JP2004067916A - ガス化炉及び可燃性ガスの生成方法 - Google Patents

ガス化炉及び可燃性ガスの生成方法 Download PDF

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堀 恵一
Ikuo Nakatani
中谷 郁夫
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Abstract

【課題】炭化物と水蒸気を反応させて可燃性ガスを発生させる反応において、炭化物を燃焼させる空気を投入することにより空気内の反応に寄与しない窒素と、反応した二酸化炭素が多量に混合されて水性ガスと共に排出され、得られる可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量が低下するのを防止する。
【解決手段】ガス化炉10内に蓄熱体18を設け、蓄熱体18が約1200乃至1300℃以上に蓄熱されるまで蓄積炭化物19を燃焼させた後、空気入口12と燃焼ガス出口14を閉止し水蒸気入口15を開口してガス化炉10内に水蒸気を投入すると共に可燃性ガス出口13を開口する。投入された水蒸気はガス化炉10下部より目皿の上にアルミナ(Al)を蓄積した蓄熱体18を通過して800℃以上に過熱された後、蓄積炭化物19と反応して水性ガスを発生する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化物と水蒸気とを反応させ可燃性ガスを発生させる蓄熱式のガス化炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、木質系廃棄物又は食品製造副産物などの有機性廃棄物を炭化処理して得られた炭化物と、水蒸気とをガス化炉内に投入して可燃性ガスである水性ガスを得る装置がある。炭素と水蒸気とを800℃以上の温度で反応させ一酸化炭素と水素よりなる可燃性の水生ガスを得るこの反応は強い吸熱反応であることが知られている。この反応をさせる従来のガス化炉においては、熱源として反応させる水蒸気を800℃以上に加熱した過熱水蒸気を用いるか、投入される炭素を部分酸化燃焼させて800℃以上の温度を得るか、している。しかし、過熱水蒸気を得るためには水蒸気過熱器が必要であり、水蒸気過熱器は設備投資が必要であると共に、運転準備及び運転停止に手間と時間がかかるので、一般に投入する炭素を部分酸化燃焼させる方法が採られている。
【0003】
図4に従来の技術であるガス化炉の断面図を示す。従来の技術は図4に示すように、ガス化炉60の上部の炭化物入口11より炭化物を投入しガス化炉60内に蓄積させて蓄積炭化物19の層を形成し、ガス化炉60下部の空気入口12より空気又は酸素を投入して着火させると共に蓄積炭化物19を燃焼させ、ガス化炉60内の温度を800℃以上に保持し、同時に水蒸気をガス化炉60の下部の水蒸気入口15より投入して蓄積炭化物19と水蒸気とを反応させ水性ガスを発生させる構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
炭化物を燃焼させるため空気を投入する場合、空気中の反応に寄与しない窒素と、反応生成した二酸化炭素が多量に混合されて水性ガスと共に排出され、得られる可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量が低下する問題があった。燃焼のため酸素を投入する場合、窒素は混入しないが、二酸化炭素は同様に混入し、また、酸素を得るための手段(酸素発生装置等)が必要であり設備コストの増大及び酸素発生装置を動かすエネルギーが必要となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、炭化物と水蒸気とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉において、前記ガス化炉内に蓄熱体を備えたことを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、ガス化炉が蓄熱体を備えたことにより、炭化物を空気で燃焼させ発生した熱を蓄熱体が例えば1200乃至1300℃以上になるまで加温蓄熱しながら燃焼ガスを排気し、その後空気を遮断すると共に水蒸気を供給すると蓄熱した熱で炭素と水蒸気が反応し可燃性ガスである水性ガスが得られる。蓄熱体が約800℃に低下するまで反応させることができ、空気が遮断されているので発生した水性ガスに窒素ガス及び二酸化炭素がほとんど含まれることがなく水性ガスの純度の高い可燃性ガスを得ることができる。蓄熱体の温度が所定の温度より低くなれば水蒸気を遮断して再度炭化物を燃焼させて熱を蓄熱体に蓄熱しながら燃焼ガスを排気することを繰り返す。
【0007】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のガス化炉において、前記蓄熱体がセラミックで構成されたことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、例えば1200乃至1300℃以上の高温においても性状が安定し蓄熱性の良い蓄熱体を備えることができる。セラミックの蓄熱体としては特にアルミナ(Al)が安価で入手も容易であり優れた性状を有する。
