JP2004053479A - 液体処理用フィルタの使用量検知方法とそれに使用される検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の流量計は衛生上好ましくなく、経済的な無駄があり、寿命も短かった。
【解決手段】ダイアフラム式の圧力センサにより、フィルタに流れる液体の圧力を静電容量に変換し、静電容量を周波数に変換し、周波数から流量を測定するようにした。ダイアフラムと、可動電極板と、固定電極板とを備え、流液の圧力を静電容量に変換する圧力センサと、その静電容量を周波数に変換する周波数変換器と、その周波数から液体の流量を測定する処理器とにより、液体処理用フィルタの使用量検知装置を構成した。圧力センサのダイアフラムを流路の内側に向けて圧力センサを流路に取付けた。
【選択図】 図1
【解決手段】ダイアフラム式の圧力センサにより、フィルタに流れる液体の圧力を静電容量に変換し、静電容量を周波数に変換し、周波数から流量を測定するようにした。ダイアフラムと、可動電極板と、固定電極板とを備え、流液の圧力を静電容量に変換する圧力センサと、その静電容量を周波数に変換する周波数変換器と、その周波数から液体の流量を測定する処理器とにより、液体処理用フィルタの使用量検知装置を構成した。圧力センサのダイアフラムを流路の内側に向けて圧力センサを流路に取付けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浄水器、整水器といった水処理機、飲料や液体薬品の製造ラインといった各種液体処理機や液体処理装置で使用されるフィルタの使用量を、フィルタに流れる液体の流量で検知するフィルタの使用量検知方法とそれに使用される検知装置に関するものであり、検知されたフィルタの使用量からフィルタの寿命、交換時期などを知ることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は都市部の水質悪化や人々の健康意識の高まり等から、各家庭や会社等では水道水をそのまま飲料水や生活水として用いずに、浄水器で浄水してから使用したり、整水器で水をアルカリ成分と酸性成分とに電気分解してから使用したりすることが多くなっている。例えば浄水器や整水器等の水処理機器には水を濾過するフィルタが使用されている。また、飲料や液体薬品を製造する際にも、浄化用、濾過用等のフィルタが使用されている。これらフィルタは長期間使用すると汚れて浄化機能、濾過機能が低下する(寿命がある)ため、所定の液量を浄化したり濾過したりすると交換する必要がある。交換時期を一律に使用月数で決める方法もあるが、水の使用量(浄水量、濾過量)は家庭や会社などで異なるため、水の使用量を月数で判断したのではフィルタの交換時期を的確に判断できない。そのためフィルタの交換時期を実際の浄水量、濾過量(使用量)によって判断するようになってきた。その判断はフィルタに流れる液体の流量を測定して行われる。このような液体の流量測定方式として従来はプロペラ方式と電磁スイッチ方式とがあった。
【0003】
プロペラ方式は図5のように液体の流路(管路)A内にプロペラ式の流量センサBを設置し、流路A内を流れる液体でプロペラCが回転すると、プロペラCの先に取り付けられている磁石Dが流路Aの外のコイルEと電磁結合してプロペラCの回転数が検知され、その回転数によって液体の流量を検知する方式である。電磁スイッチ方式は図6に示すように流路A内に可動片(羽根)Fを設け、流路A内を流れる液体で羽根Fが動くと羽根Fの先に取り付けてある磁石Gが流路Aの外のコイルHと電磁結合し、その電磁結合の有無から液体の流れの有無を検知する方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプロペラ方式は次のような課題があった。
(1)流路Aに配置した流量センサBが邪魔になり液体の流れが悪くなる。また、流量センサBに汚れがつき易く、細菌が繁殖し易く、衛生上好ましくない。
(2)長期間不使用の場合は細菌が特に繁殖し易いため、使用再開時には液体を流して汚れや細菌を洗い流さなければならず、液体が無駄になり、経済的にも無駄があった。
(3)プロペラの心棒Jが磨耗し、回転が不安定になり、精度の高い測定が難しい。また、センサの寿命が短い。
