JP2004052351A - 送水システム - Google Patents
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Abstract
【課題】省エネルギー化を実現させることができる送水システムを得る。
【解決手段】深井戸12の井戸水(清水も含む)は、送水管16、マルチサイクロン装置18、送水管20を流動して工場給水本管10へ送水されるが、閉塞型の送水管16、20及び密閉状態のマルチサイクロン装置18を用いることで、井戸水が通過する流路を閉塞空間としている。これにより、揚水ポンプ14の圧力損失を最小限とすることができ、揚水ポンプ14の圧力を維持しつつ、マルチサイクロン装置18から工場給水本管10へ井戸水を送水することができる。従って、井戸水を工場給水本管10へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】深井戸12の井戸水(清水も含む)は、送水管16、マルチサイクロン装置18、送水管20を流動して工場給水本管10へ送水されるが、閉塞型の送水管16、20及び密閉状態のマルチサイクロン装置18を用いることで、井戸水が通過する流路を閉塞空間としている。これにより、揚水ポンプ14の圧力損失を最小限とすることができ、揚水ポンプ14の圧力を維持しつつ、マルチサイクロン装置18から工場給水本管10へ井戸水を送水することができる。従って、井戸水を工場給水本管10へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水を揚水し、地上に配設された給水本管へ送水する送水システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場での送水システムにおいて、井戸水を用いる場合、図2に示すように、深井戸100内に揚水ポンプ102を配設し、この揚水ポンプ102によって揚水された井戸水を工場給水本管104へ送水するが、一般的に井戸水には微細な砂の粒子が混入しているため、深井戸100から揚水された井戸水を工場給水本管104へ送水する前に、沈砂槽106によって、井戸水に含まれた微細な砂の粒子を除去する必要がある。
【0003】
沈砂槽106はコンクリート打設して建設されるため、図示しないブロワによって、沈砂槽106に水を貯留し、長時間空気を送り、コンクリートに含有された不純物のアク抜きを行なった後、沈砂槽106として使用できる状態になるので、工場給水本管104への送水が可能となるまで時間を要する。
【0004】
また、沈砂槽106には入口部106Aと出口部106Bとが対面する位置に設けられており、入口部106Aと出口部106Bとの間には、沈砂槽106の幅に沿って邪魔板108が平行に配置され、先端部の高さが入口部106Aの高さよりも若干低くなっている。これにより、邪魔板108を乗り越えた上澄みの水が出口部106Bへ送水され、井戸水よりも比重の重い砂などは、沈砂槽106の底部に沈殿する。
【0005】
ここで、工場給水本管104は沈砂槽106よりも高所に配置されており、また、沈砂槽106は開口とされ大気に開放されているため、沈砂槽106の出口部106Bから流出した井戸水を工場給水本管104へ送水するためには、送水ポンプ110が別途必要となる。
【0006】
このため、沈砂槽106の下流側に送水ポンプ110を配設し、沈砂槽106を通過した井戸水を、工場給水本管104へ送水する。このように、地下に貯留された井戸水を地上に配設された給水本管へ送水させるためには、揚水用のポンプと送水用のポンプとがそれぞれ必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、省エネルギー化を実現させることができる送水システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、地下水を揚水する揚水ポンプと、密閉状態に設けられ揚水ポンプから揚水された地下水を除砂する除砂手段と、除砂手段よりも高所に配設された給水本管と、給水本管と除砂手段とに接続されて閉塞型の流路を形成し除砂手段によって除砂された水を給水本管へ送水する送水管と、を有することを特徴としている。
【0009】
このように、除砂手段を密閉状態とし、除砂手段と給水本管とを接続する送水管を閉塞型の流路とすることで、井戸水が揚水ポンプによって揚水されてから給水本管へ送水されるまでの流路を閉塞空間とすることができ、揚水ポンプの圧力損失を最小限とすることができる。
【0010】
このため、揚水ポンプの圧力を維持しつつ、除砂手段から給水本管へ地下水を送水することができる。従って、地下水を給水本管へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。
【0011】
