JP2004051333A - 給紙装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リンク部材62は、逆U字状部材62aがカム63aに係合しているため、回転軸63が回転することで左右に往復運動することができる。一方、リンク部材62のアーム状部材62bは、前記ストッパ体裏面(該アーム状部材62bに当接する面)をカム面として、これと嵌り合うような直進カム形状を形成するように構成されており、これにより、リンク部材62の往復運動に伴って、ストッパ体60がリンク部材62におけるアーム状部材62b上を摺動することで上下昇降運動が可能となる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものであり、より詳しくは、分離面にシートの給送下流側の端縁を突き当ててシートを分離して1枚ずつ給送できる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザプリンタ、カラーインクジェットプリンタ、ファクシミリ装置、コピー装置等の画像形成装置には、その画像形成部にカットされたシートを1枚ずつ給送するための給紙装置を備えている。この給紙装置には、特開2001−106367号公報等に開示されているように、複数枚のシートを積層状にして載置する傾斜状の載置板と、該載置板の下方において、当該載置板の表面に対して鈍角状に開いて伸びる分離面を有する分離板とを備え、前記載置板の表面と対峙させて給紙ローラが設けられている。
【0003】
したがって、前記給紙ローラが前記載置板上に積層されたシートのうち最上位置のものに押圧した状態で回転駆動すると、下向きに送られたシートの下端縁が分離面に突き当たり、この分離面の反力を受けた状態で進行し、やがて分離面からシート下端縁が離れて1枚のシートだけが分離される。その後、搬送経路中の搬送ローラにより、前記分離されたシートが画像形成部に送られ、画像形成された後、排紙されるのである。
【0004】
一方、これまでの給紙装置におけるシート分離機構においては、給紙過程では精度のよい分離が得られるものの、シートのセット時には前記分離面へかかる負荷がその時々で一定していないため、過度の荷重がかかると当該分離面をすり抜けて、給送下流側に多数枚のシートが一挙に流れ込み、適切なセット状態を保持できず、該分離面による分離作用を確実に受けることができなくなり、シートの重送が発生するという問題があった。
【0005】
前記公報(特開2001−106367号)においては、この問題を解決するために、前記分離面の開口部に、別途上下回動可能なレバーを設け、該レバーが給紙待機時に分離面から起き上がり、給紙が開始されると落ち込む機構を設け、シートセット時の給送下流側へのシートのなだれ込みを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような機構によると、その構成にレバー、ギヤ、バネ等、多数の部品が必要でありコスト高であると共に、製品をコンパクト化できないという問題がある。さらに、このような機構にバネを用いると、バネの疲労によって、製品のメンテナンスの頻度が必然的に多くなってくる。また、上下回動運動によるシート保持は、その移動量が多いため、給送下流側へのシートのなだれ込みを防止する際に、シートの下端縁を傷つけてしまう問題も有している。
【0007】
本発明は、この従来の問題点を解決すべくなされたものであり、複数のシートを的確にセットすることができ、かつ、該シートを確実に分離して給紙できる給紙装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、水平面に対して傾斜状に配置され画像記録用のシートが載置される載置面と、その載置面の下端に配置され前記載置面に載置されたシートの下端縁が当接する分離面とを備えた載置部と、その載置部に載置されたシートを、その下端縁を先頭にして前記載置部から送出する給紙手段とを備えた給紙装置において、前記分離面より突出して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置と、前記分離面より沈下して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置との間で該分離面と略平行に昇降可能なストッパ体を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成を有する請求項1に記載の給紙装置において、前記載置部は、水平面に対して傾斜状に配置された載置面と、該載置面の下端に配置された分離面を有しており、該載置面が、画像を記録しようとする複数枚のシートを載置し、分離面が、前記分離面に載置されたシートの下端縁と当接して、各シートを分離する。そして、前記載置部に積層載置されたシートを送出する給紙手段が駆動し、該シートの下端縁が分離面の作用を受けることによって、載置されたシートのうちの1枚が順次給送される。ここで、前記載置面の下端には、前記分離面から突出して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置と、分離面より沈下して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置に、前記分離面と略平行に昇降可能なストッパ体を有しており、このストッパ体が、載置される複数枚のシートの下端縁を支持する。
【0010】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、高い摩擦係数を有する摩擦部を有することを特徴とするものである。
【0011】
かかる構成を有する請求項2に記載の給紙装置においては、前記ストッパ体に形成された摩擦部は、前記シートの下端縁に摩擦を与えることによって支持する。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、稜線が前記載置面と平行な方向に伸びる複数の凸部を有することを特徴とするものである。
【0013】
