JP2004052896A - シリンダ内圧負荷テスト方法及びその方法を用いたガスケット開発業務の最適化システム - Google Patents
シリンダ内圧負荷テスト方法及びその方法を用いたガスケット開発業務の最適化システム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】基本設計段階で暫定試作ガスケット(1)を作成し、該暫定試作ガスケットにギャップセンサ(9)を埋め込んでエンジンに装着し、シリンダブロック(4)の内壁最上部に歪み測定ゲージ(5)を装着し、該エンジンのピストンを駆動させることなくシリンダ内を加圧する手段(6)を接続し、該シリンダ内圧の変化状況を示す測定データをコンピュータ制御の下で採集し且つ該採集されたデータに基づいて前記暫定試作ガスケット(1)の挙動を確認し、最適化した有限要素モデルを用いて、該暫定試作ガスケットのガスシール部における初期応力の仕様に対し実際のシリンダヘッドの剛性を加味して、本番のガスケットを最適設計する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダヘッドガスケットの得意先要求性能の向上、開発期間の短縮、並びにコスト低減に関して新規な測定解析技術を用いた、効率の良い開発手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの技術分野における一般的な開発手法は、下記に示すような手順に従っている。〔図1参照〕。
1)得意先からの、設計要求を受ける。
2)基本設計(従来の設計事例をもとに、基本仕様を設定)をする。
3)試作をする。
4)静的テスト(締め付け時の面圧測定、加圧シールテスト等)を行う。
5)エンジンテスト(得意先指定の運転条件で)を行う。
6)上記4)の動的テストの結果を、2)の基本設計へフィードバックする。
7)上記5)のエンジンテストの結果を更に、2)の基本設計へフィードバックする。
【0003】
特に、シリンダヘッドガスケットの場合は、エンジンを構成する各種要素部品の中でも、部品単体でのテスト評価に限りがあり、エンジン運転テストによる評価は不可欠とされている。以上のような手順を踏むシリンダヘッドガスケットの開発には、多大な工数と費用が掛かっている。
【0004】
このような従来技術の例は、例えば、山海堂出版発行“エンジンテクノロジー誌” Vol.2, No.3, P.82〜89、エンジン要素技術講座、宇田川恒和著「内燃機関用シリンダヘッドガスケット」に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術において、特にエンジンテスト時に発生する様々なシール環境の変化を、従来の静的評価ではシミュレーションし切れないため、基本設計へフィードバックして設計仕様の見直し(再設計)を行う必要に迫られる。
【0006】
このような上記4)の静的テストからフィードバックによる見直し(再設計)のサイクルを、複数回繰り返さなければならないケースがしばしば発生した。これでは、時間、経費の損失が大である。
【0007】
又、上記5)のエンジンテストの結果に従って、基本設計へフィードバックすることは日常茶飯事であるにも拘わらず、エンジンの運転条件が必ずしもシリンダヘッドガスケットに適した条件ではない場合があり、エンジンテストに合格しても、その後市場に於いて不具合が生じるような非常事態の発生もありえた。
【0008】
要するに、シリンダヘッドガスケットの開発過程に於ける不具合点の改良は、ともすると他箇所の不具合を誘発する場合があり、基本設計にまで遡った改良を繰り返すことを余儀なくされることが多かった。
【0009】
すなわち、シリンダヘッドガスケットの新規開発の場合の要求機能として、シリンダ周りの燃焼ガスシール、更にその外周部に点在する冷却水孔、潤滑油孔における洩れを防止するためのシール機能がある。その場合に、燃焼ガスに対するシール条件は、ガス圧力がその他の冷却水、潤滑油に比べて非常に高く、シール不良によるエンジン性能への影響も極めて大きいために、ガスケットの設計におけるシール応力の配分が第一位的に扱われる。
【0010】
又、シリンダヘッドガスケットの総締結力には既定値としての限界がある。第一位的に扱われずに残された、冷却水、潤滑油シール部のシール応力は、限られた総締結力の中で、ガスシール部応力とのバランスの中で配分を決定することになる。したがって、ガスシール部応力が過大となれば、冷却水、潤滑油シール部応力は不足となり洩れが発生する。その逆の場合もある。