また、ポンプを1台にすることで、ポンプのメンテナンスも1台分で良いため、ランニングコストを大幅に削減させることができる。さらに、揚水ポンプによって揚水された水が給水本管へ送水されるまでに通過する流路を閉塞空間とすることで、衛生面においても改善されることとなる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、除砂手段として、地下水を回転させて地下水中に含有された砂を除砂する金属製のサイクロン装置を用いる。沈砂槽では現地でコンクリート打設して建設するため、ブロワによって、沈砂槽に貯留された井戸水中に長時間空気を送り、コンクリートに含有された不純物のアク抜きを行なう必要があるが、サイクロン装置は、金属で形成されているためアク抜きの必要がない。このため、沈砂槽と比較して、サイクロン装置は設備が容易であると共に、設備に要する時間を大幅に削減することができる。
【0013】
また、サイクロン装置では、揚水された地下水中の砂と水との比重差を利用して、サイクロン装置の入口部から流入された地下水中の砂を回転しながら下降させ、清水(砂が取り除かれた水)を上昇させて出口部から流出させる。
【0014】
ここで、下方を頂部とする略円錐状を成すサイクロン装置を用いることで、砂を頂部に堆積させることができる。このため、頂部にバルブを設け、堆積された砂を流出させるようにすることで、サイクロン装置内の砂が簡単に除去できる。
【0015】
従って、除砂手段として沈砂槽を用いた場合と比較して、堆積された砂を取り除く作業に伴う時間を削減することができる。また、このバルブを自動弁とすることで、定期的な清掃が不要となる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、揚水ポンプをインバータ制御している。例えば、給水本管への入口部に圧力計を配設し、給水本管へ送水するための適切な水圧を保持しているか否かを管理し、水圧に応じてインバータ制御により揚水ポンプの圧力をコントロールする。これにより、揚水ポンプの圧力が必要以上となることを防止し、省エネルギー化を実現させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本形態に係る送水システムについて説明する。
【0018】
図1に示すように、井戸水を工場内の給水を行なう工場給水本管10へ送水するため、深井戸12の深さ約15mの位置に揚水ポンプ14を配設し、この揚水ポンプ14によって井戸水を揚水する。揚水ポンプ14には閉塞型の送水管16が接続されており、井戸水はこの送水管16を流動して揚水される。
【0019】
ところで、一般的に井戸水には微細な砂の粒子が混入しており、この砂を取り除くため、送水管16と工場給水本管10との間に、除砂手段としての密閉状態のマルチサイクロン装置18を配設し、マルチサイクロン装置18の出口側には工場給水本管10と接続する閉塞型の送水管20を連結させてマルチサイクロン装置18から流出した清水(砂が取り除かれた水)が流動する。
【0020】
ここで、送水管16の工場給水本管10への入口部には、圧力計22を配設しており、工場給水本管10へ送水するための適切な水圧であるか否かを管理し、この水圧に応じて、揚水ポンプ14の圧力をコントロールする。
【0021】
一方、マルチサイクロン装置18は略円筒状を成しており、下方には略円錐形状の集砂部24を設けている。また、マルチサイクロン装置18は井戸水を回転させて井戸水中に含有された砂を除砂する機能を備えている。
【0022】
具体的には、揚水された井戸水中の砂と水との比重差を利用して、送水管16を流動してマルチサイクロン装置18の入口部18Aから流入された井戸水中の砂を、回転しながら下降させ、清水(砂が取り除かれた水)は上昇させて出口部18Bから流出させる。出口部18Bには、高所に配設された工場給水本管10と接続する閉塞型の送水管20が接続されており、清水は送水管16を流動して工場給水本管10へ送水される。
【0023】
一方、砂はマルチサイクロン装置18の下方に設けられた集砂部24に堆積されるが、マルチサイクロン装置18の集砂部24の頂部には、バルブ26を設けており、このバルブ26を開放することで、集砂部24に堆積された砂を排砂することができる。
【0024】
なお、このバルブ26を自動弁とし、送水停止したときに、砂が所定以上の堆積量になっていると、バルブ26を自動的に開放して、集砂部24内の砂を排砂するように制御しても良い。
【0025】
次に、本形態に係る送水システムの作用について説明する。
【0026】
深井戸12の井戸水(清水も含む)は、送水管16、マルチサイクロン装置18、送水管20を流動して工場給水本管10へ送水されるが、閉塞型の送水管16、20及び密閉状態のマルチサイクロン装置18を用いることで、井戸水が通過する流路を閉塞空間としている。
【0027】
これにより、揚水ポンプ14の圧力損失を最小限とすることができ、揚水ポンプ14の圧力を維持しつつ、マルチサイクロン装置18から工場給水本管10へ井戸水を送水することができる。従って、井戸水を工場給水本管10へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。
【0028】
