JP2004066570A - Laminated film - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくとも2層からなる積層フィルムに関する。更に詳しくは、軟質塩化ビニルフィルムやビニロンフィルムに匹敵し得る軟質フィルムとして、柔軟性、耐熱性、腰の強さ、機械的強度等を兼ね備えた積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平6−226933号公報、特開平7−314621号公報、特開平7−276584号公報、特開平6−218892号公報、特開平6−921号公報に積層フィルムが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、柔軟性、耐熱性、腰の強さ、低温ヒートシール性等に優れるフィルムの提供を目的とする。
また、本発明は上記のような特徴から、各種用途、例えば、食品包装、繊維包装等の包装用フィルム、輸液バッグ等のメディカル用途、金属保護フィルム、粘着テープの基材、土木・建築分野における建材用フィルム等に好適に用いられるフィルムの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、下記(A1)〜(A4)の特徴を有する非晶性ポリプロピレン(A)0〜100重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)0〜100重量%とを含有してなる層(X)と、
下記(A1)〜(A4)の特徴を有する非晶性ポリプロピレン(A)0〜100重量%(100重量%を除く)と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)0〜100重量%(0重量%を除く)とを含有してなる層(Y)とが、少なくとも2層に積層され、
(X)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量が(Y)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量より大きいことを特徴とする積層フィルムを提供すること。
(A)非晶性ポリプロピレンの特徴
(A1)非晶性ポリプロピレンは、プロピレン成分含有率が50重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜50重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜20重量%である。
(A2)溶融粘度(190℃)が1000〜25000cps。
(A3)沸騰n−ヘプタン不溶分が20%以下。
(A4)結晶化度が11〜25%。
【0005】
本発明の第2は、(Y)層が、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)からなることを特徴とする積層フィルムを提供すること。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィンは、下記(A1)〜(A4)の特徴を有する非晶性ポリプロピレン(A)0〜100重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)0〜100重量%とを含有してなる層(X)と、
下記(A1)〜(A4)の特徴を有する非晶性ポリプロピレン(A)0〜100重量%(100重量%を除く)と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)0〜100重量%(0重量%を除く)とを含有してなる層(Y)とが、少なくとも2層に積層され、
(X)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量が(Y)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量より大きいことを特徴とする積層フィルムである。
さらに本発明のポリオレフィンは、(Y)層が、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)からなる積層フィルムが好ましい。
(A)非晶性ポリプロピレンの特徴
(A1)非晶性ポリプロピレンは、プロピレン成分含有率が50重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜50重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜20重量%である。
(A2)溶融粘度(190℃)が1000〜25000cps。
(A3)沸騰n−ヘプタン不溶分が20%以下。
(A4)結晶化度が11〜25%。
【0007】
本発明のX層は、非晶性ポリプロピレン(A)と、さらに必要なら結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)を含有してなるポリオレフィン組成物であり、
好ましくは非晶性ポリプロピレン(A)15〜85重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)85〜15重量%とを含有してなるポリオレフィン組成物であり、
さらに好ましくは非晶性ポリプロピレン(A)20〜80重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)80〜20重量%とを含有してなるポリオレフィン組成物であり、
特に好ましくは非晶性ポリプロピレン(A)25〜75重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)75〜25重量%とを含有してなるポリオレフィン組成物である。
非晶性ポリプロピレン(A)成分の含有量が上記範囲内では、十分な機械的強度を有し、低弾性で柔軟なフィルム成形物を得ることが出来る。
【0008】
本発明のY層は、非晶性ポリプロピレン(A)と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)を含有してなるポリオレフィン組成物であり、
好ましくは非晶性ポリプロピレン(A)0〜70重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)100〜30重量%とを含有してなるポリオレフィン組成物であり、
さらに好ましくは非晶性ポリプロピレン(A)0〜50重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)100〜50重量%とを含有してなるポリオレフィン組成物であり、
特に好ましくは非晶性ポリプロピレン(A)0〜30重量%と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)100〜70重量%とを含有してなるポリオレフィン組成物である。
非晶性ポリプロピレン(A)成分の含有量が上記範囲内では、十分な機械的強度を有し、低弾性で柔軟なフィルム成形物を得ることが出来る。
【0009】
本発明の積層フィルムでは、(X)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量が(Y)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量より大きいことにより、(X)層はフィルムの柔軟性に寄与し、(Y)層は表面粘着性防止機能を果たす。
【0010】
本発明の積層フィルムでは、(X)層の引張破壊強さと(Y)層の引張破壊強さは、[(X)層の引張破壊強さ]≦[(Y)層の引張破壊強さ]の関係が好ましく、(X)層はフィルムの柔軟性に寄与し、(Y)層は機械強度に寄与するために好ましい。
本発明の積層フィルムでは、(X)層の引張弾性率と(Y)層の引張弾性率は、[(X)層の引張弾性率]≦[(Y)層の引張弾性率]の関係が好ましく、(X)層はフィルムの柔軟性に寄与し、(Y)層は機械強度に寄与するために好ましい。
【0011】
本発明の積層フィルムにおいて、(X)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)と(Y)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)とは、同じでもよく、異なっていてもよい。
本発明の積層フィルムにおいて、(X)層に含まれる結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)と、(Y)層に含まれる結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)とは、同じでもよく、異なっていてもよい。
【0012】
(A2)非晶性ポリプロピレンの溶融粘度(190℃)は、1000〜25000cpsであり、好ましくは3000〜25000cpsであり、さらに好ましくは5000〜25000cpsであり、特に好ましくは7000〜25000cpsである。
【0013】
(A3)非晶性ポリプロピレンの沸騰n−ヘプタン不溶分が20%以下であり、好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
(A3)非晶性ポリプロピレンの沸騰n−ヘプタン不溶分が上記範囲内では、充分な柔軟性を得ることが出来る。
【0014】
(A4)非晶性ポリプロピレンの結晶化度は、11〜25%であり、好ましくは12〜25%であり、さらに好ましくは14〜22%であり、特に好ましくは15〜20%である。
(A4)非晶性ポリプロピレンの結晶化度が上記範囲内では、得られる組成物の表面粘着性が大きくなることがなく、充分な柔軟性を有し、耐ブリード性に優れる。
【0015】
さらに(A5)非晶性ポリプロピレンの数平均分子量(Mn)は、好ましくは3000〜20000であり、さらに好ましくは4000〜20000であり、特に好ましくは6000〜20000である。
(A5)非晶性ポリプロピレンの数平均分子量(Mn)が3000未満では、得られる組成物の表面粘着性が大きくなる場合があり好ましくなく、また凝集力が小さくなり、得られる組成物の引張伸び、弾性率の低下をまねく場合があるため好ましくない。
【0016】
(A1)非晶性ポリプロピレンは、プロピレン成分含有率が50重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜50重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜20重量%であり、
好ましくはプロピレン成分含有率が50重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜45重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜15重量%であり、
さらに好ましくはプロピレン成分含有率が50重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜40重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜10重量%であり、
特に好ましくはプロピレン成分含有率が60重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜35重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜5重量%である。
1−ブテン含有量が上記範囲より55重量%では、得られる組成物の表面粘着性が大きくなり好ましくなく、55重量%より大きい場合、軟化点が低くなり、経済的にも高価なものとなるため好ましくない。
【0017】
(A1)非晶性ポリプロピレンは、好ましくはプロピレン成分含有率が50〜100重量%及び1−ブテン成分含有率が0〜50重量%であり、
さらに好ましくはプロピレン成分含有率が55重量%〜95重量%及び1−ブテン成分含有率が5〜45重量%であり、
特に好ましくはプロピレン成分含有率が60重量%〜90重量%及び1−ブテン成分含有率が10〜40重量%である。
1−ブテン含有量が上記範囲より55重量%では、得られる組成物の表面粘着性が大きくなり好ましくなく、55重量%より大きい場合、軟化点が低くなり、経済的にも高価なものとなるため好ましくない。
【0018】
炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)としては、エチレン、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1など鎖状α−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどの環状α−オレフィンなどを挙げることが出来る。
これらのα−オレフィンは一種類又は二種類以上を適宜組合せて用いることができる。これらα−オレフィンの中では、エチレンが好ましい。
【0019】