【0009】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載のガス化炉において、前記炭化物が有機性廃棄物を炭化処理して得られた炭化物であることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、木質系廃棄物又は食品製造副産物などの有機性廃棄物の炭化物を原料とすることにより資源有効利用の観点から効率的かつ経済的エネルギー転換技術に資することができる。廃棄物の有効利用はエネルギー安全保障と環境問題の観点から有効である。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のガス化炉において、前記炭化物を入れる炭化物入口と、前記炭化物燃焼用の空気を入れる空気入口と、前記炭化物が燃焼した燃焼ガスを排出する燃焼ガス出口と、前記可燃性ガス生成用の水蒸気を入れる水蒸気入口と、前記可燃性ガスを排出する可燃性ガス出口と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
炭化物はガス化炉の炭化物入口より投入されて蓄熱体の近部に貯留されると共に着火用バーナーによって着火し、炭化物入口付近の空気入口より入れられた空気により燃焼し、燃焼ガスが蓄熱体を通過しながら燃焼熱を蓄熱体に蓄熱した後ガス化炉の燃焼ガス出口より排出される。蓄熱体に熱が十分蓄熱されると空気を遮断して水蒸気入口を通して水蒸気が入れられて蓄熱体により800℃以上に過熱され、蓄熱体の近部にある炭化物と反応し水性ガスとなってガス化炉の可燃性ガス出口より排出される。炭化物及びガス化炉が高温に保持されればバーナーによる炭化物の着火は必要なくなる。炭化物の燃焼中は水蒸気の流入と可燃性ガスの流出を止め、可燃性ガスの発生中は空気流入と燃焼ガスの流出を止める。
【0013】
また、空気を入れている間は可燃性ガスを排出せず可燃性ガスを排出している間は空気を入れず、燃焼ガスを排出している間は水蒸気を入れず水蒸気を入れている間は燃焼ガスを排出しないので、空気入口と可燃性ガス出口及び燃焼ガス出口と水蒸気入口をそれぞれ兼用することが可能であり、それぞれの兼用した出入口を有するガス化炉であっても、本発明の趣旨から本発明の範囲に属することはいうまでもない。
【0014】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のガス化炉において、空気の流入を制御する空気制御弁と、燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁と、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と、可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁と、弁開閉制御手段と、を備え、前記各弁は前記弁開閉制御手段により開閉制御されるように構成したことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、弁開閉制御手段により各制御弁を開閉することにより蓄熱体の蓄熱と水性ガスの発生を制御することができる。すなわち、弁開閉制御手段により空気の流入を制御する空気制御弁と燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁を開け、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁を閉じ、また、弁開閉制御手段により空気の流入を制御する空気制御弁と燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁を閉じ、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁を開ける、ことにより高質の可燃性ガスを得ることができる。
【0016】
また、空気を入れている間は可燃性ガスを排出せず可燃性ガスを排出している間は空気を入れず、燃焼ガスを排出している間は水蒸気を入れず水蒸気を入れている間は燃焼ガスを排出しないので、空気入口と可燃性ガス出口及び燃焼ガス出口と水蒸気入口をそれぞれ兼用することが可能であり、空気制御弁と可燃性ガス制御弁を兼ねる三方弁及び水蒸気制御弁と燃焼ガス制御弁を兼ねる三方弁を有するガス化炉であっても、本発明の趣旨から本発明の範囲に属することはいうまでもない。
【0017】
