【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ化合物は、樹脂をはじめとする各種化学製品およびその合成中間体等として重要な化合物であり、その製造方法として、例えばオレフィン類を、m−クロロ過安息香酸や過酢酸等の過酸で酸化する方法が知られている。しかしながら、過酸は、比較的高価で、取扱いに注意を要し、また反応後の後処理も面倒であるため、過酸を用いないエポキシ化合物の製造方法の開発が望まれていた。
【0003】
特に、近年、グリーンケミストリー、環境にやさしい製造方法という考え方に基づいた製造方法の開発が重要となってきており、酸化反応においては、安価で、取扱いが容易で、しかも反応後には無害な水となる、過酸化水素を酸化剤として用いる製造方法が注目されてきている。過酸化水素を用いてオレフィン類からエポキシ化合物を製造する方法としては、例えばトリカプリルメチルアンモニウムクロリド、タングステン酸ナトリウムおよびリン酸の存在下、1,2−ジクロロエタン溶媒中で、1−オクテンと過酸化水素を反応させる方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、環境面および労働衛生面で問題のあるハロゲン原子を含む相間移動触媒や溶媒を用いているため、クリーンな酸化剤である過酸化水素を用いてはいるものの、環境にやさしい製造方法という点では、さらなる改善が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
特開昭56−18972号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、ハロゲン原子を含む相間移動触媒や溶媒を用いない、より環境にやさしいエポキシ化合物の製造方法を開発すべく、鋭意検討したところ、溶媒としてトルエンを、相間移動触媒として、第四級アンモニウム硫酸水素塩を用い、タングステン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるタングステン酸化物およびリン酸類の存在下、オレフィン類と過酸化水素を反応させることにより、目的とするエポキシ化合物が得られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、トルエン溶媒中、タングステン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるタングステン酸化物、第四級アンモニウム硫酸水素塩およびリン酸類の存在下、オレフィン類と過酸化水素とを反応させることを特徴とするエポキシ化合物の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるオレフィン類としては、その分子内に一つ以上のオレフィン性炭素−炭素二重結合を有する化合物であれば特に制限されない。かかるオレフィン類としては、例えば一般式(1)
(式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シリル基またはハロゲン原子を表わす。ここで、R1、R2、R3およびR4のうちの任意の二つが結合して、環構造の一部を形成してもよい。)
で示されるオレフィン類が挙げられる。
【0008】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基は、置換基を有していてもよく。置換基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等のアルコキシ基、後述するシリル基、後述するハロゲン原子等が挙げられる。
【0009】
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等およびこれらフェニル基、ナフチル基等を構成する芳香環に、例えば上記したアルキル基、上記したアルコキシ基、後述するシリル基、後述するハロゲン原子、例えばアセチル基、プロピオニル基等のアシル基等の置換基が置換した、例えば2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−アセチルフェニル基等が挙げられる。
【0010】
アラルキル基としては、上記したアルキル基と上記したアリール基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジル基、フェニルエチル基、4−フルオロベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メチルベンジル基、2−クロロベンジル基等が挙げられる。
【0011】
シリル基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等の三置換シリル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0012】
また、上記一般式(1)で示されるオレフィン類の式中、R1、R2、R3およびR4のうちの任意の二つが結合して、環構造の一部を形成している場合の環構造としては、例えばシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロデカン環等が挙げられる。もちろんかかる環構造は、上記したアルキル基、上記したアルコキシ基、上記したシリル基、上記したアリール基、上記したハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。
【0013】
かかるオレフィン類としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、アリルシクロヘキサン、スチレン、4−(tert−ブチル)スチレン、アリルベンゼン、4−メトキシスチレン、サフロール、オイゲノール、3,4−ジメトキシ−1−アリルベンゼン等の一置換オレフィン類、
【0014】
例えば2−ブテン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、2−メチル−1−ヘキセン、3−ヘキセン、2−ヘプテン、2−メチル−1−ヘプテン、3−ヘプテン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン、2−ノネン、2−メチル−2−ノネン、3−ノネン、4−ノネン、5−デセン、2−メチル−1−ウンデセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、メチレンシクロヘキサン、β−メチルスチレン、スチルベン、イソサフロール、イソオイゲノール、β−ピネン、ノルボルネン等の二置換オレフィン類、
【0015】
例えば2−メチル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキセン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、2−メチル−2−ヘプテン、1−メチルシクロペンテン、1−メチルシクロヘキセン、1−(tert−ブチル)シクロヘキセン、1−イソプロピルシクロヘキセン、2−カレン、3−カレン、α−ピネン等の三置換オレフィン類、例えば2,3−ジメチル−2−ブテン、2,3,4−トリメチル−2−ペンテン等の四置換オレフィン類等が挙げられる。
【0016】
かかるオレフィン類の中には、幾何異性体や光学異性体が存在するものがあるが、本発明には、単独の幾何異性体や光学異性体を用いてもよいし、幾何異性体の混合物や光学異性体の混合物を用いてもよい。
【0017】
タングステン化合物としては、例えばタングステン金属、タングステンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物、タングステンと第IVb族元素とからなるタングステン化合物、タングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化合物、タングステンと第VIb族元素とからなるタングステン化合物等の単独または混合物が挙げられる。
【0018】
タングステンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えばホウ化タングステンが、タングステンと第IVb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えば炭化タングステンが、タングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えばリン化タングステン、チッ化タングステンが、タングステンと第VIb族元素とからなるタングステン化合物としては、例えば酸化タングステン、硫化タングステン、タングステン酸、タングステン酸二ナトリウム等がそれぞれ挙げられる。かかるタングステン化合物のうち、水和物が存在するものは、無水物を用いてもよいし、水和物を用いてもよい。
【0019】
かかるタングステン化合物の中でも、タングステン金属、炭化タングステン、ホウ化タングステン、硫化タングステン、タングステン酸、酸化タングステン、タングステン酸二ナトリウムが好ましい。またタングステン化合物の粒径は特に制限されないが、タングステン酸化物の調製をより容易にするという点で、粒径が細かいタングステン化合物を用いることが好ましい。
【0020】
かかるタングステン化合物と過酸化水素とを反応させることにより、タングステン酸化物が調製される。過酸化水素としては、通常水溶液が用いられる。過酸化水素水溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水溶液は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いればよい。
【0021】
タングステン酸化物を調製する際に用いる過酸化水素の使用量は、タングステン化合物に対して、通常3モル倍以上、好ましくは5モル倍以上であり、その上限は特に制限されない。
【0022】
タングステン化合物と過酸化水素との反応は、通常水中もしくはトルエン/水混合溶媒中で実施される。反応温度は、通常−10〜100℃である。
【0023】
