JP2004040716A - データ配信方法、並びに、情報処理装置、輻輳制限方法及び輻輳制限プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限し、最適な配信処理を実現する。
【解決手段】データ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置Tは、時刻jにおいて直接接続する情報処理端末装置をRjのそれぞれに対してデータ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を順次送信するとともに、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数sj及び情報処理端末装置Rjの台数で表される分木数Nからなる輻輳制限パラメータと、データを直接的又は間接的に受信する情報処理端末装置の全台数である送信端末数djとを算出し、これらの輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djを情報処理端末装置Rjのそれぞれに対して送信する。
【選択図】 図19
【解決手段】データ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置Tは、時刻jにおいて直接接続する情報処理端末装置をRjのそれぞれに対してデータ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を順次送信するとともに、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数sj及び情報処理端末装置Rjの台数で表される分木数Nからなる輻輳制限パラメータと、データを直接的又は間接的に受信する情報処理端末装置の全台数である送信端末数djとを算出し、これらの輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djを情報処理端末装置Rjのそれぞれに対して送信する。
【選択図】 図19
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法及び輻輳制限プログラム、並びに、データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する情報処理装置、データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法及び輻輳制限プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末機といった各種情報処理端末装置やその周辺機器を相互にワイヤレス接続するための近距離無線通信技術が開発されており、代表的なものとしては、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a,802.11bと称される無線LAN(Local Area Network)の他、いわゆるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))が着目されている。
【0003】
このような無線通信技術においては、所定台数のデバイスによってネットワークを構成し、当該ネットワークに属する各種デバイス間でデータの送受信を行うことができる。例えばブルートゥースにおいては、1台のマスタに対して最大7台のスレーブを接続することによって「ピコネット」と称される1つのネットワークを構成し、このピコネット内でデータの送受信を行うことができる。また、ブルートゥースにおいては、ピコネットを数珠つなぎにすることによって「スキャッタネット」と称されるさらに大規模なネットワークを構成することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような無線通信技術においては、複数の周波数帯域を略ランダムに切り替えて使用することによって同時通信を可能とするいわゆる周波数ホッピング方式を用い、同じ周波数帯域を用いながらも同時刻に複数の接続が存在する多重接続を行うことが可能である。
【0005】
しかしながら、このような方式においては、同時刻に存在する接続数が多くなるのにともない輻輳状態へと移行し、通信環境が極めて悪化する事態を招来する。そして、無線通信技術においては、輻輳状態が生じた場合には、通信を確立する過程やデータを送信する際のパケットの再送処理を行う機会が増加し、結果的に処理に大幅な遅延が生じることになる。
【0006】
なお、このような諸問題は、無線通信のみならず有線通信においても生じるものである。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができるデータ配信方法、並びに、情報処理装置、輻輳制限方法及び輻輳制限プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかるデータ配信方法は、一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法であって、データの配信元としての一の配信端末は、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定し、輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出し、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出した新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信し、配信端末からデータ、アドレスリスト、及び送信用輻輳制限パラメータを受信した受信端末は、受信した送信用輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに送信端末数に基づいて、接続を行う他の受信端末のそれぞれに対して送信すべきさらに新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該他の受信端末毎に算出し、当該他の受信端末に対して、少なくとも、データ、当該他の受信端末を介してデータの2次配信を行うさらに他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出したさらに新たな輻輳制限数及び分木数からなるさらに新たな送信用輻輳制限パラメータを送信することを特徴としている。
【0009】
このような本発明にかかるデータ配信方法は、配信端末から受信端末に対して、輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータを算出してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに送信し、これらのデータ、アドレスリスト、及び輻輳制限パラメータを受信した受信端末によって新たに輻輳制限パラメータを独自に算出し、他の受信端末に対して、データ、アドレスリスト、及び新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0010】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定手段と、この設定手段によって設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
このような本発明にかかる情報処理装置は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0012】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定工程と、この設定工程にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備えることを特徴としている。
【0013】
このような本発明にかかる輻輳制限方法は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0014】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定処理と、この設定処理にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備えることを特徴としている。
【0015】
このような本発明にかかる輻輳制限プログラムは、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行する。
【0016】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する情報処理装置であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信手段と、この受信手段によって受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
このような本発明にかかる情報処理装置は、受信手段を介して受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0018】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信工程と、この受信工程にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備えることを特徴としている。
【0019】
このような本発明にかかる輻輳制限方法は、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0020】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信処理と、この受信処理にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備えることを特徴としている。
【0021】
このような本発明にかかる輻輳制限プログラムは、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
この実施の形態は、例えばパーソナルコンピュータや携帯情報端末機といった複数台の情報処理端末装置から構成されるネットワークによって実現されるデータ配信システムである。このデータ配信システムは、ネットワークに属する1台の情報処理端末装置をデータの配信元としての配信端末とするとともに、他の情報処理端末装置をデータの配信先としての受信端末とし、配信端末とされる情報処理端末装置から受信端末とされる全ての情報処理端末装置に対してデータを配信する際に、データを送信するとともに他の情報処理端末装置に対するデータの2次配信の依頼を行うことにより、データを受信した情報処理端末装置を2次配信端末として動作させ、複数の通信を並列的に行うものである。これにより、データ配信システムは、配信処理に参加する情報処理端末装置をいわばネズミ算式に増加させることができることから、短時間で多数の情報処理端末装置に対して確実にデータを配信することができ、さらに、配信端末とされる特定の情報処理端末装置における電力消費の負荷を大幅に軽減することができるものである。
【0024】
ここで、このデータ配信システムは、同時刻における送信作業数を制限しない場合には、時間が経過するのにともない、同時刻において通信を行う情報処理端末装置が増加することになり、輻輳状態を生じる可能性が高い。
【0025】
そこで、データ配信システムにおいては、同時刻における情報処理端末装置間での通信数に対して制限値を設定することにより、輻輳を制限する。このとき、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置から受信端末とされる情報処理端末装置に対して、輻輳制限のために必要となるパラメータをデータとともに送信し、これらのデータ及びパラメータを受信した情報処理端末装置によって新たにパラメータを独自に算出し、他の情報処理端末装置に対してデータと新たなパラメータとを送信する。また、データ配信システムにおいては、全ての情報処理端末装置に対するデータの配信処理が完了する時間を、輻輳制限を考慮した上で最短にすることができ、データの送信遅延による輻輳の悪化を回避することができる。これにより、データ配信システムにおいては、余計なデータの送受信を行うことによる無駄を省き、極めて効率よく輻輳を制限した最適な配信処理を可能とするものである。
【0026】
以下では、本発明の外延を明確にすべく、まず、配信処理に参加する情報処理端末装置をいわばネズミ算式に増加させることができるデータ配信システムについて説明し、その後、このデータ配信システムにおける輻輳制限の手法について説明を行うものとする。
【0027】
データ配信システムは、図1に構成概念を示すように、あるネットワークに属する複数台の情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,・・・から構成される。このデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置101が配信端末とされ、この情報処理端末装置101から他の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・のそれぞれに対してデータが配信される。
【0028】
このとき、データ配信システムにおいて、配信端末たる情報処理端末装置101は、受信端末たる他の全ての情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・と接続を行うのではなく、直接的には所定数(以下、分木数という。)の情報処理端末装置と接続を行う。具体的には、情報処理端末装置101は、分木数を”2”とした場合には、情報処理端末装置102,103のそれぞれと1対1のハンドシェイク接続を行い、データの受信が確実に行われたか否かを確認しつつ、情報処理端末装置102,103のそれぞれに対してデータを配信する。これとともに、情報処理端末装置101は、情報処理端末装置102に対しては、情報処理端末装置104,105のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置103に対しては、情報処理端末装置106,107のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0029】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、2次配信端末とされ、分木数を”2”とし、受信端末たる情報処理端末装置104,105のそれぞれと1対1のハンドシェイク接続を行い、データの受信が確実に行われたか否かを確認しつつ、情報処理端末装置104,105のそれぞれに対してデータを配信する。これとともに、情報処理端末装置102は、情報処理端末装置104に対しては、図示しない他の情報処理端末装置への2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置105に対しては、図示しない情報処理端末装置への2次配信を依頼する。
【0030】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、2次配信端末とされ、分木数を”2”とし、受信端末たる情報処理端末装置106,107のそれぞれと1対1のハンドシェイク接続を行い、データの受信が確実に行われたか否かを確認しつつ、情報処理端末装置106,107のそれぞれに対してデータを配信する。これとともに、情報処理端末装置103は、情報処理端末装置106に対しては、図示しない他の情報処理端末装置への2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置107に対しては、図示しない情報処理端末装置への2次配信を依頼する。
【0031】
データ配信システムにおいては、このような動作を繰り返し行うことにより、情報処理端末装置101から配信されるデータを受信する情報処理端末装置がいわばネズミ算式に増加することになる。
【0032】
データ配信システムにおいては、このような方式を採用することにより、従来のデータ配信方法に比較して、短時間で多数の情報処理端末装置に対して確実にデータを配信することができる。
【0033】
具体的には、従来のデータ配信システムにおいては、図2(A)に示すように、1台の情報処理端末装置101から6台の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107へとデータを配信する場合には、情報処理端末装置101によって各情報処理端末装置102,103,104,105,106,107のそれぞれに対して順次データを送信する必要があることから、配信処理を終了するのに情報処理端末装置102,103,104,105,106,107の台数分である6ステップ分の時間を要することになる。また、従来のデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置101から6台の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107へとデータを配信する際に、いわゆるブロードキャストを行うこともできるが、この場合には、短時間で配信処理が終了するものの、各情報処理端末装置102,103,104,105,106,107がデータを受け取ったか否かについての確認を行うことができず、各情報処理端末装置102,103,104,105,106,107がデータを確実に受け取る可能性を高めるために、データの再送を行うこともあり、結果として短時間では配信処理が終了しないこともある。
【0034】
これに対して、図1に示した方式を採用するデータ配信システムにおいては、図2(B)に示すように、情報処理端末装置101から6台の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107へとデータを配信する場合には、各情報処理端末装置間でデータを受け取ったか否かについての確認を行いつつ、配信処理を4ステップ分の時間で終了することができる。
【0035】
特に、データ配信システムにおいては、各情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107がいわゆるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を用いた無線通信を行うものとして構成される場合には、複数の周波数帯域を略ランダムに切り替えて使用することによって同時通信を可能とするいわゆる周波数ホッピング方式を用い、同じ周波数帯域を用いながらも同時刻に複数の接続が存在する多重接続を行うことが可能である。したがって、データ配信システムは、この周波数ホッピング方式を用いる通信を行う際には、その性質を十分に発揮することができ、効率的に配信処理を実行することができる。
【0036】
また、データ配信システムにおいては、従来のデータ配信方法に比較して、電力消費の観点からも有効である。
【0037】
すなわち、従来のデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置102,103,104,105,106,107の台数分の通信に際する負荷が配信端末とされる情報処理端末装置101にかかることになるが、これに対して、図1に示した方式を採用するデータ配信システムにおいては、負荷を各情報処理端末装置に分散させることができる。
【0038】
以下、このようなデータ配信システムについて、より具体的に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、情報処理端末装置は、ブルートゥースを用いた無線通信を行うものとして説明する。
【0039】
まず、各情報処理端末装置について説明する。なお、上述した情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,・・・は、それぞれ、略同様の構成によって実現できることから、ここでは、情報処理端末装置10と総称するものとする。
【0040】
情報処理端末装置10は、例えば図3に示すように、略直方体状の筐体からなる外観を呈し、その正面SFに各種情報が表示される液晶ディスプレイ(LiquidCrystal Display;LCD)等からなる後述する表示部における表示画面11を設けて構成される。また、情報処理端末装置10においては、この表示画面11がタッチパネルとして構成され、表示されたGUI(Graphical User Interface)をユーザが操作可能に構成される。また、情報処理端末装置10は、少なくともデータを受信した旨や当該情報処理端末装置10の状態といった各種情報を音声出力によってユーザに通知するためのスピーカ12や、同様の情報を点灯及び/又は点滅によってユーザに通知するための発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等からなるランプ13を設けて構成される。なお、情報処理端末装置10は、ここでは図示しないが、スピーカ11による着信音等の音声出力を行うことができない状況の場合に、同様の情報をユーザに通知するために、必要に応じて、後述するバイブレータを内蔵し、同様の情報を振動によってユーザに通知するように構成される。さらに、情報処理端末装置10は、後述する輻輳制限用のパラメータである輻輳制限パラメータを設定するパラメータ設定モードへと状態を切り替えるための設定ボタン14と、受信したデータを他の情報処理端末装置に対して送信するデータ配信モードへと状態を切り替えるための配信ボタン15とを設けて構成される。
【0041】
このような外観を呈する情報処理端末装置10は、その内部回路構成として、例えば図4に示すように、上述したスピーカ12、ランプ13、設定ボタン14、及び配信ボタン15の他、各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)21と、上述した各種情報を表示する表示画面11に対する駆動デバイスとしての表示部22と、タッチパネルとして機能する表示画面11に対する駆動デバイスとしてのタッチパネル駆動部23と、音声を増幅するアンプ24と、上述したバイブレータ25と、ワークエリアとして用いられる例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等からなる一時記憶用メモリ26と、各種情報を保存するために用いられる例えばフラッシュメモリ等からなる保存用メモリ27と、他の情報処理端末装置との間でデータの送受信を行うためのブルートゥース・ユニット28とを備える。情報処理端末装置10においては、これらの各部のうち、少なくともCPU21、表示部22、タッチパネル駆動部23、一時記憶用メモリ26、保存用メモリ27、及びブルートゥース・ユニット28がバス29を介して相互に接続されて構成される。
【0042】
CPU21は、少なくともランプ13、設定ボタン14、配信ボタン15、アンプ24、及びバイブレータ25と接続し、これらの各部の動作を制御し、保存用メモリ27等に記憶されている各種プログラムを実行する。具体的には、CPU21は、データを受信した旨をユーザに通知する際に、ランプ13の点灯及び/又は点滅動作を制御する。また、CPU21は、データを受信した旨をスピーカ12からの音声出力によってユーザに通知する際に、アンプ24の利得を制御して着信音等の音量を制御する。さらに、CPU21は、データを受信した旨をバイブレータ25による振動によってユーザに通知する際に、バイブレータ25の振動動作を制御する。さらにまた、CPU21は、ユーザによって設定ボタン14が押下された場合には、パラメータ設定モードへと状態を切り替え、例えばユーザによるパラメータの設定を可能とするための所定のGUIを表示画面11に表示させる等の処理を行う。また、CPU21は、ユーザによって配信ボタン15が押下された場合には、データ配信モードへと状態を切り替え、後述する所定のGUIを表示画面11に表示させる等の処理を行う。さらに、CPU21は、表示部22、タッチパネル駆動部23、一時記憶用メモリ26、保存用メモリ27、及びブルートゥース・ユニット28とバス29を介して接続し、これらの各部の動作も制御する。
【0043】
表示部22は、CPU21の制御のもとに、後述するGUIを含む各種情報を表示画面11に表示させる。
【0044】
タッチパネル駆動部23は、CPU21の制御のもとに、タッチパネルとして機能する表示画面11に対するユーザの操作を受け付け、操作内容を示す制御信号をバス29を介してCPU21に供給する。
【0045】
アンプ24は、CPU21の制御のもとに、所定の着信音等の音声を増幅し、スピーカ12に供給する。
【0046】
バイブレータ25は、CPU21の制御のもとに、所定のパターン及び強度で振動する。
【0047】
一時記憶用メモリ26は、CPU21が各種処理を実行する際のワークエリアとして機能し、CPU21の制御のもとに、各種データを一時的に記憶する。
【0048】
保存用メモリ27は、各種プログラムを含む情報を保存を目的として記憶する。この保存用メモリ27に記憶されている情報は、CPU21の制御のもとに読み出される。
【0049】
ブルートゥース・ユニット28は、電波を授受するためのアンテナ28aと接続し、CPU21の制御のもとに、ネットワークを構成する他の情報処理端末装置との間で通信を行う。
【0050】
データ配信システムにおいては、このような各部を備える情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,・・・によってツリー状の配信経路が構成され、配信端末とされるツリー状の階層における最上位の情報処理端末装置101が保持する任意のデータが受信端末とされる下位の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・に対して配信される。以下では、配信端末とされる情報処理端末装置101に対してユーザが入力した文字列データを受信端末とされる他の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・に対して配信する場合の基本的な動作について説明する。
【0051】
この場合、配信端末とされる情報処理端末装置101は、ユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程と、この文字列データを配信する工程とを行う。
【0052】
まず、情報処理端末装置101は、ユーザによって配信ボタン15が押下されることによってデータ配信モードへと状態が移行すると、ユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程として、CPU21の制御のもとに、表示画面11に対して例えば図5に示すようなGUIを表示する。このGUIは、表示画面11がタッチパネルとして構成されていることから、ユーザがタッチペン等の入力デバイスを用いて表示画面11を接触することによって所定の事項が入力可能とされるものである。具体的には、このGUIは、入力可能とされる文字列が羅列されたソフトウェアキーボード31と、このソフトウェアキーボード31を介して入力された文字列を表示する入力文字列表示領域32と、例えば平仮名、片仮名、アルファベット又は数字といったソフトウェアキーボード31として羅列される文字列の種別を選択的に切り替えるための文字種別設定ボタン33と、入力文字列表示領域32に表示された文字列からなる文字列データを送信する送信ボタン34とから構成される。ユーザは、このようなGUIを用いて任意の文字列を入力することができる。例えば、ユーザは、3時から会議を開始する旨を他のユーザに対して通知したい場合には、例えば同図に示すように、”3ジニカイギ”といった文字列を入力する。ユーザは、ソフトウェアキーボード31を介して入力された文字列が入力文字列表示領域32に表示された状態で、送信ボタン34を押下することにより、当該文字列からなる文字列データの配信処理を開始する旨を情報処理端末装置101に対して指示する。
【0053】
続いて、情報処理端末装置101は、入力された文字列データを配信する工程を行う。具体的には、情報処理端末装置101は、図6及び図7に示す一連の工程を経ることにより、入力された文字列データを配信する。なお、ここでは、説明の便宜上、情報処理端末装置101は、先に図1に示したように、分木数が”2”である配信処理を行う場合について説明する。
【0054】
まず、情報処理端末装置101は、図6に示すように、ステップS1において、自己の電波到達範囲に受信端末となる情報処理端末装置があるか否かを探索する。
【0055】
そして、情報処理端末装置101は、ステップS2において、受信端末が全く発見できなかった場合には、ステップS3において、受信端末となる情報処理端末装置が発見できなかった旨を表示画面11に表示し、一連の工程を終了する。
【0056】
一方、情報処理端末装置101は、ステップS2において、受信端末が発見できた場合には、発見した情報処理端末装置のそれぞれからアドレスを取得し、ステップS4において、取得したアドレスからなるアドレスリストを作成する。
【0057】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS5において、上述した分木数に基づいて、作成したアドレスリストを分割し、複数のアドレスリスト(以下、分割アドレスリストという。)を作成する。具体的には、情報処理端末装置101は、先に図1に示した配信処理を行う場合には、分木数が”2”であることから、アドレスリストを2個に分割する。この場合、情報処理端末装置101は、アドレスリストに含まれるアドレスの個数がAn個であるものとすると、アドレスリストの先頭のアドレスからAn/2個目までのアドレスを一方の分割アドレスリストである分割アドレスリストL1とし、(An/2)+1個目のアドレスからAn個目までのアドレスを他方の分割アドレスリストである分割アドレスリストL2とする。一般的には、分木数を任意の自然数NNとし、アドレスリストに含まれるアドレスの個数がAn個であるものとすると、分割アドレスリストLNに含まれるアドレスは、アドレスリストにおける(An/NN)×(N−1)+1個目のアドレスから(An/NN)×N個目までのアドレスとなる。
