JP2004055330A - シーズヒータ及びこれに用いられる温度フューズ並びに加熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度フューズ内蔵型において、温度フューズの断線を有効に防止する。
【解決手段】ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを具備させる。また、温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向変形を吸収する変形吸収部9とを具備させる。更には、両者を組み合わせる。また、これらに用いられる温度フューズ6あるいはシーズヒータ5を組み込んだ加熱器をも対象とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを具備させる。また、温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向変形を吸収する変形吸収部9とを具備させる。更には、両者を組み合わせる。また、これらに用いられる温度フューズ6あるいはシーズヒータ5を組み込んだ加熱器をも対象とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気温水器等の各種加熱器に用いられるシーズヒータに係り、特に、温度フューズを内蔵した態様のシーズヒータ及びこれに用いられる温度フューズ並びに加熱器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気温水器などにおいては貯蔵タンク内にシーズヒータを配設し、このシーズヒータにて貯蔵タンク内に貯蔵される水を加熱するようにしたものが知られている。
この種の電気温水器にあっては、例えば貯蔵タンク内に水が貯蔵されていない状態でシーズヒータに通電すると、所謂空炊き状態になってしまい、シーズヒータが過剰加熱され、安全上好ましくない。
【0003】
そこで、従来にあっては、シーズヒータと直列に温度フューズを接続し、例えばシーズヒータの取付部に温度フューズを設置し、シーズヒータが過剰加熱し始めると、温度フューズを断線させることでシーズヒータが過剰加熱される事態を回避するようにした技術が提案されている。
ところが、この種の態様にあっては、シーズヒータを組み込む際に、シーズヒータとは別に温度フューズを接続する工程があるため、シーズヒータの組み込み作業が面倒になってしまうばかりか、温度フューズがシーズヒータ外に設けられるため、シーズヒータの過剰加熱状態を直接的に検出し難いという不具合がある。
【0004】
このような不具合を解決するために、従来にあっては、シーズヒータの安全性を企図するために、シーズヒータ内に温度フューズを予め組み込むようにした技術が提供されている(例えば特開平6−267641号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この種の先行技術にあっては、シーズヒータはヒータ外筒内に発熱コイル及び温度フューズを内蔵するものであるが、ヒータ外筒内では、温度フューズは発熱コイル及び絶縁粉末が充填される室と別室に配設されているため、発熱コイル及び絶縁粉末を充填する室を区画するためのヒータ内筒が必要になる等、シーズヒータ自体の構成が複雑化してしまう。
【0006】
仮に、ヒータ外筒内において、発熱コイルと温度フューズとを接続し、両者の周囲に絶縁粉末を充填する構造を採用すると、ヒータ外筒を減径加工する際に、絶縁粉末を通じて温度フューズを伸縮する外力が作用し、温度フューズが断線する懸念がある。
この場合、ヒータ外筒を減径加工するのは、ヒータ外筒内の絶縁粉末の密度を高め、発熱コイルから絶縁粉末を介してヒータ外筒へ至る熱伝導性を良好に保つために行われるものである。
【0007】
本発明は、以上の技術的課題を解決するために為されたものであって、温度フューズ内蔵型において、温度フューズの断線を有効に防止することを可能としたシーズヒータ及びこれに用いられる温度フューズ並びに加熱器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを具備させたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の別の態様としては、図1(a)(c)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向変形を吸収する変形吸収部9とを具備させたものが挙げられる。
【0010】
更に、本発明の別の態様としては、図1(a)(c)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向を吸収する変形吸収部9と、フューズ本体7及び変形吸収部9のうち少なくとも前記フューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを具備させたものが挙げられる。
【0011】
このような技術的手段において、本件のシーズヒータ5は、ヒータ外筒1を減径加工したもの(減径加工部を1aする)を前提とするが、ヒータ外筒1は、発熱コイル2及び温度フューズ6を内蔵するものであれば、その形状や断面形状などは適宜選定して差し支えない。
尚、ヒータ外筒1の少なくとも一端には絶縁粉末4を充填するための開口が確保されるため、当該開口は絶縁粉末4を充填した後工程において公知の封口処理10(所定の封止体による封止)にて封口される。
また、発熱コイル2の形状は直線状、U字状などいずれでもよく、端子体3はヒータ外筒1の両端から引き出される態様、あるいは、一端から引き出される態様のいずれでもよい。
