JP2004022383A - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Junichi Takahashi
高橋 純一
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Abstract

【課題】シャープな画像が得られ、電極欠陥も抑制可能で、しかも安価に作製できる発光素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】基材(1)上に配置された複数の第1電極(2)からなる第1電極群と、該第1電極群を覆うように形成された発光層を含む有機層(3)と、該有機層を介して前記第1電極群に対向して配置された複数の第2電極(4)からなる第2電極群と、を少なくとも有する発光素子であって、基材上の第1電極が配置されない第1電極非配置領域(21)においては有機層の上に絶縁層(8)が配置されており、第2電極は、基材上の第1電極が配置された第1電極配置領域(20)における有機層と、第1電極非配置領域における有機層上に配置された絶縁層と、の両方の上に延在して配置されることを特徴とする発光素子。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス(以下、有機ELという)を利用した、パッシブ駆動型の発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELを利用した発光素子は、自己発光性を有するため、液晶とバックライトを組合せたいわゆるLCDモジュールに比較して薄く、広視野角、応答スピードが早いなどの優位性がある。特にここ数年種々の発光素子が提案され実用化が急速に進んでいる。特に表示パネルへの実用化は著しく、複数の有機EL素子を同一平面上に二次元配列することで表示パネルを構成(たとえば、X−Yマトリックス型)し、これらの素子を独立に駆動させる表示パネルが市場に出てきている。今後は携帯電話をはじめとする携帯端末機器への搭載が期待される。
【0003】
このような表示パネル等の発光素子の一例として、図3に従来の有機ELを利用した発光素子の断面図を示す。1は基材、2は第1電極、3は有機層、4は第2電極である。
【0004】
このような発光素子の製造方法の一例としては、まず透明支持基材にインジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの透明な電極をスパッタリング法などで成膜し、所望のライン間隔でストライプ状にパターニングして複数の第1電極からなる第1電極群を形成する。
【0005】
そして、全面を被覆するように、正孔注入層、発光層、電子注入層などからなる、少なくとも発光層を含む有機層を積層する。
【0006】
その後、上記第1電極群のパターンに平面上交差するように(非平行に)ストライプ状の複数の第2電極からなる第2電極群をパターニングして形成する。
【0007】
パターニングには通常フォトレジスト法などを用いる。しかし、有機層の場合、第2電極群のパターニングをフォトレジスト法で行うと、有機層表面にレジストを全面塗布する必要が生じ、ストライプに合わせて不要なレジストを除去する際、また、このレジストにより第2電極をエッチングする際に、エッチング液及び希釈水が有機層表面に付着することになり、発光輝度寿命の低下につながる。
【0008】
そこで、金属などを材料としたストライプ状に複数のスリットが入ったシャドウマスクを、これらのスリットが上記第1電極群のパターンに平面上交差するように有機層と接触もしくは接触させない程度のギャップをもたせ固定する。その後、この有機層表面にシャドウマスクを介して第2電極の材料を蒸着し、ストライプ状の第2電極群を形成する方法が行われている。
【0009】
上記従来技術の方法は最も基本的な発光素子の製造方法であるが、製造工程が簡単なため安価で製造できるという利点を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3にも示されているように、有機層3が第1電極2の厚みに応じた凹凸形状を有するため、第2電極4が有機層3の前記凹凸形状の凹部に入り込むため、必要とする発光領域は第1電極と第2電極との交差部の主発光領域5であるが、第2電極4側部の副発光領域6においても発光するため、シャープな画像が得られないという課題があった。
【0011】
また、ストライプ状の第1電極2間で第2電極4が屈曲して歪が入り、第2電極4が所望の抵抗値となりにくく、また、ひどい場合は断線不良といった問題にもつながる。特に第1電極が厚い場合には、こういった不良が発生しやすい。
【0012】
そこで本発明の目的は、シャープな画像が得られ、電極欠陥も抑制可能で、しかも安価に作製できる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の発明は、
基材と、該基材上に配置された複数の第1電極からなる第1電極群と、該第1電極群を覆うように形成された発光層を含む有機層と、該有機層を介して前記第1電極群に対向して配置された複数の第2電極からなる第2電極群と、を少なくとも有する発光素子であって、
