JP2004034545A - Inkjet recording method, ink, and inkjet printer - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法、インク及びインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを吐出、制御するインクジェット記録方式の装置(インクジェットプリンタ)と、色再現域、耐久性、吐出適性等を改善したインクと、インクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせて用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
今日のインクジェット記録方式の画質向上は、インクジェットプリンタと、このインクジェットプリンタで使用されるインク及び専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
【0004】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットプリンタでは、記録媒体が制限されてしまうことにより、記録媒体のコストアップが問題となるとともに、インクジェットプリンタの応用範囲が狭くなってしまう。
【0005】
そこで、専用紙と異なる記録媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
【0006】
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつあり、例えば、特公平5−54667号、特開平6−200204号、特表2000−504778において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0007】
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録媒体の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、すべての記録媒体に対して、高精細な画像を形成することは不可能である。また、従来のUVインクジェット方式に用いられるインクには、記録媒体が収縮しやすいという問題点があった。特に、食品包装をはじめとする軟包装で使われる薄膜プラスチックフィルムや、粘着ラベルなどでは、特に収縮が起こりやすく、その結果、軟包装印刷やラベル印刷において、UVインクジェット方式が未だ実用化されていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、UVインク(光硬化型インク)には、例えば、ラジカル硬化型インクと、カチオン硬化型インクとが知られているが、本出願人らは、カチオン硬化型インク、特に、特定の組成のカチオン硬化型インクを用いることにより、上述の薄膜プラスチックフィルムや粘着ラベルにおいても、画像形成時の収縮を防止できることを見いだした。
【0009】
しかし、カチオン硬化型インクは、水(湿度)の影響を受けやすく、例えば、記録媒体にUVインクを着弾させて画像形成する際に、周囲の湿度の影響で、紫外線を照射しても充分にUVインクが硬化しないという問題点があった。
【0010】
UVインクジェットプリンタでは、記録ヘッドから吐出したUVインクが記録媒体上に着弾した際に、液滴の状態から記録媒体の表面に沿って広がりドットを形成する。ここで、記録媒体上に高精細な画像を形成するためには、記録媒体上に多数形成された各ドットの径が、各ドット間や形成された各画像間で大きく異ならないことが好ましいが、上述のように湿度の影響などにより、UVインクが紫外線を照射してから短時間で硬化しないと、ドット径が変化してしまい、ドット径が安定しないという問題があった。
【0011】
また、UVインクジェットプリンタで画像形成を行う場合には、異なる色のインクが重ねた状態や隣接した状態で、記録媒体上に着弾させられることになるが、上述のように、紫外線を照射してから短時間でUVインクが硬化しないと、異なる色のインク同士が混じり、画質に悪影響がでるといった問題があった。
【0012】
なお、カチオン硬化型インクの水の影響による問題点を解決するための提案として、特開2002−137375号公報には、印刷媒体(記録媒体)に着弾した紫外線硬化型インク(UVインク)を加熱する加熱手段を設けたインクジェットプリンタが記載されている。
上記公報によれば、記憶媒体に着弾したUVインクを加熱して、UVインクに紫外線を照射することにより多湿な状態でもUVインクが硬化することが記載されている。
【0013】
しかし、記録媒体に着弾してからUVインクを加熱するのでは、UVインクの温度が上昇するまでタイムラグがあり、かつ、記録ヘッドから吐出される際のインク温度によりタイムラグとなる時間が異なることになる。したがって、UVインクを充分に硬化させることが可能だとしても、UVインクを加熱してからUVインクが硬化するまでの時間が必ずしも一定とならず、上記公報の方法では、ドット径を安定させることができないので、高精細な画像形成を行うことが困難であった。また、上述のタイムラグが長くなった場合に、異なる色のUVインク同士が混じる可能性があった。
【0014】
本発明の課題は、多くの種類の記録媒体に対し、文字品質に優れ、色混じりの発生がなく、高精細な画像を記録することができるインクジェットプリンタを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、活性エネルギ線の照射により硬化可能なインクを記録媒体に向けて吐出し、前記インクが着弾した記録媒体上に前記活性エネルギ線を照射して画像形成を行なうインクジェット記録方法であって、前記記録媒体は、前記インクが着弾する位置から前記活性エネルギ線の照射を受ける位置まで搬送され、前記インクは、カチオン重合性成分を含有し、前記インクの吐出される時の温度は、30℃以上100℃以下に調節され、且つ前記記録媒体の前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度は20℃以上40℃以下に調節されるとともに、前記インクの吐出される時の温度は、前記記録媒体は前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度よりも高い温度に調節されることを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、インクはカチオン重合性成分を含んで組成される。そして、ヘッドから吐出される時のインクの温度は30℃以上100℃以下に調節され、記録媒体のインクが着弾する時から活性エネルギ線が照射される時までの温度は20℃以上40℃以下に調節される。さらに、ヘッドから吐出される時のインクの温度は、記録媒体のインクが着弾する時から活性エネルギ線が照射される時までの温度よりも高い温度に調節される。
【0017】
カチオン重合性成分を含有したインクは、活性エネルギ線を照射される際、空気中の湿気によって重合が阻害されやすいという性質があるが、記録媒体のインクが記録媒体のインクが着弾する時から活性エネルギ線が照射される時までの温度を20℃以上に調節した状態で記録媒体上のインクに活性エネルギ線を照射することで、インクは湿気によって阻害されることなく効率的に重合することができる。このことにより、インクが記録媒体上で滲んだりすることを効果的に防止して高画質な画像を形成することができる。また、記録媒体の記録媒体のインクが記録媒体のインクが着弾する時から活性エネルギ線が照射される時までの温度を40℃以下に調節することで、記録媒体がプラスチックフィルムのような熱収縮しやすい材質の場合でも、記録媒体にしわやカールが発生することを防止できる。
【0018】
また、インクが吐出される時の温度を30℃以上100℃以下に調節するとともに、インクが吐出される時の温度を記録媒体のインクが着弾する部位及び活性エネルギ線が照射される部位の温度よりも高い温度に調節することで、インクは記録媒体に着弾してインクドットを形成後、活性エネルギ線が照射されるまで、効率的に硬化可能な温度に容易に維持される。このことにより、インクは活性エネルギ線の照射を受けて速やかに硬化するので、インクドットの形状を用意に制御でき、且つ互いに隣接し色の異なるインクドット同士が混ざり合うといったことを防止することができる。よって、記録媒体に高画質で画像を形成することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録方法であって、前記インクは、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、インクの25℃における粘度を25mPa・s以上500mPa・s以下とすることで、インクは記録媒体に着弾後、活性エネルギ線の照射を受けるまでの間、記録媒体に対して密着し、且つ記録媒体上で適度にレベリングすることができる。このことで、記録媒体に着弾したインクからなるインクドットの形状を容易に制御して高い画質の画像を形成できるとともに、記録媒体に形成された画像に高い強度を付与することができる。
【0021】
また、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下とすることで、インクを吐出するための吐出口でのインク詰まり等を防止して円滑にインクの吐出を行なうことができる。よって、高画質の画像を高能率で形成することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録方法であって、前記記録媒体が前記活性エネルギ線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度が調節されることを特徴とする。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、記録媒体が活性エネルギ線を受ける位置及び該位置近傍の湿度を調節することで、記録媒体に着弾したインクが活性エネルギ線の照射を受ける際、空気中の湿気に阻害されることなく効率的に硬化することができる。このことにより、活性エネルギ線の照射を受けるときの記録媒体の温度を40℃を超える高温にすることなく、記録媒体上でインクドットを形成しているインクを速やかに硬化させることができる。よって、記録媒体にしわやカールを発生させる事を防ぎ、且つ記録媒体に高画質な画像を形成することができる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録方法であって、前記記録媒体が前記活性エネルギ線の照射の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度は5%以上40%以下に調節されることを特徴とする。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、記録媒体が活性エネルギ線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を5%以上40%以下に調節することで、より効率的に記録媒体上のインクを硬化させることができる。よって、記録媒体にしわやカールを発生させる事を効果的に防ぎ、且つ記録媒体により高画質な画像を形成することができる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法に用いられるインクであって、
25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明は、活性エネルギ線の照射により硬化可能なインクを記録媒体に向けて吐出し、前記インクが着弾することでインクドットが形成された記録媒体上に前記活性エネルギ線を照射して画像形成を行なうインクジェットプリンタであって、前記インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、前記インクが着弾した記録媒体に前記活性エネルギ線を照射する照射手段と、前記記録媒体を、前記インクが着弾する位置から前記活性エネルギ線の照射を受ける位置まで搬送する搬送手段と、前記吐出口近傍に設けられたヘッド内インク加熱手段を有し、前記吐出口における前記インクの温度を調節するヘッド温度調節機構と、前記搬送手段の搬送経路近傍に設けられ、前記記録媒体の前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度を調節するメディア温度調節機構と、を備え、前記インクは、カチオン重合性成分を含有し、前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度を20℃以上40℃以下に調節し、且つ前記ヘッド温度調節機構は、前記吐出口におけるインクの温度を30℃以上100℃以下に調節するとともに、前記ヘッド温度調節機構は、前記記録媒体の前記インクが着弾する部位から前記活性エネルギ線の照射を受ける部位までの領域における温度よりも高い温度に、前記吐出口におけるインクの温度を調節することを特徴とする。
【0029】
請求項6に記載の発明によれば、搬送手段近傍に設けられたメディア温度調節機構によって記録媒体のインクが着弾するときから活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度を20℃以上40℃以下に調節し、ヘッド温度調節機構によってインクの吐出口から吐出される時の温度を30℃以上100℃以下に調節する。さらに、ヘッド温度調節機構はインクの吐出口から吐出される時の温度を、記録媒体のインクが着弾するときから活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度よりも高い温度に調節する。このことにより、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【0030】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェットプリンタであって、前記インクは、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とする。
【0031】
請求項7に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【0032】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載のインクジェットプリンタであって、前記記録媒体の搬送経路の、該記録媒体が前記活性エネルギ線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を調節する湿度調節機構を備えることを特徴とする。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、湿度調節機構によって、記録媒体が活性エネルギ線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を調節する。このことにより、請求項3に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【0034】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のインクジェットプリンタであって、前記湿度調節機構は、前記記録媒体の搬送経路の、該記録媒体が前記活性エネルギ線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を5%以上40%以下に調節することを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリンタ。
【0035】
請求項9に記載の発明によれば、湿度調節機構によって、記録媒体が活性エネルギ線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を5%以上40%以下に調節する。このことにより、請求項4に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェットプリンタに係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、シート状の記録媒体への画像形成工程をわかりやすく説明するためのインクジェットプリンタの要部断面図である。
【0038】
同図に示すように、インクジェットプリンタAは、概略的に、シート状用紙、樹脂フィルム等の記録媒体Rを搬送する役割を担う搬送ローラ(搬送手段)1a、1bと、該搬送ローラ1a、1bにより搬送された記録媒体Rに画像形成を行う画像形成部2と、該画像形成部2でインクの付着した記録媒体RにUVを照射するUVランプ(照射手段)3と、記録媒体Rを搬送方向Fにガイドするガイド部材4と、を備えている。そして、搬送ローラ1aにより搬送された記録媒体Rが、画像形成部2を経て、さらに搬送ローラ1bにより搬送されるような搬送経路が、搬送方向Fに沿って確立されている。
【0039】
なお、本実施の形態では、給紙源がロール状に巻かれた樹脂フィルム(薄膜プラスチックフィルム)を適用する例を示し、このロール状の樹脂フィルムを「記録媒体R」と表現する。また、この記録媒体Rとしては、上記ロール状の樹脂フィルムに限らず、例えばカットシート状であってもよく、さらに記憶媒体は、各種の紙であっても、各種の布地や不織布で有っても良い。さらに、記録媒体Rは、他の材質のものであってもよく、例えば、金属であってもよい。また、記録媒体Rは、シート状に限られるものではなく、板状であってもよい。
【0040】
図1に示すように、搬送ローラ1a、1bは、画像形成部2で記録媒体Rに画像形成が行われる前後の位置に互いに離間して配置されている。搬送ローラ1a、1bは互いに同じ方向に回転駆動し、記録媒体Rを搬送方向Fに送り出すことで、記録媒体RをUVインクが着弾する位置から紫外線の照射を受ける位置まで搬送する。
【0041】
画像形成部2には、インクジェット方式の記録ヘッド21と、該記録ヘッド21を備えるキャリッジ22と、該キャリッジ22の移動を案内するキャリッジレール23とが備えられている。
【0042】
記録ヘッド21には、シアン(C)、マジェンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)等のインクが不図示のチューブやインクカートリッジによって供給される。このインクは、常温において高粘性を有し、加熱により低粘性を有し、さらにUVを照射すると硬化する性質をもっている。以下、このインクを「UVインク」として称することにする。なお、この実施の形態では、カチオン硬化型のUVインクを使用しており、UVインクの詳細については後述する。
【0043】
キャリッジ22は記録ヘッド21を備え、連結部22aを介してキャリッジレール23に接続されている。キャリッジレール23は、記録媒体Rの搬送方向Fに略直交して延在するレールであって、搬送方向Fと略直交する方向(図1紙面において表側から裏側若しくは裏側から表側に向かう方向)にキャリッジ22を案内するものである。なお、このキャリッジレール23の延在する方向を「走査方向」と称して、以下の説明を行う。
【0044】
記録媒体Rに画像形成が行われる場合には、キャリッジ22がキャリッジレール23に案内されるとともに走査方向に移動しながら、記録ヘッド21から記録媒体RにUVインクが吐出されるようになっている。
【0045】
UVランプ(活性エネルギ線照射手段)3は、画像形成部2での工程の後に、UVインクの付着した記録媒体Rの画像形成面にUVを照射するものである。UVを照射することにより当該記録媒体Rに付着したUVインクは硬化するようになっている。ここで、図1では、このUVランプ3は、連結部3aを介して前述したキャリッジレール23に固定される形態で、記録ヘッド21、21、…よりF方向下流側に1ヶ所だけ設置されている場合を例に取って描図を行っているが、この他にも、記録ヘッド21の走査方向に隣接した位置に、記録ヘッド21と共に走査する形態で記録ヘッド21、21、…の数に応じて設置することとしても良い。
【0046】
ガイド部材4は、記録媒体Rの幅と同じ又はその幅より大きな幅を有する板状の部材である。このガイド部材4は、記録ヘッド21に対向して配置されて記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rを非画像形成面側から支持し、かつ、該記録媒体Rを搬送方向Fにガイドするものである。なお、「非画像形成面」とは、記録媒体Rの画像形成面の反対側の面、すなわち画像形成が行われない面である。
【0047】
なお、詳細には、ガイド部材4のうち記録ヘッド21に対向して配置される部分はプラテン4aとなっている。このプラテン4aの裏側には吸引室(図示略)が設けられているとともに、該吸引室に連通する複数の小孔からなる吸引口(図示略)が設けられ、記録ヘッド21による画像形成時に、このプラテン4aは記録媒体Rの非画像形成面を吸引保持している。
【0048】
そして、上記した各構成要素を組み合わせることにより、搬送ローラ1a、1bにより搬送された記録媒体Rが非画像形成面側からガイド部材4により支持された状態で、キャリッジ22が走査方向に移動しながら、記録ヘッド21からUVインクが当該記録媒体Rの画像形成面に吐出されて、画像形成が行われるのである。
【0049】
ここで、本発明の特徴部分の構成を説明する。
インクジェットプリンタAには、図2に示すメディア温度調節機構5、ヘッド温度調節機構6及び湿度調節機構7が備えられている。
【0050】
メディア温度調節機構5は、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rの温度を、記録ヘッド21の直下からUVランプ3直下までにかけての領域について制御する。このことにより、記録媒体Rは、インクが着弾する時から紫外線の照射を受ける時にかけて温度が設定温度となるように調節されるとともに、記録媒体Rに着弾したUVインクは紫外線の照射を受けるまで設定温度に調節される。こうして、記録媒体Rに着弾したUVインクの温度を制御することにより、湿度調節機構7による湿度調節と相補してカチオン硬化型のUVインクを速やかに硬化させることができる。
【0051】
ここで、UVインクが着弾する時から紫外線の照射を受ける時にかけての記録媒体Rの温度を制御するために設定される設定温度は、記録媒体Rの材質や厚保さ、UVインクの種類といった要素によって設定されるが、その範囲は20℃以上40℃以下であることが好ましい。
