JP2004042243A - 電動ドリルの削孔用アタッチメント及び電動ドリル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アタッチメントは、電動ドリルに取り付けられ、円筒状面からの対象物の削孔を補助する電動ドリルの削孔用アタッチメントであり、ドリルの出力軸近傍に接続され、出力軸端に設けた削孔ビットを円筒状面に当て、ドリル本体に推力を加えて円筒状面を削孔させる際に、削孔ビットの削孔軸心を設定する削孔ビットの芯出し手段を含む。芯出し手段は、対象物の曲面に対して削孔ビットが当る部分を削孔位置として一定に保持し、円滑、確実、短時間の竹材等円筒状面を有する素材への削孔を行なう。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、竹材、木材その他の円筒状面を有する対象物への削孔時に用いられる電動ドリルの削孔用アタッチメント及び電動ドリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、竹材、木材需要の減少に加え、管理者の老齢化ともあいまって、竹林や山林の荒廃が全国的に大きな社会問題になりつつあり、他方では、竹炭や木炭の大きな比表面積から吸臭効果や吸湿効果とともに、リラクゼーション効果等について多くの有効な実用上の実証がなされ、現実には、それらの竹材等の有効な利用に向けての供給が不足しているとも言える。そのうちの例えば竹材資源の確保について例をとると、竹材は通常、急傾斜地や起伏の多い山間地形に自生しており、これらを切り出す場合には鋸やチェーンソーを用いて伐採対象の竹を根部付近で切断し、数十キログラムあるいは100キログラム程にも達する竹を複数人で担いだり、あるいは作業者が一端側を把持して引き摺りながら搬送車へと運搬して搬出させていた。しかしながら、このような重量物をしかも切り株、竹根が点在し日照が届かない暗い竹林内から引き出す作業は労力が大きく、危険であり、しかも作業時間がかかり、非効率的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
出願人は、このような竹林等からの竹材の搬出について、ウインチ等を用い、その牽引力を利用して直引きし、この際に、予め素材の直径方向両端側を削孔し、切断後、その孔にフック等で係止させて牽引する方法を特願2002−344871号において示唆した。ところで、竹材としては苦竹(まだけ)、淡竹(はちく)、孟宗竹等があり、特に、孟宗竹は本州中部以南で多く採取される。この孟宗竹は、直径20cm、高さ20mにも達し、節間が短く、かつ肉厚が厚い。さらに、表面を含む素材自体が極めて硬く、強靭で加工しにくいものである。したがって、この孟宗竹を伐採時に切断するについても、チェーンソーが刃こぼれし切断時間もかかるうえに、切断後焼成釜内に配備させやすい例えば60cm程度の長さに分割切断させる作業も労力、作業時間がかかり、かつ、その機器の保守にも手間がかかる実状である。このような孟宗竹について、立位のままで削孔する場合、電動ドリルによるが、上述のように、素材が硬く、しかも肉厚でありかつ円筒状の面となっているため、削孔始めにドリルの削孔ビットが所定の位置に安定して穿刺されにくく、しかもドリル本体に推力を加えて削孔作業を進める段階においても削孔からビットが飛び出しやすく不安定で危険であり、さらにはビットやその支持用ロッドの破損、作業時間並びに労力がかかるという問題があった。また、切断して切り倒した後に削孔するとしても対側位置への削孔のためには重量長尺素材の反転作業が必要でさらに、上述のような削孔作業に伴う欠点があった。このような電動ドリルによる削孔作業を安定して、安全に、かつ短時間で軽易に行なえる電動ドリルが従来はなく、これらの課題を解決し得る電動ドリルあるいはそのアタッチメントの出現が待望されていた。
【特許文献】特願2002−344871号
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、円筒状面を有する対象物の削孔作業を安定して、安全に、かつ短時間で軽易に行なうことのできる電動ドリルの削孔用アタッチメント及びそれを備えた電動ドリル装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、電動ドリルに取り付けられ、円筒状面からの対象物の削孔を補助する電動ドリルの削孔用アタッチメントであり、ドリルの出力軸近傍に接続され、出力軸端に設けた削孔ビットを円筒状面に当て、ドリル本体に推力を加えて円筒状面を削孔させる際に、削孔ビットの削孔軸心を設定する削孔ビットの芯出し手段を含む電動ドリルの削孔用アタッチメントから構成される。削孔を行なう対象物は、竹材、木材、コンクリート柱、金属柱、その他任意の対象でも良い。特に、伐採作業に際しての切断前の竹材や木材等の削孔に用いて有効である。対象物は円筒面を有するものに限らず、楕円面、放物面、球面などの場合でも有効である。芯出し手段は、対象物の曲面に対して削孔ビットが当る部分を削孔位置として一定に保持するものであるから削孔ビットの案内手段、位置決め手段、あるいは支持手段としても機能する場合が多い。