【0005】
従来の電磁スイッチ方式は次のような課題があった。
(1)液体の流れの有無は検知できるが流量は測定できない。
(2)プロペラ式よりは少ないが、流路A内に配置した羽根Fに汚れがつき易く、細菌が繁殖し易く、衛生上好ましくない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、液体の流量を正確に測定でき、衛生的であり、液体の無駄が無く経済的であり、液体の過圧状態をも検知可能な液体処理用フィルタの使用量検知方法及びそれに使用される検知装置を提供することにある。
【0007】
本件出願の請求項1記載の液体処理用フィルタの使用量検知方法は、液体処理に使用されるフィルタに流れる液体の流量を検知してフィルタの使用量を検知する液体処理用フィルタの使用量検知方法において、流液の圧力をダイアフラム式の圧力センサで静電容量に変換し、その静電容量を周波数に変換し、その周波数からフィルタに流れる液体の流量を検知して、液体処理用フィルタの使用量を検知する方法である。
【0008】
本件出願の請求項2記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置は、液体処理用フィルタの手前に設けてそれらフィルタに流れる液体の流量を静電容量に変換して検知するダイアフラム式の圧力センサと、圧力センサで検知した静電容量を周波数に変換する周波数変換器と、周波数変換器で変換された周波数からフィルタに流れる液体の流量を算出する処理器とを備えたものである。
【0009】
本件出願の請求項3記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置は、請求項2記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置において、ダイアフラム式の圧力センサがダイアフラムを通路の内側に向けて通路の周壁に取付けられたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の液体処理用フィルタの使用量検知方法及びそれに使用される検知装置の実施形態の一例を、家庭の水道水を浄水器で浄水する場合について詳細に説明する。図1に示す液体処理用フィルタの使用量検知装置は、浄水器(以下、液体処理機1とする)のフィルタ2に水道水(以下、液体とする)を供給する流路3のうち、フィルタ2の手前にダイアフラム方式の圧力センサ4を設けて、その圧力センサ4により流路3内を流れる液体の圧力を容量に変換し、その容量を周波数変換器5により周波数変換し、その周波数に基づいて処理器6によりフィルタ2に流れた液体の流量を算出し、その算出値に基づいてフィルタ2の使用量を検出するようにしてある。
【0011】
圧力センサ4には既存の圧力センサでも新たに開発された圧力センサでも使用可能である。図2に示す圧力センサ4はベース11とシールド12との間にダイアフラム13の周縁部10を挟んで周縁部10を固定し、ダイアフラム13の内側に円板状の可動電極14が配置され、ダイアフラム13の中心部が接着剤16で可動電極14に固定され、その内側に間隔をあけて円板状の固定電極15が配置されている。この圧力センサ4はダイアフラム13が流路3内を流れる液体の圧力を受けると矢印方向に変動し、その変動が可動電極14に伝達され、可動電極14が同方向に変動して固定電極15に近づいたり離れたりして両電極14、15間の距離(ギャップ)が変化し、これにより両電極14、15間の静電容量が変化するようにしてある。また、圧力センサ4はベース11の通孔17が開口されており、その通孔17からダイアフラム13の裏側に大気圧が加圧されるようにした大気開放型にしてある。
【0012】
図2の圧力センサ4は図3のように円筒状のケース21の周壁22に取付けられる。この場合、圧力センサ4の前面外周にパッキン23を被せ、ダイアフラム13をケース21の内側(管路20側)に向けて周壁22に形成されている開口部24の外周の受座25に嵌合し、圧力センサ4の裏側に押さえ板26を被せ、押さえ板26をケース21の周壁22にネジ27で止めて圧力センサ4を周壁22に固定してある。これにより圧力センサ4の前面周縁の液密性を確保し、ダイアフラム13を内側(管路20側)に露出させてある。