具体的には、図2に示す深井戸100の深さ15mの位置に配設された揚水ポンプ102は、約15kwの電力が必要であり、また、工場給水本管104に送水するため必要な送水圧力392266Pa(4kg/cm2−G)を考慮すると、送水ポンプ110の電力は30kw必要である。このため、実施前の所要電力(なお、ポンプ効率を80%する)は、
(15kw+30kw)×0.8×24h/日×330/年
=285、120kwh/年 ・・・・(1)
である。
【0029】
これに対して、本発明による所要電力では、図1に示す深井戸12の深さ15mの位置から送水圧力392266Paの工場給水本管10に送水するため必要な揚水ポンプ14の電力は約30kwであり、ポンプ効率を80%とすると、
30kw×0.8×24h/日×330/年
=190、080kwh/年 ・・・・(2)
となる。このため、省エネルギーできた電力は、
(1)―(2)=95、040kwh/年 ・・・・(3)
である。
【0030】
また、送水管16の工場給水本管10への入口部に圧力計22を配設し、水圧に応じて、インバータ制御により揚水ポンプ14の圧力をコントロールすることで、揚水ポンプ14の圧力が必要以上となることを防止し、20%以上の省エネルギー化を実現させることができる。
【0031】
また、従来では2台必要だったポンプを1台にすることによって、ポンプのメンテナンスも1台分で良いため、ランニングコストを大幅に削減させることができる。さらに、揚水ポンプ14によって揚水された水が工場給水本管10へ送水されるまでに通過する流路を閉塞空間とすることで衛生面においても改善されることとなる。
【0032】
また、沈砂槽106(図2参照)ではコンクリート打設して建設するため、図示しないブロワによって、沈砂槽106に貯留された井戸水中に長時間空気を送り、コンクリートに含有された不純物のアク抜きを行なう必要があるが、マルチサイクロン装置18は、金属で形成されているためアク抜きの必要がない。このため、マルチサイクロン装置18は、沈砂槽106と比較して、設備が容易であると共に、設備に要する時間を大幅に削減することができる。
【0033】
また、マルチサイクロン装置18の下方に位置する集砂部24を略円錐状とし、集砂部24の頂部にバルブ26を設けて、集砂部24に堆積された砂を流出させるようにすることで、マルチサイクロン装置18内の砂が簡単に除去できる。
【0034】
このため、沈砂槽106を用いた場合と比較して、排砂作業に伴う時間を削減することができる。また、このバルブ26を自動弁とすることで、マルチサイクロン装置18の定期的な清掃が不要となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、上記構成としたので、請求項1に記載の発明では、揚水ポンプの圧力を維持しつつ、除砂手段から給水本管へ地下水を送水することができるため、地下水を給水本管へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。また、ポンプのメンテナンスも1台分で良いため、ランニングコストを大幅に削減させることができる。さらに、揚水ポンプによって揚水された水が給水本管へ送水されるまでに通過する流路を閉塞空間とすることで、衛生面においても改善されることとなる。
【0036】
請求項2に記載の発明では、沈砂槽と比較して、設備が容易であると共に、設備に要する時間を大幅に削減することができる。また、下方を頂部とする略円錐状を成すサイクロン装置を用いることで、砂を頂部に堆積させることができるため、頂部にバルブを設け、堆積された砂を流出させるようにすることで、サイクロン装置内の砂が簡単に除去できる。このため、除砂手段として沈砂槽を用いた場合と比較して、堆積された砂を取り除く作業に伴う時間を削減することができる。また、このバルブを自動弁とすることで、定期的な清掃が不要となる。
【0037】
請求項3に記載の発明では、揚水ポンプの圧力が必要以上となることを防止し、省エネルギー化を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る送水システムを示す説明図である。
【図2】従来の送水システムを示す説明図である。
【符号の説明】
10 工場給水本管(給水本管)
14 揚水ポンプ
18 マルチサイクロン装置(除砂手段)
20 送水管
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水を揚水し、地上に配設された給水本管へ送水する送水システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場での送水システムにおいて、井戸水を用いる場合、図2に示すように、深井戸100内に揚水ポンプ102を配設し、この揚水ポンプ102によって揚水された井戸水を工場給水本管104へ送水するが、一般的に井戸水には微細な砂の粒子が混入しているため、深井戸100から揚水された井戸水を工場給水本管104へ送水する前に、沈砂槽106によって、井戸水に含まれた微細な砂の粒子を除去する必要がある。
