JP2004046006A - 3次元情報表示装置 - Google Patents

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山下 昌哉
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Abstract

【課題】検出した地磁気の方向を元に、装置の方向変化を計算し、これに対応する3次元情報をディスプレイ装置に表示する3次元情報表示装置を提供する。
【解決手段】地磁気を検出する方位角センサを有し、3次元情報をディスプレイ装置に表示する3次元情報表示装置であって、前記ディスプレイ装置を空間内で上下左右に動かして姿勢を変化させた時に、前記方位角センサによる地磁気データを元にして前記ディスプレイ装置の前記空間内における姿勢変化を計算し、該計算結果に基づいて前記ディスプレイ装置の姿勢変化に対応する3次元情報を表示することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元情報表示装置に関し、表示装置の動きに合わせて、表示する3次元情報を変化させる場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CPUの処理能力向上にともなって3次元情報の表示技術が進歩し、空間の3次元情報のデータベースから一部の情報を切り出してディスプレイに表示することによって、あたかも自分の視点が移動しているかのように思わせるバーチャルリアリティ技術の応用ニーズが高まっている。
例えば、パーソナルコンピュータのアプリケーションの中には、水平360度一周分の実撮影画像データから特定方向の画像を切り出してディスプレイに表示し、キーボードやマウスによって表示している画像の方向を変化させたり、拡大・縮小を行うソフトウエアがあった。
【0003】
また、より大規模なシステムとしては、住宅展示場のような室内空間にゴーグル型のヘッドセットディスプレイを装着して入り、目の前の室内空間とコンピュータグラフィクスで作られた3次元の家具データを合成して、あたかも目の前にその家具が存在しているかのように見せる技術も実現しつつある。
このゴーグルにはジャイロスコープが装着され、その出力データをコンピュータが計算することによって、ゴーグルの動きを検出し、視線を変化させたことに対応して画像を変化させることも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パーソナルコンピュータの従来ソフトにおいてはディスプレイ自身が動くわけではないので、キーボードやマウスを使って視点の変化を指示するが、操作に体の動きを伴わないのでリアリティに欠けるところがあった。
またゴーグル型のヘッドセットディスプレイは、装着に圧迫感を伴ううえに、ディスプレイ自身もジャイロスコープも極めて高価であるため、特殊な用途にしか使われず、広く普及する技術とは言い難いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、キーボードやマウスを必要とせず、ディスプレイ装置自身を空間内で上下左右に動かすことによって、地磁気を測定する方位角センサがディスプレイ装置の姿勢変化に対応した変化量を検出し、それに応じて3次元情報を計算して表示する、小型・軽量の3次元表示装置を安価に実現提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の3次元情報表示装置は、地磁気を検出する方位角センサを有し、3次元情報をディスプレイ装置に表示する3次元情報表示装置であって、前記ディスプレイ装置を空間内で上下左右に動かして姿勢を変化させた時に、前記方位角センサによる地磁気データを元にして前記ディスプレイ装置の前記空間内における姿勢変化を計算し、該計算結果に基づいて前記ディスプレイ装置の姿勢変化に対応する3次元情報を表示することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の3次元情報表示装置は、地磁気を検出する方位角センサと、重力を検出する傾斜角センサを有し、3次元情報をディスプレイ装置に表示する3次元情報表示装置であって、前記ディスプレイ装置を空間内で上下左右に動かして姿勢を変化させた時に、前記方位角センサと前記傾斜角センサとによる地磁気データと重力加速度データを元にして前記ディスプレイ装置の前記空間内における姿勢変化を計算し、該計算結果に基づいて前記ディスプレイ装置の姿勢変化に対応する3次元情報を表示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の3次元情報表示装置は、請求項1乃至2記載の3次元情報表示装置において、 前記3次元情報は、無線通信手段によって入手することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係わる3次元情報表示装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる3次元情報表示装置の構成を示すブロック図である。図1において、方位角センサ1、信号データ取得部3、姿勢計算部4、3次元情報データベース5、3次元情報切り出し部6、ディスプレイ装置8が設けられている。ここで、方位角センサ1は、地磁気を検出するもので2軸以上の磁気センサであることが好ましい。具体的にはホール素子が最適であり、3軸であることが更に好ましい。
【0010】
信号データ取得部3は、センサからの出力信号を増幅するアンプとADCから構成される。ここで信号増幅アンプやADCは、2軸以上の磁気センサの信号に対してそれぞれ独立した別々のアンプやADCであっても良いが、装置の姿勢変化速度が緩やかでデータ取得が充分に早い場合には、磁気センサの出力をマルチプレクサで切り換えることにより、一系統のアンプとADCを時分割で利用することもできる。
【0011】
姿勢計算部4は、デジタル化された方位角センサの信号データを用いて、現在の3次元情報表示装置の姿勢を計算する。
3次元情報とは、所定の地点を中心にした360度周辺の風景画像などをデジタル化して方向のデータと共に記録したものであっても良いし、逆に物体を様々な角度から撮影した画像データであっても良い。また、コンピュータグラフィクスで作られた空間のデータは、3次元のフレームデータさえあれば、表面の情報は後から作り出すことができるので、より少ない保存量のデータから複雑な動きや微妙な方向変化に対応する情報を生み出すことができる。以上の3次元情報は、上下左右斜めなどの位置情報と対応が取れる状態で保持されている。
【0012】
