JP2004028230A - 自力式緊急遮断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる自力式緊急遮断装置を提供する。
【解決手段】配水管12に介設した多孔オリフィス弁7の上流側圧力を一次導水管50によって操作部3のシリンダー下室32Aに導入し、上流側圧力を二次導水管51によってシリンダー上室32Bに導入し、上流側圧力P1と下流側圧力P2の圧力差ΔP(=P1−P2)が小さい平常時では、コイルスプリング44のバネ力とP2の和の値がP1に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し下げ、多孔オリフィス弁2を押し下げて弁開状態に保持し、配水管12に異常が発生した緊急時にはΔPが大きくなって、P1がコイルスプリング44のバネ力とP2の和の値に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し上げ、多孔オリフィス弁2を弁閉状態に保持して緊急遮断する。
【選択図】 図1
【解決手段】配水管12に介設した多孔オリフィス弁7の上流側圧力を一次導水管50によって操作部3のシリンダー下室32Aに導入し、上流側圧力を二次導水管51によってシリンダー上室32Bに導入し、上流側圧力P1と下流側圧力P2の圧力差ΔP(=P1−P2)が小さい平常時では、コイルスプリング44のバネ力とP2の和の値がP1に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し下げ、多孔オリフィス弁2を押し下げて弁開状態に保持し、配水管12に異常が発生した緊急時にはΔPが大きくなって、P1がコイルスプリング44のバネ力とP2の和の値に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し上げ、多孔オリフィス弁2を弁閉状態に保持して緊急遮断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば地震発生時などの緊急時において、自力により配水管の通水を緊急遮断する自力式緊急遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえば地震発生時などの緊急時において、自力により配水管の通水を遮断する自力式緊急遮断装置として、図4〜図6に示すものが知られている。これらの図において、自力式緊急遮断装置1は、配水管20に介設したバタフライ弁21と、このバタフライ弁21の上流側で配水管20に介設したオリフィス弁22とを有し、バタフライ弁21の弁体23と同時に回転する弁棒24の外端部にウエイトレバ−25の基部が固着され、ウエイトレバ−25の先端部にウエイト26が取付けられている。図5の弁体23の弁開状態は、図4のウエイトレバ−25およびウエイト26が実線で示す位置にある状態で、図6のウエイトレバ−25に設けたピン孔27にストップピン28が挿通されることによって保持されており、ストップピン28はベース板29に取付けられた差圧シリンダーによってなるストッパー機構30によって突没するように構成されている。
【0003】
図6のストッパー機構30の前室には、オリフィス弁22の上流圧が導水管31Aによって導かれ、ストッパー機構30の後室には、オリフィス弁22の下流圧が導水管31Bによって導かれる。したがって、配水管20内の流速が設定値以下の平常状態で、オリフィス弁22の上流側圧力と下流側圧力の圧力差(上流側圧力>下流側圧力)が小さい場合には、ストッパー機構30によって突出したストップピン28がピン孔27に挿通されて、ウエイトレバ−25およびウエイト26を実線で示す位置に位置決めしバタフライ弁21の弁体23を弁開状態に保持する。
【0004】
一方、地震の発生などにより配水管20に破損を生じて管内流速が設定値を超える緊急時には、オリフィス弁22の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が大きくなる。この大きい圧力差は導水管31A,31Bによってストッパー機構30に導かれ、前室と後室との大きい圧力差によってストップピン28を後退させてピン孔27から退避させる。これにより、ウエイトレバ−25およびウエイト26は、その自重で二点鎖線で示す位置に回動して弁体23を弁閉させることができる。すなわち、地震発生時などの緊急時においては自力により配水管20の通水を遮断することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の自力式緊急遮断装置では、バタフライ弁21とは別にオリフィス弁22が必要であるばかりか、バタフライ弁21にウエイトレバ−25、ウエイト26、ストップピン28およびこのストップピン28を突没させる差圧シリンダーによってなるストッパー機構30などの多くの機器類や部品を付設する必要がある。