【0003】
沈砂槽106はコンクリート打設して建設されるため、図示しないブロワによって、沈砂槽106に水を貯留し、長時間空気を送り、コンクリートに含有された不純物のアク抜きを行なった後、沈砂槽106として使用できる状態になるので、工場給水本管104への送水が可能となるまで時間を要する。
【0004】
また、沈砂槽106には入口部106Aと出口部106Bとが対面する位置に設けられており、入口部106Aと出口部106Bとの間には、沈砂槽106の幅に沿って邪魔板108が平行に配置され、先端部の高さが入口部106Aの高さよりも若干低くなっている。これにより、邪魔板108を乗り越えた上澄みの水が出口部106Bへ送水され、井戸水よりも比重の重い砂などは、沈砂槽106の底部に沈殿する。
【0005】
ここで、工場給水本管104は沈砂槽106よりも高所に配置されており、また、沈砂槽106は開口とされ大気に開放されているため、沈砂槽106の出口部106Bから流出した井戸水を工場給水本管104へ送水するためには、送水ポンプ110が別途必要となる。
【0006】
このため、沈砂槽106の下流側に送水ポンプ110を配設し、沈砂槽106を通過した井戸水を、工場給水本管104へ送水する。このように、地下に貯留された井戸水を地上に配設された給水本管へ送水させるためには、揚水用のポンプと送水用のポンプとがそれぞれ必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、省エネルギー化を実現させることができる送水システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、地下水を揚水する揚水ポンプと、密閉状態に設けられ揚水ポンプから揚水された地下水を除砂する除砂手段と、除砂手段よりも高所に配設された給水本管と、給水本管と除砂手段とに接続されて閉塞型の流路を形成し除砂手段によって除砂された水を給水本管へ送水する送水管と、を有することを特徴としている。
【0009】
このように、除砂手段を密閉状態とし、除砂手段と給水本管とを接続する送水管を閉塞型の流路とすることで、井戸水が揚水ポンプによって揚水されてから給水本管へ送水されるまでの流路を閉塞空間とすることができ、揚水ポンプの圧力損失を最小限とすることができる。
【0010】
このため、揚水ポンプの圧力を維持しつつ、除砂手段から給水本管へ地下水を送水することができる。従って、地下水を給水本管へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。
【0011】
また、ポンプを1台にすることで、ポンプのメンテナンスも1台分で良いため、ランニングコストを大幅に削減させることができる。さらに、揚水ポンプによって揚水された水が給水本管へ送水されるまでに通過する流路を閉塞空間とすることで、衛生面においても改善されることとなる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、除砂手段として、地下水を回転させて地下水中に含有された砂を除砂する金属製のサイクロン装置を用いる。沈砂槽では現地でコンクリート打設して建設するため、ブロワによって、沈砂槽に貯留された井戸水中に長時間空気を送り、コンクリートに含有された不純物のアク抜きを行なう必要があるが、サイクロン装置は、金属で形成されているためアク抜きの必要がない。このため、沈砂槽と比較して、サイクロン装置は設備が容易であると共に、設備に要する時間を大幅に削減することができる。
【0013】
また、サイクロン装置では、揚水された地下水中の砂と水との比重差を利用して、サイクロン装置の入口部から流入された地下水中の砂を回転しながら下降させ、清水(砂が取り除かれた水)を上昇させて出口部から流出させる。
【0014】
ここで、下方を頂部とする略円錐状を成すサイクロン装置を用いることで、砂を頂部に堆積させることができる。このため、頂部にバルブを設け、堆積された砂を流出させるようにすることで、サイクロン装置内の砂が簡単に除去できる。
【0015】
従って、除砂手段として沈砂槽を用いた場合と比較して、堆積された砂を取り除く作業に伴う時間を削減することができる。また、このバルブを自動弁とすることで、定期的な清掃が不要となる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、揚水ポンプをインバータ制御している。例えば、給水本管への入口部に圧力計を配設し、給水本管へ送水するための適切な水圧を保持しているか否かを管理し、水圧に応じてインバータ制御により揚水ポンプの圧力をコントロールする。これにより、揚水ポンプの圧力が必要以上となることを防止し、省エネルギー化を実現させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本形態に係る送水システムについて説明する。
【0018】
