【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はオーディオ機器に組み込まれるスピーカ装置に関する。詳しくは、低音域を再生するスピーカを３本のスピーカで構成することで、低音域を犠牲にすることなく１本あたりのスピーカを小径化して中高音域まで再生できるようにし、かつ、１本当たりのスピーカの負荷を軽減して安価なスピーカを使用できるようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
オーディオ機器に組み込まれるスピーカ装置で、特に、アンプ等とスピーカ装置が別体となっている構成では、２ウェイ型や３ウェイ型といったいわゆるマルチウェイ方式のスピーカ装置が用いられていることが多い。
【０００３】
例えば、３ウェイ型のスピーカ装置は、低音域を再生するウーハ、中音域を再生するスコーカ、高音域を再生するツィータという３個のスピーカがキャビネットに取り付けられる構成である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来、スピーカ装置の性能を向上させるためには、個々のスピーカの性能を向上させる必要があった。例えば、ウーハの口径を大きくすれば、より低音域の再生が可能となる。このように、個々のスピーカの性能を向上させることで、スピーカ装置としての性能が向上する。しかしながら、個々のスピーカの性能を向上させるためには、一般的に値段の高いスピーカを使用することが必要となり、結果として、スピーカ装置のコストが高くなるという問題がある。
【０００５】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、コストを上げることなく性能を向上させることができるスピーカ装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係るスピーカ装置は、中高音域再生用のスピーカと低音域再生用のスピーカがキャビネットに取り付けられたスピーカ装置において、低音域再生用のスピーカとして３本のスピーカを備え、これら３本のスピーカをそれぞれ異なる向きで取り付けたものである。
【０００７】
本発明に係るスピーカ装置では、低音域再生用の３本のスピーカを同一の再生信号で駆動する。同一の再生信号で複数本のスピーカを駆動して再生を行うと、これら複数本のスピーカの振動板の面積の合計で音圧レベルが決まる。
【０００８】
これにより、低音域再生用のスピーカを同一の再生信号で駆動される３本のスピーカで構成することで、１本のスピーカで低音域を再生するスピーカ装置に比較して、低音域再生用のスピーカを小径化することができる。
【０００９】
そして、３本の小口径のスピーカを使用して音声等を再生すると、低音域の音圧レベルが低下することなく、中高音域の音圧レベルが高くなるような周波数特性が得られる。また、３本のスピーカをそれぞれ異なる向きで取り付けることで、スピーカ装置の正面位置以外でも周波数特性の低下を抑えることができる。
【００１０】
さらに、低音域再生用のスピーカを３本のスピーカで構成することで、１本あたりのスピーカの負荷が１／３に軽減されることになり、許容入力の低い安価なスピーカを使用できるようになる。
【００１１】
これにより、コストを上昇させることなく、低音域から中高音域まで全域にわたり周波数特性が向上し、かつ指向特性も向上したスピーカ装置を提供できる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のスピーカ装置の実施の形態を説明する。図１は本実施の形態のスピーカ装置１の構成図で、図１（ａ）は正面図、図１（ｂ）は側面図、図１（ｃ）は底面図である。
【００１３】
本実施の形態のスピーカ装置１は、いわゆるマルチウェイ方式のスピーカ装置で、ウーハを３本のスピーカで構成し、低音域を再生するスピーカで中高音域も再生できるようにしたものである。
【００１４】
本実施の形態のスピーカ装置１において、ウーハを構成する第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔと、主として高音域を再生する第１のツィータ３ａおよび第２のツィータ３ｂは、バスレフ型のキャビネット４に取り付けられる。ここで、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔと、第１のツィータ３ａはダイナミックコーン型のスピーカが用いられる。また、第２のツィータ３ｂは例えば圧電子型のスピーカが用いられる。さらに、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔは同一口径のものが用いられる。
【００１５】
第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔは、キャビネット４の正面に三角形の頂点に位置するように配置され、第１のスピーカ２ｕｐが第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔの上部に配置され、第２のスピーカ２ｉｎの外側に第３のスピーカ２ｏｕｔが配置される。
【００１６】
そして、第１のスピーカ２ｕｐは、スピーカ装置１を正面から見て、水平面に対し上方に７°の方向を向けて取り付けられている。また、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔは、スピーカ装置１を正面から見て、左右にそれぞれ１２°の方向を向けて取り付けられている。
【００１７】
これにより、ウーハを構成する第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔは、上方と左右に向けて音を出力できるような配置となっている。
【００１８】
