JP2004030199A - 生産計画作成システム及び生産計画作成方法 - Google Patents

生産計画作成システム及び生産計画作成方法 Download PDF

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村山 彰二
Yohei Nagaoka
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Abstract

【課題】ボトルネック設備であるか否かに応じて最適な山崩しを行う。
【解決手段】各生産設備における製品の製造タイミングを設定する山積み処理を行った後に、設備の製造能力を超過した1日単位のバケットが存在するときに、その1日単位のバケットがボトルネック設備に対応するものであるときには能力優先割付け処理を行い、ボトルネック設備以外の設備であるときには納期優先割付け処理を行う。能力優先割付け処理では、各製造オーダーについて制約考慮最早開始可能時刻に基づいて再割付けを行った後に、納期を遵守する第1先送り処理又は納期割れを許容する第2先送り処理を実施して山崩しを行う。納期優先割付け処理では、山積み結果に基づいて前倒し処理、代替振替処理、第1先送り処理、第2先送り処理の1つ以上の山崩しを行う。能力優先割付け処理及び納期優先割付け処理は仕掛中製品から優先的に山崩し処理を行う。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼製品等の複数の製造工程を項瀬する複数の生産設備で逐次製品を生産する場合の生産計画を作成する生産計画作成システム及び生産計画作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば鉄鋼製品等に代表される、月間数万品にも及ぶ大量生産を行う業種では、鋼種のような製品種類や寸法といった1品ずつ異なる需要家の製品オーダーに対応し、納期までに生産を完了するために、仕掛品と新規製造品とを併せ、月次単位等の大まかな生産計画をコンピュータを援用して作成している。
【0003】
従来の生産計画作成装置としては、例えば特開2002−73142号公報に記載されたものが知られている。
この従来例には、生産対象製品の各生産工程での加工時間を算出する加工時間算出手段と、最早の生産スケジュールと最遅の生産スケジュールとの時間間隔を算出して生産に着手する生産対象製品の優先順位を決定する優先順位決定手段と、この優先順位にしたがって選択された生産対象製品の各生産工程をフォワード山崩しによって生産スケジュールに割り付けるフォワード割付け手段と、割り付けられた生産工程に滞留許容時間を超えている生産工程があるときには、この滞留許容時間を超えた生産工程より前の生産工程を、滞留許容時間を超えた生産工程からバックワード山崩しによって再割付けを行うバックワード割付け手段とを含むようにした生産スケジュール作成装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の生産スケジュール作成装置にあっては、最早の生産スケジュールと最遅の生産スケジュールとの時間間隔を算出して生産に着手する生産対象製品の優先順位を決定し、この優先順位にしたがってフォワード山崩しによって生産スケジュールに割付け、このときに滞留許容時間を超えている生産工程があるときには、滞留許容時間を超えた生産工程より前の生産工程を、滞留許容時間を超えた生産工程からバックワード山崩しによって再割付けを行うようにしているので、初工程に着手するタイミングを調整し、滞留許容時間を超える生産工程が発生することを防止すると共に、仕掛在庫を最小にし、かつ設備能力を考慮した最早納期での生産スケジュールを自動的に作成することができるものであるが、生産に着手する生産対象製品の優先順位を最早の生産スケジュールと最遅の生産スケジュールとの時間間隔に基づいて決定するため、滞留許容時間を超える生産工程が存在する状態となった場合に、該当生産工程での処理開始時刻に合わせてバックワード山崩しによって前の生産工程の山崩しを行うだけであり、滞留許容時間を超えるネック生産工程の山崩しは行わないので、一度納期遅れが発生すると、連鎖的に以後の生産対象製品の納期遅れを発生させることにつながり、生産スケジュールの柔軟性を確保することができないという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来例の問題点に着目してなされたものであり、山崩しを柔軟に行って、仕掛在庫量を極小化し、最適な生産計画を作成することができる生産計画作成システム及び生産計画作成方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る生産計画作成システムは、複数の製造工程を構成する複数の生産設備で逐次製品を生産する場合の生産計画を、山積み手段及び山崩し手段を利用して作成する生産計画作成システムにおいて、前記山崩し手段は、ボトルネック設備に対しては制約考慮最早開始可能時刻に基づいて製品の製造タイミングの再割付けを行って当該ボトルネック設備の製造能力を最大限に発揮させる能力優先割付け処理を行うと共に、ボトルネック設備以外の設備に対しては前記山積み手段で設定した各生産設備における前記製品の製造タイミングに基づいて納期優先割付け処理を行うように構成されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係る生産計画作成システムは、請求項1に係る発明において、前記山崩し手段が、複数の製造工程の途中にある仕掛中製品を対象とする山崩し処理を行った後に、未仕掛製品を加えた全ての製品の山崩し処理を行うように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る生産計画作成システムは、請求項1又は2に係る発明において、前記山崩し手段は、ボトルネック設備を有している製造工程についての能力優先割付け処理時に、納期に間に合う限度において優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第1先送り処理又は納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
さらにまた、請求項4に係る生産計画作成システムは、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記山崩し手段は、納期優先割付け処理時に、優先順位が高い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを過去側に移動する前倒し処理、代替振替処理、前記優先順位が低い製品から順に山崩し対象となった製品のその製造工程での製造体ミンクを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理、納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できるように構成されていることを特徴としている。
【0009】
なおさらに、請求項5に係る生産計画作成システムは、請求項3又は4に係る発明において、前記優先順位は、該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど高い値に設定されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る生産計画作成方法は、複数の製造工程を構成する複数の生産設備で逐次製品を生産する場合の生産計画を、山積み処理及び山崩し処理を利用して作成する生産計画作成方法において、前記山崩し処理は、ボトルネック設備に対しては制約考慮最早開始可能時刻に基づいて製品の製造タイミングの再割付けを行って当該ボトルネック設備の製造能力を最大限に発揮させる能力優先割付け処理を行い、前記ボトルネック設備以外の設備に対しては前記山積み処理で設定した各生産設備における前記製品の製造タイミングに基づいて納期優先割付け処理を行うようにしたことを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項7に係る生産計画作成方法は、請求項6に係る発明において、前記能力優先割付け処理は、該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど優先順位が高く設定されると共に、該設定される優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理及び納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できることを特徴としている。
【0011】
さらにまた、請求項8に係る生産計画作成方法は、請求項6又は7に係る発明において、前記納期優先割付け処理は、該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど優先順位が高く設定されると共に、該設定される優先順位が高い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを過去側に移動する前倒し処理、代替振替処理、前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理、納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に伴って説明する。
図1は本発明の概略構成を示す構成図であって、ホストコンピュータ1と例えばエンジニアリングワークステーションで構成されるサーバー2とが接続され、サーバー2に製鉄所の例えば各生産工程毎に配設された多数のパーソナルコンピュータで構成される情報処理端末3がローカルエリアネットワーク4を介して接続されている。
【0013】
ホストコンピュータ1には、系列別のオーダーデータを管理する系列別オーダーデータベースDBが設けられ、この系列別オーダーデータベースDBで受注する製品オーダーを、製鉄所で扱う厚板オーダー、熱間圧延(熱延)オーダー、冷間圧延(冷延)オーダー、電磁鋼オーダー、大形鋼オーダー、中形鋼オーダー、鋼片オーダー、線棒鋼オーダー等の生産している製品種別に分類して各オーダーファイルF1〜F8に格納し、これらオーダーファイルに格納された各系列別オーダーの中から現在の仕掛中オーダー及びこれから新たに製造する予定オーダーを抽出し、抽出した系列別オーダーデータがサーバー2に伝送される。
【0014】
ここで、系列別オーダーデータベースDBには、図2に示すように、需要オーダー名、納期、材質のような製品種類を表す製品名、寸法、数量、顧客名を登録した需要オーダデータを格納する需要オーダー登録ファイル11と、需要オーダー名と製造オーダー名との関連付けを表す製造オーダー関連付けデータを格納する製造オーダー関連付けファイル12と、需要オーダー登録ファイル11を製造オーダー関連付けデータで変換すると共に、仕掛在庫情報の単位に分割して製造オーダー名、工程順名、製品名、寸法、数量を登録した製造オーダーデータを格納する製造オーダーデータ登録ファイル13と、製造オーダー名、寸法、工程名、工程前仕掛状態、数量、工程後仕掛状態、数量等を登録した仕掛在庫情報を格納する仕掛在庫情報ファイル14とを有する。
【0015】
なお、この仕掛在庫情報をもつことにより、現在、需要オーダーに充当可能な仕掛品が必要数量あるものは新たに製造しないようにする。すなわち、仕掛品の数量と需要オーダーの数量から必要な新規製造数量を決定することができるようになる。
サーバー2には、ホストコンピュータ1から伝送される現在の仕掛オーダー及び生産予定オーダーに基づいて生産計画を作成する生産計画管理システム2Aが設けられている。
【0016】
そして、生産計画管理システム2Aに設けたデータ演算処理部20aで、規格テーブル20b、工程テーブル20c及びサイクルカレンダーファイル20dを参照して、各製品の通過する複数の製造工程の各製造能力に応じた生産計画を作成する生産計画作成処理を行い、生産計画情報を生産計画情報ファイル20eに格納すると共に、生産計画情報をディスプレイ20fに表示する。
【0017】
サイクルカレンダーファイル20dには、各製造工程毎に1つ又は複数の製品を製造可能なサイクルの製造チャンス(以下、サイクルチャンスと称す)の割付け時間帯を製品(サイクル)種類毎に規定するタイムバケット(以下、単にバケットと称す)を配置できるサイクルカレンダーが格納されている。このサイクルカレンダーは、図3に示すように、例えば冷間圧延を行う設備であるタンデムコールドミルTCMでのぶりきの圧延(製造)が第i−1日の夕方18時から第i日の夕方18時までの間可能であるとしたときに、これに応じたぶりきのサイクルCY1を設定し、似通った種類のぶりき原板について第i日の朝方6時から第i+1日の朝方6時までの間で製造が可能であるものとしたときに、これに応じたブリキ原板のサイクルCY2を設定する。
