JP2004061507A - 光ネットワーク・アナライザの較正技法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1の振幅の第1の偏光波及び第2の振幅の第2の偏光波を利用した制御光学素子の複数の干渉応用測定結果が、本発明に従って得られる。次に、本発明による複数の干渉応用測定結果を用いて、較正結果が導き出される。この較正結果によって、干渉応用光ネットワーク・アナライザに固有の光学特性に起因する不確実性を低減して、第1の振幅の第1の偏光波及び第2の振幅の第2の偏光波を利用して測定される被測定物(DUT)の光学的性質を求めることが可能になる。
【選択図】図1
Description
図1を参照すると、本発明のさまざまな実施態様による較正システム・コンポーネント101を含む干渉応用光ネットワーク・アナライザ100の概略図が示されている。本発明の実施態様の1つによれば、較正システム101は、干渉応用光ネットワーク・アナライザ100に関連した固有の光学特性及び対応する不確実性を求める。結果として、DUTから得られた測定結果から、こうした既知の不確実性を除去することが可能になる。従って、本実施態様では、さらに、光学コンポーネントの光学特性を正確に求めることが可能になる。較正システム101の動作については、「較正方法」の見出しの下に詳述することにする。
A.2ステップ・アプローチ
この較正方法は、最小限で2つの干渉応用測定ステップが必要であるため、「2ステップ」・アプローチと呼ばれる。さらに、下記の2ステップ較正アプローチは、DUT116に最初に送り込まれる偏光が直交するという仮定に基づくものである。すなわち、図1のεx及びεyが直交するものと仮定されている。しかし、本発明は、DUT116に最初に送り込まれる偏光が完全には直交しない場合に用いるのにも適している。一方、後続のサブセクション「B.3ステップ・アプローチ」は、明らかに、DUT116に送り込まれる際、εx及びεyが完全には直交していないケースを対象としたものである。後続セクションにおいて解説するように、干渉応用光ネットワーク・アナライザ100を較正するには、それに関連した固有の光学特性を求めることが必要になる。すなわち、本較正法によれば、DUTに後続するカプラ119、及び、光検出器120及び122に至る光路117を含む光路に帰せられる固有の不確実性の定量が可能になる。次に、この定量を利用すると、光学コンポーネント(すなわち、DUT)の光学特性を正確に求めることができるように、干渉応用光ネットワーク・アナライザ100を較正することが可能になる。
U=PJ (1)
行列Jは、本質的に、DUT116からの入力光波と出力光波との間の相対位相に関する追加情報を備えた、ジョーンズ行列である。この行列Jから、DUT116の透過率または反射率、挿入損失、偏光依存損失(PDL)、群遅延、偏光モード分散(PMD)、及び、色分散を、全て、容易に計算することが可能になる。こうした計算については、先行技術文献に記載がある(例えば、非特許文献1及び2参照)。これらの文献については、参考までに、本明細書において背景材料として援用されている。
ΕyΕLOyΤ22)を受信する。実施態様の1つでは、制御光学コンポーネントは、やはり、パッチコードから構成されているので、伝達関数行列Bはユニタリ行列である。さらに、実施態様の1つでは、制御光学コンポーネントは、同じパッチコードから構成されるが、ステップ302における第1組の測定結果の受信中に配置された位置とは異なる位置に配置される。こうした実施態様の場合、パッチコードの位置の違いは、伝達関数行列Bが伝達関数行列Aとは異なるが、やはり、ユニタリ行列になるようにするのに十分でなければならない。
|Τ12U22−Τ22U12|/|Τ21U11−Τ11U21|=1 (9)
次に、図3のステップ306に記載のように、較正システム101は、(5)式に関連して(9)式の結果を利用して、ΕyとΕxの比Rを求める。すなわち、本実施態様の場合、較正システム101は、W−1Zの非対角要素の複素数の絶対値を割る。本実施態様において、(9)式と組み合わせてこのアプローチを利用することにより、較正システム101は、下記の結果を導き出す。
(10)において、Rは、制御光学素子の第1組及び第2組をなす干渉応用測定結果を得るために用いられる光の波長の関数である。しかし、制御光学素子の第1組及び第2組をなす干渉応用測定結果を得るために用いられる光の波長は、既知の値になる。もう一度図3のステップ306を参照すると、以下に示すように、本実施態様では、比Rを求めることによって、干渉応用光ネットワーク・アナライザの正確な較正を実現した。すなわち、この場合、Rの値を知ることによって、所定のDUTに関する偏光分解伝達関数行列を求めることが可能になる。換言すれば、この場合、本実施態様の方法及びシステムを利用することによって、DUTの測定に影響を及ぼす、干渉応用光ネットワーク・アナライザに関連した、または、それに固有の不確実性を伴うことなく、DUTを測定することが可能になる。