かかる構成を有する請求項3に記載の給紙装置においては、ストッパ体に形成された複数の凸部は、前記シートの下端縁と係合することによって支持する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、前記載置面と平行な方向に配列された複数の凸部を有することを特徴とするものである。
【0015】
かかる構成を有する請求項4に記載の給紙装置においては、ストッパ体に形成された複数の凸部は、前記シートの下端縁と係合することによって支持する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体を、シートの送出が開始される直前に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置に移動させ、当該送出されたシートの下端縁が前記ストッパ体を通過した後に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置に移動させるストッパ移動手段を備えることを特徴とするものである。
【0017】
かかる構成を有する請求項5に記載の給紙装置においては、前記ストッパ体移動手段は、前記ストッパ体を、シートの送出が開始される直前に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置に移動させ、当該送出されたシートの下端縁が前記ストッパ体を通過した後に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置に移動させる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の給紙装置において、前記ストッパ移動手段は、前記給紙手段を駆動している駆動モータの駆動力により回転可能な回転軸と、その回転軸に設けられたカム機構と、そのカム機構の回転運動を前記ストッパ体の昇降運動に変換するためのリンク部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
かかる構成を有する請求項6に記載の給紙装置においては、前記ストッパ体移動手段は、前記給紙手段を駆動している駆動モータの駆動力により回転可能な回転軸と、その回転軸に設けられたカム機構と、そのカム機構の回転運動を前記ストッパ体の昇降運動に変換するためのリンク部材とから構成され、回転軸が駆動モータの駆動を受けて回転し、該回転軸に設けられたカム機構の回転運動を、リンク部材がストッパ体の昇降運動に変換する。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の給紙装置において、前記リンク部材は、前記カム機構による回転運動を往復運動に変換する変換部材と、その変換部材の往復運動の方向に沿って延設され、且つ直進カム形状に形成されたアーム状部材とから構成され、前記ストッパ体は、該アーム状部材上に支持され、該アーム状部材に対向する面にカム面を有することを特徴とするものである。
【0021】
かかる構成を有する請求項7に記載の給紙装置においては、前記リンク部材は、前記カム機構の回転運動を往復運動に変換させる変換部材と、該変換部材から延設されるアーム状部材とからなり、前記ストッパ体は該アーム状部材上に支持されている。そして、該リンク部材を構成する変換部材が、カム機構の回転運動を往復運動に変換し、それに伴って、該リンク部材のアーム状部材に形成された直進カムが、前記ストッパ体のカム面に対して、往復運動することでストッパ体を昇降運動させる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体の前記シート下端縁が当接する部分の長さは、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みと同じ長さを有することを特徴とするものである。
【0023】
かかる構成を有する請求項8に記載の給紙装置においては、前記ストッパ体は、そのシート下端縁が当接する部分において、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みと同じ長さを有することによって、シートの下端縁を支持する。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体の前記シート下端縁が当接する部分の長さは、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みより大きな長さを有することを特徴とするものである。
【0025】
かかる構成を有する請求項9に記載の給紙装置においては、前記ストッパ体は、そのシート下端縁が当接する部分において、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みより大きな長さを有することによって、シートの下端縁を支持する。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の給紙装置において、前記分離面には、その周囲よりも摩擦係数の高い分離部材を有し、前記ストッパ体は該分離部材と近接した位置に設けられていることを特徴とするものである。
【0027】
かかる構成を有する請求項10に記載の給紙装置においては、前記分離面には、その周囲よりも高い摩擦係数を有し給紙されるシートの下端縁と当接し、摩擦を与えることによって、前記分離手段が各シートを1枚ずつ給紙するのを可能とする分離部材が形成され、前記ストッパ体は該分離部材と近接した位置で、該分離面に対して昇降運動することでシートの下端縁を支持する。
【0028】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は前記分離部材を挟んでシート幅方向に複数個設けられていることを特徴とするものである。
【0029】
かかる構成を有する請求項11に記載の給紙装置においては、前記ストッパ体は該分離部材を挟んでシート幅方向に複数個設けられ、シートの下端縁を支持する。
【0030】
請求項12に記載の画像形成装置は、前記請求項1乃至11のいずれかの1項に記載の給紙装置と、該給紙装置から給紙されたシートに対して画像形成する画像形成部とを備えたことを特徴とするものである。
【0031】