【0011】
この限られた締結力の中で、各シール応力のバランスを最適化する手法としては、現在一般的にはシリンダヘッドと、ブロック単体との間にシリンダヘッドガスケットと感圧紙とを挟んで締め付けて、個々のシール応力を確認することが行なわれているが、実際にはこれだけでは不十分である。
【0012】
即ち、エンジン運転テストにおいては、シリンダの燃焼ガス圧力、熱応力の影響、及びガスケット自身の特性変化を受け、シリンダヘッドガスケット締結時の各部のシール応力のバランスが変化するからである。したがって、エンジン運転テストに至って初めて多くの不具合が発生し、設計へのフィードバックを繰り返すことを余儀なくされるのが実状である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
設計、及びエンジンのテスト段階において、特に初期段階における設計レベル及びエンジンテストレベルを高めることにより、システム全体での、開発工数、日程、経費の削減を目指すことにする。
【0014】
具体的には、初期の基本設計時に、簡易試作モデルによる静的評価結果と、CAE(Computer Aided Engineering)によるエンジンテスト状況のシミュレーションを同時に実施し、ガスケット設計上、特に重要なガスシール性能設計の精度向上に注力する。即ち、前記2)の基本設計段階において、従来は段階3)及び段階4)で実施されていたエンジンテストシミュレーションを、段階2)の基本設計段階において併せて行い、テスト後の設計改良フィードバック処理の削減を図る。〔図2参照〕。
【0015】
【発明の実施の形態】
(シリンダヘッドガスケット)
一般的に言うと、ガスケットは変形しにくい材料で作られた一種のパッキンを指し、固定された部品間の内圧を保持するように結合するために使用される。特に内燃機関(エンジン)において、シリンダ室の端末に隣接するシリンダヘッド(頭部)とシリンダブロックとの間のガス洩れを防止するための部材であるシリンダヘッドガスケットが、本発明の適用対象である。
【0016】
【実施例】
本発明のシリンダヘッドガスケットの実施例の概要を、前述の従来技術と対比して示すことにする。
【0017】
図2に示すように、図1に示した従来技術の段階2)の基本設計において、段階3)、4)及び5)の流れで実施されるエンジンテストシミュレーションを盛り込んだ設計を、本発明では段階2)の基本設計の中で行い、テスト後の設計への改良フィードバック処理を削減する。
【0018】
その基本設計の段階で盛り込むべき具体的な処理ステップは、下記の◎〜▲6▼を含む。
◎事前準備:
▲1▼シリンダ内圧負荷テスト:
▲2▼CAE解析:
▲3▼ビードシール限界確認テスト:
▲4▼ヘッド・ブロック挙動限界確認テスト:
▲5▼ヘッド・ブロック挙動変化解析テスト:
▲6▼シリンダヘッドガスケット評価用エンジン運転テスト:
【0019】
以下に各テスト手法、設計手法を具体的に示す。
◎ 事前準備〔図3参照〕:
1)準備段階として、先ずガスケットのモデルの試作を行う。これは、簡易的に暫定試作ガスケット1を作成することである。
【0020】
それと同時に、そのモデルをベースにCAE解析用有限要素法モデルも作成する。これは、ガスケットの本体シート及びガスシール部応力を形成するシム部を、6面体の要素の集合体に分割し、同時に接触するシリンダブロックとシリンダヘッドも同様に分割するモデルを作成することである。6面体要素に対して、4面体要素を用いてもモデル作成は可能であるが、計算結果の精度が劣るため、6面体要素の方が好ましい。
【0021】
2)暫定試作ガスケット1の試作用に、本体シート部に相当するシリンダ部の孔加工以外には何の孔加工をしていない金属板を用意する。この金属板の厚さは例えば0.5mm〜1.5mm程度のものとする。そして、更にシリンダ孔の淵部に設置するための、例えば幅3mm、厚さ0.05mm〜0.20mmのシム(例えば金属薄板)2を用意する。それらの具体例は、図3に例示したので参照されたい。
【0022】
3)実際のエンジンのシリンダヘッド3とシリンダブロック4との間に、上記の暫定試作ガスケット1を装着する。
【0023】