【0013】
前記ケース21は図1のように流路3に接続して使用する。流路3内を流れる液体がケース21内を通過すると、ケース21内を通過する液体の液圧Pはパスカルの原理により液体の流れる方向だけでなくケース21の周方向(図1の上下の矢印方向)にも伝達される。このため、ケース21の周壁22に取り付けられている圧力センサ4のダイアフラム13(図2)に液圧が加わり、ダイアフラム13が押されて動き、ダイアフラム13の動きに連動して可動電極14も動き、可動電極14と固定電極15間との間の間隔(ギャップ)が変化して、両電極14、15間の静電容量が変化する。静電容量Cは誘電率をε、電極板の面積をS、両電極14、15間の距離(ギャップ)をdとすると次式の関係になる。
従って、圧力がかかるとダイアフラム13が動き、電極間のギャップdが小さくなり、静電容量Cは大きくなる。圧力センサ4で検出された静電容量は可動電極14、固定電極15から周波数変換器5へ出力される。
【0014】
流路3内を流れる液体の流量(質量)は次式で求められる。
Q=C・ΔP
C:コンダクタンス(比例定数)
ΔP:(P1−P2)の圧力差
C(コンダクタンス)は導管の形状、長さ、流れの乱流、層流、流体の密度、粘性係数等により異なる。また、圧力関係はP1>P2となる。
【0015】
図1の実施形態において前記式により流量Qを求めるためには、フィルタ2の前後の位置の圧力P1、P2を求めなければならない。しかし、フィルタ2の出力後の圧力は大気圧とほぼ同視でき、圧力センサ4は背面側が大気開放型であるため、圧力センサ4はフィルタ2の出力側と背面側との両方から大気圧を受けることになる。このため、両大気圧は相殺され、図1の実施形態ではフィルタ2の後方の圧力P2は測定する必要が無く、フィルタ2の前方に配置した圧力センサ4で流路3内を流れる液体の圧力を測定すれば実質的にはP1−P2を測定したことになる。このため図1の実施形態ではフィルタ2の出力側には圧力センサを設けない。結局、図1ではP1−P2はフィルタ2の入力側に設けた圧力センサ4の静電容量Cとして求められる。
【0016】
圧力センサ4の静電容量Cの変化は極めて微小であるため、そのままでは実用に適しない。そこで本発明ではその静電容量Cを図1の周波数変換器5により周波数変換する。ここで、周波数変換器5の発振周期は次式で表される。
Cは圧力センサの静電容量、Rは周波数変換器(発振回路)中の発振周波数を定める抵抗、VDDは電源電圧、VTHはヒステリシス電圧である。
【0017】
周期Tと周波数fとはf=1/Tの関係にあるため、本発明の周波数変換器5は前記式の周期Tが周波数fとして出力されるようにしてある。周波数変換器5の後の処理器6(図1)はコンピュータ、シーケンサ、ディスプレイ等を備えており、周波数変換器5で得られた周波数fをフィルタに流れた液体の流量に変換して実用に適したデータに加工(処理)するためのものである。そのデータは例えば表示器に入力して、フィルタに流れた液体の積算流量が所定量に近づいた(フィルタの交換時期に近づいた)ことを知らせるフィルタ交換予告信号を出力したり、フィルタに流れた液体の積算流量が所定量になった(フィルタ交換時期になった)ことを知らせるフィルタ交換信号を出力したりする。或いは、それら信号により警告用のLEDを点灯させたり、フィルタの使用経緯(フィルタへの液体の流量経緯)を液晶でアナログ表示させたりすることができる。ちなみに、流量―圧力特性、流量―容量特性、流量―周波数特性の概要は図4(a)(b)(c)のようになる。
【0018】
図1に示す実施形態ではフィルタに流れた液体の流量を検知することができるだけでなく、流路内を流れる液量の過多を検知することもできる。流量過多の場合は圧力センサの容量Cが大きくなり周波数fが低くなる。その周波数から過圧状態であるか否かを検知して、流量調整をすることもできる。
【0019】
(実施形態2)
実施形態1は大気開放型の圧力センサ4をフィルタ2の前にだけ設けた相対式圧力検知方式であるが、本発明は大気遮断型の圧力センサをフィルタの前後に設けて、両センサの測定値の差(P1−P2)を測定する絶対式圧力検知方式とすることもできる。
