JP2004057079A - ポット苗箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】移植機による植付作業において、ポット苗箱の四隅のポット状苗室が押出杵により破壊されないようにする。
【解決手段】底面に亀裂部15を設けたポット状苗室11(11A、11B)をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱10であって、ポット苗箱10の四隅に位置するポット状苗室11Aは、X−Y方向に隣接する他のポット状苗室11Bの外面との間に変形防止用のリブ13を架け渡している。あるいは/および、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブ14を架け渡している。
【選択図】 図3
【解決手段】底面に亀裂部15を設けたポット状苗室11(11A、11B)をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱10であって、ポット苗箱10の四隅に位置するポット状苗室11Aは、X−Y方向に隣接する他のポット状苗室11Bの外面との間に変形防止用のリブ13を架け渡している。あるいは/および、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブ14を架け渡している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポット苗箱に関し、詳しくは、稲や野菜など苗をポット苗箱の各ポット状苗室で育苗し、該ポット苗箱ごと移植機に搭載して圃場に苗を植え付けるためのものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、移植機に搭載して使用するポット苗箱として、本出願人の意匠登録第507139号公報等に示すものが提供されている。
図9(A)(B)に示すように、ポット苗箱1は樹脂で一体成形されており、移植機内を通過する際に湾曲可能なように可撓性を有していると共に、底面に亀裂部3を備えたポット状苗室2(2A、2B)をX−Y方向の碁盤目状に多数配置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ポット苗箱1は、樹脂成形品で撓み易いため、図9(A)(B)に示すように、多数配列されたポット状苗室2のうち四隅に位置するポット状苗室2Aは、重力や雰囲気温度などの影響によりX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまう場合がある。
【0004】
また、ポット苗箱1を用いた育苗作業において、各ポット状苗室2に土入れ・播種・潅水等を行ったポット苗箱1を苗床(図示せず)上に並べ、ポット苗箱1の上面に重量のある合板(図示せず)で押し付けてポット苗箱1と苗床との密着を促進させる作業があるが、その際、該合板の押し付けにより、やはり、ポット苗箱1の四隅が上記同様に内側に塑性変形してしまう場合がある。
【0005】
このように四隅が内側に塑性変形したままのポット苗箱1を、図10および図11に示すように、移植機の苗箱ガイド部4に通過させると、各ポット状苗室2の底面中心に対応するように設けられた押出杵5を底面の亀裂部3を通して貫入し、ポット苗Nを待ち受け状態の苗受6の溝へ押し出す際に、四隅のポット状苗室2Aの亀裂部3と押出杵5との位置ズレにより、ポット状苗室2Aを破壊してしまう問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、移植機による植付作業において、ポット苗箱の四隅のポット状苗室が押出杵により破壊されないようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブを架け渡していることを特徴とするポット苗箱を提供している。
【0008】
上記構成とすると、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形しようとしても、上記斜め方向に隣接したポット状苗室との外面間に架け渡したリブが強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。したがって、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の亀裂部に移植機の押出杵が合致せずに破壊されるのを防止することができる。
【0009】
また、本発明は第2に、底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、X−Y方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブを架け渡していることを特徴とするポット苗箱を提供している。
【0010】
上記構成とすると、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形しようとしても、上記ポット状苗室の外面間に架け渡したX方向のリブとY方向のリブとの強度保持力が合成されて斜め方向へお強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。したがって、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の亀裂部に移植機の押出杵が合致せずに破壊されるのを防止することができる。
【0011】
