JP2004043863A - Rail having reduced amount of pro-eutectoid cementite structure formed in rail column section - Google Patents

Rail having reduced amount of pro-eutectoid cementite structure formed in rail column section Download PDF

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上田 正治
Koichiro Matsushita
松下 公一郎
Takashi Morohoshi
諸星 隆
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To prevent toughness of a rail column section from lowering by reducing an amount of a pro-eutectoid cementite structure to be formed in a rail column section, in a rail having a perlite structure containing high carbon used for a heavy load railway. <P>SOLUTION: This rail is made of a steel comprising, by mass%, 0.90-1.20% C, 0.10-2.00% Si, 0.10-2.00% Mn, 0.05-2.00% Cr, 0.030% or less P, and 0.025% or less S, and the balance Fe with unavoidable impurities, wherein the number of the pro-eutectoid cementite structures of intersecting with a segment of a straight line having a length of 300 μm (NC: the number of the lines with which the pro-eutectoid cementite intersects) in a central part of a neutral axis in the rail column section of the steel rail, satisfies NC≤CE with respect to a value (CE) shown in the following expression: CE = 60[mass%C]-10[mass%Si] + 10[mass%Mn] + 500[mass%P] + 50[mass%S] + 30[mass%Cr]-54. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重鉄道で使用される高炭素含有のパーライト組織のレールにおいて、レール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低下させ、レール柱部の靭性低下を防止することを目的としたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、海外の石炭や鉄鉱石を輸送する重荷重鉄道や国内の貨物鉄道では、より一層の鉄道輸送の高効率化のために、貨物の高積載化を強力に進めており、特に急曲線のレールでは、G.C.部や頭側部の耐摩耗性が十分確保できず、摩耗によるレール寿命の低下が問題となってきた。このような背景から、現状の共析炭素含有の高強度レール以上の耐摩耗性を有するレールの開発が求められるようになってきた。この問題を解決するため、本発明者らは下記に示すようなレールを開発した。
【0003】
▲1▼過共析鋼(C:0.85超〜1.20%)を用いて、パーライト組織中のラメラ中のセメンタイト密度を増加させた耐摩耗性に優れたレール(特開平8−144016号公報)。
▲2▼過共析鋼(C:0.85超〜1.20%)を用いて、パーライト組織中のラメラ中のセメンタイト密度を増加させ、同時に、硬さを制御した耐摩耗性に優れたレール(特開平8−246100号公報)。
これらのレールの特徴は、鋼の炭素量を増加し、パーライトラメラ中のセメタイト相の密度を増加させ、さらに、硬さを制御することによりパーライト組織の耐摩耗性を向上させるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の▲1▼,▲2▼に示されたパーライト組織を呈する発明レールでは、高炭素化により耐摩耗性の向上が図れる。
しかし、上記の発明レールは、現行の共析炭素含有の高強度レールよりも炭素量が高いため、溶鋼の鋳造段階で、鋳片中心部に炭素や合金元素が濃化した偏析帯が形成されやすい。特に、図1の斜線部に示す圧延後のレール柱部では、偏析帯に沿って初析セメンタイト組織が多量に生成し、靭性が大きく低下するといった問題があった。
【0005】
このような背景から、高炭素含有のパーライト組織のレールにおいて、柱部の靭性を向上させるために、偏析帯に沿って発生する初析セメンタイト組織の生成量が少ないレールの開発が求められるようになってきた。
すなわち、本発明は、重荷重鉄道で使用される高炭素含有のパーライト組織のレールにおいて、レール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低下させ、レール柱部の靭性低下を防止することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するものであって、その要旨とするところは次の通りである。
(1)質量%で、
C :0.90〜1.20%、 Si:0.10〜2.00%、
Mn:0.10〜2.00%、 Cr:0.05〜2.00%、
P ≦0.030%、     S ≦0.025%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼レールのレール柱部の中立軸中央部において、直行する長さ300μmの線分と交差する初析セメンタイト組織の本数(NC:初析セメンタイト交線数)が、下式で示されるの値(CE)に対して、NC≦CEであることを特徴とするレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
CE=60〔mass%C〕−10〔mass%Si〕+10〔mass%Mn〕+500〔mass%P〕+50〔mass%S〕+30〔mass%Cr〕−54
【0007】
(2)また、上記(1)のレールに、質量%でさらに、下記▲1▼〜▲8▼の成分を選択的に含有させ、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
▲1▼Mo:0.01〜0.50%、
▲2▼V :0.005〜0.50%、   Nb:0.002〜0.050%
の1種または2種、
▲3▼B :0.0001〜0.0050%、
▲4▼Co:0.10〜2.00%、    Cu:0.01〜1.00%
の1種または2種、
▲5▼Ni:0.01〜1.00%、
▲6▼Ti:0.0050〜0.0500%、
Mg:0.0005〜0.0200%、
Ca:0.0005〜0.0150%
の1種または2種以上、
▲7▼Al:0.0040〜1.00%、
▲8▼Zr:0.0001〜0.2000%。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明者らは、レール柱部に生成する初析セメンタイト組織の発生量の定量化を行った。ある視野倍率において、ある一定長さの直交する線分と交差する初析セメンタイト組織の本数(NC、以下、初析セメンタイト交線数)を測定した結果、セメンタイト組織の生成状態とのよい相関が認められ、初析セメンタイト組織の生成状態を定量化できることがわかった。
【0009】
次に、本発明者らは、高炭素含有のパーライト組織の鋼レールを用いて、柱部の靭性と初析セメンタイト組織の生成状況の関係を調査した。その結果、高炭素含有のパーライト組織の鋼レールでは、▲1▼レール柱部の靭性は初析セメンタイト交線数(NC)との負の相関がある。▲2▼初析セメンタイト交線数(NC)がある一定値以下になるとレール柱部の靭性は低下しない。▲3▼靭性低下の発生の閾値となる初析セメンタイト交線数(NC)は鋼レールの化学成分との相関があることが明らかとなった。
【0010】
そこで、本発明者らは、レール柱部の靭性低下の発生の閾値となる初析セメンタイト交線数(NC)と鋼レールの化学成分の関係を重相関により求めた。その結果、鋼レールの化学成分(mass%)の寄与度を評価した式1の値(CE値)を算定することにより、靭性低下の発生の閾値となる初析セメンタイト交線数(NC)が求められることを見いだした。
【0011】