【0020】
本発明の液体処理用フィルタの使用量検知方法とそれに使用される検知装置は、前記分野に限らず、あらゆる分野に使用され、各種液体処理用フィルタの使用量検知に使用することもできる。
【0021】
【発明の効果】
本件出願の第1の液体処理用フィルタの使用量検知方法は次のような効果がある。
(1)流量をダイアフラム式の圧力センサで静電容量として検知するので、プロペラ式、電磁スイッチ方式のように流路内にプロペラや羽根を設ける必要が無く、プロペラや羽根の汚れがなく、それに起因する細菌の発生も無く、汚れや細菌を洗い流すための面倒や無駄も無く、経済的でもある。
(2)圧力センサがダイアフラム式であるため、プロペラ方式のプロペラのような回転機構や、電磁スイッチ方式の羽根のような可動機構が無く、機械的に破損、磨耗する部分がなく、耐久性に優れ、故障しにくい。このため、長期間に渡ってフィルタに流れる液体の流量を正確に算出して、フィルタの使用量を的確に検知することができ、フィルタの交換管理に適する。
(3)圧力センサを用いて測定を行うため、流路内を流れる液体の過度の圧力を検知することも可能であり、流路内の液体の流れ過ぎを検知して流量調整することができ、フィルタの破損を未然に防ぐことができる。
【0022】
本件出願の第2の液体処理用フィルタの使用量検知装置は次のような効果がある。
(1)流量をダイアフラム式の圧力センサで静電容量として検知するので、プロペラ式、電磁スイッチ方式のように流路内にプロペラや羽根を設ける必要が無く、プロペラや羽根の汚れがなく、それに起因する細菌の発生も無く、汚れや細菌を洗い流すための面倒や無駄も無く、経済的でもある。
(2)圧力センサがダイアフラム式であるため、プロペラ式のプロペラのような回転機構や、電磁スイッチ方式の羽根のような可動機構が無いため、機械的に破損、磨耗する部分がなく、耐久性に優れ、故障しにくい。このため、長期間に渡ってフィルタに流れる液体の流量を正確に算出して、フィルタの交換時期を的確に検知することができる。
(3)圧力センサを用いて測定を行うため、流路内を流れる液体の過度の圧力を検知することも可能であり、流路内の液体の流れ過ぎを検知して流量調整することができ、フィルタの破損を未然に防ぐことができる。
(4)大気開放の圧力センサをフィルタの前にだけ設け、フィルタの後には圧力センサを設けない相対式圧力センサ方式とすれば、流量検知装置が簡素化され、小型、軽量化も可能となり、コストダウンが可能となる。
(5)圧力センサをフィルタの前後に備える絶対式圧力センサ方式を用いた場合には、より精度の高い測定が実現でき、より正確に流量を算出してフィルタの交換時期や寿命を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体処理用フィルタの使用量検知装置の実施形態の一例を示す説明図。
【図2】図1に示す液体処理用フィルタの使用量検知装置における圧力センサの説明図。
【図3】図1に示す液体処理用フィルタの使用量検知装置の圧力センサの組立説明図。
【図4】(a)は流量―圧力特性、(b)は流量―容量特性、(c)は流量―周波数特性の概要を夫々示すグラフ。
【図5】従来のプロペラ式の流量センサを示す説明図。
【図6】従来の電磁スイッチ方式の流量センサを示す説明図。
【符号の説明】
1 液体処理機
2 フィルタ
3 流路
4 圧力センサ
5 周波数変換器
6 処理器
【発明の属する技術分野】
本発明は浄水器、整水器といった水処理機、飲料や液体薬品の製造ラインといった各種液体処理機や液体処理装置で使用されるフィルタの使用量を、フィルタに流れる液体の流量で検知するフィルタの使用量検知方法とそれに使用される検知装置に関するものであり、検知されたフィルタの使用量からフィルタの寿命、交換時期などを知ることができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年は都市部の水質悪化や人々の健康意識の高まり等から、各家庭や会社等では水道水をそのまま飲料水や生活水として用いずに、浄水器で浄水してから使用したり、整水器で水をアルカリ成分と酸性成分とに電気分解してから使用したりすることが多くなっている。