JP2004050820A - Ink jet recording medium - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録媒体に関し、詳しくは、耐水性、インク吸収性、光沢性及び変褪色耐性に優れた膨潤型のインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、騒音がなく、高速印字が可能であり、また、複数個のインクノズルを使用することにより多色記録を行うことも容易であることから、特にコンピューター用の画像情報出力装置として近年急速に普及している。また、その利用分野も、記録媒体として透明なフィルムや光沢のある樹脂被覆紙を利用したり、出力する画像の内容も、文字や図形などから写真に近い画質が要求されるカラー版下やデザインイメージ等へと拡大している。
【0003】
ところで、インクジェット記録用のインクには、安全性、記録特性の面から、主に水と水溶性有機溶媒を主成分とする水性インクが使用され、インクの目詰まり防止及び吐き出し特性向上等が図られている。また、インクジェット記録媒体(以降、単に記録媒体ともいう)としては、従来、通常の紙やインクジェット記録紙と称される支持体上に多孔質のインク吸収層を設けてなる記録用シートが使用されてきた。
【0004】
しかし、これら従来の記録媒体は、インクのにじみが大きく光沢性が低いため、近年の高い画質の要求レベルに応えられるものではない。更に、透明フィルムや光沢のある樹脂被覆紙に従来の多孔質インク吸収層を用いた場合、多孔質インク吸収層は光透過性が低いため、透明性や光沢性が失われてしまう欠点がある。また、インク吸収層が非多孔質の場合には光透過性は改良されるが、水性インク受容性が劣るために、画像記録印字後インクが記録媒体表面に長時間残存し、乾燥定着時間が長くなるという問題点があった。
【0005】
これらの問題点を解決するため、光透過性が高く水性インクの受容性に優れたインク吸収層として、ゼラチンを用いる膨潤型の記録媒体が提案されている。例えば、特定pHのゼラチン水溶液から形成された受容層を有する記録媒体(例えば、特許文献1参照。)、また、ゼラチンと界面活性剤の混合物の使用した受容層を有する記録媒体(例えば、特許文献2参照。)が、更に、塗布したゼラチンを一旦ゲル状態にして後、コールドドライ法により乾燥させて得られる記録シート(例えば、特許文献3参照。)が、それぞれ提案されている。
【0006】
確かに、これらゼラチンを用いた膨潤型のインク受容層は、インクの受容性に優れ、光透過性も高い。しかし、インクの乾燥定着時間という点ではやはり数分から数十分を要し、画像記録印字直後に手や他の紙などに触れた場合、これらがインクで汚れたり、また画像自体が汚れたりするという問題点がある。
【0007】
一般に、インク受容層にゼラチンを用いた記録媒体のインク吸収能は、インク受容層に使用するポリマーの特性に大きく依存している。従来から用いられていたインク吸収能の高いポリマーとして、ポリビニルアルコールが知られているが、ポリビニルアルコールを使用すると耐水性が低下するという問題点を有している。この耐水性は、カチオン性の水溶性ポリマーを用いることにより改良はされるが、新たに光沢度の低下を引き起こす結果となり、優れた耐水性と高い光沢性の両者を、同時に満足する手段が出現していないのが現状である。
【0008】
一方、インクジェット記録画像においては、有害ガスによる変褪色を起こしやすい問題がある。特に、一般のカラーインクジェットプリンタに採用されているフタロシアニン系水性染料で起こりやすい。この変褪色のメカニズムに関しては、未だ全てが明確にはなっていないが、オゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中の極微量の活性な有害ガスが染料を分解していると推察している。
【0009】
【特許文献1】
特開昭62−263084号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平1−146784号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平6−64306号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐水性、インク吸収性、光沢性及び変褪色耐性に優れた膨潤型のインクジェット記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0014】
1.支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、該インク受容層の少なくとも1層が、ゼラチン、カチオン性ポリマー及びセルロース類を含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
【0015】
2.支持体上にゼラチンを含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、下記で定義するインク吸着率の異なる2種以上のカチオン性ポリマーを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
【0016】
インク吸着率:カチオン性ポリマーAを含有するインクジェット記録媒体上に、ブラック染料インクを濃度1.0となるように印字し、これを30℃の純水中に10秒間浸漬、乾燥した後、浸漬前後での濃度を測定し、下式(1)に従ってインク吸着率を求め、これをカチオン性ポリマーAのインク吸着率と定義する。
【0017】
式(1)
インク吸着率(%)=純水浸漬後のインク濃度/純水浸漬前のインク濃度×100
3.支持体上にゼラチンを含有する2層以上のインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、前記で定義したインク吸着率の異なる2種以上のカチオン性ポリマーを含有し、支持体に近いインク受容層Aに含有されるカチオン性ポリマーのインク吸着率が、該インク受容層Aに対し支持体から遠いインク受容層Bに含有されるカチオン性ポリマーのインク吸着率より大きいことを特徴とするインクジェット記録媒体。
【0018】
4.支持体上にゼラチンを含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、該インク受容層の少なくとも1層が、前記で定義したインク吸着率の異なる2種以上のカチオン性ポリマーを同時に含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
【0019】
5.前記インク受容層の少なくとも1層が、セルロース類を含有することを特徴とする前記2〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0020】
6.前記インク受容層Aがセルロース類を含有し、かつインク受容層の少なくとも1層が、ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする前記3項に記載のインクジェット記録媒体。
【0021】
7.前記セルロース類が、カルボン酸基含有セルロース類であることを特徴とする前記1、5、6項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0022】
8.前記セルロース類が、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1、5、6項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0023】
9.カチオン性ポリマーを含有するインク受容層におけるカチオン性ポリマーの含有率が、1〜20質量%であることを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0024】
10.セルロース類とカチオン性ポリマーを含有するインク受容層中のカチオン性ポリマー含有率が、1〜20質量%であることを特徴とする前記1、2、5、6、7、8項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0025】
以下、本発明の詳細について説明する。
請求項1に係る発明においては、支持体上にインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、該インク受容層の少なくとも1層が、ゼラチン、カチオン性ポリマー及びセルロース類を含有することが特徴である。
【0026】
インクジェット記録媒体において、カチオン性ポリマーを用いることにより、色材の定着性は向上するが、インク吸収性が低下するという問題を抱えていた。一方、セルロース類を用いることによりインク吸収性は向上するが、逆に色材の定着性が低下するという課題を有している。上記の相反する特性を有するカチオン性ポリマーとセルロース類とを併用することにより、ある程度の色材の定着性とインク吸収性の両立を図ることができるが、銀塩写真に匹敵する画質を追求しようとした場合には、未だ満足できる品質ではなく、光沢性が低下するという新たな問題を引き起こすことが判明した。本発明者らは、上記課題について鋭意検討を進めた結果、カチオン性ポリマーとセルロース類ともに、ゼラチンを用いることにより、色材の定着性とインク吸収性の両立を満足すると共に、光沢性を向上できることを見いだしたものである。
【0027】
請求項2に係る発明では、支持体上にゼラチンを含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、前記で定義したインク吸着率の異なる2種以上のカチオン性ポリマーを含有することが特徴であり、また、請求項3に係る発明では、前記で定義したインク吸着率の異なる2種以上のカチオン性ポリマーを含有し、支持体に近いインク受容層Aに含有されるカチオン性ポリマーのインク吸着率が、該インク受容層Aに対し支持体から遠いインク受容層Bに含有されるカチオン性ポリマーのインク吸着率より大きいことが特徴であり、また請求項4に係る発明では、インク受容層の少なくとも1層が、前記で定義したインク吸着率の異なる2種以上のカチオン性ポリマーを同時に含有することが特徴である。更に、請求項5に係る発明では、上記構成において、インク受容層の少なくとも1層が、セルロース類を含有することが好ましく、更には請求項6に係る発明においては、インク吸着率の大きなカチオン性ポリマーを含有する下層部のインク受容層が、セルロース類と共にポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
【0028】
一般に、水溶性染料を用いて形成した画像は、酸化性ガスやカチオン性ポリマーの影響により褪色を起こしやすい特性にある。特に、印字画像が、黒やニュートラルグレー画像で、褪色が起きるとカラーバランスによる変色の要因となり、目立ちやすくなる。本発明者らは、使用するカチオン性ポリマーの特性及び添加層について種々検討を進めた結果、本発明で規定する構成、好ましくは耐水性の強いカチオン性ポリマーを、より下層部に存在させることにより、解決できることを見いだしたものである。更に、本発明の効果は、ポリビニルアルコールを併用することにより、より一層向上することが判明した。
【0029】
請求項7に係る発明においては、ゼラチン、カチオン性ポリマー及びセルロース類を含有する記録媒体において、セルロース類として、カルボン酸基含有セルロース化合物を用いることが好ましい。
【0030】
ゼラチン等のカルボン酸を含有するポリマーは、インクで用いている水等の吸収性が良好であり、一方、カチオン性ポリマーは、色材を定着するのに有効であるが、両者を併用するとインク吸収性及び色材の定着性が共に低下するという欠点があることが判明し、鋭意検討を進めた結果、セルロース類としてカルボン酸基含有セルロース化合物を用いることが、インク吸収性及び色材の定着性の向上に極めて有効であることを見いだした。
【0031】
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体では、インク受容層が水溶性ポリマーとして、少なくともゼラチンを含有してることが1つの特徴である。
【0032】
ゼラチンとしては動物のコラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れも使用できるが豚皮、牛革、牛骨を原料としたコラーゲンから得られるゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、誘導体ゼラチン(例えば、特公昭38−4854号、同39−5514号、同40−12237号、同42−26345号、米国特許第2,525,753号、同第2,594,293号、同第2,614,928号、同第2,763,639号、同第3,118,766号、同第3,132,945号、同第3,186,846号、同第3,312,553号、英国特許第861,414号、同第103,189号等に記載の誘導体ゼラチン)を単独またはこれらを組み合わせて用いることが出来る。
【0033】
本発明でいう誘導体ゼラチンとは、ゼラチンの有するアミノ基、イミノ基又はカルボキシル基を置換したゼラチンを意味するが、本発明では特にアミノ基又はイミノ基を置換したゼラチンが好ましい。更に好ましくはアミノ基を置換したゼラチンであり、その例としてフェニルカルバモイルゼラチンやフタル化ゼラチン等が挙げられる。
【0034】
本発明において、アミノ基を置換して得られる誘導体ゼラチンとしては、例えば米国特許第2,691,582号、同第2,614,928号、同第2,525,753号等に記載されている。
【0035】
本発明において、アミノ基を置換して誘導体ゼラチンを得るための有用な置換基としては、
a:アルキルアシル、アリールアシル、アセチル及び置換、無置換のベンゾイル等のアシル基、
b:アルキルスルホニル、アリールスルホニル等のスルホニル基、
c:アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル等のカルバモイル基、
d:アルキルチオカルバモイル、アリールチオカルバモイル等のチオカルバモイル基、
e:炭素数1〜18個の直鎖、分岐のアルキル基、
f:置換、無置換のフェニル、ナフチル及びピリジル、フリル等の芳香族複素還等のアリール基が挙げられる。
【0036】
本発明における誘導体ゼラチンは、これらの中でもアシル基(−COR1)又はカルバモイル基(−CONR1R2)によりアミノ基が置換されたものが好ましい。
【0037】
前記アシル基又はカルバモイル基のR1は置換、無置換の脂肪族基(例えば炭素数1〜18個のアルキル基、アリル基等)、アリール基又はアラルキル基(例えばフェネチル基等)であり、R2は水素原子、脂肪族基、アリール基又はアラルキル基である。
【0038】
本発明において特に好ましいものは、R1がアリール基、R2が水素原子の場合である。以下、本発明において用いられる誘導体ゼラチンのアミノ基の置換基の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
以下に、誘導体ゼラチンのアミノ基置換基の一例を示す。
【0040】
【化1】
【0041】
本発明における誘導体ゼラチンは、迅速にインクを受容層に吸収させるために、アミノ基及びイミノ基から選らばれる少なくとも一方の総量の60%以上が該アミノ基又はイミノ基と反応し得る置換基により予め置換されたものを用いるのが好ましいが、特に好ましくはアミノ基の総量の80%以上が置換された誘導体ゼラチンである。
【0042】
又、本発明に係るゼラチンのゼリー強度(PAGI法、ブルーム式ゼリー強度計による)は150g以上、好ましくは200〜300gである。
【0043】
次いで、カチオン性ポリマーについて説明する。
はじめに、本発明でいうカチオン性ポリマーの吸着率について説明する。
【0044】
本発明でいうカチオン性ポリマーの吸着率とは、前述の如く、カチオン性ポリマーを含有するインクジェット記録媒体上に、ブラック染料インクを濃度1.0となるように印字し、これを30℃の純水中に10秒間浸漬、乾燥した後、浸漬前後での濃度を測定し、下式(1)に従ってインク吸着率を求め、これをカチオン性ポリマーのインク吸着率と定義する。
【0045】
式(1)
インク吸着率(%)=純水浸漬後のインク濃度/純水浸漬前のインク濃度×100
具体的には、下記の方法により測定する。
【0046】
(記録媒体の作製)
紙支持体の両面をポリエチレンで被覆した支持体上に、石灰処理ゼラチンを5.0g/m2、測定すべきカチオン性ポリマーを0.5g/m2、適量の界面活性剤からなるインク受容層を形成して、記録媒体を作製する。
【0047】
(インク吸着率の測定)
上記記録媒体上に、下記ブラック染料インクを用いて濃度が1.0となるように印字し、23℃、50%RHの雰囲気下で10分間放置した後、これを30℃の純水中に10秒間浸漬、乾燥した後、浸漬前後での濃度を測定し、前式(1)に従ってインク吸着率を求める。
【0048】
〈ブラック染料インク〉
C.I.Food Black2 4質量%
ジエチレングリコール 25質量%
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.01質量%
水で100質量%に仕上げる。
【0049】
本発明においては、説明する各カチオン性ポリマーについて、上記方法でそれぞれのインク吸着率を測定し、その値の大小より選択し、組み合わせて用いることができる。
【0050】
本発明において、好ましくは、支持体に近いインク受容層Aに用いるカチオン性ポリマーのインク吸着率は、85%以上であることが好ましく、より好ましくは90〜100%であり、特に好ましくは95〜100%である。また、インク受容層Aに対し支持体から遠いインク受容層Bに含有されるカチオン性ポリマーのインク吸着率は、50〜85%未満であり、より好ましくは60〜85%未満であり、特に好ましくは70〜85%未満である。
【0051】
本発明でいうカチオン性ポリマーとは、水溶液中でポリマー主体がカチオン性を示すものを言い、典型的なものとしては、特開昭61−61887号、同61−63477号、特開平5−104848号、同5−124329号公報等に記載されている、1級、2級、3級アミノ基、4級アンモニウム塩を含有するポリマーが挙げられる。このような水溶性のカチオン性ポリマーであればいかなるものでも用いることができ、その種類は特に限定されないが、本発明において好ましく用いられるカチオン性ポリマーとしては以下のようなものが例示される。
【0052】
a)ポリアリルアミン類
b)ジシアンジアミド系縮合物
c)ポリエチレンイミン類
d)カチオン変性PVA
e)カチオン変性PVP
f)エピクロルヒドリン誘導体
g)アミノ基置換ナイロン
h)下記一般式〔1〕で表されるモノマー単位から誘導される構成単位を含有するポリマー
i)下記一般式〔2〕で表されるモノマー単位から誘導される構成単位を含有するポリマー
j)下記一般式〔3〕で表されるモノマー単位から誘導される構成単位を含有するポリマー
【0053】
【化2】
【0054】
式中、R1は水素原子又は置換又は無置換の低級アルキル基を表し、Qは酸素原子又は−NH−を表す。R2、R3及びR4は各々置換又は無置換の低級アルキル基を表し、同じであっても異なっていてもよい。X−はハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカルボン酸アニオンを表す。nは2又は3を表す。
【0055】
R5、R6及びR7は各々置換又は無置換の低級アルキル基を表し、同じであっても異なっていてもよい。X−はハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカルボン酸アニオンを表す。nは2又は3を表す。
【0056】
R8、R9及びR10は各々置換又は無置換の低級アルキル基を表し、同じであっても異なっていてもよい。X−はハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカルボン酸アニオンを表す。nは2又は3を表す。
【0057】
R1〜R10で表される低級アルキル基として、好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0058】
本発明でいうポリアリルアミン類とは、下記一般式〔4〕で示されるポリアリルアミン、下記一般式〔5−1〕若しくは〔5−2〕で示されるポリジアリルアミン、下記一般式〔6−1〕若しくは〔6−2〕で示されるポリジアリルアミン誘導体、又はこれらの重合体である。
【0059】
【化3】
【0060】
一般式〔4〕において、nは5〜10000の整数、X1 −は無機酸又は有機酸の残基を表す。
【0061】
【化4】
【0062】
一般式〔5−1〕、〔5−2〕、〔6−1〕及び〔6−2〕において、R1及びR2は各々、水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基を表し、X2 −は無機酸残基又は有機酸残基を表し、Yは2価の連結基を表す。また、n/m=9/1〜2/8、l=5〜10000である。
【0063】
