JP2004037920A - ラマン増幅のための装置およびラマン増幅を用いた光伝送システム - Google Patents

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鳥居 健一
Toshiki Tanaka
田中 俊毅
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Abstract

【課題】ラマン増幅において励起光間での光パワー移動を補償し、信号光の伝送特性の劣化を抑止した広帯域光伝送システムを実現する。
【解決手段】長波長側励起光に光パワーを供給することになる短波長側励起光を励起するための励起光を備えることにより、短波長側励起光の急激な減衰を抑止し、これに伴う短波長側信号光の光S/N比の相対的劣化を抑える。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は波長多重信号光を増幅する光増幅方法、ラマン増幅のための装置およびラマン増幅を用いた光伝送システムに関し、特に信号光と励起光とを同一波長帯域に混在させ、広帯域な信号光増幅を行う場合の伝送特性向上技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光伝送システムでは光信号を一旦電気信号に変換し、3R処理(retiming;タイミング補正、reshaping;波形整形、regenerating;信号再生)を行い、再度光信号に変換する光再生中継器を用いて長距離伝送を実現していた。しかし、現在では光信号を直接増幅する光増幅器の実用化が進み、これを線形中継器として用いる光増幅中継伝送方式が一般に用いられている。従来の光再生中継器を光増幅中継器に置き換えることにより、中継器内の部品点数を大幅に削減し、信頼性を確保するとともに大幅なコストダウンが見込まれる。
一方、光伝送システムの大容量化を実現する方法のひとつとして、1つの光伝送路に2つ以上の異なる波長を持つ光信号を多重して伝送する波長多重(WDM;Wavelength Division Multiplex)光伝送方式が注目されている。
WDM光伝送方式と光増幅中継伝送方式を組み合わせたWDM光増幅中継伝送方式においては,光増幅器を用いて2つ以上の異なる波長を持つ光信号を一括して増幅することが可能であり、簡素な構成で、大容量かつ長距離伝送が実現可能である。
図20はWDM光増幅中継伝送方式を用いた一般的な光伝送システムの構成例を示す。図20のシステムは、例えば、送信端局20と、受信端局30と、これら端局間を接続する光伝送路1と、この光伝送路1の途中に所要の間隔で配置される複数の光増幅器4とから構成される。
送信端局20は、波長の異なる光信号をそれぞれ出力する複数の光送信器21と、複数の光信号を波長多重する波長合波器23と、波長合波器23からの波長多重信号光を所要のレベルに増幅して光伝送路1に出力するポストアンプ25とを有する。
光伝送路1は送信端局20および受信端局30の間をそれぞれ接続する複数の中継区間を有する。送信端局20から出力された波長多重信号光は、光伝送路1を伝搬し、中継区間ごとに配置される光増幅器4にて増幅され、次段の光伝送路1を伝搬し、これを繰り返して受信端局30まで伝送される。
受信端局30は、光伝送路1からの波長多重信号光を所要のレベルに増幅するプリアンプ33と、波長多重信号光を各光信号に分波する波長分波器31と、分波された各波長の光信号を受信する複数の光受信器32とを有する。
上記のような光増幅中継伝送システムの光中継器4には、例えば、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)が一般的に用いられる。一般的なEDFAの利得波長帯域は1.55 μm帯(C−band:1530−1565nm)であり、利得帯域を長波長へシフトしたGS−EDFA (Gain shifted−EDFA)の利得波長帯域は1.58 μm帯(L−band:1565−1620nm)である。これらの帯域幅はそれぞれ30 nm以上で、C−bandおよびL−band向け合分波器を用いてこれら2つの利得波長帯域を併用することにより、60 nm以上の信号光波長帯域の増幅が可能である。
他方で、近年ラマン増幅の適用が盛んに検討されている。ラマン増幅では、光ファイバに励起光を与えることによりその励起光よりもラマンシフト周波数と呼ばれる一定の周波数だけ低周波数側に利得が得られる性質を利用する。石英系光ファイバにおけるラマン利得ピーク光周波数は、その励起光周波数よりも、そのラマンシフト周波数である約13.2 THzだけ小さい値である。これを波長に換算すると、例えば1.45 μmの励起光波長に対しては、そのラマン利得ピーク波長は約100 nm長波長側にシフトした約1.55 μmである。
波長多重信号光にラマン増幅を適用した例として、「Y. Emori, et al., ”100nmbandwidth flat gain Raman amplifiers pumped and gain−equalized by 12− wavelength−channel WDM high power laser diodes”, OFC’99, PD19, 1999.」があり、異なる発振中心波長を持つ複数の励起光を用い、励起光パワーおよびその発振中心波長を調整することにより,その利得波長帯域幅として100 nm程度を確保している。
ここでは異なる発振中心波長を持つ複数の励起光を用いたラマン増幅の従来技術についてさらに説明する。
図21は、従来のラマン増幅の構成例を示す図である。
波長の異なる波長多重信号光S1〜SLが光伝送路1に供給されており、励起光源11で生成された波長の異なる励起光P1〜PKが波長合波器13を介して光伝送路1に波長多重信号光S1〜SLと逆の伝搬方向に供給されている。励起光P1〜PKにより所定のレベルに増幅された信号光S1〜SLは、波長合波器13を通過して、次段の光伝送路2を伝搬する。
なお、図21においてEDFAを適用する場合には、波長合波器13の直後にEDFAを配置する構成となる。このとき、増幅すべき波長多重信号光の帯域幅により、利得波長帯域の異なる複数のEDFAを適用する場合があり、その場合にはEDFAの前段に波長分波器、後段に波長合波器を設ける。
図22はこのときの波長配置例を示しており、信号光S1〜SLと励起光P1〜PKは異なる波長帯域に配置されている。
このように励起光と信号光を異なる波長帯域とした場合、ラマン増幅で増幅可能な信号光の波長帯域はラマンシフト周波数に対応する波長帯域となる。
一方、波長多重伝送において、その伝送容量を拡大する有力な手段の一つは、波長多重信号光の帯域幅を拡大することであり、ラマン増幅を用いてこの広帯域化を実現するためには、上述のことからも明らかなように、信号光および励起光を同じ波長帯域内に混合配置することが有効であり、このことは特願2001−030053(出願日:平成13年2月6日)にも示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図23は信号光と励起光を同じ波長帯域内に混合配置し、信号光に対して励起光を逆方向に伝搬させるラマン増幅の構成例を示す。
図23において、ラマン増幅のための装置10は励起光を生成する光源としての励起光源11と、この励起光源11が生成した励起光を波長多重信号光の伝搬方向とは逆方向に光伝送路1に供給する光学手段として光サーキュレータ12とを備えて構成される。
図24はこのときの信号光と励起光の配置を示した図である。
図24において、複数の信号光S1〜SNが配置され、これらの信号光を励起するために複数の励起光が配置される。これらの励起光のうち、信号光帯域内に混合配置されるものを第1励起光P1−1〜P1−M、信号光帯域外に配置される励起光を第2励起光P2−1〜P2−Qとする。
このような構成で、ラマンシフト周波数に相当する波長を例えば約100nmとすると、100nm以上の信号光波長帯域の増幅を実現するためには、最も短波長の励起光と最も長波長の励起光とが100nmを超える波長差を持つ場合が生ずる。このとき、pump−to−pumpと呼ばれる現象、すなわちラマン増幅に伴う励起光間での光パワーの移動が顕著となる。
図25にこの現象に関する概念図を示す。
図25において、信号光と励起光の配置は図24のものと同一であり、第2励起光P2−1の周波数と第1励起光P1−1の周波数との差がラマンシフト周波数であるとする。
このとき、短波長側の第2励起光P2−1は信号光S1および周辺の信号光を増幅すべく配置されたものであるが、pump−to−pump現象により第1励起光P1−1に対してもラマン利得を与えることになる。