このため、構造が複雑になるとともに、設備コストが高くなるなどの問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる自力式緊急遮断装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る自力式緊急遮断装置は、複数のオリフィスを設けて弁箱に組付けた固定プレートと複数のオリフィスを設けて前記弁箱に交差して進退移動可能に組付けられて前記固定プレートに対向して配置された可動プレートとを有し、この可動プレートの進退移動で前記両プレートが相対移動して、前記複数のオリフィス同士が互いに対向する弁開状態と、前記対向関係を消失した弁閉状態が得られる多孔オリフィス弁と、前記可動プレートに連結した弁棒を進退移動させて多孔オリフィス弁を開閉する操作部を備え、この操作部が多孔オリフィス弁の上流側と下流側の圧力差を検出して、該圧力差が小さい平常時には前記可動プレートを弁開状態を保持し、前記圧力差が大きい緊急時には前記可動プレートを弁閉状態に保持するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、配水管に介設した多孔オリフィス弁の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が小さい平常時では、この小さい圧力差を操作部が検出して、可動プレートと固定プレートの複数のオリフィス同士を互いに対向させる弁開状態に保持する。また、多孔オリフィス弁の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が大きくなる緊急時には、この大きい圧力差を操作部が検出して、可動プレートと固定プレートの複数のオリフィス同士の対向関係を消失した弁閉状態に保持して、配水管内の通水を緊急遮断することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す弁開状態の縦断面図、図2は操作部の一例を示す拡大断面図であり、これらの図において、自力式緊急遮断装置1は、多孔オリフィス弁2と、操作部3とを備えている。多孔オリフィス弁2は、弁箱4の軸線Cに平行な軸線を有する複数のオリフィス5,5……を設けて、軸線Cに直交して昇降可能に弁箱4に組付けられた可動プレート6と、弁箱4の軸線Cに平行な軸線を有する複数のオリフィス7,7……を設けて、可動プレート6の下流側に対向して摺接するように弁箱4に組付けられた固定プレート8とを備え、可動プレート6は弁棒9を介し操作部3に連結されている。そして、可動プレート6の昇降運動で可動プレート6と固定プレート8が相対移動し、可動プレート6が下降して複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……とを同心に対向させた全開状態と、可動プレート6が上昇して複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……との対向関係を消失させた全閉状態が得られる。なお、図1では、可動プレート6が下降して複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……が同心に対向している全開状態を示しており、この状態から操作部3によって弁棒9と可動プレート6を引き上げることで、図3に示すような複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……との対向関係を消失させた全閉状態が得られる。
【0010】
操作部3は、シリンダー装置30と弁棒付勢機構40とを備え、シリンダー装置30は、弁棒9に固着したピストン31と、このピストン31を昇降自在に収容したシリンダー32とからなり、ピストン31によって区画されるシリンダー下室32Aには、一次導水管50により多孔オリフィス弁2における可動プレート6よりも上流域の水(水圧)が導入され、シリンダー上室32Bには、二次導水管51により多孔オリフィス弁2における固定プレート8よりも下流域の水(水圧)が導入される。
【0011】
弁棒付勢機構40は、シリンダー32の上面に載置固定されたケース41と、このケース41内で弁棒9に固着された下側バネ受け42と、ケース41内で下側バネ受け42に対向して配置された上側バネ受け43と、下側バネ受け42と上側バネ受け43の間に介在するとともに、下側バネ受け42を介して弁棒9を常時下向きに付勢するコイルスプリング44と、下側バネ受け42と上側バネ受け43との対向間隔を変えることで、コイルスプリング44のバネ力を所定の値に調整して設定するバネ力調整部材45とを備えており、バネ力調整部材45は、調整ボルト46とロックナット47によって構成されている。
【0012】
調整ボルト46は、その雄ねじ部をケース41の天井41Aを貫通して設けたねじ孔41Bに上側から螺合してケース41の内部に挿入されており、その下端部には、径小部46Aと下向きの段差面46Bが設けられ、径小部46Aを上側バネ受け43の小孔43Aに挿入した状態で下向きの段差面46Bを小孔43Aの周辺部上面に当接させてある。したがって、ロックナット47による締め付けを一旦解除して、ケース41内に挿入される調整ボルト46の長さを調整して、下側バネ受け42と上側バネ受け43との対向間隔を拡縮させることによって、コイルスプリング44のバネ力を所定の値に調整して設定することができ、この状態でロックナット47を締め付けることにより、コイルスプリング44のバネ力を設定値に保持することができる。
【0013】
