JP2004052713A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直列接続された2つの燃料ポンプの一方が停止した場合であれ、ベーパロック現象の発生を抑制して、内燃機関に対するより安定した燃料の供給を可能とする内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】この装置は、第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25といった直列に接続された2つの燃料ポンプを備える。これら燃料ポンプ24,25を通じて燃料タンク21から吸引、圧送される燃料(液化石油ガス)が燃料噴射機構18を介して内燃機関10に噴射供給される。第1の燃料ポンプ24と第2の燃料ポンプ25とを連通する燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなるとき、第1の燃料ポンプ24をバイパスして、燃料タンク21内の燃料を第2の燃料ポンプ25に供給する。
【選択図】 図2
【解決手段】この装置は、第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25といった直列に接続された2つの燃料ポンプを備える。これら燃料ポンプ24,25を通じて燃料タンク21から吸引、圧送される燃料(液化石油ガス)が燃料噴射機構18を介して内燃機関10に噴射供給される。第1の燃料ポンプ24と第2の燃料ポンプ25とを連通する燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなるとき、第1の燃料ポンプ24をバイパスして、燃料タンク21内の燃料を第2の燃料ポンプ25に供給する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として例えば液化石油ガス(LPG)等を用いる車載内燃機関に採用して好適な内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば上記液化石油ガス(LPG)は、標準状態で気体であるため、通常は、加圧された飽和状態で燃料タンク内に収容されている。そして、内燃機関への燃料供給に際しては、この燃料タンク内の液相が燃料ポンプにより加圧されてデリバリパイプに圧送され、該デリバリパイプに設けられた燃料噴射弁から液体燃料として内燃機関に噴射供給される。
【0003】
ただし、こうした燃料供給装置にあっては、上記飽和状態の飽和液を上記燃料ポンプで吸引することに起因して燃料圧力が低下し、気化が発生することがある。そして、このような気化は、燃料ポンプのベーパロック現象を引き起こし、同ポンプによる加圧を不能とする。ちなみに、このような現象は、燃料ポンプ入り口での圧力低下が大きいほど発生しやすいため、通常は、燃料ポンプを燃料タンク内に設置することで、すなわち燃料タンクの液相から燃料ポンプ入り口までの距離を短縮することで、上記ポンプの吸引に起因する圧力損失を最小限に抑えている。
【0004】
また近年は、例えば特開2001−349256号公報等にみられるように、燃料タンク内に設けた第1の燃料ポンプと燃料タンク外に設けた第2の燃料ポンプとを直列に接続し、その燃料経路を工夫することによって、燃料配管内におけるベーパ化(気化)を抑制する提案などもなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に記載の装置のように、2つの燃料ポンプを直列に設けることは、ポンプ能力の設定や燃料経路設計についての自由度が増し、またベーパ化抑制のためにも確かに有効ではある。しかしこの場合であれ、特に燃料タンク内に設けられる第1の燃料ポンプが故障等によって停止するようなことがあると、新たに次のような不都合が生じることともなる。
【0006】
すなわち、こうして第1の燃料ポンプの作動が停止される場合、これに直列に接続された第2の燃料ポンプのみによって、上記デリバリパイプへの燃料圧送が行われることとなるが、この第2の燃料ポンプによる燃料の吸引は、常に、上記停止された第1の燃料ポンプを経由して行われる。このため、燃料の流動抵抗が増大し、第2の燃料ポンプでは、その入り口での圧力低下に起因して、上述したベーパロック現象を引き起こすようになる。そして、こうして第2の燃料ポンプにベーパロック現象が起こると、上記デリバリパイプへの燃料圧送自体が不能となり、ひいてはこれを搭載する車両の自走も困難となる。
【0007】
また、上記燃料タンク内に設けられた燃料ポンプ(第1の燃料ポンプ)が停止した場合、その修理、交換等に際しては、燃料タンクを分解する必要があるが、上記燃料が特に上述した液化石油ガス(LPG)などである場合には、更に次のような不都合も無視できないものとなる。
【0008】
すなわち、液化石油ガス(LPG)などは、これが収容されている燃料タンクを開放すると気化して大気に放出されるため、該燃料タンクを分解する場合には、予め燃料を抜いておく必要がある。そのため、上記燃料ポンプを修理、交換等する場合には必然的に、上記燃料タンクに収容されている燃料を抜くための設備を備えた、いわば特殊な修理施設に車両を運搬する必要があり、そのための時間やコストの増大も避けられない。
【0009】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、直列接続された2つの燃料ポンプの一方が停止した場合であれ、ベーパロック現象の発生を抑制して、内燃機関に対するより安定した燃料の供給を可能とする内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に記載の発明は、第1の燃料ポンプと第2の燃料ポンプとが直列に接続され、これら第1及び第2の燃料ポンプを通じて燃料タンクから吸引、圧送される燃料を燃料噴射機構を介して車載内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置であって、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記第1の燃料ポンプによる燃料圧送能力に見合わない所定圧力未満となるとき、前記第1の燃料ポンプをバイパスして前記燃料タンク内の燃料を前記第2の燃料ポンプに供給するバイパス手段を備えることをその要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、第2の燃料ポンプのみによって内燃機関に燃料を供給する事態に陥った場合であっても、燃料通路内の燃料圧力が上記所定圧力未満になったことをもって、燃料タンク内の燃料が第1の燃料ポンプを経由することなく第2の燃料ポンプに供給される。これにより、停止した第1の燃料ポンプが流動抵抗となることが回避され、第2の燃料ポンプでのベーパロック現象の発生についてもこれを好適に抑制することができるようになる。そして、通常時に比べて燃料圧送性能が低下するとはいえ、内燃機関を運転するに際して最低限必要とされる燃料供給性能を維持することもできるようになる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、第1の燃料ポンプと第2の燃料ポンプとが直列に接続され、これら第1及び第2の燃料ポンプを通じて燃料タンクから吸引、圧送される燃料を燃料噴射機構を介して車載内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置であって、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき、前記第1の燃料ポンプをバイパスして前記燃料タンク内の燃料を前記第2の燃料ポンプに供給するバイパス手段を備えることをその要旨とする。
【0013】
