JP2004056544A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボイスコイルに発生する熱を効率よく放熱することができるスピーカ装置を提供する。
【解決手段】フレーム1に固定されたホルダ12の内部に形成される円環状の磁気ギャップ部には円筒状のボビン13が介挿され、このボビン13の上部がダンパー5の内方と振動板9の内方に固定され、中間部にボイスコイル14が巻回され、下部には4つの延出部13aが円周方向に分割された状態で設けられている。ホルダ12の底部には、4つの延出部13aのそれぞれが侵入し得るように穿設されると共に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが設けられている。ボイスコイル12が発熱すると、その熱がマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、大表面積のボビン13にも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが外気に接しているために効率よく冷却される。
【選択図】 図1
【解決手段】フレーム1に固定されたホルダ12の内部に形成される円環状の磁気ギャップ部には円筒状のボビン13が介挿され、このボビン13の上部がダンパー5の内方と振動板9の内方に固定され、中間部にボイスコイル14が巻回され、下部には4つの延出部13aが円周方向に分割された状態で設けられている。ホルダ12の底部には、4つの延出部13aのそれぞれが侵入し得るように穿設されると共に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが設けられている。ボイスコイル12が発熱すると、その熱がマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、大表面積のボビン13にも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが外気に接しているために効率よく冷却される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイスコイルに生じる熱を放熱する機能を有するスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピーカ装置、例えば反発型磁気回路を有するスピーカ装置は、図6に全体を示し、図7にホルダを示し、図8にボビンを示すように構成される。即ち、漏斗状の外観を呈するフレーム1の中心部にホルダ2が固定され、その内部に磁気ギャップ部が構成される。
【0003】
ホルダ2は、一端が閉塞された筒状の外観を呈し、その開放部の周縁にフランジ部2aを有すると共に内底部から突出するセンタ部2bを有していて、センタ部2bの上面にマグネット3、プレート4及びマグネット3を積層状態にした磁気形成部が構成され、プレート4の外周面に所定間隔を保って対向配置されるリング7が設けられている。
【0004】
主としてプレート4の外周部に形成される磁気ギャップ部に対して進退自在になるようにダンパー5によって支持された筒状のボビン6の下部にボイスコイル8が巻回され、上部はダンパー5によって支持固定されると共に漏斗状の振動板9の内周に固定されている。振動板9の外周部は、エッジ部9aを介してフレーム1に支持固定されている。なお、符号10は、ダストキャップであり、符号11は、ボイスコイル8を形成する線材の始端と終端のそれぞれが錦糸線等のリード線(不図示)を介して接続されている端子板である。
【0005】
従って、ボイスコイル8に端子板11を介して音声信号が供給されると、ホルダ2内の磁気ギャップ部内の上下方向にボビン6が駆動され、これに伴って振動板9が振動されて所定の放音がなされることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスピーカ装置は、レベルの大きな音声信号がボイスコイル8に供給されたときに発熱し、その熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、ボビン6にも伝達されることによって冷却される。
【0007】
しかし、磁気ギャップ部を形成する空間は極めて細い隙間であることと、ホルダ2によって形成された密閉空間であることに起因して通気が不十分となり、ボイスコイル8の熱か充分に冷却されないという問題がある。
【0008】
従って、ボイスコイル8は発熱によって抵抗値が増大して電流が減少し、電気入力に応じた出力音圧が得られなくなってしまい、さらにボイスコイル8が高温になれば、ボイスコイル8の絶縁被膜の炭化焼失によって電気的短絡の発生、ならびにボイスコイル8が線間およびボビン6が剥離してプレート4の外周面またはリング7の内周面と衝突して異常音および断線が発生し、あるいはボイスコイル8自体が焼失して断線に至る虞れがあるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ボイスコイルに発生する熱を効率よく放熱することができるスピーカ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明によるスピーカ装置は、次に記載するような特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)スピーカフレームに固定されたホルダの内部に形成された環状の磁気ギャップ部と、前記磁気ギャップ部に対して進退自在に支持された筒状のボビンに巻回されたボイスコイルとを有するスピーカ装置において、