【0006】
芯出し手段は、対象物の円筒状面に沿って挟持状に当てがわれる一対の挟持子を含む構成とするとよい。円筒状面を挟み付けるようにあてがうことにより、構造の簡単化、軽量化が図れる。挟持子は金属板バネやある程度の硬度を有する弾性の合成樹脂素材等で形成してもよい。形状は、円筒状面に沿ってあてがわれる形状であれば任意に設定してよい。挟持子は、芯出しを円滑にかつ精度よく行なううえでは円筒状面に密着し得る面を有するものであるのが好ましい。
【0007】
アタッチメントは、ドリル本体と前記一対の挟持子間に介装され、ドリル本体と各挟持子間を弾性的に接続する弾性手段を設けると良い。芯出し手段による芯出し状態から、さらにその状態を維持しながら削孔ビットを削進させるようにできるので一連の削孔作業を円滑に行なえる。弾性手段としては、ゴム部材などを用いてもよく、あるいはコイルバネ、板バネ、それらとゴム部材との組み合わせによる弾性機構として構成してもよい。
【0008】
より好ましくは、弾性手段は、その内部であって軸方向に出力軸を挿通させ先端側に前記一対の挟持子を連結させたコイルバネから構成するとよい。
【0009】
さらに、アタッチメントには、前記一対の挟持子による芯出し状態で電動ドリルの出力軸の軸心方向移動を案内する案内機構を設ける とよい。
【0010】
さらに、前記一対の挟持子は、削孔ビットを中央に配し先端側を相互に近接方向に付勢しつつハ字状に拡開させて設けられた弾発付勢部材からなるようにするとよい。
【0011】
また、本発明は、上記の構成を備えた削孔用アタッチメント10を取り付けた電動ドリル装置から構成される。円筒状面を有する対象物の削孔作業を安全に、かつ簡単で安定して短時間で行なえる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る電動ドリルの削孔用アタッチメント及び電動ドリル装置の実施の形態について説明する。本発明の電動ドリルの削孔用アタッチメント及び電動ドリル装置は、竹材、木材、コンクリート柱材、金属材等の円筒状面を有する対象物に削孔させる際の電動ドリルに取り付けられるアタッチメント及びそれを備えた電動ドリルであり、特に、伐採時の竹材や木材の牽引搬送の際にウインチ等から延長させたワイヤ端部を係止させるための孔を削孔させる際に用いて好適なアタッチメントあるいは装置である。なお、対象物は円筒面のみならず、楕円面、放物面、あるいは球面を有する場合についても本アタッチメントあるいは装置を適用し得る。
【0013】
図1ないし図5は本発明の実施形態に係る電動ドリルの削孔用アタッチメント及び電動ドリル装置を示している。本実施形態では、主にそのアタッチメントを中心として説明し、合わせてそれを装着した電動ドリル装置についても述べる。本実施形態では、例えば伐採切断する前の立位状態の孟宗竹Mに削孔する場合の適用について説明している。
【0014】
図1、図2において、電動ドリル本体100の出力軸側に電動ドリルの削孔用アタッチメント(以下「アタッチメント」という)10が装着されている。電動ドリル本体100は、図示しない電源から電力供給させるためのコード102に接続され、レバースイッチ104を有するハンドル106と、ハンドル上部に連結されて供給された電力を介して回転出力を生成する機構部を内蔵した機構ケース108と、機構ケース108の前部109から突出状に接続させた出力軸110と、を備え、ハンドル106と機構ケース108とが銃体状に連結形成されている。そして、機構ケース108の前部109であって出力軸110に沿った部分にアタッチメント10が着脱可能に取り付けられている。
【0015】
図4にも示すように、電動ドリル本体100の前部109にはロッド装着孔径を大小調整自在なチャック機構112が設けられ、該チャック機構112の装着孔に装着支持されて出力軸としてのロッド114が連結接続されている。そして、このロッド114の先端側に所望の構造、あるいは形状の削孔ビット116が取り付けビス等を介して着脱可能に取り付けられる。
【0016】
