JP2004058689A - Controlling device for hybrid vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関と他の動力源とを備えたハイブリッド車の制御装置に関し、特に内燃機関の出力を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関とモータあるいはモータ・ジェネレータとを動力源としたハイブリッド車が知られている。この種の車両は、内燃機関による排ガスの低減および燃費を向上させることを主な目的として開発された車両であって、内燃機関を可及的に効率の良い状態で運転し、内燃機関の余剰の動力を電気エネルギーとして蓄えるとともに、制動時などに回生したエネルギーを電気エネルギーとして蓄える一方、内燃機関の動力が不足する場合には、蓄えた電気エネルギーによってモータを駆動して駆動トルクの不足を補い、さらには発進時などでは内燃機関に替えてモータを駆動することにより、内燃機関の効率の悪い運転を避けるようにしている。したがって従来のハイブリッド車は、基本的には、内燃機関の出力の不足をモータなどの他の動力源の出力で補い、また状況によって内燃機関の代替手段としてモータなどの他の動力源を使用し、内燃機関を可及的に高効率状態で使用するように構成されている。
【0003】
一方従来、内燃機関から排出される煤およびNOx を低減するために、内燃機関を低温燃焼運転することがおこなわれている。これは、内燃機関の負荷が比較的低負荷の場合に、例えば排ガスの再循環量を増大させて内燃機関の燃焼温度を下げて内燃機関を運転する制御である。この低温燃焼を実行すると、吸入空気量が少なくなるので、内燃機関の出力が低下し、駆動トルクが不足することがある。
【0004】
そこで、例えば特開2000−110601号公報に記載された発明では、内燃機関に連結されている変速機を低速側の変速比に制御することにより内燃機関回転数を高くし、その結果、駆動トルクを維持しつつ内燃機関の出力トルクを低下させることにより、低温燃焼を可能にするように構成している。このように変速比あるいは内燃機関の出力を制御すれば、駆動トルクの不足やそれに伴う低温燃焼の制約がなくなり、あるいは緩和されるので、低温燃焼の可能な運転領域が拡大して、煤やNOx の発生量を更に抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
低温燃焼運転は、上述したように、例えば排ガス再循環量を増大させて燃焼温度を下げる内燃機関の運転状態であるから、内燃機関自体でのNOx の発生量を低減できる。一方、従来の車両では、NOx などの汚染物質を除去できる排ガス浄化触媒を搭載しているので、内燃機関で発生したNOx がそのまま大気中に排出されることはなく、内燃機関の運転状態に応じてある程度のNOx が発生しても車両全体としてのNOx 排出量が増大することはない。したがって、例えば吸蔵還元型触媒のように、NOx の吸蔵量が次第に増大する触媒を使用している場合には、NOx の吸蔵量が所定の量に達した後は、触媒におけるNOx の吸蔵量を低下させるまでの間、内燃機関でのNOx の発生量自体を抑制する必要があり、上記の低温燃焼での内燃機関の運転はこのような場合に有効である。
【0006】
しかしながら、低温燃焼を実行可能な内燃機関の運転領域は、比較的低トルクの領域に限られる。したがって上述した公報に記載されているように、低温燃焼時に内燃機関の回転数を増大させて内燃機関の出力を維持できるのは、その時点の等出力線上の高回転数で低トルクの運転点が低温燃焼可能領域に入っている場合に限られる。言い換えれば、その時点の要求出力が大きいために、内燃機関の回転数を等出力線上で増大させてトルクを下げたとしても、その結果としての運転点が低温燃焼領域に入らない場合には、低温燃焼での運転をおこなうことができない。
【0007】
従来、ハイブリッド車は、内燃機関の出力の補助(アシスト)としてモータなどの他の動力源を動作させており、内燃機関の出力で走行している状態で、内燃機関の出力を積極的に低下させるために、モータなどの他の動力源を使用するようには構成されていない。ましてや、上述した低温燃焼をおこなう内燃機関との関連で好ましい制御態様が知られておらず、この点で新たな技術の開発が必要であった。
【0008】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、低温燃焼を可及的に可能にするように、内燃機関に併せて搭載されている他の動力源を制御することにより、排ガスの悪化を防止することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、内燃機関の低温燃焼の要求があった場合に、他の動力源の出力を増大させて内燃機関の出力が予め定めた低温燃焼領域に入る出力となるように内燃機関の出力を低下させ、かつ内燃機関の運転点が、出力を変化させることなく、前記低温燃焼領域内の運転点となるように内燃機関の回転数を制御するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