さらに、本発明者らは、レール柱部の靭性を向上させる方法を検討した結果、レール柱部の初析セメンタイト交線数(NC)をレールの化学成分で算定されるCE値以下とすることにより、現行の鋼レールと比較して、柱部の初析セメンタイト組織の生成量が低減し、レールの柱部の靭性低下が防止できることを知見した。
CE=60〔mass%C〕−10〔mass%Si〕+10〔mass%Mn〕+500〔mass%P〕+50〔mass%S〕+30〔mass%Cr〕−54・・・1
NC(柱部の初析セメンタイト組織との交線数)≦CE(式1)
【0012】
すなわち、本発明は、重荷重鉄道で使用される高炭素含有のパーライト鋼レールにおいて、レール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減させることにより、レール柱部の靭性低下を防止することを目的としたものである。
【0013】
次に、本発明の限定理由について詳細に説明する。
(1)鋼レールの化学成分
以下に、レール鋼の化学成分を限定した理由について詳細に説明する。なお単位は質量%である。
Cは、パーライト変態を促進させて、かつ、耐摩耗性を確保する有効な元素である。C量が0.90%未満では、パーライト組織中のセメンタイト相の密度が確保できず、重荷重鉄道において耐摩耗性が維持できない。また、C量が1.20%を超えると、本成分系では、冷却速度の遅いレール頭部内部に、パーライト組織中に初析セメンタイト組織が生成し、内部疲労損傷が発生しやすくなる。また、柱部の偏析が過剰となり、初析セメンタイト組織が多量に発生し、柱部の初析セメンタイト交線数(NC)が増加し、レール柱部の靭性が低下する。このため、C量を0.90〜1.20%に限定した。
【0014】
Siは、脱酸材として必須の成分である。また、パーライト組織中のフェライト相への固溶体硬化によりレール頭部の硬度(強度)を上昇させる元素であり、同時に、初析セメンタイト組織の生成を抑制し、柱部の初析セメンタイト交線数(NC)を低下させ、レール柱部の靭性を向上させる元素である。しかし、0.10%未満ではその効果が十分に期待できず、レール柱部の靭性向上が認められない。また、2.00%を超えると、熱間圧延時に表面疵が多く生成することや、酸化物の生成により溶接性が低下する。さらに、焼入性が著しく増加し、レールの耐摩耗性や靭性に有害なマルテンサイト組織が生成する。このため、Si量を0.10〜2.00%に限定した。
【0015】
Mnは、焼き入れ性を高め、パーライトラメラ間隔を微細化することにより、パーライト組織の硬度を確保し、耐摩耗性を向上させる元素である。しかし、0.10%未満の含有量では、その効果が小さく、レールに必要とされる耐摩耗性の確保が困難となる。また、2.00%を超えると、焼入性が著しく増加し、耐摩耗性や延性に有害なマルテンサイト組織が生成し易くなる。さらに、偏析が助長され、柱部などに初析セメンタイト組織が生成し、柱部の初析セメンタイト交線数(NC)が増加し、レール柱部の靭性が低下する。このため、Mn量を0.10〜2.00%に限定した。
【0016】
Crは、パーライトの平衡変態点を上昇させ、結果としてパーライト組織を微細にして高硬度(強度)化に寄与すると同時に、セメンタイト相を強化して、パーライト組織の硬度(強度)を向上させることにより耐摩耗性を向上させる元素であるが、0.05%未満ではその効果が小さく、2.00%を超える過剰な添加を行うと、焼入性が著しく増加し、マルテンサイト組織が多量に生成し、レールの耐摩耗性や靭性を低下させる。さらに、偏析が助長され、柱部の初析セメンタイト組織の生成量が増加し、柱部の初析セメンタイト交線数(NC)が増加し、レール柱部の靭性が低下する。このため、Cr量を0.05〜2.00%に限定した。
【0017】
Pは、フェライトを強化し、パーライト組織の硬さを向上させる元素である。しかし、0.030%を超えて含有すると、偏析性が高い元素であるため、他の元素の偏析も助長し、柱部の初析セメンタイト組織の生成が激しく促進される。その結果、柱部の初析セメンタイト交線数(NC)が増加し、レール柱部の靭性が低下する。このため、P量を0.030%以下に限定した。
【0018】
Sは、MnSを生成し、MnSの周囲にMnの希薄帯を形成することにより、パーライト変態の促進に寄与し、結果として、パーライトブロックサイズを微細化することにより、パーライト組織の靭性を向上させるのに有効な元素である。しかし、0.025%を超えて含有すると、Mnの偏析を助長し、柱部の初析セメンタイト組織の生成が激しく促進される。その結果、柱部の初析セメンタイト交線数(NC)が増加し、レール柱部の靭性が低下する。このため、S量を0.025%以下に限定した。
【0019】
また、上記の成分組成で製造されるレールは、パーライト組織の硬度(強化)の向上、パーライト組織の延性や靭性の向上、溶接部の熱影響部の軟化の防止、レール頭部内部の断面硬度分布の制御を図る目的で、Mo,V,Nb,B,Co,Cu,Ni,Ti,Mg,Ca,Al,Zrの元素を必要に応じて添加する。
【0020】
ここで、Moは、パーライトの平衡変態点を上昇させ、主に、パーライトラメラ間隔を微細化することによりパーライト組織の硬度を確保する。V,Nbは、熱間圧延やその後の冷却課程で生成した炭化物や窒化物により、オーステナイト粒の成長を抑制し、さらに、析出硬化により、パーライト組織の靭性と硬度を向上させる。また、再加熱時に炭化物や窒化物を安定的に生成させ、溶接継ぎ手熱影響部の軟化を防止する。Bは、パーライト変態温度の冷却速度依存性を低減させ、レール頭部の硬度分布を均一にする。Co,Cuは、パーライト組織中のフェライトに固溶し、パーライト組織の硬度を高める。Niは、Cu添加による熱間圧延時の脆化を防止し、同時に、パーライト鋼の硬度を向上させ、さらに、溶接継ぎ手熱影響部の軟化を防止する。Tiは、熱影響部の組織の微細化を図り、溶接継ぎ手部の脆化を防止する。Mg,Caは、レール圧延時においてオーステナイト粒の微細化を図り、同時に、パーライト変態を促進し、パーライト組織の靭性を向上させる。Alは、共析変態温度を高温側へ、同時に、共析炭素濃度を高炭素側へ移動させ、パーライト組織の強化と初析セメンタイトの生成を抑制し、レールの耐摩耗性の向上と靭性低下の防止する。Zrは、ZrO2 介在物が高炭素レール鋼の凝固核となり、凝固組織の等軸晶化率を高めることにより、鋳片中心部の偏析帯の形成を抑制し、レールの靭性に有害な初析セメンタイト組織の生成を抑制することが主な添加目的である。
【0021】
これらの成分の個々の限定理由について、以下に詳細に説明する。
Moは、Cr同様パーライトの平衡変態点を上昇させ、結果としてパーライト組織を微細にすることにより高硬度(強度)化に寄与し、パーライト組織の硬度(強度)を向上させる元素であるが、0.01%未満ではその効果が小さく、レール鋼の硬度を向上させる効果が全く見られなくなる。また、0.50%を超える過剰な添加を行うと、パーライト組織の変態速度が著しく低下し、靭性に有害なマルテンサイト組織が生成しやすくなる。このため、Mo添加量を0.01〜0.50%に限定した。
【0022】
Vは、高温度に加熱する熱処理が行われる場合に、V炭化物やV窒化物のピニング効果により、オーステナイト粒を微細化し、さらに、熱間圧延後の冷却課程で生成したV炭化物、V窒化物による析出硬化により、パーライト組織の硬度(強度)を高めると同時に、延性を向上させるのに有効な元素である。また、Ac1 点以下の温度域に再加熱された熱影響部において、比較的高温度域でV炭化物やV窒化物を生成させ、溶接継ぎ手熱影響部の軟化を防止するのに有効な元素である。しかし、0.005%未満ではその効果が十分に期待できず、パーライト組織の硬度の向上や靭性の改善は認められない。また、0.50%を超えて添加すると、粗大なVの炭化物やVの窒化物が生成し、レールの靭性や耐内部疲労損傷性が低下する。このため、V量を0.005〜0.50%に限定した。
【0023】
Nbは、Vと同様に、高温度に加熱する熱処理が行われる場合に、Nb炭化物やNb窒化物のピニング効果により、オーステナイト粒を微細化し、さらに、熱間圧延後の冷却課程で生成したNb炭化物、Nb窒化物による析出硬化により、パーライト組織の硬度(強度)を高めると同時に、延性を向上させるのに有効な元素である。また、Ac1 点以下の温度域に再加熱された熱影響部において、低温度域から高温度域までNbの炭化物やNb窒化物を安定的に生成させ、溶接継ぎ手熱影響部の軟化を防止するのに有効な元素である。しかし、その効果は、0.002%未満では期待できず、パーライト組織の硬度の向上や靭性の改善は認められない。また、0.050%を超える添加すると、粗大なNbの炭化物やNbの窒化物が生成し、レールの靭性や耐内部疲労損傷性が低下する。このため、Nb量を0.002〜0.050%に限定した。
【0024】
