JP2004066104A - 加工装置 - Google Patents

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JP2004066104A JP2002228709A JP2002228709A JP2004066104A JP 2004066104 A JP2004066104 A JP 2004066104A JP 2002228709 A JP2002228709 A JP 2002228709A JP 2002228709 A JP2002228709 A JP 2002228709A JP 2004066104 A JP2004066104 A JP 2004066104A
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Satoru Hirano
平野 悟
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Abstract

【課題】加工対象物に対して加工用流体物質を噴射して加工処理を行う加工装置において、被加工領域の大きさに応じた加工処理が可能であり、加工用流体物質の浪費を抑制できる加工装置を提供する。
【解決手段】第2加工装置2は、第2ガン移動機構部115において、サーボモータ125による回転運動をボールネジ133を用いて往復運動に変換して溶射ガン13を移動させて、酸素センサ17に対する溶射ガン13の相対位置を連続的に変化させている。これにより、溶射ガン13によるセラミックス原料の噴射領域を拡大でき、第2加工装置2は、保護被膜の形成領域の大きい酸素センサに対しても保護被膜の加工処理(噴射処理)が可能となる。また、保護被膜の形成面積を目的に応じた大きさに設定することで、目標部分以外の領域に噴射されるセラミックス原料の量を減少でき、セラミックス原料の浪費を防止できある。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工対象物に対して噴射部から加工用流体物質を噴射して、加工対象物を加工する加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加工対象物を加工するための加工装置として、加工対象物に対して加工用流体物質の噴射動作を行う噴射部を備えた加工装置が知られている。
例えば、噴射部としてのプラズマ溶射ガンを用いてセラミックス溶射を行うことで、酸素センサ素子に対して保護被膜を形成するための加工装置がある。
【0003】
このような加工装置は、噴射部の位置が固定されており、噴射部の噴射領域に加工対象物を配置したあと、噴射部による噴射動作を行うことで、加工対象物を加工するよう構成されている。
なお、噴射部を備える加工装置としては、例えば、噴射部としてのプラズマ溶射ガンを用いてセラミックス溶射を行うことで、酸素センサ素子に対して保護被膜を形成するための加工装置が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、噴射部の位置が固定された加工装置においては、噴射部と加工対象物との相対位置が常に一定に維持されることから、被噴射領域(被加工領域)の大きさが固定されるため、加工可能な加工対象物の種類が限定されるという問題がある。すなわち、被加工領域の大きい加工対象物においては、被加工領域が噴射部の噴射領域に収まらないために、加工処理が不可能となる虞がある。
【0005】
この問題に対しては、加工対象となる複数種類の加工対象物のうち被加工領域が最も大きい加工対象物を特定し、その加工対象物の被加工領域が収まる広い噴射領域に対して、加工用流体物質を噴射可能な噴射部を備えるとよい。これにより、被加工領域の大きさに依らず、いずれの加工対象物についても加工処理(噴射処理)が可能となる。
【0006】
しかし、このように噴射領域が広い噴射部を備える場合、被加工領域が小さい加工対象物に対する加工を行う際には、被加工領域以外の領域に噴射される加工用流体物質が多くなり、加工用流体物質が無駄に消費されるという問題が生じることになる。
【0007】
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、加工対象物に対して加工用流体物質を噴射して加工処理を行う加工装置において、被加工領域の大きさに応じた加工処理が可能であり、加工用流体物質の浪費を抑制できる加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、加工対象物に対して噴射部から加工用流体物質を噴射して、加工対象物を加工する加工装置であって、一連の加工手順に関する動作パラメータを設定するための操作設定手段と、操作設定手段により設定された動作パラメータに基づき定められる一連の加工手順に応じて、加工対象物に対する噴射部の相対位置を連続的に制御するための移動制御信号を出力する制御手段と、移動制御信号に基づいて噴射部を移動させる噴射部移動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
このように構成された加工装置は、加工対象物への噴射動作を行うにあたり、一連の加工手順に従い加工対象物に対する噴射部の相対位置を連続的に変化させることができる。そして、噴射部を連続的に移動させることで、噴射部による加工用流体物質の噴射領域を拡大することができ、被加工領域の大きい加工対象物に対して加工処理(噴射処理)を行うことができる。
【0010】
また、一連の加工手順が動作パラメータに基づき定められることから、加工対象物に応じて適切な加工手順を設定することができ、種類の異なる加工対象物のそれぞれに対して、適切な加工処理を施すことができる。例えば、噴射部の移動速度に関する動作パラメータを操作設定手段を用いて設定することで、噴射部の移動速度を加工対象物に応じて設定することができ、これにより被加工領域における単位面積あたりの加工用流体物質の噴射量を変更することができる。また、例えば、被加工領域が小さい加工対象物を加工する際には、その被加工領域の面積に応じた動作パラメータを操作設定手段を用いて設定することで、噴射部の移動範囲をその被加工領域の面積に応じて設定でき、被加工領域以外の領域に噴射される加工用流体物質の噴射量を減少できる。
【0011】
よって、本発明(請求項1)の加工装置によれば、加工対象物における被加工領域の大きさ(面積)に応じて加工処理を実行することができ、また、加工用流体物質の浪費を抑制することができる。
なお、上述(請求項1)の加工装置は、請求項2に記載のように、噴射部が、プラズマ溶射を行う溶射ガンであるとよい。
【0012】
つまり、プラズマ溶射を行う溶射ガンは、加工用流体物質として比較的高価な物質を噴射する用途に用いられることが多いことから、このような溶射ガンを備える加工装置に対して噴射部を連続的に移動させる上記発明を適用することで、加工用流体物質の浪費を抑制でき、コストの低減を図ることができる。
【0013】
次に、上述(請求項1または請求項2)の加工装置に備えられる噴射部移動手段は、請求項3のように、噴射部が少なくとも往復運動するように、噴射部を移動させるとよい。
つまり、噴射部が少なくとも往復運動することで、加工用流体物質の噴射領域を拡大することができ、被加工領域の大きい加工対象物に対する加工処理(噴射処理)が可能となる。また、往復運動における噴射部の往復範囲(往復距離)を変更することで、噴射領域を拡大あるいは縮小することができ、加工対象物に応じた噴射領域の設定が可能となる。
【0014】
そして、噴射部を往復運動させるためには、例えば、請求項4に記載のように、噴射部移動手段が、移動制御信号に基づいて回転駆動し、外部に回転運動を伝達する動力源である回転動力部と、回転動力部から伝達される回転運動を往復運動に変換して、噴射部を往復運動させる運動変換手段と、を備えるとよい。