また、請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載のガス化炉において、前記弁開閉制御手段が前記蓄熱体の温度を計測する温度計測手段を備えたことを特徴とする。さらに、請求項7に記載の本発明は、請求項6に記載のガス化炉において、前記弁開閉制御手段が、前記温度計測手段により計測された温度が所定の範囲の下限に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを開き水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを閉じ、前記温度が所定の範囲の上限に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを閉じ水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを開く、ように構成されたことを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、前記温度計測手段により計測された前記蓄熱体の温度条件に従って前記弁開閉制御手段により各制御弁を開閉することにより蓄熱体の蓄熱と水性ガスの発生を制御することができる。すなわち、前記温度計測手段により計測された温度が所定の範囲の下限に到達した場合、空気の流入を制御する空気制御弁と燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁を開け、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁を閉じ、また、前記温度が所定の範囲の上限に到達した場合弁開閉制御手段により空気の流入を制御する空気制御弁と燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁を閉じ、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁を開ける、ことにより高質の可燃性ガスを得ることができる。
【0019】
また、請求項8に記載の本発明は、請求項5に記載のガス化炉において、前記弁開閉制御手段がタイマーを備えたことを特徴とする。さらに、請求項9に記載の本発明は、請求項8に記載のガス化炉において、前記弁開閉制御手段が、タイマーにより設定された一方の所定時間に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを開き水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを閉じ、タイマーにより設定された他方の所定時間に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを閉じ水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを開く、ように構成されたことを特徴とする炉。
【0020】
上記構成によれば、タイマーによって所定の時間の経過後前記弁開閉制御手段により各制御弁を開閉することにより蓄熱体の蓄熱と水性ガスの発生を制御することができる。すなわち、タイマーにより設定された一方の所定時間に到達した場合、空気の流入を制御する空気制御弁と燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁を開け、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁を閉じ、また、タイマーにより設定された他方の所定時間に到達した場合、弁開閉制御手段により空気の流入を制御する空気制御弁と燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁を閉じ、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁を開ける、ことにより高質の可燃性ガスを得ることができる。
【0021】
請求項5乃至9の構成によれば、蓄熱体の温度条件又はタイマーにより空気制御弁、燃焼ガス制御弁、水蒸気制御弁及び可燃性ガス制御弁の開閉を自動制御し、炭化物の燃焼と可燃性ガスの生成との切り替えを自動化することができる。空気制御弁と可燃性ガス制御弁を兼ねる三方弁及び水蒸気制御弁と燃焼ガス制御弁を兼ねる三方弁を制御する弁開閉手段を有するガス化炉であっても、本発明の趣旨から本発明の範囲に属することはいうまでもない。
【0022】
また、請求項10に記載の本発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載のガス化炉を複数設置したガス化炉施設であることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、ガス化炉を複数設置することにより連続して可燃性ガスを発生させることができるようになる。すなわち、2つのガス化炉を有する場合、一方のガス化炉が蓄熱体に蓄熱している間は他方のガス化炉で可燃性ガスを発生させ、他方のガス化炉の温度が低下し蓄熱が必要になった場合に蓄熱していた一方のガス化炉を切り替えて可燃性ガスを発生させることができる。ガス化炉が多いほど連続して可燃性ガスを発生させるためのガス化炉の柔軟な運転切替えが可能である。
【0024】
