【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばむし歯治療などの根管治療において、根管治療器具の破損によって破片が根管内に残ったときに、上記破片を抜き取る方法及び同方法の各工程に使用する工具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えばむし歯の治療において、歯髄（神経）の除去を行った後の歯髄腔内に根管充填剤を充填して無菌的に封鎖することが行われている。前述のごとく歯髄の除去を行う際に、歯髄の除去を行うための工具が折損し、破片を根管内に残すことがある。
【０００３】
上記破片の抜き取りを行うための器具として、把持部の先端部に開閉自在のチャックを備えた破片器具における前記チャックでもって前記破片の頭部を把持し、破片を引き抜く形式の器具がある。また、特開２００１−２６９３５６号公報に記載されているように、把持部の先端に屈曲して備えた柄部材の先端部に、破片の頭部を引き掛けるための環状の係止部を備えた構成の器具がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
把持部の先端部に、破片の頭部を把持自在のチャックを開閉自在に備えた器具においては、破片の頭部を前記チャックによって把持するとき、破片の頭部とチャックとの位置的関係が適正であるか否かを目視することができないという問題がある。
【０００５】
前記特開２００１−２６９３５６号公報に記載の器具においては、環状の係止部を破片の頭部に掛けるとき、破片と係止部との位置的関係を目視することができるものの、係止部は大径の連通孔と破片を挟持する小径のホールド孔とを連続して備えて涙滴形状に形成するものである。
【０００６】
したがって、係止部を構成する素材（線材）の弾性等を考慮すると、前記係止部の形状形成が厄介であるのみならず、破片をホールド孔に単に係止するものであるから、破片が上記ホールド孔から抜けることがあるなどの問題がある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項１に係る発明は、根管治療時に破損した根管治療器具の破片抜き取り方法において、根管内の破片の頭部を切削拡開工具に備えた可撓軸先端の凹部に入れ、上記可撓軸を逆回転して、先端部に備えた切削刃によって歯髄腔を拡開する工程と、超音波切削工具の先端の凹部を前記破片に対向し、上記超音波切削工具に超音波振動を付与して前記破片の頭部周囲の歯質を削除して、前記頭部周囲をさらに拡開する工程と、破片抜き取り工具に備えたパイプ材の先端部から突出した線部材のループ部分によって前記破片の頭部を締め付けて抜き取る工程、の各工程よりなる根管治療器具の破片抜き取り方法である。
【０００８】
請求項２に係る発明は、回転用アクチュエータへの取付部を備えた軸体の先端部に、可撓性を有する微細な可撓軸を設け、この可撓軸の先端部に、根管治療器具の破片の頭部が入り込み可能の凹部を先端側へ開口し、かつ上記凹部の側方に、逆回転時に切削作用を行う切削刃を傾斜して備えた切削拡開工具である。
【０００９】
請求項３に係る発明は、超音波発生器への取付部を備えた超音波切削工具であって、前記取付部の軸心に対して交差する方向へ長く設けた軸体を、先端部側が細くなるテーパ状に設け、この軸体の先端部周面に、根管治療器具の破片に対応した凹部を形成した超音波切削工具である。
【００１０】
請求項４に係る発明は、柄部材の先端部に備えた長いパイプ材内に、当該パイプ材の先端部から突出した部分にループを形成した線部材を移動自在に設け、前記柄部材に揺動自在に備えたスライド部材に、前記線部材を着脱交換可能に連結して設けた破片抜き取り工具である。
【００１１】
請求項５に係る発明は、請求項４に記載の破片抜き取り工具において、前記パイプ材の先端部の穴形状を、２個の円孔の１部が重なった形態の穴形状に形成してある破片抜き取り工具である。
【００１２】
【発明の実施の形態】
例えばむし歯の治療等においては、歯髄（神経）を除去することによって空洞となった歯髄腔に、根管充填剤を充填して無菌的に前記歯髄腔を封鎖することが行われている。前述のごとく、歯髄の除去を行うとき、歯髄腔Ａは、図１（Ａ）に示すように、歯根Ｂの先端側ほど狭くなっているので、器具が折損し、その破片Ｃを内部に残すことがある。
【００１３】
上記破片Ｃを抜き取るには、図１（Ｂ）に示すように、先ず、上記破片Ｃの頭部ＣＨ付近の歯髄腔Ａを拡開する。そして、図１（Ｃ）に示すように、前記破片Ｃが僅かに抜け出した状態において、破片Ｃの頭部ＣＨが歯髄腔Ａの一方へ片寄る場合には、前記頭部ＣＨの周囲の歯質を削除し拡開して、図２（Ａ）に示すように、前記頭部ＣＨを歯髄腔Ａのほぼ中間に位置するようにする。