コイルスプリング44のバネ力は、配水管12に介設した多孔オリフィス弁2の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が小さい平常時において下流側圧力との和により、図1のように弁棒9および可動プレート6を押し下げ、複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……とを同心に対向させた全開状態を得ることができるとともに、多孔オリフィス弁2の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が大きくなる緊急時には上流側圧力が打ち勝って、図3のように弁棒9および可動プレート6を押し上げ、複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……との対向関係を消失させた全閉状態を得ることができる値に設定されている。
【0014】
このような構成であれば、配水管12に介設した多孔オリフィス弁2の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が小さい平常時では、この小さい圧力差を操作部3が検出して、可動プレート6と固定プレート8の複数のオリフィス5,5……、7,7……同士を互いに対向させる図1の弁開状態に保持する。すなわち、配水管12に異常が生じていない平常時では、一次導水管50によりシリンダー装置30におけるシリンダー下室32Aに導入される可動プレート6よりも上流域の圧力(水圧)P1と、二次導水管51によりシリンダー装置30におけるシリンダー上室32Bに導入される可動プレート6よりも下流域の圧力(水圧)P2との圧力差ΔP(=P1−P2)が小さいので、コイルスプリング44のバネ力とP2の和の値がP1に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し下げ、多孔オリフィス弁2を弁開状態に保持する。
【0015】
一方、地震の発生などにより配水管12に破損を生じて管内流速が設定値を超える緊急時には、大きくなったΔPを操作部3が検出して、可動プレート6と固定プレート8の複数のオリフィス5,5……、7,7……同士の対向関係を消失した図3の弁閉状態に保持して、配水管12内の通水を緊急遮断することができる。すなわち、配水管12に異常が発生した緊急時にはΔPが大きくなって、P1がコイルスプリング44のバネ力とP2の和の値に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し上げ、多孔オリフィス弁2を弁閉状態に保持して、配水管12内の通水を緊急遮断することができる。
【0016】
このように、本発明に係る自力式緊急遮断装置1は、操作部3を備えた多孔オリフィス弁2のみによって構成されているので、従来の自力式緊急遮断装置で必要とされていたバタフライ弁21と該バタフライ弁21に付設されていた多くの機器類や部品などが不要になる。このため、構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる。
【0017】
前記実施の形態では、操作部3をシリンダー装置30と弁棒付勢機構40とを備えた構成で説明しているが、シリンダー装置30に代えたダイヤフラムと弁棒付勢機構40とを備えた構成の操作部3であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自力式緊急遮断装置は構成されているので、以下のような格別の効果を奏する。
【0019】
すなわち、操作部を備えた多孔オリフィス弁のみによって自力式緊急遮断装置を構成しているので、従来の自力式緊急遮断装置で必要とされていたバタフライ弁や該バタフライ弁に付設されていた多くの機器類や部品などが不要であるから、構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す弁開状態の縦断面図である。
【図2】操作部の一例を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す弁閉状態の縦断面図である。
【図4】従来例の全体構成を示す正面図である。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【図6】図4のオリフィスとストッパー機構との関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 自力式緊急遮断装置
2 多孔オリフィス弁
3 操作部
4 弁箱
5 複数のオリフィス
6 可動プレート
7 複数のオリフィス
8 固定プレート
9 弁棒
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば地震発生時などの緊急時において、自力により配水管の通水を緊急遮断する自力式緊急遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえば地震発生時などの緊急時において、自力により配水管の通水を遮断する自力式緊急遮断装置として、図4〜図6に示すものが知られている。これらの図において、自力式緊急遮断装置1は、配水管20に介設したバタフライ弁21と、このバタフライ弁21の上流側で配水管20に介設したオリフィス弁22とを有し、バタフライ弁21の弁体23と同時に回転する弁棒24の外端部にウエイトレバ−25の基部が固着され、ウエイトレバ−25の先端部にウエイト26が取付けられている。図5の弁体23の弁開状態は、図4のウエイトレバ−25およびウエイト26が実線で示す位置にある状態で、図6のウエイトレバ−25に設けたピン孔27にストップピン28が挿通されることによって保持されており、ストップピン28はベース板29に取付けられた差圧シリンダーによってなるストッパー機構30によって突没するように構成されている。