基材上の第1電極が配置されない第1電極非配置領域においては有機層の上に絶縁層が配置されており、
第2電極は、基材上の第1電極が配置された第1電極配置領域における有機層と、第1電極非配置領域における有機層上に配置された絶縁層と、の両方の上に延在して配置されることを特徴とする発光素子である。
【0014】
本発明は、上記第1の発明において、
第1電極配置領域における第1電極と有機層との厚みの合計は、第1電極非配置領域における有機層と絶縁層との厚みの合計と実質同じであること、
をその好ましい態様として含むものである。
【0015】
上記課題を解決するための第2の発明は、
基材と、該基材上に配置された複数の第1電極からなる第1電極群と、該第1電極群を覆うように形成された発光層を含む有機層と、該有機層を介して前記第1電極群に対向して配置された複数の第2電極からなる第2電極群と、を少なくとも有する発光素子であって、
第1電極の厚みに応じた凹凸形状を有する有機層と、第2電極と、の間に、有機層の前記凹凸形状の凹部を充填するように設けられた絶縁層を有することを特徴とする発光素子である。
【0016】
本発明は、上記第1、第2の発明において、
前記絶縁層は遮光性の物質を含む層であること、
をその好ましい態様として含むものである。
【0017】
上記課題を解決するための第3の発明は、
基材上に複数の第1電極からなる第1電極群を形成する工程と、
基材上の第1電極が配置された第1電極配置領域と第1電極が配置されない第1電極非配置領域の両方に有機層を設ける工程と、
第1電極非配置領域の有機層上に絶縁層を配置する工程と、
第1電極配置領域における有機層と、第1電極非配置領域における有機層上に配置された絶縁層と、の両方の上に延在するように複数の第2電極を配置して第2電極群を形成する工程と、を含むことを特徴とする発光素子の製造方法である。
【0018】
本発明は、上記第3の発明において、
前記絶縁層を配置する工程においては、第1電極配置領域における第1電極と有機層との厚みの合計と、第1電極非配置領域における有機層と絶縁層との厚みの合計と、が実質同じになるように絶縁層を配置すること、
をその好ましい態様として含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。図1〜図2に本発明の構成図を示す。図1は本発明の発光素子の概略断面図、図2は本発明における絶縁層の蒸着状況を説明するための概略断面図である。
【0020】
まず、複数の第1電極間に形成された有機層上に形成する絶縁層について説明する。
【0021】
本発明では、基材1上の第1電極2が配置されない第1電極非配置領域21においては有機層3の上に絶縁層8が配置されており、第2電極4は、基材1上の第1電極2が配置された第1電極配置領域20における有機層3と、第1電極非配置領域21における有機層3上に配置された絶縁層8と、の両方の上に延在して配置される。
【0022】
第1電極群は、複数の第1電極2よりなり、複数の直線状の第1電極をストライプ状に形成して第1電極群とするのが、簡易であり好ましい。発光層を含む有機層3は、この第1電極群を覆うように形成されている。これは、有機層3は、基材上の第1電極が配置されない第1電極非配置領域にも配置されているということも含意している。
【0023】
このため有機層3は、図1にも示されているように、第1電極2の厚みに応じた凹凸形状を有しており、該凹凸形状の凹部が第1電極非配置領域21に、凸部が第1電極配置領域22に対応するようになっている。従って、本発明は、第1電極の厚みに応じた凹凸形状を有する有機層と、第2電極と、の間に、有機層の前記凹凸形状の凹部を充填するように設けられた絶縁層を有することを特徴とする発光素子とも言える。
【0024】
本発明において、「凹部を充填するように設けられた絶縁層」とは、有機層の凹部を絶縁物により完全に充たしたものを意味するものではなく、少しでも凹部に絶縁物が存在していれば、それだけ第2電極が凹部に入り込むことを防止する効果があるが、好ましくは絶縁物が有機層の凹部を完全に充たして、絶縁層と有機層とで略平坦面を形成するようにしておき、第1電極と重なる領域(上記の第1電極配置領域と言っても良い)の部分のみで有機層と第2電極とが接するようにすることである。この好ましい形態は、第1電極配置領域における第1電極と有機層との厚みの合計は、第1電極非配置領域における有機層と絶縁層との厚みの合計と実質同じであるとも言える。
【0025】
このような本発明の発光素子においては、第2電極は図1に示すように略平坦に形成される。そのため、歪みのない低抵抗な第2電極を得ることができ、第2電極の断線などの不良も防止される。
【0026】
また、第1電極面直上(第2電極との交差部)(図3に示す従来例では主発光領域5に対応)のみで発光するため、画素間の区切りがはっきりし鮮明な画像が得られる。
【0027】
絶縁層としては、後述するが物理的作製法で形成できる材料であれば特に制限はなく種々のものが使用できる。具体的な材料としては、無機材料としてはSiO、SiN、Alなどの酸化物もしくは窒化物、有機材料としてはフッ化炭素などが挙げられる。