【0015】
つまり、噴射部移動手段は、噴射部を移動させるための動力を必要とするが、動力源として一般に広く用いられている回転動力部を用いることで、コストの低減を図ることができる。なお、回転動力部としては、例えば、電動モータなどが挙げられる。そして、運動変換手段が、回転動力部から伝達される回転運動を往復運動に変換して、噴射部を往復運動させるのである。
【0016】
よって、本発明(請求項4)の加工装置によれば、噴射部を往復運動させることができ、加工用流体物質の噴射領域を拡大することができる。
そして、運動変換手段は、例えば、請求項5に記載のように、回転中心軸からの距離が異なる点の集合である環状の偏芯軌道部が形成されると共に、回転動力部による回転運動が伝達されて回転中心軸を中心に回転する偏芯カムと、噴射部が連結されると共に、偏芯軌道部に係合するカム係合部が形成された往復運動伝達部と、を備え、偏芯カムの回転に伴い偏芯軌道部におけるカム係合部との係合位置を変化させて、偏芯軌道部の回転角度に応じてカム係合部と回転中心軸との距離を変化させることにより、往復運動伝達部と共に噴射部を往復運動させるとよい。
【0017】
つまり、このように構成された運動変換手段においては、偏芯カムが回転中心軸を中心として回転すると、往復運動伝達部のうち偏芯軌道部との係合部分であるカム係合部は、偏芯カムの回転角度に応じて、回転中心軸までの距離が連続的に変化するように移動する。つまり、偏芯カムが回転することにより、往復運動伝達部のカム係合部は、回転中心軸に最も近くなる第1位置と、回転中心軸に最も遠くなる第2位置とがそれぞれ両端となる範囲において、往復運動を行うことになる。
【0018】
このように偏芯カムと往復運動伝達部を備える運動変換手段は、回転動力部による回転運動を往復運動に変換することができ、往復運動伝達部に固定された噴射部を、往復運動伝達部と共に往復運動させることができる。
よって、本発明(請求項5)の加工装置によれば、噴射部を移動できることから、加工対象物における被加工領域の大きさに応じて加工処理を実行することができ、また、加工用流体物質の浪費を抑制することができる。
【0019】
そして、上述(請求項4または請求項5)の加工装置は、請求項6に記載のように、運動変換手段と噴射部との連結部分に設けられ、運動変換手段に対して、噴射部を、運動変換手段による往復運動の運動方向に平行な方向に変位させる補助往復駆動手段を備えるとよい。
【0020】
つまり、運動変換手段とは別に補助往復駆動手段を備えることで、運動変換手段による往復運動範囲に対して補助往復駆動手段による変位範囲が加えられた広い範囲において、噴射部を移動させることが可能となる。
また、運動変換手段による往復運動時において、補助往復駆動手段が、運動変換手段による往復運動方向とは反対方向で、かつ往復距離よりも短い距離だけ噴射部を変位させることで、噴射部の実質的な往復距離(往復範囲)を短縮することができる。
【0021】
よって、本発明(請求項6)の加工装置によれば、噴射部の移動範囲(往復距離)をより小さい単位毎に設定変更することができ、被加工領域の大きさに応じて噴射領域を適切な大きさに設定することが可能となる。これにより、より多くの種類の加工対象物に対応した加工処理が実行可能となる。
【0022】
また、上述(請求項4)の加工装置は、例えば、請求項7に記載のように、回転動力部が、正回転および逆回転のいずれの回転方向にも回転可能に構成され、運動変換手段は、外周表面にネジ溝を有する長軸状に形成されると共に回転動力部による回転運動が伝達される雄ネジ状軸体と、噴射部が連結されると共に雄ネジ状軸体のネジ溝に係合するネジ溝係合部を有し、雄ネジ状軸体の軸線方向に移動する係合往復部と、を備えて構成され、雄ネジ状軸体の回転によりネジ溝係合部をネジ溝に沿って雄ネジ状軸対の軸線方向に移動させるにあたり、雄ネジ状軸体の回転方向を反転させてネジ溝に対するネジ溝係合部の移動方向を反対方向に転換して、係合往復部を往復運動させることにより、噴射部を往復運動させるとよい。
【0023】
つまり、雄ネジ状軸体と係合往復部とを備えた運動変換手段は、雄ネジ状軸体を回転させることで係合往復部を雄ネジ状軸体の軸線方向の一方向に移動させることができ、また、雄ネジ状軸体を反対方向に回転させることで、係合往復部を雄ネジ状軸体の軸線方向の反対方向に移動させることができる。このため、雄ネジ状軸体の回転方向を一定周期毎あるいは一定回転数毎に反転させて、正回転と逆回転とを繰り返し行うことにより、係合往復部は往復運動を行うことになる。
【0024】
このように雄ネジ状軸体と係合往復部とを備える運動変換手段は、回転動力部による回転運動を往復運動に変換することができ、係合往復部に固定された噴射部を、係合往復部と共に往復運動させることができる。
また、雄ネジ状軸体の回転方向を反転させるまでの周期あるいは回転数を変化させることで、係合往復部の往復距離(移動範囲)を変更できることから、被加工領域の大きさに応じて、回転方向の反転周期あるいは回転数を設定することで、噴射部の移動範囲を適切な範囲に設定することが可能となる。
【0025】
よって、本発明(請求項7)の加工装置によれば、噴射部を移動できることから、加工対象物における被加工領域の大きさに応じて加工処理を実行することができ、また、加工用流体物質の浪費を抑制することができる。
次に、上述(請求項6または請求項7)の加工装置は、請求項8に記載のように、操作設定手段が、動作パラメータとして、少なくとも往復運動の往復距離(ストローク長)を設定可能に構成されているとよい。
【0026】
上述した加工装置(運動変換手段および補助往復駆動手段を備える加工装置や、雄ネジ状軸体と係合往復部とを有する運動変換手段を備える加工装置)は、噴射部の往復運動の往復距離を変更可能な構成である。このため、往復運動の往復距離を設定可能に構成された操作設定手段を備えることで、一連の加工手順における噴射領域を容易に変更することができる。
【0027】
このような変更作業が可能となることで、例えば、偏芯カムを交換することで往復距離を変更する構成の加工装置に比べて、往復距離を変更するための変更作業に要する労力を低減することができる。
よって、本発明(請求項8)の加工装置によれば、加工対象物における被加工領域の大きさに応じて噴射領域を容易に設定することができ、一連の加工手順の内容を変更するための変更作業の煩雑さを解消することができる。
【0028】
そして、上述(請求項1から請求項8のいずれか)の加工装置は、請求項9に記載のように、加工対象物を保持すると共に、噴射部による噴射領域において加工対象物を回転させる加工対象物回転手段を備えるとよい。
つまり、加工対象物回転手段を備えることで、加工対象物の表面のうち一面だけではなく加工対象物の表面の全周に対して加工用流体物質を噴射する必要がある用途においても、本発明の加工装置を使用することが可能となる。
【0029】
よって、本発明(請求項9)の加工装置によれば、全周にわたり被加工領域が設けられた加工対象物に対しても加工処理を行うことができ、被加工領域の大きさに応じた加工処理が可能となる。
そして、加工対象物回転手段は、請求項10に記載のように、加工対象物を保持すると共に、外部から動力が供給されることで加工対象物を回転させる複数の回転保持部と、複数の回転保持部を噴射部による噴射領域に順次移動させる移動基台部と、噴射部による噴射領域に配置された回転保持部に対して回転用動力を供給する回転動力供給手段とを備えると良い。
【0030】