また、請求項11に記載の本発明は、有機性廃棄物ガス化施設であって、有機性廃棄物を炭化処理して炭化物を得る炭化炉と、水蒸気を発生するボイラーと、得られた前記炭化物と前記水蒸気とを反応させて可燃性ガスを生成する請求項1乃至10のいずれかに記載のガス化炉と、前記可燃性ガスを貯留するガスホルダーと、を有することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、有機性廃棄物を炭化処理して炭化物を得る炭化炉と蓄熱式ガス化炉を併用することにより有機性廃棄物を効率的かつ経済的な内燃機関用の気体燃料に転換して過剰の熱源を必要としない高効率のガス化が達成でき、また、生成する可燃性ガスは余分な窒素ガス及び二酸化炭素ガスの混入が少なく水性ガスの純度が高いのでガスホルダーも小型化できる。
【0026】
また、請求項12に記載の本発明の方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載のガス化炉において、前記ガス化炉に流入する炭化物を前記ガス化炉に流入する空気で燃焼させ発生する熱を前記蓄熱体に蓄熱し発生する前記燃焼ガスを排出する工程と、前記ガス化炉に流入する炭化物と前記ガス化炉に流入する水蒸気とを前記蓄熱体の温度を吸熱して反応させ発生する前記可燃性ガスを排出する工程と、を交互に行うことを特徴とする。
【0027】
上記方法によれば、蓄熱体を有する請求項1乃至10のいずれかに記載のガス化炉を使用することにより、炭化物をガス化炉内に投入しガス化炉内の蓄熱体の上部に貯留すると共に空気により燃焼させ、燃焼ガスが蓄熱体を通過しながら燃焼熱を蓄熱体に蓄熱した後燃焼ガスを蓄熱体の下部を通ってガス化炉より排出させる工程と、熱が蓄熱体に十分蓄熱されると空気を遮断して水蒸気を入れて蓄熱体により800℃以上に過熱し、蓄熱体の上部にある炭化物と水蒸気を反応させて水性ガスを発生させ可燃性ガス出口より排出する工程とを交互に行い、効率よく炭化物と水蒸気より水性ガスの純度の高い可燃性ガスを得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係るガス化炉の断面図であって、(a)は酸化燃焼反応図を、(b)は水性ガス化反応図を示す。図2は本発明の実施の形態に係る別のガス化炉の断面図であって、(a)は酸化燃焼反応図を、(b)は水性ガス化反応図を示す。図3は本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の炭化・ガス化施設プロセス線図である。なお、図1乃至図3において、同じ構成の部分には同一の符号を付し、それらについての重複する説明は省略する。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1において、この実施の形態におけるガス化炉10では、炭化物(炭素C)と、水蒸気とをガス化炉10内に投入し水性ガス化反応によって可燃性ガスを得る。
【0030】
図1(a)において、ガス化炉10の上部に設けられた炭化物入口11よりロータリバルブ20を介して炭化物がガス化炉10内に投入されて蓄積炭化物19を形成する。ガス化炉10の上部に設けられた空気入口12より空気を投入すると共に可燃性ガス出口13を閉止し蓄積炭化物19を燃焼させると、高温の燃焼ガスが発生し、燃焼ガスは蓄積酸化物19の下部にある蓄熱体18を加熱しながら通過してガス化炉10の下部に設けられた燃焼ガス出口14より排出される。蓄熱体18は約1200乃至1300℃以上になるまで加熱され、蓄熱される。蓄熱中はガス化炉10の下部にある水蒸気入口15は閉止されている。
【0031】
図1(b)において、蓄熱体18が約1200乃至1300℃以上に蓄熱されると、空気入口12と燃焼ガス出口14を閉止し水蒸気入口15を開口してガス化炉10内に水蒸気を投入すると共に可燃性ガス出口13を開口する。投入された水蒸気はガス化炉10下部より格子状支持体の上に蓄積した蓄熱体18を通過して800℃以上に過熱された後、蓄積炭化物19と反応して水性ガスを発生する。蓄熱体は、アルミナ(Al)等の耐熱セラミックであり、形状はボール状、又はハニカム状のものを用いる。
発生した水性ガスは可燃性ガス出口13より排出される。水性ガスの発生中は空気が遮断されているため、燃焼ガスの混合がなく排出される可燃性ガスは水性ガスがほとんどを占める単位体積当たりの発熱量の高いガスとなる。水性ガスの発生と共に蓄熱体18の温度が低下し800℃以下になれば、再度、酸化燃焼反応である図1(a)に示す反応に切り替えて蓄熱を行う。
【0032】
<第2の実施の形態>
図2に第2の実施の形態を示す。図2において、炭化物はガス化炉10の下部に炭化物フィーダ41により投入される構造となっており、燃焼用の空気はガス化炉10の下部から供給し、水蒸気は上部から供給するところが第1の実施例と異なるが、その他の原理は第1の実施例と同様である。
【0033】
<第3の実施の形態>
図3において、第3の実施の形態として有機性廃棄物の炭化・ガス化施設は炭化炉21とボイラー30と2台のガス化炉10a、10bとガスホルダー40を有している。
【0034】
