JP2004056617A - 移動体通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】漏洩導波路の遠隔監視や移動体の位置検出をリアルタイムに検出する。
【解決手段】中継局R1,R2,…は、漏洩導波路2を伝搬した信号を受信する受信増幅器(RA)と、その受信増幅器(RA)で受信された信号を光信号に変換する電気−光変換器(E/O)と、基地局1から光ファイバケーブルを介して伝送された光信号を電気信号に変換する光−電気変換器(O/E)と、この光−電気変換器(O/E)で変換された信号を漏洩導波路2に送出する送信増幅器(TA)とを備える。基地局1では、検出装置14は探索信号を発生して送信部12に出力する。この探索信号は、送信部12で周波数分割多重化され、電気−光変換器(E/O)で光信号に変換された後に中継局R1,…に伝送される。その後、その探索信号に対する応答信号が受信部13から検出装置14に出力される。検出装置14は、応答信号の波形を解析して漏洩導波路2の障害位置や移動体の現在位置を検出する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏洩導波路を利用した移動体通信システムであって、その漏洩導波路の遠隔監視や移動体の位置検出を行う移動体通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高速鉄道沿線、地下街およびトンネルなどの場所で、空間波を利用した移動体通信システムに代わり、LCX(漏洩同軸ケーブル;Leaky CoaXial cable)を利用した移動体通信システムが採用されている。LCXは、長軸方向に周期的に形成されたスロット(細長い孔)を通して、ケーブル内部を伝搬する電波を外部に漏洩させて輻射し、そのスロットを通して外部から侵入した電波を伝搬させるケーブルである。このLCXは、新幹線などの鉄道や道路、トンネル沿線などに沿って布設され、電話や列車制御などの移動体通信に使用されている。
【0003】
図14は、LCXを使用した移動体通信システムを示す概略構成図である。図中の記号「TA」は送信増幅器、「RA」は受信増幅器、「E/O」は電気−光変換器、「O/E」は光−電気変換器、「H」は方向性結合器、「Md」は変調器、「DMd」は前記変調器で採用する変調方式で変調された信号を復調する復調器を表している。
【0004】
この移動体通信システムは、光ファイバケーブルL0,L1,L2,…,U0,U1,U2,…を介して直列接続された基地局100と複数の中継局R1,R2,…とから構成されている。中継局R1,R2,…は、移動体103が走行する交通路102に沿って所定間隔で配設されている。また、その交通路102に沿って前述のLCX101,101,…が布設されている。
【0005】
前記中継局R1,R2は、それぞれ、2本のLCX101,101に接続されている。一方のLCX101は、基地局100からの光ファイバケーブルの距離(光伝搬距離)が短い方である上流側に布設されたケーブルであり、他方のLCX101は、基地局100からの光伝搬距離が長い方である下流側に布設されたケーブルである。以下に説明するように、これらLCX101,101,…を通じて、移動体103と基地局100との間で無線通信を実行することが可能である。
【0006】
基地局100においては、信号源110で無線通信用のベースバンド信号が生成され変調器111に供給される。変調器111は、このベースバンド信号で無線周波数帯域の搬送波を変調して得た高周波信号(RF信号;無線周波数信号)を送信増幅器112に出力する。そのRF信号は、送信増幅器112で増幅され、電気−光変換器113で光信号に変換された後に、光ファイバケーブルL0に送出される。基地局100と中継局R1,R2,…との間には、上流側から下流側に向けて光信号を伝搬させる光ファイバケーブルL0,L1,L2,…が連続的に布設されている。基地局100から送出された光信号は、光ファイバケーブルL0,L1,L2,…を介して複数の中継局R1,R2,…を順次伝搬してゆく。
【0007】
中継局R1においては、光ファイバケーブルL0を伝搬した光信号は、光分岐器107で分岐して光−電気変換器120に取り込まれる。光−電気変換器120はその光信号を元のRF信号に変換して送信増幅器121に出力する。送信増幅器121はRF信号を増幅した後に、方向性結合器122を介してLCX101,101に送出する。LCX101を伝搬するRF信号は、当該LCX101に形成されたスロット(図示せず)を通じて外部に漏洩する。これにより、RF信号の電波がLCX101,101から数十メートル程度の狭い空間に放射される。中継局R2においても、中継局R1の場合と同様に、光ファイバケーブルL1を伝搬した光信号は、光分岐器108で分岐し、光−電気変換器130でRF信号に変換され、送信増幅器131で増幅されて、方向性結合器132を介してLCX101,101に送出される。
【0008】
このように、信号源110から供給されたベースバンド信号は、光信号の形態で中継局R1,R2,…に伝送された後に、交通路102に沿って布設された全てのLCX101,101,…からRF信号の形態で放射されることになる。移動体103は、何れかのLCX101から放射された電波104を受信し、ベースバンド信号に復調する受信機(図示せず)を搭載している。
【0009】
また、移動体103は、LCX101に向けて電波105を発信する送信機(図示せず)を搭載している。その電波105は、何れかの中継局(本例では、中継局R2)に接続されたLCX101に侵入しRF信号の形態で伝搬する。RF信号は、中継局R2に到達し、方向性結合器132を介して受信増幅器133で受信され増幅されて、合波器134に出力される。また、光−電気変換器135は、下流側の中継局R3(図示せず)から光ファイバケーブルU2を介して伝送された光信号を、RF信号に変換して合波器134に出力している。合波器134は、受信増幅器133が出力したRF信号と、光−電気変換器135で変換されたRF信号とを合波して電気−光変換器136に出力する。そして、合波器134が出力したRF信号は、電気−光変換器136で光信号に変換された後に光ファイバケーブルU1に送出される。他の中継局R1も、中継局R2と同じ構成を持つことから、光ファイバケーブルU1を上流側に伝搬した光信号は、中継局R1の光−電気変換器125でRF信号に変換される。そのRF信号は、更に、合波器124で、受信増幅器123から出力されたRF信号と合波され、電気−光変換器126で光信号に変換される。その光信号は、光ファイバケーブルU0を伝搬して基地局100に到達する。
【0010】
基地局100では、光−電気変換器114が、光ファイバケーブルU0を伝搬した光信号を高周波信号に変換する。その高周波信号は、受信増幅器115で増幅され、復調器116でベースバンド信号に復調される。そして、復調器116は、復調したベースバンド信号を信号源110に供給する。
【0011】
上記のようにして、基地局100と、交通路102を走行する移動体103との間で移動体通信が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の移動体通信システムでは、何れかのLCX101に破断などの障害が発生しても、その障害位置を基地局100でリアルタイムに検出することが難しいという問題があった。従来の移動体通信システムの中には、LCX101を給電用ケーブルに併用する場合は、LCX101の障害で給電が中断した時に代替給電システムが作動するものが存在する。この代替給電システムの作動によりLCX101の障害が判明するが、LCX101の正確な障害位置を検出することは難しかった。
【0013】
また、特に移動体103の移動中は、その障害位置の特定を難しくする事情がある。例えば、新幹線の沿線にLCXを布設している移動体通信システムでは、LCXの障害が判明すると、ケーブル反射測定器を中継局まで運んで使用して当該LCXの性状を測定し、その障害位置を検出する必要がある。しかし、新幹線の営業時間中は、安全のためケーブル反射測定器を中継局まで運んで使用できないため、営業時間外の限られた時間内にLCXの障害位置を検出しなければならない。
【0014】
また、上記中継局R1,R2,…は、それぞれ、移動体103が通信エリアから外れた場合であっても動作し続け、基地局100から伝搬した光信号を高周波信号に変換してLCX101に送信している。このため、移動体通信システム全体の電力が浪費されるという問題もあった。移動体103の現在位置をリアルタイム且つ正確に検出し得れば、当該移動体103の通信エリアから外れる中継局を省電力モードで動作させることが可能であるが、従来の移動体通信システムでは、その現在位置をリアルタイム且つ正確に検出することが難しかった。
【0015】
以上の状況や問題などに鑑みて本発明が課題とするところは、LCXなどの漏洩導波路を使用した移動体通信システムにおいて、(1)移動体通信の実行中でも、基地局から漏洩導波路をリアルタイムに遠隔監視し得て、漏洩導波路の障害位置をリアルタイム且つ正確に検出すること、(2)移動体の移動中でも、移動体の現在位置をリアルタイム且つ正確に検出すること、(3)移動体通信システムの電力消費量の低減を実現すること、である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る移動体通信システムは、移動体が移動する交通路に沿って布設され、内部を伝搬する無線周波数帯域の高周波信号の一部を外部に漏洩して輻射すると共に外部から内部へ侵入した高周波信号を伝搬させる漏洩導波路と、前記漏洩導波路を伝搬する高周波信号を送受信する少なくとも一つの中継局と、基地局と、前記基地局と前記中継局とを接続する伝送路と、を備えて構成される移動体通信システムにおいて、前記中継局は、前記漏洩導波路を伝搬した前記高周波信号を受信する受信部と、前記高周波信号を前記漏洩導波路に送出する送信部と、を備えており、前記基地局は、前記中継局から前記伝送路を介して得られた前記高周波信号を受信する受信部と、探索信号で変調して得られる前記高周波信号を前記伝送路を介して前記中継局へ与える送信部と、前記探索信号を発生し、当該探索信号の発生後に前記受信部で受信された前記高周波信号に含まれる、当該探索信号に対する応答信号の信号波形を解析する検出装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の移動体通信システムであって、前記検出装置は、前記探索信号を発生する信号発生器と、第1期間中の前記応答信号の信号波形と、前記第1期間とは異なる第2期間中の前記応答信号の信号波形との差分信号を算出し、当該差分信号の信号波形を解析する演算部と、を備えて構成される。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の移動体通信システムであって、複数の前記中継局が前記交通路に沿って配設され且つ前記伝送路を介して直列で接続されており、前記伝送路は、前記基地局からの信号伝搬距離が短い方となる上流側の前記中継局から、前記信号伝搬距離が長い方となる下流側の前記中継局へ信号を伝送する第1伝送路と、前記下流側から前記上流側へ信号を伝送する第2伝送路と、を備えて構成される。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の移動体通信システムであって、前記第1伝送路は、前記基地局および前記複数の中継局を直列で接続するように連続的に布設されており、前記各中継局は、前記上流側から前記下流側へ伝送される信号を分岐させる分岐器と、前記分岐器で分岐された信号から得られる前記高周波信号を前記漏洩導波路に送出する前記送信部と、を備えて構成される。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項3または4記載の移動体通信システムであって、前記第2伝送路は、前記基地局および前記複数の中継局を直列で接続するように布設されており、前記各中継局は、前記下流側から前記上流側へ伝送される信号から得られた前記高周波信号と前記漏洩導波路を伝搬して前記受信部で受信された前記高周波信号とを合波する電気合波器を備えて構成される。