本発明の非晶性ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体などのプロピレン・1−ブテン・炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)共重合体、、プロピレン・エチレン共重合体などのプロピレン・炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)共重合体などを挙げることが出来る。
【0020】
本発明の非晶性ポリプロピレンの引張弾性率は、好ましくは100MPa以下、さらに好ましくは5〜80MPa以下、より好ましくは5〜60MPa以下、特に好ましくは5〜50MPaである。
本発明の非晶性ポリプロピレンの引張弾性率が上記範囲では、得られる積層フィルムの柔軟性が優れ、十分な機械的強度を有するために好ましい。
【0021】
本発明の非晶性ポリプロピレンは、公知のα−オレフィンの重合触媒を用いて得られる非晶性ポリプロピレンを用いることができる。
本発明の非晶性ポリプロピレンは、好ましくは、[A]マグネシウム、チタン、ハロゲン元素を必須とする触媒固体成分、
[B]有機アルミニウム化合物成分、並びに
[C]一般式(1)で表されるエーテル化合物成分
とを含むα−オレフィンの重合触媒を用いて得られる非晶性ポリプロピレンを用いることができる。
【化1】
(但し、(1)において、R1は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R2は炭素数1〜24の炭化水素基を示す)
【0022】
α−オレフィンの重合触媒において、[A]触媒固体成分としてマグネシウム、チタン、ハロゲン元素を必須とする触媒固体成分を用いることができ、好ましくは[A]触媒固体成分としてマグネシウム、チタン、ハロゲン元素を含むまたはマグネシウム、チタン、ハロゲン元素からなるマグネシウム化合物およびハロゲン化チタンを必須とする触媒固体成分を用いることが好ましい。
マグネシウム、チタンおよびハロゲン元素は、マグネシウム化合物とハロゲン化チタン化合物として用いることができ、[A]触媒固体成分としてマグネシウム化合物とハロゲン化チタン化合物とを必須とする触媒固体成分を用いることが好ましい。
【0023】
[A]触媒固体成分の製造方法は特に限定されないが、[A]触媒固体成分の代表的な製造方法として、(1)マグネシウム化合物と四塩化チタンなどのハロゲン化チタン化合物とを共粉砕する方法、(2)マグネシウム化合物と四塩化チタンなどのハロゲン化チタン化合物とを共粉砕した後、トルエンなどの溶媒中でさらに四塩化チタンと接触処理する方法、(3)溶媒にマグネシウム化合物を溶解し、この溶液にハロゲン化チタン化合物を添加して触媒固体を析出させる方法など公知の方法用いることが出来る。
【0024】
[A]触媒固体成分としてマグネシウム、またはマグネシウム化合物の具体例としては、エチルマグネシウムクロライド、プロピルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムアイオダイドなどのグリニャール化合物が挙げられる。
また、塩化マグネシウム、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エトキシ(メトキシ)マグネシウム、エトキシ(プロポキシ)マグネシウム、ブトキシ(エトキシ)マグネシウムなどが挙げられ、中でも塩化マグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウムが好ましい。これらのマグネシウム化合物は2種類以上併用して用いることもできる。
【0025】
マグネシウム、またはマグネシウム化合物の溶媒としては、例えば、ジエチルエ−テル、ジブチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、ジイソアミルエ−テル等の脂肪族エ−テル、テトラヒドロフランなどの脂肪族環状エ−テルを使用することができる。
【0026】
チタンおよびハロゲン元素は、ハロゲン化チタン化合物として用いることができる。
チタン、ハロゲン元素、またはハロゲン化チタン化合物の具体例としては、テトラクロロチタン、テトラブロモチタン、トリクロロモノブトキシチタン、トリブロモモノエトキシチタン、トリクロロモノイソプロポキシチタン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジブトキシチタン、モノクロロトリエトキシチタン、モノクロロトリブトキシチタンなどを挙げることができる。特に、テトラクロロチタン、トリクロロモノブトキシチタンが好ましい。
【0027】
α−オレフィンの重合触媒において、有機アルミニウム化合物成分[B]としては、アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライドなどが使用できるが、アルキルアルミニウムが好ましく、特に好ましいのはトリアルキルアルミニウムである。
有機アルミニウム化合物成分[B]の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。前記有機アルミニウム化合物成分は、単独で使用することもできるが、2種類以上混合させて使用することもできる。また、アルキルアルミニウムと水との反応によって得られるポリアルミノキサンも使用することができる。
【0028】
α−オレフィンの重合触媒において、エーテル化合物成分[C]は、一般式(1)で表されるエーテル化合物成分である。
【化2】
R1は炭素数1〜8の炭化水素基であり、炭素数1〜8の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられる。R1の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。特に好ましくはメチル基である。また、2個のR1は互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0029】
R2は炭素数1〜24の炭化水素基であり、炭素数1〜24の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられる。R2の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、ter−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。特に好ましくはメチル基、エチル基である。2個のR2は互いに同じであっても良いし異なっていても良い。
【0030】
エーテル化合物成分[C]の具体的な化合物としては、2,2−ジメトキシプロパン、2−エトキシ−2−メトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパン、2−エトキシ−2−プロポキシジメトキシシラン、2,2−ジプロポキシプロパン、2−プロポキシ−2−ブトキシプロパン、2,2−ジブトキシプロパン、2,2−ジメトキシブタン、2−エトキシ−2−メトキシブタン、2,2−ジエトキシブタン、2−エトキシ−2−プロポキシブタン、2,2−ジプロポキシブタン、2−プロポキシ−2−ブトキシブタン、2,2−ジブトキシブタン、3,3−ジメトキシペンタン、3−エトキシ−3−メトキシペンタン、3,3−ジエトキシペンタン、3−エトキシ−3−プロポキシペンタン、3,3−ジプロポキシペンタン、3−プロポキシ−3−ブトキシペンタン、3,3−ジブトキシペンタン、3,3−ジメトキシヘキサン、3−エトキシ−3−メトキシヘキサン、3,3−ジエトキシヘキサン、3−エトキシ−3−プロポキシヘキサン、3,3−ジプロポキシヘキサン、3−プロポキシ−3−ブトキシヘキサン、3,3−ジブトキシヘキサン、4,4−ジメトキシヘプタン、4−エトキシ−4−メトキシヘプタン、4,4−ジエトキシヘプタン、4−エトキシ−4−プロポキシヘプタン、4,4−ジプロポキシヘプタン、4−プロポキシ−4−ブトキシヘプタン、4,4−ジブトキシヘプタンなどが挙げられ、特に2,2−ジメトキシプロパンが好ましい。
【0031】
一般式(1)で表されるエーテル化合物成分[C]は、たとえば、アルコールとケトンの当量反応により得られるものを用いることが出来る。
【0032】
α−オレフィンの重合触媒において、触媒固体成分[A]、有機アルミニウム化合物成分[B]およびエーテル化合物成分[C]の各成分の使用量は、α−オレフィンが重合可能であれば、どのような配合割合でもよい。
触媒固体成分[A]と有機アルミニウム化合物成分[B]との使用量は、例えば、触媒固体成分[A]中のチタンと有機アルミニウム化合物とのモル比([有機アルミニウム化合物]/[チタン])は、好ましくは1〜10000の範囲、、さらに好ましくは2〜8000の範囲、より好ましくは5〜5000の範囲、特に好ましくは10〜1000の範囲が好ましい。
エーテル化合物成分[C]と有機アルミニウム化合物成分[B]との使用量は、エーテル化合物量と有機アルミニウム化合物成分[B]とのモル比([エーテル化合物]/[有機アルミニウム化合物])が、好ましくは0.001〜1の範囲が好ましく、特に0.01〜0.3の範囲が好ましい。
【0033】
α−オレフィンの重合触媒において、α−オレフィンを重合する場合、水素などの連鎖移動剤を併せて使用することができる。所望の分子量を有する軟質オレフィン重合体を製造するための水素の使用量は、重合方法及び重合条件によって、適宜決定することができるが、通常、水素/α−オレフィン分圧比が0.001〜0.5の範囲が好ましい。
【0034】
α−オレフィンの重合触媒の製造方法として、触媒の各成分の接触順序について特に制限はないが、触媒固体成分[A]と有機アルミニウム化合物成分[B]をあらかじめ接触してから、エーテル化合物成分[C]を接触させることが好ましく、または有機アルミニウム化合物成分[B]とエーテル化合物成分[C]をあらかじめ接触してから、触媒固体成分[A]を接触させることが好ましい。
【0035】
α−オレフィンの重合触媒を用いる重合方法としては、公知の重合方法に用いることができる。重合方法の具体例として、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの無極性溶媒を使用するスラリ−重合法、モノマ−を気体状態で触媒と接触して重合を行う気相重合法、あるいは液化状態のモノマ−を溶媒としてその中で重合させるバルク重合法などを挙げることが出来、特にバルク重合が好ましい。
また、上記重合方法で、1段重合、2段重合などの多段重合、連続重合、バッチ重合のいずれを行ってもよい。
重合圧力は、重合可能であればどのような圧力でもよく、好ましくは0.1〜10MPa、さらに好ましくは1〜6MPaの範囲が好ましい。重合温度は、重合可能であればどのような温度でもよく、好ましくは10〜150℃、さらに好ましくは30〜100℃、特に好ましくは50〜90℃の範囲が好ましい。重合時間は、重合可能であればどのような時間でもよく、好ましくは0.1〜10時間、さらに好ましくは0.5〜7時間の範囲が好ましい。
【0036】
α−オレフィンの重合触媒は、重合活性が好ましくは5000g/(g・hr)以上、さらに好ましくは7000g/(g・hr)以上、より好ましくは12000g/(g・hr)以上、特に好ましくは15000g/(g・hr)以上が好ましい。
【0037】
成分(B)は、本発明で用いる非晶性ポリプロピレンを除く、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される樹脂成分であり、結晶性ポリプロピレンを1種又は2種以上、及び/又はポリエチレンを1種又は2種以上とを組合わせて用いることができる。
【0038】
成分(B)の結晶性ポリプロピレンは、
公知の方法で重合することができ、押出成形用、射出成形用、ブロー成形用などとして通常市販されている結晶性ポリプロピレンを用いることが出来、プロピレン単独重合体でもよく、また、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜12のα−オレフィン50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下を含むブロック共重合体又はランダム共重合体を好ましく用いることができる。成分(B)の結晶性ポリプロピレンは、沸騰n−ヘプタン不溶分の量が35%以上、好ましくは37%以上、さらに好ましくは39%以上、特に好ましくは41重量%以上である。
成分(B)の結晶性ポリプロピレンの2.16Kg荷重におけるメルトフローレート(230℃)が、好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましくは0.1〜50g/10分、特に好ましくは0.1〜20g/10分である。
【0039】
成分(B)のポリエチレンは、公知の方法で重合することができ、
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレンの単独重合体、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、及びそのアイオノマーなどのうちから選ばれた1つ又は2つ以上のモノマーとの共重合体又は多元共重合体などを用いることができる。
上記炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、シクロヘキセンなどが挙げられる。