つまり、加工対象物回転手段における加工対象物の保持部分が、常に、噴射部による噴射領域に配置されている場合、保持部分への加工対象物の取付作業または取り外し作業を行うのと同時に、他の加工対象物に対する加工処理を行うことができない。それに対して、移動基台部が加工対象物を噴射領域に順次移動させる構成の加工装置は、回転保持部への加工対象物の取付作業または取外し作業を、噴射領域以外の場所で実行できるため、取付作業または取外し作業と同時に、他の加工対象物に対する加工処理を行うことができる。
【0031】
また、回転動力供給手段が、複数の回転保持部のうち、噴射部による噴射領域に配置された回転保持部に対して回転用動力を供給する構成とすることで、各回転保持部のそれぞれに回転用動力を発生するための動力発生手段を備える場合に比べて、動力発生手段の個数を削減することが出来る。また、動力発生手段の個数を削減することで、動力発生手段の制御処理を簡略化することができ、加工対象物回転手段の構造を簡略化できる。
【0032】
よって、本発明(請求項10)によれば、加工対象物の取付作業または取外し作業と同時に他の加工対象物に対する加工処理を実行できるため、加工作業の作業効率を向上させることができる。また、加工対象物回転手段の構造を簡略化できることから、加工装置の製造コストを低減することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず、第1実施例として、酸素センサの表面に保護被膜を形成するための加工処理を行う第1加工装置1について説明する。なお、第1加工装置1の構成図を図1に示す。
【0034】
第1加工装置1は、タッチパネル21および制御回路23を有する操作制御部11と、溶射ガン13を移動させるガン移動機構部15と、加工対象物である酸素センサ17を保持するセンサ保持回転機構部19とを備えて構成されている。操作制御部11におけるタッチパネル21は、使用者が加工手順に関する動作パラメータの設定操作を行うために備えられており、動作パラメータとして少なくとも溶射ガン13の往復距離(ストローク)や移動速度などを設定可能に構成されている。
【0035】
制御回路23は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を中心として構成されると共に、操作制御部11の内部に備えられており、マイコンでの内部処理として、タッチパネル21で設定された動作パラメータに基づいて一連の加工手順を設定する加工手順設定処理などの各種制御処理を実行する。
【0036】
また、制御回路23は、制御処理の一つとして、加工手順設定処理にて設定した加工手順に応じて、加工位置の酸素センサ17に対する溶射ガン13の相対位置を制御するためのガン移動制御信号を生成し、ガン移動機構部15に対してガン移動制御信号を出力するガン移動制御処理を実行する。なお、ガン移動制御処理では、ガン移動制御信号として、後述する駆動用モータ25を制御するための第1ガン移動制御信号と、後述するガン上下シリンダ41を制御するための第2ガン移動制御信号とを生成・出力する処理を行う。
【0037】
さらに、制御回路23は、制御処理の一つとして、一連の加工手順が完了する毎に酸素センサ17を順次加工位置に移動させるためのセンサ移動指令信号をセンサ保持回転機構部19に対して出力するセンサ移動制御処理を実行する。なお、センサ移動制御処理では、センサ移動指令信号として、後述するターンテーブル47を回転駆動する第1内部モータを制御するための第1センサ移動指令信号と、後述する回転当接ホイール53を回転駆動する第2内部モータを制御するための第2センサ移動指令信号とを生成・出力する処理を行う。
【0038】
つまり、操作制御部11は、使用者がタッチパネル21を通じて入力した動作パラメータに基づき一連の加工手順を設定し、その加工手順に応じたガン移動制御信号およびセンサ移動指令信号を、それぞれガン移動機構部15およびセンサ保持回転機構部19に対して出力するよう構成されている。
【0039】
ガン移動機構部15は、動力機構部24と、偏芯カム33と、往復運動機構部36と、ガン上下シリンダ41とを備えて構成されている。
動力機構部24は、駆動用モータ25と、クラッチブレーキ機構部27と、タイミングベルト29と、減速機31とを備えて構成されている。駆動用モータ25は、第1ガン移動制御信号に基づき回転駆動して外部に回転運動を伝達する動力源として備えられ、クラッチブレーキ機構部27,タイミングベルト29および減速機31は、駆動用モータ25の回転運動を偏芯カム33に伝達する駆動伝達部として備えられている。なお、減速機31は、駆動用モータ25から伝達される回転運動を、減速機回転軸32により伝達するよう構成されている。
【0040】
偏芯カム33は、外形が円盤形状に形成されると共に回転中心軸34を有して形成されており、さらに、円盤形状のうち平面となる面において、回転中心軸34とは異なる位置でかつ面の中心を中心とする円形状の溝部として形成された偏芯ガイド溝35が設けられている。ここで、図2に、偏芯カム33について、図1に示す図を正面図とした場合における偏芯カム33の右側面図を示す。図2より、偏芯ガイド溝35の円形の中心30(偏芯カム33の中心)が、回転中心軸34とは異なる位置にあることが判り、中心30と回転中心軸34との距離は、後述するカム係合部38の往復距離(ストローク長)の2分の1の長さになる。また、偏芯カム33の回転中心軸34は、減速機31の減速機回転軸32に連結されている。
【0041】
つまり、偏芯カム33は、駆動用モータ25による回転運動が減速機31などを介して伝達されて、回転中心軸34を中心に回転することで、カム係合部38を偏芯ガイド溝35に沿って移動させ、その結果、カム係合部38を往復運動させるよう構成されている。
【0042】
往復運動機構部36は、図1に示すように、第1往復運動伝達軸37と、シリンダ支持部39と、ガン上下シリンダ41と、バランスウエイト43とを備えて構成されている。
第1往復運動伝達軸37は、偏芯カム33の偏芯ガイド溝35に係合するカム係合部38を有する長軸形状に形成されると共に、長軸形状の略中央部分が、第1加工装置1の本体に固定された第1軸ガイド筒40の内部を第1軸ガイド筒40の軸方向に摺動可能に構成されている。このため、偏芯カム33が回転中心軸34を中心として回転すると、カム係合部38は、偏芯ガイド溝35の回転角度に応じて、回転中心軸34までの距離が連続的に変化するように移動する。つまり、偏芯カム33が回転することにより、カム係合部38は、回転中心軸34に最も近くなる最下位置と、回転中心軸34に最も遠くなる最上位置とがそれぞれ両端となる範囲において、往復運動を行うことになる。このようなカム係合部38の往復運動に伴い、第1往復運動伝達軸37も往復運動を行う。
【0043】
ここで、図3に、偏芯カム33の回転角度(図中では、カム絶対角度と記載した横軸)に対する第1往復運動伝達軸37の変位(図中では、ストロークと記載した縦軸)の関係を表す説明図を示す。なお、図3では、縦軸(ストローク)については、溶射ガン13の最上位置を0%とし、最下位置を100%として表し、横軸(カム絶対角)については、偏芯カム33が図2に示す状態(カム係合部38と回転中心軸34との距離が最も大きい状態)となる時の回転角度を0°(360°)として表している。そして、図3によれば、偏芯カム33の回転に伴いストロークが連続的に変化していることが判り、偏芯カム33が回転することで、カム係合部38、すなわち第1往復運動伝達軸37が往復運動することが判る。
【0044】
再び図1において、シリンダ支持部39は、第1往復運動伝達軸37と一体に固定されると共に、固定軸42に沿って往復運動するように構成されており、第1往復運動伝達軸37と共に往復運動する。なお、シリンダ支持部39は、ワイヤ44を介してバランスウエイト43と連結されている。
【0045】