【００１４】
その後、図２（Ｂ）に示すように、抜き取り工具に備えた線部材のループ部分によって前記破片Ｃの頭部ＣＨを締め付けて、前記破片Ｃの抜き取りを行うものである。
【００１５】
前述のように、前記破片Ｃの抜き取りを行うには複数の工程が必要である。そこで、各工程に使用する工具について詳細に説明する。
【００１６】
図３を参照するに、図３は前記破片Ｃの頭部ＣＨの周囲の歯髄腔Ａを拡開する作用をなす切削拡開工具１であって、この切削拡開工具１は、例えば歯科用電気エンジンなどのごとき回転用アクチュエータ（図示省略）への取付部３を備えた軸体５の先端部に、可撓性を有する微細な可撓軸７を備えた構成である。
【００１７】
前記可撓軸７の先端部には、先端側ほど薄くなり、かつ幅が大きくなる形状の板状の拡大部９が設けてあり、この拡大部９には、前記破片Ｃの頭部ＣＨが入り込み可能の凹部（切欠部）１１が先端側及び拡大部９の厚さ方向へ開口して形成してある。そして、前記凹部１１の両外側には逆回転（左回転）時に切削作用を行う切削刃１３が傾斜して形成してある。
【００１８】
したがって、前記軸体５の取付部３を回転用アクチュエータに取付けて逆回転し、前記歯髄腔Ａ内に挿入すると、歯髄腔Ａ内の破片Ｃの頭部付近の内面が切削刃１３によって切削されて拡開されることになる。この際、歯髄腔Ａが多少湾曲している場合であっても、可撓軸７が切削抵抗の小さい方へ湾曲することによって歯髄腔Ａの湾曲に倣うこととなる。そして、前記切削刃１３による歯髄腔Ａの内面の切削が進行すると、図１（Ｂ）に示すように、前記破片Ｃの頭部ＣＨは前記拡大部９の凹部１１内に相対的に進入することとなり、拡大部９の左回転に追従して破片Ｃも多少は左回転されて僅かではあるが抜け出る傾向にある。
【００１９】
前述のごとく切削拡開工具１によって前記破片Ｃの頭部ＣＨ付近の歯髄腔Ａを拡開し、かつ前記破片Ｃが僅かに抜け出た状態において、切削拡開工具１の軸体５の先端の拡大部９を歯髄腔Ａから抜き出すと、前記破片Ｃの頭部ＣＨは、図１（Ｃ）に示すように、拡開した歯髄腔Ａの内面に接触するように倒れる傾向にある。
【００２０】
そこで、拡開した歯髄腔Ａのほぼ中央部に前記破片Ｃの頭部ＣＨが位置するように調整するために、超音波切削工具１５が使用される。この超音波切削工具１５は、図４に示すように、超音波発生器（図示省略）に備えた超音波振動子への取付部１７を備えており、この超音波切削工具１５の軸体１９は前記取付部１７の軸心に対して交差する方向に長く設けてあり、かつ先端側が約０．４φ程度に細くなるようにテーパ状に形成してある。
【００２１】
そして、前記軸体１９の先端部には、前記破片Ｃの頭部ＣＨの外周部に対応した凹部２１が形成してある。前記凹部２１は円弧溝状に形成してあり、この円弧状溝の円弧面２１Ｆと周面との交差部に切削刃２１Ｂが形成されていると共に、先端面２１Ｅが切削刃として形成されている。
【００２２】
上記構成により、前記超音波切削工具１５の軸体１９の先端部の凹部２１が破片Ｃの頭部ＣＨと対向するように歯髄腔Ａ内に挿入し、軸体１９に超音波振動を付与することにより、前記切削刃２１Ｂ及び先端面２１Ｅによって破片Ｃの頭部ＣＨの周囲の歯質の切削除去作用が行われ、前記破片Ｃの頭部ＣＨの周囲は、図２（Ａ）に示すように、さらに拡開されて、比較的大きな空間が形成されることになる。
【００２３】
なお、図４（Ａ），（Ｂ）の相違は、軸体１９の前端部設けた凹部２１の位置が屈曲した軸体１９の外側に位置するか内側に位置するかの相違であって、前記破片Ｃの頭部ＣＨの傾斜方向の相違によって使い分けるものである。
【００２４】
前述のごとく、拡開された歯髄腔Ａのほぼ中央部に頭部ＣＨが位置決めされた態様にある破片Ｃを抜き取るために、破片抜き取り工具２３が使用される。上記破片抜き取り工具２３は、図５に示すように、筒状の柄部材２５を備えており、この柄部材２５の嵌合孔２７の先端部には接合キャップ２９が着脱交換可能に嵌合してある。
【００２５】
上記接合キャップ２９には細く長いパイプ材３１が一体的に取付けてあり、このパイプ材３１の先端部は、図６に示すように、先端部の穴３３の形状が２個の円孔の１部が重なった態様の穴形状、すなわちほぼ８字形状を呈するように両側から押し潰してある。換言すれば、パイプ材３１の先端部は両側から押し潰すことにより穴３３を２つの部分に区画してある。そして、上記穴３３の区画された部分に案内され、かつ前記パイプ材３１の先端部から突出した部分にループ３５を形成して折り返した線部材３７の両端部は、前記パイプ材３１及び部分キャップ２９を貫通して係止片３９に固定してある。
【００２６】
前記穴３３を押し潰したときの最接近部分の間隔寸法は前記線部材３７の直径より小さな寸法であって、線部材３７が穴３３内に入り込まないように構成してある。
【００２７】