例えば浄水器や整水器等の水処理機器には水を濾過するフィルタが使用されている。また、飲料や液体薬品を製造する際にも、浄化用、濾過用等のフィルタが使用されている。これらフィルタは長期間使用すると汚れて浄化機能、濾過機能が低下する(寿命がある)ため、所定の液量を浄化したり濾過したりすると交換する必要がある。交換時期を一律に使用月数で決める方法もあるが、水の使用量(浄水量、濾過量)は家庭や会社などで異なるため、水の使用量を月数で判断したのではフィルタの交換時期を的確に判断できない。そのためフィルタの交換時期を実際の浄水量、濾過量(使用量)によって判断するようになってきた。その判断はフィルタに流れる液体の流量を測定して行われる。このような液体の流量測定方式として従来はプロペラ方式と電磁スイッチ方式とがあった。
【0003】
プロペラ方式は図5のように液体の流路(管路)A内にプロペラ式の流量センサBを設置し、流路A内を流れる液体でプロペラCが回転すると、プロペラCの先に取り付けられている磁石Dが流路Aの外のコイルEと電磁結合してプロペラCの回転数が検知され、その回転数によって液体の流量を検知する方式である。電磁スイッチ方式は図6に示すように流路A内に可動片(羽根)Fを設け、流路A内を流れる液体で羽根Fが動くと羽根Fの先に取り付けてある磁石Gが流路Aの外のコイルHと電磁結合し、その電磁結合の有無から液体の流れの有無を検知する方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプロペラ方式は次のような課題があった。
(1)流路Aに配置した流量センサBが邪魔になり液体の流れが悪くなる。また、流量センサBに汚れがつき易く、細菌が繁殖し易く、衛生上好ましくない。
(2)長期間不使用の場合は細菌が特に繁殖し易いため、使用再開時には液体を流して汚れや細菌を洗い流さなければならず、液体が無駄になり、経済的にも無駄があった。
(3)プロペラの心棒Jが磨耗し、回転が不安定になり、精度の高い測定が難しい。また、センサの寿命が短い。
【0005】
従来の電磁スイッチ方式は次のような課題があった。
(1)液体の流れの有無は検知できるが流量は測定できない。
(2)プロペラ式よりは少ないが、流路A内に配置した羽根Fに汚れがつき易く、細菌が繁殖し易く、衛生上好ましくない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、液体の流量を正確に測定でき、衛生的であり、液体の無駄が無く経済的であり、液体の過圧状態をも検知可能な液体処理用フィルタの使用量検知方法及びそれに使用される検知装置を提供することにある。
【0007】
本件出願の請求項1記載の液体処理用フィルタの使用量検知方法は、液体処理に使用されるフィルタに流れる液体の流量を検知してフィルタの使用量を検知する液体処理用フィルタの使用量検知方法において、流液の圧力をダイアフラム式の圧力センサで静電容量に変換し、その静電容量を周波数に変換し、その周波数からフィルタに流れる液体の流量を検知して、液体処理用フィルタの使用量を検知する方法である。
【0008】
本件出願の請求項2記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置は、液体処理用フィルタの手前に設けてそれらフィルタに流れる液体の流量を静電容量に変換して検知するダイアフラム式の圧力センサと、圧力センサで検知した静電容量を周波数に変換する周波数変換器と、周波数変換器で変換された周波数からフィルタに流れる液体の流量を算出する処理器とを備えたものである。
【0009】
本件出願の請求項3記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置は、請求項2記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置において、ダイアフラム式の圧力センサがダイアフラムを通路の内側に向けて通路の周壁に取付けられたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の液体処理用フィルタの使用量検知方法及びそれに使用される検知装置の実施形態の一例を、家庭の水道水を浄水器で浄水する場合について詳細に説明する。図1に示す液体処理用フィルタの使用量検知装置は、浄水器(以下、液体処理機1とする)のフィルタ2に水道水(以下、液体とする)を供給する流路3のうち、フィルタ2の手前にダイアフラム方式の圧力センサ4を設けて、その圧力センサ4により流路3内を流れる液体の圧力を容量に変換し、その容量を周波数変換器5により周波数変換し、その周波数に基づいて処理器6によりフィルタ2に流れた液体の流量を算出し、その算出値に基づいてフィルタ2の使用量を検出するようにしてある。