本実施形態において、アタッチメント10は、図1、図2に示すように対象物としての竹材Mの円筒状面に沿ってあてがわれる一対の挟持子12a、12bと、ドリル本体100と各挟持子間を弾性的に接続するコイルバネ14と、を備えている。特に、本実施形態では、ドリル本体に装着されるコイルバネ14が直接に一対の挟持子12a、12bを先端側に連結支持させている。
【0017】
図1、図2、図4において、コイルバネ14の一端側にコイル周形状と略同じ周囲大きさの帯板状の取付環16が固定され、このコイルバネ14に固定した取付環16の内側を出力軸110及びチャック機構112に挿通させ、その状態で、該取付環16が、固定ボルト18を介してドリル本体100の前部109に着脱可能に固定されている。すなわち、本実施形態において取付環16はドリル本体100の機構ケースの前部109に外部から被嵌し得る程度の円形帯環で構成されている。この取付環16は、アタッチメント10全体をドリル本体100に着脱可能に固定させる着脱固定手段であり、着脱固定手段としては形状、構造は、この実施形態のように環体として構成される必要はなく、ドリル本体に対して挟み付け、嵌合、挿入ロック、その他の方法により固定させたり、ドリル本体側に連結用の凹部あるいは凸部、さらには取り付け用の中間支持体を取り付けておいて、それに対して固定させるようにしてもよい。この実施形態では、直接的にはコイルバネ支持用の単なる環部材として構成しているが、削孔ビット側にフレームあるいはケース体を突設させ、それらのフレームやケース体により挟持子12の支持及び挟持子とドリル本体との少なくとも近接方向に対して弾発付勢する弾性手段の支持及び案内構造体として構成してもよい。
【0018】
コイルバネ14は、ドリル本体100と各挟持子12間を弾性的に接続する弾性手段であり、一対の挟持子12を対象物の円筒状面にあてがって円筒状面に対する電動ドリルの出力軸の位置を決めた状態を維持しながらその近接方向に対する弾発付勢力に抗してドリル本体を竹材側に押し付けて削孔ビットによる削進を行なわせる。上述のように、本実施形態では、コイルバネ14の先端側に一対の挟持子12を取り付けて直接に支持しており、したがって、対象物の円筒状面に対する削孔ビット116の位置決めからその状態での削孔ビットの削進への移行を連続して円滑に実現し得る。コイルバネ14は、取付環16と同様に機構ケースの前部109に外部から嵌合し得る程度の直径大きさのコイルバネからなり、その内部にドリルのチャック機構112及び出力軸110を収納し該出力軸110の先端側が突出する程度の原形長さに設定されている。そして、このコイルバネ14は、軸方向の圧縮力に対する押しバネとして作用する。
【0019】
このコイルバネ14の先端側には円盤状の取付枠20が固定され、さらに取付枠20には図3に示すように、軸受ベース22に内設された軸受24が取付枠20の開口と軸心を合わせるように固定されている。そして、チャック機構112に基端側を締めつけ固定された出力軸としてのロッド114が先端を取付枠20及び軸受24を貫通させて配置され、これによって、コイルバネ14に支持された軸受24に軸支された状態となっている。軸受24は、後述する一対の挟持子12による芯出し状態で電動ドリルの出力軸110の軸心方向移動を案内する案内機構26の主要部を構成する。案内機構26は、一対の挟持子12の出力軸110に対する挟持所定位置である例えば挟持中央部に出力軸の先端の削孔ビット116が保持されるように位置を決めて芯出しした状態でその出力軸、ひいては削孔ビットの軸芯移動を案内する手段である。
【0020】
そして、軸受ベース22に一対の挟持子12a、12bが固定されている。一対の挟持子12a、12bは、ドリルの出力軸110近傍に接続され、出力軸端に設けた削孔ビット116を円筒状面Lに当て、ドリル本体100に推力を加えて円筒状面を削孔させる際に、削孔ビットの削孔軸心を設定する削孔ビットの芯出し手段である。特に、本実施形態では、一対の挟持子12はドリル本体100と各挟持子12間を弾性的に付勢するコイルバネ14に連結され、コイルバネと協働して円筒状面に対する電動ドリルの出力軸の位置を決めた状態を維持しつつ削孔ビットによる削進を連続的かつ円滑に行なわせる。
【0021】
