JP2004046118A - 光変調装置、光信号送受信装置および光通信システム - Google Patents
光変調装置、光信号送受信装置および光通信システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムにおいて、波長資源を有効に活用しつつ上り信号と下り信号の伝送容量に対する制限を緩和し、さらにSBSの発生を抑圧することができる光変調装置を提供する。
【解決手段】最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であるように強度変調された信号光を光強度飽和手段に入力し、その出力光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である。
【選択図】 図1
【解決手段】最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であるように強度変調された信号光を光強度飽和手段に入力し、その出力光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源を持たず、外部から入力される信号光を搬送波として変調して出力する光変調装置に関する。また、この光変調装置を用いた光信号送受信装置、さらにこの光信号送受信装置を用いた光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図23は、従来の波長多重光通信システムの構成例を示す(特許文献1)。図において、センタノード51と複数のリモートノード52−1〜52−nは、光ファイバ伝送路53を介してリング状に接続される。センタノード51は、各リモートノードに対してそれぞれ所定の波長の下り信号光および無変調光を波長多重して送信する。ここで、リモートノード52−2に対しては、波長λ1 の無変調光と波長λ2 の下り信号光が波長多重して送信される。
【0003】
リモートノード52−2は、波長λ2 の下り信号光を波長分岐素子54により分岐して光受信器55で受信する。また、波長λ1 の無変調光を波長分岐挿入素子56により分岐して光変調器57で変調し、波長分岐挿入素子56でセンタノード51への上り信号光として挿入する。なお、リモートノード52−2の波長分岐挿入素子56では、波長λ1 以外はスルーする構成である。他のリモートノードでもそれぞれ割り当てられた波長の下り信号光および無変調光を分岐し、無変調光を変調した上り信号光を挿入する。
【0004】
このような波長多重光通信システムでは、センタノード51に下り信号光および無変調光(上り信号光)の光源が集中的に配置され、各リモートノードの光源が不要になっている。そのため、各リモートノードに光源を配置する構成に比べてその波長管理が不要となり、システムの保守管理が容易になっている。
【0005】
なお、スター型の波長多重光通信システム(WDM−PON)においても同様の構成が可能になっている。
【0006】
本願の国内優先権の基礎となる先の出願の内容については、非特許文献1に公開されている。
【0007】
【特許文献1】
M.Sharma, H.Ibe and T.Ozeki,”WDM ring network using a centralized multiwavelength light source and add−drop multiplexing filters”, IEEE J.Lightwave Technol., vol.15, no.6, pp.917−919, 1997)
【非特許文献1】
H.Takesue and T.Sugie,”Data rewrite of wavelength channel using saturated SOA modulator for WDM metro/access networks with centralized light sources”, in Proceedings of 28th European conference on optical communication, ECOC 2002, Copenhagen, Paper8.5.6, 2002年9月8日
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムでは、下り信号光と上り信号光の多重方法にいくつかの方法がある。
【0009】
第1の手法は、図23に示すシステムのように、下り信号光と上り信号光(無変調光)の波長を異なるように設定するものである。これにより、下り信号光と上り信号光は互いに独立になり、それぞれ大きな伝送容量の通信を行うことができる。しかし、センタノードと各リモートノード間の双方向通信に2波長が必要となり、システム全体で使用する波長数がリモートノード数に比例して増大する問題があった。また、無変調光は、光ファイバ伝送路の誘導ブリルアン散乱(SBS)の発生を抑圧するために入力光パワーが制限され、結果としてネットワークの規模が制限される問題があった。
【0010】
第2の手法は、1つの波長チャネルを用いて、上り信号光と下り信号光を時分割多重するものである。すなわち、センタノードから各リモートノードに伝送される各波長チャネルは、下り信号光(変調光)を伝送する時間領域と、上り信号光(無変調光)を伝送する時間領域に分割される。各リモートノードでは、波長多重信号光からそれぞれ所定の波長チャネルを分波し、下り信号光用の時間領域で受信処理を行い、上り信号光用の時間領域で無変調光を変調して波長多重信号光に挿入する。本手法は、1波長で双方向通信ができるので波長の有効利用が可能であるが、1波長チャネルの伝送容量を上りと下りで分割することになるので、それぞれの伝送容量が第1の手法に比べて半分以下になる。さらに、上り信号光と下り信号光を時間領域で分割するための特別なフレーム形式を使用する必要がある。
【0011】
また、第1の手法と同様に、無変調光を伝送する時間領域では光ファイバ伝送路のSBSが生じる可能性があるので入力光パワーが制限され、結果としてネットワークの規模が制限される問題があった。
【0012】
第3の手法は、1つの波長チャネルを用いて、上り信号と下り信号を電気信号の領域で周波数多重するものである。すなわち、センタノードから各リモートノードに伝送される各波長チャネルの下り信号は周波数f1 のサブキャリアに重畳される。各リモートノードでは、波長多重信号光からそれぞれ所定の波長チャネルを分波し、下り信号を受信した後に、周波数f1 とは異なる周波数f2 のサブキャリアに上り信号を重畳し、波長多重信号光に挿入する。本手法も波長の有効利用が可能であるが、サブキャリアの利用により伝送容量が制限される問題がある。
【0013】
本発明は、センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムにおいて、波長資源を有効に活用しつつ上り信号と下り信号の伝送容量に対する制限を緩和し、さらにSBSの発生を抑圧することができる光変調装置を提供することを目的とする。また、この光変調装置を用いた光信号送受信装置、さらにこの光信号送受信装置を用いた光通信システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(光変調装置:請求項1〜16)
請求項1の光変調装置は、最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であるように強度変調された信号光を光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である。
【0015】
請求項2の光変調装置は、さらに光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備え、光増幅手段で増幅された信号光を光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である。
【0016】
ここで、光強度飽和手段と光強度変調手段を1つの半導体光増幅器で構成してもよい(請求項3)。
【0017】
請求項4の光変調装置は、スペースが一定数以上連続しないように符号化され、かつ所定のビットレートBd で強度変調された信号光を入力し、Bd より小さいビットレートBu の送信信号で強度変調し、新たな信号光として出力する光強度変調手段を備える。
【0018】
請求項5の光変調装置は、光位相変調または光周波数変調された信号光を入力し、送信信号で強度変調し、新たな信号光として出力する光強度変調手段を備える。
【0019】
請求項6の光変調装置は、請求項1の光変調装置の光強度飽和手段の前段に、入力光のうち所定の光周波数成分のみを透過する光バンドパスフィルタを配置する。
【0020】
請求項7の光変調装置は、さらに光バンドパスフィルタの前段に、光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備える。
【0021】
ここで、光バンドパスフィルタの透過中心周波数を可変としてもよい(請求項8)。また、光強度飽和手段と光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成してもよい(請求項9)。
【0022】
請求項10の光変調装置は、入力された波長多重信号光のうち所定の波長の信号光を分岐し、分岐された所定の波長以外の波長多重信号光と入力された所定の波長の信号光を波長多重する波長分岐挿入素子と、最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、波長分岐挿入素子で分岐して光強度飽和手段に入力する波長の信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であるように強度変調された波長多重信号光を波長分岐挿入素子に入力し、分岐された信号光を光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として波長分岐挿入素子に入力する構成である。
【0023】
請求項11の光変調装置は、さらに波長分岐挿入素子の前段に、光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備える。
【0024】
ここで、波長分岐挿入素子で分岐挿入する波長が可変としてもよい(請求項12)。また、光強度飽和手段と光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成してもよい(請求項13)。
【0025】
請求項1、請求項6まはた請求項10のいずれかに記載の光変調装置において、光強度飽和素子は、最小飽和入力強度以上かつ最大飽和入力強度以下の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有し、光強度飽和素子に入力する信号光は、光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であり、光強度の最大値が最大飽和入力強度以下であるように強度変調された信号光としてもよい(請求項14)。
【0026】
請求項2、請求項7または請求項11のいずれかに記載の光変調装置において、光強度飽和素子は、最小飽和入力強度以上かつ最大飽和入力強度以下の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有し、光増幅手段に代えて、光強度飽和素子に入力する信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であり、光強度の最大値が最大飽和入力強度以下になるように調整する光強度調整手段を備えてもよい(請求項15)。
【0027】
以上の光変調装置において、誤り訂正符号化された送信信号を光強度変調手段に印加する構成してもよい(請求項16)。
【0028】
(光信号送受信装置:請求項17〜20)
請求項17の光信号送受信装置は、請求項1〜3の光変調装置と、光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から送信する構成である。
【0029】
請求項18の光信号送受信装置は、請求項4,5の光変調装置と、光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から送信する構成である。
【0030】
請求項19の光信号送受信装置は、請求項6〜請求項9の光変調装置と、光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から送信する構成である。
【0031】
請求項20の光信号送受信装置は、請求項10〜請求項13の光変調装置と、光変調装置に入力する波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光を受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から波長多重信号光に波長多重して送信する構成である。
【0032】
(光通信システム:請求項21〜30)
請求項21の発明は、複数のノードが光通信網を介して縦続に接続された光通信システムにおいて、各ノードは、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の光信号送受信装置を備え、光通信網から光信号送受信装置に入力する信号光を受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光通信網に送出する構成である。
【0033】
請求項22の発明は、複数のノードが光通信網を介して縦続に接続された光通信システムにおいて、各ノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、光通信網から入力する波長多重信号光に対して各ノードに割り当てた波長の信号光を分岐挿入する波長分岐挿入手段とを備え、光通信網から光信号送受信装置に入力された波長多重信号光からそのノードに割り当てた波長の信号光を分岐して受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、波長分岐挿入手段で波長多重信号光に波長多重して光信号送受信装置から光通信網に送出する構成である。
【0034】
請求項23の発明は、センタノードとリモートノードが光ファイバ伝送路を介して対向接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された信号光が光ファイバ伝送路を介してリモートノードに伝送され、光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバ伝送路を介してセンタノードへ送出する構成である。
【0035】
請求項24の発明は、センタノードと複数のリモートノードが、それぞれ波長対応に接続する波長ルータおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された波長多重信号光が波長ルータおよび光ファイバ伝送路を介してそれぞれ割り当てられた波長の信号光に分波されて各リモートノードに伝送され、光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバへ送出し、波長ルータで他のリモートノードからの信号光と波長多重してセンタノードへ伝送する構成である。
【0036】
請求項25の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、光ファイバ伝送路から入力する波長多重信号光から各リモートノードに割り当てた波長の信号光を分波する光フィルタとを備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、光フィルタで波長多重信号光から分波された波長の信号光を光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバ伝送路へ送出し、光スターカプラで他のリモートノードからの信号光と波長多重してセンタノードへ伝送する構成である。
【0037】
