JP2004058957A - ワイパブレード - Google Patents

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Takashi Hoshino
星野 孝
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Abstract

【課題】曲率が変化するウィンドガラス面であっても払拭することができるワイパブレードを提供する。
【解決手段】連なって配置される複数の保持片18a〜18eと、保持片18a〜18eを連結する棒状ばね部材19a〜19cとからなり、弾性部材19a〜19cの弾性力によって長手方向に湾曲される保持片組立体20を設ける。保持片18a〜18eのいずれかは棒状ばね部材19a〜19cに対して摺動自在となっている。保持片組立体20はワイパアームの先端に取り付けられ、保持片組立体20はウィンドガラス面を払拭するブレードラバー21を保持する。棒状ばね部材19a〜19cに対して摺動自在となった保持片18a〜18eは、隣接する保持片18a〜18eに対して捩られるように傾動し、ブレードラバー21をウィンドガラス面に追従させる。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両のウィンドガラス面を払拭するワイパブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両に装着されるワイパブレードは、ウィンドガラス面に付着した雨、雪、虫、前車の飛沫等を拭き取って運転者の視界を確保するために取り付けられている。このワイパブレードは電動モータ等に連結されたワイパアームの先端に取り付けられており、ウィンドガラス面の上側反転位置と下側反転位置とで設定される払拭範囲を往復揺動する。また、ワイパアーム内にはスプリングが設けられており、スプリングからワイパアームを介して伝達される押圧力によって、ワイパブレードはウィンドガラス面に押し付けられる。このように、ワイパアームによる往復揺動と押圧力とによって、ワイパブレードはウィンドガラス面を払拭することができる。
【0003】
良好な払拭性能を発揮させるためにワイパアームからの押圧力は、ウィンドガラス面に接触するブレードラバーの長手方向に分散させる必要がある。そこで、ブレードラバーとワイパアームとを複数段に組み上げられたレバーで連結したワイパブレードが開発されており、これらのレバーを介して押圧力を分散させている。また、特開平6−340249号公報に開示されるように、ブレードラバーの背面を覆うように板状の弾性部材を取り付け、弾性部材の中央部に連結されるワイパアームからの押圧力を、弾性部材を介してブレードラバーの長手方向に分散させるようにしたワイパブレードも開発されている。この弾性部材は長手方向に渡って幅や厚みを変化させており、払拭するウィンドガラス面に応じた分散圧力をブレードラバーに対して与えるようになっている。
【0004】
また、ウィンドガラスの払拭を行うためには、ウィンドガラスの曲面に沿ってブレードラバーを摺動させる必要がある。このため、ワイパブレードの取り付け位置などが慎重に定められ、ブレードラバーは、払拭範囲内のいずれの位置においてもウィンドガラス面の接線に対してほぼ垂直に接触するように設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−340249号公報に示されるワイパブレードは、ワイパブレードの先端部、中間部、後端部において払拭可能なウィンドガラス面の曲率が制限される。たとえば、上側反転位置から下側反転位置にかけて曲率が変化するようなウィンドガラス面を払拭するような場合、一方の反転位置においてウィンドガラス面に追従するようにワイパブレードを設定すると、他方の反転位置ではウィンドガラス面の曲率に追従することが困難となるおそれがある。この追従不良が発生すると、ワイパブレード端部の浮き上がりによりウィンドガラス面に拭き残し等を発生させることになる。このため、ウィンドガラスの曲率変化を制限する必要があった。
【0006】
