JP2004036527A - 蒸気タービンの車室構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部車室の熱変形を抑制して該熱変形に伴う上、下フランジの合せ面における隙間の形成を回避し、該隙間からの蒸気の漏洩を防止した蒸気タービンの車室構造を提供する。
【解決手段】上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の蒸気入口部の外壁に、該蒸気入口部近傍を冷却する冷却機構を装着してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の蒸気入口部の外壁に、該蒸気入口部近傍を冷却する冷却機構を装着してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高、中圧蒸気タービンに適用され、上下車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧段タービンと中圧段タービンとを共通の外部車室及び内部構造に収納してなる高、中圧一体型蒸気タービンの1つとして、特開昭60―195305号にて提供されているものを図8〜9に示し、図8はタービンロータ軸心線に沿う要部断面図、図9は図8のB―B線断面図である。
図において、1は外部車室、4は該外部車室1の内側に設置された内部構造で、該外部車室1及び内部構造4の内部には高圧段タービン6及び中圧段タービン7が設けられ、高、中圧一体型蒸気タービンを構成している。20はタービンロータ、11、12は該タービンロータの両端を支持する軸受である。
尚、図示を省略したが、該高圧段タービン6及び中圧段タービン7は、前記内部構造4に固着された複数段の静翼及び前記タービンロータ20に固着された動翼を備えている。
【0003】
2は前記外部車室1に2箇所設けられた高圧蒸気入口で、該高圧蒸気入口2は蒸気通路2bを通して前記高圧段タービン6の第1段静翼入口に接続されている。10は前記外部車室1に2箇所設けられた中圧蒸気入口で、該中圧蒸気入口10は蒸気通路10aを通して前記中圧段タービン7の第1段静翼入口に接続されている。
9は前記外部車室1に設けられ前記高圧段タービン6にて作動後の高圧蒸気を排出する高圧蒸気出口、13は前記外部車室1に設けられ前記中圧段タービン7にて作動後の中圧蒸気を排出する中圧蒸気出口である。
【0004】
30は前記内部構造4の外周部と外部車室1の内周部との位置決めをする車室嵌合リングで、軸方向において前記外部車室1の高圧蒸気入口2と中圧蒸気入口10との間の部位に配置されている。該車室嵌合リング30は、前記外部車室1の内周に突設された環状のリング部32を前記内部構造4の外周に凹設された溝31内に嵌合して構成され、前記外部車室1と内部構造4との軸方向位置を規定している。
前記外部車室1は、図9に示されるように、半割りの上側車室1aと下側車室1bとを、両者に形成されたフランジ部3a及び3bを合せ面13にて接合し、ボルト穴5に挿通される複数のボルト(図示省略)により締め付けて、該合せ面13のガスシールをなしている。
【0005】
かかる高、中圧一体型蒸気タービンにおいて、図示しないボイラにて生成された高圧蒸気は前記高圧蒸気入口2から蒸気通路2bを通って高圧段タービン6に入り、該高圧段タービン6にて膨張仕事をなした後、高圧蒸気出口9から図示しない再熱ボイラに送出される。
該再熱ボイラにて昇温された中圧蒸気は前記中圧蒸気入口10から蒸気通路10aを通って中圧段タービン7に入り、該中圧段タービン7にて膨張仕事をなした後、中圧蒸気出口15から図示しない低圧にタービンに送出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭60―195305号にて提供されている高、中圧一体型蒸気タービンにおいては、次のような問題点を有している。
即ち、かかる高、中圧一体型蒸気タービンにおいて、外部車室1の内側に設置されている内部構造4は高温になるが、ほぼ軸対称形状であるため該内部構造4自体の温度差は比較的小さい。一方、前記外部車室1は、温度レベルは内部構造4よりも低いが、高温の蒸気が流入する高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10が上下に形成されているため、周方向の温度差が大きくなり、図9の破線で示されるように高温の高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が発生する。
【0007】
また、かかる従来技術にあっては、高圧蒸気入口2と中圧蒸気入口10との間の部位に配置されて内部構造4の外周部と外部車室1の内周部との位置決めをする車室嵌合リング30は、外部車室1の内周に突設された環状のリング部32を前記内部構造4の外周に凹設された溝31内に嵌合して構成され、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室1の蒸気入口近傍つまり前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10近傍に該環状のリング部32が形成されていることから、該蒸気入口近傍以外の部位における前記リング部32の剛性による拘束が大きくなる。
このため、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が拘束され、結果として前記のような高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10側が伸びる上下方向に長円状の熱変形を助長させることとなる。
【0008】
このため、かかる従来技術にあっては、外部車室1に前記のような内、外周の温度差による熱変形が発生するのに伴い、上側車室1aのフランジ部3aと下側車室1bのフランジ部3bとの合せ面13の内周部が図9にSにて示すように隙間を生じ、外部車室1内の蒸気がこの隙間Sからボルト穴5を通って外部に漏洩するという不具合の発生をみる。
