JP2004037305A - 金属疲労・劣化識別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試験片の形状効果や端末効果の影響を受けることなく金属疲労や劣化を検出することができる渦流式磁気センサを提供する。
【解決手段】励磁用1次コイル11と、検出用2次コイル12と、これらのコイルが表面に巻回される高透磁率の磁芯13とを有する渦流式磁気センサ1において、磁芯13を、段階的に異なる直径D1,D2,D3を有する多段円柱形状とし、励磁用1次コイル11を磁芯13の小径部分に巻回し、検出用2次コイル12を異なる直径部分に分けて巻回したコイルを2本設け、大径部が遮蔽金属15に接するように外覆部14内に配置し、一方のコイルの磁芯13の小径部の端面が試験片6に接するように外覆部14内に配置し、もう一方のコイル磁芯13の小径部の端面に対向して調整用金属16を端面との距離Lを変更可能に設けることによりバランス機能を持たせた。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体または非磁性体を問わず、あらゆる金属の疲労・劣化の進行度合を識別する金属疲労・劣化識別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
渦流式磁気センサを用いて、金属の疲労・劣化の進行度合を定量的に検出しようとする試みは数多く報告されている。
【0003】
その一般的な装置構成の一例を、図1を用いて説明する。金属疲労・劣化識別装置は、渦流式磁気センサ1と、発振部2と、乗算器3と、ローパスフィルタ4と、デジタル表示器5とを有して構成され、試験片6を渦流式磁気センサ1の磁芯13に接触させ、励磁用1次巻線11に所定の周波数の励磁電圧を印加し、試験片6に渦電流を誘起してこの渦電流を検出用2次巻線12で検出して、金属の疲労や劣化を検出している。
【0004】
すなわち、金属の疲労や劣化を検出する基本的な手法は、金属の試験片6が未疲労状態から疲労状態に序々に移行する各段階において、渦流式磁気センサ1から試験片6に磁束を放射し、その結果発生する渦電流の変化による情報を検出し記録して行われる。この変化の推移は、金属の疲労や劣化に伴う、金属の透磁率や導電率の変化が原因と見なしている。このように検出情報の変化推移を金属の疲労や劣化の進行度合として識別することに利用している。
【0005】
金属の疲労や劣化の進行度合を知るために、渦流式磁気センサを用いて現場で測定を実施すると、下記のようにいろいろな問題点が出てくる。
【0006】
1)試験片による形状効果・端末効果が大きい。すなわち、未疲労試験片(基準試験片)6に渦流式磁気センサ1から渦電流を発生させ、検出される信号出力を見ると、試験片の形状や磁芯端面迄の距離により、異なった信号出力が表示され、所謂形状効果・端末効果が大きく、無視することができなくなる。
【0007】
2)金属の疲労や劣化の進行度合による透磁率や導電率の変化を電気信号として検出しても、検出信号のレベル変化は非常に小さく、測定誤差の範囲から抜け出せない場合もある。
【0008】
以上の様に金属の疲労や劣化の進行度合を定量的に検出しようとする場合、金属疲労や劣化の要因による検出レベルの変化よりも、形状効果や端末効果による検出レベルの変化が大きいことから、検出データの再現性を欠き、信頼性を著しく損なう場合がある。
【0009】
したがって、従来の亀裂発生箇所で、インピーダンスが急激に変化することを利用した渦流式磁気センサの仕組を、そのまま金属の疲労や劣化の検出に利用することは無理がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するもので、金属疲労や劣化を、試験片の形状効果や端末効果の影響を受けることなく検出することができる渦流式磁気センサを提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、試験片の形状効果や端末効果の影響を受けずに金属疲労や劣化の変化を大きく検出することができる金属疲労・劣化識別装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、これらの課題を解決するために、磁気センサの基本的動作を調べ、コイルの設計方法の見直しを行った。
