーを装着しなければならず、出血開始前の装着が必要でない時期から、使用者に違和感を与えかつ使用者の行動を制約していた。加えて、不要な装着作業が必要であり、使用者に多大の不便を強いていた。
【0005】
なお、血液を検知する方法としては、血液に発色原体としてジメチルベンチジン、テトラメチルベンチジンまたはトリジン等を添加し、過酸化物である過酸化水素クメン、過酸化水素またはジメチルジヒドロパーオキシヘキサン等を作用させる呈色反応が知られている。しかしながら、この反応に使用される薬物は、人体にとって皮膚刺激性を有するだけでなく、発癌性の可能性が疑われており、有害である。従って、このような薬物は、上記のような用途において直接体に接する方法で用いて血液を検知することは適当ではない。
【0006】
他方、食品添加物としてヒトにおける使用実績があるグアヤク脂をエタノールで溶解してなるグアヤクチンキと、皮膚刺激剤としてヒトでの使用実績があるテレビン油を用いて発色させる技術も知られている。しかしながら、これらの2つの薬剤を混合させた状態で血液と反応させたとしても、発色強度は弱く、さらに、上記2種の薬剤を混在させたまま放置すると血液が存在せずとも経時的に反応し、実際に血液を検出する際の発色が著しく弱くなる。従って、グアヤク脂とテレビン油を用いる場合には、血液の検出を行う際に、血液とグアヤク脂を混合した後、テレビン油を添加する必要がある。また、この反応は溶液反応であるため、月経時の出血開始を予測する用途に用いることは困難であった。
【0007】
もっとも、WO 00/65084号公報には、使い捨て可能なパンティーライナーの表面に、このような発色薬物と酸化剤とをスプレー等によりコーティングしてなる女性用のディスポーサブル衛生用品が開示されており、ここでは微量血液の検出が可能であるとされている。しかしながら、この先行技術では、上述した経時的な反応の著しい低下を防止するために、シクロデキストリン及びニトロネが添加されている。しかしながら、用いられる発色薬物や酸化剤は人体に対する刺激性を有し、依然安全性の点で問題がある。
【0008】
上記のように、人体にとって安全であって、微量血液を検出するのに充分な発色を示し、該発色反応の経時的安定性に優れた女性用パンティーライナーなどの衛生品の登場が望まれているが、そのような製品は未だ存在しなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の現状に鑑み人体にとって安全であり、微量な血液を肉眼により確実に検出することができ、さらに該微量の血液の検出能経時的安定性に優れた出血検知積層シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る出血検知積層シートは、グアヤク脂が付着されたグアヤク脂付着シートと、酸化剤が付着された酸化剤付着シートとを積層してなることを特徴とする。グアヤク脂が付着されたグアヤク脂付着シートと、酸化剤が付着された酸化剤付着シートとが別のシートとして用意され積層されているため、用時までのグアヤク脂及び酸化剤の安定性が保たれる。用時には、微量の血液がグアヤク脂と反応し、次に酸化剤と接触した場合、強い発色が生じる。従って、極めて微量の出血が確実に検出され、かつ該出血検知能の経時安定性に優れている。
【0011】
本発明のある特定の局面では、上記グアヤク脂付着シートと、上記酸化剤付着シートとの間に吸水性フィルムが積層される。人体から放出された水分が吸水性フィルムに保持され、該水分が出血時の呈色反応に際して溶媒として利用される。従って、出血検知積層シート全体が非溶液系であるにも関わらず、発色反応が確実に開始される。また、吸水性フィルムはバリヤー性が高いため、酸化剤として非水溶性であり、例えば、敏感肌の人においては皮膚刺激性の恐れがあるテレビン油などを用いたとしても、該酸化剤付着シートを人体とは反対側に位置するように出血検知積層シートを用いることにより、人体と酸化剤との接触を防止し、より一層高い安全性を確保することができる。
【0012】