ここで、上記「第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき」とは、第1の燃料ポンプがその燃料圧送能力に見合うように正常に機能していないことを意味する。この点、上記構成によれば、第2の燃料ポンプのみによって内燃機関に燃料を供給する事態に陥った場合であっても、燃料通路内の燃料圧力が燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなったことをもって、燃料タンク内の燃料が第1の燃料ポンプを経由することなく第2の燃料ポンプに供給される。これにより、停止した第1の燃料ポンプが流動抵抗となることが回避され、第2の燃料ポンプでのベーパロック現象の発生についてもこれを好適に抑制することができるようになる。そして、通常時に比べて燃料圧送性能が低下するとはいえ、内燃機関を運転するに際して最低限必要とされる燃料供給性能を維持することもできるようになる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記第1及び第2の燃料ポンプのうち、少なくとも第1の燃料ポンプは前記燃料タンク内に配設されてなることをその要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、燃料ポンプによる燃料タンクからの燃料の吸引、圧送をより効率的に行うことができるようになる。なお、前述のように、燃料タンク内に配設された燃料ポンプが故障等により停止した場合、その修理、交換等に際しては、燃料タンクを分解する必要がある。そして、この燃料タンク内に備蓄されている燃料が、特に前述した液化石油ガス(LPG)等、その雰囲気が大気圧である環境下で気化する燃料である場合には、燃料タンクを分解する際に予め燃料を抜いておく必要がある。そのため、上記燃料ポンプを修理、交換等する場合には必然的に、上記燃料タンクに収容されている燃料を抜くための設備を備えた、いわば特殊な修理施設に車両を運搬する必要があり、そのための時間やコストの増大も避けられない。この点、上記請求項1または2に記載の構成を前提とする上記構成によれば、例えば燃料タンク内に配設された第1の燃料ポンプが停止したような場合であれ、車両の自走性能を好適に確保することができるようになり、同車両の上記特殊な修理施設への運搬(移動)も容易となる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記バイパス手段は、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路から分岐されて前記燃料タンクの液相内に開口される分岐通路と、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力と前記燃料タンク内の燃料圧力との差圧に基づいて前記分岐通路を開閉する圧力制御弁とを備えて構成されることをその要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、上記燃料通路から分岐されて燃料タンクの液相内に開口される分岐通路を設けるとともに、同分岐通路を開閉する圧力制御弁を設けるといった簡易な構成をもって、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成を実現することができるようになる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記圧力制御弁が、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも高いとき閉弁状態にあり、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき開弁される逆止弁であることをその要旨とする。
【0019】
上記構成によれば、圧力制御弁としても極めて容易な構成とすることができるようになる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料が液化石油ガスであることをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、ベーパ化し易く且つベーパロック現象の発生し易い液化石油ガス(LPG)が燃料として用いられる場合であれ、燃料通路内の燃料圧力の低下に起因するベーパロック現象の発生を抑制して、第1の燃料ポンプの停止時における内燃機関の最低限の運転性能を維持することができるようになる。従って、前述した特殊な修理施設に車両を運搬しなければならない場合であっても、当該車両の自走によってこの運搬を行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の一実施の形態について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態にかかる燃料供給装置は、燃料として液化石油ガス(LPG)を使用する内燃機関に対して燃料の供給を行う装置を想定している。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる燃料供給装置が搭載される機関システムの概略構成について、図1を参照して説明する。
【0023】
同図1に示されるように、この内燃機関10にあって、その吸気経路11には、吸入空気の流通方向における上流側から順に、エアクリーナ12、サージタンク13、インテークマニホールド14が設けられている。
【0024】
このうちのインテークマニホールド14には、その最下流部分が分岐されることで、内燃機関10の気筒数(本実施の形態では4つ)に対応する本数の分岐吸気管15が形成されている。それら分岐吸気管15は、それぞれ内燃機関10のシリンダヘッド16に接続され、内燃機関10の各気筒(各燃焼室)に各別に連通されている。
【0025】
また、上記吸気経路11にあってサージタンク13の上流には、スロットルバルブ17が設けられている。このスロットルバルブ17は、アクセルペダル(図示略)の操作に対応して開閉され、その開度に応じて、吸気経路11を通じて内燃機関10の各燃焼室に吸入される空気の量を調量する。
【0026】
一方、この機関システムは、燃料である上記LPGを内燃機関10に噴射供給するための燃料噴射機構18を備えている。この燃料噴射機構18は、ほぼ一定の圧力に保たれた状態のLPGを備蓄するデリバリパイプ18aと、上記各分岐吸気管15にそれぞれ設けられてデリバリパイプ18a内のLPGを上記内燃機関10(正確にはその吸気ポート)に噴射供給する燃料噴射弁18bとにより構成されている。そして、それら燃料噴射弁18bから噴射されたLPGは、吸入空気と混合されつつ内燃機関10の各燃焼室に吸入されて、それら燃焼室内において混合気を形成する。
【0027】
さらに、内燃機関10には、その各気筒に対応して、点火プラグ(図示略)や、同プラグに点火動作を行わせるために必要な高電圧を発生させるイグナイタ(図示略)等がそれぞれ設けられている。そして、上記内燃機関10の燃焼室内に形成された混合気は、上記点火プラグによる点火動作を通じて点火されて爆発・燃焼される。この燃焼によって生じるエネルギーが、内燃機関10の出力軸(図示略)を回転させるトルクとして同出力軸に伝達される。
【0028】
また、内燃機関10の各燃焼室には、エキゾーストマニホールド19が接続されている。更に、このエキゾーストマニホールド19には、排気管20が接続されている。そして、上記燃焼に供せられた後の燃焼ガスは、エキゾーストマニホールド19や排気管20を通じて外部に排出される。なお、この排気管20の途中には周知のように、触媒コンバータ等の排気浄化装置や消音装置(共に図示略)等が配設されている。
【0029】
また、この機関システムは、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサを備えている。例えば、吸気経路11には、その内部を流通する吸入空気の量を検出するための吸入空気量センサ50が設けられている。また、内燃機関10には、その出力軸の回転速度を検出するための回転速度センサ51等が設けられている。
【0030】
更に、この機関システムは、例えばマイクロコンピュータ等からなる電子制御装置53を備えており、この電子制御装置53には上記各センサ50,51の検出信号が取り込まれている。そして、電子制御装置53は、それら信号に基づき内燃機関10の運転状態を演算するとともに、その演算結果に基づいて、例えば燃料噴射弁18bから噴射されるLPGについての、噴射タイミングや噴射量を調節する制御(燃料噴射制御)等、内燃機関10の運転に関わる各種制御を実行する。