【0052】
UVインクが着弾する時から紫外線の照射を受ける時にかけての記録媒体Rの温度が20℃より低い場合には、カチオン硬化型のUVインクは空気中の湿気によって、反応阻害を受けるため、UVインクは紫外線の照射を受けた際に速やかに硬化することができない。そのため、記録媒体R上に形成されたインクドットの形状が制御できなかったり、互いに隣接する色の異なるインクドット同士が交じり合ったりして、記録媒体Rに形成される画像の画質を劣化させることとなる。
【0053】
一方、UVインクが着弾する時から紫外線の照射を受ける時にかけての記録媒体Rの温度が40℃より高い場合には、例えば熱収縮性の材質からなる記録媒体Rが搬送経路上で収縮してしわやカールを帯びてしまう。この場合、記録媒体Rに画像が形成されてなる印刷物の品質を劣化させることとなる。
【0054】
図2に示すように、メディア温度調節機構5は、概略して、メディア温度調節手段51と、メディア温度検出手段52と、入力手段53と、メディア温度制御手段(ここでは制御部30が相当する)とを備えている。なお、メディア温度調節手段51、メディア温度検出手段52及び入力手段53と、メディア温度制御手段(制御部30)との間は、インターフェイス31を介して互いに接続されている。
【0055】
メディア温度調節手段51は、搬送手段としての搬送ローラ1a、1bにより搬送される記録媒体Rの搬送経路の少なくとも一部の近傍に備えられ、記録媒体Rの加熱を行うものである。具体的には、図1に示すように、メディア温度調節手段51は、記録ヘッド21により画像形成が行われる前の記録媒体Rの画像形成面側に配置されており、ヒータ51aと、リフレクタ51bとを備えている。
【0056】
なお、温度制御中、加熱により記録媒体Rの温度が上がりすぎた場合や、記録媒体R周囲の温度が高くなりすぎたような場合に、前記メディア温度調節手段に加熱機能だけではなく冷却機能を持たせ、記録媒体の温度を制御するものとしても良い。
【0057】
ヒータ51aは、記録媒体Rの幅方向(図1紙面において表側から裏側又は裏側から表側に向かう方向)に延在する熱源として機能を有するものである。
リフレクタ51bは、記録媒体Rの画像形成面側が開放された状態でヒータ51aを覆って配置され、ヒータ51aを作動させることにより生じるヒータ51aからの輻射熱を反射するものである。
従って、これらヒータ51a及びリフレクタ51bが、記録媒体Rを画像形成面側から加熱するメディア温度調節手段51としての機能を有する。
【0058】
メディア温度検出手段52は、図1において搬送ローラ1a、1bにより搬送される記録媒体Rの搬送経路の少なくとも一部の近傍に配置され、記録媒体Rの温度を検出するものである。具体的には、メディア温度検出手段52は、記録ヘッド21により画像形成が行われる前の記録媒体Rの画像形成面側に配置されており、図1に示す温度センサ52aに相当するものである。
【0059】
図1に示すように、温度センサ52aは前述のリフレクタ51bに固定されるとともに、記録媒体Rの表面には直接接触しない非接触型センサとなっている。この温度センサ52aにより、記録媒体Rの温度を検出するようになっている。そして、この温度検出手段52としての温度センサ52aは、図2に示すように、検出結果としての記録媒体Rの温度情報(以下、”検出温度情報”と称する)を制御部30に入力する。
【0060】
入力手段53は、操作盤、キーボード等であり、記録媒体Rの種類(形態、材質、厚み等)に関する情報(以下、”設定情報”と称する)を制御部30に入力するものである。この入力手段53は、オペレータの手動操作により操作盤、キーボード等に設定情報が打ち込まれると、打ち込まれた設定情報を制御部30に入力する。なお、具体的には、設定情報は、形態:フィルム,材質:樹脂,厚み:0.05mm等の記録媒体Rが有する性質に関する情報となっている。
【0061】
制御部30は、本実施形態ではメディア温度制御手段と、後述するヘッド温度制御手段及び湿度制御手段とを兼ねた構成要素として形成され、メモリ33と、CPU32と、インターフェイス31と、を備えている。
【0062】
インターフェイス31は、インクジェットプリンタAの各構成要素と接続されている。インターフェイス31は上記したメディア温度調節手段51、メディア温度検出手段52又は入力手段53と、制御部30との間で行われる各種情報及び信号の転送を媒介するものである。
【0063】
メモリ33は、記憶媒体Rに形成される画像データ等の各種データを記憶する記憶領域や、CPU32が演算を行なう際、プログラムやデータを一時格納するための作業領域等もが備えられている。
【0064】
メモリ33は記憶領域に、メディア温度検出手段52から出力された検出温度情報、入力手段から出力された設定情報等を記憶する。また、メモリ33は、設定情報に対応する設定温度の情報(以下、”設定温度情報”と称する)をデータテーブルとして記憶している。従って、メモリ33では、入力手段53による設定情報に応じて目標温度情報が切り替えられるようになっている。具体的には、形態:ロール状フィルム,材質:樹脂,厚み:0.05mm等といった設定情報から、形態:ロール紙,材質:紙,厚み:0.01mm等といった設定情報に変更されると、設定温度も30℃から35℃に切り替わるといったように設定温度情報が切り替えられるようになっている。
【0065】
なお、前記設定温度は、入力手段による手動の設定情報の変更に基づいて変更される他、センサ等により設定情報や他の条件を取得して、自動的に設定温度を変更する場合もある。
【0066】
CPU32は、メモリ33に格納されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをメモリ33の作業領域に展開し、各センサからの入力信号に応じて、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0067】
CPU32は、メモリ33に記憶された検出温度情報及び設定温度情報を読み出し、これら情報の比較をする等の各種演算を行うとともに、この演算結果に基づいてメディア温度調節手段51を制御して記録媒体RのUVインクが着弾する時から紫外線の照射を受ける時にかけての温度を調節する。
【0068】
次に、ヘッド温度調節機構6について説明する。
ヘッド温度調節機構6は、記録ヘッド21内の後述する吐出口15におけるUVインクの温度を調節することにより、UVインクを安定した低粘度状態で吐出できるようにする。それに加えて、吐出口15におけるUVインクの温度を調節することで、UVインクの、記録媒体Rに着弾した時から紫外線の照射を受ける時にかけての温度の制御を確実にさせる。
【0069】
すなわち、ヘッド温度調節機構6は、メディア温度調節機構5で温度制御された記録媒体Rに着弾するインクの温度を記録ヘッド21内において、紫外線照射により効率的に硬化する温度で、かつ、安定吐出が可能な粘度にUVインク粘度を下げる温度で、さらに、環境条件等によって温度変化せずにほぼ一定の温度となるように制御するものである。
【0070】
ここで、UVインクの吐出口15における温度は、UVインクの粘度が最適となるように設定され、ヘッド温度調節機構6によって調節されるが、その温度は30℃以上100℃以下の範囲内であることが好ましく、それに加えて、記録媒体RのUVインクが着弾した時から紫外線照射を受ける時にかけての温度よりも高い温度であることがさらに好ましい。
【0071】
UVインクの吐出口15における温度が30℃を下回る場合、UVインクは高粘性であるので、吐出口15から制御通りに吐出されなかったり、吐出口15や後述するインクノズル12でUVインク詰まりが発生したりするという問題が生じる。
【0072】
一方、UVインクの吐出口15における温度が100℃を超える場合、記録ヘッド21の寿命が短くなるという問題が生じる。UVインクを吐出口15から吐出させるための駆動力を発生するための後述する吐出手段は耐熱性が低く、100℃を超える高温に維持されると制御通りにUVインクを吐出できなくなる。そのために上記温度が100℃を超えると記録ヘッド21の寿命が短くなり、インクジェットプリンタAの維持管理を困難にすることとなる。
【0073】
また、UVインクの吐出口15における温度を、記録媒体RのUVインクが着弾した時から紫外線照射を受ける時にかけての温度よりも高い温度に維持することで、UVインクが記録媒体R上で紫外線照射を受ける時の温度を、効率よく硬化可能な温度に制御することが容易となる。このことで、記録媒体R上のインクドットの形状の制御を容易にするとともに、互いに隣接した色の異なるインクドットが交じり合うといったことを防止できる。よって、記録媒体R上に画像を高画質で形成することができる。
【0074】
図2に示すように、ヘッド温度調節機構6は、概略して、ヘッド温度調節手段(面ヒーター16及びヘッドヒーター13)と、ヘッド温度検出手段(ヘッド温度センサ)19と、ヘッド温度制御手段(ここでは制御部30が相当する)とを備えている。なお、ヘッド温度調節手段、ヘッド温度検出手段と、ヘッド温度制御手段(制御部30)との間は、インターフェイス31を介して互いに接続されている。
【0075】
記録ヘッド21には、図3または図4に示すように、インクが注入されるインク入口部17と、インクを吐出する複数の吐出口15と、インク入口部17から吐出口15までインクを導くヘッド内供給路11と、ヘッド内供給路11のインク温度を検出するヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19と、ヘッド内供給路11の外部の少なくとも一部からインクを加熱する面ヒーター(ヘッド温度調節手段(ヘッド内インク加熱手段))16と、ヘッド内供給路11の内部の少なくとも一部でインクを加熱するヘッドヒーター(ヘッド温度調節手段(ヘッド内インク加熱手段))13とが設けられている。
【0076】
インク入口部17は、図4(a)、(b)に示すように、記録ヘッド21の側部から内部に向かって先細る漏斗形状に形成されている。このインク入口部17は、インク供給路(図示省略)と接続されており、インクタンク(図示省略)からインク供給路を介してインクが供給される。
【0077】
吐出口15は、記録ヘッド21の下面(ノズル面15a)に備えられており、この下面のセンターラインに沿って等間隔に並ぶよう配置されている。
【0078】
ヘッド内供給路11は、インク入口部17から吐出口15までインクを導く過程で、一旦インクを収納するインク収納部18と、インク収納部18から吐出口15までインクを導くインクノズル12と、インクを吐出する駆動力を発生するための例えばピエゾ素子からなる吐出手段(図示省略)を備えている。
【0079】
インク収納部18は、先方(図4(a)では左)に向かって細くなる側面視台形形状に形成されている。このインク収納部18には、インク入口部17の先端が後面に接続され、インク収納部18とインク入口部の両者を連通している。
【0080】
また、このインク収納部18には、吐出口15までインクを導くインクノズル12が、各吐出口に対応するように複数、ノズル面15aと対向する下面に設けられている。つまり、インクノズル12は、インク入口部17から流れ込むインクの流れ方向に沿うように、等間隔で並んで配置されている。
【0081】
このように、インクの流れ方向に沿うようにインクノズル12を配置した場合、インク入口部17から離れた位置にあるインクノズル12に流れ込むインクの圧力が弱まってしまい、安定した吐出を行えないおそれがある。このため、本実施の形態では、インク収納部18の形状を先方に向かって細くなる側面視台形形状に形成することで、各インクノズルに流れ込むインクの圧力がばらつくことを防止している。
【0082】
ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19は、インク入口部17から流入してきたインクの温度を検出するために、インク入口部17近傍、つまりインク収納部18の後面から内部に向かって延出した状態に設けられている。
【0083】
面ヒーター16は、記録ヘッド21内部でヘッド内供給路11を覆うようにコ字状に形成されており、この面ヒーター16が、ヘッド内供給路11のインクを加熱し低粘度化する。
【0084】
ヘッドヒーター13は、円柱形状に形成され、インク収納部18下部でインクノズル12の並びに沿った状態となるように、インク収納部18の先端から後端に掛け渡されている。そして、このヘッドヒーター13によって、各吐出口から吐出されるインクの各温度が所定温度範囲内となるように、インクは加熱される。
【0085】
このように、ヘッドヒーター13は、インク収納部18下部でインクノズル12の並びに沿った状態であるため、各インクノズル12に流入する前のインクの各温度がばらつくことなく加熱することができる。
【0086】
ヘッド温度制御手段(ここでは制御部30が相当する)は、図2に示すように、インターフェイス31、CPU32、メモリ33等から構成され、メモリ33中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従いインターフェイス31に接続された各種機器を制御するようになっている。
【0087】
インターフェイス31には、面ヒーター(ヘッド温度調節手段)16と、ヘッドヒーター(ヘッド温度調節手段)13と、ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19などが電気的に接続されている。
【0088】
メモリ33には、インク供給における各種データや、インクジェットプリンタの各部の動作に関する各種制御プログラムや制御データなどが書き込まれている。
CPU32は、メモリ33に書き込まれた各種データや、ヘッド温度センサ19が検知する温度に基づいて演算を行ない、吐出口15におけるUVインクの温度が上述の範囲に収まり、且つUVインクの粘度が最適となるよう、面ヒーター16やヘッドヒーター13を制御して吐出口15におけるUVインクの温度を制御する。
【0089】
次に、湿度調節機構7について説明する。
湿度調節機構7は、記録媒体Rが搬送ローラ1a、1bにより搬送される搬送経路の、UVランプ3の直下の領域近傍の湿度を制御することで、記録媒体Rが紫外線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を調節する。
【0090】
ここで、記録媒体Rが紫外線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度は、5%以上40%以下に制御することが好ましい。
記録媒体Rが紫外線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度が5%を下回る場合には、上記湿度を制御するために、インクジェットプリンタAの各構成要素を気密性の高いシャーシに収納する等の必要が生じるため、インクジェットプリンタAが高価になるという問題が生じる。
【0091】
一方、記録媒体Rが紫外線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度が40%を超える場合には、記録媒体Rに着弾したインクが紫外線照射によって効率的に硬化しないという問題が生じる。記録媒体Rにしわやカールが生じることを防ぐため、メディア温度調節機構5は記録媒体Rが紫外線照射を受けるときの温度を40℃以下に調節している。
【0092】
この温度でUVインクに紫外線を照射する場合、カチオン硬化性であるUVインクは空気中の湿気による反応阻害を受けやすいので、湿度が40%を超える環境ではUVインクは速やかに硬化できない。このとき、記録媒体R上のインクドット形状を制御できなかったり、互いに隣接した色の異なるインクドットが交じり合ったりするという問題が生じるため、記録媒体Rに画像を高画質では印刷できなくなる。
【0093】
湿度調節機構7は、該略して、図1、図2に示すように、送風管71と、送風ファン(湿度調節手段)72と、乾燥カラム(湿度調節手段)73と、湿度センサ(湿度検知手段)74と、湿度制御手段(ここでは制御部30が相当する)とを備えている。
【0094】
送風管71は、インクジェットプリンタAから導入され、乾燥カラム73により湿度が調節された空気を記録媒体Rが紫外線の照射を受ける位置まで導く。送風管71の一端はインクジェットプリンタA外部に露出して設置される。送風管71の他端は記録媒体Rの幅に対応した形状に形成され、UVランプ3近傍に、UVランプ3と記録媒体Rとの間の空間に向けて空気を送出できる形態で設置される。
【0095】
送風管71内部には、送風ファン72、乾燥カラム73、湿度センサ74等が設置されている。
送風ファン72は制御部30の制御により、インクジェットプリンタA外部からUVランプ3側までの送風と、UVランプ側3からインクジェットプリンタA外部までの送風とを行なう。ここで、インクジェットプリンタA外部からUVランプ3側までの送風の際の風速は、UVランプ3と記録媒体Rとの間の空間の湿度を上述の範囲に維持できるとともに、記録ヘッド21から記録媒体Rに向けてUVインクが吐出される時のUVインクの飛行経路に影響を与えないことを条件に決定される。
【0096】
乾燥カラム73は、送風管71内部に、例えばシリカゲルやゼオライトといった可逆的に吸湿可能な乾燥剤を、通気自在な形態で充填することで形成される。さらに、乾燥カラム73には、上記乾燥剤の吸湿能力が低下した際、この乾燥剤を加熱して再活性化させるための活性化ヒータ73aが備えられている。
湿度センサ74は、送風管71内部の乾燥カラム73よりUVランプ3側の部位に設置される。湿度センサ74は湿度を検知するとともに、検知した湿度データを制御部30に送信する。
【0097】
制御部30は、湿度センサ74が検知した湿度に基づいて送風ファン72及び活性化ヒータ73aを制御して記録媒体Rが紫外線の照射を受ける部位及び該部位近傍の湿度を調節する。
記録ヘッド21からのUVインクの吐出と、それに引き続くUVランプ3による紫外線照射によって記録媒体Rへの画像形成を行なっている時は、制御部30は送風ファン72によりインクジェットプリンタA外部からUVランプ3側に向けての送風を行なうことで、UVランプ3と記録媒体Rとの間の空間に、乾燥カラム73で湿気が除去された空気を送り込む。このとき、湿度センサ74はUVランプ側向けて送られる空気の湿度を検知して制御部30に送る。
【0098】
上記湿度が上昇し、記録媒体Rが紫外線照射を受ける位置及び該位置の湿度が、インクを紫外線照射によって速やかに硬化させることのできる上限の値に達すると、制御部30は画像形成にインクジェットプリンタAの各構成要素の、画像形成に係る一連の動作を停止させる。
【0099】
各構成要素が停止した後、制御部30は活性化ヒータ73a及び送風ファン72を制御して、乾燥カラム73に充填された乾燥剤の再活性化を行なう。乾燥剤の再活性化は、送風ファン72でUVランプ3側からインクジェットプリンタAに向けて送風しながら乾燥剤を活性化ヒータ73aで加熱することにより、乾燥剤が吸収した水をインクジェットプリンタA外部に拡散させることで行なう。上記再活性化動作を所定時間行なって乾燥剤の再活性化を行なった後、制御部30は引き続いて各構成要素による画像形成のための動作を再開する。
【0100】
なお、制御部30が乾燥剤再活性化の終了を判定する方法としては、上述の様な所定時間の経過により行なう他に、湿度センサ74を乾燥カラム73よりインクジェットプリンタA外部側に設置し、この湿度センサ74で排気される空気の湿度を検知する方法等がある。
【0101】
ここで、このインクジェットプリンタで使用されるインクについて説明する。このUVインクは、上述のようにカチオン硬化型のものであり、少なくとも、UV照射により重合して硬化するカチオン重合性化合物とこのカチオン重合性化合物の重合反応をUV照射により開始させるためのカチオン性光重合開始剤(光酸発生剤)とインキとしての色をだすための色材とを含むものである。また、UVインクには、カチオン硬化型の光硬化樹脂で用いられる周知の各種添加剤のうちの少なくとも一部を添加するものとしても良い。
【0102】
また、この例では、UVインクとしたが、必ずしも、紫外線により硬化が開始されるものだけではなく、活性エネルギ線、電磁波等の活性エネルギ線で重合を開始させるカチオン性重合開始剤を用いるものとしても良い。すなわち、活性エネルギ線は、基本的に、紫外線、赤外線、可視光(可視光を吸収する開始剤が色を有するものとなり、余り好ましくはない)等の光を含む電磁波である。近年では電子線硬化型のインクの開発も進められており、活性エネルギ線として電子線を適用することとしても良い。なお、上述のように、この例においては、エネルギー線として紫外線を用いた場合を例として記載している。
【0103】
また、本発明に係るインクジェット記録方法及びインクジェットプリンタに適用されるインクは、25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下となるように組成されることが好ましい。
【0104】
インクの25℃における粘度が25mPa・sに満たない場合、記録ヘッド21から吐出されて記録媒体Rに着弾したインクは着弾後、速やかに記録媒体R上で広がるため、インクドット形状の制御ができずに画像の画質を劣化させるという問題が生じる。一方、インクの25℃における粘度が500mPa・sを超える場合には、記録媒体Rに着弾したインクは着弾後、適度にレベリングすることができず、インクドット形状の制御ができず画像の画質を低下させるとともに、インクドットが記録媒体Rに十分な接着力で接着できなくなり、画像の強度が低くなるという問題が生じる。
【0105】
インクが吐出される時の粘度が8mPa・sに満たない場合には、インクは吐出手段の動作に関係なく吐出口15から垂れ落ちるため、記録媒体Rに無用のインクドットが形成されて画像の画質を低下させる。一方、インクが吐出される時の粘度が20mPa・sを超える場合には、吐出口15から1回あたり吐出されるインクの量の制御が困難となり、画像の画質を低下させる。さらに、吐出口15やヘッド内供給路11でインク詰まりが発生しやすくなり、インクジェットプリンタAの維持が困難となる。
【0106】
光カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用出来る。例えば、特開平6−9714、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0107】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0108】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0109】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0110】
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0111】
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0112】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0113】
本発明で用いられるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、特開2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
【0114】
オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、又組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0115】
【化1】
【0116】
式(1)において、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基或いは3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基或いはフェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基或いはブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基或いはブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、又はエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基或いはペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0117】
次に、2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【化2】
式(2)において、R1は、前記一般式(1)におけるものと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基或いはブチレン基等の線状或いは分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基或いはポリ(プロピレンオキシ)基等の線状或いは分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基或いはブテニレン基等の線状或いは分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基、カルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、又はカルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0118】
又、R3は、下記式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基でもある。
【化3】
式(3)において、R4は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基或いはブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子或いは臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基である。
【0119】
【化4】
式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2又はC(CH3)2である。
【0120】
【化5】
式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。nは、0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。
【0121】
R7は、下記式(6)で示される基から選択される基でもある。
【化6】
式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。mは、0〜100の整数である。
【0122】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記式(7)及び(8)で示される化合物等が挙げられる。
【化7】
式(7)で示される化合物は、式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。
【0123】
【化8】
式(8)で示される化合物は、一般式(2)において、R1がエチル基であり、R3が式(5)においてR6及びR7がメチル基、nが1となる置換基である化合物である。
【0124】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記した化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(9)で示される化合物がある。式(9)において、R1は、前記一般式(1)におけるものと同様の基である。
【化9】
【0125】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(10)で示される化合物等が挙げられる。
【化10】
式(10)において、R1は、前記一般式(1)におけるものと同様の基である。R9は、例えば下記式(11)〜(13)で示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記式(14)で示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記式(15)で示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【化11】
式(11)において、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。
【0126】
【化12】
【化13】
【化14】
式(14)において、lは1〜10の整数である。
【0127】
【化15】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記式(16)で示される化合物等が挙げられる。
【化16】
【0128】
さらに、上記した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記式(17)で示される化合物がある。
【化17】
式(17)において、R8は式(6)におけるものと同様の基である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0129】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【化18】
【化19】
【化20】
【0130】
上記オキセタン環を有する化合物の製造方法は特に限定されず、従来知られた方法に従えばよい。上記製造方法は、例えばパティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。又、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する、1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。
【0131】
これらの例として、例えば以下の化合物が挙げられる。
【化21】
ここで、pは20〜200である。
【0132】
【化22】
ここで、qは15〜100である。
【0133】
【化23】
ここで、sは20〜200である。
【0134】
本発明においては、インク硬化の際の記録媒体Rの収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
【0135】
上述のカチオン性光重合開始剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメ−ジング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 −,PF6 −,AsF6 −,SbF6 −,CF3SO3 −塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物をもつものが酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
【化24】
【0136】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
【化25】
【0137】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
【化26】
【0138】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【化27】
【0139】
本発明のインクは、特開平8−248561、特開平9−034106をはじめてとし、既に公知となっている活性エネルギ線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、さらなる吐出安定性向上を可能とする。
【0140】
本発明に係るインクでは、対イオンとしてアリールボレート化合物を有するジアゾニウム、ヨードニウム又はスルホニウムの芳香族オニウム化合物、鉄アレン錯体から選ばれる少なくとも1種の光酸発生剤が含有されることが好ましい。
【0141】
上述の色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が使用出来るが、耐候性の点でから顔料が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
【0142】
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装画像形成、ラベル画像形成においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、前述した吐出安定性、記録媒体Rのカール・しわの発生の観点から、自ずと使用量に関しては制限がある。
【0143】
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。
【0144】
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
【0145】
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
【0146】
本発明に係るインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、インク組成物の保存性を高めるため、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。紫外線硬化型のインクは、加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。この他にも、必要に応じて、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。
【0147】
記録媒体Rとの密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOC(揮発性有機化合物)の問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5%の範囲であり、好ましくは0.1〜3%である。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
【0148】
上述のようなUVインクは、インクジェット記録方式により記録媒体R上に吐出、描画し、次いで紫外線(活性エネルギ線)を照射してインクを硬化させることになる。
ここで、インクが着弾し、紫外線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることが好ましい。スクリーン画像形成分野では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録媒体Rが薄いプラスチック材料であることが多い軟包装画像形成分野では、前述した記録媒体Rのカール・しわの問題でだけでなく、画像形成物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため使えない。
【0149】
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを30〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性エネルギ線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0150】
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなり、酸増殖剤が必須となる。
【0151】
本発明の画像記録方法においては、発生光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に紫外線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
【0152】
光(紫外線)の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることができる。
【0153】
また、紫外線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で紫外線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性エネルギ線を照射する方法も好ましい態様の1つである。紫外線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録媒体Rの収縮を抑えることが可能となる。
【0154】
本発明では、硬化に有効な波長域における最高照度が0.1〜50mW/cm2の低照度の紫外線を用いることが好ましい。従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、硬化に有効な波長域における最高照度が50mW/cm2を超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特にシュリンクラベルなどでは、記録媒体Rの収縮があまりにも大きく、実質上使用できないのが現状であった。本発明では、酸増殖剤を用いることで、硬化に有効な波長域における最高照度が0.1〜50mW/cm2の低照度の紫外線を用いても、高精細な画像を形成でき、かつ、記録媒体Rの収縮もない。
【0155】
紫外線照射で用いる光源の例としては、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LEDをなどがあるが、これらに限定されない。
また、本発明では、硬化に有効な波長域における最高照度が50〜3000mW/cm2の紫外線を用いることも有効である。従来のUVインクジェット記録に用いられる高照度の光源であるが、上述のように記録媒体Rの収縮課題が有り、軟包装画像形成・ラベル画像形成分野では実質UVインクジェット記録は使用されていなかった。本発明の構成では、この問題は解消され、従来使われている高照度の光源を用いても、各種プラスチックフィルムへの高精細画像の形成が可能となる。光源の例としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプなどが有るが、これらに限定されない。
【0156】
本発明で用いることのできる記録媒体Rとしては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(延伸ポリ塩化ビニル)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ポリアセタール、PVA(ポロビニルアルコール)、ゴム類などが使用できる。
【0157】
また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録媒体Rの中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
【0158】
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録媒体Rによってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録媒体Rに良好な高精細な画像を形成できる。
【0159】
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録媒体Rのコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録媒体Rを使用する方が有利である。
【0160】
次ぎに、本発明のインクジェットプリンタAの動作について説明する。
インクジェットプリンタにおいては、インクカートリッジ、記録媒体R等をセットし、電源を投入することにより、画像形成可能な状態となる。
インクカートリッジからインクの供給が行われると、制御部30は、ヘッド温度センサ19の検知結果に基づいて、インク収納部18内のインク温度を検知する。そして、制御部30は、この検知された温度に対応した加熱温度データを選択し、その選択された加熱温度データに基づいて面ヒーター16およびヘッドヒーター13の出力状態を制御して、ヘッド内供給路11のインクが所定温度範囲内(例えば、ヘッド目標設定温度の上下1℃の範囲内)となるように加熱を行う。
【0161】
次に、記録媒体Rが給紙されてから排紙されるまでの動作を説明する。
まず、ここでは、オペレータの手動操作により、操作盤、キーボード等の入力手段53に設定情報が打ち込まれる。この場合、設定情報は、形態:ロール状のフィルム、材質:PET,厚み:0.05mm等の記録媒体Rが有する性質に関する情報となっている。これにより、入力手段53はインターフェイス31を介して設定情報を制御部30に入力する。この設定情報は制御部30のメモリ33に記憶される。
【0162】
インクジェットプリンタA内では、スピンドル(図示しない)にセットされた記録媒体Rの先端が給紙ガイド(図示しない)に沿って搬送ローラ1aまで誘導され、記録媒体R先端の位置合わせが行われる。
【0163】
位置合わせされた記録媒体Rは、搬送ローラ1aにより画像形成部2へ搬送される。この間、メディア温度検出手段52としての温度センサ52aは、記録ヘッド21により画像形成が行われるべき記録媒体Rの温度を検出する。温度センサ52aは、検出温度情報を、インターフェイス31を介して制御部30に入力する。この検出温度情報は制御部30のメモリ33に記憶される。
【0164】
そして、制御部30のCPU32は、メモリ33に記憶された検出温度情報と、設定情報に対応する設定温度とを読み出し、比較演算する。そして、CPU32は、その演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が必要であると判断した場合には、作動信号をメディア温度調節手段51にインターフェイス31を介して入力する。すると、メディア温度調節手段51は作動する。この場合、ヒータ51aが作動してヒータ51aから輻射熱が発生し、記録媒体Rを画像形成面側から加熱する。
【0165】
また、当該演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が不必要であると判断した場合には、CPU32は、作動信号をメディア温度調節手段51に入力しない。従って、メディア温度調節手段51としてのヒータ51aは作動せず、記録媒体Rの加熱は行われない。
【0166】
このようにして、メディア温度調節機構5は、メディア温度検出手段52による検出温度情報に基づいて、記録媒体Rのインクが着弾する時から紫外線の照射を受ける時までの温度を、インクが紫外線の照射によって速やかに硬化するよう制御する。
【0167】
引き続き、メディア温度調節機構5により温度が制御された状態で、記録媒体Rは、ガイド部材4により非画像形成面側が支持されるとともに搬送方向Fにガイドされ、搬送経路上を搬送される。なお、この記録媒体Rは、ガイド部材4により非画像形成面側が支持されるが、上述したようにプラテン4aによって吸引保持された状態となっている。
【0168】
そして、非画像形成面が支持されている記録媒体Rの画像形成面に、記録ヘッド21により画像形成が行われる。詳しくは、記録媒体Rの非画像形成面がプラテン4aにより吸引保持された状態で、キャリッジ22の動作に付随して記録ヘッド21が走査方向に移動しながら記録媒体の画像形成面にUVインクを吐出し、画像形成が行われるのである。画像形成が行われた後の記録媒体Rは、記録ヘッド21より搬送方向Fの下流側、すなわちUVランプ3の直下へと搬送される。
【0169】
引き続き、UVランプ3の直下に搬送された記録媒体R、言い換えればUVインクが付着した記録媒体Rに、UVランプ3からUVが照射され、記録媒体Rに付着したUVインクが硬化することになる。そして、以上の工程を経た記録媒体Rは、排紙ガイド(図示しない)を通過して排紙されるのである。
【0170】
なお、インクジェットプリンタAによる画像形成中は、吐出口15におけるインクの温度はヘッド温度調節機構6により制御されている。この制御により、吐出口15におけるインクの温度は、UVインクが最適の粘度を具備し、且つ記録媒体RのUVインクが着弾してから紫外線照射を受けるまでの間の温度よりも高い温度に調整されている。
【0171】