Bは、鉄炭ほう化物を形成し、初析セメンタイトの生成を抑制し、同時に、パーライト変態温度の冷却速度依存性を低減させ、頭部の硬度分布を均一にし、レールの靭性低下を防止し、高寿命化を図る元素であるが、0.0001%未満ではその効果は十分でなく、レール頭部の硬度分布には改善が認められない。また、0.0050%を超えて添加すると、粗大な鉄の炭ほう化物が生成し、延性や靭性、さらには、耐内部疲労損傷性が大きく低下することから、B量を0.0001〜0.0050%に限定した。
【0025】
Coは、パーライト組織中のフェライトに固溶し、固溶強化によりパーライト組織の硬度(強度)を向上させる元素であり、さらに、パーライトの変態エネルギーを増加させて、パーライト組織を微細にすることにより靭性を向上させる元素であるが、0.10%未満ではその効果が期待できない。また、2.00%を超えて添加すると、フェライト相の延性が著しく低下し、ころがり面にスポーリング損傷が発生し、レールの耐表面損傷性が低下する。このため、Co量を0.10〜2.00%に限定した。
【0026】
Cuは、パーライト組織中のフェライトに固溶し、固溶強化によりパーライト組織の硬度(強度)を向上させる元素であるが、0.01%未満ではその効果が期待できない。また、1.00%を超えて添加すると、著しい焼入れ性向上により靭性に有害なマルテンサイト組織が生成しやすくなる。さらに、フェライト相の延性が著しく低下し、レールの延性が向上しない。このため、Cu量を0.01〜1.00%に限定した。
【0027】
Niは、Cu添加による熱間圧延時の脆化を防止し、同時に、フェライトへの固溶強化によりパーライト鋼の高硬度(強度)化を図る元素である。さらに、溶接熱影響部においては、Tiと複合でNi3 Tiの金属間化合物が微細に析出し、析出強化により軟化を抑制する元素であるが、0.01%未満では、その効果が著しく小さく、また、1.00%を超えて添加すると、フェライト相の延性が著しく低下し、ころがり面にスポーリング損傷が発生し、レールの耐表面損傷性が低下する。このため、Ni量を0.01〜1.00%に限定した。
【0028】
Tiは、溶接時の再加熱において析出したTiの炭化物、Tiの窒化物が溶解しないことを利用して、オーステナイト域まで加熱される熱影響部の組織の微細化を図り、溶接継ぎ手部の脆化を防止するのに有効な成分である。しかし、0.0050%未満ではその効果が少なく、0.0500%を超えて添加すると、粗大なTiの炭化物、Tiの窒化物が生成して、レールの延性や靭性、これに加えて耐内部疲労損傷性が大きく低下することから、Ti量を0.0050〜0.0500%に限定した。
【0029】
Mgは、O、または、SやAl等と結合して微細な酸化物を形成し、レール圧延時の再加熱において、結晶粒の粒成長を抑制し、オーステナイト粒の微細化を図り、パーライト組織の延性を向上させるのに有効な元素である。さらに、MgO、MgSがMnSを微細に分散させ、MnSの周囲にMnの希薄帯を形成し、パーライト変態の生成に寄与し、その結果、パーライトブロックサイズを微細化することにより、パーライト組織の延性を向上させるのに有効な元素である。しかし、0.0005%未満ではその効果は弱く、0.0200%を超えて添加すると、Mgの粗大酸化物が生成し、レールの延性や靭性、さらには、耐内部疲労損傷性を低下させるため、Mg量を0.0005〜0.0200%に限定した。
【0030】
Caは、Sとの結合力が強く、CaSとして硫化物を形成し、さらに、CaSがMnSを微細に分散させ、MnSの周囲にMnの希薄帯を形成し、パーライト変態の生成に寄与し、その結果、パーライトブロックサイズを微細化することにより、パーライト組織の延性を向上させるのに有効な元素である。しかし、0.0005%未満ではその効果は弱く、0.0150%を超えて添加すると、Caの粗大酸化物が生成し、レールの延性や靭性、さらには、耐内部疲労損傷性を低下させるため、Ca量を0.0005〜0.0150%に限定した。
【0031】
Alは、脱酸材として必須の成分である。また、共析変態温度を高温側へ、同時に、共析炭素濃度を高炭素側へそれぞれ移動させる元素であり、パーライト組織の高強度化と初析セメンタイト組織の生成の抑制により靭性低下を防止する元素であるが、0.0040%未満では、その効果が弱く、1.00%を超えて添加すると、鋼中に固溶させることが困難となり、疲労損傷の起点となる粗大なアルミナ系介在物が生成し、レールの延性や靭性、さらには、耐内部疲労損傷性が低下する。また、溶接時に酸化物が生成し、溶接性が著しく低下するため、Al量を0.0040〜1.00%に限定した。
【0032】
Zrは、ZrO2 介在物がγ−Feとの格子整合性が良いため、γ−Feが凝固初晶である高炭素レール鋼の凝固核となり、凝固組織の等軸晶化率を高めることにより、鋳片中心部の偏析帯の形成を抑制し、レールの靭性に有害な初析セメンタイト組織の生成を抑制する元素である。しかし、Zr量が0.0001%未満では、ZrO2 系介在物の数が少なく、凝固核として十分な作用を示さない。その結果、初析セメンタイト組織の生成抑制の効果が低下する。また、Zr量が0.2000%を超えると、粗大Zr系介在物が多量に生成し、レールの延性が低下することや、粗大Zr系介在物を起点とした内部疲労損傷が発生しやすくなり、レールの使用寿命が低下する。このため、Zr量を0.0001〜0.2000%に限定した。
【0033】
上記のような成分組成で構成されるレール鋼は、転炉、電気炉などの通常使用される溶解炉で溶製を行い、この溶鋼を造塊・分塊あるいは連続鋳造し、さらに熱間圧延を経てレールとして製造される。
【0034】
次に、この熱間圧延した高温度の熱を保有するレール、あるいは熱処理する目的で高温に再加熱されたレール頭部に熱処理を施すことにより、レール頭部に硬さの高いパーライト組織を安定的に生成させることが可能となる。
【0035】
なお、上記プロセスにおいて、レール柱部の中立軸中央部の初析セメンタイト交線数(NC)を低減するには、連続鋳造に関しては、▲1▼鋳造速度の調整等による軽圧下の最適化、▲2▼鋳造温度の低減による凝固組織微細化が有効である。また、レール熱処理に関しては、▲3▼レール頭部に加えて、柱部に加速冷却を行う方法が有効である。さらに、初析セメンタイト交線数(NC)をより一層低減するには、上記の連続鋳造と熱処理の組み合わせや初析セメンタイト組織の生成を抑制する効果のあるAl、凝固組織を微細にするZrの添加が有効である。
【0036】
(2)レール柱部初析セメンタイト組織の現出方法
請求項1において記載されている初析セメンタイト組織の現出方法について説明する。まず、レール柱部の横断面をダイヤ研摩する。続いて、被研面をピクリン酸カセイソーダ液で浸漬し、初析セメンタイト組織を現出する。現出条件は、研摩面の状態により若干調整が必要であるが、基本的には、液温80℃、約120分の浸漬が望ましい。
【0037】
(3)初析セメンタイト組織の現出方法・初析セメンタイト交線数(NC)の測定方法
次に、請求項1において記載されている初析セメンタイト交線数(NC)の測定方法について説明する。初析セメンタイトは旧オーステナイト結晶粒界(図2中の線γ)に生成するので、初析セメンタイト組織を現出したレール柱部の中立軸中央部を、光学顕微鏡により観察する。すなわち視野倍率200倍で直交する300μmの線分(X,Y)と交差する初析セメンタイト組織(γ)の交点数をカウントする。図2にこの測定方法の模式図を示す。交差する初析セメンタイト組織の本数は、直交する300μmの各線分X,Yと交差した本数の合計(〔Xn=4〕+〔Yn=7〕)とした。なお、観察視野としては、偏析の強弱による初析セメンタイト組織のばらつきを考慮すると、最低でも5視野以上の観察を行い、その平均値を代表値とすることが望ましい。
【0038】
(4)CE値を求める式
請求項1において、CE値を求める式を上記のように規定した理由を説明する。CE値を求める式は、高炭素含有のパーライト組織の鋼レールを用いて、柱部の靭性と初析セメンタイト組織の生成状況の関係を調査し、次に、レール柱部における靭性低下が発生する閾値となる初析セメンタイト交線数(NC)と鋼レールの化学成分(mass%)との関係を重相関により求めたものである。以下にその相関式(式1)を示す。
CE=60〔mass%C〕−10〔mass%Si〕+10〔mass%Mn〕+500〔mass%P〕+50〔mass%S〕+30〔mass%Cr〕−54・・・1
各化学成分の係数は、レール柱部のセメンタイト組織生成に対する寄与度を表しており、+は正の相関、−は負の相関を示し、係数の絶対値はその寄与度の大きさを示す。
【0039】
また、上式で算定したCE値は、少数点以下の下一桁を四捨五入した自然数をとるものとする。なお、上記限定の化学成分の組み合わせによっては、CE値が0または負になる場合が存在する。CE値が0または負になる場合の成分系については、例え、上記限定範囲の化学成分組成であっても、本特許の請求範囲の対象外とする。
【0040】
なお、本発明レールの柱部や頭部の金属組織はパーライト組織を基本としたものである。しかし、レールの成分系や熱処理製造方法によっては、レール柱部、頭表部、頭部内部の一部に、微量な初析フェライト組織、初析セメンタイト組織、ベイナイト組織やマルテンサイト組織が混入することがある。しかし、これらの組織が混入しても、レールとしての基本性能やレールの靭性や延性には大きな悪影響を及ぼさないため、本発明レールの柱部や頭部の金属組織は、若干の初析フェライト組織、初析セメンタイト組織、ベイナイト組織、マルテンサイト組織の混在も含んでいる。