かかる構成を有する請求項12に記載の画像形成装置においては、給紙装置から給紙されたシートに対して画像形成部により、画像形成する。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態である給紙装置10を搭載した多機能型の画像形成装置1の斜視図、図2は画像形成装置1の各種機能を実行する制御部のブロック図、図3は給紙装置10の斜視図、図4は給紙装置10の要部正面図、図5は図4のV−V線断面図、図6(a)は給紙時の給紙動作駆動部の説明図、図6(b)は非給紙(給紙待機状態)時の給紙動作駆動部の説明図、図6(c)は給紙直前の給紙動作駆動部の説明図、図7(a)はストッパ体60の下降状態(分離面より沈下して載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置にある時)の説明図、図7(b)はストッパ体60の上昇状態(分離面より突出して載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置にある時)の説明図、図8は図7(b)において上昇したストッパ体60がシート下端縁を保持している様子を表す要部拡大図、図9は給紙装置10における給紙動作の手順を示すフローチャートである。
【0033】
図1に示す多機能型の画像形成装置1は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、複写機能、スキャナ機能等を備えている。
【0034】
多機能型の画像形成装置1は、略箱状の本体2と、この本体2の上面に配置され、数字ボタンや機能操作ボタン等の各種ボタンが設けられた操作パネル3と、画像形成装置1の設定状態や各種の操作メッセージ等が必要に応じて表示される液晶ディスプレイ(LCD)4を備えている。
【0035】
また、画像形成装置1はファクシミリ機能使用時に相手ファクシミリ装置に送信されるファクシミリ原稿や、複写機能時に複写すべき原稿を積層載置する原稿載置部5と、本体2内に設けられ、前記原稿載置部5に載置された原稿の画像を読み取るスキャナ装置8(図示せず)と、その読み取り完了した原稿が排出される排紙部7を備えている。
【0036】
画像形成装置1は、前記原稿載置部5の後部に、さらに、複数枚のシート(記録紙)Pを積層状態で載置する給紙装置10を備えており、この給紙装置10に載置されたシートPは本体2内のカラーインクジェット式等の画像形成部45(図示せず)に搬送され、画像形成部によって所定の画像が印刷された後、排紙部6に排紙される。
【0037】
画像形成装置1に備えられた各種機能を実行する制御部のブロック図を図2に示す。
【0038】
図2に示されるように、画像形成装置1の制御部はCPU40、ROM41、RAM42、モデム43、NCU基板44、画像形成部45、給紙装置10、シート搬送部46、スキャナ装置8、操作パネル3、液晶ディスプレイ4、電源49などから構成されている。このように構成された制御部は、各種制御・演算を実行するためのCPU40、各種制御動作を指示する制御プログラムを記憶したROM41、一部が受信バッファメモリとして用いられるRAM42、他の通信装置との通信処理を行うNCU基板44、NCU基板44を介して他の通信装置との間で通信データを送受信するためのモデム43、カラーインクジェット式等により画像処理を行う画像形成部45、画像形成装置1内に設けられた各種シート搬送ローラの駆動制御を行うシート搬送部46、載置されたシートを一枚ずつシート搬送部46に給送する給紙ローラを駆動する駆動モータ80及び駆動モータ80の駆動制御を行うモータドライバ47を備えた給紙装置10、原稿の幅方向に1ライン毎の読み取りを行うスキャナ装置8、各種操作ボタンを備えた操作パネル3、画像形成装置1の設定状態などを表示する液晶ディスプレイ4、画像形成装置1に電源の供給を行う電源部49などがバスライン50を介して接続されている。
【0039】
次に、上述した給紙装置10の構成について詳細に説明する。図3〜図5に示すように、給紙装置10における台枠フレーム11には収納手段としての下向き前方傾斜状の(水平面に対して略60度傾斜させた)載置板12と、該載置板12の左右両側に連設された一対の側壁板14と、該一対の側壁板14よりも内側に配置されて載置板12に対して左右方向に移動可能な一対の案内板13a、13bとを備えており、載置板12と側壁板14とは合成樹脂にて一体的に形成されている。載置板12は記録紙である複数枚のシートPを積層して載置できるものであり、台枠フレーム11の下端側の下枠部11aには、前記積層されたシートPの下端縁を支持し、画像形成部にシートPを送り出し案内するための分離面が上面に形成された分離板15が、シートPの給送方向(図3及び図5参照)に突出するように配置されている。また、分離板15上の前記分離面の中央にはシートの下端縁と当接して、シートをさばく分離部材31が設けられている。
【0040】
本実施例では、前記分離板15の上面(分離面)は、水平面に対して先端側(図3、図5の矢印A方向)が上方向になるように傾斜角度が略3度程度で傾斜している。また、前記分離板15の上面(分離面)と載置板12との夾角は略110度程度の鈍角に形成されている。
【0041】
前記一対の案内板13a、13bは載置板12の裏面に配置された横長のラック16に連結され、同じく裏面に設けたピニオン17に前記のラック16が噛み合うように構成されており、このピニオン17及びラック16の連動により一対の案内板13a、13bが載置板12の左右幅方向に移動可能に構成されている(図3及び図5参照)。これにより、一対の案内板13a、13bの間に積層されたシートPの幅方向の寸法に応じて当該シートのPの左右両側縁を案内するように遠近移動すると共に、シートPを載置板12の幅方向(左右方向)の中央部にセットできるものである。
【0042】
前記左右両側壁板14間には、前記分離板15の上面から上方に適当距離隔てて回転自在に伝動軸20が軸支されており、該伝動軸20の中途部、つまりシートPの幅方向(左右方向)の中央部には、給紙手段としての給紙ローラ21を有する給紙ローラユニット22のケース24が回転のみ自在に装着されている。前記一方の側壁板14(右側壁板)の外面には、駆動モータ80と、駆動モータ80からの動力を伝達するギヤ列90〜97、カムギヤ81、ストッパー位置検知センサー82などが配置されている(図3、図6参照)。