請求項26の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項19に記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、光信号送受信装置でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバ伝送路へ送出し、光スターカプラで他のリモートノードからの信号光と波長多重してセンタノードへ伝送する構成である。
【0038】
請求項27の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光ファイバ伝送路を介してリング状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項20に記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、光信号送受信装置でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置で波長多重信号光に波長多重して光ファイバ伝送路へ送出する構成である。
【0039】
請求項28の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光ファイバ伝送路を介してリング状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、光ファイバ伝送路から入力する波長多重信号光に対して各ノードに割り当てた波長の信号光を分岐挿入する波長分岐挿入手段とを備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、波長分岐挿入手段でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分岐して光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、波長分岐挿入手段で波長多重信号光に波長多重して光信号送受信装置から光ファイバ伝送路へ送出する構成である。
【0040】
ここで、請求項22および請求項28の光通信システムの波長分岐挿入手段は、分岐・挿入する波長が可変する構成としてもよい(請求項29)。また、請求項25の光通信システムの光フィルタは、分波する波長が可変する波長可変フィルタとしてもよい(請求項30)。
【0041】
【発明の実施の形態】
(光変調装置の第1の実施形態:請求項1)
図1は、本発明の光変調装置の第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、光強度飽和素子1と光強度変調器2により構成される。入力信号光は強度変調された信号光であり、その光強度の最大値(マーク部)をPM 、最小値(スペース部)をPS とする。
【0042】
光強度飽和素子1の光入出力特性は、図2に示すように、入力光強度が小さい領域では出力光強度が入力光強度にほぼ比例し、入力光強度が所定値以上になると出力光強度が飽和し、入力光強度の変化に対する出力光強度の変化が抑圧される。この所定値を「最小飽和入力強度」といい、出力光強度が飽和する領域を「飽和入力領域」という。
【0043】
ここで、光強度の最小値PS が最小飽和入力強度以上になるように強度変調された信号光を光強度飽和素子1に入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光が出力される。この信号光(連続光)を光キャリアとして光強度変調器2に入力し、送信信号で強度変調することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0044】
(光変調装置の第2の実施形態:請求項2)
図3は、本発明の光変調装置の第2の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態の光強度飽和素子1の前段に光増幅器3を配置した構成である。
【0045】
第1の実施形態では、入力信号光の光強度の最小値PS が、光強度飽和素子1の最小飽和入力強度以上であるとしたが、最小飽和入力強度に満たない場合には光増幅器3を用い、光強度の最小値PS が最小飽和入力強度以上になるように増幅して光強度飽和素子1に入力する。これにより、光強度飽和素子1の出力には強度変調成分が抑圧された信号光が出力される。
【0046】
(光変調装置の第3の実施形態:請求項3,14,15)
図4は、本発明の光変調装置の第3の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態における光強度飽和素子1と光強度変調器2を、1つの半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)6で実現した構成である。
【0047】
半導体光増幅器6の光入出力特性は、図5に示すように、入力光強度が小さい領域では出力光強度が入力光強度にほぼ比例し、入力光強度が所定値以上になると出力光強度が飽和し、入力光強度の変化に対する出力光強度の変化が抑圧される。この所定値を「最小飽和入力強度」とする。さらに、最小飽和入力強度を越えて入力光強度をさらに増大してゆき、入力光強度が所定値以上になると入力光強度の変化に対する出力光強度の変化が再び大きくなる。この所定値を「最大飽和入力強度」とする。ここでは、出力光強度が飽和する最小飽和入力強度以上、最大飽和入力強度以下の入力光強度の領域を「飽和入力領域」と定義する。
【0048】
この半導体光増幅器6に、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように強度変調された信号光を入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光(連続光)が出力される。
【0049】
さらに、半導体光増幅器6は、注入電流を変調することにより光変調器としても動作するので、その注入電流に送信信号を重畳することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0050】
なお、第1の実施形態および第2の実施形態(さらに以下の実施形態)においても、光強度飽和素子1が図5に示すような光入出力特性を有する場合には、同様に入力信号光の光強度を調整する。また、入力信号光の光強度の最大値PM が最大飽和入力強度を越える場合には、光増幅器3に代えて光減衰器を配置し、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように減衰させればよい。
【0051】
(光変調装置の第4の実施形態:請求項4,5)
図6は、本発明の光変調装置の第4の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、光強度変調器2のみで構成される。図6(a) は、光強度変調器2にビットレートBd で強度変調された信号光を入力し、ビットレートBu の送信信号で強度変調する構成である。ここで、Bd >Bu とし、スペースが一定数以上連続しないように符号化された入力信号光を用いる。これにより、送信信号の1ビットに相当する時間内に、入力信号光の光パルスが必ず存在する状況を実現できる。
【0052】
図6(b) は、光強度変調器2に光位相変調または光周波数変調された信号光を入力し、送信信号で強度変調する構成である。光位相変調または光周波数変調された信号光は光強度が変動せず連続光として扱うことができ、これを強度変調することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0053】
ところで、上記の光変調装置において、光強度飽和素子1に入力される信号光の光信号対雑音比(OSNR)が小さいと、出力信号光の消光比が大きくなる。図7に出力信号光消光比のOSNR依存性の一例を示す。すなわち、光強度飽和素子1に入力される雑音光パワーが大きいと、光強度飽和素子1による入力信号光のマークとスペースの光強度差が十分に抑圧されず、光強度変調器2で新たに発生する信号光の品質が劣化する。以下に雑音光による発生信号光の劣化を緩和する他の方法について説明する。
【0054】
(光変調装置の第5の実施形態:請求項6)
図8は、本発明の光変調装置の第5の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態(図1)の光強度飽和素子1の前段に、所定の光周波数成分のみを透過する光バンドパスフィルタ7を配置した構成である。
【0055】
ここで、光バンドパスフィルタ7を透過する光周波数成分の光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように強度変調された信号光を光強度飽和素子1に入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光が出力される。この信号光(連続光)を光キャリアとして光強度変調器2に入力し、送信信号で強度変調することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0056】
本実施形態の構成では、OSNRが小さい信号光を入力しても、光バンドパスフィルタ7によりその透過帯域外の雑音光を除去することができるので、光強度飽和素子1への入力光のOSNRを増大させることができる。これにより、光補強度飽和素子1による強度変調成分の抑圧効果を高く保つことができ、結果として光強度変調器2で新たに発生する信号光の品質劣化を防ぐことができる。
【0057】
(光変調装置の第6の実施形態:請求項7)
図9は、本発明の光変調装置の第6の実施形態を示す。本実施形態は、第5の実施形態(図8)の光バンドパスフィルタ7の前段に光増幅器3を配置した構成である。
【0058】
第5の実施形態では、光バンドパスフィルタ7を透過する光周波数成分の光強度の最小値PS および最大値PM が光強度飽和素子1の飽和入力領域にあるとしたが、これらが最小飽和入力強度に満たない場合には光増幅器3を用い、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように増幅して光バンドパスフィルタ7に入力する。これにより、入力光強度が小さい場合でも動作可能な光変調装置を実現することができる。
【0059】
さらに、入力信号光が予め有していた雑音光成分と、光増幅器3で新たに発生する雑音光成分のうち、光バンドパスフィルタ7の透過帯域外の雑音光を除去することができる。これにより、光強度飽和素子1への入力光のOSNRを増大させることができ、光強度飽和素子1による強度雑音成分の効率的抑圧が可能になる。
【0060】
(光変調装置の第7の実施形態:請求項8)
第5の実施形態(図8)および第6の実施形態(図9)において、光バンドパスフィルタ7として、その透過中心波長が可変である可変光バンドパスフィルタを用いることができる。このとき、可変光バンドパスフィルタの透過中心波長を変更することにより、入力信号光の波長変更に容易に対応することができる。
【0061】
(光変調装置の第8の実施形態:請求項10,11)
図10は、本発明の光変調装置の第8の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、第1の実施形態(図1)と同様の光強度飽和素子1および光強度変調器2と、入力する波長多重信号光から所定の波長の信号光を分岐して光強度飽和素子1に入力し、光強度変調器2から出力される所定の波長の信号光を波長多重信号光に挿入する波長分岐挿入素子8により構成される。また、光強度飽和素子1に入力される所定の波長の信号光の光強度が最小飽和入力強度に満たない場合には、波長分岐挿入素子8の前段に光増幅器3を配置し、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように増幅する。
【0062】
本実施形態の構成では、波長分岐挿入素子8により光強度飽和素子1に入力される信号光の周波数帯域が制限されるので、第5の実施形態(図8)および第6の実施形態(図9)における光バンドパスフィルタ7と同様に機能する。これにより、波長多重信号光が予め有していた雑音光成分と、光増幅器3で新たに発生する雑音光成分のうち、波長分岐挿入素子8の分岐帯域外の雑音光を除去することができる。これにより、光強度飽和素子1への入力光のOSNRを増大させることができ、光強度飽和素子1による強度雑音成分の効率的抑圧が可能になる。
【0063】
図11は、波長分岐挿入素子8の構成例を示す。ここでは、波長多重信号光から分岐挿入する波長をλ1 とする。
【0064】
図11(a) に示す波長分岐挿入素子8は、第1ポートからの入力光を第2ポートに出力し、第2ポートからの入力光を第3ポートに出力する光サーキュレータ31−1,31−2と、光サーキュレータ31−1,31−2の各第2ポート間に波長λ1 の信号光を反射し、他の波長多重信号光を通過する反射型光バンドパスフィルタ33−1,33−2を光アイソレータ35を介して配置した構成である。光強度飽和素子1および光強度変調器2は、光サーキュレータ31−1の第3ポートと光サーキュレータ31−2の第1ポートとの間に接続される。なお、反射型光バンドパスフィルタ33−1,33−2としては、ファイバブラッググレーティングを用いることができる。
【0065】
光サーキュレータ31−1の第1ポートから波長多重信号光を入力すると、波長λ1 の信号光が反射型光バンドパスフィルタ33−1で反射して第3ポートから出力される。光サーキュレータ31−2の第1ポートから波長λ1 の信号光を入力すると、反射型光バンドパスフィルタ33−2で反射し、反射型光バンドパスフィルタ33−1および光アイソレータ35を通過した波長多重信号光と合波して光サーキュレータ31−2の第3ポートから出力される。
【0066】
図11(b) に示す波長分岐挿入素子8は、波長λ1 とそれ以外の波長を合分波するWDMカプラ36−1,36−2を接続し、それぞれ波長分岐素子および波長挿入素子として用いる構成である。
【0067】
これにより、波長分岐挿入素子8に入力される波長多重信号光から波長λ1 の信号光を分波して光強度飽和素子1に入力し、光強度変調器2から出力された波長λ1 の信号光を波長分岐挿入素子8で波長多重信号光に合波することができる。
【0068】
(光変調装置の第9の実施形態:請求項12)
第8の実施形態(図10)の波長分岐挿入素子8として、分岐挿入波長が可変のものを用いることにより、波長多重信号光から分岐挿入する波長を任意に選択することができる。例えば、図11(a) に示す反射型光バンドパスフィルタ33−1,33−2として反射波長可変のものを用い、図11(b) に示すWDMカプラ36−1,36−2として分岐挿入波長が可変のものを用いる。
【0069】
(光変調装置の第10の実施形態:請求項10,11)
図12は、本発明の光変調装置の第10の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、第8の実施形態(図10)の波長分岐挿入素子8(WDMカプラ36−1,36−2)に代えて、波長多重信号光と各波長の信号光との間の合分波を行う光合分波器(例えばアレイ導波路回折格子型フィルタ(AWG))9−1,9−2を用い、その間に光強度飽和素子1および光強度変調器2を複数組(ここでは2組)備える構成である。また、各光強度飽和素子1−1,1−2に入力される所定の波長の信号光の光強度が最小飽和入力強度に満たない場合には、光合分波器9−1の前段に光増幅器3を配置し、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように増幅する。
【0070】
本実施形態の構成では、光合分波器9−1により各光強度飽和素子1−1,1−2に入力される信号光の周波数帯域が制限されるので、第5の実施形態(図8)および第6の実施形態(図9)における光バンドパスフィルタ7と同様に機能する。これにより、波長多重信号光が予め有していた雑音光成分と、光増幅器3で新たに発生する雑音光成分のうち、光合分波器9−1の分岐帯域外の雑音光を除去することができる。これにより、各光強度飽和素子1−1,1−2への入力光のOSNRを増大させることができ、光強度飽和素子1−1,1−2による強度雑音成分の効率的抑圧が可能になる。