【0041】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
表1に本発明レール鋼の化学成分、化学成分から式1より求まるCE値、圧延前鋳片の製造状況およびレール熱処理時の冷却方法、柱部のミクロ組織、および、柱部初析セメンタイト組織の生成状況を示す。
【0042】
表2に比較レール鋼の化学成分、化学成分から式1より求まるCE値、圧延前鋳片の製造状況およびレール熱処理時の冷却方法、柱部のミクロ組織、および、柱部初析セメンタイト組織の生成状況を示す。
【0043】
なお、レールの構成は以下のとおりである。
・本発明レール鋼(10本) 符号A〜J
上記成分範囲内で、柱部初析セメンタイト組織の本数(NC)が上記化学成分値から算定されるCE値を超えないことを特徴とするレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
・比較レール鋼(10本) 符号K〜T
符号K〜P:C,Si,Mn,P,SおよびCrの添加量が上記請求範囲外の比較レール鋼(6本)。
符号Q〜T:上記成分範囲内で、柱部初析セメンタイト組織の本数(NC)が上記化学成分値から算定されるCE値を超える比較レール鋼。
【0044】
ここで、本明細書中の図について説明する。図1は偏析帯に沿って初析セメンタイト組織が生成する領域(斜線部分)を示したものである。図2は初析セメンタイト組織の生成状況の評価方法を模式的に示したものである。
【0045】
表2に示すように、本発明レール鋼(符号:A〜J)は、比較レール鋼(符号:K〜P)と比べて、C,Si,Mn,P,S,Crの添加量をある一定範囲内に納めることにより、柱部に生成する初析セメンタイト組織(セメンタイト交線数:NC)をCE値以下とすることができた。
【0046】
また、鋳造時の軽圧下の最適化およびレール柱部の冷却を施すことにより、柱部に生成する初析セメンタイト組織(セメンタイト交線数:NC)をCE値以下とすることができた。
【0047】
上記のように、C,Si,Mn,P,S,Crの添加量をある一定範囲内に納め、さらに、鋳造時の軽圧下の最適化およびレール柱部の冷却を施すことにより、柱部に生成する初析セメンタイト組織(セメンタイト交線数:NC)をCE値以下とすることができ、レール柱部の靭性低下を防止できた。
【0048】
【表1】

Figure 2004043863
【0049】
【表2】
Figure 2004043863
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、重荷重鉄道で使用される高炭素含有のパーライト組織のレールにおいて、レール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低下させ、レール柱部の靭性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏析帯に沿って初析セメンタイト組織が生成する領域を示した図。
【図2】初析セメンタイト組織の生成状況の評価方法を模式的に示した図。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
An object of the present invention is to reduce the amount of a proeutectoid cementite structure in a rail column in a high carbon content pearlite structure rail used in a heavy load railway, and to prevent a decrease in toughness of a rail column. Things.
[0002]
[Prior art]
In recent years, heavy-duty railways that transport coal and iron ore abroad and freight railways in Japan have been strongly increasing the load of cargo in order to further increase the efficiency of railway transportation, especially on sharp curves. In the rail, C. The abrasion resistance of the part and the head side cannot be sufficiently secured, and the reduction in rail life due to wear has become a problem. From such a background, development of a rail having wear resistance higher than that of the current high-strength rail containing eutectoid carbon has been required. In order to solve this problem, the present inventors have developed a rail as shown below.
[0003]
{Circle around (1)} Hypereutectoid steel (C: more than 0.85 to 1.20%) is used to increase the cementite density in the lamellae in the pearlite structure and to provide a rail with excellent wear resistance (Japanese Patent Laid-Open No. 8-144016). Publication).
{Circle around (2)} Using hypereutectoid steel (C: more than 0.85 to 1.20%), the cementite density in the lamella in the pearlite structure is increased, and at the same time, the hardness is controlled and the wear resistance is excellent. Rail (JP-A-8-246100).
The features of these rails were to increase the carbon content of the steel, increase the density of the cemetite phase in the pearlite lamella, and improve the wear resistance of the pearlite structure by controlling the hardness.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the invention rail exhibiting the pearlite structure shown in the above (1) and (2), the wear resistance can be improved by increasing the carbon.
However, since the above-mentioned invention rail has a higher carbon content than the current high-strength rail containing eutectoid carbon, a segregation zone in which carbon and alloy elements are concentrated is formed at the center of the slab during the casting of molten steel. Cheap. In particular, in the rail column portion after rolling indicated by the hatched portion in FIG. 1, there was a problem that a large amount of proeutectoid cementite structure was generated along the segregation zone and the toughness was greatly reduced.
