JP2004061386A - 角度センサ,角度・トルクセンサ及び電動パワーステアリング - Google Patents

角度センサ,角度・トルクセンサ及び電動パワーステアリング Download PDF

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正木 良三
Satoru Kaneko
金子  悟
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Abstract

【課題】簡単な構造で、絶対角度としての舵角を精度良く検出することができる角度センサを提供することを課題とする。また、簡単な構造で、操舵トルクと舵角をそれぞれ精度良く検出することができるセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリングを提供することを課題とする。
【解決手段】課題を解決する解決手段の一つは、トルクによりねじれるトーションバー5の入力軸1と出力軸2との相対角度を検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出するトルク検出コイル9と、入力軸1或いは出力軸2から伝達され、減速機構により減速された回転で回転する減速軸の回転角度を検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出する角度検出コイル11と、トルク検出コイル9の出力から相対角度を検出してトルクを検出する回路と、角度検出コイル11の出力から回転角度を検出する回路とを有するセンサを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸の回転角度を検出する角度センサ、回転軸の回転角度とトルクを検出する角度・トルクセンサ及び電動パワーステアリングに関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者の操舵トルクに応じてモータのトルクを発生し、タイヤの転舵を補助する自動車の電動パワーステアリングに用いられているセンサとしては従来、例えば特開平5−149805号公報,特開平6−102113号公報などに記載されたものが知られている。この従来のものは非接触式のセンサであり、トーションバーのねじれをインダクタンスの変化として検出し、これに応じて操舵トルクを検出している。また、電動パワーステアリングに用いられているセンサとしては従来、例えば特開2001−91375号公報,特開2001−91377号公報などに記載されているように、トルクセンサと角度センサを一体にしたものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電動パワーステアリングでは、モータのトルクを制御するために、操舵トルクを検出するトルクセンサが必要である。しかも、電動パワーステアリングの低コスト化を図るために、安価なトルクセンサが不可欠である。また、電動パワーステアリングでは、電動パワーステアリングが装着されていない一般的な自動車のように、走行中、ハンドルを手放しにした場合、タイヤが自動的に直進方向に向くようにモータを制御する必要がある。このため、電動パワーステアリングにはトルクセンサの他に、直進方向に対するタイヤの角度を検出する角度センサ、いわゆる舵角センサが必要である。
【0004】
角度センサを設けるにあたっては、電動パワーステアリングの低コスト化,コンパクト化を図ることが望ましい。この点、トルクセンサと角度センサを一体にした前述の特開2001−91375号公報,特開2001−91377号公報に記載されたセンサでは、電動パワーステアリングのコンパクト化を図ることができる。しかしながら、現状、従来のセンサよりもさらに、3回転から4回転する操舵軸の絶対角度を精度よく、しかも安価な構成で検出することができるセンサの出現が望まれている。
【0005】
すなわち前述の特開2001−91375号公報に記載されたセンサは、入力軸に設けられた磁気波条の磁界の強さを検出する第1及び第2の磁気センサの検出値に基づいて入力軸の回転角度を求め、入力軸に設けられた磁気波条の磁界の強さを検出する第1の磁気センサの検出値に基づいて求められた入力軸の回転角度と、出力軸に設けられた磁気波条の磁界の強さを検出する第3の磁気センサの検出値に基づいて求められた出力軸の回転角度との角度差に応じて入力軸に加わるトルクを求めるものであり、原理的に操舵軸の数分の1回転を1周期として検出する方式のものである。ところが、ハンドルは左右にそれぞれ1回転以上回転するので、角度センサとしては少なくとも720°以上の絶対角度を検出する必要がある。しかし、この公報に記載されたセンサは、上述のような検出方式を採用したものであるので、絶対角度とトルクを検出するセンサとしてはさらに検出精度を向上させる必要がある。
【0006】
また、前述の特開2001−91377号公報に記載されたセンサは、入力軸と一体回転が可能かつ入力軸の軸方向に摺動が可能であり、極性の異なる磁石が外周壁の周方向に交互に装着された摺動部材を入力軸に嵌装し、摺動部材の軸方向の摺動及び回転に応じた磁石の磁束の変化を第1及び第2の磁気センサで検出し、入力軸に加わるトルク及び回転角度を検出するものである。しかし、この公報に記載されたセンサでは摺動部材の構造が複雑になるので、安価な電動パワーステアリングを提供するためにはさらに構造を簡単化して低コスト化を図る必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、簡単な構造で、絶対角度としての舵角を精度良く検出することができる角度センサを提供する。また、本発明は、簡単な構造で、操舵トルクと舵角をそれぞれ精度良く検出することができるセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリングを提供する。
【0008】
本発明の一つは、回転軸から伝達された回転を減速させる減速機構と、減速機構の減速軸の回転角度によりインダクタンスを変化させる可変インダクタンス機構と、インダクタンスの変化を検出する検出コイルと、検出コイルの出力から回転軸の角度を検出する回路とを有するセンサを特徴とする。本発明において、減速軸の回転角度に対する可変インダクタンス機構によるインダクタンスの変化が減速軸の回転角度0近傍で最大であることが、電動パワーステアリングによる舵角の中心を精度良く検出する上で好ましい。
【0009】
本発明の他のものは、トルクによりねじれるトーションバーの入力軸と出力軸との相対角度を検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出するトルク検出コイルと、入力軸或いは出力軸から伝達され、減速機構により減速された回転で回転する減速軸の回転角度を検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出する角度検出コイルと、トルク検出コイルの出力から相対角度を検出してトルクを検出する回路と、角度検出コイルの出力から回転角度を検出する回路とを有するセンサを特徴とする。本発明において、トルク検出コイルの出力及び角度検出コイルの出力或いはそれらのうちの一方の出力を補償する補償手段を有することが、安定した検出結果を得る上で好ましい。補償手段は、例えばトルク検出コイルの出力及び角度検出コイルの出力或いはそれらのうちの一方の出力を補償する補償信号を得るために設けられた機構によって決まる状態量を検出する補償コイルと、補償コイルの出力から補償信号を生成して出力する補償回路とを備えて構成されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施例を図1乃至図4に基づいて説明する。図4は本実施例の電動パワーステアリング装置の構成を示す。電動パワーステアリング装置は、運転者の操舵トルクに応じてモータのトルクを発生し、タイヤの転舵を補助するものであり、自動車などの走行車に搭載されている。運転者からの操舵トルクが伝達されるステアリングホイール16には入力軸1の一端側が連結されている。入力軸1の他端側は、図示省略されたトーションバーを介して出力軸2の一端側に連結されている。出力軸2の他端側はステアリングギア機構70を介してロッド71に連結されている。ロッド71の両端にはタイヤ19a,19bが転舵可能に連結されている。入力軸1及び出力軸2は、運転者からステアリングホイール16に伝達された操舵トルクによって回転する。尚、入力軸1及び出力軸2を合わせてステアリングシャフト(操舵軸)という。ステアリングシャフトの回転運動はステアリングギア機構70によって左右の直線運動に変換され、ロッド71に伝達される。これにより、走行車の直進方向に対してタイヤ19a,19bの向きを左右に変える(転舵する)ことができる。