図２は本実施の形態のスピーカ装置１の側断面図である。キャビネット４は第１の空間部４ａと第２の空間部４ｂとから構成され、第１の空間部４ａに第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよびここでは図示しない第３のスピーカ２ｏｕｔが取り付けられる。また、第２の空間部４ｂに第１のツィータ３ａおよび第２のツィータ３ｂが取り付けられる。本実施の形態のスピーカ装置１では、ウーハを構成する第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔは同一の空間部に取り付けられている。
【００１９】
第１の空間部４ａにポート５が設けられる。本実施の形態では、ポート５は、図１に示すように、第２のスピーカ２ｉｎと第３のスピーカ２ｏｕｔの間の下部に開口を有する。
【００２０】
図３は本実施の形態のスピーカー装置１の回路図である。図示しないアンプから入力された信号の伝送経路は分岐され、ウーハを構成する第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔへ接続される。これら３個のスピーカは、図示しないアンプからの入力に対して並列に接続されることになる。
【００２１】
そして、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔは低音域だけでなく中高音域の再生も行うので、フィルタを入れることなく図示しないアンプからの入力が接続される。
【００２２】
これに対して、図示しないアンプから、第１のツィータ３ａおよび第２のツィータ３ｂへの信号の伝送経路には、低音域成分を減衰させるためコンデンサＣによるフィルタが入れられている。
【００２３】
図４は一般的なダイナミックコーン型スピーカの断面図である。第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔは、この図４に示すような構成を持ち、例えばコーン型の振動板６、この振動板６を振動させるボイスコイル７、このボイスコイル７に磁界を与えるマグネット８、振動板６に制動をかけるダンパー９および振動板６等を支持するフレーム１０等から構成される。ダイナミックコーン型スピーカは、ボイスコイル７に流れる電流と、マグネット８の磁界によって生じるボイスコイル７を動かす力で振動板６を振動させ、音波を発生させるものである。
【００２４】
本実施の形態のスピーカ装置１では、図３に示すようにウーハを第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔという３本のスピーカで構成するので、１本あたりに負荷されるパワーが１／３になる。これにより、図４に示すボイスコイル７の径を小径化したスピーカを用いることができる。一般的に、ボイスコイル７が小径化すると、中高音域まで周波数特性を延ばすことができる。
【００２５】
また、図４に示すようなスピーカにおける音圧レベルは、振動板６の面積と、図２に示すようなキャビネット４の容積によって決まる。そして、スピーカを複数本用いた場合、各スピーカの振動板６の面積の合計によって音圧レベルが決まるので、本実施の形態のように３本のスピーカでウーハを構成すると、１本のスピーカでウーハを構成する場合と比較して、口径の小さなスピーカを用いることができる。
【００２６】
以上のことから、従来は、口径が２０ｃｍ程度のスピーカ１本でウーハを構成していたが、本実施の形態においては、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔの口径を１４ｃｍとした。
【００２７】
図５はスピーカの径の違いによる音圧周波数特性の違いを示すグラフで、実線は本実施の形態で第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔとして用いた口径が１４ｃｍのスピーカ（１本）の正面基準軸上における音圧周波数特性を示し、破線は比較のため口径が２０ｃｍのスピーカ（１本）の正面基準軸上における音圧周波数特性を示す。
【００２８】
口径が１４ｃｍのスピーカ１本であると、５０Ｈｚ前後以下の低音域では音圧レベルが低下するものの、１００Ｈｚ以上では口径が２０ｃｍのスピーカより音圧レベルが高く、特に、２０００Ｈｚ以上では口径が２０ｃｍのスピーカの音圧レベルが著しく低下するのに対して、口径が１４ｃｍのスピーカは高い音圧レベルが得られることが判る。
【００２９】
図６は本実施の形態のスピーカ装置１の音圧周波数特性を示すグラフで、実線はスピーカ装置１の正面基準軸上における音圧周波数特性を示し、破線は正面基準軸から水平方向に４５°の位置における音圧周波数特性を示す。
【００３０】
図１等に示す第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔとして、それぞれ口径が１４ｃｍのスピーカを用いると、振動板全体の面積としては２０ｃｍのスピーカと同等以上のものとなるので、５０〜１００Ｈｚの低音域でも２０ｃｍのスピーカ１本と同等以上の音圧レベルが得られ、中高域でも音圧レベルが低下しないことが判る。これにより、本実施の形態音スピーカ装置１は、低音域から中高音域まで全域にわたり周波数特性が向上している。
【００３１】
また、図１に示すように、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔを、上方と左右に向けて音を出力できるような配置とすることで、正面基準軸から水平方向に４５°の位置でも音圧レベルの低下が抑えられ、指向特性が向上している。
【００３２】
なお、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカ２ｉｎおよび第３のスピーカ２ｏｕｔの向きは、図１で説明した角度に限るものではないが、正面基準軸上でもこの正面基準軸を外れた範囲でも音圧レベルが低下しない、すなわち指向特性が劣化しない角度を選ぶ。