[0005]
From such a background, in order to improve the toughness of the column in the pearlite structure rail with high carbon content, as the development of a rail with a small amount of proeutectoid cementite structure generated along the segregation zone is required. It has become.
That is, an object of the present invention is to reduce the amount of a proeutectoid cementite structure in a rail column in a high carbon content pearlite structure rail used in a heavy load railway, and to prevent a reduction in the toughness of the rail column. It is what it was.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention achieves the above object, and the gist thereof is as follows.
(1) In mass%,
C: 0.90 to 1.20%, Si: 0.10 to 2.00%,
Mn: 0.10-2.00%, Cr: 0.05-2.00%,
P ≦ 0.030%, S ≦ 0.025%
The number of proeutectoid cementite microstructures (NC: proeutectoid cementite intersecting) intersecting with a straight line having a length of 300 μm at the center of the neutral axis of the rail column portion of the steel rail containing Fe and unavoidable impurities. A rail with a reduced number of proeutectoid cementite structures in a rail pillar portion, wherein NC ≦ CE with respect to a value (CE) represented by the following formula.
CE = 60 [mass% C] -10 [mass% Si] +10 [mass% Mn] +500 [mass% P] +50 [mass% S] +30 [mass% Cr] -54
[0007]
(2) Further, the following components (1) to (8) are further selectively contained in the rail of (1) above by mass%, and the balance consists of Fe and unavoidable impurities.
(1) Mo: 0.01 to 0.50%,
(2) V: 0.005 to 0.50%, Nb: 0.002 to 0.050%
One or two of
(3) B: 0.0001 to 0.0050%,
(4) Co: 0.10 to 2.00%, Cu: 0.01 to 1.00%
One or two of
(5) Ni: 0.01 to 1.00%,
(6) Ti: 0.0050-0.0500%,
Mg: 0.0005 to 0.0200%,
Ca: 0.0005 to 0.0150%
One or more of
{Circle around (7)} Al: 0.0040 to 1.00%;
(8) Zr: 0.0001 to 0.2000%.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
First, the present inventors quantified the amount of proeutectoid cementite structure generated in the rail column. At a certain visual field magnification, the number of pro-eutectoid cementite structures (NC, hereinafter referred to as the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines) intersecting with a certain length of orthogonal line segments was measured. It was found that the state of formation of the proeutectoid cementite structure could be quantified.
[0009]
Next, the present inventors investigated the relationship between the toughness of the column portion and the state of formation of the proeutectoid cementite structure using a steel rail having a pearlite structure containing high carbon. As a result, in a pearlite steel rail with a high carbon content, (1) the toughness of the rail column has a negative correlation with the number of pro-eutectoid cementite intersections (NC). {Circle around (2)} The toughness of the rail column does not decrease when the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC) falls below a certain value. {Circle around (3)} It became clear that the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC), which is a threshold value for the occurrence of toughness reduction, has a correlation with the chemical composition of the steel rail.
[0010]
Therefore, the present inventors obtained the relationship between the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC), which is the threshold value for the decrease in toughness of the rail column, and the chemical composition of the steel rail by multiple correlation. As a result, by calculating the value of Equation 1 (CE value) that evaluates the degree of contribution of the chemical composition (mass%) of the steel rail, the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC), which is a threshold value for the occurrence of a decrease in toughness, is calculated. I found what was required.
[0011]
Furthermore, the present inventors have studied a method of improving the toughness of the rail column, and as a result, have determined that the number of pro-eutectoid cementite intersections (NC) of the rail column is not more than the CE value calculated by the chemical composition of the rail. As a result, it has been found that the amount of pro-eutectoid cementite structure in the column portion is reduced as compared with the current steel rail, and the toughness of the column portion of the rail can be prevented from being reduced.
CE = 60 [mass% C] -10 [mass% Si] +10 [mass% Mn] +500 [mass% P] +50 [mass% S] +30 [mass% Cr] -54 ... 1
NC (number of lines of intersection between columnar and proeutectoid cementite structure) ≤ CE (Equation 1)
[0012]
That is, the present invention, in a high carbon content pearlite steel rail used in heavy-load railway, by reducing the amount of pro-eutectoid cementite structure of the rail column portion, to prevent a decrease in the toughness of the rail column portion. It is intended.
[0013]
Next, the reasons for limitation of the present invention will be described in detail.
(1) Chemical composition of steel rail
Hereinafter, the reason for limiting the chemical composition of the rail steel will be described in detail. The unit is mass%.
C is an effective element that promotes pearlite transformation and secures abrasion resistance. If the C content is less than 0.90%, the density of the cementite phase in the pearlite structure cannot be secured, and the wear resistance cannot be maintained in heavy load railway. When the C content exceeds 1.20%, in the present component system, a proeutectoid cementite structure is generated in the pearlite structure inside the rail head having a slow cooling rate, and internal fatigue damage is likely to occur. In addition, the segregation of the column portion becomes excessive, a large amount of proeutectoid cementite structure is generated, the number of intersecting lines (NC) of the proeutectoid cementite in the column portion increases, and the toughness of the rail column portion decreases. For this reason, the amount of C was limited to 0.90 to 1.20%.
[0014]
Si is an essential component as a deoxidizing material. In addition, it is an element that increases the hardness (strength) of the rail head by solid solution hardening into the ferrite phase in the pearlite structure, and at the same time, suppresses the formation of the proeutectoid cementite structure and the number of proeutectoid cementite intersecting lines ( NC), and is an element that improves the toughness of the rail column. However, if it is less than 0.10%, the effect cannot be sufficiently expected, and no improvement in the toughness of the rail column portion is observed. On the other hand, when the content exceeds 2.00%, many surface flaws are generated during hot rolling, and weldability is reduced due to generation of oxides. Further, the hardenability is remarkably increased, and a martensite structure harmful to the wear resistance and toughness of the rail is generated. For this reason, the amount of Si was limited to 0.10 to 2.00%.
[0015]
Mn is an element that secures the hardness of the pearlite structure and improves abrasion resistance by increasing the hardenability and reducing the pearlite lamella spacing. However, if the content is less than 0.10%, the effect is small, and it becomes difficult to secure the wear resistance required for the rail. On the other hand, if the content exceeds 2.00%, the hardenability is remarkably increased, and a martensite structure harmful to wear resistance and ductility is easily generated. Further, segregation is promoted, a pro-eutectoid cementite structure is generated in a column or the like, the number of intersections (NC) of pro-eutectoid cementite in the column is increased, and the toughness of the rail column is reduced. For this reason, the amount of Mn was limited to 0.10 to 2.00%.
[0016]
Cr raises the equilibrium transformation point of pearlite and consequently makes the pearlite structure finer and contributes to higher hardness (strength). At the same time, it strengthens the cementite phase and improves the hardness (strength) of the pearlite structure. Although it is an element that improves wear resistance, its effect is small when it is less than 0.05%, and when it is added in excess of 2.00%, hardenability is remarkably increased and a large amount of martensite structure is formed. And reduce the wear resistance and toughness of the rail. Further, segregation is promoted, the generation amount of the pro-eutectoid cementite structure in the column portion is increased, the number of intersecting lines (NC) of the pro-eutectoid cementite in the column portion is increased, and the toughness of the rail column portion is reduced. For this reason, the amount of Cr was limited to 0.05 to 2.00%.
