JP2004063106A - Icソケット - Google Patents
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Abstract
【課題】コンタクト間に絶縁板部材を配置して隣接のコンタクトとのショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用し、ICパッケージの取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができる。
【解決手段】上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面に対してそれぞれ左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されている。
【選択図】 図3
【解決手段】上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面に対してそれぞれ左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソケット本体のコンタクトと電子部品等のパッケージであるICパッケージの外部端子との開閉を行う電子部品用ソケットに関するもので、特に、コンタクトの固体側および可動側弾性接片がICパッケージの外部端子を挟み込んで接続するように適用されるオープン・トップ・タイプのICソケットに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品としてのICパッケージ等においては、ICソケットのソケット本体に装着し、格子状に形成された移動板を横方向に移動して、挟み込み形のコンタクトを開閉してICパッケージと接続するようにしたICソケットが知られている。
【0003】
従来におけるこのようなICソケットは、挟み込み形のコンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とをほぼ平行に延びるように配置して成り、固定側弾性接片に対して可動側弾性接片を移動板によって移動して開閉するように形成されていて、コンタクトによってICパッケージの外部端子を挟み込んで接続するように構成されている。
【0004】
このような従来のICソケットの一例が図10乃至図16に示されており、図10および図11は、従来におけるICソケットの挟み込み時の平面図および長手方向中央縦断面図で、図12は、コンタクトの先端部の斜視図、図13は、ICパッケージの外部端子である半田ボールを挟み込んだ状態を示すコンタクトの先端部の立面図で、図14は、コンタクトが開放方向に開く時の斜視図、図15は、その時のコンタクトを押す状態を示すコンタクトの先端部の立面図で、図16は、その時の平面図である。
【0005】
図10および図11に示されるように、従来のICソケット100は、例えばオープン・トップ・タイプのソケットであって、固定のソケット本体102と、このソケット本体102に対して上下動可能にばね部材(図示しない)によって弾性支持されたカバー部材103と、ソケット本体102固設されていて装着されたICパッケージ110の半田ボール等の外部端子111と電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクト104と、これらコンタクト104を開閉する格子状の仕切壁109が設けられた移動板105と、移動板105を横方向に開閉作動するようにカバー部材103の下面から下方に垂下するくさび形のカム部材106とを有しており、カバー部材103の上下動によってカム部材106により移動板105を水平方向に移動してコンタクト104を開閉するように構成されている。また、コンタクト104は、一対の固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とから成り、これら固定側および可動側弾性接片112、114がほぼ平行に延びるように下方の基端部において一体的に形成されていてソケット本体102の底部に取付けられて固着されており、この固定された基端部から上方にこれら固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とがほぼ平行に延び、かつこれら固定側弾性接片112と可動側弾性接片114との間に移動板105の格子状または櫛歯状の仕切壁109が位置するように配設されていて固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とが隔絶されている。しかも、これらコンタクト104の固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とは、ICパッケージ110の外部端子111の中心を通る中心線に対して左右別々の側に配置されていて、ずれており、固定側弾性接片112の側部に隣接の組のコンタクト104の可動側弾性接片114が位置されるように配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のくさび形のカム部材106を有するタイプのICソケット100においては、コンタクト104がICパッケージ110の半田ボール等の外部端子111を挟み込んだ後に、コンタクト104を開放させることによって、可動側弾性接片114により固定側弾性接片112に残った半田ボール等の外部端子111を引き離す役割が与えられているために、必要以上にコンタクト104を動かしてしまって、接触以外の余分な負荷をコンタクト104にかけており、さらに、隣接のコンタクト104によって半田ボール等の外部端子111を押してしまうために、ICパッケージ110の挿入状態においてショートする可能性がある等の問題が見られる。特に、コンタクト104の開放時にICパッケージ110を押して動かすのは、ICパッケージ110を取り出す際に、図15に示されるように、ICパッケージ110の半田ボール等の外部端子111がコンタクト104の固定側弾性接片112に引っ掛ってしまう等の問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、このような従来における問題を解決するために、コンタクト間に絶縁板部材を配置して隣接のコンタクトとのショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、かつまた、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用して、ICパッケージの取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができるようにしたICソケットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側接片とを有し、かつ中立面に対して該固定側弾性接片と可動側弾性接片がそれぞれ別に左