【0018】
これらサイクルCY1及びCY2は、似通った品種のサイクルであるため合成して、同じサイクル内で製品を製造可能でるものとする。ここで、サイクルとは、属性の共通したいくつも連続した一群の製品の構成単位のことをいう。月間数万品にも及ぶ大量生産を行う、例えば鉄鋼業のような業種では、同じ品種あるいは材質等の属性の共通した製品を何本も連続して製造し、一群のその属性の製品の製造が終了すると、次は別の属性の製品群の製造を行うというような製造形態をとることが殆どだからである。このことは僅かな例外を除き基本的にどの工程のどの設備にも共通している。
【0019】
このように、製品種類等の属性が全く同じでなくても、ある程度似通っていれば、同一のサイクルチャンスで製造できるようにサイクル構成条件を緩和した製造形態を指向するのが近年の趨勢であるため、ここで説明する実施の形態もそれに沿っている。ちなみに、先に述べたサイクルチャンスとは、言い換えれば、今対象としている工程、設備にてどういう時間帯で、対象サイクル中の製品を製造するか、というその時間帯のことをさし、これをあらゆるサイクル、そして、複数の工程間のリードタイムや、工程、設備での製造所要時間も考慮して全製品が納期に間に合うように各サイクルチャンスを時間帯割り付けし、全体的に成り立たせるように計画を立てるのがこの生産計画作成システムである。
【0020】
ところで本発明では、設定された各サイクルCY1及びCY2を一旦構成したサイクルを、さらに日付けの境界位置で分割した1日単位のバケットBKiで構成することができ、この1日単位のバケットBKiをさらにサイクルCY1及びCY2の重複状態が変化する位置即ち第i日の朝方6時及び第i日の夕方18時を境界として分割した可変長バケットVBKi1、VBKi2及びVBKi3の集合で構成することもできる。
【0021】
このように1日単位のバケットBKiを重複状態が変化する位置で分割した可変長バケットVBKi1〜VBKi3で構成することにより、可変長バケットVBKi1ではぶりきのみ冷間圧延可能なぶりき用サイクルチャンスとなり、可変長バケットVBKi2ではぶりき及びぶりき原板の双方を冷間圧延可能なぶりき兼ぶりき原板用サイクルチャンスとなり、可変長バケットVBKi3ではぶりき原板のみを冷間圧延可能なぶりき原板用サイクルチャンスとする。
【0022】
そして、形成された各可変長バケットVBKi1〜VBKi3に対して、実際に冷間圧延を予定しているぶりき製品A,B,Cの製造時間帯及びぶりき原板製品D,E,Fの製造時間帯を割り付けると、図3に示すように、可変長バケットVBKi1にはぶりきBの冷間圧延が、可変長バケットVBKi2にはぶりきC及びぶりき原板Dの冷間圧延が、可変長バケットVBKi3にはぶりき原板Eの冷間圧延が夫々割り付けられる。
【0023】
このように、各可変長バケットVBKi1〜VBKi3に対して冷間圧延の割付けを行うことにより、各可変長バケットVBKi1〜VBKi3の充填率Fi1〜Fi3は、各可変長バケットVBKi1〜VBKi3の時間帯の長さを夫々TSi1〜TSi3とすると下記(1)〜(3)式で表すことができる。
Fi1=TB/TSi1×100(%)      …………(1)
Fi2=(TC+TD)/TSi2×100(%) …………(2)
Fi3=TE/TSi3×100(%)      …………(3)
ここに、TB、TC、TD、TEはそれぞれB、C、D、Eの冷間圧延に要する時間(hr)である。
【0024】
また、1日単位のバケットBKiの充填率Fi0は、下記(4)式で表すことができる。
Fi0=(TB+TC+TD+TE)/24 …………(4)
そして、これら1日単位のバケットBKiの充填率Fi0及び可変長バケットVBKi1〜VBKi3の充填率Fi1〜Fi3に基づいて設備の製造能力をオーバーしないかの検証を正確に行うことができる。
【0025】
すなわち、各バケットBKi、VBKi1〜VBKi3の充填率Fi0、Fi1〜Fi3のどれか1つでも100%を超えているときには設備の製造能力を超過する時間帯が生ずることを意味し、充填率が100%であるときにはフル稼働状態を表し、充填率が100%未満であるときには設備の製造能力にまだ余裕があることを意味する。
【0026】
このようにして各可変長バケットに各工程の各整備毎の各種製品種類のサイクルチャンスを順次適宜割り付けることにより、図4に示すサイクルカレンダーが作成される。この図4において、各可変長バケットには、それがどういう製品種類に該当するサイクルのものかを示すサイクル種別名が付記されるようにするのがよいが、サイクル種別名が重なる部分では表示を省略してもよい。
【0027】
ここで、サイクルカレンダーは、1日単位のバケットBKを構成する可変長バケットVBKが連続する場合には2段に分けて表示されるようにするのが好ましく、合成したサイクルが存在する場合にもこれらを別な段に分けて並列に表示できるようにするのが好ましい。そして、後述する山積み処理で可変長バケットVBKの対象サイクルに製造オーダーを割り付けると、各可変長バケット単位で充填率が演算され、この充填率が100%を超えている場合には可変長バケットをべた塗り表示し、100%以下であるときには充填率に応じてハッチング表示するのが、充填率100%(設備にとっては稼働率100%)を超えている製造能力超過工程を容易に把握して後述する山崩し処理を行うことができる。
【0028】
また、各情報処理端末3では、生産計画管理システム2Aのデータ演算処理部20aにアクセスして、図5に示す生産計画作成処理を実行する。
この生産計画作成処理は、図5に示すように、先ず、ステップS1で、ホストコンピュータ1の系列別オーダーデータベースDBから厚板オーダー、熱間圧延(熱延)オーダー、冷間圧延(冷延)オーダー、電磁鋼オーダー、大形鋼オーダー、中形鋼オーダー、鋼片オーダー、線棒鋼オーダー等に分類して各オーダーファイルF1〜F8に格納されている製品の仕掛中オーダー及び新規オーダーを読込む。ここで、製造オーダーには、前述の通り図2に示すように、製品名、寸法、数量及び納期が設定され、納期は物流例えば需要家まで船で輸送する場合であれば、輸送にかかる日数を逆算して船にて出荷のタイミング等を考慮して設定されることが好ましい。
【0029】
次いで、ステップS2に移行して、各製造オーダーの製品名と寸法をもとに規格テーブル20bを参照して得られる規格と、さらにその規格をもとに工程テーブル20cを参照して通過工程を決定する。ここで、工程テーブルは、図6に示すように、規格、数量、工程順、原料名、数量を登録した部品データ定義ファイル21と、部品名(原料)と部品タイプ(購入品)とを登録する部品一覧定義ファイル22と、工程順、工程名、設備名(該当する工程の具体的通過設備名)、所要時間を登録した製造工程順一覧ファイル23と、設備と設置場所との関係を登録した設備一覧定義ファイル24と、工程順、工程名、設備名、所要時間(本来通過する予定の設備を通過するのに要する所要時間に対する時間比)を登録した代替設備設定定義ファイル25と、工程順、工程名、製品の種類を表すサイクル名を登録したサイクル工程順設定定義ファイル26と、サイクル名に該当する製品の種類とそれが通過できる設備との対応関係を登録するサイクル設備設定定義ファイル27とを備えている。
【0030】
確認のために述べておくと、ある製造オーダーが、ある製造工程のある設備で製造されることを、その製造オーダーがその製造工程、あるいはその設備を通過する、といい、ある製造オーダーにとって見た場合、どういう製造工程を順次通過して最終製品まで製造されるか、の順のことを、その製造オーダーにとっての通過工程という。
【0031】
そして、各製造オーダー毎に、製造工程一覧ファイル23を参照して通過工程即ち通過する製造工程と、それらを通過する通過順序を求める(図6の23中、例えば工程順がAAAAで示されるものについては、BF→CC→HM→PIC →CM→CAL の順で各工程を通過する。BF→CC_4 →HM→5PIC→CM_1 →CAL _2 という通過順序で各具体的な設備を通過する。)。
【0032】
なお、代替設備設定定義ファイル25を持つことにより、特定の工程に生産が集中した時、他の代替設備への振替が可能か否かの判定を行うことができる。
また、サイクル名に該当する製品の種類とそれが通過できる設備名(例えば形鋼、メッキCOAT等)との対応関係を登録したサイクル設備設定定義ファイル27を持つことにより、山積み山崩し法により各設備ひいては各工程毎に製造所要時間を累計して生産計画を作成する際、製造工程順一覧ファイル23に登録されている所要時間とを合わせ参照することで、各設備ひいては各工程毎の生産能力の上限を超えるか否かが判定できるようになるため、精度の良い生産計画作成が可能となる。
【0033】
因みに、サイクルとは、多くの場合、例えば何日かに1回というように周期的に同じ製品種類のサイクルの製造チャンスが設けられることからこの名がある。次いで、ステップS3に移行して、各製造オーダー毎に通過工程をもとに工程テーブル20cを参照して予め各工程での製造時間と、別途同工程テーブル20c内に固定的に設定される、図示しない工程間の最短製品搬送所要時間を読出すと共に、生産計画ファイル20dからサイクルカレンダーにおける該当する製品種類のサイクルの製造チャンス(以下、サイクルチャンスと称す)をいくつか読出し、そのうち何れかの製造チャンスで製造することを前提に、最短リードタイムを納期から遡って通過工程順とは逆順に累計して、各通過工程を通過するタイミング( 後出の基準時刻) を図7に示すように線で結んだサイクル設定ラインを求める。ここに、リードタイムとは、各製品の各工程での製造所要時間や、工程間の搬送所要時間、あるいはそれらの合計、累計の所要時間を総称した呼称である。
【0034】
次いで、ステップS4に移行して、求めたサイクル設定ラインに基づいて各工程毎に例えば一日単位で、通過予定の各製造オーダーの製造所要時間を累計する山積み処理を行う(その一日の中には、複数の製品種類のサイクルが別個に連続して予定されている場合もある)。本発明において、この山積み処理では、工程テーブル20cを参照して各製造オーダー毎に通過工程をもとに予め各工程間の最短製品搬送所要時間、熱間圧延完了後、所定温度までの冷却時間等の製品を搬送するために物理的に必要最低限の所要時間を表す最短リードタイム、例えば熱間圧延完了後、所定時間内に酸洗を開始する必要がある製品種類等について、これ以上時間がかかるとその所定時間をオーバーしてしまい、保温などで一時的にしのぐ設備もないような場合の最長リードタイムを読出し、これらのリードタイム配置に応じてサイクルチャンスを探索するのである。これについては後に詳述する。
【0035】
次いで、ステップS5に移行して、求めた工程毎の稼働率が100%を超えた製造能力超過工程が存在するか否か(前述の1日単位の場合でいえば、製造所要時間の合計が24時間を超える工程が存在するか否か)を判定し、製造能力超過工程が存在しないときには、ステップS3で読出したサイクルカレンダーにおける各製品種類のサイクルチャンスをそのまま生産計画ファイル20eに格納し、製造能力超過工程が存在する場合には、ステップS6に移行する。
【0036】
このステップS6では、製造能力超過工程について山崩し処理と呼ばれる調整処理が自動で行われる。この山崩しとは、製造能力超過をもたらしている製造オーダーについて同一工程の他の代替設備を使用するかその工程を通過するタイミングを1つ早いとか1つ遅い同じ製品種類の別のサイクルチャンスに移す、という調整により製造能力超過工程の稼働率が100%以下になるよう平準化を行って補正した生産計画を作成することである。
【0037】
次いで、ステップS7に移行して、山崩し後の各製造オーダー毎の補正後の生産計画を反映して再び各工程ごとに製造所要時間を累計する山積み処理を行ってから前記ステップS5に戻る。
なお、ステップS6とS7との間には、後に詳述する人為操作による、サイクルチャンスリアルタイム調整処理を行うステップを介在させるようにしてもよい。
【0038】
この図5の処理において、ステップS4の処理が本発明の山積み手段に対応し、ステップS6の処理が本発明の山崩し手段に対応している。