また、インクジェットプリンタAによる画像形成中は、乾燥剤により湿度が減じられた空気が湿度調節機構7によってUVランプ3と記録媒体Rとの間の空間に供給されている。このことで、記録媒体Rが紫外線照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度はUVインクが紫外線照射によって速やかに硬化できる湿度に調整される。
【0172】
なお、この実施の形態においては、ヘッド温度調節機構6のヘッド温度調節手段61、メディア温度調節機構5のメディア温度調節手段51、湿度調節機構7の湿度調節手段72、73いずれもが共通の制御装置で構成されている。これにより、インクジェットプリンタの構成要素が少なくて済むと共に、双方の制御を連動させて効率的にヘッド内のUVインクの温度制御と、UV照射前の記録媒体の温度制御と、UVインクに紫外線が照射される場所での湿度制御とを行うことができる。
【0173】
次に、上述の実施形態に係るインクジェットプリンタ1の実施例について説明する。
【0174】
[第一の実施例]
第一の実施例では、高照度(550〜700mW/cm2)による紫外線照射を行なって記録媒体R上のUVインクを硬化させた。
【0175】
第一の実施例では、まず濃ブラック(K)、濃シアン(C)、濃マジェンタ(M)、濃イエロー(Y)、淡ブラック(Lk)、淡シアン(Lc)、濃マジェンタ(Lm)、淡イエロー(Ly)の各インクを、表1〜表3に示す組成で調合し、インク組成物1〜インク組成物3を得た。
【0176】
【表1】
【表2】
【表3】
【0177】
ここで、表1ににおいて、開始剤1は化学式(24)に示すスルホニウムイオンのボレート塩である。表2において、熱塩基1は化学式(25)に示すアンモニウムイオンのボレート塩であり、開始剤2は化学式(26)に示すスルホニウムイオンのボレート塩である。また、表3において、熱塩基2は化学式(27)に示すアンモニウムイオンのボレート塩である。
【0178】
【化28】
【0179】
インク組成物1〜インク組成物3をインクとして用い、インクジェットプリンタAによる記録媒体Rに対する画像形成を行なった。インクジェットプリンタAにおいて、記録ヘッド21にUVインクを供給するインク供給系は、インクタンク、供給パイプ、前室インクタンク及びフィルター付き配管で形成した。さらに、上記インク供給系はほぼ全経路にわたって断熱材とヒータとを備え、供給パイプ内部でUVインクの温度が60℃に維持される構成とした。
【0180】
記録ヘッド21は吐出口15から一回あたり2pl又は15plの2通りの吐出量でインクを吐出可能であり、且つ720×720dpi(dots per inch)という解像度で記録媒体Rにインクドットを形成することができる構成とした。さらに、記録ヘッド21内部の吐出口15におけるUVインクの温度は、面ヒーター16及びヘッドヒーター13によって60℃に調節した。
【0181】
記録媒体Rとしては、表4に示すようにOPP、ONy、PET、PVC、OPSといった非インク吸収性の材質や、キャストコート紙、和紙といったインク吸収性の材質からなる幅600mm、長さ1000mmの長尺記録材料を用いた。UVランプ3は、表4に示すものを各試料ごとに適用した。記録媒体Rにおける紫外線の照度は、UVランプ3と記録媒体Rとの距離を調節することで制御した。
【0182】
各試料(試料No.1〜30)における画像形成のため、画像形成条件UVランプ3は、記録ヘッド21の走査方向に隣接した位置に設置した。照射タイミングは、UVインクが記録媒体Rに着弾後、0.2秒後に紫外線照射を受けるように設定した。また、UVインク、記録媒体、記録媒体温度、UVランプ、記録媒体における照度及びピーク波長及び照射エネルギーは、表4にそれぞれ示すように設定した。
【0183】
【表4】
【0184】
画像形成後、各試料ごとに画像を評価した結果を表5にまとめる。表5において、各評価項目ごとの凡例は下記の通りである。また、各試料についてトータルインク膜厚を測定したところ、トータルインク膜厚の範囲は2.3〜13μmであった。
【0185】
【表5】
【0186】
表5において、「文字品質」は、記録媒体RにY、M、C、K各色で6ポイントMS明朝体を印字後、ルーペで拡大することで印字された文字のガサツキを評価した。評価のうち、◎は「ガサツキなし」を示す。○は「僅かにガサツキあり」を示す。△は「ガサツキはあるが文字として判読は可能。実用ぎりぎりのレベル」を示す。×は「ガサツキがひどく、文字がかすれていて判読不能」を示す。
【0187】
「色混じり(にじみ)」は隣り合う各色インクドットをルーペで拡大し、目視して評価した。評価のうち、◎は「隣り合うドットが真円を保ち、滲みがない」を示す。○は「隣り合うドットが真円を保ち、ほとんど滲みがない」を示す。△は「隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が崩れているが、実用ぎりぎりのレベル」を示す。×は「隣り合うドットが滲んで交じり合っており、実用にならないレベル」を示す。
【0188】
「印刷物しわ、カール」は、画像形成直後に印刷物を手にとって目視で評価した。○は「良好」を示す。△は「やや良好、実用ぎりぎりのレベル」を示す。×は「悪い」を示す。
【0189】
表5によれば、記録媒体温度(記録媒体Rのインクが着弾した時から紫外線照射を受ける時までの温度)を10℃に設定した試料No.1〜6では、「印刷物しわ、カール」の項目では全て○の評価だったが、「文字品質」及び「色混じり(にじみ)」の項目では△以下の評価が多く、特に「色混じり(にじみ)」では半数が×の評価であった。
【0190】
また、記録媒体温度を50℃に設定した試料No.7〜12では、「文字品質」及び「色混じり(にじみ)」の項目では○の評価のものもあるが、半数以上は△以下の評価であった。また、「印刷物しわ、カール」の項目ではプラスチック系の材質を記録媒体Rに適用した場合でいずれも×の評価であった。
【0191】
一方、記録媒体温度を、35℃に設定した試料No.13〜30では、「文字品質」及び「色混じり(にじみ)」ではいずれも◎又は○の評価であり、「印刷物しわ、カール」では全て○の評価であった。
【0192】
実施例1の結果より、本発明に係るインクジェット記録法、インクジェットプリンタでは、記録媒体Rのインクが着弾した時から紫外線照射を受ける時までの温度を、UVインクが吐出される時の温度(60℃)よりも低く、且つ20℃以上40℃以下である35℃に設定して画像形成を行なったことで、記録媒体Rに画像を高画質で形成できることが分かった。さらに、記録媒体の温度を上述の様に設定することで、熱収縮性の材質からなる記録媒体Rに対しても、印刷物にしわ、カールを発生させることなく高画質で画像を形成できることが分かった。
【0193】
[第二の実施例]
第二の実施例では、低照度(2.5〜15mW/cm2)による紫外線照射を行なって記録媒体R上のUVインクを硬化させた。
【0194】
第二の実施例では、まず濃ブラック(K)、濃シアン(C)、濃マジェンタ(M)、濃イエロー(Y)、白(W)、淡ブラック(Lk)、淡シアン(Lc)、濃マジェンタ(Lm)、淡イエロー(Ly)の各インクを、表6〜表8に示す組成で調合し、インク組成物4〜インク組成物6を得た。
【0195】
【表6】
【表7】
【表8】
【0196】
ここで、表7ににおいて、化合物1は化学式(28)に示すスルホン化物であり、開始剤3は化学式(29)に示すヨードニウムイオンのホスフェート塩である。表8において、化号物2は化学式(30)に示すスルホン化物であり、開始剤4は化学式(31)に示すヨードニウムイオンのボレート塩である。
【0197】
【化29】
【0198】
インク組成物4〜インク組成物6をインクとして用い、インクジェットプリンタAによる記録媒体Rに対する画像形成を行なった。インクジェットプリンタAにおいて、記録ヘッド21にUVインクを供給するインク供給系は、インクタンク、供給パイプ、前室インクタンク及びフィルター付き配管で形成した。さらに、上記インク供給系はほぼ全経路にわたって断熱材とヒータとを備え、供給パイプ内部でUVインクの温度が50℃に維持される構成とした。
【0199】
記録ヘッド21は吐出口15から一回あたり2pl又は15plの2通りの吐出量でインクを吐出可能であり、且つ720×720dpi(dots per inch)という解像度で記録媒体Rにインクドットを形成することができる構成とした。さらに、記録ヘッド21内部の吐出口15におけるUVインクの温度は、面ヒーター16及びヘッドヒーター13によって50℃に調節した。
【0200】
記録媒体Rとしては、表9に示すようにOPP、ONy、PET、シュリンクPVC、シュリンクOPS、ユポ粘着紙といった非インク吸収性の材質からなる幅600mm、長さ1000mmの長尺記録材料を用いた。UVランプ3は、表9に示すものを各試料ごとに適用した。記録媒体Rにおける紫外線の照度は、UVランプ3と記録媒体Rとの距離を調節することで制御した。
【0201】
各試料(試料No.1〜30)における画像形成のため、画像形成条件UVランプ3は、記録ヘッド21の走査方向に隣接した位置に設置した。照射タイミングは、UVインクが記録媒体Rに着弾後、0.15秒後に紫外線照射を受けるように設定した。また、UVインク、記録媒体、記録媒体温度、UVランプ、記録媒体における照度及びピーク波長及び照射エネルギーは、表9にそれぞれ示すように設定した。
【0202】
【表9】
【0203】
画像形成後、各試料ごとに画像を評価した結果を表10にまとめる。表10において、各評価項目ごとの凡例は表5の場合と共通である。また、各試料についてトータルインク膜厚を測定したところ、トータルインク膜厚の範囲は2.3〜13μmであった。
【0204】
【表10】
【0205】
表10によれば、記録媒体温度(記録媒体Rのインクが着弾した時から紫外線照射を受ける時までの温度)を10℃に設定した試料No.1〜6では、「印刷物しわ、カール」の項目では全て○の評価だったが、「文字品質」及び「色混じり(にじみ)」の項目では△以下の評価が多く、「文字品質」では6例中4例、「色混じり(にじみ)」では6例中3例がそれぞれ×の評価であった。
【0206】
また、記録媒体温度を50℃に設定した試料No.7〜12では、「文字品質」及び「色混じり(にじみ)」の項目では半数以上が○の評価で、残りが△の評価であった。また、「印刷物しわ、カール」の項目では、全ての例が△以下の評価であり、2例は×の評価であった。
【0207】
一方、記録媒体温度を、35℃に設定した試料No.13〜30では、「文字品質」及び「色混じり(にじみ)」ではいずれも◎又は○の評価であり、「印刷物しわ、カール」では全て○の評価であった。
【0208】
実施例2の結果より、本発明に係るインクジェット記録法、インクジェットプリンタでは、記録媒体Rのインクが着弾した時から紫外線照射を受ける時までの温度を、UVインクが吐出される時の温度(60℃)よりも低く、且つ20℃以上40℃以下である35℃に設定して画像形成を行なったことで、照射エネルギーが20〜45mJ/cm2と低い場合でも、記録媒体Rに画像を高画質で形成できることが分かった。さらに、記録媒体の温度を上述の様に設定することで、熱収縮性の材質からなる記録媒体Rに対しても、印刷物にしわ、カールを発生させることなく高画質で画像を形成できることが分かった。
【0209】
この様に、カチオン重合性のUVインクで画像形成を行なう形態のインクジェットプリンタAにおいて、ヘッド温度調節機構6で記録ヘッド21から吐出される時のUVインクの温度を30℃以上100℃以下に調節し、メディア温度調節機構で記録媒体RのUVインクが着弾する時から紫外線が照射される時までの温度を20℃以上40℃以下に調節するとともに、記録ヘッド21から吐出される時のUVインクの温度を記録媒体RのUVインクが着弾する時から紫外線が照射される時までの温度よりも高い温度に調節することで、空気中の湿気によって阻害されることなく、記録媒体R上でのUVインクを硬化させることができる。よって、記録媒体Rに画像を高画質で形成することができる。
【0210】
特に、記録ヘッド21から吐出される時のUVインクの温度を記録媒体RのUVインクが着弾する時から紫外線が照射される時までの温度よりも高い温度に調節することで、記録媒体R上でのUVインクの温度を容易に調節することができる。このことで、記録媒体R上で紫外線照射により速やかにUVインクを硬化させることができるので、記録媒体Rに画像をきわめて高画質で形成することができる。
【0211】
また、記録媒体RのUVインクが着弾する時から紫外線が照射される時までの温度を40℃以下とすることで、熱伸縮性の材質からなる記録媒体Rに画像を形成するような場合でも、記録媒体Rにしわやカールを発生させることなく、記録媒体Rに画像を高画質で形成することができる。
【0212】
さらに、湿度調節機構7により、記録媒体Rが紫外線の照射を受ける位置及び該位置近傍の湿度を5%以上40%以下に調節することで、UVインクに紫外線を照射する際に湿気によるUVインク硬化阻害を防止することができる。よって、40℃以下という比較的低温な条件でも効率的に記録媒体R上のUVインクを硬化させることができる。このことにより、記録媒体Rにしわやカールを発生させることなく、記録媒体Rに画像をきわめて高画質で形成することができる。
【0213】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0214】
本発明に係るインクジェット記録方法、インクジェットプリンタは、紫外線により硬化するインクを適用するものとは限らない。カチオン重合性のものであれば、活性エネルギ線として、紫外線以外に電子線、赤外線、可視光線等の電磁波により硬化するインクを適用することとしてもよい。
【0215】
また、本発明に係るインクジェットプリンタに適用されるメディア温度調節機構は上述の例に限らない。
ここで、メディア温度調節機構5の変形例を図5、図6を参照して説明する。なお、詳細には、図5、図6に示す変形例において、図2に示すメディア温度調節手段51又はメディア温度検出手段52の少なくとも一方が異なり、それ以外の構成要素は上記例と同様である。従って、これら構成要素には上記例と同様の符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0216】
図5に示すように、メディア温度調節手段51としてペルチェ素子を用いた加熱・冷却システムを適用する。この加熱・冷却システムは、ペルチェ素子を内蔵したペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gを備えている。これらペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gは、記録媒体Rを間に介在させるように互いに隣接して配置され、互いに逆回転駆動し記録媒体Rを挟持した状態で搬送方向Fへ搬送する。これらペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gにおいて、内蔵されたペルチェ素子が作動すると、挟持した記録媒体Rを画像形成面及び非画像形成面の両面側から加熱もしくは冷却できるようになっている。なお、ペルチェ素子は吸熱と放熱を同時に行うので、例えば、冷却を行う場合には、ペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gを空洞にし、この空洞となった部分にファン等によって送風し、放熱する必要がある。
【0217】
また、図5の実施例ではメディア温度検出手段52として熱電対センサ52bを適用する。熱電対センサ52bは、二つの異なる種類の金属を環状に連結し二接点の温度差により発生する熱電量から記録媒体Rの温度を検出する。従って、この場合、メディア温度検出手段52としての熱電対センサ52bによる検出温度情報に基づいて、このペルチェ素子を用いた冷却システムを作動させ、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rを冷却し、この記録媒体Rの温度を目標設定温度に制御している。
【0218】
さらに、図6に示すように、メディア温度調節手段51としてヒータ51h及び輻射ランプ51iを用いた加熱システムを適用する。ヒータ51hは、ガイド部材4の背面側に配置されている。ヒータ51hが作動すると、ガイド部材4(又はプラテン4a)を媒介して、ガイド部材4(又はプラテン4a)により非画像形成面側が支持された記録媒体Rを、非画像形成面側から加熱できるようになっている。なお、ガイド部材4(又はプラテン4a)は、熱伝導率の大きい材料で形成されていることが好ましく、記録媒体Rを加熱することを迅速かつ効率的に媒介することのできる材料で形成されていることが好ましい。輻射ランプ51iは、画像形成部2のキャリッジレール23に固定されているとともに、赤外線を輻射するものである。輻射ランプ51iが作動すると、赤外線を記録媒体Rの画像形成面側に輻射し、画像形成面側から記録媒体Rを加熱できるようになっている。また、メディア温度検出手段52として図4に示すものと同様の熱電対センサ52bを適用する。
【0219】
従って、この場合、メディア温度検出手段52としての熱電対センサ52bによる検出温度情報に基づいて、これらヒータ51h及び輻射ランプ51iを用いた加熱システムを作動させ、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rを加熱し、この記録媒体Rの温度を目標設定温度に制御している。なお、この場合、ヒータ51h及び輻射ランプ51iの一方だけの加熱システムを設けるようにして、記録媒体Rの温度を制御してもよい。
【0220】
以上、図5、図6に示す変形例においても、図1に示す上記例と同様の効果を奏する。また、図1及び図5、図6に示した例では、メディア温度調節機構5により記録媒体Rの温度を40℃以下に制御しているので、UV照射による記録媒体Rの温度が高温化するのを抑えることができ、記録媒体Rが変質するのを防止することができる。
【0221】
なお、図1及び図5、図6に示した例では、記録ヘッド21より搬送方向Fの上流側の位置又は記録ヘッド21に対向する位置にメディア温度調節手段51を設けて、画像形成が行われる前又は画像形成中(画像形成の前後を僅かに含む)の記録媒体Rの加熱もしくは加熱及び冷却を行っているが、それに加えて、メディア温度調節手段51を記録ヘッド21より搬送方向Fの下流側の位置(但しUV照射手段よりは上流側)に設けて画像形成が行われた後の記録媒体Rの加熱又は冷却を行ってもよい。
【0222】
また、ここで、図6に示すヒータ51hのように、メディア温度調節手段51を記録媒体Rの非画像形成面側に備え、かつ、記録媒体Rの非画像形成面側から記録媒体Rの加熱もしくは加熱と冷却とを行うことが好ましい。何故なら、記録媒体Rの画像形成面側が温度調節手段51による加熱もしくは加熱と冷却との影響を直接受けることはないので、画像形成面の表面が変質し画像形成品質に影響するということはなく、これにより、画像形成品質の劣化を防止でき、高品質の画像形成を保持することができるからである。また、図6に示すヒータ51hのように、ガイド部材4(又はプラテン4a)の背面側にメディア温度調節手段51を設ける場合には、ガイド部材4(又はプラテン4a)が熱伝導率の大きい材料で形成されていることが好ましく、記録媒体Rを加熱又は冷却することを迅速かつ効率的に媒介することのできる材料で形成されていることが好ましい。
【0223】
【発明の効果】
本発明によれば、湿気によって反応阻害を受けやすいカチオン重合性のインクを適用した場合でも、湿気に影響されることなく記録媒体上に画像を高画質で形成することができる。それに加えて、熱収縮性の材質を記録媒体に適用した場合でも、記録媒体にしわやカールを発生させることなく画像を高画質で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタAの概略を示す要部側面図である。
【図2】インクジェットプリンタAの概略を示す要部ブロック図である。
【図3】インクジェットプリンタAに適用される記録ヘッド21の斜視図である。
【図4】インクジェットプリンタAに適用される記録ヘッド21の正断面図(a)及び側断面図(b)である。
【図5】インクジェットプリンタAの別の実施例を示す要部側面図である。
【図6】インクジェットプリンタAの別の実施例を示す要部側面図である。
【符号の説明】
5 メディア温度調節機構
6 ヘッド温度調節機構
7 湿度調節機構
15 吐出口
21 記録ヘッド
30 制御部
31 インターフェイス
32 CPU
33 メモリ
51 温度調節手段
52 温度検出手段
61 ヘッド温度調節手段
71 送風管
72 送風ファン
73 乾燥カラム
73a 活性化ヒータ
74 湿度センサ
A インクジェットプリンタ
R 記録媒体[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an inkjet recording method, an ink, and an inkjet printer.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the ink jet recording method has been applied to various printing fields such as photographs, various printings, special printings such as markings and color filters, since images can be easily and inexpensively formed. In particular, an inkjet recording system (inkjet printer) that ejects and controls fine dots, ink that has improved color reproduction range, durability, and ejection suitability, ink absorbency, color material coloring, and surface gloss It is possible to obtain image quality comparable to silver halide photography by using a combination of special paper with dramatically improved features.