【0011】
ここで、タイヤ19a,19bの回転軸の軸線の延びる方向における外周面幅の中央を中心として中心線を引いた場合、その中心線が走行車の直進方向に対して向く方向を転舵方向という。中心線と回転軸の軸線との交点を軸として走行車の直進方向に対して転舵方向がなす角度を舵角という。タイヤ19a,19bの転舵方向が走行車の直進方向と同方向(舵角が0)にある場合、ここを舵角の基準としてこれを舵角中心という。タイヤ19a,19bの転舵方向が舵角中心にある時のステアリングホイール16の位置を基準位置とし、その基準位置に対してステアリングホイール16の位置が時計の回転方向にずれる(ステアリングホイール16が時計の回転方向に回転する)場合を正方向、ステアリングホイール16の位置が時計の回転方向とは逆方向にずれる(ステアリングホイール16が時計の回転方向とは逆方向に回転する)場合を負方向とそれぞれいう。運転者がステアリングホイール16を操舵する場合、ステアリングホイール16が正方向に操舵(回転)された時にステアリングホイール16に加わる操舵トルクを正操舵トルク,ステアリングホイール16が負方向に操舵(回転)された時にステアリングホイール16に加わる操舵トルクを負操舵トルクとそれぞれいう。尚、ステアリングホイール16が基準位置にある時、ステアリングホイール16に加わる操舵トルクは0である。ステアリングシャフトの軸線の延びる方向と同じ方向を操舵軸方向という。
【0012】
入力軸1と出力軸2との間には、運転者からステアリングホイール16を介してステアリングシャフトに伝達された操舵トルク及びタイヤ19a,19bの舵角を検出する角度・トルクセンサ3(ステアリング用センサともいう)が設けられている。出力軸2には、モータ18の回転トルクをアシストトルクとして出力軸2に伝達できるように、モータ18の回転軸が連結されている。角度・トルクセンサ3とモータ18との間には、角度・トルクセンサ3の出力(検出結果)に基づいてモータ18の駆動を制御するコントローラ17が電気的に接続されている。コントローラ17は、角度・トルクセンサ3によって検出された操舵トルクに基づいてモータ18が発生すべきアシストトルクを算出し、この算出結果に基づいてモータ18の発生トルクを制御する。このように、電動パワーステアリング装置では、モータ18の駆動を制御し、モータ18で発生したアシストトルクを出力軸2に付加するので、運転者は小さい操舵トルクでタイヤ19a,19bの転舵方向を変えることができる。
【0013】
また、コントローラ17は、角度・トルクセンサ3によって検出された舵角のフィードバックを受けて、この舵角に基づいてモータ18の駆動を制御する。このように、電動パワーステアリング装置では、モータ18の駆動を制御し、モータ18で発生した駆動力を出力軸2に付加するので、走行車の走行中に運転者がステアリングホイール16を手放した時、電動パワーステアリング装置が搭載されていない走行車と同じように、タイヤ19a,19bの転舵方向を舵角中心に戻す、すなわち舵角を0とすることができる。
【0014】
本実施例によれば、角度センサ及びトルクセンサが一体になった角度・トルクセンサ3をステアリングシャフトに設け、操舵トルク及び舵角を検出しているので、コントローラ17及びモータ18をコンパクトにまとめることができ、電動パワーステアリング装置のコンパクト化を図ることができる。さらに、本実施例では、角度・トルクセンサ3,コントローラ17及びモータ18を完全に一体化することもでき、電動パワーステアリング装置のさらなるコンパクト化を図ることもできる。
【0015】
図1,図2は本実施例の角度・トルクセンサの構成を示す。本実施例の角度・トルクセンサ3は、ステアリングシャフトの回転に伴うインダクタンスの変化を利した非接触式のステアリング用センサであり、インダクタンスの変化を検出してトーションバーのねじれ角を検出し、操舵トルクを検出するトルクセンサと、インダクタンスの変化を検出して舵角を検出する角度センサとが一体化になったコンパクトなものである。
【0016】
入力軸1と出力軸2との間にはトーションバー5が接続されている。トーションバー5は操舵トルクに応じてねじれる。トーションバー5の入力軸1側には入力軸検出リング6が配置されている。入力軸検出リング6は入力軸1と一体になって回転する。トーションバー5の出力軸2側には出力軸検出リング4が配置されている。出力軸検出リング4は出力軸2と一体になって回転する。入力軸検出リング6及び出力軸検出リング4は短円柱(径に比べて長さが短い円柱)状の磁性部材から形成されたものであり、ステアリングシャフト上に対向配置されている。
【0017】
入力軸検出リング6の外周部の出力軸検出リング4側端部には、出力軸検出リング4との対向方向(操舵軸方向)に突出した円弧状の凸部6aと、出力軸検出リング4との対向方向とは逆方向に窪んだ円弧状の凹部6bとが周方向に交互に複数形成されて歯部が形成されている。出力軸検出リング4の外周部の入力軸検出リング6側端部には、入力軸検出リング6との対向方向(操舵軸方向)に突出した円弧状の凸部6aと、入力軸検出リング6の対向方向とは逆方向に窪んだ円弧状の凹部6bとが周方向に交互に複数形成されて歯部が形成されている。入力軸検出リング6の凸部6a(凹部6b)及び出力軸検出リング4の凸部4a(凹部4b)の数,大きさ及び周方向の配置ピッチ(凸部(凹部)の中心軸から次の凸部(凹部)の中心軸までの距離)は等しい。
【0018】
入力軸検出リング6及び出力軸検出リング4の外方でかつ入力軸検出リング6の歯部の外周面と出力軸検出リング4の歯部の外周面との両方と対向する部位には、車体に固定されたトルク検出コイル9が近接配置されている。トルク検出コイル9の外周部(入力軸検出リング6の歯部の外周面及び出力軸検出リング4の歯部と対向する内周面を除く部分)は磁性部材15によって覆われている。磁性部材15は、入力軸検出リング6及び出力軸検出リング4と共に、トルク検出コイル9に生じる磁束が通る磁気回路を構成している。
【0019】
運転者がステアリングホイール16を操舵し、運転者の操舵トルクがステアリングホイール16を介して入力軸1に伝達され、入力軸1が回転するとトーションバー5はねじれる。トーションバー5のねじれにより、入力軸検出リング6の歯部と、それに対向する出力軸検出リング4の歯部との周方向の相対的な位置関係がずれる。これにより、入力軸検出リング6の歯部の凸部6aと出力軸検出リング4の歯部の凸部4aとの対面する面積が変化し、トルク検出コイル9の外周部に配置された磁性部材15,入力軸検出リング6及び出力軸検出リング4によって構成される磁気回路の磁気結合の度合いが変化し、トルク検出コイル9のインダクタンスが変化する。従って、トルク検出コイル9に高周波電圧を印加してトルク検出コイル9に生じる電圧を検出する、すなわちインダクタンスの変化を検出することにより、入力軸検出リング6と出力軸検出リング4との周方向の相対的な位置関係のずれ(相対角度)を検出することができ、入力軸1に加わる操舵トルクを検出することができる。