タングステン化合物と過酸化水素とを、水中もしくはトルエン/水混合溶媒中で反応させると、タングステン化合物の全部もしくは一部が溶解し、タングステン酸化物を含む溶液もしくは懸濁液が得られるが、該溶液もしくは懸濁液から、タングステン酸化物を取り出して、オレフィン類と過酸化水素との反応の触媒として用いてもよいし、該溶液もしくは該懸濁液をそのまま触媒として用いてもよい。
【0024】
タングステン酸化物調製の際、タングステン化合物と過酸化水素との接触効率を向上させるため、タングステン酸化物調製液中で、タングステン化合物が十分分散するよう攪拌しながら反応を行うことが好ましい。また、タングステン化合物と過酸化水素との接触効率を高め、タングステン酸化物調製時の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状のタングステン化合物等粒径の細かなタングステン化合物を用いることが好ましい。
【0025】
リン酸類としては、例えばリン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム等が挙げられ、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムが好ましい。かかるリン酸類は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0026】
リン酸類の使用量は、タングステン酸化物に対して、通常0.1〜4モル倍、好ましくは0.3〜2モル倍である。
【0027】
かかるリン酸類は、予め上記したタングステン酸化物調製の際に用いてもよい。
【0028】
第四級アンモニウム硫酸水素塩としては、例えば硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルエチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルブチルアンモニウム、硫酸水素テトラオクチルアンモニウム、硫酸水素トリ(デシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(デシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(デシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(デシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(ドデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ドデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ドデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(ドデシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(テトラデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(テトラデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(テトラデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(テトラデシル)アンモニウム、硫酸水素トリ(ヘキサデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ヘキサデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(ヘキサデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(ヘキサデシル)アンモニウム、
【0029】
硫酸水素トリ(オクタデシル)メチルアンモニウム、硫酸水素トリ(オクタデシル)エチルアンモニウム、硫酸水素トリ(オクタデシル)ブチルアンモニウム、硫酸水素テトラ(オクタデシル)アンモニウム、硫酸水素トリヘキシルメチルアンモニウム、硫酸水素トリヘキシルエチルアンモニウム、硫酸水素トリヘキシルブチルアンモニウム、硫酸水素テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラメチルアンモニウム、硫酸水素テトラエチルアンモニウム、硫酸水素テトラプロピルアンモニウム、硫酸水素ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリメチルアンモニウム、硫酸水素ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素N−ラウリルピリジニウム、硫酸水素N−セチルピリジニウム、硫酸水素N−ラウリルピコリニウム等が挙げられる。
【0030】
かかる第四級アンモニウム硫酸水素塩は、予め上記したタングステン酸化物調製の際に加えておいてもよいが、通常はオレフィン類と過酸化水素との反応の際に加えられる。
【0031】
オレフィン類との反応に用いる過酸化水素としては、通常水溶液が用いられ、その濃度は、特に制限されないが、容積効率や安全面を考慮すると、実用的には、1〜60重量%である。
【0032】
過酸化水素の使用量は、オレフィン類に対して、通常0.8モル倍以上、好ましくは1モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすいため、実用的には、オレフィン類に対して、5モル倍以下、好ましくは3モル倍以下である。タングステン酸化物を含む溶液もしくは懸濁液を用いる場合には、該溶液もしくは該懸濁液中に含まれる過酸化水素の量を考慮して過酸化水素の使用量を決めればよい。
【0033】
タングステン酸化物の使用量は、タングステン金属として、オレフィン類に対して、通常0.001〜0.95モル倍、好ましくは0.005〜0.1モル倍である。
【0034】
本発明は、オレフィン類と過酸化水素との反応を、上記したタングステン酸化物、リン酸類および第四級アンモニウム硫酸水素塩の存在下、トルエン溶媒中で行うことを特徴とするものであり、第四級アンモニウム硫酸水素塩とトルエン溶媒を組み合わせることにより、ハロゲン原子を含む相間移動触媒や溶媒を用いることなく、エポキシ化合物を製造することができるため、環境にやさしい製造プロセスとなる。
【0035】
トルエン溶媒の使用量は、あまり少ないと反応副生物が生成しやすく、あまり多いと容積効率の面で不利になりやすいため、オレフィン類に対して、通常0.1〜20重量倍、好ましくは0.5〜20重量倍である。
【0036】
オレフィン類と過酸化水素との反応は、通常タングステン酸化物、第四級アンモニウム硫酸水素塩、リン酸類、オレフィン類および過酸化水素を接触、混合することにより行われるが、例えばタングステン化合物、第四級アンモニウム硫酸水素塩、リン酸類、オレフィン類および過酸化水素を接触、混合し、タングステン酸化物の調製操作と、オレフィン類と過酸化水素との反応とを同時並行的に行ってもよい。
【0037】
反応温度は、通常0〜130℃である、またオレフィン類と過酸化水素との反応は、通常常圧条件下で実施されるが、減圧もしくは加圧条件下で実施してもよい。
【0038】
反応速度や反応副生成物の生成抑制等の面で、反応系内のpHが、1〜4の範囲であることが好ましく、2〜3.5の範囲がより好ましく、2〜3の範囲がさらに好ましい。そのため、反応系内のpH範囲が上記の範囲内でない場合は、硫酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等を用いて、反応系内のpHを上記範囲に調整し、反応を実施することが好ましい。
【0039】
反応終了後、得られた反応液をそのままもしくは必要に応じて残存する過酸化水素を、亜硫酸ナトリウム等の還元剤で分解した後、分液処理することにより、目的とするエポキシ化合物を含むトルエン溶液を得ることができ、該トルエン溶液を濃縮処理、晶析処理等することにより、エポキシ化合物を取り出すことができる。取り出したエポキシ化合物は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ、再結晶等通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0040】
かくして得られるエポキシ化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、4,4−ジメチル−1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、3,3−ジメチル−1,2−エポキシブタン、シクロペンチルエチレンオキシド、シクロヘキシルエチレンオキシド、3−シクロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、スチレンオキシド、4−(tert−ブチル)スチレンオキシド、3−フェニル−1,2−エポキシプロパン、4−メトキシスチレンオキシド、サフロールオキシド、3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,2−エポキシプロパン、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,2−エポキシプロパン、
【0041】
2,3−エポキシブタン、2−メチル−1,2−エポキシプロパン、2−メチル−1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシペンタン、2,3−エポキシヘキサン、2−メチル−1,2−エポキシヘキサン、3,4−エポキシヘキサン、2,3−エポキシヘプタン、3,4−エポキシヘプタン、2,3−エポキシオクタン、3,4−エポキシオクタン、4,5−エポキシオクタン、2,3−エポキシノナン、2−メチル−1,2−エポキシノナン、3,4−エポキシノナン、4,5−エポキシノナン、5,6−エポキシデカン、2−メチル−1,2−エポキシウンデカン、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、4−メチルシクロヘキセンオキシド、シクロヘプテンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロデセンオキシド、シクロドデセンオキシド、β−メチルスチレンオキシド、スチルベンオキシド、イソサフロールオキシド、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,2−エポキシプロパン、β−ピネンオキシド、ノルボルネンオキシド、