前記ホルダに、前記磁気ギャップ部に連通する通気口を設け、前記ボビンに、筒軸方向に延設されると共に前記通気口に侵入し得るように形成された延出部を設けたスピーカ装置。
【0012】
(2)前記通気口は、円周方向に分割された複数の開口で形成され、前記延出部は、前記開口のそれぞれに侵入し得るように形成された上記(1)のスピーカ装置。
【0013】
(3)前記ホルダに、前記磁気ギャップ部に連通する第1通気口を設け、前記ボビンに、筒軸方向に延設されると共に前記第1通気口に侵入し得るように形成された延出部を設け、前記磁気ギャップ部に連通する第2通気口を追加して設けた上記(1)または(2)のスピーカ装置。
【0014】
(4)前記第1通気口と前記第2通気口は、前記ホルダの壁面内で連通して形成される上記(3)のスピーカ装置。
【0015】
(5)前記通気口、第1通気口及び第2通気口の少なくとも1つを、放熱通気性を有する防塵部材で覆う上記(1)乃至(4)のいずれかのスピーカ装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。先ず、第1の実施の形態について図1ないし図4を用いて説明する。なお、本実施形態は従来技術の項で説明した図6乃至図8に示すスピーカ装置の一部、即ちホルダの部分とボビンの部分を変更したものであり、他部分は同一であるので重複説明を避けるために同一符号を付すにとどめ、変更部分について詳細に説明する。
【0017】
第1の実施の形態によるスピーカ装置は、反発型磁気回路を有するスピーカ装置に本発明を適用したもので、図1に全体を示し、図2にホルダを示し、図3にボビンを示すように構成され、漏斗状の外観を呈するフレーム1の中心部にホルダ12が固定され、その内部に磁気ギャップ部が構成される。
【0018】
ホルダ12は、上端が閉塞された筒状の外観を呈し、その開放部の周縁にフランジ部12aを有すると共に内底部から突出するセンタ部12bを有していて、センタ部12bの上面にマグネット3、プレート4及びマグネット3を積層状態にした磁気形成部が構成され、プレート4の外周面に所定間隔を保って対向配置されるリング7が設けられている。
【0019】
プレート4の外周面とリング7の内周面の間に形成される円環状の磁気ギャップ部には円筒状のボビン13が介挿され、このボビン13の上部がダンパー5の内方と振動板9の内周に固定され、中間部にボイスコイル14が巻回され、下部には4つの延出部13aが円周方向に分割された状態で設けられている。
【0020】
そして、ホルダ12の底部には、4つの延出部13aのそれぞれが侵入し得るように穿設されると共に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが設けられている。
【0021】
ボイスコイル14に端子板11を介して音声信号が供給されると、ホルダ12内の磁気ギャップ部内の上下方向にボビン13が駆動され、これに伴って振動板9が振動されて所定の放音がなされる。このとき、ボビン13が最下位に駆動されてもその下先端に設けられている延出部13aが通気口12c内部に侵入するのみであり、ホルダ12の内壁にボビン13が衝突することはない。
【0022】
ボイスコイル14にレベルの大きな音声信号が供給され発熱すると、その熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、ボビン6にも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが外気に接しているために効率よく冷却される。
【0023】
従って、ボイスコイル14が発熱によって抵抗値が増大して電流が減少し、音声信号入力に応じた出力音圧が得られなくなり、ボイスコイル14が高温になって、絶縁被膜の炭化焼失によって電気的短絡が発生したり、コイル線間及びボビン13が剥離してプレート4の外周面またはリング7の内周面と衝突して異常音および断線が発生したり、あるいはボイスコイル14自体が焼失して断線に至ることが無い。
【0024】
今まで説明した形態は、ホルダ12の下面に磁気ギャップ部に連通する通気口12cを設けたものであるが、これに追加してホルダ12の側部にも通気口を設けるようにしてもよい。
【0025】
即ち、図4に示すように、漏斗状の外観を呈するフレーム1の中心部に固定されるホルダホルダ15は、その内部に磁気ギャップ部が構成され、上端が閉塞された筒状の外観を呈し、その開放部の周縁にフランジ部15aを有すると共に内底部から突出するセンタ部15bを有していて、センタ部15bの上面にマグネット3、プレート4及びマグネット3を積層状態にした磁気形成部が構成され、プレート4の外周面に所定間隔を保って対向配置されるリング7が設けられている。
【0026】
プレート4の外周面とリング7の内周面の間に形成される円環状の磁気ギャップ部には、図1及び図3に示すと同様の延出部13aを有する円筒状のボビン13が介挿され、このボビン13の上部がダンパー5の内方と振動板9の内周に固定され、中間部にボイスコイル14が巻回されている。