近年、車両に設けられるウィンドガラスにおいては、デザイン上の理由から各部位において曲率を変化させたものが望まれることも多く、この曲率変化に対応することのできるワイパブレードが望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、曲率が変化するウィンドガラス面であっても払拭することができるワイパブレードを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイパブレードは、車体に揺動自在に設けられるワイパアームに装着され、前記ワイパアームによりウィンドガラス面に押圧されるとともに往復揺動されることで前記ウィンドガラス面を払拭するワイパブレードであって、前記ウィンドガラス面を払拭するブレードラバーと、前記ブレードラバーを保持する複数の保持片と、前記保持片を長手方向に連結する弾性部材とを備え、前記保持片のいずれかは前記弾性部材に対して傾動可能な保持片組立体とを有することを特徴とする。
【0009】
これにより、隣り合う保持片を相対的に傾動させることができ、保持片組立体全体として捩ることができる。よって、曲率の変化するウィンドガラスに対してブレードラバーの追従性を向上させることができ、払拭性能の向上を図ることができる。また、同一のウィンドガラス面であっても払拭範囲が異なるため、接触するウィンドガラス面の曲率が異なっていた運転席側のワイパブレードと助手席側のワイパブレードとを共通化することができ、製作コストを引き下げることができる。
【0010】
本発明のワイパブレードは、前記ブレードラバーが前記ウィンドガラス面より離れたときに前記弾性部材によって湾曲される前記保持片組立体の曲率半径は、前記ウィンドガラス面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする。これにより、ウィンドガラス面にワイパブレードを接触させることで各弾性部材に弾性変形を生じさせることができ、ワイパアームからの押圧力をワイパブレードの長手方向に分散させることができる。
【0011】
本発明のワイパブレードは、前記弾性部材は棒状ばね部材であることを特徴とする。これにより、製作コストを引き下げることができる。
【0012】
本発明のワイパブレードは、前記弾性部材は断面変形部を有することを特徴とする。これにより、保持片の弾性部材に対する抜けを防止することができる。
【0013】
本発明のワイパブレードは、前記保持片は隣接する他の前記保持片にむけて漸次薄く形成されることを特徴とする。これにより、保持片組立体の動作を阻害することがなく、ワイパブレードの払拭性能を安定させることができる。
【0014】
本発明のワイパブレードは、前記保持片には前記ブレードラバーを保持する保持爪が形成されることを特徴とする。これにより、ワイパブレードに対するワイパブレードの取り付けが容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態であるワイパブレードを備えるワイパ装置を示す概略図である。図1に示すように、このワイパ装置10は対向払拭型のワイパ装置であり、車体11のウィンドガラス12(以下ガラス12という。)に付着する雨や前車の飛沫等を拭き取って、運転者の視界を確保するため車体11に取り付けられている。運転席側のワイパアーム13aと助手席側のワイパアーム13bとは互いに向かい合って装着されており、それぞれのワイパアーム13a,13bの先端にワイパブレード14a,14bが装着されている。これらのワイパブレード14a,14bは、ワイパアーム13a,13b内に装着される図示しないスプリング等によってガラス12に弾圧的に接触される。
【0017】
車体11の左右両端部にはそれぞれワイパ軸15a,15bが設けられており、このワイパ軸15a,15bには、図示しないワイパモータの回転力が図示しないリンク機構を介して伝達されており、ワイパ軸15a,15bは所定の回動角で正転と逆転を繰り返して回動する。それぞれのワイパアーム13a,13bの基端部はワイパ軸15a,15bに装着されており、ワイパ軸15a,15bの回動により、ワイパアーム13a,13bは所定の揺動角で揺動運動を行う。従って、それぞれのワイパブレード14a,14bは、ガラス12の左右両側辺近傍に設定される上側反転位置16a,17aと、ガラス12の下辺近傍に設定される下側反転位置16b,17bとの間で往復揺動を行い、図1にそれぞれ一点鎖線で示す払拭範囲16,17に付着した雨等を拭き取ることができる。なお、図示するように休止状態にあっては、ガラス12の下辺近傍に助手席側のワイパブレード14bが配置され、その上方に運転席側のワイパブレード14aが配置される。