[0017]
P is an element that strengthens ferrite and improves the hardness of the pearlite structure. However, when the content exceeds 0.030%, since the element has a high segregation property, segregation of other elements is also promoted, and the generation of a pro-eutectoid cementite structure in the column portion is strongly promoted. As a result, the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC) in the column increases, and the toughness of the rail column decreases. Therefore, the P content is limited to 0.030% or less.
[0018]
S generates MnS and forms a rare band of Mn around MnS, thereby contributing to the promotion of pearlite transformation. As a result, the pearlite block size is refined, thereby improving the toughness of the pearlite structure. It is an effective element. However, when the content exceeds 0.025%, the segregation of Mn is promoted, and the formation of a pro-eutectoid cementite structure in the column is strongly promoted. As a result, the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC) in the column increases, and the toughness of the rail column decreases. For this reason, the amount of S was limited to 0.025% or less.
[0019]
In addition, the rails manufactured with the above-described composition have improved hardness (strengthening) of the pearlite structure, improved ductility and toughness of the pearlite structure, prevention of softening of the heat-affected zone of the welded portion, and cross-sectional hardness of the inside of the rail head. For the purpose of controlling the distribution, elements of Mo, V, Nb, B, Co, Cu, Ni, Ti, Mg, Ca, Al and Zr are added as necessary.
[0020]
Here, Mo raises the equilibrium transformation point of pearlite and mainly secures the hardness of the pearlite structure by reducing the pearlite lamella spacing. V and Nb suppress the growth of austenite grains by carbides and nitrides generated during hot rolling and subsequent cooling processes, and further improve the toughness and hardness of the pearlite structure by precipitation hardening. In addition, carbides and nitrides are stably generated at the time of reheating, and the softening of the heat affected zone of the welding joint is prevented. B reduces the dependence of the pearlite transformation temperature on the cooling rate and makes the hardness distribution of the rail head uniform. Co and Cu form a solid solution in the ferrite in the pearlite structure and increase the hardness of the pearlite structure. Ni prevents embrittlement at the time of hot rolling due to the addition of Cu, and at the same time, improves the hardness of the pearlite steel and further prevents the heat-affected zone of the weld joint from softening. Ti aims at miniaturization of the structure of the heat-affected zone and prevents embrittlement of the weld joint. Mg and Ca reduce the size of austenite grains during rail rolling, and at the same time, promote pearlite transformation and improve the toughness of the pearlite structure. Al shifts the eutectoid transformation temperature to the high temperature side, and at the same time shifts the eutectoid carbon concentration to the high carbon side, strengthens the pearlite structure and suppresses the formation of proeutectoid cementite, improves the wear resistance of the rail and decreases the toughness. To prevent. Zr is ZrO 2 Inclusions become solidification nuclei of the high carbon rail steel and increase the equiaxed crystallization rate of the solidification structure, thereby suppressing the formation of segregation zones in the center of the slab and generating a pro-eutectoid cementite structure harmful to rail toughness. Is the main purpose of addition.
[0021]
The reasons for limiting each of these components are described in detail below.
Mo is an element that raises the equilibrium transformation point of pearlite like Cr and consequently contributes to higher hardness (strength) by making the pearlite structure finer, and improves the hardness (strength) of the pearlite structure. If it is less than 0.01%, the effect is small and the effect of improving the hardness of the rail steel cannot be seen at all. Further, when an excessive addition exceeding 0.50% is performed, the transformation speed of the pearlite structure is remarkably reduced, and a martensite structure harmful to toughness is easily generated. For this reason, the amount of Mo added was limited to 0.01 to 0.50%.
[0022]
V makes fine austenite grains by the pinning effect of V carbide and V nitride when heat treatment for heating to a high temperature is performed, and further forms V carbide and V nitride generated in a cooling process after hot rolling. Is an element effective in increasing the hardness (strength) of the pearlite structure and at the same time improving the ductility by precipitation hardening. In addition, in the heat-affected zone reheated to a temperature range below the Ac1 point, V carbides and V-nitrides are generated in a relatively high temperature range, and are effective elements for preventing the heat-affected zone of the weld joint from softening. is there. However, if the content is less than 0.005%, the effect cannot be expected sufficiently, and no improvement in the hardness or toughness of the pearlite structure is observed. Further, if added in excess of 0.50%, coarse carbides of V and nitrides of V are generated, and the toughness of the rail and the resistance to internal fatigue damage are reduced. For this reason, the V amount was limited to 0.005 to 0.50%.
[0023]
Similarly to V, when heat treatment for heating to a high temperature is performed, Nb is used to refine austenite grains due to the pinning effect of Nb carbide or Nb nitride, and to further form Nb formed in a cooling process after hot rolling. It is an element effective for increasing the hardness (strength) of the pearlite structure and improving ductility by precipitation hardening by carbide and Nb nitride. Further, in the heat-affected zone reheated to a temperature range below the Ac1 point, Nb carbides and Nb nitrides are stably generated from a low temperature range to a high temperature range, thereby preventing the heat-affected zone of the weld joint from softening. It is an effective element. However, the effect cannot be expected if it is less than 0.002%, and no improvement in the hardness or toughness of the pearlite structure is observed. Further, if the addition exceeds 0.050%, coarse Nb carbides or Nb nitrides are generated, and the toughness and the internal fatigue damage resistance of the rail are reduced. For this reason, the amount of Nb was limited to 0.002 to 0.050%.
[0024]
B forms iron carbide borides, suppresses the formation of proeutectoid cementite, at the same time reduces the cooling rate dependence of the pearlite transformation temperature, makes the hardness distribution of the head uniform, and prevents the reduction in rail toughness. However, if the content is less than 0.0001%, the effect is not sufficient, and no improvement is observed in the hardness distribution of the rail head. Further, if it is added in excess of 0.0050%, coarse iron borides are formed, and ductility, toughness, and internal fatigue damage resistance are significantly reduced. .0050%.
[0025]
Co is an element that forms a solid solution with the ferrite in the pearlite structure and improves the hardness (strength) of the pearlite structure by solid solution strengthening, and further increases the transformation energy of the pearlite to make the pearlite structure finer. Although it is an element that improves toughness, its effect cannot be expected if it is less than 0.10%. On the other hand, if it is added in excess of 2.00%, the ductility of the ferrite phase is significantly reduced, spalling damage occurs on the rolling surface, and the surface damage resistance of the rail is reduced. For this reason, the amount of Co was limited to 0.10 to 2.00%.
[0026]
Cu is an element that forms a solid solution with ferrite in the pearlite structure and improves the hardness (strength) of the pearlite structure by solid solution strengthening, but its effect cannot be expected if it is less than 0.01%. Further, if added in excess of 1.00%, a martensite structure harmful to toughness is likely to be generated due to a marked improvement in hardenability. Further, the ductility of the ferrite phase is significantly reduced, and the ductility of the rail is not improved. For this reason, the amount of Cu was limited to 0.01 to 1.00%.
[0027]
Ni is an element that prevents embrittlement during hot rolling due to the addition of Cu and, at the same time, increases the hardness (strength) of pearlite steel by solid solution strengthening with ferrite. Furthermore, in the weld heat affected zone, Ni and Ni are combined with Ti. 3 Ti is an element in which the intermetallic compound is finely precipitated and suppresses softening by precipitation strengthening. If less than 0.01%, the effect is extremely small. Is significantly reduced, spalling damage occurs on the rolling surface, and the surface damage resistance of the rail is reduced. For this reason, the amount of Ni is limited to 0.01 to 1.00%.