ガン上下シリンダ41は、シリンダ支持部39に固定されると共に、シリンダ支持部39の往復運動方向に対して平行な方向に摺動する油圧シリンダを備えて構成されており、油圧シリンダのシリンダ摺動軸45の下端部に溶射ガン13が固定されている。なお、ガン上下シリンダ41は、第2ガン移動制御信号に応じて油圧シリンダのシリンダ摺動軸45を摺動するよう構成されている。すなわち、ガン上下シリンダ41は、第2ガン移動制御信号に基づいて、溶射ガン13をシリンダ支持部39の往復運動方向に対して平行な方向に移動させる。
【0046】
このように構成されたガン移動機構部15は、第1ガン移動制御信号に基づき駆動用モータ25が回転し、偏芯カム33およびカム係合部38が駆動用モータ25から伝達される回転運動を往復運動に変換して、第1往復運動伝達軸37およびシリンダ支持部39が往復運動することで、溶射ガン13を往復運動させている。また、ガン移動機構部15は、ガン上下シリンダ41を用いて溶射ガン13を移動させることにより、シリンダ支持部39による往復運動範囲に対して、ガン上下シリンダ41による摺動範囲が加えられた広い範囲において、溶射ガン13を移動させることが可能となる。さらに、シリンダ支持部39による往復運動時と同時期に、ガン上下シリンダ41が、シリンダ支持部39による往復運動方向とは反対方向でかつその往復距離よりも短い距離だけ溶射ガン13を変位させることで、溶射ガン13の実質的な往復距離(往復範囲)を短縮することができる。
【0047】
なお、操作制御部11の制御回路23は、シリンダ支持部39の往復運度に対してガン上下シリンダ41の摺動運動が重ね合わされた溶射ガン13の実質的な往復運動が、動作パラメータに基づき設定された加工手順に応じた運動状態となるように、第1ガン移動制御信号および第2ガン移動制御信号を生成・出力している。
【0048】
溶射ガン13は、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素などを電気的に加熱して発生させたプラズマを利用してセラミックスの原料粉末を溶融し、溶融したセラミックス原料を酸素センサ17の表面に吹きつけて、酸素センサ17の保護被膜を形成するプラズマ溶射ガンで構成されている。
【0049】
次に、センサ保持回転機構部19は、テーブル中心軸48を中心として回転する円盤形のターンテーブル47と、酸素センサ17を保持するためにターンテーブル47に備えられる複数の回転保持部49と、溶射ガン13の噴射領域(溶射領域)となる加工位置に配置された回転保持部49に対して回転動力を供給する回転動力供給部51とを備えている。
【0050】
回転保持部49は、ターンテーブル47の周方向にわたり等間隔に配置されており、ターンテーブル47と共にテーブル中心軸48を中心に回転移動し、また、保持した酸素センサ17をテーブル中心軸48に平行な回転軸を中心として回転可能に構成されている。また、回転保持部49は、ターンテーブル47よりも上側に配置される部分で酸素センサ17を保持し、ターンテーブル47よりも下側に配置される部分で回転動力供給部51と当接するように構成されている。
【0051】
ターンテーブル47は、円形の中心であるテーブル中心軸48を中心として回転可能に構成されており、テーブル中心軸48は、センサ保持回転機構部19の内部に備えられる第1内部モータの駆動軸に連結されている。そして、ターンテーブル47は、第1内部モータの駆動軸から伝達される回転力により一定角度回転することにより、回転保持部49に保持された酸素センサ17を溶射ガン13による噴射領域(加工位置)に配置する。また、ターンテーブル47は、噴射領域に配置された酸素センサ17への溶射ガン13による噴射処理が完了すると、次の酸素センサ17を噴射領域に配置するための回転動作を繰り返すことで、複数の酸素センサ17(回転保持部49)を溶射ガン13による噴射領域に順次移動させる。
【0052】
回転動力供給部51は、回転用動力を供給するための回転当接ホイール53を備えており、ターンテーブル47の回転によって溶射ガン13による噴射領域に配置された回転保持部49に対して、回転当接ホイール53が当接するよう構成されている。
【0053】
ここで、回転動力供給部51の平面図を、図4に示す。なお、図4では、回転保持部49を破線で表し、ターンテーブル47の回転により移動する回転保持部49の中心軸の移動軌跡50を二点鎖線で表している。
図4に示すように、回転動力供給部51は、アーム回動中心軸57を中心として回動可能な支持アーム55の一端に回転当接ホイール53を備えており、弾性スプリング59の弾性力により支持アーム55が回動されることで、回転当接ホイール53が回転保持部49に当接するよう構成されている。また、回転動力供給部51は、内部に備えられる第2内部モータの駆動軸に連結された駆動伝達ホイール56を備えている。そして、回転当接ホイール53は、タイミングベルト54を介して駆動伝達ホイール56に連結されており、第2内部モータからの回転力が伝達されて回転する。
【0054】
つまり、センサ保持回転機構部19は、ターンテーブル47の回転により、複数の酸素センサ17(回転保持部49)を溶射ガン13による噴射領域(加工位置)に順次配置し、回転動力供給部51により、噴射領域に配置された酸素センサ17をその位置で回転させるように構成されている。
【0055】
このように構成された第1加工装置1は、センサ保持回転機構部19により、酸素センサ17を加工位置に順次配置し、ガン移動機構部15により、セラミックス原料を噴射する溶射ガン13を移動させて、酸素センサ17の表面に保護被膜を形成するよう構成されている。
【0056】
なお、第1加工装置1においては、溶射ガン13が特許請求の範囲に記載の噴射部に相当し、タッチパネル21が操作設定手段に相当し、制御回路23が制御手段に相当し、ガン移動機構部15が噴射部移動手段に相当する。また、駆動用モータ25が特許請求の範囲に記載の回転動力部に相当し、偏芯カム33および第1往復運動伝達軸37が運動変換手段に相当し、第1往復運動伝達軸37が往復運動伝達部に相当し、ガン上下シリンダ41が補助往復駆動手段に相当する。さらに、センサ保持回転機構部19が特許請求の範囲に記載の加工対象物回転手段に相当し、回転保持部49が回転保持部に相当し、ターンテーブル47が移動基台部に相当し、回転動力供給部51が回転動力供給手段に相当する。また、酸素センサ17が特許請求の範囲に記載の加工対象物に相当し、セラミックス原料が加工用流体物質に相当する。
【0057】
以上説明したように、第1加工装置1は、ガン移動機構部15によって溶射ガン13を移動させて、酸素センサ17に対する溶射ガン13の相対位置を連続的に変化させることで、酸素センサ17の表面のうちセラミックス原料が吹き付けられる噴射位置(溶射位置)を、酸素センサ17の上下方向に移動させている。また、第1加工装置1は、センサ保持回転機構部19によって、酸素センサ17を回転させることで、酸素センサ17の表面のうちセラミックス原料が吹き付けられる噴射位置を、酸素センサ17の左右方向(周囲方向)に移動させている。
【0058】
このようにガン移動機構部15によって溶射ガン13を移動させることで、溶射ガン13によるセラミックス原料の噴射領域を拡大できることから、第1加工装置1は、保護被膜の形成領域の大きい酸素センサに対しても保護被膜の加工処理(噴射処理)を行うことができる。
【0059】
また、センサ保持回転機構部19により酸素センサ17を回転させることで、酸素センサ17の表面のうち一方向の面だけではなく全周にわたり保護被膜を形成することができる。つまり、第1加工装置1は、保護被膜の形成領域が平面形状である用途に限らず、保護被膜の形成領域が三次元的な複雑な形状となる用途においても使用でき、多様な形状の酸素センサに対して保護被膜を形成する加工処理を行うことが可能となる。
【0060】