【0020】
尚、本実施例の角度・トルクセンサ3では、操舵トルクが0の時、入力軸検出リング6の歯部の凸部6aと出力軸検出リング4の歯部の凸部4aが互に1/2の面積で対向するように、入力軸検出リング6と出力軸検出リング4との相対的な周方向の位置関係を設定している。従って、本実施例の角度・トルクセンサ3では、インダクタンスの最大変化とインダンクタンスの最小変化のほぼ中間にあたるインダクタンスの変化を検出することができる。
【0021】
入力軸検出リング6の出力軸検出リング4側とは反対側には補償リング7が配置されている。補償リング7は中空短円柱状の磁性部材によって形成されたものであり、入力軸1上において入力軸検出リング6と対向している。また、補償リング7は入力軸1とは分離されて固定され、回転することがないように、入力軸1上に配置されている。すなわち補償リング7は、その中心部に設けられた中空部の内周面と入力軸1の外周面との間に所定の間隙を介して入力軸1がその中空部を貫通し、しかも補償リング7と入力軸1が同心状をなすように、入力軸1上に配置されている。
【0022】
補償リング7の外周部の入力軸検出リング6側端部には、入力軸検出リング6との対向方向(操舵軸方向)に突出した円弧状の凸部7aと、入力軸検出リング6の対向方向とは逆方向に窪んだ円弧状の凹部7bとが周方向に交互に複数形成されて歯部が形成されている。補償リング7の凸部7a(凹部7b)の数,大きさ及び周方向の配置ピッチ(凸部(凹部)の中心軸から次の凸部(凹部)の中心軸までの距離)は、入力軸検出リング6の凸部6a(凹部6b)の数,大きさ及び周方向の配置ピッチと等しい。
【0023】
補償リング7及び入力軸検出リング6の外方でかつ補償リング7の歯部の外周面と入力軸検出リング6の補償リング7側端部の外周面との両方と対向する部位には、車体に固定された補償コイル10が近接配置されている。補償コイル10は、入力軸1と一体になって回転する入力軸検出リング6と固定された補償リング7で決定されるインダクタンスを検出するものである。トルク検出コイル9がインダクタンスの変化を検出する際、温度によりその出力値が変化する場合がある。従って、補償コイル10の出力によってトルク検出コイル9の出力値を補償する必要がある。補償コイル10の外周部(補償リング7の歯部の外周面及び入力軸検出リング6の補償リング7側端部の外周面と対向する内周面を除く部分)は磁性部材15によって覆われている。磁性部材15は、補償リング7及び入力軸検出リング6と共に、補償リング7に生じる磁束が通る磁気回路を構成している。
【0024】
運転者がステアリングホイール16を操舵し、運転者の操舵トルクがステアリングホイール16を介して入力軸1に伝達され、入力軸1が回転すると、入力軸検出リング6と補償リング7との周方向の相対的な位置関係がずれる。前述したように、補償リング7は固定され(回転せず)、入力軸検出リング6の補償リング7側端部には歯部が形成されていないので、補償コイル10の外周部に配置された磁性部材15,入力軸検出リング6及び補償リング7によって構成される磁気回路の磁気結合の度合いが一定である。このため、補償コイル10のインダクタンスは、入力軸検出リング6と補償リング7との周方向の相対的な位置関係のずれでは変化せず、温度等の外部条件だけで変化する。従って、補償コイル10に高周波電圧を印加して補償コイル10に生じる電圧を検出する、すなわち温度等の外部条件だけで変化するインダクタンス検出し、トルク検出コイル9の出力値との差分をとることにより、温度等の外部条件により変化するトルク検出コイル9の出力値を補償することができる。
【0025】
本実施例によれば、補償リング7と補償コイル10とを有する補償手段を備えているので、周囲温度が変化した場合、トルク検出コイル9におけるコイル抵抗の変化や出力特性の変化の影響を補償することができる。従って、本実施例によれば、簡単な構造で、高精度のトルク検出を行うことができる。また、インダクタンスの変化は、入力軸検出リング6の歯部の凸部6aと出力軸検出リング4の歯部の凸部4aとの対向面積の総和で決定されるので、入力軸検出リング6の歯部及び出力軸検出リング4の歯部の加工精度がインダクタンスに影響する割合を低減することができる。従って、本実施例によれば、簡単な構造で、安定したトルクセンサ性能を得ることができる。
【0026】
補償リング7の入力軸検出リング6側とは反対側には角度検出リング8が配置されている。補償リング7及び角度検出リング8は入力軸1上において対向している。角度検出リング8は、入力軸1上に固定されたサンギア12と、サンギア12の外周に複数個配置されてそれぞれサンギア12と噛み合うプラネタリーギア13と、複数個のプラネタリーギア13を取り巻くように配置されて複数個のプラネタリーギア13のそれぞれと噛み合うリングギア14から構成された遊星歯車機構であり、入力軸1の回転を減速してリングギア14(減速軸)に伝達する構成になっている。リングギア14は磁性部材によって形成されている。減速機構として遊星歯車機構を採用した本実施例によれば、入力軸1の回転をコンパクトな構成で減速することができる。
【0027】
角度検出リング8の外周部(リングギア14に相当する)の補償リング7側端部には、補償リング7との対向方向(操舵軸方向)に突出した円弧状の凸部8aと、補償リング7の対向方向とは逆方向に窪んだ円弧状の凹部8bとが周方向に形成されて歯部が形成されている。補償リング7の外周部の角度検出リング8側端部には、角度検出リング8との対向方向(操舵軸方向)に突出した円弧状の凸部7cと、角度検出リング8の対向方向とは逆方向に窪んだ円弧状の凹部7dとが周方向に形成されて歯部が形成されている。凸部8a及び凹部8bは角度検出リング8の円周上に1/2ずつ、凸部7c及び凹部7dは補償リング7の円周上に1/2ずつそれぞれ形成されている。角度検出リング8の凸部8a(凹部8b)及び補償リング7の凸部7a(凹部7b)の大きさは等しい。
【0028】
補償リング7及び角度検出リング8の外方でかつ補償リング7の角度検出リング8側歯部の外周面と角度検出リング8の歯部の外周面との両方と対向する部位には、車体に固定された角度検出コイル11が近接配置されている。角度検出コイル11の外周部(補償リング7の角度検出リング8側歯部の外周面及び角度検出リング8の外周面と対向する内周面を除く部分)は磁性部材15によって覆われている。磁性部材15は、角度検出リング8(リングギア14)及び補償リング7と共に、角度検出コイル11に生じる磁束が通る磁気回路を構成している。
【0029】
ステアリングホイール16は基準位置から正方向及び負方向にそれぞれ2回転する。すなわち絶対角度で1440°回転する。このため、本実施例では、遊星歯車機構により入力軸1の回転を減速比1/8で減速し、角度検出リング8(リングギア14)を最大180°で回転させ、この回転によるインダクタンスの変化を角度検出コイル11で検出し、角度検出コイル11の出力値から舵角を検出している。尚、本実施例では、減速比1/8とした場合について説明したが、これに限定されることはなく、1/4から1/10までのいずれかを選択すればよい。
【0030】