一般式〔6−1〕又は〔6−2〕で示されるポリジアリルアミンの誘導体の具体例としては、特開昭60−83882号公報記載の一般式で示されるSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報の2頁に記載されているアクリルアミドとの共重合体、本発明の一般式〔6−1〕又は〔6−2〕で示されるポリジアリルアミンとの共重合体が挙げられる。
【0064】
本発明に用いられるジシアンジアミド系縮合物の具体例としては、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物が挙げられ、これらは三洋化成社のサンフィックス70、日本カーバイド社のニカフロックD−1000、日華化学社のネオフィックスF、ネオフィックスRP−70Yなどの商品名でそれぞれ市販されている。
【0065】
本発明で言うポリエチレンイミン類とは、エチレンイミンを重合させて得られるポリマー又はその誘導体であり、特にポリエチレンイミン第4級アンモニウム化合物が好ましい。具体的には特開昭60−72785号、同60−76386号公報に記載されているものが挙げられる。
【0066】
本発明で言うカチオン変性ポリビニルピロリドンとは、ビニルピロリドンとカチオン性基を持つモノマー単位との共重合体である。カチオン性基を持つモノマー単位の具体例としては、四級化されたビニルイミダゾール、四級化されたジアルキルアミノエチルメタアクリレート、メタアクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
【0067】
本発明に用いられるエピクロルヒドリン誘導体の具体例としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、又は特開昭61−252189号公報の2頁に記載されているエピクロルヒドリンと3級アミンとの反応物や特開昭62−259882号公報の4頁に記載されている一般式(II)の化合物等が挙げられる。
【0068】
これらは公知の方法により合成することができる。また、市販品としてナルポリ−607(ナルコケミカル社製)やポリフィックス601(昭和高分子社製)がある。
【0069】
本発明に用いられるアミノ基置換ナイロンの具体例は、特開昭59−33179号公報の2頁に記載されており、市販品としてはAQナイロン(商品名:東レ製)がある。
【0070】
本発明に用いられるカチオン性ポリ水酸化アルミニウムとしては、特開昭60−257286号公報の第2項に記載されているものが使用できる。
【0071】
一般式〔1〕で示されるモノマーのうち好ましい化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド或いはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩或いはアルキルカルボン酸塩を挙げることができる。この中で特に好ましい化合物としては、例えば、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテトなどを挙げることができる。
【0072】
一般式〔2〕で示されるモノマーの好ましい例としては、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテートなどを挙げることができる。
【0073】
一般式〔3〕で示されるモノマーの好ましい例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジアリルジメチルアンモニウムスルホルート、ジアリルジメチルアンモニウムアセテートなどを挙げることができる。
【0074】
これらモノマー単位に更にアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びN−ビニルピロリドンから選ばれるモノマーを20〜80質量部の範囲で共重合することで、該4級アンモニウム塩基を有するポリマー自体のインク吸収容量及びインク吸収速度を高め、更にインクドット径を適度の大きさに調節したりベタ部の印字むらを解消するなど極めて好ましい性質を付与することができる。
【0075】
本発明において、上記カチオン性ポリマーの添加量は、特に制限はないが、請求項9に係る発明においては、カチオン性ポリマーを含有するインク受容層におけるカチオン性ポリマーの含有率が、1〜20質量%であることが好ましい。カチオン性ポリマーの含有量が1質量%未満では、所望の耐水性を得ることができず、逆に20質量%を越えると形成した塗膜物性が低下するため好ましくない。
【0076】
次いで、本発明に係るセルロース類について説明する。
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、請求項7に係る発明においては、カルボン酸基含有セルロース類であることが好ましく、請求項8に係る発明においては、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる少なくとも1種の水溶性セルロース誘導体を用いることが好ましく、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)が特に好ましい。その他に、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース、セルロース硫酸エステル等のセルロース誘導体を挙げることができる。
【0077】
本発明の記録媒体においては、セルロース類を含有するインク受容層におけるセルロース類の含有率が、固形分量として15〜35質量%が好ましい。35質量%を越えると硬膜度低下による膜物性の劣化を招く恐れがあり好ましくない。
【0078】
本発明において、セルロース類とカチオン性ポリマーを含有するインク受容層における前記カチオン性ポリマーの添加量は、特に制限はないが、請求項10に係る発明においては、1〜20質量%であることが好ましい。カチオン性ポリマーの含有量が1質量%未満では、所望の耐水性を得ることができず、逆に20質量%を越えると形成した塗膜物性が低下するため好ましくない。
【0079】
次いで、ポリビニルアルコールについて説明する。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0080】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、特に、平均重合度が1500〜5000のものが好ましく用いら、またケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましいが、請求項3に係る発明においては、ケン化度が92%以下で、重量平均分子量が20000以上のポリビニルアルコールを、総ポリビニルアルコール含有量の10質量%以上含有することが好ましく、ケン化度が80〜92%で、重量平均分子量が20000〜50000のポリビニルアルコールを、総ポリビニルアルコール含有量の10〜50質量%含有することが特に好ましい。
【0081】
上記特性を有するポリビニルアルコールを用いることにより、高いインク吸収性を実現すると共に、記録媒体に印字した後、記録媒体を積層しても、裏面へのインク転写を防止することができ好ましい。
【0082】
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールが挙げられ、これらはカチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得ることができる。
【0083】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0084】
カチオン変性ポリビニルアルコールにおけるカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0085】
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報および同63−307979号公報に記載されているようなビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0086】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
【0087】
ポリビニルアルコールは、重合度、重量平均分子量、ケン化度や変性の種類などが違う2種類以上を併用することもできる。
【0088】
インクジェット画像の変褪色性を改良する方法としては、酸素等の酸化性ガスから色材を保護する必要があるが、膨潤型の記録媒体では、できる限り外気から離れたインク受容層内部に色材を染着させることが重要な要件であったが、この手段だけでは、銀塩写真材料に匹敵する変褪色耐性を実現することは困難であり、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、染着した色材の近傍にポリビニルアルコール類を存在させることにより、これらのポリビニルアルコール類の酸素等の褪色を促進する有害ガスの遮断効果により、良好な変褪色耐性を実現したものである。
【0089】
本発明において、水溶性ポリマーとして、上記説明したゼラチン、セルロース類及びポリビニルアルコールの他に、公知の水溶性ポリマーを併用することができ、例えば、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー(特開昭60−168651号、同62−9988号参照)、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、ポリビニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、マレイン酸N−ビニルピロール共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー(特開昭61−32787号、同61−237680号、同61−277483号参照)等を挙げることができる。
【0090】
本発明のインクジェット記録媒体において、これらの水溶性ポリマーのインク受容層中に占める割合は、10〜70質量%が好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。
【0091】
次に、上記説明した要素を除く記録媒体の他の各構成要素について説明する。本発明において、インク受容層には、耐水性を向上させる目的で適当な架橋剤を作用することができる。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合物、米国特許第2,732,316号記載のN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同第2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。架橋剤の添加量は構成する変性ポリビニルアルコール100gに対して0.01g〜10gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0092】
本発明に係るインク受容層を形成する方法としては、サイズプレス法、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、ロッドバーコーター法、カーテン法、スライドホッパー法、エクストルージョン法等、通常用いられている塗工方法が用いられる。
【0093】
本発明において、更に、インク受容層には界面活性剤、バインダ、硬膜剤の他、無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0094】
本発明において、インク受容層には画質を向上させる目的で、インク吸収性を損なわない範囲で界面活性剤を添加することが好ましい。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の何れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでも、異なる種類のものを併用してもよい。さらに好ましくはフッ素系の界面活性剤である。
【0095】
従来の界面活性剤の使用方法としては、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を併用すると塗布前の溶液状態での凝集が起こり、好ましくないと考えられて来たが、フッ素系界面活性剤においては、溶液状態での凝集もなく、またインクジェット用記録シートに用いた場合、優れたインク受容性を示し、インク滴が時間とともに拡散する現象が少なく、より大きな液滴を利用することができ、より濃度の高い、ムラの少ない画像が得られることが分かった。
【0096】
本発明においてアニオン性フッ素系界面活性剤あるいはカチオン性フッ素系界面活性剤は、例えば米国特許第2,559,751号、同第2,567,011号、同第2,732,398号、同第2,764,602号、同第2,806,866号、同第2,809,998号、同第2,915,376号、同第2,915,528号、同第2,918,501号、同第2,934,450号、同第2,937,098号、同第2,957,031号、同第3,472,894号、同第3,555,089号、英国特許第1,143,927号、同第1,130,822号、特公昭45−37304号、特開昭47−9613号、同49−134614号、同50−117705号、同50−117727号、同50−121243号、同52−41182号、同51−12392号、英国化学会誌(J.Chem.Soc.)1950年2789頁、同1957年2574頁及び2640頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)79巻2549頁(1957年)、油化学(J.Japan Oil Chemists Soc.)12巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)30巻3524頁(1965年)等に記載された方法によって合成することができる。
【0097】
これらのフッ素系界面活性剤のうち、ある種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、又、ファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
【0098】
これらカチオン性フッ素系界面活性剤とアニオン性フッ素系界面活性剤の合計使用量は1m2当たり0.1〜1000mgがよく、好ましくは0.5〜300mg、更に好ましくは1.0〜150mgがよい。併用する時に、それぞれを2種以上ずつ併用しても構わない。その他にノニオン性フッ素系界面活性剤、ベタイン型フッ素系界面活性剤、炭化水素系活性剤を併用してもよい。
【0099】
本発明のアニオン性フッ素系界面活性剤とカチオン性フッ素系界面活性剤の添加割合は、モル比で1:10〜10:1が好ましく、更には3:7〜7:3が好ましい。
【0100】
本発明に係るインク受容層の膜付量としては3〜100g/m2、より好ましくは5〜50g/m2である。
【0101】
また、インク受容層は支持体の少なくとも片面に設けられているが、カールを防止する目的で支持体の両面に設けてもよい。
【0102】
本発明においては、インク受容層中にはくっつきを防止するためにマット剤を使用することができる。
【0103】
マット剤とは、写真技術分野に於いてよく知られており、親水性有機コロイドバインダー中に分散可能な無機又は有機材料の不連続固体粒子であると定義できる。無機のマット剤の例としては酸化物(例えば二酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、アルカリ土類金属塩(例えば硫酸塩や炭酸塩であって、具体的には硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、画像を形成しないハロゲン化銀粒子(塩化銀や臭化銀等で更にハロゲン成分として沃素原子が僅かながら加わってもよい)やガラス等である。
【0104】
また、有機のマット剤の例には澱粉、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等)、セルロースエーテル(例えばエチルセルロース等)、合成樹脂等である。合成樹脂の例としては、水不溶又は難溶性合成ポリマーであり、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン(例えばエチレン等)、スチレン、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物などの単独若しくは組み合わせ、又はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等の組み合わせをを単量体成分とするポリマーを用いることができる。
【0105】
その他エポキシ樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニリデン等も用いることができる。
【0106】
これらは、搬送性の観点から、重量平均粒径が3〜20μmで、かつインク受容層中の総質量(付き量ともいう)は10〜100mg/m2であることが好ましい。塗工液安定性の点から、3μm以下の粒子や、20μm以上の粒子を分級により予め排除しておくことが好ましい。
【0107】
本発明において用いられる支持体としては、透明な支持体でも不透明な支持体でも使用目的に応じて用いることができる。
【0108】
透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例えば、ポリエステル樹脂、セルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリイミド樹脂、セロファン、セルロイドなどのフィルムがある。これらの中で支持体の剛性、透明性の観点からポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0109】
不透明支持体としては、上質紙、中質紙、スーパーカレンダー処理紙、片艶原紙、トレーシングペーパー等の非塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙、キャストコート紙、等の塗工紙、プラスチックフィルム、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等のフィルム、樹脂被覆紙、樹脂含浸紙、不織布、布およびこれらの複合体を用いることができる。これ等の中で、光沢性、平滑性の観点から樹脂被覆紙、各種フィルムが好ましく、手触り感、高級感から樹脂被覆紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエステル系のフィルムがより好ましい。
【0110】
好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0111】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面に塗布されていてもよい。
【0112】
また、原紙の厚みは、特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましい。
【0113】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0114】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0115】
本発明では水性インクが好ましく用いられ、着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体が用いられる。着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0116】
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2H−ピロリジノン等のピロリジノン類、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、ピロリドン類が好ましい。
【0117】
本発明において、インクの溶媒はインクヘッドノズルの目詰り防止の観点から水と有機溶媒の混合溶媒を用いることが好ましいが、この時、水と有機溶媒の混合比率は質量比で1/9〜9/1が好ましく、より好ましくは4/6〜9/1である。
【0118】
その他のインクへの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙げられる。
【0119】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0120】
実施例1
《記録媒体の作製》
以下に示す手順に従って、記録媒体1〜13を作製した。
【0121】
〔記録媒体1の作製〕
(支持体1の作製)
含水率が6%、坪量が200g/m2の写真用原紙の裏面側に、押し出し塗布法により密度が0.92の低密度ポリエチレンを35μmの厚さで塗布した。次いで、表面側にアナターゼ型酸化チタンを5.5%含有する密度が0.92の低密度ポリエチレンを40μmの厚さで押し出し塗布法で塗布して両面をポリエチレンで被覆した支持体1を作製した。表側にコロナ放電を行いポリビニルアルコールからなる下引き層を0.03g/m2、裏面にもコロナ放電を行った後ラテックス層を0.12g/m2に成るように塗布した。