【0042】
2−メチル−2,3−エポキシブタン、2−メチル−2,3−エポキシペンタン、2−メチル−2,3−エポキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,3−エポキシヘキサ−4−エン、2−メチル−2,3−エポキシヘプタン、1−メチル−1,2−エポキシシクロペンタン、1−メチル−1,2−エポキシシクロヘキサン、1−(tert−ブチル)−1,2−エポキシシクロヘキサン、1−イソプロピル−1,2−エポキシシクロヘキサン、2−カレンオキシド、3−カレンオキシド、α−ピネンオキシド、2,3−ジメチル−2,3−エポキシブタン、2,3,4−トリメチル−2,3−エポキシペンタン等が挙げられる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0044】
実施例1
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.15gおよび30重量%過酸化水素水7.2gを仕込み、内温50℃で15分攪拌、反応させ、タングステン酸化物調製液を得た。該調製液を室温まで冷却し、リン酸水素二ナトリウム0.07gを添加し、3分攪拌した後、水酸化ナトリウムを加え、pH2.3に調整した。これに、1−オクテン4.4g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.19gおよびトルエン8mLからなる溶液を仕込み、内温90℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、1,2−エポキシオクタンを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、1,2−エポキシオクタンの収率は、95%であった。
【0045】
実施例2
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.15gおよび30重量%過酸化水素水7.2gを仕込み、内温50℃で15分攪拌、反応させ、タングステン酸化物調製液を得た。該調製液を室温まで冷却し、リン酸三ナトリウム0.15gを添加し、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.3に調整した。これに、シクロオクテン4.4g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.19gおよびトルエン8mLからなる溶液を仕込み、内温90℃で3時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、シクロオクテンオキシドを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、シクロオクテンオキシドの収率は、95%であった。
【0046】
実施例3
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.074gおよび30重量%過酸化水素水3.7gを仕込み、内温50℃で15分攪拌、反応させ、タングステン酸化物調製液を得た。該調製液を室温まで冷却し、リン酸三ナトリウム0.1gを添加し、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.5に調整した。これに、3−カレン2.8g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.095gおよびトルエン4mLからなる溶液を仕込み、室温で96時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を分液処理し、カレンオキシドを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、カレンオキシドの収率は、97%であった。
【0047】
実施例4
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.15gおよび30重量%過酸化水素水7.2gを仕込み、内温50℃で15分攪拌、反応させ、タングステン酸化物調製液を得た。該調製液を室温まで冷却し、リン酸三ナトリウム0.2gを添加し、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.5に調整した。これに、2−オクテン4.4g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.19gおよびトルエン8mLからなる溶液を仕込み、内温70℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、2,3−エポキシオクタンを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、2,3−エポキシオクタンの収率は、76%であった。
【0048】
実施例5
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン金属0.15gおよび30重量%過酸化水素水7.2gを仕込み、内温50℃で15分攪拌、反応させ、タングステン酸化物調製液を得た。該調製液を室温まで冷却し、リン酸三ナトリウム0.2gを添加し、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.5に調整した。これに、シクロヘキセン3.3g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.19gおよびトルエン4mLからなる溶液を仕込み、室温で65時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を分液処理し、1,2−エポキシシクロヘキサンを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、1,2−エポキシシクロヘキサンの収率は、67%であった。
【0049】
実施例6
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン酸二ナトリウム12水和物0.26g、30重量%過酸化水素水7.2gおよびリン酸0.16gを仕込み、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.4に調整した。これに、2−ノルボルネン3.8g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.19gおよびトルエン8mLからなる溶液を仕込み、室温で30時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を分液処理し、ノルボルネンオキシドを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、ノルボルネンオキシドの収率は、87%であった。
【0050】
実施例7
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン酸二ナトリウム12水和物0.07g、30重量%過酸化水素水1.8gおよびリン酸0.04gを仕込み、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.5に調整した。これに、1,4−ジヒドロナフタレン1.3g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.05gおよびトルエン2mLからなる溶液を仕込み、内温50℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、ベンゾシクロヘキサンオキシドを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を濃縮処理し、濃縮残渣を1H−NMRにより分析したところ、ベンゾシクロヘキサンオキシドの収率は、86%であった。
【0051】
実施例8
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン酸二ナトリウム12水和物0.07g、30重量%過酸化水素水1.8gおよびリン酸0.04gを仕込み、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.3に調整した。これに、4−フェニル−1−ブテン1.3g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.05gおよびトルエン2mLからなる溶液を仕込み、内温90℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、4−フェニル−1,2−エポキシブタンを含むトルエン溶液を得た。
該トルエン溶液を、ガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析したところ、4−フェニル−1,2−エポキシブタンの収率は、96%であった。
【0052】
実施例9
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン酸二ナトリウム12水和物0.03g、30重量%過酸化水素水0.9gおよびリン酸0.005gを仕込み、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2に調整した。これに、ビニルアダマンタン0.81g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.02gおよびトルエン1mLからなる溶液を仕込み、内温100℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、アダマンチルエチレンオキシドを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を濃縮処理し、濃縮残渣を1H−NMRにより分析したところ、アダマンチルエチレンオキシドの収率は、89%であった。