【0071】
(光変調装置の第11の実施形態:請求項9,13)
第5の実施形態(図8)〜第10の実施形態(図12)において、光強度飽和素子1と光強度変調器2は、第3の実施形態(図4)に示すように1つの半導体光増幅器(SOA)で実現することができる。この半導体光増幅器に光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように強度変調された信号光を入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光(連続光)が出力される。
【0072】
さらに、半導体光増幅器は、注入電流を変調することにより光変調器としても動作するので、その注入電流に送信信号を重畳することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0073】
以上説明した第1〜第11の実施形態の光変調装置では、入力信号光のマークとスペースの光強度差が十分に抑圧されなかったり、ビットレートBd の信号光や光位相変調または光周波数変調された信号光に強度雑音が存在する場合には、発生する信号光の品質が劣化する。その場合には、送信信号に誤り訂正符号を使用することにより高品質の信号伝送が可能になる(請求項16)。
【0074】
(光信号送受信装置の第1の実施形態:請求項17,18)
図13は、本発明の光信号送受信装置の第1の実施形態を示す。ここでは、光変調装置の第2の実施形態(図3)に対応する構成を示すが、光変調装置の第1の実施形態(図1)、第3の実施形態(図4)、第4の実施形態(図6)にも同様に適用可能である。
【0075】
図において、光信号送受信装置10Aは、光変調装置を構成する光増幅器3、光強度飽和素子1および光強度変調器2に加えて、光強度飽和素子1に入力する信号光を2分岐する光分岐素子4と、分岐された信号光を受信する光受信器5により構成される。入力信号光は、光増幅器3および光分岐素子4を介して光受信器5に受信されるとともに、光強度飽和素子1で強度変調成分が抑圧された連続光となって光強度変調器2に入力され、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光が生成される。なお、第3の実施形態(図4)および第4の実施形態(図6)の光変調装置を光信号送受信装置とする場合には、半導体光増幅器6または光強度変調器2に入力する信号光の一部を分岐して光受信器で受信する。
【0076】
(光信号送受信装置の第2の実施形態:請求項19)
図14は、本発明の光信号送受信装置の第2の実施形態を示す。ここでは、光変調装置の第6の実施形態(図9)に対応する構成を示すが、光変調装置の第5の実施形態(図8)、第7の実施形態(可変光バンドパスフィルタを用いる構成)、第11の実施形態(SOAを用いる構成)にも同様に適用可能である。
【0077】
図において、光信号送受信装置10Bは、光変調装置を構成する光増幅器3、光バンドパスフィルタ7、光強度飽和素子1および光強度変調器2に加えて、光強度飽和素子1に入力する信号光を2分岐する光分岐素子4と、分岐された信号光を受信する光受信器5により構成される。入力信号光は、光増幅器3、光バンドパスフィルタ7および光分岐素子4を介して光受信器5に受信されるとともに、光強度飽和素子1で強度変調成分が抑圧された連続光となって光強度変調器2に入力され、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光が生成される。なお、第11の実施形態の光変調装置を光信号送受信装置とする場合には、半導体光増幅器6に入力する信号光の一部を分岐して光受信器で受信する。
【0078】
(光信号送受信装置の第3の実施形態:請求項20)
図15は、本発明の光信号送受信装置の第3の実施形態を示す。ここでは、光変調装置の第8の実施形態(図10)に対応する構成を示すが、光変調装置の第9の実施形態(可変光バンドパスフィルタを用いる個性)、第10の実施形態(図12)、第11の実施形態(SOAを用いる構成)にも同様に適用可能である。
【0079】
図において、光信号送受信装置10Cは、光変調装置を構成する光増幅器3、波長分岐挿入素子8、光強度飽和素子1および光強度変調器2に加えて、光強度飽和素子1に入力する信号光を2分岐する光分岐素子4と、分岐された信号光を受信する光受信器5により構成される。入力信号光は、光増幅器3、波長分岐挿入素子8および光分岐素子4を介して光受信器5に受信されるとともに、光強度飽和素子1で強度変調成分が抑圧された連続光となって光強度変調器2に入力され、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光が生成される。なお、第11の実施形態(SOAを用いる構成)の光変調装置を光信号送受信装置とする場合には、半導体光増幅器6に入力する信号光の一部を分岐して光受信器で受信する。
【0080】
(光通信システムの第1の実施形態:請求項21)
図16は、本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、複数のノード11−1〜11−3を光通信網12を介して縦続に接続した構成である。ノード11−2は、図13〜図15に示す本発明の光信号送受信装置10A,10B,10Cのいずれかを備える。
【0081】
ここで、ノード間を所定の波長の信号光が伝送される場合には光信号送受信装置10A,10Bが用いられる。ノード11−1から送信された所定の波長の信号光は光通信網12を介してノード11−2の光信号送受信装置10A,10Bに入力される。光信号送受信装置10A,10Bでは、伝送される所定の波長の信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を光通信網12を介してノード11−3へ送信する。
【0082】
また、ノード間を波長多重信号光が伝送され、ノード11−2で所定の波長の信号光を送受信する場合には光信号送受信装置10Cが用いられる。ノード11−1から送信された波長多重信号光は光通信網12を介してノード11−2の光信号送受信装置10Cに入力される。光信号送受信装置10Cでは、伝送される波長多重信号光から所定の波長の信号光を分岐して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を波長多重信号光に多重し、光通信網12を介してノード11−3へ送信する。なお、光信号送受信装置10Cに用いる光変調装置として、第10の実施形態(図12)の光合分波器9−1,9−2を用いた構成とすることにより、ノード間で複数チャネルの送受信が可能となる。
【0083】
以上のいずれかの構成により、ノード11−2に光源を配置することなく、所定の波長を用いてノード11−1からノード11−2への信号光伝送と、ノード11−2からノード11−3への信号光伝送が可能になる。
【0084】
なお、文献(G.P.Agrawal,”Nonlinear fiber optics”, Academic Press,1995)によると、SBSによる光ファイバ中の後方散乱光の利得gB は、
gB = [ΔνB/(ΔνB+ΔνP)]gB(νB) …(1)
で表される。ここで、gB(νB)はブリルアン利得係数のピーク値、ΔνB は光ファイバのブリルアン利得の半値全幅、ΔνP は入力光の線幅である。(1) 式は、入力光の線幅ΔνP を広げると、SBSの効率が低下することを示している。
【0085】
本実施形態の光通信システムでは、図23に示した無変調光を伝送する従来構成の光通信システムと異なり、光ファイバ中を伝送されるすべての光に変調信号が印加されている。これは、入力光の線幅ΔνP が増大することと等価であり、光ファイバ伝送路中のSBS発生が抑圧される効果がある。以下に示す他の実施形態の光通信システムにおいても、同じ原理で光ファイバ伝送路中のSBSの発生を抑圧することができる。
【0086】
(光通信システムの第2の実施形態:請求項22,29)
図17は、本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す。本実施形態の光通信システムは、第1の実施形態(図16)の構成においてノード間を波長多重信号光が伝送される場合に、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aを用いるための構成である。
【0087】
図において、複数のノード11−1〜11−3は光通信網12を介して縦続に接続される。ノード11−2は、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aと、ノード11−1からノード11−2,11−3に伝送される波長多重信号光に対して、ノード11−2に割り当てた波長λ1 の信号光を分岐・挿入する波長分岐挿入素子8を備える。
【0088】
ノード11−1から送信された波長多重信号光は光通信網12を介してノード11−2の波長分岐挿入素子8に入力され、波長λ1 の信号光が分岐して光信号送受信装置10Aに入力される。光信号送受信装置10Aでは、波長λ1 の信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を波長多重信号光に多重し、光通信網12を介してノード11−3へ送信する。これにより、ノード11−2に波長λ1 の光源を配置することなく、1つの波長λ1 を用いてノード11−1からノード11−2への信号光伝送と、ノード11−2からノード11−3への信号光伝送が可能になる。
【0089】
また、各ノードの波長分岐挿入素子8として波長可変型のものを用いることにより、各ノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のWDMシステムを構成することができる(請求項29)。
【0090】
(光通信システムの第3の実施形態:請求項23)
図18は、本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20とリモートノード21が光ファイバ伝送路22を介して対向接続された構成である。リモートノード21は、図13〜図15に示す本発明の光信号送受信装置10A,10B,10Cを備える。
【0091】
ここで、センタノード/リモートノード間を所定の波長の信号光が伝送される場合には光信号送受信装置10A,10Bが用いられる。センタノード20から送信された所定の波長の信号光は光ファイバ伝送路22を介してリモートノード21の光信号送受信装置10A,10Bに入力される。光信号送受信装置10A,10Bでは、伝送される所定の波長の信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を光ファイバ伝送路22を介してセンタノード20へ送信する。
【0092】
また、センタノード/リモートノード間を波長多重信号光が伝送され、リモートノード21で所定の波長の信号光を送受信する場合には光信号送受信装置10Cが用いられる。センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介してリモートノード21の光信号送受信装置10Cに入力される。光信号送受信装置10Cでは、伝送される波長多重信号光から所定の波長の信号光を分岐して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を波長多重信号光に多重し、光ファイバ伝送路22を介してセンタノード20へ送信する。なお、光信号送受信装置10Cに用いる光変調装置として、第10の実施形態(図12)の光合分波器9−1,9−2を用いた構成とすることにより、センタノード/リモートノード間で複数チャネルの送受信が可能となる。
【0093】
以上のいずれかの構成により、リモートノード21に光源を配置することなく、所定の波長を用いてセンタノード20からリモートノード21への信号光伝送と、リモートノード21からセンタノード20への信号光伝送が可能になる。
【0094】
(光通信システムの第4の実施形態:請求項24)
図19は、本発明の光通信システムの第4の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20と複数のリモートノード21−1〜21−nが、光ファイバ伝送路22および1:n波長ルータ23を介してスター状に接続された構成である。1:n波長ルータ23は、センタノード20から送信された波長多重信号光を各波長の信号光に分波し、それぞれ各リモートノードに送信し、各リモートノードから送信された各波長の信号光を合波してセンタノード20に送信する。ここで、各リモートノードは、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aと、1:n波長ルータ23との間でそれぞれ所定の波長の信号光を双方向接続する光双方向結合素子24を備える。なお、図18に示すように、方向別に光ファイバ伝送路22を配置する場合には光双方向結合素子24は不要となる。
【0095】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して1:n波長ルータ23に入力され、各波長の信号光に分波してそれぞれ対応するリモートノード21−1〜21−nに伝送される。各リモートノードには、それぞれ割り当てられた波長の信号光が入力され、光双方向結合素子24を介して光信号送受信装置10Aに入力される。光信号送受信装置10Aでは、入力信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、光双方向結合素子24を介して1:n波長ルータ23に送信され、他のリモートノードからの信号光と波長多重されてセンタノード20へ送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ1つの波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0096】
(光通信システムの第5の実施形態:請求項25,30)
図20は、本発明の光通信システムの第5の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20と複数のリモートノード21−1〜21−nが、光ファイバ伝送路22および光スターカプラ25を介してスター状に接続された構成である。ここで、各リモートノードは、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aと、それぞれ割り当てられた波長の信号光を通過する光フィルタ26およびその波長の信号光を双方向接続する光双方向結合素子24を備える。なお、図18に示すように、方向別に光ファイバ伝送路22を配置する場合には光双方向結合素子24は不要となる。
【0097】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して光スターカプラ25に入力され、リモートノード21−1〜21−nに伝送される。各リモートノードでは、光フィルタ26で波長多重信号光からそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波し、光双方向結合素子24を介して光信号送受信装置10Aに入力する。光信号送受信装置10Aでは、入力信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、光双方向結合素子24、光フィルタ26を介して光スターカプラ25に送信され、他のリモートノードからの信号光と波長多重されてセンタノード20へ送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ1つの波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0098】
なお、各リモートノードの光フィルタ26として波長可変フィルタを用いることにより、各リモートノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のスター型WDMシステムを構成することができる(請求項30)。