ここで、図25において短波長側の励起光(例えばP1−1)は長波長側の励起光(例えばP1−M)よりもその光パワーが強く設定されている。これは、長波長側励起光(例えばP1−M)ではラマン増幅帯域周辺には信号光だけがあるのに対して、短波長側励起光(例えばP1−1)では、ラマン増幅帯域周辺に信号光に加えて励起光P1−Mも存在するので、信号光に対して略同一の利得を与えるためである。
このことは、その波長差がラマンシフト周波数に相当する波長となる、例えば第2励起光P2−1と第1励起光P1−1との間ではより顕著である。
図26は信号光と励起光が帯域内に混合する配置を持つ場合のラマン増幅の説明図である。ここで信号光および励起光は図24に従って配置されているものとする。
図26(a)はラマン増幅の構成例である。
図26(a)において、光伝送路1に波長多重信号光が図の矢印の方向に供給されている。ラマン増幅のための装置10は励起光源11を備え、この励起光源11が生成した励起光は波長合波器13により信号光の進行方向と逆の方向に供給している。
なお、以降の記述において信号光と逆方向から励起光を供給する方法を後方励起、信号光と同方向に励起光を供給する方法を前方励起と呼ぶ。
図26(b)は、図26(a)の構成における励起光パワーの変動の様子をP1−1およびP2−1を例にとって示したものである。
図26(b)において、長波長側励起光P1−1のパワーはpump−to−pump現象により短波長側励起光P2−1からラマン利得を受けるため、その入力端の近傍にそのピークがあり、その後は光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失および信号光へのラマン利得供給により次第に減衰する。
これに対して短波長側励起光P2−1のパワーはその入力端からの距離が離れるに従って、急激に減衰する。
このように短波長側の励起光パワーが長波長側のそれに比べて急激に減衰する要因としては、光ファイバの伝送損失特性の波長依存性により、短波長側での伝送損失が大であることも挙げられるが、本発明の構成では、前記第2励起光がpump−to−pump現象により長波長側励起光に対してラマン利得を与えていることが特徴的である。
図26(c)はこのときの信号光パワーの変動の様子を、長波長側励起光P1−1からラマン利得を受ける信号光SR、および短波長側励起光P2−1からラマン利得を受ける信号光S1を例にとって示したものである。
図26(c)において、長波長側信号光SRは光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、図26(b)に示す長波長側励起光P1−1からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において所定のパワーとなる。
短波長側信号光S1も同様に、光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、図26(b)に示す短波長側励起光P2−1からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において長波長側信号光SRと略同一の所定のパワーとなるが、短波長側励起光P2−1は励起光の入力端から見ると急激に減衰しているため、長波長側信号光SRと比較して短波長側信号光S1はその光パワーがかなり小さくなった状態から急激に増幅される。
このため、短波長側信号光S1には長波長側信号光SRよりも大きなASE雑音が付加され、その光S/N比が相対的に劣化する。
図27にこのときの信号光の光S/N比の測定例を示す。
図27において、長波長側、例えば約1610nmの信号光では光S/N比が約38dBであり、短波長側、例えば約1510nmの信号光では約25dBであり、前記のとおり短波長側信号光において光S/N比が相対的に劣化していることが分かる。
このことは後方励起と前方励起とを組み合わせた場合も同様である。
図28は後方励起と前方励起とを組み合わせた場合のラマン増幅の説明図である。ここで信号光および励起光は図24に従って配置されているものとする。
図28(a)は後方励起と前方励起とを組み合わせた場合のラマン増幅の構成例である。
図28(a)において、光伝送路1に波長多重信号光および第1励起光は同一方向に供給されており、第1励起光は前方励起光として作用している。ラマン増幅のための装置10は第2励起光を生成する励起光源11を備え、励起光源11が生成した第2励起光は波長合波器13により後方励起光として供給されている。
図28(b)は、図28(a)の構成における励起光パワーの変動の様子を第1励起光P1−1および第2励起光P2−1を例にとって示したものである。
図28(b)において、長波長側励起光P1−1のパワーは光伝送路1を伝搬するに従って次第に減衰した後、pump−to−pump現象により短波長側励起光P2−1からラマン利得を受けるため、第2励起光の入力端に近づくに従って増加する。
これに対して短波長側励起光P2−1のパワーはその入力端からの距離が離れるに従って、急激に減衰する。
このように短波長側の励起光パワーが長波長側のそれに比べて急激に減衰する要因としては、光ファイバの伝送損失特性の波長依存性により、短波長側での伝送損失が大であることも挙げられるが、本発明の構成では、前記第2励起光がpump−to−pump現象により長波長側励起光に対してラマン利得を与えていることが特徴的である。
図28(c)はこのときの信号光パワーの変動の様子を、長波長側励起光P1−1からラマン利得を受ける長波長側信号光SR、および短波長側励起光P2−1からラマン利得を受ける短波長側信号光S1を例にとって示したものである。
図28(c)において、長波長側信号光SRのパワーは、前方励起である長波長側励起光P1−1からのラマン利得を受けるため、入力端の近傍にそのピークがあり、その後は光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰する。さらに長波長側信号光SRのパワーは、第2励起光の入力端近傍では長波長側励起光P1−1のパワーが増加するため、この励起光からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において所定のパワーとなる。
一方、短波長側信号光S1は、そのラマン利得に供する短波長側励起光P2−1が後方励起であるため、図26(c)の短波長側励起光と同様のパワー変動を示す。
すなわち、短波長側信号光S1のパワーは、光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、図28(b)に示す短波長側励起光P2−1からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において長波長側信号光SRと略同一の所定のパワーとなるが、短波長側励起光P2−1は励起光の入力端から見ると急激に減衰しているため、長波長側信号光SRと比較して短波長側信号光S1はその光パワーがかなり小さくなった状態から急激に増幅される。
このため、短波長側信号光S1には長波長側信号光SRよりも大きなASE雑音が付加され、その光S/N比が相対的に劣化する。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さく抑え、信号光の伝送特性の劣化を抑止することを目的とする。また、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することの抑止を目的とする。またさらには、励起光間での光パワー移動による短波長側励起光の急激な減衰を抑止することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(第1構成)本発明の光増幅方法は、波長多重信号光をラマン増幅する光増幅方法において、前記波長多重信号光の波長帯域と励起光の波長帯域とが一部で重なるように前記波長多重信号光波長および前記励起光波長を配置し、特定波長の信号光の、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さくするように前記励起光波長を配置する構成とする。
(第2構成)本発明のラマン増幅のための装置は、波長多重信号光を増幅するラマン増幅のための装置において、前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を生成する光源と、前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光を生成する光源と、前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光を生成する光源と、前記第1乃至第3の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に供給する光学手段とを有する構成とする。
