JP2004034557A - 容器の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】予備成形品の形成や高圧エアのブロー,金型の型締め力等を必要とする延伸ブロー成形方法を用いることなく、所望のプラスチック容器を簡易かつ精度良く成形する。
【解決手段】上部に開口する所定の中空逆截頭円錐形状のキャビティ111とキャビティ111の上部開口に嵌合するフランジキャビティ112を有する金型110と、金型110をキャビティ111の軸線を中心に回転させる金型駆動手段120とを備え、金型110のキャビティ111底部に溶融したプラスチック樹脂10が投入され、金型110が金型駆動手段120により回転駆動されることにより、溶融樹脂が遠心力により流動ないし配向されてキャビティ111の内壁面に沿って上昇しつつ行き亘り、逆截頭円錐形状の容器が形成されるように構成してある。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート等からなるプラスチック製カップやプラスチック製ボトルのような容器の成形方法に関し、特に、所定の容器形状に形成されたキャビティ内で、溶融樹脂を遠心力によって流動,配向させることにより、予備成形品(プリフォーム,パリソン)の形成やブロー用の高圧エア,金型に対する強い型締め力やそのための強力な型締め装置等を必要とする延伸ブロー成形方法を用いることなく、より簡易な工程,方法によって精度良く所望の樹脂製容器を成形することができる容器の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートやポリエステル,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエチレン等のプラスチック樹脂からなるプラスチックカップやプラスチックボトル等のプラスチック容器が知られている。プラスチック容器は、透明性,ガスバリヤー性に優れ、コーラ,サイダー等の炭酸飲料、果汁飲料、ミネラルウォーターに代表される飲料水等の飲料用のカップ容器やボトル容器として使用されている。
ここで、この種のプラスチックボトル容器は、一般に、延伸ブロー成形方法と呼ばれる方法により形成,製造されるようになっている。
延伸ブロー成形方法とは、まず、射出成形,押出成形等によりプリフォーム,パリソンと呼ばれる予備成形品を形成し、この予備成形品を延伸温度に加熱して所定形状のキャビティ金型にセットした後、内部に高圧エアを吹き込んで延伸成形し、これを冷却することにより最終成形品を形成するという方法で、量産性に優れた成形方法として広く用いられている。
【0003】
なお、この種の延伸ブロー成形方法には、ホットパリソン法(一段ブロー成形法)とコールドパリソン法(二段ブロー成形法)の二つの方法があり、ホットパリソン法は、ポリエステル樹脂を射出成形等することにより有底プリフォーム(パリソン)を形成し、このプリフォームを完全に冷却することなく軟化状態で延伸ブローすることによりカップやボトル等の最終成形品に形成するもので、生産性に優れている。
コールドパリソン法は、ポリエステル樹脂を射出成形等することにより、最終形状より寸法が小さく、かつ、ポリエステルが非結晶である冷却有底プリフォームを予め形成し、この冷却プリフォームを延伸温度に予備加熱して、ブロー成形金型内で延伸することで最終成形品を形成する方法で、容器の寸法等の精度に優れている。
このようなプラスチック容器の延伸ブロー成形方法は、例えば、特開昭53−044267号公報や特開昭54−140687号公報等に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような延伸ブロー成形方法では、予め予備成形品を形成しておき、その後、これに高圧エアをブローするという工程が取られるため、必ず予備成形品を形成する必要があった。このため、最終成形品を直接に形成することができず、製造工程が煩雑であるという指摘があった。
また、延伸ブロー成形方法では、予備成形品をブロー成形するための高圧エアが必要であり、例えば10kgf/cm以上の高圧の吹込みエアがブロー成形のたびに消費されることになっていた。このため、省エネルギーの面からの改善も指摘されていた。
さらに、延伸ブロー成形では、一般に、二つ割りに構成された金型内に高圧エアをブローするため、二つ割りの金型を堅固に閉じ合わせて保持しておかなければならなかった。このため、強い型締め力が必要となり、強力な型締め装置頭による型締め作業が煩雑で、容器の製造装置全体が大型化,複雑化するという問題が指摘されていた。
本発明者は、このような事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、溶融樹脂を遠心力を利用して流動,配向させることにより、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、プラスチック容器を得ることができることに想到した。
【0005】
すなわち、本発明は、上述した従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、所定の容器形状に形成された金型のキャビティ内で、溶融樹脂を遠心力によって流動,配向させることにより、予備成形品(プリフォーム,パリソン)の形成やブロー用の高圧エア,強力な型締め装置等を必要とする延伸ブロー成形方法を用いることなく、より簡易な方法によって精度良く所望の樹脂成形品を得ることができる容器の成形方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の容器の成形方法は、請求項1に記載するように、所定の中空容器形状に形成された金型のキャビティ底部に溶融したプラスチック樹脂を投入する工程、又は当該金型のキャビティ底部にプラスチック樹脂を投入して溶融させる工程と、前記金型をキャビティの軸線を中心に回転させ、溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向させてキャビティ内壁面に沿って行き亘らせて容器を形成する工程と、を有する方法としてある。
【0007】