運転者がステアリングホイール16を操舵し、運転者の操舵トルクがステアリングホイール16を介して入力軸1に伝達され、入力軸1が回転する。入力軸1の回転はサンギア12に伝達され、プラネタリーギア13を介して減速されてリングギア14に伝達される。これにより、補償リング7の歯部と、それに対向する角度検出リング8の歯部との周方向の相対的な位置関係がずれ、補償リング7の歯部の凸部7cと角度検出リング8の歯部の凸部8aとの対面する面積が変化し、角度検出コイル11の外周部に配置された磁性部材15,補償リング7及び角度検出リング8によって構成される磁気回路の磁気結合の度合いが変化し、角度検出コイル11のインダクタンスが変化する。従って、角度検出コイル11に高周波電圧を印加して角度検出コイル11に生じる電圧を検出する、すなわちインダクタンスの変化を検出することにより、補償リング7と角度検出リング11との周方向の相対的な位置関係のずれ(相対角度)を検出することができ、入力軸1の回転角度、すなわち舵角を検出することができる。
【0031】
ステアリングホイール16の正方向で舵角が最大値になる時、補償リング7の歯部の凸部7cと角度検出リング8の歯部の凸部8aとの対面する面積は最大になる。ステアリングホイール16の負方向で舵角が最大値になる時、補償リング7の歯部の凸部7cと角度検出リング8の歯部の凸部8aとの対面する面積が最小になる。舵角0の時、補償リング7の歯部の凸部7cと角度検出リング8の歯部の凸部8aとの対面する面積は最大面積と最小面積の平均値になる。本実施例では、この平均値となった場合に舵角0としている。
【0032】
入力軸検出リング6,出力軸検出リング4,補償リング7及び角度検出リング8はいずれも同じ外径を有しており、ステアリングシャフトを同軸としてその同軸上に並設されている。トルク検出コイル9,補償コイル10,角度検出コイル11はいずれもリング状に形成されたものであり、入力軸検出リング6,出力軸検出リング4,補償リング7及び角度検出リング8の並列体を同軸としてその同軸上に一体に配置されている。尚、本実施例では、各コイルの構成が判り易いように半リング状で図示している。
【0033】
図3は、本実施例の角度・トルクセンサにおける操舵トルク及び舵角の検出回路を示す。発振器20は、インダクタンスを検出するための高周波信号を発生する。トルク検出コイル9,補償コイル10,角度検出コイル11のインダクタンスをそれぞれインダクタンス21,22,23に示す。トルク検出コイル9と補償コイル10の出力(電圧)が差動増幅器24に入力されると、差動増幅器24の出力はそれらの差分によって変化する。操舵トルクが0の時は差動増幅器24の出力は0となる。ステアリングホイール16の正方向で操舵トルクが最大値の時及びステアリングホイール16の負方向で操舵トルクが最大値の時、差動増幅器24の出力はそのトルク範囲内でそれぞれ最大値になる。すなわち温度等の外部条件の影響を除去することができる構成になっている。差動増幅器24の出力信号は出力増幅器25で増幅され、操舵トルク信号τとしてコントローラ17に出力される。
【0034】
上述のように、舵角0の時、角度検出コイル11によって検出されるインダクタンスの変化はインダクタンスの変化の最大値と最小値の平均値になる。本実施例では、角度検出コイル11によって検出されるインダクタンスの変化と、補償コイル10によって検出されるインダクタンスを一致させている。このため、舵角0の時、角度検出コイル11の出力と補償コイル10の出力との差分により差動増幅器26の出力は0となる。舵角+720°の時、角度検出コイル11のインダクタンスの変化は最大値になり、差動増幅器26の出力も最大値になる。舵角−720°の時、角度検出コイル11のインダクタンスは最小値になり、差動増幅器26の出力も最小値になる。差動増幅器26の出力信号は出力増幅器27で増幅され、舵角信号θとしてコントローラ17に出力される。
【0035】
以上説明した本実施例によれば、温度等の外部状態の変化を補償する1つの補償コイル10を2つのセンサ、すなわちトルクセンサと角度センサの補償に利用することができるので、安価で高性能の角度・トルクセンサ3を提供することができる。また、本実施例によれば、トルクセンサと同様に、インダクタンスの変化による検出原理を用いて、角度センサを構成したので、同一形状の検出コイルを利用することができ、同軸上にトルクセンサと角度センサをコンパクトに配置することができる。さらに、本実施例によれば、角度センサに遊星歯車機構を内蔵しているので、絶対角度1440°の回転角度範囲を検出することができ、高精度で幅広い範囲の舵角を検出することができる角度・トルクセンサ3を提供することができる。
【0036】
本発明の第2実施例を図5,図6に基づいて説明する。本実施例はインダクタンスの変化方法が第1実施例と異なる。本実施例では、磁性体で形成された歯車状のトルク検出リング31と、磁性体で形成された歯車状の補償リング32が一体になり、入力軸1と共に一体で回転する。
【0037】
トルク検出リング31の外周面には、操舵軸方向に連続して形成された円弧状の凸部31aと、操舵軸方向に連続して形成された円弧状の凹部31bとが周方向に交互に複数形成されて歯部が形成されている。補償リング32の外周面には、操舵軸方向に連続して形成された円弧状の凸部32aと、操舵軸方向に連続して形成された円弧状の凹部32bとが周方向に交互に複数形成されて歯部が形成されている。トルク検出リング31の凸部31a(凹部31b)及び補償リング32の凸部32a(凹部32b)の数は等しいが、大きさ及び周方向の配置ピッチ(凸部(凹部)の中心軸から次の凸部(凹部)の中心軸までの距離)は異なっている。本実施例では、補償リング32の凸部32aの周方向の長さがトルク検出リング31の凸部31aの周方向の長さより1/2短い。補償リング32の凹部32bの周方向の長さは、その凸部32aの周方向の長さがトルク検出リング31の凸部31aの周方向の長さより1/2短い分、トルク検出リング31の凹部31bの周方向の長さよりも大きい。
【0038】
トルク検出リング31の外方でトルク検出リング31の外周面と対向する部位には、トルク検出リング31の外周を覆うように、円筒状の非磁性部材28が近接配置されている。補償リング32の外方で補償リング32の外周面と対向する部位には、補償リング32の外周を覆うように、円筒状の非磁性部材29が近接配置されている。非磁性部材28及び非磁性部材29は一体で構成されたものであり、出力軸2に固定されて出力軸2と一体で回転する。トルク検出リング31の凹部31bと対向する非磁性部材28の周壁には、非磁性部材28の外側と内側を連通する矩形状の開口部28aがトルク検出リング31の複数の凹部31bのそれぞれと対応するように設けられている。補償リング32の凹部32bと対向する非磁性部材29の周壁には、非磁性部材29の外側と内側を連通する矩形状の開口部29aが補償リング32の複数の凹部32bのそれぞれと対応するように設けられている。トーションバー5はトルク検出リング31及び補償リング32の内部を貫通し、入力軸1と出力軸2とを接続している。
【0039】
非磁性部材28の外方で非磁性部材28の外周面と対向する部位にはリング状のトルク検出コイル9が近接配置されている。トルク検出コイル9の外周部(非磁性部材28の外周面と対向する内周面を除く部分)を覆う磁性部材15はトルク検出リング31と共にトルク検出コイル9の磁気回路を構成している。非磁性部材29の外方で非磁性部材29の外周面と対向する部位にはリング状の補償コイル10が近接配置されている。補償コイル10の外周部(非磁性部材29の外周面と対向する内周面を除く部分)を覆う磁性部材15は補償リング32と共に補償コイル9の磁気回路を構成している。
【0040】
運転者がステアリングホイール16を操舵し、運転者の操舵トルクがステアリングホイール16を介して入力軸1に伝達され、入力軸1が回転するとトーションバー5はねじれる。トーションバー5のねじれにより、トルク検出リング31と非磁性部材28との周方向の相対的な位置関係がずれる。これにより、トルク検出リング31の歯部の凸部31aの非磁性部材28の開口部28aから露出する表面積が変化し、トルク検出コイル9の外周部に配置された磁性部材15及びトルク検出リング31によって構成される磁気回路の磁気結合の度合いが変化してトルク検出コイル9のインダクタンスが変化する。従って、トルク検出コイル9に高周波電圧を印加してトルク検出コイル9に生じる電圧を検出する、すなわちインダクタンスの変化を検出することにより、トルク検出リング31と非磁性部材28との周方向の相対的な位置関係のずれ(相対角度)を検出することができ、入力軸1に加わる操舵トルクを検出することができる。
