JP2004020693A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型でも鮮明な画像を呈示することが可能な画像表示装置。
【解決手段】画像表示素子5とその表示像を拡大するリレー光学系4とを備えた画像表示装置であり、リレー光学系4は少なくとも2つの光学素子10、11によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材3が配設されており、光学部材3は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されている画像表示装置。
【選択図】 図3
【解決手段】画像表示素子5とその表示像を拡大するリレー光学系4とを備えた画像表示装置であり、リレー光学系4は少なくとも2つの光学素子10、11によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材3が配設されており、光学部材3は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されている画像表示装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に関し、特に、小型でより鮮明な像観察が可能となる偏心光学系とそれを用いた画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型の表示素子を用いて光学系により拡大表示するものとして、特開平7−333551号や特開平8−76034号のもの等がある。これらは、表示素子を凹面鏡を用いて虚像として拡大表示するものである。何れも回転非対称な反射面を用いて収差の少ない投影像を得るものである。このような光学系を用いた装置の応用例としては、例えば特開2000−221440に示される投影光学系がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
撮像光学系においては、入射瞳径が大きい程取り込める光量が増し、明るい像が得られるが、回転対称な光学系の場合、大口径になることから、レンズを固定するための鏡枠部分のレンズ間隔やふち肉が足りなくなり、これを確保するために間隔を厚くすると、全体が大きくなってしまう。また、収差補正を十分に行うためには、多くの光学エレメントが必要となってしまう。
【0004】
また、観察光学系の場合、射出瞳径が大きい程観察者の眼球配置位置の自由度が大きくなるが、同様に、回転対称な光学系の場合、全体が大きくなってしまい、また、多くの光学エレメントが必要となってしまう。
【0005】
観察光学系の場合に、射出瞳径を大きくする他の方法として、拡散作用を有する光学素子を配置し、瞳の拡大を図ることも考えられるが、像が非常に暗くなるため、消費電力が大きい明るい表示素子と大型な電池が必要となり、例えば安価な携帯端末に利用することは不適当である。
【0006】
ところで、従来の表示素子を直接凹面鏡等で拡大するタイプは、表示素子としてある程度大きなものを使用せざるを得ず、小型の表示装置を構成することはできなかった。また、表示素子の映像を空中に1回投影する方式の場合は小型の表示素子を用いることが可能であり、安価に大きい画面の表示を観察することが可能な光学系であるが、接眼光学系の射出瞳位置が短く、頭部直前に接眼光学系を配置する必要があり、手に持って観察する場合には画面全面を観察することはできなかった。
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は小型でも鮮明な画像を呈示することが可能な画像表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の画像表示装置は、画像表示素子と該画像表示素子の画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、
該リレー光学系は少なくとも2つの光学素子によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、該偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、
該リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材が配設されており、
該光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されていることを特徴とするものである
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
【0009】
本発明の画像表示素子とその表示画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、リレー光学系を2つの光学素子で構成することによって、リレー光学系で必要な収差補正能力を2つの光学素子に分配することができる。そのため、1つの光学素子で構成された場合に比べ、収差補正をする範囲が広がり、すなわち広画角にすることが可能となり、小型であっても結像面の大きさを適正な大きさにすることが可能となる。
【0010】
次に、その中の少なくとも1つの光学素子を偏心プリズムで構成する理由を説明する。
【0011】
レンズのような屈折光学素子は、その境界面に曲率を付けることにより始めてパワーを持たせることができる。そのため、レンズの境界面で光線が屈折する際に、屈折光学素子の色分散特性による色収差の発生が避けられない。その結果、色収差を補正する目的で別の屈折光学素子が付加されるのが一般的である。
【0012】
一方、ミラーやプリズム等のような反射光学素子は、その反射面にパワーを持たせても原理的に色収差の発生はなく、色収差を補正する目的だけのために別の光学素子を付加する必要はない。そのため、反射光学素子を用いた光学系は、屈折光学素子のみを用いた光学系に比べて、色収差補正の観点から光学素子の構成枚数の削減が可能である。
【0013】
同時に、反射光学素子を用いた反射光学系は、光路を折り畳むことになるために、屈折光学系に比べて光学系自身を小さくすることが可能である。
【0014】
また、反射面は屈折面に比べて偏心誤差感度が高いため、組み立て調整に高い精度を要求される。しかし、反射光学素子の中でも、プリズムはそれぞれの面の相対的な位置関係が固定されているので、プリズム単体として偏心を制御すればよく、必要以上の組み立て精度、調整工数が不要である。
【0015】
さらに、プリズムは、屈折面である入射面と射出面、それと反射面を有しており、反射面しかもたないミラーに比べて、収差補正の自由度が大きい。特に、反射面に所望のパワーの大部分を分担させ、屈折面である入射面と射出面のパワーを小さくすることで、ミラーに比べて収差補正の自由度を大きく保ったまま、レンズ等のような屈折光学素子に比べて、色収差の発生を非常に小さくすることが可能である。また、プリズム内部は空気よりも屈折率の高い透明体で満たされているために、空気に比べて光路長を長くとることができ、空気中に配置されるレンズやミラー等よりは光学系の薄型化、小型化が可能である。
【0016】
また、リレー光学系の少なくとも1つの光学素子を構成する光学面を偏心配置する場合には、面の偏心によって発生する偏心収差を補正するために、回転非対称の光学面を有することが重要である。
【0017】
さらに、その結像面近傍に画像を観察するための光学部材を配設されているため、その1次像を観察者の眼球に投影すること、あるいはその光学部材によって視野角を拡大することができるため、明るく鮮明な画像を観察者に呈示することが可能となる。
【0018】
加えて、リレー光学系の結像面近傍に配設される光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系であることが好ましい。
【0019】
上記の構成において、接眼光学系は、レンズ、プリズム、フレネルレンズ、拡散板等にて構成することが可能である。
【0020】
リレー光学系の結像面近傍に配設される光学部材70が、図20に示すように、散乱光72で示すように、散乱性が高い光学部材では、一般的には見る位置からの照度ムラが発生し難く好ましいものであるが、本発明の携帯型の画像表示装置においては、観察者は一人のことが多く、入射光71を散乱させると、入射光71に対して観察者の眼球に届く光線が少なくなり、照明光が無駄になってしまう。さらに、無駄に散乱させ暗くなった表示画面の明るさを補うために照明の輝度を上げると、消費電力が多くなってしまい、使用時間が極端に短くなったり、せっかく小型になった表示装置に対して、大型で重いバッテリーを装着することになってしまう。
【0021】
この問題を避けるために、本発明におけるの画像表示装置の構成においては、図19に示すように、リレー光学系の結像位置近傍に正の屈折力を有する散乱性がないか低い光学部材(接眼光学系)70を配設し、設定された虚像距離に対応する視度を有する主光線の広がりを持った略平行光束を観察者眼球に投影するようにすることができる。このようにして、光源からの光量を有効に観察者眼球に導くことが可能となり、輝度の高い明るい画像を投影することが可能となる。
【0022】
なお、図19では、光学部材70として反射作用を有する光学素子として図示してあるが、もちろん、後記の実施例のように、透過作用を有する光学素子を用いる場合も同様である。
【0023】
さて、ここで偏心光学系の焦点距離を定義する。光軸方向をZ軸方向にとり、偏心光学系の偏心方向をY軸方向にとり、それらと直交する方向をX軸方向とするとき、Y−Z面内とX−Z面内の2つの方向の光線に対して、軸上主光線と微小距離離れた平行光線を偏心光学系に入射させ、特開平11−194267号の段落〔0049〕と同様にパワーPx、Pyを定義し、それらの逆数を焦点距離fx、fyと定義する。
【0024】
本発明の画像表示装置において、リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
0.6≦fx(r)/L≦3 ・・・(1−1)
0.6≦fy(r)/L≦3 ・・・(1−2)
を満足することが重要である。
【0025】
上記条件式(1−1)、(1−2)は、本発明に基づいて画像表示素子の大きさとリレー光学系の焦点距離の関係を表すものであり、リレー光学系の大きさを決めるためのものである。
【0026】
本発明の画像表示装置の場合、結像位置近傍の光学部材とリレー光学系は分離可能な構成にすることにより、携帯性を高めることができる。その場合には、画像表示装置の大きさはリレー光学系の大きさ、すなわち焦点距離の値によって決まる。つまり、条件式(1−1)、(1−2)の値が小さい程瞳から画像表示素子までの距離が短く、小型化が可能になる。
【0027】