【0031】
次に、こうした機関システムにあって、内燃機関10にLPGを供給する燃料供給装置について、図2を参照して説明する。
同図2に示すように、この燃料供給装置は、LPGを備蓄するための燃料タンク21を備えている。なお、同燃料タンク21の内部は、備蓄されているLPGの性状や温度によって定まる飽和蒸気圧に保たれている。
【0032】
また、この装置は、燃料送出系22によって、燃料タンク21内に備蓄されたLPGを前記デリバリパイプ18aに向けて加圧しつつ送出する。
この燃料送出系22は、直列に接続された第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25、それら燃料ポンプ24,25間を連通する燃料通路26、及び第2の燃料ポンプ25と上記デリバリパイプ18aとの間を接続する送出通路27等により構成されている。
【0033】
また、同図2に示されるように、上記第1の燃料ポンプ24は燃料タンク21内に設けられ、上記第2の燃料ポンプ25は燃料タンク21外に設けられている。なお、これら燃料ポンプ24及び25としては、内燃機関10の始動とともにバッテリ(図示略)からの電力供給がなされてその駆動が開始される電動式のポンプが採用されている。
【0034】
一方、この装置にあっては、上記燃料送出系22によってデリバリパイプ18a内に供給されるLPGのうちの余剰分が、燃料リターン系28を通じて、燃料タンク21内に戻されるようになっている。
【0035】
この燃料リターン系28は、詳しくは、上記デリバリパイプ18a及び燃料タンク21の間を繋ぐリターン通路29と、同リターン通路29の途中に設けられたプレッシャレギュレータ30とにより構成されている。このプレッシャレギュレータ30は、リターン通路29内の燃料圧力が規定圧力以上になると開弁する一方、同燃料圧力が規定圧力未満であるときには閉弁する。すなわち、このプレッシャレギュレータ30の調圧機能により、LPGが通過する経路のうちの第2の燃料ポンプ25とプレッシャレギュレータ30との間の経路、すなわち送出通路27、デリバリパイプ18a、及びリターン通路29内におけるLPGの圧力(燃料圧力)がほぼ一定に保持されるようになっている。
【0036】
ところで、本実施の形態では、上記第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25のいずれか一方が停止した場合にも、正常なポンプのみによるLPGの圧送性能が確保され、ひいては車両の自走性能が確保されるようにしている。
【0037】
ここで先ず、例えば第2の燃料ポンプ25が故障等によって停止した場合、すなわち燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24のみによってLPGが送出される場合について考察する。
【0038】
この場合には、停止した第2の燃料ポンプ25がLPGを送出する経路における流動抵抗になる。とはいえ、この第2の燃料ポンプ25は上記第1の燃料ポンプ24によって加圧されたLPGが満たされた部分に位置するために、同第2の燃料ポンプ25が流動抵抗になったとしても上記経路内のLPGの圧力が部分的に著しく低下することはない。すなわち、前述したベーパロック現象が生じる可能性は少ない。そして、この場合には、少なくとも第1の燃料ポンプ24を通じたLPGの圧送性能は確保され、車両の最低限の自走性能についてもこれが確保されるようになる。
【0039】
次に、燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24が故障等によって停止した場合、すなわち第2の燃料ポンプ25のみによってLPGを送出する場合について考察する。
【0040】
この場合には、前述したように、上記燃料通路26内の燃料圧力の過度な低下を招くおそれがあり、ひいては上記第2の燃料ポンプ25にベーパロック現象が生じるおそれがある。
【0041】
そこで、本実施の形態では、こうした不都合を解消すべく、上記燃料通路26から分岐されて燃料タンク21の液相内に開口される分岐通路31を設けるとともに、その分岐通路31の途中に逆止弁32を設けるようにしている。この逆止弁32は、圧力制御弁として機能し、上記燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなったときに開弁され、このとき燃料タンク21内から燃料通路26内へのLPGの流入を許容する。そして、本実施の形態では、上記分岐通路31及び逆止弁32が、第1の燃料ポンプ24をバイパスして燃料タンク21内の燃料を第2の燃料ポンプ25に供給するバイパス手段を構成する。
【0042】
以下、これら分岐通路31及び逆止弁32を設けたことによる作用について、図3及び図4を参照して説明する。
なお、図3及び図4は上記燃料供給装置の一部を示し、特に図3中の矢印は第1の燃料ポンプ24が正常に機能しているときにおけるLPGの流れを示しており、また図4中の矢印は第1の燃料ポンプ24が停止したときにおけるLPGの流れの一例を示している。
【0043】
ここでは先ず、図3を参照しつつ、第1の燃料ポンプ24が正常に機能しているときにおけるLPGの流れを説明する。
このときには、第1の燃料ポンプ24によって燃料通路26内にLPGが圧送されており、燃料通路26内の燃料圧力は燃料タンク21内の燃料圧力よりも高い圧力になっている。すなわち、上記逆止弁32は閉弁されている。このため、図3中に矢印で示すように、LPGは「燃料タンク21→第1の燃料ポンプ24→燃料通路26→第2の燃料ポンプ25→送出通路27」といった順に流れ、デリバリパイプ18aに向けて送出される。従って、このときには、第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25の協働によって燃料タンク21内のLPG(液相)がデリバリパイプ18aに圧送されることとなり、同燃料供給装置としての最大能力が維持される。
【0044】
次に、図4を参照して、第1の燃料ポンプ24が停止しているときにおけるLPGの流れを説明する。
このときには、上述したように、燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなる。このため、上記逆止弁32が開弁され、LPGは、図4中に矢印で示すように、「燃料タンク21→分岐通路31(逆止弁32)→燃料通路26→第2の燃料ポンプ25→送出通路27」といった順序を経て、デリバリパイプ18aに送出されるようになる。すなわちこのときには、燃料タンク21内から燃料通路26内へのLPGの流入が許容され、燃料タンク21内のLPGが上記第1の燃料ポンプ24を経由することなく第2の燃料ポンプ25に供給されるようになる。
【0045】
これにより、上記第1の燃料ポンプ24が停止したときであっても、飽和蒸気圧に保たれた状態で備蓄されている燃料タンク21内のLPGが、その圧力をほとんど低下させることなく燃料通路26内に供給されるようになる。従って、燃料通路26内の燃料圧力がほぼ燃料タンク21内の燃料圧力に維持されるようになり、ひいては第2の燃料ポンプ25での上述したベーパロック現象の発生も抑制されるようになる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなったときには、燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24をバイパスして同燃料タンク21内のLPGが第2の燃料ポンプ25に供給されるようにした。このため、第2の燃料ポンプ25のみによって内燃機関10にLPGを供給する事態に陥った場合であっても、該第2の燃料ポンプ25でのバーパロック現象の発生を抑制しつつ、燃料供給装置としての必要最小限の燃料供給機能を維持することができるようになる。また、第1の燃料ポンプ24のみによって内燃機関10にLPGを供給する事態に陥った場合でも、第2の燃料ポンプ25が流動抵抗となってLPGの圧送性能が低下するとはいえ、内燃機関10を運転するために、すなわち当該車両を自走させるために最低限必要とされる圧送性能は維持される。