このような工程からなる本発明の容器の成形方法によれば、所望のカップ容器等の形状に対応した、例えば中空逆截頭円錐形状(「截頭円錐形状」とは円錐体の頭部を底面と平行な平面で切り取った残りの部位がなす立体形状)等の容器形状にキャビティを形成した金型に、延伸適温で溶融したプラスチック樹脂を投入し、又は投入した非溶融プラスチック樹脂をキャビティ内で延伸適温で溶融させ、その後、金型全体をキャビティの軸線を中心に回転させることで、溶融樹脂は遠心力によりキャビティ内に広がり、キャビティ内壁面に沿って流動ないし配向される。そして、流動,配向された溶融樹脂は逆截頭円錐形状等に広がる壁面を上昇してキャビティ内に行き亘り、上昇力と重力が釣り合う点で容器形状に成形されることになる。
【0008】
従って、この状態で金型等を介して樹脂を冷却して硬化させることで、そのまま所望の容器を形成することができ、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、所望の容器を得ることができるようになる。
このように、本発明では、溶融樹脂をそのまま容器に形成できることから、予備成形品(プリフォーム,パリソン)も、ブロー用の高圧エアも一切不要となる。また、高圧エアによるブロー成形が不要となることから、例えば二つ割り等に構成された金型を強い型締め力で保持する必要もなくなる。
これにより、本発明では、きわめて簡易な工程,方法によって高精度に所望の容器を成形することが可能となり、従来の延伸ブロー成形方法における工程の煩雑さ,複雑さ,装置の大型化,省エネルギー性等の問題をすべて解消することができるようになる。
なお、本発明により成形される容器は、キャビティに投入する樹脂量,金型の回転速度を調整することにより所望の肉厚に形成することができる。
例えば、金型の回転速度は、成形初期段階では、回転速度を遅くすることで容器底部の厚みを大きくすることができ、溶融樹脂が容器側部に流動,配向して上昇した段階で回転速度を上げることにより、容器側部の肉厚を小さくすることができる。
【0009】
一方、請求項2記載の容器の成形方法は、上部に開口する所定の中空容器形状に形成された金型のキャビティに、先端から溶融したプラスチック樹脂を押出するノズルを挿入し、当該ノズル先端を前記キャビティの底部近傍に位置させる工程と、前記ノズルを軸回りに回転させつつ当該ノズル先端からキャビティ底部に向かって溶融したプラスチック樹脂を押出させ、溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向させて容器底部を形成する工程と、前記ノズルを回転させつつ軸方向に沿って前記キャビティの底部近傍から上部開口まで移動させ、当該ノズル先端から押出した溶融樹脂をキャビティ内壁面に沿って行き亘らせて容器胴部を形成する工程と、を有する方法としてある。
【0010】
このような工程からなる本発明の容器の成形方法によれば、所望のボトル容器等の形状に対応した中空形状のキャビティを形成した金型に、先端から溶融したプラスチック樹脂を押出するノズルを挿入するとともに、ノズルを回転させつつ、ノズル先端からキャビティ底部に向かって溶融樹脂を押出することで、溶融樹脂は遠心力によりキャビティ内に流動ないし配向する。その後、ノズルを回転させた状態で、キャビティの底部から上部開口まで移動させると、溶融樹脂がキャビティ内壁面に沿って流動,配向してキャビティ内に行き亘り、容器形状に成形される。従って、この状態で金型等を介して樹脂を冷却して硬化させることで、そのまま所望の容器を形成することができる。
【0011】
これにより、請求項1記載の発明と同様、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、所望の容器を得ることができ、簡易な工程,方法によって高精度に所望の容器を成形でき、従来の延伸ブロー成形方法における工程の煩雑さ,複雑さ等を解消することができる。
特に、本発明では、溶融樹脂を押出するノズルを移動させることによりキャビティ内に樹脂を行き亘らせることができ、容器の肉厚調整も容易となるので、キャビティの形状、すなわち、成形する容器の形状は、特定の形状に限られず、任意の所望の形状とすることができ、特に、口部や肩部を有するボトル容器の成形に好適となる。
なお、上述した請求項1記載の発明と同様、本発明により成形される容器は、ノズルから押出する樹脂量,ノズルの回転速度,上下方向への移動速度を調整することにより所望の肉厚に形成することができる。
例えば、キャビティの底部近傍では、ノズルの回転速度,上下方向への移動速度を遅くすることで、容器底部の厚みを大きくすることができ、その後、ノズルの上方への移動速度を上げることで容器側部の肉厚を小さくすることができる。さらに、キャビティの上部開口近傍で移動速度を下げることで、ボトル容器の口部となる肉厚を大きく形成することができる。
【0012】
また、請求項3記載の容器の成形方法は、上部に開口する所定の中空容器形状に形成された金型のキャビティに、先端から溶融したプラスチック樹脂を押出するノズルを挿入し、当該ノズル先端を前記キャビティの底部近傍に位置させる工程と、前記ノズルを軸回りに回転させつつ当該ノズル先端からキャビティ底部に向かって溶融したプラスチック樹脂を押出させ、溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向させて容器底部を形成する工程と、前記金型をキャビティの軸線を中心に回転させて溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向するとともに、前記ノズルを回転させつつ軸方向に沿って前記キャビティの底部近傍から上部開口まで移動させ、当該ノズル先端から押出した溶融樹脂をキャビティ内壁面に沿って行き亘らせて容器胴部を形成する工程と、を有する方法としてある。
【0013】
このような工程からなる本発明の容器の成形方法によれば、請求項1記載の発明と請求項2記載の発明を組み合わせることができる。すなわち、本発明によれば、例えばカップ容器に好適な逆截頭円錐形状のキャビティを形成した金型を回転させると同時に、溶融樹脂を押出するノズルを上下移動させることで、キャビティ内に溶融樹脂を行き亘らせつつ、回転する金型の遠心力によって流動,配向することができ、短時間でキャビティ内に溶融樹脂を満遍なく行き亘らせることができるとともに、容器を構成する樹脂層の肉厚調整をより精度良く調節することが可能となり、本発明を更に効率よく高精度に実施することができるようになる。
【0014】
