JP2004072226A - 音響装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピーカとして使用することができ、薄型で表示部材の表示画面に重ねて設置することができる音響装置を提供する。
【解決手段】フィルム状のシート2aで形成された振動板2が設けられ、前記振動板2の一面側に導電パターン3が形成されている。振動板2のX方向の両側に、磁界発生手段としてのボイスコイル5とヨーク6が設置される。磁界発生手段によって前記導電パターン3に対して直交する方向から磁界Bを与えて、さらに導電パターン3に流れる電流の向きを切り換えると、振動板2を面側に振動させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】フィルム状のシート2aで形成された振動板2が設けられ、前記振動板2の一面側に導電パターン3が形成されている。振動板2のX方向の両側に、磁界発生手段としてのボイスコイル5とヨーク6が設置される。磁界発生手段によって前記導電パターン3に対して直交する方向から磁界Bを与えて、さらに導電パターン3に流れる電流の向きを切り換えると、振動板2を面側に振動させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオーディオ機器やコンピュータ機器などのスピーカとして使用可能な音響装置に係り、特に薄型化を図ることができる音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の音響装置として使用される薄型のスピーカには、種々のものが開示されている。この種のスピーカとしては、例えば、シート状の振動板の一面側に駆動用のコイルを設けて、他面側に磁石及びヨークを対向させたものがある。またその他のスピーカとして、シート状の振動板の両面に駆動用のコイルを設けて、各コイルに磁石及びヨークを対向させたものもある。これらのスピーカはいずれも、前記コイルに電流を与えてその向きを変化させることで、振動板を面方向に対して振動させて音を発するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のスピーカでは、振動板の両面側に駆動用のコイルや磁石及びヨークによる磁界発生手段が設けられているため、前記振動板に接近させて他の部材を配置することができず、薄型化と小型化を同時に発揮することができない。また上記した従来の構成では、振動板の裏側に、表示部材や入力部材を重ねて設置することができず、スピーカを設ける場合には、表示部材の表示画面や入力部材の操作面と重ならない位置に設置する必要があり、小型化を図ることができなくなる。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、従来よりも薄型化することができ、さらには表示部材や入力部材と共に設けたとしても小型化を損なうことがない音響装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フィルム状に形成された振動板と、前記振動板の少なくとも一面側に設けられた導電パターンと、前記導電パターンに対して交叉する方向に磁界を発生させる磁界発生手段を有し、
前記磁界発生手段は、前記導電パターンが設けられた前記振動板の面に重ならない位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0006】
上記本発明では、振動板の平面側には導電パターンのみを設け磁界発生手段を設ける必要がないので、装置のさらなる薄型化を図ることができる。
【0007】
例えば、前記振動板及び前記導電パターンは、いずれも透明である。この場合に、前記振動板の後方には、表示部材または入力部材が設けられて、前記表示部材の表示画面または前記入力部材の操作面の前方から音が発せられる構成にすることができる。
【0008】
このように、振動板の裏側に表示部材や入力部材を設けることができるので、表示装置や入力装置の前方から音を発生させることができる。これにより、振動板を表示部材や入力部材と重なる位置に設置できるので、装置を小型化できる。
【0009】
また、前記導電パターンは、前記振動板上の周縁部に渦巻き状に形成され、前記導電パターンに対し交叉する方向に磁界を発生させる一対の磁界発生手段が対向して設けられている構成にできる。
【0010】
この場合に、前記磁界発生手段から発生する磁界と交叉する前記導電パターンの配線間隔が密に形成されていると、磁界発生手段から受ける磁界の損失を抑えることができ、振動板を確実に振動させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の音響装置としてのスピーカの一例を示す平面図、図2は図1の側面図である。
【0012】
図1に示すスピーカ1は、矩形状に形成された振動板2を有している。この振動板2は、フィルム状のシート2aで形成され、このシート2aとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリアミドなどを原料としたフィルムから選択することができる。特に、透明性に優れたフィルムとしては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、延伸ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。