4)シリンダブロック4のシリンダ壁の最上位部で、且つガスケットが装着される直下の部分(注:シリンダ内のピストンの上死点に近い部分、機種によっては上死点より若干下の位置になるものもある)に、シリンダ壁の縦方向の圧縮応力を測定するための、歪み測定ゲージ(ストレインゲージ)5を装着しておく。この歪みゲージは、1シリンダ内に周方向に最低でも4方向に(90°間隔で)、多い場合には16方向に(15°間隔で)装着する。〔図3参照〕
【0024】
このように歪みゲージ5を配置する理由は、図6に示すようにシリンダの上端部において、ガスケットのガスシール部応力の変化を最も顕著に捉えられることと、方向によって差があることと、が解析の結果判明したからである。
【0025】
5)加圧口6からシリンダ内に、窒素ガス若しくは他の圧力媒体(オイル等)を注入する。
【0026】
6)シリンダ内に装着するピストンとしては、シリンダを加圧したときに圧力が逃げないようにするために、洩れ止めを施した特殊ピストン7を固定装着しておく(シリンダ内の加圧は、ピストンの運動によらないため、動かないように固定する)。
【0027】
▲1▼ シリンダ内圧負荷テスト:
1)上記の準備が完了した後に、静的内圧負荷テストに移行する。
シリンダ内をN2ガスで最大20MPm加圧し、シリンダ壁の歪みの変化により、ガスリーク限界圧力(シール限界)を把握するようにする。
【0028】
シリンダに内圧を与えるための加圧は、シリンダヘッド側の燃料噴射ノズル孔、若しくは点火栓孔8を通じて、加圧口6により行う〔図3参照〕。シリンダヘッド3の吸気、排気バルブは固定して圧力が逃げないようにすることは勿論のことである。
【0029】
2)次に、上記の暫定試作ガスケット1を間に挟んだシリンダヘッド3を、規定の締め付け加重で、シリンダブロック4に締め付ける。
【0030】
3)この締め付けにより、シリンダ壁の縦方向の応力を受けて、歪み測定ゲージ5に圧縮歪みが発生する。この時点での、各歪みゲージ測定点の圧縮歪みをゼロ点として、更に内圧を加えて行く。〔図7参照〕
【0031】
4)シリンダ内圧の上昇に伴つて、前記の歪みの値が変化して行く。即ち、初期発生していた圧縮歪みが、内圧によるシリンダヘッドの持ち上がりにより、減少して行く。例えば、図5のグラフに示すように、最初は右下がりの曲線が描かれて行く。
【0032】
ここで注目すべきことは、この歪みの変化は、各測定点(12時、3時、6時、9時)で異なるという事実である。即ち、シリンダヘッドの剛性の低い箇所ではシリンダ内圧に対して容易にヘッドが持ち上がつたり、曲がったりするなどして、直下のシリンダ歪みが大きく変化する。
【0033】
このため、ガスケットにしてみれば、当然にその部分のガスシール応力が大きく低下する訳けであり、その傾向がこのグラフから読み取れることになる。
【0034】
5)更に内圧を上昇させ続けて行くと、遂にガスケットの接面から洩れが発生し始める。その洩れ状態は、前記の歪みグラフにおける上昇傾向の鈍化から読み取ることが出来る。
【0035】
即ち、ガス洩れが始まると、右下がりのグラフが逆に右上がりに変化することから(図5のグラフの右部参照)、このような洩れの発生傾向が判明する。本件発明者の考察では、このような現象が起きる原因は、ガスが洩れ始めるとガスケットの接面(シリンダヘッド面、若しくはシリンダブロック面)との間に、ガスが介在して来ることにより、ヘッドの持ち上がり、それまで圧縮歪みが減少していたものが再び介在してくるガスの圧力により、ガスケット側からシリンダ壁が押されることになり、このために、シリンダ壁の圧縮歪みが反転して増大するに至るものと解析している。
【0036】
6)したがって、各部の歪みグラフの観察を続けていると、どの箇所から洩れが発生してくるかを判定することが可能となる。
【0037】
図5において、上側のΔマーク破線は270°方向の歪み測定ゲージ5の測定値の変化を示し、下側の□マーク実線は0°方向の歪み測定ゲージ5の測定値の変化を示す。図中の□、Δ、◇マーク及びその左側の縦軸に示された時間表示は、歪み測定ゲージの取り付け位置との関係を示すものであって、12時は0°方向、3時は90°方向、6時は180°方向、9時は270°方向を意味する。
【0038】