また、特に請求項4では、前記容器が形成された後に、前記金型の上方から、前記容器に嵌合する容器形状の吸引コアを挿入し、当該容器を吸引する工程と、この容器を吸引した吸引コアを前記金型上方に移動させることにより、前記容器を前記金型から取り出す工程と、を更に有する方法としてある。
【0015】
このような工程からなる本発明の容器の成形方法によれば、請求項1記載の発明を実施するにあたって、所定の中空容器形状のキャビティ内に成形された容器に、金型上方から吸引コアを挿入することで、吸引コアの吸引力により容器を金型から取り出すことができる。これにより、容器の取出し工程を自動化できるとともに、吸引コアの吸引力を利用することで、容器に変形,破損等を生じさせることなく、容易かつ確実に容器を取り出すことができ、より信頼性の高い容器の成形方法を提供することができる。
また、このように吸引コアを容器に挿入,嵌合させることで、吸引コアによって容器を容器内側から冷却することも可能となり、より迅速,確実に容器を冷却することができ、冷却温度の調整等もより容易かつ柔軟に行えるようになり、汎用性,拡張性に優れた容器の成形方法を実現することができるようになる。
【0016】
さらに、請求項5では、前記金型のキャビティに、底部から少なくとも二層以上積層される多層プラスチック樹脂を遠心力により流動ないし配向することにより、前記容器を多層容器に形成する方法としてある。
【0017】
このような工程からなる本発明の容器の成形方法によれば、請求項1記載の発明を実施するにあたって、例えば逆截頭円錐形状等の容器形状に形成されたキャビティ内に投入するプラスチック樹脂を、キャビティ底部から上部に向かって積層される多層プラスチック樹脂とすることで、この多層プラスチック樹脂を回転する金型の遠心力によって流動,配向させることで、多層樹脂からなる容器を成形することが可能となる。これにより、多層容器を成形する場合にも本発明を適用することができ、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、簡易な工程により、透明性やガスバリヤー性等に優れた多層の容器を製造することができる。
【0018】
なお、本発明により成形される容器としては、最終成形品としての容器、あるいは予備成形品としての容器がある。すなわち、本発明の容器の成形方法では、カップやボトル等の最終成形品を直接的に成形することができるとともに、延伸ブロー成形に用いられる予備成形品(プリフォーム,パリソン)を成形することもでき、金型に備えられるキャビティの形状,大きさ等を変更することにより、任意の用途の容器を成形することができるものであり、それが最終成形品であっても良く、また、予備成形品であっても良い。
このように、本発明によれば、汎用性,拡張性に優れた容器の成形方法を提供することができ、従来の延伸ブロー成形方法に代わる成形方法として実施できると同時に、従来からの延伸ブロー成形方法等の一部を補完,置換する成形方法としても活用することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る容器の成形方法の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明に係る容器の成形方法の第一実施形態について、図1〜図5を参照しつつ説明する。
[プラスチック容器の製造装置]
図1は、本発明の第一実施形態に係る容器の成形方法を実施するための製造装置を模式的に示す要部断面正面図である。
同図に示す本実施形態のプラスチック容器の製造装置は、金型110と金型駆動手段120とを備えている。
金型110は、所定の容器形状に対応する中空部を構成するキャビティ111,フランジキャビティ112及びボトム金型兼ノックアウト部材113を備えており、この金型110の中空部に溶融されたプラスチック樹脂が投入され、所定形状の容器が成形されるようになっている。
【0020】
金型110に投入されるプラスチック樹脂10は、熱可塑性樹脂であって、延伸及び熱結晶化に適した樹脂であれば任意のものを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリカーボネート,ポリアリレート、又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂あるいは他の樹脂とのブレンド物が好適であり、特に、ポリエチレンテレフタレート等のエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが好適に使用される。
また、アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレン等も使用することができる。これらの樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲内で種々の添加剤、例えば、着色剤,紫外線吸収剤,離型剤,滑剤,核剤,酸化防止剤,帯電防止剤等を配合することができる。
【0021】
また、プラスチック樹脂10を構成するエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。
エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が耐圧性,耐熱性,耐熱圧性等の点で特に優れているが、エチレンテレフタレート単位以外にイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸とプロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用することができる。
そして、このようなプラスチック樹脂10が、ガラス転移点(Tg)以上の延伸温度、例えば85〜120℃に加熱,溶融されて金型110のキャビティ111に投入されることになる。
【0022】
キャビティ111は、上部に開口した所定の容器形状に形成された金型で、本実施形態では、カップ容器に対応した中空逆截頭円錐形状(「截頭円錐形状」とは円錐体の頭部を底面と平行な平面で切り取った残りの部位がなす立体形状)となっており、このキャビティ111底部に溶融されたプラスチック樹脂10が投入されるようになっている。
このように所定の容器に対応した逆截頭円錐形状のキャビティ111を備えることで、後述するように、溶融されたプラスチック樹脂10は、遠心力によって上方に向かって広がるキャビティ111の内壁斜面を上昇することができ、内壁斜面に沿って流動ないし配向されることになる。