【0011】
圧力センサ4には既存の圧力センサでも新たに開発された圧力センサでも使用可能である。図2に示す圧力センサ4はベース11とシールド12との間にダイアフラム13の周縁部10を挟んで周縁部10を固定し、ダイアフラム13の内側に円板状の可動電極14が配置され、ダイアフラム13の中心部が接着剤16で可動電極14に固定され、その内側に間隔をあけて円板状の固定電極15が配置されている。この圧力センサ4はダイアフラム13が流路3内を流れる液体の圧力を受けると矢印方向に変動し、その変動が可動電極14に伝達され、可動電極14が同方向に変動して固定電極15に近づいたり離れたりして両電極14、15間の距離(ギャップ)が変化し、これにより両電極14、15間の静電容量が変化するようにしてある。また、圧力センサ4はベース11の通孔17が開口されており、その通孔17からダイアフラム13の裏側に大気圧が加圧されるようにした大気開放型にしてある。
【0012】
図2の圧力センサ4は図3のように円筒状のケース21の周壁22に取付けられる。この場合、圧力センサ4の前面外周にパッキン23を被せ、ダイアフラム13をケース21の内側(管路20側)に向けて周壁22に形成されている開口部24の外周の受座25に嵌合し、圧力センサ4の裏側に押さえ板26を被せ、押さえ板26をケース21の周壁22にネジ27で止めて圧力センサ4を周壁22に固定してある。これにより圧力センサ4の前面周縁の液密性を確保し、ダイアフラム13を内側(管路20側)に露出させてある。
【0013】
前記ケース21は図1のように流路3に接続して使用する。流路3内を流れる液体がケース21内を通過すると、ケース21内を通過する液体の液圧Pはパスカルの原理により液体の流れる方向だけでなくケース21の周方向(図1の上下の矢印方向)にも伝達される。このため、ケース21の周壁22に取り付けられている圧力センサ4のダイアフラム13(図2)に液圧が加わり、ダイアフラム13が押されて動き、ダイアフラム13の動きに連動して可動電極14も動き、可動電極14と固定電極15間との間の間隔(ギャップ)が変化して、両電極14、15間の静電容量が変化する。静電容量Cは誘電率をε、電極板の面積をS、両電極14、15間の距離(ギャップ)をdとすると次式の関係になる。
従って、圧力がかかるとダイアフラム13が動き、電極間のギャップdが小さくなり、静電容量Cは大きくなる。圧力センサ4で検出された静電容量は可動電極14、固定電極15から周波数変換器5へ出力される。
【0014】
流路3内を流れる液体の流量(質量)は次式で求められる。
Q=C・ΔP
C:コンダクタンス(比例定数)
ΔP:(P1−P2)の圧力差
C(コンダクタンス)は導管の形状、長さ、流れの乱流、層流、流体の密度、粘性係数等により異なる。また、圧力関係はP1>P2となる。
【0015】
図1の実施形態において前記式により流量Qを求めるためには、フィルタ2の前後の位置の圧力P1、P2を求めなければならない。しかし、フィルタ2の出力後の圧力は大気圧とほぼ同視でき、圧力センサ4は背面側が大気開放型であるため、圧力センサ4はフィルタ2の出力側と背面側との両方から大気圧を受けることになる。このため、両大気圧は相殺され、図1の実施形態ではフィルタ2の後方の圧力P2は測定する必要が無く、フィルタ2の前方に配置した圧力センサ4で流路3内を流れる液体の圧力を測定すれば実質的にはP1−P2を測定したことになる。このため図1の実施形態ではフィルタ2の出力側には圧力センサを設けない。結局、図1ではP1−P2はフィルタ2の入力側に設けた圧力センサ4の静電容量Cとして求められる。
【0016】