【0013】
図1に示すように、前記振動板2の一面側には導電パターン3が設けられている。この実施の形態での導電パターン3は、X方向の両端部に入出力部3a,3bが設けられ、前記入出力部3aと3bとの間において、直線状に枝分かれした2本の配線パターン3c,3dが並列に形成されている。またこの導電パターン3は、銅箔電極や金箔電極を印刷形成したもの、あるいは銀系ペーストを印刷形成したものである。
【0014】
また、導電パターン3は、ITO(インジウム−スズ酸化物)などの透明性と導電性に優れた電極であってもよい。導電パターン3を透明電極で形成し且つ前記振動板2を透明なシートで形成すると、振動板2の全体を透明にすることが可能になる。あるいは導電パターン3が、銅で形成された導線を接着して形成したものでもよい。
【0015】
前記振動板2のX方向の両側には、本発明の磁界発生手段として、ボイスコイル5とヨーク6とが互いに対向して設けられている。前記ヨーク6は、鉄やフェライトなどの磁性材料により形成されている。前記ボイスコイル5には、所定の電流が印加されて、ボイスコイル5からヨーク6に向けて磁界Bが発生する。このとき、磁界Bはヨーク6に引き付けられて、前記導電パターン3の配線パターン3c,3dに対して直交する向きに発生する。
【0016】
前記導電パターン3の両端の入出力部3a,3bは、制御部4と接続されている。この制御部4では、アナログの音信号に基づいて、電流I1と電流I2が周期的に変化するように制御されている。
【0017】
なお、図示していないが、前記振動板2は合成樹脂などで形成されたケースに支持されており、さらにケース内にはその他磁界発生手段や制御部4などが納められている。
【0018】
この実施の形態のスピーカ1では、例えば、電流I1が流れるように制御部4で制御されると、振動板2がフレミング左手の法則により、図2のZ1方向(図1では紙面に対し垂直手前方向)へ向けて撓み、一点鎖線T1で示す状態に変形させられる。また制御部4の制御によって前記電流I1とは逆向きの電流I2が流れると、前記振動板2は前記とは逆に、図2のZ2方向(図1では紙面に対し垂直奥側方向)へ向けて撓んで一点鎖線T2で示す状態に変形させられる。このように、電流I1と電流I2を切換えることで、振動板2をZ1−Z2方向に振動させることができ、この振動が音となって出力される。
【0019】
この実施の形態のスピーカ1では、薄い箱型のケース内に前記振動板2を支持させて収納させることで、薄型のスピーカを得ることができる。またこのとき、ボイスコイルとヨークを薄型に形成することで、さらに薄型のスピーカを得ることも可能になる。
【0020】
なお、磁界発生手段として、前記ボイスコイル5と前記ヨーク6とを組み合せたものについて説明したが、これに限られるものではなく、前記ボイスコイル5に代えて永久磁石を用いてもよく、またヨーク6に代えてボイルコイルや磁石、あるいは何も設けない構成にしてもよい。すなわち、この組合せとしては、ボイスコイルとヨーク、ボイスコイルとボイスコイル、ボイスコイルと磁石、ボイスコイルのみ、磁石とヨーク、磁石とボイスコイル、磁石と磁石、及び磁石のみ、の中から選択することができる。
【0021】
図3は、本発明の音響装置の他の実施の形態を示す断面図である。この音響装置10は、合成樹脂などで形成されたケース11が設けられ、このケース11内に前記スピーカ1と表示部材20の双方が設けられているものである。
【0022】
ケース11は、一面側に開口部を有する薄い箱型に形成され、前記ケース11の凹部11a内に表示部材20が納められている。表示部材20は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルなどで形成された薄型のもので、その平面状に形成された表示画面20aが開口部側に向くようにして設置されている。
【0023】
前記表示部材20の前方には、振動板2が設けられている。この振動板2は、そのY方向の両縁部が前記ケース11の内側壁11b,11bに接着剤等で固定されている。なお、前記振動板2のY方向の両端部分には、ダンパー2b,2bがそれぞれ形成されており、これにより振動板2をZ方向に振動させることができるようになっている。
【0024】
なお、図1と図2に示すスピーカ1をケース内に設置する場合にも、振動板2の両端にダンパーを形成してケースに固定することができる。
【0025】
図3に示す実施の形態では、スピーカ1を構成する振動板2及び導電パターン3はそれぞれ透明に形成されたものが使用される。すなわち、前記したように、振動板2は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、延伸ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明性に優れたフィルムから選択できる。また導電パターン3は、ITOからなる透明電極を使用できる。このように、振動板2と導電パターン3をそれぞれ透明に形成すると、振動板2及び導電パターン3を表示部材20の表示画面20aの前方に設置したとしても、表示画面20aに表示される映像や画像の視認性を損なうことがない。