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、外部車室の熱変形を抑制して該熱変形に伴う上、下フランジの合せ面における隙間の形成を回避し、該隙間からの蒸気の漏洩を防止した蒸気タービンの車室構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の蒸気入口部の外壁に、該蒸気入口部近傍を冷却する冷却機構を装着してなることを特徴とする蒸気タービンの車室構造を提案する。
【0011】
請求項1において、好ましくは請求項2あるいは請求項3のように構成する。即ち請求項2においては、前記冷却機構は、前記外壁に固定された薄板状パネルの内部に冷却材が収納されあるいは該冷却材が通流せしめられる冷却パネルからなる。
請求項3においては、前記冷却機構は、内部に冷却流体が通流する冷却管を前記蒸気入口部の外壁に沿って巻回してなる。
【0012】
蒸気タービンの運転中においては、高温の蒸気が流入する外部車室の蒸気入口部近傍即ち高圧蒸気入口及び中圧蒸気入口近傍が高温蒸気により内部から加熱される。
然るにかかる発明によれば、前記外部車室は、請求項2のように蒸気入口部の外壁に薄板状パネルの内部に冷却材が収納されあるいは該冷却材が通流せしめられる冷却パネルを装着し、あるいは請求項3のように内部を冷却流体が通流する冷却管を蒸気入口部の外壁に沿って巻回して構成された冷却機構によって蒸気入口部近傍が冷却されているので、該蒸気入口部近傍の高温化が回避され、外部車室周方向の温度差が小さくなって均一化され従来技術のように蒸気入口部近傍が伸びる長円状の熱変形が抑制される。
【0013】
従って、外部車室の熱変形量が小さくなるとともに該熱変形量周方向において均一化されることとなり、従来技術のように外部車室における上下車室のフランジ部の合せ面内周部に隙間が形成されるのが回避されて、該隙間からの蒸気の漏洩を防止できる。これにより、蒸気タービンの運転条件が高温、高圧化されても、外部車室の熱変形に伴う蒸気の漏洩が確実に回避された安定した運転を行うことが可能となる。
また、前記冷却機構は、蒸気タービンとは別個に製作して簡単に蒸気入口部に装着することができ、既成の蒸気タービンにも容易に装着できる。
【0014】
請求項4記載の発明は、上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備えるとともに、前記外部車室に設けられた蒸気入口部近傍に前記内部構造と外部車室との位置決めをする車室嵌合リングを介装し、蒸気を前記蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記車室嵌合リングは、前記内部構造の外周に突設された環状のリング部を前記外部車室の内周に凹設された溝内に嵌合して構成されたことを特徴とする。
【0015】
かかる発明によれば、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室の蒸気入口近傍に設けられた車室嵌合リングの該外部車室側に溝を凹設して構成されているため、従来技術のように外部車室側に環状のリング部を設けた構成に比べて該外部車室の蒸気入口近傍における前記車室嵌合リング設置部の剛性が低下して該蒸気入口近傍以外の部位における拘束が小さくなる。
このため、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が可能となり、結果として前記のような蒸気入口側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が抑制され、周方向における熱変形が均一化される。
【0016】
請求項5記載の発明は、上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の内部に、フランジ部合せ面の内周部近傍に蒸気を通流せしめて該フランジ部合せ面の内周部近傍を加熱するフランジ部加熱手段を設けてなることを特徴とする。
【0017】
請求項5において、好ましくは請求項6、7のように構成する。
即ち、請求項6においては、前記フランジ部加熱手段は、前記フランジ部合せ面の内周部に形成され、前記外部車室の内部側に開口されて前記外部車室内の蒸気が通流するスリットを備えてなる。
請求項7においては、前記フランジ部加熱手段は、前記フランジ部合せ面の内周嵌合部近傍に穿孔され、高圧蒸気室側からこれよりも低圧の低圧蒸気室側に連通される小孔を備えてなる。
【0018】
かかる発明によれば、フランジ部加熱手段として、請求項6のように外部車室の内部側に開口するスリットに高温の通流せしめることにより該スリット周りを局部的に加熱して上下フランジ部の合せ面方向への熱膨張を促進させ、請求項7のようにフランジ部合せ面の内周嵌合部近傍に穿孔された小孔に、高圧蒸気室側と低圧蒸気室側との圧力差を利用して高温蒸気を通流せしめることにより上下フランジ部の合せ面方向への熱膨張を促進させることが可能となる。
これにより、前記上下フランジ部の合せ面の内周部における隙間の形成及び該隙間からの蒸気の漏洩を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0020】
図1は本発明の実施例に係る高、中圧一体型蒸気タービンのタービンロータ軸心線に沿う要部断面図である。図2は前記実施例における蒸気入口部冷却機構の第1例を示す図1のZ部拡大図、図3は蒸気入口部冷却機構の第2例を示す図2対応図である。図4は前記実施例における車室嵌合リングの詳細を示す図1のY部拡大図である。図5は図1のA−A線断面図である。図6は前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第1例の詳細を示す図5のX部拡大図である。図7は前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第2、3例の詳細を示し、(A)は外部車室のフランジ部平面図、(B)は第2例を示す(A)のW矢視図、(C)は第3例を示す(A)のW矢視図である。
【0021】
本発明の実施例の全体構成を示す図1及び図5において、1は上側車室1a及び下側車室1bからなる外部車室で、図5に示されるように、半割りの上側車室1aと下側車室1bとを、両者に形成されたフランジ部3a及び3bを合せ面13にて接合し、ボルト穴5に挿通される複数のボルト(図示省略)により締め付けて、該合せ面13のガスシールをなすように構成されている。