一対の挟持子12a、12bは、対象物の円筒状面に沿って挟持状に当てがわれ、それらの幅方向中央位置において削孔ビット116の先端が円筒状面Lに当るように設定する。本実施形態において、一対の挟持子12は、先端側を相互に近接方向に付勢しつつハ字状に拡開させて設けられた弾発付勢部材から構成されている。この弾発付勢部材として本実施形態では、帯状板バネ部材が用いられており、図2、図5に示すように通常の原形状態では鎖線示のように対象物の直径よりも小さな挟持間隔Hを有して、それらの先端部を対象物の円筒状面に当ててドリル本体100を押し付けるとその弾発力に抗して間隔Hが押し開かれ、両挟持子の板面が円筒状面Lに密着するようになっている。本実施形態では、図2、図5のように、これらの一対の挟持子12a、12bは、中央部に軸受ベース22に対する固定用凹部28を設けた一枚の長い帯板部材を曲げ加工して両端側をハ字状に拡開させて形成し、固定用凹部28において軸受ベース22にビス等で固定されている。本実施形態では各挟持子12の先端側は竹材の円筒状面に対する押し付け方向に対して反転するようにしだいに曲成されており、これにって、竹材の直径大きさ、あるいは挟持子の挟持間隔Hに関わらず挟持子を円筒状面にあてがって密着させやすいようにしている。各挟持子12a、12bは、先端側を相互に近接方向に板バネ状に付勢する。そして、固定用凹部28の中央位置には出力軸110が挿通する孔が設けられている。これによって、一対の挟持子12とコイルバネ14とが一体的に組み付けられ、アタッチメント10を構成している。一対の挟持子12a、12bは、別体の帯板部材をそれぞれコイルバネあるいはフレーム部材等に連結固定させたものでも良い。
【0022】
一対の挟持子12は、実施形態では板バネ部材から構成しているが、拡開端側を近接方向に復元させる素材であればよく、例えば弾発用の付勢バネを介して一端側を枢支させた円弧状板部材を組み付けて構成したものでも良い。図6は、挟持子の他の実施例構成を示しており、例えば同図(イ)のように、板バネ部材の表面にゴムや摩擦係数の高い合成樹脂材、その他の素材121を被覆させて組み合わせた構成としたり、あるいは、同図(ロ)のように、ある程度の強度と硬度を有するゴム部材122等で構成してもよい。円筒状面と接触する部分が摩擦係数の高い素材である方が芯出し手段としての挟持子の対象物に対する把持力を高くさせるからより好適である。
【0023】
一対の挟持子12の具体的形状、構造は任意である。すなわち、帯板状とすることなく、円筒状面に沿って対象物の円筒軸心方向に長く構成してもよいし、具体的な形状は任意に設定し得る。
【0024】
アタッチメント10の電動ドリルに対する組付に際しては、図4に示すように、削孔ビット116の基部側と出力軸としてのロッドの先端側に嵌合部材117、118を形成させ、出力軸をアタッチメント10に挿通させて軸受ベース22から出力軸の先端側を突出させた状態でそれらを雌雄嵌合させ、固定ビス30を介して固定させるようにしている。
【0025】
次に、本実施形態のアタッチメントの作用について説明すると、チャック機構112で出力軸110を締めつけ固定させた状態で、図4のように、取付環16をドリル本体100の前部109に装着し、一対の挟持子12とコイルバネ14と取付環16とを一体化させたアタッチメント10を電動ドリル本体に装着させる。その際、出力軸110を軸受24に挿通させ軸支させた状態で先端側を突出させるようにセットする。その後、削孔ビット116を取り付けて使用可能状態とさせる。
【0026】
ドリル本体のハンドル106を作業者は把持して竹材Mの円筒状面Lに挟持子12を当て、そのままドリル本体を押し付けると図2、図5のように挟持子は弾発力に勝る力を加えられて鎖線示から実線示のように先端側を拡開させ、ついには挟持子の板面が円筒状面Lに密着する。この際、一対の挟持子の中央側の出力軸及び削孔ビットは、芯出しされて円筒状面に対して所定の幅方向中央位置で削孔ビット116が位置するように維持される。その状態から、コイルバネ14の付勢力に抗してドリル本体に推力を加えると、削孔ビットの芯出しが維持された状態で削孔ビットのみが竹材側に削進する。したがって、作業者は、切断する前の立位の竹材に対して単に電動ドリル本体を押し付け、さらに推力を加えるだけで確実、かつ安全に削孔を行なえる。なお、削孔作業自体は、竹材等の立位のまま行なってもよいし、切断後に削孔させるようにしてもよい。
【0027】
以上説明した本発明の電動ドリルの削孔用アタッチメント及び電動ドリル装置は、上記の実施の形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲における変更も本発明に含まれる。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明した様に、本発明に係る電動ドリルの削孔用アタッチメントによれば、電動ドリルに取り付けられ、円筒状面からの対象物の削孔を補助する電動ドリルの削孔用アタッチメントであり、ドリルの出力軸近傍に接続され、出力軸端に設けた削孔ビットを円筒状面に当て、ドリル本体に推力を加えて円筒状面を削孔させる間中、削孔ビットの削孔軸心を設定する削孔ビットの芯出し手段を含むから、円筒状面を有する対象物の削孔作業を安全に、かつ簡単で安定して短時間で行なうことが可能である。したがって、特に竹林や山林等での竹材、木材等の切り出し作業において有効に適用され得る。