前記係止片３９は、前記柄部材２５に設けた前記嵌合孔２７内に摺動自在に備えたスライド部材４１の係止部４３に係合離脱自在に係合してある。前記スライド部材４１には、前記柄部材２５に形成した長手方向のスロット４５に移動自在に係合した操作用のスライドトリガー４７がボルトを介して一体的に取付けてある。そして、前記スライド部材４１と前記嵌合孔２７の底部との間に弾装したコイルスプリング等のごとき弾性部材４９によって、前記スライド部材４１は前記嵌合キャップ２９に当接する方向へ常に付勢されている。
【００２８】
上記構成において、常態においてはパイプ材３１の先端部から線部材３７が突出した部分にループ３５が形成された状態にあり、スライドトリガー４７を操作して、弾性部材４９の付勢力に抗してスライド部材４１を嵌合孔２７の内方向へ移動して線部材３７を引き込むと、前記ループ３５の径は次第に小さくなるものである。
【００２９】
なお、線部材３７は、パイプ材３１の先端部に形成したほぼ８字形状の穴によって案内されているので、パイプ材３１の先端部から突出した部分が捩れるようなことがなく、前記ループ３５を大きく形成することができるものである。
【００３０】
したがって、前述したように、破片Ｃの頭部ＣＨを前記歯髄腔へのほぼ中央部に位置せしめた態様の状態にあるときに、前記破片抜き取り工具２３のパイプ材３１の先端部を前記歯髄腔Ａ内に入れる。そして、図２（Ｂ）に示すように、パイプ材３１の先端部から突出して大きく形成されているループ３５内に破片Ｃの頭部ＣＨを入れた後、前述したようにスライドトリガー４７を操作して前記ループ３５を次第に小さくし、破片Ｃの頭部ＣＨを線部材３７のループ３５でもって締付ける。その後、前記破片抜き取り工具２３を外部へ取り出すことにより、前記破片Ｃを抜き取ることができるものである。
【００３１】
なお、前記スライドリガー４７の誤操作によって前記ループ３５が小さくなった場合であっても、前記線部材３７が穴３３内に入ってしまうようなことがないので、前記ループ３５を再び大きくすることが容易なものである。
【００３２】
上記破片抜き取り工具２３においては、柄部材２５の嵌合孔２７に対して接合キャップ２９が着脱交換自在であり、かつ線部材３７の端部を連結した係止片３９がスライド部材４１の係止部４３に対して着脱交換自在であるから、線部材３７が破断した場合や数回使用したときなど、また衛生的な点など、必要に応じて適正なときに先端側の接合キャップ２９等を着脱交換することができ、常に良好な状態を維持できるものである。
【００３３】
既に理解されるように、根管治療時に器具が破損して破片Ｃが根管部に残ったような場合には、切削拡開工具１によって前記破片Ｃの頭部付近の周囲を切削刃１３により切削して歯髄腔Ａを拡開し、かつ超音波切削工具１５の凹部２１を前記破片Ｃの頭部に対向して破片Ｃの頭部ＣＨの周囲の歯質の切削除去を行って周囲をさらに拡開した後、破片抜き取り工具２３に備えた線部材３７のループ３５によって前記破片Ｃの頭部ＣＨを締付けて破片Ｃの抜き取りを行うものであるから、破片Ｃの抜き取りを確実に行うものである。
【００３４】
そして、前記切削拡開工具１は左回転時に切削刃１３は切削作用を行うものであるから、破片Ｃを抜き出す方向に回転することがあっても、埋め込む方向に回転（右回転）するようなことがなく歯髄腔Ａの拡開を良好に行うことができるものである。
【００３５】
また、超音波切削工具１５においては、先端部に備えた凹部２１を破片Ｃの頭部ＣＨに対向して超音波振動によって破片Ｃの頭部ＣＨの周囲の歯質の切削除去作用を行うものであるから、上記線部材３７のループ３５を破片Ｃに掛けるための拡開切削作用を容易に行い得るものである。
【００３６】
さらに、破片抜き取り工具２３においては線部材３７のループ３５によって破片Ｃの頭部ＣＨを締め付けた状態でもって破片Ｃの抜き取りを行うものであるから、前記ループ３５から破片Ｃの頭部ＣＨが外れるようなことがなく、破片の抜き取りを確実に行うことができるものである。
【００３７】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、根管部に残った器具の破片の抜き取りを容易に行うことができ、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】根管部に残った器具の破片を抜き取る工程の説明図である。
【図２】根管部に残った器具の破片を抜き取る工程の説明図である。
【図３】切削拡開工具の説明図である。
【図４】超音波切削工具の説明図である。
【図５】破片抜き取り工具の説明図である。
【図６】パイプ材の先端部の穴形状の説明図である。
【符号の説明】
１ 切削拡開工具
５，１９ 軸体
７ 可撓軸
９ 拡大部
１１，２１ 凹部
１３ 切削刃