図5に示す内圧負荷テスト時の歪み変化において、ガスリーク時に見られる歪みの減少から増大への変化を検出するために、歪み測定ゲージ5の出力をコンピュータへ送って解析し、グラフの変曲点よりその時の最大シール圧力値を読み取ることが可能である。
【0039】
なお、図5では上記の変化をコンピュータのモニタに表示された例として挙げたが、プリンタで打ち出すなど、シリンダ内圧の変化状況を追跡できる手段であれば、何であっても良い。
【0040】
7)これにより、シリンダヘッド剛性の影響が必然的に解析されるために、燃焼ガス圧力に対する、一層精度の高いガスシール部シール応力分布を設計することが可能となる。
【0041】
また、このテスト結果を基にして、次のCAE(Computer Aided Engineering)解析(有限要素法)のモデルの検証、改良を行う。
【0042】
▲2▼ CAE ( Computer Aided Engineering ) によるガスケット応力解析:
上記のシリンダ内圧負荷テストの結果をうけて、次の展開を行う。
【0043】
このCAE(Computer Aided Engineering)解析(有限要素法)ソフトとしては、例えばMSC社から市販されている「Marc」(登録商標)と言う名称のソフトを利用するが、他の類似ソフトを利用しても良い。
【0044】
1)先ず、CAEによるガスケット応力解析のベースとなる有限要素法のモデルを修正する。この有限要素法による応力解析の最終的な目的は、エンジン運転状態を想定した、内圧とエンジン各部の熱応力の変化によるガスケットのガスシール部応力の変化の解析にある。
【0045】
2)この場合、熱が加わる前の応力解析が正確におこなわれることが前提条件となるため、▲1▼のシリンダ内圧負荷テストの結果(実測データ)に合うようにモデルの修正(メッシュモデル及び各種拘束、外力負荷条件など)を行う必要がある。これがCAEにおける有限要素法モデルの検証である。
【0046】
応力解析結果として検証する部分は、ガスシール応力を形成している3mm前後のシリンダ淵部〔図6参照〕のシリンダヘッド、ガスケット、シリンダブロックのみとする(他の部分までも、テスト結果と計算結果とを合わせるのは非常に困難であるためである)。
【0047】
3)検証すべき応力は、締め付け時、内圧負荷時、とに総別し、内圧負荷時における変化の計算値と前記内圧負荷テストの結果(実測値)とを対比させる。その対比の具体例を図7に示す。
【0048】
図7において、ガスシールの3時方向の歪みの実測値と計算値は、最初略一致していたものの内圧が高まると実測値の歪みの方が小さくなるように変化し両者の差が大きくなることと、ガスシールの12時方向の歪みの実測値は、計算値の変化に対して「付かず離れず」の変化をするここと、を例示している。 特に、上記のような3時方向の場合には、更に有限要素法の精度を上げて実測値に近づけるのが、より望ましいとも言える。
【0049】
4)以上のCAE計算結果と、前記のシリンダ内圧負荷テストとが終了したこの段階で、エンジン側の特にシリンダヘッドの剛性解析を行う。即ち、シリンダヘッドのどの部分がどういう条件(内圧、熱)により、どのように変化するかを予測する。そしてこの予測結果から、ガスケットの本格的な設計に移行する。
【0050】
本格的な設計は、内圧+熱負荷時のガスシール部応力の予測結果に対して、特に過小又は過大になる部分に関して、初期のガスシール部応力を逆に大きく又は小さく設定する。具体的には、シムの厚さを部分的に厚く又は薄くすることにより、初期における当該部のシール応力を大きく又は小さくして、運転時のガスシール部の各部のシール応力を、できる限り均一化する設計行う。更に、これまでは考慮されていなかった、水・油シール孔部のシール応力を考慮して、当該部のビードの設計を追加し、ガスケット全体の設計を完成させる。
【0051】
この移行設計の基本は、エンジン運転時におけるガスシール部応力の最適化である。また、ガスシール部以外のシール部の設計も全て行う。
【0052】
5)上記の移行設計をもとに、正式なガスケットの試作を行う。
正式なシリンダヘッドガスケットの試作は、ガスケットの構造により夫々異なるが、例えば最適化したガスシール部応力を再現したガスシール部シムをプレス成形し、ガスケット本体に嵌合する。次に、ビードを本体シート部にプレス成形し、水・油シール部応力を形成する。最後にガスケット本体表面にゴム塗料をコーティングして、完成させる。
【0053】