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のICソケットは、前記コンタクトが、前記絶縁板部材が前記可動側弾性接片の側部に移動可能に配設されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のICソケットは、前記カバー部材の上下動によって前記カム部材により前記移動板が横方向に動かされることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明のICソケットは、前記固定側および可動側弾性接片の先端部間に前記移動板の格子状の仕切壁が挟み込まれて配置され、該仕切壁によって前記固定側および可動側弾性接片が開閉されるように形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のICソケットは、前記移動板が、前記ソケット本体上に横方向に移動可能に支持され、前記絶縁板部材と共に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のICソケットは、前記ICパッケージが、ボール・グリッド・アレイタイプのICパッケージであることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面上に配置されており、前記固定側弾性接片の側部に絶縁板部材が移動可能に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のその他の目的や特徴および利点は、添付図面に示される本発明のICソケットの実施形態についての以下の詳細な説明から明らかである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1乃至図6は、本発明の電子部品用ソケットとしての、例えばICソケットの実施例1を示す概要説明図で、図1は、本発明のICソケットの実施例1における挟み込み状態の時の平面図、図2は、図1の本発明のICソケットの中央縦断面図で、図3は、本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分の配列状態を示すフリー状態での斜視図、図4は、図3の本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分を、開放(オープン)状態で示す斜視図で、図5は、本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分を、ICパッケージの外部端子に対する開放(オープン)状態の時の立面図、図6は、図5のコンタクトの開放(オープン)状態での平面図である。
【0017】
図1乃至図2に示されるように、本発明の実施例1における電子部品用ソケットとしてのICソケット1は、電子部品としてのICパッケージ10を装着して電気的接続を形成する挟み込み形のコンタクト4を開閉すべく横方向に移動可能な移動板5を有するタイプのICソケットである。
【0018】
このような本発明のICソケット1は、固定のソケット本体2と、このソケット本体2に対して上下動可能に設けられていて、1つまたは複数個のコイルばねのようなばね部材によって弾性的に支持されたカバー部材3と、ソケット本体2に基端部において固設され、かつ装着されたICパッケージ10と電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクト4と、ソケット本体2内に配置されたコンタクト4を開閉するために格子状または櫛歯状に区画された仕切壁9が設けられた水平横方向に移動可能なスライダーのような移動板5と、移動板5を横方向に移動するための操作部材としてのカム部材6とを有している。
【0019】
このような本発明のICソケット1において、ソケット本体2は箱形または容器形をなしており、この箱形または容器形のソケット本体2の底部に、挟み込み形のコンタクト4がその基端部において固設されていて、装着されたICパッケージ10の球状または半球状の半田ボール等の外部端子11を挟み込んで電気的接続を形成するように構成されている。また、ソケット本体2の上部には、1つ、または複数個のコイルばね等のばね部材によってカバー部材3が上下動可能に弾性支持されており、このカバー部材3の上下動に対応して、操作部材として形成されたカム部材6によって、格子状または櫛歯状の仕切壁9を有する移動板5が左右横方向に水平往復移動されるように連動されている。従って、移動板5の横方向の往復移動によってコンタクト4が開閉されるようになる。
【0020】
このような本発明のICソケット1において、コンタクト4は、一対の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とから成り、これら固定側および可動側弾性接片12、14がほぼ平行に延びるように下方の基端部において一体的に形成されていてソケット本体2の底部に取付けられて固着されており、この固定された基端部から上方にこれら固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とがほぼ平行に延び、かつこれら固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との間に移動板5の格子状または櫛歯状の仕切壁9が位置するように配設されていて固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とが隔絶されている。しかも、これらコンタクト4の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とは、図6に明示されるようにICパッケージ10の外部端子11の中心を通る中心線に対して左右別々の側に配置されていて、ずれており、固定側弾性接片12の側部に隣接の組のコンタクト4の可動側弾性接片14が位置されるように配置されている。
【0021】
さらにまた、本発明のICソケット1においては、固定側弾性接片12と、その側部に配置される隣接のコンタクト4の可動側弾性接片14との間に絶縁板部材15が設けられており、これらコンタクト4の固定側弾性接片12と隣接の可動側弾性接片14とが接触してショートしないように固定側弾性接片12と隣接の可動側弾性接片14とを隔絶している。しかも、このような絶縁板部材15は可動側弾性接片14がコンタクト4を開閉すべく移動する時に一緒に移動できるように設けられている。
【0022】
また、コンタクト4は、一方の固定側弾性接片12が固定側のコンタクトとして形成されており、他方の可動側弾性接片14が可動側のコンタクトとして形成されていて、固定側弾性接片12の先端部に対して可動側弾性接片14の先端部が近接するように可動側弾性接片14が弾性附勢されている。さらに、このようなコンタクト4の可動側弾性接片14は、移動板5が水平方向に横移動される時に、移動板5の仕切壁9によって横方向に押圧されるので、可動側弾性接片14の先端部が固定側弾性接片12の先端部から離れる方向に押されてコンタクト4が開かれるようになる。