【0018】
図2は図1のワイパブレード14aがガラス12から離された状態を示す正面図であり、図3は図2のワイパブレード14aの一部を矢印A方向から示す斜視図である。なお、図3の破線で示す部材はワイパブレード14aの内部に組み込まれた部材を示している。また、運転席側のワイパブレード14aを図示しているが、助手席側のワイパブレード14bも同様の構造を有している。
【0019】
図2および図3に示すように、ワイパブレード14aは、樹脂材料からなる略直方体状の保持片18a〜18iを有しており、これらの保持片18a〜18iが長手方向に連なって保持片組立体20を形成している。各保持片18a〜18iは内部に設けられる弾性部材としての棒状ばね部材19a〜19cによって相互に連結されている。棒状ばね部材19a〜19cは相互に平行となって保持片18b〜18hの内部に貫通して組み込まれ、保持片18b〜18hを挟み込んで配置される保持片18a,18iに突出して組み込まれている。
【0020】
予め所定の角度で曲げられた棒状ばね部材19a〜19cは、各保持片18a〜18iを所定の連結角度で連結しており、各保持片18a〜18iに対してガラス12に向けて閉じる方向の弾性力を加えている。つまり、棒状ばね部材19a〜19cの弾性力によって保持片組立体20は長手方向に湾曲された状態となっている。また、保持片組立体20の下部には、ガラス12の表面に摺接されて払拭を行うブレードラバー21が保持されている。さらに、保持片組立体20のほぼ中央部を形成する保持片18eには、クリップピン22が設けられており、このクリップピン22を介してワイパアーム13aの先端とワイパブレード14aとが連結されている。ここで、ワイパアーム13aの先端に取り付けられる保持片18eは、棒状ばね部材19a〜19cに対して固定されており、その他の保持片18a〜18d,18f〜18iのいずれかが、棒状ばね部材19a〜19cに対して相対的に傾動する構成となっている。なお、長手方向に湾曲された保持片組立体20の曲率半径は、ガラス12の曲率半径よりも小さくなるように設定されている。
【0021】
図4(A)は図3のA−A線に沿ってワイパブレード14aを示す断面図であり、図4(B)は図3のB−B線に沿って、図4(C)は図3のC−C線に沿って、それぞれワイパブレード14aを示す断面図である。
【0022】
図4(A)〜(C)に示すように、ガラス12面を払拭するブレードラバー21は、保持片18a〜18iによって保持される基部23と、ガラス12面に接触して払拭を行うエッジ部24とを有しており、基部23とエッジ部24とは細く形成されたネック部25を介して接続されている。ネック部25を介してエッジ部24は傾動自在となっており、ガラス12面に接触した際には拭き残しなどの現象を起こさないようエッジ部24が適切な接触角に保たれる。また、基部23には保持溝26が形成されており、この保持溝26には各保持片18a〜18iの下部両端に形成される保持爪27が係合することで、保持片18a〜18iに対してブレードラバー21が保持される。さらに、保持溝26の上方には支持溝28が形成されており、この支持溝28には細板状に形成される金属製の心材つまりバーテブラ29が挿入されている。このバーテブラ29によってブレードラバー21の基部23には所定の剛性が与えられる。
【0023】
また、保持溝26と保持爪27との間には若干の隙間が設けられており、保持片組立体20に対してブレードラバー21は着脱自在となっている。ワイパブレード14aの両端に配置される保持片18a,18iのうちいずれか一方の端面は、ブレードラバーを挿通することができるように開口されており、ブレードラバー21のみの交換を容易に行うことができる。ブレードラバー21を挿通させた後に、保持片18a,18iの開口部は図示しないキャップ部材によって塞がれ、ブレードラバー21の脱落が防止される。
【0024】
なお、ブレードラバー21の材質としては、天然ゴムやクロロプレンゴムなどが用いられ、それぞれの材質の長所を合わせ持つように天然ゴムとクロロプレンゴムとを配合した材料も多く用いられる。ブレードラバー21はこれらの材料を押出成形することによって製作され、長手方向に渡って同一の断面形状を有している。
【0025】