▲3▼ ビードシール限界確認テスト:
エンジン運転テスト時と同様な振動、振幅条件をフランジ面に与え、且つ冷却水、潤滑油を循環させることで、ガスケット冷却水、潤滑油孔ビード部のシール限界及び最適ビード形状の設計が可能となる。 具体的には、面あらさ、最大振幅、周波数、を変数として、ビードシール部の振動シール性能の限界を確認する。
【0054】
その実際例の一端を図8に例示する。図8の(a)は、初期シール応力に対して、最大許容シール振幅と洩れ発生までの回数を表したグラフである。例えば、ガスケツト#1の場合、初期シール応力が20N/mmであれば、最大全振幅0.008mm=8μm(±0.004mm)において102回で洩れが発生するが、初期シール応力を50N/mmに増大した場合には、最大全振幅8〜12μmでは洩れず、16μmにおいて104回で初めて洩れが発生する。更に、初期に応力を100N/mmとした場合には、全振幅を20μmに増大しても106回で初めて洩れが発生することを示す。
【0055】
図8の(b)は、フランジ面のあらさに対して、最大許容シール振幅を、洩れ発生までの回数で表したものである。例えばガスケット#1の場合、初期シール応力が20N/mmでは面あらさが6μmの時には最大全振幅が8μmで106回まではシール可能であるが、面あらさが18μmになると、最大全振幅が8μmでは102回で洩れが発生すること、初期シール応力が50N/mmになると、面あらさが6μmの時に最大全振幅が16μmで106回までシールが可能であるが、面あらさが18μmになると最大全振幅が12μmで106回で洩れが発生することを示す。
【0056】
▲4▼ ヘッド・ブロック挙動限界確認テスト:
1)テスト用の暫定試作ガスケット1に複数個のギャップセンサ9を埋め込んで取り付ける(図3参照)。これはテスト用のガスケットを装着しての運転時に、シリンダヘッド3とシリンダブロック4とがどのような振動、振幅を発生しているかを測定するためのセンサである。〔図3参照〕
【0057】
このギャップセンサ9の出力は、プロテクションパイプ9bで保護されたリード線9aを介して外部に導出されるが、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間のガス洩れの原因とならないように、ガスケット1の内部に埋め込まれている。〔図4に拡大して示す〕。そして、通常は複数個(4個から16個位)を任意の場所に装着するが、基本的には、シリンダ爆発時の影響をより受けやすいとされる、前記シリンダヘッド3の剛性の低い箇所を中心とした、ガスシール部外周部と、その近傍の水、油シール部の外周に装着して、そこを重点的に測定する。
【0058】
2)エンジンの運転条件としては、シリンダの内圧が最大および最小になる条件下で行う。
【0059】
最小になる条件は、▲3▼のビードシール限界確認テスト時に最大との変化の幅を条件設定するために必要である。運転時間、測定タイミングはエンジンならし運転後の短時間とする。
【0060】
3)この振動振幅の測定結果から、今一度CAE解析結果の検証をしておき、大きく計算結果と隔たりが有る場合には、テストデータを優先して有限要素法モデルの再修正を行う。
【0061】
4)更に、従来の振動振幅実績データとの比較によるシール性良否の判断(振幅がシール実績の有る物よりも大きいか、小さいか)を行う。問題あり(差が大き過ぎる)とされた場合には、ガスシール部の基本設計を修正する。
【0062】
5)又、水、油シール部の外周の振幅値は、▲3▼のビードシール限界確認テスト結果ヘフィードバックする。
【0063】
6)▲3▼のビードシール限界確認テストは、油圧式疲労テスト機の上下クロスヘッドフランジ部をガスケットの、特に、水、油シール部を装着して温度を加えた水、油の循環シールテストが行なえるように、予め改造した設備で実施する。
【0064】
このテストは、先ずガスケットの基本設計時に設定した水、油シール部構造による限界シール振幅(いくつの振幅までならばシールが可能か)を確認し、次に、▲4▼のヘッド・ブロック挙動限界確認テストで得られた振幅数値との対比を行う。
【0065】
7)その結果、▲4▼のヘッド・ブロック挙動限界確認テストで得られた振幅数値の方が限界シール振幅よりも大きい場合には、水、油シール部の基本設計を修正する。再度修正された条件のもとで、水、油シール部ビード構造での限界シール振幅を確認する。図7参照。