【００３３】
以上の説明では、ウーハを３本のスピーカで構成することとしたが、ウーハを複数本のスピーカで構成すれば、個々のスピーカを小径化することで、低音域から中高音域まで周波数特性を向上させたスピーカ装置を構成できる。しかしながら、主にコストの面を考慮すると、ウーハを構成するスピーカの本数は３本が望ましい。以下にその理由を説明する。
【００３４】
本実施の形態のスピーカ装置１では、ウーハを第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔという３本のスピーカで構成するので、１本あたりに負荷されるパワーが１／３になる。これにより、許容入力の低いスピーカを使うことができるので、スピーカ単体のコストを下げることができる。よって、スピーカ装置１のコスト、すなわち価格を抑えることができる。
【００３５】
また、第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔの向きをそれぞれ異ならせれば、指向特性を全域にわたり向上させることができる。
【００３６】
これに対して、２本のスピーカでウーハを構成する場合、１個あたりのスピーカにかかる負荷の低減によるスピーカ単体のコスト低下があまり見込めない。また、２本のスピーカでは、それぞれのスピーカの向きを異ならせても、指向特性を全域にわたり向上させることができない。さらに、４本以上のスピーカでウーハを構成する場合、使用するスピーカの本数が増えることによるコスト増が問題となる。これらのことから、３本のスピーカでウーハを構成することが望ましい。
【００３７】
さて、本実施の形態のスピーカ装置１では、ウーハを構成するスピーカ１本あたりに負荷されるパワーが１／３になるので、上述したように許容入力の低いスピーカを使うことで、スピーカ単体のコストを下げることができる。これに対して、個々のスピーカの許容入力を従来通り、あるいは多少低いものとしても、アンプ側の出力を上げることが可能となる。これにより、アンプのハイパワー化に容易に対応できる。
【００３８】
すなわち、スピーカ装置が接続されるアンプがハイパワー（高出力）であるということは、顧客に対してのセールスポイントとなるが、アンプをハイパワー化するためにはスピーカ装置側の許容入力を上げなければならず、コストが高くなるという問題があった。これに対して、本実施の形態のスピーカ装置１では、個々のスピーカの許容入力を上げることなく、アンプのハイパワー化に対応できるので、コスト、ここでは価格を上げることなく、顧客に対してのセールスポイントを増やすことができる。
【００３９】
また、ウーハを３本のスピーカで構成することで、従来の２ウェイ型や３ウェイ型のスピーカ装置と比較して、デザイン面でも顧客に対するセールスポイントを増やすことができる。例えば、図１（ａ）に示す第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔの配置はその一例であり、左右対称に近い形で、かつ安定感を出すという点を考慮すると、このような配置が望ましい。なお、各スピーカの配置はこれに限るものではなく、逆三角形状の配置、一列の配置等が考えられる。
【００４０】
さらに、本実施の形態のスピーカ装置１では、ウーハを構成する第１のスピーカ２ｕｐ、第２のスピーカー２ｉｎおよび第３のスピーカー２ｏｕｔで中高音域までカバーできるので、第１のツィータ３ａおよび第２のツィータ３ｂは中音域までカバーするような性能が要求されなくなる。これにより、ツィータ用のスピーカにかかるコストを抑えることができる。
【００４１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、中高音域再生用のスピーカと低音域再生用のスピーカがキャビネットに取り付けられたスピーカ装置において、低音域再生用のスピーカとして３本のスピーカを備え、これら３本のスピーカをそれぞれ異なる向きで取り付けたものである。
【００４２】
このように、低音域再生用のスピーカを３本のスピーカで構成することで、１本のスピーカで低音域を再生するスピーカ装置に比較して、低音域の音圧レベルを低下させることなくスピーカを小径化することができる。
【００４３】
そして、３本の小口径のスピーカを使用して音声等を再生すると、低音域音圧レベルが低下することなく、中高音域の音圧レベルが高くなるような周波数特性が得られる。また、３本のスピーカをそれぞれ異なる向きで取り付けることで、スピーカ装置の正面位置以外でも周波数特性の低下を抑えることができる。
【００４４】
さらに、低音域再生用のスピーカを３本のスピーカで構成することで、１本あたりのスピーカの負荷が１／３に軽減されることになり、許容入力の低い安価なスピーカを使用できるようになる。
【００４５】
これにより、コストを上昇させることなく、低音域から中高音域まで全域にわたり周波数特性が向上し、かつ指向特性も向上したスピーカ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施の形態のスピーカ装置の構成図である。
【図２】本実施の形態のスピーカ装置の側断面図である。
【図３】本実施の形態のスピーカー装置の回路図である。
【図４】一般的なダイナミックコーン型スピーカの断面図である。
【図５】スピーカの径の違いによる音圧周波数特性の違いを示すグラフである。
【図６】本実施の形態のスピーカ装置の音圧周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