ここで、先述の図5のステップS3における各工程の通過タイミングを決める基準時刻の算出処理についていま少し詳しく説明すると、次に述べるようになる。ここで、基準時刻とは以下に述べる最早開始可能時刻や最遅開始可能時刻を総称した呼称である。図7に示すように横軸に時間をとり、縦軸に連続鋳造工程CC、熱間圧延工程HOT、酸洗工程PIC、冷間圧延工程COLD、連続焼鈍工程CAL、メッキ工程COAT等、納期までの各種工程をとったチャートに示すように、先ず、計算開始時刻t1で初期工程である連続鋳造工程CCに作業開始点P10を設定すると、この作業開始点P10から下流の工程である熱間圧延工程HOT〜メッキ工程等に対して、予め設定された最短リードタイムで各工程毎の最早開始可能時刻を順次設定する。この各工程毎の最早開始可能時刻を表す作業開始点P10〜P15をつなぐことにより、図7で破線図示のラインL1を表すことができる。
【0039】
そして、この最早開始可能時刻に対して通過工程中にある設備のサイクルチャンスの制約を考慮した時刻を制約考慮最早開始可能時刻として設定する。すなわち、図7に示すように、冷間圧延工程COLDとして長方形で表されるサイクルチャンスC31が最早開始可能時刻を表す作業開始点P13より遅い時刻に設定されているものとすると、このサイクルチャンスC31の制約から最早開始可能時刻の作業開始点P13をサイクルチャンスC31内の開始点P23に変更することになり、これに応じて下流側の最早開始可能時刻を表す作業開始点P14及びP15も制約考慮最早開始可能時刻を表す作業開始点P24及びP25にシフトされる。通過しようとする製造オーダーに対し、最早開始可能時刻に該当する製品種類のサイクルチャンスがなければ、そのサイクルチャンスがあるまで、その製造オーダーがその工程を通過するのは遅れざるを得ないからである。この制約考慮最早開始可能時刻を表す作業開始点P23〜P25をつなぐことにより、図7で一点鎖線図示のラインL2を表すことができる。なお、このようにサイクルチャンスの制約を考慮した可能最短なリードタイムのことを標準リードタイムという。
【0040】
また、納期から遡って、上流側の各工程に対して予め設定された最短リードタイムで各工程毎の最遅開始可能時刻を順次設定する。この各工程毎の最遅開始可能時刻を表す作業開始点P30〜P35をつなぐことにより、図7で細い実線図示のラインL3を表すことができる。
この最遅開始可能時刻に対して通過工程中にある設備のサイクルチャンスの制約を考慮した時刻を制約考慮最遅開始可能時刻として設定する。すなわち、図7に示すように冷間圧延工程COLDで長方形で表されるサイクルチャンスC32が最遅開始可能時刻を表す作業開始点P33より早い時刻に設定されているものとすると、このサイクルチャンスC32の制約から最遅開始可能時刻の作業開始点P33をサイクルチャンスC32内の作業開始点P43に変更することになり、これに応じて上流側の最遅開始可能時刻を表す作業開始点P32、P31、P30も制約考慮最遅開始可能時刻を表す作業開始点P42、P41、P40にシフトされる。この制約考慮最遅開始可能時刻を表す作業開始点P40〜P45をつなぐことにより、図7で太い実線図示のラインL4を表すことができる。
【0041】
したがって、図7において、各設備において、制約考慮最早開始可能時刻を表すラインL2と制約考慮最遅開始可能時刻を表すラインL4間に製造タイミングを割り付けることにより、納期に間に合うようになる。この割付けが不可能な製造オーダーは適正配置不能材ということになり、便宜上最遅開始可能時刻を割り付ける。
【0042】
そして、制約考慮最早開始可能時刻は後述する山崩し時の割付け制約条件、伝播処理と関連してロック処理が行われている場合の制約考慮最早開始可能時刻の更新に使用し、制約考慮最遅開始可能時刻は後述する山崩し時の最遅制約条件等として使用する。
また、図5におけるステップS4の山積み処理は、暫定的に設備能力は無限と仮定して、納期から、後述の最短リードタイムLTMS、最長リードタイムLTML及び標準リードタイムLTSTを考慮してサイクルチャンスを探索し、上流側工程におけるある製造オーダーの製造タイミング、代表して製造開始時刻を順次割り付け、これを各製造オーダー毎に繰り返して、前述した図3の1日単位のバケットBKiに割り付けられた製造オーダーの製造所要時間を累計する処理であって、納期から遡って、適正リードタイムで生産した場合にバケットの充填率、言い換えればどの設備がどれだけの稼働率になるかを計算する。その計算の結果に応じ、バケットの表示を先述のようにべた塗りまたはハッチングなどで適宜調整することが望ましい。あるいはさらに、製造能力をオーバーする設備については、それを生じている製品種類に対応した色にてべた塗りするとさらに分かりやすくなるため望ましい。
【0043】
このステップS3での山積み処理の具体的なフローを、以下に具体的に示す。図8に示すように、先ず、ステップS11で、適正配置不能材であるか否かを判定する。この判定は、図5のステップS3の基準時刻算出処理で最早開始可能時刻に対してサイクルチャンスの制約を与えた制約考慮最早開始可能時刻が算出されているか否かを判定することにより行い、制約考慮最早開始可能時刻が算出されていないときには適正配置不能材であると判断してステップS12に移行し、各製造工程の最遅開始可能時刻を便宜上製造開始時刻として割り付けてから山積み処理を終了し、制約考慮最早開始可能時刻が算出されているときには適正配置不能材ではないものと判断してステップS13に移行する。
【0044】
このステップS13では、納期を現在工程としてまず設定し、次いでステップS14に移行して、現在工程から1つ上流側の工程までの最長リードタイムLTML、最短リードタイムLTMSを工程テーブル20cから読込み、標準リードタイムLTSTとしては、先に説明したサイクルチャンス制約を考慮して求めた結果を流用する形で読込み、次いでステップS15に移行して、LTML>LTST>LTMSとなる第1のリードタイム配置を満足するか否かを判定し、この第1のリードタイム配置を満足するときにはステップS16に移行して、1つ上流側の工程について、標準リードタイムLTSTを起点に過去方向即ち最長リードタイム方向に、各製造オーダー毎に同じ製品種類のサイクルチャンスを探索し、探索したサイクルチャンスに製造タイミングを割り付け、次いでステップS17に移行して、全ての製造工程について割付けを完了したか否かを判定し、割付けが完了したときには山積み処理を終了し、割付けが完了していないときにはステップS18に移行してその1つ上流側の工程を現在工程として設定し直してから前記ステップS14に戻る。この一連の処理を最初の工程まで遡るまで繰り返す。
【0045】
ところで、先述のステップS15の判定結果が、LTML>LTST>LTMSの第1のリードタイム配置を満足しないときには、ステップS19に移行して、LTST>LTML>LTMSとなる第2のリードタイム配置を満足するか否かを判定し、この第2のリードタイム配置を満足するときにはステップS20に移行して、最長リードタイムLTMLを起点に最短リードタイムLTMS方向に1つ上流側の工程について、各製造オーダー毎に同じ製品種類のサイクルチャンスを探索して、最短リードタイムLTMSまでに同じ製品種類のサイクルチャンスが存在するか否かを判定し、同じ製品種類のサイクルチャンスが存在する場合にはステップS21に移行して、該当するサイクルチャンスに製造タイミングを割り付けてから前記ステップS17に移行する。
【0046】
さらに、ステップS20の判定結果が、最短リードタイムLTMSまでにサイクルチャンスが存在しない場合であるときには、ステップS22に移行して、最長リードタイムLTMLを起点に過去方向に1つ上流側の工程について、各製造オーダー毎に同じ製品種類のサイクルチャンスを探索し、探索したサイクルチャンスに製造タイミングを割り付けてから前記ステップS17に移行する。
【0047】
さらにまた、前記ステップS19の判定結果がLTST>LTML>LTMSとなる第2のリードタイム配置を満足しない場合にはステップS23に移行して、最短リードタイムLTMSを起点に過去方向に1つ上流側の工程について、各製造オーダー毎に同じ製品種類のサイクルチャンスを探索し、探索した同じ製品種類のサイクルチャンスに製造タイミングを割り付けてから前記ステップS17に移行する。
【0048】
以上説明した一連の製造タイミングの割付けをさらにもう1つ上流側の工程についても行う処理を繰り返し、さらにステップS24に移行して全製品オーダーについて、それらの処理を繰り返す。
この図8の処理が山積み手段に対応している。
製造タイミングについては、具体的には、製造開始時刻、製造中間時刻、製造終了時刻の何れを用いてもよいが、以下、製造開始時刻を用いる場合を例として代表させる。本発明は必ずしもこれにかぎらなくてもよい。なお、ここまでの説明はまだ山積みした段階であり、場合によっては最長リードタイムをオーバーしている場合もあって、一見奇異に感ぜられるが、後述の山崩しとサイクルチャンスのリアルタイム調整により適正化される。これについては後述する。
【0049】
山積みした現段階では、各製造オーダーの順は各製品種類毎にホストコンピュータに納期の早い順に整理した順と同じでよい。また、各リードタイム配置に応じて1つ上流側工程の同じ製品種類の過去方向に探索するか、未来方向に探索するかは極力最短リードタイムを確保でき、最長リードタイム以下にリードタイムを抑える方向を指向してのことであり、万一駄目でも、後述の山崩しによる移動が少なくて済むことに基づいている。
【0050】
この山積み処理は、納期から遡ってサイクルチャンスの制約を考慮しながら各製造オーダーの各工程における製造開始時刻を割り付けていく標準リードタイムを設定していくことで、各製造オーダーを各工程の該当するサイクルチャンスに割り付けていくことで行う。具体的には、図9で太い実線図示のラインL5で示すように、納期から遡ってサイクルチャンスの制約を考慮し、且つ最長リードタイム及び標準リードタイムを用い、下流側工程から上流側工程に向かって割り付けるようにすることである。ここで、◎印が各設備における製造開始時刻となる基準時刻を表している。そして、例えば冷間圧延COLD工程の設備である第3タンデムコードミル3TCMの各製造オーダーの製造所要時間が1日単位で積み上げられることにより、図9に示すように第N日での第3タンデムコールドミル3TCMの稼働率が100%を超過すると、山崩しを行うことになる。
【0051】
ここで、山崩しの説明に移る。山崩しとは稼働率100%超過を生じている製造オーダーと同じ製品種類のべつのサイクルチャンスにその製造タイミングを移すことであるが、後述のサイクルチャンスのリアルタイム調整(サイクルカレンダー調整ともいう)を行わないという前提に立てば、納期から遡ってサイクルチャンスを考慮した標準リードタイムで設定される制約考慮最遅開始可能時刻による細い実線図示のラインL4の通るサイクルチャンスC32内とその前のサイクルチャンスC31内の期間が山崩しによる調整可能範囲A1となる。
【0052】
また、サイクルチャンスのリアルタイム調整を行うという前提に立てば、サイクルチャンスC31より過去側におけるサイクル設定ラインL5の水平線上でサイクルチャンスC31を拡張するか、又はサイクルチャンスC31より未来側でかつ次のサイクルチャンスC32の終端すなわち制約考慮最遅開始可能時刻までの間でサイクルチャンスを拡張すること等が可能になり、サイクルカレンダー調整を含めた山崩しによる調整可能範囲A2はサイクルカレンダー調整を行わない場合の山崩し調整可能範囲A1に比較して長くすることができるのである。
【0053】
サイクルチャンスのリアルタイム調整(サイクルカレンダー調整)とは、人為操作、例えば図1中で示した情報処理端末3に接続のマウス3dで、図4に示したサイクルカレンダー中の該当する製品種類のサイクルのタイムバケットの表示端をドラッグすることで拡縮したり、表示端以外をドラッグすることで移動したり、又は例えば同じ情報処理端末3に接続のキーボード3cからのキー操作により、新たに所望の時間帯に該当する製品種類のサイクルのタイムバケットを生じさせたりすることで行う。それら調整後のサイクルカレンダーは随時サイクルカレンダーファイル20dに記憶更新可能に構成され、生産計画作成システム、同管理システムに反映される。
【0054】
この山崩し処理を行う場合に、制約考慮最早開始可能時刻及び制約考慮最遅開始可能時刻を満足しても、最長リードタイムLTMLを満足できなくなる場合には該当する製品種類の製造オーダーの山崩しを行うことなく、他の製品種類の製造オーダーの山崩しを行うか、サイクルカレンダーの調整により最短リードタイムLTMS及び最長リードタイムLTMLを満足するようにサイクルチャンスを移動するか、サイクルチャンスの拡縮を行うか、新たなサイクルチャンスを作成するかした上で山崩しを行う。