、煤の発生量が極大となる不活性ガス吸入量より多く不活性ガスを吸入する低温燃焼の可能な内燃機関と、他の動力源と、前記内燃機関の出力側に連結されかつ内燃機関の回転数を変更する回転数制御機構とを備えたハイブリッド車の制御装置において、前記低温燃焼の要求の有無を判断する低温燃焼判断手段と、低温燃焼の要求があった際の前記内燃機関の出力が前記低温燃焼領域に入っているか否かを判断する出力判断手段と、内燃機関の出力が前記低温燃焼領域に入っていないことが判断された場合に、前記他の動力源を駆動するとともに前記内燃機関の出力を前記低温燃焼領域に入るように変更する出力変更手段と、その変更した出力での内燃機関の運転点が前記低温燃焼領域内の運転点となるように前記回転数制御機構によって内燃機関の回転数を変更する回転数制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0010】
また、請求項1における前記出力変更手段は、前記内燃機関の出力が、前記低温燃焼領域内に入る出力で最大出力もしくは最大出力に近い出力となるように、前記他の動力源を駆動して前記内燃機関の出力を変更するように構成することができる。
【0011】
したがって請求項1の発明あるいは請求項2の発明では、他の動力源と併せて搭載されている内燃機関を低温燃焼させる要求があった場合、その時点の内燃機関の出力が予め定めてある低温燃焼領域内に入っていないと、他の動力源が駆動されて内燃機関の出力が低温燃焼領域内に入るように変更される。すなわち、他の動力源を駆動するのは、内燃機関の出力の低下を許容するためであり、あるいは内燃機関の出力を低温燃焼領域に入れることを要因として他の駆動源が動作させられる。ついで、その変更された出力を維持した状態で、内燃機関の回転数が変更させられ、その運転点が前記低温燃焼領域内の運転点に設定される。その結果、内燃機関で発生するNOx や煤の量が低減され、車両の全体としての排ガスの悪化が防止される。
【0012】
また特に、請求項2の発明では、変更された内燃機関の出力が、低温燃焼領域に入る最高出力もしくはそれに近い出力に設定される。その結果、内燃機関の出力を変更する前後での車両全体としての出力を維持するために必要とする他の動力源の出力が小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とするハイブリッド車について説明すると、図3は、動力源として内燃機関(E/G)1とモータ(M)2とを備え、さらにエネルギー回生のための機構として発電機(G)3を備えたハイブリッド車を示している。その内燃機関1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼して動力を出力する動力装置であって、その排気系統に、吸蔵還元型三元触媒などの排ガス浄化触媒(図示せず)を備えており、さらにこの内燃機関1は低温燃焼を実行できるように構成されている。この低温燃焼とは、排ガス再循環装置(EGR)などによって燃料に対して不活性なガスを供給することにより、燃焼温度を低下させる燃焼形態であり、特に、煤の発生量が極大となる不活性ガス量より多い量の不活性ガスを供給(もしくは吸入)させる燃焼形態である。その結果、煤の発生が抑制されると同時に、燃焼温度が低いことによりNOx の発生量が少なくなる。
【0014】
その内燃機関1の出力側にダンパーを備えたクラッチ4が連結されており、そのクラッチ4を係合させることにより出力されるエンジントルクと、前記モータ2および発電機3のトルクと合成する合成機構5が設けられている。この合成機構5は、図3に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構を主体として構成されており、サンギヤ6に発電機3のロータが連結されている。そのサンギヤ6と同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ7にモータ2におけるロータが連結されている。そして、そのサンギヤ6とリングギヤ7との間に配置されたピニオンギヤを保持しているキャリヤ8に前記クラッチ4が連結されている。さらに、リングギヤ7が、出力部材であるドライブスプロケット9に連結されている。
【0015】
そのドライブスプロケット9に巻掛けたチェーン10が、中間軸11に取り付けたドリブンスプロケット12に巻掛けられ、前記リングギヤ7から中間軸11にトルクが出力されるようになっている。この中間軸11に対して最終軸13が平行に配置されており、これら中間軸11と最終軸13とがカウンタギヤ対14によって連結されている。さらに、その最終軸13とデファレンシャルギヤ15とがファイナルギヤ対16によって連結されており、このデファレンシャルギヤ15に伝達されるトルクを左右のドライブシャフト17に出力するように構成されている。
【0016】