【0003】
図6のストッパー機構30の前室には、オリフィス弁22の上流圧が導水管31Aによって導かれ、ストッパー機構30の後室には、オリフィス弁22の下流圧が導水管31Bによって導かれる。したがって、配水管20内の流速が設定値以下の平常状態で、オリフィス弁22の上流側圧力と下流側圧力の圧力差(上流側圧力>下流側圧力)が小さい場合には、ストッパー機構30によって突出したストップピン28がピン孔27に挿通されて、ウエイトレバ−25およびウエイト26を実線で示す位置に位置決めしバタフライ弁21の弁体23を弁開状態に保持する。
【0004】
一方、地震の発生などにより配水管20に破損を生じて管内流速が設定値を超える緊急時には、オリフィス弁22の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が大きくなる。この大きい圧力差は導水管31A,31Bによってストッパー機構30に導かれ、前室と後室との大きい圧力差によってストップピン28を後退させてピン孔27から退避させる。これにより、ウエイトレバ−25およびウエイト26は、その自重で二点鎖線で示す位置に回動して弁体23を弁閉させることができる。すなわち、地震発生時などの緊急時においては自力により配水管20の通水を遮断することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の自力式緊急遮断装置では、バタフライ弁21とは別にオリフィス弁22が必要であるばかりか、バタフライ弁21にウエイトレバ−25、ウエイト26、ストップピン28およびこのストップピン28を突没させる差圧シリンダーによってなるストッパー機構30などの多くの機器類や部品を付設する必要がある。このため、構造が複雑になるとともに、設備コストが高くなるなどの問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる自力式緊急遮断装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る自力式緊急遮断装置は、複数のオリフィスを設けて弁箱に組付けた固定プレートと複数のオリフィスを設けて前記弁箱に交差して進退移動可能に組付けられて前記固定プレートに対向して配置された可動プレートとを有し、この可動プレートの進退移動で前記両プレートが相対移動して、前記複数のオリフィス同士が互いに対向する弁開状態と、前記対向関係を消失した弁閉状態が得られる多孔オリフィス弁と、前記可動プレートに連結した弁棒を進退移動させて多孔オリフィス弁を開閉する操作部を備え、この操作部が多孔オリフィス弁の上流側と下流側の圧力差を検出して、該圧力差が小さい平常時には前記可動プレートを弁開状態を保持し、前記圧力差が大きい緊急時には前記可動プレートを弁閉状態に保持するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、配水管に介設した多孔オリフィス弁の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が小さい平常時では、この小さい圧力差を操作部が検出して、可動プレートと固定プレートの複数のオリフィス同士を互いに対向させる弁開状態に保持する。また、多孔オリフィス弁の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が大きくなる緊急時には、この大きい圧力差を操作部が検出して、可動プレートと固定プレートの複数のオリフィス同士の対向関係を消失した弁閉状態に保持して、配水管内の通水を緊急遮断することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す弁開状態の縦断面図、図2は操作部の一例を示す拡大断面図であり、これらの図において、自力式緊急遮断装置1は、多孔オリフィス弁2と、操作部3とを備えている。多孔オリフィス弁2は、弁箱4の軸線Cに平行な軸線を有する複数のオリフィス5,5……を設けて、軸線Cに直交して昇降可能に弁箱4に組付けられた可動プレート6と、弁箱4の軸線Cに平行な軸線を有する複数のオリフィス7,7……を設けて、可動プレート6の下流側に対向して摺接するように弁箱4に組付けられた固定プレート8とを備え、可動プレート6は弁棒9を介し操作部3に連結されている。そして、可動プレート6の昇降運動で可動プレート6と固定プレート8が相対移動し、可動プレート6が下降して複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……とを同心に対向させた全開状態と、可動プレート6が上昇して複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……との対向関係を消失させた全閉状態が得られる。なお、図1では、可動プレート6が下降して複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……が同心に対向している全開状態を示しており、この状態から操作部3によって弁棒9と可動プレート6を引き上げることで、図3に示すような複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……との対向関係を消失させた全閉状態が得られる。