従って、本実施態様は、次に、行列A−1Jに関する解を導き出すことが可能になる。Aはユニタリ行列であり、PMDがないので、行列A−1Jは、行列Jと全く同じ光学的性質を表している。これらの性質には、例えば、DUTの透過率または反射率、挿入損失、偏光依存損失(PDL)、群遅延、変更モード分散(PMD)、及び、色分散が含まれている。従って、本実施態様によれば、DUTの偏光分解伝達関数を求めることが可能になる。
この較正法は、最小限で3つの干渉応用測定ステップが必要になるので、「3ステップ」・アプローチと呼ばれる。さらに、下記の3ステップ較正アプローチは、DUT116に送り込まれる初期偏光が完全には直交しないという仮定に基づくものである。すなわち、図1のεa及びεbが、DUTに送り込まれるとき、完全には直交していないという仮定がなされている。こうした場合、(14)式に示すように偏光した2つの光波を送り込むのではなく、
ΕLOy)について解き、さらに、オーバラップ・パラメータσについても解かなければならない。やはり、ステップ502を参照すると、本実施態様では、まず、制御光学素子(例えば、パッチコード)を用いて、行列(16)が求められる。これは、本3ステップ・アプローチの最初のステップである。
eiθ2−θ1 (25)
が、本較正法にとって重要な情報が含まれていないので、(24)式から除去される。較正システム101は、(24)式の上方左の行列要素と下方右の行列要素を足すことによって、位相係数(25)を除去する。そうすることで、本実施態様の較正システム101は、(26)式を得ることになる。
さらに、(26)式の結果の位相は、(27)式によって示される。
従って、本実施態様の場合、較正システム101は、(24)式の行列に下記に示す(28)式を掛けることによって(24)式の位相係数を除去する。
N1≡g+σh*−g+(σh*)=2Re{σh*} (31)
実施態様の1つにおいて、較正システム101は、行列(29)の上方左の要素から行列(29)の下方右の要素の共役を引いて、(31)式として示された結果を得る。同様に、較正システム101は、行列(30)の上方左の要素から行列(30)の下方右の要素の共役を引く結果として、N2も定義する。
さらに、図5のステップ508に進み、引き続き、比R及びσの解を求めようと試みる際に、本方法では、計算の効率上、Rが次のように定義される。
さらに、本実施態様の較正システム101は、行列(24)の下方左の要素に対応する複素数として、N3を定義する。従って、
N3=−h*/R (34)
また、本実施態様では、(34)式を利用して、それぞれ、(35)及び(36)式で示すように、h*及びs*に関する解析式を定義する。
s*=−RN4 (36)
(36)式において、N4は、行列(30)の下方左の複素数要素である。本較正方法では、(35)及び(36)式を利用して、それぞれ、(31)及び(32)式を(37)及び(38)式のように書き直す。
−2Re{σN4}R=N2 (38)
σが複素数の場合、方程式(37)及び(38)の結果は次の通りである:
N1/N2=(σRN3R―σiN3i)/(σRN4R―σiN4i) (39)
ここで、添え字R及びiは、それぞれ、実数及び虚数成分を表わしている。本較正法では、さらに、解を求めると、σの実数成分と虚数成分の比であるρが得られる。
=σi/σR (40)
(37)及び(38)式を利用すると、xは、下記のように(41)式に従って定義される。
行列(29)の下方左の要素に行列(29)の上方右の要素を掛けると、(42)式が得られる。
(42)
ここで、N6は、やはり既知の量である。行列(29)の下方右の要素に行列(29)の上方左の要素を加えると、(43)式が得られる。
方程式(42)をσ及びRに関して書き直すと、最終的には、(45)、(46)、及び、(47)式で示すように単純化される(44)式を得ることができる。
(44)
−R2|N3|2+RN3(σR+iσRρ)N5+(σR+iρσR)2R2N3 2
=N6 (45)
−R2|N3|2+N3N5(x+iρx)+(x2−2iρx2−ρ2x2)N3 2
=N6 (46)
R2=(N3N5(x+iρx)+(x2+2iρx−ρ2x2)N3 2
−N6)/|N3|2 (47)
次に、(41)式を利用すると、(48)式が得られる。
(47)及び(48)式を利用して、σRの解が求められる。さらに、下記の(49)式を用いられる
σ1=ρσR (49)
本較正法101は、σ自体を解くことが可能である。従って、本較正方法によれば、ΕaとΕbの比Rと、オーバラップ・パラメータσの両方を解く方法が得られる。R及びσは、制御光学素子の第1、第2、及び、第3組の干渉応用測定結果を得るために用いられる光の波長の関数である。図1のWRU106によって、制御光学素子の第1、第2、及び、第3組の干渉応用測定結果を得るために用いられる光の波長が既知の値になるという保証が得られる。もう一度、図5のステップ508を参照すると、後述するように、本実施態様では、比R及びオーバラップ・パラメータσを求めることによって、干渉応用光ネットワーク・アナライザの正確な較正が実現した。すなわち、Rの値及びσの値を知ることによって、次に、ある特定のDUTに関する偏光分解伝達関数行列を求めることが可能になる。換言すれば、本発明の実施態様の方法及びシステムを利用すると、DUTの測定に影響を及ぼすことになる、干渉応用光ネットワーク・アナライザに関連したまたはそれに固有の不確実性を伴うことなく、DUTを正確に測定することが可能になる。