それぞれの下限の0.6より小さいと、画角が大きくなり、収差補正し切れず、特に周辺では解像が悪い映像になる。それぞれの上限の3より大きいと、リレー光学系の焦点位置が長くなり、画像表示装置が大型化してしまう。
【0028】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(1−1)、(1−2)と同様である。
【0029】
0.8≦fx(r)/L≦2.5 ・・・(2−1)
0.8≦fy(r)/L≦2.5 ・・・(2−2)
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(1−1)、(1−2)と同様である。
【0030】
0.9≦fx(r)/L≦2 ・・・(3−1)
0.9≦fy(r)/L≦2 ・・・(3−2)
また、リレー光学系と接眼光学系のX方向、Y方向の合成焦点距離をfx(k)、fy(k)、画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
2.0≦fx(k)/L≦150 ・・・(4−1)
2.0≦fy(k)/L≦150 ・・・(4−2)
を満足することが重要である。
【0031】
上記条件式(4−1)、(4−2)は、本発明に基づいて画像表示素子の大きさとリレー光学系と接眼光学系とからなる観察光学系の焦点距離の関係を示すものである。本発明の画像表示装置においては、接眼光学系が最も大きい光学素子であり、接眼光学系の大きさ及びその設置する位置が装置全体の大きさを決めるものになる。この値が小さい程接眼光学系から画像表示素子までの距離が短く、小型化が可能になる。
【0032】
それぞれの下限の2.0より小さいと、全系の焦点距離が短くなりすぎ、画像表示素子から1次像までの距離が短くなり、十分大きな観察画面サイズを確保できなくなる。一方、それぞれの上限の150より大きいと、逆に瞳から画像表示素子までの距離が長くなり、装置が大型化する。
【0033】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(4−1)、(4−2)と同様である。
【0034】
3.0≦fx(k)/L≦80 ・・・(5−1)
3.0≦fy(k)/L≦80 ・・・(5−2)
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(4−1)、(4−2)と同様である。
【0035】
3.0≦fx(k)/L≦60 ・・・(6−1)
3.0≦fy(k)/L≦60 ・・・(6−2)
また、リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、接眼光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(s)、fy(s)とするとき、
2.0≦fx(s)/fx(r)≦20 ・・・(7−1)
2.0≦fy(s)/fy(r)≦20 ・・・(7−2)
を満足することが重要である。
【0036】
上記条件式(7−1)、(7−2)は、本発明に基づいて、接眼光学系の焦点距離とリレー光学系の焦点距離の比を表しており、条件式(7−1)、(7−2)の値が小さい程装置全体をコンパクトにすることが可能となり、また、リレー光学系の画角が広くなり、大きな画面を呈示することになる。
【0037】
それぞれの下限の2.0より小さいと、接眼光学系とリレー光学系の距離が短くなり、リレー光学系からの射出角(画角)が大きくなりすぎ、リレー光学系を構成することが困難になる。それぞれの上限の20より大きいと、リレー光学系から接眼光学系の距離が長くなり、装置が大型化する。
【0038】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(7−1)、(7−2)と同様である。
【0039】
3.0≦fx(s)/fx(r)≦15 ・・・(8−1)
3.0≦fy(s)/fy(r)≦15 ・・・(8−2)
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(7−1)、(7−2)と同様である。
【0040】
3.0≦fx(s)/fx(r)≦10 ・・・(9−1)
3.0≦fy(s)/fy(r)≦10 ・・・(9−2)
さて、接眼光学系として、もちろん、透過レンズ、透過フレネルレンズのような透過屈折作用を有するものであってもよい。また、フレネル反射面のような反射作用を有するものであってもよい。また、透過型回折光学素子、透過型ホログラム素子、反射型回折光学素子、反射型ホログラム素子のような回折作用を有するものであってもよい。
【0041】
特に、接眼光学系を、回折光学素子、ホログラム素子、フレネルレンズ、フレネル反射面等で製作することにより、薄型の接眼光学系を構成することが可能となる。
【0042】
また、回折光学素子やホログラム素子で接眼光学系を構成する場合に、その面に指向性の拡散性を持たせることができ、接眼光学系を経た光束を異なる2つ以上の方向に拡散できるようになり、画像を観察できる射出瞳の範囲を拡大するようにすることもできる。
【0043】
さらに、リレー光学系による1次像の収差補正がなされ、結像性能が良好な場合には、接眼光学系は回転対称な屈折力を有するもので十分観察することができる。このような回転対称な屈折力を有する光学部材は比較的大きな光学素子であるため、加工が容易であり、コストダウンの効果が大きい。
【0044】
一方、リレー光学系によって発生する偏心による収差を有している場合には、接眼光学系は回転非対称な屈折力を有すると、偏心によって発生する像の台形歪みや像面の傾き等の偏心収差を補正することが可能となる。また、リレー光学系を上記のように偏心光学系で構成すると、リレー光学系と偏心収差の補正を分担することができ、その収差補正を有効に行うことが可能となる。
【0045】
ところで、本発明における光学部材としては、図19に示すように、散乱性の低いスクリーンを使用することも有効である。拡散手段によって、観察者瞳位置近傍において射出瞳の大きさを実効的に大きくすることが可能となり、余り光量をロスすることなく、観察者の観察位置の自由度を向上させることができる。
【0046】
また、本発明における光学部材は接眼光学系として使うには、正の屈折力を有した部材、例えばフレネルレンズを配設することによって、観察者は拡大された虚像を観察することができる。一方、その光学部材を拡散板で構成すると、リレー光学系による実像が拡散板上に形成され、拡散板の効果によって視野角が広い表示画像となり、観察者は広い範囲(角度)で観察可能となり、2人以上で観察したいときには有効である。したがって、用途によってこの光学部材を切り替えられることが望ましい。
【0047】
また、本発明に使用する光学部材は、後記の実施例の光路図(例えば、図1〜図4)からも明らかなように、リレー光学系に比べて大きい光学素子となる。本発明の画像表示装置は携帯性が望まれるため、この部分が着脱が可能であることが、装置全体を小さくすることに有利である。
【0048】
ところで、リレー光学系の少なくとも1つの偏心プリズムの少なくとも1つの有効面以外の部分には、光を遮断する遮光手段が施されていることが、ゴースト光あるいはフレアー光を低減するのに有効である。外来光又は画像表示素子から発した光が透過面にて裏面反射し、正規の光路以外の光路を経て観察者眼球に到達することがある。その光はゴースト光あるいはフレアー光となって、観察画像の劣化を引き起こす。内部反射が生じる透過面又は反射面の有効領域以外の部分に反射防止コーティングを施すことで、このような影響を低減することが可能となる。例えば、図21に示すように、偏心プリズム73と74からなるリレー光学系の場合には、光路のゴーストが発生することがある。このような場合には、有効面外である部分に和墨等の黒色のコーティング75を施すことで、画像表示素子5から発した正規光以外の不要な光を取り除くことが可能となる。
【0049】
また、リレー光学系の少なくとも1つの有効面には、反射防止コーティングを施していることが、ゴースト光あるいはフレアー光を低減するのに有効である。外来光又は画像表示素子から発した光が透過面にて表面反射し、正規の光路以外の光路を経て観察者眼球に到達することがある。その光は、ゴースト光あるいはフレアー光となって観察画像の劣化を引き起こす。例えば、図22に示すように、偏心プリズム73と74からなるリレー光学系の場合に、偏心プリズム74の透過面A、Bに反射防止コーティングを施すことで、このような影響を低減することが可能となる。その他の透過面に同様のコーティングを施すことももちろん望ましく、透過率が高くなり全体の光利用効率が向上するメリットが生じる。
【0050】
なお、本発明においては、上記のように、リレー光学系に回転非対称の光学面を用いるが、回転非対称な曲面形状としては、限定的でないが、自由曲面を用いることが望ましい。自由曲面は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0051】
このような偏心光学系に用いる偏心プリズムとしては、プリズム内に光を入射する入射面と、その光をプリズム内で反射する1つ以上の反射面と、反射光をプリズム外に射出する射出面とを有する反射回数が1回以上の公知の種々のものが何れも使用可能である。
【0052】
このような偏心プリズムの例としては、2つの反射面を備え、入射面と第1反射面と第2反射面と射出面からなり、入射面と第1反射面とを結ぶ光路が第2反射面と射出面とを結ぶ光路とプリズム内で交差するようになっているものがある。このような形状の偏心プリズムは、収差補正の自由度が高くなり、収差の発生が少ない。さらに、2つの反射面の配置の対称性が高いので、この2つの反射面で発生する収差が2つの反射面相互で補正し合い、収差発生が少ない。また、光路がプリズム内で交差光路を形成する構成のために、単に光路を折り返す構造のプリズムに比較して光路長を長く取ることが可能で、光路長の長さの割にプリズムを小型化することができる。
【0053】
このような偏心プリズムの他の例としては、3つの反射面を備え、その中の第3反射面が入射面を兼用した面にて形成され、第1反射面が射出面を兼用した面にて形成されているものがある。このような形状の偏心プリズムは、3つの反射面を有するために3回の反射面にパワーを分散することが可能であり、収差発生を少なくすることが可能である。また、光路がプリズム内で交差する構成のために、単に光路を折り返す構造のプリズムに比較して光路長を長く取ることが可能である。
【0054】
また、2つの反射面を備え、入射面を兼用した第2反射面と、第1反射面と、射出面とからなる偏心プリズムを例示することができる。第2反射面と入射面とを兼用するこの形状の偏心プリズムは、第2反射面で光線を大きく屈曲させ、第1反射面は少ない屈曲角で光線を第2反射面へと反射するために、プリズム光学系の入射光線方向の厚さを薄くすることが可能なものである。
【0055】