１５ 超音波切削工具
２３ 破片抜き取り工具
２５ 柄部材
２７ 嵌合孔
２９ 接合キャップ
３１ パイプ材
３３ 穴
３５ ループ
３７ 線部材
３９ 係止片
４１ スライド部材
４７ スライドトリガー
４９ 弾性部材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a method for extracting debris when a debris remains in a root canal due to breakage of a root canal treatment instrument in root canal treatment such as cavity treatment, and a tool used in each step of the method.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, for example, in the treatment of cavity, it has been practiced to fill a pulp cavity with a root canal filler after removing a pulp (nerve) and to aseptically close the cavity. As described above, when removing the pulp, the tool for removing the pulp may be broken, and fragments may be left in the root canal.
[0003]
As an instrument for extracting the above-mentioned debris, there is an instrument of a type in which a head of the debris is gripped by the chuck and a debris is pulled out in a debris instrument having a freely openable and closable chuck at a distal end of a gripping portion. Further, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-269356, an annular locking portion for hooking the head of a debris is provided at the distal end of a handle member bent at the distal end of the grip portion. There are appliances with different configurations.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In a device provided with a chuck that can freely open and close the head of a debris at the tip of the gripping part, when the head of the debris is gripped by the chuck, the positional relationship between the head of the debris and the chuck is reduced. There is a problem that it is not possible to visually check whether or not it is appropriate.
[0005]
In the device described in JP-A-2001-269356, when the annular locking portion is hung on the head of the fragment, the positional relationship between the fragment and the locking portion can be visually checked. Is formed in a teardrop shape by continuously providing a large-diameter communication hole and a small-diameter hold hole for holding fragments.