【0021】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記伝送路は光信号を伝送する光伝送路であり、前記中継局は、前記受信部で受信された前記高周波信号を前記光信号に変換する電気−光変換器と、前記基地局から前記光伝送路を介して伝送された光信号を前記高周波信号に変換する光−電気変換器と、前記光−電気変換器で変換された前記高周波信号を前記漏洩導波路に送出する前記送信部と、を備えており、前記基地局は、前記中継局から前記光伝送路を介して伝送された前記光信号を前記高周波信号に変換する光−電気変換器と、前記光−電気変換器で変換された前記高周波信号を受信する前記受信部と、前記送信部から出力された前記高周波信号を光信号に変換して前記光伝送路に送出させる電気−光変換器と、を備えて構成される。
【0022】
請求項7に係る発明は、請求項3または4の何れか1項および請求項6記載の移動体通信システムであって、前記複数の中継局は、それぞれ、前記漏洩導波路を伝搬して前記受信部で受信された前記高周波信号を、前記各中継局毎に異なる光波長を用いて前記光信号に変換する前記電気−光変換器と、前記電気−光変換器で変換された前記光信号と前記下流側の中継局から前記第2伝送路を介して伝送された光信号とを波長多重化して、前記上流側へ伝送させる光多重部と、を備えており、前記基地局は、前記第2伝送路を介して伝送された前記光信号を前記各光波長毎に波長分離して出力する光波長分離部と、前記光波長分離部から出力された光信号を前記各光波長毎に前記高周波信号に変換する前記光−電気変換器と、前記光−電気変換器で変換された前記高周波信号を合波して前記受信部に出力する電気合波部と、を備えて構成される。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記中継局は、複数本の前記漏洩導波路に接続されており、前記複数本の漏洩導波路の中から指定された漏洩導波路を伝搬した高周波信号を選択的に前記受信部に出力する接続切換部と、前記複数本の漏洩導波路のうち、前記基地局から伝送された制御情報に基づいて何れかの前記漏洩導波路を指定する監視制御部と、を更に備えて構成される。
【0024】
請求項9に係る発明は、請求項3〜8の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記基地局は、前記中継局を省電力モードに移行させる制御情報を生成して当該中継局へ送信する監視制御部を更に備え、前記中継局は、前記監視制御部から送信された前記制御情報に従って当該中継局の一部構成要素に供給する電力量を制限させる給電制御部を更に備えて構成される。
【0025】
請求項10に係る発明は、請求項9記載の移動体通信システムであって、前記基地局の監視制御部は、前記検出装置で検出された前記移動体の位置情報に基づいて、当該移動体の通信可能エリアから外れた前記漏洩導波路に接続された中継局を前記省電力モードに移行させる旨の前記制御情報を生成するものである。
【0026】
請求項11に係る発明は、請求項1〜10の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記移動体は、前記漏洩導波路から輻射された前記高周波信号の電波を受信し増幅して当該漏洩導波路へ送信する送受信装置を更に備えて構成される。
【0027】
請求項12に係る発明は、請求項1〜10の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記移動体は、前記漏洩導波路から輻射された前記高周波信号の電波を受信し、当該高周波信号の無線周波数帯域を変更して当該漏洩導波路へ送信する送受信装置を更に備えて構成される。
【0028】
請求項13に係る発明は、請求項3〜12の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、上流側からn番目(n:自然数)の前記中継局が、前記第1伝送路を伝搬する信号を取り込んだ後に、当該信号に応答した反射波を前記第2伝送路に送出する処理に要する最大の応答時間を第1遅延時間δTで定義し、上流側からn番目の前記中継局と(n+1)番目の前記中継局間に布設された前記第1伝送路の伝搬遅延時間と、前記(n+1)番目の中継局が前記第1伝送路を伝搬する信号を取り込んだ後に、当該信号に応答した反射波を前記第2伝送路に送出する処理に要する最小の応答時間と、前記(n+1)番目の中継局と前記n番目の中継局間に布設された前記第2伝送路の伝搬遅延時間との総和を第2遅延時間ΔTn+1で定義したとき、前記第1遅延時間δTが前記第2遅延時間ΔTn+1未満となるように構成されるものである。
【0029】
請求項14に係る発明は、請求項1〜13の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記検出装置は、当該移動体通信システムに固有な不変量を補正データとして予め記録する補正データ記録部を更に備え、前記演算部は、前記補正データを利用して前記応答信号の信号波形を解析する機能を有するものである。
【0030】
そして、請求項15に係る発明は、請求項1〜14の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記基地局の前記送信部は、入力信号を、複数のチャンネル(無線周波数帯域)で変調させる変調器と、前記変調器で変調された前記各チャンネルの信号を多重化して前記高周波信号を出力する周波数多重部と、を備え、前記基地局の前記受信部は、前記高周波信号を前記各チャンネル毎に分離する周波数分離部と、前記周波数分離部で分離された各信号を復調する復調器と、を備えており、前記送信部の前記変調器は、前記検出装置から入力する前記探索信号に対して所定の前記チャンネルを割り当てて変調する機能を有するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の種々の実施の形態について説明する。
【0032】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。図中の記号「TA」は送信増幅器、「RA」は受信増幅器、「E/O」は電気−光変換器、「O/E」は光−電気変換器、「H」は方向性結合器、「Md」は変調器、「DMd」は前記変調器で採用される変調方式で変調された信号を復調する復調器、「FMUX」は複数のキャリア(搬送波)を変調して得られる信号を多重化する周波数多重部、「FDMUX」は、前記周波数多重部(FMUX)で採用される多重化方式で多重化された信号を各キャリア毎に分離する周波数分離部を表している。
【0033】
この移動体通信システムは、光信号を伝送する光ファイバケーブル(光伝送路)L0,L1,L2,…,U0,U1,U2,…を介して直列接続された基地局1と複数の中継局R1,R2,…とから構成されている。これら光ファイバケーブルL0,L1,L2,…,U0,U1,U2,…のうち、第1群の光ファイバケーブルL0,L1,…は、基地局1を基点として前記光信号の光伝搬距離が短い方である上流側から、その光伝搬距離が遠い方である下流側へ連続的に敷設されて光信号を伝送するケーブルであり、第2群の光ファイバケーブルU0,U1,…は、下流側から上流側へ連続的に敷設されて光信号を伝送するケーブルである。
【0034】
前記基地局1は、端末11からネットワーク10を介して供給されたベースバンド信号で無線周波数帯域の搬送波を変調して得られる高周波信号(RF信号)を生成し、その高周波信号を光信号に変換し、前記第1群の光ファイバケーブルL0,L1,…を介して同一情報を含む光信号を中継局R1,R2,…に送信するという光送信機能を有し、更に、中継局R1,R2,…から、第2群の光ファイバケーブルU0,U1,…を介して伝送された光信号を受信して高周波信号に変換し、その高周波信号をベースバンド信号に復調するという光受信機能を有する。前記ベースバンド信号に含まれる情報としては、例えば、音声や画像、電子データ、後述される移動体3の制御情報などが挙げられる。
【0035】
前記中継局R1,R2,…は、それぞれ、1本の漏洩導波路2に接続されている。各漏洩導波路2は、移動体3が走行する交通路6に沿って各中継局R1,R2,…よりも下流側に布設されている。また、各漏洩導波路2の下流側終端には無反射終端器が接続されている。
【0036】
前記漏洩導波路2にはLCX(漏洩同軸ケーブル)を採用すればよい。LCXは、軸心に沿って配設される銅やアルミパイプなどの内部導体、この内部導体を被覆するポリエチレンなどの絶縁体、この絶縁体上に設けられるアルミテープなどの外部導体、およびポリエチレやPVCなどのシース(外被)を備えて構成される。前記外部導体には、ケーブルの長軸方向に沿って周期的にスロット(図示せず;例えば、細長い孔)が形成されている。このスロットを通じて、LCX内部を伝搬する高周波信号が外部に漏洩したり外部から電波が侵入したりする。
【0037】
また、前記中継局R1,R2,…は、第1群の光ファイバケーブルL0,L1,…を伝搬した光信号を取り込み、元の高周波信号に変換して漏洩導波路2に送出する。その高周波信号は漏洩導波路2を伝搬し、当該漏洩導波路2に長軸方向に沿って周期的に形成された各スロットを通じて外部に漏洩し、各スロット毎に数十メートルの通信エリアに輻射される。当該漏洩導波路2の通信エリアに移動体3が存在した場合、輻射された高周波信号の電波4は、移動体3で受信され復調される。
【0038】
また、移動体3が発した送信電波5は、前記スロットを通じて当該漏洩導波路2の内部に侵入すると、高周波信号として各中継局R1,R2,…に伝達する。中継局R1,R2,…は、それぞれ、漏洩導波路2を伝搬した高周波信号を受信し、光信号に変換して第2群の光ファイバケーブルU0,U1,…に上流側へ送出する。その第2群の光ファイバケーブルU0,U1,…を伝搬した光信号は、基地局1で受信される。
【0039】
基地局の構成.