さらに、2つの反射面を備え、入射面と、射出面を兼用した第1反射面と、第2反射面とからなる偏心プリズムを例示することができる。第1反射面と射出面を兼用するこのこの形状の偏心プリズムは、第1反射面で大きく光線を屈曲させ、さらに第2反射面は少ない屈曲角で光線を射出面へと反射するために、プリズム光学系の射出光線方向の厚さを薄くすることが可能なものである。
【0056】
さらに好ましくは、偏心プリズムは、対称面を1面のみ有する自由曲面を備え、プリズムを構成する各面は略同一面内の対称面を有していることが好ましい。この構成により、対称面と直交する方向には比較的有効径を広く取ることが可能となり、縦横比が2以上の横方向に大きな射出瞳径を取ることが可能となる。
【0057】
さて、以上のような対称面に垂直な方向に瞳径が大きい本発明の偏心光学系は、
1<EPDx/EPDy<100 ・・・(10−1)
を満たすことが望ましい。だだし、EPDxは瞳の最も長い軸方向の長さであり、EPDyは瞳の最も短い軸方向の長さである。
【0058】
上記条件式(10−1)は、瞳の形状を非円形とすることを表すものであり、その下限の1を越えて小さくなるときは、瞳が円形又は正方形に近い形になり、より明るい撮像及び像観察が行えなくなる。他方、上限の100を越えて大きくなるときは、光学系のパワーの瞳形成のための負荷が大きくなりすぎ、良好な結像性能が得られなくなる。
【0059】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。
【0060】
1.5<EPDx/EPDy<50 ・・・(10−2)
この条件式の下限及び上限の意味は前述と同様である。
【0061】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。
【0062】
2.0≦EPDx/EPDy<10 ・・・(10−3)
この条件式の下限及び上限の意味は前述と同様である。
【0063】
前記条件式(10−1)〜(10−3)の何れかを満足する入射瞳を形成するために、直交する2軸方向で大きさの異なる絞りを持ったリレー光学系として用いることができる。このようなリレー光学系は明るく小型のものとして構成することができる。
【0064】
小型の画像表示素子を接眼光学系近傍に拡大投影するリレー光学系に、上記のような対称面に垂直な方向に瞳径が大きい偏心光学系を用いることにより、小型のリレー光学系を構成することが可能となる。
【0065】
また、液晶表示素子等の小型の画像表示素子は生産性が良いことから、安価に高画素のものを入手することが可能である。できれば表示画像の対角の長さが1インチ以下の表示素子を用いることが望ましく、さらに好ましくは、0.5インチ以下の画像表示素子を使うことが、安価な画像表示装置を構成する場合に有利となる。
【0066】
このように小型の画像表示素子を用いる場合には、虫眼鏡のような光学系で拡大するだけでは拡大倍率が不足であり、十分な大きさの映像として観察することはできなかった。そこで、リレー光学系で画像表示素子の映像を一度拡大投影し、リレー光学系で投影された像をさらに接眼光学系で拡大すると同時に、リレー光学系からの光束を観察者眼球に収束する作用を有する接眼光学系により構成することが重要である。
【0067】
さらに、対称面方向(瞳の長軸に対して直交する方向)の観察可能範囲を広げるために、プリズムシートやレンチキュラーシート等のような1次元方向に拡散作用を有する拡散素子をリレー光学系による結像位置近傍に付加することが望ましい。その際は、その1次元方向に拡散作用を有する拡散素子の拡散方向を対称面に平行に配置することが好ましい。また、対称面と直交する方向に画像表示素子の長手方向を一致させることにより、対称面方向の光学面の有効径が小さくてすむことから、装置の小型化につながり、かつ、収差発生量が少なくなり好ましい。
【0068】
【発明の実施形態】
以下に、本発明の画像表示装置の光学系の数値実施例について説明する。
【0069】
実施例1〜5の構成パラメータは後記するが、以下の実施例の座標の取り方は、図1〜図2に示すように、射出瞳1(観察者瞳)位置から画像表示素子5に向う逆光線追跡で、軸上主光線2を、光学系の射出瞳1の中心を垂直に通り、画像表示素子5の中心に至る光線で定義する。そして、射出瞳1の中心を偏心光学系の偏心光学面の原点として、軸上主光線2に沿う方向をZ軸方向とし、射出瞳1から光学系の射出瞳1に面した面に向かう方向をZ軸正方向とし、光学系の対称面(偏心方向の平面)をY−Z平面とし、Z軸に直交し、画像表示素子5から離れる方向をY軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸とする。
【0070】
偏心面については、光学系の原点の中心からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸、非球面については、後記の(b)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0071】
また、本発明で用いられる自由曲面の面の形状は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0072】
また、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
【0073】
Z=(y2 /R)/[1+{1−(1+K)y2 /R2 }1 /2]
+Ay4 +By6 +Cy8 +Dy10+……
・・・(b)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、Kは円錐定数、A、B、C、D、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0074】
なお、データの記載されていない自由曲面、非球面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0075】
さて、以下に示す実施例1〜5は、観察画角は水平13°、垂直10°、観察者眼球位置に当たる射出瞳1から映像までの距離は400mmであり、横(X)、縦(Y)8.9×6.7mmの画像表示素子5を使用するものである。
【0076】
図1に実施例1の対称面(Y−Z面)に沿った断面図、図2にX−Z面に投影した光路図、図3、図4にそれぞれ図1、図2の画像表示素子5、リレー光学系4、接眼光学系3近傍の拡大図を示す。
【0077】
また、図5〜図8に実施例2のそれぞれ図1〜図4に対応する図を、図9〜図12に実施例3のそれぞれ図1〜図4に対応する図を示す。
【0078】
また、図13に実施例4の対称面(Y−Z面)に沿った断面図、図14に図13の光源7、照明光学系6、画像表示素子5、リレー光学系4、接眼光学系3近傍の拡大図を示す。また、図15〜図16に実施例5のそれぞれ図13〜図14に対応する図を示す。
【0079】
実施例1の画像表示装置の光学系は、図1〜図4に示すように、射出瞳1に面した接眼光学系3は、射出瞳1側の面がフレネル透過面、反対側の面が平面のフレネルレンズからなり、この接眼光学系3に面してリレー光学系4が配置されている。このリレー光学系4は、2つの偏心プリズム10、偏心プリズム11からなる。接眼光学系3に面した偏心プリズム10は、接眼光学系3に面する第1面21と、反射面の第2面22と、偏心プリズム11に面する第3面23とからなり、偏心プリズム11は、偏心プリズム10に面する第1面24と、画像表示素子5に面する第4面27と、第1面24と第4面27の間に配置された2つの反射面の第2面25、第3面26とからなる。偏心プリズム10及び偏心プリズム11は対称面(Y−Z面)に対して面対称な構成になっている。
【0080】
画像表示素子5からの表示光は、偏心プリズム11の第4面27で屈折してプリズム内に入射し、第3面26と第2面25で内部反射を繰り返し、第4面27と第3面26とを結ぶ光路と第2面25と第1面24とを結ぶ光路とがプリズム内で交差して、反射光は第1面24で屈折してプリズム外に射出し、偏心プリズム10の第3面23から屈折してそのプリズム内に入射し、第2面22で反射して、第1面21から射出して、接眼光学系3のフレネルレンズ面上に画像表示素子5の拡大像を結像し、接眼光学系3で屈折された光束は射出瞳1に収束する。
【0081】
ここで、リレー光学系4の偏心プリズム11の第2面25近傍が射出瞳1と共役になっており、偏心プリズム11の第1面24の外形あるいはその面に設けた遮光部が射出瞳1の外形を決めることになる。したがって、この面24に横長の開口を形成することで、射出瞳1の形状を決めることも可能である。
【0082】
実施例2の画像表示装置の光学系のそれぞれ図1〜図4に対応する図を図5〜図8に示す。実施例2では、実施例1とリレー光学系4の構成のみが異なっている。リレー光学系4のみを説明すると、このリレー光学系4は、2つの偏心プリズム12、偏心プリズム13からなる。接眼光学系3に面した偏心プリズム12は、3面31〜33で構成された偏心プリズムであるが、実施例1の偏心プリズム10と異なる点は、構成する面の第1面31、第2面32、第3面33が何れも回転非対称な自由曲面で構成されていることである(実施例1では第1面21と第3面23は球面、第2面22は平面からなる。)。また、画像表示素子5に面した偏心プリズム13は、偏心プリズム12に面する第1面34と、画像表示素子5に面する第4面37と、第1面34と第4面37の間に配置された2つの反射面の第2面35、第3面36とからなるが、第2面35は透過と反射作用を有するハーフミラーである。また、第2面35は入射する偏光状態で反射と透過の異なる作用を有する偏光ビームスプリッター面(PBS面)であってももちろんよい。
【0083】
画像表示素子5からの表示光は、偏心プリズム13の第4面37で屈折してプリズム内に入射し、第2面35を透過して、第3面36で内部反射し、再び第2面35に入射するが今度は反射されて第1面34で屈折してプリズム外に射出する。偏心プリズム12の第3面33から屈折してそのプリズム内に入射し、第2面32で反射して、第1面31から射出して、接眼光学系3のフレネルレンズ面上に画像表示素子5の拡大像を結像し、接眼光学系3で屈折された光束は射出瞳1に収束する。
【0084】
偏心プリズム13の第2面35がPBS面の場合には、例えば、そのPBS面はP波を透過し、S波を反射する特性を有し、画像表示素子5から発する光はP波とする。画像表示素5から出た光は、偏心プリズム13の第2面35では100%透過し、第2面35と第3面36の間に挟み込んだ1/4波長板(図示せず)によって第3面36にて反射した後、再び第2面35に入射するときにはS波となっているため、今度は第2面35で100%反射して偏心プリズム13から射出する。したがって、この場合には、ハーフミラーでのロスが理論的には発生しないように構成することが可能である。