【0122】
(インク受容層塗布液1の調製)
ヒドロキシエチルセルロース 100質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、インク受容層塗布液1を調製した。
【0123】
(塗布)
前記作製した支持体1上に、上記インク受容層塗布液1を、乾燥後の膜質量として8g/m2となるようにバーコート法で塗布し、約7℃に一度冷却した後、20〜65℃の風を吹き付けて乾燥し、記録媒体1を作製した。
【0124】
〔記録媒体2の作製〕
上記記録媒体1の作製において、インク受容層塗布液1に代えて、下記インク受容層塗布液2を用いた以外は同様にして、記録媒体2を作製した。
【0125】
(インク受容層塗布液2の調製)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 100質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、インク受容層塗布液2を調製した。
【0126】
〔記録媒体3の作製〕
上記記録媒体1の作製において、インク受容層塗布液1に代えて、下記インク受容層塗布液3を用いた以外は同様にして、記録媒体3を作製した。
【0127】
(インク受容層塗布液3の調製)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 50質量部
ヒドロキシエチルセルロース 50質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、インク受容層塗布液3を調製した。
【0128】
〔記録媒体4の作製〕
上記記録媒体1の作製において、インク受容層塗布液1に代えて、下記インク受容層塗布液4を用いた以外は同様にして、記録媒体4を作製した。
【0129】
(インク受容層塗布液4の調製)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 90質量部
カチオン性ポリマーCP−1(サンフィックス414 三洋化成(株)製)10質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、インク受容層塗布液4を調製した。
【0130】
〔記録媒体5の作製〕
上記記録媒体1の作製において、インク受容層塗布液1に代えて、下記インク受容層塗布液5を用いた以外は同様にして、記録媒体5を作製した。
【0131】
(インク受容層塗布液5の調製)
カチオン性ポリマーCP−2(IN194NE 大阪有機(株)製)
15質量部
ヒドロキシエチルセルロース 75質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、インク受容層塗布液5を調製した。
【0132】
〔記録媒体6、7の作製〕
上記記録媒体5の作製において、カチオン性ポリマーとして下記の化合物に変更した以外は同様にして、記録媒体6、7を作製した。
【0133】
記録媒体6:カチオン性ポリマーCP−1
記録媒体7:カチオン性ポリマーCP−3(IN187B 高松油脂(株)製)
〔記録媒体8の作製〕
上記記録媒体1の作製において、インク受容層塗布液1に代えて、下記インク受容層塗布液8を用いた以外は同様にして、記録媒体8を作製した。
【0134】
(インク受容層塗布液8の調製)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 50質量部
カチオン性ポリマーCP−2 10質量部
ヒドロキシエチルセルロース 40質量部
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 0.5質量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3質量部
上記各添加剤を順次混合して、塗布液の固形分濃度が8質量%となるよう純水で希釈して、インク受容層塗布液8を調製した。
【0135】
〔記録媒体9、10の作製〕
上記記録媒体8の作製において、カチオン性ポリマーを下記の化合物に変更した以外は同様にして、記録媒体9、10を作製した。
【0136】
記録媒体9:カチオン性ポリマーCP−1
記録媒体10:カチオン性ポリマーCP−3
〔記録媒体11〜13の作製〕
上記記録媒体8〜10の作製において、セルロース類として、ヒドロキシエチルセルロースに代えて、カルボキシメチルセルロースを用いた以外は同様にして、記録媒体11〜13を作製した。
【0137】
《記録媒体の評価》
上記作製した各記録媒体について、インクジェットプリンター(MJ−5000C;セイコーエプソン社製)を用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブルー(B)、グリーン(G)、レッド(R)、ブラック(K)の各専用インクを用いて、各色とも最大濃度でプリントし、下記に示す項目の評価を行った。
【0138】
〈耐水性の評価〉
染料インクを用いた印字した各画像を、25℃の純水に1分間浸漬させたのち取り出し、乾燥させて、未処理サンプルの最大濃度に対する残存率を、下式により求め、下記に記載のランクに則り耐水性を評価した。
【0139】
耐水性(%)=(浸漬試料の反射濃度/未浸漬試料の反射濃度)×100
◎:耐水性(%)が95%以上
○:耐水性(%)が80〜95%未満
△:耐水性(%)が60〜80%未満
×:耐水性(%)が60%未満
〈インク吸収性の評価〉
上記作製した各記録媒体について、インクジェットプリンター(MJ−5000C;セイコーエプソン社製)に、シアンインクを用いて、インク吐出量を変化させてシアン濃度のベタ画像を印字し、下記の方法に準じてインク吸収性(インク溢れ)の評価を行った。
【0140】
◎:全インク吐出量域で、マダラ状の濃度ムラが全く認められない
○:インク吐出量の多い領域で、僅かにマダラ状の濃度ムラが認められるが全く問題はない
△:インク吐出量の多い領域で、マダラ状の濃度ムラが認められるが、実用上許容の範囲にある
×:全インク吐出量域で、マダラ状の濃度ムラが認められ、実用上問題となる品質である
〈光沢性の評価〉
未プリント部表面及びブラックインク印字画像部について、その表面の光沢性を目視観察し、下記の基準に則り光沢性の評価を行った。
【0141】
◎:プリント前及びプリント後ともに良好な光沢性を有しており、全く問題のないレベル
○:プリント前及びプリント後ともに光沢性を有しており、問題のないレベル
△:プリント前後で光沢性がやや異なるが、実用上問題がないレベル
×:プリント前及びプリント後ともに、光沢性に劣り実用上許容レベルにない
以上により得られた各評価結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】
表1より明らかなように、本発明に係る構成であるインク受容層にゼラチン、カチオン性ポリマー及びセルロース類を含有する記録媒体は、比較例に対して、耐水性、インク吸収性及び光沢性に優れていることが分かる。上記効果は、特にセルロース類として、カルボン酸基含有セルロースであるカルボキシメチルセルロースを用いることにより、より一層発揮されていることが分かる。
【0144】
実施例2
《記録媒体の作製》
以下に示す手順に従って、記録媒体21〜30を作製した。
【0145】
〔記録媒体21の作製〕
実施例1で作製した支持体1上に、下記の各層をカーテンコーターで同時重層塗布を行って記録媒体21を作製した。
【0146】
(第1層:最下層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.2g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 0.8g/m2
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 7.0g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 3.0g/m2
(第3層:最表層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.0g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 0.4g/m2
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 60mg/m2
界面活性剤(メガファックスF−120) 26mg/m2
〔記録媒体22の作製〕
実施例1で作製した支持体1上に、下記の各層をカーテンコーターで同時重層塗布を行って記録媒体22を作製した。
【0147】
(第1層:最下層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.2g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 0.8g/m2
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 7.0g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 2.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−1(前出 インク吸着率=75%)1.0g/m2
(第3層:最表層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−2(前出 インク吸着率=94%)0.5g/m2
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 60mg/m2
界面活性剤(メガファックスF−120) 26mg/m2
〔記録媒体23の作製〕
実施例1で作製した支持体1上に、下記の各層をカーテンコーターで同時重層塗布を行って記録媒体23を作製した。
【0148】
(第1層:最下層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.2g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 0.8g/m2
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 7.0g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 2.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−1(インク吸着率=75%) 0.5g/m2
カチオン性ポリマーCP−2(インク吸着率=94%) 0.5g/m2
(第3層:最表層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.0g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 0.4g/m2
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 60mg/m2
界面活性剤(メガファックスF−120) 26mg/m2
〔記録媒体24の作製〕
実施例1で作製した支持体1上に、下記の各層をカーテンコーターで同時重層塗布を行って記録媒体24を作製した。
【0149】
(第1層:最下層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.2g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 0.8g/m2
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 7.0g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 2.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−2(インク吸着率=94%) 1.0g/m2
(第3層:最表層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 1.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−1(インク吸着率=75%) 0.5g/m2
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 60mg/m2
界面活性剤(メガファックスF−120) 26mg/m2
〔記録媒体25の作製〕
上記記録媒体22の作製において、第2層の構成を以下のように変更した以外は同様にして、記録媒体25を作製した。
【0150】
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 3.5g/m2
カルボキシメチルセルロース(表2では、CMCと略す) 3.5g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 2.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−1(インク吸着率=75%) 1.0g/m2
〔記録媒体26の作製〕
上記記録媒体24の作製において、第3層の構成を以下のように変更した以外は同様にして、記録媒体26を作製した。
【0151】
(第3層:最表層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 0.5g/m2
カルボキシメチルセルロース 0.5g/m2
カチオン性ポリマーCP−1(インク吸着率=75%) 0.5g/m2
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 60mg/m2
界面活性剤(メガファックスF−120) 26mg/m2
〔記録媒体27の作製〕
上記記録媒体24の作製において、第2層の構成を以下のように変更した以外は同様にして、記録媒体27を作製した。
【0152】
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 3.5g/m2
カルボキシメチルセルロース 3.5g/m2
ポリビニルピロリドンK−90(BASF社製) 2.0g/m2
カチオン性ポリマーCP−2(インク吸着率=94%) 1.0g/m2
〔記録媒体28の作製〕
上記記録媒体27の作製において、第2層及び第3層のカチオン性ポリマーを下記のように変更した以外は同様にして、記録媒体28を作製した。
【0153】
第2層:カチオン性ポリマーCP−3(前出 インク吸着率=89%)
第3層:カチオン性ポリマーCP−4(ポリメントNK−100PM 日本触媒(株)製 インク吸着率=81%)
〔記録媒体29の作製〕
上記記録媒体27の作製において、第2層の構成を以下のように変更した以外は同様にして、記録媒体29を作製した。
【0154】
(第2層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 3.5g/m2
カルボキシメチルセルロース 3.5g/m2
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 表2ではPV
Aと略す) 2.5g/m2
カチオン性ポリマーCP−2(インク吸着率=94%) 0.5g/m2
〔記録媒体30の作製〕
上記記録媒体27の作製において、第3層の構成を以下のように変更した以外は同様にして、記録媒体30を作製した。
【0155】
(第3層:最表層)
石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000) 0.5g/m2
ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)0.5g/m2
カチオン性ポリマーCP−1(インク吸着率=75%) 0.5g/m2
有機微粒子マット剤(総研化学社製:MR−13G) 60mg/m2
界面活性剤(メガファックスF−120) 26mg/m2
〔記録媒体27A、27B、27C、27Dの作製〕
前記記録媒体27の作製において、第2層の石灰処理ゼラチン(コニカゼラチン社製KV−3000)の付量を、それぞれ4.5、4.3、2.7、2.0g/m2、カチオン性ポリマーCP−2(インク吸着率=94%)の付量を、それぞれ0.05、0.15、1.8、2.5g/m2に変更した以外は同様にして、記録媒体27A、27B、27C、27Dを作製した。なお、カルボキシメチルセルロースとカチオン性ポリマーを含有する第2層におけるカチオン性ポリマーの含有率(固形分比率)は、記録媒体27、27A、27B、27C、27Dにおいてそれぞれ10%、0.5%、1.5%、18%、25%となる。
【0156】
〔記録媒体28A、28B、28C、28Dの作製〕
前記記録媒体28の作製において、第2層のカルボキシメチルセルロースを、それぞれ同量のヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、石灰処理ゼラチンに変更した以外は同様にして、記録媒体28A、28B、28C、28Dを作製した。
【0157】
なお、上記試料の作製に用いた各カチオン性ポリマーのインク吸着率は、ブラック染料インクを用いて、前述の方法に従って求めた値である。
【0158】
《記録媒体の評価》
実施例1に記載の方法と同様にして画像を印字した後、実施例1に記載の方法に従って耐水性、インク吸収性及び光沢性の評価と、下記の方法に従って変褪色耐性の評価を行った。
【0159】
(変褪色耐性の評価)
上記作製した各記録媒体について、インクジェットプリンター(MJ−5000C;セイコーエプソン社製)に、シアン染料インクを装填し、シアン濃度として約1.0となる濃度でベタ画像を印字し、下記の方法に準じて変褪色耐性の評価を行った。
【0160】
上記方法で印字した各ベタ印字画像部を、オフィス室内の窓際に貼り、外気流が曝露されるが直射日光の当たらない環境に6ヶ月放置した。放置前後のプリント部の反射濃度を赤色の単色光で濃度測定し、下式に従い濃度残存率を求め、下記の基準に則り変褪色耐性の評価を行った。
【0161】
濃度残存率=(6ヶ月放置後の濃度/放置前の濃度)×100(%)
◎:濃度残存率が、95%以上である
○:濃度残存率が、85%以上、95%未満である
△:濃度残存率が、75%以上、85%未満である
×:濃度残存率が、75%未満である
以上により得られた結果を表2に示す。
【0162】
【表2】
【0163】
表2より明らかなように、インク受容層にインク吸着率の異なる2種のカチオン性ポリマーを用いた本発明の記録媒体は、比較例に対し、インクの耐水性、インク吸収性及び変褪色耐性が良好であることが判る。
【0164】
特に、下層にインク吸着率の大きなカチオン性ポリマーを用いることで、その効果がより一層発揮されていることが分かる。また、上記構成にセルロース類、ポリビニルアルコールを、インク吸着率の大きなカチオン性ポリマーが存在するインク受容層に添加することにより、優れて特性を得ることができた。
【0165】
【発明の効果】
本発明により、耐水性、インク吸収性、光沢性及び変褪色耐性に優れた膨潤型のインクジェット記録媒体を提供することができた。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording medium, and more particularly, to a swellable ink jet recording medium having excellent water resistance, ink absorbency, glossiness and discoloration resistance.
[0002]
[Prior art]
Ink jet recording is free of noise, is capable of high-speed printing, and is easy to perform multicolor recording by using a plurality of ink nozzles. Spreading rapidly. In addition, the field of application is to use transparent film or glossy resin-coated paper as a recording medium, and to output color images and designs that require images and images that are close to photographs in image quality. It is expanding to images and the like.
[0003]