本発明に係る出血検知積層シートは、例えばパンティーライナーとして好適に用いられるが、微量な出血を検知する様々な用途に広く用いられ得る。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0013】
[グアヤク脂付着シート]
本発明において用いられるグアヤク脂は、グアヤク脂に含まれる発色成分を包含するものとする。グアヤク脂は、グアヤク試験として知られる法医学分野において血液の判定に用いられる反応に使用される試薬である。また、グアヤク脂は、酸化防止剤として食品添加物としても用いられるグアヤコン酸やグアイアレチン酸等からなる物質である。グアヤク脂を構成する成分は特に限定されないが、本発明においては、食品添加物規格合格品等の人体に安全であるものが好適に用いられる。
【0014】
グアヤク脂付着シートは、パンティーライナーなどを構成する織布や不織布などの水分透過性シートにグアヤク脂を付着させることにより構成されている。例えば、溶媒に溶解または懸濁されたグアヤク脂を不織布に含浸したり、不織布に塗布した後、乾燥することによりグアヤク脂付着シートを得ることができる。この場合、溶媒としては特に限定されず、グアヤク脂を溶解または懸濁させることができ、乾燥時に容易に除去され得る液体が適宜用いられる。また、残留時の人体への安全性を考慮すると、溶媒としては、エチルアルコールと水との混液などが好適に用いられる。
【0015】
グアヤク脂は溶媒に溶解または懸濁され、溶媒を除去した後、1〜500μg/cm、より好ましくは5〜200μg/cmとなるようにグアヤク脂付着シートに付着されている。グアヤク脂付着シートにおけるグアヤク脂の付着量が上記範囲より少ない場合には、発色強度が充分でないことがあり、多すぎると吸水性が低下し、血液などのパンティーライナーなどへの浸透が妨害され、発色反応が低下することがある。
【0016】
[酸化剤付着シート]
本発明において用いられる酸化剤は特に限定されないが、実質的には、何らかの原因で人体に接触したとしても、比較的安全な油脂などが望ましい。このような油脂としては、例えばテレビン油が挙げられる。テレビン油は、バルサム等を水蒸気蒸留することにより得られる精油であり、軽度の皮膚刺激剤としても人体に用いられている。特に限定されないが、日本薬局方収載されている、人体に対する安全性が評価されているテレビン油が好適に用いられる。
【0017】
なお、テレビン油以外に、リモネン、オリーブオイル、ミリスチン酸イソプロピルなどの他の酸化剤を用いてもよい。
酸化剤は、グアヤク脂付着シートとは異なるシートに付着された状態で用意される。すなわち、本発明では、グアヤク脂がグアヤク脂付着シートとして用意され、酸化剤は、酸化剤付着シート用意される。酸化剤付着シートを得る方法は特に限定されない。例えば、溶媒に溶解または懸濁された酸化剤を不織布に含浸したり、不織布に塗布した後、乾燥することにより酸化剤付着シートが得られる。この場合、溶媒としては、特に限定されず、酸化剤としての油脂などを溶解または懸濁させることができ、乾燥時に容易に除去される液体が用いられる。好ましくは、残留時の人体への安全性を考慮し、エチルアルコールと水との混液などが好適に用いられる。
【0018】
酸化剤は、溶媒に溶解または懸濁され、溶媒を除去した後の酸化剤付着シートにおいて、好ましくは0.1〜80mg/cm、より好ましくは0.2〜60mg/cmの量となるように付着されていることが望ましい。酸化剤の付着量が、上記範囲よりも少ない場合には、発色強度が充分でないことがあり、多すぎると、酸化剤が漏出し、人体に接する表面に滲み出て、皮膚刺激を発生させる恐れがあったり、経時的に発色反応の強度が低下したりする恐れがある。なお、酸化剤としてテレビン油を用いた場合には、テレビン油は液体であるため、シートに直接塗布などにより付着させることもできる。
【0019】
[シート材料]