(第3構成)本発明のラマン増幅のための装置は、前記第2構成に記載のラマン増幅のための装置であって、第1の励起光は、波長多重信号光の長波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、第2の励起光は、波長多重信号光の短波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、第3の励起光は、第2の励起光を励起するためのものであるように構成する。
この構成によれば、第2の励起光の急激な減衰を第3の励起光が補完するように作用する。
(第4構成)本発明の光伝送システムは、波長多重信号光をラマン増幅して伝送する光伝送システムにおいて、前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に前記波長多重信号光と共に供給する送信端局と、前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光と、前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光とを前記波長多重信号光が伝搬する前記光伝送路に供給するラマン増幅のための装置を備える構成とする。
(第5構成)本発明の光伝送システムは、前記第4構成に記載の光伝送システムにおいて、ラマン増幅のための装置を光伝送路中に複数配置し、前記送信端局と前記ラマン増幅のための装置との間の光伝送路中、又は、前記ラマン増幅のための装置間の光伝送路中に第3の励起光を反射する光学手段を有する構成とする。この構成によれば、後方励起光として供給される第3励起光は、光学手段により反射される結果、後方励起光として作用することに加えて前方励起光としても作用させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の基本作用について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる光増幅方法、ラマン増幅のための装置またはラマン増幅を用いた光伝送システムにおける波長多重信号光と励起光の波長配置を示す概念図である。
図1においてS1〜SNは波長多重信号光の各信号光であり、それぞれ異なる発振中心波長を持つ。
また、前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ、第1励起光P1−1〜P1−Mを配置する。この第1励起光P1−1〜P1−Mは前記波長多重信号光の長波長帯域側を増幅すべく配置したものである。
さらに、前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ、第2励起光P2−1〜P2−Qを配置する。この第2励起光P2−1〜P2−Qは波長多重信号光の短波長帯域側を増幅すべく配置したものである。
加えて、前記第2励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ、第3励起光P3−1〜P3−Tを配置する。この第3励起光P3−1〜P3−Tは前記第2励起光を増幅すべく配置したものである。
すなわち、例えば第1励起光P1−Mは信号光SNおよびその周辺の信号光を増幅すべく配置され、第1励起光P1−1は信号光SRおよびその周辺の信号光を増幅すべく配置され、第2励起光P2−1は信号光S1およびその周辺の信号光を増幅すべく配置され、第3励起光P3−Tは励起光P2−Qを増幅すべく配置され、第3励起光P3−1は励起光P2−1を増幅すべく配置される。
図2は信号光および第1励起光の配置説明図である。
光波長多重伝送において使用すべき光搬送波の周波数はITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication standardization sector)において規定されており、その仕様はしばしばITU−Tグリッドと呼ばれている。
図2(a)は信号光を配置するITU−Tグリッドを示し、基準周波数193.1THzに対して25GHzの等間隔で信号光を配置するように規定されている。
図2(b)は信号光と第1励起光の配置例を示す。信号光周波数は基本的にはITU−Tグリッドに従って配置する。具体的には、複数の信号光は25GHz(1.55μm帯では波長にして約0.2nm)間隔で配置する。
第1励起光は図1のとおりこの信号光の帯域内に配置するが、このとき信号光は第1励起光が設定される周波数、およびその周辺の周波数には配置できない場合がある。これは、励起光はその光パワーを信号光よりも大きく設定するのが一般的で、そのスペクトラムもまた信号光のスペクトラムよりも広くなるためである。
図3は励起光の配置説明図である。
図3において励起光は等間隔で、かつラマンシフト周波数の整数分の1または(整数+0.5)分の1の周波数間隔で配置する。このように配置することにより、例えば図3に示すように、第2励起光P2−1と第3励起光P3−1の間隔がラマンシフト周波数となり、第2励起光P2−1は第3励起光P3−1により効率良く増幅することができる。
図4は本発明の動作説明図であり、図5は図4における励起光・信号光波長の具体例である。
図5に示す例では、励起光の周波数間隔はラマンシフト周波数の4分の1である3.3THzであり、第2励起光P2−1と第3励起光P3−1との周波数間隔はラマンシフト周波数である13.2THzである。
ここで、図4において短波長側の励起光(例えばP1−1)は、長波長側の励起光(例えばP1−4)よりもその光パワーが強く設定されている。これは、長波長側励起光(例えばP1−4)ではラマン増幅帯域周辺には信号光だけがあるのに対して、短波長側励起光(例えばP1−1)では、ラマン増幅帯域周辺に信号光に加えて励起光(例えばP1−4)も存在するためであり、信号光に対して略同一の利得を与えるには、一般的にこのような設定となる。
このような波長配置での本発明の作用につき説明する。
図4において、第2励起光P2−1は信号光S1付近の信号光を増幅すべく配置されたものであるが、pump−to−pump現象により第1励起光P1−1をも増幅し第2励起光P2−1の光パワーが第1励起光P1−1に移動し、伝搬するにつれて急激に減衰する。
本発明によれば、第2励起光P2−1の光パワーの移動を補うために、第3励起光P3−1を配置しているので、第2励起光P2−1の光パワーが急激に減衰することはなく、従って、長波長側信号光、例えばSNと比較して短波長側信号光、例えばS1の光パワーがかなり小さくなった状態から急激に増幅されることもなくなる。
このため、短波長側信号光が伝搬するにつれて急激に増幅されることによる大きなASE(Amplified Spontaneous Emission)雑音の付加が抑止され、その光S/N比が長波長側信号光のそれに比べて劣化することを抑止できる、という本発明の基本的な効果を奏する。
さらに、図5に示す波長配置を適用した場合、或る第2励起光の周波数と或る第3励起光の周波数との周波数差がラマンシフト周波数と一致し、効率的な増幅ができる。
ここで、本発明は上記の効果を得るべく波長多重信号光および励起光を配置した光増幅方法であると言うことができる。
すなわち、図1において、波長多重信号光の波長帯域(S1〜SN)と励起光の波長帯域(P3−1〜P3−T、P2−1〜P2−Q、P1−1〜P1−M)とが一部で重なる(波長帯域S1〜SRと波長帯域P1−1〜P1−Mとが重なる)ように波長多重信号光波長と励起光波長を配置し、短波長側の信号光の、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さくするように、前記波長多重信号光波長および前記励起光波長を配置したものである。
図6は本発明の動作説明の他の例であり、図7は図6における励起光・信号光波長の具体例である。
図4においては、励起光の周波数間隔をラマンシフト周波数の4分の1としたが、図6においては、ラマンシフト周波数の3分の1である4.4THzとしている。
この場合においても前記図4での説明と同様に、前記基本的な効果を奏することは明らかである。
さらに、図7に示す波長配置を適用した場合、或る第2励起光の周波数と或る第3励起光の周波数との周波数差がラマンシフト周波数と一致し、効率的な増幅ができる。