ここで、キャビティ111の中空部の形状は、カップ容器等の所望の容器の外形に対応しており、投入されたプラスチック樹脂10がキャビティ111の内壁に沿って流動,配向されることにより、所望のカップ形状等の容器が成形されることになる。従って、キャビティ111の中空部の形状を変更することで成形される容器の形状を任意のものに変更することができ、例えば、キャビティ111の内壁に凹凸を設けることで、容器外形に凹凸形状を形成することができるようになる。
【0023】
なお、図1では図示を省略してあるが、金型110には、キャビティ111の底部に投入されたプラスチック樹脂を加熱,溶融させる加熱手段を備えることもできる。
このようにキャビティ111内のプラスチック樹脂10を加熱,溶融させる加熱手段を備えると、キャビティ111には、予め延伸適温で溶融させた溶融樹脂を投入することができるとともに、溶融していないプラスチック樹脂10を投入後、加熱手段を用いて加熱,溶融させることも可能となり、より汎用性,拡張性に富んだ製造装置とすることができる。ここで、キャビティ111内のプラスチック樹脂10を加熱、溶融させる加熱手段としては、例えば、ヒータや誘導加熱装置等、公知の加熱手段を用いることができる。
【0024】
フランジキャビティ112は、キャビティ111の上部開口に嵌合する蓋状に形成された金型であり、キャビティ111内で流動,配向されるプラスチック樹脂10のキャビティ111外部への飛出しを規制するストッパとなっている。
具体的には、フランジキャビティ112とキャビティ111が連続する接続部分には、カップ容器等の縁部が形成されるように、中空状の膨大部が形成されており、キャビティ111の内壁に沿って延伸されたプラスチック樹脂10が膨大部に溜まることで、容器縁部が形成されることになる。
また、フランジキャビティ112は、中心部が開口した環状に形成されており、この開口から、プラスチック樹脂10をキャビティ111内に投入できるようになっている。これにより、キャビティ111には、フランジキャビティ112を嵌合させた後においても、プラスチック樹脂10を自由に投入できるようになる。
但し、フランジキャビティ112は開口のない蓋状のものとすることもできる。このようにすると、フランジキャビティ112を嵌合させた状態でキャビティ111の上部開口が完全に覆われることになり、遠心力により溶融樹脂が外部に飛散することを完全に防止できるようになる。なお、この場合には、溶融樹脂は、フランジキャビティ112がキャビティ111に取り付けられる前にキャビティ111内に投入されることになる。
【0025】
ボトム金型兼ノックアウト部材部材113は、キャビティ111の底部を構成する金型であり、キャビティ111の内壁に連続する、いわゆる面一状に配設されている。そして、このボトム金型兼ノックアウト部材113は、キャビティ111の底部から上方に向かって上下動するようになっており、キャビティ111内で延伸,成形された容器の突出し手段、すなわち、ノックアウトとなるように構成されている。
ここで、ボトム金型兼ノックアウト部材113は、本実施形態ではキャビティ111の底部に面一状に配設されるようにしてあるが、これを、キャビティ111の底部から突出するように配設することもできる。このようにすると、キャビティ111内壁に沿って成型される容器の底部に台座(袴)を形成できるようになる。
【0026】
このようなボトム金型兼ノックアウト部材113を備えることで、キャビティ111内で成形された容器は、フランジキャビティ112を外した後、ボトム金型兼ノックアウト部材113が上方に駆動されることによりキャビティ111の外部に突き出されることになり、容易に容器を取り出せるようになる。
なお、本実施形態では、後述するように、容器の取出し手段として吸引コア130を備えることができるようになっており(図5)、このような吸引コア130を備える場合には、ボトム金型兼ノックアウト部材113のノックアウト構造を省略することができる。勿論、ボトム金型兼ノックアウト部材113のノックアウト構造を吸引コア130とともに併設するようにしても良い。
【0027】
金型駆動手段120は、金型110をキャビティ111の逆截頭円錐形状の軸線を中心にして、所定の回転数で回転及び停止させる回転駆動手段である。
この金型駆動手段120によって回転されることにより、金型110には遠心力が付与され、キャビティ111内に投入された溶融樹脂が遠心力により流動,配向され、溶融樹脂はキャビティ111の内壁面を上昇して所定形状の容器が成形されることになる。ここで、金型駆動手段120は、金型110を所定の回転速度で回転及び停止させることができる限り、どのような駆動手段であっても良く、例えば、モータ等の公知の回転駆動手段を用いることができる。
【0028】
[容器の成形方法]
次に、以上のような構成からなる製造装置を用いて実施する本実施形態の容器の成形方法について、図2及び図3を参照しつつ説明する。
図2及び図3は、図1で示した製造装置を用いて実施する本実施形態に係る容器の成形方法の各工程を示す説明図である。
まず、図2(a)に示すように、金型110のキャビティ111内の底部に、ガラス転移点(Tg)以上の延伸適温に加熱,溶融したプラスチック樹脂10を投入する。このとき、非溶融状態のプラスチック樹脂10をキャビティ111内に投入後、加熱手段によってキャビティ111内のプラスチック樹脂10を加熱,溶融されるようにしても良い。なお、プラスチック樹脂10の投入は、金型110のフランジキャビティ112の開口から容易に行うことができる。
【0029】
次に、図2(b)に示すように、金型駆動手段120により、金型110をキャビティ111の軸線を中心に所定の回転数で回転させる。これにより、金型110には遠心力が付与され、キャビティ111底部の溶融樹脂は遠心力によりキャビティ111内で広がり、キャビティ内壁面に沿って流動,配向される。
流動,配向された溶融樹脂は、図2(b)〜(c),図3(a)に示すように、逆截頭円錐形状に広がる壁面を上昇し、キャビティ111内に行き亘っていく。
そして、溶融樹脂は、フランジキャビティ112とキャビティ111の連続部分の膨大部で流動,配向が規制され、これによって、キャビティ111及びフランジキャビティ112の内壁形状に沿った容器が成形される。