【0023】
また、この時に、固定側弾性接片12は、ほぼ直立したままで実質的に固定であり、この固定側弾性接片12に対して可動側弾性接片14が離れる方向に押圧されて図4乃至図6に示されるように外方に向って押されるので、可動側弾性接片14の先端部が固定側弾性接片12の先端部から離れて外方に開かれるようになり、従って、固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部が開かれて図示されるような開放(オープン)状態になって、固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部間の間隔が図2の間隔から図5の間隔にまで大きく広げられるようになる。
【0024】
さらに、本発明のICソケット1において、操作部材としてのカム部材6は、カバー部材3の下面から下方に垂下していてスライダーとしての移動板5とカム係合しており、カバー部材3の上下動に追従して移動板5が横方向に往復移動されるようになっている。また、カム部材6は、カバー部材3の下面から下方に突出するようにくさび形の部材としてのカム部材が設けられており、このカム部材6は、傾斜カム面を有するように細長いくさび形に形成されていて、この傾斜カム面が移動板5の角部と、この角部に続く側部に当接して移動板5を横方向に押すことによって移動板5を水平横方向に移動することができるように形成されている。
【0025】
従って、カバー部材3の上下動に追従したカム部材6の上下動によって横方向に移動された移動板5は、カバー部材3の押し下げが停止されて、カバー部材3がばね部材によって上方に押し上げられる時に、移動板5はカム部材6による押圧が解放されるために、コンタクト4の可動側弾性接片14の弾性力によって戻されるように横移動されるので、コンタクト4の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部は、間隔が狭められる方向に動かされて図3に示されるフリー状態に戻されるようになる。
【0026】
このように、カバー部材3が押し下げられてコンタクト4が図4乃至図6に示されるオープン状態に開かれた時に、ICパッケージ10を上方から挿入してコンタクト4の上に装着して載置させておいて、次いで、カバー部材3をフリーにして、カバー部材3を上方に押し上げるばね部材のばね力による押し上げによって、コンタクト4の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部間にICパッケージ10の外部端子11が挟み込まれて保持されるために、コンタクト4とICパッケージ10とが電気的に接続されるようになる。
【0027】
このような本発明のICソケット1において、図1乃至図3にソケットフリー状態が示され、図4乃至図6にソケットオープン状態が示されている。
【0028】
図示されるように、コンタクト4の図3のフリー状態から図4乃至図6のオープン状態へのコンタクト4の開閉に際しては、図3に示されるように、コンタクト4がフリー状態にある時に、移動板6(図2)が作動されて図示されるように横方向に移動されるために、カバー部材3が押し下げられると、操作部材としてのカム部材6の傾斜カム面が移動板5の角部に当たって移動板5が横方向に押されるために、移動板5の仕切壁9によってコンタクト4の可動側弾性接片14が押されてコンタクト4が開かれるようになって、図4乃至図6のオープン状態になる。
【0029】
このオープン状態において、ICパッケージ10をカバー部材3の上方から挿入してコンタクト4の先端部の上にICパッケージ10の半田ボール等の外部端子11が位置するようにICパッケージ10を載置して、カバー部材3の押し下げを止めて放せば、カバー部材3は、押上げ用のばね部材によって上方に押し上げられ、移動板5の、カム部材6による押圧がなくなって移動板5が自由になるので、コンタクト4は先端部が閉じる方向に弾性力によって戻されるようになって移動板5が押しやられるので、コンタクト4の可動側弾性接片14が自己弾性力によって戻って、コンタクト4の先端部間にICパッケージ10の半田ボールのような外部端子11が挟み込まれてコンタクト4とICパッケージ10の外部端子11とが電気的に接続されるようになる(図2)。
【0030】
このようにICソケット1に装着されたICパッケージ10を取り出すためには、上述したようにカバー部材3を再び押し下げれば、カム部材6によって移動板5が横方向に移動されてコンタクト4の可動側弾性接片14が開かれる方向に押しやられるので、コンタクト4の先端部間が十分に開かれて可動側弾性接片14がICパッケージ10の外部端子11から離れるので、ICパッケージ10を掴んで取り出すことができ、必要に応じてICパッケージ10を別の新たなICパッケージと交換することができる。
【0031】
また、本発明のICソケット1においては、上述したように図3のフリー状態から図4乃至図6の開放(オープン)状態にコンタクト4が開かれる際に、絶縁板部材15がコンタクト4の可動側弾性接片14と一緒に移動するために、固定側弾性接片12に隣接の別の組の可動側弾性接片14が何等接触することが無いので、ショートを発生する心配が全く無い。また、この場合に、ICパッケージ10が装着されている場合には、絶縁板部材15がICパッケージ10の外部端子11を押すように作用するので、固定側弾性接片14から外部端子11が好適に離されるようになるので、ICパッケージ10を取出す際に何等外部端子11が固定側弾性接片14に引っ掛ることがなく、良好にICパッケージ10の取り出しを行うことができる。
【0032】
従って、上記のように構成された本発明のICソケット1においては、カバー部材3の押し下げによって、操作部材としてのカム部材6を介してコンタクト4の開閉操作が容易にでき、しかも、コンタクト4が良好にICパッケージ10の外部端子11と接触でき、かつ開放(オープン)時の移動板5によるコンタクト4の引き離しを絶縁板部材15を介して良好に行って、ICパッケージ10の取り出しや挿入を容易にすることができ、実装作業の効率を向上し、かつ改善してICソケット1の寿命を延ばすことが出来る。しかも、常に安定したコンタクト開放量を維持でき、コンタクト開放量が決め易く、軽操作性に優れ、種々のコンタクトに広く対応でき、ICパッケージ10の外部端子11がコンタクト4に引っ掛ることが全く無い。また、使用されるICパッケージ10には、ボール・グリッド・アレイ・タイプのICパッケージを好適に用いることができる。
【0033】
(実施例2)
図7乃至図9は、本発明のICソケットの実施例2を示す図で、コンタクト開閉機構の例を示すコンタクトの先端部分のフリー状態での斜視図と、オープン状態での斜視図と平面図である。
【0034】
図示されるように、本発明のこの実施例2におけるコンタクト開閉機構が用いられるICソケット自体の構成は、基本的には実施例1のICソケットと同一であり、ここでは、その詳細な説明は省略するものとする。