【0053】
実施例10
還流冷却管を付した100mLシュレンク管を窒素置換し、室温で、タングステン酸二ナトリウム12水和物0.12g、30重量%過酸化水素水3.2gおよびリン酸0.02gを仕込み、3分攪拌した後、硫酸を加え、pH2.1に調整した。これに、ビニル酢酸イソブチル2.6g、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩0.08gおよびトルエン4mLからなる溶液を仕込み、内温100℃で4時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反応液を冷却した後、分液処理し、3,4−エポキシ酪酸イソブチルを含むトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を濃縮処理し、濃縮残渣を1H−NMRにより分析したところ、3,4−エポキシ酪酸イソブチルの収率は、70%であった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ハロゲン原子を含まない相間移動触媒や溶媒を用いずに、クリーンな酸化剤である過酸化水素を用い、オレフィン類からエポキシ化合物を製造することができるため、環境にもやさしい製造方法であり、また労働衛生面でも優れた製造方法といえる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an epoxy compound.
[0002]
[Prior art]
Epoxy compounds are important compounds as various chemical products such as resins and intermediates for their synthesis. For example, epoxy compounds are produced by oxidizing olefins with a peracid such as m-chloroperbenzoic acid or peracetic acid. There are known ways to do this. However, peracids are relatively expensive, require careful handling, and are troublesome in post-treatment after the reaction. Therefore, it has been desired to develop a method for producing an epoxy compound without using a peracid.
[0003]
In particular, in recent years, it has become important to develop a manufacturing method based on the concept of green chemistry and an environmentally friendly manufacturing method.In the oxidation reaction, inexpensive, easy to handle, and harmless water after the reaction. Thus, a production method using hydrogen peroxide as an oxidizing agent has attracted attention. As a method for producing an epoxy compound from an olefin using hydrogen peroxide, for example, 1-octene and peroxide are mixed in a 1,2-dichloroethane solvent in the presence of tricaprylmethylammonium chloride, sodium tungstate and phosphoric acid. A method of reacting hydrogen is known (for example, see Patent Document 1). However, since a phase transfer catalyst and a solvent containing halogen atoms, which are problematic in terms of environment and occupational health, are used, hydrogen peroxide is used as a clean oxidizing agent, but this is an environmentally friendly production method. Then, further improvement was desired.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-56-18972
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Under these circumstances, the present inventors have conducted intensive studies in order to develop a more environmentally friendly method for producing an epoxy compound without using a phase transfer catalyst or a solvent containing a halogen atom. By using a quaternary ammonium hydrogensulfate as a phase transfer catalyst and reacting olefins with hydrogen peroxide in the presence of tungsten oxide and phosphoric acids obtained by reacting a tungsten compound with hydrogen peroxide, The present inventors have found that the desired epoxy compound can be obtained, and have reached the present invention.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention provides a method for reacting an olefin with hydrogen peroxide in the presence of a tungsten oxide, a quaternary ammonium hydrogen sulfate, and phosphoric acids obtained by reacting a tungsten compound with hydrogen peroxide in a toluene solvent. And a method for producing an epoxy compound.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The olefin used in the present invention is not particularly limited as long as it is a compound having one or more olefinic carbon-carbon double bonds in the molecule. Such olefins include, for example, those represented by the general formula (1)
(Where R 1 , R 2 , R 3 And R 4 Represents the same or different and represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, an aralkyl group, a silyl group or a halogen atom. Where R 1 , R 2 , R 3 And R 4 And any two of them may combine to form a part of a ring structure. )
The olefin shown by these is mentioned.
[0008]
Examples of the alkyl group include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, isobutyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, n-hexyl, and n-hexyl. Examples thereof include linear, branched or cyclic alkyl groups such as an octyl group, an isooctyl group, an n-nonyl group, an n-decyl group, a cyclopentyl group and a cyclohexyl group. Such an alkyl group may have a substituent. Examples of the substituent include a methoxy group, an ethoxy group, an n-propoxy group, an isopropoxy group, an alkoxy group such as an n-butoxy group, a silyl group described later, and a halogen atom described later.