101 較正システム
126 プロセッサ
128 干渉応用測定結果受信部分
130 ユーザ・インターフェイス
Claims (10)
- 干渉応用光ネットワーク・アナライザを較正するための装置であって、
制御光学素子に関して、第1の振幅の第1の偏光波及び第2の振幅の第2の偏光波を利用して得られる、複数組をなす干渉応用測定結果を受信する干渉応用測定結果受信部分と、
前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに関する較正結果を導くための、前記干渉応用測定結果受信部分に結合されたプロセッサと、
該較正結果は、前記複数組をなす干渉応用測定結果を利用して得られ、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに固有の光学特性に起因する不確実性を低減して、被測定物(DUT)の光学的性質の測定を可能にするものであり、
前記プロセッサに結合されたユーザ・インターフェイスと、
を有する装置。 - その少なくとも一部が、干渉応用光ネットワーク・アナライザと一体化されている、請求項1に記載の装置。
- 前記較正結果が、前記第1の振幅と前記第2の振幅の比(R)、及び、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに対応する較正行列(Mcal)から構成される、請求項1に記載の装置。
- 前記較正結果が、前記第1の振幅と前記第2の振幅の比(R)、オーバラップ・パラメータ(σ)、及び、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに対応する較正行列(Mcal)から構成される、請求項1に記載の装置。
- 干渉応用光ネットワーク・アナライザ・システムであって、
干渉応用光ネットワーク・アナライザと、
制御光学素子に関して、第1の振幅の第1の偏光波及び第2の振幅の第2の偏光波を利用して得られる、複数組をなす干渉応用測定結果を受信する干渉応用測定結果受信部分と、
前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに関する較正結果を導き出すための、前記干渉応用測定結果受信部分に結合されたプロセッサと、
該較正結果は、前記複数組をなす干渉応用測定結果を利用して得られる、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに固有の光学特性に起因する不確実性を低減して、被測定物(DUT)の光学的性質の測定を可能にするものであり、
前記プロセッサに結合されたユーザ・インターフェイスと、
を有する干渉応用光ネットワーク・アナライザ・システム。 - 前記較正結果が、前記第1の振幅と前記第2の振幅の比(R)、及び、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに対応する較正行列(Mcal)から構成される、請求項5に記載の干渉応用光ネットワーク・アナライザ・システム。
- 前記較正結果が、前記第1の振幅と前記第2の振幅の比(R)、オーバラップ・パラメータ(σ)、及び、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに対応する較正行列(Mcal)から構成される、請求項5に記載の干渉応用光ネットワーク・アナライザ・システム。
- 干渉応用光ネットワーク・アナライザを較正するための干渉方法であって、
制御光学素子に関して、第1の振幅の第1の偏光波及び第2の振幅の第2の偏光波を利用して得られる、複数組をなす干渉応用測定結果を受信するステップと、
前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに関する較正結果を導き出すステップであって、該較正結果は前記複数組をなす干渉応用測定結果を利用して得られる、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに固有の光学特性に起因する不確実性を低減して、被測定物(DUT)の光学的性質の測定を可能にする、ステップと、
を有する方法。 - 前記較正結果が、前記第1の振幅と前記第2の振幅の比、及び、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに対応する較正行列から構成される、請求項8に記載の方法。
- 前記較正結果が、前記第1の振幅と前記第2の振幅の比、オーバラップ・パラメータ、及び、前記干渉応用光ネットワーク・アナライザに対応する較正行列から構成される、請求項8に記載の方法。
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