【0035】
図示されるように、本発明のこの実施例2においては、コンタクト開閉機構としてコンタクト24と一緒に絶縁板部材35が用いられており、コンタクト24が、固定側弾性接片32と可動側弾性接片34とから構成されていて、可動側弾性接片34と一緒に移動できるように絶縁板部材35が、固定側弾性接片32の側部に隣接して設けられている。従って、コンタクト24の開放(オープン)時には、フリー状態や閉合状態から開放(オープン)状態にコンタクト24が作動される場合に、絶縁板部材35が、コンタクト24の可動側弾性接片34と共に移動されて、装着されているICパッケージの外部端子31に絶縁板部材35が当接して外部端子31を押すように作用するので、ICパッケージの外部材端子31を固定側弾性接片32から離すように作用して、外部端子31が固定側弾性接片32に引っ掛るのを良好に防止すると共に、固定側弾性接片32に隣接の別の組の可動側弾性接片34が接触するのを防止して、ショートが発生するのを阻止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面に対して該固定側弾性接片と可動側弾性接片がそれぞれ別に左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されているので、絶縁板部材によって固定側弾性接片と隣接の可動側弾性接片との接触を防いでショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用し、オープン時にICパッケージを押してICパッケージ取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができる。
【0037】
本発明の請求項2記載のICソケットは、前記コンタクトが、前記絶縁板部材が前記可動側弾性接片の側部に移動可能に配設されているので、隣接のコンタクトとのショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用して、ICパッケージの取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができる。
【0038】
本発明の請求項3記載のICソケットは、前記カバー部材の上下動によって前記カム部材により前記移動板が横方向に動かされるので、コンタクトの開閉作動を良好に行ってコンタクトを好適に開閉することができる。
【0039】
本発明の請求項4記載のICソケットは、前記固定側および可動側弾性接片の先端部間に前記移動板の格子状の仕切壁が挟み込まれて配置され、該仕切壁によって前記固定側および移動側弾性接片が開閉されるように形成されているので、コンタクトの開閉作動と絶縁板部材とを好適に作動でき、コンタクトを良好に開閉することができる。
【0040】
本発明の請求項5記載のICソケットは、前記移動板が、前記ソケット本体上に横方向に移動可能に支持され、前記絶縁板部材と共に移動可能に設けられているので、コンタクトの開閉作動と絶縁板部材とを好適に作動でき、かつコンタクトを良好に開閉することができる。
【0041】
本発明の請求項6記載のICソケットは、前記ICパッケージが、ボール・グリッド・アレイタイプのICパッケージであるので、好適にソケットを製作することができると共に、ICパッケージの外部端子を良好に挟み込み接続することができる。
【0042】
本発明の請求項7記載のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側接片とを有し、かつ中立面上に配置されており、前記固定側弾性接片の側部に絶縁板部材が移動可能に配置されているので、オープン時にICパッケージを押して取り出す際のコンタクトの引っ掛りを良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICソケットの実施例1におけるコンタクトの閉合状態での平面図である。
【図2】図1の本発明のICソケットの中央縦断面図である。
【図3】本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分の配列状態を示すフリー状態での斜視図である。
【図4】本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のオープン状態での斜視図である。
【図5】本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のオープン状態での、ICパッケージの外部端子に対する立面図である。
【図6】図5のコンタクトのオープン状態での平面図である。
【図7】本発明のICソケットの実施例2におけるフリー状態でのコンタクトの先端部分を示す斜視図である。
【図8】図7のコンタクトの先端部分のオープン状態での斜視図である。
【図9】図8のコンタクトの先端部分とICパッケージの外部端子の平面図である。
【図10】従来のICソケットのコンタクト閉合状態での平面図である。
【図11】図10のICソケットの中央縦断面図である。
【図12】従来のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のフリー状態での斜視図である。
【図13】従来のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のICパッケージの外部端子に対する閉合状態での断面部分図である。
【図14】従来のICソケットのコンタクトの先端部分の開放状態での斜視図である。
【図15】従来のICソケットのコンタクトの先端部分のICパッケージの外部端子に対するオープン状態での断面部分図である。
【図16】図15のICソケットのコンタクトとICパッケージの外部端子の平面図である。
【符号の説明】
1 ICソケット
2 ソケット本体
3 カバー部材
4 コンタクト
5 移動板
6 カム部材
9 仕切壁
10 ICパッケージ
11 外部端子
12 固定側弾性接片
14 可動側弾性接片
15 絶縁板部材
24 コンタクト
31 外部端子
32 固定側弾性接片
34 可動側弾性接片
35 絶縁板部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソケット本体のコンタクトと電子部品等のパッケージであるICパッケージの外部端子との開閉を行う電子部品用ソケットに関するもので、特に、コンタクトの固体側および可動側弾性接片がICパッケージの外部端子を挟み込んで接続するように適用されるオープン・トップ・タイプのICソケットに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品としてのICパッケージ等においては、ICソケットのソケット本体に装着し、格子状に形成された移動板を横方向に移動して、挟み込み形のコンタクトを開閉してICパッケージと接続するようにしたICソケットが知られている。