【0066】
8)そして、ガスシール部設計の見直しが実施されていた場合には、この確認と同時に、▲4▼のヘッドブロック挙動限界確認テストを、再度実施した後の振動振幅条件を適用する。
【0067】
9)このようにして、ガスケットの基本設計の見直しをおこなった後に、ガスケットの耐久テストを実施する。
【0068】
▲5▼ ヘッド・ブロック挙動変化解析テスト:
1)前記のギャップセンサー9による、ヘッド・ブロック間挙動測定テストにおいて、シリンダヘッド3とシリンダブロック4との間の振動、振幅は、ガスケット、エンジンのクリープ、歪み変化、に応じて経時変化することに着目してその傾向を捉えることにより、ガスケットの長期シール性能を短時間にで予測することが出来る。
【0069】
2)図10において、「黒四角」でプロットされたガスケット#2を示す下側の線が経時変化としては略一定に推移するのに対して、◇でプロットされたガスケット#1を示す上側の線は、時間の経過と共に振幅拡大の方向に進行することが観察される。これは、ガスケットのヘタリによる挙動の変化に起因するものであり、このような挙動の経時変化から耐久性を読み取ることが出来る。
【0070】
この経時変化をコンピュータで読み取って、設計変更の必要の有無を判断させる。
【0071】
▲6▼ シリンダヘッドガスケット評価用エンジン運転テスト:
1)ガスケットの評価は、長時間の耐久テストによって決定されるのではなく、短時間の特性テストによって決定される。そして、その特性テストは、▲5▼のヘッド・ブロック挙動経時変化解析テストとして実施して、その中で耐久条件、シール性の良否判断を行う。▲5▼のヘッド・ブロック挙動経時変化解析テストは、基本的には▲4▼のヘッド・ブロック挙動限界確認テストの延長で測定されるガスケット各部の振動振幅値の経時変化を解析することが目的である。
【0072】
2)シリンダヘッドガスケット評価用運転テスト条件は、ガスケットに対して影響すると考えられるエンジンに加わる負荷が最大に変化するように条件設定を行うものである。この場合、エンジン毎に条件は異なるが、基本的には、爆発圧力の最大最小と、エンジン水温の最大最小が形成される条件とを設定して、それらの組み合わせとする。
【0073】
例えば、シリンダ最大爆発圧力が発生する最低のエンジン回転数と、最大のエンジン回転数並びに停止時の強制冷却を加味したサイクルを組み合わせる。
【0074】
3)このテストを行う際に、▲6▼のシリンダヘッドガスケット評価用運転テスト条件で定めた条件で運転された振動振幅値を採用するのが望ましいが、必ずしもこの条件でなくてはならない訳ではない。
【0075】
4)前述の▲5▼のヘッド・ブロック挙動経時変化解析テストは、予め大きな振動振幅値を示す測定箇所2点以上に着目し、それぞれの振動振幅を、例えば最初は5分間隔で、30分経過後から次第に時間間隔を長くして、例えば12、000分程度まで測定しながらグラフを作成する。このグラフは、例えばモニタ画面で、又はプリンタで打ち出すなどの手段により監視する〔図10参照〕。
【0076】
5)このグラフの読み方は任意であるが、数値が大きく拡大していく傾向を有する場合には、最低24時間以上のサンプリングを継続して行い、その後振幅が拡大するかどうかを見極める。その際、予め設定した許容限界数値(経験値、▲3▼のビードシール限界確認テストの結果など)に対して、大きくなると判断されるならば、テストをその時点で中止し、ガスケットの改良を行う。
【0077】
6)又、振動振幅測定結果に増大の傾向が見られず、安定している(減少する場合もある)と判断された場合にも、最低24時間以上のサンプリングを継続して、その継続後の時点でも変化の兆候が見られなければ、その時点で中止することも可能である。
【0078】
7)傾向を判断する基準としては、特別な規定はないが、連続して5点以上は同一傾向を示していることが望ましい。
【0079】
【発明の効果】
1)本発明に従えば、初期締め付け時のシール応力を設計し、それに基づいてシリンダヘッドの剛性を加味した設計が可能になる。
【0080】
2)更に、CAEを用いることにより、最も重要な有限要素法のモデルの最適化を行うためのデータが合わせて得られる。
【0081】
3)上記の2つの効果が併せて得られることにより、通常のテストでは得られないデータが得られることになり、締め付け後の運転時のシール応力解析の精度が大幅に向上する。