次に、図2を参照しつつ前記基地局1の構成と動作を以下に詳説する。基地局1は、光送信機能として、入力するベースバンド信号を高周波信号に変換する送信部12と、その高周波信号を光信号に変換して第1群の光ファイバケーブルL0に送出する電気−光変換器21とを備えている。また、基地局1は、光受信機能として、第2群の光ファイバケーブルU0を下流側から上流側へ伝搬した光信号を高周波信号に変換する光−電気変換器22と、その高周波信号をベースバンド信号に変換する受信部13とを備えている。更に、基地局1は、何れかの漏洩導波路2の障害位置と移動体3の現在位置とを検出する検出装置14と、各中継局R1,R2,…の動作を監視制御する監視制御部23とを備えている。
【0040】
前記送信部12においては、端末11からネットワーク10を介して移動体通信用のベースバンド信号が伝達し、検出装置14からは位置検出用のベースバンド信号が伝達している。これら2種のベースバンド信号は、周波数分割多重化方式に従って周波数多重化される。すなわち、変調器17,…17k−1,17は、伝達するベースバンド信号を用いて、例えば450MHz帯の複数のキャリア(搬送波)を変調して高周波信号を生成し出力する。変調器17,…17k−1,17は、それぞれ、互いに異なるチャンネル(無線周波数帯域)の高周波信号を発生する。また、周波数多重部16は、複数のチャンネルに分かれて入力する前記高周波信号を多重化した信号を送信増幅器15に出力する。そして、送信増幅器15は、周波数多重部16から出力された高周波信号(多重化信号)を増幅して出力する。
【0041】
また、前記受信部13において、受信増幅器18は、光−電気変換器22から入力する高周波信号を増幅して周波数分離部19に供給する。その高周波信号は、前記送信部12で採用される周波数分割多重化方式に従って、複数のチャンネルで変調された信号を多重化した多重化信号である。次に、周波数分離部19は、受信増幅器18で増幅された多重化信号を各チャンネル毎に分離して得られる高周波信号を生成し、それらを各チャンネル毎に復調器20,…,20k−1,20に供給する。そして、復調器20,…,20k−1,20は、入力信号を復調してベースバンド信号を生成し出力する。
【0042】
受信部13が出力したベースバンド信号のうち、位置検出用の復調器20から出力された信号は検出装置14に供給され、その他の移動体通信用の復調器20,…,20k−1から出力された信号は、ネットワーク10を介して端末11に送信される。
【0043】
また、図2に示す通り、前記検出装置14は、信号発生器50、信号出力部51、信号入力部53、第1記録部52A、第2記録部52B、演算部54および制御部64並びにスイッチSW1を備えている。信号発生器50は、制御部64からの指示に従って周期的にパルス状の探索信号Sを発生し、信号出力部51を介して送信部12に出力する。上述の通り、送信部12は、複数のチャンネルに対応した複数の変調器17,…,17を搭載している。探索信号Sは、それら変調器17,…,17の中から、割り当てられた一のチャンネルに対応した変調器17で搬送波を変調し、周波数多重部16で多重化される。また、信号発生器50は、探索信号Sを発すると共に、その探索信号Sを発したタイミングを示すタイミング信号Tを第1記録部52Aと第2記録部52Bとに出力する。
【0044】
また、後に詳述するように、探索信号Sが発せられると、或る期間経過後に、その探索信号Sに対する応答信号R’が復調器20から出力される。応答信号R’は検出装置14に入力し、信号入力部53を介して、スイッチSW1の接続先に応じて第1記録部52Aまたは第2記録部52Bの何れかに出力され記録される。演算部54は、第1記録部52Aと第2記録部52Bとにそれぞれ記録された応答信号を読出し、両信号の差分信号を算出し、当該差分信号の信号波形を解析する。そして、演算部54は、その信号波形の解析結果から、遠隔の漏洩導波路2の障害位置や移動体3の現在位置を検出する機能を持つ。演算部54で検出して得た検出情報DSは、ネットワーク10を介して端末11に送信される。
【0045】
中継局の構成.
次に、図1に示す中継局R1,R2,…の構成と動作を以下に詳説する。本実施の形態1では、全ての中継局R1,R2,…が同じ構成を有するので、中継局R1を代表例に挙げてその構成と動作を説明することとする。
【0046】
中継局R1は、光ファイバケーブルL0を分岐させてその光ファイバケーブルL0を伝搬する光信号を取り込む光分岐器30を備えている。光−電気変換器31は、その光分岐器30から取り込んだ光信号を元の高周波信号に変換して送信増幅器32に出力する。その高周波信号は、送信増幅器32で増幅された後に、方向性結合器33を介して漏洩導波路2に出力される。漏洩導波路2は、入力した高周波信号をスロットを通じて外部空間へ輻射する。
【0047】
尚、方向性結合器33は、送信増幅器32から信号が入力する入力端子と、受信増幅器34へ信号を出力する出力端子と、漏洩導波路2に対して信号を入出力する入出力端子とを有する機器である。その入力端子に入力した信号は入出力端子から漏洩導波路2へ出力され、その入出力端子から入力した信号はその出力端子から受信増幅器34へ出力される。
【0048】
前記漏洩導波路2を伝搬した高周波信号は、方向性結合器33を介して受信増幅器34に入力し増幅された後に、電気合波器35に出力される。また、光−電気変換器36は、光ファイバケーブルU1を上流側へ伝搬した光信号を高周波信号に変換して、電気合波器35に出力する。電気合波器35は、光−電気変換器36から出力された高周波信号と、受信増幅器34から出力された高周波信号とを合波して電気−光変換器37に出力する。電気−光変換器37は、入力する高周波信号を光信号に変換して、光ファイバケーブルU0に送出する。従って、光−電気変換器36,電気合波器35および電気−光変換器37によって、下流側から伝送された信号と、漏洩導波路2を伝送された信号とが合波され、上流側へ送信される。
【0049】
尚、中継局R1,R2,…は、それぞれ、監視制御部38,48,…を搭載している。これら監視制御部38,48,…と基地局1の監視制御部23とは、制御伝送路C0,C1,C2,…を介して直列で接続されており、監視制御部23から伝達した制御情報に従って中継局R1,R2、…の内部動作を制御する機能を持つ。
【0050】
システムの動作.
以上の構成を有する移動体通信システムによる検出動作を以下に詳説する。
【0051】
先ず、基地局1から、パルス状の探索信号Sが遠隔の漏洩導波路2,2,…に向けて発出される。すなわち、図2に示す検出装置14において、制御部64から指示を受けて信号発生器50はパルス状の探索信号Sを発する。その探索信号Sは信号出力部51を介して送信部12に入力する。送信部12の変調器17は、その探索信号Sで所定の無線周波数帯域のキャリア(搬送波)を変調して周波数多重部16に出力する。周波数多重部16は、変調器17から出力される信号と、他の変調器17,17,…からそれぞれ出力される信号とを多重化して送信増幅器15に出力する。次いで、送信増幅器15は入力信号を増幅して電気−光変換器21に出力し、電気−光変換器21は入力する高周波信号を光信号に変換後、光ファイバケーブルL0に送出する。そして、図1において、その光信号は光ファイバケーブルL0を伝搬し、中継局R1で分岐されて振幅が減衰した高周波信号(以下、無線送信信号と呼ぶ。)に光−電気変換器31で変換され、送信増幅器32で増幅された後に、方向性結合器33を介して漏洩導波路2に送出される。
【0052】
その漏洩導波路2に障害位置が無い場合、且つ、漏洩導波路2の通信エリアに移動体3が存在しない場合は、漏洩導波路2に送出された無線送信信号は、その漏洩導波路2の中の伝搬距離に比例して減衰しつつ反射する。漏洩導波路2の内部で無線送信信号が反射して得られた反射波は、中継局R1に伝搬し、方向性結合器33を介して受信増幅器34で受信され増幅された後に、電気合波器35で下流側から伝送された信号と合波され、次いで、電気−光変換器37で光信号に変換される。その光信号は、光ファイバケーブルU0を上流側に伝搬して基地局1で受信される。
【0053】
次に、基地局1においては、光−電気変換器22は、光ファイバケーブルU0を伝搬した光信号を高周波信号に変換後、受信部13に出力する。その高周波信号は、受信増幅器18で増幅され、周波数分離部19で周波数分離される。この結果、その高周波信号は、前述の反射波と送信電波5の信号とに分離される。復調器20は、前記高周波信号から抽出された反射波を復調することで、探索信号Sに対する応答信号R’を発生し、検出装置14に出力する。検出装置14では、信号入力部53は、入力する応答信号R’に時間平均化などのフィルタリングを施して得た応答信号Rを出力する。
【0054】
図3(a)は、その応答信号Rの受信レベルR(t)(t:時間)を例示するグラフである。このグラフ中の波形55は探索信号Sのパルスを示しているが、実際に受信レベルR(t)中で観測されるものではない。信号発生器50は、その探索信号Sの立下がりの時刻tを示すタイミング信号Tを第1記録部52Aと第2記録部52Bとに出力する。図3(a)に示す通り、応答信号Rの波形56Aは、経過時間に比例して減衰していることが分かる。これは、漏洩導波路2の中の信号の伝搬距離(伝搬時間)が長くなる程に、その漏洩導波路2を伝搬する無線送信信号のパワーが減衰し、その反射波のパワーも減衰するからである。また、漏洩導波路2の中の信号の伝搬時間(伝搬距離)は、漏洩導波路2のケーブル長さに比例する。
【0055】
次に、漏洩導波路2に、亀裂や変形、或いは過度の側圧などの障害が存在する場合は、その障害位置のインピーダンスは他の個所のそれと比べて急変することから、その障害位置で反射した反射波の信号レベルは大きくなり、当該障害位置を越えて漏洩導波路2の末端側へ進行する波の信号レベルは大きく減衰する。図3(b)は、かかる場合の応答信号Rの受信レベルR(t)の波形を示すグラフである。このグラフ中の波形55は探索信号Sのパルスを示しているが、実際に受信レベルR(t)中で観測されるものではない。その受信レベルR(t)の波形56Bは、障害位置に相当する時刻tでピークを形成し、その時刻t以後で大きく減衰している。