By the way, from the viewpoint of safety and recording characteristics, aqueous inks mainly composed of water and a water-soluble organic solvent are mainly used as inks for ink jet recording to prevent clogging of the ink and to improve ejection characteristics. Have been. Further, as an ink jet recording medium (hereinafter, also simply referred to as a recording medium), a recording sheet in which a porous ink absorbing layer is provided on a support which is usually called ordinary paper or ink jet recording paper has been used. Have been.
[0004]
However, these conventional recording media are not capable of meeting recent demands for high image quality due to large ink bleeding and low glossiness. Furthermore, when a conventional porous ink absorption layer is used for a transparent film or a glossy resin-coated paper, the porous ink absorption layer has a low light transmission property, so that there is a disadvantage that transparency and glossiness are lost. . Further, when the ink absorbing layer is non-porous, the light transmittance is improved, but due to poor aqueous ink receptivity, the ink remains on the recording medium surface for a long time after image recording and printing, and the drying and fixing time is reduced. There was a problem that it became long.
[0005]
In order to solve these problems, a swellable recording medium using gelatin has been proposed as an ink absorbing layer having high light transmittance and excellent water ink receiving properties. For example, a recording medium having a receiving layer formed from an aqueous gelatin solution having a specific pH (for example, see Patent Document 1), and a recording medium having a receiving layer using a mixture of gelatin and a surfactant (for example, see Patent Document 1) 2), and a recording sheet (for example, see Patent Document 3) obtained by temporarily converting a coated gelatin into a gel state and then drying the gelatin by a cold drying method has been proposed.
[0006]
Certainly, these swellable ink receiving layers using gelatin have excellent ink receptivity and high light transmittance. However, in terms of the drying and fixing time of the ink, it still takes several minutes to several tens of minutes, and if it touches the hand or other paper immediately after the image recording and printing, these may be stained with the ink or the image itself. There is a problem.
[0007]
Generally, the ink absorbing ability of a recording medium using gelatin for the ink receiving layer largely depends on the characteristics of the polymer used for the ink receiving layer. Polyvinyl alcohol is known as a conventionally used polymer having a high ink absorption capacity. However, when polyvinyl alcohol is used, there is a problem that water resistance is reduced. Although this water resistance can be improved by using a cationic water-soluble polymer, it results in a new decrease in gloss, and a means for simultaneously satisfying both excellent water resistance and high gloss appears. That is not the case.
[0008]
On the other hand, ink jet recorded images have a problem that discoloration is easily caused by harmful gas. In particular, it is likely to occur with phthalocyanine-based aqueous dyes used in general color inkjet printers. Although the mechanism of this discoloration has not yet been fully elucidated, it is speculated that a trace amount of active harmful gas such as ozone, oxidant, SOx, and NOx in the air is decomposing the dye.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-62-263084
[0010]
[Patent Document 2]
JP-A-1-146784
[0011]
[Patent Document 3]
JP-A-6-64306
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a swellable ink jet recording medium having excellent water resistance, ink absorbency, glossiness and discoloration resistance.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention is achieved by the following configurations.
[0014]
1. An ink jet recording medium having an ink receiving layer on a support, wherein at least one of the ink receiving layers contains gelatin, a cationic polymer, and celluloses.
[0015]
2. An ink jet recording medium having an ink receiving layer containing gelatin on a support, comprising two or more cationic polymers having different ink adsorption rates as defined below.
[0016]
Ink adsorption rate: A black dye ink was printed on an inkjet recording medium containing cationic polymer A to a concentration of 1.0, immersed in pure water at 30 ° C. for 10 seconds, dried, and then immersed. By measuring the density before and after, the ink adsorption rate is determined according to the following equation (1), and this is defined as the ink adsorption rate of the cationic polymer A.
[0017]
Equation (1)
Ink adsorption rate (%) = ink concentration after immersion in pure water / ink concentration before immersion in pure water × 100
3. In an ink jet recording medium having two or more ink receiving layers containing gelatin on a support, an ink receiving layer A close to the support containing two or more cationic polymers having different ink adsorption rates as defined above. Wherein the ink adsorption rate of the cationic polymer contained in the ink receiving layer A is larger than the ink adsorption rate of the cationic polymer contained in the ink receiving layer B far from the support with respect to the ink receiving layer A.
[0018]
4. In an ink jet recording medium having an ink receiving layer containing gelatin on a support, at least one of the ink receiving layers may simultaneously contain two or more cationic polymers having different ink adsorption rates as defined above. Characteristic ink jet recording medium.
[0019]
5. 5. The ink jet recording medium according to any one of items 2 to 4, wherein at least one of the ink receiving layers contains celluloses.
[0020]
6. 4. The ink jet recording medium according to claim 3, wherein the ink receiving layer A contains celluloses, and at least one of the ink receiving layers contains polyvinyl alcohol.
[0021]
7. 7. The inkjet recording medium according to any one of items 1, 5, and 6, wherein the cellulose is a carboxylic acid group-containing cellulose.
[0022]
8. 7. The ink jet recording medium according to any one of items 1, 5, and 6, wherein the cellulose is at least one selected from carboxymethyl cellulose, methyl cellulose, hydroxypropyl cellulose, and hydroxyethyl cellulose.
[0023]
9. 9. The ink jet recording medium according to any one of items 1 to 8, wherein the content of the cationic polymer in the ink receiving layer containing the cationic polymer is 1 to 20% by mass.
[0024]
10. 9. The method according to any one of items 1, 2, 5, 6, 7, and 8, wherein the content of the cationic polymer in the ink receiving layer containing the celluloses and the cationic polymer is 1 to 20% by mass. Item 7. The ink jet recording medium according to item 1.
[0025]
Hereinafter, details of the present invention will be described.
The invention according to claim 1 is characterized in that in an ink jet recording medium having an ink receiving layer on a support, at least one of the ink receiving layers contains gelatin, a cationic polymer, and celluloses.
[0026]
In the ink jet recording medium, the use of the cationic polymer improves the fixability of the coloring material, but has a problem in that the ink absorbency decreases. On the other hand, the use of celluloses improves ink absorbability, but conversely has the problem that the fixability of the coloring material is reduced. By using a combination of a cationic polymer having the above contradictory properties and celluloses, it is possible to achieve both a certain level of fixability of color material and ink absorption, but pursue image quality comparable to silver halide photography. In such a case, it was found that the quality was still not satisfactory, and a new problem that glossiness was lowered was caused. The present inventors have conducted intensive studies on the above problems, and as a result, by using gelatin for both the cationic polymer and the celluloses, both the fixing property of the coloring material and the ink absorption were satisfied, and the gloss was improved. They have found what they can do.
[0027]
The invention according to claim 2 is characterized in that an ink jet recording medium having an ink receiving layer containing gelatin on a support contains two or more cationic polymers having different ink adsorption rates as defined above. Further, in the invention according to claim 3, the ink absorption rate of the cationic polymer contained in the ink receiving layer A close to the support containing two or more kinds of cationic polymers having different ink adsorption rates as defined above. Is larger than the ink adsorbing rate of the cationic polymer contained in the ink receiving layer B far from the support with respect to the ink receiving layer A. In the invention according to claim 4, at least the ink receiving layer One layer is characterized by simultaneously containing two or more cationic polymers having different ink adsorption rates as defined above. Further, in the invention according to claim 5, in the above configuration, it is preferable that at least one of the ink receiving layers contains celluloses. Further, in the invention according to claim 6, cationic ink having a large ink adsorption rate is used. The lower ink receiving layer containing a polymer preferably contains polyvinyl alcohol together with celluloses.