[0028]
Titanium is used to refine the structure of the heat-affected zone heated to the austenite region by utilizing the fact that the carbides of Ti and nitrides of Ti precipitated during reheating during welding are not dissolved, and the brittleness of the weld joint is reduced. It is an effective ingredient for preventing the formation of the compound. However, if the content is less than 0.0050%, the effect is small, and if it is added more than 0.0500%, coarse Ti carbides and Ti nitrides are generated, and the ductility and toughness of the rail, and in addition, the resistance to internal resistance is increased. The amount of Ti was limited to 0.0050 to 0.0500% because the fatigue damage was significantly reduced.
[0029]
Mg combines with O, or S or Al to form a fine oxide, suppresses the growth of crystal grains during reheating during rail rolling, refines austenite grains, and achieves a pearlite structure. Is an element effective for improving the ductility of the steel. Further, MgO and MgS finely disperse MnS, form a thin band of Mn around MnS, and contribute to generation of pearlite transformation. As a result, by reducing the pearlite block size, the ductility of the pearlite structure is reduced. It is an element effective for improving. However, if the content is less than 0.0005%, the effect is weak. If the content is more than 0.0200%, a coarse oxide of Mg is generated, and the ductility and toughness of the rail and the resistance to internal fatigue damage are reduced. , Mg content was limited to 0.0005 to 0.0200%.
[0030]
Ca has a strong bonding force with S, forms a sulfide as CaS, and furthermore, CaS finely disperses MnS, forms a thin band of Mn around MnS, and contributes to the generation of pearlite transformation, As a result, the element is effective for improving the ductility of the pearlite structure by reducing the pearlite block size. However, if the content is less than 0.0005%, the effect is weak, and if it is added more than 0.0150%, a coarse oxide of Ca is generated, and the ductility and toughness of the rail, and the internal fatigue damage resistance are reduced. And the amount of Ca was limited to 0.0005 to 0.0150%.
[0031]
Al is an essential component as a deoxidizing material. Further, it is an element that shifts the eutectoid transformation temperature to the high temperature side, and at the same time, shifts the eutectoid carbon concentration to the high carbon side, and prevents a decrease in toughness by increasing the strength of the pearlite structure and suppressing the formation of the proeutectoid cementite structure. If it is less than 0.0040%, its effect is weak, and if it exceeds 1.00%, it becomes difficult to form a solid solution in steel, and coarse alumina-based inclusions that become the starting point of fatigue damage Is generated, and the ductility and toughness of the rail, and the resistance to internal fatigue damage are reduced. In addition, an oxide was formed during welding and the weldability was significantly reduced, so the Al content was limited to 0.0040 to 1.00%.
[0032]
Zr is ZrO 2 Since the inclusions have good lattice matching with γ-Fe, γ-Fe becomes the solidification nucleus of the high-carbon rail steel that is the primary solidification crystal, and the equiaxed crystallization ratio of the solidification structure is increased, so that the center of the slab is increased. Is an element that suppresses the formation of segregation zones and suppresses the formation of a pro-eutectoid cementite structure that is harmful to the toughness of the rail. However, if the Zr content is less than 0.0001%, ZrO 2 The number of system inclusions is small and does not show sufficient action as coagulation nuclei. As a result, the effect of suppressing the formation of the proeutectoid cementite structure is reduced. On the other hand, if the Zr content exceeds 0.2000%, a large amount of coarse Zr-based inclusions are generated, and the ductility of the rail is reduced, and internal fatigue damage starting from the coarse Zr-based inclusions is likely to occur. As a result, the service life of the rail is reduced. For this reason, the amount of Zr was limited to 0.0001 to 0.2000%.
[0033]
Rail steel composed of the above composition is melted in a commonly used melting furnace such as a converter or an electric furnace, and the molten steel is ingot-formed, lumped or continuously cast, and further hot-rolled. Is manufactured as a rail.
[0034]
Next, heat treatment is applied to the hot-rolled rail that holds high-temperature heat or the rail head that has been reheated to a high temperature for the purpose of heat treatment, thereby stabilizing the pearlite structure with high hardness on the rail head. It is possible to generate it in a targeted manner.
[0035]
In the above process, in order to reduce the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC) at the center of the neutral axis of the rail column, in regard to continuous casting, (1) optimization under light pressure by adjusting the casting speed, etc. {Circle around (2)} Refinement of the solidification structure by reducing the casting temperature is effective. As for the rail heat treatment, (3) a method of performing accelerated cooling of the pillar portion in addition to the rail head is effective. Furthermore, in order to further reduce the number of intersecting lines (NC) of proeutectoid cementite, a combination of the above-mentioned continuous casting and heat treatment, Al which has an effect of suppressing the formation of proeutectoid cementite structure, and Zr which makes the solidification structure finer, are used. The addition is effective.
[0036]
(2) Method of emergence of proeutectoid cementite structure in rail column
A method for producing a proeutectoid cementite structure described in claim 1 will be described. First, the cross section of the rail column is diamond-polished. Subsequently, the surface to be polished is immersed in sodium hydroxide picrate solution to reveal a proeutectoid cementite structure. The appearance conditions require some adjustment depending on the condition of the polished surface, but basically, immersion at a liquid temperature of 80 ° C. for about 120 minutes is desirable.
[0037]
(3) Propagation method of pro-eutectoid cementite structure and measurement method of number of pro-eutectoid cementite intersecting lines
Next, the method for measuring the number of pro-eutectoid cementite intersecting lines (NC) described in claim 1 will be described. Since pro-eutectoid cementite is formed at the former austenite crystal grain boundary (line γ in FIG. 2), the center of the neutral axis of the rail column where the pro-eutectoid cementite structure appears is observed with an optical microscope. That is, the number of intersections of the proeutectoid cementite structure (γ) that intersects the 300 μm line segment (X, Y) orthogonal to the view magnification of 200 times is counted. FIG. 2 shows a schematic diagram of this measuring method. The number of intersecting pro-eutectoid cementite structures was the sum of the number of intersecting orthogonal 300 μm segments X and Y ([Xn = 4] + [Yn = 7]). In addition, as for the observation visual field, it is desirable to perform observation in at least five visual fields and take the average value as a representative value, considering the variation of the proeutectoid cementite structure due to the intensity of segregation.
[0038]
(4) Formula for calculating CE value
In claim 1, the reason for defining the equation for obtaining the CE value as described above will be described. The formula for calculating the CE value is to investigate the relationship between the toughness of the column and the state of formation of the proeutectoid cementite structure using a steel rail with a high carbon content pearlite structure. The relationship between the number of pro-eutectoid cementite intersection lines (NC) as a threshold value and the chemical composition (mass%) of the steel rail was determined by multiple correlation. The correlation equation (Equation 1) is shown below.
CE = 60 [mass% C] -10 [mass% Si] +10 [mass% Mn] +500 [mass% P] +50 [mass% S] +30 [mass% Cr] -54 ... 1
The coefficient of each chemical component represents the degree of contribution of the rail column to the formation of the cementite structure, + indicates a positive correlation,-indicates a negative correlation, and the absolute value of the coefficient indicates the magnitude of the contribution.
[0039]
In addition, the CE value calculated by the above equation is a natural number obtained by rounding off the last digit below the decimal point. Note that the CE value may be 0 or negative depending on the combination of the above-described chemical components. Regarding a component system in which the CE value is 0 or negative, even if the chemical component composition is within the above-mentioned limited range, it is not covered by the claims of the present invention.