更に、端子体3としては、通常棒状のものが使用されるが、端子電極として機能するものであればどのような形態でも差し支えない。
【0012】
また、絶縁粉末4は発熱コイル2を絶縁被覆すると共にヒータ外筒1への熱伝導材として機能するものであるから、酸化マグネシア等の熱伝導率の高い材料が好ましい。
そして、この絶縁粉末4は、ヒータ外筒1を減径加工することにより充填密度が高められ、発熱コイル2とヒータ外筒1との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0013】
また、温度フューズ6は、発熱コイル2と直列接続され、ヒータ外筒1内にあれば端子体3と別体でもよいし、端子体3の一部に組み込んでもよい。
このとき、端子体3側に温度フューズ6を組み込んでおけば、シーズヒータ5の製造工程を少なくできる点で好ましい。
【0014】
更に、温度フューズ6を構成する絶縁管8は、少なくともフューズ本体7を囲繞し、フューズ本体7に絶縁粉末4が直接的に押圧する事態を防ぐカバーであれば適宜選定して差し支えない。
この絶縁管8としては、端部を開放した態様も含まれるが、絶縁管8内への絶縁粉末4の侵入を阻止するという観点からすれば、絶縁管8の両端を図1(b)中に二点鎖線で示す絶縁栓8aで閉塞する構造が好ましい。
【0015】
更にまた、温度フューズ6を構成する変形吸収部9は、フューズ本体7の軸方向変形を吸収するものであればよく、フューズ本体7と別体に設けてもよいし、一体的に設けてもよい。
ここで、フューズ本体7と別体に設ける代表的態様としては、フューズ本体7に接続される伸縮自在なリード線が挙げられ、また、フューズ本体7と一体的に設ける代表的態様としては、フューズ本体7を伸縮自在に構成する態様が挙げられる。
この変形吸収部9は、ヒータ外筒1を減径加工する際に、絶縁粉末4を介してフューズ本体7に伸縮力が作用しようとしても、この作用力を吸収するように働く。
【0016】
また、温度フューズ6として、絶縁管8と変形吸収部9とを備えた態様にあっては、絶縁管8は、少なくともフューズ本体7を囲繞するものであればよく、フューズ本体7と変形吸収部9とが別体である態様については、少なくともフューズ本体7を囲繞していればよいが、絶縁粉末4による影響をより少なくするという観点からすれば、両者を囲繞する態様が好ましい。
【0017】
また、本発明は、シーズヒータ5に限られるものではなく、このシーズヒータ5に組み込まれる温度フューズ6そのものをも対象とする。
この場合、本発明の一態様としては、図1(a)(b)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5に用いられる温度フューズ6であって、前記ヒータ外筒1内に配設され且つ発熱コイル2と直列に接続されており、フューズ本体7と、このフューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを備えたものが挙げられる。
【0018】
更に、別の態様としては、図1(a)(c)に示すように、同様なシーズヒータ5に用いられる温度フューズ6であって、ヒータ外筒1内に配設され且つ発熱コイル2と直列に接続されており、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向変形を吸収する変形吸収部9とを備えたものが挙げられる。
より好ましい態様としては、温度フューズ6として、フューズ本体7に絶縁管8と変形吸収部9とを付加したものが挙げられる。
【0019】
また、本発明は、シーズヒータ5、温度フューズ6に限られず、上述したシーズヒータ5が組み込まれた加熱器をも対象とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用されたシーズヒータの実施の形態1を示す。
同図において、シーズヒータ20は、例えば円筒状の金属パイプ21内に、両端に端子棒23,24が接続された発熱コイル22を挿入すると共に、この金属パイプ21の両端から前記端子棒23,24を外部に露呈させる一方、前記金属パイプ21内には絶縁粉末25を充填した後、金属パイプ21の両端近傍に減径加工を施すようにしたものである。
【0021】
本実施の形態において、金属パイプ21としては、加工性のよいステンレス、銅、アルミニウムなどの各種材料を使用することができ、用途に応じて耐食性などを考慮して表面処理を施すようにしてもよい。
この金属パイプ21の形状としては、直線状のものが示されているが、用途に応じてU字状その他任意の形状に加工して差し支えない。
更に、本実施の形態では、金属パイプ21は、充填した絶縁粉末25の密度を高めるために、減径加工が施された減径加工部21aを備えており、その両端開口を所定の封口処理28(例えば絶縁ゴム28a+絶縁パッキン28b)にて閉塞するようになっている。
【0022】
また、発熱コイル22としては、通常金属パイプ21の軸心に沿って配設されているが、これに限られるものではなく、任意に配設して差し支えない。
更に、絶縁粉末25としては、熱伝導性のよい材料が好ましく、例えば酸化マグネシアなどが使用される。
【0023】
特に、本実施の形態では、一方の端子棒23の途中に温度フューズ30が組み込まれている。
この温度フューズ30は、鉛などのフューズ本体31と、このフューズ本体31の両端にコイル状に形成される伸縮自在な変形吸収部36を具備したリード線32,33と、前記フューズ本体31及びリード線32,33を囲繞する円筒状の絶縁管34と、この絶縁管34の両端のうち、前記リード線32,33につながる端子棒23(具体的には23a,23b)以外の領域を閉塞する絶縁栓35とを備えたものである。