炭化炉21は外部より投入された有機性廃棄物を炭化処理する装置で、有機性廃棄物を炭化炉21内で回転させながら熱風発生器22より発生した熱風を炉内に導入し炭化させる。炭化時に発生する可燃性のガスはサイクロン23により粉塵を取り除き熱風発生器22の燃料として有効利用される。熱風発生器22より発生した余剰の熱風は熱交換器24を通して熱風発生器22に投入される空気を加温した後、大気に放出される。炭化炉21で炭化された炭化物はフィーダ25によりガス化炉10a、10bに投入される。
【0035】
ガス化炉10のうちガス化炉10aは炭化物を燃焼させて蓄熱中であり、ガス化炉10bは水性ガスを発生中である。空気制御弁と可燃性ガス制御弁とを兼ねた空気可燃性ガス三方弁16のうち、空気可燃性ガス三方弁16aは空気をガス化炉10に投入し可燃性ガス出口は閉止している。空気可燃性ガス三方弁16bは逆に空気入口を閉止し可燃性ガスを排出している。同様に、燃焼ガス制御弁と水蒸気制御弁を兼ねる燃焼ガス水蒸気三方弁17のうち、燃焼ガス水蒸気三方弁17aは燃焼ガスを排出し水蒸気入口を閉止している。燃焼ガス水蒸気三方弁は17b逆に燃焼ガス出口を閉止し水蒸気を投入している。この弁の操作はガス化炉10a、10bの相互の温度計測手段38a、38bで計測された蓄熱体18の温度に従って弁開閉制御手段により切り替えて運転される。燃焼ガスはガス化炉10に投入される空気を暖める熱交換器35を通して大気に放出される。
【0036】
弁開閉制御手段による切り替えを温度計測手段の計測する温度により行ったが、タイマーにより所定時間間隔で切り替えを行っても本発明の範囲に属することは言うまでもない。
【0037】
ガス化炉10bより発生した可燃性ガスはガスクーラー33、水分分離器34を経てガスホルダー40に貯留される。貯留された可燃性ガスは一部をガス化炉10で使用される水蒸気を発生させるボイラー30の燃料として利用され、大部分のガスがガスエンジン50の燃料として有効に消費される。ボイラー30で発生した水蒸気はガス化炉10より排出される高温のガスにより熱交換器31で加熱される。同様にボイラー30に投入される水もガス化炉10より排出される高温のガスにより熱交換器32で加熱され、可燃性ガスの余剰の熱が有効に利用される。
【0038】
本実施の形態では2台のガス化炉の例を示したが、ガス化炉が1台であっても、また、3台以上であっても、本発明の範囲に属することは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の本発明によれば、ガス化炉が蓄熱体を備えたことにより、蓄熱した熱で炭素と水蒸気が反応し可燃性ガスである水性ガスが得られ、空気が遮断されているので発生した水性ガスに窒素ガスがほとんど含まれることがなく水性ガスの純度の高い可燃性ガスを得ることができる。
【0040】
また、請求項2の本発明によれば、例えば1200乃至1300℃以上の高温においても性状が安定し蓄熱性の良い蓄熱体を備えることができる。
【0041】
また、請求項3の本発明によれば、木質系廃棄物又は食品製造副産物などの有機性廃棄物の炭化物を原料とすることにより資源有効利用の観点から効率的かつ経済的エネルギー転換技術に資することができる。
【0042】
また、請求項4の本発明によれば、燃焼ガス出口を設けたことにより、空気を入れている間は可燃性ガスを排出せず可燃性ガスを排出している間は空気を入れず、燃焼ガスを排出している間は水蒸気を入れず水蒸気を入れている間は燃焼ガスを排出しない運転が可能になる。
【0043】
また、請求項5の本発明によれば、弁開閉制御手段で各制御弁を開閉することにより蓄熱体の蓄熱と水性ガスの発生を制御することができる。
【0044】
また、請求項6の本発明によれば、温度計測手段により蓄熱体の温度を計測し、計測された温度条件により各制御弁を開閉することにより蓄熱体の蓄熱と水性ガスの発生を制御することができる。
【0045】
また、請求項7の本発明によれば、蓄熱体の温度条件により空気制御弁、燃焼ガス制御弁、水蒸気制御弁及び可燃性ガス制御弁の開閉を自動制御することにより、炭化物の燃焼と可燃性ガスの生成との切り替えを自動化することができる。
【0046】
また、請求項8の本発明によれば、タイマーの設定時間により各制御弁を開閉することにより蓄熱体の蓄熱と水性ガスの発生を制御することができる。
【0047】
また、請求項9の本発明によれば、タイマーの設定時間により空気制御弁、燃焼ガス制御弁、水蒸気制御弁及び可燃性ガス制御弁の開閉を自動制御することにより、炭化物の燃焼と可燃性ガスの生成との切り替えを自動化することができる。
【0048】
また、請求項10の本発明によれば、ガス化炉を複数設置することにより連続して可燃性ガスを発生させることができる。
【0049】
また、請求項11の本発明によれば、有機性廃棄物を炭化処理して炭化物を得る炭化炉と蓄熱式ガス化炉を併用することにより有機性廃棄物を効率的かつ経済的な内燃機関用の気体燃料に転換して過剰の熱源を必要としない高効率のガス化が達成できる。
【0050】
また、請求項12の本発明の方法によれば、蓄熱体を有する請求項1乃至10のいずれかに記載のガス化炉を使用することにより、効率よく炭化物と水蒸気より純度の高い水性ガスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るガス化炉の反応断面図であって、(a)は酸化燃焼反応図、(b)は水性ガス化反応図。