[0009]
Examples of the aryl group include, for example, a phenyl group, a naphthyl group, and the like, and the aromatic ring constituting the phenyl group, the naphthyl group, and the like, for example, the above-described alkyl group, the above-described alkoxy group, the later-described silyl group, the later-described halogen atom, for example, acetyl Group, a substituent such as an acyl group such as a propionyl group is substituted, for example, a 2-fluorophenyl group, a 3-fluorophenyl group, a 4-fluorophenyl group, a 2-chlorophenyl group, a 3-chlorophenyl group, a 4-chlorophenyl group, Examples thereof include a 2-bromophenyl group, a 2-methylphenyl group, a 4-methylphenyl group, a 4-methoxyphenyl group, and a 4-acetylphenyl group.
[0010]
Examples of the aralkyl group include those composed of the above-mentioned alkyl group and the above-mentioned aryl group, such as a benzyl group, a phenylethyl group, a 4-fluorobenzyl group, a 4-methoxybenzyl group, a 4-methylbenzyl group, 2-chlorobenzyl group and the like.
[0011]
Examples of the silyl group include trisubstituted silyl groups such as a trimethylsilyl group, a triethylsilyl group, a dimethylphenylsilyl group, and a methyldiphenylsilyl group.Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, and a bromine atom. Can be
[0012]
In the formula of the olefin represented by the general formula (1), R 1 , R 2 , R 3 And R 4 When any two of the above are combined to form a part of a ring structure, examples of the ring structure include a cyclobutane ring, a cyclopentane ring, a cyclohexane ring, a cycloheptane ring, a cyclooctane ring, and a cyclodecane ring. Is mentioned. Of course, such a ring structure may be substituted with a substituent such as the aforementioned alkyl group, the aforementioned alkoxy group, the aforementioned silyl group, the aforementioned aryl group, or the aforementioned halogen atom.
[0013]
Examples of such olefins include ethylene, propylene, 1-butene, 1-pentene, 4,4-dimethyl-1-pentene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 1-nonene, 1-decene, -Undecene, 1-dodecene, 1-tridecene, 1-tetradecene, 1-pentadecene, 1-hexadecene, 1-octadecene, 3,3-dimethyl-1-butene, vinylcyclopentane, vinylcyclohexane, allylcyclohexane, styrene, Mono-substituted olefins such as-(tert-butyl) styrene, allylbenzene, 4-methoxystyrene, safrole, eugenol, 3,4-dimethoxy-1-allylbenzene,
[0014]
For example, 2-butene, isobutylene, 2-methyl-1-butene, 2-pentene, 2-hexene, 2-methyl-1-hexene, 3-hexene, 2-heptene, 2-methyl-1-heptene, 3-heptene , 2-octene, 3-octene, 4-octene, 2-nonene, 2-methyl-2-nonene, 3-nonene, 4-nonene, 5-decene, 2-methyl-1-undecene, cyclopentene, cyclohexene, -Disubstituted olefins such as methylcyclohexene, cycloheptene, cyclooctene, cyclodecene, cyclododecene, methylenecyclohexane, β-methylstyrene, stilbene, isosafrole, isoeugenol, β-pinene, norbornene,
[0015]
For example, 2-methyl-2-butene, 2-methyl-2-pentene, 2-methyl-2-hexene, 2,5-dimethyl-2,4-hexadiene, 2-methyl-2-heptene, 1-methylcyclopentene, Trisubstituted olefins such as 1-methylcyclohexene, 1- (tert-butyl) cyclohexene, 1-isopropylcyclohexene, 2-carene, 3-carene, α-pinene, for example, 2,3-dimethyl-2-butene, 2, Examples include tetrasubstituted olefins such as 3,4-trimethyl-2-pentene.
[0016]
Among such olefins, there are those in which geometric isomers and optical isomers exist.In the present invention, a single geometric isomer or optical isomer may be used, or a mixture of geometric isomers or A mixture of optical isomers may be used.
[0017]
Examples of the tungsten compound include tungsten metal, a tungsten compound composed of tungsten and a group IIIb element, a tungsten compound composed of tungsten and a group IVb element, a tungsten compound composed of tungsten and a group Vb element, and a tungsten compound composed of tungsten and a group VIb. A single or mixture of a tungsten compound composed of an element and the like can be given.
[0018]
As a tungsten compound comprising tungsten and a group IIIb element, for example, tungsten boride is used. As a tungsten compound consisting of tungsten and a group IVb element, for example, tungsten carbide is used, a tungsten compound containing tungsten and a group Vb element. Examples of the tungsten compound include tungsten phosphide and tungsten nitride, and tungsten compounds including tungsten and a Group VIb element include, for example, tungsten oxide, tungsten sulfide, tungstic acid, and disodium tungstate. Among such tungsten compounds, those in which a hydrate exists may use an anhydride or a hydrate.
[0019]
Among such tungsten compounds, tungsten metal, tungsten carbide, tungsten boride, tungsten sulfide, tungstic acid, tungsten oxide, and disodium tungstate are preferred. Although the particle size of the tungsten compound is not particularly limited, it is preferable to use a tungsten compound having a small particle size from the viewpoint of facilitating preparation of a tungsten oxide.
[0020]
By reacting such a tungsten compound with hydrogen peroxide, a tungsten oxide is prepared. An aqueous solution is generally used as hydrogen peroxide. The concentration of hydrogen peroxide in the aqueous hydrogen peroxide solution is not particularly limited, but is practically 1 to 60% by weight in consideration of volumetric efficiency, safety and the like. The aqueous solution of hydrogen peroxide may be used as it is or after adjusting the concentration by dilution, concentration, or the like, as it is or as necessary.
[0021]
The amount of hydrogen peroxide used in preparing the tungsten oxide is usually at least 3 mole times, preferably at least 5 mole times the tungsten compound, and the upper limit is not particularly limited.
[0022]
The reaction between the tungsten compound and hydrogen peroxide is usually carried out in water or a mixed solvent of toluene and water. The reaction temperature is usually -10 to 100C.