上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位は、通常、好ましくは15モル%以下の範囲、さらに好ましくは0.1〜10モル%の範囲で、特に好ましくは0.1〜8モル%の範囲で含まれている。α−オレフィンは、エチレン−α−オレフィン共重合体中に単独であっても、二種以上含まれていてもよい。
成分(B)のポリエチレンは、結晶性のポリエチレンが好ましく、密度0.90g/cm3以上のポリエチレンが好ましい。
成分(B)のポリエチレンの2.16Kg荷重におけるメルトフローレート(190℃)が、好ましくは0.1〜100g/10分、さらに好ましくは0.1〜50g/10分、特に好ましくは0.1〜20g/10分である。
【0040】
本発明において、非晶性ポリプロピレンと、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)の樹脂成分の調製方法は、特に制限されるものではなく、一般にポリオレフィンの製法で慣用されている方法、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどの混練機、1軸押出機または2軸押出機などを用いて加熱溶融混練して行うことができる。
【0041】
非晶性ポリプロピレン、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンは、変性したものを使用することができる。上記非晶性ポリプロピレン、結晶性ポリプロピレン又はポリエチレンを、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸および/またはそれらのエステル、酸無水物、金属塩などのその誘導体、不飽和物のアミド、アミノ化合物、グリシジルメタアクリレート、ヒドロキシメタアクリレート、少なくとも1つの末端ビニル基を有するシラン化合物などで変性して用いることができる。これらの変性物のうち無水マレイン酸、無水イタコン酸により変性されたものが好適に用いられ、より好適には無水マレイン酸により変性されたものが用いられる。
【0042】
(X)層と(Y)層は、本発明に用いる非晶性ポリプロピレン、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンを除く他のオレフィン重合体、ゴム、エラストマーなどの熱可塑性樹脂などの樹脂成分とブレンドして使用することもできる。
【0043】
(X)層と(Y)層は、高級脂肪酸、高級脂肪族アミド、金属せっけん、グリセリンエステル等の滑剤;天然シリカ、合成シリカ、シリケート類、タルク、珪藻土等のアンチブロッキング剤;ビタミンB、フェノール系、りん系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸塩、ハイドロタルサイト類化合物等の触媒失活剤・酸中和剤;ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、HALS等の紫外線吸収剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、りん系、ハロゲン系等の難燃剤;マイカ、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、亜鉛華、ウォラストナイト、けい藻土、けい砂、硫酸アルミニウム、軽石粉、シリカ、炭酸カルシウム、、ガラス(繊維も含む)、炭素繊維、カーボンブラック等の無機・有機充填剤;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、酸化鉄、群青等の顔料;帯電防止剤;界面活性剤、増核剤、可塑剤、防曇剤、抗菌剤、セラミックス、油脂などの従来公知の一般的な添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
【0044】
本発明の積層フィルムは、(X)層及び(Y)層を、通常、交互に積層して構成され、積層する(X)層及び(Y)層の積層数は特に制限されないが、少なくとも2層から構成され、最外層又はX層の両外面を形成する層の少なくとも1層が(Y)層で構成されることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、例えば、(Y)/(X)、(Y)/(X)/(Y)、(Y)/(X)/(Y)/(X)/(Y)、(Y)/(X)/(Z)、(Y)/(Z)/(X)、(Z)/(Y)/(X)/(Z)、(Z)/(Y)/(X)/(Y)/(Z)などのような積層組合わせで積層フィルムを構成することができる。
ここで(Z)層は、(X)層及び(Y)層を除く層である。
(X)層及び(Y)層の間又は外面に、他の熱可塑性樹脂層、例えば、ガスバリヤーを付与するためナイロン、エバール、ポリエステルなどを積層することができる。
(X)層及び(Y)層の間又は外面に、ナイロン、エバール、ポリエステルなど編織物や不織布、紙、クラフト、発泡樹脂などの緩衝体などを積層することができる。
本発明の積層フィルムは、(X)層の少なくとも片面に(Y)層を直接積層する積層フィルムが好ましく、さらに(X)層の両面に(Y)層を直接積層する積層フィルムが好ましい。
【0045】
本発明の積層フィルムにおいて、積層フィルムを構成する各層の厚さは、特に限定されるものでなく、任意に選択することができる。通常は、各層を約2〜1000μmの範囲に形成することが好ましい。また、(X)層と(Y)層との厚みの比率も、特に限定されるものでないが、好ましくは(X)層/(Y)層の厚み比が1/1〜20/1の範囲が好ましい。
本発明の積層フィルムの各層の厚さは、[(X)層≧(Y)層]の関係が、柔軟性に優れるために好ましい。
【0046】
本発明の積層フィルムの引張降伏強さは、好ましくは5〜60MPa、さらに好ましくは6〜40MPa、特に好ましくは8〜30MPaである。
本発明の積層フィルムの引張破壊強さは、好ましくは10〜100MPa、さらに好ましくは15〜80MPa、特に好ましくは20〜60MPaである。
本発明の積層フィルムの引張伸びは、好ましくは500%以上、さらに好ましくは 600%以上、特に好ましくは800%以上である。
本発明の積層フィルムの引張弾性率は、好ましくは60〜800MPa、さらに好ましくは80〜600MPa、特に好ましくは100〜500MPaである。
【0047】
本発明の積層フィルムにおいて、MD方向の引張降伏強さ(23℃)を、TD方向の引張降伏強さ(23℃)で除した値は、好ましくは0.9〜1.1、さらに好ましくは0.95〜1.05、特に好ましくは0.97〜1.03である。本発明の積層フィルムにおいて、MD方向の引張破壊強さ(23℃)を、TD方向の引張破壊強さ(23℃)で除した値は、好ましくは0.9〜1.1、さらに好ましくは0.95〜1.05、特に好ましくは0.97〜1.03である。本発明の積層フィルムにおいて、MD方向の引張弾性率(23℃)を、TD方向の引張弾性率(23℃)で除した値は、好ましくは0.9〜1.1、さらに好ましくは0.95〜1.05、特に好ましくは0.97〜1.03である。
本発明の積層フィルムにおいて、MD方向の引張伸び(23℃)を、TD方向の引張伸び(23℃)で除した値は、好ましくは0.8〜1.2、さらに好ましくは0.85〜1.15、特に好ましくは0.9〜1.1である。
【0048】
本発明の積層フィルムにおいて、X層とY層とは、共押出し又はラミネートにより、或いは接着剤など他の層を介して積層することができる。製造法の一例として、例えば、積層数に見合う押出機を用いて溶融押出し、Tダイ法又はインフレーション法等の公知の方法で溶融状態で積層した後、冷却ロール、水冷又は空冷で冷却する方法を用いて、積層フィルムとすることができる。
【0049】
本発明の積層フィルムは、印刷性、ラミネート、粘着剤塗布性を向上させるために表面処理を行うことができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理、マット処理、エンボス処理等が挙げられ、本発明においてはいずれの方法をも用いることができる。連続処理が可能であり、フィルムの製造過程の巻取り工程前に容易に実施可能であることから、プラズマ処理、火炎処理及びコロナ放電処理、マット処理、エンボス処理等が好ましく、これらの中でも簡便さの点からコロナ放電処理が最も好ましい。
また、本積層フィルムを一軸又は二軸延伸加工、圧空、真空成形等することもできる。
【0050】
本発明の積層フィルムは、上記のように積層、冷却、固化された後、必要に応じ上記のような処理をした後、巻き取られて次工程、例えば、印刷、ラミネート、粘着剤塗布、ヒートシール等の二次加工工程を経て目的とする用途に使用することができる。
【0051】
本発明の積層フィルムは上記のような特徴から、各種用途、例えば、食品包装、繊維包装等の各種の包装用フィルム、輸液バッグ、医療用テープ、医療用シート等のメディカル用途、金属保護フィルム、自動車・建築分野におけるカーペット裏打ち材、粘着テープの基材、土木・建築分野における建材用フィルムやシート、ケーブルの絶縁体、繊維、テープ用基材、コーティング材などに好適に用いられる材料である。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
以下に本発明の実施例を説明する。
【0053】
▲1▼溶融粘度(190℃): α−オレフィン重合体(8g)を採取し、ブルックフィールドRVT粘度計ModelDV−IIを用い、ASTM・D3236に準拠して190℃における粘度を測定する。ずり速度は、3.4sec−1(10回転)で行う。
【0054】
▲2▼非晶性ポリプロピレンのブテン含量の測定[重量%]: カトーテック株式会社製ホットプレスにて、100μm厚のスペーサーを用い、100μm厚のフィルムを作成する。このフィルムをパーキンエルマー製FT−IR1600シリーズを用いて4500〜400cm−1を走査し、ブテンに帰属する766cm−1のピーク面積とプロピレンに帰属する4320cm−1のピーク面積から、数式(1)によりブテン含量(重量%)を算出する。
ホットプレスは、予熱190℃設定:2分、加圧100kg/cm2にて2分、冷却20℃で2分の条件で行う。
【数1】
【0055】
▲3▼機械的特性の評価:
カトーテック株式会社製ホットプレスにて、1mm厚のスペーサーを用い、1mm厚のフィルムを作成する。ホットプレスは、予熱190℃設定:5分、加圧100kg/cm2にて3分、加圧冷却20℃で100kg/cm2にて2分の条件で行う。
この1mm厚のフィルムを、23℃の恒温室に48時間放置した後、ダンベル状1号形の打ち抜き型を用いて打ち抜き、さらに23℃の恒温室に1時間放置し、試験片とする。試験片の厚みは、Mitutoyoコーポレーション製厚み計タイプIDA−112M(0.001mm)を用いて測定する。
引張り試験は、テンシロン万能試験機(RTM−1T)を用い、23℃で引張り速度5mm/分、チャック間距離50mm、チャート送り速度500mm/分で測定する。
引張り弾性率は、引張応力−ひずみ曲線の最初の直線部分の延長線(接線)とチャートの10cmとの交点の応力(F)を測定し、数式(2)に従い算出する。
【数2】
【0056】
▲4▼非晶性ポリプロピレンのブリードアウト: ブリードアウトは粘着性の評価である。 カトーテック株式会社製ホットプレスにて、1mm厚のスペーサーを用い、試料をテフロンシートに挟み、1mm厚のフィルムを作成する。ホットプレスは、予熱190℃設定:5分、加圧100kg/cm2にて3分、加圧冷却20℃で100kg/cm2にて2分の条件で行う。
ホットプレスで用いるテフロンシートから1mm厚のフィルムを剥がし、この1mm厚のフィルムを新たなテフロンフィルムに挟み、23℃の恒温室で1ヶ月放置した後、フィルムおよびテフロンフィルムの表面状態を目視ないし触手で観察し、以下の評価を行う。
評価は、
○:フィルム表面にブリードアウト成分が見られない状態で、フィルム表面がほとんど又は全くべたつきを感じない、
×:シート表面にブリードアウト成分が見られる状態で、テフロンフィルムが一部濡れている、
××:シート表面にブリードアウト成分が見られる状態で、テフロンフィルムが一面濡れている。
【0057】
▲5▼積層フィルムのブリードアウト: 100μm厚の積層体をテフロンフィルムに挟み、80℃の恒温室で30日放置した後、積層体及びテフロンフィルムの表面状態を目視ないし触手で観察する。
【0058】
▲6▼沸騰n−ヘプタン不溶分の測定:
α−オレフィン重合体約2gを乾燥した筒状ろ紙に入れて、その重量を測定した後、二重管式ソックスレー抽出器にセットした。n−ヘプタン150gをこのソックスレー容器に入れ、加熱して、10時間、沸騰還流させ、非晶性ポリプロピレン中の溶解成分を抽出する。その後、沸騰n−ヘプタン不溶分の残った筒状ろ紙を取出し、恒量になるまで減圧乾燥し、その重量を測定した。沸騰n−ヘプタン抽出前後の重量比から数式(3)により沸騰n−ヘプタン不溶分を算出する。
【数3】
【0059】
▲7▼結晶化度の測定:広角X線回析反射測定により行う。測定条件は、装置:リガク社製 回転対陰極型X線回析装置RINT2500型、X線:CuKα、試料台:標準試料台、フィルタ:全自動モノクロメーター、カウンタ:シンチレーションカウンター、管電圧:40kV、管電流:130mA、走査速度:10°/分、走査範囲:3〜140°、スリット:DS/SS/RS=0.5°/0.5°/0.15mmで行い、解析は、Ruland法により結晶化度を算出する。