【0058】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS6において、変数Nの値を”1”とする。なお、この変数Nは、ステップS5にて分割した2個の分割アドレスリストに上述したL1,L2と番号付けを行うためのものであり、情報処理端末装置101は、変数N=1とすることにより、1個目の分割アドレスリストである分割アドレスリストL1についての処理を行うことになる。
【0059】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS7において、分割アドレスリストLN(分割アドレスリストL1)の内容が空であるか否かを判定する。
【0060】
ここで、情報処理端末装置101は、分割アドレスリストLNの内容が空であるものと判定した場合には、図7中ステップS16へと処理を移行し、変数Nの値を”1”だけインクリメントし、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理へと移行する。
【0061】
一方、情報処理端末装置101は、分割アドレスリストLNの内容が空でないものと判定した場合には、ステップS8において、分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスで示される受信端末としての情報処理端末装置に対して接続を試みる。
【0062】
ここで、情報処理端末装置101は、ステップS9において、何らかの理由によって接続に失敗したものと判定した場合には、ステップS10へと処理を移行し、接続に失敗した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS7からの処理を繰り返す。
【0063】
一方、情報処理端末装置101は、ステップS9において、接続に成功したものと判定した場合には、ステップS11において、接続した受信端末としての情報処理端末装置が、図1に示した本データ配信方式に対応しているか否か、すなわち、2次配信の依頼に応じてデータを他の情報処理端末装置に対して送信することができるものであるか否かを判定する。これは、接続した受信端末としての情報処理端末装置が、単にブルートゥース・ユニット28を含む通信手段を搭載しているのみであり、本データ配信方式に対応していない可能性が想定されることによる。
【0064】
ここで、情報処理端末装置101は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応していないものと判定した場合には、ステップS12へと処理を移行し、当該受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS10において、接続を切断した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS7からの処理を繰り返す。
【0065】
一方、情報処理端末装置101は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応しているものと判定した場合には、図7に示すように、ステップS13において、送信すべきデータ、すなわち、上述したユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程にて入力された文字列データを接続した受信端末としての情報処理端末装置に対して送信するとともに、ステップS14において、2次配信の依頼内容を示す2次配信依頼情報を当該受信端末としての情報処理端末装置に対して送信する。
【0066】
ここで、2次配信依頼情報は、例えば図8に示すように、分割アドレスリストLNのうち、ステップS9にて接続に失敗した受信端末やステップS11にて本データ配信方式に対応していないものと判定された受信端末を示すアドレスとしてステップS10にて削除された残りのアドレスからなるアドレスリストを少なくとも含むものであり、ここでは図示しないが必要に応じて、上述した分木数等の2次配信に必要となる所定のパラメータを含むものである。
【0067】
そして、情報処理端末装置101は、データ及び2次配信依頼情報の送信を終了すると、ステップS15において、受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS16において、変数Nの値を”1”だけインクリメントする。
【0068】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS17において、全ての分割アドレスリストについての処理が終了したか否かを判定する。ここでは、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理を行っていないことから、情報処理端末装置101は、図6中ステップS7からの処理を繰り返す。そして、情報処理端末装置101は、全ての分割アドレスリスト(分割アドレスリストL1,L2)についての処理が終了したものと判定した場合には、そのまま一連の入力された文字列データを配信する工程を終了する。
【0069】
配信端末とされる情報処理端末装置101は、このようなユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程と、この文字列データを配信する工程とを行うことにより、先に図1に示した配信処理を行う場合には、受信端末とされる2台の情報処理端末装置102,103のそれぞれに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信する。情報処理端末装置101は、情報処理端末装置102に対しては、少なくとも情報処理端末装置104,105,・・・のアドレスを含む2次配信依頼情報を送信する一方で、情報処理端末装置103に対しては、少なくとも情報処理端末装置106,107,・・・のアドレスを含む2次配信依頼情報を送信する。
【0070】
一方、このような情報処理端末装置101から送信されたデータを受信する受信端末とされる情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・は、それぞれ、図9及び図10に示す一連の工程を経ることにより、データを受信し、さらに2次配信端末としての動作を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、本データ配信方式に対応している情報処理端末装置102が受信端末とされる場合における処理について説明する。
【0071】
まず、情報処理端末装置102は、図9に示すように、ステップS21において、情報処理端末装置101からのデータを受信したか否かを判定する。情報処理端末装置102は、データを受信していない場合には、データを受信するまで待機する一方で、データを受信した場合には、ステップS22において、受信したデータを上述した表示画面11に表示するとともに、アンプ24を介したスピーカ12からの着信音出力、ランプ13の点灯及び/又は点滅、及び/又はバイブレータ25による振動等により、ユーザに対してデータを受信した旨を通知する。
【0072】
続いて、情報処理端末装置102は、ステップS23において、情報処理端末装置101からの2次配信依頼情報を受信したか否かを判定する。情報処理端末装置102は、2次配信依頼情報を受信していない場合には、2次配信依頼情報を受信するまで待機する一方で、2次配信依頼情報を受信した場合には、2次配信端末として、図6中ステップS5乃至図7中ステップS17に示した配信端末としての動作と同様の動作を行う。
【0073】
すなわち、情報処理端末装置102は、ステップS24において、上述した分木数に基づいて、受信した2次配信依頼情報に含まれるアドレスリストを分割し、複数の分割アドレスリストを作成する。具体的には、情報処理端末装置102は、先に図1に示した配信処理を行う場合には、分木数が”2”であることから、アドレスリストを2個に分割する。
【0074】
続いて、情報処理端末装置102は、ステップS25において、変数Nの値を”1”とし、ステップS26において、分割アドレスリストLN(分割アドレスリストL1)の内容が空であるか否かを判定する。
【0075】
ここで、情報処理端末装置102は、分割アドレスリストLNの内容が空であるものと判定した場合には、図10中ステップS35へと処理を移行し、変数Nの値を”1”だけインクリメントし、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理へと移行する。
【0076】
一方、情報処理端末装置102は、分割アドレスリストLNの内容が空でないものと判定した場合には、ステップS27において、分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスで示される受信端末としての情報処理端末装置に対して接続を試みる。
【0077】
ここで、情報処理端末装置102は、ステップS28において、何らかの理由によって接続に失敗したものと判定した場合には、ステップS29へと処理を移行し、接続に失敗した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS26からの処理を繰り返す。
【0078】
一方、情報処理端末装置102は、ステップS28において、接続に成功したものと判定した場合には、ステップS30において、接続した受信端末としての情報処理端末装置が、図1に示した本データ配信方式に対応しているか否かを判定する。
【0079】
ここで、情報処理端末装置102は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応していないものと判定した場合には、ステップS31へと処理を移行し、当該受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS29において、接続を切断した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS26からの処理を繰り返す。
【0080】
一方、情報処理端末装置102は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応しているものと判定した場合には、図10に示すように、ステップS32において、送信すべきデータ、すなわち、配信端末とされる情報処理端末装置101から送信された文字列データを接続した受信端末としての情報処理端末装置に対して送信するとともに、ステップS33において、2次配信の依頼内容を示す2次配信依頼情報を当該受信端末としての情報処理端末装置に対して送信する。
【0081】
そして、情報処理端末装置102は、データ及び2次配信依頼情報の送信を終了すると、ステップS34において、受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS35において、変数Nの値を”1”だけインクリメントする。
【0082】
続いて、情報処理端末装置102は、ステップS36において、全ての分割アドレスリストについての処理が終了したか否かを判定する。ここでは、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理を行っていないことから、情報処理端末装置102は、図9中ステップS26からの処理を繰り返す。そして、情報処理端末装置102は、全ての分割アドレスリスト(分割アドレスリストL1,L2)についての処理が終了したものと判定した場合には、そのまま一連の工程を終了する。
【0083】
受信端末とされる情報処理端末装置102は、このような一連の工程を行うことにより、データを受信するとともに、先に図1に示した配信処理を行う場合には、2次配信端末として、受信端末とされる2台の情報処理端末装置104,105のそれぞれに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信する。
【0084】
このように、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101が保持する任意のデータを、当該情報処理端末装置101の電波到達範囲に属する他の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・に対していわばネズミ算式に配信することができる。
【0085】
なお、データ配信システムにおいては、先に図2(B)に示した情報処理端末装置104,105,106,107のように、それ以降2次配信を行うことがない配信経路における末端の情報処理端末装置に対しても、その上位の情報処理端末装置によって2次配信依頼情報を送信する。ただし、この2次配信依頼情報は、2次配信先としてのアドレスが何ら記述されていないものである。したがって、末端の情報処理端末装置は、他の受信端末とされる情報処理端末装置と同様に、図9及び図10に示した一連の工程を行えばよく、図9中ステップS26において、分割アドレスリストLNの内容が空であるものと判定することになる。
【0086】
また、図6及び図7に示した配信端末とされる情報処理端末装置の処理、並びに図9及び図10に示した受信端末とされる情報処理端末装置の処理においては、例えば、分割アドレスリストL1の内容が空であり、且つ、分割アドレスリストL2の内容が空でない場合には、処理の効率化を図るべく、内容が含まれる分割アドレスリストL2を図6中ステップS5及び図9中ステップS24における分割対象とするようにしてもよい。
【0087】
さらに、データ配信システムにおいては、上述した分木数としての自然数NNについては、各情報処理端末装置において予め同じ値として設定されてもよく、上述したように、ユーザによって配信端末とされる情報処理端末装置に対して配信すべきデータを入力する際に、ユーザが任意の値を入力し、この値を2次配信依頼情報におけるパラメータの1つとして記述することにより、各情報処理端末装置において同じ値が設定されるようにしてもよい。さらにまた、データ配信システムにおいては、分木数としての自然数NNについて、各情報処理端末装置において異なる値を用いるようにしてもよい。
【0088】
さて、以下では、このようなデータ配信システムにおける輻輳制限の手法について説明する。
【0089】
まず、輻輳制限を行わない場合のデータ配信システムとして、図11に示すように、12台の情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,108,109,1010,1011,1012によってツリー状に構成されるものを考える。
【0090】
なお、以下では、配信端末とされる情報処理端末装置から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末とされる情報処理端末装置の全台数を送信端末数と称する。すなわち、このデータ配信システムにおける送信端末数は、”11”である。
【0091】
すなわち、このデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置101が配信端末とされ、この情報処理端末装置101は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置102,104のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置102に対しては、6台の情報処理端末装置103,105,106,108,109,1010のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置104に対しては、3台の情報処理端末装置107,1011,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0092】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置103,106のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置103に対しては、3台の情報処理端末装置105,108,109のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置106に対しては、1台の情報処理端末装置1010への2次配信を依頼する。
【0093】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置105,109のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置105に対しては、1台の情報処理端末装置108への2次配信を依頼する。
【0094】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置105は、1台の情報処理端末装置108に対してデータを配信する。
【0095】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置104は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置107,1012のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置107に対しては、1台の情報処理端末装置1011への2次配信を依頼する。
【0096】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置107は、1台の情報処理端末装置1011に対してデータを配信する。
【0097】
ここで、同図中右端において配信経路上における各階層に記した数値は、全ての情報処理端末装置による送受信が同じタイミングで動作しているものとした場合において、その時刻における通信数を示すものである。
【0098】
すなわち、このデータ配信システムにおいては、1ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置102のみが動作していることから通信数が”1”となり、2ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置103,104が動作していることから通信数が”2”となり、3ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置105,106,107が動作していることから通信数が”3”となり、4ステップ目の階層では5台の情報処理端末装置108,109,1010,1011,1012が動作していることから通信数が”5”となる。
【0099】
ここで、輻輳を制限するためには、各階層における通信数に対して上限値を設ければよい。なお、以下では、この上限値を輻輳制限数と称するものとする。
【0100】
データ配信システムにおいては、輻輳を制限するために、輻輳制限数及び分木数を上述した輻輳制限パラメータとして用いる。なお、これらの輻輳制限数及び分木数は、ともに正の整数である必要がある。すなわち、詳細は後述するが、データ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置は、データを配信する際に、データ及び2次配信依頼情報に加え、輻輳制限パラメータを送信する。一方、データ配信システムにおいて、データ、2次配信依頼情報、及び輻輳制限パラメータを受信した情報処理端末装置は、受信した輻輳制限パラメータに基づいて、送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出し、この新たな輻輳制限パラメータを、2次配信を依頼された他の情報処理端末装置に対してデータ及び2次配信依頼情報とともに送信する。
【0101】
より具体的に説明するために、図11に示した構成に対して輻輳制限を行った場合として、図12又は図13にその結果を示す。
【0102】
まず、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101により、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”3”及び分木数を”2”とした輻輳制限パラメータを送信する場合には、図12に示すような配信経路が構築される。
【0103】
すなわち、このデータ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置101は、2台の情報処理端末装置102,104のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置102に対しては、7台の情報処理端末装置103,105,106,108,109,1011,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置104に対しては、2台の情報処理端末装置107,1010のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0104】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置103,106のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置103に対しては、3台の情報処理端末装置105,108,1011のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置106に対しては、2台の情報処理端末装置109,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0105】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置105に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置108への2次配信を依頼する。
【0106】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置105は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置108に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置1011への2次配信を依頼する。
【0107】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置108は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1011に対してデータを配信する。
【0108】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置104は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置107に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置1010への2次配信を依頼する。
【0109】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置107は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1010に対してデータを配信する。
【0110】
このようなデータ配信システムにおいては、1ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置102のみが動作していることから通信数が”1”となり、2ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置103,104が動作していることから通信数が”2”となり、3ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置105,106,107が動作していることから通信数が”3”となり、4ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置108,109,1010が動作していることから通信数が”3”となり、5ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置1011,1012が動作していることから通信数が”2”となる。
【0111】
このように、データ配信システムにおいては、輻輳制限数が”3”であるのに基づいて、各階層での通信数が全て”3”以下となるように、所定の階層よりも下位の通信の際には、分木数を”1”とした配信経路、すなわち、数珠状の配信経路が構築される。
【0112】
一方、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101により、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした輻輳制限パラメータを送信する場合には、図13に示すような配信経路が構築される。
【0113】
すなわち、このデータ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置101は、2台の情報処理端末装置102,104のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置102に対しては、6台の情報処理端末装置103,105,106,108,109,1011のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置104に対しては、3台の情報処理端末装置107,1010,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0114】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置103,106のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置103に対しては、3台の情報処理端末装置105,108,1011のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置106に対しては、1台の情報処理端末装置109への2次配信を依頼する。
【0115】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置105,1011のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置105に対しては、1台の情報処理端末装置108への2次配信を依頼する。
【0116】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置105は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置108に対してデータを配信する。
【0117】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置104は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置107に対してデータを配信するとともに、2台の情報処理端末装置1010,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0118】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置107は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1010に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置1012への2次配信を依頼する。
【0119】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置1010は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1012に対してデータを配信する。
【0120】
このようなデータ配信システムにおいては、1ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置102のみが動作していることから通信数が”1”となり、2ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置103,104が動作していることから通信数が”2”となり、3ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置105,106,107が動作していることから通信数が”3”となり、4ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置108,109,1010,1011が動作していることから通信数が”4”となり、5ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置1012のみが動作していることから通信数が”1”となる。
【0121】
このように、データ配信システムにおいては、輻輳制限数が”4”であるのに基づいて、各階層での通信数が全て”4”以下となるように、所定の階層よりも下位の通信の際には、分木数を”1”とした配信経路、すなわち、数珠状の配信経路が構築される。
【0122】
データ配信システムにおいては、これらの図12又は図13に示したように、全ての情報処理端末装置に対するデータの配信処理が完了する時間は図11に示した場合よりも1ステップ分だけ多くなっているものの、輻輳を回避することができる。したがって、データ配信システムにおいては、図11に示した場合における4ステップ目にて輻輳が生じた場合には、図12又は図13に示した配信経路を構築することにより、結果的に短時間で配信処理が完了することが可能となる。
【0123】