１・・・スピーカ装置、２ｕｐ・・・第１のスピーカ、２ｉｎ・・・第２のスピーカ、２ｏｕｔ・・・第３のスピーカ、３ａ・・・第１のツィータ、３ｂ・・・第２のツィータ、４・・・キャビネット、４ａ・・・第１の空間部、４ｂ・・・第２の空間部、５・・・ポート、６・・・振動板、７・・・ボイスコイル、８・・・マグネット、９・・・ダンパー、１０・・・フレーム[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a speaker device incorporated in audio equipment. More specifically, the speaker for reproducing the low frequency range is composed of three speakers, so that one speaker can be reduced in diameter and reproduced in the middle and high frequency range without sacrificing the low frequency range. This reduces the load on the loudspeaker, and enables the use of an inexpensive loudspeaker.
[0002]
[Prior art]
In a speaker device incorporated in an audio device, particularly in a configuration in which an amplifier or the like and a speaker device are provided separately, a so-called multi-way speaker device such as a two-way type or a three-way type is often used.
[0003]
For example, a three-way speaker device has a configuration in which three speakers, a woofer that reproduces a low frequency range, a squawker that reproduces a mid frequency range, and a tweeter that reproduces a high frequency range, are attached to a cabinet.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally, in order to improve the performance of a speaker device, it has been necessary to improve the performance of each speaker. For example, if the diameter of the woofer is increased, it is possible to reproduce a lower sound range. Thus, by improving the performance of each speaker, the performance as a speaker device is improved. However, in order to improve the performance of each speaker, it is generally necessary to use an expensive speaker, and as a result, there is a problem that the cost of the speaker device is increased.
[0005]
The present invention has been made to solve such a problem, and an object of the present invention is to provide a speaker device capable of improving performance without increasing cost.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems, a speaker device according to the present invention includes three speakers as low-range sound reproduction speakers in a speaker device in which a mid-high range sound reproduction speaker and a low-range sound reproduction speaker are attached to a cabinet. Speakers are provided, and these three speakers are attached in different directions.
[0007]
In the speaker device according to the present invention, three speakers for low-frequency range reproduction are driven by the same reproduction signal. When a plurality of speakers are driven by the same playback signal to perform playback, the sound pressure level is determined by the total area of the diaphragms of the plurality of speakers.