【0027】
そして、ホルダ15の底部には、4つの延出部13aのそれぞれが侵入し得るように穿設されると共に、磁気ギャップ部に連通する第1通気口15cが設けられている。更に、ホルダ15の側面には磁気ギャップ部に連通する第2通気口15dが追加された状態で穿設されている。
【0028】
従って、ボイスコイル14にレベルの大きな音声信号が供給されて発熱すると、その熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、ボビン13にも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する第1通気口15cが外気に接しているために効率よく冷却される。これと同時にホルダ15の側壁に設けられている第2通気口15dも外気に接しているためにさらに効率よく冷却される。
【0029】
従って、ボイスコイル14が発熱によって抵抗値が増大して電流が減少し、音声信号入力に応じた出力音圧が得られなくなったり、ボイスコイル14が高温になって、絶縁被膜の炭化焼失によって電気的短絡が発生したり、コイル線間及びボビン13が剥離してプレート4の外周面またはリング7の内周面と衝突して異常音および断線が発生したり、あるいはボイスコイル14自体が焼失して断線に至ることが無い。
【0030】
本実施形態における第1通気口15cと第2通気口15dは、直接に連通されておらず、間に磁気ギャップ部の空間が介在されているが、図5に示すようにフランジ部16aとセンター部16bを有するホルダ16の壁面に第1通気口16cと第2通気口16dを穿設し、しかも両者を直接に連通するように構成してもよいことは勿論である。
【0031】
今まで説明した通気口12c(図1と図2参照)、第1通気口15c、第2通気口15d(図4参照)及び第1通気口16c、び第2通気口16d(図5参照)のそれぞれは、埃や微小鉄粉が磁気ギャップ部に入り込み、放音特性を劣化させないようにするために放熱通気性を有する防塵部材、例えば金属材でなる網で覆うように構成することが望ましい。
【0032】
なお、これまでの発明における思想は前述の形態に限定されるものではなく、例えば、スピーカの磁気回路は反発型の場合のみならず外磁型を用いた構成としたり内磁型を用いて構成した例のいずれであってもよ異ことは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によるスピーカ装置は、磁気ギャップ部を有するホルダに通気口を設け、ボビンの下部に延出部を設けているために、ボイスコイルの発熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、表面積が増大されているボビンにも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する通気口が外気に接しているために効率よく冷却される。
【0034】
従って、ボイスコイルに発生する熱を効率よく放熱することができるスピーカ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図2】図1中に示されるホルダの底面図である。
【図3】図1中に示されるボビンの側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるスピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるスピーカ装置のホルダ構造を示す底面図である。
【図6】従来のスピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図7】図6中に示されるホルダの底面図である。
【図8】図6中に示されるボビンの側面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2、12、15、16 ホルダ
2a、12a、15a、16a フランジ部
2b、12b、15b、16b センタ部
3 マグネット
4 プレート
5 ダンパー
6、13 ボビン
7 リング
8、14 ボイスコイル
9 振動板
9a エッジ部
12c 通気口
13a 延出部
14 ボイスコイル
15c、16c 第1通気口
15d、16d 第2通気口
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイスコイルに生じる熱を放熱する機能を有するスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピーカ装置、例えば反発型磁気回路を有するスピーカ装置は、図6に全体を示し、図7にホルダを示し、図8にボビンを示すように構成される。即ち、漏斗状の外観を呈するフレーム1の中心部にホルダ2が固定され、その内部に磁気ギャップ部が構成される。
【0003】
ホルダ2は、一端が閉塞された筒状の外観を呈し、その開放部の周縁にフランジ部2aを有すると共に内底部から突出するセンタ部2bを有していて、センタ部2bの上面にマグネット3、プレート4及びマグネット3を積層状態にした磁気形成部が構成され、プレート4の外周面に所定間隔を保って対向配置されるリング7が設けられている。
【0004】