【0028】
また、前記絶縁層は遮光性の物質を含む層であることが好ましい。これにより、絶縁層が遮光層として機能し、反射光を抑制する等により発光素子のコントラスト向上に効果がある。このような絶縁層は、黒色もしくは比較的黒色に近い材質のもので絶縁層そのものを形成したり、黒色または比較的黒色に近い材料を添加した材質で形成したりすることで構成可能である。但し、絶縁層は完全な黒色である必要はなく、入射光あるいは反射光を減衰させるのに必要な程度の暗色であれば良い。黒色としては、白色光に対して波長400〜700nmにおいて少なくとも50%以下の反射率であるものが好ましい。このような材料として酸化第1鉄、シリコン、アモルファス状の炭素が挙げられる。
【0029】
さらには、図1で図示される複数の第1電極(アノード)2のうち、端の(図1中左右方向の最端)の第1電極2にまでカソード(第2電極)4が延在しているが、この端の第1電極2は実際の電極として機能しないダミーの電極とするのが好ましい形態としてあげられる。このように第2電極4をダミー電極にまで延在させることで、すべての第1電極に対向する部分において第2電極4が平坦となる。つまり実際に発光する複数の発光領域のうち、ダミー電極の隣の発光領域においては、第2電極4がダミー電極側まで延在するので下に垂れずにすんで平坦でいられる。これにより、端部においても第1電極配置領域以外での発光を防いでシャープな画像表示が実現できる。
【0030】
次に製造方法について述べる。
【0031】
第1電極群を形成する工程では、透明支持基材にITOなどの透明な電極をスパッタリング法などで成膜し、任意のライン間隔でストライプ状にパターニングする等により第1電極群を形成することができる。
【0032】
有機層を設ける工程では、第1電極群を覆うように正孔注入層、発光層などを含む有機層を積層する。
【0033】
絶縁層を配置する工程では、図2のように各第1電極間とほぼ同じ間隔の隙間をもつシャドウマスク9を隔て絶縁物を堆積する。蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVDなどの物理的作製法で形成すれば良い。上記絶縁層の説明において記載したような理由から、絶縁層は、第1電極配置領域における第1電極と有機層との厚みの合計と、第1電極非配置領域における有機層と絶縁層との厚みの合計と、が実質同じになるように配置することが好ましい。
【0034】
その後、任意のライン間隔でストライプ状の開口を有するシャドウマスクを、第1電極群を構成する第1電極とシャドウマスクの開口とが非平行となるように、好ましくは直交するように有機層表面に接触させ保持した後、第2電極を物理的作製法で形成する。
【0035】
このような本発明の製造方法によれば、上記のような本発明の発光素子を真空装置内で一連の工程で容易に作製できるため、コントラスト比や視認性を向上させ、欠陥も少ない発光素子を安価な製造コストで提供できる。
【0036】
基材としては、一般的に使用されているガラスで無アルカリガラス、石英、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスが挙げられる。また、硬質の板材のみでなく可撓性の基材でも良く、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォンサン(PES)、ポリエーテルエチルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)ポリフッ化ビニル(PFV)、ポリアクリレート(PA)、非晶質ポリオレフィン、フッ素樹脂などの高分子フィルムでも良い。
【0037】
第1電極として、無機材料では金属、合金、酸化物などの光透過性があり、かつ、仕事関数が大きい(4eV以上)材料、具体的にはCuI、ITO、SnO、ZnOなどが挙げられる。また、有機材料では、ポリアニリンなどが挙げられる。また、可視光波長(400〜700nm程度)での透過率が大きいほど良く、例えば、ITOの場合5000Å以下であれば透過率は80%以上で充分と言える。透過率が低いと実用上充分な輝度が得られない。
【0038】
また、第2電極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、金属合金、などで、具体的にはマグネシウム、マグネシウムと銀との合金、ナトリウム、ナトリウムとカリウムとの合金、アルミニウムとリチウムとの合金、インジウムや希土類金属などが挙げられる。また、その上に保護電極としてAlやMgなどの金属を適宜形成する。
【0039】
相対的に陽極の仕事関数の方が陰極の仕事関数よりも大きくなるように選択すれば良く、仕事関数の大きさは4eVに限定されるものではない。また、アノードとカソードのシート抵抗値は共に数百Ω以下/□以下であることが望ましい。
【0040】
有機層とは、実質的に1種類または多種類の有機発光材料のみからなる薄膜や、1種類または多種類の有機発光材料と正孔輸送材料、電子注入材料との混合物からなる薄膜など有機EL素子の発光層として機能する単層構造や、発光層以外に正孔輸送材料、電子注入材料を個別に2層以上の多層構造を有する。本発明の有機層の構成材料は、従来より有機EL素子で用いられている正孔輸送材料、有機発光材料、電子注入材料をそのまま使用できる。