本発明において、グアヤク脂付着シート及び酸化剤付着シートを構成するためのシート材料については、水分を透過するものであれば特に限定されない。従って、撥水性を有しない織布、不織布もしくはこれらの積層体などが適宜用いられる。また、血液が浸透して次層にグアヤク脂と共に移行して発色しやすいため、グアヤク脂を付着させるシート材料の厚みが400μm以下、またはメッシュ状であることが望ましい。なお、酸化剤を付着させるシート材料の厚みは特に限定されない。これは、グアヤク脂付着シートについては、吸収された水分にグアヤク脂が混合された後、素早く酸化剤付着シートなどの次の層に送られる必要があるのに対し、酸化剤付着シートではこのような機能が必要ではないためである。
【0020】
[積層シートの構造及び製法]
本発明に係る出血検知積層シートは、上述してきたグアヤク脂付着シート及び酸化剤付着シートを積層することにより構成される。この積層シートでは、好ましくは、グアヤク脂付着シート側が人体に接触する側となるように用いられる。
【0021】
好ましくは、本発明の出血検知積層シートの人体と接する側とは反対側の面、すなわち酸化剤付着シート側の外側面に、合成樹脂などからなる液体不透過性フィルムがさらに積層される。このような液体不透過性フィルムを積層することにより、外部への血液の漏洩などを抑制することができる。より好ましくは、酸化剤付着シートと、上記液体不透過性フィルムとの間に、水分吸収性材料層、例えば水分吸収性の織布、不織布、綿または樹脂材を配置してもよく、それによって酸化剤付着シートの外側面に漏洩してきた血液を吸収することができる。
【0022】
なお、グアヤク脂付着シートと酸化剤付着シートを積層する場合、両シートがずれないように、グアヤク脂付着シート及び酸化剤付着シートを積層した状態で加圧し、加圧により一体化することが望ましい。
【0023】
[吸水性フィルム]
本発明においては、好ましくは、グアヤク脂付着シートと、酸化剤付着シートの間に吸水性フィルムが積層される。吸水性フィルムを構成する材料については、吸水性を有する材料である限り特に限定されない。もっとも、好ましくは、水分の保持と放出とがデジタル的に行われるもの、すなわち保持可能な水分量を越えるまでは水分を吸収・保持し続け、保持限界の閾値を越えると、自らも溶解し、反応溶媒として機能する性質を有するものが好適に用いられる。このような特性を有するフィルムは、常に水分を蒸散している人体に適用されると、水分を吸収するとともに水分の蒸散が起こり、溶解の閾値前の水分量を保持した状態で平衡となる。従って、微小出血等の刺激により、フィルム自体が急速に溶解し、溶媒として反応を助け、発色反応を効果的に引き起こすことができる。
【0024】
上記吸水性フィルムとしては、具体的には、澱粉、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子からなるフィルムが用いられる。
【0025】
上記吸水性フィルムは、酸化剤の人体側への移行を防止するバリヤーとしても機能するものである。
吸水性フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは5〜60μm、より好ましくは10〜40μmである。吸水性フィルムの厚みが薄すぎると、強度や酸化剤バリヤー性が不十分となることがあり、厚すぎると、出血時に容易に溶解状態とならず、発色強度が不十分となることがある。
【0026】
[その他]
本発明に係る出血検知積層シートでは、発色反応を増強するためなどに、界面活性剤、吸水性高分子材などをさらに用いてもよい。また、積層シートやパンティーライナーとしての構造や外観を確保するために、バインダー、着色剤、柔軟剤などを用いてもよい。これらの任意に使用される他の成分や材料についても、使用感や加工適性により適宜選定すればよく、特に限定されないが、人体に安全であり、かつ発色反応を妨害しないものを適宜用いればよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の非限定的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0028】