[0008]
Thus, the low-range reproduction speaker is composed of three speakers driven by the same reproduction signal, so that the low-range reproduction can be performed as compared with a speaker device that reproduces the low range using one speaker. The speaker can be reduced in diameter.
[0009]
When sound is reproduced using three small-diameter speakers, frequency characteristics are obtained such that the sound pressure level in the middle and high sound ranges is increased without lowering the sound pressure level in the low sound range. In addition, by mounting the three speakers in different directions, it is possible to suppress a decrease in frequency characteristics even at positions other than the front position of the speaker device.
[0010]
Furthermore, by configuring the low-range sound reproduction speaker with three speakers, the load on each speaker is reduced to one third, so that an inexpensive speaker with low allowable input can be used. Become.
[0011]
As a result, it is possible to provide a speaker device in which the frequency characteristics are improved over the entire range from the low-frequency range to the mid-high frequency range and the directional characteristics are improved without increasing the cost.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the speaker device of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a configuration diagram of a speaker device 1 according to the present embodiment. FIG. 1A is a front view, FIG. 1B is a side view, and FIG. 1C is a bottom view.
[0013]
The speaker device 1 according to the present embodiment is a so-called multi-way type speaker device, in which a woofer is composed of three speakers, and a speaker that reproduces a low frequency range can reproduce a middle and high frequency range.
[0014]
In the speaker device 1 of the present embodiment, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out that constitute the woofer, and the first tweeter 3a and the second tweeter 3b that mainly reproduce a high-frequency range Is attached to a bass reflex type cabinet 4. Here, a dynamic cone type speaker is used for the first speaker 2up, the second speaker 2in, the third speaker 2out, and the first tweeter 3a. For the second tweeter 3b, for example, a piezoelectric speaker is used. Further, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out have the same diameter.
[0015]
The first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out are arranged so as to be located at the vertices of a triangle on the front of the cabinet 4, and the first speaker 2up is connected to the second speaker 2in and the third speaker 2in. The third speaker 2out is arranged above the speaker 2out, and the third speaker 2out is arranged outside the second speaker 2in.
[0016]
The first speaker 2up is attached to the speaker device 1 with a direction of 7 ° upward with respect to a horizontal plane when the speaker device 1 is viewed from the front. In addition, the second speaker 2in and the third speaker 2out are attached to the speaker device 1 at right and left directions of 12 ° when viewed from the front.
[0017]
As a result, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out constituting the woofer are arranged so that sound can be output upward and left and right.
[0018]
FIG. 2 is a side sectional view of the speaker device 1 of the present embodiment. The cabinet 4 includes a first space portion 4a and a second space portion 4b, and a first speaker 2up, a second speaker 2in, and a third speaker 2out (not shown) are provided in the first space portion 4a. It is attached. In addition, the first tweeter 3a and the second tweeter 3b are attached to the second space 4b. In the speaker device 1 of the present embodiment, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out constituting the woofer are mounted in the same space.
[0019]
The port 5 is provided in the first space 4a. In the present embodiment, as shown in FIG. 1, the port 5 has an opening at a lower portion between the second speaker 2in and the third speaker 2out.
[0020]
FIG. 3 is a circuit diagram of the speaker device 1 of the present embodiment. A transmission path of a signal input from an amplifier (not shown) is branched and connected to a first speaker 2up, a second speaker 2in, and a third speaker 2out which form a woofer. These three speakers are connected in parallel to an input from an amplifier (not shown).
[0021]
Since the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out reproduce not only the low frequency range but also the middle and high frequency range, an input from an amplifier (not shown) is connected without inserting a filter.
[0022]
On the other hand, in a signal transmission path from an amplifier (not shown) to the first tweeter 3a and the second tweeter 3b, a filter including a capacitor C is provided to attenuate low-frequency components.
[0023]
FIG. 4 is a cross-sectional view of a general dynamic cone type speaker. The first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out have a configuration as shown in FIG. 4 and include, for example, a cone-shaped diaphragm 6, a voice coil 7 for vibrating the diaphragm 6, It comprises a magnet 8 for applying a magnetic field to the voice coil 7, a damper 9 for braking the diaphragm 6, a frame 10 for supporting the diaphragm 6, and the like. The dynamic cone type speaker vibrates the diaphragm 6 by a current flowing through the voice coil 7 and a force for moving the voice coil 7 generated by a magnetic field of the magnet 8 to generate sound waves.