各保持片18a〜18iを連結する棒状ばね部材19a〜19cは、ブレードラバー21上方の保持片18a〜18iに摺動自在に組み込まれている。ここで、図5は保持片18bに対する棒状ばね部材19a〜19cの組み込み状態を示す分解斜視図である。図5に示すように、保持片18bは分割式に形成されており、棒状ばね部材19a〜19cが収容される収容溝30が形成されている。収容溝30は棒状ばね部材19a〜19cの断面に対して若干大きく形成されるため、保持片18bと棒状ばね部材19a〜19cとは互いに摺動自在となっている。なお、保持片18bだけに限らず、両端の保持片18a,18iに挟まれて配置される他の保持片18c,18d,18f〜18hも同様の構造となっている。
【0026】
図6(A)および(B)は、棒状ばね部材19a〜19cに形成される断面変形部を示す斜視図である。棒状ばね部材19a〜19cの両端部には、図6(A)および(B)に示すような環状凸部31や環状凹部32が断面変形部として形成されている。保持片組立体20の両端に配置される保持片18a,18iには、環状凸部31や環状凹部32に対応した図示しない係合溝が形成されており、断面変形部は保持片18a,18iに対する棒状ばね部材19a〜19cの抜け止めとして機能する。また、棒状ばね部材19a〜19cに対して摺動自在となる保持片18b〜18d,18f〜18hの軸方向移動が、保持片18a,18iによって規制される。
【0027】
これまで説明したように、保持片組立体20は棒状ばね部材19a〜19cを組み込んだ複数の保持片18a〜18iによって形成され、この保持片組立体20の保持爪27にバーテブラ29を挿入したブレードラバー21を装着することによってワイパブレード14aを完成させることができる。つまり、従来のワイパブレードのように、多数のレバーを組み立てることなく容易に製作することができ、ワイパブレード14aの製作コストを引き下げることができる。また、複数段に組み上げられたレバーを有しないため、小型のワイパブレード14aとすることができる。
【0028】
次いで、ワイパブレード14aの長手方向に分散されるワイパアーム13aからの押圧力について説明する。図7は図2のワイパブレード14aがガラス12に押し付けられた状態を示す正面図である。なお、斜線で示す矢印はワイパアーム13aからの押圧力を示し、白抜きで示す矢印は分散された押圧力を示している。
【0029】
図7に示すように、ワイパブレード14aがワイパアーム13aからの押圧力によってガラス12面に接触されると、ガラス12面よりも小さな曲率半径を有する保持片組立体20は、各保持片18a〜18i間を連結する棒状ばね部材19a〜19cを弾性変形させながら、保持片組立体20の曲率をガラス12表面の曲率に追従させる。このため、保持片組立体20によって保持されるブレードラバー21はガラス12の表面に密着した状態となる。
【0030】
図8(A)は図2の範囲Iを示す拡大図であり、図8(B)は図7の範囲IIを示す拡大図である。図8(A)に示すように、ワイパブレード14aがガラス12面から離れた解放状態において、保持片18a〜18i間を連結する棒状ばね部材19a〜19cには、保持片組立体20およびブレードラバー21にかかる重力と、ブレードラバー21が湾曲状態から戻ろうとする反力とが加えられた状態となっている。従って、棒状ばね部材19a〜19cには重力および反力以外の外力は加えられておらず、大きな弾性変形は起きていない状態となっている。
【0031】
続いて、図8(B)に示すように、ワイパブレード14aがガラス12面に接触した拘束状態において、保持片18a〜18i間を連結する棒状ばね部材19a〜19cは保持片組立体20の曲率変化に伴って弾性変形される。図示するように、保持片18a〜18iの端部には隣接する保持片18a〜18iにむけて徐々に薄くなるように傾斜面33a,33bが形成されている。これにより、隣接する保持片18a〜18i同士が当接することがなく、保持片組立体20の曲率変化が制限されることはない。そして、弾性変形された棒状ばね部材19a〜19cからは、図8(B)に矢印で示す方向に保持片18a〜18iに対して弾性力が加えられる。この弾性力は保持片18a〜18iを介してブレードラバー21に伝達され、ブレードラバー21とガラス12との間に介在する雨等を断ち切る力となる。
【0032】