(実施例の出血検知積層シートの作製)
(1)グアヤク脂付着シートの調製
不織布(コットン製、目付30g/m、厚さ70μm(医療用不織布試験方法JIS L1912による))を、グアヤク脂をエタノールと水とを体積比で70:30の割合で混合してなる混液に種々の濃度で溶解してなるグアヤク脂溶液に浸漬した後、60℃の温風で乾燥し、グアヤク脂付着シートを得た。なお、単位面積あたりのグアヤク脂重量を、処理前と処理後の重量の差から算出することにより求めた。表1に、上記のようにして用意されたシートNo.A1〜A6のグアヤク脂付着シートのグアヤク脂量を示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004073843
【0030】
(2)テレビン油付着シートの調製
グアヤク脂付着シートを用意するのに用いたのと同じ不織布を、テレビン油(日本薬局方適合品)で処理した。処理は、テレビン油をエタノールに種々の濃度で溶解した溶液に不織布を含浸させ、しかる後60℃の温風で乾燥することにより行った。なお、テレビン油付着量を、グアヤク脂付着シートにおけるグアヤク脂重量と同様にして求めた。表2に、このようにして用意されたシートNo.B1〜B6のテレビン油付着シートのテレビン油量を示す。
【0031】
【表2】
Figure 2004073843
【0032】
(3)吸水性フィルム
吸水性フィルムとして、ジャガイモでんぷんフィルム(オブラート、瀧川オブラート株式会社製、厚さ20μm)を用いた。
【0033】
(4)吸水材
吸水材として、脱脂綿(日本薬局方品)を用いた。
【0034】
(5)液体不透過性フィルム
厚み30μmのポリエチレンフィルムを用意した。
【0035】
(6)積層シートの調製
上記のようにして用意したグアヤク脂付着シート、テレビン油付着シート、吸水材及びポリエチレンフィルムをこの順序で積層し、5×15cmの大きさの打ち抜き金型で加圧し、打ち抜いた。このようにして、断面を観察したところ、圧縮されて一体化されていることが確かめられた。このようにして、グアヤク脂付着シートとテレビン油付着シートとが直接積層された2層型出血検知積層シートを得た。なお、2層型の2層とは、本発明の構成としてのグアヤク脂付着シート及びテレビン油付着シートが積層されていることを示し、吸水材及びポリエチレンフィルムは層数には含めていないで表わす。
【0036】
他方、上記のようにして用意されたグアヤク脂付着シート、吸水性フィルム、テレビン油付着シート、吸水材及びポリエチレンフィルムをこの順序で積層し、5×15cmの大きさの打ち抜き金型で加圧し、打ち抜き、3層型の出血検知積層シートを得た。ここでも、断面は圧縮されており、各層が一体化されていることが確かめられた。なお、3層型の3層とは、グアヤク脂付着シート、吸水性フィルム及びテレビン油付着シートの3層を意味する。
【0037】
(比較例の調製)
(1)原材料
実施例で用いた原材料と同一の材料を用いた。但し、比較例では、グアヤク脂とテレビン油とを同一のシートに処理した。
【0038】
(2)比較例の出血検知積層シートの調製
実施例で調製されたグアヤク脂付着シートに、テレビン油を種々の濃度でエタノールに溶解した液をスプレーしてコーティングし、60℃の温風で乾燥し、表3に示すC1,C2のシートを得た。なお、表3において、テレビン油の付着量は、処理前と処理後の重量差から単位面積あたりの重量を求めることにより、算出した。
【0039】
【表3】
Figure 2004073843
【0040】
上記のようにしてグアヤク脂及びテレビン油が付着された比較例のグアヤク脂/テレビン油処理シートに、吸水材及びポリエチレンフィルムを順に積層し、5×15cmの大きさの打ち抜き金型で加圧し、打ち抜き、比較例の出血検知積層シートを得た。なお、断面は圧縮されており、各層が一体化されていることが確かめられた。
【0041】
(実施例及び比較例の評価)