[0024]
In the speaker device 1 according to the present embodiment, as shown in FIG. 3, the woofer is constituted by three speakers, that is, a first speaker 2up, a second speaker 2in, and a third speaker 2out. Power is reduced to 1/3. As a result, a speaker in which the diameter of the voice coil 7 shown in FIG. 4 is reduced can be used. In general, when the diameter of the voice coil 7 is reduced, the frequency characteristics can be extended to a middle and high range.
[0025]
The sound pressure level of the speaker as shown in FIG. 4 is determined by the area of the diaphragm 6 and the volume of the cabinet 4 as shown in FIG. When a plurality of speakers are used, the sound pressure level is determined by the total area of the diaphragm 6 of each speaker. Therefore, when a woofer is configured by three speakers as in the present embodiment, one loudspeaker is used. Compared with the case of configuring a woofer, a speaker having a small diameter can be used.
[0026]
From the above, conventionally, the woofer was constituted by one speaker having a diameter of about 20 cm. However, in the present embodiment, the woofer is constituted by the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out. The diameter was 14 cm.
[0027]
FIG. 5 is a graph showing a difference in sound pressure frequency characteristic due to a difference in speaker diameter. A solid line in this embodiment has a diameter of 14 cm used as the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out. Shows the sound pressure frequency characteristics on the front reference axis of the single speaker (1), and the broken line shows the sound pressure frequency characteristics on the front reference axis of the single speaker having a diameter of 20 cm for comparison.
[0028]
With a single speaker having a diameter of 14 cm, the sound pressure level decreases in a low sound range of about 50 Hz or lower, but the sound pressure level is higher than that of a speaker having a diameter of 20 cm at 100 Hz or higher, and particularly, at a frequency of 2000 cm or higher, the sound pressure level is lower than 20 Hz. It can be seen that while the sound pressure level of the speaker is significantly reduced, a speaker having a diameter of 14 cm can obtain a high sound pressure level.
[0029]
FIG. 6 is a graph showing the sound pressure frequency characteristics of the speaker device 1 of the present embodiment, in which the solid line shows the sound pressure frequency characteristics on the front reference axis of the speaker device 1, and the broken line shows 45 ° horizontally from the front reference axis. 3 shows the sound pressure frequency characteristics at the position of.
[0030]
When a speaker having a diameter of 14 cm is used as each of the first speaker 2 up, the second speaker 2 in, and the third speaker 2 out shown in FIG. 1 and the like, the area of the entire diaphragm is equal to or greater than that of a 20 cm speaker. Therefore, it can be seen that a sound pressure level equal to or higher than that of a single 20 cm speaker can be obtained even in a low sound range of 50 to 100 Hz, and that the sound pressure level does not decrease even in a middle and high range. Thus, the sound speaker device 1 according to the present embodiment has improved frequency characteristics over the entire range from the low frequency range to the mid-high frequency range.
[0031]
Also, as shown in FIG. 1, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out are arranged so that sound can be output upward and left and right, so that the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out can be output from the front reference axis. Even at a position at 45 ° in the horizontal direction, a decrease in sound pressure level is suppressed, and the directional characteristics are improved.
[0032]
The directions of the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out are not limited to the angles described with reference to FIG. 1, but may be on the front reference axis or in a range off the front reference axis. Select an angle at which the sound pressure level does not decrease, that is, the directional characteristics do not deteriorate.
[0033]
In the above description, the woofer is composed of three speakers. However, if the woofer is composed of a plurality of speakers, the frequency characteristics from the low range to the mid-high range can be improved by reducing the diameter of each speaker. An improved speaker device can be configured. However, considering mainly the cost, the number of speakers constituting the woofer is preferably three. The reason will be described below.
[0034]
In the speaker device 1 of the present embodiment, the woofer is constituted by three speakers, ie, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out. It becomes 3. As a result, a speaker having a low allowable input can be used, so that the cost of the speaker alone can be reduced. Therefore, the cost, that is, the price, of the speaker device 1 can be reduced.