ここで、信号光の間隔はITU−Tグリッドに準拠した周波数間隔としたが、これに限らず、ITU−Tグリッドには準拠していない一定の周波数間隔とした場合や、一定の周波数間隔とせずに配置した場合においても励起光を適切に配置することにより本発明を適用でき、前記基本的な効果を奏することは明らかである。
また、本発明は信号光の帯域として特に制限なく適用でき、前記効果を奏することは明らかである。
さらに、第1励起光、第2励起光、第3励起光のうちの少なくとも1つが複数でなく、1つの周波数の励起光である場合、例えば第3励起光を、主に増幅すべき第2励起光に対応する波長のみに配置した場合においても本発明は適用可能であり、前記基本的な効果を奏する。
この場合の波長配置例を図8に示す。この例では第2励起光のうちP2−Q−1を主に増幅すべく、単一の波長である第3励起光P3−1を用いている。
次に、上記のような基本作用を適用した本発明の具体的な実施例について説明する。
(第1実施例)図9は本発明の一実施例であり、波長多重信号光および励起光は図1で説明した波長配置を適用し、励起光の周波数間隔はラマンシフト周波数の4分の1とし、第2励起光P2−1と第3励起光P3−1との周波数間隔はラマンシフト周波数となるように配置する。
図9(a)は本発明にかかる光増幅方法、ラマン増幅のための装置およびラマン増幅を用いた光伝送システムの構成図である。
図9(a)において、波長多重信号光S1〜SNは光伝送路1を図の左から右の方向に伝搬している。ラマン増幅のための装置10は第1〜第3励起光を生成する光源として励起光源11を備えており、この励起光源11は第1励起光P1−1〜P1−M、第2励起光P2−1〜P2−Q、第3励起光P3−1〜P3−Tを生成する。
さらにラマン増幅のための装置10は第1〜第3励起光を波長多重信号光が伝搬する光伝送路1に供給する光学手段として光サーキュレータ12を備えている。ここで、光サーキュレータ12は図9(a)に示すとおり3つのポートA、BおよびCを備えており、ポートAへの入力光をポートBに出力し、ポートCへの入力光をポートAに出力する機能を備えており、ポートCに入力する第1〜第3励起光をポートA、すなわち波長多重信号光が伝搬する光伝送路1に後方励起として供給するとともに、ポートAに入力する波長多重信号光をポートB、すなわち次段の光伝送路2に出力する。
図9(b)はこのときの励起光パワーの変動の様子を示す。ここでは一例としてP3−1、P2−1、P1−1のみを図示した。
図9(b)において、長波長側励起光P1−1のパワーは、pump−to−pump現象により短波長側励起光P2−1からラマン利得を受けるため、その入力端の近傍にそのピークがあり、その後は光伝送路1を伝搬するに従って次第に減衰する。
また、短波長側励起光P2−1のパワーは、pump−to−pump現象によりさらに短波長である励起光P3−1からラマン利得を受けるため、その入力端の近傍にそのピークがあり、その後は光伝送路1を伝搬するに従って次第に減衰する。
励起光P3−1のパワーは、励起光の入力端からの距離が離れるに従って、急激に減衰する。
このように、第3励起光P3−1の供給により、図9(b)における第2励起光P2−1の光パワーは、第3励起光を供給していない場合である図26(b)における第2励起光P2−1の光パワーと比較して、急激な減衰が抑えられる。
図9(c)はこのときの信号光パワーの変動の様子を示す図である。
図9(c)において、長波長側信号光SRのパワーは光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、長波長側励起光P1−1からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において所定のパワーとなる。
短波長側信号光S1のパワーも同様に、光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、短波長側励起光P2−1からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において長波長側信号光SRと略同一の所定のパワーとなる。
このように、図9(c)における短波長側信号光パワーは、図26(c)における短波長側信号光パワーと比較して、より減衰が小さい段階で増加に転じるので、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さく抑えることができ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することを抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
(第2実施例)図10は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一である。
図10(a)は本発明にかかる光増幅方法、ラマン増幅のための装置およびラマン増幅を用いた光伝送システムの構成図である。
図10(a)において、送信端局20は波長多重信号光を生成する光源として波長多重信号光生成部24と、第1励起光を生成する光源として励起光源22を備えており、波長多重信号光S1〜SNおよび第1励起光P1−1〜P1−Mをそれぞれ生成する。
さらに送信端局20は前記第1励起光を前記波長多重信号光と共に光伝送路1に供給する光学手段として波長合波器23を備え、波長多重信号光S1〜SNおよび前方励起として作用する第1励起光P1−1〜P1−Mを光伝送路1に供給する。
ラマン増幅のための装置10は第2励起光および第3励起光を生成する光源として励起光源11を備えており、この励起光源11は第2励起光P2−1〜P2−Qおよび第3励起光P3−1〜P3−Tを生成する。
さらにラマン増幅のための装置10は前記第2励起光および第3励起光を波長多重信号光が伝搬する光伝送路1に供給する光学手段として波長合波器13を備え、第2励起光および第3励起光を光伝送路1に後方励起として供給するとともに、波長多重信号光および第1励起光を次段の光伝送路2に伝搬させる。
図10(b)はこのときの励起光パワーの変動の様子を示す図である。ここでは一例としてP3−1、P2−1、P1−1のみを図示した。なお、図10(b)において横軸の起点は波長合波器23の後の光伝送路1である。
図10(b)において、長波長側励起光P1−1のパワーは光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失と信号光の増幅とにより次第に減衰した後、pump−to−pump現象により短波長側励起光P2−1からのラマン利得を受けて次第に増加する。
また、短波長側励起光P2−1の光パワーはpump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光P1−1に対してラマン利得を与え、また一方では第3励起光P3−1からラマン利得を受けることとなり、その入力端の近傍にそのピークがあり、その後は光伝送路1を伝搬するに従って次第に減衰する。
このように、第3励起光P3−1の供給により、図10(b)における第2励起光P2−1の光パワーは、第3励起光を供給していない場合である図28(b)における第2励起光P2−1の光パワーと比較して、急激な減衰が抑えられる。
図10(c)はこのときの信号光パワーの変動の様子を示す図である。
図10(c)において、長波長側信号光SRの光パワーは長波長側励起光P1−1からのラマン利得を受けて、その入力端の近傍にそのピークがあり、その後は光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、長波長側励起光P1−1の光パワーの増加に伴なって増加し、励起光入力端において所定の光パワーとなる。
短波長側信号光S1の光パワーは、光伝送路1を伝搬するに従って主に伝送損失により次第に減衰した後、短波長側励起光P2−1からのラマン利得を受けて増加し、励起光入力端において長波長側信号光SRと略同一の所定のパワーとなる。
このように、図10(c)における短波長側信号光パワーは、図28(c)における短波長側信号光パワーと比較して、より減衰が小さい段階で増加に転じるので、光パワーの変動が小さく抑えることができ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
これに加えて、第1励起光を送信端局20から供給すること、および第1励起光は波長多重信号光の波長帯域に混合配置していることにより、第1励起光は信号光とともに増幅されて伝搬するため、第1励起光を生成する光源は送信端局20のみに配置すれば良く、光伝送路の中間に配置する増幅器や、波長多重信号光の受信端局に配置する必要がなく、構成品の点数削減によるシステム全体の信頼性向上の効果、経済性向上の効果も奏する。