図7に白抜きの矢印で示すように、各棒状ばね部材19a〜19cから発生する弾性力は、各保持片18a〜18iをガラス12方向に押し付ける力となり、各保時部材よりブレードラバー21の長手方向に渡って伝達される。つまり、斜線の矢印で示すようにワイパアーム13aから一点に加えられる押圧力は、保持片組立体20の曲率を変化させるとともに各棒状ばね部材19a〜19cを弾性変形させる力となり、各棒状ばね部材19a〜19cからの弾性力はガラス12に接触するブレードラバー21の接触面に伝達されることで、ワイパアーム13aの押圧力がワイパブレード14aの長手方向に分散されて伝達される。このように、ブレードラバー21に対して押圧力を分散させることで、ブレードラバー21の長手方向には平均的な押圧力が分布される。よって、ワイパブレード14aによる払拭性能が偏ることなく発揮されることになる。
【0033】
また、保持片組立体20を形成する保持片18a〜18iの個々の長さ寸法を変更し、棒状ばね部材19a〜19cが予め曲げられる曲げ角度や、棒状ばね部材19a〜19cの弾性係数をそれぞれ変更することによって、高い曲率を有するガラスや複雑な曲面形状を有するガラスにもブレードラバー21を追従させることができ、払拭に必要な押圧力をブレードラバー21の長手方向に平均的に分散させることができる。なお、このように保持片組立体20を設定したときにも保持片組立体20が大型化することはない。
【0034】
さらに、ワイパブレード14aの保持片組立体20には隙間が大きく設けられていないため、雪や氷などが入り込むことがなく保持片組立体20の動作を阻害することがない。これにより、天候の影響を受けることなく、常にブレードラバー21に対して平均的に押圧力を分散させることができ、払拭性能の安定を図ることができる。
【0035】
さらにまた、ブレードラバー21の上面を覆うように、保持片組立体20が設けられているため、ブレードラバー21に対して照射される太陽光線が遮断され、経年変化によるブレードラバー21の劣化を軽減することができる。また、この保持片組立体20を用いることによってワイパブレード14aのデザイン性を向上させることもできる。
【0036】
続いて、ウィンドガラス12の曲率変化にブレードラバー21を追従させる際のワイパブレード14aの動作について説明する。図9(A)および(B)はワイパブレード14aがウィンドガラス12に接触された状態を示す断面図であり、図3のA−A線に沿ったワイパブレード14aの断面状態を示している。
【0037】
図9(A)に示すように、ガラス12面に曲率変化が起きていない状態においては、ブレードラバー21は真っ直ぐ延びた状態となり、エッジ部24は適切な接触角を保った状態でガラス12面に接触し、ガラス12面の払拭が行われる。払拭を続け、ガラス12面の曲率が変化する位置にブレードラバー21が差しかかると、図9(B)に示すように、保持片18bが保持片18cに対して捩れるように傾動する。この傾動により、保持片18bと保持片18cとの間から露出する棒状ばね部材19a,19cの長さ寸法は傾動前に比べて長くなるが、棒状ばね部材19a,19cに対して保持片18b,18cは軸方向に摺動自在となっているため、保持片18bの傾動を阻害することはない。また、保持片18bの傾動によって棒状ばね部材19a,19cは、ワイパブレード14aの高さ方向に撓むことになるが、棒状ばね部材19a,19cは弾性変形するため、保持片18bの傾動が阻害されることはない。なお、保持片18bは図9(B)に示す方向だけでなく、摺動方向やガラス12面の傾きによって、図9(B)に矢印で示す保持片の幅方向の双方に傾動することができる。
【0038】
このように、保持片18bはガラス12面の曲率変化に合わせて傾動し、ガラス12面に接触するブレードラバー21の接触角を、ガラス12面の接線に対してほぼ垂直になるように変化させることができる。これにより、曲率が変化するガラス12面であっても、ブレードラバー21を容易に追従させることができ、ガラス12面を適正に払拭することができる。また、同一のガラス12面であっても払拭範囲16,17が異なるため、接触するガラス12面の曲率が異なっていた運転席側のワイパブレード14aと助手席側のワイパブレード14bとを共通化することができ、製作コストを引き下げることができる。
【0039】
また、隣り合う保持片に対して傾動する保持片は、保持片18bに限られず、棒状ばね部材19a〜19cに対して摺動自在に設けられる保持片18c,18d,18f〜18hであれば、いずれの保持片であっても傾動することによりブレードラバー21をガラス12面に追従させることができる。また、棒状ばね部材19a〜19cに対して固定される保持片18eを、棒状ばね部材19a〜19cに対して摺動自在に設け、隣接する保持片18d,18fに対して傾動させるようにしても良い。
