JP2004066635A

JP2004066635A - Member for writing utensil

Info

Publication number: JP2004066635A
Application number: JP2002229121A
Authority: JP
Inventors: Hidetoshi Ichikawa; 市川　秀寿
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 2002-08-06
Filing date: 2002-08-06
Publication date: 2004-03-04

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a member for a writing utensil which is highly solvent-resistant to a solvent used in an ink for the writing utensil and fully meets the requirements of solvent permeability and moisture absorption even under various environments, and superb ink keeping quality over time and endures a stress at a joint part. <P>SOLUTION: This member for a writing utensil which comes into contact with at least the ink for the writing utensil is formed of a molding resin which contains not less than 30 wt% of a cyclic olefin resin, preferably, not less than 50 % of the cyclic olefin resin to the tensile elongation properties prescribed by ASTM D 638 and/or desirably shows the Izod impact strength (notched) of not less than 40 J/m. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具用インキを収容するインキ収容管以外の筆記具用部材に関し、更に詳しくは、ボールペン用インキなどの筆記具用インキが接触する樹脂部材や金属部材との圧入あるいは別の樹脂部材との圧入などに係る筆記具用部材として好適に用いられ、インキの経時的な保管性において優れた筆記具用部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、筆記具用部材としては、筆記具用インキが接触する樹脂部材や金属部材との接合あるいは別の樹脂部材との接合などがあり、しかも、その材質としてはＰＥ、ＰＰなどの汎用的な柔らかい樹脂種が使用されているのが一般的である。
【０００３】
このような筆記具用部材において、金属や他の部品との接合に関して応力が働くような場合は、応力に負けないような樹脂の選定や、応力を緩和させるために、後でアニ−ル（ａｎｎｅａｌ）処理することが必要となる。
【０００４】
一方、本出願人は、筆記具用インキとして、分子内の炭素数が４以上のアルコール、多価アルコール、グリコールモノエーテルから選ばれる溶剤をインキの主溶剤とした、優れた筆記性能及び筆記描線の乾燥性、並びに筆跡の裏抜けをなくした筆記具用インキを開発している。
【０００５】
しかしながら、これらの溶剤を含有する筆記具用インキを用いる場合にあっては、従来の汎用樹脂からなる筆記具用部材では溶剤の透過性や水分の吸湿性に対し不十分となり、インキの経時的な保管性に劣る点に課題を生じている。
更に、油性インキ、水性インキを初めとする筆記具用インキは、近年、種々の溶剤等を組合わせた組成のものが開発されてきており、耐溶剤性、耐吸湿性等に優れた筆記具用部材の要望も高まってきている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記具用インキに用いる溶剤に対して耐溶剤性に優れ、しかも、多種多様の環境下であっても、溶剤の透過性や水分の吸湿性に対しても十分満足でき、インキの経時的な保管性に優れる筆記具用部材を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の課題等について、鋭意検討した結果、各種の溶剤を含有するインキに接触する筆記具用部材において、これらの筆記具用部材を特定の樹脂等からなるもので構成することにより、上記目的の筆記具用部材が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の（１）〜（７）に存する。
（１）　少なくとも筆記具用インキに接触する筆記具用部材が成形樹脂から構成されるものであって、該成形樹脂が環状オレフィン系樹脂を３０重量％以上含有することを特徴とする筆記具用部材。
（２）　成形樹脂が引張伸び特性（ＡＳＴＭ　Ｄ６３８で測定）に対して５０％以上有する上記（１）記載の筆記具用部材。
（３）　成形樹脂のアイゾット衝撃強度（ノッチ付）が４０Ｊ／ｍ以上である上記（１）又は（２）記載の筆記具用部材。
（４）　筆記具用インキの主溶剤が分子内の炭素数が４以上のアルコール類、多価アルコール類、グリコールモノエーテル類から選ばれる少なくとも１種からなる上記（１）〜（３）の何れか一つに記載の筆記具用部材。
（５）　環状オレフィン系樹脂を軟質化する改質成分として、オレフィン系樹脂及び／又はポリエチレン樹脂を用いる上記（１）〜（４）の何れか一つに記載の筆記具用部材。
（６）　環状オレフィン系樹脂を軟質化する改質成分として、ブタジエン成分及び／又はアクリルゴム成分を含む改質剤を用いる上記（１）〜（４）の何れか一つに記載の筆記具用部材。
（７）　環状オレフィン系樹脂がエチレン−テトラシクロドセン共重合体である上記（１）〜（５）の何れか一つに記載の筆記具用部材。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用部材は、少なくとも筆記具用インキに接触する筆記具用部材が成形樹脂から構成されるものであって、該成形樹脂が環状オレフィン系樹脂を３０重量％以上含有することを特徴とするものである。
【０００９】
本発明における筆記具用部材は、環状オレフィン系樹脂を成形樹脂全量に対して、３０重量％以上含有することが必要であり、好ましくは、３０〜１００重量％、更に好ましくは、３０〜９５重量％含有することが望ましく、これにより、多湿下における筆記具用インキの各種溶剤、特に、分子内の炭素数が４以上のアルコール類、多価アルコール類、グリコールモノエーテル類から選ばれる少なくとも１種の溶剤に対して有用に作用し、更に優れた耐溶剤性を備えたものとなるものである。