[0006]
Therefore, considering the elasticity and the like of the material (wire) constituting the locking portion, not only is the formation of the shape of the locking portion troublesome, but also the fragment is simply locked in the hold hole. There is a problem that it may come off from the hold hole.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above-mentioned problems, and an invention according to claim 1 is a method for extracting debris from a root canal treatment instrument broken during root canal treatment by cutting and expanding the head of the debris in the root canal. A step of inserting the concave portion at the distal end of the flexible shaft provided in the open tool, reversely rotating the flexible shaft, and expanding the pulp cavity with the cutting blade provided at the distal end portion, and removing the concave portion at the distal end of the ultrasonic cutting tool. Opposing the fragment, applying ultrasonic vibration to the ultrasonic cutting tool to delete the tooth material around the head of the fragment, further expanding the periphery of the head, and preparing a fragment removal tool. And a step of tightening the head of the fragment by a loop portion of a wire member protruding from the tip of the pipe material to remove the fragment.
[0008]
According to a second aspect of the present invention, a fine flexible shaft having flexibility is provided at a distal end portion of a shaft body provided with a mounting portion to a rotation actuator, and a root canal treatment is provided at the distal end portion of the flexible shaft. A cutting and expanding tool having a concave portion into which a head of a fragment of an instrument can enter, opened to the distal end side, and a cutting blade which performs a cutting action at the time of reverse rotation is inclined at a side of the concave portion.
[0009]
The invention according to claim 3 is an ultrasonic cutting tool provided with a mounting portion to an ultrasonic generator, wherein a shaft body long provided in a direction intersecting the axis of the mounting portion has a tip end side. The ultrasonic cutting tool is provided in a tapered shape having a narrow portion, and a concave portion corresponding to a fragment of a root canal treatment instrument is formed on a peripheral surface of a distal end portion of the shaft body.
[0010]
According to a fourth aspect of the present invention, in the long pipe member provided at the tip of the handle member, a wire member having a loop formed at a portion protruding from the tip end of the pipe member is movably provided, and the wire member swings on the handle member. It is a debris extracting tool provided by connecting the wire member detachably to a slide member movably provided.
[0011]
According to a fifth aspect of the present invention, in the debris extracting tool according to the fourth aspect, the hole shape at the tip end of the pipe material is formed in a shape in which one of two circular holes overlaps. It is a debris extraction tool.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
For example, in the treatment of cavity, etc., it has been practiced to fill the pulp cavity, which has become hollow by removing the pulp (nerve), with a root canal filler to aseptically close the pulp cavity. As described above, when the pulp is removed, the pulp cavity A becomes narrower toward the distal end of the root B as shown in FIG. 1 (A), so that the instrument breaks and the fragments C are left inside. Sometimes.
[0013]
To extract the fragment C, first, as shown in FIG. 1B, the pulp cavity A near the head CH of the fragment C is expanded. Then, as shown in FIG. 1 (C), when the head CH of the fragment C is shifted to one side of the pulp cavity A in a state where the fragment C is slightly pulled out, the dentin around the head CH is removed. The head CH is positioned substantially in the middle of the pulp cavity A as shown in FIG.
[0014]
Thereafter, as shown in FIG. 2 (B), the head CH of the fragment C is tightened by a loop portion of a wire member provided in the extracting tool, and the fragment C is extracted.
[0015]
As described above, a plurality of steps are required to extract the fragments C. Therefore, tools used in each step will be described in detail.
[0016]
Referring to FIG. 3, FIG. 3 shows a cutting and expanding tool 1 for expanding a pulp cavity A around a head CH of the fragment C. The cutting and expanding tool 1 is, for example, a dental tool. In this configuration, a fine flexible shaft 7 having flexibility is provided at a distal end of a shaft 5 provided with a mounting portion 3 to a rotation actuator (not shown) such as an electric engine.
[0017]
The distal end of the flexible shaft 7 is provided with a plate-shaped enlarged portion 9 having a shape that is thinner toward the distal end and has a larger width, and the enlarged portion 9 has a head CH of the fragment C. A recess (notch portion) 11 that can enter is formed to open in the thickness direction of the distal end side and the enlarged portion 9. On both outer sides of the concave portion 11, cutting blades 13 for performing a cutting action at the time of reverse rotation (left rotation) are formed to be inclined.