4は該外部車室1の内側に設置された内部構造で、該外部車室1及び内部構造4の内部には高圧段タービン6及び中圧段タービン7とともにノズル室やダミーリング等が設けられ、高、中圧一体型蒸気タービンを構成している。20はタービンロータ、11、12は該タービンロータの両端を支持する軸受である。
尚、図示を省略したが、該高圧段タービン6及び中圧段タービン7は、前記内部構造4に固着された複数段の静翼及び前記タービンロータ20に固着された動翼を備えている。
【0022】
2は前記外部車室1の上下位置に2箇所設けられた高圧蒸気入口で、該高圧蒸気入口2は蒸気通路2bを通して前記高圧段タービン6の第1段静翼入口に接続されている。10は前記外部車室1の上下位置に2箇所設けられた中圧蒸気入口で、該中圧蒸気入口10は蒸気通路10aを通して前記中圧段タービン7の第1段静翼入口に接続されている。尚、前記高圧蒸気入口2あるいは中圧蒸気入口10は、夫々1箇所設けてもよい。
9は前記外部車室1に設けられ前記高圧段タービン6にて作動後の高圧蒸気を排出する高圧蒸気出口、13は前記外部車室1に設けられ前記中圧段タービン7にて作動後の中圧蒸気を排出する中圧蒸気出口である。
【0023】
40は前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10に装着された冷却パネルである。
該冷却パネル40の詳細を示す図2において、41は薄板からなり環状に形成されたジャケットで、前記高圧蒸気入口2(以下、この例では高圧蒸気入口2の場合について説明するが、中圧蒸気入口10についても同様の構成である)の外壁面2cに複数のボルト48により固定され、内部に前記外壁面2cに臨む水室42が形成されている。
そして、該水室42の上部位置には冷却水入口管45に接続される水入口43が開口され、該水室42の下部位置には冷却水出口管46に接続される水出口44が開口されている。
また、図示を省略するが、前記冷却パネル40は、内部が中空にされた薄板状パネルを複数のボルトにより前記高圧蒸気入口2の外壁面2cに固定し、中空の内部に冷却材を封入してもよい。
【0024】
図3に示す蒸気入口部即ち前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の冷却機構の第2例においては、前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の外壁面2cに沿って銅管等の熱伝導率の大きい管からなる冷却管61を巻回し、該冷却管61内に冷却水を通流せしめている。
【0025】
図1に戻り、50は車室嵌合リングで、タービンの軸方向において前記外部車室1の高圧蒸気入口2と中圧蒸気入口10との間の部位に配置され、前記内部構造4の外周部と外部車室1の内周部とを連結している。
該車室嵌合リング50の詳細を示す図4において、該車室嵌合リング50は、前記内部構造4のボス部54の外周に半径方向に突設された環状のリング部53を、前記外部車室1のボス部51内周に凹設された溝部52内に嵌合して構成され、前記外部車室1と内部構造4との軸方向位置を規定している。
【0026】
またフランジ部加熱手段の第1例を示す図5〜6において、63は前記外部車室1のフランジ部合せ面13の内周部に形成されたスリットである。図6に示すように、該スリット63は外部車室1のフランジ部合せ面13の内周面1から微小幅の楔状に一定深さにて刻設され、該スリット63に高温の蒸気を通流させて、該スリット63近傍を加熱している。また、必要に応じて奥部に半円状の逃げ部63aを形成して拘束を開放し該スリット63形成部位の変形を容易にしている。
【0027】
図7(A)〜(C)に示すフランジ部加熱手段の第2例及び第3例において、1eは高圧側蒸気室、1fはこれよりも低圧の低圧側蒸気室、1gは前記高圧側蒸気室1と低圧側蒸気室1との間に形成された嵌合部である。
図7(C)に示すフランジ部加熱手段の第2例においては、前記嵌合部1gに、これの内周面1cに開口された微小幅の楔状のスリット64を形成して、高圧側蒸気室1eと低圧側蒸気室1fとの圧力差により該スリット64に高温の蒸気を通流させて、該スリット64近傍を加熱している。
図7(B)に示すフランジ部加熱手段の第3例においては、前記嵌合部1gの高圧側蒸気室1e側面1から低圧側蒸気室1fに向けて小孔65を穿孔し、高圧側蒸気室1eと低圧側蒸気室1fとの圧力差により該小孔65に高温の蒸気を通流させて、該小孔65近傍を加熱している。
図7におけるその他の構成は図5〜6と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0028】
以上の構成からなる高、中圧一体型蒸気タービンの運転時において、図示しないボイラにて生成された高圧蒸気は前記高圧蒸気入口2から蒸気通路2bを通って高圧段タービン6に入り、該高圧段タービン6にて膨張仕事をなした後、高圧蒸気出口9から図示しない再熱ボイラに送出される。
該再熱ボイラにて昇温された中圧蒸気は前記中圧蒸気入口10から蒸気通路10aを通って中圧段タービン7に入り、該中圧段タービン7にて膨張仕事をなした後、中圧蒸気出口15から図示しない低圧にタービンに送出される。
【0029】
かかる運転時においては、高温の蒸気が流入する外部車室1の蒸気入口部近傍即ち高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の近傍が高温蒸気により内部から加熱される。
然るにかかる実施例によれば、前記外部車室1は、図2のように高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の外壁面2cに水室42を有する冷却パネル40を装着し、あるいは内部に冷却材が収容された冷却パネルを装着し、あるいは図3のように高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の外壁面2cに冷却水が通流する銅管等の冷却管61を巻回して、該冷却パネル40あるいは冷却管61によって蒸気入口部近傍即ち前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10近傍が冷却されているので、該蒸気入口部近傍の高温化が回避される。これにより、外部車室1の周方向の温度差が小さくなって均一化され、従来技術のような、高温の蒸気入口部近傍が伸びる長円状の熱変形が抑制される。