本発明における筆記具用部材において、環状オレフィン系樹脂が３０重量％未満の成形樹脂から構成されるものでは、吸湿が平衡的に生じたり、内部のインキに経時的な悪影響を与えてしまい、本発明の効果を達成することができないものとなる。なお、成形樹脂を環状オレフィン系樹脂１００重量％とした場合には、金属や他の部材との圧入時に割れが生じることがあり、この場合は、（３０〜）９５重量％以下にすることが好ましいが、圧入以外の方法、例えば、溶着等では割れがないので環状オレフィン系樹脂１００重量％も使用することができることとなる。
また、環状オレフィン系樹脂の含有量の下限値は、好ましくは４０重量％以上、更に好ましくは、５０重量％以上とすることが望ましい。
【００１０】
本発明において、金属や他の部材との圧入による接合に関して応力が働くような場合は、応力に負けないような樹脂の選定や応力を緩和させるために、後でアニール処理することが必要となる場合があるので、好ましくは、上記の環状オレフィン系樹脂の含有量と共に、引張伸び特性（ＡＳＴＭ　Ｄ６３８で測定）に対して５０％以上有する成形樹脂で構成することが望ましく、この引張特性により、割れやクレージングなどを生じにくくすることが可能となる。
更に好ましくは、上記引張伸び特性に対して６０％以上とすることが望ましい。なお、引張伸び特性（ＡＳＴＭ　Ｄ６３８で測定）が５０％未満の場合は、割れやクレージングなどが生じやすくなる。
【００１１】
本発明では、上述の如く、筆記具用部材を構成する成形樹脂が環状オレフィン系樹脂を３０重量％以上含有することが必要となるものであるが、環状オレフィン系樹脂は通常、非常に硬く、上記引張伸び特性が５０％より低いものとなる場合がある。
そのため、本発明では、好ましくは、上記環状オレフィン系樹脂の特性を改質して上記引張伸び特性を有するものとするために、改質剤等を適宜量用いて環状オレフィンを軟質化することができる。好ましくは、引張伸び特性を５０％以上とし、しかも使用するインキ溶剤等の原材料に対して上記耐性がある改質剤等を使用することが望ましい。
更に、本発明では、筆記具用部材を構成することとなる成形樹脂のアイゾット（ＩＺＯＤ）衝撃強度（ノッチ付）〔ＡＳＴＭ　Ｄ２５６、２３℃で測定〕を、好ましくは、４０Ｊ／ｍ以上、更に好ましくは、４５Ｊ／ｍ以上とすることが望ましい。このアイゾット衝撃強度（ノッチ付）が４０Ｊ／ｍ未満であると、筆記具用部材の割れ（ワレ）が生じやすくなる。
【００１２】
本発明に用いることができる環状オレフィン系樹脂としては、耐吸湿性、耐透湿性、透明性に優れる点等から、エチレン−テトラシクロドセン共重合体の使用が好ましく、具体的には、ＡＰＬ（アペル）シリーズ（ＡＰＬ６５０９Ｔ、ＡＰＬ６０１３Ｔ、ＡＰＬ６０１１Ｔ、ＡＰＬ６０１５Ｔ、ＡＰＬ８００８Ｆ、ＡＰＬ８００９Ｔ、ＡＰＬ５０１４ＤＰ、以上、三井化学社製）が挙げられる。これらの樹脂は、オレフィン樹脂と非晶性樹脂の性能を融合した環状オレフィンコポリマーであり、軟質化する改質成分として、オレフィン系樹脂及び／又はポリエレン樹脂、または、ブタジエン成分含有及び／又はアクリルゴム成分を含むエラストマー、α−オレフィンエラストマーなどを用いて軟質化することができ、特に共重合体成分であるエチレンに親和性の大きなポリエチレンを改質剤として軟質化することで好適に使用することができる。
また、上記以外の環状オレフィン系樹脂としては、Ｃ５留分中のジシクロペンタジエンを主原料にする非晶質ポリオレフィンの一種である環状オレフィン系樹脂、具体的には、ゼオネックス、ゼオネア（日本ゼオン社製）などを用いることができ、これらも軟質化する改質成分として、オレフィン系樹脂及び／又はポリエレン樹脂、または、ブタジエン成分含有及び／又はアクリルゴム成分を含むエラストマーなどで軟質化することができる。
更に、上記環状オレフィン系樹脂の含有量、上記引張伸び特性の範囲で、環状オレフィン系樹脂に他の樹脂、例えば、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂を含有することができる。
【００１３】
また、上記特性の環状オレフィン系樹脂に、更に無機フィラーをコンパウンドして更に耐吸湿性、耐溶剤性に優れたものとすることができる。
用いることができる無機フィラーとしては、例えば、鱗片状マイカや微粒子チタン、微粒子シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
これらの無機フィラーの平均粒子径は、分散性の向上、吸湿性能の点から、好ましくは、０．５〜５０μｍ、更に好ましくは、０．５〜３０μｍとなるものが望ましい。また、この無機フィラーを充填した樹脂では、その含有量が多いと、軟質化を阻害してしまうこととなるので、十分性能とのバランスに注意しなければならず、その無機フィラーの含有量は、樹脂中に２０重量％以下、好ましくは、１０重量％以下とすることが望ましい。
【００１４】
本発明の筆記具用部材は、所定含有量以上となる環状オレフィン系樹脂、この樹脂を軟質化する改質成分等を原材料として用いて、上記引張伸び特性となるように調整して、射出成形、押し出し成形、圧縮成形などの成形手段により所定形状となる筆記具用部材を作製することができるものとなる。
【００１５】
本発明の筆記具用部材が用いられる筆記具において、使用されるインキ主溶剤としては、水を含むＳＰ値（溶解度パラメーター）の高い溶剤で環状オレフィン系樹脂を劣化させるものでなければ特に限定されるものでないが、特に、好適には、分子内の炭素数が４以上のアルコール、多価アルコール、グリコールモノエーテルから選ばれる少なくとも１種の溶剤などが挙げられる。
具体的に用いることができるアルコール類としては、炭素数が２以上の脂肪族アルコールであり、ｎ−ブタノール、イソブタノール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール、１−ペンタノール、イソアミルアルコール、ｓｅｃ−アミルアルコール、３−ペンタノール、ｔｅｒｔ−アミルアルコール、ｎ−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、２−エチルブタノール、ｎ−へブタノール、２−へブタノール、３−へブタノール、ｎ−オクタノール、２−オクタノール、２−エチルヘキサノール、３，５，５−トリメチルヘキサノール、ノナノール、ｎ−デカノール、ウンデカノール、ｎ−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、へブタデカノール、シクロヘキサノール、２−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が挙げられる。
【００１６】
また、多価アルコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、３−メチル−１，３−ブンタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３−ブタンジオール、１，５−ペンタンジオール、へキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に２個以上の炭素、２個以上の水酸基を有する多価アルコール類が挙げられる。