[0028]
In general, an image formed by using a water-soluble dye has a characteristic that it is easily discolored due to the influence of an oxidizing gas or a cationic polymer. In particular, if the printed image is a black or neutral gray image and fading occurs, it becomes a factor of discoloration due to color balance and becomes conspicuous. The present inventors have conducted various studies on the properties of the cationic polymer to be used and the additive layer, and as a result, the structure defined in the present invention, preferably a strong water-resistant cationic polymer, is present in the lower layer by And found something that could be solved. Furthermore, it was found that the effect of the present invention was further improved by using polyvinyl alcohol in combination.
[0029]
In the invention according to claim 7, in the recording medium containing gelatin, cationic polymer and cellulose, it is preferable to use a carboxylic acid group-containing cellulose compound as the cellulose.
[0030]
Carboxylic acid-containing polymers such as gelatin have good absorbency for water and the like used in inks, while cationic polymers are effective for fixing coloring materials. It has been found that both the absorptivity and the fixing property of the coloring material are disadvantageous. Has been found to be extremely effective in improving sex.
[0031]
Hereinafter, details of each component according to the present invention will be described.
One feature of the ink jet recording medium of the present invention is that the ink receiving layer contains at least gelatin as a water-soluble polymer.
[0032]
As the gelatin, any gelatin can be used as long as it is made of animal collagen, but gelatin obtained from collagen made of pork skin, cowhide, or bovine bone is preferred. Further, the kind of gelatin is not particularly limited, but lime-treated gelatin, acid-treated gelatin, and derivative gelatin (for example, Japanese Patent Publication Nos. 38-4854, 39-5514, 40-12237, 42-26345, U.S. Pat. Nos. 2,525,753, 2,594,293, 2,614,928, 2,763,639, 3,118,766, and 3, 132,945, 3,186,846, 3,312,553, British Patent Nos. 861,414, 103,189, etc.) alone or in combination. Can be used.
[0033]
The derivative gelatin referred to in the present invention means a gelatin substituted with an amino group, an imino group or a carboxyl group of the gelatin. In the present invention, a gelatin substituted with an amino group or an imino group is particularly preferred. More preferably, the amino group-substituted gelatin is used, and examples thereof include phenylcarbamoyl gelatin and phthalated gelatin.
[0034]
In the present invention, the derivative gelatin obtained by substituting an amino group is described in, for example, U.S. Pat. Nos. 2,691,582, 2,614,928 and 2,525,753. I have.
[0035]
In the present invention, useful substituents for obtaining a derivative gelatin by substituting an amino group include:
a: an acyl group such as alkylacyl, arylacyl, acetyl and substituted or unsubstituted benzoyl,
b: a sulfonyl group such as alkylsulfonyl and arylsulfonyl,
c: carbamoyl group such as alkylcarbamoyl, arylcarbamoyl,
d: thiocarbamoyl groups such as alkylthiocarbamoyl and arylthiocarbamoyl;
e: a linear or branched alkyl group having 1 to 18 carbon atoms,
f: Substituted or unsubstituted aryl groups such as phenyl, naphthyl, and aromatic heterocycle such as pyridyl and furyl.
[0036]
The derivative gelatin of the present invention is preferably an acyl group (-COR)1) Or a carbamoyl group (—CONR1R2) Wherein the amino group is substituted.
[0037]
R of the acyl group or carbamoyl group1Is a substituted or unsubstituted aliphatic group (eg, an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms, an allyl group, etc.), an aryl group or an aralkyl group (eg, a phenethyl group, etc.);2Is a hydrogen atom, an aliphatic group, an aryl group or an aralkyl group.
[0038]
Particularly preferred in the present invention are R1Is an aryl group, R2Is a hydrogen atom. Hereinafter, examples of the substituent of the amino group of the derivative gelatin used in the present invention are shown, but the present invention is not limited thereto.
[0039]
An example of the amino group substituent of the derivative gelatin is shown below.
[0040]
Embedded image
[0041]
In order to rapidly absorb the ink into the receptor layer, the derivative gelatin in the present invention is prepared in advance by a substituent capable of reacting with at least 60% of the total amount of at least one selected from amino groups and imino groups with the amino group or imino group. It is preferable to use a substituted gelatin, but particularly preferred is a derivative gelatin in which 80% or more of the total amount of amino groups is substituted.
[0042]
The gelatin of the present invention has a jelly strength (based on a PAGI method and a bloom-type jelly strength meter) of 150 g or more, preferably 200 to 300 g.
[0043]
Next, the cationic polymer will be described.
First, the adsorption rate of the cationic polymer in the present invention will be described.
[0044]
As described above, the adsorption rate of the cationic polymer in the present invention refers to a method in which a black dye ink is printed on an inkjet recording medium containing a cationic polymer so as to have a density of 1.0, and this is printed at 30 ° C. After immersion in water for 10 seconds and drying, the concentration before and after immersion is measured, and the ink adsorption rate is determined according to the following equation (1), and this is defined as the ink adsorption rate of the cationic polymer.
[0045]
Equation (1)
Ink adsorption rate (%) = Ink concentration after immersion in pure water / Ink concentration before immersion in pure water × 100
Specifically, it is measured by the following method.
[0046]
(Preparation of recording medium)
A lime-processed gelatin of 5.0 g / m 2 on a paper support having polyethylene coated on both sides.20.5 g / m of cationic polymer to be measured2Then, an ink receiving layer composed of an appropriate amount of a surfactant is formed to produce a recording medium.
[0047]
(Measurement of ink adsorption rate)
On the above-mentioned recording medium, printing was performed using the following black dye ink so that the concentration became 1.0, and after leaving it for 10 minutes in an atmosphere of 23 ° C. and 50% RH, it was placed in pure water of 30 ° C. After immersion and drying for 10 seconds, the density before and after immersion is measured, and the ink adsorption rate is determined according to the above equation (1).
[0048]
<Black dye ink>
C. I. Food Black 2 4% by mass
Diethylene glycol @ 25% by mass
Sodium dioctyl sulfosuccinate 酸 0.01% by mass
Finish with water to 100% by weight.
[0049]
In the present invention, for each cationic polymer to be described, the ink adsorption rate of each cationic polymer is measured by the above-described method, and the values can be selected from the magnitude of the values and used in combination.
[0050]
In the present invention, the ink adsorption rate of the cationic polymer used in the ink receiving layer A close to the support is preferably 85% or more, more preferably 90 to 100%, and particularly preferably 95 to 100%. 100%. Further, the ink adsorption rate of the cationic polymer contained in the ink receiving layer B far from the support with respect to the ink receiving layer A is 50 to less than 85%, more preferably 60 to less than 85%, and particularly preferably. Is less than 70-85%.
[0051]
The cationic polymer referred to in the present invention refers to a polymer in which the polymer mainly shows cationicity in an aqueous solution. Typical examples thereof include JP-A-61-61887, JP-A-61-63477, and JP-A-5-104848. And polymers containing primary, secondary, tertiary amino groups and quaternary ammonium salts described in JP-A-5-124329 and the like. Any water-soluble cationic polymer can be used, and the type thereof is not particularly limited. Examples of the cationic polymer preferably used in the present invention include the following.
[0052]
a) Polyallylamines
b) Dicyandiamide condensate
c) Polyethylene imines
d) Cation-modified PVA
e) Cation-modified PVP
f) Epichlorohydrin derivative
g) Amino-substituted nylon
h) Polymer containing a structural unit derived from a monomer unit represented by the following general formula [1]
i) A polymer containing a structural unit derived from a monomer unit represented by the following general formula [2]
j) A polymer containing a structural unit derived from a monomer unit represented by the following general formula [3]
[0053]
Embedded image
[0054]
Where R1Represents a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted lower alkyl group, and Q represents an oxygen atom or -NH-. R2, R3And R4Each represents a substituted or unsubstituted lower alkyl group, which may be the same or different. X−Represents a halogen ion, a sulfonate anion, an alkyl sulfonate anion, an acetate anion or an alkyl carboxylate anion. n represents 2 or 3.
[0055]
R5, R6And R7Each represents a substituted or unsubstituted lower alkyl group, which may be the same or different. X−Represents a halogen ion, a sulfonate anion, an alkyl sulfonate anion, an acetate anion or an alkyl carboxylate anion. n represents 2 or 3.
[0056]
R8, R9And R10Each represents a substituted or unsubstituted lower alkyl group, which may be the same or different. X−Represents a halogen ion, a sulfonate anion, an alkyl sulfonate anion, an acetate anion or an alkyl carboxylate anion. n represents 2 or 3.
[0057]
R1~ R10The lower alkyl group represented by is preferably a methyl group or an ethyl group.
[0058]
The polyallylamines referred to in the present invention include polyallylamine represented by the following general formula [4], polydiallylamine represented by the following general formula [5-1] or [5-2], and the following general formula [6-1] Or a polydiallylamine derivative represented by [6-2], or a polymer thereof.
[0059]
Embedded image
[0060]
In the general formula [4], n is an integer of 5 to 10000, X1 −Represents a residue of an inorganic acid or an organic acid.
[0061]
Embedded image
[0062]
In the general formulas [5-1], [5-2], [6-1] and [6-2], R1And R2Each represents a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group or a hydroxyethyl group;2 −Represents an inorganic acid residue or an organic acid residue, and Y represents a divalent linking group. Also, n / m = 9/1 to 2/8 and l = 5 to 10,000.
[0063]
Specific examples of the polydiallylamine derivative represented by the general formula [6-1] or [6-2] include a SODI represented by the general formula described in JP-A-60-83882.2Having a repeating unit as a repeating unit, a copolymer with acrylamide described on page 2 of JP-A-1-9776, and a polymer represented by the general formula [6-1] or [6-2] of the present invention. And copolymers with diallylamine.
[0064]
Specific examples of the dicyandiamide condensate used in the present invention include dicyandiamide formalin condensate and polyalkylene polyamine dicyandiamide ammonium salt condensate. These are Sanfix 70 of Sanyo Chemical Co., Ltd., and Nikafloc D-1000 of Nippon Carbide. And Neofix F and Neofix RP-70Y of Nikka Chemical Co., Ltd., respectively.
[0065]
The polyethyleneimines referred to in the present invention are a polymer obtained by polymerizing ethyleneimine or a derivative thereof, and particularly preferably a polyethyleneimine quaternary ammonium compound. Specific examples include those described in JP-A-60-72785 and JP-A-60-76386.
[0066]
The cation-modified polyvinylpyrrolidone referred to in the present invention is a copolymer of vinylpyrrolidone and a monomer unit having a cationic group. Specific examples of the monomer unit having a cationic group include quaternized vinylimidazole, quaternized dialkylaminoethyl methacrylate, and methacrylamidopropyltrialkylammonium salt.
[0067]
Specific examples of the epichlorohydrin derivative used in the present invention include polyamide-epichlorohydrin resin, a reaction product of epichlorohydrin with a tertiary amine described on page 2 of JP-A-61-252189, and JP-A-62-278. And the compounds of the general formula (II) described on page 4 of JP-A-259882.
[0068]
These can be synthesized by a known method. Commercially available products include Nalpoly-607 (Nalco Chemical) and Polyfix 601 (Showa Kogaku).
[0069]
Specific examples of the amino group-substituted nylon used in the present invention are described on page 2 of JP-A-59-33179, and a commercially available product is AQ nylon (trade name: manufactured by Toray).
[0070]
As the cationic polyaluminum hydroxide used in the present invention, those described in Item 2 of JP-A-60-257286 can be used.
[0071]
Preferred compounds among the monomers represented by the general formula [1] include, for example, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminopropyl (meth) ) Acrylate, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylate, N, N-dimethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-diethylaminoethyl (meth) acrylamide, N, N-dimethylaminopropyl (meth) acrylamide and N, N-diethylaminopropyl (meth) acrylamide methyl chloride, ethyl chloride, methyl bromide, ethyl bromide, quaternized product of methyl iodide or ethyl iodide, or a sulfonate or an alkyl substituted with an anion thereof. Sulfonates, acetates or alkyl carboxylate and the like. Of these, particularly preferred compounds include, for example, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, triethyl-2- (methacryloyloxy) ethylammonium chloride, trimethyl-2- (acryloyloxy) ethylammonium chloride, triethyl-2 -(Acryloyloxy) ethylammonium chloride, trimethyl-3- (methacryloyloxy) propylammonium chloride, triethyl-3- (methacryloyloxy) propylammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloylamino) ethylammonium chloride, triethyl-2- ( Methacryloylamino) ethylammonium chloride, trimethyl-2- (acryloylamino) ethylammonium chloride , Triethyl-2- (acryloylamino) ethylammonium chloride, trimethyl-3- (methacryloylamino) propylammonium chloride, triethyl-3- (methacryloylamino) propylammonium chloride, trimethyl-3- (acryloylamino) propylammonium chloride, Triethyl-3- (acryloylamino) propyl ammonium chloride, N, N-dimethyl-N-ethyl-2- (methacryloyloxy) ethyl ammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-2- (methacryloyloxy) ethyl ammonium Chloride, N, N-dimethyl-N-ethyl-3- (acryloylamino) propylammonium chloride, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethyl Ammonium bromide, trimethyl-3- (acryloylamino) propyl ammonium bromide, trimethyl-2- (methacryloyloxy) ethyl ammonium sulfonate, and the like trimethyl-3- (acryloylamino) propyl ammonium acetate Tet.