図1に示すように、井戸水を工場内の給水を行なう工場給水本管10へ送水するため、深井戸12の深さ約15mの位置に揚水ポンプ14を配設し、この揚水ポンプ14によって井戸水を揚水する。揚水ポンプ14には閉塞型の送水管16が接続されており、井戸水はこの送水管16を流動して揚水される。
【0019】
ところで、一般的に井戸水には微細な砂の粒子が混入しており、この砂を取り除くため、送水管16と工場給水本管10との間に、除砂手段としての密閉状態のマルチサイクロン装置18を配設し、マルチサイクロン装置18の出口側には工場給水本管10と接続する閉塞型の送水管20を連結させてマルチサイクロン装置18から流出した清水(砂が取り除かれた水)が流動する。
【0020】
ここで、送水管16の工場給水本管10への入口部には、圧力計22を配設しており、工場給水本管10へ送水するための適切な水圧であるか否かを管理し、この水圧に応じて、揚水ポンプ14の圧力をコントロールする。
【0021】
一方、マルチサイクロン装置18は略円筒状を成しており、下方には略円錐形状の集砂部24を設けている。また、マルチサイクロン装置18は井戸水を回転させて井戸水中に含有された砂を除砂する機能を備えている。
【0022】
具体的には、揚水された井戸水中の砂と水との比重差を利用して、送水管16を流動してマルチサイクロン装置18の入口部18Aから流入された井戸水中の砂を、回転しながら下降させ、清水(砂が取り除かれた水)は上昇させて出口部18Bから流出させる。出口部18Bには、高所に配設された工場給水本管10と接続する閉塞型の送水管20が接続されており、清水は送水管16を流動して工場給水本管10へ送水される。
【0023】
一方、砂はマルチサイクロン装置18の下方に設けられた集砂部24に堆積されるが、マルチサイクロン装置18の集砂部24の頂部には、バルブ26を設けており、このバルブ26を開放することで、集砂部24に堆積された砂を排砂することができる。
【0024】
なお、このバルブ26を自動弁とし、送水停止したときに、砂が所定以上の堆積量になっていると、バルブ26を自動的に開放して、集砂部24内の砂を排砂するように制御しても良い。
【0025】
次に、本形態に係る送水システムの作用について説明する。
【0026】
深井戸12の井戸水(清水も含む)は、送水管16、マルチサイクロン装置18、送水管20を流動して工場給水本管10へ送水されるが、閉塞型の送水管16、20及び密閉状態のマルチサイクロン装置18を用いることで、井戸水が通過する流路を閉塞空間としている。
【0027】
これにより、揚水ポンプ14の圧力損失を最小限とすることができ、揚水ポンプ14の圧力を維持しつつ、マルチサイクロン装置18から工場給水本管10へ井戸水を送水することができる。従って、井戸水を工場給水本管10へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。
【0028】
具体的には、図2に示す深井戸100の深さ15mの位置に配設された揚水ポンプ102は、約15kwの電力が必要であり、また、工場給水本管104に送水するため必要な送水圧力392266Pa(4kg/cm2−G)を考慮すると、送水ポンプ110の電力は30kw必要である。このため、実施前の所要電力(なお、ポンプ効率を80%する)は、
(15kw+30kw)×0.8×24h/日×330/年
=285、120kwh/年 ・・・・(1)
である。
【0029】
これに対して、本発明による所要電力では、図1に示す深井戸12の深さ15mの位置から送水圧力392266Paの工場給水本管10に送水するため必要な揚水ポンプ14の電力は約30kwであり、ポンプ効率を80%とすると、
30kw×0.8×24h/日×330/年
=190、080kwh/年 ・・・・(2)
となる。このため、省エネルギーできた電力は、
(1)―(2)=95、040kwh/年 ・・・・(3)
である。
【0030】
また、送水管16の工場給水本管10への入口部に圧力計22を配設し、水圧に応じて、インバータ制御により揚水ポンプ14の圧力をコントロールすることで、揚水ポンプ14の圧力が必要以上となることを防止し、20%以上の省エネルギー化を実現させることができる。
【0031】
また、従来では2台必要だったポンプを1台にすることによって、ポンプのメンテナンスも1台分で良いため、ランニングコストを大幅に削減させることができる。さらに、揚水ポンプ14によって揚水された水が工場給水本管10へ送水されるまでに通過する流路を閉塞空間とすることで衛生面においても改善されることとなる。
【0032】
また、沈砂槽106(図2参照)ではコンクリート打設して建設するため、図示しないブロワによって、沈砂槽106に貯留された井戸水中に長時間空気を送り、コンクリートに含有された不純物のアク抜きを行なう必要があるが、マルチサイクロン装置18は、金属で形成されているためアク抜きの必要がない。このため、マルチサイクロン装置18は、沈砂槽106と比較して、設備が容易であると共に、設備に要する時間を大幅に削減することができる。
【0033】