【0013】
すなわち、上記課題を解決するために、本発明は、励磁用1次巻線と、検出用2次巻線と、これらの巻線が表面に巻回される高透磁率の磁芯とを有する渦流式磁気センサにおいて、前記磁芯は、段階的に異なる直径を有する多段円柱形状を有しており、励磁用1次巻線を磁芯の小径部分に巻回し、検出用2次巻線を異なる直径部分に分けて巻回したコイルを有することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明は、上記渦流式磁気センサにおいて、上記コイルを2本設け、それぞれのコイルの磁芯の大径部が遮蔽金属に接するように外覆部内に配置し、一方のコイルにおける磁芯の小径部の端面が試験片に接するように外覆部内に配置し、もう一方のコイル磁芯の小径部の端面に対向して調整用金属を端面との距離を変更可能に設け、測定用金属無しのとき、検出出力電圧が零となるようにバランス機構を設けた。また、本発明は、上記磁芯を、パーマロイで構成した。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明は、上記渦流式磁気センサと、該渦流式磁気センサの励磁用1次巻線に所定の周波数の励磁電圧を印加する発振器と、前記渦流式磁気センサの検出用2次巻線の出力と前記発振器の励磁電圧を乗算する乗算器と、該乗算器の出力の直流成分を取り出すローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力を表示する表示部とからなる金属疲労・劣化識別装置において、基準試験片で測定した乗算値のピーク値を示すときの測定周波数foと、検出用2次巻線の出力電圧が直線的に右肩上がりで増加する領域においてピーク値を示す測定周波数foが略一致するよう、検出用2次巻線インダクタンス値を選定し、測定金属が無いとき、検出用2次巻線の差動出力電圧が零と正しくバランス状態となるようコイルの磁芯の小径部端面と調整用金属の距離を調整することにより、金属の疲労や劣化の進行度合いを検出して金属疲労や劣化を識別する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる渦流式磁気センサを用いた金属疲労・劣化識別装置の基本的な実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は金属疲労・劣化識別装置の装置構成図、図2〜図6はセンサの電気的特性および等価回路を説明する図、図7は磁芯の形状を説明する図、図8はアンバランス対策を施したセンサ内部の構造を説明する図、図9はセンサ入力周波数対乗算値特性、出力電圧特性、位相特性の関係を説明する図である。
【0017】
図1に示すように、本発明にかかる渦流式磁気センサ1を用いた金属疲労・劣化識別装置は、渦流式磁気センサ1と、発振器2と、乗算器3と、ローパスフィルタ4と、デジタル表示器5とを有して構成され、試験片6をセンサの磁芯13に接触させて、金属疲労・劣化を検出している。本発明にかかる渦流式磁気センサを用いた金属疲労・劣化識別装置の基本的な構成は、図1に示す様に一般に用いられている金属疲労・劣化識別装置の回路方式と同様である。
【0018】
発振器2の信号出力を渦流式磁気センサ1の励磁用1次巻線11に入力し、磁芯13を測定金属(試験片)6に密着させることによって測定金属6に渦電流を発生させる。この渦電流により磁芯13に巻回された検出用2次巻線12に誘起された電圧(出力信号)Vsigを乗算器3に入力する。
【0019】
一方、乗算器3には、発振器2から電圧振幅および位相が一定の基準信号Vrefが供給される。出力信号Vsigおよび基準信号Vrefの信号周波数は同一であるので、センサ回路の同調周波数が測定周波数に近い場合は、出力信号Vsigおよび基準信号Vrefの位相差は小さくなり、乗算器3の出力信号は最大値となる。この出力信号をローパスフィルタ4により直流成分のみ取出し、デジタル表示器5に乗算値として定量的に表示させる。
【0020】