【0060】
[実験例1]
(1)触媒固体成分[A]の調製:
直径16mmのステンレスボール60個の入った内容積450mlの粉砕用ポットに窒素雰囲気下で、無水塩化マグネシウム10gおよび四塩化チタン2mlを入れ、振動ボールミルに装着して30時間粉砕した。粉砕終了後、粉砕物2gを窒素雰囲気下でスターラーピースおよびG4のガラスフィルターを備えた容量200mlの2連球に入れ、蒸留・脱水トルエン30ml、四塩化チタン20mlを順次導入し、90℃で2時間攪拌反応させた。その後、熱時ろ過し、蒸留・脱水ヘプタン50mlで5回、固形成分を洗浄した。その後、蒸留・脱水へプタン50mlでスラリー化した。得られた固形成分はTiを2.0wt%含有していた。
【0061】
(2)非晶性ポリプロピレンの重合
攪拌機付の内容積2Lのステンレス製オ−トクレ−ブ内を窒素で充分置換した後、蒸留・脱水へプタン10mlを入れ、触媒固体成分[A]のn−ヘプタンスラリ−を触媒固体成分として10mg(Ti=0.004mmol)、有機アルミニウム化合物成分[B]としてトリエチルアルミニウム2.2mmol、エーテル化合物成分[C]として2,2−ジメトキシプロパン0.04mmolを仕込んだ。続いて、ゲージ圧で水素2.6kg/cm2導入後、液化1−ブテン480ml、液化プロピレン720mlを順次導入してオ−トクレ−ブを振とうした。オ−トクレ−ブを68℃に昇温し、68℃で1時間重合を行った。
重合終了後、未反応モノマーを放出し、酸化防止剤(イルガノックス1010)0.5gおよびエタノール2mlを溶解したn−ヘプタン500mlをオートクレーブ内に注入し、引き続き68℃で30分攪拌を行った。その後オートクレーブを開放し、アルミニウム製のバットに溶解した重合体を取り出し、60℃で12時間真空乾燥した。得られた重合体Aの特性を表1に示す。
【0062】
[実験例2]
実験例1の(2)非晶性ポリプロピレンの重合において、エーテル化合物成分[C]を用いず、水素圧をゲージ圧で1.2kg/cm2、液化1−ブテンを420ml、液化プロピレンを780ml仕込んだ以外は実施例1と同様に重合を行った。得られた重合体Bの特性を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
[実施例1〜4]
(X)層を構成する樹脂組成物として、重合体A(非晶性ポリプロピレン)と、ランダムポリプロピレン[PP−1(三井住友ポリオレフィン社製、商品名ポリプロピレンF221、MFR(230℃):0.7g/10分、エチレン含有量:3.1重量%)]とを、50/50の重量比で混合し、温度200℃で30分間溶融混練して調製した樹脂組成物を用いた。得られた樹脂組成物の機械的特性(23℃)は、引張破断強さが23.1MPaであり、引張伸びが800%以上であり、引張弾性率が136MPaであった。
(Y)層として、ランダムポリプロピレン[PP−2(三井住友ポリオレフィン社製、商品名ポリプロピレンF239、MFR(230℃):9g/10分、エチレン含有量:4重量%)]を用いた。
プラスチック光学研究所製600mm巾の3層Tダイ成形機を用いて、表2に示すフィルム厚み、層構成及び層構成比を有するY層/X層/Y層の3層積層フィルムを作成した。得られた3層積層フィルムの特性を測定し、その結果を表2に示す。
表2において、積層フィルムの引取方向をMD、引取方向に対し垂直方向をTDとする。
【0065】
[比較例1〜4]
(X)層を構成する樹脂組成物として、重合体B(非晶性ポリプロピレン)と、ランダムポリプロピレン[PP−1(三井住友ポリオレフィン社製、商品名ポリプロピレンF221、MFR(230℃):0.7g/10分、エチレン含有量:3.1重量%)]とを、50/50の重量比で混合し、温度200℃で30分間溶融混練して調製した樹脂組成物を用いた。
(Y)層として、ランダムポリプロピレン[PP−2(三井住友ポリオレフィン社製、商品名ポリプロピレンF239、MFR(230℃):9g/10分、エチレン含有量:4重量%)]を用いた。
プラスチック光学研究所製600mm巾の3層Tダイ成形機を用いて、表2に示すフィルム厚み、層構成及び層構成比を有するY層/X層/Y層の3層積層フィルムを作成した。得られた3層積層フィルムの特性を測定し、その結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも2層からなる、軟質塩化ビニルフィルムやビニロンフィルムに匹敵し得る軟質フィルムとして、柔軟性、耐熱性、腰の強さ、機械的強度等を兼ね備えた積層フィルムを提供することが出来る。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminated film having at least two layers. More specifically, the present invention relates to a laminated film having flexibility, heat resistance, stiffness, mechanical strength, and the like as a soft film comparable to a soft vinyl chloride film or a vinylon film.
[0002]
[Prior art]
Laminated films are disclosed in JP-A-6-226933, JP-A-7-314621, JP-A-7-276584, JP-A-6-218892 and JP-A-6-921.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a film having excellent flexibility, heat resistance, stiffness, low-temperature heat sealability, and the like.
In addition, the present invention has various uses from the above-described features, for example, food packaging, packaging films such as fiber packaging, medical applications such as infusion bags, metal protective films, base materials for adhesive tapes, and civil engineering and construction fields. An object of the present invention is to provide a film suitably used as a film for building materials.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
A first aspect of the present invention is that 0 to 100% by weight of an amorphous polypropylene (A) having the following characteristics (A1) to (A4), and 0 to 100% by weight of a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene. %) And a layer (X) containing
Amorphous polypropylene (A) having the following characteristics (A1) to (A4): 0 to 100% by weight (excluding 100% by weight), and component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene: 0 to 100% by weight % (Excluding 0% by weight) and at least two layers,
Provided is a laminated film, wherein the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the (X) layer is larger than the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the (Y) layer.
(A) Features of amorphous polypropylene
(A1) The amorphous polypropylene has a propylene component content of 50% by weight or more, a 1-butene component content of 0 to 50% by weight and / or an α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (having a carbon number of 3 to 12). (Excluding 4) component content is 0 to 20% by weight.
(A2) Melt viscosity (190 ° C.) is 1000 to 25000 cps.
(A3) Boiling n-heptane insoluble content is 20% or less.
(A4) Crystallinity is 11 to 25%.
[0005]
A second aspect of the present invention is to provide a laminated film, wherein the (Y) layer comprises a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The polyolefin of the present invention comprises 0 to 100% by weight of an amorphous polypropylene (A) having the following characteristics (A1) to (A4), and 0 to 100% by weight of a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene. A layer (X) containing:
Amorphous polypropylene (A) having the following characteristics (A1) to (A4): 0 to 100% by weight (excluding 100% by weight), and component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene: 0 to 100% by weight % (Excluding 0% by weight) and at least two layers,
A laminated film characterized in that the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the layer (X) is larger than the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the layer (Y).
Further, the polyolefin of the present invention is preferably a laminated film in which the (Y) layer is composed of the component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene.
(A) Features of amorphous polypropylene
(A1) The amorphous polypropylene has a propylene component content of 50% by weight or more, a 1-butene component content of 0 to 50% by weight and / or an α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (having a carbon number of 3 to 12). (Excluding 4) component content is 0 to 20% by weight.
(A2) Melt viscosity (190 ° C.) is 1000 to 25000 cps.