【0085】
実施例3の画像表示装置の光学系のそれぞれ図1〜図4に対応する図を図9〜図12に示す。実施例3では、実施例1とリレー光学系4の構成のみが異なっている。リレー光学系4のみを説明すると、このリレー光学系4は、レンズ16と偏心プリズム14の組み合わせからなる。レンズ16は、接眼光学系3に面しその方向に凸の凸面45と反対側の凹面46とからなる負メニスカスレンズからなり、偏心プリズム14は、実施例1の偏心プリズム11と同様に、レンズ16に面する第1面41と、画像表示素子5に面する第4面44と、第1面41と第4面44の間に配置された2つの反射面の第2面42、第3面43とからなる。
【0086】
画像表示素子5からの表示光は、偏心プリズム14の第4面44で屈折してプリズム内に入射し、第3面43と第2面42で内部反射を繰り返し、第4面44と第3面43とを結ぶ光路と第2面42と第1面41とを結ぶ光路とがプリズム内で交差して、反射光は第1面41で屈折してプリズム外に射出し、レンズ16の第2面46、第1面45を介して接眼光学系3のフレネルレンズ面上に画像表示素子5の拡大像を結像し、接眼光学系3で屈折された光束は射出瞳1に収束する。
【0087】
上記のように、レンズ16は負のパワーを有するレンズであり、リレー光学系4の射出側に配置されており、偏心プリズム14から射出する光束の画角を広げることになり、広画角のリレー光学系4に有利である。また、このレンズ16は回転対称の球面で構成されており、偏心した光学素子に比べ、製作性に優れ、コストも低く抑えることができる。
【0088】
実施例4の画像表示装置の光学系は、図13〜図14に示すように、実施例1と同様の接眼光学系3、リレー光学系4、及び、画像表示素子5の構成に、照明光学系6を配備したものである。
【0089】
リレー光学系4は、偏心プリズム10と偏心プリズム11からなっている。
【0090】
ここで、画像表示素子5は透過型液晶表示素子等の透過型の画像表示素子であり、背面から光を照射して画像を表示するものである。照明光学系6は、2枚のフレネルレンズからなり、光源7位置に瞳が形成するように設計されている。光源7は、LED等の発光素子そのものであっても、発光素子を積分球等の光源ボックスに入れたものであってもよく、その開口位置が照明系の瞳位置になるように配置される。そして、この光源7の開口と射出瞳1が略共役な関係になっている。
【0091】
実施例5の画像表示装置の光学系は、図15〜図16に示すように、接眼光学系3、リレー光学系4、及び、画像表示素子5の構成に、照明光学系6を配備したものである。
【0092】
照明光学系6は、1枚のフレネルレンズ17と、偏心プリズム15の一部からなり、実施例4と同様に、光源7位置に瞳が形成するように設計されている。
【0093】
リレー光学系4は、偏心プリズム12と偏心プリズム15からなっており、偏心プリズム15は1/4波長板8を挟んだ構成としている。
【0094】
ここで、画像表示素子5は反射型液晶表示素子、DMD等の反射型の画像表示素子であり、前面から光を照射(照明)して画像を表示するものである。
【0095】
光源7から発した光は、直線偏光(S波)であるとする。この実施例では省略しているが、必要があれば、光源7と偏心プリズム15の間に偏光板を配備してもよい。光源7からの光は、照明光学系6であるフレネルレンズ17を介して偏心プリズム15に入射面55から入射される。ここで、偏心プリズム15の入射面55は、正のパワーを有する非球面フレネル透過面である。そして、第2面52のPBS面では略全ての光が反射される。ここで、このPBS面はS波を反射し、P波を透過する特性を有している。
【0096】
第2面52で反射した光は、偏心プリズム15の第4面54から射出して反射型画像表示素子5を照明する。反射型画像表示素子5では、光の位相が90°回転し、光はP波となって表示光となる。再び第4面54から偏心プリズム15に入射し、PBS面の第2面52は略全てを透過し、1/4波長板8を介して反射面の第3面53で反射して、再び1/4波長板8を介してPBS面の第2面52に入射される。この過程で、光は1/4波長板8を2度通過するため、光の位相が90°回転して再びS波になり、第2面52では略全ての光が反射されて、第1面51を介して偏心プリズム15から射出する。その後は、実施例2と同様の光路を経て、接眼光学系3のフレネルレンズ面上に1次結像し、フレネルレンズを介して観察者眼球に導かれる。
【0097】
したがって、この場合には、光源7から射出した光は理論的には損失することなく観察者眼球に到達するため、明るい表示画面を呈示することができる。
【0098】
なお、実施例1〜5の偏心プリズム10の第1面21、第3面23は球面、偏心プリズム11の第1面24〜第4面27、偏心プリズム12の第1面31〜第3面33、偏心プリズム13の第1面34、第3面36、第4面37、偏心プリズム14の第1面41〜第4面44、偏心プリズム15の第1面51、第3面53、第4面54は回転非対称の自由曲面からなり、接眼光学系3、偏心プリズム15の照明光入射面55、照明光学系6の第1面61〜第6面66のフレネル透過面は回転対称非球面からなる。
【0099】
また、全ての実施例において、画像表示素子5の大きさは0.44インチ、射出瞳径はX方向、Y方向それぞれ45mm、25mmの長方形であり、接眼光学系3であるフレネルレンズの大きさは70×52.5mmである。
【0100】
一般に、観察光学系においては、光学系の射出瞳位置に観察者の瞳を置くことで像観察が可能であり、射出瞳径が大きい程広い範囲での観察が可能であるが、偏心光学系の場合は、射出瞳径を大きくとることは困難である。
【0101】
しかし、実施例1〜5にあげたような偏心プリズム光学系の場合は、対称面に垂直な方向においては隣接する有効径同士の干渉が起こらないため、対称面に垂直な方向に瞳径を拡大することは容易である。
【0102】
なお、実施例1〜5は、接眼光学系3は拡散性がないものとして設計されており、拡散性に関しては、所望の拡散性なり、拡散素子を利用して構成することができる。例えば、接眼光学系3近傍に上下方向に拡散性を持ったレンチキュラーシートを配置し、上下方向にのみ瞳を拡大することによりさらに広い観察範囲を確保することができる。
【0103】
さらに、接眼光学系3の位置に拡散板や白色の衝立て等のスクリーンを配備して画像を観察することもできる。拡散板の場合には、拡散板に実像が形成され、観察者はリレー光学系4側でもその反対側からでも観察することができる。拡散板の効果によって視野角が広がり、観察者は広い範囲でその実像を観察することが可能となる。
【0104】
なお、接眼光学系3が光を透過しないものの場合には、リレー光学系4側から観察することになる。
【0105】
また、リレー光学系4を結像光学系として用いることも可能である。実施例1〜5の画像表示素子5の位置を像面として、その位置に撮像素子を配備してリレー光学系5を撮像光学系として利用すると、小型で広角な撮像装置を実現することができる。
【0106】
以下に上記各実施例の数値データを示すが、以下の表中の“FFS”は自由曲面、“ASS”は非球面、“RE”は反射面、“FR”はフレネルレンズ面をそれぞれ示す。なお、物体面はリレー光学系4の投影像面、像面は画像表示素子5の表示面である。
【0107】
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 −157.99 偏心(3) 1.5254 56.2
5 ∞ (RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 299.98 偏心(5)
7 FFS▲1▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 FFS▲2▼(RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲3▼(RE) 偏心(8) 1.5254 56.2
10 FFS▲4▼ 偏心(9)
像 面 ∞ 偏心(10)
ASS▲1▼
R 68.57
K −3.1995×10−1
A 4.3416×10−6
B −4.0947×10−9
C 1.7057×10−12
D −2.6267×10−16
FFS▲1▼
C4 −5.1472×10−4 C6 −1.5069×10−2 C8 3.0631×10−4
C10 2.1897×10−4 C11 2.0732×10−5 C13 2.4133×10−5
FFS▲2▼
C4 5.2080×10−3 C6 −2.5319×10−4 C8 −1.0748×10−5
C10 −3.2873×10−5 C11 2.1223×10−6 C13 2.5333×10−6
C15 −1.1803×10−7
FFS▲3▼
C4 −6.7736×10−3 C6 −8.5717×10−3 C8 8.6353×10−5
C10 4.3112×10−5 C11 5.3135×10−7 C13 8.5944×10−7
C15 2.2577×10−7
FFS▲4▼
C4 4.1124×10−3 C6 2.3444×10−2 C8 2.8791×10−3
C10 −5.8599×10−4 C11 −2.9219×10−4 C13 −9.3164×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 0.00 Z 517.04
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 526.02
α 40.03 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −8.93 Z 515.39
α 73.70 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −14.41 Z 515.40
α 97.92 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −30.64 Z 521.42
α 106.52 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −18.54 Z 510.99
α 150.76 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −21.61 Z 529.78
α 165.85 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −21.86 Z 531.92
α 173.32 β 0.00 γ 180.00 。
【0108】
実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 FFS▲1▼ 偏心(3) 1.5254 56.2