(第3実施例)図11は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一とする。
図11において、送信端局20は波長多重信号光を生成する光源として波長多重信号光生成部24と、第1励起光を生成する光源として励起光源22を備えており、それぞれ波長多重信号光S1〜SN、第1励起光P1−1〜P1−Mを生成する。
さらに送信端局20は生成された前記第1励起光を前記波長多重信号光と共に光伝送路1に供給する光学手段として波長合波器23を備え、波長多重信号光S1〜SNおよび前方励起として作用する第1励起光P1−1〜P1−Mを光伝送路1に供給する。
ラマン増幅のための装置10は第1励起光、第2励起光および第3励起光を生成する光源として励起光源11を備えており、この励起光源11は第1励起光P1−1〜P1−M、第2励起光P2−1〜P2−Qおよび第3励起光P3−1〜P3−Tを生成する。
さらにラマン増幅のための装置10は生成された第1励起光〜第3励起光を波長多重信号光が伝搬する光伝送路1に供給する光学手段として光サーキュレータ12を備え、第1励起光〜第3励起光を光伝送路1に後方励起として供給するとともに、波長多重信号光および第1励起光を次段の光伝送路2に伝搬する。
本実施例においても前記第2実施例と同様に、短波長側励起光(例えばP2−1)はpump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光(例えばP1−1)に対してラマン利得を与えるが、また一方では第3励起光(例えばP3−1)からラマン利得を受けることとなり、短波長側励起光パワーの急激な減衰を抑えることができる。
このとき、短波長側信号光パワーは、第3励起光が無く第2励起光が急激に減衰する場合と比較して、より減衰が小さい段階で増加に転じるので、光パワーの変動が小さく抑えることができ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することを抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
(第4実施例)図12は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一とする。
図12(a)は本発明にかかる光増幅方法、ラマン増幅のための装置およびラマン増幅を用いた光伝送システムの構成図である。
図12(a)において、波長多重信号光および第1励起光は光ファイバ51および光ファイバ52から構成される光伝送路に図の左側から供給されており、光ファイバ51と光ファイバ52間には第3励起光P3−1〜P3−Tを反射する光学手段として光フィルタ61が配置されている。
換言するとこの構成は、図20において、送信端局20と、ラマン増幅のための装置としての光増幅器4との間の光伝送路1中、又は、ラマン増幅のための装置としての光増幅器4間の光伝送路1中に、前記第3励起光を反射する光学手段を配置したものである。
そして、図12(a)においてラマン増幅のための装置10の構成は第2実施例のものと同一で、第2励起光および第3励起光を後方励起として供給している。
本実施例においても前記第2実施例と同様に、短波長側励起光P2−1は、pump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光P1−1に対してラマン利得を与えるが、また一方では第3励起光P3−1からラマン利得を受けることとなり、短波長側励起光パワーの急激な減衰を抑えることができる。
図12(b)はこのときの信号光パワーの変動の様子を示す図である。
本実施例においても短波長側信号光パワーは、第3励起光が無く第2励起光が急激に減衰する場合と比較して、より減衰が小さい段階で増加に転じるので、光パワーの変動が小さく抑えられ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
また、図12(a)において、光ファイバ52として、モードフィールド径が比較的に小さいものを使用しても良い。この場合には、光ファイバ52を適用した区間において、ラマン増幅が効率的に行われることとなる。
ここで、励起光のうちでも第3励起光は最も強い光パワーを必要とするが、光フィルタ61で第3励起光を反射することにより、第3励起光はラマン増幅が効率的に行われる光ファイバ52の区間内に留まることとなり、第3励起光がそのまま光ファイバ51まで到達した場合よりも第3励起光のパワーを小さく抑えることができるという効果も奏する。
なお、光フィルタ61として第2励起光P2−1〜P2−Qを反射するものを適用してもよく、この場合には前記基本的な効果を奏するとともに、光ファイバ52として、モードフィールド径が比較的に小さいものを使用した場合には、第2励起光のパワーを小さく抑えることができるという効果も奏する。
(第5実施例)図13は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一とする。
図13(a)は本発明にかかる光増幅方法、ラマン増幅のための装置およびラマン増幅を用いた光伝送システムの構成図である。
図13(a)において、波長多重信号光は光伝送路に図の矢印の方向に供給されており、ラマン増幅のための装置10−1およびラマン増幅のための装置10−2の構成は前記第1実施例のものと同一で、第1励起光、第2励起光および第3励起光を後方励起としてそれぞれ光伝送路1、光伝送路2に供給する。
光伝送路1および光伝送路2には第3励起光を反射する光学手段として反射率がほぼ100%の光フィルタ62を光サーキュレータ12の直前に配置する。
このとき、ラマン増幅のための装置10−2から供給される第2励起光は後方励起として光伝送路2に供給され、ラマン増幅のための装置10−1から供給される第3励起光は光伝送路1に配置されている光フィルタ62によって反射された後に光サーキュレータ12を通過し、前方励起として光伝送路2に供給される。図13(b)はこのときの励起光パワーの変動の様子を示す図である。ここでは一例としてP3−1、P2−1、P1−1のみを図示した。なお、図13(b)において横軸の起点はラマン増幅のための装置10−1が備える光サーキュレータ12の直後の光伝送路2である。
図13(b)において、長波長側励起光P1−1の光パワーは、後方励起としての入射端から光伝送路2を信号光とは逆方向に伝搬するに従って、pump−to−pump現象により短波長側励起光P2−1からのラマン利得を受けて次第に増加した後、伝送損失、信号光の増幅、短波長側励起光P2−1の減衰により次第に減衰する。
また、短波長側励起光P2−1の光パワーは、後方励起としての入射端から光伝送路2を信号光とは逆方向に伝搬するに従って、pump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光P1−1に対してラマン利得を与えるため、次第に減衰する。また一方では第3励起光P3−1からラマン利得を受けることとなり、図13(b)における第2励起光P2−1の光パワーは、第3励起光を供給していない場合である図28(b)における短波長側励起光P2−1の光パワーと比較して、急激な減衰が抑えられる。
図13(c)はこのときの信号光パワーの変動の様子を示す図である。
長波長側信号光SRのパワーは、第1励起光P1−1によるラマン利得を受けて急激な減衰、急激な増幅を受けることなくその出力端で所定のレベルとなる。
短波長側信号光S1のパワーは、第2励起光P2−1によるラマン利得を受けて急激な減衰、急激な増幅を受けることなくその出力端で所定のレベルとなり、その変動は図28(c)における短波長側信号光パワーの変動よりも小さく抑えられ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
なお、光フィルタ62として第3励起光ではなく、第2励起光を高反射率で反射するものを適用しても良い。この場合には第2励起光が光フィルタ62で反射された後に光サーキュレータ12を通過して、前方励起として光伝送路2に供給される。
この結果、第2励起光は波長多重信号光と同方向に伝搬し、光伝送路2の後半部分において第3励起光による増幅を受けるため、第2励起光のパワーが光伝送路内で平均化され、短波長側信号光の光S/N比劣化が抑止される効果を奏する。(第6実施例)図14は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一とする。
図14において、波長多重信号光および第1励起光は光伝送路に図の左側から供給されており、ラマン増幅のための装置10の構成は前記第2実施例のものと同一で、第2励起光および第3励起光を後方励起として供給し、第2励起光を反射する光学手段として反射率の低い、例えば反射率が50%の光フィルタ63を波長合波器13の直前に配置する。