金属の導電率の微小な変化を、最も大きな電気信号として検出する方法を以下に説明する。渦流式磁気センサにおいて、センサ1次側励磁入力周波数(以後、入力周波数fと記す)対センサ2次側出力電圧振幅(以後、出力電圧Voと記す)特性の一般的な傾向を、図2、図3に示す。
【0021】
図2に示すように、入力周波数f対出力電圧Vo特性は、低周波のゼロの領域から入力周波数fが増大するにつれて略直線的に出力電圧Voが増大し、やがて飽和領域に入り出力電圧Voは一定値となる。測定箇所を面積の大、小で比較すると、曲線▲1▼(測定個所の面積大)と曲線▲2▼(測定個所の面積小)に示すように、入力周波数fが高くなり、出力電圧Voが増大するに従って両者▲1▼、▲2▼間の出力電圧Voの差も大きくなり、形状効果が顕著に出て来る。
【0022】
金属の疲労が進行し、導電率が低下して来ると、曲線▲1▼、曲線▲2▼は、それぞれ曲線▲1▼´、曲線▲2▼´と下に傾き出力電圧Voが低下して来る。曲線の立上がり傾斜が急激である程、変化を大きく検出することが可能となる。
【0023】
図3を用いて、磁芯13の透磁率μをパラメータとした、入力周波数f対出力電圧Vo特性の傾向を説明する。渦流式磁気センサ1の巻線を巻回する磁芯13は、高透磁率の部材を使用しているが、透磁率μの値を、例えばμ=1,000からμ=100,000に変更すると、立ち上がり傾斜を急傾斜にすることができる。
【0024】
図2および図3から言えることは、金属の疲労や劣化の進行度合により導電率の微小な変化を電気信号として大きく検出するには、磁芯13としてμの高い部材を採用することによって、出力電圧を高くさせ、且つ形状効果の影響が少ない領域の周波数帯が測定周波数となるよう設計することである。
【0025】
金属の透磁率の微小な変化を、最も大きな電気信号として検出する方法を以下に述べる。
【0026】
図4を用いて、入力周波数f対出力電圧Voの位相特性(以後、出力位相φと記す)の一般的な傾向を説明する。出力位相φは、実線▲3▼で示すように入力周波数fの増加につれて直線的に変化するが、ある周波数以上になると直線性が劣化する。この直線性を破線▲3▼´で示すように所定の周波数まで維持させるには、渦流式磁気センサ1の検出用2次巻線12のインダクタンスL2を増加させることが必要となる。
【0027】
図5を用いて、渦流式磁気センサ1の検出用2次巻線12の等価回路を簡単に示す。L2は検出用2次巻線12のインダクタンス、C2は浮遊容量、ΔL2はセンサの磁芯13を測定金属に密着させた時のインダクタンスの変化分を示す。測定金属が無い時はΔL2=0とする。
【0028】
図6を用いて、センサ1における検出用2次巻線12のリアクタンス成分の周波数特性を示す。低い周波数領域では、リアクタンス成分は、図4の曲線▲3▼に示すように1/jωC2成分によって律せられ、周波数が増大するにつれて曲線▲4▼に示すjωL2成分によって律せられる。
【0029】
図4、図5、図6から以下のことが言える。図4の位相特性は入力周波数fの低い領域で変化が大きい。これは浮遊容量C2の1/jωC2成分が低い周波数で影響している為である。検出用2次巻線12のリアクタンスL2のjωL2成分は図6の曲線▲4▼に見られるように、周波数が比較的高い領域で変化が出て来る。
【0030】
測定周波数帯域にて位相の変化を大きくするには、渦流式磁気センサ1の2次側回路を測定周波数帯に対して同調特性に近づける様にすれば良い。つまり図5に示す検出用2次巻線12のインダクタンスL2を増し、図6に示すように2次側インダクタンスL2の特性を曲線▲4▼から曲線▲4▼´に移行させ、浮遊容量C2によって形成される1/jωC2成分を打ち消すことにより、図4の曲線▲3▼は曲線▲3▼´の特性となる。
【0031】
つまり、透磁率の変化成分を最大に検出する方法として、センサ1の検出用2次コイル12のインダクタンスL2を増し、測定周波数に対して同調特性を形成することにより、位相変化を大きく検出することが可能となる。ただし、これは、2次側回路を集中定数素子のみとして考えた場合は正しいが、ここでは図5における(L2+ΔL2)のインダクタンスの中、変化する成分はΔL2のみである。したがってL2≫ΔL2ならば疲労や劣化の進行によりΔL2が多少変化しても全体としては位相の変化は乏しいものとなる。
【0032】