3次元情報切り出し部6は、姿勢計算部4で得た3次元情報表示装置の姿勢に対応する位置情報を、3次元情報データベースから取切り出しディスプレイ装置8に表示する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る3次元情報表示装置の構成を示すブロック図である。図2において、図1の信号データ取得部3には、方位角センサ1だけでなく傾斜角センサ2からの出力信号が取り込まれる。ここで、傾斜角センサ2は、重力を検出するもので、2軸以上の加速度センサであることが好ましい。具体的には、ピエゾ抵抗式加速度センサが適しており、3軸であることが更に好ましいが、静電容量検出型加速度センサや熱分布検出型加速度センサなどを用いても良い。
【0013】
姿勢計算部4は、デジタル化された方位角センサと傾斜角センサの信号データを用いて、現在の3次元情報表示装置の姿勢を計算する。
方位角センサから3軸のデータα、β、γが得られる時には、傾斜角センサ2から得るデータを元に算出された2軸の傾斜角φ、ηを用いることにより、3次元情報表示装置は、自分の姿勢がいかに傾いていても、その姿勢に対応する方位角θを計算で求めることが可能になる。
【0014】
方位角センサの出力としての感度とオフセットが補正された3軸の地磁気データα、β、γおよび2軸の傾斜角センサの出力としてのデータφ、η用いて方位角θ算出する場合、以下の計算アルゴリズムを用いることができる。ここで、方位角センサとしてホール素子H1〜H3を用いる。
図5は、方位角θを算出する場合の地磁気ベクトルと回転軸の関係を示す図である。
【0015】
図5において、地磁気ベクトル(x、y、z)に対応してTMx軸を設定し、このTMx軸に直交する2軸をTMy軸、TMz軸とする。
また、方位角センサと傾斜角センサを3次元情報表示端末10に搭載して用いる場合において、地磁気ベクトル(x、y、z)に対する3次元情報表示端末10の方位をθ俯角をδとする。また、3次元情報表示端末10は水平面から長手方向にφ、短手方向にηだけ傾いているものとする。
【0016】
そして、俯角δを補正するために、TMy軸の周りに、−δだけ回転させ、この回転後の軸をHX、HY、HZとする。
次に、HZ軸の周りに、θだけ回転させ、この回転後の軸をM1x、M1y、M1zとする。
次に、M1y軸の周りに、−φだけ回転させ、この回転後の軸をM2x、M2y、M2zとし、さらに、M2x軸の周りに、−ηだけ回転させる。
【0017】
これらの回転により、地磁気ベクトル(x、y、z)と各ホール素子H1〜H3からの出力(α、β、γ)との間には、以下の(1)式が成り立つ。
【0018】
【数1】
Figure 2004046006
【0019】
そして、地磁気ベクトル(x、y、z)=(1、0、0)の関係より、各ホール素子H1〜H3からの出力(α、β、γ)を求めると、以下の(2)式が得られる。
【0020】
【数2】
Figure 2004046006
【0021】
次に、(2)式のαの式を変形すると、以下の(3)式が得られる。
【0022】
【数3】
Figure 2004046006
【0023】
次に、(3)式を(2)式のβ、γの式に代入すると、以下の(4)、(5)式が得られる。
【0024】
【数4】
Figure 2004046006
【0025】
次に、(4)、(5)式からcos(δ)を求めると、以下の(6)式が得られる。
【0026】
【数5】
Figure 2004046006
【0027】
次に、(6)式を変形して方位角θを求めると、以下の(7)式が得られる。
【0028】
【数6】
Figure 2004046006
【0029】
このように、3軸の地磁気データα、β、γおよび2軸の傾斜角データφ、ηを用いることにより、俯角δ用いることなく、方位角θを算出することができる。
求められた方位角θによって、位置情報を検出し、その位置情報に応じた3次元情報を切り出してディスプレイ装置に表示することができる。3次元情報は、図3、図4の様に無線通信手段で入手されたデータでも構わない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、キーボードやマウスのような入力装置がない場合においても、また、ジャイロ付きのヘッドセットディスプレイのような高価な装置がない場合においても、地磁気と重力の方向に基づいて、ディスプレイを上下左右に動かすだけで、その姿勢変化を検知することが可能となり、3次元表示装置の小型・低価格化を図ることができる。
さらに、このような機能を有する3次元表示装置を前提とした、3次元空間のロールプレイングゲームやリゾート地の紹介映像など、新しいアプリケーションの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる3次元情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係わる3次元情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係わる3次元情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係わる3次元情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる地磁気ベクトルと回転軸の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 方位角センサ
2 傾斜角センサ
3 信号データ取得部
4 姿勢計算部
5 3次元情報データベース
6 3次元情報切り出し部
7 3次元情報バッファ
8 ディスプレイ
10 3次元情報表示端末
11 3次元情報保存部
12 3次元情報計算処理部
20 3次元情報表示装置

Claims (3)

  1. 地磁気を検出する方位角センサを有し、3次元情報をディスプレイ装置に表示する3次元情報表示装置であって、前記ディスプレイ装置を空間内で上下左右に動かして姿勢を変化させた時に、前記方位角センサによる地磁気データを元にして前記ディスプレイ装置の前記空間内における姿勢変化を計算し、該計算結果に基づいて前記ディスプレイ装置の姿勢変化に対応する3次元情報を表示することを特徴とする3次元情報表示装置。
  2. 地磁気を検出する方位角センサと、重力を検出する傾斜角センサを有し、3次元情報をディスプレイ装置に表示する3次元情報表示装置であって、前記ディスプレイ装置を空間内で上下左右に動かして姿勢を変化させた時に、前記方位角センサと前記傾斜角センサとによる地磁気データと重力加速度データを元にして前記ディスプレイ装置の前記空間内における姿勢変化を計算し、該計算結果に基づいて前記ディスプレイ装置の姿勢変化に対応する3次元情報を表示することを特徴とする3次元情報表示装置。
  3. 前記3次元情報は、無線通信手段によって入手することを特徴とする請求項1または2記載の3次元情報表示装置。
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