【0056】
検出装置14では、制御部64の制御によりスイッチSW1の接続先を切り換えることで、信号入力部53から出力される応答信号Rの信号波形を、第1記録部52Aと第2記録部52Bとに交互に記録できる。すなわち、或る期間(第1期間)に発せられた探索信号Sに対する応答信号Rを第1記録部52Aに記録し、他の期間(第2期間)に発せられた探索信号Sに対する応答信号Rを第2記録部52Bに記録することが可能である。
【0057】
演算部54は、第1記録部52Aと第2記録部52Bとにそれぞれ記録された応答信号間の差分信号を算出し、その差分信号の値の絶対値(差分絶対値)を算出する。例えば、第1期間において、漏洩導波路2に障害が存在しない場合、図3(a)に示すような受信レベルR(t)が第1記録部52Aと第2記録部52Bとの何れか一方に記録される。また、第2期間において、漏洩導波路2に障害が存在した場合、図3(b)に示すような受信レベルR(t)がその他方に記録される。そして、演算部54は、両受信レベルR(t),R(t)の差分絶対値を算出する。図3(c)は、図3(a)に示す受信レベルR(t)と、図3(b)に示す受信レベルR(t)との間の差分絶対値DR(t)(=|R(t)−R(t)|)を示すグラフである。
【0058】
図3(c)に示すように、差分絶対値DR(t)の信号波形58は、漏洩導波路2の障害位置で反射した反射波の受信レベルのみを含むため、パルス55を発した時刻tと当該受信レベルを検出した時刻tとの差、すなわち、探索信号Sが発生した時刻から、当該探索信号Sに対する応答信号Rが検出装置14で検出される時刻までの経過時間(=t−t)が分かる。演算部54は、差分絶対値DR(t)の信号波形を解析し、その経過時間を算出して当該経過時間に比例する障害位置までの距離を算出する。これにより、該当する漏洩導波路2の障害位置を特定することができる。
【0059】
尚、本例では、漏洩導波路2の障害位置の検出動作を説明したが、同じ動作で、漏洩導波路2の通信エリア内の移動体3の現在位置を同時に検出することが可能である。漏洩導波路2を伝搬する無線送信信号は、その漏洩導波路2に形成されたスロットを通じて外部に輻射される。その漏洩導波路2の通信エリアに移動体3が存在する場合は、外部へ輻射された漏洩電波4がその移動体3の表面で反射して漏洩導波路2に侵入し、反射波として伝搬する。漏洩電波4のパワーは漏洩導波路2の伝搬距離に比例して減衰する。また、移動体3からの反射波は、漏洩導波路2の中に侵入し、内部反射した反射波と合波されて中継局に伝達する。検出装置14は、その反射波を含む応答信号Rを記録できる。
【0060】
よって、上記と同じ動作手順で、漏洩導波路2の通信エリアに移動体3が存在しない期間の応答信号Rの信号波形と、その通信エリアに移動体3が存在する期間の応答信号Rの信号波形とをそれぞれ第1記録部52Aと第2記録部52Bとに記録できる。演算部54は、両応答信号間の差分絶対値を算出し、その差分絶対値の信号波形を解析し、探索信号Sの発生時刻から、その反射波が応答信号Rとなって検出装置14で検出される時刻迄の経過時間を算出する。そして、演算部54は、その経過時間に比例する移動体3までの距離を算出する。漏洩導波路2の障害位置での反射波の波形と、移動体3の表面での反射波の波形とは相違し、演算部54はその相違を識別可能であるから、漏洩導波路2の障害位置の検出と移動体3の位置検出とを同時に行うことができる。
【0061】
以上、単一の漏洩導波路2に対応した検出動作を説明した。次に、複数の漏洩導波路2,2,…に対応した検出動作を以下に詳説する。図4は、図1に示した移動体通信システムを模式的に示す図である。
【0062】
図4中、記号LO01は、基地局1と中継局R1との間の光伝搬距離、LOnm(nは自然数;m=n+1)は、中継局Rと中継局Rとの間の光伝搬距離、そして、LCは、中継局Rに接続され中継局Rと中継局Rn+1との間に布設された漏洩導波路2の全長、を表している。
【0063】
また、図4中、記号T0nは、基地局1の検出装置14で探索信号Sが発せられた時刻から、その探索信号Sが中継局Rの漏洩導波路2に到達する時刻までの経過時間を表している。本例では、中継局Rにおいて無線送信信号が漏洩導波路2の最近端(漏洩導波路2における伝搬距離がゼロ)の地点で反射された時刻から、基地局1においてその応答信号Rが検出装置14で検出される時刻までの経過時間は、前記経過時間T0nと同一とみなす。
【0064】
光伝搬距離LOnmと、中継局Rに接続された漏洩導波路2の全長LCとは略同じ長さにすればよい。一般に、光ファイバの伝播乗数は0.67程度であり、漏洩導波路2の代表例であるLCXの伝播乗数は0.8程度であるため、LCXからなる漏洩導波路2の全長LCと光伝搬距離LOnmとが同じ長さであれば、LCXの伝搬時間の方が短い。従って、検出装置14で探索信号Sが発せられたとき、中継局Rに接続された漏洩導波路2からの反射波と、一つ下流側の中継局Rに接続された漏洩導波路2からの反射波とは、基地局1の検出装置14において同時刻に観測されず、互いに干渉しない。これにより、複数の漏洩導波路2,2,…を同時に遠隔監視することができる。
【0065】
図5(a)〜(k)は、各種信号の発生または受信のタイミングを示すタイミングチャートである。信号波形(a)は、信号発生器50で発生した探索信号Sのパルスを示している。この探索信号Sは、光信号の形態で中継局R1,R2,R3,…に順次伝搬する。
【0066】
また、信号波形(b)は、経過時間T01以後、中継局R1において送信増幅器(TA)から出力された無線送信信号のタイミングを示している。この無線送信信号は漏洩導波路2を伝搬し、この漏洩導波路2の内部で反射する。信号波形(c)は、経過時間T01以後、無線送信信号に対する反射波の、中継局R1での受信タイミングを示している。信号波形(c)のパルス幅は、中継局R1に接続された漏洩導波路2の全長LCに比例する。そして、無線送信信号の反射波は、光信号の形態で中継局R1から基地局1に伝送され、高周波信号に変換された後に受信部13で復調される。また、検出装置14は、復調されたその反射波を受信する。信号波形(d)は、経過時間T01×2以後、無線送信信号に対する反射波の、検出装置14での受信タイミングを示している。
【0067】
また、信号波形(e)は、経過時間T02以後、中継局R2において送信増幅器(TA)から出力された無線送信信号のタイミングを示しており、信号波形(f)は、その信号波形(e)をもつ無線送信信号に対する反射波の、中継局R2での受信タイミングを示している。信号波形(f)のパルス幅は、中継局R2に接続された漏洩導波路2の全長LCに比例する。また、信号波形(g)は、経過時間T02×2以後、無線送信信号に対する反射波の、検出装置14での受信タイミングを示している。
【0068】
また、信号波形(h)は、経過時間T03以後、中継局R3において送信増幅器(TA)から出力された無線送信信号のタイミングを示しており、信号波形(i)は、その信号波形(h)をもつ無線送信信号に対する反射波の、中継局R3での受信タイミングを示している。信号波形(i)のパルス幅は、中継局R3に接続された漏洩導波路2の全長LCに比例する。また、信号波形(j)は、経過時間T03×2以後、無線送信信号に対する反射波の、検出装置14での受信タイミングを示している。
【0069】
そして、信号波形(k)は、中継局R1〜R3から伝送された反射波の、検出装置14での受信タイミングを示すタイミングチャートである。この信号波形(k)は、信号波形(d),(g),(j)を合成したものとなる。この信号波形(k)から分かる通り、中継局R1〜R3から伝送された複数の反射波は同時刻で観測されず、互いに干渉しない。
【0070】
また、図6(a),(b)は、信号入力部53から出力される応答信号Rの受信レベルR(t),R(t)を例示するグラフである。同図(a),(b)に示すグラフ中の波形55は探索信号Sのパルスを示しているが、実際に受信レベルR(t)、R(t)の中で観測されるものではない。同図(a)に示す信号波形は、中継局R2に接続された漏洩導波路2にのみ障害が発生した場合のものであって、第1記録部52Aに記録されている。また、同図(b)に示す信号波形は、中継局R1〜R3に接続された全ての漏洩導波路2に障害が存在しない場合のものであって、第2記録部52Bに記録されている。そして、同図(c)に示す信号波形は、同図(a),(b)に示す信号波形間の差分絶対値DR(t)を示すものであり、演算部54で算出される。演算部54は、この差分絶対値DR(t)の信号波形を解析して、無線送信信号が漏洩導波路2の中を伝播し障害位置で反射する迄の伝搬時間を算出し、その伝搬時間に比例する漏洩導波路2の距離を算出する。これにより、中継局R2に接続された漏洩導波路2の障害位置を検出することができる。
【0071】
上記検出動作では、基地局1と中継局R1〜R3との間の関係を例に挙げて説明したが、更に、一般的な好適な関係について以下に説明する。
【0072】
図7は、図1に示した移動体通信システムを模式的に示す図である。図7では、基地局1と、n番目〜(n+2)番目(nは2以上の整数)の中継局R〜Rn+2とが示されている。中継局R〜Rn+3(中継局Rn+3は図示せず)の間は、第1群の光ファイバケーブルL,Ln+1,Ln+2と、第2群の光ファイバケーブルU,Un+1,Un+2とで連結されている。また、n番目の中継局Rは、全長LC(n)の漏洩導波路2に接続されているものとする。更に、中継局R,Rn+1間の光伝搬距離はLO(n,n+1)で表され、中継局Rn+1,Rn+2間の光伝搬距離はLO(n+1,n+2)で表される。
【0073】
以上の構成において、基地局1で発せられた探索信号Sは、光信号の形態で、第1群の光ファイバケーブルLn−1,L,Ln+1,…を順次伝搬し、光ケーブルの長さに応じて遅延して、各中継局R,Rn+1,Rn+2,…に順次取り込まれる。また、その探索信号Sは、高周波信号(無線送信信号)の形態で、中継局R,Rn+1,Rn+2,…に接続された漏洩導波路2,2,2,…を伝搬しつつ反射する。そして、その無線送信信号の反射波は、各中継局R,Rn+1,Rn+2,…の電気合波器で合波された後に光信号に変換され、第2群の光ファイバケーブルUn−1,U,Un+1,…へ送出される。各漏洩導波路2,2,2,…で反射した無線送信信号の反射波が互いに干渉することは好ましくない。従って、次式(1)を満たすように移動体通信システムを構成することが好ましい。