【0047】
(2)また、上記直列接続された2つの燃料ポンプ24及び25の一方が停止した場合であれ、車両の自走性能が確保されることで、同車両の前述した特殊な修理施設への運搬(移動)も容易となる。
【0048】
(3)上記第1の燃料ポンプ24のバイパス機能を実現するための構成として、燃料通路26から分岐されて燃料タンク21の液相内に開口される分岐通路31を設けるようにした。また、この分岐通路31の途中には逆止弁32を設けるようにした。これにより、燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24が停止し、これに伴って燃料通路26内の燃料圧力が低下する場合であれ、同燃料通路26内の燃料圧力をほぼ燃料タンク21内の燃料圧力に維持することができるようになる。このため、停止した第1の燃料ポンプ24が流動抵抗となって第2の燃料ポンプ25にベーパロック現象等が発生することを好適に抑制することができるようになる。しかも、こうした効果を、簡易な構成をもって実現することができるようにもなる。
【0049】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、分岐通路31を燃料通路26の燃料タンク21内に配設された部分に設けるとともに、この分岐通路31の途中に逆止弁32を設けるようにした。これに限らず、例えば燃料通路26の燃料タンク21の外部に配設された部分と燃料タンク21内の液相とを連通させるように分岐通路を形成するようにしてもよい。また、逆止弁32についてもこれを必ずしも燃料タンク21内ではなく、この分岐通路内であって燃料タンク21の外部に位置する部分に設ける等してもよい。これらの構成によっても、上記実施の形態に準じた効果を得ることはできる。
【0050】
・上記実施の形態では、本発明を、第1の燃料ポンプ24が燃料タンク21内に設けられるとともに第2の燃料ポンプ25が燃料タンク21外に設けられる装置に適用するようにした。これに限らず、本発明は、第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25が共に燃料タンク21内に、あるいは燃料タンク21外に設けられる装置にも適用することができる。
【0051】
・上記実施の形態では、燃料通路26内の燃料圧力と燃料タンク21内の燃料圧力とに基づき作動する圧力制御弁として逆止弁32を用いるようにした。圧力制御弁としてはこれに限らず、例えば燃料通路26内の燃料圧力を検出するための圧力センサと燃料タンク21内の燃料圧力を検出するための圧力センサとをそれぞれ設け、それらセンサの出力信号に応じて上記分岐通路を開閉する電磁弁なども適宜採用することができる。
【0052】
・上記実施の形態において採用した逆止弁32に代えて、燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも所定の圧力以上低くなったときに開弁するタイプの圧力制御弁を設けるようにしてもよい。こうした構成によっても、燃料通路26内の燃料圧力が過度に低下することを抑制することはできる。
【0053】
・上記実施の形態では、燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなることをもって第1の燃料ポンプ24がバイパスされる構成とした。しかし、こうした構成に限らず、燃料通路26内の燃料圧力のみに基づいて、すなわち燃料通路26内の燃料圧力が第1の燃料ポンプ24による燃料圧送能力に見合わない所定圧力未満となったことを条件に同第1の燃料ポンプ24をバイパスする構成としてもよい。こうした構成によっても、上記実施の形態に準じた作用効果を得ることができる。なおこの場合には、上記燃料通路26内の燃料圧力を監視する手段(圧力センサ)と、その監視結果に基づいて上記分岐通路を開閉する例えば電磁弁等の弁手段を備える構成となる。
【0054】
・上記実施の形態では、デリバリパイプ18aと燃料タンク21とを繋ぐリターン通路29を介してLPGの余剰分が燃料タンク21内に環流される、いわゆるリターン式の燃料供給装置に本発明を適用する場合について例示した。これに限らず、例えば送出通路27から、すなわちデリバリパイプ18aの上流側から分岐される通路を介してLPGの余剰分が環流される、いわゆるリターンレス式の燃料供給装置、あるいはこれらリターン式とリターンレス式とを組み合わせた構成を有する燃料供給装置にも本発明は適用可能である。
【0055】
・上記実施の形態では、LPGを燃料とする内燃機関10に用いられる燃料供給装置について言及したが、これに限られない。他に例えば、液化天然ガス(LNG)や、液体水素、ジメチルエーテル等といった液化ガスを燃料とする内燃機関にそれら燃料を供給する装置として本発明にかかる燃料供給装置を採用することも可能である。更には、こうした液化ガス燃料に限らず、ガソリンや軽油などといった液体燃料を用いる内燃機関の燃料供給装置にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態が適用される機関システムについてその概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態にかかる燃料供給装置を示すブロック図。
【図3】同燃料供給装置の一部を示すブロック図。
【図4】同燃料供給装置の一部を示すブロック図。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…吸気経路、12…エアクリーナ、13…サージタンク、14…インテークマニホールド、15…分岐吸気管、16…シリンダヘッド、17…スロットルバルブ、18…燃料噴射機構、18a…デリバリパイプ、18b…燃料噴射弁、19…エキゾーストマニホールド、20…排気管、21…燃料タンク、22…燃料送出系、24…第1の燃料ポンプ、25…第2の燃料ポンプ、26…燃料通路、27…送出通路、28…燃料リターン系、29…リターン通路、30…プレッシャレギュレータ、31…分岐通路、32…逆止弁、50…吸入空気量センサ、51…回転速度センサ、53…電子制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として例えば液化石油ガス(LPG)等を用いる車載内燃機関に採用して好適な内燃機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば上記液化石油ガス(LPG)は、標準状態で気体であるため、通常は、加圧された飽和状態で燃料タンク内に収容されている。そして、内燃機関への燃料供給に際しては、この燃料タンク内の液相が燃料ポンプにより加圧されてデリバリパイプに圧送され、該デリバリパイプに設けられた燃料噴射弁から液体燃料として内燃機関に噴射供給される。
【0003】
ただし、こうした燃料供給装置にあっては、上記飽和状態の飽和液を上記燃料ポンプで吸引することに起因して燃料圧力が低下し、気化が発生することがある。そして、このような気化は、燃料ポンプのベーパロック現象を引き起こし、同ポンプによる加圧を不能とする。ちなみに、このような現象は、燃料ポンプ入り口での圧力低下が大きいほど発生しやすいため、通常は、燃料ポンプを燃料タンク内に設置することで、すなわち燃料タンクの液相から燃料ポンプ入り口までの距離を短縮することで、上記ポンプの吸引に起因する圧力損失を最小限に抑えている。
【0004】
また近年は、例えば特開2001−349256号公報等にみられるように、燃料タンク内に設けた第1の燃料ポンプと燃料タンク外に設けた第2の燃料ポンプとを直列に接続し、その燃料経路を工夫することによって、燃料配管内におけるベーパ化(気化)を抑制する提案などもなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報に記載の装置のように、2つの燃料ポンプを直列に設けることは、ポンプ能力の設定や燃料経路設計についての自由度が増し、またベーパ化抑制のためにも確かに有効ではある。しかしこの場合であれ、特に燃料タンク内に設けられる第1の燃料ポンプが故障等によって停止するようなことがあると、新たに次のような不都合が生じることともなる。