更に、グリコールモノエーテルとしては、例えば、ブチルエーテル、へキシルエーテル、２−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノへキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−２−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、３−メチル−３−メトキシ−１−ブタノール、３−メトキシ−１−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
以上挙げた溶剤の中で特に好ましいのは、安全性及び経口毒性等の点から好ましくは、エチレングリコール誘導体等以外の溶剤を使用した方が望ましい。
これらの溶剤の含有量はインキ全量に対して、２０〜９０重量％である。
【００１７】
本発明における筆記具用インキの組成としては、上記主溶剤の他に、筆記具用インキ（水性インキ、油性インキ、ゲルインキ等）の用途に応じて顔料（樹脂顔料含む）、染料などの着色剤、樹脂、増粘剤及び筆記具用インキに含有される任意成分などが挙げられる。
筆記具用インキに含有される任意成分としては、例えば、インキに悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を含有することができる。特に、脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用できる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等も含有することができる。
【００１８】
本発明における筆記具用部材としては、筆記具用インキを収容するインキ収容管以外の筆記具用インキが接触する筆記具用部材、すなわち、ボールペン、サインペン、筆ペン、直液式筆記具などの筆記具の用途に応じた、種々の筆記具用インキが接触する部材（部品）が挙げられ、例えば、ボールペンの場合は、インキ収容管（リフィール）とチップ体とを接合する継手部材となる先軸部材などが挙げられる。
本発明の筆記具用部材をボールペン用に適用する場合には、インキの揮発防止、吸湿性防止、インキ漏れ防止としてインキ追従体をボールペン用インキ収容管（リフィール）の後端部に備えることが好ましい。
用いるインキ追従体としては、インキに使用する溶剤に対して低透過性、低拡散性が必要であり、そのベースとしては不揮発性や難揮発性の流動体、具体的には、ポリブテンや流動パラフィン等、本発明に用いる上記特性の溶剤と基本的に相溶性を有さない非シリコン系の油脂類を使用することができる。
これらの物質の粘度が低い場合には、増粘剤やゲル化剤を用いることが好ましい。具体的には、金属セッケン類、ベントナイト類、脂肪酸アマイド類、水添ヒマシ油類、酸化チタンやシリカやアルミナ等を含む金属微粒子類、セルロース類、エラストマー類等が挙げられる。
【００１９】
次に、本発明の筆記具用部材の具体的な実施形態を図１により更に詳しく説明する。
図１は、本発明の筆記具用部材をボールペンに使用した場合の実施形態である。
このボールペンＡは、先端にボールペン型チップ１０を具備したインキ収容管１１を有している。また、１２は、インキ収容管に充填される上記特性の溶剤を含有するボールペン用インキ、１３ａ、１３ｂは、本発明の筆記具用部材となるものであり、１３ａはインキ収容管１１に接合される継手部材となる先軸部材であり、１３ｂはペン先部となるチップ１０と先軸部材１３ａとのチップ継手部材であり、１４はインキ追従体である。
また、上記インキ収容管１１は、押出成形又は射出成形により成形されるものであり、上述の環状オレフィン系樹脂（アペル８００８Ｔ、三井化学社製、厚さ１．０ｍｍ）から構成されている。また、１３ａ、１３ｂは、環状オレフィン系樹脂を３０重量％以上含有する成形樹脂から構成されている。なお、１５は、ボールペン用軸体、１６は尾栓部材、１７はキャップ部材、１８はシールゴムである。
【００２０】
このように構成される本発明の筆記具用部材が、何故、多種多様の環境下であっても、インキの経時的な保管性等に優れ、接合部での応力に耐えうるものであるかは、以下の理由によるものと推察される。
このような効果を発揮する理由としては、筆記具用インキに使用するインキ溶剤と筆記具用部材を構成する成形樹脂の間に関わる相互作用が大きく影響するものである。すなわち、筆記具用インキに用いる溶剤において吸湿性の強い有機溶剤、例えば、分子内の炭素数が４以上のアルコール類、多価アルコール類、グリコールモノエーテル類から選ばれる有機溶剤などを使用した場合には、筆記具用部材の材質を可塑化させる作用があり、この場合には多湿条件下で筆記具用部材外部からの水分の透過が激しくなる。そのため、これらの溶剤に親和性の少ない材質を選定しなければならず、その結果、上記耐湿性、耐溶剤性の両特性を有する環状オレフィン系樹脂が好ましいことが判った。
上記環状オレフィン系樹脂（１００％）だけでは、筆記具用部材として他の金属部材や他の部材との溶着などでは問題がないが、圧入あるいは別の樹脂部材との接合などにおいて、割れやクレージングなどを生じてしまうことがある。このような現象に対して、本発明では、好ましくは、他からの応力を緩和できるような材質とするため、なるべく柔らかい樹脂に改質することが望ましい。そのため、当該樹脂特性として、環状オレフィン系樹脂を３０重量％以上含有すること、更に、引張伸び特性（ＡＳＴＭ　Ｄ６３８で測定）に対して５０％以上を有する柔らかい樹脂等に調整することで接合部の応力も緩和し、使用する材質としてオレフィン樹脂を３０重量％以上含有することで上記耐湿性、耐溶剤性等も維持することができることとなる。
本発明では、少なくとも筆記具用インキに接触する筆記具用部材が成形樹脂から構成されるものであって、該成形樹脂が環状オレフィン系樹脂を３０重量％以上含有することにより、初めて、多種多様の環境下であっても、溶剤の透過性や水分の吸湿性に対しても十分な耐透過性、耐吸湿性を有し、インキの経時的な保管性に優れる筆記具用部材が提供されるものとなる。
【００２１】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【００２２】
〔実施例１〜８及び比較例１〜４〕
（接合部材、インキチューブの作製）
各実施例及び比較例に用いる筆記具用部材となる接合部材、インキチューブを下記方法により作製した。
下記１〜６に記載の各熱可塑性樹脂を用いて、インキチューブと金属チップの接合部材（筆記具用部材）サンプルを射出成形した。図２（ａ）は、この接合部材サンプル２０を示す拡大断面図である。
また、上記と同じ各材質で内径４．０ｍｍ、肉厚０．８ｍｍで筒状に押出成形し、長さを１００ｍｍに切断し、インキチューブを作製し、透過性、吸湿性に対する成形サンプルとした。
なお、下記１〜６の引張伸び特性は、ＡＳＴＭ　Ｄ６３８に沿い、試験片断面形状（６×３．２ｍｍ）、引張速度条件、５ｍｍ／分の条件下で測定したものであり、また、アイゾット（ＩＺＯＤ）衝撃強度（ノッチ付）は、２３℃で測定したものである。
【００２３】
（接合部材材質／インキチューブ材質：１〜６）
１．環状オレフィン系樹脂（アペル６５０９Ｔ、三井化学社製）／ポリエチレン（配合比：重量比で８／２）、引張伸び特性：８０％、ＩＺＯＤ衝撃強度：６２Ｊ／ｍ