【0024】
ここで、絶縁管34としては、例えばアルミナ磁器などのセラミックスが用いられ、また、絶縁栓35としては絶縁性のシリコーンゴムなどが使用される。
また、リード線32,33の伸縮可能範囲は外部から端子棒23を介して軸方向に伸縮しても、フューズ本体31に対して断線する程度の外力が作用しない程度に設定されていればよい。
【0025】
次に、本実施の形態に係るシーズヒータの製造工程例を図3に基づいて説明する。
シーズヒータ20を製造する場合には、先ず図3(a)に示すように、発熱コイル22の両端に端子棒23,24を接続すると共に、一方の端子棒23に前記温度フューズ30を組み込んでなるサブアッセンブリ26を予め構成しておき、金属パイプ21内に前記サブアッセンブリ26を挿入配置する。
【0026】
この後、図3(b)に示すように、金属パイプ21内に絶縁粉末25を充填すると共に、金属パイプ21の両端には、端子棒23,24を外部に露呈させた状態で仮封口処理27(例えば絶縁ゴム)を施す。
この状態において、図3(c)に示すように、金属パイプ21に減径加工を施すことで、減径加工部21aを形成すると共に、金属パイプ21の両端に本来の封口処理28(例えば絶縁ゴム28a+絶縁パッキン28b)を施す。尚、封口処理28は、仮封口処理27に加えて更に封口処理を行ってもよいし、仮封口処理27を取り除いた後に別個に行うようにしてもよく、封口処理の一つとして他にガラス封口などを施すようにしてもよいことは勿論である。
【0027】
このように製造されたシーズヒータ20においては、金属パイプ21の減径加工により充填された絶縁粉末25の密度が高くなるため、端子棒23,24を通じて発熱コイル22に通電されると、発熱コイル22からの熱が絶縁粉末25を介して金属パイプ21に効率的に伝導することになり、シーズヒータ20の発熱性能は良好に保たれる。
このとき、仮に、シーズヒータ20の発熱コイル22が過剰発熱し始めたとすると、これに直列接続された温度フューズ30のフューズ本体31が溶けるため、発熱コイル22が過剰発熱する事態は有効に防止され、シーズヒータ20が過剰加熱されることはない。
【0028】
また、シーズヒータ20の製造工程において、金属パイプ21を減径加工すると、減径加工部21aに対応する箇所の絶縁粉末25に外力が作用し、温度フューズ30を径方向に対しては押圧、軸方向に対しては主として伸張させる。
このとき、温度フューズ30は、絶縁管34にてフューズ本体31及びリード線32,33を保護しているため、フューズ本体31等に径方向周囲から絶縁粉末25による外力が作用することはない。
特に、本態様では、絶縁管34の両端は絶縁栓35にて閉塞されているから、絶縁管34の両端から絶縁粉末25が内部に侵入することもない。
【0029】
一方、温度フューズ30に軸方向に沿って外力が作用すると、その作用力は伸縮自在なリード線32,33によって吸収されるため、フューズ本体31に過剰な軸方向力が作用することはない。
このため、金属パイプ21の減径加工時において、フューズ本体31に過剰な外力が作用することは有効に回避されるため、フューズ本体31が断線するという事態は有効に回避される。
【0030】
◎実施の形態2
図4は本発明が適用されたシーズヒータの実施の形態2を示す。
同図において、シーズヒータ20の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる温度フューズ30を具備している。
本実施の形態において、温度フューズ30は、実施の形態1と異なり、リード線32,33ではなく、フューズ本体31に伸縮自在な変形吸収部36を具備させるようにしたものである。
尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0031】
本実施の形態によれば、基本的に実施の形態1と略同様な作用を奏するが、実施の形態1と異なり、温度フューズ30に軸方向力が作用すると、その作用力は伸縮自在なフューズ本体31にて吸収されるため、フューズ本体31が断線する懸念はない。
【0032】
◎実施の形態3
図5は本発明が適用されたシーズヒータの実施の形態3を示す。
同図において、シーズヒータ20の基本的構成は、実施の形態1,2と略同様であるが、実施の形態1,2と異なり、一端のみが開口した金属パイプ21を有し、この金属パイプ21内には両端に端子棒23,24が接続されたU字状の発熱コイル22を挿入配置すると共に、前記金属パイプ21の開口から端子棒23,24を外部に露呈させ、更に、金属パイプ21内に絶縁粉末25を充填すると共に、金属パイプ21には、減径加工が施された減径加工部21aを形成し、かつ、金属パイプ21の一端開口に封口処理28を施すようにしたものである。
そして、本実施の形態においては、端子棒23の途中に、実施の形態1又は2で用いられた温度フューズ30が組み込まれている。
【0033】
従って、本実施の形態においても、実施の形態1,2と同様に、金属パイプ21の減径加工時に温度フューズ30に対し外力が作用したとしても、絶縁管34及び変形吸収部36の働きにより、フューズ本体31に断線につながるような外力が作用することはない。
【0034】
◎実施の形態4
図6(a)は本発明が適用されたシーズヒータが組み込まれた電気温水器の実施の形態4を示す。