【0040】
さらに、保持片18b〜18d,18f〜18hを棒状ばね部材19a〜19cに対して摺動自在に設けるだけでなく、いずれかの保持片を棒状ばね部材19a〜19cに対して固定しても良い。これにより、ワイパブレードの剛性を高めることができ、ガラス12面の曲率変化が少ない場合に有効となる。また、保持片18a〜18iを弾性部材に対して固定するように設け、弾性部材としての棒状ばね部材19a〜19cや他の形状のばね部材を軸方向に弾性変形させることによっても、隣り合う保持片に対して保持片を傾動させ、ブレードラバー21をガラス12面に追従させることができる。
【0041】
またさらに、保持片組立体20の両端を構成する保持片18a,18iに形成され、棒状ばね部材19a〜19cの環状凸部31や環状凹部32に係合する係合溝を軸方向に若干長く形成しても良い。これにより、保持片18a,18iを傾動させることができ、さらに追従性を向上させることができる。また、環状凸部31や環状凹部32を、保持片18b〜18hに対応させて棒状ばね部材19a〜19cの両端部以外に形成しても良い、この際には、保持片18b〜18hに形成される係合溝を軸方向に若干長くすることによって、保持片18b〜18hの傾動を妨げることなく、保持片18b〜18hの大幅な移動を制限することができる。
【0042】
なお、図9(B)に示す場合には、保持片18bは棒状ばね部材19bを中心軸として傾動しているが、ガラス12の曲率変化に応じて棒状ばね部材19a,19cが中心軸となる場合もあり、棒状ばね部材19a〜19cのいずれもが中心軸とならない場合もある。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、本実施の形態においては、樹脂材料からなる9つの保持片18a〜18iによって保持片組立体20を形成しているが、設定されるワイパブレードの長さや払拭するガラス12の曲面形状などによって保持片の個数を変更しても良く、樹脂以外の金属等を用いて保持片18a〜18iを形成しても良い。また、保持片18a〜18iは、図5に示す分割式の保持片に限られず、一体に形成された保持片であっても良い。
【0044】
また、保持片18a〜18iの端部に形成される傾斜面33a,33bのうち、下部に形成される傾斜面33bは保持片組立体20の曲率が小さくなる方向には影響を与えないため、削減することもできる。
【0045】
さらに、弾性部材は棒状ばね部材19a〜19cに限らず他の形状を有するばね部材であっても良く、棒状ばね部材19a〜19cの断面は円形に限らず矩形など他の形状であっても良い。また、棒状ばね部材19a〜19cは保持片18a〜18iを全て貫いた状態となっているが、棒状ばね部材19a〜19cを分割するようにしても良い。さらに、相互に平行に設けられる3本の棒状ばね部材19a〜19cによって保持片18a〜18iを連結しているが、1本の棒状ばね部材を用いても良く、1本の棒状ばね部材を折り曲げることによって平行となる棒状ばね部材としても良い。
【0046】
なお、運転席側のワイパブレード14aに基づいて説明を行ったが、助手席側のワイパブレード14bに本発明を適用しても良いことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明のワイパブレードによれば、保持片のいずれかは弾性部材に対して相対的に摺動することにより、隣り合う保持片を相対的に傾動させることができ、保持片組立体全体として捩ることができる。よって、曲率の変化するウィンドガラスに対してブレードラバーの追従性を向上させることができ、払拭性能の向上を図ることができる。また、同一のウィンドガラス面であっても払拭範囲が異なるため、接触するウィンドガラス面の曲率が異なっていた運転席側のワイパブレードと助手席側のワイパブレードとを共通化することができ、製作コストを引き下げることができる。
【0048】
本発明のワイパブレードによれば、保持片組立体の曲率半径をウィンドガラス面の曲率半径よりも小さく形成することにより、ウィンドガラス面にワイパブレードを接触させることで各弾性部材に弾性変形を生じさせることができ、ワイパアームからの押圧力をワイパブレードの長手方向に分散させることができる。