(A3) Boiling n-heptane insoluble content is 20% or less.
(A4) Crystallinity is 11 to 25%.
[0007]
The X layer of the present invention is a polyolefin composition containing an amorphous polypropylene (A) and, if necessary, a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene,
Preferably, a polyolefin composition containing 15 to 85% by weight of an amorphous polypropylene (A) and 85 to 15% by weight of a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene,
More preferably, it is a polyolefin composition comprising 20 to 80% by weight of an amorphous polypropylene (A) and 80 to 20% by weight of a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene,
Particularly preferred is a polyolefin composition containing 25 to 75% by weight of amorphous polypropylene (A) and 75 to 25% by weight of component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene.
When the content of the amorphous polypropylene (A) component is within the above range, a flexible film molded product having sufficient mechanical strength and low elasticity can be obtained.
[0008]
The Y layer of the present invention is a polyolefin composition containing an amorphous polypropylene (A) and a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene,
Preferably, it is a polyolefin composition containing 0 to 70% by weight of amorphous polypropylene (A) and 100 to 30% by weight of component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene,
More preferably, it is a polyolefin composition comprising 0 to 50% by weight of amorphous polypropylene (A) and 100 to 50% by weight of a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene,
Particularly preferred is a polyolefin composition containing 0 to 30% by weight of amorphous polypropylene (A) and 100 to 70% by weight of component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene.
When the content of the amorphous polypropylene (A) component is within the above range, a flexible film molded product having sufficient mechanical strength and low elasticity can be obtained.
[0009]
In the laminated film of the present invention, since the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the layer (X) is larger than the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the layer (Y), The layer contributes to the flexibility of the film, and the (Y) layer performs the function of preventing surface tackiness.
[0010]
In the laminated film of the present invention, the tensile fracture strength of the (X) layer and the tensile fracture strength of the (Y) layer are as follows: [tensile fracture strength of (X) layer] ≦ [tensile fracture strength of (Y) layer] Is preferable because the layer (X) contributes to the flexibility of the film, and the layer (Y) contributes to the mechanical strength.
In the laminated film of the present invention, the tensile modulus of the (X) layer and the tensile modulus of the (Y) layer have a relationship of [tensile modulus of the (X) layer] ≦ [tensile modulus of the (Y) layer]. Preferably, the (X) layer contributes to the flexibility of the film and the (Y) layer contributes to the mechanical strength.
[0011]
In the laminated film of the present invention, the amorphous polypropylene (A) contained in the layer (X) and the amorphous polypropylene (A) contained in the layer (Y) may be the same or different.
In the laminated film of the present invention, a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene contained in the (X) layer and a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene contained in the (Y) layer May be the same or different.
[0012]
(A2) The amorphous polypropylene has a melt viscosity (190 ° C.) of 1,000 to 25,000 cps, preferably 3,000 to 25,000 cps, more preferably 5,000 to 25,000 cps, and particularly preferably 7000 to 25,000 cps.
[0013]
(A3) The amorphous polypropylene has a boiling n-heptane insoluble content of not more than 20%, preferably not more than 15%, more preferably not more than 10%, particularly preferably not more than 5%.
(A3) When the boiling n-heptane insoluble content of the amorphous polypropylene is within the above range, sufficient flexibility can be obtained.
[0014]
(A4) The crystallinity of the amorphous polypropylene is 11 to 25%, preferably 12 to 25%, more preferably 14 to 22%, and particularly preferably 15 to 20%.
(A4) When the crystallinity of the amorphous polypropylene is within the above range, the resulting composition does not have high surface tackiness, has sufficient flexibility, and is excellent in bleed resistance.
[0015]
Further, the number average molecular weight (Mn) of the amorphous polypropylene (A5) is preferably from 3,000 to 20,000, more preferably from 4,000 to 20,000, particularly preferably from 6,000 to 20,000.
(A5) When the number average molecular weight (Mn) of the amorphous polypropylene is less than 3,000, the resulting composition may have a large surface tackiness, which is not preferable. However, it is not preferable because the elastic modulus may be lowered.
[0016]
(A1) The amorphous polypropylene has a propylene component content of 50% by weight or more, a 1-butene component content of 0 to 50% by weight and / or an α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (having a carbon number of 3 to 12). 4) except that the component content is 0 to 20% by weight;
Preferably, the content of the propylene component is 50% by weight or more, the content of the 1-butene component is 0 to 45% by weight, and / or the content of the α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (excluding 3 and 4 carbon atoms). Is 0 to 15% by weight,
More preferably, the propylene content is 50% by weight or more, the 1-butene content is 0 to 40% by weight, and / or an α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (excluding 3 and 4 carbon atoms). The rate is from 0 to 10% by weight,
Particularly preferably, the content of the propylene component is 60% by weight or more, the content of the 1-butene component is 0 to 35% by weight, and / or the content of an α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (excluding 3 and 4 carbon atoms). The rate is from 0 to 5% by weight.
If the 1-butene content is more than 55% by weight from the above range, the resulting composition will have an undesirably high surface tackiness, and if it is more than 55% by weight, the softening point will be low and the composition will be economically expensive. Therefore, it is not preferable.
[0017]
(A1) The amorphous polypropylene preferably has a propylene component content of 50 to 100% by weight and a 1-butene component content of 0 to 50% by weight,
More preferably, the propylene content is 55 to 95% by weight and the 1-butene content is 5 to 45% by weight,
Particularly preferably, the content of the propylene component is 60 to 90% by weight and the content of the 1-butene component is 10 to 40% by weight.
If the 1-butene content is more than 55% by weight from the above range, the resulting composition will have an undesirably high surface tackiness, and if it is more than 55% by weight, the softening point will be low and the composition will be economically expensive. Therefore, it is not preferable.
[0018]
Examples of the α-olefin having 2 to 12 carbon atoms (excluding C3 and C4) include ethylene, pentene-1, hexene-1, heptene-1, octene-1, nonene-1, decene-1, 4-methyl Examples thereof include chain α-olefins such as pentene-1, 4-methylhexene-1, and 4,4-dimethylpentene-1, and cyclic α-olefins such as cyclopentene and cyclohexene.
These α-olefins can be used alone or in appropriate combination of two or more kinds. Among these α-olefins, ethylene is preferred.
[0019]
As the amorphous polypropylene of the present invention, a propylene homopolymer, a propylene / 1-butene copolymer, a propylene / 1-butene / ethylene copolymer such as propylene / 1-butene / α- Olefin (excluding C3 and C4) copolymers and propylene / C2-C12 α-olefin (excluding C3 and C4) copolymers such as propylene / ethylene copolymers Can be done.
[0020]
The tensile modulus of the amorphous polypropylene of the present invention is preferably 100 MPa or less, more preferably 5 to 80 MPa or less, more preferably 5 to 60 MPa or less, and particularly preferably 5 to 50 MPa.
When the tensile elastic modulus of the amorphous polypropylene of the present invention is in the above range, the resulting laminated film is excellent in flexibility and preferably has sufficient mechanical strength.
[0021]
As the amorphous polypropylene of the present invention, an amorphous polypropylene obtained by using a known α-olefin polymerization catalyst can be used.
The amorphous polypropylene of the present invention is preferably [A] a catalyst solid component essentially containing magnesium, titanium and a halogen element;
[B] an organoaluminum compound component, and
[C] An ether compound component represented by the general formula (1)
Amorphous polypropylene obtained using an α-olefin polymerization catalyst containing the following can be used.
Embedded image
(However, in (1), R 1 Represents a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms; 2 Represents a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms)
[0022]
In the α-olefin polymerization catalyst, a catalyst solid component essentially containing magnesium, titanium, and a halogen element can be used as the catalyst solid component [A], and magnesium, titanium, and a halogen element are preferably used as the catalyst solid component [A]. It is preferable to use a catalyst solid component that contains or contains magnesium, titanium, a magnesium compound composed of a halogen element and titanium halide as essential components.
Magnesium, titanium and a halogen element can be used as a magnesium compound and a titanium halide compound, and it is preferable to use a solid catalyst component which essentially contains a magnesium compound and a titanium halide compound as the catalyst solid component [A].
[0023]
[A] The method for producing the solid catalyst component is not particularly limited. [A] A typical method for producing the solid catalyst component is (1) a method of co-milling a magnesium compound and a titanium halide compound such as titanium tetrachloride. (2) a method of co-milling a magnesium compound and a titanium halide compound such as titanium tetrachloride and then subjecting the magnesium compound to contact treatment with titanium tetrachloride in a solvent such as toluene; (3) dissolving the magnesium compound in a solvent; A known method such as a method of adding a titanium halide compound to this solution to precipitate a catalyst solid can be used.
[0024]
[A] Specific examples of magnesium or magnesium compound as the catalyst solid component include ethyl magnesium chloride, propyl magnesium chloride, butyl magnesium chloride, hexyl magnesium chloride, octyl magnesium chloride, ethyl magnesium bromide, propyl magnesium bromide, butyl magnesium bromide, Grignard compounds such as ethylmagnesium iodide are exemplified.
Further, magnesium chloride, dimethoxy magnesium, diethoxy magnesium, dipropoxy magnesium, dibutoxy magnesium, ethoxy (methoxy) magnesium, ethoxy (propoxy) magnesium, butoxy (ethoxy) magnesium and the like, among which magnesium chloride, diethoxy magnesium, Dipropoxy magnesium is preferred. These magnesium compounds can be used in combination of two or more.
[0025]
As a solvent for magnesium or a magnesium compound, for example, aliphatic ethers such as diethyl ether, dibutyl ether, diisopropyl ether and diisoamyl ether, and aliphatic cyclic ethers such as tetrahydrofuran can be used. it can.
[0026]
Titanium and a halogen element can be used as a titanium halide compound.