【0003】
従来におけるこのようなICソケットは、挟み込み形のコンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とをほぼ平行に延びるように配置して成り、固定側弾性接片に対して可動側弾性接片を移動板によって移動して開閉するように形成されていて、コンタクトによってICパッケージの外部端子を挟み込んで接続するように構成されている。
【0004】
このような従来のICソケットの一例が図10乃至図16に示されており、図10および図11は、従来におけるICソケットの挟み込み時の平面図および長手方向中央縦断面図で、図12は、コンタクトの先端部の斜視図、図13は、ICパッケージの外部端子である半田ボールを挟み込んだ状態を示すコンタクトの先端部の立面図で、図14は、コンタクトが開放方向に開く時の斜視図、図15は、その時のコンタクトを押す状態を示すコンタクトの先端部の立面図で、図16は、その時の平面図である。
【0005】
図10および図11に示されるように、従来のICソケット100は、例えばオープン・トップ・タイプのソケットであって、固定のソケット本体102と、このソケット本体102に対して上下動可能にばね部材(図示しない)によって弾性支持されたカバー部材103と、ソケット本体102固設されていて装着されたICパッケージ110の半田ボール等の外部端子111と電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクト104と、これらコンタクト104を開閉する格子状の仕切壁109が設けられた移動板105と、移動板105を横方向に開閉作動するようにカバー部材103の下面から下方に垂下するくさび形のカム部材106とを有しており、カバー部材103の上下動によってカム部材106により移動板105を水平方向に移動してコンタクト104を開閉するように構成されている。また、コンタクト104は、一対の固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とから成り、これら固定側および可動側弾性接片112、114がほぼ平行に延びるように下方の基端部において一体的に形成されていてソケット本体102の底部に取付けられて固着されており、この固定された基端部から上方にこれら固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とがほぼ平行に延び、かつこれら固定側弾性接片112と可動側弾性接片114との間に移動板105の格子状または櫛歯状の仕切壁109が位置するように配設されていて固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とが隔絶されている。しかも、これらコンタクト104の固定側弾性接片112と可動側弾性接片114とは、ICパッケージ110の外部端子111の中心を通る中心線に対して左右別々の側に配置されていて、ずれており、固定側弾性接片112の側部に隣接の組のコンタクト104の可動側弾性接片114が位置されるように配置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のくさび形のカム部材106を有するタイプのICソケット100においては、コンタクト104がICパッケージ110の半田ボール等の外部端子111を挟み込んだ後に、コンタクト104を開放させることによって、可動側弾性接片114により固定側弾性接片112に残った半田ボール等の外部端子111を引き離す役割が与えられているために、必要以上にコンタクト104を動かしてしまって、接触以外の余分な負荷をコンタクト104にかけており、さらに、隣接のコンタクト104によって半田ボール等の外部端子111を押してしまうために、ICパッケージ110の挿入状態においてショートする可能性がある等の問題が見られる。特に、コンタクト104の開放時にICパッケージ110を押して動かすのは、ICパッケージ110を取り出す際に、図15に示されるように、ICパッケージ110の半田ボール等の外部端子111がコンタクト104の固定側弾性接片112に引っ掛ってしまう等の問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、このような従来における問題を解決するために、コンタクト間に絶縁板部材を配置して隣接のコンタクトとのショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、かつまた、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用して、ICパッケージの取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができるようにしたICソケットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側接片とを有し、かつ中立面に対して該固定側弾性接片と可動側弾性接片がそれぞれ別に左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のICソケットは、前記コンタクトが、前記絶縁板部材が前記可動側弾性接片の側部に移動可能に配設されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のICソケットは、前記カバー部材の上下動によって前記カム部材により前記移動板が横方向に動かされることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明のICソケットは、前記固定側および可動側弾性接片の先端部間に前記移動板の格子状の仕切壁が挟み込まれて配置され、該仕切壁によって前記固定側および可動側弾性接片が開閉されるように形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のICソケットは、前記移動板が、前記ソケット本体上に横方向に移動可能に支持され、前記絶縁板部材と共に移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のICソケットは、前記ICパッケージが、ボール・グリッド・アレイタイプのICパッケージであることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面上に配置されており、前記固定側弾性接片の側部に絶縁板部材が移動可能に配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のその他の目的や特徴および利点は、添付図面に示される本発明のICソケットの実施形態についての以下の詳細な説明から明らかである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1乃至図6は、本発明の電子部品用ソケットとしての、例えばICソケットの実施例1を示す概要説明図で、図1は、本発明のICソケットの実施例1における挟み込み状態の時の平面図、図2は、図1の本発明のICソケットの中央縦断面図で、図3は、本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分の配列状態を示すフリー状態での斜視図、図4は、図3の本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分を、開放(オープン)状態で示す斜視図で、図5は、本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分を、ICパッケージの外部端子に対する開放(オープン)状態の時の立面図、図6は、図5のコンタクトの開放(オープン)状態での平面図である。