【0074】
【数1】
Figure 2004056617
【0075】
上式(1)中、δTは、下流側へ伝搬する光信号がn番目の中継局Rの光分岐器で取り込まれた時点から、その光信号が高周波信号に変換され漏洩導波路2の最遠端で反射した後に、その反射波が第2群の光ファイバケーブルUn−1に送出される時点までの遅延時間を表している。言い換えれば、その遅延時間δTは、中継局Rが、下流側へ伝搬する光信号を取り込んだ後に、その光信号に応答した反射波を光信号に変換して上流側へ送出する迄に要する最大の応答時間を意味する。
【0076】
また、上式(1)中、ΔTn+1は、n番目の中継局Rと(n+1)番目の中継局Rn+1間の第1群の光ファイバケーブルLの伝搬遅延時間(=DTn,n+1)と、中継局Rn+1の最小応答時間(=δtn+1)と、(n+1)番目の中継局Rn+1とn番目の中継局R間の第2群の光ファイバケーブルUの伝搬遅延時間(=UTn,n+1)との総和で定義される遅延時間(=DTn,n+1+δtn+1+UTn,n+1)である。
【0077】
中継局Rn+1の最小応答時間δtn+1は、光ファイバケーブルLを下流側へ伝搬する光信号が中継局Rn+1の光分岐器で取り込まれた時点から、その光信号が高周波信号に変換され漏洩導波路2の最近端で反射した後に、その反射波が第2群の光ファイバケーブルに送出される時点までの遅延時間を表している。言い換えれば、その最小遅延時間δtn+1は、中継局Rn+1が、下流側へ伝搬する光信号を取り込んだ後に、その光信号に応答した反射波を光信号に変換して上流側へ送出する処理に要する最小の応答時間を意味する。
【0078】
上式(1)により、n番目の中継局Rに接続された漏洩導波路2からの応答信号と、(n+1)番目の中継局Rn+1に接続された漏洩導波路2からの応答信号とは、同時刻に基地局1で観測されず、両応答信号が判別不能になるのを確実に防止できる。従って、一つの探索信号Sに対して各中継局R,Rn+1,Rn+2,…が応答した結果、基地局1で観測される応答信号Rは、時間軸上で互いに重複しない(干渉しない)ため、漏洩導波路2の障害位置や移動体3の位置の検出が確実に可能となる。
【0079】
また、上記した中継局Rの最大応答時間δTは、次式(2)で表現できる。
【0080】
【数2】
Figure 2004056617
【0081】
上式(2)中、Vlcxは、n番目の中継局Rに接続された漏洩導波路2を伝搬する高周波信号の群速度を表している。尚、LC(n)は、当該漏洩導波路2の全長(伝搬距離)である。
【0082】
また、上記した遅延時間ΔTn+1は、次式(3)で表現できる。
【0083】
【数3】
Figure 2004056617
【0084】
上式(3)中、Voptは、第1群および第2群の光ファイバケーブルを伝搬する光信号の群速度(電磁波伝搬速度)を表している。ここで、光信号が下流側へ向かう往路の伝搬遅延時間DTn,n+1と、光信号が上流側へ向かう復路の伝搬遅延時間UTn,n+1とは等しいとみなされた(DTn,n+1=UTn,n+1)。
【0085】
上式(2),(3)を上式(1)に代入すれば、上式(1)は、次式(4)に変形される。
【0086】
【数4】
Figure 2004056617
【0087】
ここで、n番目の中継局Rの最小応答時間δtと(n+1)番目の中継局Rn+1の最小応答時間δtn+1とは等しいとみなした(δt=δtn+1)。
【0088】
更に、中継局R,Rn+1の各漏洩導波路2,2からの反射波が基地局1で受信される時間差RTは、次式(5)で与えられる。
【0089】
【数5】
Figure 2004056617
【0090】
以上の式(2)〜(5)で示される数値は、事前に計測すれば判る値である。また、パルス測定器を用いて事前にそれら数値を測定しておくことも可能である。
【0091】
次に、漏洩導波路2上の障害位置若しくは移動体3の現在位置の検出は、次のようにして行われる。それらの位置Xを、中継局Rに属する漏洩導波路2の最近端からの距離で表すものとし、無線送信信号がその最近端で反射した時点と、当該無線送信信号が当該位置Xで反射してその最近端に伝搬した時点との時間差をTrefで表すとすれば、位置Xは、次式(6)を利用して算出される。
【0092】
【数6】
Figure 2004056617
【0093】
また、基地局1の検出装置14が探索信号Sを発した時点から、その探索信号Sに対応し、中継局Rから得られる応答信号Rが基地局1で観測される時点までの時間Tobservedの内訳は、次式(7)の通りである。
【0094】
【数7】
Figure 2004056617
【0095】
上式(7)中、ITは、基地局1の検出装置14が探索信号Sを発した時点から、当該探索信号Sが送信部12で周波数多重化され電気−光変換器21で光信号に変換されて、第1群の光ファイバケーブルL0に送出される時点までの処理時間;ITは、光信号が第1群の光ファイバケーブルを伝搬して基地局1から中継局Rに到達するのに要した伝搬遅延時間;ITは、中継局Rが第1群の光ファイバケーブルから分岐した光信号を取り込み、高周波信号に変換して漏洩導波路2に送出するのに要した処理時間;ITは、高周波信号が当該漏洩導波路2で反射して中継局Rで受信された時点から、その高周波信号の反射波が光信号に変換されて第2群の光ファイバケーブルに送出される時点までの処理時間;ITは、光信号が第2群の光ファイバケーブルを伝搬して中継局Rから基地局1に到達するのに要した伝搬遅延時間;ITは、基地局1に到達した光信号を光−電気変換器22で高周波信号に変換し、受信部13で周波数分離し且つ復調して、検出装置14に出力するのに要した処理時間、である。
【0096】
以上の通り、時間IT〜ITは、移動体通信システムに固有な不変量であるから、時間IT〜IT自体、若しくはその時間IT〜ITの算出に使用する不変量を補正データとして予め測定して記録しておき、演算部54での位置検出処理に利用することが望ましい。
【0097】
図8は、本実施の形態1の変形例に係る移動体通信システムの基地局1Aを示す概略構成図である。この基地局1Aは、検出装置14Aの構成を除いて、図2に示した上記検出装置14と同じ構成を有する。検出装置14Aは、前述の補正データを記録した補正データ記録部59を備えており、演算部54は、この補正データ記録部59の補正データを用いて解析処理を実行することができる。補正データとしては、第1群および第2群の光ファイバケーブルL0,…,U0,…の光伝搬距離、光ファイバを伝搬する信号の群速度、各漏洩導波路2の信号伝搬距離、漏洩導波路2を伝搬する信号の群速度、基地局1や各中継局Rでの処理時間などが挙げられる。
【0098】
このような基地局1Aによって、無線送信信号が何れかの中継局Rに属する漏洩導波路2を伝搬した伝搬時間の算出が容易且つ迅速になる。例えば、上式(7)において、検出装置14Aで測定される時間Tobservedのうち、システムに固有な時間IT〜ITを考慮せずに済むため、無線送信信号の漏洩導波路2中の伝搬時間(=Tref)を直接的に算出し、上式(6)を用いて位置Xを算出することが可能となる。
【0099】
以上の移動体通信システムによれば、移動体通信の実行中に、広い範囲に布設された漏洩導波路2,2,…の障害位置を正確に検出できる。また、移動体3の現在位置をリアルタイムに検出でき、移動体3の進行方向や進行速度を算出することが可能となる。よって、移動体3の現在位置や進行速度、進行方向などを基地局1に集約できるため、移動体通信システムをリアルタイム・モニター(移動体随時監視システム)として利用できる。更には、上記移動体通信システムを、列車などの移動体間距離を監視するモニターとして利用でき、移動体の自動運転システムの一部として組み込むことが可能である。
【0100】
また、漏洩導波路2,2,…の予防保全を無駄無く行うことができ、漏洩導波路2,2,…に障害が発生した場合でも障害発生現場に出向いて調査する作業内容を大幅に効率化することも可能である。
【0101】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図9は、実施の形態2に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。この移動体通信システムの構成要素中、図1に示した移動体通信システムの構成要素と同一符号を付されたものは、同一構成を有し且つ同一動作を行うものとして詳細な説明を省略する。
【0102】
本実施の形態に係る移動体通信システムは、光波長多重伝送方式を採用していることが特徴である。中継局RB1は、受信増幅器34から出力された高周波信号を所定の光波長λを用いて光信号に変換する電気−光変換器37Aを備えている。また、その中継局RB1は光多重部39を備えている。この光多重部39は、その電気−光変換器37Aから出力された光波長λの光信号と、下流側の光ファイバケーブルU1を伝搬した光波長λの光信号とを波長多重化して上流側の光ファイバケーブルU0に伝送させる機能を持つ。よって、図1に示した中継局R1のように、下流側から伝搬してきた光信号を一旦高周波信号に変換する光−電気変換器36は不要であり、電気合波器35も不要となるため、中継局の消費電力を抑制できる。
【0103】
また、中継局RB2も、中継局RB1と略同じ構成を有している。すなわち、中継局RB2は、受信増幅器44から出力された高周波信号を所定の光波長λを用いて光信号に変換する電気−光変換器47Aを備えると共に、その電気−光変換器47Aから出力された光波長λの光信号と、下流側の光ファイバケーブルU2を伝搬した光波長λの光信号とを波長多重化する光多重部49を備えている。ここで、光波長λ、λおよびλは相違する。
【0104】