[0018]
Therefore, when the mounting portion 3 of the shaft body 5 is mounted on the rotation actuator and rotated in the reverse direction and inserted into the pulp cavity A, the inner surface near the head of the debris C in the pulp cavity A is cut by the cutting blade 13. It will be expanded. At this time, even when the pulp cavity A is slightly curved, the flexible shaft 7 bends in the direction of smaller cutting resistance, so as to follow the curvature of the pulp cavity A. As the cutting of the inner surface of the pulp cavity A by the cutting blade 13 progresses, the head CH of the fragment C relatively enters the concave portion 11 of the enlarged portion 9 as shown in FIG. That is, following the counterclockwise rotation of the enlarged portion 9, the debris C is also slightly counterclockwise rotated and tends to escape though slightly.
[0019]
As described above, the pulp cavity A near the head CH of the fragment C is expanded by the cutting and expanding tool 1, and the tip of the shaft 5 of the cutting and expanding tool 1 is moved in a state in which the fragment C slightly comes out. When the enlarged portion 9 is extracted from the dental pulp cavity A, the head CH of the debris C tends to fall so as to contact the inner surface of the expanded dental pulp cavity A, as shown in FIG.
[0020]
Therefore, the ultrasonic cutting tool 15 is used to adjust the head CH of the debris C so as to be located substantially at the center of the expanded pulp cavity A. As shown in FIG. 4, the ultrasonic cutting tool 15 has a mounting portion 17 to an ultrasonic vibrator provided in an ultrasonic generator (not shown), and a shaft 19 of the ultrasonic cutting tool 15. Is long in the direction intersecting the axis of the mounting portion 17, and is formed in a tapered shape so that the front end side becomes thinner to about 0.4φ.
[0021]
A recess 21 corresponding to the outer periphery of the head CH of the fragment C is formed at the tip of the shaft 19. The concave portion 21 is formed in an arc groove shape, and a cutting blade 21B is formed at an intersection of the arc surface 21F and the peripheral surface of the arc groove, and a tip end surface 21E is formed as a cutting blade. .
[0022]
According to the above configuration, the ultrasonic cutting tool 15 is inserted into the dental pulp cavity A such that the concave portion 21 at the distal end of the shaft body 19 faces the head CH of the fragment C, and applies ultrasonic vibration to the shaft body 19. As a result, the cutting blade 21B and the tip end surface 21E cut and remove the dentin around the head CH of the fragment C, and the periphery of the head CH of the fragment C is as shown in FIG. Then, the space is further expanded to form a relatively large space.
[0023]
The difference between FIGS. 4A and 4B is that the position of the concave portion 21 provided at the front end of the shaft body 19 is different from whether it is located outside or inside the bent shaft body 19. The different pieces are used depending on the difference in the inclination direction of the head CH of the fragment C.
[0024]
As described above, the debris extraction tool 23 is used to extract the debris C whose head CH is positioned substantially at the center of the expanded dental pulp cavity A. As shown in FIG. 5, the debris extracting tool 23 has a cylindrical handle member 25, and a joining cap 29 is removably fitted to a tip end of a fitting hole 27 of the handle member 25. It is.
[0025]
A thin and long pipe material 31 is integrally attached to the joining cap 29. The tip of the pipe material 31 has a hole 33 at the tip having a shape of one of two circular holes as shown in FIG. The portions are crushed from both sides so as to exhibit a hole shape in which the portions overlap, that is, an approximately 8-shaped shape. In other words, the hole 33 is divided into two parts by crushing the tip of the pipe material 31 from both sides. Then, both ends of the wire member 37, which is guided by the partitioned portion of the hole 33 and forms a loop 35 at a portion protruding from the front end of the pipe material 31, and folded back, are the pipe material 31 and the partial cap. 29, and is fixed to the locking piece 39.
[0026]
The distance between the closest parts when the hole 33 is crushed is smaller than the diameter of the wire member 37 so that the wire member 37 does not enter the hole 33.
[0027]
The locking piece 39 is removably engaged with a locking portion 43 of a slide member 41 provided slidably in the fitting hole 27 provided in the handle member 25. An operation slide trigger 47 movably engaged with a longitudinal slot 45 formed in the handle member 25 is integrally attached to the slide member 41 via a bolt. Then, the elastic member 49 such as a coil spring elastically mounted between the slide member 41 and the bottom of the fitting hole 27 constantly urges the slide member 41 in a direction in which the slide member 41 comes into contact with the fitting cap 29. ing.