同図において、電気温水器50は、貯蔵タンク51をタンク支持脚52にて支持し、この貯蔵タンク51上部には給湯管51aを接続すると共に、その下部には吸水管51bを接続し、更に、貯蔵タンク51内にはシーズヒータ20を配設すると共に、貯蔵タンク51の外壁にブラケット53を介してシーズヒータ20を固定し、貯蔵タンク51内に内蔵された水を加熱するようにしたものである。尚、符号55は貯蔵タンク51を保温するために貯蔵タンク51の周囲を覆う保温材である。
【0035】
本実施の形態において、シーズヒータ20は、例えば図6(b)に示すように、略U字状の金属パイプ21を有し、この金属パイプ21内には両端に端子棒23,24が接続された発熱コイル22を挿入する一方、その金属パイプ21内に絶縁粉末25を充填し、かつ、金属パイプ21には、減径加工が施された減径加工部21aを形成し、更に、金属パイプ21の両端に封口処理28を施すようにしてものである。
そして、前記端子棒23の一部には実施の形態1又は2の温度フューズ30が組み込まれている。
【0036】
本実施の形態によれば、シーズヒータ20に通電すると、シーズヒータ20が加熱され、貯蔵タンク51内の水が有効に加熱される。
このとき、仮に、貯蔵タンク51内に水が貯蔵されていない状態で、シーズヒータ20に通電すると、所謂空炊き状態になるが、シーズヒータ20の発熱コイル22が過剰発熱し始めると、温度フューズ30が溶け、シーズヒータ20が過剰加熱される事態は有効に回避される。
尚、シーズヒータ20の製造時において、金属パイプ21を減径加工したとしても、温度フューズ30には絶縁管34若しくは変形吸収部36が設けられているため、温度フューズ30が製造段階で断線する懸念はなく、シーズヒータ20の性能は良好に保たれる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係るシーズヒータによれば、温度フューズ内蔵型において、温度フューズの構造を工夫し、ヒータ外筒減径加工時に温度フューズに対し断線につながる伸縮力を作用させないようにしたので、簡単な構成で、温度フューズの断線を有効に防止することが可能なシーズヒータを提供できる。
また、本発明に係る温度フューズによれば、温度フューズの断線を有効に防止することが可能なシーズヒータを簡単に構築することができる。
更に、本発明に係る加熱器によれば、温度フューズ内蔵型のシーズヒータの信頼性を高めることができるため、安全性の高い加熱器を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るシーズヒータの概要を示す説明図、(b)は(a)のシーズヒータにおける温度フューズの詳細を示す説明図、(c)は温度フューズの別態様の詳細を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係るシーズヒータを示す説明図である。
【図3】(a)〜(c)は実施の形態1に係るシーズヒータの製造工程例を示す説明図である。
【図4】実施の形態2に係るシーズヒータを示す説明図である。
【図5】実施の形態3に係るシーズヒータを示す説明図である。
【図6】(a)は実施の形態4に係るシーズヒータを組み込んだ電器温水器を示す説明図、(b)はそのシーズヒータの詳細を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ヒータ外筒,1a…減径加工部,2…発熱コイル,3…端子体,4…絶縁粉末,5…シーズヒータ,6…温度フューズ,7…フューズ本体,8…絶縁管,8a…絶縁栓,9…変形吸収部,10…封口処理
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気温水器等の各種加熱器に用いられるシーズヒータに係り、特に、温度フューズを内蔵した態様のシーズヒータ及びこれに用いられる温度フューズ並びに加熱器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気温水器などにおいては貯蔵タンク内にシーズヒータを配設し、このシーズヒータにて貯蔵タンク内に貯蔵される水を加熱するようにしたものが知られている。
この種の電気温水器にあっては、例えば貯蔵タンク内に水が貯蔵されていない状態でシーズヒータに通電すると、所謂空炊き状態になってしまい、シーズヒータが過剰加熱され、安全上好ましくない。
【0003】
そこで、従来にあっては、シーズヒータと直列に温度フューズを接続し、例えばシーズヒータの取付部に温度フューズを設置し、シーズヒータが過剰加熱し始めると、温度フューズを断線させることでシーズヒータが過剰加熱される事態を回避するようにした技術が提案されている。
ところが、この種の態様にあっては、シーズヒータを組み込む際に、シーズヒータとは別に温度フューズを接続する工程があるため、シーズヒータの組み込み作業が面倒になってしまうばかりか、温度フューズがシーズヒータ外に設けられるため、シーズヒータの過剰加熱状態を直接的に検出し難いという不具合がある。
【0004】
このような不具合を解決するために、従来にあっては、シーズヒータの安全性を企図するために、シーズヒータ内に温度フューズを予め組み込むようにした技術が提供されている(例えば特開平6−267641号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この種の先行技術にあっては、シーズヒータはヒータ外筒内に発熱コイル及び温度フューズを内蔵するものであるが、ヒータ外筒内では、温度フューズは発熱コイル及び絶縁粉末が充填される室と別室に配設されているため、発熱コイル及び絶縁粉末を充填する室を区画するためのヒータ内筒が必要になる等、シーズヒータ自体の構成が複雑化してしまう。
【0006】