【0017】
図1乃至図2に示されるように、本発明の実施例1における電子部品用ソケットとしてのICソケット1は、電子部品としてのICパッケージ10を装着して電気的接続を形成する挟み込み形のコンタクト4を開閉すべく横方向に移動可能な移動板5を有するタイプのICソケットである。
【0018】
このような本発明のICソケット1は、固定のソケット本体2と、このソケット本体2に対して上下動可能に設けられていて、1つまたは複数個のコイルばねのようなばね部材によって弾性的に支持されたカバー部材3と、ソケット本体2に基端部において固設され、かつ装着されたICパッケージ10と電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクト4と、ソケット本体2内に配置されたコンタクト4を開閉するために格子状または櫛歯状に区画された仕切壁9が設けられた水平横方向に移動可能なスライダーのような移動板5と、移動板5を横方向に移動するための操作部材としてのカム部材6とを有している。
【0019】
このような本発明のICソケット1において、ソケット本体2は箱形または容器形をなしており、この箱形または容器形のソケット本体2の底部に、挟み込み形のコンタクト4がその基端部において固設されていて、装着されたICパッケージ10の球状または半球状の半田ボール等の外部端子11を挟み込んで電気的接続を形成するように構成されている。また、ソケット本体2の上部には、1つ、または複数個のコイルばね等のばね部材によってカバー部材3が上下動可能に弾性支持されており、このカバー部材3の上下動に対応して、操作部材として形成されたカム部材6によって、格子状または櫛歯状の仕切壁9を有する移動板5が左右横方向に水平往復移動されるように連動されている。従って、移動板5の横方向の往復移動によってコンタクト4が開閉されるようになる。
【0020】
このような本発明のICソケット1において、コンタクト4は、一対の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とから成り、これら固定側および可動側弾性接片12、14がほぼ平行に延びるように下方の基端部において一体的に形成されていてソケット本体2の底部に取付けられて固着されており、この固定された基端部から上方にこれら固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とがほぼ平行に延び、かつこれら固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との間に移動板5の格子状または櫛歯状の仕切壁9が位置するように配設されていて固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とが隔絶されている。しかも、これらコンタクト4の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14とは、図6に明示されるようにICパッケージ10の外部端子11の中心を通る中心線に対して左右別々の側に配置されていて、ずれており、固定側弾性接片12の側部に隣接の組のコンタクト4の可動側弾性接片14が位置されるように配置されている。
【0021】
さらにまた、本発明のICソケット1においては、固定側弾性接片12と、その側部に配置される隣接のコンタクト4の可動側弾性接片14との間に絶縁板部材15が設けられており、これらコンタクト4の固定側弾性接片12と隣接の可動側弾性接片14とが接触してショートしないように固定側弾性接片12と隣接の可動側弾性接片14とを隔絶している。しかも、このような絶縁板部材15は可動側弾性接片14がコンタクト4を開閉すべく移動する時に一緒に移動できるように設けられている。
【0022】
また、コンタクト4は、一方の固定側弾性接片12が固定側のコンタクトとして形成されており、他方の可動側弾性接片14が可動側のコンタクトとして形成されていて、固定側弾性接片12の先端部に対して可動側弾性接片14の先端部が近接するように可動側弾性接片14が弾性附勢されている。さらに、このようなコンタクト4の可動側弾性接片14は、移動板5が水平方向に横移動される時に、移動板5の仕切壁9によって横方向に押圧されるので、可動側弾性接片14の先端部が固定側弾性接片12の先端部から離れる方向に押されてコンタクト4が開かれるようになる。
【0023】
また、この時に、固定側弾性接片12は、ほぼ直立したままで実質的に固定であり、この固定側弾性接片12に対して可動側弾性接片14が離れる方向に押圧されて図4乃至図6に示されるように外方に向って押されるので、可動側弾性接片14の先端部が固定側弾性接片12の先端部から離れて外方に開かれるようになり、従って、固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部が開かれて図示されるような開放(オープン)状態になって、固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部間の間隔が図2の間隔から図5の間隔にまで大きく広げられるようになる。
【0024】
さらに、本発明のICソケット1において、操作部材としてのカム部材6は、カバー部材3の下面から下方に垂下していてスライダーとしての移動板5とカム係合しており、カバー部材3の上下動に追従して移動板5が横方向に往復移動されるようになっている。また、カム部材6は、カバー部材3の下面から下方に突出するようにくさび形の部材としてのカム部材が設けられており、このカム部材6は、傾斜カム面を有するように細長いくさび形に形成されていて、この傾斜カム面が移動板5の角部と、この角部に続く側部に当接して移動板5を横方向に押すことによって移動板5を水平横方向に移動することができるように形成されている。
【0025】
従って、カバー部材3の上下動に追従したカム部材6の上下動によって横方向に移動された移動板5は、カバー部材3の押し下げが停止されて、カバー部材3がばね部材によって上方に押し上げられる時に、移動板5はカム部材6による押圧が解放されるために、コンタクト4の可動側弾性接片14の弾性力によって戻されるように横移動されるので、コンタクト4の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部は、間隔が狭められる方向に動かされて図3に示されるフリー状態に戻されるようになる。