[0023]
When the tungsten compound is reacted with hydrogen peroxide in water or a toluene / water mixed solvent, all or a part of the tungsten compound is dissolved, and a solution or suspension containing tungsten oxide is obtained. Alternatively, tungsten oxide may be taken out of the suspension and used as a catalyst for the reaction between olefins and hydrogen peroxide, or the solution or the suspension may be used as a catalyst as it is.
[0024]
In preparing the tungsten oxide, in order to improve the contact efficiency between the tungsten compound and hydrogen peroxide, it is preferable to carry out the reaction while stirring so that the tungsten compound is sufficiently dispersed in the tungsten oxide preparation liquid. In addition, it is preferable to use a tungsten compound having a small particle size such as a powdery tungsten compound, for example, in that the contact efficiency between the tungsten compound and hydrogen peroxide is increased and control during the preparation of tungsten oxide is facilitated. .
[0025]
Examples of the phosphoric acids include phosphoric acid, trisodium phosphate, disodium hydrogen phosphate, sodium dihydrogen phosphate, tripotassium phosphate, dipotassium hydrogen phosphate, potassium dihydrogen phosphate, calcium phosphate, calcium pyrophosphate, phosphoric acid Magnesium, magnesium pyrophosphate and the like can be mentioned, and phosphoric acid, trisodium phosphate, disodium hydrogen phosphate and sodium dihydrogen phosphate are preferred. Such phosphoric acids may be used alone or as a mixture.
[0026]
The amount of the phosphoric acid to be used is generally 0.1 to 4 mol times, preferably 0.3 to 2 mol times, relative to tungsten oxide.
[0027]
Such phosphoric acids may be used beforehand in preparing the above-mentioned tungsten oxide.
[0028]
Examples of the quaternary ammonium hydrogensulfate include trioctylmethylammonium hydrogensulfate, trioctylethylammonium hydrogensulfate, trioctylbutylammonium hydrogensulfate, tetraoctylammonium hydrogensulfate, tri (decyl) methylammonium hydrogensulfate, (Decyl) ethylammonium, tri (decyl) butylammonium hydrogen sulfate, tetra (decyl) ammonium hydrogensulfate, tri (dodecyl) methylammonium hydrogensulfate, tri (dodecyl) ethylammonium hydrogensulfate, tri (dodecyl) butylammonium hydrogensulfate, Tetra (dodecyl) ammonium hydrogen sulfate, tri (tetradecyl) methylammonium hydrogen sulfate, tri (tetradecyl) ethylammonium hydrogen sulfate, tri (tetradecyl) butyl hydrogen sulfate Ammonium hydrogen tetra (tetradecyl) ammonium sulfate, hydrogen tri (hexadecyl) ammonium sulfate, hydrogen tri (hexadecyl) ethylammonium sulfate, hydrogen tri (hexadecyl) butylammonium sulfate, hydrogen tetra (hexadecyl) ammonium sulfate,
[0029]
Tri (octadecyl) methylammonium hydrogen sulfate, tri (octadecyl) ethylammonium hydrogen sulfate, tri (octadecyl) butylammonium hydrogen sulfate, tetra (octadecyl) ammonium hydrogen sulfate, trihexylmethylammonium hydrogensulfate, trihexylethylammonium hydrogensulfate, sulfuric acid Trihexylbutylammonium hydrogen, tetrahexylammonium hydrogen sulfate, tetrabutylammonium hydrogen sulfate, tetramethylammonium hydrogensulfate, tetraethylammonium hydrogensulfate, tetrapropylammonium hydrogensulfate, lauryldimethylbenzylammonium hydrogensulfate, benzyltrimethylammonium hydrogensulfate, hydrogensulfate Benzyltriethylammonium, N-laurylpyridinium hydrogen sulfate, N-cetylpyridyl hydrogen sulfate Um, and the like bisulfate N- lauryl picolinium.
[0030]
Such a quaternary ammonium hydrogen sulfate may be added in advance at the time of preparing the above-mentioned tungsten oxide, but is usually added at the time of a reaction between an olefin and hydrogen peroxide.
[0031]
As the hydrogen peroxide used for the reaction with the olefin, an aqueous solution is usually used, and the concentration thereof is not particularly limited, but is practically 1 to 60% by weight in consideration of volumetric efficiency and safety.
[0032]
The amount of hydrogen peroxide to be used is usually 0.8 mol times or more, preferably 1 mol times or more with respect to the olefins, and there is no particular upper limit, but too much tends to be economically disadvantageous. Therefore, practically, it is 5 mol times or less, preferably 3 mol times or less with respect to the olefins. When a solution or suspension containing tungsten oxide is used, the amount of hydrogen peroxide to be used may be determined in consideration of the amount of hydrogen peroxide contained in the solution or suspension.
[0033]
The amount of the tungsten oxide to be used is generally 0.001 to 0.95 mole times, preferably 0.005 to 0.1 mole times, relative to olefins as tungsten metal.
[0034]
The present invention is characterized in that the reaction between olefins and hydrogen peroxide is carried out in a toluene solvent in the presence of the above-mentioned tungsten oxide, phosphoric acids and quaternary ammonium hydrogen sulfate. By combining a quaternary ammonium hydrogensulfate and a toluene solvent, an epoxy compound can be produced without using a phase transfer catalyst or a solvent containing a halogen atom, so that an environmentally friendly production process is achieved.
[0035]
When the amount of the toluene solvent used is too small, a reaction by-product is apt to be generated, and when it is too large, it tends to be disadvantageous in terms of volumetric efficiency. 0.5 to 20 times by weight.
[0036]
The reaction between olefins and hydrogen peroxide is usually carried out by contacting and mixing tungsten oxide, quaternary ammonium hydrogensulfate, phosphoric acids, olefins and hydrogen peroxide. The operation of preparing tungsten oxide and the reaction of olefins with hydrogen peroxide may be performed simultaneously and in parallel by contacting and mixing a secondary ammonium hydrogen sulfate, phosphoric acids, olefins and hydrogen peroxide.