また、データ配信システムにおいては、任意の情報処理端末装置間での通信の際に遅延が生じた場合であっても、各階層における通信数が輻輳制限数を超えることはなく、輻輳を制限することができる。
【0124】
例えば図12に示した配信経路において遅延が生じた場合について考える。ここで、同図に示した配信経路を横軸に時刻をとって表すと、図14に示すようになる。なお、同図において、各矩形中にて矢印を挟んで記された2つの符号は、各情報処理端末装置を表している。すなわち、同図における左端の矩形は、配信端末とされる情報処理端末装置101から受信端末とされる情報処理端末装置102に対しての送信作業を示している。また、同図において、矩形間を結ぶ矢印は、送信作業が行われる順序を表している。すなわち、同図における左端の矩形とその右隣の2つの矩形とを結ぶ矢印は、配信端末とされる情報処理端末装置101から受信端末とされる情報処理端末装置102に対しての送信作業が完了した後に、情報処理端末装置101から情報処理端末装置104に対しての送信作業と、情報処理端末装置102から受信端末とされる情報処理端末装置103に対しての送信作業とが行われることを示している。
【0125】
ここで、図15中斜線部に示すように、情報処理端末装置104から情報処理端末装置107に対しての送信作業に遅延が生じ、それにともない情報処理端末装置107から情報処理端末装置1010に対しての送信作業が行われる時刻が遅延した場合を考える。データ配信システムにおいては、このような場合であっても、通常であれば輻輳制限数を超える台数が属することになる階層よりも下位の階層にあっては数珠状に配信経路が構築されることから、同時刻における通信数が輻輳制限数である”3”を超えることはなく、適切に輻輳を制限することができる。
【0126】
また、図16中斜線部に示すように、情報処理端末装置102から情報処理端末装置103に対しての送信作業に遅延が生じ、それにともないそれ以降の全ての送信作業が行われる時刻が遅延した場合を考える。この場合、データ配信システムにおいては、全ての情報処理端末装置に対するデータの配信処理が完了する時間は長くなっているものの、図15に示した場合と同様に、通常であれば輻輳制限数を超える台数が属することになる階層よりも下位の階層にあっては数珠状に配信経路が構築されることから、同時刻における通信数が輻輳制限数である”3”を超えることはなく、適切に輻輳を制限することができる。
【0127】
さらに、データ配信システムにおいては、ある時刻における通信数が輻輳制限数を超えるまでは可能な限り指定された分木数での送信が行われることから、送信側の情報処理端末装置がデータを送信するために待機する必要がなく、また、ある時刻における通信数が輻輳制限数に到達した場合には当該輻輳制限数と同数の情報処理端末装置に対してのみ送信すればよい。したがって、データ配信システムにおいては、データの送信に遅延が生じない限り、指定された輻輳制限パラメータにおいての最短時間で全ての情報処理端末装置への配信処理が完了する。例えば、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101により、送信端末数が”18”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした輻輳制限パラメータを送信する場合には、図17に示すような配信経路が構築されるが、この配信経路において、情報処理端末装置102,103,104,105,106,107に対するデータの送信の際には、同時刻における通信数が輻輳制限数である”4”を超えていないことから分木数を”2”として可能な限りの送信が行われる一方で、それ以降の情報処理端末装置108,109,1010,1011,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018に対するデータの送信の際には、同時刻における通信数が輻輳制限数である”4”に到達していることから分木数を”1”として輻輳制限数と同数の送信が行われる。
【0128】
さて、以下では、上述した輻輳制限を行うための具体的な処理について説明する。
【0129】
まず、配信端末とされる情報処理端末装置について説明する。配信端末とされる情報処理端末装置は、図18に示す一連の工程を経ることにより、輻輳制限を行いつつ配信処理を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、本データ配信方式に対応している配信端末とされる情報処理端末装置を”T”と称し、この情報処理端末装置Tにおける処理について説明する。
【0130】
情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS41において、輻輳制限パラメータ、すなわち、輻輳制限数及び分木数の設定処理を行う。この輻輳制限パラメータの設定処理としては、ユーザが入力することによって設定する方法と、ユーザが入力することなくデフォルトで定められた値を用いる方法とがある。なお、以下では、ここで設定された輻輳制限数及び分木数を、それぞれ、”S”,”N”と表して説明する。
【0131】
続いて、情報処理端末装置Tは、ユーザが入力することによって輻輳制限パラメータを設定するか、又はユーザが入力することなくデフォルトで定められた値を用いることによって輻輳制限パラメータを設定すると、ステップS42において、自己の電波到達範囲に受信端末となる情報処理端末装置があるか否かを探索する探索処理を行う。情報処理端末装置Tは、この探索処理を行うことによって送信端末数を求め、設定する。なお、以下では、ここで設定された送信端末数を”D”と表して説明する。
【0132】
続いて、情報処理端末装置Tは、受信端末となる情報処理端末装置を探索すると、ステップS43において、CPU21の制御のもとに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて、送信用の新たな輻輳制限パラメータの算出処理を行う。このとき、情報処理端末装置Tは、受信端末となる情報処理端末装置毎に送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する。
【0133】
そして、情報処理端末装置Tは、送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出すると、ステップS44において、データの配信処理を行い、一連の処理を終了する。
【0134】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を行うことにより、分木数が”N”とされる場合には、図19に示すように、時刻jにおいて直接接続する情報処理端末装置をRjで表すものとすると、各情報処理端末装置Rjに対してデータ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を順次送信するとともに、算出した輻輳制限数sj及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数djとを送信する。
【0135】
すなわち、情報処理端末装置Tは、ある時刻0においては、1台の情報処理端末装置R0に対して、データ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を送信するとともに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて当該情報処理端末装置R0用に算出した輻輳制限数s0及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数d0とを送信する。また、情報処理端末装置Tは、次の時刻1においては、1台の情報処理端末装置R1に対して、データ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を送信するとともに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて当該情報処理端末装置R1用に算出した輻輳制限数s1及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数d1とを送信する。同様に、情報処理端末装置Tは、時刻N−1においては、1台の情報処理端末装置RN−1に対して、データ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を送信するとともに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて当該情報処理端末装置RN−1用に算出した輻輳制限数sN−1及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数dN−1とを送信する。
【0136】
以下では、図18に示した4つの処理について詳述する。
【0137】
まず、図18中ステップS41における輻輳制限パラメータの設定処理について説明する。なお、輻輳制限パラメータの設定処理としては、上述したように、ユーザが入力することによって設定する方法と、ユーザが入力することなくデフォルトで定められた値を用いる方法とがあるが、ここでは、ユーザが入力することによって輻輳制限パラメータを設定する場合について説明する。
【0138】
この場合、情報処理端末装置Tは、図20に示すような一連の工程を経ることにより、輻輳制限パラメータの設定処理を行う。
【0139】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS51において、ユーザによって上述した設定ボタン14が押下されたか否かをCPU21の制御のもとに判定する。
【0140】
情報処理端末装置Tは、設定ボタン14が押下されていないものと判定した場合には、設定ボタン14が押下されるまで待機する一方で、設定ボタン14が押下されたものと判定した場合には、上述したパラメータ設定モードへと状態を切り替え、ステップS52において、所定のパラメータ設定画面を上述した表示画面11に表示する。そして、情報処理端末装置Tは、ステップS53において、表示画面11に表示されたパラメータ設定画面を介してユーザによって輻輳制限パラメータを入力する。
【0141】
ここで、パラメータ設定画面は、例えば図21に示すようなGUIからなる。このパラメータ設定画面は、表示画面11がタッチパネルとして構成されていることから、先に図5に示したGUIと同様に、ユーザがタッチペン等の入力デバイスを用いて表示画面11を接触することによって所定の事項が入力可能とされるものである。具体的には、このパラメータ設定画面としてのGUIは、輻輳制限数Sとしての数値を入力するための輻輳制限数入力領域41と、分木数Nとしての数値を入力するための分木数入力領域42と、これらの輻輳制限数入力領域41及び分木数入力領域42を介して入力された数値を設定するための決定ボタン43とから構成される。ユーザは、輻輳制限数入力領域41及び分木数入力領域42を介して輻輳制限数S及び分木数Nを入力し、決定ボタン43を押下する。これにより、配信端末とされる情報処理端末装置Tは、入力された輻輳制限数S及び分木数Nを、輻輳制限パラメータとして設定する。
【0142】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、ユーザによって入力された輻輳制限パラメータを設定することができる。
【0143】
つぎに、図18中ステップS42における受信端末となる情報処理端末装置の探索処理について説明する。
【0144】
この場合、情報処理端末装置Tは、図22に示すような一連の工程を経ることにより、受信端末となる情報処理端末装置の探索処理を行う。
【0145】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS61において、ユーザによって上述した配信ボタン15が押下されたか否かをCPU21の制御のもとに判定する。
【0146】
情報処理端末装置Tは、配信ボタン15が押下されていないものと判定した場合には、配信ボタン15が押下されるまで待機する一方で、配信ボタン15が押下されたものと判定した場合には、上述したデータ配信モードへと状態を切り替え、ステップS62において、自己の電波到達範囲に存在する受信端末となる情報処理端末装置を探索する。そして、情報処理端末装置Tは、発見した情報処理端末装置のそれぞれからアドレスを取得し、取得したアドレスからなるアドレスリストを作成して上述した保存用メモリ27等に記憶する。このとき、情報処理端末装置Tは、発見した情報処理端末装置の台数を上述した送信端末数Dとして設定する。
【0147】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、受信端末となる情報処理端末装置を探索し、送信端末数Dを求めることができる。
【0148】
つぎに、図18中ステップS43における送信用の新たな輻輳制限パラメータの算出処理について説明する。
【0149】
この場合、情報処理端末装置Tは、図23に示すようなアルゴリズムにしたがった一連の工程を経ることにより、受信端末とされる情報処理端末装置Rj毎に、送信用の輻輳制限数sj及び送信端末数djを算出する。
【0150】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS71において、情報処理端末装置R0に対する輻輳制限数s0及び送信端末数d0をともに”1”に初期化するとともに、情報処理端末装置R0以外の情報処理端末装置に対する輻輳制限数s1,s2,・・・,sN及び送信端末数d1,d2,・・・,dNをともに”0”に初期化する。また、情報処理端末装置Tは、パラメータの算出過程で用いる値tempを”0”に初期化するとともに、同じくパラメータの算出過程で用いる値bを”true”に初期化する。なお、値bは、論理を表すフラグ変数であり、真のときには”true”が代入される一方で、偽のときには”false”が代入されるものである。
【0151】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS72において、送信端末数d0,d1,・・・,dN−1を算出するとともに、ステップS73において、輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出する。
【0152】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図24に示すような一連の工程を経ることにより、送信端末数d0,d1,・・・,dN−1を算出する。
【0153】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS91において、送信端末数dN−1を値tempに代入して保存し、ステップS92において、時刻jを”N−1”に設定する。
【0154】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS93において、時刻jが”0”よりも大きいか否かを判定する。
【0155】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS94の処理へと移行し、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する送信端末数djを算出する。このとき、情報処理端末装置Tは、送信端末数d0以外の値は、情報処理端末装置Rj−1に対する送信端末数とすることから、dj=dj−1を算出する。
【0156】
続いて、情報処理端末装置Tは、作業対象を情報処理端末装置Rj−1とするために、ステップS95において、時刻jを”1”だけデクリメントし、ステップS93からの処理を繰り返す。
【0157】
情報処理端末装置Tは、このようなステップS93乃至ステップS95の処理を繰り返し、ステップS93において、時刻jが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、ステップS96において、送信端末数d0を、当該送信端末数d0と輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1の和である合計輻輳制限数との和とし、一連の処理を終了する。
【0158】
情報処理端末装置Tは、このようにして送信端末数d0,d1,・・・,dN−1を算出すると、図23中ステップS73において、輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出する。
【0159】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図25に示すような一連の工程を経ることにより、輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出する。
【0160】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS101において、時刻jを”0”に設定し、ステップS102において、時刻jが”N”よりも小さいか否かを判定する。
【0161】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいものと判定した場合には、ステップS103の処理へと移行し、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する輻輳制限数sjを算出する。このとき、情報処理端末装置Tは、輻輳制限数sN以外の値は、情報処理端末装置Rjに対する送信端末数djと情報処理端末装置Rj+1に対する送信端末数dj+1との差分とすることから、sj=dj−dj+1を算出する。
【0162】
続いて、情報処理端末装置Tは、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、ステップS104において、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0163】
情報処理端末装置Tは、このようなステップS102乃至ステップS104の処理を繰り返し、ステップS102において、時刻jが”N”よりも小さくないものと判定した場合には、ステップS105において、輻輳制限数sNを、送信端末数dNと図24に示した送信端末数算出処理の際に保存した値tempとの差分とし、一連の処理を終了する。
【0164】
情報処理端末装置Tは、このようにして輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出すると、図23中ステップS74において、算出した輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1の和である合計輻輳制限数sumSを算出し、ステップS75において、この合計輻輳制限数sumSが最初に設定された輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数Sよりも大きいか否かを判定する。
【0165】
ここで、情報処理端末装置Tは、合計輻輳制限数sumSが輻輳制限数Sよりも大きくないものと判定した場合には、後述するステップS77へと処理を移行する。一方、情報処理端末装置Tは、合計輻輳制限数sumSが輻輳制限数Sよりも大きいものと判定した場合には、このままの台数に対してデータを送信したのでは輻輳を制限することができないことから、ステップS76において、合計輻輳制限数sumSの値を減らすための輻輳制限処理を行う。すなわち、情報処理端末装置Tは、この輻輳制限処理によって算出される送信用の輻輳制限パラメータにおける合計輻輳制限数sumS=s0+s1+・・・+sN−1が輻輳制限数S以下となるように調整する。なお、情報処理端末装置Tは、この輻輳制限処理に移行した場合には、上述した値bを”false”とする。
【0166】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図26に示すような一連の工程を経ることにより、輻輳制限処理を行う。
【0167】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS111において、値bを”false”とし、ステップS112において、合計輻輳制限数sumSと輻輳制限数Sとの差分をとり、過剰輻輳制限数overSを算出する。
【0168】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS113において、時刻jを”0”に設定し、ステップS114において、時刻jが”N”よりも小さいか否か、又は過剰輻輳制限数overSが”0”でないか否かを判定する。
【0169】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないか、又は過剰輻輳制限数overSが”0”であるものと判定した場合には、合計輻輳制限数sumS=s0+s1+・・・+sN−1が輻輳制限数S以下であり、これ以上輻輳制限処理を行う必要がないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0170】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいか、又は過剰輻輳制限数overSが”0”でないものと判定した場合には、ステップS115において、過剰輻輳制限数overSが”0”よりも大きく、且つ、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する輻輳制限数sjが情報処理端末装置Rj+1に対する輻輳制限数sj+1よりも大きいか否かを判定する。
【0171】
ここで、情報処理端末装置Tは、過剰輻輳制限数overSが”0”よりも大きく、且つ、輻輳制限数sjが輻輳制限数sj+1よりも大きいものと判定した場合には、ステップS116へと処理を移行し、情報処理端末装置Rjに対する送信端末数dj、輻輳制限数sj及び過剰輻輳制限数overSの値を、それぞれ、”1”だけデクリメントし、ステップS115からの処理を繰り返す。
【0172】
一方、情報処理端末装置Tは、過剰輻輳制限数overSが”0”よりも大きくなく、且つ、輻輳制限数sjが輻輳制限数sj+1よりも大きくないものと判定した場合には、ステップS117へと処理を移行し、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS114からの処理を繰り返す。
【0173】
情報処理端末装置Tは、このようにして輻輳制限処理を行うと、図23中ステップS77へと処理を移行する。情報処理端末装置Tは、ステップS77において、算出した送信端末数d0,d1,・・・,dN−1の和である合計送信端末数sumDを算出し、ステップS78において、この合計送信端末数sumDが最初に設定された送信端末数D以上であるか否かを判定する。
【0174】
ここで、情報処理端末装置Tは、合計送信端末数sumDが送信端末数D未満であるものと判定した場合には、ステップS79へと処理を移行し、値bが”true”であるか否かを判定する。すなわち、情報処理端末装置Tは、ステップS76における輻輳制限処理が行われたか否かを判定する。情報処理端末装置Tは、値bが”true”である、すなわち、輻輳制限処理が行われていないものと判定した場合には、ステップS72からの処理を繰り返す。一方、情報処理端末装置Tは、値bが”false”である、すなわち、輻輳制限処理が行われたものと判定した場合には、これ以降の配信処理は先に図17に示した情報処理端末装置108,109,1010,1011,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018のような数珠状の配信経路のもとに行う必要があることから、ステップS80において、数珠状の配信経路を構築するために順次送信処理を行う。
【0175】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図27に示すような一連の工程を経ることにより、ある時刻における通信数が輻輳制限数に到達した後の時刻において順次送信処理を行う。なお、ここでは、送信用の輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数を変えずに、送信用の送信端末数を算出するものとする。
【0176】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS121において、時刻jを”0”に設定し、ステップS122において、時刻jが”N”よりも小さいか否かを判定する。
【0177】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないものと判定した場合には、送信する必要がある情報処理端末装置が存在しないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0178】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいものと判定した場合には、ステップS123において、送信端末数djを、当該送信端末数djと輻輳制限数sjとの和とし、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、ステップS124において、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS122からの処理を繰り返す。
【0179】
情報処理端末装置Tは、このようにして順次送信処理を行うと、図23中ステップS77からの処理を繰り返す。一方、情報処理端末装置Tは、ステップS78において、合計送信端末数sumDが送信端末数D以上であるものと判定した場合には、データを送信する必要がない台数の情報処理端末装置を排除すべく、ステップS81において、合計送信端末数sumDが送信端末数Dを超えた台数(sumD−D)だけ送信用の送信端末数から減らすための送信端末処理を行う。すなわち、情報処理端末装置Tは、ステップS72における送信端末数算出処理にて算出された送信端末数の合計である合計送信端末数sumD=d0+d1+・・・+dN−1が送信端末数D以下となるように調整する。
【0180】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図28に示すような一連の工程を経ることにより、送信端末処理を行う。
【0181】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS131において、合計送信端末数sumDと送信端末数Dとの差分をとり、過剰送信端末数overDを算出する。
【0182】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS132において、時刻jを”0”に設定し、ステップS133において、時刻jが”N”よりも小さいか否か、又は過剰送信端末数overDが”0”でないか否かを判定する。
【0183】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないか、又は過剰送信端末数overDが”0”であるものと判定した場合には、合計送信端末数sumD=d0+d1+・・・+dN−1が送信端末数D以下であり、これ以上送信端末処理を行う必要がないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0184】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいか、又は過剰送信端末数overDが”0”でないものと判定した場合には、ステップS134において、過剰送信端末数overDが”0”よりも大きく、且つ、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する輻輳制限数sjが”0”よりも大きいか否かを判定する。
【0185】
ここで、情報処理端末装置Tは、過剰送信端末数overDが”0”よりも大きく、且つ、輻輳制限数sjが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS135へと処理を移行し、情報処理端末装置Rjに対する送信端末数dj、輻輳制限数sj及び過剰送信端末数overDの値を、それぞれ、”1”だけデクリメントし、ステップS134からの処理を繰り返す。
【0186】
一方、情報処理端末装置Tは、過剰送信端末数overDが”0”よりも大きくなく、且つ、輻輳制限数sjが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、ステップS136へと処理を移行し、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS133からの処理を繰り返す。
【0187】
情報処理端末装置Tは、このようにして送信端末処理を行い、図18中ステップS43における送信用の輻輳制限数sj及び送信端末数dj算出するアルゴリズムにしたがった一連の処理を終了する。
【0188】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、自己が直接接続する情報処理端末装置Rj毎に、送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出することができる。
【0189】
つぎに、図18中ステップS44におけるデータの配信処理について説明する。
【0190】
この場合、情報処理端末装置Tは、図29に示すような一連の工程を経ることにより、各情報処理端末装置Rjのそれぞれに対して順次データを配信する。
【0191】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS141において、時刻jを”0”に設定し、ステップS142において、時刻jが”N”よりも小さいか否か、又は送信端末数djが”0”よりも大きいか否か、すなわち、情報処理端末装置Rjと当該情報処理端末装置Rjに対して2次配信を依頼すべき情報処理端末装置とが存在するか否かを判定する。