上記のようにして用意された実施例の2層型の出血検知積層シート及び3層型の出血検知積層シート並びに比較例のシートについて、以下の容量で▲1▼発色強度、▲2▼皮膚刺激性、▲3▼安定性、及び▲4▼有用性を評価した。
【0042】
▲1▼発色強度の評価
生理食塩水で体積比で1/1000に希釈したヘパリン添加ウサギ血液を、実施例及び比較例のシート面に20μL滴下し、青色の発色強度を評価した。
【0043】
▲2▼皮膚刺激性の評価
剃毛したウサギの背部に1×1cmに打ち抜いた実施例または比較例のシートを、グアヤク脂付着面を皮膚側として適用し、上からガーゼで覆い、絆創膏で固定した。シートを24時間後に除去し、ウサギ背部の皮膚表面の赤みを観察した。
【0044】
▲3▼安定性の評価
アルミラミネートフィルムにより実施例及び比較例の各シートを密封し、60℃の温度で2週間保存した後、▲1▼の発色強度を評価し、製造直後の発色強度と比較した。
【0045】
▲4▼有用性の評価
実施例及び比較例の各シートを志願者4名が使用し、本格的な出血の前に微量出血を検知し得た時間を求め、この時間の平均時間を算出した。なお、比較例については、その他の評価で実施例に対する劣性が明らかであり、刺激性も認められたことから有用性は評価しなかった。
【0046】
結果を表4〜表6に示す。
【0047】
【表4】
Figure 2004073843
【0048】
【表5】
Figure 2004073843
【0049】
【表6】
Figure 2004073843
【0050】
なお表4〜6の評価結果の内容は、以下の通りである。
発色強度…◎:明らかな青、〇:青、△:薄い青、×:変化なし
皮膚刺激性…下記の表7に示す通り。
【0051】
【表7】
Figure 2004073843
【0052】
安定性…◎:製造直後と差がないこと、〇:製造直後よりも弱いが判定可能であること、×:判定不能であることをそれぞれ示す。
有用性…検知可能となった時間から本格的な出血までの時間(例えば12は、本格的な出血の12時間前に検知できたことを意味する)
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る出血検知積層シートでは、肉眼では見えない微量な出血が生じた場合であっても、グアヤク脂と血液とが反応し、さらに酸化剤と反応することにより、該微量出血を青色発色反応として肉眼により容易にかつ確実に検出することができる。また、グアヤク脂がグアヤク脂付着シートに付着されており、酸化剤は酸化剤付着シートに付着されており、両者が直接反応し難いため、発色反応の経時による低下が生じ難い。
【0054】
しかも、WO 00/65084号公報に記載の構成では、上記発色反応の経時的な低下を抑制するために、シクロデキストリンとニトロネが添加されてはいるが、人体に有害な発色薬物や酸化剤を用いており、それによって人体に刺激を与えるという問題があったが、本発明では、発色薬物と酸化剤が出血時まで分離されているため、経時的な発色反応の低下がなく、刺激を起こし得る酸化剤を人体に直接接することがないため、人体に対して安全であり、かつ微量出血を肉眼で容易に検出し得る出血検知積層シートを提供することが可能となる。
【0055】
よって、本発明に係る出血検知積層シートを用いることにより、出血に先立ち、出血時間を安全に知ることができるため、違和感や行動に制約を与える従来の衛生ナプキンや大型のパンティーライナーを長期間に渡り装着する必要性を解消することができる。

Claims (3)

  1. グアヤク脂が付着されたグアヤク脂付着シートと、酸化剤が付着された酸化剤付着シートとを積層してなることを特徴とする、出血検知積層シート。
  2. 前記グアヤク脂付着シートと、前記酸化剤付着シートとの間に吸水性フィルムが積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の出血検知積層シート。
  3. パンティーライナーである、請求項1または2に記載の出血検知積層シート。
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