そして、第1加工装置1は、操作制御部11のタッチパネル21から、溶射ガン13の往復距離(ストローク)や移動速度などの動作パラメータが設定可能であり、制御回路23が、設定された動作パラメータに基づき一連の加工手順を設定するよう構成されている。このため、使用者は、目的に応じて適切な加工手順を設定することができ、種類の異なる酸素センサに対してそれぞれ適切な加工手順により加工処理を行うことができる。
【0061】
例えば、溶射ガン13の移動速度や溶射ガン13の往復回数に関する動作パラメータを変更することで、形成される保護被膜の厚さ寸法を変更することができる。具体的には、移動速度を上昇あるいは往復回数を減少させることで保護被膜の厚さ寸法を薄くすることができ、移動速度を低下あるいは往復回数を増加させることで保護被膜の厚さ寸法を厚くすることができる。
【0062】
また、溶射ガン13の往復距離に関する動作パラメータを変更することで、保護被膜の形成面積を変更することができ、具体的には、往復距離を長く設定することで保護被膜の形成面積を拡大することができ、あるいは往復距離を短く設定することで保護被膜の形成面積を縮小することができる。なお、保護被膜の形成面積を目的に応じた大きさに設定することで、目標部分以外の領域に噴射されるセラミックス原料の噴射量を減少させることができ、セラミックス原料が無駄に消費されるのを防止することができる。特に、プラズマ溶射により吹き付けられるセラミックス原料は高価であり、セラミックス原料の浪費を抑制することで、酸素センサの製造コストの低減を図ることができる。
【0063】
そして、ガン移動機構部15は、動力源として回転動力部である駆動用モータ25を備えており、回転動力部である駆動用モータ25は、一般に広く用いられており、低コストで入手可能であることから、第1加工装置1の製造コストの上昇を抑制することができる。
【0064】
また、第1加工装置1のガン移動機構部15は、偏芯カム33と往復運動機構部36とを備えており、駆動用モータ25に連動して偏芯カム33が回転し、偏芯カム33の偏芯ガイド溝35の回転角度に応じて、カム係合部38が往復運動すると共に往復運動機構部36が往復運動することで、溶射ガン13を往復運動させている。このように偏芯カム33と往復運動機構部36を備えることで、駆動用モータ25による回転運動を往復運動に変換することができ、溶射ガン13を往復運動させることができる。
【0065】
さらに、ガン移動機構部15は、溶射ガン13と往復運動機構部36(詳細には、シリンダ支持部39)との連結部分に、ガン上下シリンダ41を備えている。ガン上下シリンダ41は、往復運動機構部36に対する溶射ガン13の相対位置を変化させており、往復運動機構部36に対して、溶射ガン13を、往復運動機構部36の往復運動方向に平行な方向に変位させている。
【0066】
つまり、ガン移動機構部15は、ガン上下シリンダ41が溶射ガン13を移動させることにより、シリンダ支持部39による往復運動範囲に対して、ガン上下シリンダ41による摺動範囲が加えられた広い範囲において、溶射ガン13を移動させることが可能となる。さらに、シリンダ支持部39による往復運動時において、ガン上下シリンダ41が、シリンダ支持部39による往復運動方向とは反対方向でかつ往復距離よりも短い距離だけ溶射ガン13を変位させることで、溶射ガン13の実質的な往復距離(往復範囲)を短縮することができる。
【0067】
よって、本実施例の第1加工装置1は、偏芯カム33および往復運動機構部36の他に、さらにガン上下シリンダ41を備えることで、溶射ガン13の移動範囲(往復距離)を拡大することができ、また、溶射ガン13の移動範囲(往復距離)をより小さい単位毎に設定変更することが可能となる。これにより、第1加工装置1は、保護被膜の形成領域(被加工領域)の大きさに応じてセラミックス原料の噴射領域を適切な大きさに設定することができ、より多くの種類の酸素センサに対応した加工処理が実行可能となる。
【0068】
そして、第1加工装置1は、加工対象の酸素センサ17を加工位置に順次移動させるセンサ保持回転機構部19を備えており、回転保持部49への酸素センサ17の取付作業または取外し作業を加工位置以外の場所で実行できるため、取付作業または取外し作業と同時に、他の酸素センサに対する加工処理を実行することが可能となる。これにより、酸素センサに対する保護被膜の加工作業を行うにあたり、加工作業の作業効率を向上させることができる。
【0069】
また、回転動力供給部51は、複数の回転保持部49のうち、溶射ガン13による噴射領域に配置された回転保持部49に対して回転用動力を供給する構成である。このことから、センサ保持回転機構部19は、各回転保持部49のそれぞれに回転用動力を発生するための動力発生手段(モータなど)を備える場合に比べて、動力発生手段の個数を削減することが出来る。また、動力発生手段の個数を削減することで、動力発生手段の制御処理を簡略化することができ、第1加工装置1の製造コストを抑制することができる。
【0070】
次に、第2実施例として、ボールネジを備えて構成された第2加工装置2について説明する。なお、第2加工装置2は、第1加工装置1と同様に、酸素センサの表面に保護被膜を形成するための加工処理を行うものであり、第2加工装置の構成図を図5に示す。
【0071】
第2加工装置2は、第2タッチパネル121および第2制御回路123を備える第2操作制御部111と、溶射ガン13を移動させる第2ガン移動機構部115と、加工対象物である酸素センサ17を保持するセンサ保持回転機構部19とを備えて構成されている。なお、センサ保持回転機構部19は、第1実施例の第1加工装置1に備えられるセンサ保持回転機構部19と同様の構成であることから、説明の記載を省略する。
【0072】
第2操作制御部111における第2タッチパネル121は、使用者が加工手順に関する動作パラメータの設定操作を行うために備えられており、少なくとも溶射ガン13の往復距離(ストローク)や移動速度などを含む動作パラメータを設定可能に構成されている。
【0073】
第2制御回路123は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を中心として構成されると共に、第2操作制御部111の内部に備えられており、マイコンでの内部処理として、第2タッチパネル121で設定された動作パラメータに基づいて一連の加工手順を設定する加工手順設定処理などの各種制御処理を実行する。
【0074】
また、第2制御回路123は、制御処理の一つとして、加工手順設定処理により設定した加工手順に応じて、加工位置の酸素センサ17に対する溶射ガン13の相対位置を制御するためのガン移動制御信号を生成し、第2ガン移動機構部115に対してガン移動制御信号を出力するガン移動制御処理を実行する。なお、ガン移動制御処理では、ガン移動制御信号として、後述するサーボモータ125を制御するためのサーボ用ガン移動制御信号を生成・出力する処理を行う。
【0075】
さらに、第2制御回路123は、制御処理の一つとして、一連の加工手順が完了する毎に酸素センサ17を順次加工位置に移動させるためのセンサ移動指令信号を、センサ保持回転機構部19に対して出力するセンサ移動制御処理を実行する。なお、センサ移動制御処理では、第1実施例と同様に、センサ移動指令信号として、後述するターンテーブル47を回転駆動する第1内部モータを制御するための第1センサ移動指令信号と、後述する回転当接ホイール53を回転駆動する第2内部モータを制御するための第2センサ移動指令信号とを生成・出力する処理を行う。
【0076】
つまり、第2操作制御部111は、使用者が第2タッチパネル121を通じて設定した動作パラメータに基づき一連の加工手順を設定し、その加工手順に応じたガン移動制御信号およびセンサ移動指令信号を、それぞれ第2ガン移動機構部115およびセンサ保持回転機構部19に対して出力するよう構成されている。