上記四隅に位置するポット状苗室に、X−Y方向に隣接するポット状苗室の外面と、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との両方ともに変形防止用のリブを設けると強度保持力がさらに向上し好適である。
なお、その場合には、上記X−Y方向のリブを低背とし、上記斜め方向のリブを高背とすると好ましい。
【0012】
さらに、本発明は第3に、底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、上記亀裂部のスリットの1つを、X−Y方向に対して斜め方向で、かつ、該ポット状苗室の底面の中心から外方に向く位置に設けていることを特徴とするポット苗箱を提供している。
【0013】
上記構成とすると、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまい、ポット状苗室の苗を上記亀裂部を通して押し出す押出杵がポット状苗室の中心から約45°斜め方向の外側に位置ズレした場合でも、該押出杵が上記亀裂部のスリット部分に位置することとなる。したがって、上記押出杵は上記スリットを貫通することができ、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の破壊を防止することができる。
【0014】
具体的には、上記亀裂部は上記ポット状苗室の底面の中心からスリットを三方向に切り欠いた略Y字形状とし、
上記スリットの1つはX−Y方向に対して30°〜60°の斜め方向で外方に向く位置に設けていると好適である。
なお、上記亀裂部のスリット形状は、略Y字形状の他にも、略十字形状などスリットを有するあらゆる形状が考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は第1実施形態を示す。
第1実施形態のポット苗箱10は、X−Y方向の碁盤目状に多数のポット状苗室11を設けており、両端縁に複数の送り穴12を穿設していると共に、中央にポット状苗室11の間隔を広くあけた中央支持部16を設けている。
【0016】
図3(A)に示すように、ポット状苗室11の底面には、その中心から3本のスリット15a、15b、15cを等角三方向に切り欠いたY字亀裂部15を設けている。
ポット苗箱10の四隅に位置する各ポット状苗室11Aは、図3(A)(B)に示すように、X方向とY方向に隣接する各ポット状苗室11Bの外面との間に変形防止用のリブ13を架け渡していると共に、図3(A)(C)に示すように、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室11Cの外面との間にも変形防止用のリブ14を架け渡している。
【0017】
リブ13、14は、その高さH2をポット状苗室11の高さH1の30〜80%の高さとすることが好ましく、本実施形態では50%の高さとしている。
リブ13、14の高さH2をポット状苗室11の30%未満にすると、ポット状苗室11Aの変形防止効果が十分でなくなる一方、80%を超えるとリブ13、14の間の空間に土が溜まり易くなると共にポット状苗室11(11A、11B、11C)の可撓性が損なわれるからである。
なお、上記斜め方向のリブ14は、X−Y方向のリブ13よりも高背としても好適である。
【0018】
上記構成のポット苗箱10によると、四隅のポット状苗室11Aとそれに隣接するポット状苗室11B、11Cとの間にリブ13、14を設けているので、重力や雰囲気温度などの影響や、育苗作業時の合板の押し付け等により、ポット苗箱10の四隅のポット状苗室11AがX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に変形してしまうのを防止することができる。
【0019】
よって、図4に示すように、ポット苗箱10を移植機の苗箱ガイド部4に通過させて、各ポット状苗室11(11A、11B、11C)の底面中心に対応するように設けられた押出杵5を各Y字亀裂部15に貫入してポット苗Nを苗受6の溝へ押し出す際に、押出杵5が四隅のポット状苗室11AのY字亀裂部15の中心に正しく合致し、ポット状苗室11Aの破壊を防止することができる。
【0020】
図5(A)は第1実施形態の第1変形例を示す。
本変形例は、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11Aの外面と、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室11Cの外面との間に変形防止用のリブ14を架け渡している一方、X−Y方向に隣接するポット状苗室11Bの外面との間にはリブを設けていない。
【0021】
図5(B)は第1実施形態の第2変形例を示す。
本変形例は、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11Aは、X−Y方向に隣接する両ポット状苗室11Bの外面との間に変形防止用のリブ13を架け渡している一方、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室11Cの外面との間にはリブを設けていない。
つまり、X方向のリブ13とY方向のリブ13との変形に対する抗力の合成により、45°斜め方向への変形が防止できる。
【0022】
図6(A)(B)は第2実施形態を示す。
本実施形態のポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11A’のY字亀裂部15’は、他のポット状苗室11BのY字亀裂部15に対して角度θ向きを変えている。
【0023】
つまり、四隅のポット状苗室11Aの底面のY字亀裂部15’は、中心から等角三方向に切り欠いた3本のスリット15a’、15b’、15c’のうち一つ15a’をX−Y方向に対して角度θ傾斜した外方へ向くように設定している。