２．環状オレフィン系樹脂（アペル６５０９Ｔ、三井化学社製）／α−オレフィンエラストマー／ポリプロピレン（配合比：重量比で５／２／３）、引張伸び特性：＞１００％、ＩＺＯＤ衝撃強度：＞４０Ｊ／ｍ
３．環状オレフィン系樹脂（アペル６５０９Ｔ、三井化学社製）／ブタジエン系改質材（Ｍ−５１１、ＫＡＮＥＫＡ社製）（配合比：重量比で９／１）、引張伸び特性：７０％、ＩＺＯＤ衝撃強度：４８Ｊ／ｍ
４．ＡＢＳ（アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、旭化成社製、スタイラックＡ４１３０）、引張伸び特性：５０％、ＩＺＯＤ衝撃強度：２８４Ｊ／ｍ
５．環状オレフィン系樹脂（アペル６５０９Ｔ、三井化学社製）、引張伸び特性：３０％、ＩＺＯＤ衝撃強度：２５Ｊ／ｍ
６．ポリアミド（ポリアミド６６樹脂、レオナ１５００、旭化成社製）、引張伸び特性：８０％、ＩＺＯＤ衝撃強度：４９Ｊ／ｍ
【００２４】
上記方法により得られた各接合部材、インキチューブ、下記筆記具用インキに含有する評価用溶剤（２種）：１〜２を用いて下記方法及び下記表１に記載の組合わせにより、実施例１〜８及び比較例１〜４となるインキチューブと金属チップの接合部サンプル、並びに、透過性、吸湿性に対する成形サンプルを作製した。
（評価用溶剤：１〜２）
１．ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
２．３−メチル−３−メトキシ−１−ブタノール
【００２５】
（インキチューブと金属チップの接合部サンプルの作製）
図２（ｂ）に示すように、上記方法により得られた各接合部材サンプル２０にステンレス製金属チップ２１（逆止ボール２２内蔵）を圧入し、後端部よりポリプロピレン製インキ収容管２３（内径４ｍｍ、肉厚０．３ｍｍ）に上記評価用溶剤（２種）：１〜２を所定量（１．０ｇ）充填したものを圧入し、割れに対する接合部サンプルとして作製した。
【００２６】
（透過性、吸湿性に対する成形サンプルの作製）
上記方法により得られた各インキチューブの先端を溶着し、後端部より上記評価用溶剤（２種）：１〜２を所定量（１．０ｇ）充填し、更に下記組成の溶剤揮発防止体２４を所定量（１．５ｇ）充填して透過性、吸湿性に対する成形サンプルを作製した〔図２（ｃ）参照〕。
溶剤揮発防止体の配合組成：
ダイアナプロセスオイルＰＷ−３８０（出光興産社製）１００重量％を使用した。なお、ペン体などは溶剤揮発防止体が漏れないようにペン先を下にして静置した。
【００２７】
上記で得られた各実施例及び比較例となる上記各評価用溶剤等を充填した接合部サンプル及び成形サンプルを用いて下記方法により割れ性、吸湿性、透過性の変化について評価した。
これらの結果を下記表１に示す。
【００２８】
（部材の圧入による割れ性の評価方法）
金属チップを圧入し、その割れに関する破損度合いを目視にて観察し下記評価基準で評価した。
評価基準：
◎：ほとんど割れが生じないもの。
○：僅かにクラックが生じるもの。
△：割れが生じるが、溶剤の漏れがないもの。
×：非常に割れが大きく、溶剤の漏れが生じるもの。
【００２９】
（吸湿性、透過性の評価方法）
温度５０±５℃、湿度８０％の環境下で２週間放置し、成形サンプル内の吸湿率、透過率を測定及び算出した。
なお、吸湿率の測定は、評価用溶剤の水分量をカールフィッシャー水分計（京都電子工業社製ＭＫＡ−２１０）により測定し、水分率をブランクとの差より吸湿率として算出した。
また、透過率の測定は、溶剤充填量の変化量と上記水分率より補正を行い、溶剤透過率として算出した。
【００３０】
（吸湿率の評価）
吸湿率の度合いを下記評価基準で評価した。
評価基準：
◎：吸湿率が１．００％以下のもの
○：吸湿率が１．００超過〜１．５０％未満
△：吸湿率が１．５０〜２．００％未満
×：吸湿率が２．００％以上のもの
【００３１】
（透過率の評価）
透過率の度合いを下記評価基準で評価した。
評価基準：
◎：透過率が１．００％以下のもの
○：透過率が１．００超過〜１．５０％未満
△：透過率が１．５０〜２．００％未満
×：透過率が２．００％以上のもの
【００３２】
【表１】

【００３３】
上記表１の結果から明らかなように、本発明の範囲となる実施例１〜８の組合せの筆記具用部材となる各接合部材は、本発明の範囲外となる比較例１〜４の組合せの接合部材に比べて、圧入や耐溶剤性、耐吸湿性の面で非常に優れていることが判明した。
【００３４】
【発明の効果】
本発明によれば、多種多様の環境下であっても、溶剤の透過性や水分の吸湿性に対しても十分な耐透過性、耐吸湿性を有し、インキの経時的な保管性に優れると共に、接合部での応力等に対しても耐えうる筆記具用部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明の筆記具用部材を用いたボールペンの一例を断面態様で示す縦断面図である。
【図２】
（ａ）は、実施例及び比較例で作製したインキチューブと金属チップとを接合する接合部材の拡大断面図であり、（ｂ）は、インキチューブと金属チップを接合した接合部サンプルの断面図であり、（ｃ）は透過性、吸湿性に対する成形サンプルを示す断面図である。
【符号の説明】
Ａ　　ボールペン
１３ａ　筆記具用部材
１３ｂ　筆記具用部材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a writing implement member other than an ink storage tube that stores the writing implement ink, and more specifically, press-fits a resin member or a metal member with which a writing implement ink such as a ball-point pen ink comes in contact or presses with another resin member. The present invention relates to a writing instrument member that is suitably used as a writing instrument member for press-fitting or the like and is excellent in storage properties of ink over time.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a writing implement member, there is a joining with a resin member or a metal member or a joining with another resin member which the writing implement ink contacts, and the material is a general-purpose soft resin such as PE or PP. It is common that seeds are used.