【0099】
(光通信システムの第6の実施形態:請求項26)
図21は、本発明の光通信システムの第6の実施形態を示す。本実施形態の光通信システムは、第5の実施形態(図20)の光フィルタ26と光信号送受信装置10Aに代えて、図14に示す光バンドパスフィルタ7を用いた光信号送受信装置10Bを用いた構成である。なお、図18に示すように、方向別に光ファイバ伝送路22を配置する場合には光双方向結合素子24は不要となる。
【0100】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して光スターカプラ25に入力され、リモートノード21−1〜21−nに伝送される。各リモートノードでは、伝送された波長多重信号光を光双方向結合素子24を介して光信号送受信装置10Bに入力する。光信号送受信装置10Bでは、光バンドパスフィルタ7で波長多重信号光からそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、光双方向結合素子24を介して光スターカプラ25に送信され、他のリモートノードからの信号光と波長多重されてセンタノード20へ送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ1つの波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0101】
なお、各リモートノードの光バンドパスフィルタ7として波長可変フィルタを用いることにより、各リモートノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のスター型WDMシステムを構成することができる。
【0102】
(光通信システムの第7の実施形態:請求項27,28)
図22は、本発明の光通信システムの第7の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20と複数のリモートノード21−1〜21−nが、光ファイバ伝送路22を介してリング状に接続された構成である。ここで、各リモートノードは、図15に示す本発明の光信号送受信装置10Cを備える。
【0103】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して各リモートノード21−1〜21−3に伝送される。各リモートノードでは、伝送された波長多重信号光を光信号送受信装置10Cに入力する。光信号送受信装置10Cでは、波長分岐挿入素子8で波長多重信号光からそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、波長分岐挿入素子8を介して光ファイバ伝送路22に送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ所定の波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0104】
なお、光信号送受信装置10Cは、図17に示す波長分岐挿入素子8と光信号送受信装置10Aとの組み合わせに置き換えることができる(請求項28)。
【0105】
また、各リモートノードの波長分岐挿入素子8として波長可変型のものを用いることにより、各リモートノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のリング型WDMシステムを構成することができる(請求項29)。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光変調装置は、入力する信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。また、光バンドパスフィルタまたは波長分岐挿入素子を用いた光変調装置では、新たに発生する信号光の雑音光による劣化を緩和することができる。
【0107】
この光変調装置を用いた光信号送受信装置は、入力する信号光を受信するとともに、その信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させ、送信することができる。
【0108】
さらに、センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムにおいて、この光信号送受信装置を用いてノードを構成することにより、波長資源を有効に活用しつつ上り信号と下り信号の伝送容量に対する制限を緩和し、加えてSBSの発生を抑圧することができる光通信システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光変調装置の第1の実施形態を示す図。
【図2】光強度飽和素子1の光入出力特性を示す図。
【図3】本発明の光変調装置の第2の実施形態を示す図。
【図4】本発明の光変調装置の第3の実施形態を示す図。
【図5】半導体光増幅器6の光入出力特性を示す図。
【図6】本発明の光変調装置の第4の実施形態を示す図。
【図7】光強度飽和素子における入力信号光のOSNRと出力信号光消光比の関係を示す図。
【図8】本発明の光変調装置の第5の実施形態を示す図。
【図9】本発明の光変調装置の第6の実施形態を示す図。
【図10】本発明の光変調装置の第8の実施形態を示す図。
【図11】波長分岐挿入素子8の構成例を示す図。
【図12】本発明の光変調装置の第10の実施形態を示す図。
【図13】本発明の光信号送受信装置の第1の実施形態を示す図。
【図14】本発明の光信号送受信装置の第2の実施形態を示す図。
【図15】本発明の光信号送受信装置の第3の実施形態を示す図。
【図16】本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す図。
【図17】本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す図。
【図18】本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す図。
【図19】本発明の光通信システムの第4の実施形態を示す図。
【図20】本発明の光通信システムの第5の実施形態を示す図。
【図21】本発明の光通信システムの第6の実施形態を示す図。
【図22】本発明の光通信システムの第7の実施形態を示す図。
【図23】従来の波長多重光通信システムの構成例を示す図。
【符号の説明】
1 光強度飽和素子
2 光強度変調器
3 光増幅器
4 光分岐素子
5 光受信器
6 半導体光増幅器(SOA)
7 光バンドパスフィルタ)
8 波長分岐挿入素子
9 光合分波器
10A,10B,10C 光信号送受信装置
11 ノード
12 光通信網
20 センタノード
21 リモートノード
22 光ファイバ伝送路
23 1:n波長ルータ
24 光双方向結合素子
25 光スターカプラ(SC)
26 光フィルタ
31 光サーキュレータ
33 反射型光バンドパスフィルタ
35 光アイソレータ
36 WDMカプラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源を持たず、外部から入力される信号光を搬送波として変調して出力する光変調装置に関する。また、この光変調装置を用いた光信号送受信装置、さらにこの光信号送受信装置を用いた光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図23は、従来の波長多重光通信システムの構成例を示す(特許文献1)。図において、センタノード51と複数のリモートノード52−1〜52−nは、光ファイバ伝送路53を介してリング状に接続される。センタノード51は、各リモートノードに対してそれぞれ所定の波長の下り信号光および無変調光を波長多重して送信する。ここで、リモートノード52−2に対しては、波長λ1 の無変調光と波長λ2 の下り信号光が波長多重して送信される。
【0003】
リモートノード52−2は、波長λ2 の下り信号光を波長分岐素子54により分岐して光受信器55で受信する。また、波長λ1 の無変調光を波長分岐挿入素子56により分岐して光変調器57で変調し、波長分岐挿入素子56でセンタノード51への上り信号光として挿入する。なお、リモートノード52−2の波長分岐挿入素子56では、波長λ1 以外はスルーする構成である。他のリモートノードでもそれぞれ割り当てられた波長の下り信号光および無変調光を分岐し、無変調光を変調した上り信号光を挿入する。
【0004】
このような波長多重光通信システムでは、センタノード51に下り信号光および無変調光(上り信号光)の光源が集中的に配置され、各リモートノードの光源が不要になっている。そのため、各リモートノードに光源を配置する構成に比べてその波長管理が不要となり、システムの保守管理が容易になっている。
【0005】
なお、スター型の波長多重光通信システム(WDM−PON)においても同様の構成が可能になっている。
【0006】
本願の国内優先権の基礎となる先の出願の内容については、非特許文献1に公開されている。
【0007】
【特許文献1】
M.Sharma, H.Ibe and T.Ozeki,”WDM ring network using a centralized multiwavelength light source and add−drop multiplexing filters”, IEEE J.Lightwave Technol., vol.15, no.6, pp.917−919, 1997)
【非特許文献1】
H.Takesue and T.Sugie,”Data rewrite of wavelength channel using saturated SOA modulator for WDM metro/access networks with centralized light sources”, in Proceedings of 28th European conference on optical communication, ECOC 2002, Copenhagen, Paper8.5.6, 2002年9月8日
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムでは、下り信号光と上り信号光の多重方法にいくつかの方法がある。
【0009】
第1の手法は、図23に示すシステムのように、下り信号光と上り信号光(無変調光)の波長を異なるように設定するものである。これにより、下り信号光と上り信号光は互いに独立になり、それぞれ大きな伝送容量の通信を行うことができる。しかし、センタノードと各リモートノード間の双方向通信に2波長が必要となり、システム全体で使用する波長数がリモートノード数に比例して増大する問題があった。また、無変調光は、光ファイバ伝送路の誘導ブリルアン散乱(SBS)の発生を抑圧するために入力光パワーが制限され、結果としてネットワークの規模が制限される問題があった。
【0010】
第2の手法は、1つの波長チャネルを用いて、上り信号光と下り信号光を時分割多重するものである。すなわち、センタノードから各リモートノードに伝送される各波長チャネルは、下り信号光(変調光)を伝送する時間領域と、上り信号光(無変調光)を伝送する時間領域に分割される。各リモートノードでは、波長多重信号光からそれぞれ所定の波長チャネルを分波し、下り信号光用の時間領域で受信処理を行い、上り信号光用の時間領域で無変調光を変調して波長多重信号光に挿入する。本手法は、1波長で双方向通信ができるので波長の有効利用が可能であるが、1波長チャネルの伝送容量を上りと下りで分割することになるので、それぞれの伝送容量が第1の手法に比べて半分以下になる。さらに、上り信号光と下り信号光を時間領域で分割するための特別なフレーム形式を使用する必要がある。
【0011】
また、第1の手法と同様に、無変調光を伝送する時間領域では光ファイバ伝送路のSBSが生じる可能性があるので入力光パワーが制限され、結果としてネットワークの規模が制限される問題があった。
【0012】
第3の手法は、1つの波長チャネルを用いて、上り信号と下り信号を電気信号の領域で周波数多重するものである。すなわち、センタノードから各リモートノードに伝送される各波長チャネルの下り信号は周波数f1 のサブキャリアに重畳される。各リモートノードでは、波長多重信号光からそれぞれ所定の波長チャネルを分波し、下り信号を受信した後に、周波数f1 とは異なる周波数f2 のサブキャリアに上り信号を重畳し、波長多重信号光に挿入する。本手法も波長の有効利用が可能であるが、サブキャリアの利用により伝送容量が制限される問題がある。
【0013】
本発明は、センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムにおいて、波長資源を有効に活用しつつ上り信号と下り信号の伝送容量に対する制限を緩和し、さらにSBSの発生を抑圧することができる光変調装置を提供することを目的とする。また、この光変調装置を用いた光信号送受信装置、さらにこの光信号送受信装置を用いた光通信システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(光変調装置:請求項1〜16)
請求項1の光変調装置は、最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であるように強度変調された信号光を光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である。
【0015】
請求項2の光変調装置は、さらに光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備え、光増幅手段で増幅された信号光を光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である。
【0016】
ここで、光強度飽和手段と光強度変調手段を1つの半導体光増幅器で構成してもよい(請求項3)。
【0017】
請求項4の光変調装置は、スペースが一定数以上連続しないように符号化され、かつ所定のビットレートBd で強度変調された信号光を入力し、Bd より小さいビットレートBu の送信信号で強度変調し、新たな信号光として出力する光強度変調手段を備える。
【0018】
請求項5の光変調装置は、光位相変調または光周波数変調された信号光を入力し、送信信号で強度変調し、新たな信号光として出力する光強度変調手段を備える。
【0019】
請求項6の光変調装置は、請求項1の光変調装置の光強度飽和手段の前段に、入力光のうち所定の光周波数成分のみを透過する光バンドパスフィルタを配置する。
【0020】
請求項7の光変調装置は、さらに光バンドパスフィルタの前段に、光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備える。
【0021】
ここで、光バンドパスフィルタの透過中心周波数を可変としてもよい(請求項8)。また、光強度飽和手段と光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成してもよい(請求項9)。
【0022】
請求項10の光変調装置は、入力された波長多重信号光のうち所定の波長の信号光を分岐し、分岐された所定の波長以外の波長多重信号光と入力された所定の波長の信号光を波長多重する波長分岐挿入素子と、最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、波長分岐挿入素子で分岐して光強度飽和手段に入力する波長の信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であるように強度変調された波長多重信号光を波長分岐挿入素子に入力し、分岐された信号光を光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を光強度変調手段に入力して新たな信号光として波長分岐挿入素子に入力する構成である。
【0023】
請求項11の光変調装置は、さらに波長分岐挿入素子の前段に、光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備える。
【0024】