【0043】
給紙ローラユニット22のケース24内には、図5に示すように、前記伝動軸20と一体的に回転する駆動ギヤ25と、伝導軸20に回転自在に被嵌したアーム26の先端に枢支され、かつ前記駆動ギヤ25と噛み合う遊星ギヤ27と、中間ギヤ28と、該中間ギヤ28に噛み合い、給紙ローラ21と一体的に回転するギヤ29とを備える。また、ケース24は、伝動軸20に取り付けられた捩じりバネ30により、給紙ローラ21が前記積層されたシートPの最上面に押圧されるように弾力付勢されている。
【0044】
給紙動作時に伝動軸20の端部に固着されたギヤ90が反時計回りに回転(図3参照)すると、前記駆動ギヤ25も反時計回りに回転し、これに噛み合う遊星ギヤ27は時計回りに回転する方向への回転力が与えられることにより、アーム26が反時計回りに回転し、遊星ギヤ27は中間ギヤ28と噛み合う。これにより、中間ギヤ28は反時計回りに回転し、ギヤ29ひいては給紙ローラ21は時計回りに回転するので、この給紙ローラ21の下面側に当接しているシートPは図5の下方に給送される。
【0045】
他方、前記ギア90を時計回りに回転させた場合には、前記駆動ギヤ25の時計方向の回転につれて、遊星ギヤ27が反時計回りに回転する方向への回転力が与えられることにより、アーム26は時計回りに回転して、遊星ギヤ27と中間ギヤ28との噛み合いは解除されて動力伝達は遮断されるから、給紙ローラ21の回転は停止され、給紙作用は行われない。
【0046】
次に、前記給紙装置10に複数枚のシートPを積層状態にセットしたとき、積層状態にあるシートPの下端縁を支えるための手段について説明する。
【0047】
前記積層されたシートPの保持手段の一例のストッパ体60は、その上面において、稜線が前記載置板12と平行な方向に伸びる鋸歯状に形成された樹脂部材で構成されており(図8参照)、前記分離板15に設けられた上方開放状でシートPの給送方向(図3、図5の矢印A方向)に伸びる配置溝61(ここで、配置溝61は給紙ローラ21による給紙作用部の延長線上に対して左右対称に設けられている。)内に上下昇降可能に配置されている(図4参照)。なお、ここでストッパ体60の裏面(下の面)には該ストッパ体の上下昇降運動を可能にするためのカム面が形成されている(図7(a)、図7(b)参照)。また、このストッパ体60が前記配置溝61内に収納され、下がっている状態では、該ストッパ体60の上面は前記分離板15の上面より突出せず、上がった状態でのみ前記分離板15の上面より突出して積層状態にあるシートPの下端縁を支える。
【0048】
次に、前記ストッパ体60を昇降運動させるための駆動手段およびその連動機構について説明する。
【0049】
前記フレーム11の下枠部11aには、図5、図7に示すように、該下枠部11aの上部奥側に回転可能に配置され、所定の位置に円柱状のカム63aが設けられた回転軸63と、該カム63aに配置され、該カム63aの回転運動を前記ストッパ体60の昇降運動に変換するためのリンク部材62とが設けられている。該リンク部材62は、前記カム63aに係合し、動力変換部材として機能する逆U字状を有する部材62aと、該逆U字状部材62aから延設されるアーム形状を有する部材62bとから構成され、前記ストッパ体60は該アーム状部材62b上に支持されている。
【0050】
リンク部材62は、該逆U字状部材62aが該カム63aに係合しているため、回転軸63が回転することで左右に往復運動することができる。一方、リンク部材62のアーム状部材62bは、前記ストッパ体60裏面(該アーム状部材62bに当接する面)をカム面として、これと嵌り合うような直進カム形状を形成するように構成されており、これにより、リンク部材62の往復運動に伴って、ストッパ体60がリンク部材62におけるアーム状部材62b上を摺動することで上下昇降運動が可能となる。なお、ストッパ体60は突起状の部材60aを有しており、突起部60aは分離板15の下方に設けられた溝部11cと係合しており、該ストッパ体60はリンク部材62の往復運動につられて移動してしまうことはない。また前記回転軸63の両端部は左右側壁板14に貫通させて軸支されており、右側壁板14の外面において、当該回転軸63はカムギヤ81に固定され、さらにカムギヤ81は駆動機構を構成している各種ギヤ90〜97と連結している(図6(a)、図6(b)、図6(c))。
【0051】
前記右側壁板14の外面には、図6に示すように、正逆回転可能な駆動モータ80と、該駆動モータ80に設けられたモータギヤ80aと、モータギヤ80aに噛み合うギヤ97と、ギア97に噛みあい、ギヤ96bと一体的に回転するギヤ96aと、ギヤ96bに噛みあい、ギヤ92bと一体的に回転するギヤ92aと、二段ギヤ92(92a、92b)の中心軸99に回転自在に被嵌したアーム98の先端に枢支され、かつ前記ギヤ92bと噛み合う遊星ギヤ93と、92bと噛み合うギヤ91と、ギヤ91と噛み合う駆動ギヤ90と、中間ギヤ94と、該中間ギヤ94に噛み合うギヤ95と、ギヤ95と噛み合うカムギヤ81とを備える。ここで、中間ギヤ94は二段ギヤ92の下方すなわち、アーム98の移動によって、遊星ギヤ93と噛み合うことができる位置に配置されている。また、ギヤ92bの右上部付近にはピン100が設けられており、該ピン100は、ギヤ92bの回転に伴いアーム98がギヤ91が配置されている方向へ移動する際の移動量を、該ピン100がアーム98と当接することによって規制するためのものである。さらに、前記カムギヤ81には該カムギヤ81と一体的に回転するカム83が配置されており、その左下部付近には該カム83に当接するスイッチ部82aを有するセンサー82が配置されている。当該センサー82は前記ストッパー体60の昇降状態を、カム83がスイッチ部82aをオン(垂直方向に移動)、オフ(水平方向に移動)することによって検知し、CPU40はこの情報をもとに駆動モータ80の正逆回転のタイミングを制御する。
【0052】