[0003]
In such a writing instrument member, in the case where stress is exerted in connection with a metal or other parts, an annealing (anneal) is later performed in order to select a resin that does not lose the stress or to alleviate the stress. ).
[0004]
On the other hand, the present applicant, as a writing instrument ink, alcohols having 4 or more carbon atoms in the molecule, a polyhydric alcohol, a solvent selected from glycol monoether as the main solvent of the ink, excellent writing performance and excellent writing line. We develop inks for writing utensils that eliminate dryness and penetration of handwriting.
[0005]
However, when using inks for writing implements containing these solvents, conventional writing instrument members made of general-purpose resins are insufficient for solvent permeability and moisture absorption, and the ink is stored over time. There is a problem in that it is inferior in sex.
Furthermore, in recent years, inks for writing implements such as oil-based inks and water-based inks have been developed with compositions in which various solvents and the like are combined, and are excellent in solvent resistance, moisture absorption and the like. The demand of is increasing.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described conventional problems and the like, and has been made to solve the problem, and has excellent solvent resistance to a solvent used for a writing instrument ink, and even under a wide variety of environments, a solvent. It is an object of the present invention to provide a writing instrument member that can sufficiently satisfy the permeability and moisture absorption of the ink and has excellent storage stability of the ink over time.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has conducted intensive studies on the above-mentioned problems of the prior art and the like.As a result, in a writing instrument member that comes into contact with ink containing various solvents, the writing instrument member is made of a specific resin or the like. As a result, the present inventors have found that a writing instrument member having the above object can be obtained, thereby completing the present invention.
That is, the present invention resides in the following (1) to (7).
(1) A member for a writing implement, wherein at least the member for the writing implement that comes into contact with the ink for a writing implement is made of a molding resin, and the molding resin contains at least 30% by weight of a cyclic olefin-based resin.
(2) The writing instrument member according to the above (1), wherein the molding resin has 50% or more of tensile elongation characteristics (measured by ASTM D638).
(3) The writing implement member according to (1) or (2), wherein the molded resin has an Izod impact strength (notched) of 40 J / m or more.
(4) Any one of the above (1) to (3), wherein the main solvent of the ink for writing implements comprises at least one selected from alcohols having 4 or more carbon atoms in the molecule, polyhydric alcohols, and glycol monoethers. A writing instrument member according to one of the above.
(5) The writing instrument member according to any one of the above (1) to (4), wherein an olefin resin and / or a polyethylene resin is used as a modifying component for softening the cyclic olefin resin.
(6) The writing instrument member according to any one of (1) to (4) above, wherein a modifier containing a butadiene component and / or an acrylic rubber component is used as a modifying component for softening the cyclic olefin-based resin. .
(7) The member for a writing instrument according to any one of the above (1) to (5), wherein the cyclic olefin-based resin is an ethylene-tetracyclodcene copolymer.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The writing implement member of the present invention is characterized in that at least the writing implement member that comes into contact with the writing implement ink is made of a molding resin, and the molding resin contains at least 30% by weight of a cyclic olefin-based resin. Things.
[0009]
The writing instrument member of the present invention needs to contain the cyclic olefin-based resin in an amount of at least 30% by weight, preferably 30 to 100% by weight, and more preferably 30 to 95% by weight, based on the total amount of the molding resin. It is desirable to contain, thereby, various solvents for ink for writing implements under humid conditions, in particular, at least one solvent selected from alcohols having 4 or more carbon atoms in the molecule, polyhydric alcohols, and glycol monoethers. And has excellent solvent resistance.
In the writing instrument member according to the present invention, if the cyclic olefin resin is composed of less than 30% by weight of the molding resin, moisture absorption occurs equilibrium or the ink inside has a negative influence over time. Cannot achieve the effect described above. When the molding resin is 100% by weight of the cyclic olefin resin, cracks may occur at the time of press-fitting with a metal or another member, and in this case, the content should be not more than (30 to) 95% by weight. Although it is preferable, since there is no crack in a method other than press-fitting, for example, welding or the like, 100% by weight of the cyclic olefin-based resin can be used.
The lower limit of the content of the cyclic olefin resin is preferably at least 40% by weight, more preferably at least 50% by weight.
[0010]
In the present invention, in the case where stress acts on the joining by press-fitting to a metal or another member, it is necessary to perform annealing afterwards in order to select a resin that does not lose the stress and to relax the stress. In some cases, it is preferable to use a molding resin having 50% or more of the tensile elongation characteristics (measured by ASTM D638) together with the content of the above-mentioned cyclic olefin resin. And crazing can be made less likely to occur.
More preferably, the tensile elongation characteristic is desirably 60% or more. When the tensile elongation characteristic (measured by ASTM D638) is less than 50%, cracks, crazing, and the like are likely to occur.
[0011]
In the present invention, as described above, the molding resin constituting the writing instrument member needs to contain at least 30% by weight of the cyclic olefin-based resin. However, the cyclic olefin-based resin is usually very hard, and The tensile elongation properties may be lower than 50%.
Therefore, in the present invention, preferably, the cyclic olefin is softened by appropriately using a modifier or the like in order to modify the properties of the cyclic olefin-based resin to have the tensile elongation property. it can. Preferably, it is desirable to use a modifier or the like having a tensile elongation characteristic of 50% or more and having the above-mentioned resistance to raw materials such as an ink solvent to be used.