ここで、角度θの許容範囲は30°≦θ≦60°とすると好ましく、本実施形態ではθ=45°としている。
【0024】
上記構成とすると、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11A’が塑性変形しなかった場合には、図6(B)中の中心位置であるa位置に移植機の押出杵5が合致する。一方、ポット状苗室11A’がX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまった場合でも、押出杵5がスリット15a’上のb位置に合致する。したがって、押出杵5はスリット15a’を貫通することができ、ポット状苗室11A’の破壊が防止される。
【0025】
図7は第3実施形態を示す。
本実施形態のポット状苗箱は、第2実施形態のポット苗箱に第1実施形態のリブ13、14も設けている。
こうすることで、リブ13、14により、ポット状苗箱の四隅に位置するポット状苗室11A’の塑性変形が防止されると共に、万が一、ポット状苗室11A’がX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまった場合でも、押出杵5がスリット15a’を貫通することができ、ポット状苗室11A’の破壊が防止できる。
【0026】
図8は第4実施形態を示す。
本実施形態のポット苗箱は、各ポット状苗室11の配列間隔を、原則としてX方向は距離L1の間隔とし、Y方向は距離L2としていると共に、四隅に位置するポット状苗室11A”のみαだけ余分に間隔をあけて、即ち、X方向は距離L1+αの間隔をあけ、Y方向は距離L2+αの間隔をあけている。
【0027】
X−Y方向のポット間距離がL1=L2=19mmのポット苗箱において、ポット状苗室11A”の位置ズレ量であるαの範囲は0.3mm≦α≦1.0mmとしており、本実施形態ではα=0.5mmとしている。
【0028】
上記構成とすると、たとえ四隅に位置するポット状苗室11A”がX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまった場合でも、予めポット状苗室11A”をX−Y方向に対して約45°斜め方向の外側にずらしているので、上記変形による内側への位置ズレと予め設定した外側への位置ズレとが相殺される。
したがって、押出杵5はポット状苗室11A”のY字亀裂部15に合致させることができ、ポット状苗室11A”の破壊が防止できる。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、第1の発明によれば、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形しようとしても、上記斜め方向に隣接したポット状苗室との外面間に架け渡したリブが強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。
また、第2の発明も同様に、上記X方向のリブとY方向のリブとの強度保持力が合成されて斜め方向へ強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。
したがって、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の亀裂部に移植機の押出杵が合致せずに破壊されるのを防止できる。
【0030】
さらに、第3の発明によれば、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまい、上記移植機の押出杵がポット状苗室の中心から約45°方向の外方に位置ズレした場合でも、該押出杵が亀裂部のスリット部分に位置する。したがって、該押出杵は亀裂部のスリット部を貫通でき、ポット状苗室の破壊を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のポット苗箱の上面図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】(A)は要部上面図、(B)はII−II線断面図、(C)はIII−III線断面図である。
【図4】ポット状苗室のポット苗を押出杵で押し出す状態を示す図面である。
【図5】(A)は第1変形例の要部上面図、(B)は第2変形例の要部上面図である。
【図6】(A)は第2実施形態のポット苗箱の要部上面図、(B)は拡大図である。
【図7】第3実施形態のポット苗箱の要部上面図である。
【図8】第4実施形態のポット苗箱の要部上面図である。
【図9】(A)は従来のポット苗箱の斜視図、(B)はIV−IV線断面図である。
【図10】移植機の要部断面図である。
【図11】図10のV−V線断面図である。
【符号の説明】
4 苗箱ガイド部
5 押出杵
6 苗受
10 ポット苗箱
11(11A、11B、11C) ポット状苗室
12 送り穴
13、14 リブ
15 Y字亀裂部
16 中央支持部
N ポット苗
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポット苗箱に関し、詳しくは、稲や野菜など苗をポット苗箱の各ポット状苗室で育苗し、該ポット苗箱ごと移植機に搭載して圃場に苗を植え付けるためのものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、移植機に搭載して使用するポット苗箱として、本出願人の意匠登録第507139号公報等に示すものが提供されている。