【0030】
従ってかかる実施例によれば、外部車室1の熱変形量が小さくなるとともに周方向において熱変形量が均一化されることとなり、従来技術のように外部車室1における上下車室のフランジ部3a、3bの合せ面13内周部に隙間が形成されるのが回避されて、該隙間からの蒸気の漏洩を防止できる。
また、前記冷却ジャケット40あるいは冷却パネルは、蒸気タービンとは別個に製作して簡単に高圧蒸気入口2あるいは中圧蒸気入口10に装着することができるため、既成の蒸気タービンにも容易に装着できる。
【0031】
また、図4に示されるように、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室1の蒸気入口近傍即ち高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の近傍に設けられた車室嵌合リング50は、外部車室1側に溝部52を凹設して構成されているため、従来技術のように外部車室1側に環状のリング部を設けた構成に比べて該外部車室1の蒸気入口近傍における車室嵌合リング50設置部の剛性が低下して、該蒸気入口近傍以外の部位における拘束が小さくなる。
これにより、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が可能となり、結果として前記蒸気入口側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が抑制され周方向において熱変形が均一となる。
【0032】
さらに、図5〜7に示す、フランジ部加熱手段の第1〜3例のように構成することにより、上下フランジ部3a、3bの合せ面13方向への熱膨張を促進させることが可能となる。これにより、前記上下フランジ部3a、3bの合せ面13の内周部における隙間の形成及び該隙間からの蒸気の漏洩が抑制される。
【0033】
【発明の効果】
以上記載の如く請求項1ないし3記載の発明によれば、外部車室の蒸気入口部近傍を、請求項2記載のように蒸気入口部の外壁に装着された冷却パネル、あるいは請求項3記載のように蒸気入口部の外壁に沿って巻回された冷却管にて構成された冷却機構によって冷却しているので、該蒸気入口部近傍の高温化が回避され、外部車室周方向の温度差が小さくなって均一化され蒸気入口部近傍が伸びる長円状の熱変形が抑制される。
【0034】
従ってかかる発明によれば、外部車室の熱変形量が小さくなるとともに該熱変形量が周方向において均一化されることとなり、外部車室における上下車室のフランジ部の合せ面内周部に隙間が形成されるのが回避されて、該隙間からの蒸気の漏洩を防止できる。
これにより、蒸気タービンの運転条件が高温、高圧化されても、外部車室の熱変形に伴う蒸気の漏洩が確実に回避された安定した運転を行うことが可能となる。
また、前記冷却機構は、蒸気タービンとは別個に製作して簡単に蒸気入口部に装着することができ、既成の蒸気タービンにも容易に装着できる。
【0035】
また請求項4記載の発明によれば、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室の蒸気入口近傍に設けられた車室嵌合リングの外部車室側に溝を凹設しているため、外部車室側に環状のリング部を設けた構成に比べて該外部車室の蒸気入口近傍における車室嵌合リング設置部の剛性が低下して該蒸気入口近傍以外の部位における拘束が小さくなる。
これにより、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が可能となり、結果として前記のような蒸気入口側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が抑制され、周方向における熱変形が均一化される。
【0036】
さらに請求項5ないし7記載の発明によれば、フランジ部合せ面の内周部位に高温の蒸気を通流させることにより該部を局部的に加熱し、上下フランジ部の合せ面方向への熱膨張を促進させることが可能となる。
これにより、前記上下フランジ部の合せ面の内周部における隙間の形成及び該隙間からの蒸気の漏洩を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高、中圧一体型蒸気タービンのタービンロータ軸心線に沿う要部断面図である。
【図2】前記実施例における蒸気入口部冷却機構の第1例を示す図1のZ部拡大図である。
【図3】蒸気入口部冷却機構の第2例を示す図2対応図である。
【図4】前記実施例における車室嵌合リングの詳細を示す図1のY部拡大図である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第1例の詳細を示す図5のX部拡大図である。
【図7】前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第2、3例の詳細を示し、(A)は外部車室のフランジ部平面図、(B)は第2例を示す(A)のW矢視図、(C)は第3例を示す(A)のW矢視図である。
【図8】従来技術を示す図1対応図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 外部車室
1a 上側車室
1b 下側車室
2 高圧蒸気入口
2c 外壁面
3a、3b フランジ部
4 内部構造
6 高圧段タービン
7 中圧段タービン
10 中圧蒸気入口
13 合せ面
40 冷却パネル
41 ジャケット
42 水室
50 車室嵌合リング
53 リング部
52 溝部
61 冷却管
63 スリット
65 小孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、高、中圧蒸気タービンに適用され、上下車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧段タービンと中圧段タービンとを共通の外部車室及び内部構造に収納してなる高、中圧一体型蒸気タービンの1つとして、特開昭60―195305号にて提供されているものを図8〜9に示し、図8はタービンロータ軸心線に沿う要部断面図、図9は図8のB―B線断面図である。