【0049】
本発明のワイパブレードによれば、弾性部材を棒状ばね部材とすることにより、製作コストを引き下げることができる。
【0050】
本発明のワイパブレードによれば、弾性部材は断面変形部を有することにより、保持片の弾性部材に対する抜けを防止することができる。
【0051】
本発明のワイパブレードは、保持片が隣接する他の前記保持片にむけて漸次薄く形成されることにより、保持片組立体の動作を阻害することがなく、ワイパブレードの払拭性能を安定させることができる。
【0052】
本発明のワイパブレードによれば、保持片にはブレードラバーを保持する保持爪が形成されることにより、ワイパブレードに対するワイパブレードの取り付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワイパブレードを備えるワイパ装置を示す概略図である。
【図2】図1のワイパブレードがガラスから離された状態を示す正面図である。
【図3】図2のワイパブレードの一部を矢印A方向から示す斜視図である。
【図4】(A)は図3のA−A線に沿う断面図であり、(B)は図3のB−B線に沿う断面図であり、(C)は図3のC−C線に沿う断面図である。
【図5】保持片に対する棒状ばね部材の組み込み状態を示す分解斜視図である。
【図6】(A)および(B)は棒状ばね部材に形成される断面変形部を示す斜視図である。
【図7】図2のワイパブレードがガラスに押し付けられた状態を示す正面図である。
【図8】(A)は図2の範囲Iを示す拡大図であり、(B)は図7の範囲IIを示す拡大図である。
【図9】(A)はワイパブレードが曲率変化の起きていないウィンドガラス面に接触された状態を示す断面図であり、(B)はワイパブレードが曲率変化が起きているウィンドガラス面に接触された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10  ワイパ装置
11  車体
12  ガラス(ウィンドガラス)
13a,13b  ワイパアーム
14a,14b  ワイパブレード
15a,15b  ワイパ軸
16  払拭範囲
16a 上側反転位置
16b 下側反転位置
17  払拭範囲
17a 上側反転位置
17b 下側反転位置
18a〜18i  保持片
19a〜19c  棒状ばね部材(弾性部材)
20  保持片組立体
21  ブレードラバー
22  クリップピン
23  基部
24  エッジ部
25  ネック部
26  保持溝
27  保持爪
28  支持溝
29  バーテブラ
30  収容溝
31  環状凸部(断面変形部)
32  環状凹部(断面変形部)
33a,33b  傾斜面

Claims (6)

  1. 車体に揺動自在に設けられるワイパアームに装着され、前記ワイパアームによりウィンドガラス面に押圧されるとともに往復揺動されることで前記ウィンドガラス面を払拭するワイパブレードであって、
    前記ウィンドガラス面を払拭するブレードラバーと、
    前記ブレードラバーを保持する複数の保持片と、前記保持片を長手方向に連結する弾性部材とを備え、前記保持片のいずれかは前記弾性部材に対して傾動可能な保持片組立体とを有することを特徴とするワイパブレード。
  2. 請求項1記載のワイパブレードにおいて、前記ブレードラバーが前記ウィンドガラス面より離れたときに前記弾性部材によって湾曲される前記保持片組立体の曲率半径は、前記ウィンドガラス面の曲率半径よりも小さいことを特徴とするワイパブレード。
  3. 請求項1または2記載のワイパブレードにおいて、前記弾性部材は棒状ばね部材であることを特徴とするワイパブレード。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記弾性部材は断面変形部を有することを特徴とするワイパブレード。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記保持片は隣接する他の前記保持片にむけて漸次薄く形成されることを特徴とするワイパブレード。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のワイパブレードにおいて、前記保持片には前記ブレードラバーを保持する保持爪が形成されることを特徴とするワイパブレード。
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