【0006】
すなわち、こうして第1の燃料ポンプの作動が停止される場合、これに直列に接続された第2の燃料ポンプのみによって、上記デリバリパイプへの燃料圧送が行われることとなるが、この第2の燃料ポンプによる燃料の吸引は、常に、上記停止された第1の燃料ポンプを経由して行われる。このため、燃料の流動抵抗が増大し、第2の燃料ポンプでは、その入り口での圧力低下に起因して、上述したベーパロック現象を引き起こすようになる。そして、こうして第2の燃料ポンプにベーパロック現象が起こると、上記デリバリパイプへの燃料圧送自体が不能となり、ひいてはこれを搭載する車両の自走も困難となる。
【0007】
また、上記燃料タンク内に設けられた燃料ポンプ(第1の燃料ポンプ)が停止した場合、その修理、交換等に際しては、燃料タンクを分解する必要があるが、上記燃料が特に上述した液化石油ガス(LPG)などである場合には、更に次のような不都合も無視できないものとなる。
【0008】
すなわち、液化石油ガス(LPG)などは、これが収容されている燃料タンクを開放すると気化して大気に放出されるため、該燃料タンクを分解する場合には、予め燃料を抜いておく必要がある。そのため、上記燃料ポンプを修理、交換等する場合には必然的に、上記燃料タンクに収容されている燃料を抜くための設備を備えた、いわば特殊な修理施設に車両を運搬する必要があり、そのための時間やコストの増大も避けられない。
【0009】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、直列接続された2つの燃料ポンプの一方が停止した場合であれ、ベーパロック現象の発生を抑制して、内燃機関に対するより安定した燃料の供給を可能とする内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に記載の発明は、第1の燃料ポンプと第2の燃料ポンプとが直列に接続され、これら第1及び第2の燃料ポンプを通じて燃料タンクから吸引、圧送される燃料を燃料噴射機構を介して車載内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置であって、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記第1の燃料ポンプによる燃料圧送能力に見合わない所定圧力未満となるとき、前記第1の燃料ポンプをバイパスして前記燃料タンク内の燃料を前記第2の燃料ポンプに供給するバイパス手段を備えることをその要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、第2の燃料ポンプのみによって内燃機関に燃料を供給する事態に陥った場合であっても、燃料通路内の燃料圧力が上記所定圧力未満になったことをもって、燃料タンク内の燃料が第1の燃料ポンプを経由することなく第2の燃料ポンプに供給される。これにより、停止した第1の燃料ポンプが流動抵抗となることが回避され、第2の燃料ポンプでのベーパロック現象の発生についてもこれを好適に抑制することができるようになる。そして、通常時に比べて燃料圧送性能が低下するとはいえ、内燃機関を運転するに際して最低限必要とされる燃料供給性能を維持することもできるようになる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、第1の燃料ポンプと第2の燃料ポンプとが直列に接続され、これら第1及び第2の燃料ポンプを通じて燃料タンクから吸引、圧送される燃料を燃料噴射機構を介して車載内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置であって、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき、前記第1の燃料ポンプをバイパスして前記燃料タンク内の燃料を前記第2の燃料ポンプに供給するバイパス手段を備えることをその要旨とする。
【0013】
ここで、上記「第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき」とは、第1の燃料ポンプがその燃料圧送能力に見合うように正常に機能していないことを意味する。この点、上記構成によれば、第2の燃料ポンプのみによって内燃機関に燃料を供給する事態に陥った場合であっても、燃料通路内の燃料圧力が燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなったことをもって、燃料タンク内の燃料が第1の燃料ポンプを経由することなく第2の燃料ポンプに供給される。これにより、停止した第1の燃料ポンプが流動抵抗となることが回避され、第2の燃料ポンプでのベーパロック現象の発生についてもこれを好適に抑制することができるようになる。そして、通常時に比べて燃料圧送性能が低下するとはいえ、内燃機関を運転するに際して最低限必要とされる燃料供給性能を維持することもできるようになる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記第1及び第2の燃料ポンプのうち、少なくとも第1の燃料ポンプは前記燃料タンク内に配設されてなることをその要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、燃料ポンプによる燃料タンクからの燃料の吸引、圧送をより効率的に行うことができるようになる。なお、前述のように、燃料タンク内に配設された燃料ポンプが故障等により停止した場合、その修理、交換等に際しては、燃料タンクを分解する必要がある。そして、この燃料タンク内に備蓄されている燃料が、特に前述した液化石油ガス(LPG)等、その雰囲気が大気圧である環境下で気化する燃料である場合には、燃料タンクを分解する際に予め燃料を抜いておく必要がある。そのため、上記燃料ポンプを修理、交換等する場合には必然的に、上記燃料タンクに収容されている燃料を抜くための設備を備えた、いわば特殊な修理施設に車両を運搬する必要があり、そのための時間やコストの増大も避けられない。この点、上記請求項1または2に記載の構成を前提とする上記構成によれば、例えば燃料タンク内に配設された第1の燃料ポンプが停止したような場合であれ、車両の自走性能を好適に確保することができるようになり、同車両の上記特殊な修理施設への運搬(移動)も容易となる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記バイパス手段は、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路から分岐されて前記燃料タンクの液相内に開口される分岐通路と、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力と前記燃料タンク内の燃料圧力との差圧に基づいて前記分岐通路を開閉する圧力制御弁とを備えて構成されることをその要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、上記燃料通路から分岐されて燃料タンクの液相内に開口される分岐通路を設けるとともに、同分岐通路を開閉する圧力制御弁を設けるといった簡易な構成をもって、上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成を実現することができるようになる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記圧力制御弁が、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも高いとき閉弁状態にあり、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき開弁される逆止弁であることをその要旨とする。
【0019】