図において、1は外部車室、4は該外部車室1の内側に設置された内部構造で、該外部車室1及び内部構造4の内部には高圧段タービン6及び中圧段タービン7が設けられ、高、中圧一体型蒸気タービンを構成している。20はタービンロータ、11、12は該タービンロータの両端を支持する軸受である。
尚、図示を省略したが、該高圧段タービン6及び中圧段タービン7は、前記内部構造4に固着された複数段の静翼及び前記タービンロータ20に固着された動翼を備えている。
【0003】
2は前記外部車室1に2箇所設けられた高圧蒸気入口で、該高圧蒸気入口2は蒸気通路2bを通して前記高圧段タービン6の第1段静翼入口に接続されている。10は前記外部車室1に2箇所設けられた中圧蒸気入口で、該中圧蒸気入口10は蒸気通路10aを通して前記中圧段タービン7の第1段静翼入口に接続されている。
9は前記外部車室1に設けられ前記高圧段タービン6にて作動後の高圧蒸気を排出する高圧蒸気出口、13は前記外部車室1に設けられ前記中圧段タービン7にて作動後の中圧蒸気を排出する中圧蒸気出口である。
【0004】
30は前記内部構造4の外周部と外部車室1の内周部との位置決めをする車室嵌合リングで、軸方向において前記外部車室1の高圧蒸気入口2と中圧蒸気入口10との間の部位に配置されている。該車室嵌合リング30は、前記外部車室1の内周に突設された環状のリング部32を前記内部構造4の外周に凹設された溝31内に嵌合して構成され、前記外部車室1と内部構造4との軸方向位置を規定している。
前記外部車室1は、図9に示されるように、半割りの上側車室1aと下側車室1bとを、両者に形成されたフランジ部3a及び3bを合せ面13にて接合し、ボルト穴5に挿通される複数のボルト(図示省略)により締め付けて、該合せ面13のガスシールをなしている。
【0005】
かかる高、中圧一体型蒸気タービンにおいて、図示しないボイラにて生成された高圧蒸気は前記高圧蒸気入口2から蒸気通路2bを通って高圧段タービン6に入り、該高圧段タービン6にて膨張仕事をなした後、高圧蒸気出口9から図示しない再熱ボイラに送出される。
該再熱ボイラにて昇温された中圧蒸気は前記中圧蒸気入口10から蒸気通路10aを通って中圧段タービン7に入り、該中圧段タービン7にて膨張仕事をなした後、中圧蒸気出口15から図示しない低圧にタービンに送出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭60―195305号にて提供されている高、中圧一体型蒸気タービンにおいては、次のような問題点を有している。
即ち、かかる高、中圧一体型蒸気タービンにおいて、外部車室1の内側に設置されている内部構造4は高温になるが、ほぼ軸対称形状であるため該内部構造4自体の温度差は比較的小さい。一方、前記外部車室1は、温度レベルは内部構造4よりも低いが、高温の蒸気が流入する高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10が上下に形成されているため、周方向の温度差が大きくなり、図9の破線で示されるように高温の高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が発生する。
【0007】
また、かかる従来技術にあっては、高圧蒸気入口2と中圧蒸気入口10との間の部位に配置されて内部構造4の外周部と外部車室1の内周部との位置決めをする車室嵌合リング30は、外部車室1の内周に突設された環状のリング部32を前記内部構造4の外周に凹設された溝31内に嵌合して構成され、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室1の蒸気入口近傍つまり前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10近傍に該環状のリング部32が形成されていることから、該蒸気入口近傍以外の部位における前記リング部32の剛性による拘束が大きくなる。
このため、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が拘束され、結果として前記のような高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10側が伸びる上下方向に長円状の熱変形を助長させることとなる。
【0008】
このため、かかる従来技術にあっては、外部車室1に前記のような内、外周の温度差による熱変形が発生するのに伴い、上側車室1aのフランジ部3aと下側車室1bのフランジ部3bとの合せ面13の内周部が図9にSにて示すように隙間を生じ、外部車室1内の蒸気がこの隙間Sからボルト穴5を通って外部に漏洩するという不具合の発生をみる。
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、外部車室の熱変形を抑制して該熱変形に伴う上、下フランジの合せ面における隙間の形成を回避し、該隙間からの蒸気の漏洩を防止した蒸気タービンの車室構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の蒸気入口部の外壁に、該蒸気入口部近傍を冷却する冷却機構を装着してなることを特徴とする蒸気タービンの車室構造を提案する。
【0011】
請求項1において、好ましくは請求項2あるいは請求項3のように構成する。即ち請求項2においては、前記冷却機構は、前記外壁に固定された薄板状パネルの内部に冷却材が収納されあるいは該冷却材が通流せしめられる冷却パネルからなる。
請求項3においては、前記冷却機構は、内部に冷却流体が通流する冷却管を前記蒸気入口部の外壁に沿って巻回してなる。
【0012】
蒸気タービンの運転中においては、高温の蒸気が流入する外部車室の蒸気入口部近傍即ち高圧蒸気入口及び中圧蒸気入口近傍が高温蒸気により内部から加熱される。
然るにかかる発明によれば、前記外部車室は、請求項2のように蒸気入口部の外壁に薄板状パネルの内部に冷却材が収納されあるいは該冷却材が通流せしめられる冷却パネルを装着し、あるいは請求項3のように内部を冷却流体が通流する冷却管を蒸気入口部の外壁に沿って巻回して構成された冷却機構によって蒸気入口部近傍が冷却されているので、該蒸気入口部近傍の高温化が回避され、外部車室周方向の温度差が小さくなって均一化され従来技術のように蒸気入口部近傍が伸びる長円状の熱変形が抑制される。
【0013】