【0192】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないか、又は送信端末数djが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、データ配信処理を行う必要がないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0193】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいか、又は送信端末数djが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS143において、情報処理端末装置Rjに対する送信用の輻輳制限パラメータを設定すべく、輻輳制限数sjを輻輳制限数Sとする。
【0194】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS144において、送信相手となる情報処理端末装置Rjとして1つのアドレスを指定し、その情報処理端末装置Rjに対して2次配信を依頼する情報処理端末装置として(D−1)台分のアドレスを2次配信依頼情報におけるアドレスリストとして割り当てる。このとき、情報処理端末装置Tは、送信用の他の情報処理端末装置のアドレスと重複しないように、アドレスリストから順次アドレスを割り当てる。
【0195】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS145において、指定した情報処理端末装置Rjに対してデータを送信するとともに、少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報と、ステップS143にて設定した輻輳制限数D及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータ並びに送信端末数D(=dj)とを送信する。なお、情報処理端末装置Tは、受信側でアドレスリストにおけるアドレスの個数を計数すれば送信端末数を把握できることから、必ずしも送信端末数Dを送信する必要はない。
【0196】
そして、情報処理端末装置Tは、ステップS146において、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS142からの処理を繰り返す。
【0197】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、各情報処理端末装置Rjのそれぞれに対して順次データを配信することができる。
【0198】
データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置Tによって以上のような処理を行うことにより、各情報処理端末装置Rjに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信するとともに、輻輳制限を行うために必要となる輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djを適切に算出して送信することができ、輻輳を制限することが可能となる。
【0199】
つぎに、受信端末とされる情報処理端末装置について説明する。受信端末とされる情報処理端末装置は、個々に、上位の情報処理端末装置から与えられた輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて、2次配信の対象となる他の受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する送信用の新たな輻輳制限パラメータを適切に算出し、データ及び2次配信依頼情報とともに送信することができる。
【0200】
具体的には、受信端末とされる情報処理端末装置は、図30に示す一連の工程を経ることにより、データを受信するとともに、輻輳制限を行いつつ2次配信処理を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、本データ配信方式に対応している受信端末とされる情報処理端末装置を”RT”と称し、この情報処理端末装置RTが上位の情報処理端末装置からデータを受信するとともに、他の情報処理端末装置Rjに対してデータを2次配信する場合における処理について説明する。
【0201】
情報処理端末装置RTは、同図に示すように、ステップS151において、上位の情報処理端末装置から送信されたデータを受信するとともに、少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報と、輻輳制限数S及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータ並びに送信端末数Dとを受信すると、ステップS152において、受信したこれらの各種情報のうち、輻輳制限数S及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータを取得するとともに、送信端末数Dを取得する。なお、情報処理端末装置RTは、上位の情報処理端末装置から送信端末数Dが送信されていない場合には、アドレスリストにおけるアドレスの個数を係数することにより、送信端末数Dを求める。
【0202】
続いて、情報処理端末装置RTは、ステップS153において、送信端末数Dが”0”よりも大きいか否かを判定する。
【0203】
ここで、情報処理端末装置RTは、送信端末数Dが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、2次配信を行うべき情報処理端末装置Rjが存在しないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0204】
一方、情報処理端末装置RTは、送信端末数Dが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS154において、受信した輻輳制限パラメータ及び送信端末数Dに基づいて、受信端末となる情報処理端末装置Rj毎に対する送信用の新たな輻輳制限パラメータの算出処理を行う。この処理は、配信端末とされる情報処理端末装置Tによる図18中ステップS43の処理と同様であり、具体的には、先に図23に示した一連の処理にしたがって実現されるものである。
【0205】
そして、情報処理端末装置RTは、図30中ステップS155において、データの配信処理を行い、一連の処理を終了する。勿論、この処理についても、配信端末とされる情報処理端末装置Tによる図18中ステップS44の処理と同様であり、具体的には、先に図29に示した一連の処理にしたがって実現されるものである。
【0206】
データ配信システムにおいては、受信端末とされる情報処理端末装置RTによってこのような処理を行うことにより、他の各情報処理端末装置Rjに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信するとともに、上位の情報処理端末装置から与えられた輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djに基づいて、輻輳制限を行うために必要となる輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djを適切に算出して送信することができ、輻輳を制限することが可能となる。
【0207】
以上説明したように、本発明の実施の形態として示したデータ配信システムにおいては、同時刻における個々の情報処理端末装置間での通信数に対して制限を設けることにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができることから、電波環境や情報伝達範囲に応じた最適な通信を行うことができ、データの配信効率を向上させることができる。このとき、データ配信システムにおいては、輻輳制限を考慮した上での最短時間で情報伝達を行うことができる。
【0208】
また、データ配信システムにおいては、情報処理端末装置間での通信に遅延が生じた場合であっても輻輳制限が守られることから、遅延による輻輳の悪化を招来することはない。
【0209】
さらに、データ配信システムにおいては、各情報処理端末装置が与えられた輻輳制限パラメータに基づいて新たな輻輳制限パラメータを独自に算出することによって輻輳制限を行うことから、各情報処理端末装置が輻輳制限を行うために他の情報処理端末装置と通信を行うことによって状況を把握する必要がなく、余計なデータの送受信を行うことによる無駄を省くことができ、効率よく輻輳制限を行うことができる。
【0210】
さらにまた、データ配信システムにおいては、1台の情報処理端末装置が何台の情報処理端末装置に対してデータを配信するかを指定することにより、全ての情報処理端末装置に対する配信処理が完了する時間や、各情報処理端末装置の通信に際する負荷等を柔軟に設定することができる。
【0211】
このように、データ配信システムにおいては、極めて効率よく輻輳を制限した最適な配信処理を実現することができ、ユーザに優れた利便を提供することができる。
【0212】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、各情報処理端末装置がブルートゥースを用いた無線通信を行うものとして説明したが、本発明は、ブルートゥース以外の任意の技術を用いた通信であっても適用することができる。
【0213】
また、上述した実施の形態では、輻輳制限数S及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数Dとを、少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報とは別途送信するものとして説明したが、本発明は、これらの輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dを、2次配信依頼情報におけるパラメータとして記述してもよい。
【0214】
以上のように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0215】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるデータ配信方法は、一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法であって、データの配信元としての一の配信端末は、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定し、輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出し、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出した新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信し、配信端末からデータ、アドレスリスト、及び送信用輻輳制限パラメータを受信した受信端末は、受信した送信用輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに送信端末数に基づいて、接続を行う他の受信端末のそれぞれに対して送信すべきさらに新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該他の受信端末毎に算出し、当該他の受信端末に対して、少なくとも、データ、当該他の受信端末を介してデータの2次配信を行うさらに他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出したさらに新たな輻輳制限数及び分木数からなるさらに新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する。
【0216】
したがって、本発明にかかるデータ配信方法は、配信端末から受信端末に対して、輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータを算出してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに送信し、これらのデータ、アドレスリスト、及び輻輳制限パラメータを受信した受信端末によって新たに輻輳制限パラメータを独自に算出し、他の受信端末に対して、データ、アドレスリスト、及び新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができ、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することができる。
【0217】
また、本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定手段と、この設定手段によって設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備える。
【0218】
したがって、本発明にかかる情報処理装置は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができ、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することができる。
【0219】
さらに、本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定工程と、この設定工程にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備える。
【0220】
したがって、本発明にかかる輻輳制限方法は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することが可能となり、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することが可能となる。
【0221】
さらにまた、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定処理と、この設定処理にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備える。
【0222】
したがって、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行することができる。これにより、この輻輳制限プログラムが提供された機器は、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することを可能とし、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することを可能とする。
【0223】
また、本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する情報処理装置であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信手段と、この受信手段によって受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備える。
【0224】
したがって、本発明にかかる情報処理装置は、受信手段を介して受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができ、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することができる。
【0225】
さらに、本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信工程と、この受信工程にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備える。
【0226】
したがって、本発明にかかる輻輳制限方法は、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することが可能となり、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することが可能となる。
【0227】
さらにまた、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信処理と、この受信処理にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備える。
【0228】
したがって、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行することができる。これにより、この輻輳制限プログラムが提供された機器は、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することを可能とし、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すデータ配信システムの構成概念を説明する図である。
【図2】同データ配信システムが従来のデータ配信方法に比較して、短時間で多数の情報処理端末装置に対してデータを配信することが様子を説明する概念図であって、(A)は、従来のデータ配信方法における配信処理の様子を示し、(B)は、同データ配信システムにおける配信処理の様子を示す図である。
【図3】同データ配信システムを構成する情報処理端末装置の外観構成を説明する斜視図である。
【図4】同情報処理端末装置の回路構成を説明するブロック図である。
【図5】配信端末とされる情報処理端末装置において配信すべき文字列データを入力する際に、表示画面に対して表示される表示内容を説明する図である。
【図6】配信端末とされる情報処理端末装置においてデータを配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートである。
【図7】配信端末とされる情報処理端末装置においてデータを配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートであって、図6に示す一連の処理から続く処理を示す図である。
【図8】配信端末とされる情報処理端末装置によって作成される2次配信依頼情報の内容を説明する図であって、少なくともアドレスリストが含まれている様子を説明する図である。
【図9】図6及び図7に示す一連の処理に対応して受信端末とされる情報処理端末装置においてデータを受信し、さらに2次配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートである。
【図10】図6及び図7に示す一連の処理に対応して受信端末とされる情報処理端末装置においてデータを受信し、さらに2次配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートであって、図9に示す一連の処理から続く処理を示す図である。
【図11】輻輳制限を行わない場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図である。
【図12】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”3”及び分木数を”2”とした場合における配信経路を説明する図である。
【図13】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした場合における配信経路を説明する図である。
【図14】同データ配信システムにおける配信処理を説明する図であって、図12に示す配信経路を横軸に時刻をとって表した図である。
【図15】同データ配信システムにおける配信処理を説明する図であって、図14に示す配信経路において送信作業に遅延が生じた場合を説明する図である。
【図16】同データ配信システムにおける配信処理を説明する図であって、図14に示す配信経路において送信作業に図15とは異なる遅延が生じた場合を説明する図である。
【図17】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、送信端末数が”18”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした場合における配信経路を説明する図である。
【図18】配信端末とされる情報処理端末装置において輻輳制限を行いつつ配信処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図19】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、配信端末とされる情報処理端末装置から受信端末とされる情報処理端末装置に対して各種情報が送信される様子を説明するための図である。
【図20】配信端末とされる情報処理端末装置においてユーザが入力することによって輻輳制限パラメータを設定する際の一連の輻輳制限パラメータの設定処理を説明するフローチャートである。
【図21】配信端末とされる情報処理端末装置における表示画面に対して表示されるパラメータ設定画面としての表示内容を説明する図である。
【図22】配信端末とされる情報処理端末装置において受信端末となる情報処理端末装置を探索する際の一連の探索処理を説明するフローチャートである。
【図23】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する際の一連の算出処理を説明するフローチャートである。
【図24】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、受信端末とされる情報処理端末装置に対する新たな送信端末数を算出する際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図25】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、受信端末とされる情報処理端末装置に対する新たな輻輳制限数を算出する際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図26】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、輻輳制限処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図27】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、順次送信処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図28】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、送信端末処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図29】配信端末とされる情報処理端末装置においてデータを配信する際の一連の配信処理を説明するフローチャートである。
【図30】受信端末とされる情報処理端末装置において輻輳制限を行いつつ配信処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10,101,102,103,104,105,106,107,108,109,1010,1011,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018,1019,R0,R1,Rj,RN−1,RT,T情報処理端末装置、 11 表示画面、 12 スピーカ、 13 ランプ、14 設定ボタン、 15 配信ボタン、 21 CPU、 22 表示部、23 タッチパネル駆動部、 24 アンプ、 25 バイブレータ、 26一時記憶用メモリ、 27 保存用メモリ、 28 ブルートゥース・ユニット、 28a アンテナ、 29 バス、 31 ソフトウェアキーボード、 32 入力文字列表示領域、 33 文字種別設定ボタン、 34 送信ボタン、 41 輻輳制限数入力領域、 42 分木数入力領域、 43 決定ボタン
【発明の属する技術分野】
本発明は、一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法及び輻輳制限プログラム、並びに、データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する情報処理装置、データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法及び輻輳制限プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末機といった各種情報処理端末装置やその周辺機器を相互にワイヤレス接続するための近距離無線通信技術が開発されており、代表的なものとしては、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a,802.11bと称される無線LAN(Local Area Network)の他、いわゆるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))が着目されている。
【0003】
このような無線通信技術においては、所定台数のデバイスによってネットワークを構成し、当該ネットワークに属する各種デバイス間でデータの送受信を行うことができる。例えばブルートゥースにおいては、1台のマスタに対して最大7台のスレーブを接続することによって「ピコネット」と称される1つのネットワークを構成し、このピコネット内でデータの送受信を行うことができる。また、ブルートゥースにおいては、ピコネットを数珠つなぎにすることによって「スキャッタネット」と称されるさらに大規模なネットワークを構成することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような無線通信技術においては、複数の周波数帯域を略ランダムに切り替えて使用することによって同時通信を可能とするいわゆる周波数ホッピング方式を用い、同じ周波数帯域を用いながらも同時刻に複数の接続が存在する多重接続を行うことが可能である。
【0005】
しかしながら、このような方式においては、同時刻に存在する接続数が多くなるのにともない輻輳状態へと移行し、通信環境が極めて悪化する事態を招来する。そして、無線通信技術においては、輻輳状態が生じた場合には、通信を確立する過程やデータを送信する際のパケットの再送処理を行う機会が増加し、結果的に処理に大幅な遅延が生じることになる。
【0006】
なお、このような諸問題は、無線通信のみならず有線通信においても生じるものである。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができるデータ配信方法、並びに、情報処理装置、輻輳制限方法及び輻輳制限プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかるデータ配信方法は、一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法であって、データの配信元としての一の配信端末は、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定し、輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出し、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出した新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信し、配信端末からデータ、アドレスリスト、及び送信用輻輳制限パラメータを受信した受信端末は、受信した送信用輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに送信端末数に基づいて、接続を行う他の受信端末のそれぞれに対して送信すべきさらに新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該他の受信端末毎に算出し、当該他の受信端末に対して、少なくとも、データ、当該他の受信端末を介してデータの2次配信を行うさらに他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出したさらに新たな輻輳制限数及び分木数からなるさらに新たな送信用輻輳制限パラメータを送信することを特徴としている。
【0009】
このような本発明にかかるデータ配信方法は、配信端末から受信端末に対して、輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータを算出してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに送信し、これらのデータ、アドレスリスト、及び輻輳制限パラメータを受信した受信端末によって新たに輻輳制限パラメータを独自に算出し、他の受信端末に対して、データ、アドレスリスト、及び新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0010】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定手段と、この設定手段によって設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
このような本発明にかかる情報処理装置は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0012】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定工程と、この設定工程にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備えることを特徴としている。
【0013】
このような本発明にかかる輻輳制限方法は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0014】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定処理と、この設定処理にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備えることを特徴としている。