【0041】
操舵トルクが0の時、トルク検出リング31の歯部の凸部31aの非磁性部材28の開口部28aから露出する表面積は全体の1/2になる。この時、インダクタンスの変化はインダクタンスの変化の最大値とインダクタンスの変化の最小値との平均値になる。正操舵トルクが増加した時、非磁性体28の開口部28aから露出するトルク検出リング31の歯部の凸部31aの表面積は拡大する。この時、トルク検出コイル9に生じた磁束は、トルク検出コイル9の外周部にある磁性部材15及びトルク検出リング31の歯部の凸部31aから形成された磁気回路を通り易くなえる。これにより、インダクタンスの変化が増加する。負操舵トルクが増加した時、非磁性体28の開口部28aから露出するトルク検出リング31の歯部の凸部31aの表面積は減少する。これにより、インダクタンスの変化が小さくなる。
【0042】
非磁性体29の開口部29aの開口面積は、非磁性体28の開口部28aの開口面積よりも大きいので、補償コイル10と補償リング32との周方向の相対的な位置関係が異なっていたとしても、補償コイル10のインダクタンス値は一定になる。この場合、補償コイル10のインダクタンス値が、操舵トルク0の時におけるトルク検出コイル9のインダクタンス値と等しくなるように設計することが望ましい。
【0043】
本実施例によれば、第1実施例と同様に、入力軸1に加わる操舵トルクの大きさによるインダクタンスの変化をトルク検出コイル9で検出すると共に、温度などの外部条件によるインダクタンスの変化を補償コイル10で検出し、これらの検出結果に基づいて第1実施例と同様の検出回路をもって、温度補償を行いながら入力軸1に加わる操舵トルクを検出するので、第1実施例と同様に、精度の良くトルク検出を行うことができる。
【0044】
入力軸1上には第1実施例と同様に角度検出リング33が配置されている。本実施例の角度検出リング33は第1実施例と同様に、サンギア12,プラネタリーギア13及びリングギア14からなる遊星歯車減速機構である。角度検出リング33の外周面(リングギア14の外周面)には、操舵軸方向に連続して形成された円弧状の凸部33aと、操舵軸方向に連続して形成された円弧状の凹部33bが周方向に形成されて歯部が形成されている。凸部33a及び凹部33bは角度検出リング33の外周上に1/2ずつ形成されている。
【0045】
角度検出リング33の外方でかつ角度検出リング33の外周面と対向する部位には、角度検出リング33の外周を覆うように、円筒状の非磁性部材30が近接配置されている。非磁性部材30は車体などに固定されて回転しない。角度検出リング33の凹部33bと対向する非磁性部材30の周壁には、非磁性部材30の外側と内側を連通する矩形状の開口部28aが凹部33bと対応するように設けられている。非磁性部材30の外方で非磁性部材30の外周面と対向する部位にはリング状の角度検出コイル11が近接配置されている。角度検出コイル11の外周部(非磁性部材30の外周面と対向する内周面を除く部分)を覆う磁性部材15は角度検出リング33と共に角度検出コイル11の磁気回路を構成している。本実施例では、第1実施例と同様に、角度検出リング33の減速比を1/8に設定しているが、これに限定されることはなく、1/4から1/10までのいずれかを選択すればよい。
【0046】
運転者がステアリングホイール16を操舵し、運転者の操舵トルクがステアリングホイール16を介して入力軸1に伝達され、入力軸1が回転する。入力軸1の回転はサンギア12に伝達され、プラネタリーギア13を介して減速されてリングギア14に伝達される。これにより、角度検出リング33と非磁性部材30との周方向の相対的な位置関係がずれ、角度検出リング33の歯部の凸部33aの非磁性部材30の開口部30aから露出する表面積が変化し、角度検出コイル11の外周部に配置された磁性部材15及び角度検出リング33によって構成される磁気回路の磁気結合の度合いが変化して角度検出コイル11のインダクタンスが変化する。従って、角度検出コイル11に高周波電圧を印加して角度検出コイル11に生じる電圧を検出する、すなわちインダクタンスの変化を検出することにより、角度検出リング33と非磁性部材30との周方向の相対的な位置関係がずれ(相対角度)を検出することができ、入力軸1の回転角度(1440°の絶対回転角度範囲)、すなわち舵角を検出することができる。
【0047】
本実施例によれば、第1実施例と同様に、入力軸1の回転角度の大きさによるインダクタンスの変化を角度検出コイル11で検出すると共に、温度などの外部条件によるインダクタンスの変化を補償コイル10で検出し、これらの検出結果に基づいて第1実施例と同様の検出回路をもって、温度補償を行いながら入力軸1の回転角度(舵角)を検出するので、第1実施例と同様に、精度の良く角度検出を行うことができる。
【0048】
トルク検出リング31、補償リング32及び角度検出リング22はいずれも同じ外径を有しており、ステアリングシャフトを同軸としてその同軸上に並設されている。非磁性部材28,29,30はいずれも同じ径を有しており、トルク検出リング31,補償リング32及び角度検出リング22の並列体を同軸としてその同軸上に配置されている。トルク検出コイル9,補償コイル10,角度コイル11はいずれもリング状に形成されたものであり、非磁性部材28,29,30の並列体を同軸としてその同軸上に一体に配置されている。
【0049】
本発明の第3実施例を図7,図8に基づいて説明する。本実施例は、角度・トルクセンサ3の操舵軸方向の長さを短くする例である。入力軸1と出力軸2との間には、操舵軸方向の一方側から第1のトルク検出コイル34,トルク用磁路形成部35,第2のトルク検出コイル36,角度用磁路形成部37及び角度検出コイル38の順にステアリングシャフト上に近接して並設されている。第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36は、その外周部(トルク用磁路形成部35と操舵軸方向に対向する側面の部分を除く部分)を覆う磁性部材15と、トルク用磁路形成部35から構成される磁気回路の変化をインダクタンスの変化として検出するリング状の検出素子である。
【0050】
トルク用磁路形成部35は、円盤状の出力側非磁性体35a,円盤状の入力側非磁性体35b,歯車状のトルク検出リング50及び中空短円柱状のトーションバー取付部51から構成されている。トルク検出リング50は、その外周面に凸部と凹部とが周方向に交互に複数形成された磁性部材であり、操舵軸方向に対向する出力側非磁性体35aと入力側非磁性体35bとの間に配置され、出力軸2に固定されて出力軸2と一体に回転する。出力側非磁性体35a,入力側非磁性体35b及びトーションバー取付部51は入力軸1に固定されて入力軸1と一体に回転する。入力軸1及と出力軸2は、トーションバー取付部51の内部で、図示省略したトーションバーにより接続されている。これにより、入力軸1と出力軸2との間には操舵トルクの大きさに応じて相対的な回転角度差が生じる。出力側非磁性体35aの外周部には、操舵軸方向の一方側から他方側に貫通し、トルク検出リング50の複数の凸部のそれぞれと対応するように複数の矩形状の開口部35cが形成されている。入力側非磁性体35bの外周部には、操舵軸方向の一方側から他方側に貫通し、トルク検出リング50の複数の凸部のそれぞれと対応するように複数の矩形状の開口部35dが形成されている。
【0051】