【0077】
第2ガン移動機構部115は、サーボモータ125と、ボールネジ133と、第2往復運動機構部136とを備えて構成されている。
サーボモータ125は、サーボ用ガン移動制御信号に基づき、サーボ駆動軸126が正回転または逆回転のいずれかの方向に回転駆動して外部に回転運動を伝達する動力源である。
【0078】
ボールネジ133は、サーボモータ125のサーボ駆動軸126に連結された雄ネジ状軸体134と、雄ネジ状軸体134の軸線方向に平行な方向に移動する係合往復ナット部135とを備えて構成されている。雄ネジ状軸体134は、略長軸状に形成されており、外周表面に螺旋状に形成されたネジ溝を有している。また、係合往復ナット部135は、略円筒形状に形成されており、円筒の内面には、雄ネジ状軸体134のネジ溝に螺合可能な雌ネジ溝が形成されている。
【0079】
つまり、ボールネジ133は、雄ネジ状軸体134がサーボモータ125により回転されることで、係合往復ナット部135の雌ネジ溝が雄ネジ状軸体134の表面のネジ溝に沿って雄ネジ状軸体134の軸線方向に移動するよう構成されている。そして、雄ネジ状軸体134が、正回転と逆回転とを交互に繰り返すことで、係合往復ナット部135が雄ネジ状軸体134の軸線方向に往復運動するよう構成されている。
【0080】
第2往復運動機構部136は、ガン支持部139と、第2バランスウエイト143とを備えて構成されている。
ガン支持部139は、ボールネジ133の係合往復ナット部135に固定されると共に、第2加工装置2の本体部分に固定された第2固定軸142に沿って往復運動するように構成されている。また、ガン支持部139は、係合往復ナット部135とは反対側の端部の下端側に溶射ガン13が固定され、さらに、第2ワイヤ144を介して第2バランスウエイト143と連結されている。なお、ボールネジ133の雄ネジ状軸体134は、第2固定軸142に対して平行に配置されており、ガン支持部139は、係合往復ナット部135と共に往復運動する。
【0081】
つまり、第2ガン移動機構部115は、サーボ用ガン移動制御信号に基づきサーボモータ125が正回転または逆回転を交互に繰り返し、ボールネジ133がサーボモータ125による回転運動を往復運動に変換してガン支持部139を往復運動させることで、溶射ガン13を往復運動方向に移動させている。
【0082】
溶射ガン13は、第1実施例の第1加工装置1に備えられる溶射ガン13と同様のプラズマ溶射ガンで構成されている。
次に、第2ガン移動機構部115において、溶射ガン13の移動範囲を一定範囲内に制御するための構成について説明する。そして、図6に、第2ガン移動機構部115の概略構成と、第2タッチパネル121、第2制御回路123および第2ガン移動機構部115の接続状態とを模式的に表した説明図を示す。
【0083】
なお、図6に示すように、第2制御回路123は、モーションコントローラ127とサーボアンプ128を備えている。モーションコントローラ127は、マイコンを備えて前述した各種制御処理を実行するよう構成され、また、サーボアンプ128は、モーションコントローラ127により制御されてサーボモータ125に対してサーボ用ガン移動制御信号を出力するよう構成されている。
【0084】
図6に示すように、第2ガン移動機構部115は、ボールネジ133に隣接した基準固定柱132において、上から順に、上限位置センサ129、定位置センサ130、下限位置センサ131を備えている。
上限位置センサ129は、第2加工装置2が停止状態となる際の係合往復ナット部135の停止位置を決定するために備えられており、ボールネジ133の係合往復ナット部135の上端面が、上限位置センサ129よりも高い位置になると、ハイレベル信号を第2制御回路123に対して出力する。なお、上限位置センサ129は、係合往復ナット部135の上端面が、上限位置センサ129よりも低い位置になると、ローレベル信号を第2制御回路123に対して出力する。
【0085】
定位置センサ130は、第2加工装置2が待機状態となる際の係合往復ナット部135の停止位置を決定するために備えられており、ボールネジ133の係合往復ナット部135の上端面が、定位置センサ130よりも高い位置になると、ハイレベル信号を第2制御回路123に対して出力する。なお、定位置センサ130は、係合往復ナット部135の上端面が、定位置センサ130よりも低い位置になると、ローレベル信号を第2制御回路123に対して出力する。
【0086】
なお、定位置センサ130は、第2加工装置2が動作状態となる際の係合往復ナット部135の上限位置を決定する用途にも用いられる。
下限位置センサ131は、第2加工装置2が動作状態となる際の係合往復ナット部135の下限位置を決定するために備えられており、ボールネジ133の係合往復ナット部135の下端面が、下限位置センサ131よりも低い位置になると、ハイレベル信号を第2制御回路123に対して出力する。なお、下限位置センサ131は、係合往復ナット部135の下端面が、下限位置センサ131よりも低い位置になると、ローレベル信号を第2制御回路123に対して出力する。
【0087】
つまり、第2制御回路123は、第2加工装置2の状態(停止状態、待機状態、動作状態)に応じて、上限位置センサ129、定位置センサ130、下限位置センサ131がそれぞれ出力する信号レベルに基づき、係合往復ナット部135の位置を特定位置あるいは一定範囲内に制御することで、溶射ガン13の位置を特定位置あるいは一定範囲内に制御している。
【0088】
次に、第2加工装置2において、実際に加工処理を行う際の溶射ガン13(係合往復ナット部135)の動作について説明する。加工処理として、第1往復運動を9回実行する第1加工処理を例示して説明する。
この第1加工処理を実行する際の、係合往復ナット部135の位置を表すナット位置曲線と、第2制御回路123からサーボモータ125に入力されるサーボ用ガン移動制御信号の状態を表すサーボ用制御信号曲線とを、図7に示す。
【0089】
なお、図7では、係合往復ナット部135(溶射ガン13)の位置が低くなるほど波形が上側になるように、ナット位置曲線を記載している。また、図7では、サーボ用ガン移動制御信号がサーボモータ125を正回転させる信号状態となる場合には正の値となるように、サーボ用ガン移動制御信号がサーボモータ125を逆回転させる信号状態となる場合に負の値となるように、さらに、サーボ用ガン移動制御信号による速度指令値が大きいほど絶対値が大きくなるように、サーボ用制御信号曲線を記載している。
【0090】
第1加工処理が実行される前(図7における時刻t1よりも前)は、係合往復ナット部135は、上端面が上限位置センサ129と同じ高さとなる位置に停止している。このとき、係合往復ナット部135は、図6においては、係合往復ナット部135の縦方向中心部149が停止基準線153と等しい高さとなる位置に配置され、このときの図7におけるナット位置曲線は、L1に相当する値となる。
【0091】
第1加工処理が開始されると(図7における時刻t1)、ます、係合往復ナット部135は、上端面が定位置センサ130と同じ高さとなる位置への移動を開始する。移動完了後の係合往復ナット部135は、図6においては、係合往復ナット部135の縦方向中心部149が上限基準線150と等しい高さとなる位置に配置され、このときの図7におけるナット位置曲線は、L2に相当する値となる。
【0092】
続いて、第1往復運動が開始されると(図7における時刻t2)、係合往復ナット部135は、上端面が定位置センサ130と同じ高さとなる位置から下端面が下限位置センサ131と同じ高さとなる位置までの区間を往復する運動を、9回繰り返す。往復運動時の係合往復ナット部135の縦方向中心部149は、図6において、上限基準線150から下限基準線151までの範囲を9回往復する。なお、図7におけるナット位置曲線は、L2とL3との間を9回往復する波形を表す。