【0015】
このような本発明にかかる輻輳制限プログラムは、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行する。
【0016】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する情報処理装置であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信手段と、この受信手段によって受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備えることを特徴としている。
【0017】
このような本発明にかかる情報処理装置は、受信手段を介して受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0018】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信工程と、この受信工程にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備えることを特徴としている。
【0019】
このような本発明にかかる輻輳制限方法は、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する。
【0020】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信処理と、この受信処理にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備えることを特徴としている。
【0021】
このような本発明にかかる輻輳制限プログラムは、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
この実施の形態は、例えばパーソナルコンピュータや携帯情報端末機といった複数台の情報処理端末装置から構成されるネットワークによって実現されるデータ配信システムである。このデータ配信システムは、ネットワークに属する1台の情報処理端末装置をデータの配信元としての配信端末とするとともに、他の情報処理端末装置をデータの配信先としての受信端末とし、配信端末とされる情報処理端末装置から受信端末とされる全ての情報処理端末装置に対してデータを配信する際に、データを送信するとともに他の情報処理端末装置に対するデータの2次配信の依頼を行うことにより、データを受信した情報処理端末装置を2次配信端末として動作させ、複数の通信を並列的に行うものである。これにより、データ配信システムは、配信処理に参加する情報処理端末装置をいわばネズミ算式に増加させることができることから、短時間で多数の情報処理端末装置に対して確実にデータを配信することができ、さらに、配信端末とされる特定の情報処理端末装置における電力消費の負荷を大幅に軽減することができるものである。
【0024】
ここで、このデータ配信システムは、同時刻における送信作業数を制限しない場合には、時間が経過するのにともない、同時刻において通信を行う情報処理端末装置が増加することになり、輻輳状態を生じる可能性が高い。
【0025】
そこで、データ配信システムにおいては、同時刻における情報処理端末装置間での通信数に対して制限値を設定することにより、輻輳を制限する。このとき、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置から受信端末とされる情報処理端末装置に対して、輻輳制限のために必要となるパラメータをデータとともに送信し、これらのデータ及びパラメータを受信した情報処理端末装置によって新たにパラメータを独自に算出し、他の情報処理端末装置に対してデータと新たなパラメータとを送信する。また、データ配信システムにおいては、全ての情報処理端末装置に対するデータの配信処理が完了する時間を、輻輳制限を考慮した上で最短にすることができ、データの送信遅延による輻輳の悪化を回避することができる。これにより、データ配信システムにおいては、余計なデータの送受信を行うことによる無駄を省き、極めて効率よく輻輳を制限した最適な配信処理を可能とするものである。
【0026】
以下では、本発明の外延を明確にすべく、まず、配信処理に参加する情報処理端末装置をいわばネズミ算式に増加させることができるデータ配信システムについて説明し、その後、このデータ配信システムにおける輻輳制限の手法について説明を行うものとする。
【0027】
データ配信システムは、図1に構成概念を示すように、あるネットワークに属する複数台の情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,・・・から構成される。このデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置101が配信端末とされ、この情報処理端末装置101から他の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・のそれぞれに対してデータが配信される。
【0028】
このとき、データ配信システムにおいて、配信端末たる情報処理端末装置101は、受信端末たる他の全ての情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・と接続を行うのではなく、直接的には所定数(以下、分木数という。)の情報処理端末装置と接続を行う。具体的には、情報処理端末装置101は、分木数を”2”とした場合には、情報処理端末装置102,103のそれぞれと1対1のハンドシェイク接続を行い、データの受信が確実に行われたか否かを確認しつつ、情報処理端末装置102,103のそれぞれに対してデータを配信する。これとともに、情報処理端末装置101は、情報処理端末装置102に対しては、情報処理端末装置104,105のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置103に対しては、情報処理端末装置106,107のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0029】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、2次配信端末とされ、分木数を”2”とし、受信端末たる情報処理端末装置104,105のそれぞれと1対1のハンドシェイク接続を行い、データの受信が確実に行われたか否かを確認しつつ、情報処理端末装置104,105のそれぞれに対してデータを配信する。これとともに、情報処理端末装置102は、情報処理端末装置104に対しては、図示しない他の情報処理端末装置への2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置105に対しては、図示しない情報処理端末装置への2次配信を依頼する。
【0030】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、2次配信端末とされ、分木数を”2”とし、受信端末たる情報処理端末装置106,107のそれぞれと1対1のハンドシェイク接続を行い、データの受信が確実に行われたか否かを確認しつつ、情報処理端末装置106,107のそれぞれに対してデータを配信する。これとともに、情報処理端末装置103は、情報処理端末装置106に対しては、図示しない他の情報処理端末装置への2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置107に対しては、図示しない情報処理端末装置への2次配信を依頼する。
【0031】
データ配信システムにおいては、このような動作を繰り返し行うことにより、情報処理端末装置101から配信されるデータを受信する情報処理端末装置がいわばネズミ算式に増加することになる。
【0032】
データ配信システムにおいては、このような方式を採用することにより、従来のデータ配信方法に比較して、短時間で多数の情報処理端末装置に対して確実にデータを配信することができる。
【0033】
具体的には、従来のデータ配信システムにおいては、図2(A)に示すように、1台の情報処理端末装置101から6台の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107へとデータを配信する場合には、情報処理端末装置101によって各情報処理端末装置102,103,104,105,106,107のそれぞれに対して順次データを送信する必要があることから、配信処理を終了するのに情報処理端末装置102,103,104,105,106,107の台数分である6ステップ分の時間を要することになる。また、従来のデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置101から6台の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107へとデータを配信する際に、いわゆるブロードキャストを行うこともできるが、この場合には、短時間で配信処理が終了するものの、各情報処理端末装置102,103,104,105,106,107がデータを受け取ったか否かについての確認を行うことができず、各情報処理端末装置102,103,104,105,106,107がデータを確実に受け取る可能性を高めるために、データの再送を行うこともあり、結果として短時間では配信処理が終了しないこともある。
【0034】
これに対して、図1に示した方式を採用するデータ配信システムにおいては、図2(B)に示すように、情報処理端末装置101から6台の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107へとデータを配信する場合には、各情報処理端末装置間でデータを受け取ったか否かについての確認を行いつつ、配信処理を4ステップ分の時間で終了することができる。
【0035】
特に、データ配信システムにおいては、各情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107がいわゆるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を用いた無線通信を行うものとして構成される場合には、複数の周波数帯域を略ランダムに切り替えて使用することによって同時通信を可能とするいわゆる周波数ホッピング方式を用い、同じ周波数帯域を用いながらも同時刻に複数の接続が存在する多重接続を行うことが可能である。したがって、データ配信システムは、この周波数ホッピング方式を用いる通信を行う際には、その性質を十分に発揮することができ、効率的に配信処理を実行することができる。
【0036】
また、データ配信システムにおいては、従来のデータ配信方法に比較して、電力消費の観点からも有効である。
【0037】
すなわち、従来のデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置102,103,104,105,106,107の台数分の通信に際する負荷が配信端末とされる情報処理端末装置101にかかることになるが、これに対して、図1に示した方式を採用するデータ配信システムにおいては、負荷を各情報処理端末装置に分散させることができる。
【0038】
以下、このようなデータ配信システムについて、より具体的に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、情報処理端末装置は、ブルートゥースを用いた無線通信を行うものとして説明する。
【0039】
まず、各情報処理端末装置について説明する。なお、上述した情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,・・・は、それぞれ、略同様の構成によって実現できることから、ここでは、情報処理端末装置10と総称するものとする。
【0040】
情報処理端末装置10は、例えば図3に示すように、略直方体状の筐体からなる外観を呈し、その正面SFに各種情報が表示される液晶ディスプレイ(LiquidCrystal Display;LCD)等からなる後述する表示部における表示画面11を設けて構成される。また、情報処理端末装置10においては、この表示画面11がタッチパネルとして構成され、表示されたGUI(Graphical User Interface)をユーザが操作可能に構成される。また、情報処理端末装置10は、少なくともデータを受信した旨や当該情報処理端末装置10の状態といった各種情報を音声出力によってユーザに通知するためのスピーカ12や、同様の情報を点灯及び/又は点滅によってユーザに通知するための発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等からなるランプ13を設けて構成される。なお、情報処理端末装置10は、ここでは図示しないが、スピーカ11による着信音等の音声出力を行うことができない状況の場合に、同様の情報をユーザに通知するために、必要に応じて、後述するバイブレータを内蔵し、同様の情報を振動によってユーザに通知するように構成される。さらに、情報処理端末装置10は、後述する輻輳制限用のパラメータである輻輳制限パラメータを設定するパラメータ設定モードへと状態を切り替えるための設定ボタン14と、受信したデータを他の情報処理端末装置に対して送信するデータ配信モードへと状態を切り替えるための配信ボタン15とを設けて構成される。
【0041】
このような外観を呈する情報処理端末装置10は、その内部回路構成として、例えば図4に示すように、上述したスピーカ12、ランプ13、設定ボタン14、及び配信ボタン15の他、各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)21と、上述した各種情報を表示する表示画面11に対する駆動デバイスとしての表示部22と、タッチパネルとして機能する表示画面11に対する駆動デバイスとしてのタッチパネル駆動部23と、音声を増幅するアンプ24と、上述したバイブレータ25と、ワークエリアとして用いられる例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等からなる一時記憶用メモリ26と、各種情報を保存するために用いられる例えばフラッシュメモリ等からなる保存用メモリ27と、他の情報処理端末装置との間でデータの送受信を行うためのブルートゥース・ユニット28とを備える。情報処理端末装置10においては、これらの各部のうち、少なくともCPU21、表示部22、タッチパネル駆動部23、一時記憶用メモリ26、保存用メモリ27、及びブルートゥース・ユニット28がバス29を介して相互に接続されて構成される。
【0042】
CPU21は、少なくともランプ13、設定ボタン14、配信ボタン15、アンプ24、及びバイブレータ25と接続し、これらの各部の動作を制御し、保存用メモリ27等に記憶されている各種プログラムを実行する。具体的には、CPU21は、データを受信した旨をユーザに通知する際に、ランプ13の点灯及び/又は点滅動作を制御する。また、CPU21は、データを受信した旨をスピーカ12からの音声出力によってユーザに通知する際に、アンプ24の利得を制御して着信音等の音量を制御する。さらに、CPU21は、データを受信した旨をバイブレータ25による振動によってユーザに通知する際に、バイブレータ25の振動動作を制御する。さらにまた、CPU21は、ユーザによって設定ボタン14が押下された場合には、パラメータ設定モードへと状態を切り替え、例えばユーザによるパラメータの設定を可能とするための所定のGUIを表示画面11に表示させる等の処理を行う。また、CPU21は、ユーザによって配信ボタン15が押下された場合には、データ配信モードへと状態を切り替え、後述する所定のGUIを表示画面11に表示させる等の処理を行う。さらに、CPU21は、表示部22、タッチパネル駆動部23、一時記憶用メモリ26、保存用メモリ27、及びブルートゥース・ユニット28とバス29を介して接続し、これらの各部の動作も制御する。
【0043】
表示部22は、CPU21の制御のもとに、後述するGUIを含む各種情報を表示画面11に表示させる。
【0044】
タッチパネル駆動部23は、CPU21の制御のもとに、タッチパネルとして機能する表示画面11に対するユーザの操作を受け付け、操作内容を示す制御信号をバス29を介してCPU21に供給する。
【0045】
アンプ24は、CPU21の制御のもとに、所定の着信音等の音声を増幅し、スピーカ12に供給する。
【0046】
バイブレータ25は、CPU21の制御のもとに、所定のパターン及び強度で振動する。
【0047】
一時記憶用メモリ26は、CPU21が各種処理を実行する際のワークエリアとして機能し、CPU21の制御のもとに、各種データを一時的に記憶する。
【0048】
保存用メモリ27は、各種プログラムを含む情報を保存を目的として記憶する。この保存用メモリ27に記憶されている情報は、CPU21の制御のもとに読み出される。
【0049】
ブルートゥース・ユニット28は、電波を授受するためのアンテナ28aと接続し、CPU21の制御のもとに、ネットワークを構成する他の情報処理端末装置との間で通信を行う。
【0050】
データ配信システムにおいては、このような各部を備える情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,・・・によってツリー状の配信経路が構成され、配信端末とされるツリー状の階層における最上位の情報処理端末装置101が保持する任意のデータが受信端末とされる下位の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・に対して配信される。以下では、配信端末とされる情報処理端末装置101に対してユーザが入力した文字列データを受信端末とされる他の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・に対して配信する場合の基本的な動作について説明する。
【0051】
この場合、配信端末とされる情報処理端末装置101は、ユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程と、この文字列データを配信する工程とを行う。
【0052】
まず、情報処理端末装置101は、ユーザによって配信ボタン15が押下されることによってデータ配信モードへと状態が移行すると、ユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程として、CPU21の制御のもとに、表示画面11に対して例えば図5に示すようなGUIを表示する。このGUIは、表示画面11がタッチパネルとして構成されていることから、ユーザがタッチペン等の入力デバイスを用いて表示画面11を接触することによって所定の事項が入力可能とされるものである。具体的には、このGUIは、入力可能とされる文字列が羅列されたソフトウェアキーボード31と、このソフトウェアキーボード31を介して入力された文字列を表示する入力文字列表示領域32と、例えば平仮名、片仮名、アルファベット又は数字といったソフトウェアキーボード31として羅列される文字列の種別を選択的に切り替えるための文字種別設定ボタン33と、入力文字列表示領域32に表示された文字列からなる文字列データを送信する送信ボタン34とから構成される。ユーザは、このようなGUIを用いて任意の文字列を入力することができる。例えば、ユーザは、3時から会議を開始する旨を他のユーザに対して通知したい場合には、例えば同図に示すように、”3ジニカイギ”といった文字列を入力する。ユーザは、ソフトウェアキーボード31を介して入力された文字列が入力文字列表示領域32に表示された状態で、送信ボタン34を押下することにより、当該文字列からなる文字列データの配信処理を開始する旨を情報処理端末装置101に対して指示する。
【0053】
続いて、情報処理端末装置101は、入力された文字列データを配信する工程を行う。具体的には、情報処理端末装置101は、図6及び図7に示す一連の工程を経ることにより、入力された文字列データを配信する。なお、ここでは、説明の便宜上、情報処理端末装置101は、先に図1に示したように、分木数が”2”である配信処理を行う場合について説明する。
【0054】
まず、情報処理端末装置101は、図6に示すように、ステップS1において、自己の電波到達範囲に受信端末となる情報処理端末装置があるか否かを探索する。
【0055】
そして、情報処理端末装置101は、ステップS2において、受信端末が全く発見できなかった場合には、ステップS3において、受信端末となる情報処理端末装置が発見できなかった旨を表示画面11に表示し、一連の工程を終了する。
【0056】
一方、情報処理端末装置101は、ステップS2において、受信端末が発見できた場合には、発見した情報処理端末装置のそれぞれからアドレスを取得し、ステップS4において、取得したアドレスからなるアドレスリストを作成する。
【0057】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS5において、上述した分木数に基づいて、作成したアドレスリストを分割し、複数のアドレスリスト(以下、分割アドレスリストという。)を作成する。具体的には、情報処理端末装置101は、先に図1に示した配信処理を行う場合には、分木数が”2”であることから、アドレスリストを2個に分割する。この場合、情報処理端末装置101は、アドレスリストに含まれるアドレスの個数がAn個であるものとすると、アドレスリストの先頭のアドレスからAn/2個目までのアドレスを一方の分割アドレスリストである分割アドレスリストL1とし、(An/2)+1個目のアドレスからAn個目までのアドレスを他方の分割アドレスリストである分割アドレスリストL2とする。一般的には、分木数を任意の自然数NNとし、アドレスリストに含まれるアドレスの個数がAn個であるものとすると、分割アドレスリストLNに含まれるアドレスは、アドレスリストにおける(An/NN)×(N−1)+1個目のアドレスから(An/NN)×N個目までのアドレスとなる。
【0058】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS6において、変数Nの値を”1”とする。なお、この変数Nは、ステップS5にて分割した2個の分割アドレスリストに上述したL1,L2と番号付けを行うためのものであり、情報処理端末装置101は、変数N=1とすることにより、1個目の分割アドレスリストである分割アドレスリストL1についての処理を行うことになる。
【0059】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS7において、分割アドレスリストLN(分割アドレスリストL1)の内容が空であるか否かを判定する。
【0060】
ここで、情報処理端末装置101は、分割アドレスリストLNの内容が空であるものと判定した場合には、図7中ステップS16へと処理を移行し、変数Nの値を”1”だけインクリメントし、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理へと移行する。
【0061】
一方、情報処理端末装置101は、分割アドレスリストLNの内容が空でないものと判定した場合には、ステップS8において、分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスで示される受信端末としての情報処理端末装置に対して接続を試みる。
【0062】
ここで、情報処理端末装置101は、ステップS9において、何らかの理由によって接続に失敗したものと判定した場合には、ステップS10へと処理を移行し、接続に失敗した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS7からの処理を繰り返す。
【0063】
一方、情報処理端末装置101は、ステップS9において、接続に成功したものと判定した場合には、ステップS11において、接続した受信端末としての情報処理端末装置が、図1に示した本データ配信方式に対応しているか否か、すなわち、2次配信の依頼に応じてデータを他の情報処理端末装置に対して送信することができるものであるか否かを判定する。これは、接続した受信端末としての情報処理端末装置が、単にブルートゥース・ユニット28を含む通信手段を搭載しているのみであり、本データ配信方式に対応していない可能性が想定されることによる。
【0064】
ここで、情報処理端末装置101は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応していないものと判定した場合には、ステップS12へと処理を移行し、当該受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS10において、接続を切断した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS7からの処理を繰り返す。
【0065】
一方、情報処理端末装置101は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応しているものと判定した場合には、図7に示すように、ステップS13において、送信すべきデータ、すなわち、上述したユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程にて入力された文字列データを接続した受信端末としての情報処理端末装置に対して送信するとともに、ステップS14において、2次配信の依頼内容を示す2次配信依頼情報を当該受信端末としての情報処理端末装置に対して送信する。
【0066】
ここで、2次配信依頼情報は、例えば図8に示すように、分割アドレスリストLNのうち、ステップS9にて接続に失敗した受信端末やステップS11にて本データ配信方式に対応していないものと判定された受信端末を示すアドレスとしてステップS10にて削除された残りのアドレスからなるアドレスリストを少なくとも含むものであり、ここでは図示しないが必要に応じて、上述した分木数等の2次配信に必要となる所定のパラメータを含むものである。
【0067】
そして、情報処理端末装置101は、データ及び2次配信依頼情報の送信を終了すると、ステップS15において、受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS16において、変数Nの値を”1”だけインクリメントする。
【0068】
続いて、情報処理端末装置101は、ステップS17において、全ての分割アドレスリストについての処理が終了したか否かを判定する。ここでは、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理を行っていないことから、情報処理端末装置101は、図6中ステップS7からの処理を繰り返す。そして、情報処理端末装置101は、全ての分割アドレスリスト(分割アドレスリストL1,L2)についての処理が終了したものと判定した場合には、そのまま一連の入力された文字列データを配信する工程を終了する。
【0069】
配信端末とされる情報処理端末装置101は、このようなユーザによって配信すべき文字列データを入力する工程と、この文字列データを配信する工程とを行うことにより、先に図1に示した配信処理を行う場合には、受信端末とされる2台の情報処理端末装置102,103のそれぞれに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信する。情報処理端末装置101は、情報処理端末装置102に対しては、少なくとも情報処理端末装置104,105,・・・のアドレスを含む2次配信依頼情報を送信する一方で、情報処理端末装置103に対しては、少なくとも情報処理端末装置106,107,・・・のアドレスを含む2次配信依頼情報を送信する。
【0070】
一方、このような情報処理端末装置101から送信されたデータを受信する受信端末とされる情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・は、それぞれ、図9及び図10に示す一連の工程を経ることにより、データを受信し、さらに2次配信端末としての動作を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、本データ配信方式に対応している情報処理端末装置102が受信端末とされる場合における処理について説明する。
【0071】
まず、情報処理端末装置102は、図9に示すように、ステップS21において、情報処理端末装置101からのデータを受信したか否かを判定する。情報処理端末装置102は、データを受信していない場合には、データを受信するまで待機する一方で、データを受信した場合には、ステップS22において、受信したデータを上述した表示画面11に表示するとともに、アンプ24を介したスピーカ12からの着信音出力、ランプ13の点灯及び/又は点滅、及び/又はバイブレータ25による振動等により、ユーザに対してデータを受信した旨を通知する。
【0072】
続いて、情報処理端末装置102は、ステップS23において、情報処理端末装置101からの2次配信依頼情報を受信したか否かを判定する。情報処理端末装置102は、2次配信依頼情報を受信していない場合には、2次配信依頼情報を受信するまで待機する一方で、2次配信依頼情報を受信した場合には、2次配信端末として、図6中ステップS5乃至図7中ステップS17に示した配信端末としての動作と同様の動作を行う。
【0073】
すなわち、情報処理端末装置102は、ステップS24において、上述した分木数に基づいて、受信した2次配信依頼情報に含まれるアドレスリストを分割し、複数の分割アドレスリストを作成する。具体的には、情報処理端末装置102は、先に図1に示した配信処理を行う場合には、分木数が”2”であることから、アドレスリストを2個に分割する。
【0074】
続いて、情報処理端末装置102は、ステップS25において、変数Nの値を”1”とし、ステップS26において、分割アドレスリストLN(分割アドレスリストL1)の内容が空であるか否かを判定する。
【0075】