[0037]
The reaction temperature is usually from 0 to 130 ° C. The reaction between the olefins and hydrogen peroxide is usually carried out under normal pressure, but may be carried out under reduced pressure or increased pressure.
[0038]
The pH in the reaction system is preferably in the range of 1 to 4, more preferably in the range of 2 to 3.5, and more preferably in the range of 2 to 3, in terms of the reaction rate and the suppression of the production of reaction by-products. More preferred. Therefore, when the pH range in the reaction system is not within the above range, the pH in the reaction system is adjusted to the above range using an acid such as sulfuric acid or an alkali metal hydroxide such as sodium hydroxide, and the reaction is performed. Is preferably performed.
[0039]
After the completion of the reaction, the resulting reaction solution is left as it is or if necessary, the remaining hydrogen peroxide is decomposed with a reducing agent such as sodium sulfite, and then subjected to liquid separation treatment to obtain a toluene solution containing the desired epoxy compound. By subjecting the toluene solution to a concentration treatment, a crystallization treatment, or the like, whereby an epoxy compound can be taken out. The removed epoxy compound may be further purified by a conventional purification means such as distillation, column chromatography, recrystallization and the like.
[0040]
Examples of the epoxy compound thus obtained include ethylene oxide, propylene oxide, 1,2-epoxybutane, 1,2-epoxypentane, 4,4-dimethyl-1,2-epoxypentane, 1,2-epoxyhexane, 2-epoxyheptane, 1,2-epoxyoctane, 1,2-epoxynonane, 1,2-epoxydecane, 1,2-epoxyundecane, 1,2-epoxidedodecane, 1,2-epoxytridecane, 1, 2-epoxytetradecane, 1,2-epoxypentadecane, 1,2-epoxyhexadecane, 1,2-epoxyoctadecane, 3,3-dimethyl-1,2-epoxybutane, cyclopentylethylene oxide, cyclohexylethylene oxide, 3-cyclohexyl-1 , 2-epoxypropane, styrene Oxide, 4- (tert-butyl) styrene oxide, 3-phenyl-1,2-epoxypropane, 4-methoxystyrene oxide, safrole oxide, 3- (4-hydroxy-3-methoxyphenyl) -1,2-epoxy Propane, 3- (3,4-dimethoxyphenyl) -1,2-epoxypropane,
[0041]
2,3-epoxybutane, 2-methyl-1,2-epoxypropane, 2-methyl-1,2-epoxybutane, 2,3-epoxypentane, 2,3-epoxyhexane, 2-methyl-1,2 -Epoxyhexane, 3,4-epoxyhexane, 2,3-epoxyheptane, 3,4-epoxyheptane, 2,3-epoxyoctane, 3,4-epoxyoctane, 4,5-epoxyoctane, 2,3- Epoxynonane, 2-methyl-1,2-epoxynonane, 3,4-epoxynonane, 4,5-epoxynonane, 5,6-epoxydecane, 2-methyl-1,2-epoxyundecane, cyclopentene oxide, cyclohexene Oxide, 4-methylcyclohexene oxide, cycloheptene oxide, cyclooctene oxide, cyclodecene oxide Cyclododecene oxide, beta-methyl styrene oxide, stilbene oxide, Isosa Flore oxide, 1- (4-hydroxy-3-methoxyphenyl) -1,2-epoxypropane, beta-pinene oxide, norbornene oxide,
[0042]
2-methyl-2,3-epoxybutane, 2-methyl-2,3-epoxypentane, 2-methyl-2,3-epoxyhexane, 2,5-dimethyl-2,3-epoxyhex-4-ene, 2-methyl-2,3-epoxyheptane, 1-methyl-1,2-epoxycyclopentane, 1-methyl-1,2-epoxycyclohexane, 1- (tert-butyl) -1,2-epoxycyclohexane, -Isopropyl-1,2-epoxycyclohexane, 2-calene oxide, 3-calene oxide, α-pinene oxide, 2,3-dimethyl-2,3-epoxybutane, 2,3,4-trimethyl-2,3- Epoxypentane and the like can be mentioned.
[0043]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0044]
Example 1
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.15 g of tungsten metal and 7.2 g of 30% by weight hydrogen peroxide solution were charged. The mixture was stirred and reacted at an internal temperature of 50 ° C. for 15 minutes to form tungsten oxide. A liquid preparation was obtained. The prepared solution was cooled to room temperature, and 0.07 g of disodium hydrogen phosphate was added. After stirring for 3 minutes, sodium hydroxide was added to adjust the pH to 2.3. A solution composed of 4.4 g of 1-octene, 0.19 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 8 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at an internal temperature of 90 ° C. for 4 hours to be reacted. After cooling the obtained reaction solution, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing 1,2-epoxyoctane. When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of 1,2-epoxyoctane was 95%.
[0045]
Example 2
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.15 g of tungsten metal and 7.2 g of 30% by weight hydrogen peroxide solution were charged. The mixture was stirred and reacted at an internal temperature of 50 ° C. for 15 minutes to form tungsten oxide. A liquid preparation was obtained. The prepared solution was cooled to room temperature, 0.15 g of trisodium phosphate was added, and the mixture was stirred for 3 minutes, and then adjusted to pH 2.3 by adding sulfuric acid. A solution consisting of 4.4 g of cyclooctene, 0.19 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 8 mL of toluene was charged into this, stirred at an internal temperature of 90 ° C. for 3 hours, held and reacted. After cooling the obtained reaction solution, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing cyclooctene oxide. When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of cyclooctene oxide was 95%.