[0003]
The image quality of today's ink jet recording system has been improved only when an ink jet printer and all of the ink and special paper used in the ink jet printer are available.
[0004]
However, in an ink jet printer that requires special paper, since the recording medium is limited, the cost of the recording medium is increased, and the application range of the ink jet printer is narrowed.
[0005]
Therefore, many attempts have been made to perform recording on a recording medium different from dedicated paper by an inkjet method. Specifically, a phase-change inkjet method using a wax ink that is solid at room temperature, a solvent-based inkjet method using a fast-drying organic solvent-based ink, and a UV inkjet method that performs crosslinking by ultraviolet (UV) light after recording. It is.
[0006]
Above all, the UV inkjet system has been attracting attention in recent years in that it has a relatively low odor compared to the solvent-based inkjet system, and is capable of recording on a recording medium that is quick drying and has no ink absorption. JP-A-54667, JP-A-6-200204, and JP-T-2000-504778 disclose an ultraviolet-curable inkjet ink.
[0007]
However, even if these inks are used, the dot diameter after landing greatly changes depending on the type of recording medium and the working environment, and it is not possible to form a high-definition image on all recording media. It is possible. Further, the ink used in the conventional UV inkjet method has a problem that the recording medium is easily shrunk. In particular, thin-film plastic films used in flexible packaging such as food packaging and adhesive labels are particularly susceptible to shrinkage. As a result, the UV inkjet method has not yet been put to practical use in flexible packaging printing and label printing. is the current situation.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, as the UV ink (photo-curable ink), for example, a radical-curable ink and a cation-curable ink are known. It has been found that by using a cation-curable ink, it is possible to prevent shrinkage during image formation even in the above-mentioned thin-film plastic films and pressure-sensitive adhesive labels.
[0009]
However, the cationic curable ink is easily affected by water (humidity). For example, when an image is formed by landing a UV ink on a recording medium, the ink is sufficiently exposed to ultraviolet light due to the influence of ambient humidity. There is a problem that the UV ink does not cure.
[0010]
In a UV inkjet printer, when the UV ink discharged from a recording head lands on a recording medium, it spreads along the surface of the recording medium from droplets to form dots. Here, in order to form a high-definition image on a recording medium, it is preferable that the diameter of each of a large number of dots formed on the recording medium does not greatly differ between the dots or between the formed images. As described above, if the UV ink is not cured in a short time after being irradiated with ultraviolet rays due to the influence of humidity or the like, the dot diameter changes and the dot diameter becomes unstable.
[0011]
When an image is formed by a UV inkjet printer, inks of different colors are landed on a recording medium in a state of being overlapped or adjacent to each other. If the UV ink is not cured in a short time, inks of different colors are mixed with each other, and the image quality is adversely affected.
[0012]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-137375 discloses a proposal for solving the problem caused by the influence of water of the cation-curable ink, by heating an ultraviolet-curable ink (UV ink) that has landed on a print medium (recording medium). An ink-jet printer provided with a heating means for heating is described.
According to the above publication, it is described that the UV ink that has landed on the storage medium is heated, and the UV ink is cured even in a humid state by irradiating the UV ink with ultraviolet rays.
[0013]
However, heating the UV ink after it lands on the recording medium has a time lag until the temperature of the UV ink rises, and the time for the time lag depends on the ink temperature when ejected from the recording head. Become. Therefore, even if the UV ink can be sufficiently cured, the time from when the UV ink is heated to when the UV ink is cured is not always constant. Therefore, it was difficult to form a high-definition image. Further, when the above-mentioned time lag becomes long, there is a possibility that UV inks of different colors are mixed.
[0014]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide an ink-jet printer capable of recording a high-definition image with excellent character quality, no occurrence of color mixture, and various types of recording media.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to claim 1 discharges an ink curable by irradiation of an active energy ray toward a recording medium, and irradiates the recording medium on which the ink has landed with the active energy ray. An ink-jet recording method for forming an image, wherein the recording medium is transported from a position where the ink lands to a position where the active energy ray is irradiated, wherein the ink contains a cationically polymerizable component, The temperature at which the ink is ejected is adjusted to 30 ° C. or more and 100 ° C. or less, and the temperature from when the ink on the recording medium lands to when it is irradiated with the active energy ray is 20 ° C. to 40 ° C. C. or less, and the temperature at which the ink is ejected is such that the recording medium is irradiated with the active energy ray from the time the ink lands. Characterized in that it is adjusted to a temperature higher than the temperature up.
[0016]
According to the first aspect of the present invention, the ink is composed including a cationically polymerizable component. The temperature of the ink when ejected from the head is adjusted to 30 ° C. or more and 100 ° C. or less, and the temperature from when the ink on the recording medium lands to when the active energy ray is irradiated is 20 ° C. or more and 40 ° C. or less. Is adjusted to Further, the temperature of the ink when ejected from the head is adjusted to a temperature higher than the temperature from when the ink on the recording medium lands to when the active energy ray is irradiated.
[0017]
An ink containing a cationic polymerizable component has a property that polymerization is easily inhibited by moisture in the air when irradiated with an active energy ray, but the ink of the recording medium is activated from the time the ink of the recording medium lands. By irradiating the ink on the recording medium with the active energy ray while controlling the temperature until the energy ray is irradiated to 20 ° C. or more, the ink can be efficiently polymerized without being hindered by moisture. it can. Accordingly, it is possible to effectively prevent the ink from bleeding on the recording medium and to form a high-quality image. In addition, by adjusting the temperature from the time when the recording medium ink lands on the recording medium to the time when the active energy ray is irradiated to 40 ° C. or less, the recording medium can be thermally shrunk such as a plastic film. Even in the case of a material that is easy to wrinkle, it is possible to prevent wrinkles and curls from occurring on the recording medium.
[0018]
Further, the temperature at which the ink is ejected is adjusted to 30 ° C. or more and 100 ° C. or less, and the temperature at which the ink is ejected is set to the temperature of the portion where the ink lands on the recording medium and the portion where the active energy ray is irradiated. By adjusting the temperature to a higher temperature, the ink can easily be maintained at a temperature at which it can be efficiently cured after the ink has landed on the recording medium to form an ink dot and is irradiated with an active energy ray. As a result, the ink is quickly cured upon being irradiated with the active energy ray, so that the shape of the ink dots can be easily controlled, and it is possible to prevent the ink dots adjacent to each other and having different colors from being mixed. it can. Therefore, an image can be formed on a recording medium with high image quality.
[0019]
The invention according to
[0020]
According to the invention described in
[0021]
Further, by setting the viscosity at the time of ejection to be 8 mPa · s or more and 20 mPa · s or less, it is possible to prevent the ink from being clogged at the ejection port for ejecting the ink and to smoothly eject the ink. Therefore, a high-quality image can be formed with high efficiency.
[0022]
According to a third aspect of the present invention, in the inkjet recording method according to the first or second aspect, the position at which the recording medium is irradiated with the active energy ray and the humidity near the position are adjusted. It is characterized by.
[0023]
According to the third aspect of the invention, by adjusting the position where the recording medium receives the active energy ray and the humidity near the position, when the ink that has landed on the recording medium is irradiated with the active energy ray, Can be efficiently cured without being hindered by moisture. Accordingly, the ink forming the ink dots on the recording medium can be quickly cured without setting the temperature of the recording medium at the time of receiving the irradiation of the active energy rays to be higher than 40 ° C. Therefore, it is possible to prevent wrinkles and curls from occurring on the recording medium, and to form a high-quality image on the recording medium.
[0024]
According to a fourth aspect of the present invention, in the inkjet recording method according to the third aspect, a position where the recording medium is irradiated with the active energy ray and a humidity near the position are 5% or more and 40% or less. It is characterized by being adjusted to.
[0025]
According to the fourth aspect of the present invention, by adjusting the position where the recording medium is irradiated with the active energy ray and the humidity near the position to 5% or more and 40% or less, the ink on the recording medium can be more efficiently used. Can be cured. Therefore, generation of wrinkles and curls on the recording medium can be effectively prevented, and a high-quality image can be formed on the recording medium.
[0026]
The invention according to claim 5 is an ink used in the inkjet recording method according to any one of claims 1 to 4,
The viscosity at 25 ° C. is from 25 mPa · s to 500 mPa · s, and the viscosity at the time of ejection is from 8 mPa · s to 20 mPa · s.
[0027]
According to the fifth aspect of the invention, the same effects as those of the second aspect of the invention can be obtained.
[0028]
According to a sixth aspect of the present invention, the curable ink is ejected toward the recording medium by irradiating the active energy ray onto the recording medium, and the ink lands on the recording medium on which the ink dots are formed. An inkjet printer that performs image formation by irradiating, a recording head having an ejection port that ejects the ink, an irradiation unit that irradiates the recording medium on which the ink has landed with the active energy ray, and the recording medium, A transport unit configured to transport the ink from a position where the ink lands to a position where the active energy ray is irradiated, and an in-head ink heating unit provided in the vicinity of the discharge port, wherein the temperature of the ink at the discharge port is adjusted. A head temperature adjusting mechanism that is provided near the transport path of the transport unit, and is configured to activate the active energy when the ink of the recording medium lands. A medium temperature adjustment mechanism for adjusting the temperature until the irradiation of the line is performed, wherein the ink contains a cationically polymerizable component, and the medium temperature adjustment mechanism is used when the ink of the recording medium lands. To a temperature of 20 ° C. or more and 40 ° C. or less until the irradiation with the active energy ray is performed, and the head temperature adjusting mechanism adjusts the temperature of the ink at the discharge port to 30 ° C. or more and 100 ° C. or less. Wherein the head temperature adjustment mechanism adjusts the temperature of the ink at the ejection port to a temperature higher than a temperature in a region from a portion where the ink lands on the recording medium to a portion where the active energy ray is irradiated on the recording medium. It is characterized by.
[0029]
According to the sixth aspect of the present invention, the temperature from when the ink on the recording medium lands to when the recording medium is irradiated with the active energy ray is adjusted to 20 ° C. or more and 40 ° C. or less by the medium temperature adjusting mechanism provided near the conveying means. The temperature at which the ink is ejected from the ejection port by the head temperature adjustment mechanism is adjusted to 30 ° C. or more and 100 ° C. or less. Further, the head temperature adjustment mechanism adjusts the temperature at which the ink is ejected from the ejection port to a temperature higher than the temperature from when the ink on the recording medium lands to when it is irradiated with active energy rays. Thus, the same effect as the first aspect can be obtained.
[0030]
The invention according to claim 7 is the ink jet printer according to claim 6, wherein the ink has a viscosity at 25 ° C. of 25 mPa · s or more and 500 mPa · s or less, and a viscosity at the time of ejection of 8 mPa · s. It is not less than s and not more than 20 mPa · s.
[0031]
According to the seventh aspect, the same effects as those of the second aspect can be obtained.
[0032]
The invention according to claim 8 is the ink jet printer according to claim 6 or 7, wherein a position on the conveyance path of the recording medium where the recording medium is irradiated with the active energy ray and a vicinity of the position. A humidity adjusting mechanism for adjusting the humidity of the air.
[0033]
According to the eighth aspect of the present invention, the position at which the recording medium is irradiated with the active energy ray and the humidity near the position are adjusted by the humidity adjusting mechanism. Thereby, the same effect as the invention described in
[0034]
According to a ninth aspect of the present invention, in the inkjet printer according to the eighth aspect, the humidity adjustment mechanism includes a position on the conveyance path of the recording medium where the recording medium is irradiated with the active energy ray. The ink jet printer according to claim 8, wherein the humidity near the position is adjusted to 5% or more and 40% or less.