【0026】
このように、カバー部材3が押し下げられてコンタクト4が図4乃至図6に示されるオープン状態に開かれた時に、ICパッケージ10を上方から挿入してコンタクト4の上に装着して載置させておいて、次いで、カバー部材3をフリーにして、カバー部材3を上方に押し上げるばね部材のばね力による押し上げによって、コンタクト4の固定側弾性接片12と可動側弾性接片14との先端部間にICパッケージ10の外部端子11が挟み込まれて保持されるために、コンタクト4とICパッケージ10とが電気的に接続されるようになる。
【0027】
このような本発明のICソケット1において、図1乃至図3にソケットフリー状態が示され、図4乃至図6にソケットオープン状態が示されている。
【0028】
図示されるように、コンタクト4の図3のフリー状態から図4乃至図6のオープン状態へのコンタクト4の開閉に際しては、図3に示されるように、コンタクト4がフリー状態にある時に、移動板6(図2)が作動されて図示されるように横方向に移動されるために、カバー部材3が押し下げられると、操作部材としてのカム部材6の傾斜カム面が移動板5の角部に当たって移動板5が横方向に押されるために、移動板5の仕切壁9によってコンタクト4の可動側弾性接片14が押されてコンタクト4が開かれるようになって、図4乃至図6のオープン状態になる。
【0029】
このオープン状態において、ICパッケージ10をカバー部材3の上方から挿入してコンタクト4の先端部の上にICパッケージ10の半田ボール等の外部端子11が位置するようにICパッケージ10を載置して、カバー部材3の押し下げを止めて放せば、カバー部材3は、押上げ用のばね部材によって上方に押し上げられ、移動板5の、カム部材6による押圧がなくなって移動板5が自由になるので、コンタクト4は先端部が閉じる方向に弾性力によって戻されるようになって移動板5が押しやられるので、コンタクト4の可動側弾性接片14が自己弾性力によって戻って、コンタクト4の先端部間にICパッケージ10の半田ボールのような外部端子11が挟み込まれてコンタクト4とICパッケージ10の外部端子11とが電気的に接続されるようになる(図2)。
【0030】
このようにICソケット1に装着されたICパッケージ10を取り出すためには、上述したようにカバー部材3を再び押し下げれば、カム部材6によって移動板5が横方向に移動されてコンタクト4の可動側弾性接片14が開かれる方向に押しやられるので、コンタクト4の先端部間が十分に開かれて可動側弾性接片14がICパッケージ10の外部端子11から離れるので、ICパッケージ10を掴んで取り出すことができ、必要に応じてICパッケージ10を別の新たなICパッケージと交換することができる。
【0031】
また、本発明のICソケット1においては、上述したように図3のフリー状態から図4乃至図6の開放(オープン)状態にコンタクト4が開かれる際に、絶縁板部材15がコンタクト4の可動側弾性接片14と一緒に移動するために、固定側弾性接片12に隣接の別の組の可動側弾性接片14が何等接触することが無いので、ショートを発生する心配が全く無い。また、この場合に、ICパッケージ10が装着されている場合には、絶縁板部材15がICパッケージ10の外部端子11を押すように作用するので、固定側弾性接片14から外部端子11が好適に離されるようになるので、ICパッケージ10を取出す際に何等外部端子11が固定側弾性接片14に引っ掛ることがなく、良好にICパッケージ10の取り出しを行うことができる。
【0032】
従って、上記のように構成された本発明のICソケット1においては、カバー部材3の押し下げによって、操作部材としてのカム部材6を介してコンタクト4の開閉操作が容易にでき、しかも、コンタクト4が良好にICパッケージ10の外部端子11と接触でき、かつ開放(オープン)時の移動板5によるコンタクト4の引き離しを絶縁板部材15を介して良好に行って、ICパッケージ10の取り出しや挿入を容易にすることができ、実装作業の効率を向上し、かつ改善してICソケット1の寿命を延ばすことが出来る。しかも、常に安定したコンタクト開放量を維持でき、コンタクト開放量が決め易く、軽操作性に優れ、種々のコンタクトに広く対応でき、ICパッケージ10の外部端子11がコンタクト4に引っ掛ることが全く無い。また、使用されるICパッケージ10には、ボール・グリッド・アレイ・タイプのICパッケージを好適に用いることができる。
【0033】
(実施例2)
図7乃至図9は、本発明のICソケットの実施例2を示す図で、コンタクト開閉機構の例を示すコンタクトの先端部分のフリー状態での斜視図と、オープン状態での斜視図と平面図である。
【0034】
図示されるように、本発明のこの実施例2におけるコンタクト開閉機構が用いられるICソケット自体の構成は、基本的には実施例1のICソケットと同一であり、ここでは、その詳細な説明は省略するものとする。
【0035】
図示されるように、本発明のこの実施例2においては、コンタクト開閉機構としてコンタクト24と一緒に絶縁板部材35が用いられており、コンタクト24が、固定側弾性接片32と可動側弾性接片34とから構成されていて、可動側弾性接片34と一緒に移動できるように絶縁板部材35が、固定側弾性接片32の側部に隣接して設けられている。従って、コンタクト24の開放(オープン)時には、フリー状態や閉合状態から開放(オープン)状態にコンタクト24が作動される場合に、絶縁板部材35が、コンタクト24の可動側弾性接片34と共に移動されて、装着されているICパッケージの外部端子31に絶縁板部材35が当接して外部端子31を押すように作用するので、ICパッケージの外部材端子31を固定側弾性接片32から離すように作用して、外部端子31が固定側弾性接片32に引っ掛るのを良好に防止すると共に、固定側弾性接片32に隣接の別の組の可動側弾性接片34が接触するのを防止して、ショートが発生するのを阻止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1記載のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面に対して該固定側弾性接片と可動側弾性接片がそれぞれ別に左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されているので、絶縁板部材によって固定側弾性接片と隣接の可動側弾性接片との接触を防いでショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用し、オープン時にICパッケージを押してICパッケージ取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができる。
【0037】