給紙待機時(シートセット時)においては、前記二段ギヤ92の中心軸99に回転自在に被嵌したアーム98は、図6(b)に示すように、ギア94に当接する方向に位置しており、このとき駆動モータ80も停止しているため、遊星ギヤ93は中間ギア94と噛み合った状態で停止している。このとき、前記回転軸63のカム63aがストッパ体60から遠ざかる方向に位置するので、ストッパ体60裏面のカム面と、リンク部材62表面の直進カムの嵌り合いが外れることによってストッパ体60は上昇状態に配置されている(図7(b)参照)。なお、このときカムギア81のカム83は前記センサー82のスイッチ部82aをオンした状態で停止しているため、CPU40はストッパ体60が上昇状態にあることを認識する。
【0053】
そして、図6(c)に示すように、給紙が開始される直前に、CPU40からの信号により駆動モータ80が反時計回りに回転する、すなわちモータギヤ80aが反時計回りに回転すると、これに噛み合うギヤ97は時計回りへの回転力が与えられることにより、ギヤ97と噛み合うギヤ96aが反時計回りに回転する。これにより、ギヤ96bも反時計回りに回転し、これに噛み合うギヤ92aは時計回りに回転する。ギヤ92aの回転に伴い、時計回りに回転する92bがこれに噛み合う遊星ギヤ93に反時計回りの回転力を与えることによって、遊星ギヤ93と噛み合う中間ギヤ94は時計回りに回転し、ギヤ95が反時計回りに回転し、カムギヤ81が時計回りに回転する。この結果、前記回転軸63のカム63aはストッパ体に近づく方向に移動し、前記リンク部材62の直進カムがストッパ体60裏面のカムと嵌り合うため、ストッパ体60が下降する(図7(a)参照)。
【0054】
カムギヤ81のカム83が回転し、センサー82のスイッチ部82aがオフ状態になると、CPU40はストッパ体60が下降位置に到達したと判断して駆動モータ80の回転方向を切り換える。図6(a)に示すように、該駆動モータ80(モータギヤ80a)が時計回りに回転すると、これに噛み合うギヤ97は反時計回りに回転力が与えられることにより、ギヤ97と噛み合うギヤ96aが時計回りに回転する。これにより、ギヤ96bも時計回りに回転し、これに噛み合うギヤ92aは反時計回りに回転する。そして、アーム98は、ギヤ92aの回転に伴い反時計回りに回転するギヤ92bが遊星ギヤ93に時計回りの回転力を与えることによって、反時計回りに回転し、前記ピン100に当接することによって遊星ギヤ93はギヤ92bのほぼ右側でフリーな状態で回転する。一方、ギヤ92bの回転力はギヤ91に時計回りの回転を与え、ギヤ91の回転が駆動ギヤ90に反時計回りの回転を与える結果、給紙ローラ21が給紙する方向に回転し、給紙が開始される。なお、このとき、遊星ギヤ93はギヤ92bの右側でフリーな状態に位置しているため、駆動モータ80の回転力は中間ギヤ94に伝達されないので、ギヤ94、95は停止しており、したがって、カムギヤ81は図6(c)の状態を維持しており、ストッパ体60は下降したままである。
【0055】
そして、給紙動作が終了し、非給紙状態になると、CPU40からの信号により、図6(b)に示すように、駆動モータ80(モータギヤ80a)は反時計回りに回転するが、これに伴い、ギヤ97は時計回りに回転する方向への回転力が与えられることにより、ギヤ96aが反時計回りに回転する。これにより、ギヤ96bも同方向へ回転し、ギヤ92aは時計回りに回転する。そして、アーム98は、ギヤ92aと同じ方向へ回転するギヤ92bが遊星ギヤ93に反時計回りの回転力を与えることによって、時計回りに回転し、遊星ギヤ93は中間ギヤ94と噛み合う。そして、中間ギヤ94は時計回りに回転し、ギヤ95を経由して、カムギヤ81が時計回りに回転する結果、前記リンク部材62を介して、ストッパ体60が上昇するのである。ここで、CPU40は、カムギヤ81のカム83がセンサー82のスイッチ部82aをオンすると、ストッパ体60が上昇状態に到達したと判断して、駆動モータ80の回転を停止させる。このように1回の給紙動作が終了する毎に、カムギヤ81のカム83の凸部は下向きに維持され、ストッパ体60は上昇した状態となるので、このとき複数枚のシートをセットしても給送下流側にシートが流れ込むことなく快適なセット状態を得ることができるのである。引き続き給紙が行われるときは、再度、各ギヤが図6(c)に示すように回転し、給紙の直前にストッパ体60が下降するから、スムーズな給紙が実現される。
【0056】
次に、前記構成による給紙時のシートPの分離作用について説明する。あらかじめ、給紙装置10における載置板12に複数枚のシートPを積層して載置する。前記左右一対の案内板13a、13bにより、シートPの左右両側縁が案内規制されて、当該シートPは、載置板12の左右中央位置に、シートPの幅方向の中心線に位置するように配置される。この状態では積層された各シートPの下端縁(先端縁)はすべて前記ストッパ体60の上面に当接しているが、それより高さの低い分離板15の分離面、該分離面上の分離部材31とは当接していない。
【0057】
パーソナルコンピュータや外部のファクシミリ装置等の外部制御装置からの信号を受けてCPU40から印刷指令が実行されると、前記駆動モータ80が駆動開始し、その駆動力が給紙ローラ21とストッパ体60を昇降動させる機構に伝達される。このとき、まずストッパ体60が分離板15の上面(分離面)より下に下降し、積層されたシートPの下端縁は分離面と分離部材31に当接する。その後、給紙ローラ21が図5において時計回りに回転し、給紙ローラ21に押圧されている最上位置のシートのみ分離部材31による分離作用により図5の矢印A方向に給送される。
【0058】
以下に、これまでに示したストッパ体60の一連の昇降動作について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
給紙待機時(図6(b)参照)において、給紙操作が開始されると、CPU40は、まずストッパ体60が上昇状態にあるかどうか、すなわち、センサー82がオンされているかどうかを判断し(ステップS101。以下、ステップを「S」と表す。)、オンされていなければ(S101:NO)、一旦駆動モータ80を反時計方向に回転させ(S102)、S101に戻り、センサー82をオンさせる。一方、ステップS101において、センサー82がオンされていると判断されると(S101:YES)、S103の処理に移行し、駆動モータ80を反時計方向に回転させる(S103)。