ここで、キャビティ111に投入する樹脂量及び金型110の回転速度は任意に調整可能で、成形される容器を所望の肉厚に形成することができる。例えば、金型110の回転速度を成形初期段階で回転速度を遅くすることで、容器底部の厚みを大きくすることができる。そして、溶融樹脂が容器側部に流動,配向して上昇した段階で回転速度を上げることで、容器側部の肉厚を小さくすることができる。
【0030】
このようにして、溶融樹脂は、遠心力による上昇力と重力とが釣り合う点で容器形状に成形されることになる。
この状態で、金型110等を介して公知の冷却方法により溶融樹脂を冷却することで、樹脂を固化ないし結晶化させることで、容器が得られる。
その後は、図3(b)〜(c)に示すように、キャビティ111からフランジキャビティ112を外して、ボトム金型兼ノックアウト部材113を上方に移動させることにより、容器(プラスチック樹脂10)を金型110から取り出す。以上により、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、所望の容器を得ることができる。
【0031】
なお、以上の成形方法によれば、カップ等の最終成形品を直接的に成形することができるとともに、得られた容器を延伸ブロー成形等に用いられる予備成形品(プリフォーム,パリソン)とすることもできる。すなわち、本実施形態に係る容器の成形方法によれば、金型110に備えられるキャビティ111の大きさ,形状等を変更することにより、任意の用途の容器を成形することができるものであり、容器は最終成形品であっても、予備成形品であっても良い。
このように、本実施形態に係る成形方法は、汎用性,拡張性に優れた容器の成形方法であり、従来の延伸ブロー成形方法に代わる成形方法として実施できると同時に、従来からの延伸ブロー成形方法等の一部を補完,置換する成形方法としても活用することができる。
【0032】
なお、図2〜図3では、容器を形成するプラスチック樹脂10として、熱可塑性ポリエステル等が単層(一層)で構成される場合を示したが、これを二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成することもできる。
すなわち、図4(a)〜(c)に示すように、金型110のキャビティ111に、底部から少なくとも二層以上(図4では三層)に積層される多層プラスチック樹脂10aを投入し、この多層プラスチック樹脂10aを遠心力により流動,配向することで、容器を多層容器に形成することができる。
このように、本実施形態に係る成形方法は、カップ容器等として多層容器を成形する場合にも適用することができ、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、簡易な工程により、透明性やガスバリヤー性等に優れた多層の容器を得ることができる。なお、多層プラスチック樹脂10aは、少なくとも二層以上に積層される限り任意の構成とすることができ、例えば、二層以上の熱可塑性ポリエステル層からなる内層及び外層の間に封入される中間層を備えることができ、中間層を酸素吸収層とすることができる。このように酸素吸収層を備えることにより、ボトル容器内への外部からの酸素の透過を抑制し、ボトル容器内の内容物の外部からの酸素による変質を防止することができ、特に炭酸ガス入り飲料用のボトル容器に好適となる。
【0033】
また、図2〜図3では、固化ないし結晶化された容器の取出しにボトム金型兼ノックアウト部材113を用いるようにしてあるが、容器の取出し方法としては、特にこの場合に限定されるものではなく、他の方法によることもできる。
例えば、図5(a)〜(c)に示すように、金型110の上方に、キャビティ111内に形成される容器に嵌合可能な逆截頭円錐形状の吸引コア130を備えるとともに、この吸引コア130を金型10に対して昇降自在に移動させるシリンダ等の吸引コア駆動手段(図示せず)を備えることにより、容器を金型110から取り出すことができる。
【0034】
吸引コア130は、キャビティ111内で成形される容器とほぼ同形状に形成され、上方から容器に挿入,嵌合できる形状に形成されるとともに、表面にエア吸引用の吸い込み孔が形成され、図示しない吸引ポンプ等に接続されるようになっている。
この吸引コア130を用いて容器を金型110から取り出す場合には、まず、図2〜図3と同様の方法により容器を成形した後(図5(a)に示す状態)、キャビティ111からフランジキャビティ112を取り外し、吸引コア130を吸引コア駆動手段によって金型上方から容器に挿入する(図5(b)に示す状態)。
この状態で、吸引コア130の吸い込み孔からエア吸引を行い、容器を吸引しつつ、吸引コア130を金型上方に移動させ(図5(c))、これによって、容器を金型110から取り出すことができる。
【0035】
このような吸引コア130を用いて容器の取出しを行うと、容器の取出し工程が自動化できるとともに、吸引コア130の吸引力を利用することで、容器に変形,破損等を生じさせることなく、容易かつ確実に容器を取り出すことができるようになる。
また、このように吸引コア130を容器に挿入,嵌合させることで、吸引コア130によって容器を容器内側から冷却することも可能となり、より迅速,確実に容器を冷却することができ、冷却温度の調整等もより容易かつ柔軟に行えるようになる。
なお、上述したように、容器の取出し手段として吸引コア130を備える場合には、金型110のボトム金型兼ノックアウト部材113のノックアウト構造を省略することができ、また、ボトム金型兼ノックアウト部材113のノックアウト構造を吸引コア130とともに併用することもできる(図5(c)参照)。
【0036】
以上説明したように、本実施形態に係る容器の成形方法によれば、所望のカップ容器等の形状に対応した容器形状のキャビティ111を備えた金型110に、延伸適温で溶融したプラスチック樹脂10を投入し、又は投入したプラスチック樹脂10をキャビティ内で溶融させ、その後、金型110全体をキャビティ111の軸線を中心に回転させることで、溶融樹脂が遠心力によりキャビティ111内に広がり、キャビティ111内壁面に沿って流動,配向される。そして、流動,配向された溶融樹脂は逆截頭円錐形状に広がる壁面を上昇してキャビティ111内に行き亘り、上昇力と重力が釣り合う点で容器形状に成形されることになり、この状態で金型等を介して樹脂を冷却して硬化させることで、そのまま所望の容器を形成することができる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、所望の容器を得ることができる。これにより、本実施形態の製造装置及び成形方法を実施することで、溶融樹脂をそのまま容器に形成できることから、予備成形品(プリフォーム,パリソン)も、ブロー用の高圧エアも一切不要となる。また、高圧エアによるブロー成形が不要となることから、分割構成された金型を強力な型締め装置等で保持,型締めする必要もなくなる。