仮に、ヒータ外筒内において、発熱コイルと温度フューズとを接続し、両者の周囲に絶縁粉末を充填する構造を採用すると、ヒータ外筒を減径加工する際に、絶縁粉末を通じて温度フューズを伸縮する外力が作用し、温度フューズが断線する懸念がある。
この場合、ヒータ外筒を減径加工するのは、ヒータ外筒内の絶縁粉末の密度を高め、発熱コイルから絶縁粉末を介してヒータ外筒へ至る熱伝導性を良好に保つために行われるものである。
【0007】
本発明は、以上の技術的課題を解決するために為されたものであって、温度フューズ内蔵型において、温度フューズの断線を有効に防止することを可能としたシーズヒータ及びこれに用いられる温度フューズ並びに加熱器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを具備させたことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の別の態様としては、図1(a)(c)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向変形を吸収する変形吸収部9とを具備させたものが挙げられる。
【0010】
更に、本発明の別の態様としては、図1(a)(c)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5において、前記ヒータ外筒1内には、発熱コイル2と直列に接続された温度フューズ6を配設し、この温度フューズ6には、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向を吸収する変形吸収部9と、フューズ本体7及び変形吸収部9のうち少なくとも前記フューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを具備させたものが挙げられる。
【0011】
このような技術的手段において、本件のシーズヒータ5は、ヒータ外筒1を減径加工したもの(減径加工部を1aする)を前提とするが、ヒータ外筒1は、発熱コイル2及び温度フューズ6を内蔵するものであれば、その形状や断面形状などは適宜選定して差し支えない。
尚、ヒータ外筒1の少なくとも一端には絶縁粉末4を充填するための開口が確保されるため、当該開口は絶縁粉末4を充填した後工程において公知の封口処理10(所定の封止体による封止)にて封口される。
また、発熱コイル2の形状は直線状、U字状などいずれでもよく、端子体3はヒータ外筒1の両端から引き出される態様、あるいは、一端から引き出される態様のいずれでもよい。
更に、端子体3としては、通常棒状のものが使用されるが、端子電極として機能するものであればどのような形態でも差し支えない。
【0012】
また、絶縁粉末4は発熱コイル2を絶縁被覆すると共にヒータ外筒1への熱伝導材として機能するものであるから、酸化マグネシア等の熱伝導率の高い材料が好ましい。
そして、この絶縁粉末4は、ヒータ外筒1を減径加工することにより充填密度が高められ、発熱コイル2とヒータ外筒1との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0013】
また、温度フューズ6は、発熱コイル2と直列接続され、ヒータ外筒1内にあれば端子体3と別体でもよいし、端子体3の一部に組み込んでもよい。
このとき、端子体3側に温度フューズ6を組み込んでおけば、シーズヒータ5の製造工程を少なくできる点で好ましい。
【0014】
更に、温度フューズ6を構成する絶縁管8は、少なくともフューズ本体7を囲繞し、フューズ本体7に絶縁粉末4が直接的に押圧する事態を防ぐカバーであれば適宜選定して差し支えない。
この絶縁管8としては、端部を開放した態様も含まれるが、絶縁管8内への絶縁粉末4の侵入を阻止するという観点からすれば、絶縁管8の両端を図1(b)中に二点鎖線で示す絶縁栓8aで閉塞する構造が好ましい。
【0015】
更にまた、温度フューズ6を構成する変形吸収部9は、フューズ本体7の軸方向変形を吸収するものであればよく、フューズ本体7と別体に設けてもよいし、一体的に設けてもよい。
ここで、フューズ本体7と別体に設ける代表的態様としては、フューズ本体7に接続される伸縮自在なリード線が挙げられ、また、フューズ本体7と一体的に設ける代表的態様としては、フューズ本体7を伸縮自在に構成する態様が挙げられる。
この変形吸収部9は、ヒータ外筒1を減径加工する際に、絶縁粉末4を介してフューズ本体7に伸縮力が作用しようとしても、この作用力を吸収するように働く。
【0016】
また、温度フューズ6として、絶縁管8と変形吸収部9とを備えた態様にあっては、絶縁管8は、少なくともフューズ本体7を囲繞するものであればよく、フューズ本体7と変形吸収部9とが別体である態様については、少なくともフューズ本体7を囲繞していればよいが、絶縁粉末4による影響をより少なくするという観点からすれば、両者を囲繞する態様が好ましい。
【0017】
また、本発明は、シーズヒータ5に限られるものではなく、このシーズヒータ5に組み込まれる温度フューズ6そのものをも対象とする。
この場合、本発明の一態様としては、図1(a)(b)に示すように、ヒータ外筒1内に発熱コイル2を配設すると共に、この発熱コイル2の両端にはヒータ外筒1端部から引き出される端子体3を接続し、ヒータ外筒1内に絶縁粉末4を充填した後にヒータ外筒1を減径加工してなるシーズヒータ5に用いられる温度フューズ6であって、前記ヒータ外筒1内に配設され且つ発熱コイル2と直列に接続されており、フューズ本体7と、このフューズ本体7を囲繞する絶縁管8とを備えたものが挙げられる。
【0018】