【0041】
正孔輸送材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、アニリン系共重合体、ポリアリールアルカン誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントランセン誘導体、フルオレノン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系化合物などが挙げられる。
【0042】
有機発光材料としては、ベンゾチアゾール系、金属キレート化オキシノイド化合物、スチルベンゼン系化合物、芳香族ジメチルリジン化合物、ジスチルピラジン誘導体ベンゾイミダゾール系、ベンゾオイサゾール系などが挙げられる。
【0043】
電子注入材料としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、チオピランジオイシド誘導体などの複素環テトラカルボン酸無水物、フレオレニリンデンメタン誘導体、オキサジアゾール誘導体、8−キノリノール誘導体、カルボジイミド、アントロン誘導体などが挙げられる。
【0044】
以上説明したように、本発明の発光素子においては、光透過性を有するアノード(第1電極)、有機化合物からなる発光材料を含む発光層を含む有機単層薄膜もしくは有機多層薄膜(有機層)、およびカソード(第2電極)は公知の材料、方法により構成できる。
【0045】
【実施例】
次に実施例と比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0046】
(実施例)
50mm×50mm角、厚み0.7mmのガラス板を用いて、このガラス板の上に光透過性を有するアノード(第1電極)となるITO膜を蒸着により4000Å成膜した。ITOのパターニングは、従来より良く知られているフォトリソグラフィー技術を用い、塩化第二鉄を含む化学薬品中でのウエットエッチング法でライン幅0.5mm、スペース0.5mm、長さ30mmのITOストライプ5本を形成した。その後、この基板をイソプロピルアルコール(IPA)溶液で5分間、純水中で5分間それぞれ超音波洗浄し、その後紫外(UV)オゾン洗浄機で10分間洗浄した。
【0047】
このITO蒸着ガラスを蒸着機の基板ホルダーに固定し、1×10−4Paの真空中でITO側に正孔輸送材料であるN,N’−ビス(3−メチルフェニル−N,N’−ジフェニル〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(以下、TPDと言う)を100Å蒸着した。次に電子輸送性発光材料であるトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq3)を500Å蒸着した。こうして、発光層を含む有機層を形成した。
【0048】
その後、図2のように各第1電極間とほぼ同じ間隔の隙間0.5mmをもつシャドウマスク9を第1電極と平面上平行に有機層表面とギャップ(5〜20μm程度)を保持するように固定し、絶縁物であるSiOを、蒸着で第1電極非配置領域の有機層上に有機層の凸部とほぼ同じ高さになるまで堆積させて絶縁層8を形成した。
【0049】
次に、ライン幅0.5mm、スペース0.5mm、長さ30mmの開口(開口部5本)を持つシャドウマスクを、第1電極群を構成する第1電極と直交するように有機層表面とギャップ(5〜20μm程度)を保持するように固定した。
【0050】
カソード(第2電極)となるマグネシウムと銀との混合金属を1200Å蒸着し、図1のような本発明の発光素子を得た。
【0051】
カソード1本(長さ30mm)の抵抗値は、30Ω/□であり計算値とほぼ一致した低い抵抗値であった。
【0052】
第1電極(ITO)と第2電極(アルミニウム)の交差部が各画素になるが、駆動ドライバーにて各画素を発光させたところ、各画素の発光は、第1電極直上のみでありITO間からの発光は見られず、シャープな画像表示が得られた。
【0053】
また、非発光時と発光時のコントラストを第1電極配置領域と第1電極非配置領域で測定すると第1電極は一領域のコントラストは100で第1電極非配置領域は1であった。すなわち、第1電極非配置領域からの発光は見られないと言える。表1に結果を示す。
【0054】
なお、コントラストは以下のように算出、測定した。
【0055】
コントラストは、「コントラスト=発光素子発光時の輝度/発光素子非発光時の輝度」として算出した。蛍光灯の1m下に、上記で得られた発光素子を置き、素子を発光させた時の輝度と非発光時の輝度とを比較した。輝度の測定は、色彩色差計により測定した。
【0056】
【表1】
Figure 2004022383
【0057】
(比較例)
実施例で作製した発光素子との比較をするため、実施例の方法とほぼ同様の方法により従来の発光素子を作製した。
【0058】