また、マルチサイクロン装置18の下方に位置する集砂部24を略円錐状とし、集砂部24の頂部にバルブ26を設けて、集砂部24に堆積された砂を流出させるようにすることで、マルチサイクロン装置18内の砂が簡単に除去できる。
【0034】
このため、沈砂槽106を用いた場合と比較して、排砂作業に伴う時間を削減することができる。また、このバルブ26を自動弁とすることで、マルチサイクロン装置18の定期的な清掃が不要となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、上記構成としたので、請求項1に記載の発明では、揚水ポンプの圧力を維持しつつ、除砂手段から給水本管へ地下水を送水することができるため、地下水を給水本管へ送水させるために必要なポンプを1台にすることができ、省エネルギー化を実現させることができる。また、ポンプのメンテナンスも1台分で良いため、ランニングコストを大幅に削減させることができる。さらに、揚水ポンプによって揚水された水が給水本管へ送水されるまでに通過する流路を閉塞空間とすることで、衛生面においても改善されることとなる。
【0036】
請求項2に記載の発明では、沈砂槽と比較して、設備が容易であると共に、設備に要する時間を大幅に削減することができる。また、下方を頂部とする略円錐状を成すサイクロン装置を用いることで、砂を頂部に堆積させることができるため、頂部にバルブを設け、堆積された砂を流出させるようにすることで、サイクロン装置内の砂が簡単に除去できる。このため、除砂手段として沈砂槽を用いた場合と比較して、堆積された砂を取り除く作業に伴う時間を削減することができる。また、このバルブを自動弁とすることで、定期的な清掃が不要となる。
【0037】
請求項3に記載の発明では、揚水ポンプの圧力が必要以上となることを防止し、省エネルギー化を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る送水システムを示す説明図である。
【図2】従来の送水システムを示す説明図である。
【符号の説明】
10 工場給水本管(給水本管)
14 揚水ポンプ
18 マルチサイクロン装置(除砂手段)
20 送水管
Claims (3)
- 地下水を揚水する揚水ポンプと、
密閉状態に設けられ、前記揚水ポンプから揚水された地下水を除砂する除砂手段と、
前記除砂手段よりも高所に配設された給水本管と、
前記給水本管と前記除砂手段とに接続されて閉塞型の流路を形成し、除砂手段によって除砂された水を給水本管へ送水する送水管と、
を有することを特徴とする送水システム。 - 前記除砂手段が、前記地下水を回転させて地下水中に含有された砂を除砂する金属製のサイクロン装置であることを特徴とする請求項1に記載の送水システム。
- 前記揚水ポンプをインバータ制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の送水システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210695A JP2004052351A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 送水システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210695A JP2004052351A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 送水システム |
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JP2004052351A true JP2004052351A (ja) | 2004-02-19 |
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ID=31934129
Family Applications (1)
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JP2002210695A Pending JP2004052351A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 送水システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004052351A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114032993A (zh) * | 2021-12-14 | 2022-02-11 | 江苏宇轩自动化设备有限公司 | 一种新型消防抗浮地埋泵站 |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210695A patent/JP2004052351A/ja active Pending
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