更に、別の態様としては、図1(a)(c)に示すように、同様なシーズヒータ5に用いられる温度フューズ6であって、ヒータ外筒1内に配設され且つ発熱コイル2と直列に接続されており、フューズ本体7と、このフューズ本体7の軸方向変形を吸収する変形吸収部9とを備えたものが挙げられる。
より好ましい態様としては、温度フューズ6として、フューズ本体7に絶縁管8と変形吸収部9とを付加したものが挙げられる。
【0019】
また、本発明は、シーズヒータ5、温度フューズ6に限られず、上述したシーズヒータ5が組み込まれた加熱器をも対象とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用されたシーズヒータの実施の形態1を示す。
同図において、シーズヒータ20は、例えば円筒状の金属パイプ21内に、両端に端子棒23,24が接続された発熱コイル22を挿入すると共に、この金属パイプ21の両端から前記端子棒23,24を外部に露呈させる一方、前記金属パイプ21内には絶縁粉末25を充填した後、金属パイプ21の両端近傍に減径加工を施すようにしたものである。
【0021】
本実施の形態において、金属パイプ21としては、加工性のよいステンレス、銅、アルミニウムなどの各種材料を使用することができ、用途に応じて耐食性などを考慮して表面処理を施すようにしてもよい。
この金属パイプ21の形状としては、直線状のものが示されているが、用途に応じてU字状その他任意の形状に加工して差し支えない。
更に、本実施の形態では、金属パイプ21は、充填した絶縁粉末25の密度を高めるために、減径加工が施された減径加工部21aを備えており、その両端開口を所定の封口処理28(例えば絶縁ゴム28a+絶縁パッキン28b)にて閉塞するようになっている。
【0022】
また、発熱コイル22としては、通常金属パイプ21の軸心に沿って配設されているが、これに限られるものではなく、任意に配設して差し支えない。
更に、絶縁粉末25としては、熱伝導性のよい材料が好ましく、例えば酸化マグネシアなどが使用される。
【0023】
特に、本実施の形態では、一方の端子棒23の途中に温度フューズ30が組み込まれている。
この温度フューズ30は、鉛などのフューズ本体31と、このフューズ本体31の両端にコイル状に形成される伸縮自在な変形吸収部36を具備したリード線32,33と、前記フューズ本体31及びリード線32,33を囲繞する円筒状の絶縁管34と、この絶縁管34の両端のうち、前記リード線32,33につながる端子棒23(具体的には23a,23b)以外の領域を閉塞する絶縁栓35とを備えたものである。
【0024】
ここで、絶縁管34としては、例えばアルミナ磁器などのセラミックスが用いられ、また、絶縁栓35としては絶縁性のシリコーンゴムなどが使用される。
また、リード線32,33の伸縮可能範囲は外部から端子棒23を介して軸方向に伸縮しても、フューズ本体31に対して断線する程度の外力が作用しない程度に設定されていればよい。
【0025】
次に、本実施の形態に係るシーズヒータの製造工程例を図3に基づいて説明する。
シーズヒータ20を製造する場合には、先ず図3(a)に示すように、発熱コイル22の両端に端子棒23,24を接続すると共に、一方の端子棒23に前記温度フューズ30を組み込んでなるサブアッセンブリ26を予め構成しておき、金属パイプ21内に前記サブアッセンブリ26を挿入配置する。
【0026】
この後、図3(b)に示すように、金属パイプ21内に絶縁粉末25を充填すると共に、金属パイプ21の両端には、端子棒23,24を外部に露呈させた状態で仮封口処理27(例えば絶縁ゴム)を施す。
この状態において、図3(c)に示すように、金属パイプ21に減径加工を施すことで、減径加工部21aを形成すると共に、金属パイプ21の両端に本来の封口処理28(例えば絶縁ゴム28a+絶縁パッキン28b)を施す。尚、封口処理28は、仮封口処理27に加えて更に封口処理を行ってもよいし、仮封口処理27を取り除いた後に別個に行うようにしてもよく、封口処理の一つとして他にガラス封口などを施すようにしてもよいことは勿論である。
【0027】
このように製造されたシーズヒータ20においては、金属パイプ21の減径加工により充填された絶縁粉末25の密度が高くなるため、端子棒23,24を通じて発熱コイル22に通電されると、発熱コイル22からの熱が絶縁粉末25を介して金属パイプ21に効率的に伝導することになり、シーズヒータ20の発熱性能は良好に保たれる。
このとき、仮に、シーズヒータ20の発熱コイル22が過剰発熱し始めたとすると、これに直列接続された温度フューズ30のフューズ本体31が溶けるため、発熱コイル22が過剰発熱する事態は有効に防止され、シーズヒータ20が過剰加熱されることはない。
【0028】
また、シーズヒータ20の製造工程において、金属パイプ21を減径加工すると、減径加工部21aに対応する箇所の絶縁粉末25に外力が作用し、温度フューズ30を径方向に対しては押圧、軸方向に対しては主として伸張させる。
このとき、温度フューズ30は、絶縁管34にてフューズ本体31及びリード線32,33を保護しているため、フューズ本体31等に径方向周囲から絶縁粉末25による外力が作用することはない。
特に、本態様では、絶縁管34の両端は絶縁栓35にて閉塞されているから、絶縁管34の両端から絶縁粉末25が内部に侵入することもない。
【0029】
一方、温度フューズ30に軸方向に沿って外力が作用すると、その作用力は伸縮自在なリード線32,33によって吸収されるため、フューズ本体31に過剰な軸方向力が作用することはない。