【図2】本発明の実施の形態に係る別のガス化炉の反応断面図であって、(a)は酸化燃焼反応図、(b)は水性ガス化反応図。
【図3】本発明の実施の形態に係る有機性廃棄物の炭化・ガス化施設プロセス線図。
【図4】本発明の従来の技術に係るガス化炉の断面図。
【符号の説明】
10  ガス化炉
11  炭化物入口
12  空気入口
13  可燃性ガス出口
14  燃焼ガス出口
15  水蒸気入口
16  空気可燃性ガス三方弁
17  燃焼ガス水蒸気三方弁
18  蓄熱体
19  蓄積炭化物
20  ロータリバルブ
21  炭化炉
22  熱風発生器
23  サイクロン
24  熱交換器
25  フィーダ
30  ボイラー
31  熱交換器
32  熱交換器
33  ガスクーラー
34  水分分離器
35  熱交換器
38  温度計測手段
40  ガスホルダー
41  炭化物フィーダ
50  ガスエンジン

Claims (12)

  1. 炭化物と水蒸気とを反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉において、前記ガス化炉内に蓄熱体を備えたことを特徴とするガス化炉。
  2. 前記蓄熱体がセラミックで構成されたことを特徴とする請求項1に記載のガス化炉。
  3. 前記炭化物が有機性廃棄物を炭化処理して得られた炭化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス化炉。
  4. 前記炭化物を入れる炭化物入口と、前記炭化物燃焼用の空気を入れる空気入口と、前記炭化物が燃焼した燃焼ガスを排出する燃焼ガス出口と、前記可燃性ガス生成用の水蒸気を入れる水蒸気入口と、前記可燃性ガスを排出する可燃性ガス出口と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガス化炉。
  5. 空気の流入を制御する空気制御弁と、燃焼ガスの流出を制御する燃焼ガス制御弁と、水蒸気の流入を制御する水蒸気制御弁と、可燃性ガスの排出を制御する可燃性ガス制御弁と、弁開閉制御手段と、を備え、前記各弁は前記弁開閉制御手段により開閉制御されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガス化炉。
  6. 前記弁開閉制御手段が前記蓄熱体の温度を計測する温度計測手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のガス化炉。
  7. 前記弁開閉制御手段が、前記温度計測手段により計測された温度が所定の範囲の下限に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを開き水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを閉じ、前記温度が所定の範囲の上限に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを閉じ水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを開く、ように構成されたことを特徴とする請求項6に記載のガス化炉。
  8. 前記弁開閉制御手段がタイマーを備えたことを特徴とする請求項5に記載のガス化炉。
  9. 前記弁開閉制御手段が、タイマーにより設定された一方の所定時間に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを開き水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを閉じ、タイマーにより設定された他方の所定時間に到達した場合前記空気制御弁と前記燃焼ガス制御弁とを閉じ水蒸気制御弁と可燃性ガス制御弁とを開く、ように構成されたことを特徴とする請求項8に記載のガス化炉。
  10. 前記請求項1乃至9のいずれかに記載のガス化炉を複数設置したことを特徴とするガス化炉。
  11. 有機性廃棄物を炭化処理して炭化物を得る炭化炉と、水蒸気を発生するボイラーと、得られた前記炭化物と前記水蒸気とを反応させて可燃性ガスを生成する請求項1乃至10のいずれかに記載のガス化炉と、前記可燃性ガスを貯留するガスホルダーと、を有することを特徴とする有機性廃棄物ガス化施設。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載のガス化炉において、前記ガス化炉に流入する炭化物を前記ガス化炉に流入する空気で燃焼させ発生する熱を前記蓄熱体に蓄熱し発生する前記燃焼ガスを排出する工程と、前記ガス化炉に流入する炭化物と前記ガス化炉に流入する水蒸気とを前記蓄熱体の温度を吸熱して反応させ発生する前記可燃性ガスを排出する工程と、を交互に行うことを特徴とする可燃性ガスの生成方法。
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