ここで、情報処理端末装置102は、分割アドレスリストLNの内容が空であるものと判定した場合には、図10中ステップS35へと処理を移行し、変数Nの値を”1”だけインクリメントし、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理へと移行する。
【0076】
一方、情報処理端末装置102は、分割アドレスリストLNの内容が空でないものと判定した場合には、ステップS27において、分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスで示される受信端末としての情報処理端末装置に対して接続を試みる。
【0077】
ここで、情報処理端末装置102は、ステップS28において、何らかの理由によって接続に失敗したものと判定した場合には、ステップS29へと処理を移行し、接続に失敗した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS26からの処理を繰り返す。
【0078】
一方、情報処理端末装置102は、ステップS28において、接続に成功したものと判定した場合には、ステップS30において、接続した受信端末としての情報処理端末装置が、図1に示した本データ配信方式に対応しているか否かを判定する。
【0079】
ここで、情報処理端末装置102は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応していないものと判定した場合には、ステップS31へと処理を移行し、当該受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS29において、接続を切断した情報処理端末装置を示す分割アドレスリストLNにおける先頭のアドレスを削除し、ステップS26からの処理を繰り返す。
【0080】
一方、情報処理端末装置102は、接続した受信端末としての情報処理端末装置が本データ配信方式に対応しているものと判定した場合には、図10に示すように、ステップS32において、送信すべきデータ、すなわち、配信端末とされる情報処理端末装置101から送信された文字列データを接続した受信端末としての情報処理端末装置に対して送信するとともに、ステップS33において、2次配信の依頼内容を示す2次配信依頼情報を当該受信端末としての情報処理端末装置に対して送信する。
【0081】
そして、情報処理端末装置102は、データ及び2次配信依頼情報の送信を終了すると、ステップS34において、受信端末としての情報処理端末装置との接続を切断した後、ステップS35において、変数Nの値を”1”だけインクリメントする。
【0082】
続いて、情報処理端末装置102は、ステップS36において、全ての分割アドレスリストについての処理が終了したか否かを判定する。ここでは、次の分割アドレスリストLN+1(分割アドレスリストL2)についての処理を行っていないことから、情報処理端末装置102は、図9中ステップS26からの処理を繰り返す。そして、情報処理端末装置102は、全ての分割アドレスリスト(分割アドレスリストL1,L2)についての処理が終了したものと判定した場合には、そのまま一連の工程を終了する。
【0083】
受信端末とされる情報処理端末装置102は、このような一連の工程を行うことにより、データを受信するとともに、先に図1に示した配信処理を行う場合には、2次配信端末として、受信端末とされる2台の情報処理端末装置104,105のそれぞれに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信する。
【0084】
このように、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101が保持する任意のデータを、当該情報処理端末装置101の電波到達範囲に属する他の情報処理端末装置102,103,104,105,106,107,・・・に対していわばネズミ算式に配信することができる。
【0085】
なお、データ配信システムにおいては、先に図2(B)に示した情報処理端末装置104,105,106,107のように、それ以降2次配信を行うことがない配信経路における末端の情報処理端末装置に対しても、その上位の情報処理端末装置によって2次配信依頼情報を送信する。ただし、この2次配信依頼情報は、2次配信先としてのアドレスが何ら記述されていないものである。したがって、末端の情報処理端末装置は、他の受信端末とされる情報処理端末装置と同様に、図9及び図10に示した一連の工程を行えばよく、図9中ステップS26において、分割アドレスリストLNの内容が空であるものと判定することになる。
【0086】
また、図6及び図7に示した配信端末とされる情報処理端末装置の処理、並びに図9及び図10に示した受信端末とされる情報処理端末装置の処理においては、例えば、分割アドレスリストL1の内容が空であり、且つ、分割アドレスリストL2の内容が空でない場合には、処理の効率化を図るべく、内容が含まれる分割アドレスリストL2を図6中ステップS5及び図9中ステップS24における分割対象とするようにしてもよい。
【0087】
さらに、データ配信システムにおいては、上述した分木数としての自然数NNについては、各情報処理端末装置において予め同じ値として設定されてもよく、上述したように、ユーザによって配信端末とされる情報処理端末装置に対して配信すべきデータを入力する際に、ユーザが任意の値を入力し、この値を2次配信依頼情報におけるパラメータの1つとして記述することにより、各情報処理端末装置において同じ値が設定されるようにしてもよい。さらにまた、データ配信システムにおいては、分木数としての自然数NNについて、各情報処理端末装置において異なる値を用いるようにしてもよい。
【0088】
さて、以下では、このようなデータ配信システムにおける輻輳制限の手法について説明する。
【0089】
まず、輻輳制限を行わない場合のデータ配信システムとして、図11に示すように、12台の情報処理端末装置101,102,103,104,105,106,107,108,109,1010,1011,1012によってツリー状に構成されるものを考える。
【0090】
なお、以下では、配信端末とされる情報処理端末装置から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末とされる情報処理端末装置の全台数を送信端末数と称する。すなわち、このデータ配信システムにおける送信端末数は、”11”である。
【0091】
すなわち、このデータ配信システムにおいては、情報処理端末装置101が配信端末とされ、この情報処理端末装置101は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置102,104のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置102に対しては、6台の情報処理端末装置103,105,106,108,109,1010のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置104に対しては、3台の情報処理端末装置107,1011,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0092】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置103,106のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置103に対しては、3台の情報処理端末装置105,108,109のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置106に対しては、1台の情報処理端末装置1010への2次配信を依頼する。
【0093】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置105,109のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置105に対しては、1台の情報処理端末装置108への2次配信を依頼する。
【0094】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置105は、1台の情報処理端末装置108に対してデータを配信する。
【0095】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置104は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置107,1012のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置107に対しては、1台の情報処理端末装置1011への2次配信を依頼する。
【0096】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置107は、1台の情報処理端末装置1011に対してデータを配信する。
【0097】
ここで、同図中右端において配信経路上における各階層に記した数値は、全ての情報処理端末装置による送受信が同じタイミングで動作しているものとした場合において、その時刻における通信数を示すものである。
【0098】
すなわち、このデータ配信システムにおいては、1ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置102のみが動作していることから通信数が”1”となり、2ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置103,104が動作していることから通信数が”2”となり、3ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置105,106,107が動作していることから通信数が”3”となり、4ステップ目の階層では5台の情報処理端末装置108,109,1010,1011,1012が動作していることから通信数が”5”となる。
【0099】
ここで、輻輳を制限するためには、各階層における通信数に対して上限値を設ければよい。なお、以下では、この上限値を輻輳制限数と称するものとする。
【0100】
データ配信システムにおいては、輻輳を制限するために、輻輳制限数及び分木数を上述した輻輳制限パラメータとして用いる。なお、これらの輻輳制限数及び分木数は、ともに正の整数である必要がある。すなわち、詳細は後述するが、データ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置は、データを配信する際に、データ及び2次配信依頼情報に加え、輻輳制限パラメータを送信する。一方、データ配信システムにおいて、データ、2次配信依頼情報、及び輻輳制限パラメータを受信した情報処理端末装置は、受信した輻輳制限パラメータに基づいて、送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出し、この新たな輻輳制限パラメータを、2次配信を依頼された他の情報処理端末装置に対してデータ及び2次配信依頼情報とともに送信する。
【0101】
より具体的に説明するために、図11に示した構成に対して輻輳制限を行った場合として、図12又は図13にその結果を示す。
【0102】
まず、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101により、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”3”及び分木数を”2”とした輻輳制限パラメータを送信する場合には、図12に示すような配信経路が構築される。
【0103】
すなわち、このデータ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置101は、2台の情報処理端末装置102,104のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置102に対しては、7台の情報処理端末装置103,105,106,108,109,1011,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置104に対しては、2台の情報処理端末装置107,1010のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0104】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置103,106のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置103に対しては、3台の情報処理端末装置105,108,1011のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置106に対しては、2台の情報処理端末装置109,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0105】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置105に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置108への2次配信を依頼する。
【0106】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置105は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置108に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置1011への2次配信を依頼する。
【0107】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置108は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1011に対してデータを配信する。
【0108】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置104は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置107に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置1010への2次配信を依頼する。
【0109】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置107は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1010に対してデータを配信する。
【0110】
このようなデータ配信システムにおいては、1ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置102のみが動作していることから通信数が”1”となり、2ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置103,104が動作していることから通信数が”2”となり、3ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置105,106,107が動作していることから通信数が”3”となり、4ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置108,109,1010が動作していることから通信数が”3”となり、5ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置1011,1012が動作していることから通信数が”2”となる。
【0111】
このように、データ配信システムにおいては、輻輳制限数が”3”であるのに基づいて、各階層での通信数が全て”3”以下となるように、所定の階層よりも下位の通信の際には、分木数を”1”とした配信経路、すなわち、数珠状の配信経路が構築される。
【0112】
一方、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101により、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした輻輳制限パラメータを送信する場合には、図13に示すような配信経路が構築される。
【0113】
すなわち、このデータ配信システムにおいて、配信端末とされる情報処理端末装置101は、2台の情報処理端末装置102,104のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置102に対しては、6台の情報処理端末装置103,105,106,108,109,1011のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置104に対しては、3台の情報処理端末装置107,1010,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0114】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置102は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置103,106のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置103に対しては、3台の情報処理端末装置105,108,1011のそれぞれへの2次配信を依頼する一方で、情報処理端末装置106に対しては、1台の情報処理端末装置109への2次配信を依頼する。
【0115】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置103は、分木数を”2”とし、2台の情報処理端末装置105,1011のそれぞれに対してデータを配信するとともに、情報処理端末装置105に対しては、1台の情報処理端末装置108への2次配信を依頼する。
【0116】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置105は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置108に対してデータを配信する。
【0117】
同様に、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置104は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置107に対してデータを配信するとともに、2台の情報処理端末装置1010,1012のそれぞれへの2次配信を依頼する。
【0118】
続いて、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置107は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1010に対してデータを配信するとともに、1台の情報処理端末装置1012への2次配信を依頼する。
【0119】
そして、データ配信システムにおいて、情報処理端末装置1010は、分木数を”1”とし、1台の情報処理端末装置1012に対してデータを配信する。
【0120】
このようなデータ配信システムにおいては、1ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置102のみが動作していることから通信数が”1”となり、2ステップ目の階層では2台の情報処理端末装置103,104が動作していることから通信数が”2”となり、3ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置105,106,107が動作していることから通信数が”3”となり、4ステップ目の階層では3台の情報処理端末装置108,109,1010,1011が動作していることから通信数が”4”となり、5ステップ目の階層では1台の情報処理端末装置1012のみが動作していることから通信数が”1”となる。
【0121】
このように、データ配信システムにおいては、輻輳制限数が”4”であるのに基づいて、各階層での通信数が全て”4”以下となるように、所定の階層よりも下位の通信の際には、分木数を”1”とした配信経路、すなわち、数珠状の配信経路が構築される。
【0122】
データ配信システムにおいては、これらの図12又は図13に示したように、全ての情報処理端末装置に対するデータの配信処理が完了する時間は図11に示した場合よりも1ステップ分だけ多くなっているものの、輻輳を回避することができる。したがって、データ配信システムにおいては、図11に示した場合における4ステップ目にて輻輳が生じた場合には、図12又は図13に示した配信経路を構築することにより、結果的に短時間で配信処理が完了することが可能となる。
【0123】
また、データ配信システムにおいては、任意の情報処理端末装置間での通信の際に遅延が生じた場合であっても、各階層における通信数が輻輳制限数を超えることはなく、輻輳を制限することができる。
【0124】
例えば図12に示した配信経路において遅延が生じた場合について考える。ここで、同図に示した配信経路を横軸に時刻をとって表すと、図14に示すようになる。なお、同図において、各矩形中にて矢印を挟んで記された2つの符号は、各情報処理端末装置を表している。すなわち、同図における左端の矩形は、配信端末とされる情報処理端末装置101から受信端末とされる情報処理端末装置102に対しての送信作業を示している。また、同図において、矩形間を結ぶ矢印は、送信作業が行われる順序を表している。すなわち、同図における左端の矩形とその右隣の2つの矩形とを結ぶ矢印は、配信端末とされる情報処理端末装置101から受信端末とされる情報処理端末装置102に対しての送信作業が完了した後に、情報処理端末装置101から情報処理端末装置104に対しての送信作業と、情報処理端末装置102から受信端末とされる情報処理端末装置103に対しての送信作業とが行われることを示している。
【0125】
ここで、図15中斜線部に示すように、情報処理端末装置104から情報処理端末装置107に対しての送信作業に遅延が生じ、それにともない情報処理端末装置107から情報処理端末装置1010に対しての送信作業が行われる時刻が遅延した場合を考える。データ配信システムにおいては、このような場合であっても、通常であれば輻輳制限数を超える台数が属することになる階層よりも下位の階層にあっては数珠状に配信経路が構築されることから、同時刻における通信数が輻輳制限数である”3”を超えることはなく、適切に輻輳を制限することができる。
【0126】
また、図16中斜線部に示すように、情報処理端末装置102から情報処理端末装置103に対しての送信作業に遅延が生じ、それにともないそれ以降の全ての送信作業が行われる時刻が遅延した場合を考える。この場合、データ配信システムにおいては、全ての情報処理端末装置に対するデータの配信処理が完了する時間は長くなっているものの、図15に示した場合と同様に、通常であれば輻輳制限数を超える台数が属することになる階層よりも下位の階層にあっては数珠状に配信経路が構築されることから、同時刻における通信数が輻輳制限数である”3”を超えることはなく、適切に輻輳を制限することができる。
【0127】
さらに、データ配信システムにおいては、ある時刻における通信数が輻輳制限数を超えるまでは可能な限り指定された分木数での送信が行われることから、送信側の情報処理端末装置がデータを送信するために待機する必要がなく、また、ある時刻における通信数が輻輳制限数に到達した場合には当該輻輳制限数と同数の情報処理端末装置に対してのみ送信すればよい。したがって、データ配信システムにおいては、データの送信に遅延が生じない限り、指定された輻輳制限パラメータにおいての最短時間で全ての情報処理端末装置への配信処理が完了する。例えば、データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置101により、送信端末数が”18”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした輻輳制限パラメータを送信する場合には、図17に示すような配信経路が構築されるが、この配信経路において、情報処理端末装置102,103,104,105,106,107に対するデータの送信の際には、同時刻における通信数が輻輳制限数である”4”を超えていないことから分木数を”2”として可能な限りの送信が行われる一方で、それ以降の情報処理端末装置108,109,1010,1011,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018に対するデータの送信の際には、同時刻における通信数が輻輳制限数である”4”に到達していることから分木数を”1”として輻輳制限数と同数の送信が行われる。
【0128】
さて、以下では、上述した輻輳制限を行うための具体的な処理について説明する。
【0129】
まず、配信端末とされる情報処理端末装置について説明する。配信端末とされる情報処理端末装置は、図18に示す一連の工程を経ることにより、輻輳制限を行いつつ配信処理を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、本データ配信方式に対応している配信端末とされる情報処理端末装置を”T”と称し、この情報処理端末装置Tにおける処理について説明する。
【0130】
情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS41において、輻輳制限パラメータ、すなわち、輻輳制限数及び分木数の設定処理を行う。この輻輳制限パラメータの設定処理としては、ユーザが入力することによって設定する方法と、ユーザが入力することなくデフォルトで定められた値を用いる方法とがある。なお、以下では、ここで設定された輻輳制限数及び分木数を、それぞれ、”S”,”N”と表して説明する。
【0131】
続いて、情報処理端末装置Tは、ユーザが入力することによって輻輳制限パラメータを設定するか、又はユーザが入力することなくデフォルトで定められた値を用いることによって輻輳制限パラメータを設定すると、ステップS42において、自己の電波到達範囲に受信端末となる情報処理端末装置があるか否かを探索する探索処理を行う。情報処理端末装置Tは、この探索処理を行うことによって送信端末数を求め、設定する。なお、以下では、ここで設定された送信端末数を”D”と表して説明する。
【0132】
続いて、情報処理端末装置Tは、受信端末となる情報処理端末装置を探索すると、ステップS43において、CPU21の制御のもとに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて、送信用の新たな輻輳制限パラメータの算出処理を行う。このとき、情報処理端末装置Tは、受信端末となる情報処理端末装置毎に送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する。
【0133】
そして、情報処理端末装置Tは、送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出すると、ステップS44において、データの配信処理を行い、一連の処理を終了する。
【0134】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を行うことにより、分木数が”N”とされる場合には、図19に示すように、時刻jにおいて直接接続する情報処理端末装置をRjで表すものとすると、各情報処理端末装置Rjに対してデータ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を順次送信するとともに、算出した輻輳制限数sj及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数djとを送信する。
【0135】
すなわち、情報処理端末装置Tは、ある時刻0においては、1台の情報処理端末装置R0に対して、データ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を送信するとともに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて当該情報処理端末装置R0用に算出した輻輳制限数s0及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数d0とを送信する。また、情報処理端末装置Tは、次の時刻1においては、1台の情報処理端末装置R1に対して、データ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を送信するとともに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて当該情報処理端末装置R1用に算出した輻輳制限数s1及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数d1とを送信する。同様に、情報処理端末装置Tは、時刻N−1においては、1台の情報処理端末装置RN−1に対して、データ及び少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報を送信するとともに、設定された輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて当該情報処理端末装置RN−1用に算出した輻輳制限数sN−1及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数dN−1とを送信する。
【0136】
以下では、図18に示した4つの処理について詳述する。
【0137】
まず、図18中ステップS41における輻輳制限パラメータの設定処理について説明する。なお、輻輳制限パラメータの設定処理としては、上述したように、ユーザが入力することによって設定する方法と、ユーザが入力することなくデフォルトで定められた値を用いる方法とがあるが、ここでは、ユーザが入力することによって輻輳制限パラメータを設定する場合について説明する。