このため、金属パイプ21の減径加工時において、フューズ本体31に過剰な外力が作用することは有効に回避されるため、フューズ本体31が断線するという事態は有効に回避される。
【0030】
◎実施の形態2
図4は本発明が適用されたシーズヒータの実施の形態2を示す。
同図において、シーズヒータ20の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる温度フューズ30を具備している。
本実施の形態において、温度フューズ30は、実施の形態1と異なり、リード線32,33ではなく、フューズ本体31に伸縮自在な変形吸収部36を具備させるようにしたものである。
尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0031】
本実施の形態によれば、基本的に実施の形態1と略同様な作用を奏するが、実施の形態1と異なり、温度フューズ30に軸方向力が作用すると、その作用力は伸縮自在なフューズ本体31にて吸収されるため、フューズ本体31が断線する懸念はない。
【0032】
◎実施の形態3
図5は本発明が適用されたシーズヒータの実施の形態3を示す。
同図において、シーズヒータ20の基本的構成は、実施の形態1,2と略同様であるが、実施の形態1,2と異なり、一端のみが開口した金属パイプ21を有し、この金属パイプ21内には両端に端子棒23,24が接続されたU字状の発熱コイル22を挿入配置すると共に、前記金属パイプ21の開口から端子棒23,24を外部に露呈させ、更に、金属パイプ21内に絶縁粉末25を充填すると共に、金属パイプ21には、減径加工が施された減径加工部21aを形成し、かつ、金属パイプ21の一端開口に封口処理28を施すようにしたものである。
そして、本実施の形態においては、端子棒23の途中に、実施の形態1又は2で用いられた温度フューズ30が組み込まれている。
【0033】
従って、本実施の形態においても、実施の形態1,2と同様に、金属パイプ21の減径加工時に温度フューズ30に対し外力が作用したとしても、絶縁管34及び変形吸収部36の働きにより、フューズ本体31に断線につながるような外力が作用することはない。
【0034】
◎実施の形態4
図6(a)は本発明が適用されたシーズヒータが組み込まれた電気温水器の実施の形態4を示す。
同図において、電気温水器50は、貯蔵タンク51をタンク支持脚52にて支持し、この貯蔵タンク51上部には給湯管51aを接続すると共に、その下部には吸水管51bを接続し、更に、貯蔵タンク51内にはシーズヒータ20を配設すると共に、貯蔵タンク51の外壁にブラケット53を介してシーズヒータ20を固定し、貯蔵タンク51内に内蔵された水を加熱するようにしたものである。尚、符号55は貯蔵タンク51を保温するために貯蔵タンク51の周囲を覆う保温材である。
【0035】
本実施の形態において、シーズヒータ20は、例えば図6(b)に示すように、略U字状の金属パイプ21を有し、この金属パイプ21内には両端に端子棒23,24が接続された発熱コイル22を挿入する一方、その金属パイプ21内に絶縁粉末25を充填し、かつ、金属パイプ21には、減径加工が施された減径加工部21aを形成し、更に、金属パイプ21の両端に封口処理28を施すようにしてものである。
そして、前記端子棒23の一部には実施の形態1又は2の温度フューズ30が組み込まれている。
【0036】
本実施の形態によれば、シーズヒータ20に通電すると、シーズヒータ20が加熱され、貯蔵タンク51内の水が有効に加熱される。
このとき、仮に、貯蔵タンク51内に水が貯蔵されていない状態で、シーズヒータ20に通電すると、所謂空炊き状態になるが、シーズヒータ20の発熱コイル22が過剰発熱し始めると、温度フューズ30が溶け、シーズヒータ20が過剰加熱される事態は有効に回避される。
尚、シーズヒータ20の製造時において、金属パイプ21を減径加工したとしても、温度フューズ30には絶縁管34若しくは変形吸収部36が設けられているため、温度フューズ30が製造段階で断線する懸念はなく、シーズヒータ20の性能は良好に保たれる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係るシーズヒータによれば、温度フューズ内蔵型において、温度フューズの構造を工夫し、ヒータ外筒減径加工時に温度フューズに対し断線につながる伸縮力を作用させないようにしたので、簡単な構成で、温度フューズの断線を有効に防止することが可能なシーズヒータを提供できる。
また、本発明に係る温度フューズによれば、温度フューズの断線を有効に防止することが可能なシーズヒータを簡単に構築することができる。
更に、本発明に係る加熱器によれば、温度フューズ内蔵型のシーズヒータの信頼性を高めることができるため、安全性の高い加熱器を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るシーズヒータの概要を示す説明図、(b)は(a)のシーズヒータにおける温度フューズの詳細を示す説明図、(c)は温度フューズの別態様の詳細を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係るシーズヒータを示す説明図である。
【図3】(a)〜(c)は実施の形態1に係るシーズヒータの製造工程例を示す説明図である。
【図4】実施の形態2に係るシーズヒータを示す説明図である。
【図5】実施の形態3に係るシーズヒータを示す説明図である。