【0026】
なお、図3では図示していないが、ケース11内において、振動板2の側方には図1で示した磁界発生手段が設けられている。また、図3に示す実施の形態では、スピーカ1と表示部材20との組合せについて説明したが、これに限られるものではなく、表示部材20に代えてオーディオビジュアル機器やゲーム機器をコントロールする入力部材であってもよく、例えば平坦面にオンオフ式の押釦式のスイッチが複数個配列された操作面が設けられたものでもよい。また前記表示部材20が、薄型でタッチ式のパネルなどで形成されて、表示面と操作面とが適宜切換え可能なものでもよい。
【0027】
図3に示す音響装置10では、表示部材20の表示画面20aの前方から音を発生させることができるようになる。したがって、スピーカ1の搭載位置を表示画面20aから外れた位置にする必要がないので、表示部材が設けられているものであっても小型化が可能になる。
【0028】
図4は、図1に示すスピーカの変形例を示す平面図である。この実施の形態のスピーカには、フィルム状のシートで形成された振動板2の一面側に導電パターン30が設けられている。
【0029】
この導電パターン30は、振動板2に渦巻き状のパターンが形成されている。また導電パターン30では、振動板2のY方向の端部が入出力部30a,30bとなっている。この実施の形態の導電パターン30では、X方向の両側に位置する配線パターン30c,30dが、それぞれ配線の間隔が密になるように形成されていることが好ましい。また振動板2の中心には、配線パターンが形成されていない領域が設けられている。
【0030】
前記振動板2のX方向の両側には、磁界発生手段としての一対の永久磁石31,32が設けられている。永久磁石31,32は、それぞれ振動板2に向く側がN極に磁化されているものである。したがって、永久磁石31から発生する磁界B1は、前記配線パターン30aに対してX2側からX1側に向けて与えられ、また永久磁石31から発生する磁界B2は、前記配線パターン30bに対してX1側からX2側に向けて与えられる。
【0031】
導電パターン30に対し電流I1が流れると、配線パターン30cの部分では、電流I1の向きと磁界B1の向きによって、図4の紙面に対し垂直上向きに振動板2が変形させられ、配線パターン30dの部分では同様に紙面に対し垂直上向きに振動板2が変形させられる。このように、配線パターン30cと30dの部分においていずれも同じ向きに振動板2を変形させることができるので、この振動板2をスピーカの振動板として機能させることが可能になる。また配線パターン30c,30dを密に形成すると、振動板2をより大きな力で振動させることが可能になる。
【0032】
また前記とは逆に、導電パターン30に対して電流I2が流れると、配線パターン30c,30dでは、それぞれ電流I2の向きと磁界B2の向きによって、振動板2が紙面に対して垂直下向きに変形させられる。このように、電流の向きを切り換えると、振動板2を振動させることができるので、音を発生させることが可能になる。
【0033】
なお、図4に示す実施の形態は、永久磁石31,32に限られるものではなく、永久磁石に代えてボイスコイルなどを設けてもよい。
【0034】
また図4に示す実施の形態においても、前記したように、振動板2と導電パターン30とをそれぞれ透明に形成して、この振動板2の裏側に表示部材や入力部材を配置することができる。
【0035】
図1乃至図4に示す音響装置では、スピーカについて説明したが、薄型のマイクロホンとして構成することもできる。この場合には、導電パターンが設けられた振動板2に対して音声などの音圧が与えられると、振動板2が振動させられる。その結果、振動板2が変形する方向と磁界の向きに基づいて導電パターンに電流が誘起される。このとき発生する電流値を検出することによって音信号として取り込むことが可能になる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した本発明は、振動板の平面側に磁界発生手段を設ける必要がないので、装置の薄型化が可能になる。また振動板と導電パターンをそれぞれ透明にすることで、表示部材の表示画面や入力部材の操作面に重ねて設けることができる。その結果、表示画面や操作面の前方から音を発生させることができ、さらに表示部材や入力部材に重ねて設置できるので装置の小型化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響装置を示す平面図、
【図2】図1の側面図、
【図3】本発明の音響装置の他の実施の形態を示す断面図、
【図4】図1の音響装置の変形例を示す平面図、
【符号の説明】
2 振動板
2a シート
3,30 導電パターン
3a,3b,30c,30d 配線パターン
4 制御部
5 ボイスコイル
6 ヨーク
20 表示部材
20a 表示画面
31,32 永久磁石