本発明の請求項2記載のICソケットは、前記コンタクトが、前記絶縁板部材が前記可動側弾性接片の側部に移動可能に配設されているので、隣接のコンタクトとのショートの発生を防止すると共に、絶縁板部材によってICパッケージを押すことによってコンタクトへの負荷を無くし、ICパッケージ挿入時の位置決め機構として利用して、ICパッケージの取り出し時のコンタクトとの引っ掛りを無くすことができる。
【0038】
本発明の請求項3記載のICソケットは、前記カバー部材の上下動によって前記カム部材により前記移動板が横方向に動かされるので、コンタクトの開閉作動を良好に行ってコンタクトを好適に開閉することができる。
【0039】
本発明の請求項4記載のICソケットは、前記固定側および可動側弾性接片の先端部間に前記移動板の格子状の仕切壁が挟み込まれて配置され、該仕切壁によって前記固定側および移動側弾性接片が開閉されるように形成されているので、コンタクトの開閉作動と絶縁板部材とを好適に作動でき、コンタクトを良好に開閉することができる。
【0040】
本発明の請求項5記載のICソケットは、前記移動板が、前記ソケット本体上に横方向に移動可能に支持され、前記絶縁板部材と共に移動可能に設けられているので、コンタクトの開閉作動と絶縁板部材とを好適に作動でき、かつコンタクトを良好に開閉することができる。
【0041】
本発明の請求項6記載のICソケットは、前記ICパッケージが、ボール・グリッド・アレイタイプのICパッケージであるので、好適にソケットを製作することができると共に、ICパッケージの外部端子を良好に挟み込み接続することができる。
【0042】
本発明の請求項7記載のICソケットは、上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、前記コンタクトが、固定側弾性接片と可動側接片とを有し、かつ中立面上に配置されており、前記固定側弾性接片の側部に絶縁板部材が移動可能に配置されているので、オープン時にICパッケージを押して取り出す際のコンタクトの引っ掛りを良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICソケットの実施例1におけるコンタクトの閉合状態での平面図である。
【図2】図1の本発明のICソケットの中央縦断面図である。
【図3】本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分の配列状態を示すフリー状態での斜視図である。
【図4】本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のオープン状態での斜視図である。
【図5】本発明のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のオープン状態での、ICパッケージの外部端子に対する立面図である。
【図6】図5のコンタクトのオープン状態での平面図である。
【図7】本発明のICソケットの実施例2におけるフリー状態でのコンタクトの先端部分を示す斜視図である。
【図8】図7のコンタクトの先端部分のオープン状態での斜視図である。
【図9】図8のコンタクトの先端部分とICパッケージの外部端子の平面図である。
【図10】従来のICソケットのコンタクト閉合状態での平面図である。
【図11】図10のICソケットの中央縦断面図である。
【図12】従来のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のフリー状態での斜視図である。
【図13】従来のICソケットにおけるコンタクトの先端部分のICパッケージの外部端子に対する閉合状態での断面部分図である。
【図14】従来のICソケットのコンタクトの先端部分の開放状態での斜視図である。
【図15】従来のICソケットのコンタクトの先端部分のICパッケージの外部端子に対するオープン状態での断面部分図である。
【図16】図15のICソケットのコンタクトとICパッケージの外部端子の平面図である。
【符号の説明】
1 ICソケット
2 ソケット本体
3 カバー部材
4 コンタクト
5 移動板
6 カム部材
9 仕切壁
10 ICパッケージ
11 外部端子
12 固定側弾性接片
14 可動側弾性接片
15 絶縁板部材
24 コンタクト
31 外部端子
32 固定側弾性接片
34 可動側弾性接片
35 絶縁板部材
Claims (7)
- 上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、
前記コンタクトは、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面に対して該固定側弾性接片と可動側弾性接片がそれぞれ別に左右両側に配置され、固定側弾性接片と隣接の別の組のコンタクトの可動側弾性接片との間に絶縁板部材が配置されていることを特徴とするICソケット。 - 前記コンタクトは、前記絶縁板部材が前記可動側弾性接片の側部に移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1記載のICソケット。
- 前記カバー部材の上下動によって前記カム部材により前記移動板が横方向に動かされることを特徴とする請求項2記載のICソケット。
- 前記固定側および可動側弾性接片の先端部間に前記移動板の格子状の仕切壁が挟み込まれて配置され、該仕切壁によって前記固定側および可動側弾性接片が開閉されるように形成されていることを特徴とする請求項2記載のICソケット。
- 前記移動板は、前記ソケット本体上に横方向に移動可能に支持され、前記絶縁板部材と共に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のICソケット。
- 前記ICパッケージが、ボール・グリッド・アレイタイプのICパッケージであることを特徴とする請求項1記載のICソケット。
- 上下動可能なカバー部材と、装着されたICパッケージと電気的接続を形成する複数個の挟み込み形のコンタクトと、該コンタクトが固設されるソケット本体と、前記コンタクトを、間隔を置いて保持する移動板とを有するICソケットにおいて、
前記コンタクトは、固定側弾性接片と可動側弾性接片とを有し、かつ中立面上に配置されており、前記固定側弾性接片の側部に絶縁板部材が移動可能に配置されていることを特徴とするICソケット。
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2002
- 2002-07-24 JP JP2002215802A patent/JP2004063106A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100893132B1 (ko) * | 2005-06-30 | 2009-04-15 | 가부시키가이샤 엔프라스 | 전기 부품용 소켓 |
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