Specific examples of titanium, a halogen element, or a titanium halide compound include tetrachlorotitanium, tetrabromotitanium, trichloromonobutoxytitanium, tribromomonoethoxytitanium, trichloromonoisopropoxytitanium, dichlorodiethoxytitanium, and dichlorodibutoxytitanium. And monochlorotriethoxytitanium and monochlorotributoxytitanium. Particularly, tetrachlorotitanium and trichloromonobutoxytitanium are preferred.
[0027]
In the α-olefin polymerization catalyst, as the organoaluminum compound component [B], alkylaluminum, alkylaluminum halide and the like can be used, but alkylaluminum is preferable, and trialkylaluminum is particularly preferable.
Specific examples of the organoaluminum compound component [B] include trimethylaluminum, triethylaluminum, tri-n-propylaluminum, triisobutylaluminum, trihexylaluminum, and trioctylaluminum. The organoaluminum compound component can be used alone, or can be used as a mixture of two or more kinds. Further, a polyaluminoxane obtained by reacting an alkyl aluminum with water can also be used.
[0028]
In the α-olefin polymerization catalyst, the ether compound component [C] is an ether compound component represented by the general formula (1).
Embedded image
R 1 Is a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms, and examples thereof include an unsaturated or saturated aliphatic hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms. R 1 Specific examples of methyl, ethyl, n-propyl, iso-propyl, n-butyl, iso-butyl, ter-butyl, sec-butyl, n-pentyl, iso-pentyl Group, cyclopentyl group, n-hexyl group, cyclohexyl group, n-heptyl group, n-octyl group and the like. Particularly preferred is a methyl group. Also, two R 1 May be the same or different.
[0029]
R 2 Is a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms, and examples thereof include an unsaturated or saturated aliphatic hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms. R 2 Specific examples of methyl, ethyl, n-propyl, iso-propyl, n-butyl, iso-butyl, ter-butyl, sec-butyl, n-pentyl, iso-pentyl Group, cyclopentyl group, n-hexyl group, cyclohexyl group, n-heptyl group, n-octyl group and the like. Particularly preferred are a methyl group and an ethyl group. Two R 2 May be the same or different.
[0030]
Specific compounds of the ether compound component [C] include 2,2-dimethoxypropane, 2-ethoxy-2-methoxypropane, 2,2-diethoxypropane, 2-ethoxy-2-propoxydimethoxysilane, 2-dipropoxypropane, 2-propoxy-2-butoxypropane, 2,2-dibutoxypropane, 2,2-dimethoxybutane, 2-ethoxy-2-methoxybutane, 2,2-diethoxybutane, 2-ethoxy -2-propoxybutane, 2,2-dipropoxybutane, 2-propoxy-2-butoxybutane, 2,2-dibutoxybutane, 3,3-dimethoxypentane, 3-ethoxy-3-methoxypentane, 3,3 -Diethoxypentane, 3-ethoxy-3-propoxypentane, 3,3-dipropoxypentane, 3-propo C-3-butoxypentane, 3,3-dibutoxypentane, 3,3-dimethoxyhexane, 3-ethoxy-3-methoxyhexane, 3,3-diethoxyhexane, 3-ethoxy-3-propoxyhexane, 3, 3-dipropoxyhexane, 3-propoxy-3-butoxyhexane, 3,3-dibutoxyhexane, 4,4-dimethoxyheptane, 4-ethoxy-4-methoxyheptane, 4,4-diethoxyheptane, 4-ethoxy Examples thereof include -4-propoxyheptane, 4,4-dipropoxyheptane, 4-propoxy-4-butoxyheptane, and 4,4-dibutoxyheptane, and 2,2-dimethoxypropane is particularly preferable.
[0031]
As the ether compound component [C] represented by the general formula (1), for example, a compound obtained by an equivalent reaction of an alcohol and a ketone can be used.
[0032]
The amount of each of the catalyst solid component [A], the organoaluminum compound component [B], and the ether compound component [C] used in the polymerization catalyst of the α-olefin is determined as long as the α-olefin can be polymerized. The mixing ratio may be used.
The amount of the catalyst solid component [A] and the organoaluminum compound component [B] used is, for example, the molar ratio of titanium to the organoaluminum compound in the catalyst solid component [A] ([organoaluminum compound] / [titanium]). Is preferably in the range of 1 to 10000, more preferably in the range of 2 to 8000, more preferably in the range of 5 to 5000, and particularly preferably in the range of 10 to 1000.
The amount of the ether compound component [C] and the organoaluminum compound component [B] used is preferably a molar ratio of the amount of the ether compound to the organoaluminum compound component [B] ([ether compound] / [organoaluminum compound]). Is preferably in the range of 0.001 to 1, and particularly preferably in the range of 0.01 to 0.3.
[0033]
When polymerizing an α-olefin in a polymerization catalyst for an α-olefin, a chain transfer agent such as hydrogen can be used in combination. The amount of hydrogen used to produce a soft olefin polymer having a desired molecular weight can be appropriately determined depending on the polymerization method and polymerization conditions, and usually, the hydrogen / α-olefin partial pressure ratio is 0.001 to 0. .5 is preferred.
[0034]
As a method for producing the polymerization catalyst for α-olefin, there is no particular limitation on the order of contact of each component of the catalyst, but the catalyst solid component [A] and the organoaluminum compound component [B] are brought into contact in advance, and then the ether compound component [ It is preferable to contact the organoaluminum compound component [B] with the ether compound component [C] before contacting the catalyst solid component [A].
[0035]
As a polymerization method using an α-olefin polymerization catalyst, a known polymerization method can be used. Specific examples of the polymerization method include a slurry polymerization method using a non-polar solvent such as butane, pentane, hexane, heptane, and octane, a gas phase polymerization method in which a monomer is polymerized by contact with a catalyst in a gaseous state, or liquefaction. A bulk polymerization method in which a monomer in a state is polymerized in a solvent as a solvent can be used, and bulk polymerization is particularly preferable.
Further, any of multi-stage polymerization such as one-stage polymerization, two-stage polymerization, continuous polymerization, and batch polymerization may be performed by the above polymerization method.
The polymerization pressure may be any pressure as long as polymerization is possible, and is preferably in the range of 0.1 to 10 MPa, more preferably 1 to 6 MPa. The polymerization temperature may be any temperature as long as the polymerization is possible, preferably 10 to 150 ° C, more preferably 30 to 100 ° C, and particularly preferably 50 to 90 ° C. The polymerization time may be any time as long as polymerization is possible, and is preferably in the range of 0.1 to 10 hours, more preferably 0.5 to 7 hours.
[0036]
The polymerization activity of the α-olefin polymerization catalyst is preferably 5000 g / (g · hr) or more, more preferably 7000 g / (g · hr) or more, more preferably 12000 g / (g · hr) or more, and particularly preferably 15000 g. / (G · hr) or more is preferable.
[0037]
The component (B) is a resin component selected from crystalline polypropylene and polyethylene, excluding the amorphous polypropylene used in the present invention, and one or more crystalline polypropylene and / or one or more polyethylene Two or more kinds can be used in combination.
[0038]
The crystalline polypropylene of the component (B)
It can be polymerized by a known method, and it is possible to use crystalline polypropylene that is usually commercially available for extrusion molding, injection molding, blow molding, and the like, and it may be a propylene homopolymer, or propylene and propylene. Excluding the block 2 to 12 carbon atoms, the block copolymer contains 50% by weight or less, preferably 30% by weight or less, more preferably 20% by weight or less, more preferably 10% by weight or less, and particularly preferably 5% by weight or less. A coalesced or random copolymer can be preferably used. The crystalline polypropylene of the component (B) has a boiling n-heptane insoluble content of at least 35%, preferably at least 37%, more preferably at least 39%, particularly preferably at least 41% by weight.
The melt flow rate (230 ° C.) of the crystalline polypropylene of the component (B) at a load of 2.16 kg is preferably 0.1 to 100 g / 10 min, more preferably 0.1 to 50 g / 10 min, and particularly preferably 0. 0.1-20 g / 10 min.
[0039]
The polyethylene of the component (B) can be polymerized by a known method,
Low-density polyethylene, homopolymer of ethylene such as high-density polyethylene, copolymer of ethylene and α-olefin having 3 to 10 carbon atoms, ethylene and vinyl acetate, vinyl ester such as vinyl propionate, methyl acrylate, acrylic Use of a copolymer or a multi-component copolymer with one or more monomers selected from unsaturated carboxylic esters such as ethyl acrylate, methyl methacrylate, and ethyl methacrylate, and ionomers thereof. Can be.
Examples of the α-olefin having 3 to 10 carbon atoms include propylene, butene-1, pentene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1, octene-1, and cyclohexene.
The repeating unit derived from the α-olefin of the copolymer of ethylene and α-olefin is usually preferably in the range of 15 mol% or less, more preferably in the range of 0.1 to 10 mol%, and particularly preferably. Is contained in the range of 0.1 to 8 mol%. The α-olefin may be used alone in the ethylene-α-olefin copolymer or may be contained in two or more kinds.
The polyethylene of the component (B) is preferably crystalline polyethylene, and has a density of 0.90 g / cm. 3 The above polyethylenes are preferred.
The melt flow rate (190 ° C.) of the component (B) polyethylene at a load of 2.16 kg is preferably 0.1 to 100 g / 10 min, more preferably 0.1 to 50 g / 10 min, and particularly preferably 0.1. 2020 g / 10 min.
[0040]
In the present invention, the method of preparing the amorphous polypropylene and the resin component of the component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene is not particularly limited, and is generally a method commonly used in the production of polyolefins, For example, kneading with a kneader such as a kneader, a Banbury mixer, a roll, or the like, a single-screw extruder, a twin-screw extruder, or the like can be used to perform the heat-melting kneading.