上記の内燃機関1の吸入空気量、燃料供給量(燃料噴射量)、排ガス再循環量(EGR量)などの出力あるいは運転状態を決めるパラメータを電気的に制御できるように構成されており、その制御をおこなうための電子制御装置(E−ECU)18が設けられている。また、前記モータ2や発電機3の回転数やトルク、発電量などを制御するための電子制御装置(HV−ECU)19が設けられている。これらの電子制御装置18,19は、それぞれマイクロコンピュータを主体として構成されたものであって、予め記憶させられているプログラムおよびデータならびに入力されるデータに基づいて演算をおこなって必要な制御指令信号を出力するように構成されている。
【0017】
上記の合成機構5を構成している遊星歯車機構についての共線図を図4に示してある。内燃機関1がキャリヤ(C)8に連結されていることにより、キャリヤ8にはその回転数を増大させる方向にトルクが作用する。このキャリヤ8を挟んだ両側にあるサンギヤ6とリングギヤ7とには、その回転数を低下させる方向にトルクが作用している。なお、モータ2の出力トルクは、リングギヤ7の回転数を増大させる方向に作用する。
【0018】
したがって図4に実線で示す運転状態にあるときに、発電機3の回転数を低下させると、キャリヤ8およびこれに連結されている内燃機関1の回転数が、図4に破線で示すように押し下げられる。これに対して発電機3の回転数を増大させると、キャリヤ8および内燃機関1の回転数が、図4に一点鎖線で示すように増大する。したがって図3に示す構成では、発電機3が内燃機関1の回転数を変更する回転数制御機構になっている。
【0019】
上記のハイブリッド車を対象としたこの発明の制御装置は、内燃機関1の低温燃焼のための制御を以下に述べるように実行する。図1はそのための制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、低温燃焼の要求の有無が判断される(ステップS1)。これは、要は、内燃機関1自体でのNOx の発生量を低下させる必要があるか否かの判断であり、例えば触媒でのNOx の吸蔵量が所定値以上に増大し、しかもリッチスパイクと称される空燃比の一時的な増大による、吸蔵した硝酸態窒素の還元を実行できないなどの状態では、低温燃焼の要求が成立する。
【0020】
したがって触媒のNOx 吸蔵量が所定値より未だ充分に低い場合や、リッチスパイクなどによってNOx 吸蔵量を低減できるなどの場合には、ステップS1で否定的に判断され、その場合は、特に制御を行うことなくリターンする。これとは反対に内燃機関1でのNOx 発生量を低下させる必要があることによりステップS1で肯定的に判断された場合には、その時点での運転点が低温燃焼が可能か否かが判断される(ステップS2)。
【0021】
低温燃焼は、EGRガスなどの不活性ガスの供給量(吸入量)を増大させて燃焼温度を下げる内燃機関1の運転状態であり、その不活性ガスの量は、煤の発生量が極大になる量より増大させられる。したがって低温燃焼は、内燃機関1の負荷が低負荷もしくは軽負荷の場合に可能であって、例えば図2の出力線図においては領域Aで示される運転状態で実行される。そのため、例えば図2の点P1 で示す運転点にある場合には、その運転点が低温燃焼領域A内にあるので、低温燃焼が可能であり、上記のステップS2で肯定的に判断される。
【0022】
ステップS2で肯定的に判断された場合には、直ちに低温燃焼が実行される(ステップS3)。そして、モータ2の出力の要否が判断される(ステップS4)。この場合、内燃機関1の出力トルクが出力要求を充分満たしていてステップS2で肯定的に判断されたのであるから、モータ2の出力は必要ではない。したがってステップS4で否定的に判断され、リターンする。このステップS1ないしステップS4の一連の制御は、低温燃焼を実行する場合の通常の制御である。
【0023】
一方、現在時点の運転点が図2に示す低温燃焼領域Aを外れている場合には、上記のステップS2で否定的に判断される。その場合には、その時点の内燃機関1の出力が、前述した低温燃焼領域Aに入っているか否かが判断される(ステップS5)。これは、図2に示す出力線図に即して説明すれば、その時点の出力に一致する等出力線が低温燃焼領域Aに入っているか否かの判断である。
【0024】
したがって例えば図2の点P2 で示す運転状態であれば、その運転点P2 を通る等出力線が低温燃焼領域Aに入っているので、ステップS5で肯定的に判断される。ステップS5で肯定的に判断された場合、低温燃焼を実行するには、運転点を低温燃焼領域A内に移動させる必要があるので、内燃機関1の回転数を、低温燃焼領域A内の運転点となるように決定する(ステップS6)。具体的には、運転点が等出力線上を高回転数側に移動して低温燃焼領域Aに入るように、内燃機関1の回転数を高回転数側に決定する。なお、この回転数の決定は、例えば予め用意したマップを利用しておこなうことができる。
【0025】
こうして決定した回転数となるように変速動作が実行される(ステップS7)。これは、内燃機関1の回転数を変更する制御であり、図3に示すハイブリッド車においては、図4を参照して説明したように、発電機3の回転数を大小に制御することにより、内燃機関1の回転数を変更することにより実行される。
【0026】