【0055】
この山崩し処理の具体例を図10を参照しつつ説明する。
この山崩し処理では、先ず、ステップS31で、山積み処理で作成された1日単位のバケットの内、設備製造能力を超過して山崩し対象となる1日単位のバケットが存在するか否かを判定し、山崩し対象となる1日単位のバケットが存在しない場合には、そのまま山崩し処理を終了し、山崩し対象となる1日単位のバケットが存在する場合にはステップS32に移行する。
【0056】
このステップS32では、山崩し対象となる1日単位のバケットをもつ設備がボトルネック設備であるか否かを判定し、ボトルネック設備であるときには、ステップS33に移行して、能力優先割付け処理を選択してからステップS35に移行し、ボトルネック設備以外の設備であるときにはステップS34に移行して、納期優先割付け処理を選択してからステップS35に移行する。ボトルネック設備であるか否かは、何日も平均した稼働率が最も高い製造工程を構成する設備であるか否かで判定する。
【0057】
ここで、能力優先割付け処理とは、どんどん前倒しで製造し、ボトルネック設備をフル稼働させ、設備が休止している時間帯を極力なくすことを目的に、山崩しを行おうとしているボトルネック設備における製造オーダーに対して、山崩しを行う前処理として暫定的に制約考慮最早開始可能時刻の再割付けを実施し、しかるのち山崩しを実行することである。
【0058】
納期優先割付け処理とは、ボトルネック設備以外の設備について前述した山積み処理の結果、製造能力超過状態となっている1日単位のバケットが存在する場合に、製造能力超過状態の1日単位のバケットに製造タイミングを割り付けられた製造オーダーを所定の優先順位で山崩しして他の1日単位のバケットに移動させることであり、製造能力超過状態が解消されたときは山崩し処理を終了する。
【0059】
ステップS35では、能力優先割付け処理が選択されているか否かを判定し、能力優先割付け処理が選択されている場合にはステップS36に移行して、まずは各仕掛中製造オーダーについて制約考慮再早開始可能時刻の再割付けを実施し、次いでステップS37に移行して、1日単位のバケットに製造タイミングを割り付けられた製造オーダーの優先順位を算出する。この優先順位の算出は、各仕掛中製造オーダーについて、現在バケット中に割り付けられている製造開始時刻と制約考慮最遅開始可能時刻との時間間隔を算出し、算出した時間間隔が短いほどここでいう優先順位が高く設定される。
【0060】
ここで、仕掛中製造オーダーとは、現在すでにその工程での製造タイミングを待っている製造オーダーのことをさし、これを優先的に製造することにより、リードタイムが長鈍化することを防止し、在庫量の削減に寄与する。
次いで、ステップS38に移行して、山崩し対象となる各仕掛中製造オーダーについて第1先送り処理又は第2先送り処理による山崩しを実施してから後述するステップS41に移行する。
【0061】
ここで、第1先送り処理とは、納期に間に合う限度において優先順位が低い製造オーダーの製造開始時刻を未来側の該当する製品種類のサイクルチャンスに移動することであり、制約条件としては移動先の設備の製造能力上の負荷は考慮しないが移動先のサイクルチャンスは考慮する。また、当該山崩し対象設備の属する工程と前後工程との間のリードタイムに先述の最短リードタイムや最長リードタイムの制約がある場合は、その条件を満足するサイクルチャンスを探索する。
【0062】
また、第2先送り処理とは、納期に間に合わせないことを許容してでも、優先順位が低い製造オーダーの製造開始時刻を未来側の該当する製品種類のサイクルチャンスに移動することであり、制約条件としては、移動先の設備の製造能力上の負荷は考慮しないが移動先のサイクルチャンスは考慮する。また、当該山崩し対象設備の属する工程と前後工程との間のリードタイムに先述の最短リードタイムや最長リードタイムの制約がある場合は、その条件を満足するサイクルチャンスを探索する。
【0063】
納期に間に合わないことを許容するのは奇異に感ぜられるかもしれないが、例えば特定の需要家に納入する所謂紐付きオーダー品の納期は絶対であるが、市中販売品や2級転売品のように納期といっても仮に設定されているだけのようなものは多少の融通性があるため、これら品種に応じて先述の優先順位を予め決めておくことで上記のような処理ができるようになる。
【0064】
また、前記ステップS35の判定結果が能力優先割付け処理ではなく納期優先割付け処理が選択されているときにはステップS39に移行して山積み処理結果の1日単位のバケットについて、前記ステップS37と同様に、1日単位のバケットを構成する製造オーダーの優先順位を算出する。
次いで、ステップS40に移行して、各製造オーダーについて前倒し処理、代替振替処理、第1先送り処理及び第2先送り処理のいずれか1つ以上の処理による山崩しを行ってから後述するステップS41に移行する。
【0065】
ここで、前倒し処理とは、優先順位が高い製造オーダーから順に前側(過去側)に移動することであり、制約条件としては、移動先の設備の製造能力上の負荷は考慮しないが移動先のサイクルチャンスは考慮し、山崩し対象となる製造オーダーを仮に移動後の上流側工程との間で最短リードタイムLTMSを確保でき、且つ下流側工程との間で、リードタイムを最長リードタイムLTML以内に抑えるという制約条件を満足するような該当する製品種類のサイクルチャンスを探索する。すなわち、仮に移動後の製造開始時刻TSTが下記(5)式及び(6)式に示すように上流側工程の制約考慮最早開始可能時刻TPCE に上流側工程との間での最短リードタイムLTMSを加算した値以上、下流側工程の制約考慮最早開始可能時刻TPCL から下流側工程との間での最長リードタイムLTMLを差し引いた値以下となるように設定する。
【0066】
ST≦TPCE +LTMS   …………(5)
ST≦TPCL −LTML    …………(6)
但し、自工程の制約考慮最早開始可能時刻と制約考慮最遅開始可能時刻との間に納まるようにする。
また、代替振替処理とは、優先順位が低い製造オーダーを前述した図6の代替設備一覧定義ファイル25で指定された代替設備へ優先順位込が低い製造オーダーから順に振替を実施することであるが、制約条件として、移動先の設備の製造能力上の負荷を考慮し(当該製造オーダーが割り付くことにより製造能力超過となるサイクルチャンスへの割付けは不可とする。)、仮に代替設備に振替後の上流側工程との最短リードタイムを確保するために仮に振替後の製造開始時刻を上流側工程の制約考慮最早開始可能時刻TPCE に上流側工程との最短リードタイムLTMSを足し合わせた時刻以降、仮に代替設備に振替後の下流側工程とのリードタイムを最長リードタイム以内に抑えるために下流側工程の制約考慮最遅開始可能時刻TPCL から下流側工程との間での最長リードタイムLTMLを差し引いた時刻以前とする。
【0067】
ステップS41では能力優先割付け処理が選択されているか否かを判定し、能力優先割付け処理が選択されているときにはステップS42に移行して、未仕掛製造オーダーについて制約考慮再早開始可能時刻での再割付けを実施し、次いでステップS43に移行して、1日単位のバケットに製造タイミングを割り付けられた仕掛中製造オーダーを除く未仕掛製造オーダーについて優先順位を算出する。この優先順位の算出は、各未仕掛製造オーダーについて、現在割り付けられている製造開始可能時刻と制約考慮最遅開始可能時刻との時間間隔を算出し、算出した時間間隔が短いほど優先順位が高く設定される。
【0068】
次いで、ステップS44に移行して、未仕掛製造オーダーについて代替振替処理、第1先送り処理及び第2先送り処理の1つ以上の処理による山崩しを行ってから前記ステップS31に戻る。
また、前記ステップS42の判定結果が納期優先割付け処理が選択されている場合には、ステップS45に移行して、山積み処理結果の1日単位のバケットについて、前記ステップS40と同様に、1日単位のバケットに製造タイミングを割り付けられた仕掛中製造オーダーを除く未仕掛製造オーダーの優先順位を算出する。
【0069】
次いで、ステップS46に移行して、未仕掛製造オーダーについて前倒し処理、代替振替処理、第1先送り処理及び第2先送り処理の1つ以上の処理による山崩しを行ってから前記ステップS31に戻る。
この図10の一連の処理が本発明の山崩し手段、山崩し処理に対応している。
ところで、山崩し処理によってある製造工程における製造開始時刻を変更した場合には、この製造開始時刻の変更を上流側工程及び下流側工程に伝播させて、割付け位置の適正化を図る伝播処理が行われる。
【0070】
この伝播処理は、図11に示すように、先ず、ステップS51で、上流側伝播処理終了フラグFUを上流側伝播処理未終了を表す“0”にリセットすると共に、下流側伝播処理終了フラグFDを下流側伝播処理未終了を表す“0”にリセットし、次いでステップS52に移行して、今問題としている現在工程に対し、上流側と下流側の工程のうち、伝播処理上必要な側との間の最短リードタイムLTMS及び最長リードタイムLTMLを工程テーブル20cから読込んでからステップS53に移行する。
【0071】
今問題としている現在工程、あるいはその上流側、下流側の工程のサイクルチャンスのリアルタイム調整の話を仮に抜きにして考えれば、ある工程におけるある製品の製造開始時刻を前倒しすれば、上流側工程との間で、後に遅らせれば下流側工程との間で最短リードタイムLTMS以上のリードタイムを確保できるかが問題となり、同様に、前倒しすれば、下流側工程との間で後に遅らせれば上流側工程との間で、最長リードタイムLTML以下にリードタイムを抑えることができるかが問題となるからである。
【0072】
このステップS53では、上流側伝播処理終了フラグFUが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“1”にセットされているときには上流側への伝播処理を行うことなく後述するステップS61にジャンプし、上流側伝播処理終了フラグFUが“0”にリセットされているときにはステップS54に移行する。
【0073】
このステップS54では、山崩しが行われた工程での製造開始時刻から遡って、それより1つ上流側の工程での今現時点での製造開始時刻までの所要時間(サイクルチャンス制約を考慮していることになるので標準リードタイムに相当)をTPU としたときに、LTML>TPU >LTMS及びTPU >LTMS>LTMLの何れかでなる時間的な関係(それぞれ第4のリードタイム配置、第5のリードタイム配置と以降称す)を満足するか否かを判定し、この第4のリードタイム配置又は第5のリードタイム配置を満足するときにはそのまま上流側への伝播処理を行うことなくステップS55に移行して、上流側伝播処理終了フラグFUを“1”にセットしてから後述するステップS61にジャンプし、第4のリードタイム配置又は第5のリードタイム配置を満足しない場合にはステップS56に移行する。
【0074】
このステップS56では、TPU >LTML>LTMSの第6のリードタイム配置を満足するか否かを判定し、この第6のリードタイム配置を満足する場合にはステップS57に移行して、伝播処理を行う上流側工程について、最長リードタイムLTMLを起点に最短リードタイム方向に探索して最短リードタイムLTMSまでに該当する製品種類のサイクルチャンスが存在するか否かを判定し、該当する製品種類のサイクルチャンスが存在する場合には、ステップS58に移行して、その該当する製品種類のサイクルチャンスに製造開始時刻を割付けてから後述するステップ61に移行し、該当する製品種類のサイクルチャンスが存在しない場合には、ステップS59に移行する。
【0075】
ここで、該当する製品種類のサイクルチャンスは、先述のぶりきとぶりき原板の例のように、似通った製品種類のサイクルを構成したサイクルであってもよいことはもちろんである。
ステップS59では、伝播処理を行う上流側工程について、最長リードタイムLTMLを起点に未来側に探索して最初の該当する製品種類のサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付け、その結果、最短リードタイムを満足できなくなる場合は、山積みのときと同様、適正配置不能材ということになり、便宜上最遅開始可能時刻を割り付けてから後述するステップS61に移行する。
【0076】