従って、本実施形態によれば、きわめて簡易な工程,方法によって高精度に所望の容器を成形することが可能となり、従来の延伸ブロー成形方法における工程の煩雑さ,複雑さ,装置の大型化,省エネルギー性等の問題をすべて解消することができるようになる。
【0038】
[第二実施形態]
次に、本発明に係る容器の成形方法の第二実施形態について、図6〜図11を参照しつつ説明する。
[プラスチック容器の製造装置]
図6は、本発明の第二実施形態に係る容器の成形方法を実施するための製造装置を模式的に示す要部断面正面図である。
同図に示すように、本実施形態に係るプラスチック容器の製造装置は、金型210と溶融樹脂押出用のノズル220を備えている。
金型210は、所定の容器形状に対応する中空部を構成するキャビティ211(211a,211b)を備えており、このキャビティ211の中空部形状に沿って所定の容器が形成されるようになっている。
【0039】
キャビティ211a,211bは、上部に開口した所定の中空形状に形成された金型で、本実施形態では、容器縦方向に二分割された一対の金型からなり、一体的に組み合わされて所定の容器形状の中空部を形成するようになっている。
ここで、本実施形態では、キャビティ211によって形成される中空部の形状は、上述した第一実施形態におけるような容器胴部が直線状をなす容器形状に限定されず、任意のボトル容器やカップ容器等に対応する所望の形状にすることができる。
すなわち、本実施形態では、後述するように、溶融樹脂を押出するノズル220を移動させることによりキャビティ211内に樹脂を行き亘らせるようにしてあるので、第一実施形態で示したような樹脂が上昇可能な逆截頭円錐状の斜面形状等、キャビティ211の中空部の形状には特に拘束されない。従って、本実施形態では、図6に示すように、キャビティ211の中空部を口部や肩部を有するボトル容器形状に対応する形状としてある。勿論、キャビティ211の中空部の形状は、図6に示すボトル容器形状に限定されるものではなく、第一実施形態におけるカップ形状やその他の形状等、任意の形状とすることができる。
【0040】
ノズル220は、キャビティ211の上部開口から挿抜自在に挿入される管状部材からなり、キャビティ211の底部に向かって溶融したプラスチック樹脂10を押出する樹脂押出手段である。
図7に本実施形態に係る製造装置に備えられる溶融樹脂押出用のノズル220の要部断面斜視図を示す。
同図に示すように、ノズル220は、溶融樹脂が流動可能な円筒管状部材に樹脂押出用の先端部を備えた構成となっている。先端部は溶融樹脂が下向き及び水平方向に押出されるようにスリット状の切欠きが形成してある。
そして、このノズル220が、ノズル駆動手段221(図10及び図11参照)によって所定の速度で昇降移動されるとともに、所定の回転速度で軸回り方向に回転されるようになっている。
【0041】
具体的には、ノズル220は、ノズル駆動手段221によって金型210の上方から降下され、ノズル先端がキャビティ211の底部に位置するように挿入され、この位置から軸回りに回転されつつキャビティ211の底部から上部開口まで移動される。そして、この回転及び上方移動する際に、ノズル220の先端からは溶融したプラスチック樹脂10が押出されるようになっている。
図8及び図9にノズル220から押出される溶融樹脂の状態を示す。
図8は、ノズル220の先端がキャビティ211の底部に位置している状態を示しており、この状態でノズル220の先端から押出された溶融樹脂は、キャビティ211の底部に流出するとともに、回転するノズル220によって付与される遠心力により軸回り方向に流動ないし配向され、容器底部が形成される。
図9は、ノズル220が回転しつつキャビティ211内を上方に移動している状態を示しており、この状態では、ノズル220の先端から押出された溶融樹脂は、ノズル220の先端から落下しつつ回転するノズル220によって付与される遠心力により軸回り方向に流動,配向され、容器胴部が形成されることになる。
【0042】
これにより、ノズル220から押出された溶融樹脂は、ノズル220の回転による遠心力でノズル軸回り方向に流動,配向され、かつ、ノズル220が、キャビティ211の底部から上部開口まで移動されることにより、溶融樹脂はキャビティ内壁面に沿って行き亘り、所定の中空形状の容器が形成されることになる。ここで、ノズル220から押出する樹脂量,ノズル220の回転速度,上下方向への移動速度は任意に調整することができ、これによって、成形される容器の肉厚を所望の大きさに形成することができる。例えば、キャビティ211の底部近傍では、ノズル220から押出する樹脂量を多くし、ノズルの回転速度,上下方向への移動速度を遅くすることで、容器底部の厚みを大きくすることができる。そして、ノズル220の上方への移動速度を上げるとともに、押出樹脂量を少なくすることで容器側部の肉厚を小さくすることができる。さらに、キャビティ211の上部開口近傍で押出樹脂量を多くしつつ移動速度を下げることで、ボトル容器の口部となる肉厚を大きく形成することができる。
なお、ノズル220から押出される溶融状態のプラスチック樹脂10は、上述した第一実施形態におけるプラスチック樹脂10と同様のものが用いられる。
【0043】
[容器の成形方法]
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係る製造装置を用いて実施する容器の成形方法について、図10及び図11を参照しつつ説明する。
図10及び図11は、図6〜図9で示した製造装置を用いて実施する本実施形態に係る容器の成形方法の各工程を示す説明図である。
まず図10(a)に示すように、金型210の上方に配設されたノズル220を、ノズル駆動手段221によって降下させ、金型210の上部開口からノズル220をキャビティ211内に挿入し、ノズル220の先端がキャビティ211の底部に位置するように降下させる。