ついで、前述したステップS3に進み、排ガス再循環量を増大させるなどのことによって低温燃焼が実行される。なお、この場合もモータ2を特に駆動する必要はないので、ステップS4で否定的に判断され、リターンする。
【0027】
また一方、現在時点の内燃機関1の運転状態が図2の点P3 で示す運転点にある場合には、ステップS5で否定的に判断される。点P3 を通る等出力線が前述した低温燃焼領域Aに入っていないからである。したがってこのような状態では、内燃機関1の回転数を、出力を維持しつつ、どのように変更しても運転点が低温燃焼領域Aに入ることはない。
【0028】
そこで、モータ2を駆動してそのモータ出力分、内燃機関1の出力を下げた場合に、その低下させた出力が低温燃焼領域Aに入っているか否かが判断される(ステップS8)。図1では、これを、「エンジン+モータで低温燃焼可能か?」と記載してある。図2に点P3 で示している状態では、モータ2で可能な出力分、内燃機関1の出力を低下させると、運転点が点P3’に移動する。その運転点P3’を通る等出力線が低温燃焼領域Aに入っており、もしくは低温燃焼領域Aにおける最高出力あるいはこれに近い出力となっているから、この場合はステップS8で肯定的に判断される。
【0029】
ステップS8で肯定的に判断された場合、モータ出力を最小にできる内燃機関1の出力が求められる(ステップS9)。すなわち、前述した低温燃焼領域A内で最大の内燃機関1の出力もしくはこれに近い出力が求められる。これは、マップから求めることができる。
【0030】
ついで、その変更した出力で低温燃焼領域Aに入る運転点の回転数が決定される(ステップS10)。これは、図2に示す出力線図では、点P3’を通る等出力線上で回転数を増大させて低温燃焼領域Aに入る運転点に変更する制御であり、マップに基づいて決定することができる。
【0031】
そして、内燃機関1の出力を低下させることによる不足をモータ2で補うために、そのモータ出力が計算される(ステップS11)。そのモータ出力は、図2に示す例では、点P3 の出力と点P3’の出力との差である。
【0032】
その後、ステップS7に進んで、上記のステップS10で決定された回転数となるように変速動作が実行される。これは、図3に示すハイブリッド車の例では、発電機3の回転数を制御することにより実行される。さらにステップS3に進んで、内燃機関1の低温燃焼が実行される。そして、この場合、モータ2を駆動する必要があるので、ステップS4で肯定的に判断され、前記ステップS11で計算された出力となるようにモータ2の出力が制御される(ステップS12)。
【0033】
すなわち、この場合は、他の動力源であるモータ2が、内燃機関1の出力の一部を代替するように駆動され、その結果、内燃機関1の運転状態が、低温燃焼をおこない得る状態に変更させられる。その後、低温燃焼が可能な運転点となるように回転数が制御され、低温燃焼が実行される。したがって内燃機関1を単独で制御することでは不可能な低温燃焼が、他の動力源を併用することにより可能になり、NOx などの大気汚染物質の内燃機関1での発生量を抑制し、車両全体としての排ガスを良好なものとすることができ、少なくとも排ガスの悪化を防止もしくは抑制することができる。
【0034】
なお、ハイブリッド車に対する出力要求量が大きいために、モータ2を駆動しても内燃機関1の出力を、低温燃焼領域Aに入る程度に下げられない場合には、上記のステップS8で否定的に判断される。その場合、特に制御をおこなうことなく直ちにリターンする。
【0035】
ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS1の機能的手段が、この発明の低温燃焼判断手段に相当し、ステップS2およびステップS5の機能的手段が、この発明の出力判断手段に相当し、ステップS9およびステップS11ならびにステップS12の機能的手段が、この発明の出力変更手段に相当し、さらにステップS10およびステップS7の機能的手段が、この発明の回転数制御手段に相当する。
【0036】
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。したがってこの発明で対象とするハイブリッド車は、図3に示す構成のもの以外に、例えば図5に示す構成のものであってもよい。この図5に示すハイブリッド車は、内燃機関1の出力側に、トルクコンバータ20を介して無段変速機21を連結し、その無段変速機21の入力側に、他の動力源としてモータ・ジェネレータ22を連結し、そしてその無段変速機21からカウンタギヤ対14および最終軸13ならびにファイナルギヤ対16を介して出力するように構成したものである。他の構成は図3と同様であり、図3と同一の符号を付してある。したがってこの図5に示す構成のハイブリッド車では、内燃機関1を低温燃焼運転するための回転数の制御が、無段変速機21によって実行され、これがこの発明の回転数制御機構に相当することになる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、他の動力源と併せて搭載されている内燃機関を低温燃焼させる要求があった場合、その時点の内燃機関の出力が予め定めてある低温燃焼領域内に入っていないと、他の動力源が駆動されて内燃機関の出力が低温燃焼領域内に入るように変更され、ついで、その変更された出力を維持した状態で、内燃機関の回転数が変更させられ、その運転点が前記低温燃焼領域内の運転点に設定されるから、内燃機関で発生するNOx や煤の量が低減され、車両の全体としての排ガスの悪化を防止することができる。また、内燃機関を単独で制御することによって達成できない低温燃焼を達成できるので、その点でも排ガスの浄化を促進することができる。