主としてプレート4の外周部に形成される磁気ギャップ部に対して進退自在になるようにダンパー5によって支持された筒状のボビン6の下部にボイスコイル8が巻回され、上部はダンパー5によって支持固定されると共に漏斗状の振動板9の内周に固定されている。振動板9の外周部は、エッジ部9aを介してフレーム1に支持固定されている。なお、符号10は、ダストキャップであり、符号11は、ボイスコイル8を形成する線材の始端と終端のそれぞれが錦糸線等のリード線(不図示)を介して接続されている端子板である。
【0005】
従って、ボイスコイル8に端子板11を介して音声信号が供給されると、ホルダ2内の磁気ギャップ部内の上下方向にボビン6が駆動され、これに伴って振動板9が振動されて所定の放音がなされることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスピーカ装置は、レベルの大きな音声信号がボイスコイル8に供給されたときに発熱し、その熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、ボビン6にも伝達されることによって冷却される。
【0007】
しかし、磁気ギャップ部を形成する空間は極めて細い隙間であることと、ホルダ2によって形成された密閉空間であることに起因して通気が不十分となり、ボイスコイル8の熱か充分に冷却されないという問題がある。
【0008】
従って、ボイスコイル8は発熱によって抵抗値が増大して電流が減少し、電気入力に応じた出力音圧が得られなくなってしまい、さらにボイスコイル8が高温になれば、ボイスコイル8の絶縁被膜の炭化焼失によって電気的短絡の発生、ならびにボイスコイル8が線間およびボビン6が剥離してプレート4の外周面またはリング7の内周面と衝突して異常音および断線が発生し、あるいはボイスコイル8自体が焼失して断線に至る虞れがあるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、ボイスコイルに発生する熱を効率よく放熱することができるスピーカ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明によるスピーカ装置は、次に記載するような特徴的な構成を採用している。
【0011】
(1)スピーカフレームに固定されたホルダの内部に形成された環状の磁気ギャップ部と、前記磁気ギャップ部に対して進退自在に支持された筒状のボビンに巻回されたボイスコイルとを有するスピーカ装置において、
前記ホルダに、前記磁気ギャップ部に連通する通気口を設け、前記ボビンに、筒軸方向に延設されると共に前記通気口に侵入し得るように形成された延出部を設けたスピーカ装置。
【0012】
(2)前記通気口は、円周方向に分割された複数の開口で形成され、前記延出部は、前記開口のそれぞれに侵入し得るように形成された上記(1)のスピーカ装置。
【0013】
(3)前記ホルダに、前記磁気ギャップ部に連通する第1通気口を設け、前記ボビンに、筒軸方向に延設されると共に前記第1通気口に侵入し得るように形成された延出部を設け、前記磁気ギャップ部に連通する第2通気口を追加して設けた上記(1)または(2)のスピーカ装置。
【0014】
(4)前記第1通気口と前記第2通気口は、前記ホルダの壁面内で連通して形成される上記(3)のスピーカ装置。
【0015】
(5)前記通気口、第1通気口及び第2通気口の少なくとも1つを、放熱通気性を有する防塵部材で覆う上記(1)乃至(4)のいずれかのスピーカ装置。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。先ず、第1の実施の形態について図1ないし図4を用いて説明する。なお、本実施形態は従来技術の項で説明した図6乃至図8に示すスピーカ装置の一部、即ちホルダの部分とボビンの部分を変更したものであり、他部分は同一であるので重複説明を避けるために同一符号を付すにとどめ、変更部分について詳細に説明する。
【0017】
第1の実施の形態によるスピーカ装置は、反発型磁気回路を有するスピーカ装置に本発明を適用したもので、図1に全体を示し、図2にホルダを示し、図3にボビンを示すように構成され、漏斗状の外観を呈するフレーム1の中心部にホルダ12が固定され、その内部に磁気ギャップ部が構成される。
【0018】
ホルダ12は、上端が閉塞された筒状の外観を呈し、その開放部の周縁にフランジ部12aを有すると共に内底部から突出するセンタ部12bを有していて、センタ部12bの上面にマグネット3、プレート4及びマグネット3を積層状態にした磁気形成部が構成され、プレート4の外周面に所定間隔を保って対向配置されるリング7が設けられている。
【0019】
プレート4の外周面とリング7の内周面の間に形成される円環状の磁気ギャップ部には円筒状のボビン13が介挿され、このボビン13の上部がダンパー5の内方と振動板9の内周に固定され、中間部にボイスコイル14が巻回され、下部には4つの延出部13aが円周方向に分割された状態で設けられている。
【0020】
そして、ホルダ12の底部には、4つの延出部13aのそれぞれが侵入し得るように穿設されると共に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが設けられている。
【0021】