[0041]
Amorphous polypropylene, crystalline polypropylene, and polyethylene can be modified. The above-mentioned amorphous polypropylene, crystalline polypropylene or polyethylene is converted into, for example, unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, ethacrylic acid, maleic acid, fumaric acid, itaconic acid and / or their esters, and acid anhydrides. And derivatives thereof such as metal salts, unsaturated amides, amino compounds, glycidyl methacrylate, hydroxy methacrylate, and silane compounds having at least one terminal vinyl group. Among these modified products, those modified with maleic anhydride and itaconic anhydride are preferably used, and those modified with maleic anhydride are more preferably used.
[0042]
The (X) layer and the (Y) layer are used by blending with a resin component such as thermoplastic resin such as olefin polymer, rubber and elastomer other than amorphous polypropylene, crystalline polypropylene and polyethylene used in the present invention. You can also.
[0043]
The (X) layer and the (Y) layer are formed of a lubricant such as higher fatty acid, higher aliphatic amide, metal soap, glycerin ester; an anti-blocking agent such as natural silica, synthetic silica, silicates, talc, diatomaceous earth; vitamin B, phenol -Based, phosphorus-based, sulfur-based antioxidants; catalyst deactivators and acid neutralizers such as stearates and hydrotalcite compounds; ultraviolet absorbers such as benzophenone, benzotriazole and HALS; aluminum hydroxide; Magnesium hydroxide, phosphorus-based, halogen-based flame retardants; mica, calcium carbonate, clay, silica, talc, barium sulfate, calcium sulfate, calcium sulfite, zinc white, wollastonite, diatomaceous earth, silica sand, aluminum sulfate , Pumice powder, silica, calcium carbonate, glass (including fiber), carbon fiber, carbon bra Inorganic and organic fillers such as azo, phthalocyanine, quinacridone, iron oxide, ultramarine blue and other pigments; antistatic agents; surfactants, nucleating agents, plasticizers, antifogging agents, antibacterial agents, ceramics, Conventionally known general additives such as oils and fats can be appropriately compounded as needed.
[0044]
The laminated film of the present invention is generally constituted by alternately laminating (X) layers and (Y) layers, and the number of laminated (X) layers and (Y) layers is not particularly limited. It is preferable that at least one of the outermost layers or the layers forming both outer surfaces of the X layer is constituted by the (Y) layer.
The laminated film of the present invention includes, for example, (Y) / (X), (Y) / (X) / (Y), (Y) / (X) / (Y) / (X) / (Y), ( Y) / (X) / (Z), (Y) / (Z) / (X), (Z) / (Y) / (X) / (Z), (Z) / (Y) / (X) / (Y) / (Z) can constitute a laminated film by a lamination combination such as.
Here, the (Z) layer is a layer excluding the (X) layer and the (Y) layer.
Another thermoplastic resin layer, for example, nylon, eval, polyester or the like can be laminated between the (X) layer and the (Y) layer or on the outer surface thereof in order to provide a gas barrier.
Between the (X) layer and the (Y) layer or on the outer surface, a knitted or woven fabric such as nylon, eval, or polyester, a nonwoven fabric, a buffer such as paper, kraft, or foamed resin can be laminated.
The laminated film of the present invention is preferably a laminated film in which the (Y) layer is directly laminated on at least one surface of the (X) layer, and more preferably a laminated film in which the (Y) layer is directly laminated on both surfaces of the (X) layer.
[0045]
In the laminated film of the present invention, the thickness of each layer constituting the laminated film is not particularly limited, and can be arbitrarily selected. Usually, it is preferable to form each layer in a range of about 2 to 1000 μm. The thickness ratio between the (X) layer and the (Y) layer is not particularly limited, but preferably the thickness ratio of the (X) layer / (Y) layer is in the range of 1/1 to 20/1. Is preferred.
The thickness of each layer of the laminated film of the present invention is preferably such that [(X) layer ≧ (Y) layer] is excellent in flexibility.
[0046]
The tensile yield strength of the laminated film of the present invention is preferably 5 to 60 MPa, more preferably 6 to 40 MPa, and particularly preferably 8 to 30 MPa.
The tensile breaking strength of the laminated film of the present invention is preferably 10 to 100 MPa, more preferably 15 to 80 MPa, and particularly preferably 20 to 60 MPa.
The tensile elongation of the laminated film of the present invention is preferably at least 500%, more preferably at least 600%, particularly preferably at least 800%.
The tensile elastic modulus of the laminated film of the present invention is preferably from 60 to 800 MPa, more preferably from 80 to 600 MPa, and particularly preferably from 100 to 500 MPa.
[0047]
In the laminated film of the present invention, the value obtained by dividing the tensile yield strength in the MD direction (23 ° C.) by the tensile yield strength in the TD direction (23 ° C.) is preferably 0.9 to 1.1, and more preferably 0.9 to 1.1. 0.95 to 1.05, particularly preferably 0.97 to 1.03. In the laminated film of the present invention, the value obtained by dividing the tensile strength in the MD (23 ° C.) by the tensile strength in the TD (23 ° C.) is preferably 0.9 to 1.1, and more preferably 0.9 to 1.1. 0.95 to 1.05, particularly preferably 0.97 to 1.03. In the laminated film of the present invention, the value obtained by dividing the tensile modulus in the MD direction (23 ° C.) by the tensile modulus in the TD direction (23 ° C.) is preferably 0.9 to 1.1, and more preferably 0.1 to 1.1. It is from 95 to 1.05, particularly preferably from 0.97 to 1.03.
In the laminated film of the present invention, the value obtained by dividing the tensile elongation (23 ° C.) in the MD direction by the tensile elongation (23 ° C.) in the TD direction is preferably 0.8 to 1.2, more preferably 0.85 to 1.2. 1.15, particularly preferably 0.9 to 1.1.
[0048]
In the laminated film of the present invention, the X layer and the Y layer can be laminated by coextrusion or lamination, or via another layer such as an adhesive. As an example of the production method, for example, melt extrusion using an extruder suitable for the number of layers, after laminating in a molten state by a known method such as T-die method or inflation method, a cooling roll, a method of cooling with water cooling or air cooling. It can be used as a laminated film.
[0049]
The laminated film of the present invention can be subjected to a surface treatment to improve printability, lamination, and adhesive applicability. Examples of the surface treatment method include a corona discharge treatment, a plasma treatment, a flame treatment, an acid treatment, a mat treatment, and an emboss treatment. In the present invention, any method can be used. Plasma treatment, flame treatment and corona discharge treatment, mat treatment, emboss treatment, etc. are preferred because continuous treatment is possible and can be easily performed before the winding step in the film manufacturing process, and among these, simplicity is preferred. In view of this, the corona discharge treatment is most preferable.
In addition, the present laminated film can be subjected to uniaxial or biaxial stretching, compressed air, vacuum forming, or the like.
[0050]
The laminated film of the present invention is laminated, cooled, and solidified as described above, and after being subjected to the above-described treatment as necessary, wound up in the next step, for example, printing, laminating, applying an adhesive, and heating. It can be used for the intended use through secondary processing steps such as sealing.
[0051]
From the above characteristics, the laminated film of the present invention has various applications, for example, food packaging, various packaging films such as fiber packaging, infusion bags, medical tapes, medical applications such as medical sheets, metal protective films, It is a material suitably used for a carpet backing material in the automobile / construction field, a base material of an adhesive tape, a construction material film or sheet in a civil engineering / construction field, a cable insulator, a fiber, a tape base material, a coating material, and the like.
[0052]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples. However, the present invention is not limited by the following examples.
Hereinafter, examples of the present invention will be described.
[0053]
{Circle around (1)} Melt viscosity (190 ° C.): An α-olefin polymer (8 g) is sampled, and its viscosity at 190 ° C. is measured using a Brookfield RVT viscometer Model DV-II according to ASTM D3236. Shear speed is 3.4 sec -1 (10 rotations).
[0054]
{Circle around (2)} Measurement of butene content of amorphous polypropylene [% by weight]: Using a hot press manufactured by Kato Tech Co., Ltd., a 100 μm thick film is prepared using a 100 μm thick spacer. This film was measured for 4500 to 400 cm using FT-IR1600 series manufactured by PerkinElmer. -1 To 766 cm belonging to butene -1 Peak area and 4320 cm attributed to propylene -1 The butene content (% by weight) is calculated by the formula (1) from the peak area of (1).
Hot press: preheating 190 ° C setting: 2 minutes, pressurization 100kg / cm 2 And cooling at 20 ° C. for 2 minutes.
(Equation 1)
[0055]
(3) Evaluation of mechanical properties:
Using a 1 mm thick spacer, a 1 mm thick film is produced by a hot press manufactured by Kato Tech Co., Ltd. Hot press: preheating 190 ° C setting: 5 minutes, pressurization 100kg / cm 2 100kg / cm at 20 ° C under pressure and cooling for 3 minutes 2 At 2 minutes.
After leaving this 1 mm thick film in a constant temperature room at 23 ° C. for 48 hours, it is punched using a dumbbell-shaped No. 1 punching die, and further left in a constant temperature room at 23 ° C. for 1 hour to prepare a test piece. The thickness of the test piece is measured using a thickness meter type IDA-112M (0.001 mm) manufactured by Mitutoyo Corporation.
The tensile test is performed using a Tensilon universal tester (RTM-1T) at 23 ° C. at a tensile speed of 5 mm / min, a distance between chucks of 50 mm, and a chart feed speed of 500 mm / min.
The tensile elastic modulus is calculated according to the formula (2) by measuring the stress (F) at the intersection of an extension (tangent) of the first straight line portion of the tensile stress-strain curve and 10 cm of the chart.