圧力センサ4の静電容量Cの変化は極めて微小であるため、そのままでは実用に適しない。そこで本発明ではその静電容量Cを図1の周波数変換器5により周波数変換する。ここで、周波数変換器5の発振周期は次式で表される。
Cは圧力センサの静電容量、Rは周波数変換器(発振回路)中の発振周波数を定める抵抗、VDDは電源電圧、VTHはヒステリシス電圧である。
【0017】
周期Tと周波数fとはf=1/Tの関係にあるため、本発明の周波数変換器5は前記式の周期Tが周波数fとして出力されるようにしてある。周波数変換器5の後の処理器6(図1)はコンピュータ、シーケンサ、ディスプレイ等を備えており、周波数変換器5で得られた周波数fをフィルタに流れた液体の流量に変換して実用に適したデータに加工(処理)するためのものである。そのデータは例えば表示器に入力して、フィルタに流れた液体の積算流量が所定量に近づいた(フィルタの交換時期に近づいた)ことを知らせるフィルタ交換予告信号を出力したり、フィルタに流れた液体の積算流量が所定量になった(フィルタ交換時期になった)ことを知らせるフィルタ交換信号を出力したりする。或いは、それら信号により警告用のLEDを点灯させたり、フィルタの使用経緯(フィルタへの液体の流量経緯)を液晶でアナログ表示させたりすることができる。ちなみに、流量―圧力特性、流量―容量特性、流量―周波数特性の概要は図4(a)(b)(c)のようになる。
【0018】
図1に示す実施形態ではフィルタに流れた液体の流量を検知することができるだけでなく、流路内を流れる液量の過多を検知することもできる。流量過多の場合は圧力センサの容量Cが大きくなり周波数fが低くなる。その周波数から過圧状態であるか否かを検知して、流量調整をすることもできる。
【0019】
(実施形態2)
実施形態1は大気開放型の圧力センサ4をフィルタ2の前にだけ設けた相対式圧力検知方式であるが、本発明は大気遮断型の圧力センサをフィルタの前後に設けて、両センサの測定値の差(P1−P2)を測定する絶対式圧力検知方式とすることもできる。
【0020】
本発明の液体処理用フィルタの使用量検知方法とそれに使用される検知装置は、前記分野に限らず、あらゆる分野に使用され、各種液体処理用フィルタの使用量検知に使用することもできる。
【0021】
【発明の効果】
本件出願の第1の液体処理用フィルタの使用量検知方法は次のような効果がある。
(1)流量をダイアフラム式の圧力センサで静電容量として検知するので、プロペラ式、電磁スイッチ方式のように流路内にプロペラや羽根を設ける必要が無く、プロペラや羽根の汚れがなく、それに起因する細菌の発生も無く、汚れや細菌を洗い流すための面倒や無駄も無く、経済的でもある。
(2)圧力センサがダイアフラム式であるため、プロペラ方式のプロペラのような回転機構や、電磁スイッチ方式の羽根のような可動機構が無く、機械的に破損、磨耗する部分がなく、耐久性に優れ、故障しにくい。このため、長期間に渡ってフィルタに流れる液体の流量を正確に算出して、フィルタの使用量を的確に検知することができ、フィルタの交換管理に適する。
(3)圧力センサを用いて測定を行うため、流路内を流れる液体の過度の圧力を検知することも可能であり、流路内の液体の流れ過ぎを検知して流量調整することができ、フィルタの破損を未然に防ぐことができる。
【0022】
本件出願の第2の液体処理用フィルタの使用量検知装置は次のような効果がある。
(1)流量をダイアフラム式の圧力センサで静電容量として検知するので、プロペラ式、電磁スイッチ方式のように流路内にプロペラや羽根を設ける必要が無く、プロペラや羽根の汚れがなく、それに起因する細菌の発生も無く、汚れや細菌を洗い流すための面倒や無駄も無く、経済的でもある。
(2)圧力センサがダイアフラム式であるため、プロペラ式のプロペラのような回転機構や、電磁スイッチ方式の羽根のような可動機構が無いため、機械的に破損、磨耗する部分がなく、耐久性に優れ、故障しにくい。このため、長期間に渡ってフィルタに流れる液体の流量を正確に算出して、フィルタの交換時期を的確に検知することができる。
(3)圧力センサを用いて測定を行うため、流路内を流れる液体の過度の圧力を検知することも可能であり、流路内の液体の流れ過ぎを検知して流量調整することができ、フィルタの破損を未然に防ぐことができる。