上記構成によれば、圧力制御弁としても極めて容易な構成とすることができるようになる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料が液化石油ガスであることをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、ベーパ化し易く且つベーパロック現象の発生し易い液化石油ガス(LPG)が燃料として用いられる場合であれ、燃料通路内の燃料圧力の低下に起因するベーパロック現象の発生を抑制して、第1の燃料ポンプの停止時における内燃機関の最低限の運転性能を維持することができるようになる。従って、前述した特殊な修理施設に車両を運搬しなければならない場合であっても、当該車両の自走によってこの運搬を行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料供給装置の一実施の形態について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態にかかる燃料供給装置は、燃料として液化石油ガス(LPG)を使用する内燃機関に対して燃料の供給を行う装置を想定している。
ここでは先ず、本実施の形態にかかる燃料供給装置が搭載される機関システムの概略構成について、図1を参照して説明する。
【0023】
同図1に示されるように、この内燃機関10にあって、その吸気経路11には、吸入空気の流通方向における上流側から順に、エアクリーナ12、サージタンク13、インテークマニホールド14が設けられている。
【0024】
このうちのインテークマニホールド14には、その最下流部分が分岐されることで、内燃機関10の気筒数(本実施の形態では4つ)に対応する本数の分岐吸気管15が形成されている。それら分岐吸気管15は、それぞれ内燃機関10のシリンダヘッド16に接続され、内燃機関10の各気筒(各燃焼室)に各別に連通されている。
【0025】
また、上記吸気経路11にあってサージタンク13の上流には、スロットルバルブ17が設けられている。このスロットルバルブ17は、アクセルペダル(図示略)の操作に対応して開閉され、その開度に応じて、吸気経路11を通じて内燃機関10の各燃焼室に吸入される空気の量を調量する。
【0026】
一方、この機関システムは、燃料である上記LPGを内燃機関10に噴射供給するための燃料噴射機構18を備えている。この燃料噴射機構18は、ほぼ一定の圧力に保たれた状態のLPGを備蓄するデリバリパイプ18aと、上記各分岐吸気管15にそれぞれ設けられてデリバリパイプ18a内のLPGを上記内燃機関10(正確にはその吸気ポート)に噴射供給する燃料噴射弁18bとにより構成されている。そして、それら燃料噴射弁18bから噴射されたLPGは、吸入空気と混合されつつ内燃機関10の各燃焼室に吸入されて、それら燃焼室内において混合気を形成する。
【0027】
さらに、内燃機関10には、その各気筒に対応して、点火プラグ(図示略)や、同プラグに点火動作を行わせるために必要な高電圧を発生させるイグナイタ(図示略)等がそれぞれ設けられている。そして、上記内燃機関10の燃焼室内に形成された混合気は、上記点火プラグによる点火動作を通じて点火されて爆発・燃焼される。この燃焼によって生じるエネルギーが、内燃機関10の出力軸(図示略)を回転させるトルクとして同出力軸に伝達される。
【0028】
また、内燃機関10の各燃焼室には、エキゾーストマニホールド19が接続されている。更に、このエキゾーストマニホールド19には、排気管20が接続されている。そして、上記燃焼に供せられた後の燃焼ガスは、エキゾーストマニホールド19や排気管20を通じて外部に排出される。なお、この排気管20の途中には周知のように、触媒コンバータ等の排気浄化装置や消音装置(共に図示略)等が配設されている。
【0029】
また、この機関システムは、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサを備えている。例えば、吸気経路11には、その内部を流通する吸入空気の量を検出するための吸入空気量センサ50が設けられている。また、内燃機関10には、その出力軸の回転速度を検出するための回転速度センサ51等が設けられている。
【0030】
更に、この機関システムは、例えばマイクロコンピュータ等からなる電子制御装置53を備えており、この電子制御装置53には上記各センサ50,51の検出信号が取り込まれている。そして、電子制御装置53は、それら信号に基づき内燃機関10の運転状態を演算するとともに、その演算結果に基づいて、例えば燃料噴射弁18bから噴射されるLPGについての、噴射タイミングや噴射量を調節する制御(燃料噴射制御)等、内燃機関10の運転に関わる各種制御を実行する。
【0031】
次に、こうした機関システムにあって、内燃機関10にLPGを供給する燃料供給装置について、図2を参照して説明する。
同図2に示すように、この燃料供給装置は、LPGを備蓄するための燃料タンク21を備えている。なお、同燃料タンク21の内部は、備蓄されているLPGの性状や温度によって定まる飽和蒸気圧に保たれている。
【0032】
また、この装置は、燃料送出系22によって、燃料タンク21内に備蓄されたLPGを前記デリバリパイプ18aに向けて加圧しつつ送出する。
この燃料送出系22は、直列に接続された第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25、それら燃料ポンプ24,25間を連通する燃料通路26、及び第2の燃料ポンプ25と上記デリバリパイプ18aとの間を接続する送出通路27等により構成されている。
【0033】
また、同図2に示されるように、上記第1の燃料ポンプ24は燃料タンク21内に設けられ、上記第2の燃料ポンプ25は燃料タンク21外に設けられている。なお、これら燃料ポンプ24及び25としては、内燃機関10の始動とともにバッテリ(図示略)からの電力供給がなされてその駆動が開始される電動式のポンプが採用されている。
【0034】
一方、この装置にあっては、上記燃料送出系22によってデリバリパイプ18a内に供給されるLPGのうちの余剰分が、燃料リターン系28を通じて、燃料タンク21内に戻されるようになっている。
【0035】
この燃料リターン系28は、詳しくは、上記デリバリパイプ18a及び燃料タンク21の間を繋ぐリターン通路29と、同リターン通路29の途中に設けられたプレッシャレギュレータ30とにより構成されている。このプレッシャレギュレータ30は、リターン通路29内の燃料圧力が規定圧力以上になると開弁する一方、同燃料圧力が規定圧力未満であるときには閉弁する。すなわち、このプレッシャレギュレータ30の調圧機能により、LPGが通過する経路のうちの第2の燃料ポンプ25とプレッシャレギュレータ30との間の経路、すなわち送出通路27、デリバリパイプ18a、及びリターン通路29内におけるLPGの圧力(燃料圧力)がほぼ一定に保持されるようになっている。
【0036】
ところで、本実施の形態では、上記第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25のいずれか一方が停止した場合にも、正常なポンプのみによるLPGの圧送性能が確保され、ひいては車両の自走性能が確保されるようにしている。
【0037】
ここで先ず、例えば第2の燃料ポンプ25が故障等によって停止した場合、すなわち燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24のみによってLPGが送出される場合について考察する。
【0038】
この場合には、停止した第2の燃料ポンプ25がLPGを送出する経路における流動抵抗になる。とはいえ、この第2の燃料ポンプ25は上記第1の燃料ポンプ24によって加圧されたLPGが満たされた部分に位置するために、同第2の燃料ポンプ25が流動抵抗になったとしても上記経路内のLPGの圧力が部分的に著しく低下することはない。すなわち、前述したベーパロック現象が生じる可能性は少ない。そして、この場合には、少なくとも第1の燃料ポンプ24を通じたLPGの圧送性能は確保され、車両の最低限の自走性能についてもこれが確保されるようになる。
【0039】