【0138】
この場合、情報処理端末装置Tは、図20に示すような一連の工程を経ることにより、輻輳制限パラメータの設定処理を行う。
【0139】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS51において、ユーザによって上述した設定ボタン14が押下されたか否かをCPU21の制御のもとに判定する。
【0140】
情報処理端末装置Tは、設定ボタン14が押下されていないものと判定した場合には、設定ボタン14が押下されるまで待機する一方で、設定ボタン14が押下されたものと判定した場合には、上述したパラメータ設定モードへと状態を切り替え、ステップS52において、所定のパラメータ設定画面を上述した表示画面11に表示する。そして、情報処理端末装置Tは、ステップS53において、表示画面11に表示されたパラメータ設定画面を介してユーザによって輻輳制限パラメータを入力する。
【0141】
ここで、パラメータ設定画面は、例えば図21に示すようなGUIからなる。このパラメータ設定画面は、表示画面11がタッチパネルとして構成されていることから、先に図5に示したGUIと同様に、ユーザがタッチペン等の入力デバイスを用いて表示画面11を接触することによって所定の事項が入力可能とされるものである。具体的には、このパラメータ設定画面としてのGUIは、輻輳制限数Sとしての数値を入力するための輻輳制限数入力領域41と、分木数Nとしての数値を入力するための分木数入力領域42と、これらの輻輳制限数入力領域41及び分木数入力領域42を介して入力された数値を設定するための決定ボタン43とから構成される。ユーザは、輻輳制限数入力領域41及び分木数入力領域42を介して輻輳制限数S及び分木数Nを入力し、決定ボタン43を押下する。これにより、配信端末とされる情報処理端末装置Tは、入力された輻輳制限数S及び分木数Nを、輻輳制限パラメータとして設定する。
【0142】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、ユーザによって入力された輻輳制限パラメータを設定することができる。
【0143】
つぎに、図18中ステップS42における受信端末となる情報処理端末装置の探索処理について説明する。
【0144】
この場合、情報処理端末装置Tは、図22に示すような一連の工程を経ることにより、受信端末となる情報処理端末装置の探索処理を行う。
【0145】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS61において、ユーザによって上述した配信ボタン15が押下されたか否かをCPU21の制御のもとに判定する。
【0146】
情報処理端末装置Tは、配信ボタン15が押下されていないものと判定した場合には、配信ボタン15が押下されるまで待機する一方で、配信ボタン15が押下されたものと判定した場合には、上述したデータ配信モードへと状態を切り替え、ステップS62において、自己の電波到達範囲に存在する受信端末となる情報処理端末装置を探索する。そして、情報処理端末装置Tは、発見した情報処理端末装置のそれぞれからアドレスを取得し、取得したアドレスからなるアドレスリストを作成して上述した保存用メモリ27等に記憶する。このとき、情報処理端末装置Tは、発見した情報処理端末装置の台数を上述した送信端末数Dとして設定する。
【0147】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、受信端末となる情報処理端末装置を探索し、送信端末数Dを求めることができる。
【0148】
つぎに、図18中ステップS43における送信用の新たな輻輳制限パラメータの算出処理について説明する。
【0149】
この場合、情報処理端末装置Tは、図23に示すようなアルゴリズムにしたがった一連の工程を経ることにより、受信端末とされる情報処理端末装置Rj毎に、送信用の輻輳制限数sj及び送信端末数djを算出する。
【0150】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS71において、情報処理端末装置R0に対する輻輳制限数s0及び送信端末数d0をともに”1”に初期化するとともに、情報処理端末装置R0以外の情報処理端末装置に対する輻輳制限数s1,s2,・・・,sN及び送信端末数d1,d2,・・・,dNをともに”0”に初期化する。また、情報処理端末装置Tは、パラメータの算出過程で用いる値tempを”0”に初期化するとともに、同じくパラメータの算出過程で用いる値bを”true”に初期化する。なお、値bは、論理を表すフラグ変数であり、真のときには”true”が代入される一方で、偽のときには”false”が代入されるものである。
【0151】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS72において、送信端末数d0,d1,・・・,dN−1を算出するとともに、ステップS73において、輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出する。
【0152】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図24に示すような一連の工程を経ることにより、送信端末数d0,d1,・・・,dN−1を算出する。
【0153】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS91において、送信端末数dN−1を値tempに代入して保存し、ステップS92において、時刻jを”N−1”に設定する。
【0154】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS93において、時刻jが”0”よりも大きいか否かを判定する。
【0155】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS94の処理へと移行し、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する送信端末数djを算出する。このとき、情報処理端末装置Tは、送信端末数d0以外の値は、情報処理端末装置Rj−1に対する送信端末数とすることから、dj=dj−1を算出する。
【0156】
続いて、情報処理端末装置Tは、作業対象を情報処理端末装置Rj−1とするために、ステップS95において、時刻jを”1”だけデクリメントし、ステップS93からの処理を繰り返す。
【0157】
情報処理端末装置Tは、このようなステップS93乃至ステップS95の処理を繰り返し、ステップS93において、時刻jが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、ステップS96において、送信端末数d0を、当該送信端末数d0と輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1の和である合計輻輳制限数との和とし、一連の処理を終了する。
【0158】
情報処理端末装置Tは、このようにして送信端末数d0,d1,・・・,dN−1を算出すると、図23中ステップS73において、輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出する。
【0159】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図25に示すような一連の工程を経ることにより、輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出する。
【0160】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS101において、時刻jを”0”に設定し、ステップS102において、時刻jが”N”よりも小さいか否かを判定する。
【0161】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいものと判定した場合には、ステップS103の処理へと移行し、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する輻輳制限数sjを算出する。このとき、情報処理端末装置Tは、輻輳制限数sN以外の値は、情報処理端末装置Rjに対する送信端末数djと情報処理端末装置Rj+1に対する送信端末数dj+1との差分とすることから、sj=dj−dj+1を算出する。
【0162】
続いて、情報処理端末装置Tは、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、ステップS104において、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0163】
情報処理端末装置Tは、このようなステップS102乃至ステップS104の処理を繰り返し、ステップS102において、時刻jが”N”よりも小さくないものと判定した場合には、ステップS105において、輻輳制限数sNを、送信端末数dNと図24に示した送信端末数算出処理の際に保存した値tempとの差分とし、一連の処理を終了する。
【0164】
情報処理端末装置Tは、このようにして輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1を算出すると、図23中ステップS74において、算出した輻輳制限数s0,s1,・・・,sN−1の和である合計輻輳制限数sumSを算出し、ステップS75において、この合計輻輳制限数sumSが最初に設定された輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数Sよりも大きいか否かを判定する。
【0165】
ここで、情報処理端末装置Tは、合計輻輳制限数sumSが輻輳制限数Sよりも大きくないものと判定した場合には、後述するステップS77へと処理を移行する。一方、情報処理端末装置Tは、合計輻輳制限数sumSが輻輳制限数Sよりも大きいものと判定した場合には、このままの台数に対してデータを送信したのでは輻輳を制限することができないことから、ステップS76において、合計輻輳制限数sumSの値を減らすための輻輳制限処理を行う。すなわち、情報処理端末装置Tは、この輻輳制限処理によって算出される送信用の輻輳制限パラメータにおける合計輻輳制限数sumS=s0+s1+・・・+sN−1が輻輳制限数S以下となるように調整する。なお、情報処理端末装置Tは、この輻輳制限処理に移行した場合には、上述した値bを”false”とする。
【0166】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図26に示すような一連の工程を経ることにより、輻輳制限処理を行う。
【0167】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS111において、値bを”false”とし、ステップS112において、合計輻輳制限数sumSと輻輳制限数Sとの差分をとり、過剰輻輳制限数overSを算出する。
【0168】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS113において、時刻jを”0”に設定し、ステップS114において、時刻jが”N”よりも小さいか否か、又は過剰輻輳制限数overSが”0”でないか否かを判定する。
【0169】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないか、又は過剰輻輳制限数overSが”0”であるものと判定した場合には、合計輻輳制限数sumS=s0+s1+・・・+sN−1が輻輳制限数S以下であり、これ以上輻輳制限処理を行う必要がないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0170】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいか、又は過剰輻輳制限数overSが”0”でないものと判定した場合には、ステップS115において、過剰輻輳制限数overSが”0”よりも大きく、且つ、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する輻輳制限数sjが情報処理端末装置Rj+1に対する輻輳制限数sj+1よりも大きいか否かを判定する。
【0171】
ここで、情報処理端末装置Tは、過剰輻輳制限数overSが”0”よりも大きく、且つ、輻輳制限数sjが輻輳制限数sj+1よりも大きいものと判定した場合には、ステップS116へと処理を移行し、情報処理端末装置Rjに対する送信端末数dj、輻輳制限数sj及び過剰輻輳制限数overSの値を、それぞれ、”1”だけデクリメントし、ステップS115からの処理を繰り返す。
【0172】
一方、情報処理端末装置Tは、過剰輻輳制限数overSが”0”よりも大きくなく、且つ、輻輳制限数sjが輻輳制限数sj+1よりも大きくないものと判定した場合には、ステップS117へと処理を移行し、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS114からの処理を繰り返す。
【0173】
情報処理端末装置Tは、このようにして輻輳制限処理を行うと、図23中ステップS77へと処理を移行する。情報処理端末装置Tは、ステップS77において、算出した送信端末数d0,d1,・・・,dN−1の和である合計送信端末数sumDを算出し、ステップS78において、この合計送信端末数sumDが最初に設定された送信端末数D以上であるか否かを判定する。
【0174】
ここで、情報処理端末装置Tは、合計送信端末数sumDが送信端末数D未満であるものと判定した場合には、ステップS79へと処理を移行し、値bが”true”であるか否かを判定する。すなわち、情報処理端末装置Tは、ステップS76における輻輳制限処理が行われたか否かを判定する。情報処理端末装置Tは、値bが”true”である、すなわち、輻輳制限処理が行われていないものと判定した場合には、ステップS72からの処理を繰り返す。一方、情報処理端末装置Tは、値bが”false”である、すなわち、輻輳制限処理が行われたものと判定した場合には、これ以降の配信処理は先に図17に示した情報処理端末装置108,109,1010,1011,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018のような数珠状の配信経路のもとに行う必要があることから、ステップS80において、数珠状の配信経路を構築するために順次送信処理を行う。
【0175】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図27に示すような一連の工程を経ることにより、ある時刻における通信数が輻輳制限数に到達した後の時刻において順次送信処理を行う。なお、ここでは、送信用の輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数を変えずに、送信用の送信端末数を算出するものとする。
【0176】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS121において、時刻jを”0”に設定し、ステップS122において、時刻jが”N”よりも小さいか否かを判定する。
【0177】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないものと判定した場合には、送信する必要がある情報処理端末装置が存在しないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0178】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいものと判定した場合には、ステップS123において、送信端末数djを、当該送信端末数djと輻輳制限数sjとの和とし、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、ステップS124において、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS122からの処理を繰り返す。
【0179】
情報処理端末装置Tは、このようにして順次送信処理を行うと、図23中ステップS77からの処理を繰り返す。一方、情報処理端末装置Tは、ステップS78において、合計送信端末数sumDが送信端末数D以上であるものと判定した場合には、データを送信する必要がない台数の情報処理端末装置を排除すべく、ステップS81において、合計送信端末数sumDが送信端末数Dを超えた台数(sumD−D)だけ送信用の送信端末数から減らすための送信端末処理を行う。すなわち、情報処理端末装置Tは、ステップS72における送信端末数算出処理にて算出された送信端末数の合計である合計送信端末数sumD=d0+d1+・・・+dN−1が送信端末数D以下となるように調整する。
【0180】
具体的には、情報処理端末装置Tは、図28に示すような一連の工程を経ることにより、送信端末処理を行う。
【0181】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS131において、合計送信端末数sumDと送信端末数Dとの差分をとり、過剰送信端末数overDを算出する。
【0182】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS132において、時刻jを”0”に設定し、ステップS133において、時刻jが”N”よりも小さいか否か、又は過剰送信端末数overDが”0”でないか否かを判定する。
【0183】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないか、又は過剰送信端末数overDが”0”であるものと判定した場合には、合計送信端末数sumD=d0+d1+・・・+dN−1が送信端末数D以下であり、これ以上送信端末処理を行う必要がないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0184】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいか、又は過剰送信端末数overDが”0”でないものと判定した場合には、ステップS134において、過剰送信端末数overDが”0”よりも大きく、且つ、受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する輻輳制限数sjが”0”よりも大きいか否かを判定する。
【0185】
ここで、情報処理端末装置Tは、過剰送信端末数overDが”0”よりも大きく、且つ、輻輳制限数sjが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS135へと処理を移行し、情報処理端末装置Rjに対する送信端末数dj、輻輳制限数sj及び過剰送信端末数overDの値を、それぞれ、”1”だけデクリメントし、ステップS134からの処理を繰り返す。
【0186】
一方、情報処理端末装置Tは、過剰送信端末数overDが”0”よりも大きくなく、且つ、輻輳制限数sjが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、ステップS136へと処理を移行し、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS133からの処理を繰り返す。
【0187】
情報処理端末装置Tは、このようにして送信端末処理を行い、図18中ステップS43における送信用の輻輳制限数sj及び送信端末数dj算出するアルゴリズムにしたがった一連の処理を終了する。
【0188】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、自己が直接接続する情報処理端末装置Rj毎に、送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出することができる。
【0189】
つぎに、図18中ステップS44におけるデータの配信処理について説明する。
【0190】
この場合、情報処理端末装置Tは、図29に示すような一連の工程を経ることにより、各情報処理端末装置Rjのそれぞれに対して順次データを配信する。
【0191】
すなわち、情報処理端末装置Tは、同図に示すように、ステップS141において、時刻jを”0”に設定し、ステップS142において、時刻jが”N”よりも小さいか否か、又は送信端末数djが”0”よりも大きいか否か、すなわち、情報処理端末装置Rjと当該情報処理端末装置Rjに対して2次配信を依頼すべき情報処理端末装置とが存在するか否かを判定する。
【0192】
ここで、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さくないか、又は送信端末数djが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、データ配信処理を行う必要がないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0193】
一方、情報処理端末装置Tは、時刻jが”N”よりも小さいか、又は送信端末数djが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS143において、情報処理端末装置Rjに対する送信用の輻輳制限パラメータを設定すべく、輻輳制限数sjを輻輳制限数Sとする。
【0194】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS144において、送信相手となる情報処理端末装置Rjとして1つのアドレスを指定し、その情報処理端末装置Rjに対して2次配信を依頼する情報処理端末装置として(D−1)台分のアドレスを2次配信依頼情報におけるアドレスリストとして割り当てる。このとき、情報処理端末装置Tは、送信用の他の情報処理端末装置のアドレスと重複しないように、アドレスリストから順次アドレスを割り当てる。
【0195】
続いて、情報処理端末装置Tは、ステップS145において、指定した情報処理端末装置Rjに対してデータを送信するとともに、少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報と、ステップS143にて設定した輻輳制限数D及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータ並びに送信端末数D(=dj)とを送信する。なお、情報処理端末装置Tは、受信側でアドレスリストにおけるアドレスの個数を計数すれば送信端末数を把握できることから、必ずしも送信端末数Dを送信する必要はない。
【0196】
そして、情報処理端末装置Tは、ステップS146において、作業対象を情報処理端末装置Rj+1とするために、時刻jを”1”だけインクリメントし、ステップS142からの処理を繰り返す。
【0197】
情報処理端末装置Tは、このような一連の工程を経ることにより、各情報処理端末装置Rjのそれぞれに対して順次データを配信することができる。
【0198】
データ配信システムにおいては、配信端末とされる情報処理端末装置Tによって以上のような処理を行うことにより、各情報処理端末装置Rjに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信するとともに、輻輳制限を行うために必要となる輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djを適切に算出して送信することができ、輻輳を制限することが可能となる。
【0199】
つぎに、受信端末とされる情報処理端末装置について説明する。受信端末とされる情報処理端末装置は、個々に、上位の情報処理端末装置から与えられた輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dに基づいて、2次配信の対象となる他の受信端末とされる情報処理端末装置Rjに対する送信用の新たな輻輳制限パラメータを適切に算出し、データ及び2次配信依頼情報とともに送信することができる。
【0200】
具体的には、受信端末とされる情報処理端末装置は、図30に示す一連の工程を経ることにより、データを受信するとともに、輻輳制限を行いつつ2次配信処理を行う。なお、ここでは、説明の便宜上、本データ配信方式に対応している受信端末とされる情報処理端末装置を”RT”と称し、この情報処理端末装置RTが上位の情報処理端末装置からデータを受信するとともに、他の情報処理端末装置Rjに対してデータを2次配信する場合における処理について説明する。
【0201】
情報処理端末装置RTは、同図に示すように、ステップS151において、上位の情報処理端末装置から送信されたデータを受信するとともに、少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報と、輻輳制限数S及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータ並びに送信端末数Dとを受信すると、ステップS152において、受信したこれらの各種情報のうち、輻輳制限数S及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータを取得するとともに、送信端末数Dを取得する。なお、情報処理端末装置RTは、上位の情報処理端末装置から送信端末数Dが送信されていない場合には、アドレスリストにおけるアドレスの個数を係数することにより、送信端末数Dを求める。
【0202】
続いて、情報処理端末装置RTは、ステップS153において、送信端末数Dが”0”よりも大きいか否かを判定する。
【0203】
ここで、情報処理端末装置RTは、送信端末数Dが”0”よりも大きくないものと判定した場合には、2次配信を行うべき情報処理端末装置Rjが存在しないことから、そのまま一連の処理を終了する。
【0204】
一方、情報処理端末装置RTは、送信端末数Dが”0”よりも大きいものと判定した場合には、ステップS154において、受信した輻輳制限パラメータ及び送信端末数Dに基づいて、受信端末となる情報処理端末装置Rj毎に対する送信用の新たな輻輳制限パラメータの算出処理を行う。この処理は、配信端末とされる情報処理端末装置Tによる図18中ステップS43の処理と同様であり、具体的には、先に図23に示した一連の処理にしたがって実現されるものである。
【0205】
そして、情報処理端末装置RTは、図30中ステップS155において、データの配信処理を行い、一連の処理を終了する。勿論、この処理についても、配信端末とされる情報処理端末装置Tによる図18中ステップS44の処理と同様であり、具体的には、先に図29に示した一連の処理にしたがって実現されるものである。
【0206】
データ配信システムにおいては、受信端末とされる情報処理端末装置RTによってこのような処理を行うことにより、他の各情報処理端末装置Rjに対してデータ及び2次配信依頼情報を送信するとともに、上位の情報処理端末装置から与えられた輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djに基づいて、輻輳制限を行うために必要となる輻輳制限数sj、分木数N、及び送信端末数djを適切に算出して送信することができ、輻輳を制限することが可能となる。
【0207】
以上説明したように、本発明の実施の形態として示したデータ配信システムにおいては、同時刻における個々の情報処理端末装置間での通信数に対して制限を設けることにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができることから、電波環境や情報伝達範囲に応じた最適な通信を行うことができ、データの配信効率を向上させることができる。このとき、データ配信システムにおいては、輻輳制限を考慮した上での最短時間で情報伝達を行うことができる。
【0208】
また、データ配信システムにおいては、情報処理端末装置間での通信に遅延が生じた場合であっても輻輳制限が守られることから、遅延による輻輳の悪化を招来することはない。
【0209】
さらに、データ配信システムにおいては、各情報処理端末装置が与えられた輻輳制限パラメータに基づいて新たな輻輳制限パラメータを独自に算出することによって輻輳制限を行うことから、各情報処理端末装置が輻輳制限を行うために他の情報処理端末装置と通信を行うことによって状況を把握する必要がなく、余計なデータの送受信を行うことによる無駄を省くことができ、効率よく輻輳制限を行うことができる。
【0210】
さらにまた、データ配信システムにおいては、1台の情報処理端末装置が何台の情報処理端末装置に対してデータを配信するかを指定することにより、全ての情報処理端末装置に対する配信処理が完了する時間や、各情報処理端末装置の通信に際する負荷等を柔軟に設定することができる。
【0211】
このように、データ配信システムにおいては、極めて効率よく輻輳を制限した最適な配信処理を実現することができ、ユーザに優れた利便を提供することができる。
【0212】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、各情報処理端末装置がブルートゥースを用いた無線通信を行うものとして説明したが、本発明は、ブルートゥース以外の任意の技術を用いた通信であっても適用することができる。
【0213】
また、上述した実施の形態では、輻輳制限数S及び分木数Nからなる輻輳制限パラメータと送信端末数Dとを、少なくともアドレスリストからなる2次配信依頼情報とは別途送信するものとして説明したが、本発明は、これらの輻輳制限数S、分木数N、及び送信端末数Dを、2次配信依頼情報におけるパラメータとして記述してもよい。
【0214】