ボイスコイル14に端子板11を介して音声信号が供給されると、ホルダ12内の磁気ギャップ部内の上下方向にボビン13が駆動され、これに伴って振動板9が振動されて所定の放音がなされる。このとき、ボビン13が最下位に駆動されてもその下先端に設けられている延出部13aが通気口12c内部に侵入するのみであり、ホルダ12の内壁にボビン13が衝突することはない。
【0022】
ボイスコイル14にレベルの大きな音声信号が供給され発熱すると、その熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、ボビン6にも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する通気口12cが外気に接しているために効率よく冷却される。
【0023】
従って、ボイスコイル14が発熱によって抵抗値が増大して電流が減少し、音声信号入力に応じた出力音圧が得られなくなり、ボイスコイル14が高温になって、絶縁被膜の炭化焼失によって電気的短絡が発生したり、コイル線間及びボビン13が剥離してプレート4の外周面またはリング7の内周面と衝突して異常音および断線が発生したり、あるいはボイスコイル14自体が焼失して断線に至ることが無い。
【0024】
今まで説明した形態は、ホルダ12の下面に磁気ギャップ部に連通する通気口12cを設けたものであるが、これに追加してホルダ12の側部にも通気口を設けるようにしてもよい。
【0025】
即ち、図4に示すように、漏斗状の外観を呈するフレーム1の中心部に固定されるホルダホルダ15は、その内部に磁気ギャップ部が構成され、上端が閉塞された筒状の外観を呈し、その開放部の周縁にフランジ部15aを有すると共に内底部から突出するセンタ部15bを有していて、センタ部15bの上面にマグネット3、プレート4及びマグネット3を積層状態にした磁気形成部が構成され、プレート4の外周面に所定間隔を保って対向配置されるリング7が設けられている。
【0026】
プレート4の外周面とリング7の内周面の間に形成される円環状の磁気ギャップ部には、図1及び図3に示すと同様の延出部13aを有する円筒状のボビン13が介挿され、このボビン13の上部がダンパー5の内方と振動板9の内周に固定され、中間部にボイスコイル14が巻回されている。
【0027】
そして、ホルダ15の底部には、4つの延出部13aのそれぞれが侵入し得るように穿設されると共に、磁気ギャップ部に連通する第1通気口15cが設けられている。更に、ホルダ15の側面には磁気ギャップ部に連通する第2通気口15dが追加された状態で穿設されている。
【0028】
従って、ボイスコイル14にレベルの大きな音声信号が供給されて発熱すると、その熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット3プレート4等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、ボビン13にも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する第1通気口15cが外気に接しているために効率よく冷却される。これと同時にホルダ15の側壁に設けられている第2通気口15dも外気に接しているためにさらに効率よく冷却される。
【0029】
従って、ボイスコイル14が発熱によって抵抗値が増大して電流が減少し、音声信号入力に応じた出力音圧が得られなくなったり、ボイスコイル14が高温になって、絶縁被膜の炭化焼失によって電気的短絡が発生したり、コイル線間及びボビン13が剥離してプレート4の外周面またはリング7の内周面と衝突して異常音および断線が発生したり、あるいはボイスコイル14自体が焼失して断線に至ることが無い。
【0030】
本実施形態における第1通気口15cと第2通気口15dは、直接に連通されておらず、間に磁気ギャップ部の空間が介在されているが、図5に示すようにフランジ部16aとセンター部16bを有するホルダ16の壁面に第1通気口16cと第2通気口16dを穿設し、しかも両者を直接に連通するように構成してもよいことは勿論である。
【0031】
今まで説明した通気口12c(図1と図2参照)、第1通気口15c、第2通気口15d(図4参照)及び第1通気口16c、び第2通気口16d(図5参照)のそれぞれは、埃や微小鉄粉が磁気ギャップ部に入り込み、放音特性を劣化させないようにするために放熱通気性を有する防塵部材、例えば金属材でなる網で覆うように構成することが望ましい。
【0032】
なお、これまでの発明における思想は前述の形態に限定されるものではなく、例えば、スピーカの磁気回路は反発型の場合のみならず外磁型を用いた構成としたり内磁型を用いて構成した例のいずれであってもよ異ことは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によるスピーカ装置は、磁気ギャップ部を有するホルダに通気口を設け、ボビンの下部に延出部を設けているために、ボイスコイルの発熱が磁気ギャップ部を形成するマグネット等々の部材の周面に空気を介して伝達されると共に、表面積が増大されているボビンにも伝達されることによって冷却され、これと同時に、磁気ギャップ部に連通する通気口が外気に接しているために効率よく冷却される。
【0034】