【0038】
また特に、請求項2の発明によれば、変更された内燃機関の出力が、低温燃焼領域に入る最高出力もしくはそれに近い出力に設定されるから、内燃機関の出力を変更する前後での車両全体としての出力を維持するために必要とする他の動力源の出力が小さくてよく、そのためにモータなどの他の動力源を小型化し、それに併せて蓄電装置などの付属機器を小型化し、車載性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】その内燃機関の出力線図を模式的に示す図である。
【図3】この発明で対象とするハイブリッド車の駆動系統の一例を示す模式図である。
【図4】その合成機構を構成している遊星歯車機構についての共線図である。
【図5】この発明で対象とするハイブリッド車の駆動系統の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、 2…モータ、 3…発電機、 18,19…電子制御装置、
21…無段変速機、 22…モータ・ジェネレータ。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a control device for a hybrid vehicle having an internal combustion engine and another power source, and more particularly to a device for controlling the output of an internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a hybrid vehicle using an internal combustion engine and a motor or a motor / generator as power sources has been known. This type of vehicle is a vehicle developed mainly for the purpose of reducing exhaust gas and improving fuel efficiency by the internal combustion engine, and operates the internal combustion engine as efficiently as possible to reduce the surplus of the internal combustion engine. While the power of the internal combustion engine is stored as electric energy while the energy regenerated during braking and the like is stored as electric energy, when the power of the internal combustion engine is insufficient, the motor is driven by the stored electric energy to compensate for the lack of driving torque. In addition, at the time of starting, the motor is driven in place of the internal combustion engine to avoid inefficient operation of the internal combustion engine. Therefore, conventional hybrid vehicles basically compensate for the lack of output of the internal combustion engine with the output of another power source such as a motor, and use another power source such as a motor as an alternative to the internal combustion engine depending on the situation. It is configured to use the internal combustion engine as efficiently as possible.