このように、最下流に位置する中継局を除く全ての中継局RB1,RB2,…は、基地局1へ送信する高周波信号を、各中継局毎に異なる光波長を用いて光信号に変換し、且つ、その光信号と、下流側の中継局から伝搬した光信号とを波長多重化して上流側へ伝送させる機能を有している。
【0105】
また、基地局1Bは、光波長分離部26、光−電気変換器25,25,…および電気合波部24を備えている。光波長分離部26は、光ファイバケーブルU0を上流側へ伝搬してきた波長多重化された光信号を、波長多重化前の光信号に分離して出力する。各光波長毎に分離された光信号は、それぞれ、光−電気変換器25,25,…へ出力されて高周波信号に変換される。また、それら高周波信号は、電気合波部24で合波された後に受信部13の受信増幅器18に出力される。
【0106】
このように本実施の形態2では、各中継局RB1,RB2,…は、下流側から伝搬してきた光信号を、一旦電気信号に変換せずに、上流側の光ファイバケーブルに送出できる。このため、中継局での消費電力を抑制することが可能となる。
【0107】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図10は、本実施の形態3に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。この移動体通信システムの構成要素中、図1に示した移動体通信システムの構成要素と同一符号を付されたものは、同一構成を有し且つ同一動作を行うものとして詳細な説明を省略する。
【0108】
本実施の形態3に係る移動体通信システムでは、中継局RC1,RC2,…は、それぞれ、上流側と下流側とに布設された2本の漏洩導波路2A,2Bに接続されている。中継局RC1は、2本の漏洩導波路2A,2Bのうち何れか一方を伝搬した高周波信号を選択的に受信増幅器34に出力する接続切換部60を備えている。
【0109】
また、中継局RC1は監視制御部38を備えている。この監視制御部38は、基地局1Cの監視制御部23から伝送された制御情報に基づいて、接続切換部60に対して選択信号CTL1を発し、2本の漏洩導波路2A,2Bのうち何れか一方を伝搬した高周波信号を選択させる制御を行う。
【0110】
また、中継局RC1は、漏洩導波路2A,2Bにそれぞれ対応した方向性結合器33A,33Bを備えている。一方の方向性結合器33Aは、送信増幅器32から出力された高周波信号を漏洩導波路2Aに出力し、逆に、漏洩導波路2Aから入力した高周波信号を接続切換部60の第1スイッチSW1に出力する機能を持つ。また、他方の方向性結合器33Bは、送信増幅器32から出力された高周波信号を漏洩導波路2Bに出力し、逆に、漏洩導波路2Bから入力した高周波信号を接続切換部60の第2スイッチSW2に出力する機能を持つ。
【0111】
前記接続切換部60は、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2および阻止フィルタ61を備えている。監視制御部38から伝達する選択信号CTL1の値に応じて、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の各接続先を切り換えることができる。第1スイッチSW1は、方向性結合器33Aから入力する高周波信号を阻止フィルタ61と受信増幅器34との何れか一方の接続先へ出力する。阻止フィルタ61は、入力する高周波信号の周波数帯域のうち、上記探索信号Sに割り当てた帯域を含む無線送信信号の帯域を阻止するフィルタである。一方の漏洩導波路2Aの障害位置検出や移動体検出を行う場合は、第1スイッチSW1の接続先が受信増幅器34に切り換えられ、第2スイッチSW2の接続先が阻止フィルタ61に切り換えられる。他方の漏洩導波路2Bの障害位置検出や移動体検出を行う場合には、第1スイッチSW1の接続先が阻止フィルタ61に切り換えられ、第2スイッチSW2の接続先が受信増幅器34に切り換えられる。これにより、2本の漏洩導波路2A,2Bのうち何れか一方を伝搬した高周波信号のみを選択的に基地局1Cへ送信することが可能となる。移動体3の位置はほぼリアルタイムに検出されるため、移動体3の現在位置またはその予測位置に合わせて、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2の各々の接続先を切り換えるように制御すればよい。尚、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2の接続先を共に受信増幅器34に設定することも可能である。
【0112】
中継局RC2も、中継局RC1と同一の構成を有する。すなわち、中継局RC2は、前述の監視制御部38、方向性結合器33A,33Bおよび接続切換部60と同一機能を有する監視制御部48、方向性結合器43A,43Bおよび接続切換部62を備えている。接続切換部62のスイッチSW1,SW2の接続先は、監視制御部48から供給される選択信号CTL2の値に応じて切り換えられる。図示しない他の中継局RC3,…も中継局RC1と同一の構成を有している。
【0113】
このように、各中継局に接続される複数本の漏洩導波路2A,2Bの中から何れかの漏洩導波路を、基地局1からの遠隔操作で選択できる。従って、中継局1台に複数本の漏洩導波路が接続されている場合でも、移動体通信の実行中に、それらの中から選択した漏洩導波路の障害位置検出や移動体の位置検出を行うことが可能であり、中継局の設置台数を少なくし、効率の良い移動体通信システムを構築することが可能となる。
【0114】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図11は、本実施の形態4に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。この移動体通信システムの構成要素中、図10に示した移動体通信システムの構成要素と同一符号を付されたものは、同一構成を有し且つ同一動作を行うものとして詳細な説明を省略する。
【0115】
本実施の形態4に係る移動体通信システムは、基地局1の遠隔制御によって指定した中継局を省電力モードに移行させると共に、当該中継局を省電力モードから解除させる機能を有する点に特徴がある。基地局1Dは、監視制御部23Dを備えており、この監視制御部23Dは、検出装置14の演算部54から供給される検出信号DSに応じて制御情報を生成し、これを制御伝送路C0,C1,…を通じて中継局RD1,RD2,…に供給する。
【0116】
中継局RD1は、監視制御部38Dと給電制御部71とを備えている。給電制御部71は、中継局RD1の中の全構成要素への電力供給量を個別に制御し得る機能を持つ。監視制御部38Dは、基地局1Dから伝送された制御情報に従って給電制御信号PC1を生成する。すなわち、基地局1Dから伝送された制御情報が当該中継局RD1を省電力モードに移行させる命令を含む場合、監視制御部38Dは、給電制御部71に対して、モジュールUT1に属する構成要素に供給する電力量を低減させる旨の給電制御信号PC1を生成する。給電制御部71は、その旨の給電制御信号PC1に従ってモジュールUT1への供給電力PW1の量を制限し、当該モジュールUT1を省電力動作させる。モジュールUT1は、光−電気変換器(O/E)31、送信増幅器(TA)32、受信増幅器(RA)34および接続切換部60から構成されている。
【0117】
給電制御部71は、中継局RD1に属する全ての構成要素への供給電力を制御できるが、省電力動作に適しない構成要素もあるため、省電力動作対象はモジュールUT1に限定されている。例えば、供給電力量に応じて温度的に安定動作する装置を省電力動作させるのは適当ではない。電気−光変換器37は、発光素子として、温度変動で大きな影響を受けるレーザーダイオードを搭載しているため、省電力動作対象から除外される。また、光−電気変換器36、電気合波器35および電気−光変換器37は、下流側の中継局RD2から伝送された光信号を上流側へ中継するために常に動作する必要があるため、省電力動作対象から除外される必要がある。
【0118】
基地局1Dから伝送された制御情報が当該中継局RD1の省電力モードを解除させる旨の解除命令を含む場合は、監視制御部38Dは、給電制御部71に対して、モジュールUT1への供給電力量を回復させる旨の給電制御信号PC1を生成する。給電制御部71は、その旨の給電制御信号PC1に従ってモジュールUT1への供給電力PW1の量を回復させ、当該モジュールUT1を正常動作させる。
【0119】
中継局RD2も、中継局RD1と同一の構成を有する。すなわち、中継局RD2は、前述の監視制御部38Dおよび給電制御部71と同一機能を有する監視制御部48Dおよび給電制御部72を搭載する。給電制御部72は、監視制御部48Dから供給される給電制御信号PC2に従って、モジュールUT2への供給電力PW2の量を制御し、当該モジュールUT2を省電力動作または正常動作の何れかに切り換えることができる。図示しない他の中継局RD3,…も中継局RD1と同一の構成を有している。
【0120】
このように本実施の形態3に係る移動体通信システムによれば、移動体3の現在位置に応じて、この移動体3が漏洩導波路2A,2Bの通信エリアから外れた場合は、当該漏洩導波路2A,2Bに接続された中継局を省電力モードに移行させ、この移動体が漏洩導波路2A,2Bの通信エリア内に侵入した場合は、当該漏洩導波路2A,2Bに接続された中継局の省電力モードを解除し、当該中継局を正常動作させることが可能である。
【0121】
また、移動体3の現在位置はリアルタイムで検出され得る。従って、移動体3の進行方向および平均速度もリアルタイムに算出できる。すなわち、基地局1Dの検出装置14において、例えば1秒毎に探索信号Sを発することで、演算部54は各探索信号Sに対応する応答信号Rを解析し、移動体3の進行方向および平均速度(秒速)を算出することが可能である。図12に例示するように、演算部54は、同図(a)に示す初期状態の差分絶対値DR(t)の波形を解析して、応答パルス73Aを検出できる。また、演算部54は、同図(b)に示す1秒後の状態の差分絶対値DR(t)の波形を解析して、応答パルス73Bを検出できる。そして、演算部54は、同図(a),(b)の応答パルス73A,73Bの時間差Tを算出して、その時間差Tに比例する移動体3の移動距離を算出できる。図12に示した例では、1秒後の状態のパルス73Bの観測時間は、初期状態のパルス73Aの観測時間よりも短い方にシフトしているため、移動体3は、上流側へ進行していることが分かる。