次に、燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24が故障等によって停止した場合、すなわち第2の燃料ポンプ25のみによってLPGを送出する場合について考察する。
【0040】
この場合には、前述したように、上記燃料通路26内の燃料圧力の過度な低下を招くおそれがあり、ひいては上記第2の燃料ポンプ25にベーパロック現象が生じるおそれがある。
【0041】
そこで、本実施の形態では、こうした不都合を解消すべく、上記燃料通路26から分岐されて燃料タンク21の液相内に開口される分岐通路31を設けるとともに、その分岐通路31の途中に逆止弁32を設けるようにしている。この逆止弁32は、圧力制御弁として機能し、上記燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなったときに開弁され、このとき燃料タンク21内から燃料通路26内へのLPGの流入を許容する。そして、本実施の形態では、上記分岐通路31及び逆止弁32が、第1の燃料ポンプ24をバイパスして燃料タンク21内の燃料を第2の燃料ポンプ25に供給するバイパス手段を構成する。
【0042】
以下、これら分岐通路31及び逆止弁32を設けたことによる作用について、図3及び図4を参照して説明する。
なお、図3及び図4は上記燃料供給装置の一部を示し、特に図3中の矢印は第1の燃料ポンプ24が正常に機能しているときにおけるLPGの流れを示しており、また図4中の矢印は第1の燃料ポンプ24が停止したときにおけるLPGの流れの一例を示している。
【0043】
ここでは先ず、図3を参照しつつ、第1の燃料ポンプ24が正常に機能しているときにおけるLPGの流れを説明する。
このときには、第1の燃料ポンプ24によって燃料通路26内にLPGが圧送されており、燃料通路26内の燃料圧力は燃料タンク21内の燃料圧力よりも高い圧力になっている。すなわち、上記逆止弁32は閉弁されている。このため、図3中に矢印で示すように、LPGは「燃料タンク21→第1の燃料ポンプ24→燃料通路26→第2の燃料ポンプ25→送出通路27」といった順に流れ、デリバリパイプ18aに向けて送出される。従って、このときには、第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25の協働によって燃料タンク21内のLPG(液相)がデリバリパイプ18aに圧送されることとなり、同燃料供給装置としての最大能力が維持される。
【0044】
次に、図4を参照して、第1の燃料ポンプ24が停止しているときにおけるLPGの流れを説明する。
このときには、上述したように、燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなる。このため、上記逆止弁32が開弁され、LPGは、図4中に矢印で示すように、「燃料タンク21→分岐通路31(逆止弁32)→燃料通路26→第2の燃料ポンプ25→送出通路27」といった順序を経て、デリバリパイプ18aに送出されるようになる。すなわちこのときには、燃料タンク21内から燃料通路26内へのLPGの流入が許容され、燃料タンク21内のLPGが上記第1の燃料ポンプ24を経由することなく第2の燃料ポンプ25に供給されるようになる。
【0045】
これにより、上記第1の燃料ポンプ24が停止したときであっても、飽和蒸気圧に保たれた状態で備蓄されている燃料タンク21内のLPGが、その圧力をほとんど低下させることなく燃料通路26内に供給されるようになる。従って、燃料通路26内の燃料圧力がほぼ燃料タンク21内の燃料圧力に維持されるようになり、ひいては第2の燃料ポンプ25での上述したベーパロック現象の発生も抑制されるようになる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなったときには、燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24をバイパスして同燃料タンク21内のLPGが第2の燃料ポンプ25に供給されるようにした。このため、第2の燃料ポンプ25のみによって内燃機関10にLPGを供給する事態に陥った場合であっても、該第2の燃料ポンプ25でのバーパロック現象の発生を抑制しつつ、燃料供給装置としての必要最小限の燃料供給機能を維持することができるようになる。また、第1の燃料ポンプ24のみによって内燃機関10にLPGを供給する事態に陥った場合でも、第2の燃料ポンプ25が流動抵抗となってLPGの圧送性能が低下するとはいえ、内燃機関10を運転するために、すなわち当該車両を自走させるために最低限必要とされる圧送性能は維持される。
【0047】
(2)また、上記直列接続された2つの燃料ポンプ24及び25の一方が停止した場合であれ、車両の自走性能が確保されることで、同車両の前述した特殊な修理施設への運搬(移動)も容易となる。
【0048】
(3)上記第1の燃料ポンプ24のバイパス機能を実現するための構成として、燃料通路26から分岐されて燃料タンク21の液相内に開口される分岐通路31を設けるようにした。また、この分岐通路31の途中には逆止弁32を設けるようにした。これにより、燃料タンク21内の第1の燃料ポンプ24が停止し、これに伴って燃料通路26内の燃料圧力が低下する場合であれ、同燃料通路26内の燃料圧力をほぼ燃料タンク21内の燃料圧力に維持することができるようになる。このため、停止した第1の燃料ポンプ24が流動抵抗となって第2の燃料ポンプ25にベーパロック現象等が発生することを好適に抑制することができるようになる。しかも、こうした効果を、簡易な構成をもって実現することができるようにもなる。
【0049】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、分岐通路31を燃料通路26の燃料タンク21内に配設された部分に設けるとともに、この分岐通路31の途中に逆止弁32を設けるようにした。これに限らず、例えば燃料通路26の燃料タンク21の外部に配設された部分と燃料タンク21内の液相とを連通させるように分岐通路を形成するようにしてもよい。また、逆止弁32についてもこれを必ずしも燃料タンク21内ではなく、この分岐通路内であって燃料タンク21の外部に位置する部分に設ける等してもよい。これらの構成によっても、上記実施の形態に準じた効果を得ることはできる。
【0050】
・上記実施の形態では、本発明を、第1の燃料ポンプ24が燃料タンク21内に設けられるとともに第2の燃料ポンプ25が燃料タンク21外に設けられる装置に適用するようにした。これに限らず、本発明は、第1の燃料ポンプ24及び第2の燃料ポンプ25が共に燃料タンク21内に、あるいは燃料タンク21外に設けられる装置にも適用することができる。
【0051】
・上記実施の形態では、燃料通路26内の燃料圧力と燃料タンク21内の燃料圧力とに基づき作動する圧力制御弁として逆止弁32を用いるようにした。圧力制御弁としてはこれに限らず、例えば燃料通路26内の燃料圧力を検出するための圧力センサと燃料タンク21内の燃料圧力を検出するための圧力センサとをそれぞれ設け、それらセンサの出力信号に応じて上記分岐通路を開閉する電磁弁なども適宜採用することができる。
【0052】
・上記実施の形態において採用した逆止弁32に代えて、燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも所定の圧力以上低くなったときに開弁するタイプの圧力制御弁を設けるようにしてもよい。こうした構成によっても、燃料通路26内の燃料圧力が過度に低下することを抑制することはできる。
【0053】
・上記実施の形態では、燃料通路26内の燃料圧力が燃料タンク21内の燃料圧力よりも低くなることをもって第1の燃料ポンプ24がバイパスされる構成とした。しかし、こうした構成に限らず、燃料通路26内の燃料圧力のみに基づいて、すなわち燃料通路26内の燃料圧力が第1の燃料ポンプ24による燃料圧送能力に見合わない所定圧力未満となったことを条件に同第1の燃料ポンプ24をバイパスする構成としてもよい。こうした構成によっても、上記実施の形態に準じた作用効果を得ることができる。なおこの場合には、上記燃料通路26内の燃料圧力を監視する手段(圧力センサ)と、その監視結果に基づいて上記分岐通路を開閉する例えば電磁弁等の弁手段を備える構成となる。