[0035]
According to the ninth aspect of the present invention, the position at which the recording medium is irradiated with the active energy ray and the humidity near the position are adjusted to 5% or more and 40% or less by the humidity adjusting mechanism. Thereby, the same effect as the invention described in claim 4 can be obtained.
[0036]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the inkjet printer of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0037]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part of an ink jet printer for explaining an image forming process on a sheet-shaped recording medium in an easy-to-understand manner.
[0038]
As shown in FIG. 1, the inkjet printer A includes transport rollers (transporting means) 1a and 1b which have a role of transporting a recording medium R such as a sheet of paper or a resin film, and the
[0039]
In this embodiment, an example in which a resin film (thin plastic film) wound in a roll is used as a paper supply source is shown, and this roll-shaped resin film is referred to as a “recording medium R”. Further, the recording medium R is not limited to the above-mentioned roll-shaped resin film but may be, for example, a cut sheet shape. Further, the storage medium may be various kinds of paper, various cloths or nonwoven fabrics. May be. Further, the recording medium R may be made of another material, for example, a metal. Further, the recording medium R is not limited to a sheet shape, but may be a plate shape.
[0040]
As shown in FIG. 1, the
[0041]
The
[0042]
To the
[0043]
The
[0044]
When an image is formed on the recording medium R, UV ink is ejected from the
[0045]
The UV lamp (active energy ray irradiating means) 3 irradiates UV to the image forming surface of the recording medium R to which the UV ink has adhered after the process in the
[0046]
The guide member 4 is a plate-shaped member having a width equal to or larger than the width of the recording medium R. The guide member 4 is arranged to face the
[0047]
Note that, in detail, a portion of the guide member 4 that is disposed to face the
[0048]
By combining the above-described components, the
[0049]
Here, the configuration of the characteristic portion of the present invention will be described.
The ink jet printer A is provided with a medium temperature adjusting mechanism 5, a head temperature adjusting mechanism 6, and a humidity adjusting mechanism 7 shown in FIG.
[0050]
The medium temperature adjusting mechanism 5 controls the temperature of the recording medium R on which an image is formed by the
[0051]
Here, the set temperature set for controlling the temperature of the recording medium R from the time when the UV ink lands to the time when the UV ink is irradiated is determined by factors such as the material and thickness of the recording medium R and the type of UV ink. The range is preferably from 20 ° C. to 40 ° C.
[0052]
When the temperature of the recording medium R from when the UV ink lands to when it is irradiated with ultraviolet rays is lower than 20 ° C., the cation-curable UV ink is hindered from reacting by moisture in the air. Cannot be quickly cured when exposed to ultraviolet radiation. As a result, the shape of the ink dots formed on the recording medium R cannot be controlled, or adjacent ink dots of different colors intermingle with each other, thereby deteriorating the image quality of the image formed on the recording medium R. It becomes.
[0053]
On the other hand, when the temperature of the recording medium R from when the UV ink lands to when it is irradiated with ultraviolet rays is higher than 40 ° C., for example, the recording medium R made of a heat-shrinkable material contracts on the transport path. It becomes wrinkled and curled. In this case, the quality of the printed matter obtained by forming an image on the recording medium R is degraded.
[0054]
As shown in FIG. 2, the medium temperature adjustment mechanism 5 schematically includes a medium
[0055]
The medium
[0056]
During the temperature control, if the temperature of the recording medium R is too high due to heating or if the temperature around the recording medium R is too high, not only the heating function but also the cooling function is provided to the medium temperature adjusting means. It may be provided to control the temperature of the recording medium.
[0057]
The
The
Therefore, the
[0058]
The medium
[0059]
As shown in FIG. 1, the
[0060]
The
[0061]
In the present embodiment, the
[0062]
The
[0063]
The memory 33 includes a storage area for storing various data such as image data formed on the storage medium R, and a work area for temporarily storing programs and data when the
[0064]
The memory 33 stores, in a storage area, detected temperature information output from the media
[0065]
The set temperature may be changed based on a manual change of the set information by the input unit, or the set temperature may be automatically changed by acquiring the set information and other conditions by a sensor or the like.
[0066]
The
[0067]
The
[0068]
Next, the head temperature adjusting mechanism 6 will be described.
The head temperature adjusting mechanism 6 adjusts the temperature of the UV ink at an
[0069]
That is, the head temperature adjustment mechanism 6 controls the temperature of the ink that lands on the recording medium R, the temperature of which is controlled by the medium temperature adjustment mechanism 5, at a temperature at which the ink is efficiently cured by ultraviolet irradiation in the
[0070]
Here, the temperature of the UV
[0071]
When the temperature of the UV ink at the
[0072]
On the other hand, when the temperature at the UV
[0073]
Further, by maintaining the temperature of the UV
[0074]
As shown in FIG. 2, the head temperature adjustment mechanism 6 includes a head temperature adjustment unit (a
[0075]
As shown in FIG. 3 or FIG. 4, the
[0076]
As shown in FIGS. 4A and 4B, the
[0077]
The
[0078]
In the process of guiding the ink from the
[0079]
The
[0080]
In the
[0081]
As described above, when the
[0082]
A head temperature sensor (head temperature detecting means) 19 extends inward from the vicinity of the
[0083]
The
[0084]
The
[0085]
As described above, since the
[0086]
As shown in FIG. 2, the head temperature control means (corresponding to the control unit 30) is composed of an
[0087]
The
[0088]
In the memory 33, various data in ink supply, various control programs and control data related to the operation of each unit of the inkjet printer, and the like are written.
The
[0089]
Next, the humidity control mechanism 7 will be described.
The humidity adjusting mechanism 7 controls the humidity near the region immediately below the
[0090]
Here, the position where the recording medium R is irradiated with ultraviolet rays and the humidity near the position are preferably controlled to 5% or more and 40% or less.
If the recording medium R is irradiated with ultraviolet rays and the humidity near the position is lower than 5%, the components of the ink jet printer A are housed in a highly airtight chassis to control the humidity. Therefore, there arises a problem that the inkjet printer A becomes expensive.
[0091]
On the other hand, when the position where the recording medium R is irradiated with the ultraviolet light and the humidity near the position exceed 40%, there is a problem that the ink that has landed on the recording medium R is not efficiently cured by the irradiation of the ultraviolet light. In order to prevent wrinkles and curls from occurring in the recording medium R, the medium temperature adjusting mechanism 5 adjusts the temperature when the recording medium R is irradiated with ultraviolet rays to 40 ° C. or less.
[0092]
When the UV ink is irradiated with ultraviolet rays at this temperature, the cationically curable UV ink is susceptible to reaction inhibition due to moisture in the air, so that the UV ink cannot be quickly cured in an environment where the humidity exceeds 40%. At this time, a problem arises in that the shape of the ink dots on the recording medium R cannot be controlled, or ink dots of different colors adjacent to each other intersect, so that an image cannot be printed on the recording medium R with high image quality.
[0093]
As shown in FIGS. 1 and 2, the humidity control mechanism 7 includes a
[0094]
The
[0095]
Inside the
The
[0096]
The drying
The
[0097]
The
When an image is formed on the recording medium R by discharging the UV ink from the
[0098]
When the humidity increases and the humidity of the position where the recording medium R is irradiated with the ultraviolet light and the humidity at the position reach the upper limit value at which the ink can be rapidly cured by the irradiation of the ultraviolet light, the
[0099]
After each component is stopped, the
[0100]
In addition, as a method for the
[0101]
Here, the ink used in the inkjet printer will be described. The UV ink is of a cationically curable type as described above, and at least a cationically polymerizable compound which is polymerized and cured by UV irradiation and a cationically polymerizable compound for initiating the polymerization reaction of the cationically polymerizable compound by UV irradiation. It contains a photopolymerization initiator (photoacid generator) and a coloring material for producing a color as an ink. Further, at least a part of well-known various additives used for the cationically curable photocurable resin may be added to the UV ink.
[0102]
Further, in this example, the UV ink is used. However, it is not necessarily limited to the one that is started to be cured by ultraviolet rays, and the one that uses a cationic polymerization initiator that starts polymerization with active energy rays such as active energy rays and electromagnetic waves. Is also good. That is, the active energy ray is basically an electromagnetic wave including light such as ultraviolet light, infrared light, and visible light (the initiator which absorbs visible light has a color, which is less preferable). In recent years, electron beam-curable inks have been developed, and an electron beam may be used as an active energy beam. As described above, in this example, a case where ultraviolet rays are used as energy rays is described as an example.
[0103]
Further, the ink applied to the ink jet recording method and the ink jet printer according to the present invention has a viscosity at 25 ° C. of 25 mPa · s or more and 500 mPa · s or less, and a viscosity at the time of ejection of 8 mPa · s or more and 20 mPa · s. It is preferable that the composition is as follows.
[0104]
When the viscosity of the ink at 25 ° C. is less than 25 mPa · s, the ink ejected from the
[0105]
If the viscosity at the time when the ink is ejected is less than 8 mPa · s, the ink drips from the
[0106]
Various known cationically polymerizable monomers can be used as the photocationically polymerizable compound. For example, epoxy compounds exemplified in JP-A-6-9714, JP-A-2001-31892, JP-A-2001-40068, JP-A-2001-55507, JP-A-2001-310938, JP-A-2001-310937, and JP-A-2001-220526. , Vinyl ether compounds, oxetane compounds and the like.
[0107]
Preferred as aromatic epoxides are di- or polyglycidyl ethers produced by the reaction of a polyhydric phenol having at least one aromatic nucleus or an alkylene oxide adduct thereof with epichlorohydrin, such as bisphenol A or its alkylene oxide. Examples thereof include di- or polyglycidyl ether of an adduct, di- or polyglycidyl ether of a hydrogenated bisphenol A or an alkylene oxide adduct thereof, and a novolak-type epoxy resin. Here, examples of the alkylene oxide include ethylene oxide and propylene oxide.
[0108]
The alicyclic epoxide is obtained by epoxidizing a compound having a cycloalkane ring such as at least one cyclohexene or cyclopentene ring with a suitable oxidizing agent such as hydrogen peroxide or peracid. Compounds containing cyclohexene oxide or cyclopentene oxide are preferred.
[0109]
Preferred examples of the aliphatic epoxide include di- or polyglycidyl ether of an aliphatic polyhydric alcohol or an alkylene oxide adduct thereof, and typical examples thereof include diglycidyl ether of ethylene glycol, diglycidyl ether of propylene glycol and Diglycidyl ethers of alkylene glycols such as diglycidyl ether of 1,6-hexanediol, polyglycidyl ethers of polyhydric alcohols such as di- or triglycidyl ether of glycerin or alkylene oxide adduct thereof, polyethylene glycol or alkylene oxide adduct thereof Of polyalkylene glycols such as diglycidyl ethers of polypropylene glycol or diglycidyl ether of an alkylene oxide adduct thereof Glycidyl ether, and the like. Here, examples of the alkylene oxide include ethylene oxide and propylene oxide.
[0110]
Among these epoxides, in consideration of the rapid curing property, an aromatic epoxide and an alicyclic epoxide are preferable, and an alicyclic epoxide is particularly preferable. In the present invention, one of the above epoxides may be used alone, or two or more may be used in appropriate combination.
[0111]
As the vinyl ether compound, for example, ethylene glycol divinyl ether, diethylene glycol divinyl ether, triethylene glycol divinyl ether, propylene glycol divinyl ether, dipropylene glycol divinyl ether, butanediol divinyl ether, hexanediol divinyl ether, cyclohexane dimethanol divinyl ether, trimethylol Di or trivinyl ether compounds such as propane trivinyl ether, ethyl vinyl ether, n-butyl vinyl ether, isobutyl vinyl ether, octadecyl vinyl ether, cyclohexyl vinyl ether, hydroxybutyl vinyl ether, 2-ethylhexyl vinyl ether, cyclohexane dimethanol monovinyl ether, n-pro Vinyl ether, isopropyl vinyl ether, isopropenyl ether -O- propylene carbonate, dodecyl vinyl ether, diethylene glycol monovinyl ether, and octadecyl vinyl ether.
[0112]
Among these vinyl ether compounds, di- or trivinyl ether compounds are preferable, and divinyl ether compounds are particularly preferable in consideration of curability, adhesion, and surface hardness. In the present invention, one of the above vinyl ether compounds may be used alone, or two or more thereof may be used in an appropriate combination.
[0113]
The oxetane compound used in the present invention is a compound having an oxetane ring, and any known oxetane compound as disclosed in JP-A-2001-220526 and JP-A-2001-310937 can be used.
[0114]
When a compound having five or more oxetane rings is used, the viscosity of the composition becomes high, which makes it difficult to handle, and the glass transition temperature of the composition becomes high, so that the obtained cured product has sufficient tackiness. Will be gone. The compound having an oxetane ring used in the present invention is preferably a compound having 1 to 4 oxetane rings.
Examples of the compound having one oxetane ring include a compound represented by the following general formula (1).
[0115]
Embedded image
[0116]
In the formula (1), R1Is a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group, a fluoroalkyl group having 1 to 6 carbon atoms, an allyl group, an aryl group, a furyl group or a thienyl group. It is. R2Is an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group, a 1-propenyl group, a 2-propenyl group, a 2-methyl-1-propenyl group, a 2-methyl-2- Aromatic ring such as alkenyl group having 2 to 6 carbon atoms such as propenyl group, 1-butenyl group, 2-butenyl group or 3-butenyl group, phenyl group, benzyl group, fluorobenzyl group, methoxybenzyl group or phenoxyethyl group Or an alkoxycarbonyl group having 2 to 6 carbon atoms such as an alkylcarbonyl group having 2 to 6 carbon atoms such as an ethylcarbonyl group, a propylcarbonyl group or a butylcarbonyl group, an ethoxycarbonyl group, a propoxycarbonyl group or a butoxycarbonyl group. Group, ethylcarbamoyl group, propylcarbamoyl group, butylcarbamoyl group or Carbons 2-6, such as Chi carbamoyl group is N- alkylcarbamoyl group. As the oxetane compound used in the present invention, it is particularly preferable to use a compound having one oxetane ring, since the resulting composition has excellent tackiness, low viscosity and excellent workability.
[0117]
Next, examples of the compound having two oxetane rings include a compound represented by the following general formula (2).
Embedded image
In the formula (2), R1Is the same group as in the general formula (1). R3Is, for example, a linear or branched alkylene group such as an ethylene group, a propylene group or a butylene group, or a linear or branched poly (alkyleneoxy) group such as a poly (ethyleneoxy) group or a poly (propyleneoxy) group. , Linear or branched unsaturated hydrocarbon groups such as propenylene group, methylpropenylene group or butenylene group, carbonyl group, alkylene group containing carbonyl group, alkylene group containing carboxyl group, alkylene group containing carbamoyl group, etc. It is.
[0118]
Also, R3Is also a polyvalent group selected from the groups represented by the following formulas (3), (4) and (5).
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In equation (3), R4Is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms such as a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group, or an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms such as a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group or a butoxy group. , A halogen atom such as a chlorine atom or a bromine atom, a nitro group, a cyano group, a mercapto group, a lower alkylcarboxyl group, a carboxyl group, or a carbamoyl group.
[0119]
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In the formula (4), R5Represents an oxygen atom, a sulfur atom, a methylene group, NH, SO, SO2, C (CF3)2Or C (CH3)2It is.
[0120]
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In the formula (5), R6Is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group, or an aryl group. n is an integer of 0 to 2000. R7Is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group, or an aryl group.
[0121]
R7Is also a group selected from the group represented by the following formula (6).
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In equation (6), R8Is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group and a butyl group, or an aryl group. m is an integer of 0 to 100.