Furthermore, in the present invention, the Izod (IZOD) impact strength (with a notch) of the molded resin that constitutes the writing instrument member (ASTM D256, measured at 23 ° C.) is preferably 40 J / m or more, more preferably 40 J / m or more. , 45 J / m or more. If the Izod impact strength (with notch) is less than 40 J / m, the writing instrument member is liable to crack (crack).
[0012]
As the cyclic olefin-based resin that can be used in the present invention, an ethylene-tetracyclodose copolymer is preferably used from the viewpoint of excellent moisture absorption resistance, moisture permeability resistance, transparency, and the like. Specifically, APL ( Apel) series (APL6509T, APL6013T, APL6011T, APL6015T, APL8008F, APL8009T, APL5014DP, and above, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.). These resins are cyclic olefin copolymers in which the performances of an olefin resin and an amorphous resin are fused, and the olefin resin and / or the polyelene resin or the butadiene component-containing and / or acrylic rubber is used as a softening modifier. It can be softened using an elastomer containing a component, an α-olefin elastomer, or the like, and is particularly preferably used by softening a polyethylene having a high affinity for ethylene as a copolymer component as a modifier. it can.
As other cyclic olefin-based resins, cyclic olefin-based resins which are a kind of amorphous polyolefins containing dicyclopentadiene in C5 fraction as a main raw material, specifically, ZEONEX, ZEONEA (Zeon Corporation) And the like, which can be softened with an olefin-based resin and / or a polyelene resin, or an elastomer containing a butadiene component and / or an acrylic rubber component. .
Furthermore, other resins, for example, an olefin resin such as polypropylene, can be contained in the cyclic olefin resin within the range of the content of the cyclic olefin resin and the tensile elongation characteristics.
[0013]
In addition, an inorganic filler can be further compounded with the cyclic olefin-based resin having the above-mentioned properties to further improve the moisture absorption resistance and the solvent resistance.
Examples of the inorganic filler that can be used include flaky mica, fine titanium particles, fine silica particles, and calcium carbonate.
The average particle diameter of these inorganic fillers is preferably from 0.5 to 50 μm, more preferably from 0.5 to 30 μm, from the viewpoint of improving dispersibility and moisture absorption performance. In addition, in the resin filled with the inorganic filler, if the content is large, it will hinder softening, so it is necessary to pay sufficient attention to balance with performance, and the content of the inorganic filler is It is desirable that the content be 20% by weight or less, preferably 10% by weight or less in the resin.
[0014]
The writing instrument member of the present invention is prepared by using a cyclic olefin-based resin having a predetermined content or more, a modifying component for softening the resin, or the like as a raw material, by adjusting the tensile elongation characteristics, injection molding, A member for a writing implement having a predetermined shape can be produced by molding means such as extrusion molding and compression molding.
[0015]
In the writing implement in which the member for a writing implement of the present invention is used, the ink main solvent used is not particularly limited as long as it does not deteriorate the cyclic olefin-based resin with a solvent containing water and having a high SP value (solubility parameter). However, particularly preferred are at least one solvent selected from alcohols having 4 or more carbon atoms in the molecule, polyhydric alcohols and glycol monoethers.
Specific examples of alcohols that can be used include aliphatic alcohols having 2 or more carbon atoms, such as n-butanol, isobutanol, tert-butyl alcohol, 1-pentanol, isoamyl alcohol, sec-amyl alcohol, -Pentanol, tert-amyl alcohol, n-hexanol, methyl amyl alcohol, 2-ethylbutanol, n-heptanol, 2-heptanol, 3-heptanol, n-octanol, 2-octanol, 2-ethylhexanol, 3,5,5-trimethylhexanol, nonanol, n-decanol, undecanol, n-decanol, trimethylnonyl alcohol, tetradecanol, hebutadecanol, cyclohexanol, 2-methylcyclohexanol, benzyl alcohol Higher alcohols such as other wide, and the like.
[0016]
Examples of polyhydric alcohols include diethylene glycol, 3-methyl-1,3-butanediol, triethylene glycol, dipropylene glycol, 1,3-butanediol, 1,5-pentanediol, hexylene glycol, Polyhydric alcohols having two or more carbons and two or more hydroxyl groups in a molecule such as octylene glycol are exemplified.
Further, as the glycol monoether, for example, butyl ether, hexyl ether, 2-ethylhexyl ether, ethylene glycol monohexyl ether, ethylene glycol monophenyl ether, ethylene glycol mono-2-ethylbutyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol Glycol monobutyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monobutyl ether, tetraethylene glycol monobutyl ether, 3-methyl-3-methoxy-1-butanol, 3-methoxy-1-butanol, propylene Glycol monomethyl ether, propylene glycol monoethyl A Propylene glycol monopropyl ether, propylene glycol monobutyl ether, propylene glycol phenyl ether, propylene glycol tertiary butyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monoethyl ether, dipropylene glycol monopropyl ether, dipropylene glycol monobutyl ether, Examples thereof include tripropylene glycol monomethyl ether, tripropylene glycol monobutyl ether, and tetrapropylene glycol monobutyl ether.
Among the above-mentioned solvents, particularly preferable are solvents other than ethylene glycol derivatives and the like, from the viewpoint of safety and oral toxicity.
The content of these solvents is 20 to 90% by weight based on the total amount of the ink.
[0017]
The composition of the ink for writing implements in the present invention includes, in addition to the main solvent described above, pigments (including resin pigments), coloring agents such as dyes, and resins depending on the use of the inks for writing implements (aqueous ink, oil-based ink, gel ink, etc.). , A thickener and optional components contained in the ink for writing implements.
The optional components contained in the ink for writing implements can include, for example, a rust inhibitor, a fungicide, a surfactant, a lubricant, a wetting agent, and the like which can be compatible without adversely affecting the ink. . In particular, fatty acids and the like can be suitably used as a lubricant. Further, a non-volatile solvent or the like that is compatible with the main solvent can be contained as an additive for suppressing drying in a range that does not adversely affect product characteristics.