[0072]
Preferred examples of the monomer represented by the general formula [2] include trimethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, trimethyl-m-vinylbenzylammonium chloride, triethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, and triethyl-m-vinylbenzylammonium chloride. N, N-dimethyl-N-ethyl-p-vinylbenzylammonium chloride, N, N-diethyl-N-methyl-p-vinylbenzylammonium chloride, trimethyl-p-vinylbenzylammonium bromide, trimethyl-m-vinylbenzyl Ammonium bromide, trimethyl-p-vinylbenzylammonium sulfonate, trimethyl-m-vinylbenzylammonium sulfonate, trimethyl-p-vinylbenzylamine Iodonium acetate, trimethyl -m- vinylbenzyl ammonium acetate can be mentioned.
[0073]
Preferred examples of the monomer represented by the general formula [3] include diallyldimethylammonium chloride, diallyldiethylammonium chloride, diallyldimethylammonium bromide, diallyldimethylammonium sulfolate, diallyldimethylammonium acetate and the like.
[0074]
Acrylamide, methacrylamide, N, N-dimethylacrylamide, N-isopropylacrylamide, diacetoneacrylamide, N-methylolacrylamide, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate and N -By copolymerizing a monomer selected from vinylpyrrolidone in the range of 20 to 80 parts by mass, the ink absorption capacity and ink absorption rate of the polymer having the quaternary ammonium base itself are increased, and the ink dot diameter is appropriately increased. Extremely favorable properties can be imparted, for example, by adjusting the thickness or eliminating printing unevenness in the solid portion.
[0075]
In the present invention, the addition amount of the cationic polymer is not particularly limited, but in the invention according to claim 9, the content of the cationic polymer in the ink receiving layer containing the cationic polymer is 1 to 20% by mass. %. If the content of the cationic polymer is less than 1% by mass, desired water resistance cannot be obtained, and if it exceeds 20% by mass, the physical properties of the formed coating film deteriorate, which is not preferable.
[0076]
Next, the celluloses according to the present invention will be described.
As the celluloses that can be used in the present invention, a water-soluble cellulose derivative can be preferably used, and in the invention according to claim 7, it is preferable to be a carboxylic acid group-containing cellulose, and according to claim 8, In the invention, it is preferable to use at least one water-soluble cellulose derivative selected from carboxymethyl cellulose (cellulose carboxymethyl ether), methyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, and hydroxypropyl cellulose, and carboxymethyl cellulose (cellulose carboxymethyl ether) is particularly preferable. In addition, cellulose derivatives such as nitrocellulose, cellulose acetate propionate, cellulose acetate, cellulose sulfate and the like can be mentioned.
[0077]
In the recording medium of the present invention, the content of cellulose in the ink receiving layer containing cellulose is preferably from 15 to 35% by mass as a solid content. If it exceeds 35% by mass, the physical properties of the film may be degraded due to a decrease in the hardness, which is not preferable.
[0078]
In the present invention, the amount of the cationic polymer to be added to the ink receiving layer containing the cellulose and the cationic polymer is not particularly limited, but may be 1 to 20% by mass in the invention according to claim 10. preferable. If the content of the cationic polymer is less than 1% by mass, desired water resistance cannot be obtained, and if it exceeds 20% by mass, the physical properties of the formed coating film deteriorate, which is not preferable.
[0079]
Next, polyvinyl alcohol will be described.
The polyvinyl alcohol preferably used in the present invention includes, in addition to ordinary polyvinyl alcohol obtained by hydrolyzing polyvinyl acetate, modified polyvinyl such as polyvinyl alcohol having a cation-modified terminal or an anion-modified polyvinyl alcohol having an anionic group. Also includes alcohol.
[0080]
As the polyvinyl alcohol obtained by hydrolyzing vinyl acetate, those having an average degree of polymerization of 1000 or more are preferably used, and those having an average degree of polymerization of 1500 to 5000 are preferably used, and the degree of saponification is 70 to 100. %, Particularly preferably 80 to 99.5%. In the invention according to the third aspect, polyvinyl alcohol having a saponification degree of 92% or less and a weight average molecular weight of 20,000 or more is converted into total polyvinyl alcohol. It is preferable to contain 10% by mass or more of the alcohol content, and that the polyvinyl alcohol having a saponification degree of 80 to 92% and a weight average molecular weight of 20,000 to 50,000 contains 10 to 50% by mass of the total polyvinyl alcohol content. Is particularly preferred.
[0081]
The use of polyvinyl alcohol having the above-mentioned properties is preferable because it realizes high ink absorbency and can prevent ink transfer to the back surface even after printing on a recording medium and laminating the recording medium.
[0082]
As the cation-modified polyvinyl alcohol, for example, as described in JP-A-61-10483, a tertiary amino group or a quaternary ammonium group is contained in the main chain or side chain of the polyvinyl alcohol. Examples thereof include polyvinyl alcohol, which can be obtained by saponifying a copolymer of an ethylenically unsaturated monomer having a cationic group and vinyl acetate.
[0083]
Examples of the ethylenically unsaturated monomer having a cationic group include trimethyl- (2-acrylamido-2,2-dimethylethyl) ammonium chloride and trimethyl- (3-acrylamido-3,3-dimethylpropyl) ammonium chloride , N-vinylimidazole, N-vinyl-2-methylimidazole, N- (3-dimethylaminopropyl) methacrylamide, hydroxylethyltrimethylammonium chloride, N, N, N-trimethyl- (3-methacrylamidopropyl) ammonium chloride , N- (1,1-dimethyl-3-dimethylaminopropyl) acrylamide and the like.
[0084]
The ratio of the cation-modified group-containing monomer in the cation-modified polyvinyl alcohol is 0.1 to 10 mol%, preferably 0.2 to 5 mol%, based on vinyl acetate.
[0085]
As the anion-modified polyvinyl alcohol, for example, polyvinyl alcohol having an anionic group as described in JP-A-1-2060888, and described in JP-A-61-237681 and JP-A-63-307979. And a modified polyvinyl alcohol having a water-soluble group as described in JP-A-7-285265.
[0086]
Examples of the nonion-modified polyvinyl alcohol include, for example, a polyvinyl alcohol derivative in which a polyalkylene oxide group is added to a part of vinyl alcohol as described in JP-A-7-9758, and JP-A-8-25795. Block copolymers of the described vinyl compound having a hydrophobic group and vinyl alcohol, and the like can be mentioned.
[0087]
Two or more kinds of polyvinyl alcohols having different degrees of polymerization, weight average molecular weight, saponification degree and types of modification can be used in combination.
[0088]
As a method for improving the discoloration of an ink-jet image, it is necessary to protect the coloring material from an oxidizing gas such as oxygen, but in the case of a swelling recording medium, the coloring material is placed inside the ink receiving layer as far away from the outside air as possible. Although it was an important requirement to dye, it is difficult to achieve discoloration resistance comparable to silver halide photographic materials by this means alone, and as a result of intensive studies by the present inventors, The presence of polyvinyl alcohols in the vicinity of the dyed coloring material realizes good resistance to discoloration and fading due to an effect of blocking harmful gases that promote fading of oxygen and the like of these polyvinyl alcohols.
[0089]
In the present invention, as the water-soluble polymer, in addition to the above-described gelatin, celluloses and polyvinyl alcohol, known water-soluble polymers can be used in combination, for example, polyvinylpyrrolidones, polyacrylamide, polydimethylacrylamide, polydimethyl Polymers containing an acrylic group such as aminoacrylate and vinyl acrylate copolymer salts (see JP-A-60-16865 and JP-A-62-9988), starch, oxidized starch, carboxyl starch, dialdehyde starch, and cationized starch , Dextrin, gum arabic, casein, pullulan, dextran, polyethylene glycol, polyalkylene glycols such as polypropylene glycol, polyvinyl ether, polyglycerin, alkyl vinyl ether maleate copolymer, Synthetic polymers such as N-vinylpyrrole copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer, and polyethyleneimine (see JP-A-61-32787, JP-A-61-237680, and JP-A-61-277483). Can be.
[0090]
In the ink jet recording medium of the present invention, the ratio of these water-soluble polymers in the ink receiving layer is preferably from 10 to 70% by mass, and more preferably from 20 to 60% by mass.
[0091]
Next, other components of the recording medium excluding the components described above will be described. In the present invention, a suitable crosslinking agent can act on the ink receiving layer for the purpose of improving water resistance. Specific examples of the crosslinking agent include aldehyde compounds such as formaldehyde and glutaraldehyde, ketone compounds such as diacetyl and chloropentanedione, bis (2-chloroethylurea), 2-hydroxy-4,6-dichloro-1, 3,5-triazine, a compound having a reactive halogen as described in U.S. Pat. No. 3,288,775; divinyl sulfone; a compound having a reactive olefin as described in U.S. Pat. No. 3,635,718; N-methylol compounds described in Patent Nos. 2,732,316, isocyanates described in U.S. Patent No. 3,103,437, and U.S. Patent Nos. 3,017,280 and 2,983,611. Aziridine compounds such as carbodiimide compounds described in U.S. Pat. No. 3,100,704; Such epoxy compounds described No. 3,091,537, such as halogen carboxy aldehydes mucochloric acid, there is such dioxane derivatives of dihydroxy dioxane, it can be used in combination thereof one or more. The amount of the crosslinking agent to be added is preferably 0.01 g to 10 g, more preferably 0.1 to 5 g, per 100 g of the modified polyvinyl alcohol.
[0092]
The method for forming the ink receiving layer according to the present invention includes a size press method, a roll coater method, a blade coater method, an air knife coater method, a gate roll coater method, a rod bar coater method, a curtain method, a slide hopper method, and an extrusion method. For example, a commonly used coating method is used.
[0093]
In the present invention, the ink-receiving layer further contains a surfactant, a binder, a hardener, an inorganic pigment, a coloring dye, a coloring pigment, an ink dye fixing agent, an ultraviolet absorber, an antioxidant, and a pigment dispersant. Various known additives such as an antifoaming agent, a leveling agent, a preservative, an optical brightener, a viscosity stabilizer, and a pH adjuster can also be added.
[0094]
In the present invention, it is preferable to add a surfactant to the ink receiving layer within a range that does not impair the ink absorbency, for the purpose of improving image quality. The surfactant used may be any of anionic, cationic, nonionic and betaine types, and low-molecular or high-molecular types or different types may be used in combination. More preferred are fluorine-based surfactants.
[0095]
Conventional surfactants have been considered to be unfavorable when anionic surfactants and cationic surfactants are used together, in which case aggregation in a solution state before application occurs, which is undesirable. The agent does not agglomerate in a solution state, and when used in an ink jet recording sheet, exhibits excellent ink receptivity, has a small phenomenon in which ink droplets diffuse with time, and can utilize larger droplets. It was found that an image with higher density and less unevenness could be obtained.
[0096]
In the present invention, the anionic fluorine-containing surfactant or the cationic fluorine-containing surfactant includes, for example, U.S. Pat. Nos. 2,559,751, 2,567,011, 2,732,398, No. 2,764,602, No. 2,806,866, No. 2,809,998, No. 2,915,376, No. 2,915,528, No. 2,918, No. 501, No. 2,934,450, No. 2,937,098, No. 2,957,031, No. 3,472,894, No. 3,555,089, British Patent Nos. 1,143,927 and 1,130,822, JP-B-45-37304, JP-A-47-9613, JP-A-49-134614, JP-A-50-117705, and JP-A-50-117727. No. 50-123243, No. 5 Nos. 41182 and 51-12392, J. Chem. Soc., 1950, p. 2789, 1957, pages 2574 and 2640, and the American Chemical Society (J. Amer. Chem. Soc.) 79 vol. 2549 (1957), Oil Chemistry (J. Japan Oil Chemistry Soc.), Vol. 12, p. 653, Organic Chemistry Society (J. Org. Chem.) Vol. 30, p. 3524 (1965), and the like. can do.
[0097]
Certain of these fluorosurfactants are trade names Megafac F from Dainippon Ink and Chemicals, Inc. and Fluorad FC from Minnesota Mining and Manufacturing Company. From Imperial Chemical Industries, Inc., under the name Monflor, from E.I.Dupont Nemelas and Company, Inc., under the name, Zonyls, and from Farbeberke Hoechst. It is marketed under the trade name of Licovet VPF.
[0098]
The total amount of the cationic fluorine-based surfactant and the anionic fluorine-based surfactant is 1 m.2The amount is preferably 0.1 to 1000 mg, preferably 0.5 to 300 mg, more preferably 1.0 to 150 mg. When used together, two or more of them may be used in combination. In addition, a nonionic fluorine-based surfactant, a betaine-type fluorine-based surfactant, or a hydrocarbon-based surfactant may be used in combination.