なお、図14においては光伝送路1および光伝送路2の2区間に本発明を適用した場合を示してある。
本実施例においては、光伝送路中の適切な位置に設けた光フィルタ63により、第2励起光を前方励起および後方励起として作用させることができ、短波長側励起光(例えばP2−1)のパワーはpump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光(例えばP1−1)に対してラマン利得を与えるが、また一方では第3励起光(例えばP3−1)からラマン利得を受けることとなり、急激な減衰を抑えることができる。
短波長側信号光パワーについてもその変動は小さく抑えられ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
また、光フィルタ63として第3励起光を低反射率で反射する特性のものを適用しても良い。
この場合には第3励起光を前方励起および後方励起として作用させることができ、短波長側励起光(例えばP2−1)のパワーはpump−to−pump現象により、長波長側励起光(例えばP1−1)に対してラマン利得を与えるが、一方で第3励起光(例えばP3−1)からラマン利得を受けることとなり、急激な減衰を抑えることができる。
短波長側信号光パワーについてもその変動を小さく抑えることができ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
(第7実施例)図15は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一とする。
図15において、波長多重信号光および第1励起光は光伝送路に図の左側から供給されており、ラマン増幅のための装置10の構成は第2実施例のものと同一で、第2励起光および第3励起光を波長多重信号光が伝搬する光伝送路1に供給する光学手段として光サーキュレータ12を備えている。
さらに、本実施例では第2励起光を除去する光学手段として光フィルタ64を光伝送路の適切な位置に配置する。なお、図15では光伝送路1および光伝送路2の2区間に本発明を適用した場合を示してある。
ここで、第2励起光は第3励起光によるラマン利得を受けるため、波長多重信号光の伝搬方向と同一方向に伝搬する第2励起光のレーリー散乱光が各伝送区間で利得を受けて蓄積していくという状況が生じる可能性があり、この結果システム設計や維持管理が複雑になることが考えられる。
本実施例においては、図15に示すとおり第2励起光は光伝送路1を波長多重信号光と逆方向に供給され、そのレーリー散乱光は波長多重信号光と同方向に光伝送路1を伝搬し、光サーキュレータ12を通過して光伝送路2に到達するが、光フィルタ64によりこのレーリー散乱光は除去され、第2励起光のレーリー散乱光が第3励起光からの利得を受けても、各伝送区間のレーリー散乱光が蓄積することは回避できるという効果を奏する。
図16は第2励起光のレーリー散乱光の蓄積を抑止する他の構成例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一とする。
本構成は第7実施例と同様の効果を別の構成で実現するものである。
図16において、波長多重信号光および第1励起光は光伝送路に図の左側から供給されている。
ラマン増幅のための装置10は第2励起光および第3励起光を生成する光源として励起光源11を備えており、この励起光源11は第2励起光、第3励起光を生成する。
また、ラマン増幅のための装置10は第2励起光の利得を調整する手段として、第2励起光の光パワーを調整するための励起光パワー調整部14を備えている。さらにラマン増幅のための装置10は前記第2励起光および第3励起光を波長多重信号光が伝搬する光伝送路1に供給する光学手段として光サーキュレータ12を備え、第2励起光および第3励起光を後方励起として光伝送路1に供給する。この構成において、第2励起光は波長多重信号光と逆方向に供給されるが、そのレーリー散乱光は波長多重信号光と同方向に光伝送路1を伝搬し、光サーキュレータ12を通過して光伝送路2に到達する。
励起光パワー調整部14により、光伝送路1内で第2励起光が受ける利得を第2励起光が受ける損失よりも小さい値に調整することにより、第2励起光のレーリー散乱光が第3励起光からの利得を受けても各伝送区間のレーリー散乱光が蓄積することを回避できる。
(第8実施例)図17は本発明の他の実施例であり、冗長構成された双方向光通信システムの中継局への適用例である。ここで、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一である。
図17において、システム101およびシステム103は図の左から右に、システム102およびシステム104は図の右から左にそれぞれ波長多重信号光を伝送するシステムである。
また、図17において中継局40は第1励起光、第2励起光および第3励起光を生成する光源として、それぞれ励起光源11−1、励起光源11−2および励起光源11−3を備え、さらに前記各励起光源で生成される前記各励起光を合波する波長合波器15を備え、加えて合波した励起光を光ファイバ101(n)、102(n+1)、103(n)、104(n+1)、に供給する光学手段として光サーキュレータ12を備えている。
ここで、各励起光源は冗長構成とするために、同一波長の励起光源を複数台用意しても良い。
本実施例においても、短波長側励起光(例えばP2−1)はpump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光(例えばP1−1)に対してラマン利得を与えるが、また一方では第3励起光(例えばP3−1)からラマン利得を受けることとなり、短波長側励起光パワーの急激な減衰を抑えることができる。
短波長側信号光パワーについてもその変動を小さく抑えることができ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
さらに、本実施例では、異なる4つの光伝送システムであるシステム101〜システム104に同一の励起光源からの励起光を供給でき、構成品の点数削減によるシステム全体の信頼性向上の効果、経済性向上の効果を奏する。
図18は本実施例とは異なり、前方励起と後方励起を適用した双方向光通信システムの構成例である。
図18において、システム101は図の左側から、システム102は図の右側からそれぞれ波長多重信号光を伝送するシステムで、中継局40(n)および中継局40(n+1)が設けられている。
中継局40(n)と中継局40(n+1)とは同一の構成であり、複数の前方励起用光源16とこれら励起光源で生成される励起光を合波する波長合波器15、および複数の後方励起用光源17とこれら励起光源で生成される励起光を合波する波長合波器15とを含む。
さらに中継局40(n)と中継局40(n+1)は合波された励起光を前方励起光または後方励起光としてシステム101およびシステム102に供給する光学手段として、波長合波器13を備えている。
図18の構成において、光ファイバ101(n)は中継局40(n+1)から後方励起光として励起光が供給され、前段の中継局40(n)から前方励起光として励起光が供給されることとなり、一つの伝送区間について励起光の制御を複数の中継局で行わなければならなくなる。
これに対して本実施例のように励起光を後方励起光としてのみ供給すれば、1つの中継局で励起光の制御ができ、複雑な制御を回避できる効果を奏する。
(第9実施例)図19は本発明の他の実施例であり、波長多重信号光および励起光の波長配置は第1実施例と同一である。
図19において、光伝送路は光ファイバ71および光ファイバ72で構成される。
光ファイバ71はその信号光波長に対して正分散を持ち、そのモードフィールド径が比較的に大きく、光ファイバ72はその信号光波長に対して負分散を持ち、そのモードフィールド径が比較的に小さいことを特徴とする。
また、ラマン増幅のための装置10は第1励起光、第2励起光および第3励起光を生成する光源として励起光源11と、この励起光源11が生成した励起光を光伝送路に供給する光学手段として光サーキュレータ12を備えている。このとき、励起光は後方励起光として作用し、まず、光ファイバ72を伝搬する。
本実施例においても短波長側の第2励起光はpump−to−pump現象により、一方では長波長側励起光に対してラマン利得を与えるが、また一方では短波長側の第2励起光は、第3励起光からラマン利得をも受けることとなり、急激な減衰を抑えることができる。