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオーディオ機器やコンピュータ機器などのスピーカとして使用可能な音響装置に係り、特に薄型化を図ることができる音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の音響装置として使用される薄型のスピーカには、種々のものが開示されている。この種のスピーカとしては、例えば、シート状の振動板の一面側に駆動用のコイルを設けて、他面側に磁石及びヨークを対向させたものがある。またその他のスピーカとして、シート状の振動板の両面に駆動用のコイルを設けて、各コイルに磁石及びヨークを対向させたものもある。これらのスピーカはいずれも、前記コイルに電流を与えてその向きを変化させることで、振動板を面方向に対して振動させて音を発するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のスピーカでは、振動板の両面側に駆動用のコイルや磁石及びヨークによる磁界発生手段が設けられているため、前記振動板に接近させて他の部材を配置することができず、薄型化と小型化を同時に発揮することができない。また上記した従来の構成では、振動板の裏側に、表示部材や入力部材を重ねて設置することができず、スピーカを設ける場合には、表示部材の表示画面や入力部材の操作面と重ならない位置に設置する必要があり、小型化を図ることができなくなる。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、従来よりも薄型化することができ、さらには表示部材や入力部材と共に設けたとしても小型化を損なうことがない音響装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フィルム状に形成された振動板と、前記振動板の少なくとも一面側に設けられた導電パターンと、前記導電パターンに対して交叉する方向に磁界を発生させる磁界発生手段を有し、
前記磁界発生手段は、前記導電パターンが設けられた前記振動板の面に重ならない位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0006】
上記本発明では、振動板の平面側には導電パターンのみを設け磁界発生手段を設ける必要がないので、装置のさらなる薄型化を図ることができる。
【0007】
例えば、前記振動板及び前記導電パターンは、いずれも透明である。この場合に、前記振動板の後方には、表示部材または入力部材が設けられて、前記表示部材の表示画面または前記入力部材の操作面の前方から音が発せられる構成にすることができる。
【0008】
このように、振動板の裏側に表示部材や入力部材を設けることができるので、表示装置や入力装置の前方から音を発生させることができる。これにより、振動板を表示部材や入力部材と重なる位置に設置できるので、装置を小型化できる。
【0009】
また、前記導電パターンは、前記振動板上の周縁部に渦巻き状に形成され、前記導電パターンに対し交叉する方向に磁界を発生させる一対の磁界発生手段が対向して設けられている構成にできる。
【0010】
この場合に、前記磁界発生手段から発生する磁界と交叉する前記導電パターンの配線間隔が密に形成されていると、磁界発生手段から受ける磁界の損失を抑えることができ、振動板を確実に振動させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の音響装置としてのスピーカの一例を示す平面図、図2は図1の側面図である。
【0012】
図1に示すスピーカ1は、矩形状に形成された振動板2を有している。この振動板2は、フィルム状のシート2aで形成され、このシート2aとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリアミドなどを原料としたフィルムから選択することができる。特に、透明性に優れたフィルムとしては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、延伸ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。
【0013】
図1に示すように、前記振動板2の一面側には導電パターン3が設けられている。この実施の形態での導電パターン3は、X方向の両端部に入出力部3a,3bが設けられ、前記入出力部3aと3bとの間において、直線状に枝分かれした2本の配線パターン3c,3dが並列に形成されている。またこの導電パターン3は、銅箔電極や金箔電極を印刷形成したもの、あるいは銀系ペーストを印刷形成したものである。
【0014】
また、導電パターン3は、ITO(インジウム−スズ酸化物)などの透明性と導電性に優れた電極であってもよい。導電パターン3を透明電極で形成し且つ前記振動板2を透明なシートで形成すると、振動板2の全体を透明にすることが可能になる。あるいは導電パターン3が、銅で形成された導線を接着して形成したものでもよい。
【0015】