この状態で、図10(b)に示すように、ノズル駆動手段221によりノズル220を軸回りに回転させるとともに、ノズル先端から溶融したプラスチック樹脂10を押出させる。これにより、ノズル先端から押出された溶融樹脂は、キャビティ211の底部に流出するとともに、回転するノズル220によって付与される遠心力により軸回り方向に流動,配向され、容器底部が形成されることになる。
【0044】
そして、ノズル220を回転させつつ溶融樹脂を押出させた状態のまま、図10(c)及び図11(a)に示すように、ノズル220をキャビティ211の底部から上部開口まで移動させる。このようにすると、ノズル先端から押出された溶融樹脂は、回転するノズル220によって付与される遠心力により、ノズル先端から軸回り方向に流動,配向され、溶融樹脂はキャビティ211の内壁に沿って行き亘り、容器胴部が形成される。これにより、所定の中空形状の容器が形成されることになる。
溶融樹脂がキャビティ211の全体に行き亘った後は、図11(b)に示すように、ノズル220の樹脂押出を停止させ、ノズル220を金型210内から退避させるとともに、金型210等を介して溶融樹脂を冷却して、樹脂を固化ないし結晶化する。その後は、図11(c)に示すように、キャビティ211a,211bを開き、硬化した容器を取り出すことにより、所望の容器が得られる。
【0045】
なお、容器の肉厚は、上述したように、ノズル220から押出する樹脂量,ノズル220の回転速度,上下方向への移動速度は任意に調整することで所望の肉厚に形成することができる。
また、図10〜図11では、プラスチック樹脂10により単層(一層)の容器を形成する場合を示したが、図10(a)〜(c)及び図11(a)〜(b)の工程を繰り返すことにより、任意の層数の多層容器を形成することができる。
また、以上のようにして得られる容器は、第一実施形態における場合と同様、カップ容器等の容器の最終成形品であっても良く、また、容器の予備成形品であっても良いことは言うまでもない。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る容器の成形方法によれば、所望のボトル容器等の形状に対応した中空形状のキャビティ211を形成した金型210に、先端から溶融したプラスチック樹脂10を押出するノズル220を挿入するとともに、ノズル220を回転させつつ、ノズル先端からキャビティ211の底部に向かって溶融樹脂を押出させることで、溶融樹脂を遠心力によりキャビティ内に行き亘らせることができる。そして、ノズル220を回転させた状態で、キャビティの底部から上部開口まで移動させることで、溶融樹脂をキャビティ内壁面に沿って流動,配向させ、キャビティ内に行き亘らせて、容器形状に成形することができる。従って、この状態で金型等を介して樹脂を冷却して硬化させることで、そのまま所望の容器を形成することができる。
【0047】
このようにして、本実施形態においても、上述した第一実施形態の場合と同様に、従来の延伸ブロー成形方法を用いることなく、所望の容器を得ることができ、簡易な工程,方法によって高精度に所望の容器を成形することが可能となり、従来の延伸ブロー成形方法における工程の煩雑さ,複雑さ,装置の大型化,省エネルギー性等を解消することができる。
また、特に本実施形態に係る成形方法では、溶融樹脂を押出するノズル220を上下方向に移動させることによりキャビティ211内に樹脂を行き亘らせることができ、肉厚も任意に調整可能となるので、キャビティ211の形状、すなわち、成形する容器の形状は、第一実施形態におけるようなカップ形状の場合に限られず、任意の所望の形状とすることができる。従って、本実施形態は、特に口部や肩部を有するボトル容器の成形に好適となる。
【0048】
[第三実施形態]
さらに、本発明に係る容器の成形方法の第三実施形態について、図12を参照しつつ説明する。
本発明の第三実施形態に係る容器の成形方法を実施するための製造装置を模式的に示す要部断面正面図である。
同図に示すように、本実施形態では、図1〜図5に示した第一実施形態に係る製造装置に、図6〜図11に示した第二実施形態に係る製造装置に備えられるノズル220(及びノズル駆動手段221)を組み合わせた構成となっている。
このような構成からなる製造装置を用いて容器を成形するには、まず、所定の中空逆截頭円錐形状に形成された金型110のキャビティ111に、先端から溶融したプラスチック樹脂10を押出するノズル220を挿入し、ノズル先端をキャビティ111の底部に位置させた状態でノズル220を軸回りに回転させつつノズル先端からキャビティ111の底部に向かって溶融したプラスチック樹脂10を押出させる。これにより、溶融樹脂が遠心力によりノズル軸回り方向に流動,配向してキャビティ111内に広がる。
同時に、金型駆動手段120により、金型110全体をキャビティ111の軸線を中心に回転させる。これにより、押出された溶融樹脂は遠心力によりキャビティ111の内壁に沿って流動,配向される。
そして、金型110を回転させた状態で、ノズル220を回転させつつ軸方向に沿ってキャビティ111の底部近傍から上部開口まで移動させる。これにより、ノズル先端から押出された溶融樹脂をキャビティ内壁面に沿って行き亘らせることができ、所定形状の容器を形成することができる。
【0049】
このように、本実施形態によれば、上述した第一実施形態と第二実施形態に係る容器の成形方法を組み合わせて実施することができる。
そして、このような本実施形態では、カップ容器に好適な逆截頭円錐形状のキャビティ111を備える金型110を回転させると同時に、溶融樹脂を押出するノズル220を上下移動させることで、キャビティ111内に溶融樹脂を押出させつつ遠心力によって流動,配向することができるので、より短時間にキャビティ111内に溶融樹脂を行き亘らせることができるとともに、容器を構成する樹脂層の肉厚調整をより精度良く調節することが可能となる。
従って、本発明に係る成形方法を更に効率よく高精度に実施することができるようになる。
【0050】