5 FFS▲2▼(RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 FFS▲3▼ 偏心(5)
7 FFS▲4▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 ∞ (RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲5▼(RE) 偏心(8) 1.5254 56.2
10 FFS▲6▼ 偏心(9)
像 面 ∞ 偏心(10)
ASS▲1▼
R 68.03
K −6.5972×10−1
A 3.9266×10−6
B −3.9535×10−9
C 1.6320×10−12
D −2.4398×10−16
FFS▲1▼
C4 −3.1652×10−3 C6 −2.7454×10−3 C8 1.0624×10−4
C10 2.0124×10−4 C11 −4.6215×10−6 C13 −7.3875×10−6
C15 −6.1432×10−6
FFS▲2▼
C4 −7.7492×10−5 C6 3.5569×10−4 C8 3.2777×10−6
C10 2.9999×10−6 C11 6.1266×10−7 C13 4.6413×10−7
FFS▲3▼
C4 1.9537×10−3 C6 −3.6433×10−3 C8 8.6203×10−4
C10 −3.1066×10−5 C11 3.0533×10−5 C13 3.8666×10−5
FFS▲4▼
C4 −3.4198×10−4 C6 −6.9483×10−3 C8 1.1179×10−3
C10 6.1320×10−6 C11 4.5864×10−5 C13 6.9873×10−5
FFS▲5▼
C4 −1.0192×10−2 C6 −9.8741×10−3 C8 2.6150×10−6
C10 −1.5740×10−6 C11 −1.3783×10−6 C13 −3.8333×10−7
C15 2.5429×10−6
FFS▲6▼
C4 2.2166×10−2 C6 2.9044×10−2 C8 −8.6760×10−5
C10 −1.9886×10−4 C11 −1.2770×10−4 C13 −3.2474×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y −6.43 Z 524.15
α 10.72 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y −9.61 Z 542.89
α 36.66 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −10.46 Z 523.38
α 81.86 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −11.47 Z 524.55
α 77.48 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −19.10 Z 529.61
α 114.26 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −14.99 Z 520.18
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −22.90 Z 538.24
α 155.83 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −24.03 Z 540.85
α 156.62 β 0.00 γ 180.00 。
【0109】
実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 42.68 偏心(3) 1.5163 64.1
5 11.82 偏心(4)
6 FFS▲1▼ 偏心(5) 1.5254 56.2
7 FFS▲2▼(RE) 偏心(6) 1.5254 56.2
8 FFS▲3▼(RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲4▼ 偏心(8)
像 面 ∞ 偏心(9)
ASS▲1▼
R 31.96
K −8.8582×10−1
A −2.0647×10−7
B −3.0494×10−11
C −2.1945×10−14
D 8.5889×10−18
FFS▲1▼
C4 2.1480×10−2 C6 3.7759×10−2 C8 2.9411×10−4
C10 2.2114×10−4 C11 −1.1066×10−4 C13 1.8659×10−5
C15 −1.5925×10−6
FFS▲2▼
C4 −4.0841×10−3 C6 6.1289×10−3 C8 1.8950×10−4
C10 4.1122×10−4 C11 −2.9237×10−5 C13 −1.0633×10−6
C15 2.9303×10−6
FFS▲3▼
C4 1.0165×10−2 C6 1.5674×10−2 C8 8.3906×10−5
C10 1.2388×10−4 C11 −2.2898×10−5 C13 7.8026×10−6
C15 1.0508×10−6
FFS▲4▼
C4 −7.9401×10−2 C6 −4.5515×10−2 C8 1.2594×10−2
C10 2.8616×10−3 C11 4.8238×10−4 C13 1.2746×10−3
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 0.00 Z 460.51
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 462.15
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y 0.00 Z 465.15
α −5.19 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −0.49 Z 480.88
α −29.29 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y 9.86 Z 476.02
α −79.03 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −8.84 Z 477.38
α −67.59 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −11.79 Z 472.47
α −93.33 β 0.00 γ 180.00 。
【0110】
実施例4
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 −157.99 偏心(3) 1.5254 56.2
5 ∞ (RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 299.98 偏心(5)
7 FFS▲1▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 FFS▲2▼(RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲3▼(RE) 偏心(8) 1.5254 56.2
10 FFS▲4▼ 偏心(9)
像 面 ∞ 偏心(10)
12 ∞ 偏心(10) 1.5168 64.1
13 ∞ 偏心(11)
14 ASS▲2▼(FR) 偏心(12) 1.5254 56.2
15 ASS▲3▼(FR) 偏心(13)
16 ASS▲4▼(FR) 偏心(14) 1.5254 56.2
17 ASS▲5▼(FR) 偏心(15)
光 源 ∞ 偏心(16)
ASS▲1▼
R 68.57
K −3.1995×10−1
A 4.3416×10−6
B −4.0947×10−9
C 1.7057×10−12
D −2.6267×10−16
ASS▲2▼
R 16.20
K −1.3289×10+7
A −2.7343×10−3
ASS▲3▼
R 4.18
K −3.7255×10+1
A −2.6919×10−4
B −3.8086×10−5
ASS▲4▼
R −8.75
K −2.2622
A −2.1578×10−3
B 7.1256×10−5
ASS▲5▼
R 8.61
K 8.5731×10−1
A −2.2183×10−3
B 5.2832×10−5
FFS▲1▼
C4 −5.1472×10−4 C6 −1.5069×10−2 C8 3.0631×10−4
C10 2.1897×10−4 C11 2.0732×10−5 C13 2.4133×10−5
FFS▲2▼
C4 5.2080×10−3 C6 −2.5319×10−4 C8 −1.0748×10−5
C10 −3.2873×10−5 C11 2.1223×10−6 C13 2.5333×10−6
C15 −1.1803×10−7
FFS▲3▼
C4 −6.7736×10−3 C6 −8.5717×10−3 C8 8.6353×10−5
C10 4.3112×10−5 C11 5.3135×10−7 C13 8.5944×10−7
C15 2.2577×10−7
FFS▲4▼
C4 4.1124×10−3 C6 2.3444×10−2 C8 2.8791×10−3
C10 −5.8599×10−4 C11 −2.9219×10−4 C13 −9.3164×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 0.00 Z 517.04
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 526.02
α 40.03 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −8.93 Z 515.39
α 73.64 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −14.41 Z 515.39
α 97.86 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −30.65 Z 521.40
α 106.46 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −18.54 Z 510.98
α 150.70 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −21.63 Z 529.77
α 165.79 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −21.88 Z 531.91