その対策として、本発明では検出用2次巻線12の磁芯13の直径寸法(太さ)を変えて段差を設け、それぞれの磁芯部分に検出用2次巻線12を複数個に分割して巻回し、この巻線を縦続接続して電気的にはトランスフオーマ機能を持たせることで、検出用2次巻線の巻線数を増加させないで、実効インダクタンスを増大させる手法を試みた。
【0033】
図7を用いて、本発明に使用する渦流式磁気センサ1のコイル磁芯13と励磁用1次巻線11と検出用2次巻線12からなるコイルの形状の一例を説明する。コイル磁芯13は、直径がD1の部分13−1と、D2の部分13−2と、D3の部分13−3とに階段状に変化する形状に構成される。励磁用1次巻線11は、直径がD1の部分13−1の表面に巻回される。検出用2次巻線12は、直径がD1の部分13−1の表面に巻回された第1の巻線12−1と、直径がD2の部分13−2の表面に巻回された第2の巻線12−2と、直径がD3の部分13−3の表面に巻回された第3の巻線12−3とに分けて構成され、これらを縦続接続した状態で2次側の合計インダクタンスL2が所要の値になる様に各巻線の巻線数を決める。
【0034】
図7の例では、磁芯13を3段に構成した場合を示しているが、磁芯13の段数は、2段でも4段でも良い。段数を増せば検出される位相の変化は大きいが、形状効果も表面化するので妥協点がある。
【0035】
さらに、磁芯の直径の比D2/D1、D3/D2、D4/D3、を最適値にするなど、磁性体または非磁性体など測定対象の金属の種類に適応できるよう、最適の設計を行った。
【0036】
以上のように、測定対象の金属の種類により、コイルの部材、形状および最適測定周波数を特定化することにより良い方向性を見出すことができた。しかしこの領域に来ると、検出用2次巻線12の差動トランス機能の僅かなアンバランスが、問題点として浮上してくる。
【0037】
本発明にかかる渦流式磁気センサ1内部の構造は、図7に示したコイルを2個、図8に示すように対称に配置して構成される。重要なことは測定金属の種類によって正しく測定周波数を選定することである。
【0038】
図8を用いて、このようなアンバランスに対処した、センサ内部のコイル配置の一例を説明する。
【0039】
この例では、コイルを2分割し、2つのコイル間で磁束の相互干渉を避ける為、シールド効果を持たせる金属遮蔽物15を配置した。試験片無しの時、出力電圧Voが入力周波数fに対して略ゼロとなる様に磁芯の試験片との接触側と反対側に調整用金属16を配置した点に特徴を有している。
【0040】
すなわち、渦流式磁気センサ1は、励磁用1次巻線11と検出用2次巻線12で構成される。一般に2次側を差動トランス機能としているため、検出用2次巻線12は2分割されて使用するが、製造上のバラツキにより、測定金属なしのとき2次側出力電圧(出力電圧Vo)を零(完全にバランス状態)にすることは難しい。しかも本発明の位相変化を感度良く検出する方式においては、この僅かなアンバランス出力電圧の大小が、位相φ成分の形状効果として無視できなくなる。
【0041】
本発明の渦流式磁気センサ1においては、図8に示す調整用金属16を回転させることにより、磁芯13と調整用金属16の距離Lを変化させ、上記アンバランスを是正している。形状効果を最小とするため、外部から調整可能な機構を施した。
【0042】
本発明にかかる渦流式磁気センサを用いた金属疲労・劣化識別装置は、渦流式磁気センサの動作特性および構造に大きな特徴があるのでその点について詳しく説明する。
【0043】
図9にセンサ入力周波数f対乗算値特性、出力電圧Vo特性、位相特性の関係を示す。この場合、入力周波数fを、図9(C)に示すように乗算値がピーク値を示す1.5kHzに固定することである。図9(A)の入力周波数f−出力位相φの特性図に示すように、測定個所の面積が小さく形状効果が生じる場合は、曲線aの位相特性を示す。測定個所の面積が大きい場合には、曲線cの位相特性を示す。したがって、センサ出力位相特性φが曲線aであるときには、調整用金属16を回転して距離Lを変化させて、曲線aを曲線bに移行させる。形状効果が最も少なく、乗算値がピーク値を示すV−W−X点が直線で交わる点を発明者らはゴールデン・クロスポイントと称し、その周波数のみを測定周波数としている。