従って、外部車室の熱変形量が小さくなるとともに該熱変形量周方向において均一化されることとなり、従来技術のように外部車室における上下車室のフランジ部の合せ面内周部に隙間が形成されるのが回避されて、該隙間からの蒸気の漏洩を防止できる。これにより、蒸気タービンの運転条件が高温、高圧化されても、外部車室の熱変形に伴う蒸気の漏洩が確実に回避された安定した運転を行うことが可能となる。
また、前記冷却機構は、蒸気タービンとは別個に製作して簡単に蒸気入口部に装着することができ、既成の蒸気タービンにも容易に装着できる。
【0014】
請求項4記載の発明は、上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備えるとともに、前記外部車室に設けられた蒸気入口部近傍に前記内部構造と外部車室との位置決めをする車室嵌合リングを介装し、蒸気を前記蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記車室嵌合リングは、前記内部構造の外周に突設された環状のリング部を前記外部車室の内周に凹設された溝内に嵌合して構成されたことを特徴とする。
【0015】
かかる発明によれば、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室の蒸気入口近傍に設けられた車室嵌合リングの該外部車室側に溝を凹設して構成されているため、従来技術のように外部車室側に環状のリング部を設けた構成に比べて該外部車室の蒸気入口近傍における前記車室嵌合リング設置部の剛性が低下して該蒸気入口近傍以外の部位における拘束が小さくなる。
このため、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が可能となり、結果として前記のような蒸気入口側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が抑制され、周方向における熱変形が均一化される。
【0016】
請求項5記載の発明は、上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の内部に、フランジ部合せ面の内周部近傍に蒸気を通流せしめて該フランジ部合せ面の内周部近傍を加熱するフランジ部加熱手段を設けてなることを特徴とする。
【0017】
請求項5において、好ましくは請求項6、7のように構成する。
即ち、請求項6においては、前記フランジ部加熱手段は、前記フランジ部合せ面の内周部に形成され、前記外部車室の内部側に開口されて前記外部車室内の蒸気が通流するスリットを備えてなる。
請求項7においては、前記フランジ部加熱手段は、前記フランジ部合せ面の内周嵌合部近傍に穿孔され、高圧蒸気室側からこれよりも低圧の低圧蒸気室側に連通される小孔を備えてなる。
【0018】
かかる発明によれば、フランジ部加熱手段として、請求項6のように外部車室の内部側に開口するスリットに高温の通流せしめることにより該スリット周りを局部的に加熱して上下フランジ部の合せ面方向への熱膨張を促進させ、請求項7のようにフランジ部合せ面の内周嵌合部近傍に穿孔された小孔に、高圧蒸気室側と低圧蒸気室側との圧力差を利用して高温蒸気を通流せしめることにより上下フランジ部の合せ面方向への熱膨張を促進させることが可能となる。
これにより、前記上下フランジ部の合せ面の内周部における隙間の形成及び該隙間からの蒸気の漏洩を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0020】
図1は本発明の実施例に係る高、中圧一体型蒸気タービンのタービンロータ軸心線に沿う要部断面図である。図2は前記実施例における蒸気入口部冷却機構の第1例を示す図1のZ部拡大図、図3は蒸気入口部冷却機構の第2例を示す図2対応図である。図4は前記実施例における車室嵌合リングの詳細を示す図1のY部拡大図である。図5は図1のA−A線断面図である。図6は前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第1例の詳細を示す図5のX部拡大図である。図7は前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第2、3例の詳細を示し、(A)は外部車室のフランジ部平面図、(B)は第2例を示す(A)のW矢視図、(C)は第3例を示す(A)のW矢視図である。
【0021】
本発明の実施例の全体構成を示す図1及び図5において、1は上側車室1a及び下側車室1bからなる外部車室で、図5に示されるように、半割りの上側車室1aと下側車室1bとを、両者に形成されたフランジ部3a及び3bを合せ面13にて接合し、ボルト穴5に挿通される複数のボルト(図示省略)により締め付けて、該合せ面13のガスシールをなすように構成されている。
4は該外部車室1の内側に設置された内部構造で、該外部車室1及び内部構造4の内部には高圧段タービン6及び中圧段タービン7とともにノズル室やダミーリング等が設けられ、高、中圧一体型蒸気タービンを構成している。20はタービンロータ、11、12は該タービンロータの両端を支持する軸受である。
尚、図示を省略したが、該高圧段タービン6及び中圧段タービン7は、前記内部構造4に固着された複数段の静翼及び前記タービンロータ20に固着された動翼を備えている。
【0022】
2は前記外部車室1の上下位置に2箇所設けられた高圧蒸気入口で、該高圧蒸気入口2は蒸気通路2bを通して前記高圧段タービン6の第1段静翼入口に接続されている。10は前記外部車室1の上下位置に2箇所設けられた中圧蒸気入口で、該中圧蒸気入口10は蒸気通路10aを通して前記中圧段タービン7の第1段静翼入口に接続されている。尚、前記高圧蒸気入口2あるいは中圧蒸気入口10は、夫々1箇所設けてもよい。
9は前記外部車室1に設けられ前記高圧段タービン6にて作動後の高圧蒸気を排出する高圧蒸気出口、13は前記外部車室1に設けられ前記中圧段タービン7にて作動後の中圧蒸気を排出する中圧蒸気出口である。
【0023】
40は前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10に装着された冷却パネルである。