【0060】
そして、センサー82がオフされる(図6(c)参照。)、すなわち、ストッパ体60が分離板15の分離面より下降し、最下位置に到達すると(S104:YES)、CPU40は駆動モータ80の回転方向を切り換え、時計方向に回転させる(S105)(図6(a)参照)。ここで、まだ、センサー82がオフされないと判断されると(S104:NO)、S103に戻り、駆動モータ80の反時計方向の回転を継続させる。
【0061】
次に、ステップS105を経て、CPU40が、駆動モータ80が所定量回転、すなわち、積層載置されたシートを一枚分離して給送下流側のシート搬送部46に配置された搬送ローラ(図示せず)に達する量だけ搬送したかどうかを判断し(S106)、所定量回転したと判断すると(S106:YES)、分離動作は終了しているので、駆動モータ80の回転方向を切り換えて、ストッパ体60を上昇させる(S107)。ここで、CPU40が、まだ所定量回転していないと判断すると(S106:NO)、ステップS105に戻り、駆動モータ80の時計方向の回転が続けられる。
【0062】
そして、ステップS108において、センサー82がオンされる(図6(b)参照)、すなわち、ストッパ体60が分離板15の分離面から突出し、最上位置に到達すると(S108:YES)、CPU40は駆動モータ80の回転を停止させる(S109)。ここで、センサー82がまだ、オンされなければ(S108:NO)、ステップS107に戻り、駆動モータ82の反時計方向の回転が続行される。
【0063】
最後に、ステップS110において、印刷すべき全ページが給紙されたかどうかをCPU40が判断し、給紙されていなければ(S110:NO)、ステップS101に戻り、これまでの各ステップが繰り返される。ステップ110において、全ページの給紙が終了したと判断されれば(S110:YES)、給紙操作は終了する。
【0064】
以上、本発明における一つの実施形態を示してきたが、本実施形態ではストッパ体60の昇降運動に関する駆動手段および連動機構において、バネ等の疲労の激しい部材は使用しておらず、そのほとんどがギヤで構成されているため、メンテナンス性、省スペース性に優れ、さらに、部品数も少なくて済むことからコストの低減も図ることができる。また、前記ストッパ体60の昇降運動は、回動運動に比べて移動量が少なく、シートの下端縁を傷つけることもない。
【0065】
なお、本実施形態では、一つの駆動モータ80を用いて給紙ローラ21およびストッパ体60の昇降を行っているが、別途モータを増やして、給紙開始直前にストッパ体60が当該積層状態にあるシートの下端縁と当接しない位置まで下降し、給紙されるシートの下端縁がストッパ体60を通過した直後にストッパ体を上昇させ、残りの積層状態にあるシートの下端縁を支えるように構成したものであってもよい。さらに、これに対応して駆動モータによる駆動力を給紙ローラ21またはストッパ体60に伝達するギヤ列の構成、配置も変更可能である。こうすることによって、給紙されるシートと該シートの直下のシートの摩擦による重送を防止し、給紙時においても、さらに効果的な分離を得ることができる。
【0066】
また、前記実施形態のストッパ体60は、シートの当接面において、稜線が載置板12と平行な方向に伸びる鋸歯状に形成されたものとしているが、本発明はこの形状に限ることはなく、シートの当接面において高い摩擦係数を有するものや、シートの当接面において稜線が載置板12に対して平行な方向に伸びた波状に形成されたもの(図10(A)参照)や、シートの当接面において載置板12と平行な方向に配列された複数の凸部を設けたもの(図10(B)参照)であってもよい。
【0067】
さらに、ストッパ体60のシートの当接面が前記鋸歯状、または波状、複数の凸部を配列した形状である場合に、ストッパ体60が摺動性を有する素材で形成されていると、積層されたシートの幅方向(左右方向)への移動が容易となり、案内板13a、13bによりシートの側端を整列させることが容易になるという効果を奏する。
【0068】
本実施形態では、ストッパ体60を昇降動させるために、回転軸63とリンク部材62を用いているが、必ずしもこのような構成でなくとも、ストッパ体60を昇降動させることができる機構であれば、その機構を用いてもよい。
【0069】
なお、前記の各実施形態の給紙装置を備えた画像形成装置であれば、給紙装置にてシートPの2重送りが確実に防止できるから、1枚ずつ給送された各シートPに対して画像形成部にて確実に所定の画像を形成することができる。
【0070】
また、前記ストッパ体60のシートPの下端縁が当接する部分の長さは、積層されたシートPを確実に保持できる長さであれよく、前記載置板12に積層可能な最大枚数のシートを載置した際に、それらのシートの下端縁がストッパ体60と当接する部分の厚みと同じ長さのもの、あるいはそれより大きな長さを有するものであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、左右一対の案内板13a、13bによってシートPをガイドすることにより、シートPの大きさ(幅寸法)に関係なく、シートPの幅方向の中央部(真ん中)の下端縁に分離部材31が当接するようにしたものであるが、必ずしもシートPの真ん中である必要はなく、多少左右に偏っていても中央部寄り側の端縁であれば、略同等の効果が期待できる。さらに、載置板12の片側にシートPを寄せてセットするようにした給紙装置においても本発明は適用可能であるが、この際、該分離部材31を、その一方に寄せられたシートPの幅方向の中央部の下端縁に当接するように配置する構成をとってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、前記ストッパ体60は分離板15の分離面に設けられた分離部材31に近接した位置に、左右対称に一対配置されているが、必ずしもこれに限ることはなく、シートPの下端縁を確実に支持できるのであれば、該分離部材31から離れた位置であってもよく、また、左右対称でなくてもよく、さらに分離部材を挟んでより多くのストッパ体を用いることも可能であることはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明は、水平面に対して傾斜状に配置され画像記録用のシートが載置される載置面と、その載置面の下端に配置され前記載置面に載置されたシートの下端縁が当接する分離面とを備えた載置部と、その載置部に載置されたシートを、その下端縁を先頭にして前記載置部から送出する給紙手段とを備えた給紙装置において、前記分離面より突出して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置と、前記分離面より沈下して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置との間で該分離面と略平行に昇降可能なストッパ体を備えたことを特徴とするものである。