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y −22.00 Z 532.90
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(12)
X 0.00 Y −22.37 Z 536.08
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(13)
X 0.00 Y −22.49 Z 537.07
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(14)
X 0.00 Y −22.86 Z 540.23
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(15)
X 0.00 Y −22.98 Z 541.23
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(16)
X 0.00 Y −23.37 Z 544.50
α 173.25 β 0.00 γ 0.00 。
【0111】
実施例5
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 FFS▲1▼ 偏心(3) 1.5254 56.2
5 FFS▲2▼(RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 FFS▲3▼ 偏心(5)
7 FFS▲4▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 ∞ (RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 ∞ 偏心(8) 1.5168 64.1
10 ∞ 偏心(9) 1.5254 56.2
11 FFS▲5▼(RE) 偏心(10) 1.5254 56.2
12 ∞ 偏心(9) 1.5168 64.1
13 ∞ 偏心(8) 1.5254 56.2
14 FFS▲6▼ 偏心(11)
像 面 ∞ 偏心(12)
16 FFS▲6▼ 偏心(11) 1.5254 56.2
17 ∞ (RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
18 ASS▲2▼(FR) 偏心(13)
19 ASS▲3▼(FR) 偏心(14) 1.4922 57.5
20 ASS▲4▼(FR) 偏心(15)
光 源 ∞ 偏心(16)
ASS▲1▼
R 68.03
K −6.5972×10−1
A 3.9266×10−6
B −3.9535×10−9
C 1.6320×10−12
D −2.4398×10−16
ASS▲2▼
R 14.59
K 6.0197×10−1
A 1.5829×10−5
B 2.6742×10−8
ASS▲3▼
R −12.97
K 2.4541×10−2
A −4.1591×10−6
B −6.2392×10−9
ASS▲4▼
R 38.78
K 4.8369×10−6
A 1.3466×10−10
B 6.6923×10−14
FFS▲1▼
C4 −3.1652×10−3 C6 −2.7454×10−3 C8 1.0624×10−4
C10 2.0124×10−4 C11 −4.6215×10−6 C13 −7.3875×10−6
C15 −6.1432×10−6
FFS▲2▼
C4 −7.7492×10−5 C6 3.5569×10−4 C8 3.2777×10−6
C10 2.9999×10−6 C11 6.1266×10−7 C13 4.6413×10−7
FFS▲3▼
C4 1.9537×10−3 C6 −3.6433×10−3 C8 8.6203×10−4
C10 −3.1066×10−5 C11 3.0533×10−5 C13 3.8666×10−5
FFS▲4▼
C4 −3.4198×10−4 C6 −6.9483×10−3 C8 1.1179×10−3
C10 6.1320×10−6 C11 4.5864×10−5 C13 6.9873×10−5
FFS▲5▼
C4 −1.0192×10−2 C6 −9.8741×10−3 C8 2.6150×10−6
C10 −1.5740×10−6 C11 −1.3783×10−6 C13 −3.8333×10−7
C15 2.5429×10−6
FFS▲6▼
C4 2.2166×10−2 C6 2.9044×10−2 C8 −8.6760×10−5
C10 −1.9886×10−4 C11 −1.2770×10−4 C13 −3.2474×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y −6.43 Z 524.15
α 10.72 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y −9.61 Z 542.89
α 36.66 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −10.46 Z 523.38
α 81.86 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −11.47 Z 524.55
α 77.48 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −19.10 Z 529.61
α 114.26 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −17.00 Z 523.26
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −17.00 Z 521.26
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −14.99 Z 520.18
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y −22.90 Z 538.24
α 155.83 β 0.00 γ 0.00
偏心(12)
X 0.00 Y −24.03 Z 540.85
α 156.62 β 0.00 γ 0.00
偏心(13)
X 0.00 Y −26.90 Z 527.17
α 76.11 β 0.00 γ 0.00
偏心(14)
X 0.00 Y −28.11 Z 526.87
α 75.70 β 0.00 γ 0.00
偏心(15)
X 0.00 Y −29.08 Z 526.62
α 75.29 β 0.00 γ 0.00
偏心(16)
X 0.00 Y −35.60 Z 524.85
α 75.19 β 0.00 γ 0.00 。
【0112】
上記実施例1の横収差を図17、図18に示す。これらの横収差図において、図17は図1に示した光路に対応し、画面垂直方向の最小、最大、中心像高における横収差を示す。図18は図2に示した光路に対応し、画面水平方向の最小、最大、中心像高における横収差を示す。なお、これらの横収差図において、括弧内に示された数字は(水平(X)画角,垂直(Y)画角)を表し、その画角における横収差を示す。
【0113】
次に、上記実施例1〜3の条件式(1−1)、(1−2)、(4−1)、(4−2)、(7−1)、(7−2)に関する値を示す。
【0114】
【0115】
ところで、実施例1〜5に例示したような画像表示装置は、例えば、図23、図24に示すような携帯情報端末や、図25、図26に示すような携帯電話の形態にも適用することができ、安価で消費電力の少ない、極めて携帯性に優れた装置を提供することができる。
【0116】
図23の場合は、接眼光学系3をフレネル反射鏡のような反射作用を有する光学素子76で構成する例である。この場合、画像表示装置の本体80上に、観察者側から見て、操作ボタン81をリレー光学系4より手前に配置することが望ましい。この配置により、操作ボタン81のボタン操作をする手で光路を遮ることがなく、ボタン操作する度に映像を遮断してしまう問題を避けることが可能となる。また、リレー光学系4は接眼光学系3の手前に配置することにより、接眼光学系3で反射された映像を無理なく観察することが可能となる。なお、図23において、観察者眼球位置をEで示し、この画像表示装置の射出瞳1の位置に観察者の両眼あるいは片眼Eを一致させることにより、表示映像を無理なく観察することができる。なお、画像表示素子5は、リレー光学系4の本体80側に配置されるが、図示を省く。
【0117】
さらに、図24の場合、接眼光学系3は、本体80から開閉する機構にすることによって、携帯時はポケット等に収納することが可能となる。また、このとき、電源も切断する機能を付けておくと、節電効果が高い。
【0118】
さらに、開閉は観察者側を本体80から持ち上げて開閉する方向にすることによって、接眼光学系3の光学面が収納時に表面に露出することがなく、光学系の光学面に汚れ等が付着し難くなりより好ましい。
【0119】
また、図24の場合は、接眼光学系3を少なくともフレネルレンズのような透過作用を有する光学素子77で構成するものである。この場合、画像表示装置の本体80上に、観察者側から見て、操作ボタン81を接眼光学系3より手前に配置することが望ましい。この配置により、操作ボタン81のボタン操作をする手で光路を遮ることがなく、ボタン操作する度に映像を遮断してしまう問題を避けることが可能となる。また、リレー光学系4の手前に接眼光学系3を配置することにより、無理なく映像を観察することが可能となる。
【0120】
また、図24の場合は、接眼光学系3をリレー光学系4側に倒して収納するようにすることが好ましい。これにより、リレー光学系4を保護するカバーの役目を接眼光学系3表面で代用することが可能となる。
【0121】
さらに、図23、図24のどちらの使用形態においても、リレー光学系4と接眼光学系3の間に反射鏡78(図24)を配置し、光路を折り曲げることにより、リレー光学系4から接眼光学系3までの距離を短くすることが可能となる。さらに好ましくは、その反射鏡78にパワーを持たせることにより、接眼光学系3の持つパワーを分散することが可能となり、より大画面の映像を鮮明に表示することが可能となる。また、その反射鏡78は接眼光学系3の下に収納するようにすることにより、その光学素子が露出することが防げ、防塵性が向上する。
【0122】