【0122】
よって、検出装置14は、移動体3の現在位置、進行方向および平均速度を含む検出信号DSを監視制御部23Dに供給できる。そこで、監視制御部23Dは、当該移動体3が各漏洩導波路2A、2Bの通信エリアに到達する予定時刻を推定し、その予定時刻を考慮して、省電力モードへの移行命令および省電力モードの解除命令を含む制御情報を生成する機能を持つことが望ましい。これにより、監視制御部23Dは、移動体3の現在位置をリアルタイムに監視しつつその制御情報を生成するから、省電力モードへの移行とその解除とをスムーズに行うことが可能となる。例えば、移動体の車両が故障により途中で停車しても、基地局1の監視制御部23Dは、その車両の減速の経過や停止状態がリアルタイムに分かるためスムーズに制御処理を行うことができる。
【0123】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。図13は、本実施の形態5に係る移動体3に搭載される送受信装置65の概略構成を示す図である。
【0124】
図13に示すように、移動体3は、漏洩導波路2との間で無線信号4,5を送受信する送受信装置65を備えている。この送受信装置65は、漏洩導波路2から輻射された漏洩電波4を受信し、この漏洩電波4の無線周波数帯域を変更し且つ増幅して輻射する機能を有する。
【0125】
送受信装置65は、方向性結合器67、周波数変換部68および送信増幅器69を備えて構成される。方向性結合器67は、アンテナ66で受信された漏洩電波4を周波数変換部68に出力すると共に、送信増幅器69から出力された送信信号をアンテナ66に出力する機能を持つ。また、周波数変換部68は、アンテナ66で受信された漏洩電波4を復調してベースバンド信号を得た後に、そのベースバンド信号を用いて、漏洩電波4の無線周波数帯域(チャンネル)とは異なる帯域の搬送周波数を変調する機能を持つ。そして、送信増幅器69は、周波数変換部68から出力された信号を増幅して方向性結合器67に出力する。このように無線周波数帯域を変更された送信電波5は、移動体3で反射した反射波として漏洩導波路2に侵入し、この漏洩導波路2を伝搬する。上記実施の形態1〜4と同様に、その送信電波5は、基地局1の受信部13に到達し、周波数分離され復調された後に検出装置14に供給されることになる。
【0126】
移動体3が電磁波を反射する反射材で覆われている場合は、その反射材が漏洩電波4を反射するが、漏洩導波路2と移動体3との距離が大きい場合や、その反射材で反射した反射波のパワーが小さい場合には、その反射波は、ノイズに隠れて検出され難くなったり、漏洩導波路2で内部反射した反射波の中に埋もれるため検出され難くなったりする恐れがある。本実施の形態では、送信増幅器69で増幅された送信電波5を輻射するため、その恐れを回避できる。
【0127】
また、周波数変換部68での漏洩電波4の無線周波数帯域の変更によって、基地局1において、移動体3から反射波として送信された送信電波5と、漏洩導波路2の内部で反射した内部反射波との識別が確実に可能となり、電波干渉に強い応答信号を得ることができる。尚、漏洩電波4を受信し増幅して漏洩導波路2に返信するだけで、基地局1において位置検出が可能な場合は、送受信装置65から周波数変換部68を省いても構わない。
【0128】
以上、種々の実施の形態1〜5について説明した。上記実施の形態1〜5では、基地局1の送信部12および受信部13で周波数分割多重化方式を採用する移動体通信システムを好適例として記載したが、その周波数分割多重化方式の代わりに時分割多重化方式を採用することも可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の請求項1に係る移動体通信システムによれば、基地局において検出装置で発せられた探索信号は、基地局の送信部で高周波信号に変換され、伝送路を介して中継局に取り込まれ、中継局の送信部によって漏洩導波路に送出される。この漏洩導波路を伝搬した高周波信号は、内部で反射するか、若しくは、漏洩電波として外部に輻射された後に反射して漏洩導波路に侵入する。漏洩導波路の内部または外部で反射した反射波は漏洩導波路を伝搬して中継局に到達し、その受信部で受信され、伝送路を介して基地局に伝送させられる。そして、中継局から得られた高周波信号が基地局の受信部で復調された後に検出装置に出力される。
【0130】
請求項1によれば、前記検出装置は、前記基地局の前記受信部で復調された信号を、探索信号に対する応答信号として解析する。応答信号は、漏洩導波路の内部情報や漏洩導波路の外部情報を含むため、検出装置は、応答信号を解析することで、漏洩導波路の遠隔監視や移動体の位置検出をリアルタイムに行うことが可能となる。移動体の現在位置がリアルタイムに分かることから、当該移動体の進行方向や進行速度の算出が可能である。また、漏洩導波路の予防保全を効率良く行うことができ、漏洩導波路に障害が発生した場合でも障害発生現場に出向いて調査する作業内容を高効率化させることが可能となる。
【0131】
請求項2によれば、演算部は、互いに期間の異なる応答信号間の差分信号を算出し、その差分信号の信号波形を解析している。一方の期間に記録された応答信号の中に、漏洩導波路の障害個所や移動体で反射した反射波が含まれている場合、他方の期間に記録された応答信号を基準信号とすれば、差分信号の波形はその反射波を明確に示すため、その反射波の反射位置を高い精度で検出できる。従って、漏洩導波路の遠隔監視や移動体の位置検出を高い精度で行うことが可能である。
【0132】
請求項3によれば、複数の中継局は、基地局から送出された信号を中継して下流側に伝送できると共に、下流側から伝送された信号を中継して基地局に伝送できることから、高周波信号が伝搬する漏洩導波路を広範囲に亘って設けることができる。
【0133】
請求項4によれば、各中継局は、上流側から下流側へ連続的に伝送される信号を分岐させて取り込み、高周波信号を漏洩伝送路へ効率良く送出できる。
【0134】
請求項5によれば、漏洩導波路を伝搬して中継局で受信された信号は、電気合波器で下流側から伝送された信号と合波された後に、第2伝送路へと送出される。よって、各中継局は、下流側の中継局から伝搬した信号を順次中継して基地局へ効率良く伝送できる。
【0135】
請求項6によれば、高周波信号を光信号の形態で広範囲に効率良く伝送できる移動体通信システムを構築することが可能である。
【0136】
請求項7によれば、複数の中継局から基地局に到達する光信号は、各中継局毎に異なる光波長の光信号を多重化したものである。基地局では、多重化された光信号は、光波長分離部で光波長毎に波長分離され、光−電気変換器で高周波信号に変換された後に、電気合波部で合波される。このため、各中継局は、下流側の中継局から伝送された光信号を電気信号に変換せずに済むため、各中継局での消費電力を抑制できる。
【0137】
請求項8によれば、複数の漏洩導波路の中から何れかの漏洩導波路を、基地局からの遠隔操作で選択できる。従って、中継局に複数本の漏洩導波路が接続されている場合でも、移動体通信の実行中に、それらの中から選択した漏洩導波路の障害位置検出や移動体の位置検出を行うことが可能であり、中継局の設置台数を少なくでき、効率の良い移動体通信システムを構築できる。
【0138】
請求項9によれば、移動体通信システム全体の電力消費量を低減させることが可能となる。
【0139】
請求項10によれば、移動体の現在位置に応じて、この移動体の通信可能エリアから外れた漏洩導波路に接続された中継局を省電力モードに切り換えられるため、移動体通信システムを低消費電力で運用することが可能となる。
【0140】
請求項11,12によれば、基地局において移動体の現在位置を確実に検出することが可能となる。
【0141】
請求項13によれば、n番目の中継局に接続された漏洩導波路からの応答信号と、(n+1)番目の中継局に接続された漏洩導波路からの応答信号とは、基地局で互いに干渉せず、両応答信号が識別不能になるのを確実に防止できるため、漏洩導波路の障害位置や移動体位置の検出精度が向上する。
【0142】
請求項14によれば、基地局において、検出装置は応答信号の信号波形を解析する際、補正データを用いることによって、漏洩導波路の障害位置や移動体位置の検出処理を効率良く行うことが可能となる。
【0143】
そして、請求項15によれば、周波数分割多重化方式を採用し、探索信号に所定のチャンネルを割り当て、移動体通信にその他のチャンネルを割り当てることができる。よって、移動体通信を実行しつつ、漏洩導波路の遠隔監視や移動体の位置検出を効率良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態1に係る移動体通信システムの基地局の概略構成を示す図である。
【図3】(a),(b)は、応答信号の受信レベルR(t),R(t)を示すグラフであり、(c)は、差分絶対値DR(t)の信号レベルを示すグラフである。
【図4】図1に示した移動体通信システムを模式的に示す図である。
【図5】各種信号の発生または受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】(a),(b)は、応答信号の受信レベルR(t),R(t)を示すグラフであり、(c)は、差分絶対値DR(t)の信号レベルを示すグラフである。
【図7】図1に示した移動体通信システムを模式的に示す図である。
【図8】実施の形態1の変形例に係る移動体通信システムの基地局を示す概略構成図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係る移動体通信システムの全体構成を示す概略図である。
【図12】差分絶対値DR(t)の信号レベルを示すグラフである。
【図13】本発明の実施の形態5に係る移動体に搭載される送受信装置の概略構成を示す図である。