【0074】
このように構成することにより、シートを複数枚積層状にして、傾斜状に配置された載置面にセットしたとき、そのシートの下端縁が直接分離面に当たって、そのまま積層状態のシートが給送下流側になだれ込むのを、ストッパ体が分離面より上昇することで阻止でき、さらには、当該ストッパ体は該分離面に平行に昇降可能であるため、該ストッパ体の昇降に要する距離を少なくすることができ、ストッパ体昇降時の前記積層されたシートのブレを軽減すると共に、ストッパ体の昇降によってシート下端縁が傷ついてしまうのを防止することができるという効果を奏する。
【0075】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、高い摩擦係数を有する摩擦部を有することを特徴とするものであるから、シートの下端縁がストッパ体上で摩擦を受けることによって、より効果的になだれ込みを防止できるという効果を奏する。
【0076】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、稜線が前記載置面と平行な方向に伸びる複数の凸部を有することを特徴とするものであるから、シートの下端縁がストッパ体上で形成された複数の凸部と係合することによって、より効果的になだれ込みを防止することができるという効果を奏する。
【0077】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記シートの下端縁が当接する部分に、前記載置面と平行な方向に配列された複数の凸部を有することを特徴とするものであるから、シートの下端縁がストッパ体上に形成された複数の凸部と係合することによって、より効果的になだれ込みを防止することができるという効果を奏する。
【0078】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体を、シートの送出が開始される直前に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置に移動させ、当該送出されたシートの下端縁が前記ストッパ体を通過した後に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置に移動させるストッパ移動手段を備えるものであるから、給紙開始直前にストッパ体の上昇が解除されることによってシートの給送が阻害されることなく、スムーズな給紙が行われるという効果を奏し、さらに、当該給紙されたシートの下端縁がストッパ体を通過した後に上昇するものであるから、常に安定したセット状態(具体的には非給紙時においては、いつ複数枚のシートをセットしても給送下流側にシートがなだれ込むことなく、快適なセット状態を得ることができる。)が維持できるという効果を奏する。
【0079】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の給紙装置において、前記ストッパ移動手段は、前記給紙手段を駆動している駆動モータの駆動力により回転可能な回転軸と、その回転軸に設けられたカム機構と、そのカム機構の回転運動を前記ストッパ体の昇降運動に変換するためのリンク部材とを備えたことを特徴とするものであるから、ストッパ体を昇降させるためのモータを新たに設ける必要はなく、駆動モータの力を無駄なく使うことができるという効果を奏する。
【0080】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の給紙装置において、前記リンク部材は、前記カム機構による回転運動を往復運動に変換する変換部材と、その変換部材の往復運動の方向に沿って延設され、且つ直進カム形状に形成されたアーム状部材とから構成され、前記ストッパ体は、該アーム状部材上に支持され、該アーム状部材に対向する面にカム面を有することを特徴とするものであるから、リンク部材の往復運動によって、ストッパ体を昇降させるため、回動によって昇降させるものよりも使用するエネルギーが少なくて済み、さらに、複数枚のシートの重みに安定して耐えることができるという効果を奏する。
【0081】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体の前記シート下端縁が当接する部分の長さは、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みと同じ長さを有することを特徴とするものであるから、複数枚のシートをセットする際に、シート下端縁がストッパ体から溢れ出して給送下流側になだれ込むことなく、適切なセット状態を維持できるという効果を奏する。
【0082】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置において、前記ストッパ体の前記シート下端縁が当接する部分の長さは、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みより大きな長さを有することを特徴とするものであるから、複数枚のシートをセットする際に、シート下端縁がストッパ体から溢れ出して給送下流側になだれ込むのを確実に防止することができ、より適切なセット状態を維持できるという効果を奏する。