【図6】(a)は実施の形態4に係るシーズヒータを組み込んだ電器温水器を示す説明図、(b)はそのシーズヒータの詳細を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ヒータ外筒,1a…減径加工部,2…発熱コイル,3…端子体,4…絶縁粉末,5…シーズヒータ,6…温度フューズ,7…フューズ本体,8…絶縁管,8a…絶縁栓,9…変形吸収部,10…封口処理
Claims (10)
- ヒータ外筒内に発熱コイルを配設すると共に、この発熱コイルの両端にはヒータ外筒端部から引き出される端子体を接続し、ヒータ外筒内に絶縁粉末を充填した後にヒータ外筒を減径加工してなるシーズヒータにおいて、
前記ヒータ外筒内には、発熱コイルと直列に接続された温度フューズを配設し、
この温度フューズには、フューズ本体と、このフューズ本体を囲繞する絶縁管とを具備させたことを特徴とするシーズヒータ。 - ヒータ外筒内に発熱コイルを配設すると共に、この発熱コイルの両端にはヒータ外筒端部から引き出される端子体を接続し、ヒータ外筒内に絶縁粉末を充填した後にヒータ外筒を減径加工してなるシーズヒータにおいて、
前記ヒータ外筒内には、発熱コイルと直列に接続された温度フューズを配設し、
この温度フューズには、フューズ本体と、このフューズ本体の軸方向変形を吸収する変形吸収部とを具備させたことを特徴とするシーズヒータ。 - ヒータ外筒内に発熱コイルを配設すると共に、この発熱コイルの両端にはヒータ外筒端部から引き出される端子体を接続し、ヒータ外筒内に絶縁粉末を充填した後にヒータ外筒を減径加工してなるシーズヒータにおいて、
前記ヒータ外筒内には、発熱コイルと直列に接続された温度フューズを配設し、
この温度フューズには、フューズ本体と、このフューズ本体の軸方向を吸収する変形吸収部と、フューズ本体及び変形吸収部のうち少なくとも前記フューズ本体を囲繞する絶縁管とを具備させたことを特徴とするシーズヒータ。 - 請求項1ないし3いずれかに記載のシーズヒータにおいて、
温度フューズは端子体の一部に組み込まれることを特徴とするシーズヒータ。 - 請求項1又は3記載のシーズヒータにおいて、
絶縁管の両端は絶縁栓で閉塞されていることを特徴とするシーズヒータ。 - 請求項2又は3記載のシーズヒータにおいて、
変形吸収部は、フューズ本体に接続される伸縮自在なリード線であることを特徴とするシーズヒータ。 - 請求項2又は3記載のシーズヒータにおいて、
変形吸収部は、フューズ本体を伸縮自在に構成したものであることを特徴とするシーズヒータ。 - ヒータ外筒内に発熱コイルを配設すると共に、この発熱コイルの両端にはヒータ外筒端部から引き出される端子体を接続し、ヒータ外筒内に絶縁粉末を充填した後にヒータ外筒を減径加工してなるシーズヒータに用いられる温度フューズであって、
前記ヒータ外筒内に配設され且つ発熱コイルと直列に接続されており、
フューズ本体と、このフューズ本体を囲繞する絶縁管とを備えたことを特徴とする温度フューズ。 - ヒータ外筒内に発熱コイルを配設すると共に、この発熱コイルの両端にはヒータ外筒端部から引き出される端子体を接続し、ヒータ外筒内に絶縁粉末を充填した後にヒータ外筒を減径加工してなるシーズヒータに用いられる温度フューズであって、
前記ヒータ外筒内に配設され且つ発熱コイルと直列に接続されており、
フューズ本体と、このフューズ本体の軸方向変形を吸収する変形吸収部とを備えたことを特徴とする温度フューズ。 - 請求項1ないし3いずれかに記載のシーズヒータを備えたことを特徴とする加熱器。
Priority Applications (1)
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JP2002210991A JP2004055330A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | シーズヒータ及びこれに用いられる温度フューズ並びに加熱器 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011253691A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Sukegawa Electric Co Ltd | シースヒータのリード線接続端子 |
US8094998B2 (en) | 2005-09-19 | 2012-01-10 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Device for making a beverage, provided with a water boiler |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210991A patent/JP2004055330A/ja active Pending
Cited By (2)
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US8094998B2 (en) | 2005-09-19 | 2012-01-10 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Device for making a beverage, provided with a water boiler |
JP2011253691A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Sukegawa Electric Co Ltd | シースヒータのリード線接続端子 |
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