[0018]
As the writing instrument member in the present invention, a writing instrument member that is in contact with the writing instrument ink other than the ink storage tube that contains the writing instrument ink, that is, a ballpoint pen, a felt-tip pen, a pen, a direct liquid writing instrument, etc. In addition, various members (parts) that come into contact with the ink for writing implements may be mentioned. For example, in the case of a ballpoint pen, a tip shaft member serving as a joint member for joining the ink storage tube (refill) and the tip body may be mentioned.
When the writing instrument member of the present invention is applied to a ballpoint pen, it is preferable to provide an ink follower at the rear end of the ink container tube (refill) for the ballpoint pen to prevent volatilization of ink, moisture absorption, and ink leakage. .
The ink follower used must have low permeability and low diffusivity with respect to the solvent used for the ink. The base is a non-volatile or non-volatile fluid such as polybutene or liquid paraffin. For example, non-silicone-based fats and oils having basically no compatibility with the solvent having the above characteristics used in the present invention can be used.
When the viscosity of these substances is low, it is preferable to use a thickener or a gelling agent. Specific examples include metal soaps, bentonites, fatty acid amides, hydrogenated castor oils, metal fine particles containing titanium oxide, silica, alumina, and the like, celluloses, elastomers, and the like.
[0019]
Next, a specific embodiment of the writing instrument member of the present invention will be described in more detail with reference to FIG.
FIG. 1 shows an embodiment in which the writing instrument member of the present invention is used for a ballpoint pen.
This ballpoint pen A has an ink storage tube 11 provided with a ballpoint pen type tip 10 at the tip. Reference numeral 12 denotes an ink for a ball-point pen containing a solvent having the above-mentioned characteristics, which is filled in the ink storage tube. 13a and 13b are members for a writing implement of the present invention, and 13a is joined to the ink storage tube 11. A tip shaft member 13b is a joint member, 13b is a tip joint member between the tip 10 serving as a pen tip and the tip shaft member 13a, and 14 is an ink follower.
The ink storage tube 11 is formed by extrusion molding or injection molding, and is made of the above-mentioned cyclic olefin resin (APEL 8008T, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., 1.0 mm in thickness). Further, 13a and 13b are formed of a molding resin containing a cyclic olefin-based resin in an amount of 30% by weight or more. Reference numeral 15 denotes a ballpoint pen shaft, 16 denotes a tail plug member, 17 denotes a cap member, and 18 denotes a seal rubber.
[0020]
Why the writing instrument member of the present invention configured as described above is excellent in storage stability of ink over time, even under a variety of environments, and can withstand stress at the joint. It is presumed that the reason is as follows.
The reason for exhibiting such an effect is that the interaction between the ink solvent used for the ink for the writing implement and the molding resin constituting the member for the writing implement has a great effect. That is, in the case of using an organic solvent having strong hygroscopicity in a solvent used for a writing instrument ink, for example, an alcohol having 4 or more carbon atoms in the molecule, a polyhydric alcohol, or an organic solvent selected from glycol monoethers. Has the effect of plasticizing the material of the writing instrument member, and in this case, the penetration of moisture from outside the writing instrument member under humid conditions becomes severe. Therefore, it is necessary to select a material having low affinity for these solvents, and as a result, it has been found that a cyclic olefin-based resin having both the above-mentioned properties of moisture resistance and solvent resistance is preferable.
With the above-mentioned cyclic olefin resin (100%) alone, there is no problem in welding with other metal members or other members as a writing instrument member, but cracking and crazing during press-fitting or joining with another resin member. May occur. In order to prevent such a phenomenon, in the present invention, it is preferable that the material is modified to be as soft as possible in order to use a material capable of relieving stress from others. Therefore, as a resin property, the content of the cyclic olefin-based resin is 30% by weight or more, and further, it is adjusted to a soft resin having a tensile elongation property (measured by ASTM D638) of 50% or more. The stress is also relaxed, and the moisture resistance, the solvent resistance, and the like can be maintained by containing 30% by weight or more of the olefin resin as the material to be used.
In the present invention, at least a wide variety of environmental conditions can be attained for the first time when the writing implement member that is in contact with the writing implement ink is made of a molding resin, and the molding resin contains at least 30% by weight of the cyclic olefin-based resin. Even below, a member for a writing implement is provided which has sufficient permeation resistance and moisture absorption resistance to solvent permeability and moisture hygroscopicity, and excellent in storage stability of ink over time. Become.
[0021]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to the following Examples.
[0022]
[Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 to 4]
(Production of joining members and ink tubes)
A joining member and an ink tube serving as a writing instrument member used in each of the examples and comparative examples were produced by the following methods.
Using each of the thermoplastic resins described in 1 to 6 below, a sample of a joining member (member for writing implement) of an ink tube and a metal tip was injection molded. FIG. 2A is an enlarged cross-sectional view showing the bonding member sample 20.
In addition, each of the same materials as described above was extruded into a cylindrical shape having an inner diameter of 4.0 mm and a thickness of 0.8 mm, and was cut into a length of 100 mm to produce an ink tube, which was used as a molded sample for permeability and hygroscopicity. .
The tensile elongation characteristics of the following 1 to 6 are measured in accordance with ASTM D638 under the cross-sectional shape of a test piece (6 × 3.2 mm), at a tensile speed condition of 5 mm / min, and at an Izod ( (IZOD) impact strength (notched) is measured at 23 ° C.
[0023]
(Material of joining member / Material of ink tube: 1-6)
1. Cyclic olefin resin (Apel 6509T, manufactured by Mitsui Chemicals) / polyethylene (compounding ratio: 8/2 by weight ratio), tensile elongation characteristics: 80%, IZOD impact strength: 62 J / m
2. Cyclic olefin resin (Apel 6509T, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.) / Α-olefin elastomer / polypropylene (compounding ratio: 5/2/3 by weight), tensile elongation property:> 100%, IZOD impact strength:> 40 J / m
3. Cyclic olefin-based resin (Apel 6509T, manufactured by Mitsui Chemicals) / butadiene-based modifier (M-511, manufactured by KANEKA) (compounding ratio: 9/1 by weight), tensile elongation property: 70%, IZOD impact strength : 48 J / m
4. ABS (acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer, Styrac A4130, manufactured by Asahi Kasei Corporation), tensile elongation characteristics: 50%, IZOD impact strength: 284 J / m
5. Cyclic olefin resin (Apel 6509T, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.), tensile elongation property: 30%, IZOD impact strength: 25 J / m
6. Polyamide (polyamide 66 resin, Leona 1500, manufactured by Asahi Kasei Corporation), tensile elongation property: 80%, IZOD impact strength: 49 J / m
[0024]
Example 1 was prepared by the following method and the combination shown in Table 1 below using each of the bonding members obtained by the above method, the ink tubes, and the solvents for evaluation (two types) contained in the following inks for writing implements: 1 to 2. To 8 and Comparative Examples 1 to 4, the joint samples of the ink tubes and the metal tips, and the molded samples for permeability and hygroscopicity were prepared.