【0010】
操作部3は、シリンダー装置30と弁棒付勢機構40とを備え、シリンダー装置30は、弁棒9に固着したピストン31と、このピストン31を昇降自在に収容したシリンダー32とからなり、ピストン31によって区画されるシリンダー下室32Aには、一次導水管50により多孔オリフィス弁2における可動プレート6よりも上流域の水(水圧)が導入され、シリンダー上室32Bには、二次導水管51により多孔オリフィス弁2における固定プレート8よりも下流域の水(水圧)が導入される。
【0011】
弁棒付勢機構40は、シリンダー32の上面に載置固定されたケース41と、このケース41内で弁棒9に固着された下側バネ受け42と、ケース41内で下側バネ受け42に対向して配置された上側バネ受け43と、下側バネ受け42と上側バネ受け43の間に介在するとともに、下側バネ受け42を介して弁棒9を常時下向きに付勢するコイルスプリング44と、下側バネ受け42と上側バネ受け43との対向間隔を変えることで、コイルスプリング44のバネ力を所定の値に調整して設定するバネ力調整部材45とを備えており、バネ力調整部材45は、調整ボルト46とロックナット47によって構成されている。
【0012】
調整ボルト46は、その雄ねじ部をケース41の天井41Aを貫通して設けたねじ孔41Bに上側から螺合してケース41の内部に挿入されており、その下端部には、径小部46Aと下向きの段差面46Bが設けられ、径小部46Aを上側バネ受け43の小孔43Aに挿入した状態で下向きの段差面46Bを小孔43Aの周辺部上面に当接させてある。したがって、ロックナット47による締め付けを一旦解除して、ケース41内に挿入される調整ボルト46の長さを調整して、下側バネ受け42と上側バネ受け43との対向間隔を拡縮させることによって、コイルスプリング44のバネ力を所定の値に調整して設定することができ、この状態でロックナット47を締め付けることにより、コイルスプリング44のバネ力を設定値に保持することができる。
【0013】
コイルスプリング44のバネ力は、配水管12に介設した多孔オリフィス弁2の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が小さい平常時において下流側圧力との和により、図1のように弁棒9および可動プレート6を押し下げ、複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……とを同心に対向させた全開状態を得ることができるとともに、多孔オリフィス弁2の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が大きくなる緊急時には上流側圧力が打ち勝って、図3のように弁棒9および可動プレート6を押し上げ、複数のオリフィス5,5……と複数のオリフィス7,7……との対向関係を消失させた全閉状態を得ることができる値に設定されている。
【0014】
このような構成であれば、配水管12に介設した多孔オリフィス弁2の上流側圧力と下流側圧力の圧力差が小さい平常時では、この小さい圧力差を操作部3が検出して、可動プレート6と固定プレート8の複数のオリフィス5,5……、7,7……同士を互いに対向させる図1の弁開状態に保持する。すなわち、配水管12に異常が生じていない平常時では、一次導水管50によりシリンダー装置30におけるシリンダー下室32Aに導入される可動プレート6よりも上流域の圧力(水圧)P1と、二次導水管51によりシリンダー装置30におけるシリンダー上室32Bに導入される可動プレート6よりも下流域の圧力(水圧)P2との圧力差ΔP(=P1−P2)が小さいので、コイルスプリング44のバネ力とP2の和の値がP1に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し下げ、多孔オリフィス弁2を弁開状態に保持する。
【0015】
一方、地震の発生などにより配水管12に破損を生じて管内流速が設定値を超える緊急時には、大きくなったΔPを操作部3が検出して、可動プレート6と固定プレート8の複数のオリフィス5,5……、7,7……同士の対向関係を消失した図3の弁閉状態に保持して、配水管12内の通水を緊急遮断することができる。すなわち、配水管12に異常が発生した緊急時にはΔPが大きくなって、P1がコイルスプリング44のバネ力とP2の和の値に打ち勝って、弁棒9および可動プレート6を押し上げ、多孔オリフィス弁2を弁閉状態に保持して、配水管12内の通水を緊急遮断することができる。
【0016】