該冷却パネル40の詳細を示す図2において、41は薄板からなり環状に形成されたジャケットで、前記高圧蒸気入口2(以下、この例では高圧蒸気入口2の場合について説明するが、中圧蒸気入口10についても同様の構成である)の外壁面2cに複数のボルト48により固定され、内部に前記外壁面2cに臨む水室42が形成されている。
そして、該水室42の上部位置には冷却水入口管45に接続される水入口43が開口され、該水室42の下部位置には冷却水出口管46に接続される水出口44が開口されている。
また、図示を省略するが、前記冷却パネル40は、内部が中空にされた薄板状パネルを複数のボルトにより前記高圧蒸気入口2の外壁面2cに固定し、中空の内部に冷却材を封入してもよい。
【0024】
図3に示す蒸気入口部即ち前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の冷却機構の第2例においては、前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の外壁面2cに沿って銅管等の熱伝導率の大きい管からなる冷却管61を巻回し、該冷却管61内に冷却水を通流せしめている。
【0025】
図1に戻り、50は車室嵌合リングで、タービンの軸方向において前記外部車室1の高圧蒸気入口2と中圧蒸気入口10との間の部位に配置され、前記内部構造4の外周部と外部車室1の内周部とを連結している。
該車室嵌合リング50の詳細を示す図4において、該車室嵌合リング50は、前記内部構造4のボス部54の外周に半径方向に突設された環状のリング部53を、前記外部車室1のボス部51内周に凹設された溝部52内に嵌合して構成され、前記外部車室1と内部構造4との軸方向位置を規定している。
【0026】
またフランジ部加熱手段の第1例を示す図5〜6において、63は前記外部車室1のフランジ部合せ面13の内周部に形成されたスリットである。図6に示すように、該スリット63は外部車室1のフランジ部合せ面13の内周面1から微小幅の楔状に一定深さにて刻設され、該スリット63に高温の蒸気を通流させて、該スリット63近傍を加熱している。また、必要に応じて奥部に半円状の逃げ部63aを形成して拘束を開放し該スリット63形成部位の変形を容易にしている。
【0027】
図7(A)〜(C)に示すフランジ部加熱手段の第2例及び第3例において、1eは高圧側蒸気室、1fはこれよりも低圧の低圧側蒸気室、1gは前記高圧側蒸気室1と低圧側蒸気室1との間に形成された嵌合部である。
図7(C)に示すフランジ部加熱手段の第2例においては、前記嵌合部1gに、これの内周面1cに開口された微小幅の楔状のスリット64を形成して、高圧側蒸気室1eと低圧側蒸気室1fとの圧力差により該スリット64に高温の蒸気を通流させて、該スリット64近傍を加熱している。
図7(B)に示すフランジ部加熱手段の第3例においては、前記嵌合部1gの高圧側蒸気室1e側面1から低圧側蒸気室1fに向けて小孔65を穿孔し、高圧側蒸気室1eと低圧側蒸気室1fとの圧力差により該小孔65に高温の蒸気を通流させて、該小孔65近傍を加熱している。
図7におけるその他の構成は図5〜6と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0028】
以上の構成からなる高、中圧一体型蒸気タービンの運転時において、図示しないボイラにて生成された高圧蒸気は前記高圧蒸気入口2から蒸気通路2bを通って高圧段タービン6に入り、該高圧段タービン6にて膨張仕事をなした後、高圧蒸気出口9から図示しない再熱ボイラに送出される。
該再熱ボイラにて昇温された中圧蒸気は前記中圧蒸気入口10から蒸気通路10aを通って中圧段タービン7に入り、該中圧段タービン7にて膨張仕事をなした後、中圧蒸気出口15から図示しない低圧にタービンに送出される。
【0029】
かかる運転時においては、高温の蒸気が流入する外部車室1の蒸気入口部近傍即ち高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の近傍が高温蒸気により内部から加熱される。
然るにかかる実施例によれば、前記外部車室1は、図2のように高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の外壁面2cに水室42を有する冷却パネル40を装着し、あるいは内部に冷却材が収容された冷却パネルを装着し、あるいは図3のように高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の外壁面2cに冷却水が通流する銅管等の冷却管61を巻回して、該冷却パネル40あるいは冷却管61によって蒸気入口部近傍即ち前記高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10近傍が冷却されているので、該蒸気入口部近傍の高温化が回避される。これにより、外部車室1の周方向の温度差が小さくなって均一化され、従来技術のような、高温の蒸気入口部近傍が伸びる長円状の熱変形が抑制される。
【0030】
従ってかかる実施例によれば、外部車室1の熱変形量が小さくなるとともに周方向において熱変形量が均一化されることとなり、従来技術のように外部車室1における上下車室のフランジ部3a、3bの合せ面13内周部に隙間が形成されるのが回避されて、該隙間からの蒸気の漏洩を防止できる。
また、前記冷却ジャケット40あるいは冷却パネルは、蒸気タービンとは別個に製作して簡単に高圧蒸気入口2あるいは中圧蒸気入口10に装着することができるため、既成の蒸気タービンにも容易に装着できる。
【0031】
また、図4に示されるように、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室1の蒸気入口近傍即ち高圧蒸気入口2及び中圧蒸気入口10の近傍に設けられた車室嵌合リング50は、外部車室1側に溝部52を凹設して構成されているため、従来技術のように外部車室1側に環状のリング部を設けた構成に比べて該外部車室1の蒸気入口近傍における車室嵌合リング50設置部の剛性が低下して、該蒸気入口近傍以外の部位における拘束が小さくなる。
これにより、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が可能となり、結果として前記蒸気入口側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が抑制され周方向において熱変形が均一となる。