[0003]
On the other hand, in order to reduce soot and NOx emitted from the internal combustion engine, a low-temperature combustion operation of the internal combustion engine has been conventionally performed. This is a control in which, when the load of the internal combustion engine is relatively low, the internal combustion engine is operated by, for example, increasing the amount of exhaust gas recirculation to lower the combustion temperature of the internal combustion engine. When this low-temperature combustion is performed, the amount of intake air is reduced, so that the output of the internal combustion engine is reduced and the driving torque may be insufficient.
[0004]
Therefore, for example, in the invention described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-110601, the speed of the internal combustion engine is increased by controlling the transmission connected to the internal combustion engine to a lower speed gear ratio. By lowering the output torque of the internal combustion engine while maintaining the above-mentioned conditions, low-temperature combustion is enabled. By controlling the gear ratio or the output of the internal combustion engine in this manner, the shortage of driving torque and the restriction of low-temperature combustion associated therewith are eliminated or alleviated, so that the operating range in which low-temperature combustion can be performed is expanded, and soot and NOx are reduced. Can be further suppressed.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the low-temperature combustion operation is, for example, an operation state of the internal combustion engine in which the combustion temperature is reduced by increasing the exhaust gas recirculation amount, so that the amount of NOx generated in the internal combustion engine itself can be reduced. On the other hand, conventional vehicles are equipped with an exhaust gas purifying catalyst capable of removing pollutants such as NOx, so that NOx generated in the internal combustion engine is not directly discharged into the atmosphere, but depends on the operating state of the internal combustion engine. Therefore, even if a certain amount of NOx is generated, the NOx emission of the vehicle as a whole does not increase. Therefore, when a catalyst having a gradually increasing NOx storage amount, such as a storage reduction catalyst, is used, after the NOx storage amount reaches a predetermined amount, the NOx storage amount in the catalyst is reduced. Until the temperature is reduced, it is necessary to suppress the amount of NOx generated in the internal combustion engine itself, and the operation of the internal combustion engine in low-temperature combustion is effective in such a case.
[0006]
However, the operating range of the internal combustion engine capable of performing low-temperature combustion is limited to a relatively low torque range. Therefore, as described in the above-mentioned publication, it is possible to maintain the output of the internal combustion engine by increasing the rotation speed of the internal combustion engine during low-temperature combustion because the operating point at the high rotation speed and low torque on the iso-output line at that time. Is in the low temperature combustible region. In other words, because the required output at that time is large, even if the torque is reduced by increasing the rotational speed of the internal combustion engine on the equal output line, if the resulting operating point does not enter the low temperature combustion region, Cannot operate with low-temperature combustion.
[0007]
Conventionally, in a hybrid vehicle, another power source such as a motor is operated to assist the output of the internal combustion engine, and the output of the internal combustion engine is actively reduced while the vehicle is running at the output of the internal combustion engine. It is not configured to use another power source, such as a motor, to drive the motor. Furthermore, no preferable control mode has been known in relation to the internal combustion engine that performs the above-described low-temperature combustion, and new technology has to be developed in this regard.