本実施例では、操舵トルクが0の時、出力側非磁性体35aの開口部35cと入力側非磁性体35bの開口部35dから、トルク検出リング50の凸部がそれぞれ1/2ずつ露出するように、出力側非磁性体35aと入力側非磁性体35bとの周方向の相対的な位置をずらして配置している。すなわち操舵トルクが0の時、同一面上における出力側非磁性体35aの開口部35cの中心軸から入力側非磁性体35bの開口部35dの中心軸までの周方向のピッチがトルク検出リング50の凸部の周方向の距離と等しい。従って、操舵トルクが0の時、第1のトルク検出コイル34の磁気回路を構成するトルク検出リング50の面積と第2のトルク検出コイル36の磁気回路を構成するトルク検出リング50の面積が同じになるので、第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36のインダクタンスは同じ値になる。
【0052】
正操舵トルクの場合、第1のトルク検出コイル34から出力側非磁性体35aの開口部35cをとおして見えるトルク検出リング50の凸部の表面積は増加する。一方、第2のトルク検出コイル36から入力側非磁性体35bの開口部35dをとおして見えるトルク検出リング50の凸部の表面積は減少する。この時、第1のトルク検出コイル34のインダクタンスは大きくなり、第2のトルク検出コイル36のインダクタンスは小さくなる。操舵トルクを増加して、出力側非磁性体35aの開口部35cの全面にトルク検出リング50の凸部が見える時、第1のトルク検出コイル34のインダクタンスは最大になる。この時、入力側非磁性体35bの開口部35dをとおして見えるトルク検出リング50の凸部の表面積は最小或いは0になる。すなわち第2のトルク検出コイル36のインダクタンスは最小となる。負操舵トルクの場合、正操舵トルクの場合とは逆になるので、第1のトルク検出コイル34のインダクタンスは減少し、第2のトルク検出コイル36のインダクタンスは増加する。従って、第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36の出力からその差を検出することにより、操舵トルクを求めることができる。
【0053】
舵角は角度用磁路形成部37,角度検出コイル38により検出している。角度用磁路形成部37は、開口部のない円盤状の非磁性体37a,操舵軸方向の一方側から他方側に貫通する半リング状の開口部37cを有するリング状の非磁性体37b,半径の大きい半円状の磁性体(凸部)と半径の小さい半円状の磁性体(凹部)とを組み合わせたリング状の角度検出リング60、及び角度検出リング60の内周側に設けられ、サンギア12,プラネタリーギア13及びリングギア14からなる遊星歯車機構から構成されている。
【0054】
非磁性体部37bは固定され、回転しない構造になっている。角度検出リング60は入力軸1の回転を遊星歯車機構により1/8に減速して回転する構造になっている。尚、遊星歯車機構は、入力軸に接続されたサンギア12,サンギア12の回転をリングギアに伝達するプラネタリーギア13及び角度検出リング60と一体になったリングギア14から構成されているが、複数のプラネタリーギア13の回転中心はいずれも固定されたキャリア39に接続されていることが必要である。尚、本明細書でこれまで述べてきた遊星歯車機構も、固定されたキャリアを持っていることを前提としている。従って、遊星歯車機構を減速機構として利用することができる。
【0055】
入力軸1が回転すると、角度検出リング60が減速されて回転し、非磁性体37bの開口部37から見える角度検出リング60の半円状の磁性体(凸部)の表面積が変化する。これにより、角度検出コイル38のインダクタンスが変化するので、ステアリングホイール16の舵角を計測することができる。
【0056】
図9は本実施例の角度・トルクセンサにおける検出回路の構成を示す。発振器20から各コイルに高周波電圧を印加することは図3に示した方法と同じである。第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36のインダクタンスをそれぞれインダクタンス52,53に示す。第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36の出力信号(電圧信号)は差動増幅器24に入力される。差動増幅器24は第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36の出力信号の差から操舵トルクを検出し、これに応じた出力信号を出力する。差動増幅器24の出力信号は出力増幅器25で増幅され、操舵トルクτとしてモータのコントロールに出力される。本実施例では、第1のトルク検出コイル34及び第2のトルク検出コイル36の出力差から操舵トルクを検出しているので、周囲温度の影響などを除去する機能を兼ね備えている。
【0057】
第1及び第2のトルク検出コイル34,36のインダクタンス52,53の出力を平均化するために、平均値回路55にそれぞれの出力を入力している。前述したように操舵トルクが変化すると、一方のインダクタンスは増加し、他方のインダクタンスは減少する。従って、その平均値は常に同じ値となり、出力信号は周囲の環境状態による変化だけから影響を受けることになる。本実施例では、平均値回路55の出力を補償信号として、差動増幅器26に入力している。差動増幅器26では、角度検出コイル38のインダクタンス54の出力信号と補償信号とに基づいて舵角を検出し、これに応じた出力信号を出力する。差動増幅器26の出力信号は出力増幅器27で増幅され、舵角θとしてモータのコントロールに出力される。
【0058】
以上説明した本実施例によれば、専用の補償コイルを用いることなく、舵角の温度補償などを行うことができ、前例よりも安価でよりコンパクトな角度・トルクセンサを構成することができる。特に運転席内の空間を利用する電動パワーステアリング装置には最適である。
【0059】
本発明の第4実施例を図10乃至図13に基づいて説明する。本実施例は角度・トルクセンサの舵角中心の角度検出精度を向上させる例である。図7の実施例と異なる点は、舵角を検出するために用いられる第1の角度検出コイル62,第2の角度検出コイル38、及び角度用磁路形成部63を備えた点、トルクセンサと角度センサとの間の干渉を防止するための干渉防止用非磁性体61を設けた点にあり、以下、それらについて説明する。尚、第2の角度検出コイル38は図7の実施例における角度検出コイル38と同一の構成要素であるが、検出される出力信号の発生状態が異なる。第2のトルク検出コイル36及び第1の角度検出コイル62は、それぞれコイルの外周部に磁気回路を構成する磁性部材15を有している。このため、それらの間に干渉防止用非磁性体61を介在させ、磁気干渉を防止するように配慮している。
【0060】
角度用磁路形成部63は、入力軸1から伝達された回転を遊星歯車減速機構により1/6に減速して回転する角度検出リング64,固定された第1の非磁性体63a及び固定された第2の非磁性体63aから構成されている。それらを軸方向から見た平面図を図12に示す。角度検出リング64は小さな半径の円状構造体64aに加えて、半径が大きい角度110°の扇状の構造体64bを有している。角度検出リング64において、小さな半径の円状構造体64aよりも外側の扇状の構造体64bは磁性体である。
【0061】
第1の非磁性体63aは円周90°の範囲で円弧状の開口部63cを有している。第2の非磁性体63bは円周90°の範囲で円弧状の開口部63dを有している。開口部63c,63dは操舵軸方向の一方側から他方側に貫通するものである。入力軸1の回転に従って回転する角度検出リング64の角度により、第1の非磁性体63aの開口部63cから見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積と第2の非磁性体63bの開口部63dから見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積が異なる。