[0122]
Specific examples of the compound having two oxetane rings include compounds represented by the following formulas (7) and (8).
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The compound represented by the formula (7) is a compound represented by the formula (2)1Is an ethyl group, R3Is a carboxyl group.
[0123]
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The compound represented by the formula (8) is a compound represented by the formula (2)1Is an ethyl group, and R3 is a group represented by the formula (5)6And R7Is a methyl group, and n is a substituent which is 1.
[0124]
Among the compounds having two oxetane rings, preferred examples other than the above-mentioned compounds include compounds represented by the following general formula (9). In equation (9), R1Is the same group as in the general formula (1).
Embedded image
[0125]
Examples of the compound having 3 to 4 oxetane rings include a compound represented by the following general formula (10).
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In the formula (10), R1Is the same group as in the general formula (1). R9Is, for example, a branched alkylene group having 1 to 12 carbon atoms such as groups represented by the following formulas (11) to (13), or a branched poly (alkyleneoxy) group such as a group represented by the following formula (14) Or a branched polysiloxy group such as a group represented by the following formula (15). j is 3 or 4.
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In the formula (11), R10Is a lower alkyl group such as a methyl group, an ethyl group or a propyl group.
[0126]
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In the formula (14), 1 is an integer of 1 to 10.
[0127]
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Specific examples of the compound having 3 to 4 oxetane rings include a compound represented by the following formula (16).
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[0128]
Further, examples of the compound having 1 to 4 oxetane rings other than those described above include a compound represented by the following formula (17).
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In equation (17), R8Is the same group as in formula (6). R11Is an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms such as a methyl group, an ethyl group, a propyl group or a butyl group or a trialkylsilyl group, and r is 1 to 4.
[0129]
Preferred specific examples of the oxetane compound used in the present invention include the following compounds.
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[0130]
The method for producing the compound having an oxetane ring is not particularly limited, and may be a conventionally known method. The above production method includes, for example, a method of synthesizing an oxetane ring from a diol, which is disclosed by Pattyson (DB Pattison, J. Am. Chem. Soc., 3455, 79 (1957)). Other than these, compounds having a high molecular weight of about 1,000 to 5,000 and having 1 to 4 oxetane rings are also exemplified.
[0131]
Examples of these include the following compounds.
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Here, p is 20 to 200.
[0132]
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Here, q is 15 to 100.
[0133]
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Here, s is 20 to 200.
[0134]
In the present invention, at least one oxetane compound as a photopolymerizable compound and at least one compound selected from an epoxy compound and a vinyl ether compound are contained for the purpose of suppressing shrinkage of the recording medium R upon curing of the ink. Is preferred.
[0135]
As the above-mentioned cationic photopolymerization initiator, for example, a chemical amplification type photoresist or a compound used for photocationic polymerization is used (Organic Materials Research Society, "Organic Materials for Imaging", Bunshin Publishing Co., Ltd.). (1993), pp. 187-192). Examples of compounds suitable for the present invention are given below. First, B (C) of an aromatic onium compound such as diazonium, ammonium, iodonium, sulfonium, and phosphonium is used.6F5)4 −, PF6 −, AsF6 −, SbF6 −, CF3SO3 −Salts may be mentioned. Those having a borate compound as a counter anion are preferable because of high acid generating ability. Specific examples of the onium compound are shown below.
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[0136]
Secondly, a sulfonate that generates sulfonic acid can be mentioned. Specific compounds are exemplified below.
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[0137]
Third, halides that photogenerate hydrogen halides can also be used. Specific compounds are shown below.
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[0138]
Fourth, an iron allene complex can be mentioned.
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[0139]
The ink of the present invention contains, for the first time, an acid proliferating agent that newly generates an acid by an acid generated by irradiation with active energy rays, which is disclosed in JP-A-8-248561 and JP-A-9-034106. Is preferred. The use of the acid breeding agent makes it possible to further improve ejection stability.
[0140]
The ink according to the present invention preferably contains at least one photoacid generator selected from aromatic onium compounds of diazonium, iodonium or sulfonium having an aryl borate compound as a counter ion, and iron arene complexes.
[0141]
As the above-mentioned coloring material, a coloring material that can be dissolved or dispersed in the main component of the polymerizable compound can be used, but a pigment is preferable in terms of weather resistance.
Pigments that can be preferably used in the present invention are listed below.
C. I \ Pigment \ Yellow-1, 3, 12, 13, 14, 17, 81, 83, 87, 95, 109, 42,
C. I Pigment Orange-16, 36, 38,
C. Pigment Red-5, 22, 38, 48: 1, 48: 2, 48: 4, 49: 1, 53: 1, 57: 1, 63: 1, 144, 146, 185, 101,
C. I Pigment Violet-19, 23,
C. I \ Pigment \ Blue-15: 1, 15: 3, 15: 4, 18, 60, 27, 29,
C. I Pigment Green-7, 36,
C. I \ Pigment \ White-6, 18, 21,
C. I Pigment Black-7,
[0142]
Further, in the present invention, it is preferable to use a white ink in order to improve the color concealing property on a transparent substrate such as a plastic film. In particular, it is preferable to use white ink in the formation of a soft package image or a label image. However, since the ejection amount is large, the white ink is naturally used from the viewpoint of the ejection stability and the occurrence of curling and wrinkling of the recording medium R described above. There are restrictions on the amount.
[0143]
For dispersion of the pigment, for example, a ball mill, a sand mill, an attritor, a roll mill, an agitator, a Henschel mixer, a colloid mill, an ultrasonic homogenizer, a pearl mill, a wet jet mill, a paint shaker, and the like can be used. In dispersing the pigment, a dispersant may be added. As the dispersant, a polymer dispersant is preferably used, and as the polymer dispersant, Solsperse series of Avecia is mentioned.
[0144]
In addition, as a dispersing aid, a synergist corresponding to various pigments can be used. These dispersants and dispersing aids are preferably added in an amount of 1 to 50 parts by mass based on 100 parts by mass of the pigment. The dispersing medium is performed using a solvent or a polymerizable compound. However, in the case of the radiation-curable ink used in the present invention, it is preferable to use no solvent in order to react and cure immediately after the ink lands. If the solvent remains in the cured image, problems such as deterioration of the solvent resistance and VOC of the remaining solvent occur. Therefore, it is preferable from the viewpoint of dispersibility that the dispersion medium is not a solvent but a polymerizable compound, and among them, a monomer having the lowest viscosity is selected.
[0145]
The pigment is dispersed preferably such that the average particle size of the pigment particles is 0.08 to 0.5 μm, and the maximum particle size is 0.3 to 10 μm, preferably 0.3 to 3 μm. The selection of the dispersion medium, the dispersion conditions, and the filtration conditions are appropriately set. By controlling the particle size, clogging of the head nozzle can be suppressed, and the storage stability of the ink, the transparency of the ink, and the curing sensitivity can be maintained.
In the ink according to the present invention, the colorant concentration is preferably 1% by mass to 10% by mass of the whole ink.
[0146]
Various additives other than those described above can be used in the ink according to the present invention. For example, in order to improve the storage stability of the ink composition, a polymerization inhibitor can be added in an amount of 200 to 20,000 ppm. Since it is preferable that the ultraviolet curable ink is heated and reduced in viscosity before ejection, it is preferable to add a polymerization inhibitor in order to prevent head clogging due to thermal polymerization. In addition, if necessary, surfactants, leveling additives, matting agents, polyester resins for adjusting film properties, polyurethane resins, vinyl resins, acrylic resins, rubber resins, waxes, etc. Can be added.
[0147]
In order to improve the adhesion to the recording medium R, it is also effective to add a trace amount of an organic solvent. In this case, the addition is effective within a range that does not cause a problem of solvent resistance and VOC (volatile organic compound), and the amount of use is 0.1 to 5%, preferably 0.1 to 3%. %. It is also possible to combine a radical polymerizable monomer and an initiator to obtain a radical-cation hybrid cured ink.
[0148]
The above-described UV ink is ejected and drawn on the recording medium R by an ink jet recording method, and then the ink is cured by irradiating ultraviolet rays (active energy rays).
Here, the total ink film thickness after the ink lands and is cured by irradiating ultraviolet rays is preferably 2 to 20 μm. In the field of screen image formation, the total ink film thickness is over 20 μm at present, but in the field of flexible packaging image formation where the recording medium R is often a thin plastic material, the curl It cannot be used not only because of the problem of wrinkles but also because of the problem that the stiffness and texture of the entire image-formed product change.
[0149]
As for the ink ejection conditions, it is preferable that the recording head and the ink are heated to 30 to 100 ° C. and ejected from the viewpoint of ejection stability. Active energy ray-curable inks have large fluctuations in viscosity due to temperature fluctuations, and fluctuations in viscosity directly affect the droplet size and droplet ejection speed, causing image quality degradation. It is necessary to keep it. The control range of the ink temperature is set temperature ± 5 ° C., preferably set temperature ± 2 ° C., and more preferably set temperature ± 1 ° C.
[0150]
In the present invention, it is preferable that the amount of liquid droplets ejected from each nozzle is 2 to 15 pl. In order to form a high-definition image, it is necessary that the droplet amount is within this range. However, in the case of discharging with this droplet amount, the above-described discharge stability becomes particularly severe, and an acid multiplying agent is essential. Become.
[0151]
In the image recording method of the present invention, as the irradiation condition of the generated light beam, it is preferable that ultraviolet light is irradiated during 0.001 to 2.0 seconds after the ink has landed, more preferably 0.001 to 1.0 seconds. It is. In order to form a high-definition image, it is particularly important that the irradiation timing is as early as possible.
[0152]
A basic method of irradiating light (ultraviolet light) is disclosed in JP-A-60-132767. According to this, light sources are provided on both sides of the head unit, and the head and the light source are scanned in a shuttle system. Irradiation is performed at a fixed time after the ink has landed. Further, the curing is completed by another light source without driving. U.S. Pat. No. 6,145,979 discloses a method using an optical fiber or a method in which a collimated light source is applied to a mirror provided on a side surface of a head unit to irradiate a recording unit with ultraviolet rays. . In the image forming method of the present invention, any of these irradiation methods can be used.
[0153]
Further, a method of irradiating ultraviolet rays into two stages, first irradiating ultraviolet rays by 0.001 to 2.0 seconds after landing of the ink by the above-described method, and further irradiating active energy rays after completion of all printing. Is also one of the preferred embodiments. By dividing the irradiation of the ultraviolet light into two stages, it is possible to further suppress the contraction of the recording medium R that occurs when the ink is cured.
[0154]
In the present invention, it is preferable to use ultraviolet rays having a low illuminance of 0.1 to 50 mW / cm2 in the wavelength range effective for curing. Conventionally, in a UV inkjet system, the maximum illuminance in a wavelength region effective for curing is 50 mW / cm in order to suppress dot spread and bleeding after ink landing.2In general, a light source with a high illuminance of more than is used. However, when these light sources are used, particularly in the case of a shrink label or the like, the contraction of the recording medium R is so large that it cannot be practically used. In the present invention, by using an acid multiplying agent, the maximum illuminance in a wavelength range effective for curing is 0.1 to 50 mW / cm.2Even when ultraviolet light having a low illuminance is used, a high-definition image can be formed and the recording medium R does not shrink.
[0155]
Examples of the light source used for ultraviolet irradiation include, but are not limited to, a low-pressure mercury lamp, a UV laser, a xenon flash lamp, an insect lamp, a black light, a germicidal lamp, a cold cathode tube, and an LED.
In the present invention, the maximum illuminance in the wavelength range effective for curing is 50 to 3000 mW / cm.2It is also effective to use ultraviolet rays. Although it is a high illuminance light source used for conventional UV inkjet recording, there is a problem of shrinkage of the recording medium R as described above, and practically UV inkjet recording has not been used in the field of soft packaging image formation / label image formation. According to the configuration of the present invention, this problem is solved, and a high-definition image can be formed on various plastic films using a conventionally used high-illuminance light source. Examples of the light source include, but are not limited to, a high-pressure mercury lamp, a metal halide lamp, and an electrodeless UV lamp.
[0156]
As the recording medium R that can be used in the present invention, in addition to ordinary uncoated paper, coated paper, etc., various non-absorbable plastics and films thereof used for so-called soft packaging can be used. Are, for example, PET (polyethylene terephthalate) film, OPS (stretched polystyrene) film, OPP (stretched polypropylene) film, ONy (stretched nylon) film, PVC (stretched polyvinyl chloride) film, PE (polyethylene) film, TAC (tril. Acetylcellulose) film. As other plastics, polycarbonate, acrylic resin, ABS (acrylonitrile-butadiene-styrene), polyacetal, PVA (polyvinyl alcohol), rubbers and the like can be used.
[0157]
Further, the present invention can be applied to metals and glasses. Among these recording media R, the configuration of the present invention is particularly effective when an image is formed on a PET film, an OPS film, an OPP film, an ONy film, or a PVC film that can be shrunk by heat. These base materials not only tend to curl and deform the film due to the curing shrinkage of the ink and the heat generated during the curing reaction, but also make it difficult for the ink film to follow the shrinkage of the base material.
[0158]
The surface energies of these various plastic films are greatly different, and there has conventionally been a problem that the dot diameter after ink landing varies depending on the recording medium R. In the configuration of the present invention, a good high-definition image is formed on a wide range of recording media R having a surface energy of 35 to 60 mN / m, including an OPP film having a low surface energy, an OPS film, and a PET having a relatively large surface energy. it can.
[0159]
In the present invention, it is better to use a long (web) recording medium R in terms of the cost of the recording medium R such as packaging cost and production cost, the production efficiency of prints, and the ability to cope with prints of various sizes. It is advantageous.
[0160]
Next, the operation of the inkjet printer A of the present invention will be described.
In an ink jet printer, an image can be formed by setting an ink cartridge, a recording medium R, and the like, and turning on the power.
When the ink is supplied from the ink cartridge, the
[0161]
Next, the operation from when the recording medium R is fed to when it is discharged will be described.
First, here, setting information is entered into input means 53 such as an operation panel and a keyboard by a manual operation of the operator. In this case, the setting information is information on the properties of the recording medium R such as a form: a roll-shaped film, a material: PET, and a thickness: 0.05 mm. Thus, the
[0162]
In the inkjet printer A, the leading end of the recording medium R set on a spindle (not shown) is guided to the
[0163]
The aligned recording medium R is transported to the
[0164]
Then, the
[0165]
When it is determined that the temperature of the recording medium R does not need to be increased or decreased according to the calculation result, the
[0166]
In this manner, the medium temperature adjustment mechanism 5 determines the temperature from the time the ink on the recording medium R lands to the time the ink is irradiated with ultraviolet light based on the temperature information detected by the medium temperature detection means 52. It is controlled to cure quickly by irradiation.
[0167]
Subsequently, in a state where the temperature is controlled by the medium temperature adjusting mechanism 5, the recording medium R is supported on the non-image forming surface side by the guide member 4, is guided in the transport direction F, and is transported on the transport path. Although the non-image forming surface side of the recording medium R is supported by the guide member 4, the recording medium R is in a state of being sucked and held by the
[0168]
Then, an image is formed by the
[0169]
Subsequently, the recording medium R conveyed immediately below the
[0170]
During the image formation by the inkjet printer A, the temperature of the ink at the
[0171]
During image formation by the inkjet printer A, air whose humidity has been reduced by the desiccant is supplied to the space between the
[0172]
In this embodiment, the head temperature adjusting means 61 of the head temperature adjusting mechanism 6, the medium temperature adjusting means 51 of the medium temperature adjusting mechanism 5, and the humidity adjusting means 72, 73 of the humidity adjusting mechanism 7, all have common control. It is composed of devices. As a result, the number of components of the ink jet printer can be reduced, and the temperature control of the UV ink in the head, the temperature control of the recording medium before UV irradiation, and the UV ink Humidity control can be performed at the irradiation place.