【0083】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の給紙装置において、前記分離面には、その周囲よりも摩擦係数の高い分離部材を有し、前記ストッパ体は該分離部材と近接した位置に設けられていることを特徴とするものであるから、分離部材と近接した位置に設けることによって、ストッパ体が前記分離面よりも上昇しているときに、シートの撓みによって積層されたシートの下端縁が分離部材と当接してしまうことを防止できるという効果を奏する。
【0084】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の給紙装置において、前記ストッパ体は前記分離部材を挟んでシート幅方向に複数個設けられていることを特徴とするものであるから、ストッパ体を複数個設けることによって、より安定なセット状態を維持できる効果を奏する。
【0085】
請求項12に記載の画像形成装置は、前記請求項1乃至11のいずれかの1項に記載の給紙装置と、該給紙装置から給紙されたシートに対して画像形成する画像形成部とを備えたことを特徴とするものである。したがって、給紙装置に安定した姿勢で積層されたシートから一枚ずつ給送された各シートに対して画像形成部にて確実に所定の画像を形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置1の斜視図である。
【図2】画像形成装置1の各種機能を実行する制御部のブロック図である。
【図3】給紙装置10の斜視図である。
【図4】給紙装置10の要部正面図である。
【図5】図4のV−V線矢視断面図である。
【図6】給紙動作駆動部の説明図である。
【図7】ストッパ体の上昇状態および下降状態の説明図である。
【図8】図7において、上昇したストッパ体60がシート下端縁を保持している様子を示す要部拡大図である。
【図9】給紙装置10における給紙動作の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態におけるストッパ体上面(シート当接面)の他の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 給紙装置
12 載置板
15 分離板
21 給紙ローラ
22 給紙ローラユニット
27 遊星ギヤ
31 分離部材
60 ストッパ体
62 リンク部材
63 回転軸
80 駆動モータ
82 ストッパ位置検知センサ
93 遊星ギヤ
Claims (12)
- 水平面に対して傾斜状に配置され画像記録用のシートが載置される載置面と、その載置面の下端に配置され前記載置面に載置されたシートの下端縁が当接する分離面とを備えた載置部と、その載置部に載置されたシートを、その下端縁を先頭にして前記載置部から送出する給紙手段とを備えた給紙装置において、
前記分離面より突出して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置と、前記分離面より沈下して前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置との間で該分離面と略平行に昇降可能なストッパ体を備えたことを特徴とする給紙装置。 - 前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、高い摩擦係数を有する摩擦部を有することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、稜線が前記載置面と平行な方向に伸びる複数の凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記ストッパ体は、前記シートの下端縁が当接する部分に、前記載置面と平行な方向に配列された複数の凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記ストッパ体を、シートの送出が開始される直前に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接しない位置に移動させ、当該送出されたシートの下端縁が前記ストッパ体を通過した後に、前記載置部に載置されたシートの下端縁に当接する位置に移動させるストッパ移動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙装置。
- 前記ストッパ移動手段は、前記給紙手段を駆動している駆動モータの駆動力により回転可能な回転軸と、その回転軸に設けられたカム機構と、そのカム機構の回転運動を前記ストッパ体の昇降運動に変換するためのリンク部材とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の給紙装置。
- 前記リンク部材は、前記カム機構による回転運動を往復運動に変換する変換部材と、その変換部材の往復運動の方向に沿って延設され、且つ直進カム形状に形成されたアーム状部材とから構成され、前記ストッパ体は、該アーム状部材上に支持され、該アーム状部材に対向する面にカム面を有することを特徴とする請求項6に記載の給紙装置。
- 前記ストッパ体の前記シート下端縁が当接する部分の長さは、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みと同じ長さを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置。
- 前記ストッパ体の前記シート下端縁が当接する部分の長さは、前記載置部に積層可能な最大枚数のシートの下端縁が該ストッパ体と当接する際に、その当接部分の厚みより大きな長さを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置。
- 前記分離面には、その周囲よりも摩擦係数の高い分離部材を有し、前記ストッパ体は該分離部材と近接した位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の給紙装置。
- 前記ストッパ体は前記分離部材を挟んでシート幅方向に複数個設けられていることを特徴とする請求項10に記載の給紙装置。
- 前記請求項1乃至11のいずれかの1項に記載の給紙装置と、該給紙装置から給紙されたシートに対して画像形成する画像形成部とを、備えたことを特徴とする画像形成装置。
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