【0062】
ここで、舵角(横軸)に対するインダクタンスの大きさ(縦軸)の関係を示す図13の特性図を用いて詳細に説明する。尚、ここでは、開口部から見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積が最大のとき、インダクタンスは最大となり、開口部から見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積が0になると、インダクタンスは最小になることを基本として説明する。角度検出リング64の角度が0の時、第1の非磁性体63aの開口部63cから見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積及び第2の非磁性体63bの開口部63dから見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積はいずれも面積比55/90(角度検出リング64の扇状の構造体64bの見える面積/第1の非磁性体63aの開口部63c或いは第2の非磁性体63bの開口部63dの面積)で同じである。このため、第1の角度検出コイル62及び第2の角度検出コイル38のインダクタンスは一致している。
【0063】
角度検出リング64の角度が0°から正方向に大きくなると、第2の非磁性体63bの開口部63dから見える検出リング64の扇状の構造体64bの面積は増加し、第1の非磁性体63aの開口部63cから見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積は減少する。角度検出リング64の角度が35°になると、角度検出リング64の扇状の構造体64bは第2の非磁性体63bの開口部63d全体、つまり面積比100%(90/90)で見ることができる。従って、第2の角度検出コイル38のインダクタンスは最大となる。このとき、第1の非磁性体63aの開口部63cから見える角度検出リング64の扇状の構造体64bの面積は面積比で20/90となる。
【0064】
さらに、角度検出リング64の角度が55°まで大きくなると、第2の非磁性体63bの開口部63dからは100%の面積比、第1の非磁性体63aの開口部63cからは0%の面積比でそれぞれ角度検出リング64の扇状の構造体64bを見ることになる。この時、第2の角度検出コイル38のインダクタンスは最大となり、第1の角度検出コイル62のインダクタンスは最小となる。角度検出リング64の角度がそれ以上になると、第1の角度検出コイル62のインダクタンスは最小のままで、第2の角度検出コイル38のインダクタンスは徐々に低下していく。最終的に角度検出リング64の角度が145°になると、第1の非磁性体63aの開口部63c及び第2の非磁性体63bの開口部63dのいずれからも、角度検出リング64の扇状の構造体64bは見ることができなくなり、インダクタンスは第1の角度検出コイル62及び第2の角度検出コイル38とも最小になる。
【0065】
角度検出リング64の角度が負の場合も同様に、第1の角度検出コイル62及び第2の角度検出コイル38のインダクタンスは変化する。尚、角度検出リング64の角度が+145°,−145°であるとき、舵角はその6倍、すなわち+870°,−870°となる。図13の特性図はそのような関係をもっている。
【0066】
実際に検出する信号は第2の検出コイル38と第1の検出コイル62との出力差であるので、図13の特性図に示すよう、にインダクタンスの差(L2−L1)に対応していると考えてよい。図13の特性図から明らかなように、舵角が正の時、インダクタンスの差(L2−L1)は常に正である。また、角度検出リング64の角度が55°まではインダクタンスの差(L2−L1)は単調増加しており、角度検出リング64の角度が55°の時、最大値となる。それ以上の角度の時は、インダクタンスの差(L2−L1)は徐々に減少し、第1の角度検出コイル62のインダクタンスL1は最小のままである。これにより、角度検出リング64の角度が55°より大きいと判断することができる。角度が負の場合も同様である。このように演算することにより、絶対角度として舵角を1740°の範囲で検出することができる。
【0067】
また、図13の特性図によれば、角度検出リング64角度に対するインダクタンスの差(L2−L1)の変化は角度検出リング64の角度が±35°の範囲で最も大きい。従って、検出角度の信号変化は舵角中心付近で最も大きく、その分解能を向上することになる。電動パワーステアリング装置では、走行中にステアリングホイールから手を離すと、自動的にタイヤが舵角中心の方向を向くように制御する必要があり、本実施例ではその精度を向上できる利点がある。また、ここで用いた検出用コイルはトルク検出用と角度検出用ではあるが、同一形状のコイルを使用することができるので、部品種類を低減することができ、低コスト化に貢献することができる。
【0068】
以上、本発明の実施例では、トルクセンサと角度センサを一体にしたコンパクトな電動パワーステアリング用センサについて述べた。また、補償コイルをトルクセンサと角度センサに兼用する方法について、本発明の実施例では、電子回路でアナログとして処理しているが、マイクロコンピュータでのソフト処理で実施しても良い。複数の実施例について述べたが、これらを組み合わせて、信頼性の向上を図ることもできる。さらに、本発明の実施例で述べたセンサは、複数回転する絶対角度を検出する必要がある通常の角度センサとしても有効である。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、簡単な構造で、絶対角度としての舵角を精度良く検出することができる角度センサを提供することができる。また、本発明によれば、簡単な構造で、操舵トルクと舵角をそれぞれ精度良く検出することができるセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の角度・トルクセンサの構成を示す斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の角度・トルクセンサにおける検出回路の構成を示す回路図である。
【図4】図1の角度・トルクセンサをステアリング用センサとして電動パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施例の角度・トルクセンサの構成を示す斜視図である。
【図6】図5の分解斜視図である。
【図7】本発明の第3実施例の角度・トルクセンサの構成を示す斜視図である。
【図8】図7の分解斜視図である。
【図9】図8の角度・トルクセンサにおける検出回路の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第4実施例の角度・トルクセンサの構成を示す斜視図である。
【図11】図10の分解斜視図である。
【図12】図11の角度検出リング,第1及び第2の非磁性体を軸方向から見た平面図である。
【図13】図10の舵角に対するインダクタンスの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1…入力軸、2…出力軸、3…角度・トルクセンサ、4…出力軸検出リング、5…トーションバー、6…入力軸検出リング、7,32…補償リング、8,33,60,64…角度検出リング、9,34,36…トルク検出コイル、10…補償コイル、11,38,62…角度検出コイル、12…サンギア、13…プラネタリーギア、14…リングギア、15…磁性部材、16…ステアリングホイール、17…コントローラ、18…モータ、19a,19b…タイヤ、20…発振器、21,22,23,52,53,54…インダクタンス、24,26…差動増幅器、25,27…出力増幅器、28,29,30,63a,63b…非磁性体、31,50…トルク検出リング、35…トルク用磁路形成部、37…角度用磁路形成部、39…キャリア、51…トーションバー取付部、55…平均値回路、61…干渉防止用非磁性体。