また、前記ステップS56の判定結果が、TPU >LTML>LTMSの第6のリードタイム配置を満足しないときにはステップS60に移行して、伝播処理を行う上流側工程の該当する製品種類のサイクルチャンスを、最短リードタイムLTMSを起点に過去側に探索して、最初の該当する製品種類のサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付け、その結果、最長リードタイムを満足てきなくなる場合は、適正配置不能材として、便宜上最遅開始可能時刻を割り付けてからステップS61に移行する。
【0077】
ステップS61では、下流側伝播処理終了フラグFDが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“1”にセットされているときには後述するステップS69にジャンプし、下流側伝播処理終了フラグFDが“0”にリセットされているときにはステップS62に移行する。
このステップS62では、山崩しが行われた工程での製造開始時刻から時間の流れにしたがって、それより1つ下流側の工程での今現時点での製造開始時刻までの所要時間(サイクルチャンス制約を考慮していることになるので、標準リードタイムに相当)をTPD としたときに、LTML>TPD >LTMS及びTPD >LTMS>LTMLの何れかでなる時間的な関係(第4のリードタイム配置、第5のリードタイム配置と以降称す)を満足するか否かを判定し、この第4のリードタイム配置又は第5のリードタイム配置を満足するときにはそのまま下流側への伝播処理を行うことなくステップS63に移行して、下流側伝播処理終了フラグFDを“1”にセットしてから後述するステップS69にジャンプし、第4のリードタイム配置又は第5のリードタイム配置を満足しない場合にはステップS64に移行する。
【0078】
このステップS64では、TPD >LTML>LTMSの第6のリードタイム配置を満足するか否かを判定し、この第6のリードタイム配置を満足する場合にはステップS65に移行して、伝播処理を行う下流側工程について、最長リードタイムLTMLを起点に最短リードタイム方向に探索して最短リードタイムLTMSまでに該当する製品種類のサイクルチャンスが存在するか否かを判定し、該当する製品種類のサイクルチャンスが存在する場合には、ステップS66に移行して、その該当する製品種類のサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付けてから後述するステップ69に移行し、該当する製品種類のサイクルチャンスが存在しない場合には、ステップS67に移行する。
【0079】
ここで、該当する製品種類のサイクルチャンスは、先述のぶりきとぶりき原板の例のように、似通った製品種類のサイクルを合成したサイクルであってもよいことはもちろんである。
ステップS67では、伝播処理を行う下流側工程について、最長リードタイムLTMLを起点に過去側に探索し、該当する製品種類のサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付け、その結果、最短リードタイムを満足できなくなる場合は、山積みのときと同様、適正配置不能材ということになり、便宜上最遅開始可能時刻を割り付けてから後述するステップS69に移行する。
【0080】
また、前記ステップS64の判定結果がTPD >LTML>LTMSの第6のリードタイム配置を満足しないときにはステップS68に移行して、伝播処理を行う下流側工程の該当する製品種類のサイクルチャンスを最短リードタイムLTMSを起点に未来側に探索して、該当する製品種類のサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付け、その結果、最長リードタイムを満足できなくなる場合は、適正配置不能材として便宜上最遅開始可能時刻を割り付けてからステップS69に移行する。
【0081】
ステップS69では、上流側全工程への伝播処理が終了したか否かを判定し、上流側全工程への伝播処理が終了していないときにはステップS70に移行して、上流側工程として現在の工程より1つ上流側の工程を選定してからステップS72に移行し、現在の上流側工程が最上流工程であって上流側全工程への伝播処理が終了したときにはステップS71に移行して、上流側伝播処理終了フラグFUを“1”にセットしてからステップS72に移行する。
【0082】
ステップS72では、下流側全工程への伝播処理が終了したか否かを判定し、下流側全工程への伝播処理が終了していないときにはステップS73に移行して、下流側工程として現在の工程より1つ下流側の工程を選定してからステップS75に移行し、現在の下流側工程が最下流工程であって下流側全工程への伝播処理が終了したときにはステップS74に移行して、下流側伝播処理終了フラグFDを“1”にセットしてからステップS75に移行する。
【0083】
ステップS75では、全ての工程について伝播処理が終了したか否かを上流側伝播処理終了フラグFU及び下流側伝播処理終了フラグFDが共に“1”にセットされているか否かによって判定し、終了の処理工程が存在する場合には前記ステップS52に戻って、該当する処理工程について上流側及び下流側を交互に上記ステップS52〜ステップS74と同様の伝播処理を実行し、全ての伝播処理が終了したときにはステップS76に移行する。
【0084】
このステップS76では、これらステップS31〜ステップS53の一連の動作を全ての山崩し対象となった製造オーダーについて伝播処理が終了したか否かを判定し、伝播処理を未終了の製造オーダーが存在する場合には前記ステップS51に戻り、全ての製造オーダーについて伝播処理を終了したときには伝播処理を終了する。
【0085】
以上説明した一連の図11の処理が伝播処理手段に対応している。なお、適正配置不能材が生じた場合は、その旨を、その製品種類に対応した色や表示の仕方など何らかの形で情報処理端末3のディスプレイ3b上に表示するのが非常に有効である。この表示をもとに、担当オペレータの人為操作によるサイクルチャンスのリアルタイム調整が行いやすくなるからである。どのような製品種類の製造オーダーが適正配置不能材になっているかを見て、しかるべく該当する製品種類のサイクルチャンスを適宜拡縮、移動、新たに生成させることで対応する、という具合である。
【0086】
以降、上記実施形態に基づいて、より詳細に本発明にかかる生産計画作成システムの動作を説明する。
ホストコンピュータ1には、受注した製品オーダーが入力されていると共に、仕掛製品オーダーの仕掛状況が入力されており、さらに、受注可能な製品オーダーの入力が可能となっている。
【0087】
通常業務では、新たに受注した製品オーダーに基づいて実際の生産計画を作成する場合と、受注可能な製品オーダーを選定して生産余力変動を吸収する拡販受注支援を行う場合との2種類が考えられる。
新たに受注した製品オーダーに基づいて生産計画を作成する場合には、ホストコンピュータ1に新たに受注した製品オーダーを入力する。この製品オーダーは需要オーダー名、納期、製品名、寸法、数量、顧客名を入力する。新たに受注した製品オーダーについては仕掛状態ではないので、仕掛在庫情報ファイルは作成されないが、以前に受注した製品オーダーについては現在の仕掛状況が仕掛在庫情報ファイル14に登録される。
【0088】
すなわち、図2に示すように、以前に数量が50000kg及び150000kgの2つの需要オーダー名S145−XXXXX−XX 及びS145−YYYYY−YY の製品オーダーを受注しているものとすると、これらの製品名がAAAA及びBBBBであり、図6に示すように製品名AAAAについては高炉(BF)から出銑した溶銑を製鋼工場で精錬した溶鋼から連続鋳造機(CC)で連続鋳造してスラブを形成し、このスラブを熱間圧延(HM)した後酸洗(PIC) し、冷間圧延(CM)し、さらに連続焼鈍(CAL) してから製品として出荷するものとし、製品名BBBBについても高炉から出銑し精錬した溶鋼を連続鋳造機(CC)で連続鋳造してスラブを形成し、このスラブを熱間圧延(HM)した後に酸洗(PIC) し、冷間圧延(CM)し、さらにメッキ(COAT)してから製品として出荷するものとする。
【0089】
なお、製鉄所で扱う製品としては、上記製品に限定されるものではなく、連続鋳造によって形成したスラブを厚板圧延を行ってから製品として出荷するもの、スラブを熱間圧延してそのまま製品として出荷するもの、冷間圧延した後連続焼鈍してから電気メッキし、さらに別のコーティング処理を施してから製品として出荷するもの、電気メッキに代え溶融メッキ等の他のメッキを行って出荷するもの、他のメーカーからの購入品を加工して製品として出荷する場合等の多岐にわたる製品形態がある。
【0090】
再び図2に戻るが、この両需要オーダーともに新たなオーダーではなく、仕掛在庫情報の単位に、一方の需要オーダーについては20000kg及び30000kgの製造オーダーS145−XXXXX−XX −AA及びS145−XXXXX−XX −BBに2分割され、他方の需要オーダーについては30000kgずつの製造オーダーS145−YYYYY−YY −AA〜S145−YYYYY−YY −EEに5分割され、これらの夫々について製造オーダーが生成され、製造オーダーデータ登録ファイル13が形成される。
【0091】
そして、製造オーダーS145−XXXXX−XX −AAについては熱間圧延HMの工程前仕掛状態であり、製造オーダーS145−XXXXX−XX −BBについては熱間圧延HMの工程後仕掛状態であり、製造オーダーS145−YYYYY−YY −AAについては冷間圧延CMの工程前仕掛状態であり、これらが仕掛在庫情報ファイル14に格納される。
この状態で、サーバー2の生産計画管理システム2Aで図3に示す生産計画処理を実行すると、図5に示すように、先ずステップS1で、ホストコンピュータ1に格納されている新規受注製品オーダー情報及び仕掛在庫情報を読込んでからステップS2に移行して、規格テーブル及び工程テーブルを参照して、製造オーダー毎の通過工程を決定する。
【0092】
図6の例では、品種を表す工程順AAAAについては前述したように高炉(BF)から出銑した溶銑を製鋼工場で精錬して得た溶鋼から連続鋳造機(CC)で連続鋳造してスラブを形成し、このスラブを熱間圧延(HM)した後酸洗(PIC) し、冷間圧延(CM)し、さらに連続焼鈍(CAL) してから製品として出荷するものとし、製品名BBBBについても高炉から出銑し精錬して得た溶鋼を連続鋳造機(CC)で連続鋳造してスラブを形成し、このスラブを熱間圧延(HM)した後酸洗(PIC)し、冷間圧延(CM)し、さらにメッキ(COAT)してから製品として出荷する工程が決定される。
【0093】
一方、現時点で作成され、生産計画ファイル20eに格納されているサイクルカレンダーを、ディスプレイ3b上に表示した場合、図4に示すように、第3タンデムコールドミル3TCM及び第3連続焼鈍炉3CALについて、夫々日単位で製品種類毎に方形枠で表されるサイクルチャンスが設定されているものとする。これらサイクルチャンスのうち割付け超過しているサイクルチャンスについては黒べた塗りで表示され、割付け超過することなく割り付けられているサイクルチャンスについてはハッチングで表示される。この図4のサイクルカレンダー表示において、異なる製品種類のサイクルの時間帯の一部又は全部が重なって設定されているサイクルチャンス(1つの設備で異なる種類の製品を交互に製造するなどする合成サイクルの場合も含む)については2列又は3列にわたって表示されている。
【0094】
再び図5に戻るが、次いで、製造オーダー毎に各製造工程のサイクルチャンスを考慮して図7に示すように最短リードタイムLTMSに基づいて最早開始可能時刻、制約考慮最早開始可能時刻、最遅開始可能時刻及び制約考慮最遅開始可能時刻を設定したサイクル設定ラインを求める(ステップS3)。
このとき、各製品名AAAA及びBBBBについては、仕掛位置での最早開始可能時刻を起点に通過工程の制約考慮最早開始可能時刻を算出することが可能な適正配置可能材であるものとする。
【0095】
次いで、納期から遡って、各工程毎に、本発明にかかる方法にしたがって、最長リードタイムLTML、最短リードタイムLTMS及び標準リードタイムLTSTを考慮した上で、該当サイクルチャンスで製造すべき製品を決め、製造所要時間(処理時間)を累計して積み上げ、各製品の製造開始時刻を図4のサイクルカレンダーで設定された可変長バケットに対応するサイクルチャンス中の該当する時間帯に製造順に割り付ける山積み処理を実行する(ステップS4)。
【0096】
この山積み処理では、図8に示すように、前述したように製造オーダーAAAA及びBBBBは共に適正配置可能材であるので、ステップS11からステップS13に移行して、納期を現在工程として設定する。