【0093】
第1往復運動が終了すると(図7における時刻t3)、係合往復ナット部135は、上端面が上限位置センサ129と同じ高さとなる位置への移動を開始する。移動完了後(図7における時刻t4よりも後)の係合往復ナット部135は、図6においては、係合往復ナット部135の縦方向中心部が停止基準線153と等しい高さとなる位置に配置され、このときの図7におけるナット位置曲線は、L1に相当する値となる。
【0094】
第2加工装置2は、このように第1加工処理における一連の動作を行い、溶射ガン13を往復移動させると共に、溶射ガン13がセラミックス原料を吹き付けることで、酸素センサ17に対する保護被膜の形成処理を完了する。
なお、第2加工装置2においては、溶射ガン13が特許請求の範囲に記載の噴射部に相当し、第2タッチパネル121が操作設定手段に相当し、第2制御回路123が制御手段に相当し、第2ガン移動機構部115が噴射部移動手段に相当する。また、サーボモータ125が特許請求の範囲に記載の回転動力部に相当し、ボールネジが運動変換手段に相当し、雄ネジ状軸体134が雄ネジ状軸体に相当し、係合往復ナット部135が係合往復部に相当し、係合往復ナット部135の雌ネジ溝がネジ溝係合部に相当する。
【0095】
以上説明したように、第2加工装置2は、第2ガン移動機構部115によって溶射ガン13を移動させて、酸素センサ17に対する溶射ガン13の相対位置を連続的に変化させることで、酸素センサ17の表面のうちセラミックス原料が吹き付けられる噴射位置(溶射位置)を、酸素センサ17の上下方向に移動させている。
【0096】
このように第2ガン移動機構部115によって溶射ガン13を移動させることで、溶射ガン13によるセラミックス原料の噴射領域を拡大できることから、第2加工装置2は、保護被膜の形成領域の大きい酸素センサに対しても保護被膜の加工処理(噴射処理)を行うことができる。
【0097】
そして、第2ガン移動機構部115は、ボールネジ133を用いて回転運動を往復運動に変換しており、具体的には、雄ネジ状軸体134の回転方向を一定周期毎あるいは一定回転数毎に反転させて、正回転と逆回転とを繰り返し行うことにより、係合往復ナット部135を往復運動させている。
【0098】
このとき、雄ネジ状軸体134の回転方向を反転させるまでの周期(回転方向反転周期)あるいは反転させるまでの回転数(回転方向反転回転数)を変化させることで、係合往復ナット部135の往復距離(移動範囲)を変更できる。このことから、酸素センサにおける保護被膜の形成領域の大きさに応じて、回転方向反転周期あるいは回転方向反転回転数を設定することで、溶射ガン13の移動範囲を適切な範囲に設定することが可能となる。
【0099】
なお、第2加工装置2は、溶射ガン13を移動させるための動力部がサーボモータ125のみであり、溶射ガン13を移動させるための動力部として駆動用モータ25およびガン上下シリンダ41を備える第1加工装置1に比べて、動力部の個数が少ない構成である。また、第2加工装置2は、第1加工装置に比べて、クラッチブレーキ機構部27、タイミングベルト29、減速機31を必要としない構成である。このため、第2加工装置2は、第1加工装置1に比べて、コストの低減を図ることができ、また、装置の小型化を図ることもできる。
【0100】
また、2個の動力部(駆動用モータ25およびガン上下シリンダ41)を制御して溶射ガン13を移動させる構成の加工装置は、動力部を制御するための移動制御信号を少なくとも2個以上生成・出力する必要がある。これに対して、1個の動力部(サーボモータ125)を制御して溶射ガン13を移動させる構成の加工装置は、生成・出力する必要がある移動制御信号の個数を減少させることができ、制御処理を簡略化できる。このことから、第2加工装置2は、第1加工装置1に比べて、制御回路(マイコン)での処理負荷を軽減することができる。
【0101】
なお、第1加工装置1は、ガン上下シリンダ41の摺動範囲を超えて大幅に往復運動の運動曲線を変更する場合や、偏芯ガイド溝35の形状を変更して運動曲線を変更する場合には、偏芯カム自体を交換する必要がある。このような偏芯カムの交換作業(カム段取り作業)は、多大な労力が必要で作業工数が大きいという問題がある。
【0102】
これに対して、第2加工装置2は、予め軸方向寸法の長いボールネジを用いて構成し、サーボモータの回転方向の反転周期や回転速度の変化割合を適切に調整することで、多大な労力を費やすことなく簡単に運動曲線を変更できる。なお、運動曲線の変更により、溶射ガンの往復運動の往復距離(ストローク長)、往復所要時間、往復回数、移動速度の変化割合等を変更することができる。
【0103】
このように第2加工装置2は、カム段取り作業を行うことなく、溶射ガンの運動曲線を自由に変更することができ、タッチパネルから動作パラメータを入力するという簡易な作業により、加工対象物(酸素センサ)に応じた最適な条件での加工処理を実現できるという優れた効果を得ることができる。
【0104】
また、第2加工装置2は、第1加工装置1と同様に、センサ保持回転機構部19により酸素センサ17を回転させることで、酸素センサ17の表面の全周にわたり保護被膜を形成できる。このことから、第2加工装置2は、保護被膜の形成領域が平面形状である用途に限らず、保護被膜の形成領域が三次元的な複雑な形状となる用途においても使用でき、多様な形状の酸素センサに対して保護被膜を形成する加工処理を行うことが可能となる。
【0105】
なお、第2加工装置2においては、一連の加工処理として、往復距離(ストローク長)の長い往復運動と往復距離の短い往復運動とを組み合わせた加工処理を行っても良い。つまり、ストローク長の長い第1往復運動により酸素センサ全体に対して噴射処理を行った後、更にストローク長の短い第2往復運動により酸素センサのうち特定の一部分に対して噴射処理を行うことで、特定部分の保護被膜を厚く形成することも可能となる。この場合、第1加工処理では、第1往復運動により酸素センサの全体に対して噴射処理を行った後、第2往復運動により酸素センサの下端から所定距離だけ上側の厚さ境界位置までを除く部分に対して噴射処理を行うことで、厚さ境界位置よりも上側部分の保護被膜を厚く形成することができる。
【0106】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、加工装置は、酸素センサの保護被膜を形成するための加工装置に限ることはなく、噴射部としての出射ノズルを備える加工装置であれば、本発明を適用することができ、例えば、塗装、スプレーコーティング、スプレーノズル洗浄、ドライヤー乾燥などを行う加工装置が挙げられる。
【0107】
そして、第1加工装置1に備えられる偏芯カムは、偏芯ガイド溝35においてカム係合部38に係合する形状の偏芯カムに限ることはなく、偏芯カムの略円形周囲端面においてカム係合部38と係合する形状の偏芯カムを用いても良い。また、偏芯ガイド溝35(偏芯軌道部)は、円形に限らず楕円形状であっても良く、少なくともカム係合部38を移動できるように、回転中心軸からの距離が異なる点の集合としての環状曲線形状に形成されていれば良い。
【0108】
さらに、ガン上下シリンダ41は、油圧シリンダに限らず、空気圧シリンダやリニアモータで駆動されるシリンダなどで構成しても良い。
また、第2加工装置2においては、雄ネジ状軸体134の全周を囲む係合往復ナット部135に代えて、雄ネジ状軸体134に対し側方から当接する略板状形状の側方当接部材を用いてもよい。なお、側方当接部材には、雄ネジ状軸体134の雄ネジ溝に係合するネジ溝係合部を形成しておき、このネジ溝係合部が雄ネジ状軸体134の雄ネジ溝に沿って移動するように、側方当接部材を雄ネジ状軸体134に当接させるのである。そして、この側方当接部材に、ガン支持部139を固定して加工装置を構成することで、サーボモータ125の回転に応じて、溶射ガン13を往復運動させることができる。