[0040]
The metal structure of the pillar and the head of the rail of the present invention is based on a pearlite structure. However, depending on the component system of the rail and the heat treatment manufacturing method, a small amount of proeutectoid ferrite structure, proeutectoid cementite structure, bainite structure and martensite structure are mixed in the rail column, head surface, and part of the inside of the head. Sometimes. However, even if these structures are mixed, the basic performance of the rail and the toughness and ductility of the rail are not significantly affected. This includes the mixture of microstructure, proeutectoid cementite microstructure, bainite microstructure and martensite microstructure.
[0041]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described.
Table 1 shows the chemical composition of the rail steel of the present invention, the CE value obtained from the chemical composition from the chemical composition, the production state of the slab before rolling, the cooling method during the heat treatment of the rail, the microstructure of the column part, and the proeutectoid cementite structure of the column part. This shows the generation status of.
[0042]
Table 2 shows the chemical composition of the comparative rail steel, the CE value obtained from the chemical composition from the chemical composition, the production state of the cast slab before rolling, the cooling method during the heat treatment of the rail, the microstructure of the column, and the cementite microstructure of the column. Indicates the generation status.
[0043]
The configuration of the rail is as follows.
・ Rail steel of the present invention (10) Symbols A to J
Within the above component range, the number of pro-eutectoid cementite structures in the rail column portion is reduced, wherein the number (NC) of columnar pro-eutectoid cementite structures does not exceed the CE value calculated from the chemical component values. rail.
・ Comparative rail steel (10 pieces) Codes K to T
Symbols K to P: comparative rail steels (6 pieces) in which the added amounts of C, Si, Mn, P, S and Cr are out of the above-mentioned claims.
Symbols Q to T: Comparative rail steels in which the number (NC) of columnar proeutectoid cementite structures exceeds the CE value calculated from the chemical component values within the above component ranges.
[0044]
Here, the drawings in this specification will be described. FIG. 1 shows a region (shaded portion) where a pro-eutectoid cementite structure is formed along the segregation zone. FIG. 2 schematically shows a method for evaluating the state of formation of a proeutectoid cementite structure.
[0045]
As shown in Table 2, the rail steel of the present invention (symbols: A to J) has a larger amount of C, Si, Mn, P, S, and Cr than the comparative rail steels (symbols: K to P). By keeping the content within a certain range, the proeutectoid cementite structure (the number of cementite intersecting lines: NC) generated in the column portion could be reduced to the CE value or less.
[0046]
Further, by optimizing under light pressure at the time of casting and cooling the rail column portion, the proeutectoid cementite structure (the number of cementite intersecting lines: NC) generated in the column portion could be reduced to a CE value or less.
[0047]
As described above, the addition amounts of C, Si, Mn, P, S, and Cr are kept within a certain range, and furthermore, optimization of light pressure at the time of casting and cooling of the rail column portion are performed, so that the column portion is formed. The proeutectoid cementite structure (the number of cementite intersecting lines: NC) generated in the steel sheet was reduced to a CE value or less, and a decrease in toughness of the rail column portion was prevented.
[0048]
[Table 1]
Figure 2004043863
[0049]
[Table 2]
Figure 2004043863
[0050]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in a high-carbon content pearlite rail used in heavy-load railways, the generation amount of proeutectoid cementite structure in the rail column is reduced, and the toughness of the rail column is reduced. Can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing a region where a pro-eutectoid cementite structure is formed along a segregation zone.
FIG. 2 is a diagram schematically showing a method for evaluating the state of formation of a proeutectoid cementite structure.

Claims (9)

質量%で、
C :0.90〜1.20%、
Si:0.10〜2.00%、
Mn:0.10〜2.00%、
Cr:0.05〜2.00%、
P ≦0.030%、
S ≦0.025%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼レールのレール柱部の中立軸中央部において、直行する長さ300μmの線分と交差する初析セメンタイト組織の本数(NC:初析セメンタイト交線数)が、下式で示される値(CE)に対して、NC≦CEであることを特徴とするレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
CE=60〔mass%C〕−10〔mass%Si〕+10〔mass%Mn〕+500〔mass%P〕+50〔mass%S〕+30〔mass%Cr〕−54
In mass%,
C: 0.90 to 1.20%,
Si: 0.10 to 2.00%,
Mn: 0.10-2.00%,
Cr: 0.05-2.00%,
P ≦ 0.030%,
S ≦ 0.025%
The number of proeutectoid cementite microstructures (NC: proeutectoid cementite intersecting) intersecting with a straight line having a length of 300 μm at the center of the neutral axis of the rail column portion of the steel rail containing Fe and unavoidable impurities. A line (number of lines), wherein NC ≦ CE with respect to a value (CE) represented by the following formula, wherein the rail has a reduced amount of proeutectoid cementite structure in the rail column portion.
CE = 60 [mass% C] -10 [mass% Si] +10 [mass% Mn] +500 [mass% P] +50 [mass% S] +30 [mass% Cr] -54
前記鋼レールに、質量%で、さらに、
Mo:0.01〜0.50%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
On the steel rail, in mass%,
Mo: 0.01 to 0.50%
2. The rail according to claim 1, wherein the amount of the primary eutectoid cementite structure in the rail column portion is reduced. 3.
質量%で、さらに、
V :0.005〜0.50%、
Nb:0.002〜0.050%
の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
V: 0.005 to 0.50%,
Nb: 0.002 to 0.050%
The amount of formation of the pro-eutectoid cementite structure of the rail column part according to any one of claims 1 to 2, wherein the composition comprises one or two of the following, and the balance consists of Fe and inevitable impurities. Rail.
質量%で、さらに、
B :0.0001〜0.0050%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
B: 0.0001 to 0.0050%
The rail according to any one of claims 1 to 3, wherein the rail comprises a rail column having a reduced amount of a pro-eutectoid cementite structure, the balance comprising Fe and unavoidable impurities.
質量%で、さらに、
Co:0.10〜2.00%、
Cu:0.01〜1.00%
の1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
Co: 0.10-2.00%,
Cu: 0.01-1.00%
The amount of the pro-eutectoid cementite structure of the rail column part according to any one of claims 1 to 4 is reduced, comprising one or two of the following, with the balance being Fe and unavoidable impurities. Rail.
質量%で、さらに、
Ni:0.01〜1.00%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
Ni: 0.01 to 1.00%
The rail according to any one of claims 1 to 5, wherein the rail column part has a reduced amount of a pro-eutectoid cementite structure, the balance comprising Fe and inevitable impurities.
質量%で、さらに、
Ti:0.0050〜0.0500%、
Mg:0.0005〜0.0200%、
Ca:0.0005〜0.0150%
の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
Ti: 0.0050 to 0.0500%,
Mg: 0.0005 to 0.0200%,
Ca: 0.0005 to 0.0150%
The amount of the pro-eutectoid cementite structure of the rail column portion according to any one of claims 1 to 6, wherein one or two or more types are contained, and the balance consists of Fe and inevitable impurities. Reduced rail.
質量%で、さらに、
Al:0.0040〜1.00%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
Al: 0.0040 to 1.00%
The rail according to any one of claims 1 to 7, wherein the rail column portion has a reduced amount of a pro-eutectoid cementite structure, the balance comprising Fe and unavoidable impurities.
質量%で、さらに、
Zr:0.0001〜0.2000%
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のレール柱部の初析セメンタイト組織の生成量を低減したレール。
Mass%,
Zr: 0.0001 to 0.2000%
The rail according to any one of claims 1 to 8, wherein the rail column portion has a reduced amount of a pro-eutectoid cementite structure, the balance comprising Fe and inevitable impurities.
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