[0035]
Further, if the directions of the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out are different from each other, the directional characteristics can be improved over the entire region.
[0036]
On the other hand, when a woofer is configured with two speakers, a reduction in the cost of a single speaker due to a reduction in the load on each speaker cannot be expected. Further, with two speakers, even if the directions of the respective speakers are made different, the directional characteristics cannot be improved over the entire area. Furthermore, when a woofer is configured with four or more speakers, an increase in the number of speakers used increases the cost. For these reasons, it is desirable to configure a woofer with three speakers.
[0037]
By the way, in the speaker device 1 of the present embodiment, since the power applied to each speaker constituting the woofer is reduced to 1/3, by using a speaker having a low allowable input as described above, Costs can be reduced. On the other hand, the output of the amplifier can be increased even if the allowable input of each speaker is the same as before or slightly lower. As a result, it is possible to easily cope with high power of the amplifier.
[0038]
In other words, the fact that the amplifier to which the speaker device is connected is of high power (high output) is a selling point for the customer, but in order to increase the power of the amplifier, the allowable input of the speaker device must be increased. However, there is a problem that the cost is high. On the other hand, in the speaker device 1 of the present embodiment, it is possible to cope with the high power of the amplifier without increasing the allowable input of each speaker. Sales points can be increased.
[0039]
Further, by configuring the woofer with three speakers, it is possible to increase the number of selling points to the customer in terms of design as compared with a conventional two-way or three-way speaker device. For example, the arrangement of the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out shown in FIG. 1A is an example thereof, and is considered to be close to left-right symmetry and exhibit a sense of stability. Then, such an arrangement is desirable. The arrangement of the speakers is not limited to this, but may be an inverted triangular arrangement, a single-row arrangement, or the like.
[0040]
Furthermore, in the speaker device 1 according to the present embodiment, the first speaker 2up, the second speaker 2in, and the third speaker 2out that constitute the woofer can cover up to the middle-high range, so that the first tweeter 3a and the second tweeter 2 The tweeter 3b is not required to have such a performance that it covers up to the midrange. This can reduce the cost of the tweeter speaker.
[0041]
【The invention's effect】
As described above, the present invention provides a speaker device in which a speaker for middle and high range reproduction and a speaker for low range reproduction are attached to a cabinet, and includes three speakers as speakers for low range reproduction. The speakers are attached in different directions.
[0042]
As described above, the low-range sound reproduction speaker is composed of three speakers, so that the low-range sound pressure level is not reduced as compared with a speaker device that reproduces the low-range sound with one speaker. Can be reduced in diameter.
[0043]
When sound is reproduced using three small-diameter loudspeakers, frequency characteristics are obtained such that the sound pressure level in the middle and high sound ranges is increased without lowering the sound pressure level in the low sound range. In addition, by mounting the three speakers in different directions, it is possible to suppress a decrease in frequency characteristics even at positions other than the front position of the speaker device.
[0044]
Furthermore, by configuring the low-range sound reproduction speaker with three speakers, the load on each speaker is reduced to one third, so that an inexpensive speaker with low allowable input can be used. Become.
[0045]
As a result, it is possible to provide a speaker device in which the frequency characteristics are improved over the entire range from the low-frequency range to the mid-high frequency range and the directional characteristics are improved without increasing the cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of a speaker device according to the present embodiment.
FIG. 2 is a side sectional view of the speaker device of the present embodiment.
FIG. 3 is a circuit diagram of the speaker device according to the embodiment.
FIG. 4 is a cross-sectional view of a general dynamic cone type speaker.
FIG. 5 is a graph showing a difference in sound pressure frequency characteristic due to a difference in speaker diameter.
FIG. 6 is a graph showing a sound pressure frequency characteristic of the speaker device according to the present embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Speaker apparatus, 2up ... 1st speaker, 2in ... 2nd speaker, 2out ... 3rd speaker, 3a ... 1st tweeter, 3b ... 2nd Tweeter, 4 cabinet, 4a first space, 4b second space, 5 port, 6 diaphragm, 7 voice coil, 8 coil ..Magnet, 9 ... damper, 10 ... frame