[0008]
The present invention has been made in view of the above technical problem, and by controlling other power sources mounted in conjunction with an internal combustion engine so as to enable low-temperature combustion as much as possible. It is another object of the present invention to provide a control device capable of preventing deterioration of exhaust gas.
[0009]
Means for Solving the Problems and Their Functions
According to the present invention, in order to achieve the above object, when there is a request for low temperature combustion of an internal combustion engine, an output of another power source is increased so that an output of the internal combustion engine enters a predetermined low temperature combustion region. The output of the internal combustion engine is reduced so that the operating point of the internal combustion engine is controlled so that the operating point of the internal combustion engine becomes the operating point in the low-temperature combustion region without changing the output. It is characterized by having done. More specifically, the invention of
[0010]
Further, the output changing means according to
[0011]
Therefore, in the invention of
[0012]
In particular, in the second aspect of the invention, the changed output of the internal combustion engine is set to the maximum output that enters the low-temperature combustion region or an output close thereto. As a result, the output of another power source required to maintain the output of the entire vehicle before and after changing the output of the internal combustion engine is reduced.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, the present invention will be described based on specific examples. First, a hybrid vehicle according to the present invention will be described. FIG. 3 includes an internal combustion engine (E / G) 1 and a motor (M) 2 as power sources, and a generator ( G) shows a hybrid vehicle equipped with 3; The
[0014]
A clutch 4 having a damper is connected to an output side of the
[0015]
A
[0016]
It is configured such that parameters such as the output of the
[0017]
FIG. 4 is an alignment chart of the planetary gear mechanism constituting the
[0018]
Therefore, when the rotation speed of the
[0019]
The control device of the present invention for the above-described hybrid vehicle executes control for low-temperature combustion of the
[0020]
Therefore, when the NOx storage amount of the catalyst is still sufficiently lower than the predetermined value, or when the NOx storage amount can be reduced by rich spike or the like, a negative determination is made in step S1, and in that case, control is particularly performed. Return without. Conversely, if it is determined in step S1 that the NOx generation amount in the
[0021]
Low-temperature combustion is an operation state of the
[0022]
If a positive determination is made in step S2, low-temperature combustion is immediately performed (step S3). Then, it is determined whether the output of the
[0023]
On the other hand, if the current operating point is outside the low-temperature combustion area A shown in FIG. 2, a negative determination is made in step S2. In this case, it is determined whether or not the output of the
[0024]
Therefore, for example, in the operation state indicated by the point P2 in FIG. 2, since the equal output line passing through the operation point P2 is in the low-temperature combustion area A, the determination is affirmative in step S5. If a positive determination is made in step S5, it is necessary to move the operating point into the low-temperature combustion area A in order to perform low-temperature combustion. It is determined to be a point (step S6). Specifically, the rotation speed of the
[0025]
A shift operation is performed so as to achieve the rotation speed determined in this way (step S7). This is a control for changing the rotation speed of the
[0026]
Next, the process proceeds to step S3, in which low-temperature combustion is performed by, for example, increasing the amount of exhaust gas recirculation. In this case as well, there is no need to drive the
[0027]
On the other hand, if the current operating state of the
[0028]
Therefore, when the output of the
[0029]
If a positive determination is made in step S8, the output of the
[0030]
Next, the rotation speed of the operating point entering the low temperature combustion area A is determined by the changed output (step S10). In the output diagram shown in FIG. 2, this is a control in which the rotational speed is increased on an iso-output line passing through the point P3 'to change to an operating point that enters the low-temperature combustion area A, and may be determined based on a map. it can.