(4)大気開放の圧力センサをフィルタの前にだけ設け、フィルタの後には圧力センサを設けない相対式圧力センサ方式とすれば、流量検知装置が簡素化され、小型、軽量化も可能となり、コストダウンが可能となる。
(5)圧力センサをフィルタの前後に備える絶対式圧力センサ方式を用いた場合には、より精度の高い測定が実現でき、より正確に流量を算出してフィルタの交換時期や寿命を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体処理用フィルタの使用量検知装置の実施形態の一例を示す説明図。
【図2】図1に示す液体処理用フィルタの使用量検知装置における圧力センサの説明図。
【図3】図1に示す液体処理用フィルタの使用量検知装置の圧力センサの組立説明図。
【図4】(a)は流量―圧力特性、(b)は流量―容量特性、(c)は流量―周波数特性の概要を夫々示すグラフ。
【図5】従来のプロペラ式の流量センサを示す説明図。
【図6】従来の電磁スイッチ方式の流量センサを示す説明図。
【符号の説明】
1 液体処理機
2 フィルタ
3 流路
4 圧力センサ
5 周波数変換器
6 処理器
Claims (3)
- 液体処理用フィルタに流れる液体の流量を測定してフィルタの使用量を検知する液体処理用フィルタの使用量検知方法において、フィルタに流れる液体の圧力をダイアフラム式の圧力センサで静電容量に変換し、その静電容量を周波数に変換し、その周波数からフィルタに流れる液体の流量を検知して、フィルタの使用量を検知することを特徴とする液体処理用フィルタの使用量検知方法。
- 液体処理用フィルタの手前に設けて、フィルタに流れる液体の流量を静電容量に変換して検知するダイアフラム式の圧力センサと、圧力センサの静電容量を周波数に変換する周波数変換器と、周波数変換器で変換された周波数からフィルタに流れる液体の流量を算出する処理器とを備えたことを特徴とする液体処理用フィルタの使用量検知装置。
- 請求項2記載の液体処理用フィルタの使用量検知装置において、ダイアフラム式の圧力センサがダイアフラムを通路の内側に向けて通路の周壁に取付けられたことを特徴とする液体処理用フィルタの使用量検知装置。
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---|---|---|---|
JP2002212919A JP2004053479A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | 液体処理用フィルタの使用量検知方法とそれに使用される検知装置 |
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Publications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012026315A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Keihin Corp | フィルタ診断装置 |
JP2015212175A (ja) * | 2007-09-06 | 2015-11-26 | デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ | 製品ディスペンサシステム |
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2002
- 2002-07-22 JP JP2002212919A patent/JP2004053479A/ja active Pending
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JP2017214153A (ja) * | 2007-09-06 | 2017-12-07 | デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ | 製品ディスペンサシステム |
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