図25、図26は携帯電話90に接眼光学系3とリレー光学系4からなる画像表示装置を設けてその射出瞳1の位置でその表示映像を無理なく観察できるようにしたものであり、携帯電話90には、操作者の声を情報として入力するマイク部91と、通話相手の声を出力するスピーカ部92と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ93と、操作者が情報を入力する操作ボタン81と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を投影表示する本発明の画像表示装置が設けられている。図25は、図23に対応する構成で、接眼光学系3を携帯電話90に対して開閉する機構を持っており、携帯時は折り畳んでポケット等に収納することが可能となる。また、図26は、図24に対応する構成であるが、接眼光学系3は携帯電話90の本体表面に固定され、その内部にリレー光学系4と反射鏡78が取り付けられており、折り畳まずにそのままポケット等に収納するものである。
【0123】
以上の本発明の画像表示装置は例えば次のように構成することができる。
【0124】
〔1〕 画像表示素子と該画像表示素子の画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、
該リレー光学系は少なくとも2つの光学素子によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、該偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、
該リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材が配設されており、
該光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0125】
〔2〕 上記1において、前記接眼光学系は、レンズ、プリズム、フレネルレンズ、拡散板の少なくとも何れかを含んで構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0126】
〔3〕 上記1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、前記画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
0.6≦fx(r)/L≦3 ・・・(1−1)
0.6≦fy(r)/L≦3 ・・・(1−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
【0127】
〔4〕 上記1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系と前記接眼光学系のX方向、Y方向の合成焦点距離をfx(k)、fy(k)、前記画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
2.0≦fx(k)/L≦150 ・・・(4−1)
2.0≦fy(k)/L≦150 ・・・(4−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
【0128】
〔5〕 上記1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、前記接眼光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(s)、fy(s)とするとき、
2.0≦fx(s)/fx(r)≦20 ・・・(7−1)
2.0≦fy(s)/fy(r)≦20 ・・・(7−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
【0129】
〔6〕 上記1において、前記接眼光学系がフレネルレンズで構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0130】
〔7〕 上記1において、前記接眼光学系がフレネル反射面で構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0131】
〔8〕 上記1において、前記接眼光学系が透過型回折光学素子又は反射型回折光学素子で構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0132】
〔9〕 上記1において、前記接眼光学系が透過型ホログラム光学素子又は反射型ホログラム光学素子で構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0133】
〔9〕 上記1において、前記接眼光学系は回転対称な屈折力を有することを特徴とする画像表示装置。
【0134】
〔10〕 上記1において、前記接眼光学系は回転非対称な屈折力を有することを特徴とする画像表示装置。
【0135】
〔11〕 上記1において、前記光学部材は拡散作用を有する部材を含むことを特徴とする画像表示装置。
【0136】
〔12〕 上記1において、前記光学部材は切り換え及び着脱が可能なものであることを特徴とする画像表示装置。
【0137】
〔13〕 上記1において、前記リレー光学系の少なくとも1つの光学素子の少なくとも1つの有効面以外の部分には、光を遮断する遮光手段が施されていることを特徴とする画像表示装置。
【0138】
〔14〕 上記1において、前記リレー光学系の少なくとも1つの有効面には反射防止コーティングが施されていることを特徴とする画像表示装置。
【0139】
【発明の効果】
以上の本発明の画像表示装置によると、小型でも鮮明な画像を呈示することが可能な画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の画像表示装置の光学系の対称面に沿った断面図である。
【図2】本発明の実施例1の画像表示装置の光学系の対称面に対称面に直交する面に投影した光路図である。
【図3】図1の画像表示素子、リレー光学系、接眼光学系近傍の拡大図である。
【図4】図2の画像表示素子、リレー光学系、接眼光学系近傍の拡大図である。
【図5】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図1と同様の図である。
【図6】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図2と同様の図である。
【図7】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図3と同様の図である。
【図8】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図4と同様の図である。
【図9】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図1と同様の図である。
【図10】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図2と同様の図である。
【図11】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図3と同様の図である。
【図12】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図4と同様の図である。
【図13】本発明の実施例4の画像表示装置の光学系の対称面に沿った断面図である。
【図14】図13の画像表示素子、リレー光学系、接眼光学系近傍の拡大図である。
【図15】本発明の実施例5の画像表示装置の光学系の図13と同様の図である。
【図16】本発明の実施例5の画像表示装置の光学系の図14と同様の図である。
【図17】実施例1の図1に示した光路に対応する横収差図である。
【図18】実施例1の図2に示した光路に対応する横収差図である。
【図19】本発明の画像表示装置の接眼光学系の散乱性を説明するための図である。
【図20】散乱性が多い場合の図19に対応する図である。
【図21】リレー光学系に適用可能な遮光手段を説明するための図である。
【図22】リレー光学系に適用可能な反射防止コーティング手段を説明するための図である。
【図23】本発明の画像表示装置を携帯情報端末に適用した場合の斜視図である。
【図24】本発明の画像表示装置を携帯情報端末に適用した別の場合の斜視図である。
【図25】本発明の画像表示装置を携帯電話に適用した場合の斜視図である。
【図26】本発明の画像表示装置を携帯電話に適用した別の場合の斜視図である。
【符号の説明】
1…射出瞳
2…軸上主光線
3…接眼光学系
4…リレー光学系
5…画像表示素子
6…照明光学系
7…光源
8…1/4波長板
10、11、12、13、14、15…偏心プリズム
16…レンズ
17…照明用フレネルレンズ
21〜27、31〜37、41〜44、51〜54…偏心プリズムの光学面
45、46…レンズ面
55…偏心プリズムの照明光導入面
61〜66…フレネルレンズのレンズ面
70…光学部材
71…入射光
72…散乱光
73、74…偏心プリズム
75…黒色コーティング
76…反射作用を有する光学素子
77…透過作用を有する光学素子
78…反射鏡
80…画像表示装置本体
81…操作ボタン
90…携帯電話
91…マイク部
92…スピーカ部
93…アンテナ
E…観察者眼球位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に関し、特に、小型でより鮮明な像観察が可能となる偏心光学系とそれを用いた画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型の表示素子を用いて光学系により拡大表示するものとして、特開平7−333551号や特開平8−76034号のもの等がある。これらは、表示素子を凹面鏡を用いて虚像として拡大表示するものである。何れも回転非対称な反射面を用いて収差の少ない投影像を得るものである。このような光学系を用いた装置の応用例としては、例えば特開2000−221440に示される投影光学系がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
撮像光学系においては、入射瞳径が大きい程取り込める光量が増し、明るい像が得られるが、回転対称な光学系の場合、大口径になることから、レンズを固定するための鏡枠部分のレンズ間隔やふち肉が足りなくなり、これを確保するために間隔を厚くすると、全体が大きくなってしまう。また、収差補正を十分に行うためには、多くの光学エレメントが必要となってしまう。
【0004】
また、観察光学系の場合、射出瞳径が大きい程観察者の眼球配置位置の自由度が大きくなるが、同様に、回転対称な光学系の場合、全体が大きくなってしまい、また、多くの光学エレメントが必要となってしまう。
【0005】
観察光学系の場合に、射出瞳径を大きくする他の方法として、拡散作用を有する光学素子を配置し、瞳の拡大を図ることも考えられるが、像が非常に暗くなるため、消費電力が大きい明るい表示素子と大型な電池が必要となり、例えば安価な携帯端末に利用することは不適当である。
【0006】