[0099]
The molar ratio of the anionic fluorine-based surfactant to the cationic fluorine-based surfactant of the present invention is preferably 1:10 to 10: 1, and more preferably 3: 7 to 7: 3.
[0100]
The coating amount of the ink receiving layer according to the present invention is 3 to 100 g / m2, More preferably 5 to 50 g / m2It is.
[0101]
Further, the ink receiving layer is provided on at least one surface of the support, but may be provided on both surfaces of the support for the purpose of preventing curling.
[0102]
In the present invention, a matting agent can be used in the ink receiving layer to prevent sticking.
[0103]
Matting agents are well known in the photographic art and can be defined as discontinuous solid particles of an inorganic or organic material dispersible in a hydrophilic organic colloid binder. Examples of inorganic matting agents include oxides (eg, silicon dioxide, titanium oxide, magnesium oxide, aluminum oxide, etc.) and alkaline earth metal salts (eg, sulfates and carbonates, specifically, barium sulfate, carbonate Calcium, magnesium sulfate, calcium carbonate, etc., silver halide grains which do not form an image (silver chloride, silver bromide, etc., to which iodine atom may be added as a halogen component even a little) and glass.
[0104]
Examples of the organic matting agent include starch, cellulose ester (eg, cellulose acetate propionate, etc.), cellulose ether (eg, ethyl cellulose, etc.), and synthetic resin. Examples of synthetic resins are water-insoluble or poorly soluble synthetic polymers, such as alkyl (meth) acrylate, alkoxyalkyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, (meth) acrylamide, vinyl ester (eg, vinyl acetate), Acrylonitrile, olefins (eg, ethylene), styrene, benzoguanamine / formaldehyde condensate alone or in combination, or acrylic acid, methacrylic acid, α, β-unsaturated dicarboxylic acid, hydroxyalkyl (meth) acrylate, sulfoalkyl ( A polymer having a combination of meth) acrylate, styrene sulfonic acid and the like as a monomer component can be used.
[0105]
In addition, epoxy resin, nylon, polycarbonate, phenol resin, polyvinyl carbazole, polyvinylidene chloride, and the like can also be used.
[0106]
From the viewpoint of transportability, these have a weight average particle size of 3 to 20 μm and a total mass (also referred to as an attached amount) in the ink receiving layer of 10 to 100 mg / m 2.2It is preferable that From the viewpoint of the stability of the coating solution, it is preferable that particles having a size of 3 μm or less and particles having a size of 20 μm or more are excluded in advance by classification.
[0107]
As the support used in the present invention, either a transparent support or an opaque support can be used according to the purpose of use.
[0108]
As the transparent support, any conventionally known one can be used, and examples thereof include films of polyester resin, cellulose acetate resin, acrylic resin, polycarbonate resin, polyvinyl chloride resin, polyimide resin, cellophane, celluloid and the like. Among these, a polyester resin, particularly a polyethylene terephthalate film, is preferred from the viewpoints of rigidity and transparency of the support.
[0109]
As opaque supports, uncoated papers such as high-quality paper, medium-quality paper, super calendered paper, glazed base paper, tracing paper, art paper, coated paper, lightweight coated paper, finely coated paper, cast coated paper And coated films, plastic films, opaque films containing pigments, foamed films and the like, resin-coated papers, resin-impregnated papers, nonwoven fabrics, cloths and composites thereof. Among these, resin-coated paper and various films are preferable from the viewpoint of gloss and smoothness, and resin-coated paper, polyolefin resin-coated paper, and polyester-based film are more preferable from the feeling of touch and high quality.
[0110]
The base paper constituting the resin-coated paper that is preferably used is not particularly limited, and generally used paper can be used. More preferably, for example, smooth base paper used for a photographic support is preferable. As the pulp constituting the base paper, natural pulp, recycled pulp, synthetic pulp or the like may be used alone or in combination of two or more. The base paper is blended with additives generally used in papermaking, such as a sizing agent, a paper strength enhancer, a filler, an antistatic agent, a fluorescent whitening agent, and a dye.
[0111]
Further, a surface sizing agent, a surface strength agent, a fluorescent whitening agent, an antistatic agent, a dye, an anchoring agent and the like may be applied to the surface.
[0112]
The thickness of the base paper is not particularly limited, but preferably has good surface smoothness, for example, by applying a pressure by using a calender or the like during papermaking or after papermaking to compress the paper.
[0113]
As the resin of the resin-coated paper, a polyolefin resin or a resin that is cured by an electron beam can be used. The polyolefin resin is a low-density polyethylene, high-density polyethylene, polypropylene, polybutene, a homopolymer of olefins such as polypentene or a copolymer of two or more olefins such as an ethylene-propylene copolymer and mixtures thereof, Those having various densities and melt viscosity indices (melt index) can be used alone or in combination.
[0114]
Also, in the resin of the resin-coated paper, white pigments such as titanium oxide, zinc oxide, talc, calcium carbonate, fatty acid amides such as stearic acid amide and arachidic amide, zinc stearate, calcium stearate, aluminum stearate, stearin Fatty acid metal salts such as magnesium oxide, antioxidants such as Irganox 1010 and Irganox 1076, blue pigments and dyes such as cobalt blue, ultramarine blue, cecilian blue, phthalocyanine blue, and magenta such as cobalt violet, fast violet, and manganese purple It is preferable to add various additives such as pigments and dyes, fluorescent brighteners and ultraviolet absorbers in an appropriate combination.
[0115]
In the present invention, an aqueous ink is preferably used, and a recording liquid including a colorant, a liquid medium, and other additives is used. Examples of the coloring agent include direct dyes, acid dyes, basic dyes, reactive dyes, and water-soluble dyes such as food colorants.
[0116]
Examples of the solvent for the aqueous ink include water and various water-soluble organic solvents, for example, having 1 carbon atom such as methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, and isobutyl alcohol. Amides such as dimethylformamide and dimethylacetamide; ketones or ketone alcohols such as acetone and diacetone alcohol; ethers such as tetrahydrofuran and dioxane; polyalkylene glycols such as polyethylene glycol and polypropylene glycol; Ethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol, triethylene glycol, 1,2,6-hexanetriol, thiodiglycol, hexylene Alkylene glycols having 2 to 6 alkylene groups such as recall and diethylene glycol; lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as glycerin, ethylene glycol methyl ether, diethylene glycol methyl (or ethyl) ether, triethylene glycol and monomethyl ether; 2H And pyrrolidinones such as 1-methyl-2-pyrrolidone and 2-pyrrolidone. Among these many water-soluble organic solvents, polyhydric alcohols such as diethylene glycol, lower alkyl ethers of polyhydric alcohols such as triethylene glycol monomethyl ether and triethylene glycol monoethyl ether, and pyrrolidones are preferable.
[0117]
In the present invention, the solvent of the ink is preferably a mixed solvent of water and an organic solvent from the viewpoint of preventing clogging of the ink head nozzle. At this time, the mixing ratio of the water and the organic solvent is 1/9 to less by mass. 9/1 is preferred, and more preferably 4/6 to 9/1.
[0118]
Examples of other additives to the ink include a pH adjuster, a metal sequestering agent, a fungicide, a viscosity adjuster, a surface tension adjuster, a wetting agent, a surfactant, and a rust inhibitor.
[0119]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0120]
Example 1
<< Preparation of recording medium >>
According to the procedure shown below, recording media 1 to 13 were produced.
[0121]
[Preparation of recording medium 1]
(Preparation of Support 1)
Moisture content 6%, basis weight 200g / m2Was coated with a low-density polyethylene having a density of 0.92 at a thickness of 35 μm by an extrusion coating method. Next, a low-density polyethylene containing 5.5% of anatase-type titanium oxide and having a density of 0.92 and having a thickness of 40 μm was applied on the surface side by an extrusion coating method to prepare a support 1 having both sides coated with polyethylene. . A corona discharge was applied to the front side to form an undercoat layer made of polyvinyl alcohol at 0.03 g / m.2After performing corona discharge on the back surface, the latex layer was 0.12 g / m2.2Was applied.
[0122]
(Preparation of ink receiving layer coating liquid 1)
Hydroxyethyl cellulose 100 parts by mass
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) 0.5 parts by mass
Surfactant (Megafax F-120) 0.3 parts by mass
The above-mentioned respective additives were sequentially mixed, and diluted with pure water so that the solid content concentration of the coating liquid was 8% by mass, to prepare a coating liquid 1 for an ink receiving layer.
[0123]
(Application)
On the support 1 thus prepared, the ink receiving layer coating liquid 1 was applied in an amount of 8 g / m 2 as a dried film mass.2The coating was applied by a bar coating method, cooled once to about 7 ° C., and then dried by blowing air at 20 to 65 ° C. to produce a recording medium 1.
[0124]
[Preparation of recording medium 2]
A recording medium 2 was produced in the same manner as in the production of the recording medium 1 except that the following ink receiving layer coating liquid 2 was used instead of the ink receiving layer coating liquid 1.
[0125]
(Preparation of ink receiving layer coating liquid 2)
Lime-processed gelatin (Konica Gelatin KV-3000) 100 parts by mass
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) 0.5 parts by mass
Surfactant (Megafax F-120) 0.3 parts by mass
The above-mentioned respective additives were sequentially mixed and diluted with pure water so that the solid content concentration of the coating liquid was 8% by mass, to prepare a coating liquid 2 for the ink receiving layer.
[0126]
[Preparation of recording medium 3]
A recording medium 3 was produced in the same manner as in the production of the recording medium 1 except that the following ink receiving layer coating liquid 3 was used instead of the ink receiving layer coating liquid 1.
[0127]
(Preparation of ink receiving layer coating liquid 3)
Lime-processed gelatin (Konica Gelatin KV-3000) 50 parts by mass
Hydroxyethyl cellulose 50 parts by mass
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) 0.5 parts by mass
Surfactant (Megafax F-120) 0.3 parts by mass
The above-mentioned respective additives were sequentially mixed and diluted with pure water so that the solid content concentration of the coating liquid was 8% by mass, to prepare a coating liquid 3 for the ink receiving layer.
[0128]
[Preparation of recording medium 4]
A recording medium 4 was produced in the same manner as in the production of the recording medium 1 except that the following ink receiving layer coating liquid 4 was used instead of the ink receiving layer coating liquid 1.
[0129]
(Preparation of ink receiving layer coating liquid 4)
Lime-treated gelatin (Konica Gelatin KV-3000) 90 parts by mass
10 parts by mass of cationic polymer CP-1 (Sunfix 414, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.)
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) 0.5 parts by mass
Surfactant (Megafax F-120) 0.3 parts by mass
The above-mentioned respective additives were sequentially mixed and diluted with pure water so that the solid content concentration of the coating liquid was 8% by mass to prepare a coating liquid 4 for the ink receiving layer.
[0130]
[Preparation of Recording Medium 5]
A recording medium 5 was produced in the same manner as in the production of the recording medium 1 except that the following ink receiving layer coating liquid 5 was used instead of the ink receiving layer coating liquid 1.
[0131]
(Preparation of ink receiving layer coating liquid 5)
Cationic polymer CP-2 (IN194NE @ Osaka Organic Co., Ltd.)
15 parts by mass
Hydroxyethyl cellulose 75 parts by mass
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) 0.5 parts by mass
Surfactant (Megafax F-120) 0.3 parts by mass
Each of the above additives was sequentially mixed and diluted with pure water so that the solid content concentration of the coating solution was 8% by mass, to prepare a coating solution 5 for the ink receiving layer.
[0132]
[Preparation of recording media 6 and 7]
Recording media 6 and 7 were produced in the same manner as in the production of the recording medium 5 except that the following compounds were used as the cationic polymer.
[0133]
Recording medium 6: cationic polymer CP-1
Recording medium 7: cationic polymer CP-3 (IN187B @ manufactured by Takamatsu Yushi Co., Ltd.)
[Preparation of Recording Medium 8]
A recording medium 8 was produced in the same manner as the recording medium 1 except that the following ink receiving layer coating liquid 8 was used instead of the ink receiving layer coating liquid 1.
[0134]
(Preparation of ink receiving layer coating liquid 8)
Lime-processed gelatin (Konica Gelatin KV-3000) 50 parts by mass
Cationic polymer CP-2 10 parts by mass
Hydroxyethyl cellulose 40 parts by mass
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) 0.5 parts by mass
Surfactant (Megafax F-120) 0.3 parts by mass
The above-mentioned respective additives were sequentially mixed and diluted with pure water so that the solid content concentration of the coating liquid was 8% by mass to prepare a coating liquid 8 for the ink receiving layer.
[0135]
[Preparation of recording media 9 and 10]
Recording media 9 and 10 were produced in the same manner as in the production of the recording medium 8 except that the cationic polymer was changed to the following compound.