【0032】
さらに、図5〜7に示す、フランジ部加熱手段の第1〜3例のように構成することにより、上下フランジ部3a、3bの合せ面13方向への熱膨張を促進させることが可能となる。これにより、前記上下フランジ部3a、3bの合せ面13の内周部における隙間の形成及び該隙間からの蒸気の漏洩が抑制される。
【0033】
【発明の効果】
以上記載の如く請求項1ないし3記載の発明によれば、外部車室の蒸気入口部近傍を、請求項2記載のように蒸気入口部の外壁に装着された冷却パネル、あるいは請求項3記載のように蒸気入口部の外壁に沿って巻回された冷却管にて構成された冷却機構によって冷却しているので、該蒸気入口部近傍の高温化が回避され、外部車室周方向の温度差が小さくなって均一化され蒸気入口部近傍が伸びる長円状の熱変形が抑制される。
【0034】
従ってかかる発明によれば、外部車室の熱変形量が小さくなるとともに該熱変形量が周方向において均一化されることとなり、外部車室における上下車室のフランジ部の合せ面内周部に隙間が形成されるのが回避されて、該隙間からの蒸気の漏洩を防止できる。
これにより、蒸気タービンの運転条件が高温、高圧化されても、外部車室の熱変形に伴う蒸気の漏洩が確実に回避された安定した運転を行うことが可能となる。
また、前記冷却機構は、蒸気タービンとは別個に製作して簡単に蒸気入口部に装着することができ、既成の蒸気タービンにも容易に装着できる。
【0035】
また請求項4記載の発明によれば、高温で周方向の温度差が大きくなる外部車室の蒸気入口近傍に設けられた車室嵌合リングの外部車室側に溝を凹設しているため、外部車室側に環状のリング部を設けた構成に比べて該外部車室の蒸気入口近傍における車室嵌合リング設置部の剛性が低下して該蒸気入口近傍以外の部位における拘束が小さくなる。
これにより、前記蒸気入口近傍以外の部位の該蒸気入口に直角方向における自由な熱変形が可能となり、結果として前記のような蒸気入口側が伸びる上下方向に長円状の熱変形が抑制され、周方向における熱変形が均一化される。
【0036】
さらに請求項5ないし7記載の発明によれば、フランジ部合せ面の内周部位に高温の蒸気を通流させることにより該部を局部的に加熱し、上下フランジ部の合せ面方向への熱膨張を促進させることが可能となる。
これにより、前記上下フランジ部の合せ面の内周部における隙間の形成及び該隙間からの蒸気の漏洩を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高、中圧一体型蒸気タービンのタービンロータ軸心線に沿う要部断面図である。
【図2】前記実施例における蒸気入口部冷却機構の第1例を示す図1のZ部拡大図である。
【図3】蒸気入口部冷却機構の第2例を示す図2対応図である。
【図4】前記実施例における車室嵌合リングの詳細を示す図1のY部拡大図である。
【図5】図1のA−A線断面図である。
【図6】前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第1例の詳細を示す図5のX部拡大図である。
【図7】前記実施例におけるフランジ部加熱手段の第2、3例の詳細を示し、(A)は外部車室のフランジ部平面図、(B)は第2例を示す(A)のW矢視図、(C)は第3例を示す(A)のW矢視図である。
【図8】従来技術を示す図1対応図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 外部車室
1a 上側車室
1b 下側車室
2 高圧蒸気入口
2c 外壁面
3a、3b フランジ部
4 内部構造
6 高圧段タービン
7 中圧段タービン
10 中圧蒸気入口
13 合せ面
40 冷却パネル
41 ジャケット
42 水室
50 車室嵌合リング
53 リング部
52 溝部
61 冷却管
63 スリット
65 小孔
Claims (7)
- 上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の蒸気入口部の外壁に、該蒸気入口部近傍を冷却する冷却機構を装着してなることを特徴とする蒸気タービンの車室構造。
- 前記冷却機構は、前記外壁に固定された薄板状パネルの内部に冷却材が収納されあるいは該冷却材が通流せしめられる冷却パネルからなることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの車室構造。
- 前記冷却機構は、内部に冷却流体が通流する冷却管を前記蒸気入口部の外壁に沿って巻回してなることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンの車室構造。
- 上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備えるとともに、前記外部車室に設けられた蒸気入口部近傍に前記内部構造と外部車室との位置決めをする車室嵌合リングを介装し、蒸気を前記蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記車室嵌合リングは、前記内部構造の外周に突設された環状のリング部を前記外部車室の内周に凹設された溝内に嵌合して構成されたことを特徴とする蒸気タービンの車室構造。
- 上側車室及び下側車室をフランジ部の合せ面にてボルト接合してなる外部車室と該外部車室の内側に設置された内部構造とを備え、蒸気を前記外部車室に設けられた蒸気入口部から前記内部構造を通して静翼及び動翼段に供給するように構成された蒸気タービンの車室構造において、前記外部車室の内部に、フランジ部合せ面の内周部近傍に蒸気を通流せしめて該フランジ部合せ面の内周部近傍を加熱するフランジ部加熱手段を設けてなることを特徴とする蒸気タービンの車室構造。
- 前記フランジ部加熱手段は、前記フランジ部合せ面の内周部に形成され、前記外部車室の内部側に開口されて前記外部車室内の蒸気が通流するスリットを備えてなることを特徴とする請求項5記載の蒸気タービンの車室構造。
- 前記フランジ部加熱手段は、前記フランジ部合せ面の内周嵌合部近傍に穿孔され、高圧蒸気室側からこれよりも低圧の低圧蒸気室側に連通される小孔を備えてなることを特徴とする請求項5記載の蒸気タービンの車室構造。
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