[0031]
Then, in order to compensate for the shortage caused by lowering the output of the
[0032]
Thereafter, the process proceeds to step S7, and the speed change operation is performed so that the rotation speed is determined at step S10. This is executed by controlling the rotation speed of the
[0033]
That is, in this case, the
[0034]
If the output of the
[0035]
Here, the relationship between the above specific example and the present invention will be briefly described. The functional means of step S1 shown in FIG. 1 corresponds to the low-temperature combustion determining means of the present invention, and the functional means of steps S2 and S5. Corresponds to the output determining means of the present invention, the functional means of steps S9, S11 and S12 correspond to the output changing means of the present invention, and the functional means of steps S10 and S7 correspond to the present invention. Corresponds to the rotation speed control means.
[0036]
Note that the present invention is not limited to the specific examples described above. Therefore, the hybrid vehicle targeted by the present invention may have, for example, the configuration shown in FIG. 5 in addition to the configuration shown in FIG. In the hybrid vehicle shown in FIG. 5, a continuously
[0037]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when there is a request to perform low-temperature combustion on an internal combustion engine mounted in combination with another power source, the output of the internal combustion engine at that time is determined in a predetermined low-temperature combustion range. If not, the other power source is driven and the output of the internal combustion engine is changed so as to enter the low-temperature combustion region, and then, while maintaining the changed output, the rotation speed of the internal combustion engine is reduced. Since the operating point is changed and the operating point is set to the operating point in the low-temperature combustion region, the amount of NOx and soot generated in the internal combustion engine is reduced, and deterioration of exhaust gas as a whole of the vehicle can be prevented. . Further, since low-temperature combustion that cannot be achieved by controlling the internal combustion engine alone can be achieved, purification of exhaust gas can be promoted also in that respect.
[0038]
In particular, according to the second aspect of the present invention, the changed output of the internal combustion engine is set to the maximum output that enters the low-temperature combustion region or an output close thereto, so that the entire vehicle before and after changing the output of the internal combustion engine is changed. The output of other power sources required to maintain the output as power may be small, so other power sources such as motors are downsized, and the accompanying accessories such as power storage devices are downsized, Can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart for explaining a control example by a control device of the present invention.
FIG. 2 is a diagram schematically showing an output diagram of the internal combustion engine.
FIG. 3 is a schematic diagram showing an example of a drive system of a hybrid vehicle targeted by the present invention.
FIG. 4 is an alignment chart of a planetary gear mechanism constituting the synthesizing mechanism.
FIG. 5 is a schematic diagram showing another example of the drive system of the hybrid vehicle targeted by the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Internal combustion engine, 2: Motor, 3: Generator, 18, 19: Electronic control unit,
21: continuously variable transmission, 22: motor generator.
Claims (2)
前記低温燃焼の要求の有無を判断する低温燃焼判断手段と、
低温燃焼の要求があった際の前記内燃機関の出力が前記低温燃焼領域に入っているか否かを判断する出力判断手段と、
内燃機関の出力が前記低温燃焼領域に入っていないことが判断された場合に、前記他の動力源を駆動するとともに前記内燃機関の出力を前記低温燃焼領域に入るように変更する出力変更手段と、
その変更した出力での内燃機関の運転点が前記低温燃焼領域内の運転点となるように前記回転数制御機構によって内燃機関の回転数を変更する回転数制御手段と
を備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。An internal combustion engine capable of performing low-temperature combustion that inhales more inert gas than an inert gas intake amount at which the generation amount of soot is maximized; another power source; and a rotation of the internal combustion engine that is connected to an output side of the internal combustion engine. A control device for a hybrid vehicle having a rotation speed control mechanism for changing the number of rotations.
Low-temperature combustion determining means for determining whether there is a request for low-temperature combustion,
Output determining means for determining whether or not the output of the internal combustion engine when there is a request for low-temperature combustion is in the low-temperature combustion region;
When it is determined that the output of the internal combustion engine has not entered the low-temperature combustion region, output changing means for driving the other power source and changing the output of the internal combustion engine so as to enter the low-temperature combustion region. ,
Rotation speed control means for changing the rotation speed of the internal combustion engine by the rotation speed control mechanism such that the operating point of the internal combustion engine at the changed output becomes the operating point in the low temperature combustion region. Hybrid vehicle control device.
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