【図14】LCXを使用した移動体通信システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1,1A〜1D 基地局、2,2A,2B 漏洩導波路、3 移動体、6 交通路、10 ネットワーク、12 送信部、13 受信部、14,14A 検出装置、15 送信増幅器、16 周波数多重部、17,17k−1,17 変調器、18 受信増幅器、19 周波数分離部、20,20k−1,20 復調器、21 電気−光変換器、22 光−電気変換器、23,38,48 監視制御部、24 電気合波部、25 光−電気変換器、26 光波長分離部、30,40 光分岐器、31 光−電気変換器、32 送信増幅器、33,33A,33B,43,43A,43B 方向性結合器、34 受信増幅器、35,45 電気合波器、36,46 光−電気変換器、37,37A,47 電気−光変換器、39,49 光多重部、50 信号発生器、51 信号出力部、52A 第1記録部、52B 第2記録部、53 信号入力部、54 演算部。

Claims (15)

  1. 移動体が移動する交通路に沿って布設され、内部を伝搬する無線周波数帯域の高周波信号の一部を外部に漏洩して輻射すると共に外部から内部へ侵入した高周波信号を伝搬させる漏洩導波路と、
    前記漏洩導波路を伝搬する高周波信号を送受信する少なくとも一つの中継局と、
    基地局と、
    前記基地局と前記中継局とを接続する伝送路と、
    を備えて構成される移動体通信システムにおいて、
    前記中継局は、
    前記漏洩導波路を伝搬した前記高周波信号を受信する受信部と、
    前記高周波信号を前記漏洩導波路に送出する送信部と、
    を備えており、
    前記基地局は、
    前記中継局から前記伝送路を介して得られた前記高周波信号を受信する受信部と、
    探索信号で変調して得られる前記高周波信号を前記伝送路を介して前記中継局へ与える送信部と、
    前記探索信号を発生し、当該探索信号の発生後に前記受信部で受信された前記高周波信号に含まれる、当該探索信号に対する応答信号の信号波形を解析する検出装置と、
    を備えることを特徴とする移動体通信システム。
  2. 請求項1記載の移動体通信システムであって、
    前記検出装置は、
    前記探索信号を発生する信号発生器と、
    第1期間中の前記応答信号の信号波形と、前記第1期間とは異なる第2期間中の前記応答信号の信号波形との差分信号を算出し、当該差分信号の信号波形を解析する演算部と、
    を備えて構成される移動体通信システム。
  3. 請求項1または2記載の移動体通信システムであって、
    複数の前記中継局が前記交通路に沿って配設され且つ前記伝送路を介して直列で接続されており、
    前記伝送路は、
    前記基地局からの信号伝搬距離が短い方となる上流側の前記中継局から、前記信号伝搬距離が長い方となる下流側の前記中継局へ信号を伝送する第1伝送路と、
    前記下流側から前記上流側へ信号を伝送する第2伝送路と、を備えて構成される、
    移動体通信システム。
  4. 請求項3記載の移動体通信システムであって、
    前記第1伝送路は、前記基地局および前記複数の中継局を直列で接続するように連続的に布設されており、
    前記各中継局は、
    前記上流側から前記下流側へ伝送される信号を分岐させる分岐器と、
    前記分岐器で分岐された信号から得られる前記高周波信号を前記漏洩導波路に送出する前記送信部と、
    を備える、移動体通信システム。
  5. 請求項3または4記載の移動体通信システムであって、
    前記第2伝送路は、前記基地局および前記複数の中継局を直列で接続するように布設されており、
    前記各中継局は、前記下流側から前記上流側へ伝送される信号から得られた前記高周波信号と前記漏洩導波路を伝搬して前記受信部で受信された前記高周波信号とを合波する電気合波器を備える、
    移動体通信システム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、
    前記伝送路は光信号を伝送する光伝送路であり、
    前記中継局は、
    前記受信部で受信された前記高周波信号を前記光信号に変換する電気−光変換器と、
    前記基地局から前記光伝送路を介して伝送された光信号を前記高周波信号に変換する光−電気変換器と、
    前記光−電気変換器で変換された前記高周波信号を前記漏洩導波路に送出する前記送信部と、
    を備えており、
    前記基地局は、
    前記中継局から前記光伝送路を介して伝送された前記光信号を前記高周波信号に変換する光−電気変換器と、
    前記光−電気変換器で変換された前記高周波信号を受信する前記受信部と、
    前記送信部から出力された前記高周波信号を光信号に変換して前記光伝送路に送出させる電気−光変換器と、
    を備える、移動体通信システム。
  7. 請求項3または4の何れか1項および請求項6記載の移動体通信システムであって、
    前記複数の中継局は、それぞれ、
    前記漏洩導波路を伝搬して前記受信部で受信された前記高周波信号を、前記各中継局毎に異なる光波長を用いて前記光信号に変換する前記電気−光変換器と、前記電気−光変換器で変換された前記光信号と前記下流側の中継局から前記第2伝送路を介して伝送された光信号とを波長多重化して、前記上流側へ伝送させる光多重部と、
    を備えており、
    前記基地局は、
    前記第2伝送路を介して伝送された前記光信号を前記各光波長毎に波長分離して出力する光波長分離部と、
    前記光波長分離部から出力された光信号を前記各光波長毎に前記高周波信号に変換する前記光−電気変換器と、
    前記光−電気変換器で変換された前記高周波信号を合波して前記受信部に出力する電気合波部と、
    を備える、移動体通信システム。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、
    前記中継局は、複数本の前記漏洩導波路に接続されており、
    前記複数本の漏洩導波路の中から指定された漏洩導波路を伝搬した高周波信号を選択的に前記受信部に出力する接続切換部と、
    前記複数本の漏洩導波路のうち、前記基地局から伝送された制御情報に基づいて何れかの前記漏洩導波路を指定する監視制御部と、
    を更に備える、移動体通信システム。
  9. 請求項3〜8の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、
    前記基地局は、前記中継局を省電力モードに移行させる制御情報を生成して当該中継局へ送信する監視制御部を更に備え、
    前記中継局は、前記監視制御部から送信された前記制御情報に従って当該中継局の一部構成要素に供給する電力量を制限させる給電制御部を更に備える、
    移動体通信システム。
  10. 請求項9記載の移動体通信システムであって、
    前記基地局の監視制御部は、前記検出装置で検出された前記移動体の位置情報に基づいて、当該移動体の通信可能エリアから外れた前記漏洩導波路に接続された中継局を前記省電力モードに移行させる旨の前記制御情報を生成する、
    移動体通信システム。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記移動体は、前記漏洩導波路から輻射された前記高周波信号の電波を受信し増幅して当該漏洩導波路へ送信する送受信装置を更に備える、移動体通信システム。
  12. 請求項1〜10の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、前記移動体は、前記漏洩導波路から輻射された前記高周波信号の電波を受信し、当該高周波信号の無線周波数帯域を変更して当該漏洩導波路へ送信する送受信装置を更に備える、移動体通信システム。
  13. 請求項3〜12の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、
    上流側からn番目(n:自然数)の前記中継局が、前記第1伝送路を伝搬する信号を取り込んだ後に、当該信号に応答した反射波を前記第2伝送路に送出する処理に要する最大の応答時間を第1遅延時間δTで定義し、
    上流側からn番目の前記中継局と(n+1)番目の前記中継局間に布設された前記第1伝送路の伝搬遅延時間と、前記(n+1)番目の中継局が前記第1伝送路を伝搬する信号を取り込んだ後に、当該信号に応答した反射波を前記第2伝送路に送出する処理に要する最小の応答時間と、前記(n+1)番目の中継局と前記n番目の中継局間に布設された前記第2伝送路の伝搬遅延時間との総和を第2遅延時間ΔTn+1で定義したとき、
    前記第1遅延時間δTが前記第2遅延時間ΔTn+1未満となるように構成される移動体通信システム。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、
    前記検出装置は、当該移動体通信システムに固有な不変量を補正データとして予め記録する補正データ記録部を更に備え、
    前記演算部は、前記補正データを利用して前記応答信号の信号波形を解析する機能を有する、
    移動体通信システム。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の移動体通信システムであって、
    前記基地局の前記送信部は、
    入力信号を、複数のチャンネル(無線周波数帯域)で変調させる変調器と、
    前記変調器で変調された前記各チャンネルの信号を多重化して前記高周波信号を出力する周波数多重部と、を備え、
    前記基地局の前記受信部は、
    前記高周波信号を前記各チャンネル毎に分離する周波数分離部と、
    前記周波数分離部で分離された各信号を復調する復調器と、を備えており、
    前記送信部の前記変調器は、前記検出装置から入力する前記探索信号に対して所定の前記チャンネルを割り当てて変調する機能を有する、
    移動体通信システム。
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