(Equation 2)
[0056]
{Circle around (4)} Bleed-out of amorphous polypropylene: Bleed-out is an evaluation of tackiness. Using a hot press manufactured by Kato Tech Co., Ltd., the sample is sandwiched between Teflon sheets using a 1 mm thick spacer to form a 1 mm thick film. Hot press: preheating 190 ° C setting: 5 minutes, pressurization 100kg / cm 2 100kg / cm at 20 ° C under pressure and cooling for 3 minutes 2 At 2 minutes.
A 1 mm thick film is peeled off from the Teflon sheet used in the hot press, the 1 mm thick film is sandwiched between new Teflon films, and left in a constant temperature room at 23 ° C. for one month. And the following evaluation is performed.
Evaluation,
:: little or no stickiness is felt on the film surface with no bleed-out component on the film surface,
×: Teflon film partially wet with bleed-out component seen on sheet surface,
XX: Teflon film is wet on one side with bleed-out components observed on the sheet surface.
[0057]
{Circle around (5)} Bleed-out of laminated film: A laminated body having a thickness of 100 μm is sandwiched between Teflon films and left in a constant temperature room at 80 ° C. for 30 days.
[0058]
(6) Measurement of boiling n-heptane insolubles:
About 2 g of the α-olefin polymer was placed in a dried tubular filter paper, the weight thereof was measured, and then set in a double tube Soxhlet extractor. 150 g of n-heptane is put into this Soxhlet container, heated and boiled under reflux for 10 hours to extract the dissolved components in the amorphous polypropylene. Thereafter, the tubular filter paper remaining with the boiling n-heptane insoluble content was taken out, dried under reduced pressure until the weight became constant, and its weight was measured. From the weight ratio before and after extraction of boiling n-heptane, the boiling n-heptane-insoluble content is calculated by equation (3).
[Equation 3]
[0059]
{Circle around (7)} Measurement of crystallinity: Measured by wide-angle X-ray diffraction reflection measurement. Measurement conditions were as follows: Apparatus: Rigaku Corporation rotary anti-cathode X-ray diffractometer RINT2500, X-ray: CuKα, sample stage: standard sample stage, filter: fully automatic monochromator, counter: scintillation counter, tube voltage: 40 kV, Tube current: 130 mA, scanning speed: 10 ° / min, scanning range: 3 to 140 °, slit: DS / SS / RS = 0.5 ° / 0.5 ° / 0.15 mm, and the analysis was performed by the Ruland method. The crystallinity is calculated by
[0060]
[Experimental example 1]
(1) Preparation of catalyst solid component [A]:
Under a nitrogen atmosphere, 10 g of anhydrous magnesium chloride and 2 ml of titanium tetrachloride were placed in a crushing pot having an inner volume of 450 ml containing 60 stainless steel balls having a diameter of 16 mm, and the mixture was crushed for 30 hours by mounting on a vibration ball mill. After the completion of the pulverization, 2 g of the pulverized material was put in a 200-ml double ball equipped with a stirrer piece and a G4 glass filter under a nitrogen atmosphere, and 30 ml of distilled / dehydrated toluene and 20 ml of titanium tetrachloride were sequentially introduced. The mixture was stirred for an hour. Thereafter, the mixture was filtered while hot, and the solid component was washed five times with 50 ml of distilled and dehydrated heptane. Thereafter, the slurry was made into a slurry with 50 ml of distilled and dehydrated heptane. The obtained solid component contained 2.0 wt% of Ti.
[0061]
(2) Polymerization of amorphous polypropylene
After sufficiently replacing the inside of a stainless steel autoclave having an internal volume of 2 L with a stirrer with nitrogen, 10 ml of distilled and dehydrated heptane was added, and 10 mg of n-heptane slurry of the catalyst solid component [A] was used as the catalyst solid component. (Ti = 0.004 mmol), 2.2 mmol of triethylaluminum as the organoaluminum compound component [B], and 0.04 mmol of 2,2-dimethoxypropane as the ether compound component [C] were charged. Subsequently, at a gauge pressure of 2.6 kg / cm of hydrogen 2 After the introduction, 480 ml of liquefied 1-butene and 720 ml of liquefied propylene were sequentially introduced, and the autoclave was shaken. The autoclave was heated to 68 ° C. and polymerized at 68 ° C. for 1 hour.
After completion of the polymerization, unreacted monomers were released, and 0.5 g of an antioxidant (Irganox 1010) and 500 ml of n-heptane in which 2 ml of ethanol were dissolved were poured into the autoclave, followed by stirring at 68 ° C. for 30 minutes. Thereafter, the autoclave was opened, and the polymer dissolved in the aluminum vat was taken out and vacuum-dried at 60 ° C. for 12 hours. Table 1 shows the properties of the obtained polymer A.
[0062]
[Experimental example 2]
In the polymerization of (2) amorphous polypropylene in Experimental Example 1, the hydrogen pressure was set to a gauge pressure of 1.2 kg / cm without using the ether compound component [C]. 2 Polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 except that 420 ml of liquefied 1-butene and 780 ml of liquefied propylene were charged. Table 1 shows the properties of the obtained polymer B.
[0063]
[Table 1]
[0064]
[Examples 1 to 4]
As the resin composition constituting the (X) layer, a polymer A (amorphous polypropylene) and a random polypropylene [PP-1 (manufactured by Sumitomo Mitsui Polyolefin Co., Ltd., trade name: polypropylene F221, MFR (230 ° C.): 0.7 g) / 10 min, ethylene content: 3.1% by weight)], and the mixture was melt-kneaded at a temperature of 200 ° C. for 30 minutes to prepare a resin composition. The mechanical properties (23 ° C.) of the obtained resin composition were such that the tensile strength at break was 23.1 MPa, the tensile elongation was 800% or more, and the tensile modulus was 136 MPa.
As the (Y) layer, random polypropylene [PP-2 (manufactured by Sumitomo Mitsui Polyolefins, trade name: polypropylene F239, MFR (230 ° C): 9 g / 10 min, ethylene content: 4% by weight)] was used.
Using a three-layer T-die molding machine having a width of 600 mm manufactured by Plastic Optical Laboratory, a three-layer laminated film of Y layer / X layer / Y layer having a film thickness, a layer constitution and a layer constitution ratio shown in Table 2 was prepared. The properties of the obtained three-layer laminated film were measured, and the results are shown in Table 2.
In Table 2, the take-up direction of the laminated film is MD, and the direction perpendicular to the take-up direction is TD.
[0065]
[Comparative Examples 1-4]
As the resin composition constituting the (X) layer, a polymer B (amorphous polypropylene) and a random polypropylene [PP-1 (manufactured by Sumitomo Mitsui Polyolefin Co., Ltd., polypropylene F221, trade name: MFR (230 ° C.): 0.7 g) / 10 min, ethylene content: 3.1% by weight)], and the mixture was melt-kneaded at a temperature of 200 ° C. for 30 minutes to prepare a resin composition.
As the (Y) layer, random polypropylene [PP-2 (manufactured by Sumitomo Mitsui Polyolefins, trade name: polypropylene F239, MFR (230 ° C): 9 g / 10 min, ethylene content: 4% by weight)] was used.
Using a three-layer T-die molding machine having a width of 600 mm manufactured by Plastic Optical Laboratory, a three-layer laminated film of Y layer / X layer / Y layer having a film thickness, a layer constitution and a layer constitution ratio shown in Table 2 was prepared. The properties of the obtained three-layer laminated film were measured, and the results are shown in Table 2.
[0066]
[Table 2]
[0067]
【The invention's effect】
The present invention can provide a laminated film having flexibility, heat resistance, stiffness, mechanical strength, and the like as a flexible film composed of at least two layers and comparable to a flexible vinyl chloride film or a vinylon film. I can do it.
Claims (2)
下記(A1)〜(A4)の特徴を有する非晶性ポリプロピレン(A)0〜100重量%(100重量%を除く)と、結晶性ポリプロピレン及びポリエチレンから選択される成分(B)0〜100重量%(0重量%を除く)とを含有してなる層(Y)とが、少なくとも2層に積層され、
(X)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量が(Y)層に含まれる非晶性ポリプロピレン(A)の含有量より大きいことを特徴とする積層フィルム。
(A)非晶性ポリプロピレンの特徴
(A1)非晶性ポリプロピレンは、プロピレン成分含有率が50重量%以上であり、1−ブテン成分含有率が0〜50重量%及び/又は炭素数2〜12のα−オレフィン(炭素数3と4を除く)成分含有率が0〜20重量%である。
(A2)溶融粘度(190℃)が1000〜25000cps。
(A3)沸騰n−ヘプタン不溶分が20%以下。
(A4)結晶化度が11〜25%。It comprises 0 to 100% by weight of an amorphous polypropylene (A) having the following characteristics (A1) to (A4) and 0 to 100% by weight of a component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene. Layer (X);
Amorphous polypropylene (A) having the following characteristics (A1) to (A4): 0 to 100% by weight (excluding 100% by weight), and component (B) selected from crystalline polypropylene and polyethylene: 0 to 100% by weight % (Excluding 0% by weight) and at least two layers,
A laminated film, wherein the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the (X) layer is larger than the content of the amorphous polypropylene (A) contained in the (Y) layer.
(A) Features of Amorphous Polypropylene (A1) Amorphous polypropylene has a propylene component content of 50% by weight or more, a 1-butene component content of 0 to 50% by weight, and / or a carbon number of 2 to 12%. Α-olefin (excluding C3 and C4) component content of 0 to 20% by weight.
(A2) Melt viscosity (190 ° C.) is 1000 to 25000 cps.
(A3) Boiling n-heptane insoluble content is 20% or less.
(A4) Crystallinity is 11 to 25%.
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015143107A (en) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 昭和電工パッケージング株式会社 | Packaging material and molded case |
JP2018076127A (en) * | 2018-01-10 | 2018-05-17 | 昭和電工パッケージング株式会社 | Packing material and formed case |
-
2002
- 2002-08-05 JP JP2002227190A patent/JP2004066570A/en active Pending
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