【0044】
図9(C)の乗算値特性の示す試験片が未疲労状態dから、疲労・劣化が進行すると、eカーブに移行し、乗算値のピーク点は低い周波数方向にズレ(位相の変化)、乗算値のピーク値自体も低下する(出力電圧の変化)。乗算値のピーク点xからy点に変り、乗算値の低下が表示される。
【0045】
測定対象金属を最初、未疲労試験片(基準試験片)で測定し、乗算値が例えば200と表示したならば、次は疲労試験片で測定し、例えば160と表示したならば、乗算値は20%低下した事を意味する。この低下の度合をデータとして蓄積し、金属の疲労・劣化の進行度合の識別に利用する。
【0046】
【発明の効果】
本発明にかかる渦流式磁気センサを用いた金属疲労・劣化識別装置は、従来非常に困難視されていた、非磁性体金属においても疲労や劣化の進行度合を手軽に検出可能とした。亀裂発生懸念箇所の早期発見、さらに破壊までの測定データ推移を蓄積することにより、余寿命推定の確実さも増し、設備の耐用年数の延伸など経済的メリットは大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる渦流式磁気センサを用いた金属疲労・劣化識別装置の構成を説明する構成図。
【図2】センサ入力周波数対センサ出力電圧振幅特性図。
【図3】センサ入力周波数対センサ出力電圧振幅特性図。
【図4】センサ入力周波数対センサ出力電圧の位相特性図。
【図5】検出用2次コイルの等価回路。
【図6】検出用2次コイルのリアクタンス成分の一般的な傾向を説明する図。
【図7】本発明にかかる渦流式磁気センサの磁芯の形状を模式的に説明する図。
【図8】本発明にかかる渦流式磁気センサ内部のコイル配置の一例を説明する図。
【図9】入力周波数対乗算値特性、出力電圧特性、位相特性の一般的な傾向を説明する図。
【符号の説明】
1 渦流式磁気センサ
11 励磁用1次巻線
12 検出用2次巻線
13 磁芯
14 外覆部
15 遮蔽金属
16 調整用金属
2 発振器
3 乗算器
4 ローパスフィルタ
5 デジタルディスプレイ
6 試験片(金属片)

Claims (4)

  1. 励磁用1次巻線と、検出用2次巻線と、これらの巻線が表面に巻回される高透磁率の磁芯とを有する渦流式磁気センサにおいて、
    前記磁芯は、段階的に異なる直径を有する多段円柱形状を有しており、
    励磁用1次巻線を磁芯の小径部分に巻回し、検出用2次巻線を異なる直径部分に分けて巻回したコイルを有することを特徴とする渦流式磁気センサ。
  2. 上記コイルを2本設け、それぞれのコイルの磁芯の大径部が遮蔽金属に接するように外覆部内に配置し、一方のコイル磁芯の小径部の端面が試験片に接するように外覆部内に配置し、もう一方のコイルにおける磁芯の小径部の端面に対向して調整用金属を端面との距離を変更可能に設け、測定金属無しのとき2次側検出出力電圧が零となるようにバランス機構を設けることを特徴とする請求項1に記載の渦流式磁気センサ。
  3. 磁芯が、パーマロイで構成されることを特徴とする請求項1に記載の渦流式磁気センサ。
  4. 請求項2に記載の渦流式磁気センサと、該渦流式磁気センサの励磁用1次巻線に所定の周波数の励磁電圧を印加する発振器と、前記渦流式磁気センサの検出用2次巻線の出力と前記発振器の励磁電圧を乗算する乗算器と、該乗算器の出力の直流成分を取り出すローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力を表示する表示部とからなる金属疲労・劣化識別装置において、
    基準試験片で測定した乗算値のピーク値を示すときの測定周波数foと、検出用2次巻線の出力電圧が直線的に右肩上がりで増加する領域においてピーク値を示す測定周波数foが略一致するよう、検出用2次巻線のインダクタンス値を選定し、
    測定金属が無いとき、検出用2次巻線の差動出力電圧が零と正しくバランス状態となるようコイルの磁芯の小径部端面と調整用金属の距離を調整することを特徴とする金属の疲労・劣化の進行度合いを検出する金属疲労・劣化識別装置。
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