このため、短波長側信号光パワーについてもその変動が小さく抑えられ、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することが抑止できるという本発明の基本的な効果を奏する。
また、本実施例によれば、前記基本的な効果に加えて、励起光が主に伝搬するのは、信号光波長に対して負分散を持ち、そのモードフィールド径が比較的に小さいファイバ72であるため、ファイバ非線形効果による伝送波形歪みを抑止できる効果を奏する。
なお、本実施例における光ファイバの構成方法は前述の他のどの実施例についても適用可能である。
前記各実施例において、光伝送路、光ファイバは1種類の光ファイバのみで構成されていても良いし、2種類以上の光ファイバで構成されていても良い。また、前記各実施例において、波長合波器は光サーキュレータを適用しても良い。
さらに、前記各実施例において、励起光源は、各励起光を生成する複数の光源、たとえばレーザダイオードまたは発光ダイオードのみで構成されていても良いし、前記光源のいくつかを合波する波長合波器を備えていても良い。
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
(付記1)波長多重信号光をラマン増幅する光増幅方法において、
前記波長多重信号光の波長帯域内に第1の励起光を配置し、
前記波長多重信号光の波長帯域外に第2の励起光を配置し、
前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光を配置することを特徴とするラマン増幅方法。
(付記2)付記1に記載のラマン増幅方法において、
第1の励起光は、波長多重信号光の長波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第2の励起光は、波長多重信号光の短波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第3の励起光は、第2の励起光を励起するためのものであることを特徴とするラマン増幅方法。
(付記3)付記1に記載のラマン増幅方法において、
波長多重信号光はラマンシフト周波数以上の帯域幅を持つことを特徴とする光増幅方法。
(付記4)付記1に記載のラマン増幅方法において、
第1乃至第3の励起光の周波数間隔はラマンシフト周波数の整数分の1、または(整数+0.5)分の1であることを特徴とするラマン増幅方法。
(付記5)波長多重信号光をラマン増幅する光増幅方法において、
前記波長多重信号光の波長帯域と励起光の波長帯域とが一部で重なるように前記波長多重信号光波長および前記励起光波長を配置し、
特定波長の信号光の、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さくするように前記励起光波長を配置することを特徴とする光増幅方法。(請求項1)
(付記6)波長多重信号光をラマン増幅する光増幅方法において、
前記波長多重信号光の波長帯域と励起光の波長帯域とが一部で重なるように前記波長多重信号光波長および前記励起光波長を配置し、
或る波長の信号光の伝送特性が、他の或る波長の信号光の伝送特性よりも相対的に劣化することを抑止するように前記励起光波長を配置することを特徴とする光増幅方法。
(付記7)波長多重信号光を増幅するラマン増幅のための装置において、
前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を生成する光源と、
前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光を生成する光源と、
前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光を生成する光源と、
前記第1乃至第3の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に供給する光学手段と、
を有することを特徴とするラマン増幅のための装置。(請求項2)
(付記8)付記7に記載のラマン増幅のための装置において、
第1の励起光は、波長多重信号光の長波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第2の励起光は、波長多重信号光の短波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第3の励起光は、第2の励起光を励起するためのものであることを特徴とするラマン増幅のための装置。(請求項3)
(付記9)付記7に記載のラマン増幅のための装置において、
第1乃至第3の光学手段は、波長多重信号光の伝搬方向と逆方向にそれぞれ前記第1乃至第3の励起光を供給することを特徴とするラマン増幅のための装置。
(付記10)付記7に記載のラマン増幅のための装置において、
第1乃至第3の励起光の周波数間隔はラマンシフト周波数の整数分の1、または(整数+0.5)分の1であることを特徴とするラマン増幅のための装置。
(付記11)複数の光伝送路を収容するラマン増幅のための装置において、
前記光伝送路を伝搬する波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を生成する光源と、
前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光を生成する光源と、
前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光を生成する光源と、
前記第1乃至第3の励起光を合波する光学手段と、
前記合波した励起光をそれぞれの光伝送路に供給する光学手段と
を有することを特徴とするラマン増幅のための装置。
(付記12)波長多重信号光をラマン増幅して伝送する光伝送システムであって、
前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を生成する光源と、
前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光を生成する光源と、
前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光を生成する光源と、
前記第1乃至第3の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に供給する光学手段と、
を有することを特徴とする光伝送システム。
(付記13)付記12に記載の光伝送システムにおいて、
第1の励起光は、波長多重信号光の長波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第2の励起光は、波長多重信号光の短波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第3の励起光は、第2の励起光を励起するためのものであることを特徴とする光伝送システム。
(付記14)付記12に記載の光伝送システムにおいて、
第1の励起光は波長多重信号光が伝搬する方向と同方向に供給し、
第2の励起光は波長多重信号光が伝搬する方向と逆方向に供給し、
第3の励起光は波長多重信号光が伝搬する方向と逆方向に供給することを特徴とする光伝送システム。
(付記15)波長多重信号光をラマン増幅して伝送する光伝送システムにおいて、
前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に前記波長多重信号光と共に供給する送信端局と、
前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光と、前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光とを前記波長多重信号光が伝搬する前記光伝送路に供給するラマン増幅のための装置と、
を備えることを特徴とする光伝送システム。(請求項4)
(付記16)付記15に記載の光伝送システムにおいて、
第1の励起光は、波長多重信号光の長波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第2の励起光は、波長多重信号光の短波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
第3の励起光は、第2の励起光を励起するためのものであることを特徴とする光伝送システム。
(付記17)付記15に記載の光伝送システムにおいて、
第2および第3の励起光は、前記波長多重信号光が伝搬する方向と逆方向に前記光伝送路に供給するように構成することを特徴とする光伝送システム。
(付記18)付記17に記載の光伝送システムにおいて、