以上のように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0215】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかるデータ配信方法は、一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法であって、データの配信元としての一の配信端末は、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定し、輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出し、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出した新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信し、配信端末からデータ、アドレスリスト、及び送信用輻輳制限パラメータを受信した受信端末は、受信した送信用輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに送信端末数に基づいて、接続を行う他の受信端末のそれぞれに対して送信すべきさらに新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該他の受信端末毎に算出し、当該他の受信端末に対して、少なくとも、データ、当該他の受信端末を介してデータの2次配信を行うさらに他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出したさらに新たな輻輳制限数及び分木数からなるさらに新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する。
【0216】
したがって、本発明にかかるデータ配信方法は、配信端末から受信端末に対して、輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータを算出してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに送信し、これらのデータ、アドレスリスト、及び輻輳制限パラメータを受信した受信端末によって新たに輻輳制限パラメータを独自に算出し、他の受信端末に対して、データ、アドレスリスト、及び新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができ、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することができる。
【0217】
また、本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定手段と、この設定手段によって設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備える。
【0218】
したがって、本発明にかかる情報処理装置は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができ、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することができる。
【0219】
さらに、本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定工程と、この設定工程にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備える。
【0220】
したがって、本発明にかかる輻輳制限方法は、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することが可能となり、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することが可能となる。
【0221】
さらにまた、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定処理と、この設定処理にて設定された輻輳制限数、分木数、及び送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備える。
【0222】
したがって、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、設定された輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行することができる。これにより、この輻輳制限プログラムが提供された機器は、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することを可能とし、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することを可能とする。
【0223】
また、本発明にかかる情報処理装置は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する情報処理装置であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信手段と、この受信手段によって受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出手段によって算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備える。
【0224】
したがって、本発明にかかる情報処理装置は、受信手段を介して受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、算出手段によって受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、送信手段を介してデータ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することができ、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することができる。
【0225】
さらに、本発明にかかる輻輳制限方法は、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信工程と、この受信工程にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出工程にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備える。
【0226】
したがって、本発明にかかる輻輳制限方法は、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信することにより、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することが可能となり、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することが可能となる。
【0227】
さらにまた、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、データの配信元としての一の配信端末から配信されるデータを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、配信端末又は上位の端末から送信されたデータ、データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数とデータの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信処理と、この受信処理にて受信した輻輳制限パラメータにおける輻輳制限数及び分木数、並びに配信端末又は上位の端末から配信されるデータを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、当該受信端末に対して、少なくとも、データ、当該受信端末を介してデータの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出処理にて算出された新たな輻輳制限数及び分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備える。
【0228】
したがって、本発明にかかる輻輳制限プログラムは、受信した輻輳制限数及び分木数からなる輻輳制限パラメータに基づいて、受信端末毎の輻輳制限数及び分木数からなる新たな輻輳制限パラメータを算出し、データ及び2次配信用のアドレスリストとともに新たな輻輳制限パラメータを送信する機能を実行することができる。これにより、この輻輳制限プログラムが提供された機器は、通信時に生じる輻輳を極めて効率よく制限することを可能とし、データの配信効率を向上させた最適な配信処理を最短時間で実現することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すデータ配信システムの構成概念を説明する図である。
【図2】同データ配信システムが従来のデータ配信方法に比較して、短時間で多数の情報処理端末装置に対してデータを配信することが様子を説明する概念図であって、(A)は、従来のデータ配信方法における配信処理の様子を示し、(B)は、同データ配信システムにおける配信処理の様子を示す図である。
【図3】同データ配信システムを構成する情報処理端末装置の外観構成を説明する斜視図である。
【図4】同情報処理端末装置の回路構成を説明するブロック図である。
【図5】配信端末とされる情報処理端末装置において配信すべき文字列データを入力する際に、表示画面に対して表示される表示内容を説明する図である。
【図6】配信端末とされる情報処理端末装置においてデータを配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートである。
【図7】配信端末とされる情報処理端末装置においてデータを配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートであって、図6に示す一連の処理から続く処理を示す図である。
【図8】配信端末とされる情報処理端末装置によって作成される2次配信依頼情報の内容を説明する図であって、少なくともアドレスリストが含まれている様子を説明する図である。
【図9】図6及び図7に示す一連の処理に対応して受信端末とされる情報処理端末装置においてデータを受信し、さらに2次配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートである。
【図10】図6及び図7に示す一連の処理に対応して受信端末とされる情報処理端末装置においてデータを受信し、さらに2次配信する際の一連の基本的な処理を説明するフローチャートであって、図9に示す一連の処理から続く処理を示す図である。
【図11】輻輳制限を行わない場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図である。
【図12】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”3”及び分木数を”2”とした場合における配信経路を説明する図である。
【図13】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、送信端末数が”11”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした場合における配信経路を説明する図である。
【図14】同データ配信システムにおける配信処理を説明する図であって、図12に示す配信経路を横軸に時刻をとって表した図である。
【図15】同データ配信システムにおける配信処理を説明する図であって、図14に示す配信経路において送信作業に遅延が生じた場合を説明する図である。
【図16】同データ配信システムにおける配信処理を説明する図であって、図14に示す配信経路において送信作業に図15とは異なる遅延が生じた場合を説明する図である。
【図17】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、送信端末数が”18”であり、輻輳制限数を”4”及び分木数を”2”とした場合における配信経路を説明する図である。
【図18】配信端末とされる情報処理端末装置において輻輳制限を行いつつ配信処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図19】輻輳制限を行う場合の同データ配信システムの構成概念を説明する図であって、配信端末とされる情報処理端末装置から受信端末とされる情報処理端末装置に対して各種情報が送信される様子を説明するための図である。
【図20】配信端末とされる情報処理端末装置においてユーザが入力することによって輻輳制限パラメータを設定する際の一連の輻輳制限パラメータの設定処理を説明するフローチャートである。
【図21】配信端末とされる情報処理端末装置における表示画面に対して表示されるパラメータ設定画面としての表示内容を説明する図である。
【図22】配信端末とされる情報処理端末装置において受信端末となる情報処理端末装置を探索する際の一連の探索処理を説明するフローチャートである。
【図23】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する際の一連の算出処理を説明するフローチャートである。
【図24】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、受信端末とされる情報処理端末装置に対する新たな送信端末数を算出する際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図25】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、受信端末とされる情報処理端末装置に対する新たな輻輳制限数を算出する際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図26】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、輻輳制限処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図27】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、順次送信処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図28】配信端末とされる情報処理端末装置において送信用の新たな輻輳制限パラメータを算出する過程で、送信端末処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【図29】配信端末とされる情報処理端末装置においてデータを配信する際の一連の配信処理を説明するフローチャートである。
【図30】受信端末とされる情報処理端末装置において輻輳制限を行いつつ配信処理を行う際の一連の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10,101,102,103,104,105,106,107,108,109,1010,1011,1012,1013,1014,1015,1016,1017,1018,1019,R0,R1,Rj,RN−1,RT,T情報処理端末装置、 11 表示画面、 12 スピーカ、 13 ランプ、14 設定ボタン、 15 配信ボタン、 21 CPU、 22 表示部、23 タッチパネル駆動部、 24 アンプ、 25 バイブレータ、 26一時記憶用メモリ、 27 保存用メモリ、 28 ブルートゥース・ユニット、 28a アンテナ、 29 バス、 31 ソフトウェアキーボード、 32 入力文字列表示領域、 33 文字種別設定ボタン、 34 送信ボタン、 41 輻輳制限数入力領域、 42 分木数入力領域、 43 決定ボタン
Claims (27)
- 一の端末から複数の端末に対してデータを配信するデータ配信方法であって、
データの配信元としての一の配信端末は、同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定し、上記輻輳制限数、上記分木数、及び上記送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出し、当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出した上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信し、
上記配信端末から上記データ、上記アドレスリスト、及び上記送信用輻輳制限パラメータを受信した受信端末は、受信した上記送信用輻輳制限パラメータにおける上記輻輳制限数及び上記分木数、並びに上記送信端末数に基づいて、接続を行う他の受信端末のそれぞれに対して送信すべきさらに新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該他の受信端末毎に算出し、当該他の受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該他の受信端末を介して上記データの2次配信を行うさらに他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに算出した上記さらに新たな輻輳制限数及び上記分木数からなるさらに新たな送信用輻輳制限パラメータを送信すること
を特徴とするデータ配信方法。 - 上記配信端末及び上記受信端末を含む端末は、それぞれ、任意の時刻における通信数が上記輻輳制限数を超えるまでは指定された上記分木数での送信を行い、任意の時刻における通信数が上記輻輳制限数に到達した場合には当該輻輳制限数と同数の受信端末に対してのみ送信を行うこと
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末及び上記受信端末を含む端末は、それぞれ、任意の時刻における通信数が上記輻輳制限数を超えるまでは指定された上記分木数に基づいたツリー状の配信経路を構築し、任意の時刻における通信数が上記輻輳制限数に到達した場合には数珠状の配信経路を構築すること
を特徴とする請求項2記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、当該受信端末に対して、算出した上記新たな送信端末数を送信すること
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記受信端末は、受信した上記アドレスリストに基づいて、上記新たな送信端末数を把握すること
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記輻輳制限数及び上記分木数として、任意に入力された値を設定すること
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記輻輳制限数及び上記分木数を入力するための所定のユーザ・インターフェースを表示手段に表示すること
を特徴とする請求項6記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記輻輳制限数及び上記分木数として、デフォルトで定められた値を設定すること
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、自己の電波到達範囲に受信端末があるか否かを探索し、発見した受信端末の台数を与えられた上記送信端末数として設定すること
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、自己の電波到達範囲に受信端末があるか否かを探索し、発見した受信端末のそれぞれから取得したアドレスからなる上記アドレスリストを作成すること
を特徴とする請求項9記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記分木数に基づいて、作成した上記アドレスリストを分割し、複数の分割アドレスリストを作成すること
を特徴とする請求項10記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記複数の分割アドレスリストのうち一の分割アドレスリストにおける一のアドレスで示される一の受信端末に対して接続を試みること
を特徴とする請求項11記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記一の受信端末との接続に失敗した場合には、接続に失敗した一の受信端末を示す上記分割アドレスリストにおける一のアドレスを削除し、他のアドレスで示される他の受信端末に対して接続を試みること
を特徴とする請求項12記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末は、上記一の受信端末との接続に成功した場合には、当該一の受信端末に対して上記データを送信するとともに上記分割アドレスリストにおける他のアドレスで示される他の受信端末に対する上記データの2次配信の依頼を行うこと
を特徴とする請求項12記載のデータ配信方法。 - 上記受信端末は、上記分木数に基づいて、受信した上記アドレスリストを分割し、複数の分割アドレスリストを作成すること
を特徴とする請求項14記載のデータ配信方法。 - 上記受信端末は、上記複数の分割アドレスリストのうち一の分割アドレスリストにおける一のアドレスで示される他の一の受信端末に対して接続を試みること
を特徴とする請求項15記載のデータ配信方法。 - 上記受信端末は、上記他の一の受信端末との接続に失敗した場合には、接続に失敗した一の受信端末を示す上記分割アドレスリストにおける一のアドレスを削除し、他のアドレスで示される他の受信端末に対して接続を試みること
を特徴とする請求項16記載のデータ配信方法。 - 上記受信端末は、上記他の一の受信端末との接続に成功した場合には、当該他の一の受信端末に対して上記データを送信するとともに上記分割アドレスリストにおける他のアドレスで示されるさらに他の受信端末に対する上記データの2次配信の依頼を行うこと
を特徴とする請求項16記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末及び上記受信端末を含む端末は、それぞれ、周波数ホッピング方式を用いた通信を行うこと
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末及び上記受信端末を含む端末は、それぞれ、互いに無線通信を行うこと
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - 上記配信端末及び上記受信端末を含む端末は、それぞれ、携帯型の機器であること
を特徴とする請求項1記載のデータ配信方法。 - データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する情報処理装置であって、
同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定手段と、上記設定手段によって設定された上記輻輳制限数、上記分木数、及び上記送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、
当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに上記算出手段によって算出された上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備えること
を特徴とする情報処理装置。 - データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、
同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定工程と、上記設定工程にて設定された上記輻輳制限数、上記分木数、及び上記送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、
当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに上記算出工程にて算出された上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備えること
を特徴とする輻輳制限方法。 - データの配信元として複数の端末に対してデータを配信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、
同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータ、並びに当該配信端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数を設定する設定処理と、上記設定処理にて設定された上記輻輳制限数、上記分木数、及び上記送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、
当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに上記算出処理にて算出された上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備えること
を特徴とする輻輳制限プログラム。 - データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する情報処理装置であって、
上記配信端末又は上位の端末から送信された上記データ、上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信手段と、
上記受信手段によって受信した上記輻輳制限パラメータにおける上記輻輳制限数及び上記分木数、並びに上記配信端末又は上位の端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出手段と、
当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに上記算出手段によって算出された上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信手段とを備えること
を特徴とする情報処理装置。 - データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限する輻輳制限方法であって、
上記配信端末又は上位の端末から送信された上記データ、上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信工程と、
上記受信工程にて受信した上記輻輳制限パラメータにおける上記輻輳制限数及び上記分木数、並びに上記配信端末又は上位の端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出工程と、
当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに上記算出工程にて算出された上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信工程とを備えること
を特徴とする輻輳制限方法。 - データの配信元としての一の配信端末から配信される上記データを当該データの配信先として受信する際に生じる輻輳を制限するコンピュータ実行可能な輻輳制限プログラムであって、
上記配信端末又は上位の端末から送信された上記データ、上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、及び同時刻における通信数の上限値である輻輳制限数と上記データの配信先としての複数の受信端末のうち接続を行う受信端末の台数で表される分木数とからなる輻輳制限パラメータを受信する受信処理と、
上記受信処理にて受信した上記輻輳制限パラメータにおける上記輻輳制限数及び上記分木数、並びに上記配信端末又は上位の端末から配信される上記データを直接的又は間接的に受信する受信端末の全台数である送信端末数に基づいて、接続を行う受信端末のそれぞれに対して送信すべき新たな輻輳制限数及び送信端末数を当該受信端末毎に算出する算出処理と、
当該受信端末に対して、少なくとも、上記データ、当該受信端末を介して上記データの2次配信を行う他の受信端末を示すアドレスからなるアドレスリスト、並びに上記算出処理にて算出された上記新たな輻輳制限数及び上記分木数からなる新たな送信用輻輳制限パラメータを送信する送信処理とを備えること
を特徴とする輻輳制限プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002198715A JP2004040716A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | データ配信方法、並びに、情報処理装置、輻輳制限方法及び輻輳制限プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002198715A Pending JP2004040716A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | データ配信方法、並びに、情報処理装置、輻輳制限方法及び輻輳制限プログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016105561A (ja) * | 2014-12-01 | 2016-06-09 | 沖電気工業株式会社 | 通信制御装置及びネットワークシステム |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002198715A patent/JP2004040716A/ja active Pending
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JP2016105561A (ja) * | 2014-12-01 | 2016-06-09 | 沖電気工業株式会社 | 通信制御装置及びネットワークシステム |
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