このとき、例えば製造オーダーAAAAについて説明すると、図12に示すように、納期の1つ上流側工程となる連続焼鈍CALでのサイクルチャンスCY1が最長リードタイムLTML>標準リードタイムLTST>最短リードタイムLTMSとなる第1のリードタイム配置を満足するように設定されているものとすると、図8中のステップS15からステップS16に移行して、標準リードタイムLTSTから最長リードタイム方向のサイクルチャンスCY1に●印で示すように製造開始時刻TP1 を割り付ける。
【0097】
次いで、ステップS17に移行して、まだ全ての製造工程に製造開始時刻割付けが完了していないので、ステップS18に移行して、連続焼鈍CALの1つ上流側工程である冷間圧延COLDを現在工程に設定してからステップS14に戻り、この冷間圧延COLDでも同様にLTML>LTST>LTMSとなる第1のリードタイム配置を満足するので、図12中のサイクルチャンスCY2に●印で示すように製造開始時刻TP2 を割り付ける。
【0098】
このようにして順次上流側工程の熱間圧延HOT、連続鋳造CCのサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付け、全ての製造オーダーの全ての製造工程について製造開始時刻の割付けが完了すると山積み処理を終了する。
ところで、上記山積み処理において、上流側の製造工程との間で、図13に示すように、前述した第1のリードタイム配置を満足できず、標準リードタイムLTST>最長リードタイムLTML>最短リードタイムLTMSとなる第2のリードタイム配置を満足する場合には、図8中のステップS15からステップS19を経てステップS20に移行し、最長リードタイムLTMLを起点にして最短リードタイムLTMS側に該当する製品種類のサイクルチャンスを探索し、図13で実線図示のように最長リードタイムLTMLから最短リードタイムLTMS側にサイクルチャンスCY3が存在する場合には、図8中のステップS21に移行して、一番近いサイクルチャンスCY3に製造開始時刻TP3 を割り付ける。一方、第2のリードタイム配置を満足する状態で、最短リードタイムLTMS方向に実線図示のサイクルチャンスCY3が存在しない場合には、図8中のステップS20からステップS22に移行して、最長リードタイムLTMLから標準リードタイムLTST方向即ち過去方向にサイクルチャンスを探索する。この場合、製造オーダーAAAA及びBBBBが共に適正配置可能材であることにより、最早開始可能時刻より最遅開始可能時刻側に該当する製品種類のサイクルチャンスが存在し、制約考慮最早開始可能時刻が存在することから、図13で一点鎖線図示のように最長リードタイムLTMLから制約考慮最早開始可能時刻までの間のサイクルチャンスCY4に○印の製造開始時刻TP4 を割り付ける。
【0099】
さらに、第2のリードタイム配置を満足しない場合即ち最長リードタイムLTML>最短リードタイムLTMS>標準リードタイムLTSTである場合、標準リードタイムLTST>最短リードタイムLTMS>最長リードタイムLTMLである場合、最短リードタイムLTMS>最長リードタイムLTMD>標準リードタイムLTSTである場合及び最短リードタイムLTMS>標準リードタイムLTST>最長リードタイムLTMLである場合には、図8中のステップS19からステップS23に移行して、最短リードタイムから過去側に該当する製品種類のサイクルチャンスを探索して、最初のサイクルチャンスに製造開始時刻を割り付ける。最短リードタイムLTMSより最長リードタイムLTMLの方が短い、実際上は奇異な場合も含め、システム上の漏れを防止するデフォルト的な手当てをこのように施しておくことにより、最短リードタイムLTMSや最長リードタイムLTMLとして万一間違った値が入力されたとしても、対応するロジックがなくなってシステムが動かなくなることを防止している。
【0100】
このように、山積み処理においては、必須条件である最短リードタイムLTMSを満足させた上で、標準リードタイムLTST<最長リードタイムLTMLとなる場合には最長リードタイムLTMLを満足するように最長リードタイムLTMLから最短リードタイムLTMS側に該当する製品種類のサイクルチャンスとその中への割付け位置を探索し、割付け位置が存在しない場合には最長リードタイムLTMLから最短リードタイムLTMSとは反対方向即ち最長リードタイムLTMLを満足しない側に該当する製品種類のサイクルチャンスとその中への割付け位置を探索する。
【0101】
この山積み処理では、最長リードタイムLTMLを考慮して該当する製品種類のサイクルチャンスに対する割付け位置を決定するので、例えば熱間圧延完了後、所定時間内に酸洗を開始する必要がある品種などについて、これ以上時間がかかるとその所定時間をオーバーしてしまい、その必要性を満足できなくなり、保温などで一時てきにしのぐ設備もないような場合に最長リードタイムLTMLを設定することにより、安定した品質を確保することができる共に、製造中のトラブルを防止でき、省エネルギー化も図れる生産計画を作成することができる。
【0102】
このように、各製造オーダー毎の製造開始時刻を該当する製品種類のサイクルチャンスを構成する可変長バケットに製造順に割付けを行うと、各可変長バケット毎に充填率fi1〜finが算出されると共に、1日単位のバケット毎に充填率fi0が算出される。
そして、算出された可変長バケットの充填率fi1〜finが図4に示すように充填率が100%を超えた場合はサイクルカレンダーの各バケット表示がべた塗りで表示され、バケット充填率が100%以下の場合は充填率に応じたハッチング表示で表される。充填率が100%未満の所定値以上のときはハッチング表示の幅を太く表示し、同所定値未満のときは細く表示するなどしてもよい。
【0103】
一方、1日単位のバケットについて各製造オーダー毎の製造所要時間を各工程毎に累計して、24hrで割った各製造工程毎の充填率fi0を稼動率として算出する。この各製造工程毎の稼動率は、横軸に時間をとり、縦軸に稼動率をとった特性線図で表すと、図14に示すようになる。
この図14では、第3タンデムコールドミル3TCMでは、13日及び15日に稼動率100%即ち設備の製造能力を超えており、第3連続焼鈍炉3CALでは、12日、14日及び16日に設備の製造能力を超えている。あらゆる工程の中で、何日も平均した稼働率が最も高い製造工程をボトルネック工程ということにすれば、今ここでは仮に、第3タンデムコールドみる3TCMがボトルネック工程となっている場合を想定する。一方、仕掛在庫量については、図15に示すように、第3タンデムコールドミル3TCMでは、12日及び14日の仕掛在庫量が多く、第3連続焼鈍炉3CALでは、13日の仕掛在庫量が多くなっている。
【0104】
ところで、上記に説明したボトルネック工程にも関連するが、図5の生産計画処理に再び戻り、ステップS5からステップS6に移行して、次に、図10に示す山崩し処理が行われる。山崩し処理とは、能力超過を生じている工程について、その超過している分を、該当する製品種類の他のサイクルチャンスにその製造タイミングを移すことをいうが、ここでの山崩し処理ではそれに加え、ボトルネック設備(例えば第3タンデムコールドミル3TCM)の属する工程については能力優先割付け処理を行い、ボトルネック設備の属する工程ではない工程に属する設備(例えば第3連続焼鈍炉3CAL)では納期優先割付け処理を行う。
【0105】
先ず、ボトルネック設備ではない設備について山崩しを行う場合について説明する。
この場合に、図10の処理において、ステップS32からステップS34に移行して、納期優先割付け処理が選択されるため、ステップS35からステップS39に移行して、各仕掛中製造オーダーについての山積み結果から優先順位を算出する。この優先順位の算出は、前述したように、各仕掛中製造オーダーについて、現在割り付けられている製造開始時刻と制約考慮最遅開始可能時刻との時間間隔を算出し、算出した時間間隔が短いほど優先順位が高く設定される。
【0106】
次いで、ステップS40に移行して、各仕掛中製造オーダーについて前倒し処理、代替振替処理、第1及び第2先送り処理のうちの1つ以上山崩し処理が行われる。
今、ある製造工程で、制約考慮最遅開始可能時刻TCLが第N日に設定され、全製造オーダーとも制約考慮最早開始可能時刻TCEの制約が発生せず、この第N日より遡る第N−1日、第N−2日、第N−3日及び第N−4日におけるある設備の各1日単位のバケットの充填率が図16(a)に示すように第N−1日及びN−3日で100%を超えると共に、各1日単位のバケットにおいて最下段が最も優先順位が高く、この最下段から上段側に行くに従いアルファベット順に優先順位が低くなっているものとする。ここで、同バケット内の製造オーダー中、山崩しして同じ製品種類の別なサイクルチャンスへその製造タイミングを移動すべき製造オーダーの優先順位の設定方法としては、該当設備(工程)での制約考慮最遅開始可能時刻TCLから現在割り付けられているバケット上位置における製造開始時刻を減算した値が小さい製造オーダーほど高い優先順位が設定される。さらに、第N−1日に製造を計画していた製造オーダーLが同じ製品種類の別なサイクルチャンスへその製造タイミングを移動すべき優先順位の最も高い製造オーダーになっているものとする。
【0107】
まず、前倒し処理によって、第N−1日から過去側即ち第N−2日、第N−3日方向に山崩しを行うことにより、充填率100%を超えている第N−1日の製造オーダーLの製造タイミングを前倒しするが、第N−2日には同じ製品種類のサイクルチャンスが存在しなかったとすると、図16(b)に示すように、同じ製品種類のサイクルチャンスが存在すること、制約考慮最早開始可能時刻よりも遅いこと、上流側工程との間で最短リードタイムを確保できること、下流側工程との間でリードタイムが最長リードタイム以内に納まること、等の各種条件を満足できる範囲内において第N−3日に製造オーダーLを割り付ける。これにより、第N−1日における1日単位のバケットの充填率が100%未満となるため、この第N−1日の山崩しを終了し、次に第N−2日の山崩しを行うが、この第N−2日における1日単位のバケットは充填率100%超過状態ではないので、図16(c)に示すように山崩しを行わず、次に充填率100%超過状態である第N−3日の1日単位のバケットについて山崩しを行う。
【0108】
この第N−3日の1日単位のバケットにおいては、図16(c)に示すように、最下段の製造オーダーDが最も優先順位が高いので、この製造オーダーDを図16(d)に示すように、前日の第N−4日にその製造タイミングを前倒しして割り付け、この状態でもまだ第N−3日の1日単位のバケットが充填率100%超過状態であるので、次に優先順位の高い製造オーダーEも図16(e)に示すように、前日の第N−4日にその製造タイミングを前倒しして割り付け、これによって第N−3日における1日単位のバケットの充填率100%超過状態が解消されるので、第N−3日の山崩しを終了する。この図16(e)において第N−4日における1日単位のバケットが充填率100%超過状態となっているが、制約考慮最早開始可能時刻や最長リードタイム等の制約によってその超過を生じている製造オーダーの製造タイミングを前倒しできないため前倒し処理を終了する。
【0109】
このように、前倒し処理の結果、充填率100%超過状態が残ってしまった場合には、図17に示すように、第1先送り処理を行う。この第1先送り処理では、第N−4日から未来方向即ち第N−3日、第N−2日及び第N−1日の順に山崩しを行う。このとき、第N−2日のみ製造オーダーL及びHに該当する製品種類のサイクルチャンスがないものとし、第N−1日終了時点が制約考慮最遅開始可能時刻であるものとする。
【0110】
第N−4日では図17(a)に示すように、最上段の製造オーダーEが最も優先順位が低いので、この製造オーダーEを同じ製品種類のサイクルチャンスが存在すること、制約考慮最遅開始可能時刻よりも早いこと、上流側工程との間で最短リードタイムを確保できること、下流側工程との間でリードタイムが最長リードタイム以下に納まるように図17(b)に示すように次の第N−3日に先送りする。この状態でも第N−4日の1日単位のバケットが依然充填率100%超過状態であるので、図17(b)で最上段となる優先順位の低い製造オーダーDについて図17(c)に示すように次の第N−3日に先送りする。
【0111】