Claims (20)

  1. 回転軸から伝達された回転を減速させる減速機構と、該減速機構の減速軸の回転角度によりインダクタンスを変化させる可変インダクタンス機構と、前記インダクタンスの変化を検出する検出コイルと、該検出コイルの出力から前記回転軸の角度を検出する回路とを有することを特徴とする角度センサ。
  2. 請求項1において、前記減速軸の回転角度に対する前記可変インダクタンス機構によるインダクタンスの変化が前記減速軸の回転角度0近傍で最大であることを特徴とする角度センサ。
  3. 請求項1において、前記減速機構は、サンギア,プラネタリーギア及びリングギアから構成された遊星ギアであることを特徴とする角度センサ。
  4. 請求項1において、前記減速機構の減速比が1/4から1/10であることを特徴とする角度センサ。
  5. トルクによりねじれるトーションバーの入力軸と出力軸との相対角度を検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出するトルク検出コイルと、前記入力軸或いは前記出力軸から伝達され、減速機構により減速された回転で回転する減速軸の回転角度を検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出する角度検出コイルと、前記トルク検出コイルの出力から前記相対角度を検出して前記トルクを検出する回路と、前記角度検出コイルの出力から前記回転角度を検出する回路とを有することを特徴とする角度・トルクセンサ。
  6. 請求項5において、前記減速機構は、サンギア,プラネタリーギア及びリングギアから構成された遊星ギアであることを特徴とする角度・トルクセンサ。
  7. 請求項5において、前記減速機構の減速比が1/4から1/10であることを特徴とする角度・トルクセンサ。
  8. 請求項5において、前記検出コイルは同一形状であることを特徴とする角度・トルクセンサ。
  9. 請求項5において、前記トルク検出コイルの出力及び前記角度検出コイルの出力或いはそれらのうちの一方の出力を補償する補償手段を有することを特徴とする角度・トルクセンサ。
  10. 請求項5において、前記トルク検出コイルは第1及び第2の検出コイルを備えてなり、前記角度検出コイルは第3及び第4の検出コイルを備えてなり、前記トルク検出回路は前記第1及び第2の検出コイルの出力差により前記相対角度を検出して前記トルクを検出し、前記回転角度検出回路は前記第3及び第4の検出コイルの出力差により前記回転角度を検出し、前記第1乃至第4の検出コイルは同軸上に一体に配置されていることを特徴とする角度・トルクセンサ。
  11. 請求項9において、前記補償手段は、前記トルク検出コイルの出力及び前記角度検出コイルの出力を補償する補償信号を得るために設けられた機構によって決まる状態量を検出する補償コイルと、該補償コイルの出力から前記補償信号を生成して出力する補償回路とを備えてなることを特徴とする角度・トルクセンサ。
  12. 請求項9において、前記トルク検出コイルは第1及び第2の検出コイルを備えてなり、前記トルク検出回路は前記第1及び第2の検出コイルの出力差から前記トルクを検出し、前記補償手段は、前記第1及び第2の検出コイルの出力平均値から補償信号を生成して前記角度検出コイルの出力を補償する補償回路であることを特徴とする角度・トルクセンサ。
  13. 請求項11において、前記トルク検出コイルは、前記入力軸に配置された検出リングと前記出力軸に配置された検出リングとの相対角度により変化するインダクタンスの変化を検出し、前記補償コイルは、固定された補償リングと前記入力軸検出リング或いは前記出力軸検出リングとにより決定されるインダクタンスを検出し、前記角度検出コイルは、前記減速軸に配置された減速軸検出リングと前記補償リングとの相対角度により変化するインダクタンスの変化を検出することを特徴とする角度・トルクセンサ。
  14. 請求項11において、前記トルク検出コイルは、前記入力軸に配置された検出リングと前記出力軸に配置された検出リングとの相対角度により変化するインダクタンスの変化を検出し、前記補償コイルは、補償リングにより決定されるインダクタンスを検出し、前記角度検出コイルは、固定されたリングと前記減速軸に配置された減速軸検出リングとの相対角度により変化するインダクタンスの変化を検出することを特徴とする角度・トルクセンサ。
  15. 請求項12において、前記第1及び第2の検出コイルは、前記入力軸と前記出力軸にそれぞれ配置された入力軸検出リングと出力軸検出リングの相対角度により変化するインダクタンスを検出し、前記角度検出コイルは、固定されたリングと前記減速軸に配置された減速軸検出リングとの相対角度により変化するインダクタンスを検出することを特徴とする角度・トルクセンサ。
  16. ステアリングの回転軸を駆動するモータと、前記回転軸上に取り付けられて操舵トルクによりねじれるトーションバーの入力軸と出力軸との相対角度から前記操舵トルクを検出するために設けられた機構による状態量の変化を検出するトルク検出コイル、前記入力軸或いは前記出力軸から伝達され、減速機構により減速された回転から舵角を検出するために設けられた機構の状態量の変化を検出する角度検出コイル、前記トルク検出コイルの出力から前記相対角度を検出して前記操舵トルクを検出する回路、前記角度検出コイルの出力から前記舵角を検出する回路を備えてなるステアリング用センサと、該ステアリング用センサで検出された前記操舵トルク及び前記舵角により前記モータを制御する制御装置とを有することを特徴とする電動パワーステアリング。
  17. 請求項16において、前記トルク検出コイルの出力及び前記角度検出コイルの出力或いはそれらのうちの一方の出力を補償する補償手段を有することを特徴とする電動パワーステアリング。
  18. 請求項16において、前記トルク検出コイルは第1及び第2の検出コイルを備えてなり、前記角度検出コイルは第3及び第4の検出コイルを備えてなり、前記操舵トルク検出回路は前記第1及び第2の検出コイルの出力差により前記相対角度を検出して前記操舵トルクを検出し、前記舵角検出回路は前記第3及び第4の検出コイルの出力差により前記舵角を検出し、前記第1乃至第4の検出コイルは同軸上に一体に配置されていることを特徴とする電動パワーステアリング。
  19. 請求項17において、前記補償手段は、前記トルク検出コイルの出力及び前記角度検出コイルの出力を補正する補償信号を得るために設けられた機構によって決まる状態量を検出する補償コイルと、該補償コイルの出力から前記補償信号を生成して出力する補償回路とを備えてなり、前記制御装置は、前記補償手段によって補正された前記操舵トルク及び前記舵角により前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング。
  20. 請求項17において、前記トルク検出コイルは第1及び第2の検出コイルを備えてなり、前記トルク検出回路は前記第1及び第2の検出コイルの出力差から前記回転トルクを検出し、前記補償手段は、前記第1及び第2の検出コイルの出力平均値から補償信号を生成して前記角度検出コイルの出力を補償する補償回路であり、前記制御装置は、前記操舵トルク及び前記補償手段によって補正された前記舵角により前記モータを制御することを特徴とする電動パワーステアリング。
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