図9(A)(B)に示すように、ポット苗箱1は樹脂で一体成形されており、移植機内を通過する際に湾曲可能なように可撓性を有していると共に、底面に亀裂部3を備えたポット状苗室2(2A、2B)をX−Y方向の碁盤目状に多数配置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ポット苗箱1は、樹脂成形品で撓み易いため、図9(A)(B)に示すように、多数配列されたポット状苗室2のうち四隅に位置するポット状苗室2Aは、重力や雰囲気温度などの影響によりX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまう場合がある。
【0004】
また、ポット苗箱1を用いた育苗作業において、各ポット状苗室2に土入れ・播種・潅水等を行ったポット苗箱1を苗床(図示せず)上に並べ、ポット苗箱1の上面に重量のある合板(図示せず)で押し付けてポット苗箱1と苗床との密着を促進させる作業があるが、その際、該合板の押し付けにより、やはり、ポット苗箱1の四隅が上記同様に内側に塑性変形してしまう場合がある。
【0005】
このように四隅が内側に塑性変形したままのポット苗箱1を、図10および図11に示すように、移植機の苗箱ガイド部4に通過させると、各ポット状苗室2の底面中心に対応するように設けられた押出杵5を底面の亀裂部3を通して貫入し、ポット苗Nを待ち受け状態の苗受6の溝へ押し出す際に、四隅のポット状苗室2Aの亀裂部3と押出杵5との位置ズレにより、ポット状苗室2Aを破壊してしまう問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、移植機による植付作業において、ポット苗箱の四隅のポット状苗室が押出杵により破壊されないようにすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブを架け渡していることを特徴とするポット苗箱を提供している。
【0008】
上記構成とすると、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形しようとしても、上記斜め方向に隣接したポット状苗室との外面間に架け渡したリブが強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。したがって、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の亀裂部に移植機の押出杵が合致せずに破壊されるのを防止することができる。
【0009】
また、本発明は第2に、底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、X−Y方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブを架け渡していることを特徴とするポット苗箱を提供している。
【0010】
上記構成とすると、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形しようとしても、上記ポット状苗室の外面間に架け渡したX方向のリブとY方向のリブとの強度保持力が合成されて斜め方向へお強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。したがって、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の亀裂部に移植機の押出杵が合致せずに破壊されるのを防止することができる。
【0011】
上記四隅に位置するポット状苗室に、X−Y方向に隣接するポット状苗室の外面と、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との両方ともに変形防止用のリブを設けると強度保持力がさらに向上し好適である。
なお、その場合には、上記X−Y方向のリブを低背とし、上記斜め方向のリブを高背とすると好ましい。
【0012】
さらに、本発明は第3に、底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、上記亀裂部のスリットの1つを、X−Y方向に対して斜め方向で、かつ、該ポット状苗室の底面の中心から外方に向く位置に設けていることを特徴とするポット苗箱を提供している。
【0013】
上記構成とすると、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまい、ポット状苗室の苗を上記亀裂部を通して押し出す押出杵がポット状苗室の中心から約45°斜め方向の外側に位置ズレした場合でも、該押出杵が上記亀裂部のスリット部分に位置することとなる。したがって、上記押出杵は上記スリットを貫通することができ、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の破壊を防止することができる。
【0014】
具体的には、上記亀裂部は上記ポット状苗室の底面の中心からスリットを三方向に切り欠いた略Y字形状とし、
上記スリットの1つはX−Y方向に対して30°〜60°の斜め方向で外方に向く位置に設けていると好適である。
なお、上記亀裂部のスリット形状は、略Y字形状の他にも、略十字形状などスリットを有するあらゆる形状が考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は第1実施形態を示す。
第1実施形態のポット苗箱10は、X−Y方向の碁盤目状に多数のポット状苗室11を設けており、両端縁に複数の送り穴12を穿設していると共に、中央にポット状苗室11の間隔を広くあけた中央支持部16を設けている。
【0016】