(Evaluation solvent: 1-2)
1. Dipropylene glycol monomethyl ether 2.3-methyl-3-methoxy-1-butanol
(Preparation of the joint sample between the ink tube and the metal tip)
As shown in FIG. 2B, a stainless steel metal tip 21 (with a built-in check ball 22) is press-fitted into each joint member sample 20 obtained by the above method, and a polypropylene ink storage tube 23 (inner diameter) is inserted from the rear end. 4 mm and a wall thickness of 0.3 mm) were filled with a predetermined amount (1.0 g) of the above-mentioned solvents (two types): 1 and 2 and press-fitted to produce a joint sample against cracks.
[0026]
(Preparation of molded sample for permeability and hygroscopicity)
The front end of each ink tube obtained by the above method is welded, and a predetermined amount (1.0 g) of the above-mentioned solvent (two types): 1 to 2 is filled from the rear end thereof. 24 was filled in a predetermined amount (1.5 g) to prepare a molded sample for permeability and hygroscopicity (see FIG. 2C).
Composition of solvent volatilization preventive:
100% by weight of Diana process oil PW-380 (manufactured by Idemitsu Kosan Co., Ltd.) was used. The pen body and the like were allowed to stand with the pen point down so that the solvent volatilization preventive body did not leak.
[0027]
Using the joint samples and the molded samples filled with the above-described solvents for evaluation and the like, which were obtained in each of the examples and comparative examples, changes in cracking property, hygroscopicity, and permeability were evaluated by the following methods.
The results are shown in Table 1 below.
[0028]
(Evaluation method for cracking by press-fitting of members)
The metal chip was press-fitted, the degree of breakage related to the crack was visually observed, and evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria:
：: Hardly cracked.
：: Cracks are slightly generated.
Δ: Cracks occurred, but no solvent leakage.
×: Extremely large cracks, causing solvent leakage.
[0029]
(Method of evaluating hygroscopicity and permeability)
It was left for 2 weeks in an environment of a temperature of 50 ± 5 ° C. and a humidity of 80%, and the moisture absorption and transmittance in the molded sample were measured and calculated.
The moisture absorption was measured by measuring the moisture content of the solvent for evaluation with a Karl Fischer moisture meter (MKA-210, manufactured by Kyoto Electronics Industry Co., Ltd.), and calculating the moisture content as the moisture absorption rate from the difference from the blank.
In the measurement of the transmittance, a correction was made from the amount of change in the amount of solvent filling and the above-described moisture content, and the transmittance was calculated as the solvent transmittance.
[0030]
(Evaluation of moisture absorption rate)
The degree of moisture absorption was evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria:
◎: Moisture absorption of 1.00% or less ○: Moisture absorption of more than 1.00 to less than 1.50% △: Moisture absorption of 1.50 to less than 2.00% X: Moisture absorption of 2.00% The above [0031]
(Evaluation of transmittance)
The degree of transmittance was evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria:
：: transmittance is 1.00% or less ：: transmittance is more than 1.00 to less than 1.50% △: transmittance is 1.50 to less than 2.00% X: transmittance is 2.00% The above
[Table 1]

[0033]
As is clear from the results in Table 1, each joining member serving as a writing instrument member of the combination of Examples 1 to 8 that is within the scope of the present invention is a combination of Comparative Examples 1 to 4 that is outside the scope of the present invention. It has been found that they are much better in terms of press-fitting, solvent resistance, and moisture absorption resistance than the joining members.
[0034]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, even under various environments, it has sufficient permeation resistance and moisture absorption resistance to solvent permeability and moisture hygroscopic property, and the storage stability of ink over time. A writing instrument member which is excellent and can withstand stress at a joint portion or the like is provided.
[Brief description of the drawings]
FIG.
It is a longitudinal section showing an example of a ball-point pen using a member for writing implements of the present invention in section.
FIG. 2
(A) is an expanded sectional view of the joining member which joins the ink tube and the metal tip produced in the example and the comparative example, and (b) is a cross-sectional view of the joined part sample which joined the ink tube and the metal tip. (C) is a cross-sectional view showing a molded sample for permeability and hygroscopicity.
[Explanation of symbols]
A Ballpoint pen 13a Writing implement member 13b Writing implement member

Claims

A member for a writing implement, wherein at least the member for a writing implement that comes into contact with the ink for a writing implement is made of a molding resin, and the molding resin contains 30% by weight of a cyclic olefin-based resin.

2. The writing instrument member according to claim 1, wherein the molding resin has a tensile elongation characteristic (measured by ASTM D638) of 50% or more.

3. The member for a writing instrument according to claim 1, wherein the Izod impact strength (with a notch) of the molding resin is 40 J / m or more.

The writing implement according to any one of claims 1 to 3, wherein the main solvent of the writing implement ink is at least one selected from alcohols having 4 or more carbon atoms in the molecule, polyhydric alcohols, and glycol monoethers. Parts.

The member for a writing instrument according to any one of claims 1 to 4, wherein an olefin-based resin and / or a polyethylene resin is used as the modifying component for softening the cyclic olefin-based resin.

The writing instrument member according to any one of claims 1 to 4, wherein a modifier containing a butadiene component and / or an acrylic rubber component is used as the modifying component for softening the cyclic olefin-based resin.

The member for a writing instrument according to any one of claims 1 to 6, wherein the cyclic olefin-based resin is an ethylene-tetracyclodosene copolymer.