以上、本発明の容器の成形方法について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る容器の成形方法は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した第一及び第三実施形態では、金型110をキャビティ111,フランジキャビティ112及びボトム金型113からなる横方向に三分割された構成とし、第二実施形態では、金型210をキャビティ211a,211bからなる縦方向に二分割された構成としてあるが、金型の分割構成自体は、上記の第一〜第三実施形態の場合に限定されるものではない。
すなわち、本発明は、成形する容器形状に対応した所定の形状の中空部が形成される金型であり、金型の分割方向や分割数には限定はなく、例えば、第一実施形態で示した金型110を縦方向の二分割構成等とするようにしても本発明の適用が妨げられるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の容器の成形方法によれば、所定の容器形状に形成された金型の中空部内で、溶融樹脂を遠心力によって流動,配向させることにより、延伸ブロー成形における予備成形品(プリフォーム,パリソン)の形成やブロー用の高圧エア,金型の強い型締め力やそのための型締め装置等を必要とする延伸ブロー成形方法を用いることなく、より簡易な工程,方法によって精度良く所望の樹脂成形品を成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る容器の成形方法を実施するための製造装置を模式的に示す要部断面正面図である。
【図2】図1に示す製造装置を用いた本発明の第一実施形態に係る容器の成形方法の各工程を示す説明図である。
【図3】図2に続いて本発明の第一実施形態に係る容器の成形方法の各工程を示す説明図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る容器の成形方法において多層プラスチック樹脂により多層容器を成型する場合の工程の一部を示す説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る容器の成形方法において容器を吸引コアを用いて取り出す場合の工程の一部を示す説明図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る容器の成形方法を実施するための製造装置を模式的に示す要部断面正面図である。
【図7】図6に示す製造装置に備えられる溶融樹脂押出用のノズルを示す要部断面斜視図である。
【図8】(a)は、図6に示す製造装置に備えられる金型のキャビティ底部までノズルを挿入させた状態の要部断面斜視図であり、(b)は、(a)に示す状態のノズル先端から溶融樹脂が押出される状態の要部拡大断面図である。
【図9】(a)は、図6に示す製造装置に備えられる金型のキャビティ内で挿入したノズルを上昇させた状態の要部断面斜視図であり、(b)は、(a)に示す状態のノズル先端から溶融樹脂が押出される状態の要部拡大断面図である。
【図10】図6に示す製造装置を用いた本発明の第二実施形態に係る容器の成形方法の各工程を示す説明図である。
【図11】図10に続いて本発明の第二実施形態に係る容器の成形方法の各工程を示す説明図である。
【図12】本発明の第三実施形態に係る容器の成形方法を実施するための製造装置を模式的に示す要部断面正面図である。
【符号の説明】
10 プラスチック樹脂
10a 多層プラスチック樹脂
110 金型
111 キャビティ
112 フランジキャビティ
113 ボトム金型兼ノックアウト部材
120 金型駆動手段
130 吸引コア
210 金型
211(211a,211b) キャビティ
220 ノズル

Claims (5)

  1. 所定の中空容器形状に形成された金型のキャビティ底部に溶融したプラスチック樹脂を投入する工程、又は当該金型のキャビティ底部にプラスチック樹脂を投入して溶融させる工程と、
    前記金型をキャビティの軸線を中心に回転させ、溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向させてキャビティ内壁面に沿って行き亘らせて容器を形成する工程と、を有することを特徴とする容器の成形方法。
  2. 上部に開口する所定の中空容器形状に形成された金型のキャビティに、先端から溶融したプラスチック樹脂を押出するノズルを挿入し、当該ノズル先端を前記キャビティの底部近傍に位置させる工程と、
    前記ノズルを軸回りに回転させつつ当該ノズル先端からキャビティ底部に向かって溶融したプラスチック樹脂を押出させ、溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向させて容器底部を形成する工程と、
    前記ノズルを回転させつつ軸方向に沿って前記キャビティの底部近傍から上部開口まで移動させ、当該ノズル先端から押出した溶融樹脂をキャビティ内壁面に沿って行き亘らせて容器胴部を形成する工程と、を有することを特徴とする容器の成形方法。
  3. 上部に開口する所定の中空容器形状に形成された金型のキャビティに、先端から溶融したプラスチック樹脂を押出するノズルを挿入し、当該ノズル先端を前記キャビティの底部近傍に位置させる工程と、
    前記ノズルを軸回りに回転させつつ当該ノズル先端からキャビティ底部に向かって溶融したプラスチック樹脂を押出させ、溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向させて容器底部を形成する工程と、
    前記金型をキャビティの軸線を中心に回転させて溶融樹脂を遠心力により流動ないし配向するとともに、前記ノズルを回転させつつ軸方向に沿って前記キャビティの底部近傍から上部開口まで移動させ、当該ノズル先端から押出した溶融樹脂をキャビティ内壁面に沿って行き亘らせて容器胴部を形成する工程と、を有することを特徴とする容器の成形方法。
  4. 前記容器が形成された後に、
    前記金型の上方から、前記容器に嵌合する容器形状の吸引コアを挿入し、当該容器を吸引する工程と、
    この容器を吸引した吸引コアを前記金型上方に移動させることにより、前記容器を前記金型から取り出す工程と、を更に有する請求項1又は3記載の容器の成形方法。
  5. 前記金型のキャビティに、底部から少なくとも二層以上積層される多層プラスチック樹脂を遠心力により流動ないし配向することにより、前記容器を多層容器に形成する請求項1,2,3又は4記載の容器の成形方法。
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