図3(A)に示すように、ポット状苗室11の底面には、その中心から3本のスリット15a、15b、15cを等角三方向に切り欠いたY字亀裂部15を設けている。
ポット苗箱10の四隅に位置する各ポット状苗室11Aは、図3(A)(B)に示すように、X方向とY方向に隣接する各ポット状苗室11Bの外面との間に変形防止用のリブ13を架け渡していると共に、図3(A)(C)に示すように、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室11Cの外面との間にも変形防止用のリブ14を架け渡している。
【0017】
リブ13、14は、その高さH2をポット状苗室11の高さH1の30〜80%の高さとすることが好ましく、本実施形態では50%の高さとしている。
リブ13、14の高さH2をポット状苗室11の30%未満にすると、ポット状苗室11Aの変形防止効果が十分でなくなる一方、80%を超えるとリブ13、14の間の空間に土が溜まり易くなると共にポット状苗室11(11A、11B、11C)の可撓性が損なわれるからである。
なお、上記斜め方向のリブ14は、X−Y方向のリブ13よりも高背としても好適である。
【0018】
上記構成のポット苗箱10によると、四隅のポット状苗室11Aとそれに隣接するポット状苗室11B、11Cとの間にリブ13、14を設けているので、重力や雰囲気温度などの影響や、育苗作業時の合板の押し付け等により、ポット苗箱10の四隅のポット状苗室11AがX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に変形してしまうのを防止することができる。
【0019】
よって、図4に示すように、ポット苗箱10を移植機の苗箱ガイド部4に通過させて、各ポット状苗室11(11A、11B、11C)の底面中心に対応するように設けられた押出杵5を各Y字亀裂部15に貫入してポット苗Nを苗受6の溝へ押し出す際に、押出杵5が四隅のポット状苗室11AのY字亀裂部15の中心に正しく合致し、ポット状苗室11Aの破壊を防止することができる。
【0020】
図5(A)は第1実施形態の第1変形例を示す。
本変形例は、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11Aの外面と、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室11Cの外面との間に変形防止用のリブ14を架け渡している一方、X−Y方向に隣接するポット状苗室11Bの外面との間にはリブを設けていない。
【0021】
図5(B)は第1実施形態の第2変形例を示す。
本変形例は、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11Aは、X−Y方向に隣接する両ポット状苗室11Bの外面との間に変形防止用のリブ13を架け渡している一方、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室11Cの外面との間にはリブを設けていない。
つまり、X方向のリブ13とY方向のリブ13との変形に対する抗力の合成により、45°斜め方向への変形が防止できる。
【0022】
図6(A)(B)は第2実施形態を示す。
本実施形態のポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11A’のY字亀裂部15’は、他のポット状苗室11BのY字亀裂部15に対して角度θ向きを変えている。
【0023】
つまり、四隅のポット状苗室11Aの底面のY字亀裂部15’は、中心から等角三方向に切り欠いた3本のスリット15a’、15b’、15c’のうち一つ15a’をX−Y方向に対して角度θ傾斜した外方へ向くように設定している。
ここで、角度θの許容範囲は30°≦θ≦60°とすると好ましく、本実施形態ではθ=45°としている。
【0024】
上記構成とすると、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室11A’が塑性変形しなかった場合には、図6(B)中の中心位置であるa位置に移植機の押出杵5が合致する。一方、ポット状苗室11A’がX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまった場合でも、押出杵5がスリット15a’上のb位置に合致する。したがって、押出杵5はスリット15a’を貫通することができ、ポット状苗室11A’の破壊が防止される。
【0025】
図7は第3実施形態を示す。
本実施形態のポット状苗箱は、第2実施形態のポット苗箱に第1実施形態のリブ13、14も設けている。
こうすることで、リブ13、14により、ポット状苗箱の四隅に位置するポット状苗室11A’の塑性変形が防止されると共に、万が一、ポット状苗室11A’がX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまった場合でも、押出杵5がスリット15a’を貫通することができ、ポット状苗室11A’の破壊が防止できる。
【0026】
図8は第4実施形態を示す。
本実施形態のポット苗箱は、各ポット状苗室11の配列間隔を、原則としてX方向は距離L1の間隔とし、Y方向は距離L2としていると共に、四隅に位置するポット状苗室11A”のみαだけ余分に間隔をあけて、即ち、X方向は距離L1+αの間隔をあけ、Y方向は距離L2+αの間隔をあけている。
【0027】
X−Y方向のポット間距離がL1=L2=19mmのポット苗箱において、ポット状苗室11A”の位置ズレ量であるαの範囲は0.3mm≦α≦1.0mmとしており、本実施形態ではα=0.5mmとしている。