[0173]
Next, an example of the inkjet printer 1 according to the above-described embodiment will be described.
[0174]
[First embodiment]
In the first embodiment, high illuminance (550 to 700 mW / cm2) Was performed to cure the UV ink on the recording medium R.
[0175]
In the first embodiment, first, dark black (K), dark cyan (C), dark magenta (M), dark yellow (Y), light black (Lk), light cyan (Lc), dark magenta (Lm), Each light yellow (Ly) ink was prepared with the compositions shown in Tables 1 to 3 to obtain Ink Compositions 1 to 3.
[0176]
[Table 1]
[Table 2]
[Table 3]
[0177]
Here, in Table 1, the initiator 1 is a borate salt of a sulfonium ion represented by the chemical formula (24). In Table 2, the thermal base 1 is a borate salt of an ammonium ion represented by the chemical formula (25), and the
[0178]
Embedded image
[0179]
Using ink compositions 1 to 3 as inks, an image was formed on a recording medium R by an inkjet printer A. In the ink jet printer A, an ink supply system for supplying UV ink to the
[0180]
The
[0181]
As shown in Table 4, the recording medium R has a width of 600 mm and a length of 1000 mm made of a non-ink-absorbing material such as OPP, ONy, PET, PVC, and OPS, and an ink-absorbing material such as cast-coated paper and Japanese paper. A long recording material was used. The
[0182]
In order to form an image on each sample (Sample Nos. 1 to 30), the image forming
[0183]
[Table 4]
[0184]
Table 5 summarizes the results of image evaluation for each sample after image formation. In Table 5, legends for each evaluation item are as follows. When the total ink film thickness of each sample was measured, the range of the total ink film thickness was 2.3 to 13 μm.
[0185]
[Table 5]
[0186]
In Table 5, "character quality" was evaluated by printing a 6-point MS Mincho in Y, M, C, and K colors on the recording medium R and then enlarging the loupe with a loupe to evaluate the roughness of the printed character. Among the evaluations, は indicates “no roughness”. ○ indicates “slightly rough”. The symbol Δ indicates “there is a rough but readable character. The level is almost at the limit of practical use”. X indicates "Grassiness is severe, characters are faint and unreadable".
[0187]
The “color mixture (bleeding)” was evaluated by visually observing adjacent color ink dots with a magnifying glass and visually observing. Of the evaluations, ◎ indicates “adjacent dots keep a perfect circle and no bleeding”. ○ indicates that “adjacent dots keep a perfect circle and have almost no bleeding”. The symbol Δ indicates “adjacent dots are slightly blurred and the dot shape is distorted, but the level is just barely practical”. X indicates “a level that is not practical because adjacent dots are blurred and intermingled”.
[0188]
“Wrinkles and curls of printed matter” were evaluated by visually observing the printed matter by hand immediately after image formation. ○ indicates “good”. Δ indicates “Somewhat good, just before practical use”. × indicates “bad”.
[0189]
According to Table 5, the sample No. in which the recording medium temperature (the temperature from when the ink of the recording medium R lands to when it receives ultraviolet irradiation) is set to 10 ° C. In items 1 to 6, the items of “printed material wrinkles and curls” were all evaluated as “○”, but in the items of “character quality” and “color mixture (bleeding)”, there were many evaluations of “△” or less, especially “color mixture (bleeding)”. ) ", Half of them were evaluated as x.
[0190]
Sample No. 1 in which the recording medium temperature was set to 50 ° C. In 7 to 12, some of the items of “character quality” and “color mixture (bleeding)” were evaluated as “○”, but more than half of them were evaluated as “△” or less. In addition, in the item of “printed material wrinkles and curls”, all cases where the plastic material was applied to the recording medium R were evaluated as x.
[0191]
On the other hand, when the recording medium temperature was set to 35 ° C., Sample No. 13 to 30, all of the “character quality” and “color mixture (bleeding)” were evaluated as ◎ or 、, and “printed wrinkles and curls” were all evaluated as ○.
[0192]
According to the result of the first embodiment, in the ink jet recording method and the ink jet printer according to the present invention, the temperature from when the ink of the recording medium R lands to the time when the recording medium R is irradiated with the ultraviolet light is set to the temperature when the UV ink is ejected (60). (° C.) and 35 ° C. which is 20 ° C. or more and 40 ° C. or less, and it was found that an image could be formed on the recording medium R with high image quality. Further, it is found that by setting the temperature of the recording medium as described above, it is possible to form an image with high image quality even on the recording medium R made of a heat-shrinkable material without causing wrinkles or curls in printed matter. Was.
[0193]
[Second embodiment]
In the second embodiment, low illuminance (2.5 to 15 mW / cm2) Was performed to cure the UV ink on the recording medium R.
[0194]
In the second embodiment, first, dark black (K), dark cyan (C), dark magenta (M), dark yellow (Y), white (W), light black (Lk), light cyan (Lc), dark Magenta (Lm) and pale yellow (Ly) inks were prepared with the compositions shown in Tables 6 to 8 to obtain Ink Compositions 4 to 6.
[0195]
[Table 6]
[Table 7]
[Table 8]
[0196]
Here, in Table 7, the compound 1 is a sulfonated product represented by the chemical formula (28), and the
[0197]
Embedded image
[0198]
Using ink compositions 4 to 6 as inks, an image was formed on recording medium R by inkjet printer A. In the ink jet printer A, an ink supply system for supplying UV ink to the
[0199]
The
[0200]
As shown in Table 9, a long recording material made of a non-ink-absorbing material such as OPP, ONy, PET, shrink PVC, shrink OPS, and YUPO adhesive paper was used as the recording medium R, as shown in Table 9. . The
[0201]
In order to form an image on each sample (Sample Nos. 1 to 30), the image forming
[0202]
[Table 9]
[0203]
Table 10 summarizes the results of image evaluation for each sample after image formation. In Table 10, legends for each evaluation item are common to those in Table 5. When the total ink film thickness of each sample was measured, the range of the total ink film thickness was 2.3 to 13 μm.
[0204]
[Table 10]
[0205]
According to Table 10, the recording medium temperature (the temperature from the time when the ink of the recording medium R lands to the time when it is irradiated with ultraviolet rays) is set to 10 ° C., and the sample No. In items 1 to 6, “wrinkled prints and curls” were all evaluated as “○”, but “character quality” and “color mixture (bleeding)” were evaluated as “△” and “character quality” in 6 items. In four of the examples, and in "color mixture (bleeding)", three of the six cases were evaluated as x.
[0206]
Sample No. 1 in which the recording medium temperature was set to 50 ° C. In 7 to 12, more than half of the items of “character quality” and “color mixture (bleeding)” were evaluated as ○, and the rest were evaluated as Δ. In addition, in the item of “printed material wrinkles and curls”, all the examples were evaluated as Δ or less, and two examples were evaluated as x.
[0207]
On the other hand, when the recording medium temperature was set to 35 ° C., Sample No. 13 to 30, all of the “character quality” and “color mixture (bleeding)” were evaluated as ◎ or 、, and “printed wrinkles and curls” were all evaluated as ○.
[0208]
According to the result of the second embodiment, in the ink jet recording method and the ink jet printer according to the present invention, the temperature from the time when the ink on the recording medium R lands to the time when the ultraviolet ray is irradiated is set to the temperature when the UV ink is ejected (60). C), and the image formation was performed at a temperature of 35 ° C., which is 20 ° C. to 40 ° C., so that the irradiation energy was 20 to 45 mJ / cm.2It was found that an image could be formed on the recording medium R with high image quality even when the image quality was low. Further, it is found that by setting the temperature of the recording medium as described above, it is possible to form an image with high image quality even on the recording medium R made of a heat-shrinkable material without causing wrinkles or curls in printed matter. Was.
[0209]
As described above, in the inkjet printer A in which the image is formed with the cationic polymerizable UV ink, the temperature of the UV ink when ejected from the
[0210]
In particular, by adjusting the temperature of the UV ink when ejected from the
[0211]
Also, by setting the temperature from the time when the UV ink lands on the recording medium R to the time when the ultraviolet ray is irradiated on the recording medium R to 40 ° C. or less, even when an image is formed on the recording medium R made of a heat-stretchable material, In addition, it is possible to form an image on the recording medium R with high image quality without causing wrinkles and curls on the recording medium R.
[0212]
Further, the humidity adjustment mechanism 7 adjusts the humidity at which the recording medium R is irradiated with the ultraviolet light and the vicinity of the position to 5% or more and 40% or less, so that when the UV ink is irradiated with the ultraviolet light, Inhibition of curing can be prevented. Therefore, the UV ink on the recording medium R can be efficiently cured even under a relatively low temperature condition of 40 ° C. or less. This makes it possible to form an image on the recording medium R with extremely high image quality without generating wrinkles or curls on the recording medium R.
[0213]
It should be noted that the embodiments disclosed this time are illustrative in all aspects and not restrictive. The scope of the present invention is defined by the terms of the claims, rather than the description above, and is intended to include any modifications within the scope and meaning equivalent to the terms of the claims.
[0214]
The ink-jet recording method and the ink-jet printer according to the present invention are not limited to those using an ink that is cured by ultraviolet rays. As long as it is a cationic polymerizable ink, an ink that is cured by an electromagnetic wave such as an electron beam, an infrared ray, or a visible light beam in addition to ultraviolet rays may be used as the active energy ray.
[0215]
Further, the media temperature adjustment mechanism applied to the inkjet printer according to the present invention is not limited to the above-described example.
Here, a modified example of the medium temperature adjusting mechanism 5 will be described with reference to FIGS. In detail, in the modified examples shown in FIGS. 5 and 6, at least one of the medium temperature adjusting means 51 and the medium temperature detecting means 52 shown in FIG. 2 is different, and the other components are the same as those in the above example. . Therefore, these components are denoted by the same reference numerals as in the above example, and detailed description is omitted.
[0216]
As shown in FIG. 5, a heating / cooling system using a Peltier element as the medium temperature adjusting means 51 is applied. This heating / cooling system includes Peltier device built-in
[0219]
In the embodiment of FIG. 5, a
[0218]
Further, as shown in FIG. 6, a heating system using a
[0219]
Therefore, in this case, based on the temperature information detected by the
[0220]
As described above, the modifications shown in FIGS. 5 and 6 have the same effects as those of the above-described example shown in FIG. In the examples shown in FIGS. 1, 5 and 6, since the temperature of the recording medium R is controlled to 40 ° C. or lower by the medium temperature adjusting mechanism 5, the temperature of the recording medium R is increased by UV irradiation. Can be suppressed, and the recording medium R can be prevented from being deteriorated.
[0221]
In the examples shown in FIGS. 1, 5 and 6, the medium temperature adjusting means 51 is provided at a position on the upstream side of the
[0222]
Also, here, as in a
[0223]
【The invention's effect】
According to the present invention, an image can be formed on a recording medium with high image quality without being affected by moisture, even when a cationically polymerizable ink that is easily affected by moisture is used. In addition, even when a heat-shrinkable material is applied to a recording medium, an image can be formed with high image quality without causing wrinkling or curling of the recording medium.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a main part side view schematically showing an inkjet printer A according to the present invention.
FIG. 2 is a main block diagram schematically illustrating an inkjet printer A.
FIG. 3 is a perspective view of a
FIGS. 4A and 4B are a front sectional view and a side sectional view of a
FIG. 5 is a main part side view showing another embodiment of the ink jet printer A.
FIG. 6 is a main part side view showing another embodiment of the ink jet printer A.
[Explanation of symbols]
5 Media temperature control mechanism
6 Head temperature adjustment mechanism
7 Humidity control mechanism
15 outlet
21 recording head
30 control unit
31 interface
32 CPU
33 memory
51 ° temperature control means
52 ° temperature detecting means
61 Head temperature adjustment means
71 air duct
72 fan
73 drying column
73a activation heater
74 humidity sensor
A inkjet printer
R recording medium
Claims (9)
前記記録媒体は、前記インクが着弾する位置から前記活性エネルギ線の照射を受ける位置まで搬送され、
前記インクは、カチオン重合性成分を含有し、
前記インクの吐出される時の温度は、30℃以上100℃以下に調節され、且つ前記記録媒体の前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度は20℃以上40℃以下に調節されるとともに、
前記インクの吐出される時の温度は、前記記録媒体は前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度よりも高い温度に調節されることを特徴とするインクジェット記録方法。An ink jet recording method for ejecting an ink curable by irradiation of an active energy ray toward a recording medium, and irradiating the active energy ray on the recording medium on which the ink has landed to form an image, comprising:
The recording medium is transported from a position where the ink lands to a position where the active energy ray is irradiated,
The ink contains a cationically polymerizable component,
The temperature at which the ink is ejected is adjusted to 30 ° C. or more and 100 ° C. or less, and the temperature from the time when the ink lands on the recording medium to the time when the active energy ray is irradiated is 20 ° C. to 40 ° C. ℃ or less,
An ink jet recording method, wherein a temperature at which the ink is ejected is adjusted to a temperature higher than a temperature from a time when the ink lands to a time when the ink is irradiated with the active energy ray. .
25℃における粘度が25mPa・s以上500mPa・s以下であるとともに、吐出される時の粘度が8mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴とするインク。An ink used in the inkjet recording method according to any one of claims 1 to 4,
An ink having a viscosity at 25 ° C. of 25 mPa · s or more and 500 mPa · s or less, and a viscosity at the time of ejection of 8 mPa · s or more and 20 mPa · s or less.
前記インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドと、
前記インクが着弾した記録媒体に前記活性エネルギ線を照射する照射手段と、前記記録媒体を、前記インクが着弾する位置から前記活性エネルギ線の照射を受ける位置まで搬送する搬送手段と、
前記吐出口近傍に設けられたヘッド内インク加熱手段を有し、前記吐出口における前記インクの温度を調節するヘッド温度調節機構と、
前記記録媒体の搬送経路近傍に設けられ、前記記録媒体の前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度を調節するメディア温度調節機構と、を備え、
前記インクは、カチオン重合性成分を含有し、
前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の前記インクが着弾する時から前記活性エネルギ線の照射を受ける時までの温度を20℃以上40℃以下に調節し、且つ前記ヘッド温度調節機構は、前記吐出口におけるインクの温度を30℃以上100℃以下に調節するとともに、
前記ヘッド温度調節機構は、前記記録媒体の前記インクが着弾する部位から前記活性エネルギ線の照射を受ける部位までの領域における温度よりも高い温度に、前記吐出口におけるインクの温度を調節することを特徴とするインクジェットプリンタ。Ink jet printer that ejects curable ink toward a recording medium by irradiating with an active energy ray, and irradiates the active energy ray onto a recording medium on which ink dots are formed as the ink lands, thereby forming an image. And
A recording head having an ejection port for ejecting the ink,
Irradiating means for irradiating the recording medium on which the ink has landed with the active energy ray, and conveying means for conveying the recording medium from a position at which the ink lands to a position at which the active energy ray is irradiated,
A head temperature adjustment mechanism that has an in-head ink heating unit provided near the ejection port, and adjusts the temperature of the ink at the ejection port;
A medium temperature adjustment mechanism that is provided near the conveyance path of the recording medium and adjusts a temperature from when the ink of the recording medium lands to when it is irradiated with the active energy ray;
The ink contains a cationically polymerizable component,
The medium temperature adjustment mechanism adjusts the temperature from the time when the ink of the recording medium lands to the time when the active energy ray is irradiated to 20 ° C. or more and 40 ° C. or less, and the head temperature adjustment mechanism includes: While adjusting the temperature of the ink at the discharge port to 30 ° C or higher and 100 ° C or lower,
The head temperature adjusting mechanism adjusts the temperature of the ink at the ejection port to a temperature higher than a temperature in a region from a portion where the ink lands on the recording medium to a portion where the active energy ray is irradiated. Characteristic inkjet printer.
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