【0082】
4)これらの解析テストによる結果が「相乗効果」を奏して、設計品質を大幅に高める。
【0083】
5)本発明の効率の良い開発手法により、全体の開発工数の概略的に30%程度は低減するという格別な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術に係わる、シリンダヘッドガスケットの開発手法を示す図である。
【図2】本発明に係わる、シリンダヘッドガスケットの開発手法を示す図である。
【図3】本発明を実施するための事前準備を示す図であり、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に、本発明の一部に係わる暫定試作ガスケットを配置し、更にガスシール部シム、ギャップセンサ、歪み測定ゲージの配置関係を例示している。
【図4】暫定試作ガスケットに埋め込まれたギャップセンサを示す部分拡大図である。
【図5】シリンダ内圧の変化に伴う、シール荷重の低下率を示すグラフである。
【図6】シリンダ内における高圧力部を示す図である。
【図7】締め付け時から始まって内圧を徐々に増加させた場合の、計算上の歪の変化状況と、内圧負荷テスト上の実測歪の変化状況とを対比して示すグラフである。
【図8】複数のガスケット#1〜#3に対して行った、ビードシール限界テストを示すグラフであって、図8の(a)は種々の面あらさを有するガスケットに対して、締め付け時のシール部応力を変更した場合の、最大振幅の変動を示すグラフであり、(b)は種々の初期負荷を与えた場合の、面あらさと最大振幅の変動を示すグラフである。
【図9】ヘッド・プロックの挙動波形(振幅/変位)を示す図である。
【図10】ガスケット挙動の、へたりによる経時変化から、そのガスケットの耐久性を読み取ることを示す図である。
【符号の説明】
1 暫定試作ガスケット
2 ガスシール部シム
3 シリンダヘッド
4 シリンダブロック
5 歪み測定ゲージ
6 加圧口
7 特殊ピストン
8 点火栓孔
9 ギャップセンサ
9a リード線
9b リード線プロテクションパイプ
Claims (3)
- シリンダヘッドガスケットの暫定試作ガスケットを予備的に作成し、該暫定試作ガスケットを実物エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟んで装着し、該暫定試作ガスケットが装着されたシリンダブロックに対して、そのピストンを駆動させることなくシリンダ内を加圧する手段を接続し、該シリンダの内圧の変化状況を示す測定データをコンピュータ制御の下で採集し且つ該採集されたデータの変遷を追跡しうるようにして、該データの変遷に基づいて前記暫定試作ガスケットの挙動を確認することを特徴とするシリンダ内圧負荷テスト方法。
- シリンダヘッドガスケットの暫定試作ガスケットを予備的に作成し、該暫定試作ガスケットを実物エンジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟んで装着し、該暫定試作ガスケットが装着されたシリンダブロックに対して、そのピストンを駆動させることなくシリンダ内を加圧する手段を接続し、該シリンダの内圧の変化状況を示す測定データをコンピュータ制御の下で採集し且つ該採集されたデータの変遷を追跡しうるようにして、該データの変遷に基づいて前記暫定試作ガスケットの挙動を確認すると共に、最適化した有限要素モデルを用いて、該暫定試作品のガスシール部における初期応力の仕様に、実際のシリンダヘッドの剛性を加味して、本番のガスケットを最適設計することを特徴とするガスケットの設計方法。
- シリンダヘッドガスケットの暫定試作品である暫定試作ガスケットと、シリンダ内圧負荷テスト用モデルとによりガスケットの基本設計を行い、更にヘッド・ブロック挙動確認テストによる、シリンダヘッド・シリンダブロック間挙動の波形振幅の測定、及びその波形振幅とに基づく、ビード限界値確認テストとを組み合わせることにより初期設計評価を行い、更にその波形振幅の経時変化をコンピュータ解析することにより、ガスケットの総合性能評価を短時間で可能にするシリンダヘッドガスケットの開発業務の最適化システム。
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