前記振動板2のX方向の両側には、本発明の磁界発生手段として、ボイスコイル5とヨーク6とが互いに対向して設けられている。前記ヨーク6は、鉄やフェライトなどの磁性材料により形成されている。前記ボイスコイル5には、所定の電流が印加されて、ボイスコイル5からヨーク6に向けて磁界Bが発生する。このとき、磁界Bはヨーク6に引き付けられて、前記導電パターン3の配線パターン3c,3dに対して直交する向きに発生する。
【0016】
前記導電パターン3の両端の入出力部3a,3bは、制御部4と接続されている。この制御部4では、アナログの音信号に基づいて、電流I1と電流I2が周期的に変化するように制御されている。
【0017】
なお、図示していないが、前記振動板2は合成樹脂などで形成されたケースに支持されており、さらにケース内にはその他磁界発生手段や制御部4などが納められている。
【0018】
この実施の形態のスピーカ1では、例えば、電流I1が流れるように制御部4で制御されると、振動板2がフレミング左手の法則により、図2のZ1方向(図1では紙面に対し垂直手前方向)へ向けて撓み、一点鎖線T1で示す状態に変形させられる。また制御部4の制御によって前記電流I1とは逆向きの電流I2が流れると、前記振動板2は前記とは逆に、図2のZ2方向(図1では紙面に対し垂直奥側方向)へ向けて撓んで一点鎖線T2で示す状態に変形させられる。このように、電流I1と電流I2を切換えることで、振動板2をZ1−Z2方向に振動させることができ、この振動が音となって出力される。
【0019】
この実施の形態のスピーカ1では、薄い箱型のケース内に前記振動板2を支持させて収納させることで、薄型のスピーカを得ることができる。またこのとき、ボイスコイルとヨークを薄型に形成することで、さらに薄型のスピーカを得ることも可能になる。
【0020】
なお、磁界発生手段として、前記ボイスコイル5と前記ヨーク6とを組み合せたものについて説明したが、これに限られるものではなく、前記ボイスコイル5に代えて永久磁石を用いてもよく、またヨーク6に代えてボイルコイルや磁石、あるいは何も設けない構成にしてもよい。すなわち、この組合せとしては、ボイスコイルとヨーク、ボイスコイルとボイスコイル、ボイスコイルと磁石、ボイスコイルのみ、磁石とヨーク、磁石とボイスコイル、磁石と磁石、及び磁石のみ、の中から選択することができる。
【0021】
図3は、本発明の音響装置の他の実施の形態を示す断面図である。この音響装置10は、合成樹脂などで形成されたケース11が設けられ、このケース11内に前記スピーカ1と表示部材20の双方が設けられているものである。
【0022】
ケース11は、一面側に開口部を有する薄い箱型に形成され、前記ケース11の凹部11a内に表示部材20が納められている。表示部材20は、液晶パネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルなどで形成された薄型のもので、その平面状に形成された表示画面20aが開口部側に向くようにして設置されている。
【0023】
前記表示部材20の前方には、振動板2が設けられている。この振動板2は、そのY方向の両縁部が前記ケース11の内側壁11b,11bに接着剤等で固定されている。なお、前記振動板2のY方向の両端部分には、ダンパー2b,2bがそれぞれ形成されており、これにより振動板2をZ方向に振動させることができるようになっている。
【0024】
なお、図1と図2に示すスピーカ1をケース内に設置する場合にも、振動板2の両端にダンパーを形成してケースに固定することができる。
【0025】
図3に示す実施の形態では、スピーカ1を構成する振動板2及び導電パターン3はそれぞれ透明に形成されたものが使用される。すなわち、前記したように、振動板2は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、延伸ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの透明性に優れたフィルムから選択できる。また導電パターン3は、ITOからなる透明電極を使用できる。このように、振動板2と導電パターン3をそれぞれ透明に形成すると、振動板2及び導電パターン3を表示部材20の表示画面20aの前方に設置したとしても、表示画面20aに表示される映像や画像の視認性を損なうことがない。
【0026】
なお、図3では図示していないが、ケース11内において、振動板2の側方には図1で示した磁界発生手段が設けられている。また、図3に示す実施の形態では、スピーカ1と表示部材20との組合せについて説明したが、これに限られるものではなく、表示部材20に代えてオーディオビジュアル機器やゲーム機器をコントロールする入力部材であってもよく、例えば平坦面にオンオフ式の押釦式のスイッチが複数個配列された操作面が設けられたものでもよい。また前記表示部材20が、薄型でタッチ式のパネルなどで形成されて、表示面と操作面とが適宜切換え可能なものでもよい。
【0027】
図3に示す音響装置10では、表示部材20の表示画面20aの前方から音を発生させることができるようになる。したがって、スピーカ1の搭載位置を表示画面20aから外れた位置にする必要がないので、表示部材が設けられているものであっても小型化が可能になる。