このように、本発明に係る自力式緊急遮断装置1は、操作部3を備えた多孔オリフィス弁2のみによって構成されているので、従来の自力式緊急遮断装置で必要とされていたバタフライ弁21と該バタフライ弁21に付設されていた多くの機器類や部品などが不要になる。このため、構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる。
【0017】
前記実施の形態では、操作部3をシリンダー装置30と弁棒付勢機構40とを備えた構成で説明しているが、シリンダー装置30に代えたダイヤフラムと弁棒付勢機構40とを備えた構成の操作部3であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自力式緊急遮断装置は構成されているので、以下のような格別の効果を奏する。
【0019】
すなわち、操作部を備えた多孔オリフィス弁のみによって自力式緊急遮断装置を構成しているので、従来の自力式緊急遮断装置で必要とされていたバタフライ弁や該バタフライ弁に付設されていた多くの機器類や部品などが不要であるから、構造を簡略化して設備コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す弁開状態の縦断面図である。
【図2】操作部の一例を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す弁閉状態の縦断面図である。
【図4】従来例の全体構成を示す正面図である。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【図6】図4のオリフィスとストッパー機構との関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 自力式緊急遮断装置
2 多孔オリフィス弁
3 操作部
4 弁箱
5 複数のオリフィス
6 可動プレート
7 複数のオリフィス
8 固定プレート
9 弁棒
Claims (1)
- 複数のオリフィスを設けて弁箱に組付けた固定プレートと複数のオリフィスを設けて前記弁箱に交差して進退移動可能に組付けられて前記固定プレートに対向して配置された可動プレートとを有し、この可動プレートの進退移動で前記両プレートが相対移動して、前記複数のオリフィス同士が互いに対向する弁開状態と、前記対向関係を消失した弁閉状態が得られる多孔オリフィス弁と、前記可動プレートに連結した弁棒を進退移動させて多孔オリフィス弁を開閉する操作部を備え、この操作部が多孔オリフィス弁の上流側と下流側の圧力差を検出して、該圧力差が小さい平常時には前記可動プレートを弁開状態を保持し、前記圧力差が大きい緊急時には前記可動プレートを弁閉状態に保持するように構成されていることを特徴とする自力式緊急遮断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002186185A JP2004028230A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | 自力式緊急遮断装置 |
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JP2002186185A JP2004028230A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | 自力式緊急遮断装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004028230A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101036141B1 (ko) | 2004-04-21 | 2011-05-23 | 장대순 | 관로내 물, 가스, 기름등의 대량 누출을 방지하기 위한자동차단밸브 |
KR101571411B1 (ko) * | 2014-07-04 | 2015-11-24 | 삼성중공업 주식회사 | 밸브 및 이를 포함하는 오일하역시스템 |
CN110107763A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-08-09 | 浙江大学 | 一种多级孔板缓冲螺旋型导轨稳压装置及其方法 |
-
2002
- 2002-06-26 JP JP2002186185A patent/JP2004028230A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101036141B1 (ko) | 2004-04-21 | 2011-05-23 | 장대순 | 관로내 물, 가스, 기름등의 대량 누출을 방지하기 위한자동차단밸브 |
KR101571411B1 (ko) * | 2014-07-04 | 2015-11-24 | 삼성중공업 주식회사 | 밸브 및 이를 포함하는 오일하역시스템 |
CN110107763A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-08-09 | 浙江大学 | 一种多级孔板缓冲螺旋型导轨稳压装置及其方法 |
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