ここで、波長分岐挿入素子で分岐挿入する波長が可変としてもよい(請求項12)。また、光強度飽和手段と光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成してもよい(請求項13)。
【0025】
請求項1、請求項6まはた請求項10のいずれかに記載の光変調装置において、光強度飽和素子は、最小飽和入力強度以上かつ最大飽和入力強度以下の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有し、光強度飽和素子に入力する信号光は、光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であり、光強度の最大値が最大飽和入力強度以下であるように強度変調された信号光としてもよい(請求項14)。
【0026】
請求項2、請求項7または請求項11のいずれかに記載の光変調装置において、光強度飽和素子は、最小飽和入力強度以上かつ最大飽和入力強度以下の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有し、光増幅手段に代えて、光強度飽和素子に入力する信号光の光強度の最小値が最小飽和入力強度以上であり、光強度の最大値が最大飽和入力強度以下になるように調整する光強度調整手段を備えてもよい(請求項15)。
【0027】
以上の光変調装置において、誤り訂正符号化された送信信号を光強度変調手段に印加する構成してもよい(請求項16)。
【0028】
(光信号送受信装置:請求項17〜20)
請求項17の光信号送受信装置は、請求項1〜3の光変調装置と、光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から送信する構成である。
【0029】
請求項18の光信号送受信装置は、請求項4,5の光変調装置と、光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から送信する構成である。
【0030】
請求項19の光信号送受信装置は、請求項6〜請求項9の光変調装置と、光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から送信する構成である。
【0031】
請求項20の光信号送受信装置は、請求項10〜請求項13の光変調装置と、光変調装置に入力する波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光の一部を分岐する光分岐手段と、光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光を受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光変調装置から波長多重信号光に波長多重して送信する構成である。
【0032】
(光通信システム:請求項21〜30)
請求項21の発明は、複数のノードが光通信網を介して縦続に接続された光通信システムにおいて、各ノードは、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の光信号送受信装置を備え、光通信網から光信号送受信装置に入力する信号光を受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光通信網に送出する構成である。
【0033】
請求項22の発明は、複数のノードが光通信網を介して縦続に接続された光通信システムにおいて、各ノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、光通信網から入力する波長多重信号光に対して各ノードに割り当てた波長の信号光を分岐挿入する波長分岐挿入手段とを備え、光通信網から光信号送受信装置に入力された波長多重信号光からそのノードに割り当てた波長の信号光を分岐して受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、波長分岐挿入手段で波長多重信号光に波長多重して光信号送受信装置から光通信網に送出する構成である。
【0034】
請求項23の発明は、センタノードとリモートノードが光ファイバ伝送路を介して対向接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された信号光が光ファイバ伝送路を介してリモートノードに伝送され、光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバ伝送路を介してセンタノードへ送出する構成である。
【0035】
請求項24の発明は、センタノードと複数のリモートノードが、それぞれ波長対応に接続する波長ルータおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された波長多重信号光が波長ルータおよび光ファイバ伝送路を介してそれぞれ割り当てられた波長の信号光に分波されて各リモートノードに伝送され、光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバへ送出し、波長ルータで他のリモートノードからの信号光と波長多重してセンタノードへ伝送する構成である。
【0036】
請求項25の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、光ファイバ伝送路から入力する波長多重信号光から各リモートノードに割り当てた波長の信号光を分波する光フィルタとを備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、光フィルタで波長多重信号光から分波された波長の信号光を光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバ伝送路へ送出し、光スターカプラで他のリモートノードからの信号光と波長多重してセンタノードへ伝送する構成である。
【0037】
請求項26の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項19に記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、光信号送受信装置でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置から光ファイバ伝送路へ送出し、光スターカプラで他のリモートノードからの信号光と波長多重してセンタノードへ伝送する構成である。
【0038】
請求項27の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光ファイバ伝送路を介してリング状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項20に記載の光信号送受信装置を備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、光信号送受信装置でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、光信号送受信装置で波長多重信号光に波長多重して光ファイバ伝送路へ送出する構成である。
【0039】
請求項28の発明は、センタノードと複数のリモートノードが光ファイバ伝送路を介してリング状に接続された光通信システムにおいて、各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、光ファイバ伝送路から入力する波長多重信号光に対して各ノードに割り当てた波長の信号光を分岐挿入する波長分岐挿入手段とを備え、センタノードから送信された波長多重信号光が光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、波長分岐挿入手段でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分岐して光信号送受信装置で受信するとともに、受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、波長分岐挿入手段で波長多重信号光に波長多重して光信号送受信装置から光ファイバ伝送路へ送出する構成である。
【0040】
ここで、請求項22および請求項28の光通信システムの波長分岐挿入手段は、分岐・挿入する波長が可変する構成としてもよい(請求項29)。また、請求項25の光通信システムの光フィルタは、分波する波長が可変する波長可変フィルタとしてもよい(請求項30)。
【0041】
【発明の実施の形態】
(光変調装置の第1の実施形態:請求項1)
図1は、本発明の光変調装置の第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、光強度飽和素子1と光強度変調器2により構成される。入力信号光は強度変調された信号光であり、その光強度の最大値(マーク部)をPM 、最小値(スペース部)をPS とする。
【0042】
光強度飽和素子1の光入出力特性は、図2に示すように、入力光強度が小さい領域では出力光強度が入力光強度にほぼ比例し、入力光強度が所定値以上になると出力光強度が飽和し、入力光強度の変化に対する出力光強度の変化が抑圧される。この所定値を「最小飽和入力強度」といい、出力光強度が飽和する領域を「飽和入力領域」という。
【0043】
ここで、光強度の最小値PS が最小飽和入力強度以上になるように強度変調された信号光を光強度飽和素子1に入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光が出力される。この信号光(連続光)を光キャリアとして光強度変調器2に入力し、送信信号で強度変調することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0044】
(光変調装置の第2の実施形態:請求項2)
図3は、本発明の光変調装置の第2の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態の光強度飽和素子1の前段に光増幅器3を配置した構成である。
【0045】
第1の実施形態では、入力信号光の光強度の最小値PS が、光強度飽和素子1の最小飽和入力強度以上であるとしたが、最小飽和入力強度に満たない場合には光増幅器3を用い、光強度の最小値PS が最小飽和入力強度以上になるように増幅して光強度飽和素子1に入力する。これにより、光強度飽和素子1の出力には強度変調成分が抑圧された信号光が出力される。
【0046】
(光変調装置の第3の実施形態:請求項3,14,15)
図4は、本発明の光変調装置の第3の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態および第2の実施形態における光強度飽和素子1と光強度変調器2を、1つの半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)6で実現した構成である。
【0047】
半導体光増幅器6の光入出力特性は、図5に示すように、入力光強度が小さい領域では出力光強度が入力光強度にほぼ比例し、入力光強度が所定値以上になると出力光強度が飽和し、入力光強度の変化に対する出力光強度の変化が抑圧される。この所定値を「最小飽和入力強度」とする。さらに、最小飽和入力強度を越えて入力光強度をさらに増大してゆき、入力光強度が所定値以上になると入力光強度の変化に対する出力光強度の変化が再び大きくなる。この所定値を「最大飽和入力強度」とする。ここでは、出力光強度が飽和する最小飽和入力強度以上、最大飽和入力強度以下の入力光強度の領域を「飽和入力領域」と定義する。
【0048】
この半導体光増幅器6に、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように強度変調された信号光を入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光(連続光)が出力される。
【0049】
さらに、半導体光増幅器6は、注入電流を変調することにより光変調器としても動作するので、その注入電流に送信信号を重畳することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0050】
なお、第1の実施形態および第2の実施形態(さらに以下の実施形態)においても、光強度飽和素子1が図5に示すような光入出力特性を有する場合には、同様に入力信号光の光強度を調整する。また、入力信号光の光強度の最大値PM が最大飽和入力強度を越える場合には、光増幅器3に代えて光減衰器を配置し、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように減衰させればよい。
【0051】
(光変調装置の第4の実施形態:請求項4,5)
図6は、本発明の光変調装置の第4の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、光強度変調器2のみで構成される。図6(a) は、光強度変調器2にビットレートBd で強度変調された信号光を入力し、ビットレートBu の送信信号で強度変調する構成である。ここで、Bd >Bu とし、スペースが一定数以上連続しないように符号化された入力信号光を用いる。これにより、送信信号の1ビットに相当する時間内に、入力信号光の光パルスが必ず存在する状況を実現できる。
【0052】
図6(b) は、光強度変調器2に光位相変調または光周波数変調された信号光を入力し、送信信号で強度変調する構成である。光位相変調または光周波数変調された信号光は光強度が変動せず連続光として扱うことができ、これを強度変調することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0053】
ところで、上記の光変調装置において、光強度飽和素子1に入力される信号光の光信号対雑音比(OSNR)が小さいと、出力信号光の消光比が大きくなる。図7に出力信号光消光比のOSNR依存性の一例を示す。すなわち、光強度飽和素子1に入力される雑音光パワーが大きいと、光強度飽和素子1による入力信号光のマークとスペースの光強度差が十分に抑圧されず、光強度変調器2で新たに発生する信号光の品質が劣化する。以下に雑音光による発生信号光の劣化を緩和する他の方法について説明する。
【0054】
(光変調装置の第5の実施形態:請求項6)
図8は、本発明の光変調装置の第5の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態(図1)の光強度飽和素子1の前段に、所定の光周波数成分のみを透過する光バンドパスフィルタ7を配置した構成である。
【0055】
ここで、光バンドパスフィルタ7を透過する光周波数成分の光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように強度変調された信号光を光強度飽和素子1に入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光が出力される。この信号光(連続光)を光キャリアとして光強度変調器2に入力し、送信信号で強度変調することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0056】
本実施形態の構成では、OSNRが小さい信号光を入力しても、光バンドパスフィルタ7によりその透過帯域外の雑音光を除去することができるので、光強度飽和素子1への入力光のOSNRを増大させることができる。これにより、光補強度飽和素子1による強度変調成分の抑圧効果を高く保つことができ、結果として光強度変調器2で新たに発生する信号光の品質劣化を防ぐことができる。
【0057】
(光変調装置の第6の実施形態:請求項7)
図9は、本発明の光変調装置の第6の実施形態を示す。本実施形態は、第5の実施形態(図8)の光バンドパスフィルタ7の前段に光増幅器3を配置した構成である。
【0058】