【0028】
図4は、図1に示すスピーカの変形例を示す平面図である。この実施の形態のスピーカには、フィルム状のシートで形成された振動板2の一面側に導電パターン30が設けられている。
【0029】
この導電パターン30は、振動板2に渦巻き状のパターンが形成されている。また導電パターン30では、振動板2のY方向の端部が入出力部30a,30bとなっている。この実施の形態の導電パターン30では、X方向の両側に位置する配線パターン30c,30dが、それぞれ配線の間隔が密になるように形成されていることが好ましい。また振動板2の中心には、配線パターンが形成されていない領域が設けられている。
【0030】
前記振動板2のX方向の両側には、磁界発生手段としての一対の永久磁石31,32が設けられている。永久磁石31,32は、それぞれ振動板2に向く側がN極に磁化されているものである。したがって、永久磁石31から発生する磁界B1は、前記配線パターン30aに対してX2側からX1側に向けて与えられ、また永久磁石31から発生する磁界B2は、前記配線パターン30bに対してX1側からX2側に向けて与えられる。
【0031】
導電パターン30に対し電流I1が流れると、配線パターン30cの部分では、電流I1の向きと磁界B1の向きによって、図4の紙面に対し垂直上向きに振動板2が変形させられ、配線パターン30dの部分では同様に紙面に対し垂直上向きに振動板2が変形させられる。このように、配線パターン30cと30dの部分においていずれも同じ向きに振動板2を変形させることができるので、この振動板2をスピーカの振動板として機能させることが可能になる。また配線パターン30c,30dを密に形成すると、振動板2をより大きな力で振動させることが可能になる。
【0032】
また前記とは逆に、導電パターン30に対して電流I2が流れると、配線パターン30c,30dでは、それぞれ電流I2の向きと磁界B2の向きによって、振動板2が紙面に対して垂直下向きに変形させられる。このように、電流の向きを切り換えると、振動板2を振動させることができるので、音を発生させることが可能になる。
【0033】
なお、図4に示す実施の形態は、永久磁石31,32に限られるものではなく、永久磁石に代えてボイスコイルなどを設けてもよい。
【0034】
また図4に示す実施の形態においても、前記したように、振動板2と導電パターン30とをそれぞれ透明に形成して、この振動板2の裏側に表示部材や入力部材を配置することができる。
【0035】
図1乃至図4に示す音響装置では、スピーカについて説明したが、薄型のマイクロホンとして構成することもできる。この場合には、導電パターンが設けられた振動板2に対して音声などの音圧が与えられると、振動板2が振動させられる。その結果、振動板2が変形する方向と磁界の向きに基づいて導電パターンに電流が誘起される。このとき発生する電流値を検出することによって音信号として取り込むことが可能になる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した本発明は、振動板の平面側に磁界発生手段を設ける必要がないので、装置の薄型化が可能になる。また振動板と導電パターンをそれぞれ透明にすることで、表示部材の表示画面や入力部材の操作面に重ねて設けることができる。その結果、表示画面や操作面の前方から音を発生させることができ、さらに表示部材や入力部材に重ねて設置できるので装置の小型化も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響装置を示す平面図、
【図2】図1の側面図、
【図3】本発明の音響装置の他の実施の形態を示す断面図、
【図4】図1の音響装置の変形例を示す平面図、
【符号の説明】
2 振動板
2a シート
3,30 導電パターン
3a,3b,30c,30d 配線パターン
4 制御部
5 ボイスコイル
6 ヨーク
20 表示部材
20a 表示画面
31,32 永久磁石
Claims (5)
- フィルム状に形成された振動板と、前記振動板の少なくとも一面側に設けられた導電パターンと、前記導電パターンに対して交叉する方向に磁界を発生させる磁界発生手段を有し、
前記磁界発生手段は、前記導電パターンが設けられた前記振動板の面に重ならない位置に設けられていることを特徴とする音響装置。 - 前記振動板及び前記導電パターンは、いずれも透明である請求項1記載の音響装置。
- 前記振動板の後方には、表示部材または入力部材が設けられて、前記表示部材の表示画面または前記入力部材の操作面の前方から音が発せられる請求項2記載の音響装置。
- 前記導電パターンは、前記振動板上の周縁部に渦巻き状に形成され、前記導電パターンに対し交叉する方向に磁界を発生させる一対の磁界発生手段が対向して設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の音響装置。
- 前記磁界発生手段から発生する磁界と交叉する前記導電パターンの配線間隔が密に形成されている請求項4記載の音響装置。
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