【0029】
また、芯出し手段は、対象物の円筒状面に沿って挟持状に当てがわれる一対の挟持子を含む構成とすることにより、挟持子の中央側に削孔ビットを配したアタッチメントを構成して削孔ビットの芯出し構成を簡易に低コストで構成し得るとともに、故障が少なく、また、メンテナンスが簡単である。
【0030】
また、ドリル本体と前記一対の挟持子間に介装され、ドリル本体と各挟持子間を弾性的に接続する弾性手段が設けられた構成とすることにより、削孔ビットの芯出しをした状態から削進工程に円滑に移行でき、削孔作業時間を大幅に短縮化させ得る。
【0031】
さらに、弾性手段は、その内部であって軸方向に出力軸を挿通させ先端側に前記一対の挟持子を連結させたコイルバネからなる構成とすることにより、簡単な構成で、低コストにより削孔ビットの芯出しを維持しつつ削進工程を連続的に行なわせる構成を実現し得る。
【0032】
さらに、前記一対の挟持子による芯出し状態で電動ドリルの出力軸の軸心方向移動を案内する案内機構が設けられた構成とすることにより、アタッチメント全体を一体化させ、芯出し手段による芯出し構成を実現し得る。
【0033】
また、前記一対の挟持子は、削孔ビットを中央に配し先端側を相互に近接方向に付勢しつつハ字状に拡開させて設けられた弾発付勢部材からなる構成とすることにより、簡単な構成で削孔ビットの芯出しを確実に行なえる。
【0034】
また、本発明は、上記の削孔用アタッチメントを取り付けた電動ドリル装置から構成することにより、円筒状面を有する対象物の削孔作業を安全に、かつ簡単で安定して短時間で行なうことが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動ドリルの削孔用アタッチメントを電動ドリルに装着した状態の側面説明図である。
【図2】図1の平面説明図である。
【図3】図1の挟持子の正面側から見た説明図である。
【図4】図1の電動ドリルの出力軸部分を拡大して示した分解側面説明図である。
【図5】図1の挟持子の部分を拡大して示した平面構成兼作用説明図である。
【図6】挟持子の他の実施形態を示す平面構成兼作用説明図である。
【符号の説明】
10 アタッチメント、12a,12b 挟持子、14 コイルバネ、24 軸受、26 案内機構、H 挟持間隔、L 円筒状面、M 竹材、100 電動ドリル本体、110 出力軸、116 削孔ビット
Claims (7)
- 電動ドリルに取り付けられ、円筒状面からの対象物の削孔を補助する電動ドリルの削孔用アタッチメントであり、
ドリルの出力軸近傍に接続され、出力軸端に設けた削孔ビットを円筒状面に当て、ドリル本体に推力を加えて円筒状面を削孔させる際に、削孔ビットの削孔軸心を設定する削孔ビットの芯出し手段を含む電動ドリルの削孔用アタッチメント。 - 芯出し手段は、対象物の円筒状面に沿って挟持状に当てがわれる一対の挟持子を含む請求項1記載の電動ドリルの削孔用アタッチメント。
- ドリル本体と前記一対の挟持子間に介装され、ドリル本体と各挟持子間を弾性的に接続する弾性手段が設けられた請求項2記載の電動ドリルの削孔用アタッチメント。
- 弾性手段は、その内部であって軸方向に出力軸を挿通させ先端側に前記一対の挟持子を連結させたコイルバネからなる請求項3記載の電動ドリルの削孔用アタッチメント。
- 前記一対の挟持子による芯出し状態で電動ドリルの出力軸の軸心方向移動を案内する案内機構が設けられた請求項2ないし4のいずれかに記載の電動ドリルの削孔用アタッチメント。
- 前記一対の挟持子は、削孔ビットを中央に配し先端側を相互に近接方向に付勢しつつハ字状に拡開させて設けられた弾発付勢部材からなる請求項2ないし5のいずれかに記載の電動ドリルの削孔用アタッチメント。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の削孔用アタッチメントを取り付けた電動ドリル装置。
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JP3924698B2 (ja) | 2007-06-06 |
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