第5の実施形態では、光バンドパスフィルタ7を透過する光周波数成分の光強度の最小値PS および最大値PM が光強度飽和素子1の飽和入力領域にあるとしたが、これらが最小飽和入力強度に満たない場合には光増幅器3を用い、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように増幅して光バンドパスフィルタ7に入力する。これにより、入力光強度が小さい場合でも動作可能な光変調装置を実現することができる。
【0059】
さらに、入力信号光が予め有していた雑音光成分と、光増幅器3で新たに発生する雑音光成分のうち、光バンドパスフィルタ7の透過帯域外の雑音光を除去することができる。これにより、光強度飽和素子1への入力光のOSNRを増大させることができ、光強度飽和素子1による強度雑音成分の効率的抑圧が可能になる。
【0060】
(光変調装置の第7の実施形態:請求項8)
第5の実施形態(図8)および第6の実施形態(図9)において、光バンドパスフィルタ7として、その透過中心波長が可変である可変光バンドパスフィルタを用いることができる。このとき、可変光バンドパスフィルタの透過中心波長を変更することにより、入力信号光の波長変更に容易に対応することができる。
【0061】
(光変調装置の第8の実施形態:請求項10,11)
図10は、本発明の光変調装置の第8の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、第1の実施形態(図1)と同様の光強度飽和素子1および光強度変調器2と、入力する波長多重信号光から所定の波長の信号光を分岐して光強度飽和素子1に入力し、光強度変調器2から出力される所定の波長の信号光を波長多重信号光に挿入する波長分岐挿入素子8により構成される。また、光強度飽和素子1に入力される所定の波長の信号光の光強度が最小飽和入力強度に満たない場合には、波長分岐挿入素子8の前段に光増幅器3を配置し、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように増幅する。
【0062】
本実施形態の構成では、波長分岐挿入素子8により光強度飽和素子1に入力される信号光の周波数帯域が制限されるので、第5の実施形態(図8)および第6の実施形態(図9)における光バンドパスフィルタ7と同様に機能する。これにより、波長多重信号光が予め有していた雑音光成分と、光増幅器3で新たに発生する雑音光成分のうち、波長分岐挿入素子8の分岐帯域外の雑音光を除去することができる。これにより、光強度飽和素子1への入力光のOSNRを増大させることができ、光強度飽和素子1による強度雑音成分の効率的抑圧が可能になる。
【0063】
図11は、波長分岐挿入素子8の構成例を示す。ここでは、波長多重信号光から分岐挿入する波長をλ1 とする。
【0064】
図11(a) に示す波長分岐挿入素子8は、第1ポートからの入力光を第2ポートに出力し、第2ポートからの入力光を第3ポートに出力する光サーキュレータ31−1,31−2と、光サーキュレータ31−1,31−2の各第2ポート間に波長λ1 の信号光を反射し、他の波長多重信号光を通過する反射型光バンドパスフィルタ33−1,33−2を光アイソレータ35を介して配置した構成である。光強度飽和素子1および光強度変調器2は、光サーキュレータ31−1の第3ポートと光サーキュレータ31−2の第1ポートとの間に接続される。なお、反射型光バンドパスフィルタ33−1,33−2としては、ファイバブラッググレーティングを用いることができる。
【0065】
光サーキュレータ31−1の第1ポートから波長多重信号光を入力すると、波長λ1 の信号光が反射型光バンドパスフィルタ33−1で反射して第3ポートから出力される。光サーキュレータ31−2の第1ポートから波長λ1 の信号光を入力すると、反射型光バンドパスフィルタ33−2で反射し、反射型光バンドパスフィルタ33−1および光アイソレータ35を通過した波長多重信号光と合波して光サーキュレータ31−2の第3ポートから出力される。
【0066】
図11(b) に示す波長分岐挿入素子8は、波長λ1 とそれ以外の波長を合分波するWDMカプラ36−1,36−2を接続し、それぞれ波長分岐素子および波長挿入素子として用いる構成である。
【0067】
これにより、波長分岐挿入素子8に入力される波長多重信号光から波長λ1 の信号光を分波して光強度飽和素子1に入力し、光強度変調器2から出力された波長λ1 の信号光を波長分岐挿入素子8で波長多重信号光に合波することができる。
【0068】
(光変調装置の第9の実施形態:請求項12)
第8の実施形態(図10)の波長分岐挿入素子8として、分岐挿入波長が可変のものを用いることにより、波長多重信号光から分岐挿入する波長を任意に選択することができる。例えば、図11(a) に示す反射型光バンドパスフィルタ33−1,33−2として反射波長可変のものを用い、図11(b) に示すWDMカプラ36−1,36−2として分岐挿入波長が可変のものを用いる。
【0069】
(光変調装置の第10の実施形態:請求項10,11)
図12は、本発明の光変調装置の第10の実施形態を示す。図において、本実施形態の光変調装置は、第8の実施形態(図10)の波長分岐挿入素子8(WDMカプラ36−1,36−2)に代えて、波長多重信号光と各波長の信号光との間の合分波を行う光合分波器(例えばアレイ導波路回折格子型フィルタ(AWG))9−1,9−2を用い、その間に光強度飽和素子1および光強度変調器2を複数組(ここでは2組)備える構成である。また、各光強度飽和素子1−1,1−2に入力される所定の波長の信号光の光強度が最小飽和入力強度に満たない場合には、光合分波器9−1の前段に光増幅器3を配置し、光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように増幅する。
【0070】
本実施形態の構成では、光合分波器9−1により各光強度飽和素子1−1,1−2に入力される信号光の周波数帯域が制限されるので、第5の実施形態(図8)および第6の実施形態(図9)における光バンドパスフィルタ7と同様に機能する。これにより、波長多重信号光が予め有していた雑音光成分と、光増幅器3で新たに発生する雑音光成分のうち、光合分波器9−1の分岐帯域外の雑音光を除去することができる。これにより、各光強度飽和素子1−1,1−2への入力光のOSNRを増大させることができ、光強度飽和素子1−1,1−2による強度雑音成分の効率的抑圧が可能になる。
【0071】
(光変調装置の第11の実施形態:請求項9,13)
第5の実施形態(図8)〜第10の実施形態(図12)において、光強度飽和素子1と光強度変調器2は、第3の実施形態(図4)に示すように1つの半導体光増幅器(SOA)で実現することができる。この半導体光増幅器に光強度の最小値PS および最大値PM が飽和入力領域にあるように強度変調された信号光を入力すると、強度変調成分(光強度の最大値と最小値の差)が抑圧された信号光(連続光)が出力される。
【0072】
さらに、半導体光増幅器は、注入電流を変調することにより光変調器としても動作するので、その注入電流に送信信号を重畳することにより、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。
【0073】
以上説明した第1〜第11の実施形態の光変調装置では、入力信号光のマークとスペースの光強度差が十分に抑圧されなかったり、ビットレートBd の信号光や光位相変調または光周波数変調された信号光に強度雑音が存在する場合には、発生する信号光の品質が劣化する。その場合には、送信信号に誤り訂正符号を使用することにより高品質の信号伝送が可能になる(請求項16)。
【0074】
(光信号送受信装置の第1の実施形態:請求項17,18)
図13は、本発明の光信号送受信装置の第1の実施形態を示す。ここでは、光変調装置の第2の実施形態(図3)に対応する構成を示すが、光変調装置の第1の実施形態(図1)、第3の実施形態(図4)、第4の実施形態(図6)にも同様に適用可能である。
【0075】
図において、光信号送受信装置10Aは、光変調装置を構成する光増幅器3、光強度飽和素子1および光強度変調器2に加えて、光強度飽和素子1に入力する信号光を2分岐する光分岐素子4と、分岐された信号光を受信する光受信器5により構成される。入力信号光は、光増幅器3および光分岐素子4を介して光受信器5に受信されるとともに、光強度飽和素子1で強度変調成分が抑圧された連続光となって光強度変調器2に入力され、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光が生成される。なお、第3の実施形態(図4)および第4の実施形態(図6)の光変調装置を光信号送受信装置とする場合には、半導体光増幅器6または光強度変調器2に入力する信号光の一部を分岐して光受信器で受信する。
【0076】
(光信号送受信装置の第2の実施形態:請求項19)
図14は、本発明の光信号送受信装置の第2の実施形態を示す。ここでは、光変調装置の第6の実施形態(図9)に対応する構成を示すが、光変調装置の第5の実施形態(図8)、第7の実施形態(可変光バンドパスフィルタを用いる構成)、第11の実施形態(SOAを用いる構成)にも同様に適用可能である。
【0077】
図において、光信号送受信装置10Bは、光変調装置を構成する光増幅器3、光バンドパスフィルタ7、光強度飽和素子1および光強度変調器2に加えて、光強度飽和素子1に入力する信号光を2分岐する光分岐素子4と、分岐された信号光を受信する光受信器5により構成される。入力信号光は、光増幅器3、光バンドパスフィルタ7および光分岐素子4を介して光受信器5に受信されるとともに、光強度飽和素子1で強度変調成分が抑圧された連続光となって光強度変調器2に入力され、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光が生成される。なお、第11の実施形態の光変調装置を光信号送受信装置とする場合には、半導体光増幅器6に入力する信号光の一部を分岐して光受信器で受信する。
【0078】
(光信号送受信装置の第3の実施形態:請求項20)
図15は、本発明の光信号送受信装置の第3の実施形態を示す。ここでは、光変調装置の第8の実施形態(図10)に対応する構成を示すが、光変調装置の第9の実施形態(可変光バンドパスフィルタを用いる個性)、第10の実施形態(図12)、第11の実施形態(SOAを用いる構成)にも同様に適用可能である。
【0079】
図において、光信号送受信装置10Cは、光変調装置を構成する光増幅器3、波長分岐挿入素子8、光強度飽和素子1および光強度変調器2に加えて、光強度飽和素子1に入力する信号光を2分岐する光分岐素子4と、分岐された信号光を受信する光受信器5により構成される。入力信号光は、光増幅器3、波長分岐挿入素子8および光分岐素子4を介して光受信器5に受信されるとともに、光強度飽和素子1で強度変調成分が抑圧された連続光となって光強度変調器2に入力され、入力信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光が生成される。なお、第11の実施形態(SOAを用いる構成)の光変調装置を光信号送受信装置とする場合には、半導体光増幅器6に入力する信号光の一部を分岐して光受信器で受信する。
【0080】
(光通信システムの第1の実施形態:請求項21)
図16は、本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、複数のノード11−1〜11−3を光通信網12を介して縦続に接続した構成である。ノード11−2は、図13〜図15に示す本発明の光信号送受信装置10A,10B,10Cのいずれかを備える。
【0081】
ここで、ノード間を所定の波長の信号光が伝送される場合には光信号送受信装置10A,10Bが用いられる。ノード11−1から送信された所定の波長の信号光は光通信網12を介してノード11−2の光信号送受信装置10A,10Bに入力される。光信号送受信装置10A,10Bでは、伝送される所定の波長の信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を光通信網12を介してノード11−3へ送信する。
【0082】
また、ノード間を波長多重信号光が伝送され、ノード11−2で所定の波長の信号光を送受信する場合には光信号送受信装置10Cが用いられる。ノード11−1から送信された波長多重信号光は光通信網12を介してノード11−2の光信号送受信装置10Cに入力される。光信号送受信装置10Cでは、伝送される波長多重信号光から所定の波長の信号光を分岐して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を波長多重信号光に多重し、光通信網12を介してノード11−3へ送信する。なお、光信号送受信装置10Cに用いる光変調装置として、第10の実施形態(図12)の光合分波器9−1,9−2を用いた構成とすることにより、ノード間で複数チャネルの送受信が可能となる。
【0083】
以上のいずれかの構成により、ノード11−2に光源を配置することなく、所定の波長を用いてノード11−1からノード11−2への信号光伝送と、ノード11−2からノード11−3への信号光伝送が可能になる。
【0084】
なお、文献(G.P.Agrawal,”Nonlinear fiber optics”, Academic Press,1995)によると、SBSによる光ファイバ中の後方散乱光の利得gB は、
gB = [ΔνB/(ΔνB+ΔνP)]gB(νB) …(1)
で表される。ここで、gB(νB)はブリルアン利得係数のピーク値、ΔνB は光ファイバのブリルアン利得の半値全幅、ΔνP は入力光の線幅である。(1) 式は、入力光の線幅ΔνP を広げると、SBSの効率が低下することを示している。
【0085】
本実施形態の光通信システムでは、図23に示した無変調光を伝送する従来構成の光通信システムと異なり、光ファイバ中を伝送されるすべての光に変調信号が印加されている。これは、入力光の線幅ΔνP が増大することと等価であり、光ファイバ伝送路中のSBS発生が抑圧される効果がある。以下に示す他の実施形態の光通信システムにおいても、同じ原理で光ファイバ伝送路中のSBSの発生を抑圧することができる。
【0086】
(光通信システムの第2の実施形態:請求項22,29)
図17は、本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す。本実施形態の光通信システムは、第1の実施形態(図16)の構成においてノード間を波長多重信号光が伝送される場合に、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aを用いるための構成である。
【0087】
図において、複数のノード11−1〜11−3は光通信網12を介して縦続に接続される。ノード11−2は、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aと、ノード11−1からノード11−2,11−3に伝送される波長多重信号光に対して、ノード11−2に割り当てた波長λ1 の信号光を分岐・挿入する波長分岐挿入素子8を備える。
【0088】
ノード11−1から送信された波長多重信号光は光通信網12を介してノード11−2の波長分岐挿入素子8に入力され、波長λ1 の信号光が分岐して光信号送受信装置10Aに入力される。光信号送受信装置10Aでは、波長λ1 の信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を波長多重信号光に多重し、光通信網12を介してノード11−3へ送信する。これにより、ノード11−2に波長λ1 の光源を配置することなく、1つの波長λ1 を用いてノード11−1からノード11−2への信号光伝送と、ノード11−2からノード11−3への信号光伝送が可能になる。
【0089】
また、各ノードの波長分岐挿入素子8として波長可変型のものを用いることにより、各ノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のWDMシステムを構成することができる(請求項29)。
【0090】
(光通信システムの第3の実施形態:請求項23)
図18は、本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20とリモートノード21が光ファイバ伝送路22を介して対向接続された構成である。リモートノード21は、図13〜図15に示す本発明の光信号送受信装置10A,10B,10Cを備える。