従って、ボイスコイルに発生する熱を効率よく放熱することができるスピーカ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図2】図1中に示されるホルダの底面図である。
【図3】図1中に示されるボビンの側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるスピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるスピーカ装置のホルダ構造を示す底面図である。
【図6】従来のスピーカ装置の構造を示す断面図である。
【図7】図6中に示されるホルダの底面図である。
【図8】図6中に示されるボビンの側面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2、12、15、16 ホルダ
2a、12a、15a、16a フランジ部
2b、12b、15b、16b センタ部
3 マグネット
4 プレート
5 ダンパー
6、13 ボビン
7 リング
8、14 ボイスコイル
9 振動板
9a エッジ部
12c 通気口
13a 延出部
14 ボイスコイル
15c、16c 第1通気口
15d、16d 第2通気口
Claims (5)
- スピーカフレームに固定されたホルダの内部に形成された環状の磁気ギャップ部と、前記磁気ギャップ部に対して進退自在に支持された筒状のボビンに巻回されたボイスコイルとを有するスピーカ装置において、
前記ホルダに、前記磁気ギャップ部に連通する通気口を設け、前記ボビンに、筒軸方向に延設されると共に前記通気口に侵入し得るように形成された延出部を設けたことを特徴とするスピーカ装置。 - 前記通気口は、円周方向に分割された複数の開口で形成され、前記延出部は、前記開口のそれぞれに侵入し得るように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記ホルダに、前記磁気ギャップ部に連通する第1通気口を設け、前記ボビンに、筒軸方向に延設されると共に前記第1通気口に侵入し得るように形成された延出部を設け、前記磁気ギャップ部に連通する第2通気口を追加して設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
- 前記第1通気口と前記第2通気口は、前記ホルダの壁面内で連通して形成されることを特徴とする請求項3に記載のスピーカ装置。
- 前記通気口、第1通気口及び第2通気口の少なくとも1つを、放熱通気性を有する防塵部材で覆うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスピーカ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211997A JP2004056544A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | スピーカ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211997A JP2004056544A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | スピーカ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004056544A true JP2004056544A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31935044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002211997A Pending JP2004056544A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | スピーカ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004056544A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010041065A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-18 | Kenwood Corp | 薄型スピーカユニット |
WO2016107307A1 (zh) * | 2014-12-31 | 2016-07-07 | 歌尔声学股份有限公司 | 发声装置 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002211997A patent/JP2004056544A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010041065A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-18 | Kenwood Corp | 薄型スピーカユニット |
WO2016107307A1 (zh) * | 2014-12-31 | 2016-07-07 | 歌尔声学股份有限公司 | 发声装置 |
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