50mm×50mm角、厚み0.7mmのガラス板(基材1)を用いて、このガラス板の上に光透過性を有するアノード(第1電極)となるITO膜を蒸着により4000Å成膜した。ITOのパターニングは、従来より良く知られているフォトリソグラフィー技術を用い、塩化第二鉄を含む化学薬品中でのウエットエッチング法でライン幅0.5mm、スペース0.5mm、長さ30mmのITOストライプ5本を形成した。その後、この基板をIPA溶液で5分間、純水中で5分間それぞれ超音波洗浄し、その後UVオゾン洗浄機で10分間洗浄した。
【0059】
このITO蒸着ガラスを蒸着機の基板ホルダーに固定し、1×10−4Paの真空中でITO側に正孔輸送材料であるN,N’−ビス(3−メチルフェニル−N,N’−ジフェニル〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(以下、TPDと言う)を100Å蒸着した。次に電子輸送性発光材料であるトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alq3)を500Å蒸着した。こうして、発光層を含む有機層を形成した。
【0060】
次に、ライン幅0.5mm、スペース0.5mm、長さ30mmの開口(開口部5本)を持つシャドウマスクを、第1電極群を構成する第1電極と直交するように有機層表面とギャップ(5〜20μm程度)を保持するように固定した。
【0061】
カソード(第2電極)となるマグネシウムと銀との混合金属を1200Å蒸着し、図3の従来の発光素子を得た。
【0062】
カソード1本(長さ30mm)の抵抗値は、80Ω/□〜150Ω/□と高い値であった。
【0063】
また、比発光時と発光時のコントラストを第1電極配置領域と第1電極非配置領域で測定すると第1電極配置領域のコントラストは60で第1電極非配置領域は5であった。すなわち、第1電極非配置領域から発光していると言える。この結果も表1に示す。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、コントラスト比や視認性を向上させ、欠陥も少ない発光素子を安価な製造コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の概略断面図である。
【図2】本発明における絶縁層の蒸着状況を説明するための概略断面図である。
【図3】従来の発光素子の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 第1電極
3 有機層
4 第2電極
5 主発光領域
6 副発光領域
8 絶縁層
9 シャドウマスク
10 絶縁物蒸着方向

Claims (6)

  1. 基材と、該基材上に配置された複数の第1電極からなる第1電極群と、該第1電極群を覆うように形成された発光層を含む有機層と、該有機層を介して前記第1電極群に対向して配置された複数の第2電極からなる第2電極群と、を少なくとも有する発光素子であって、
    基材上の第1電極が配置されない第1電極非配置領域においては有機層の上に絶縁層が配置されており、
    第2電極は、基材上の第1電極が配置された第1電極配置領域における有機層と、第1電極非配置領域における有機層上に配置された絶縁層と、の両方の上に延在して配置されることを特徴とする発光素子。
  2. 第1電極配置領域における第1電極と有機層との厚みの合計は、第1電極非配置領域における有機層と絶縁層との厚みの合計と実質同じであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 基材と、該基材上に配置された複数の第1電極からなる第1電極群と、該第1電極群を覆うように形成された発光層を含む有機層と、該有機層を介して前記第1電極群に対向して配置された複数の第2電極からなる第2電極群と、を少なくとも有する発光素子であって、
    第1電極の厚みに応じた凹凸形状を有する有機層と、第2電極と、の間に、有機層の前記凹凸形状の凹部を充填するように設けられた絶縁層を有することを特徴とする発光素子。
  4. 前記絶縁層は遮光性の物質を含む層であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発光素子。
  5. 基材上に複数の第1電極からなる第1電極群を形成する工程と、
    基材上の第1電極が配置された第1電極配置領域と第1電極が配置されない第1電極非配置領域の両方に有機層を設ける工程と、
    第1電極非配置領域の有機層上に絶縁層を配置する工程と、
    第1電極配置領域における有機層と、第1電極非配置領域における有機層上に配置された絶縁層と、の両方の上に延在するように複数の第2電極を配置して第2電極群を形成する工程と、を含むことを特徴とする発光素子の製造方法。
  6. 前記絶縁層を配置する工程においては、第1電極配置領域における第1電極と有機層との厚みの合計と、第1電極非配置領域における有機層と絶縁層との厚みの合計と、が実質同じになるように絶縁層を配置することを特徴とする請求項5に記載の発光素子の製造方法。
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