[0028]
In the above configuration, the loop 35 is formed in a portion where the wire member 37 protrudes from the tip of the pipe member 31 in a normal state, and the slide trigger 47 is operated to oppose the urging force of the elastic member 49. When the slide member 41 is moved inward of the fitting hole 27 and the wire member 37 is pulled in, the diameter of the loop 35 gradually decreases.
[0029]
Since the wire member 37 is guided by a substantially figure-eight hole formed at the distal end of the pipe material 31, the portion protruding from the distal end of the pipe material 31 is not twisted, and 35 can be formed large.
[0030]
Therefore, as described above, when the head CH of the debris C is positioned substantially at the center of the pulp cavity, the tip of the pipe material 31 of the debris extraction tool 23 is moved to the pulp cavity. Put in A. Then, as shown in FIG. 2 (B), after the head CH of the fragment C is put into the loop 35 protruding from the distal end of the pipe material 31 and formed large, the slide trigger 47 is operated as described above. Then, the loop 35 is gradually reduced, and the head CH of the fragment C is fastened by the loop 35 of the wire member 37. Thereafter, the fragments C can be extracted by taking out the fragments extraction tool 23 to the outside.
[0031]
In addition, even if the loop 35 is reduced due to an erroneous operation of the slide rig 47, the line member 37 does not enter the hole 33. It's easy.
[0032]
In the debris extracting tool 23, the joining cap 29 is detachable and replaceable with respect to the fitting hole 27 of the handle member 25, and the locking piece 39 connecting the end of the wire member 37 is used to lock the slide member 41. Since the wire member 37 is detachable and replaceable with respect to the portion 43, the joint cap 29 on the distal end side can be detached when necessary, such as when the wire member 37 is broken or used several times, or in a sanitary manner. It can be detached and replaced, and can always maintain a good state.
[0033]
As already understood, when the instrument is damaged during root canal treatment and the debris C remains in the root canal part, the cutting blade 13 surrounds the vicinity of the head of the debris C with the cutting and spreading tool 1. To expand the dental pulp cavity A and cut and remove the dentin around the head CH of the fragment C with the concave portion 21 of the ultrasonic cutting tool 15 facing the head of the fragment C. Is further expanded, the head CH of the shard C is tightened by the loop 35 of the wire member 37 provided in the shard extraction tool 23, and the shard C is extracted. Therefore, the shard C is reliably extracted. Things.
[0034]
Since the cutting blade 13 performs a cutting action when the cutting and spreading tool 1 rotates counterclockwise, even if the cutting blade 13 rotates in a direction in which the debris C is extracted, the cutting blade 13 rotates in the embedding direction (clockwise rotation). It is possible to satisfactorily expand the pulp cavity A without any problem.
[0035]
Further, in the ultrasonic cutting tool 15, the concave portion 21 provided at the tip portion is opposed to the head CH of the fragment C to perform a cutting and removing action of the tooth material around the head CH of the fragment C by ultrasonic vibration. Therefore, it is possible to easily perform the widening cutting action for hanging the loop 35 of the wire member 37 on the fragment C.
[0036]
Further, in the fragment removal tool 23, the head C of the fragment C is removed in a state where the head CH of the fragment C is tightened by the loop 35 of the wire member 37, so that the head CH of the fragment C comes off from the loop 35. Without such a problem, the debris can be reliably removed.
[0037]
【The invention's effect】
As will be understood from the above description, according to the present invention, it is possible to easily remove the fragments of the instrument remaining in the root canal part, and to solve the conventional problems as described above.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view of a step of extracting pieces of the instrument remaining in a root canal part.
FIG. 2 is an explanatory view of a step of extracting pieces of the instrument remaining in a root canal portion.
FIG. 3 is an explanatory view of a cutting spread tool.
FIG. 4 is an explanatory view of an ultrasonic cutting tool.
FIG. 5 is an explanatory view of a debris extracting tool.
FIG. 6 is an explanatory diagram of a hole shape at a tip portion of a pipe material.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Cutting expansion tool 5, 19 Shaft 7 Flexible shaft 9 Enlarged portion 11, 21 Recess 13 Cutting blade 15 Ultrasonic cutting tool 23 Debris extraction tool 25 Handle member 27 Fitting hole 29 Joining cap 31 Pipe material 33 Hole 35 Loop 37 wire member 39 locking piece 41 slide member 47 slide trigger 49 elastic member