更に、第1の励起光は、前記波長多重信号光が伝搬する方向とは逆方向にも供給するように構成することを特徴とする光伝送システム。
(付記19)付記15に記載の光伝送システムにおいて、
前記ラマン増幅のための装置は光伝送路中に複数配置され、
前記送信端局と前記ラマン増幅のための装置との間、又は、前記ラマン増幅のための装置間の光伝送路上に第2の励起光を反射する光学手段を有することを特徴とする光伝送システム。
(付記20)付記15に記載の光伝送システムにおいて、
前記ラマン増幅のための装置は光伝送路中に複数配置され、
前記送信端局と前記ラマン増幅のための装置との間、又は、前記ラマン増幅のための装置間の光伝送路上に第3の励起光を反射する光学手段を有することを特徴とする光伝送システム。(請求項5)
(付記21)付記19または付記20に記載の光伝送システムにおいて、
前記波長多重信号光が伝搬する前記光伝送路をモードフィールド径の異なる複数種類の光ファイバにより構成し、
前記光学手段と前記ラマン増幅のための装置との間に配置される光ファイバのうち、前記光学手段により反射された励起光が伝搬する位置に配置される光ファイバのモードフィールド径は、他の光ファイバのモードフィールド径と比べて小であることを特徴とする光伝送システム。
(付記22)付記15の光伝送システムにおいて、
前記ラマン増幅のための装置に対して、前記送信端局と異なる側の前記光伝送路中に、前記波長多重信号光の伝搬方向に生ずる第2の励起光のレーリー散乱光を除去する光学手段を有することを特徴とする光伝送システム。
(付記23)波長多重信号光をラマン増幅して伝送する光伝送システムにおいて、
付記7に記載のラマン増幅のための装置を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路中に配置し、
前記光伝送路を特性の異なる複数種類の光ファイバで構成し、
前記ラマン増幅のための装置から前記第1乃至第3の励起光を供給する入力端に接続される光ファイバは、前記波長多重信号光波長に対して負分散特性を持ち、そのモードフィールド径が他の光ファイバよりも小さいことを特徴とする光伝送システム。
(付記24)付記15に記載の光伝送システムであって、
第1乃至第3の励起光の周波数間隔がラマンシフト周波数の整数分の1、または(整数+0.5)分の1であることを特徴とする光伝送システム。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さく抑え、信号光の伝送特性の劣化を抑止することができる。また、短波長側信号光の光S/N比が長波長側信号光の光S/N比に対して相対的に劣化することを抑止できる。またさらには、励起光間での光パワー移動による短波長側励起光の急激な減衰を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する波長多重信号光と励起光の波長配置を示す概念図である。
【図2】本発明に使用する信号光および第1励起光の配置を示す図である。
【図3】本発明に使用する励起光の配置を示す図である。
【図4】本発明の動作を示す図(1)である。
【図5】図4における励起光・信号光の具体例を示す図である。
【図6】本発明の動作を示す図(2)である。
【図7】図6における励起光・信号光の具体例を示す図である。
【図8】本発明に使用する第3励起光を1波長で構成する場合の波長配置例を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す図である。
【図11】本発明の第3実施例を示す図である。
【図12】本発明の第4実施例を示す図である。
【図13】本発明の第5実施例を示す図である。
【図14】本発明の第6実施例を示す図である。
【図15】本発明の第7実施例を示す図である。
【図16】レーリー散乱光の蓄積を抑止する構成例を示す図である。
【図17】本発明の第8実施例を示す図である。
【図18】前方励起と後方励起を適用したシステム構成例を示す図である。
【図19】本発明の第9実施例を示す図である。
【図20】WDM光増幅中継伝送方式を用いた一般的な光伝送システムの構成例を示す図である。
【図21】従来のラマン増幅の構成例を示す図である。
【図22】従来のラマン増幅における波長配置例を示す図である。
【図23】信号光と励起光が帯域内に混合する配置を持つ場合のラマン増幅の構成例を示す図である。
【図24】信号光と励起光が帯域内に混合する配置を持つ場合の波長配置例を示す図である。
【図25】pump−to−pump現象の概念を説明する図である。
【図26】信号光と励起光が帯域内に混合する配置を持つ場合のラマン増幅を説明する図である。
【図27】光SN比の測定例を示す図である。
【図28】後方励起と前方励起とを組み合わせた場合のラマン増幅を説明する図である。
【符号の説明】
1,2,3 光伝送路
4 光増幅器
10 ラマン増幅のための装置
11,11−1,11−2,11−3,22 励起光源
12 光サーキュレータ
13,15,23 波長合波器
14 励起光パワー調整部
16 前方励起用光源
17 後方励起用光源
20 送信端局
21 光送信器
24 波長多重信号光生成部
25 ポストアンプ
30 受信端局装置
31 波長分波器
32 光受信器
33 プリアンプ
40 中継局
51,52,71,72、101(n)、101(n+1)、102(n)、102(n+1)、103(n)、103(n+1)、104(n)、10(4n+1)  光ファイバ
61、62、63、64 光フィルタ
101、102、103、104 光伝送システム

Claims (5)

  1. 波長多重信号光をラマン増幅する光増幅方法において、
    前記波長多重信号光の波長帯域と励起光の波長帯域とが一部で重なるように前記波長多重信号光波長および前記励起光波長を配置し、
    特定波長の信号光の、伝搬距離に対する信号光パワーの変動を小さくするように前記励起光波長を配置することを特徴とする光増幅方法。
  2. 波長多重信号光を増幅するラマン増幅のための装置において、前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を生成する光源と、
    前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光を生成する光源と、
    前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光を生成する光源と、
    前記第1乃至第3の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に供給する光学手段と、
    を有することを特徴とするラマン増幅のための装置。
  3. 請求項2に記載のラマン増幅のための装置において、
    前記第1の励起光は、前記波長多重信号光の長波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
    前記第2の励起光は、前記波長多重信号光の短波長帯域に位置する信号光を励起するためのものであり、
    前記第3の励起光は、前記第2の励起光を励起するためのものであることを特徴とするラマン増幅のための装置。
  4. 波長多重信号光をラマン増幅して伝送する光伝送システムにおいて、
    前記波長多重信号光の波長帯域内に波長帯域を持つ第1の励起光を前記波長多重信号光が伝搬する光伝送路に前記波長多重信号光と共に供給する送信端局と、
    前記波長多重信号光の波長帯域外に波長帯域を持つ第2の励起光と、前記第2の励起光の波長帯域よりも短波長側にその波長帯域を持つ第3の励起光とを前記波長多重信号光が伝搬する前記光伝送路に供給するラマン増幅のための装置と、
    を備えることを特徴とする光伝送システム。
  5. 請求項4に記載の光伝送システムにおいて、
    前記ラマン増幅のための装置は光伝送路中に複数配置され、
    前記送信端局と前記ラマン増幅のための装置との間の光伝送路中、又は、前記ラマン増幅のための装置間の光伝送路中に、前記第3の励起光を反射する光学手段を有することを特徴とする光伝送システム。
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JP2013106272A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Fujitsu Ltd 光伝送システム、励起光供給制御方法及び励起光供給装置

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