このように、先送り処理した結果、第N−3日の1日単位のバケットの充填率が100%超過状態となるので、この第N−3日の1日単位のバケット中の優先順位の最も低い製造オーダーLについて、図17(d)に示すように、同じ製品種類のサイクルチャンスのない第N−2日を飛び越して、第N−1日にその製造タイミングを先送りする。
【0112】
この先送り処理によっても、第N−3日における1日単位のバケットが依然充填率100%超過状態であるので、この1日単位のバケットにおける最も優先順位が低い製造オーダーHについて図17(e)に示すように、第N−1日にその製造タイミングを先送りする。
このようにして、第N−1日の1日単位のバケットにおいて、充填率100%超過状態となるが、この第N−1日終了時点が制約考慮最遅開始可能時刻であるので、この第N−1日終了時点よりも製造タイミングを先送りすることができないため、第1先送り処理を終了する。
【0113】
次いで、もしも次に述べる第2先送り処理の対象となる製造オーダーの属性が納期遅れを許容するものであれば、第2先送り処理を行う。この第2先送り処理では、図17(e)に示す第1先送り処理の結果を出発点とする図18(a)に示すように、充填率100%超過状態にある第N−1日の1日単位のバケットにおいて最も優先順位が低い製造オーダーOについて第18図(b)に示すように第N日にその製造タイミングを先送りする。この状態でも、第N−1日の1日単位のバケットが依然充填率100%超過状態であるので、図18(b)で最も優先順位の低い製造オーダーNについて図18(c)に示すように第N日にその製造タイミングを先送りすることにより、第N−1日の山崩しを終了する。
【0114】
この第2先送り処理では、もしも未来側に同じ製品種類のサイクルチャンスがないか、上流側工程との間で最短リードタイムを確保できない、あるいは下流側工程との間でリードタイムが最長リードタイム以下に納まらないか納期遅れを許容できる製造オーダーがない場合には、充填率100%超過状態を生じている製造オーダーを適正配置不能材として表示し、以降は人為操作により処理するようにする。それには、先述のサイクルチャンスのリアルタイム調整(サイクルカレンダー調整)を行うのが極めて有効である。
【0115】
一方、前倒し処理に代えて代替振替処理を行う場合は、図19(a)に示すように、第N−3日の1日単位のバケットが充填率100%超過状態にあるものとしたときに、この第N−3日の1日単位のバケット内の優先順位が最も低い製造オーダーHを代替設備での製造に切換える。このとき、製造オーダーHについて代替振替処理への切換えが決定した時点で、製造オーダーHについての代替設備における制約考慮最早開始可能時刻TPCE と制約考慮最遅開始可能時刻TPCL とが算出され、この制約考慮最早開始可能時刻TPCE が第N−4日開始時点であり、制約考慮最遅開始可能時刻TPCL が第N−1日終了時点であるものとすると、代替設備における第N−4日の1日単位のバケットから第N−1日方向に順に1日単位のバケットに対して製造オーダーHの製造開始時刻の割付けを行い、製造オーダーHの製造開始時刻を割り付けても充填率が100%を超過しない1日単位のバケットを探索する。図19(c)では、第N−4日の1日単位のバケットでは製造オーダーHを割り付けることにより、充填率100%を超過することになるため、割付け不可能と判断し、同様に第N−3日の1日単位のバケットも製造オーダーHの割り付けによって充填率100%超過状態となるため、割付け不可能と判断し、結局次の第N−2日の1日単位のバケットでは製造オーダーHを割り付けても充填率が100%を超過しないので、図19(d)に示すように、第N−2日の1日単位のバケットに製造オーダーHについてその製造タイミング(製造開始時刻)を割り付ける。
【0116】
この製造オーダーHの代替振替処理が終了したのち、図19(b)に示すように、次に設備の製造能力超過状態となっている第N−1日の1日単位のバケットについて優先順位の最も低い製造オーダーOについて上記と同様の代替振替処理を行って代替振替による山崩しを完了する。
このように、仕掛中製造オーダーについての山崩しが完了すると、この仕掛中製造オーダーの製造開始時刻をロックした状態で、未仕掛製造オーダーについて山崩しを行う。この場合も、ボトルネック設備以外の設備の山崩しにおいて、図10におけるステップS34で納期優先割付け処理が選択されていることにより、上述した仕掛中製造オーダーの山崩しと同様に、前倒し処理、第1先送り処理、第2先送り処理及び代替振替処理のうちの1つ以上の山崩し処理が行われる。
【0117】
一方、山崩し対象となる設備がボトルネック設備である場合には、図10の処理において、ステップS32からステップS33に移行して能力優先割付け処理が選択され、これに応じてステップS35からステップS36に移行して、該当する1日単位のバケットについて先述した山積み処理による山積み結果が破棄されて、これに代えて仕掛中製造オーダーについて制約考慮最早開始可能時刻での再割付けを行う。このとき、標準リードタイム、最短リードタイム及び最長リードタイムを考慮した山積み結果が例えば図20(a)に示すように第N日の1日単位のバケットのみが充填率100%超過状態にあるものとするとき、制約考慮再早開始可能時刻での再割付けを行うと、図20(b)に示すように、製造タイミングが第N−1日及び第N日に集中し、図20(a)における充填率が100%に満たない第N−1日の存在がまずは解消され、ボトルネック設備をフル稼働させ、どんどん前倒しして製造し、設備が休止している時間帯を極力なくす目的に叶うことになる。
【0118】
次に、図20(b)の制約考慮再早開始可能時刻での再割付け状態を出発点として、ステップS37に移行して、第N−1日及び第N日における優先順位が算出され、これらについて優先順位の一番低い製造オーダーJについて第1先送り処理が行われ、次いで優先順位が順に高くなる製造オーダーI、製造オーダーG、製造オーダーF及び製造オーダーDの順で先送り処理が行われ、仕掛中製造オーダーの山崩しが終了すると未仕掛製造オーダーの山崩しが行われて、第N−1日〜第N+2日について充填率が可及的に前詰めで100%となるように能力優先の山崩しが行われる。
【0119】
このように山崩し処理を行うことにより、ある製造工程での1日単位のバケットの充填率100%超過状態を解消して、設備の製造能力上の負荷の平準化を行うことができるものであるが、この山崩し処理によって製造開始時刻が変更された場合に、変更された製造オーダーについて上流及び下流側の工程の製造開始時刻を変更する伝播処理が行われる。
【0120】
この伝播処理では、例えば図21に示すように、ある製造オーダーについて、ある工程Cで、第1先送り処理が行われ、山崩し処理前の◎で表される製造開始時刻TPC が先送りされて●で示す製造開始時刻TPC ′に変更された場合について説明する。
この工程Cの上流側工程Bでは、山崩し処理前の製造開始時刻TPB が工程Cの先送りされた製造開始時刻TPC ′から工程Cの上流側工程Bに対する最長リードタイムLTCMLを差し引いた時刻よりも前となっており、リードタイムを最長リードタイムLTCML以下に抑えることができず、前述した第4のリードタイム配置を満足することができないので、前述した図11の処理において、ステップS54からステップS56を経てステップS57に移行し、最長リードタイムから最短リードタイム方向即ち未来側に工程Bにおける同じ製品種類のサイクルチャンスが存在するか否かを判定し、この場合は、工程Cで先送りされた製造開始時刻TPC ′から最長リードタイムLTCMLを差し引いた時刻が同じ製品種類のサイクルチャンスCYB に含まれているため、この時刻を工程Bの製造開始時刻TPB ′としてサイクルチャンスCYB に該当するバケットに割り付ける。
【0121】
次いで、工程Cの下流側工程Dについても伝播処理を行い、工程Dの山崩し処理前の製造開始時刻TPD が、工程Cの先送りされた計画開始時刻TPC ′に工程Dの最短リードタイムLTDMSを加算した時刻より前側(過去側)であり、最短リードタイムLTDMSを満足できず、前述した第6のリードタイム配置を満足しないので、前述した図11の処理において、ステップS64からステップS68に移行して、最短リードタイムLTDMSから未来側に工程Dにおける同じ製品種類のサイクルチャンスを探索し、工程Cで先送りされた製造開始時刻TPC ′に最短リードタイムLTDMSを加算した時刻が同じ製品種類のサイクルチャンスCYD に含まれているので、この時刻を工程Dにおける製造開始時刻TPD ′としてサイクルチャンスCYD に該当するバケットに割り付ける。
【0122】
次いで、ステップS69に移行して、上流側工程の伝播処理が終了していないため、ステップS70に移行し、上流側工程として現在設定されている上流側工程Bより1つ上流側の工程Aを設定してからステップS72に移行し、下流工程への伝播処理も終了していないため、ステップS73に移行して、下流側工程として現在設定されている下流側工程Dより1つ下流側の工程Eを設定してからステップS75に移行し、全ての伝播処理が終了したか否かを判定し、全ての伝播処理が終了したわけではないためステップS52に戻る。
【0123】
このため、上流側工程Aでは、山崩し処理前の製造開始時刻TPA が、前述した伝播処理で変更された工程Bの製造開始時刻TPB ′から工程Bの上流側工程Aに対する最長リードタイムLTBMLを差し引いた時刻より未来側にあり、第4のリードタイム配置を満足するので、ステップS54からステップS55に移行して、上流側伝播処理終了フラグFUを“1”にセットしてから上流側工程Aへの伝播処理を終了してステップS61に移行する。
【0124】
下流側工程Eでは、前述した工程Dと同様に、上流側工程Dに対する最短リードタイムLTEMSを満足することができないので、ステップS62、S64を経てステップS68に移行して、最短リードタイムLTEMSから未来側に工程Eにおける同じ製品種類のサイクルチャンスを探索し、工程Dで先送りされた製造開始時刻TPD ′に工程Eの上流側工程Dに対する最短リードタイムLTEMSを加算した時刻が同じ製品種類のサイクルチャンスCYE に含まれているので、この時刻を工程Eの製造開始時刻TPE ′としてサイクルチャンスCYE に該当するバケットに割り付ける。
【0125】
この段階では、上流側伝播処理終了フラグFUが“1”にセットされているが、下流側伝播処理終了フラグFDはまだ“0”にリセットされた状態のままであるため、以降は下流側工程についてのみ順次伝播処理を実行し、下流側伝播処理終了フラグFDが“1”にセットされた段階で、ある製造オーダーについて全ての工程への伝播処理を終了したものと判断し、残りの山崩し対象製造オーダーについて上記伝播処理を繰り返して、全ての山崩し対象製造オーダーについて伝播処理を完了したときに図11の処理伝播処理を終了する。
【0126】
そして、このようにして、山崩し処理によってある工程iで製造開始時刻TPi が変更されたときには、それに伴う伝播処理によって最長リードタイム以下に抑えつつ最短リードタイムを確保できるようにその工程iの製造開始時刻の割り付けを行うと共に、伝播処理によって工程i以外の工程における製造開始時刻が移動した製造オーダーについては、工程i以外の工程におけるその後の山崩しに一定の制限を加えるのである。
【0127】
つまり、山崩し処理及び伝播処理によってそのなる製造オーダーの全工程における製造開始時刻の割付けが完了すると、別の製造オーダーや他の工程の山崩しに起因する伝播処理により、折角完了した製造開始時刻の割付けが攪乱されてしまう。これを防止するために、まず、山崩し対象となった工程におけるそのある製造オーダーの製造開始時刻の割付け結果のロック処理を行う。
【0128】
このロック処理には、設備単位でのロックを行う設備ロック処理、設備内のサイクルチャンス単位でロックを可能とするサイクルロック処理及び製造オーダー単位でのロックを可能とする製造オーダーロック処理があって情報処理端末3からの入力により、人為操作で適宜選択可能である。
そして次に、図22に示すように、例えば冷間圧延COLD工程を構成する設備である第3タンデムコールドミル3TCMで山崩しを行った結果、サイクルチャンスCY1での製造開始時刻TPCMをロックする設備ロック処理を行うと、この冷間圧延COLD工程を構成する設備である第3タンデムコールドミル3TCMでは、制約考慮最早開始可能時刻TPCE と制約考慮最遅開始可能時刻TPCL とを変更して一致させる処理が行われ、冷間圧延COLD工程よりも上流側の工程については製造開始時刻TPCMから最短リードタイムで遡ることにより、図22で細線図示のラインL7で示す制約考慮最遅開始可能時刻TPCL が更新して設定され、下流側の工程については製造開始時刻TPCMから最短リードタイムで時間の流れに従う図22で二点鎖線図示のラインL8で示す制約考慮最早開始可能時刻TPPCE が更新して設定される。