【0028】
上記構成とすると、たとえ四隅に位置するポット状苗室11A”がX−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまった場合でも、予めポット状苗室11A”をX−Y方向に対して約45°斜め方向の外側にずらしているので、上記変形による内側への位置ズレと予め設定した外側への位置ズレとが相殺される。
したがって、押出杵5はポット状苗室11A”のY字亀裂部15に合致させることができ、ポット状苗室11A”の破壊が防止できる。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、第1の発明によれば、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形しようとしても、上記斜め方向に隣接したポット状苗室との外面間に架け渡したリブが強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。
また、第2の発明も同様に、上記X方向のリブとY方向のリブとの強度保持力が合成されて斜め方向へ強度保持の役目を果たし、上記四隅に位置するポット状苗室の変形を防止することができる。
したがって、ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室の亀裂部に移植機の押出杵が合致せずに破壊されるのを防止できる。
【0030】
さらに、第3の発明によれば、上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室が、X−Y方向に対して約45°斜め方向の内側に塑性変形してしまい、上記移植機の押出杵がポット状苗室の中心から約45°方向の外方に位置ズレした場合でも、該押出杵が亀裂部のスリット部分に位置する。したがって、該押出杵は亀裂部のスリット部を貫通でき、ポット状苗室の破壊を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のポット苗箱の上面図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】(A)は要部上面図、(B)はII−II線断面図、(C)はIII−III線断面図である。
【図4】ポット状苗室のポット苗を押出杵で押し出す状態を示す図面である。
【図5】(A)は第1変形例の要部上面図、(B)は第2変形例の要部上面図である。
【図6】(A)は第2実施形態のポット苗箱の要部上面図、(B)は拡大図である。
【図7】第3実施形態のポット苗箱の要部上面図である。
【図8】第4実施形態のポット苗箱の要部上面図である。
【図9】(A)は従来のポット苗箱の斜視図、(B)はIV−IV線断面図である。
【図10】移植機の要部断面図である。
【図11】図10のV−V線断面図である。
【符号の説明】
4 苗箱ガイド部
5 押出杵
6 苗受
10 ポット苗箱
11(11A、11B、11C) ポット状苗室
12 送り穴
13、14 リブ
15 Y字亀裂部
16 中央支持部
N ポット苗
Claims (4)
- 底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、X−Y方向に対して斜め方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブを架け渡していることを特徴とするポット苗箱。 - 底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、X−Y方向に隣接するポット状苗室の外面との間に変形防止用のリブを架け渡していることを特徴とするポット苗箱。 - 底面に亀裂部を設けたポット状苗室をX−Y方向の碁盤目状に多数配置してなるポット苗箱であって、
上記ポット苗箱の四隅に位置するポット状苗室は、上記亀裂部のスリットの1つを、X−Y方向に対して斜め方向で、かつ、該ポット状苗室の底面の中心から外方に向く位置に設けていることを特徴とするポット苗箱。 - 上記亀裂部は上記ポット状苗室の底面の中心からスリットを三方向に切り欠いた略Y字形状とし、
上記スリットの1つはX−Y方向に対して30°〜60°の斜め方向で外方に向く位置に設けている請求項3に記載のポット苗箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002219717A JP2004057079A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | ポット苗箱 |
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JP2002219717A Pending JP2004057079A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | ポット苗箱 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016002036A (ja) * | 2014-06-17 | 2016-01-12 | みのる産業株式会社 | 育苗方法およびポット苗の移植方法 |
JP3205361U (ja) * | 2016-05-10 | 2016-07-21 | 藤本 博 | 育苗コンテナ |
-
2002
- 2002-07-29 JP JP2002219717A patent/JP2004057079A/ja active Pending
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