【0109】
さらに、ガン支持部139は、溶射ガン13とボールネジ133の係合往復ナット部135との相対位置を微調整するための微調整機構部を備えると良い。微調整機構部は、互いに係合可能かつ相対位置が変更可能な形状の2つの位置設定部材を、締結ボルトなどの固定具で締め付け固定することで構成することができる。つまり、一方の位置設定部材に溶射ガン13を一体に固定し、他方の位置設定部材に係合往復ナット部135を一体に固定して、固定具を緩めた状態で位置設定部材同士の相対位置を適切な状態に設定した後、固定具を締め付けて2つの位置設定部材の相対位置を決定するのである。これにより、溶射ガン13と係合往復ナット部135との相対位置を微調整することができ、センサ保持回転機構部19に対する溶射ガン13の相対位置における基準となる基準相対位置を、微調整機構部を用いて設定(調整)することが可能となる。
【0110】
なお、第1加工装置のシリンダ支持部39についても、微調整機構部を備えることで、センサ保持回転機構部19に対する溶射ガン13の相対位置における基準となる基準相対位置を設定(調整)することが可能となる。
また、タッチパネルから設定される動作パラメータとして、セラミックス粉末の溶融所要時間である粉末パージ時間や、予め記憶された複数のカム曲線パターンから特定のカム曲線パターンを選択するためのパラメータなどを含むように、加工装置を構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素センサの表面に保護被膜を形成するための加工処理を行う第1加工装置の構成図である。
【図2】第1加工装置に備えられる偏芯カムの右側面図である。
【図3】偏芯カムの回転角度(カム絶対角度)に対する第1往復運動伝達軸の変位(ストローク)を表す説明図である。
【図4】回転動力供給部の平面図である。
【図5】酸素センサの表面に保護被膜を形成するための加工処理を行う第2加工装置の構成図である。
【図6】第2ガン移動機構部の概略構成と、タッチパネル、第2制御回路および第2ガン移動機構部の接続状態とを模式的に表した説明図である。
【図7】第1加工処理を行う際の、係合往復ナットの位置を表すナット位置曲線と、第2制御回路からサーボモータに入力されるサーボ用ガン移動制御信号の状態を表すサーボ用制御信号曲線とを表す説明図である。
【符号の説明】
1…第1加工装置、2…第2加工装置、11…操作制御部、13…溶射ガン、15…ガン移動機構部、17…酸素センサ、19…センサ保持回転機構部、21…タッチパネル、23…制御回路、25…駆動用モータ、33…偏芯カム、35…偏芯ガイド溝、36…往復運動機構部、38…カム係合部、41…ガン上下シリンダ、47…ターンテーブル、49…回転保持部、51…回転動力供給部、53…回転当接ホイール、111…第2操作制御部、115…第2ガン移動機構部、121…第2タッチパネル、123…第2制御回路、125…サーボモータ、133…ボールネジ、134…雄ネジ状軸体、135…係合往復ナット部、136…第2往復運動機構部。

Claims (10)

  1. 加工対象物に対して噴射部から加工用流体物質を噴射して、前記加工対象物を加工する加工装置であって、
    一連の加工手順に関する動作パラメータを設定するための操作設定手段と、
    前記操作設定手段により設定された前記動作パラメータに基づき定められる一連の加工手順に応じて、前記加工対象物に対する前記噴射部の相対位置を連続的に制御するための移動制御信号を出力する制御手段と、
    前記移動制御信号に基づいて、前記噴射部を移動させる噴射部移動手段と、
    を備えたことを特徴とする加工装置。
  2. 前記噴射部は、プラズマ溶射を行う溶射ガンであること、
    を特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 前記噴射部移動手段は、前記噴射部が少なくとも往復運動するように、前記噴射部を移動させること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工装置。
  4. 前記噴射部移動手段は、
    前記移動制御信号に基づいて回転駆動し、外部に回転運動を伝達する動力源である回転動力部と、
    前記回転動力部から伝達される回転運動を往復運動に変換して、前記噴射部を往復運動させる運動変換手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の加工装置。
  5. 前記運動変換手段は、
    回転中心軸からの距離が異なる点の集合である環状の偏芯軌道部が形成されると共に、前記回転動力部による回転運動が伝達されて前記回転中心軸を中心に回転する偏芯カムと、
    前記噴射部が連結され、前記偏芯軌道部に係合するカム係合部が形成されると共に、往復運動可能に構成された往復運動伝達部と、を備え、
    前記偏芯カムの回転に伴い前記偏芯軌道部における前記カム係合部との係合位置を変化させて、前記偏芯軌道部の回転角度に応じて前記カム係合部と前記回転中心軸との距離を変化させることにより、前記往復運動伝達部と共に前記噴射部を往復運動させること、
    を特徴とする請求項4に記載の加工装置。
  6. 前記運動変換手段と前記噴射部との連結部分に設けられ、前記運動変換手段に対して、前記噴射部を、前記運動変換手段による前記往復運動の運動方向に平行な方向に変位させる補助往復駆動手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載の加工装置。
  7. 前記回転動力部は、正回転および逆回転のいずれの回転方向にも回転可能に構成され、
    前記運動変換手段は、
    外周表面にネジ溝を有する長軸状に形成されると共に、前記回転動力部による回転運動が伝達される雄ネジ状軸体と、
    前記噴射部が連結されると共に、前記雄ネジ状軸体の前記ネジ溝に係合するネジ溝係合部を有し、前記雄ネジ状軸体の軸線方向に移動する係合往復部と、を備えて構成され、
    前記雄ネジ状軸体の回転により前記ネジ溝係合部を前記ネジ溝に沿って前記雄ネジ状軸対の軸線方向に移動させるにあたり、前記雄ネジ状軸体の回転方向を反転させて前記ネジ溝に対する前記ネジ溝係合部の移動方向を反対方向に転換して、前記係合往復部を往復運動させることにより、前記噴射部を往復運動させること、
    を特徴とする請求項4に記載の加工装置。
  8. 前記操作設定手段は、前記動作パラメータとして、少なくとも前記往復運動の往復距離を設定可能に構成されていること、
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の加工装置。
  9. 前記加工対象物を保持すると共に、前記噴射部による噴射領域において前記加工対象物を回転させる加工対象物回転手段を備えること、
    を特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の加工装置。
  10. 前記加工対象物回転手段は、
    外部から動力が供給されることで前記加工対象物を回転させる複数の回転保持部と、
    複数の前記回転保持部を前記噴射部による噴射領域に順次移動させる移動基台部と、
    前記噴射部による噴射領域に配置された前記回転保持部に対して回転用動力を供給する回転動力供給手段と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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