【0129】
したがって、第3タンデムコールドミル3TCMでは、そのある製造オーダーの製造開始時刻の割付け位置の変更は不可能となり、代替振替による他設備からの振替も不可能となり、さらにサイクルチャンスCY1の変更も不可能となる。一方、第3タンデムコールドミル3TCMの上流側工程では、一点鎖線図示のラインL2で示す制約考慮最早開始可能時刻TPCE と細線図示のラインL7で示す更新後の制約考慮最遅開始可能時刻TPCL との間でのみそのある製造オーダーの製造開始時刻の割付けが可能となり、また一方、下流側工程では、二点鎖線図示のラインL8で示す更新後の制約考慮最早開始可能時刻TPCE と細線図示のラインL3で示す制約考慮最遅開始可能時刻TPCL との間でのみそのある製造オーダーの製造開始時刻の割付けが可能となる。
【0130】
このように、上記実施形態においては、山積み、山崩し及び伝播処理で最長リードタイムLTML以下に納まるようにある製造オーダーの同じ製品種類のサイクルチャンスへの製造開始時刻の割付けを行うようにしているため、例えば熱間圧延完了後、所定時間内に酸洗を開始する必要がある品種について、これ以上時間がかかるとその所定時間をオーバーしてしまい、その必要性を満足できなくなり、しかも保温などで一時的にしのぐ設備もないような場合であっても、リードタイムを最長リードタイムLTML以下に抑え、製造中のトラブルを防止しつつ安定した品質を確保でき、省エネルギー化も図れる最適な生産計画を作成することができる。
【0131】
また、山崩し処理を行う際に、ボトルネック設備であるか否かによって能力優先割付け処理を行うか納期優先割付け処理を行うかを選択し、さらに仕掛中製造オーダーを優先的に山崩ししてから未仕掛製造オーダーの山崩しを行い、これに応じて山崩し方法を選択するようにしているので、山崩し対象設備に対応した最適な山崩しを行うことができる。
【0132】
なお、上記実施形態においては、本発明を鉄鋼製品に対して生産計画を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鉄鋼製品以外の製品の生産計画にももちろん適用することができる。
また、上記実施形態においては、サイクルカレンダーに可変長バケットのバケット充填率を表示調整により表す場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直接バケット充填率を数値表示するなどしてもよい。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1又は請求項6に係る発明によれば、山崩し処理は、ボトルネック設備に対しては制約考慮最早開始可能時刻に基づいて製品の製造タイミングの再割付けを行って当該ボトルネック設備の製造能力を最大限に発揮させる能力優先割付け処理を行い、前記ボトルネック設備以外の設備に対しては前記山積み処理で設定した各生産設備における前記製品の製造タイミングに基づいて納期優先割付け処理を行うようにしたので、ボトルネック設備をフル稼働させ、どんどん前倒しして製造することで設備が休止している時間帯を極力なくすことができボトルネック設備以外の設備での仕掛在庫量も調整でき、また、山崩し対象設備に応じた最適な山崩しも行うことができるため、最適な生産計画を作成することができるという効果が得られる。
【0134】
また、請求項2に係る発明によれば、山崩し手段は、複数の製造工程の途中にある仕掛中製品を対象とする山崩し処理を行った後に、未仕掛製品を加えた全ての製品の山崩し処理を行うように構成されているので、仕掛中製品の山崩しを優先させ、仕掛在庫量を減らすことができるため、最適な生産計画を作成することができるという効果が得られる。
【0135】
さらに、請求項3又は7に係る発明によれば、山崩し手段は、能力優先割付け処理時に、優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理及び納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品からその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できるので、最適な生産計画を作成することができるという効果が得られる。
【0136】
さらにまた、請求項4又は8に係る発明によれば、山崩し手段は、納期優先割付け処理時に、優先順位が高い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを過去側に移動する前倒し処理、代替振替処理、前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理及び納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できるので、最適な生産計画を作成することができるという効果が得られる。
【0137】
最後に、請求項5に係る発明によれば、山崩し自の優先順位を該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど高い値に設定するので、最適な生産計画を作成することができるという効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】ホストコンピュータでのファイル構成を示す説明図である。
【図3】サイクルカレンダーにおける可変長バケット形成手順を示す説明図である。
【図4】サイクルカレンダーを示す説明図である。
【図5】情報処理端末で実行する生産計画作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】生産計画作成処理に使用する工程テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】基準時刻設定処理の説明に供する図である。
【図8】山積み処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】山積み処理の説明に供する図である。
【図10】山崩し処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】伝播処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】山積み処理における割付け状態の説明図である。
【図13】山積み処理における他の割付け状態の説明図である。
【図14】1日単位の稼働率を示す説明図である。
【図15】1日単位の仕掛在庫量を示す説明図である。
【図16】山崩し処理における前倒し処理の説明図である。
【図17】山崩し処理における第1先送り処理の説明図である。
【図18】山崩し処理における第2先送り処理の説明図である。
【図19】山崩し処理における代替振替処理の説明図である。
【図20】能力優先割付け処理における山積み状態と制約考慮最早開始可能時刻に基づく再割付け状態とを表す説明図である。
【図21】伝播処理の説明に供する図である。
【図22】ロック処理の説明に供する図である。
【符号の説明】
1  ホストコンピュータ
2  サーバー
2A  生産計画管理システム
3  情報処理端末
3a 情報処理端末本体
3b ディスプレイ
3c キーボード
3d マウス
4  ローカルエリアネットワーク
11  需要オーダー登録ファイル
12  製造オーダー関連付けファイル
13  製造オーダー登録ファイル
14  仕掛在庫情報ファイル
20a  データ演算処理部
20b  規格テーブル
20c  工程テーブル
20d  サイクルカレンダーファイル
20e 生産計画ファイル
20f  ディスプレイ
21  部品データ定義ファイル
22  部品一覧定義ファイル
23  製造工程順一覧ファイル
24  設備一覧定義ファイル
25  代替設備設定定義ファイル
26  サイクル工程順設定定義ファイル
27  サイクル設備設定定義ファイル

Claims (8)

  1. 複数の製造工程を構成する複数の生産設備で逐次製品を生産する場合の生産計画を、山積み手段及び山崩し手段を利用して作成する生産計画作成システムにおいて、前記山崩し手段は、ボトルネック設備に対しては制約考慮最早開始可能時刻に基づいて製品の製造タイミングの再割付けを行って当該ボトルネック設備の製造能力を最大限に発揮させる能力優先割付け処理を行うと共に、ボトルネック設備以外の設備に対しては前記山積み手段で設定した各生産設備における前記製品の製造タイミングに基づいて納期優先割付け処理を行うように構成されていることを特徴とする生産計画作成システム。
  2. 前記山崩し手段は、複数の製造工程の途中にある仕掛中製品を対象とする山崩し処理を行った後に、未仕掛製品を加えた全ての製品の山崩し処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の生産計画作成システム。
  3. 前記山崩し手段は、ボトルネック設備を有している製造工程についての能力優先割付け処理時に、納期に間に合う限度において優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第1先送り処理又は納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生産計画作成システム。
  4. 前記山崩し手段は、納期優先割付け処理時に、優先順位が高い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを過去側に移動する前倒し処理、代替振替処理、前記優先順位が低い製品から順に山崩し対象となった製品のその製造工程での製造体ミンクを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理、納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の生産計画作成システム。
  5. 前記優先順位は、該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど高い値に設定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の生産計画作成システム。
  6. 複数の製造工程を構成する複数の生産設備で逐次製品を生産する場合の生産計画を、山積み処理及び山崩し処理を利用して作成する生産計画作成方法において、前記山崩し処理は、ボトルネック設備に対しては制約考慮最早開始可能時刻に基づいて製品の製造タイミングの再割付けを行って当該ボトルネック設備の製造能力を最大限に発揮させる能力優先割付け処理を行い、前記ボトルネック設備以外の設備に対しては前記山積み処理で設定した各生産設備における前記製品の製造タイミングに基づいて納期優先割付け処理を行うようにしたことを特徴とする生産計画作成方法。
  7. 前記能力優先割付け処理は、該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど優先順位が高く設定されると共に、該設定される優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理及び納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できることを特徴とする請求項6記載の生産計画作成方法。
  8. 前記納期優先割付け処理は、該当設備での制約考慮最遅開始可能時刻と割り付けられた製造開始時刻との間隔が短いほど優先順位が高く設定されると共に、該設定される優先順位が高い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを過去側に移動する前倒し処理、代替振替処理、前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを納期に間に合う限度において未来側へ移動する第1先送り処理、納期遅延を許容して前記優先順位が低い製品から順にその山崩し対象となった製品のその製造工程での製造タイミングを未来側へ移動する第2先送り処理を実行できることを特徴とする請求項6又は7に記載の生産計画作成方法。
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