【0091】
ここで、センタノード/リモートノード間を所定の波長の信号光が伝送される場合には光信号送受信装置10A,10Bが用いられる。センタノード20から送信された所定の波長の信号光は光ファイバ伝送路22を介してリモートノード21の光信号送受信装置10A,10Bに入力される。光信号送受信装置10A,10Bでは、伝送される所定の波長の信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を光ファイバ伝送路22を介してセンタノード20へ送信する。
【0092】
また、センタノード/リモートノード間を波長多重信号光が伝送され、リモートノード21で所定の波長の信号光を送受信する場合には光信号送受信装置10Cが用いられる。センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介してリモートノード21の光信号送受信装置10Cに入力される。光信号送受信装置10Cでは、伝送される波長多重信号光から所定の波長の信号光を分岐して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、新たに生成された信号光を波長多重信号光に多重し、光ファイバ伝送路22を介してセンタノード20へ送信する。なお、光信号送受信装置10Cに用いる光変調装置として、第10の実施形態(図12)の光合分波器9−1,9−2を用いた構成とすることにより、センタノード/リモートノード間で複数チャネルの送受信が可能となる。
【0093】
以上のいずれかの構成により、リモートノード21に光源を配置することなく、所定の波長を用いてセンタノード20からリモートノード21への信号光伝送と、リモートノード21からセンタノード20への信号光伝送が可能になる。
【0094】
(光通信システムの第4の実施形態:請求項24)
図19は、本発明の光通信システムの第4の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20と複数のリモートノード21−1〜21−nが、光ファイバ伝送路22および1:n波長ルータ23を介してスター状に接続された構成である。1:n波長ルータ23は、センタノード20から送信された波長多重信号光を各波長の信号光に分波し、それぞれ各リモートノードに送信し、各リモートノードから送信された各波長の信号光を合波してセンタノード20に送信する。ここで、各リモートノードは、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aと、1:n波長ルータ23との間でそれぞれ所定の波長の信号光を双方向接続する光双方向結合素子24を備える。なお、図18に示すように、方向別に光ファイバ伝送路22を配置する場合には光双方向結合素子24は不要となる。
【0095】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して1:n波長ルータ23に入力され、各波長の信号光に分波してそれぞれ対応するリモートノード21−1〜21−nに伝送される。各リモートノードには、それぞれ割り当てられた波長の信号光が入力され、光双方向結合素子24を介して光信号送受信装置10Aに入力される。光信号送受信装置10Aでは、入力信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、光双方向結合素子24を介して1:n波長ルータ23に送信され、他のリモートノードからの信号光と波長多重されてセンタノード20へ送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ1つの波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0096】
(光通信システムの第5の実施形態:請求項25,30)
図20は、本発明の光通信システムの第5の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20と複数のリモートノード21−1〜21−nが、光ファイバ伝送路22および光スターカプラ25を介してスター状に接続された構成である。ここで、各リモートノードは、図13に示す本発明の光信号送受信装置10Aと、それぞれ割り当てられた波長の信号光を通過する光フィルタ26およびその波長の信号光を双方向接続する光双方向結合素子24を備える。なお、図18に示すように、方向別に光ファイバ伝送路22を配置する場合には光双方向結合素子24は不要となる。
【0097】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して光スターカプラ25に入力され、リモートノード21−1〜21−nに伝送される。各リモートノードでは、光フィルタ26で波長多重信号光からそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波し、光双方向結合素子24を介して光信号送受信装置10Aに入力する。光信号送受信装置10Aでは、入力信号光を受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、光双方向結合素子24、光フィルタ26を介して光スターカプラ25に送信され、他のリモートノードからの信号光と波長多重されてセンタノード20へ送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ1つの波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0098】
なお、各リモートノードの光フィルタ26として波長可変フィルタを用いることにより、各リモートノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のスター型WDMシステムを構成することができる(請求項30)。
【0099】
(光通信システムの第6の実施形態:請求項26)
図21は、本発明の光通信システムの第6の実施形態を示す。本実施形態の光通信システムは、第5の実施形態(図20)の光フィルタ26と光信号送受信装置10Aに代えて、図14に示す光バンドパスフィルタ7を用いた光信号送受信装置10Bを用いた構成である。なお、図18に示すように、方向別に光ファイバ伝送路22を配置する場合には光双方向結合素子24は不要となる。
【0100】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して光スターカプラ25に入力され、リモートノード21−1〜21−nに伝送される。各リモートノードでは、伝送された波長多重信号光を光双方向結合素子24を介して光信号送受信装置10Bに入力する。光信号送受信装置10Bでは、光バンドパスフィルタ7で波長多重信号光からそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、光双方向結合素子24を介して光スターカプラ25に送信され、他のリモートノードからの信号光と波長多重されてセンタノード20へ送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ1つの波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0101】
なお、各リモートノードの光バンドパスフィルタ7として波長可変フィルタを用いることにより、各リモートノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のスター型WDMシステムを構成することができる。
【0102】
(光通信システムの第7の実施形態:請求項27,28)
図22は、本発明の光通信システムの第7の実施形態を示す。図において、本実施形態の光通信システムは、センタノード20と複数のリモートノード21−1〜21−nが、光ファイバ伝送路22を介してリング状に接続された構成である。ここで、各リモートノードは、図15に示す本発明の光信号送受信装置10Cを備える。
【0103】
センタノード20から送信された波長多重信号光は光ファイバ伝送路22を介して各リモートノード21−1〜21−3に伝送される。各リモートノードでは、伝送された波長多重信号光を光信号送受信装置10Cに入力する。光信号送受信装置10Cでは、波長分岐挿入素子8で波長多重信号光からそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信処理するとともに、その強度変調成分を抑圧した光を送信信号により強度変調し、入力信号光と同一波長の信号光を生成して出力する。新たに生成された信号光は、波長分岐挿入素子8を介して光ファイバ伝送路22に送信される。これにより、各リモートノードに光源を配置することなく、それぞれ所定の波長を用いてセンタノード20と各リモートノードとの間の双方向伝送が可能になる。
【0104】
なお、光信号送受信装置10Cは、図17に示す波長分岐挿入素子8と光信号送受信装置10Aとの組み合わせに置き換えることができる(請求項28)。
【0105】
また、各リモートノードの波長分岐挿入素子8として波長可変型のものを用いることにより、各リモートノードの送受信波長を可変させることができ、波長可変のリング型WDMシステムを構成することができる(請求項29)。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光変調装置は、入力する信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させることができる。また、光バンドパスフィルタまたは波長分岐挿入素子を用いた光変調装置では、新たに発生する信号光の雑音光による劣化を緩和することができる。
【0107】
この光変調装置を用いた光信号送受信装置は、入力する信号光を受信するとともに、その信号光と同一波長で異なる信号成分を有する新たな信号光を発生させ、送信することができる。
【0108】
さらに、センタノードに光源を集中的に配置する波長多重光通信システムにおいて、この光信号送受信装置を用いてノードを構成することにより、波長資源を有効に活用しつつ上り信号と下り信号の伝送容量に対する制限を緩和し、加えてSBSの発生を抑圧することができる光通信システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光変調装置の第1の実施形態を示す図。
【図2】光強度飽和素子1の光入出力特性を示す図。
【図3】本発明の光変調装置の第2の実施形態を示す図。
【図4】本発明の光変調装置の第3の実施形態を示す図。
【図5】半導体光増幅器6の光入出力特性を示す図。
【図6】本発明の光変調装置の第4の実施形態を示す図。
【図7】光強度飽和素子における入力信号光のOSNRと出力信号光消光比の関係を示す図。
【図8】本発明の光変調装置の第5の実施形態を示す図。
【図9】本発明の光変調装置の第6の実施形態を示す図。
【図10】本発明の光変調装置の第8の実施形態を示す図。
【図11】波長分岐挿入素子8の構成例を示す図。
【図12】本発明の光変調装置の第10の実施形態を示す図。
【図13】本発明の光信号送受信装置の第1の実施形態を示す図。
【図14】本発明の光信号送受信装置の第2の実施形態を示す図。
【図15】本発明の光信号送受信装置の第3の実施形態を示す図。
【図16】本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す図。
【図17】本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す図。
【図18】本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す図。
【図19】本発明の光通信システムの第4の実施形態を示す図。
【図20】本発明の光通信システムの第5の実施形態を示す図。
【図21】本発明の光通信システムの第6の実施形態を示す図。
【図22】本発明の光通信システムの第7の実施形態を示す図。
【図23】従来の波長多重光通信システムの構成例を示す図。
【符号の説明】
1 光強度飽和素子
2 光強度変調器
3 光増幅器
4 光分岐素子
5 光受信器
6 半導体光増幅器(SOA)
7 光バンドパスフィルタ)
8 波長分岐挿入素子
9 光合分波器
10A,10B,10C 光信号送受信装置
11 ノード
12 光通信網
20 センタノード
21 リモートノード
22 光ファイバ伝送路
23 1:n波長ルータ
24 光双方向結合素子
25 光スターカプラ(SC)
26 光フィルタ
31 光サーキュレータ
33 反射型光バンドパスフィルタ
35 光アイソレータ
36 WDMカプラ
Claims (30)
- 最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、
入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、
光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上であるように強度変調された信号光を前記光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を前記光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1に記載の光変調装置において、
前記光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備え、
前記光増幅手段で増幅された信号光を前記光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を前記光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1または請求項2に記載の光変調装置において、
前記光強度飽和手段と前記光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成されたことを特徴とする光変調装置。 - スペースが一定数以上連続しないように符号化され、かつ所定のビットレートBd で強度変調された信号光を入力し、前記Bd より小さいビットレートBu の送信信号で強度変調し、新たな信号光として出力する光強度変調手段を備えた
ことを特徴とする光変調装置。 - 光位相変調または光周波数変調された信号光を入力し、送信信号で強度変調し、新たな信号光として出力する光強度変調手段を備えた
ことを特徴とする光変調装置。 - 入力光のうち所定の光周波数成分のみを透過する光バンドパスフィルタと、
最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、
入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、
前記光バンドパスフィルタを透過して前記光強度飽和手段に入力する光周波数成分の光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上であるように強度変調された信号光を前記光バンドパスフィルタに入力し、その出力光を前記光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を前記光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項6に記載の光変調装置において、
前記光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備え、
前記光増幅手段で増幅された信号光を前記光バンドパスフィルタに入力し、その出力光を前記光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を前記光強度変調手段に入力して新たな信号光として出力する構成である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項6または請求項7に記載の光変調装置において、