[0136]
Recording medium 9: cationic polymer CP-1
Recording medium 10: cationic polymer CP-3
[Preparation of recording media 11 to 13]
Recording media 11 to 13 were produced in the same manner as in the production of recording media 8 to 10 except that carboxymethyl cellulose was used instead of hydroxyethyl cellulose as the celluloses.
[0137]
<< Evaluation of recording medium >>
For each of the recording media prepared above, yellow (Y), magenta (M), cyan (C), blue (B), green (G), red using an inkjet printer (MJ-5000C; manufactured by Seiko Epson Corporation). Using the dedicated inks of (R) and black (K), each color was printed at the maximum density, and the following items were evaluated.
[0138]
<Evaluation of water resistance>
Each image printed using the dye ink was immersed in pure water at 25 ° C. for 1 minute, taken out and dried, and the residual ratio with respect to the maximum concentration of the untreated sample was obtained by the following formula. The water resistance was evaluated according to the following formula.
[0139]
Water resistance (%) = (reflection density of immersed sample / reflection density of unimmersed sample) × 100
:: Water resistance (%) is 95% or more
:: Water resistance (%) is less than 80 to 95%
Δ: Water resistance (%) is less than 60 to 80%
×: Water resistance (%) is less than 60%
<Evaluation of ink absorbency>
For each of the recording media prepared above, a solid image of cyan density was printed on an inkjet printer (MJ-5000C; manufactured by Seiko Epson Corporation) using a cyan ink while changing the ink ejection amount, according to the following method. The ink absorbency (ink overflow) was evaluated.
[0140]
:: No uneven density in the form of pills was observed at all over the ink ejection amount range.
:: In a region where the amount of ejected ink is large, slight unevenness of density is observed, but there is no problem at all.
Δ: In a region where the amount of ink ejection is large, a density unevenness like a cod is observed, but is within a practically allowable range.
×: In the entire ink ejection amount range, uneven density in the form of a cod is recognized, and the quality is practically problematic.
<Evaluation of glossiness>
The glossiness of the surface of the unprinted portion and the image portion printed with the black ink were visually observed, and the glossiness was evaluated according to the following criteria.
[0141]
:: Good gloss before and after printing, no problem at all
:: glossy before and after printing, no problem
Δ: The gloss is slightly different before and after printing, but there is no practical problem
×: Poor gloss and not practically acceptable level before and after printing
Table 1 shows the evaluation results obtained as described above.
[0142]
[Table 1]
[0143]
As is clear from Table 1, the recording medium containing gelatin, cationic polymer and cellulose in the ink receiving layer according to the present invention has water resistance, ink absorbency and glossiness as compared with the comparative example. It turns out that it is excellent. It can be seen that the above effects are further enhanced by using carboxymethylcellulose, which is a carboxylic acid group-containing cellulose, as the celluloses.
[0144]
Example 2
<< Preparation of recording medium >>
According to the procedure described below, recording media 21 to 30 were produced.
[0145]
[Preparation of Recording Medium 21]
On the support 1 prepared in Example 1, the following layers were simultaneously coated with a curtain coater to form a recording medium 21.
[0146]
(First layer: lowest layer)
Lime-processed gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin) @ 1.2 g / m2
Polyvinylpyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 0.8 g / m2
(2nd layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) 7.0 g / m2
Polyvinyl pyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 3.0 g / m2
(3rd layer: outermost layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) @ 1.0 g / m2
Polyvinylpyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 0.4 g / m2
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) @ 60mg / m2
Surfactant (Megafax F-120) @ 26mg / m2
[Preparation of recording medium 22]
The following layers were simultaneously coated on the support 1 prepared in Example 1 with a curtain coater to prepare a recording medium 22.
[0147]
(First layer: lowest layer)
Lime-processed gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin) @ 1.2 g / m2
Polyvinylpyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 0.8 g / m2
(2nd layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) @ 7.0 g / m2
Polyvinyl pyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 2.0 g / m2
1.0 g / m of cationic polymer CP-1 (described above; ink adsorption rate = 75%)2
(3rd layer: outermost layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) @ 1.0 g / m2
0.5 g / m of cationic polymer CP-2 (described above; ink adsorption rate = 94%)2
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) @ 60mg / m2
Surfactant (Megafax F-120) @ 26mg / m2
[Preparation of recording medium 23]
The following layers were simultaneously coated on the support 1 prepared in Example 1 with a curtain coater to prepare a recording medium 23.
[0148]
(First layer: lowest layer)
Lime-processed gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin) @ 1.2 g / m2
Polyvinylpyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 0.8 g / m2
(2nd layer)
Lime-processed gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co., Ltd.) / 7.0 g / m2
Polyvinyl pyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 2.0 g / m2
Cationic polymer CP-1 (ink adsorption rate = 75%) @ 0.5 g / m2
Cationic polymer CP-2 (ink adsorption rate = 94%) @ 0.5 g / m2
(3rd layer: outermost layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) @ 1.0 g / m2
Polyvinylpyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 0.4 g / m2
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) @ 60mg / m2
Surfactant (Megafax F-120) @ 26mg / m2
[Preparation of recording medium 24]
The following layers were simultaneously coated on the support 1 prepared in Example 1 with a curtain coater to prepare a recording medium 24.
[0149]
(First layer: lowest layer)
Lime-treated gelatin (Konica Gelatin KV-3000) @ 1.2 g / m2
Polyvinylpyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 0.8 g / m2
(2nd layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) 7.0 g / m2
Polyvinyl pyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 2.0 g / m2
Cationic polymer CP-2 (ink adsorption rate = 94%) 1.0 g / m2
(3rd layer: outermost layer)
Lime-processed gelatin (Konica Gelatin KV-3000) @ 1.0 g / m2
Cationic polymer CP-1 (ink adsorption rate = 75%) @ 0.5 g / m2
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) @ 60mg / m2
Surfactant (Megafax F-120) @ 26mg / m2
[Preparation of Recording Medium 25]
In the production of the recording medium 22, a recording medium 25 was produced in the same manner except that the configuration of the second layer was changed as follows.
[0150]
(2nd layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) 3.5 g / m2
Carboxymethylcellulose (abbreviated as CMC in Table 2) 3.5 g / m2
Polyvinyl pyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 2.0 g / m2
Cationic polymer CP-1 (ink adsorption rate = 75%) @ 1.0 g / m2
[Preparation of Recording Medium 26]
In the production of the recording medium 24, a recording medium 26 was produced in the same manner except that the configuration of the third layer was changed as follows.
[0151]
(3rd layer: outermost layer)
Lime-processed gelatin (Konica Gelatin KV-3000) @ 0.5 g / m2
Carboxymethylcellulose @ 0.5g / m2
Cationic polymer CP-1 (ink adsorption rate = 75%) @ 0.5 g / m2
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) @ 60mg / m2
Surfactant (Megafax F-120) @ 26mg / m2
[Preparation of recording medium 27]
In the production of the recording medium 24, a recording medium 27 was produced in the same manner except that the configuration of the second layer was changed as follows.
[0152]
(2nd layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) 3.5 g / m2
Carboxymethyl cellulose 3.5 g / m2
Polyvinyl pyrrolidone K-90 (manufactured by BASF) @ 2.0 g / m2
Cationic polymer CP-2 (ink adsorption rate = 94%) 1.0 g / m2
[Preparation of recording medium 28]
A recording medium 28 was produced in the same manner as in the production of the recording medium 27 except that the cationic polymers of the second and third layers were changed as described below.
[0153]
Second layer: cationic polymer CP-3 (described above @ ink adsorption rate = 89%)
Third layer: cationic polymer CP-4 (Polyment NK-100PM, manufactured by Nippon Shokubai Co., Ltd., ink adsorption rate = 81%)
[Preparation of recording medium 29]
In the production of the recording medium 27, a recording medium 29 was produced in the same manner except that the configuration of the second layer was changed as follows.
[0154]
(2nd layer)
Lime-treated gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) 3.5 g / m2
Carboxymethyl cellulose 3.5 g / m2
Polyvinyl alcohol (Kuraray Industries, Ltd .: PVA235)
A: 2.5 g / m2
Cationic polymer CP-2 (ink adsorption rate = 94%) @ 0.5 g / m2
[Preparation of recording medium 30]
In the production of the recording medium 27, a recording medium 30 was produced in the same manner except that the configuration of the third layer was changed as follows.
[0155]
(3rd layer: outermost layer)
Lime-processed gelatin (Konica Gelatin KV-3000) @ 0.5 g / m2
0.5 g / m of polyvinyl alcohol (Kuraray Industries, Ltd .: PVA235)2
Cationic polymer CP-1 (ink adsorption rate = 75%) @ 0.5 g / m2
Organic fine particle matting agent (Soken Chemical Co., Ltd .: MR-13G) @ 60mg / m2
Surfactant (Megafax F-120) @ 26mg / m2
[Preparation of Recording Media 27A, 27B, 27C, 27D]
In the preparation of the recording medium 27, the lime-processed gelatin (KV-3000 manufactured by Konica Gelatin Co.) of the second layer was adjusted to 4.5, 4.3, 2.7, and 2.0 g / m2, respectively.2, And cationic polymer CP-2 (ink adsorption rate = 94%) were applied at 0.05, 0.15, 1.8, and 2.5 g / m, respectively.2The recording media 27A, 27B, 27C, and 27D were manufactured in the same manner except that the recording medium was changed to. The content (solid content ratio) of the cationic polymer in the second layer containing carboxymethylcellulose and the cationic polymer was 10%, 0.5%, and 1% in the recording media 27, 27A, 27B, 27C, and 27D, respectively. 0.5%, 18% and 25%.
[0156]
[Preparation of Recording Media 28A, 28B, 28C, 28D]
In the production of the recording medium 28, the recording mediums 28A, 28B, 28C, and 28D were prepared in the same manner except that the carboxymethyl cellulose of the second layer was changed to hydroxyethyl cellulose, hydroxypropyl cellulose, methyl cellulose, and lime-treated gelatin, respectively. Was prepared.
[0157]
The ink adsorption rate of each cationic polymer used in the preparation of the sample is a value obtained by using a black dye ink in accordance with the above-described method.
[0158]
<< Evaluation of recording medium >>
After printing an image in the same manner as described in Example 1, evaluation of water resistance, ink absorption and glossiness was performed according to the method described in Example 1, and evaluation of discoloration resistance was performed according to the following method. .
[0159]
(Evaluation of discoloration resistance)
For each of the recording media prepared above, a cyan dye ink was loaded into an inkjet printer (MJ-5000C; manufactured by Seiko Epson Corporation), and a solid image was printed at a density of about 1.0 as a cyan density. The discoloration resistance was evaluated accordingly.
[0160]
Each solid printed image portion printed by the above method was stuck to a window in an office room, and left for 6 months in an environment exposed to the outside air flow but not exposed to direct sunlight. The reflection density of the printed portion before and after standing was measured with red monochromatic light, the density remaining rate was determined according to the following equation, and the discoloration resistance was evaluated according to the following criteria.
[0161]
Concentration residual rate = (concentration after standing for 6 months / concentration before standing) × 100 (%)
A: Residual concentration is 95% or more
:: The residual concentration ratio is 85% or more and less than 95%.
Δ: The concentration residual ratio is 75% or more and less than 85%.
×: Residual concentration is less than 75%
Table 2 shows the results obtained as described above.
[0162]
[Table 2]
[0163]
As is clear from Table 2, the recording medium of the present invention using two kinds of cationic polymers having different ink adsorption rates in the ink receiving layer was superior to the comparative example in water resistance, ink absorption and discoloration resistance of the ink. Is good.
[0164]
In particular, it can be seen that the effect is further exhibited by using a cationic polymer having a large ink adsorption rate for the lower layer. In addition, by adding celluloses and polyvinyl alcohol to the ink-receiving layer in which a cationic polymer having a large ink adsorption rate is present, excellent characteristics can be obtained.
[0165]
【The invention's effect】
According to the present invention, a swellable ink jet recording medium having excellent water resistance, ink absorbency, glossiness and discoloration resistance can be provided.
Claims (10)
インク吸着率:カチオン性ポリマーAを含有するインクジェット記録媒体上に、ブラック染料インクを濃度1.0となるように印字し、これを30℃の純水中に10秒間浸漬、乾燥した後、浸漬前後での濃度を測定し、下式(1)に従ってインク吸着率を求め、これをカチオン性ポリマーAのインク吸着率と定義する。
式(1)
インク吸着率(%)=純水浸漬後のインク濃度/純水浸漬前のインク濃度×100An ink jet recording medium having an ink receiving layer containing gelatin on a support, comprising two or more cationic polymers having different ink adsorption rates as defined below.
Ink adsorption rate: A black dye ink was printed on an inkjet recording medium containing cationic polymer A at a concentration of 1.0, immersed in pure water at 30 ° C. for 10 seconds, dried, and then immersed. By measuring the density before and after, the ink adsorption rate is determined according to the following equation (1), and this is defined as the ink adsorption rate of the cationic polymer A.
Equation (1)
Ink adsorption rate (%) = ink concentration after immersion in pure water / ink concentration before immersion in pure water × 100
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