[0046]
Example 3
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.074 g of tungsten metal and 3.7 g of 30% by weight hydrogen peroxide were charged, and the mixture was stirred and reacted at an internal temperature of 50 ° C. for 15 minutes to form a tungsten oxide. A liquid preparation was obtained. The solution was cooled to room temperature, and 0.1 g of trisodium phosphate was added. After stirring for 3 minutes, sulfuric acid was added to adjust the pH to 2.5. A solution composed of 2.8 g of 3-carene, 0.095 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 4 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at room temperature for 96 hours to be reacted. The obtained reaction solution was subjected to liquid separation treatment to obtain a toluene solution containing calenoxide. When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of carene oxide was 97%.
[0047]
Example 4
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.15 g of tungsten metal and 7.2 g of 30% by weight hydrogen peroxide solution were charged. The mixture was stirred and reacted at an internal temperature of 50 ° C. for 15 minutes to form tungsten oxide. A liquid preparation was obtained. The prepared solution was cooled to room temperature, 0.2 g of trisodium phosphate was added, and the mixture was stirred for 3 minutes, and then adjusted to pH 2.5 by adding sulfuric acid. A solution composed of 4.4 g of 2-octene, 0.19 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 8 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at an internal temperature of 70 ° C. for 4 hours to be reacted. After cooling the obtained reaction solution, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing 2,3-epoxyoctane. When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of 2,3-epoxyoctane was 76%.
[0048]
Example 5
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.15 g of tungsten metal and 7.2 g of 30% by weight hydrogen peroxide solution were charged. The mixture was stirred and reacted at an internal temperature of 50 ° C. for 15 minutes to form tungsten oxide. A liquid preparation was obtained. The prepared solution was cooled to room temperature, 0.2 g of trisodium phosphate was added, and the mixture was stirred for 3 minutes, and then adjusted to pH 2.5 by adding sulfuric acid. A solution composed of 3.3 g of cyclohexene, 0.19 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 4 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at room temperature for 65 hours to be reacted. The obtained reaction solution was subjected to liquid separation treatment to obtain a toluene solution containing 1,2-epoxycyclohexane. When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of 1,2-epoxycyclohexane was 67%.
[0049]
Example 6
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was replaced with nitrogen, and at room temperature, 0.26 g of disodium tungstate decahydrate, 7.2 g of 30% by weight hydrogen peroxide solution, and 0.16 g of phosphoric acid were charged, and 3 minutes. After stirring, sulfuric acid was added to adjust the pH to 2.4. A solution consisting of 3.8 g of 2-norbornene, 0.19 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 8 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and kept at room temperature for 30 hours to be reacted. The obtained reaction solution was subjected to liquid separation treatment to obtain a toluene solution containing norbornene oxide. When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of norbornene oxide was 87%.
[0050]
Example 7
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.07 g of disodium tungstate decahydrate, 1.8 g of a 30% by weight aqueous hydrogen peroxide solution, and 0.04 g of phosphoric acid were charged, and 3 minutes. After stirring, sulfuric acid was added to adjust the pH to 2.5. A solution composed of 1.3 g of 1,4-dihydronaphthalene, 0.05 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 2 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at an internal temperature of 50 ° C. for 4 hours to be reacted. After cooling the obtained reaction liquid, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing benzocyclohexane oxide. The toluene solution is concentrated and the concentrated residue is concentrated. 1 When analyzed by 1 H-NMR, the yield of benzocyclohexane oxide was 86%.
[0051]
Example 8
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.07 g of disodium tungstate decahydrate, 1.8 g of a 30% by weight aqueous hydrogen peroxide solution, and 0.04 g of phosphoric acid were charged, and 3 minutes. After stirring, sulfuric acid was added to adjust the pH to 2.3. A solution consisting of 1.3 g of 4-phenyl-1-butene, 0.05 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 2 mL of toluene was charged into this, stirred at an internal temperature of 90 ° C. for 4 hours, kept and reacted. After cooling the obtained reaction solution, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing 4-phenyl-1,2-epoxybutane.
When the toluene solution was analyzed by gas chromatography (internal standard method), the yield of 4-phenyl-1,2-epoxybutane was 96%.
[0052]
Example 9
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.03 g of disodium tungstate dodecahydrate, 0.9 g of a 30% by weight aqueous hydrogen peroxide solution, and 0.005 g of phosphoric acid were charged, and 3 minutes. After stirring, sulfuric acid was added to adjust to pH2. A solution consisting of 0.81 g of vinyl adamantane, 0.02 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 1 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at an internal temperature of 100 ° C. for 4 hours to be reacted. After cooling the obtained reaction liquid, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing adamantyl ethylene oxide. The toluene solution is concentrated and the concentrated residue is concentrated. 1 When analyzed by 1 H-NMR, the yield of adamantyl ethylene oxide was 89%.
[0053]
Example 10
A 100 mL Schlenk tube equipped with a reflux condenser was purged with nitrogen, and at room temperature, 0.12 g of disodium tungstate dodecahydrate, 3.2 g of a 30% by weight hydrogen peroxide solution and 0.02 g of phosphoric acid were charged and charged for 3 minutes. After stirring, sulfuric acid was added to adjust to pH 2.1. A solution composed of 2.6 g of isobutyl vinyl acetate, 0.08 g of trioctylmethylammonium hydrogensulfate and 4 mL of toluene was added thereto, and the mixture was stirred and maintained at an internal temperature of 100 ° C. for 4 hours to be reacted. After cooling the obtained reaction solution, liquid separation treatment was performed to obtain a toluene solution containing isobutyl 3,4-epoxybutyrate. The toluene solution is concentrated and the concentrated residue is concentrated. 1 When analyzed by 1 H-NMR, the yield of isobutyl 3,4-epoxybutyrate was 70%.
[0054]
【The invention's effect】
According to the present invention, an epoxy compound can be produced from olefins using hydrogen peroxide which is a clean oxidizing agent without using a phase transfer catalyst or a solvent containing no halogen atom, and thus is environmentally friendly. This is a manufacturing method, and is also an excellent manufacturing method in terms of occupational health.