前記光バンドパスフィルタの透過中心周波数が可変であることを特徴とする光変調装置。 - 請求項6または請求項7に記載の光変調装置において、
前記光強度飽和手段と前記光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成されたことを特徴とする光変調装置。 - 入力された波長多重信号光のうち所定の波長の信号光を分岐し、分岐された所定の波長以外の波長多重信号光と入力された所定の波長の信号光を波長多重する波長分岐挿入素子と、
最小飽和入力強度以上の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有する光強度飽和手段と、
入力光を送信信号により強度変調して出力する光強度変調手段とを備え、
前記波長分岐挿入素子で分岐して前記光強度飽和手段に入力する波長の信号光の光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上であるように強度変調された波長多重信号光を前記波長分岐挿入素子に入力し、分岐された信号光を前記光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を前記光強度変調手段に入力して新たな信号光として前記波長分岐挿入素子に入力する構成である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項10に記載の光変調装置において、
前記光強度飽和手段に入力される信号光の光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上になるように増幅する光増幅手段を備え、
前記光増幅手段で増幅された波長多重信号光を前記波長分岐挿入素子に入力し、波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光を前記光強度飽和手段に入力して光強度が飽和した連続光を生成し、その連続光を前記光強度変調手段に入力して新たな信号光として前記波長分岐挿入素子に入力する構成である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項10または請求項11に記載の光変調装置において、
前記波長分岐挿入素子で分岐挿入する波長が可変であることを特徴とする光変調装置。 - 請求項10または請求項11に記載の光変調装置において、
前記光強度飽和手段と前記光強度変調手段は1つの半導体光増幅器で構成されたことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1、請求項6まはた請求項10のいずれかに記載の光変調装置において、
前記光強度飽和素子は、最小飽和入力強度以上かつ最大飽和入力強度以下の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有し、
前記光強度飽和素子に入力する信号光は、光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上であり、光強度の最大値が前記最大飽和入力強度以下であるように強度変調された信号光である
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項2、請求項7または請求項11のいずれかに記載の光変調装置において、
前記光強度飽和素子は、最小飽和入力強度以上かつ最大飽和入力強度以下の入力光強度に対して出力光強度が飽和する入出力特性を有し、
前記光増幅手段に代えて、前記光強度飽和素子に入力する信号光の光強度の最小値が前記最小飽和入力強度以上であり、光強度の最大値が前記最大飽和入力強度以下になるように調整する光強度調整手段を備えた
ことを特徴とする光変調装置。 - 請求項1〜請求項15のいずれかに記載の光変調装置において、
誤り訂正符号化された送信信号を前記光強度変調手段に印加する構成であることを特徴とする光変調装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光変調装置と、前記光強度飽和素子に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、
前記光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、前記入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光変調装置から送信する構成である
ことを特徴とする光信号送受信装置。 - 請求項4または請求項5に記載の光変調装置と、前記光変調装置に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、
前記光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、前記入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光変調装置から送信する構成である
ことを特徴とする光信号送受信装置。 - 請求項6〜請求項11のいずれかに記載の光変調装置と、前記光強度飽和素子に入力する信号光の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、
前記光変調装置に入力する信号光を受信するとともに、前記入力する信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光変調装置から送信する構成である
ことを特徴とする光信号送受信装置。 - 請求項10〜請求項13のいずれかに記載の光変調装置と、前記光強度飽和素子に入力する波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段で分岐された信号光を受信処理する光受信手段とを備え、
前記波長多重信号光から分岐された所定の波長の信号光を受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光変調装置から前記波長多重信号光に波長多重して送信する構成である
ことを特徴とする光信号送受信装置。 - 複数のノードが光通信網を介して縦続に接続され、各ノードでは、他のノードから送信された信号光を受信するとともに、他のノードから送信された光を強度変調して新たな信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各ノードは、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の光信号送受信装置を備え、
前記光通信網から前記光信号送受信装置に入力する信号光を受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光信号送受信装置から前記光通信網に送出する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - 複数のノードが光通信網を介して縦続に接続され、各ノードでは、他のノードから送信された信号光を受信するとともに、他のノードから送信された光を強度変調して新たな信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各ノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、前記光通信網から入力する波長多重信号光に対して各ノードに割り当てた波長の信号光を分岐挿入する波長分岐挿入手段とを備え、
前記光通信網から前記光信号送受信装置に入力された前記波長多重信号光からそのノードに割り当てた波長の信号光を分岐して受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記波長分岐挿入手段で前記波長多重信号光に波長多重して前記光信号送受信装置から前記光通信網に送出する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - センタノードとリモートノードが光ファイバ伝送路を介して対向接続され、リモートノードでは、センタノードから送信された下り信号光を受信するとともに、センタノードから送信された光を強度変調して上り信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各リモートノードは、請求項17〜請求項20のいずれかに記載の光信号送受信装置を備え、
前記センタノードから送信された信号光が前記光ファイバ伝送路を介して前記リモートノードに伝送され、前記光信号送受信装置で受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光信号送受信装置から前記光ファイバ伝送路を介して前記センタノードへ送出する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - センタノードと複数のリモートノードが、それぞれ波長対応に接続する波長ルータおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続され、各リモートノードでは、センタノードから送信された所定の波長の下り信号光を受信するとともに、センタノードから送信された所定の波長の光を強度変調して上り信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置を備え、
前記センタノードから送信された波長多重信号光が前記波長ルータおよび前記光ファイバ伝送路を介してそれぞれ割り当てられた波長の信号光に分波されて各リモートノードに伝送され、前記光信号送受信装置で受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光信号送受信装置から前記光ファイバへ送出し、前記波長ルータで他のリモートノードからの信号光と波長多重して前記センタノードへ伝送する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - センタノードと複数のリモートノードが光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続され、各リモートノードでは、センタノードから送信された所定の波長の下り信号光を受信するとともに、センタノードから送信された所定の波長の光を強度変調して上り信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、前記光ファイバ伝送路から入力する波長多重信号光から各リモートノードに割り当てた波長の信号光を分波する光フィルタとを備え、
前記センタノードから送信された波長多重信号光が前記光スターカプラおよび前記光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、前記光フィルタで前記波長多重信号光から分波された波長の信号光を前記光信号送受信装置で受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光信号送受信装置から前記光ファイバ伝送路へ送出し、前記光スターカプラで他のリモートノードからの信号光と波長多重して前記センタノードへ伝送する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - センタノードと複数のリモートノードが光スターカプラおよび光ファイバ伝送路を介してスター状に接続され、各リモートノードでは、センタノードから送信された所定の波長の下り信号光を受信するとともに、センタノードから送信された所定の波長の光を強度変調して上り信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各リモートノードは、請求項19に記載の光信号送受信装置を備え、
前記センタノードから送信された波長多重信号光が前記光スターカプラおよび前記光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、前記光信号送受信装置でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光信号送受信装置から前記光ファイバ伝送路へ送出し、前記光スターカプラで他のリモートノードからの信号光と波長多重して前記センタノードへ伝送する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - センタノードと複数のリモートノードが光ファイバ伝送路を介してリング状に接続され、各リモートノードでは、センタノードから送信された下り信号光を受信するとともに、センタノードから送信された光を強度変調して上り信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各リモートノードは、請求項20に記載の光信号送受信装置を備え、
前記センタノードから送信された波長多重信号光が前記光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、前記光信号送受信装置でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分波して受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記光信号送受信装置で前記波長多重信号光に波長多重して前記光ファイバ伝送路へ送出する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - センタノードと複数のリモートノードが光ファイバ伝送路を介してリング状に接続され、各リモートノードでは、センタノードから送信された下り信号光を受信するとともに、センタノードから送信された光を強度変調して上り信号光として送信する光通信システムにおいて、
前記各リモートノードは、請求項17または請求項18に記載の光信号送受信装置と、前記光ファイバ伝送路から入力する波長多重信号光に対して各ノードに割り当てた波長の信号光を分岐挿入する波長分岐挿入手段とを備え、
前記センタノードから送信された波長多重信号光が前記光ファイバ伝送路を介して各リモートノードに伝送され、前記波長分岐挿入手段でそれぞれ割り当てられた波長の信号光を分岐して前記光信号送受信装置で受信するとともに、前記受信した信号光と同一波長の新たな信号光を発生し、前記波長分岐挿入手段で前記波長多重信号光に波長多重して前記光信号送受信装置から前記光ファイバ伝送路へ送出する構成である
ことを特徴とする光通信システム。 - 請求項22または請求項28に記載の光通信システムにおいて、
前記波長分岐挿入手段は、分岐・挿入する波長が可変する構成であることを特徴とする光通信システム。 - 請求項25に記載の光通信システムにおいて、
前記光フィルタは、分波する波長が可変する波長可変フィルタであることを特徴とする光通信システム。
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JP2003134704A JP2004046118A (ja) | 2002-05-22 | 2003-05-13 | 光変調装置、光信号送受信装置および光通信システム |
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JP2011015252A (ja) * | 2009-07-03 | 2011-01-20 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光伝送装置、光伝送システムおよび光伝送方法 |
-
2003
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4668658B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-04-13 | 富士通株式会社 | 波長分割多重伝送装置 |
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