【0054】
・上記実施の形態では、デリバリパイプ18aと燃料タンク21とを繋ぐリターン通路29を介してLPGの余剰分が燃料タンク21内に環流される、いわゆるリターン式の燃料供給装置に本発明を適用する場合について例示した。これに限らず、例えば送出通路27から、すなわちデリバリパイプ18aの上流側から分岐される通路を介してLPGの余剰分が環流される、いわゆるリターンレス式の燃料供給装置、あるいはこれらリターン式とリターンレス式とを組み合わせた構成を有する燃料供給装置にも本発明は適用可能である。
【0055】
・上記実施の形態では、LPGを燃料とする内燃機関10に用いられる燃料供給装置について言及したが、これに限られない。他に例えば、液化天然ガス(LNG)や、液体水素、ジメチルエーテル等といった液化ガスを燃料とする内燃機関にそれら燃料を供給する装置として本発明にかかる燃料供給装置を採用することも可能である。更には、こうした液化ガス燃料に限らず、ガソリンや軽油などといった液体燃料を用いる内燃機関の燃料供給装置にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態が適用される機関システムについてその概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態にかかる燃料供給装置を示すブロック図。
【図3】同燃料供給装置の一部を示すブロック図。
【図4】同燃料供給装置の一部を示すブロック図。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…吸気経路、12…エアクリーナ、13…サージタンク、14…インテークマニホールド、15…分岐吸気管、16…シリンダヘッド、17…スロットルバルブ、18…燃料噴射機構、18a…デリバリパイプ、18b…燃料噴射弁、19…エキゾーストマニホールド、20…排気管、21…燃料タンク、22…燃料送出系、24…第1の燃料ポンプ、25…第2の燃料ポンプ、26…燃料通路、27…送出通路、28…燃料リターン系、29…リターン通路、30…プレッシャレギュレータ、31…分岐通路、32…逆止弁、50…吸入空気量センサ、51…回転速度センサ、53…電子制御装置。
Claims (6)
- 第1の燃料ポンプと第2の燃料ポンプとが直列に接続され、これら第1及び第2の燃料ポンプを通じて燃料タンクから吸引、圧送される燃料を燃料噴射機構を介して車載内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置であって、
前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記第1の燃料ポンプによる燃料圧送能力に見合わない所定圧力未満となるとき、前記第1の燃料ポンプをバイパスして前記燃料タンク内の燃料を前記第2の燃料ポンプに供給するバイパス手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 第1の燃料ポンプと第2の燃料ポンプとが直列に接続され、これら第1及び第2の燃料ポンプを通じて燃料タンクから吸引、圧送される燃料を燃料噴射機構を介して車載内燃機関に噴射供給する内燃機関の燃料供給装置であって、
前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき、前記第1の燃料ポンプをバイパスして前記燃料タンク内の燃料を前記第2の燃料ポンプに供給するバイパス手段を備える
ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。 - 前記第1及び第2の燃料ポンプのうち、少なくとも第1の燃料ポンプは前記燃料タンク内に配設されてなる
請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記バイパス手段は、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路から分岐されて前記燃料タンクの液相内に開口される分岐通路と、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力と前記燃料タンク内の燃料圧力との差圧に基づいて前記分岐通路を開閉する圧力制御弁とを備えて構成される
請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記圧力制御弁が、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも高いとき閉弁状態にあり、前記第1及び第2の燃料ポンプ間を連通する燃料通路内の燃料圧力が前記燃料タンク内の燃料圧力よりも低くなるとき開弁される逆止弁である
請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置。 - 前記燃料が液化石油ガスである
請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002213933A JP2004052713A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 内燃機関の燃料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002213933A JP2004052713A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 内燃機関の燃料供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004052713A true JP2004052713A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31936397
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002213933A Pending JP2004052713A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 内燃機関の燃料供給装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004052713A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100639892B1 (ko) | 2005-08-31 | 2006-11-01 | 르노삼성자동차 주식회사 | 차량용 엘피엘아이 연료시스템 |
JP2013522528A (ja) * | 2010-03-18 | 2013-06-13 | ヒプテック ゲーエムベーハー | 燃料を供給するための圧力制御部、およびこの圧力制御部を備える制御ユニットを有する燃料供給システム |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002213933A patent/JP2004052713A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2013522528A (ja) * | 2010-03-18 | 2013-06-13 | ヒプテック ゲーエムベーハー | 燃料を供給するための圧力制御部、およびこの圧力制御部を備える制御ユニットを有する燃料供給システム |
US9880568B2 (en) | 2010-03-18 | 2018-01-30 | Hyptec Gmbh | Pressure regulators for feeding fuel, and fuel-supplying system comprising a regulating unit that consists of said pressure regulators |
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