ところで、従来の表示素子を直接凹面鏡等で拡大するタイプは、表示素子としてある程度大きなものを使用せざるを得ず、小型の表示装置を構成することはできなかった。また、表示素子の映像を空中に1回投影する方式の場合は小型の表示素子を用いることが可能であり、安価に大きい画面の表示を観察することが可能な光学系であるが、接眼光学系の射出瞳位置が短く、頭部直前に接眼光学系を配置する必要があり、手に持って観察する場合には画面全面を観察することはできなかった。
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的は小型でも鮮明な画像を呈示することが可能な画像表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の画像表示装置は、画像表示素子と該画像表示素子の画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、
該リレー光学系は少なくとも2つの光学素子によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、該偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、
該リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材が配設されており、
該光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されていることを特徴とするものである
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
【0009】
本発明の画像表示素子とその表示画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、リレー光学系を2つの光学素子で構成することによって、リレー光学系で必要な収差補正能力を2つの光学素子に分配することができる。そのため、1つの光学素子で構成された場合に比べ、収差補正をする範囲が広がり、すなわち広画角にすることが可能となり、小型であっても結像面の大きさを適正な大きさにすることが可能となる。
【0010】
次に、その中の少なくとも1つの光学素子を偏心プリズムで構成する理由を説明する。
【0011】
レンズのような屈折光学素子は、その境界面に曲率を付けることにより始めてパワーを持たせることができる。そのため、レンズの境界面で光線が屈折する際に、屈折光学素子の色分散特性による色収差の発生が避けられない。その結果、色収差を補正する目的で別の屈折光学素子が付加されるのが一般的である。
【0012】
一方、ミラーやプリズム等のような反射光学素子は、その反射面にパワーを持たせても原理的に色収差の発生はなく、色収差を補正する目的だけのために別の光学素子を付加する必要はない。そのため、反射光学素子を用いた光学系は、屈折光学素子のみを用いた光学系に比べて、色収差補正の観点から光学素子の構成枚数の削減が可能である。
【0013】
同時に、反射光学素子を用いた反射光学系は、光路を折り畳むことになるために、屈折光学系に比べて光学系自身を小さくすることが可能である。
【0014】
また、反射面は屈折面に比べて偏心誤差感度が高いため、組み立て調整に高い精度を要求される。しかし、反射光学素子の中でも、プリズムはそれぞれの面の相対的な位置関係が固定されているので、プリズム単体として偏心を制御すればよく、必要以上の組み立て精度、調整工数が不要である。
【0015】
さらに、プリズムは、屈折面である入射面と射出面、それと反射面を有しており、反射面しかもたないミラーに比べて、収差補正の自由度が大きい。特に、反射面に所望のパワーの大部分を分担させ、屈折面である入射面と射出面のパワーを小さくすることで、ミラーに比べて収差補正の自由度を大きく保ったまま、レンズ等のような屈折光学素子に比べて、色収差の発生を非常に小さくすることが可能である。また、プリズム内部は空気よりも屈折率の高い透明体で満たされているために、空気に比べて光路長を長くとることができ、空気中に配置されるレンズやミラー等よりは光学系の薄型化、小型化が可能である。
【0016】
また、リレー光学系の少なくとも1つの光学素子を構成する光学面を偏心配置する場合には、面の偏心によって発生する偏心収差を補正するために、回転非対称の光学面を有することが重要である。
【0017】
さらに、その結像面近傍に画像を観察するための光学部材を配設されているため、その1次像を観察者の眼球に投影すること、あるいはその光学部材によって視野角を拡大することができるため、明るく鮮明な画像を観察者に呈示することが可能となる。
【0018】
加えて、リレー光学系の結像面近傍に配設される光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系であることが好ましい。
【0019】
上記の構成において、接眼光学系は、レンズ、プリズム、フレネルレンズ、拡散板等にて構成することが可能である。
【0020】
リレー光学系の結像面近傍に配設される光学部材70が、図20に示すように、散乱光72で示すように、散乱性が高い光学部材では、一般的には見る位置からの照度ムラが発生し難く好ましいものであるが、本発明の携帯型の画像表示装置においては、観察者は一人のことが多く、入射光71を散乱させると、入射光71に対して観察者の眼球に届く光線が少なくなり、照明光が無駄になってしまう。さらに、無駄に散乱させ暗くなった表示画面の明るさを補うために照明の輝度を上げると、消費電力が多くなってしまい、使用時間が極端に短くなったり、せっかく小型になった表示装置に対して、大型で重いバッテリーを装着することになってしまう。
【0021】
この問題を避けるために、本発明におけるの画像表示装置の構成においては、図19に示すように、リレー光学系の結像位置近傍に正の屈折力を有する散乱性がないか低い光学部材(接眼光学系)70を配設し、設定された虚像距離に対応する視度を有する主光線の広がりを持った略平行光束を観察者眼球に投影するようにすることができる。このようにして、光源からの光量を有効に観察者眼球に導くことが可能となり、輝度の高い明るい画像を投影することが可能となる。
【0022】
なお、図19では、光学部材70として反射作用を有する光学素子として図示してあるが、もちろん、後記の実施例のように、透過作用を有する光学素子を用いる場合も同様である。
【0023】
さて、ここで偏心光学系の焦点距離を定義する。光軸方向をZ軸方向にとり、偏心光学系の偏心方向をY軸方向にとり、それらと直交する方向をX軸方向とするとき、Y−Z面内とX−Z面内の2つの方向の光線に対して、軸上主光線と微小距離離れた平行光線を偏心光学系に入射させ、特開平11−194267号の段落〔0049〕と同様にパワーPx、Pyを定義し、それらの逆数を焦点距離fx、fyと定義する。
【0024】
本発明の画像表示装置において、リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
0.6≦fx(r)/L≦3 ・・・(1−1)
0.6≦fy(r)/L≦3 ・・・(1−2)
を満足することが重要である。
【0025】
上記条件式(1−1)、(1−2)は、本発明に基づいて画像表示素子の大きさとリレー光学系の焦点距離の関係を表すものであり、リレー光学系の大きさを決めるためのものである。
【0026】
本発明の画像表示装置の場合、結像位置近傍の光学部材とリレー光学系は分離可能な構成にすることにより、携帯性を高めることができる。その場合には、画像表示装置の大きさはリレー光学系の大きさ、すなわち焦点距離の値によって決まる。つまり、条件式(1−1)、(1−2)の値が小さい程瞳から画像表示素子までの距離が短く、小型化が可能になる。
【0027】
それぞれの下限の0.6より小さいと、画角が大きくなり、収差補正し切れず、特に周辺では解像が悪い映像になる。それぞれの上限の3より大きいと、リレー光学系の焦点位置が長くなり、画像表示装置が大型化してしまう。
【0028】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(1−1)、(1−2)と同様である。
【0029】
0.8≦fx(r)/L≦2.5 ・・・(2−1)
0.8≦fy(r)/L≦2.5 ・・・(2−2)
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(1−1)、(1−2)と同様である。
【0030】
0.9≦fx(r)/L≦2 ・・・(3−1)
0.9≦fy(r)/L≦2 ・・・(3−2)
また、リレー光学系と接眼光学系のX方向、Y方向の合成焦点距離をfx(k)、fy(k)、画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
2.0≦fx(k)/L≦150 ・・・(4−1)
2.0≦fy(k)/L≦150 ・・・(4−2)
を満足することが重要である。
【0031】
上記条件式(4−1)、(4−2)は、本発明に基づいて画像表示素子の大きさとリレー光学系と接眼光学系とからなる観察光学系の焦点距離の関係を示すものである。本発明の画像表示装置においては、接眼光学系が最も大きい光学素子であり、接眼光学系の大きさ及びその設置する位置が装置全体の大きさを決めるものになる。この値が小さい程接眼光学系から画像表示素子までの距離が短く、小型化が可能になる。
【0032】
それぞれの下限の2.0より小さいと、全系の焦点距離が短くなりすぎ、画像表示素子から1次像までの距離が短くなり、十分大きな観察画面サイズを確保できなくなる。一方、それぞれの上限の150より大きいと、逆に瞳から画像表示素子までの距離が長くなり、装置が大型化する。
【0033】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(4−1)、(4−2)と同様である。
【0034】
3.0≦fx(k)/L≦80 ・・・(5−1)
3.0≦fy(k)/L≦80 ・・・(5−2)
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(4−1)、(4−2)と同様である。
【0035】
3.0≦fx(k)/L≦60 ・・・(6−1)
3.0≦fy(k)/L≦60 ・・・(6−2)
また、リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、接眼光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(s)、fy(s)とするとき、
2.0≦fx(s)/fx(r)≦20 ・・・(7−1)
2.0≦fy(s)/fy(r)≦20 ・・・(7−2)
を満足することが重要である。
【0036】
上記条件式(7−1)、(7−2)は、本発明に基づいて、接眼光学系の焦点距離とリレー光学系の焦点距離の比を表しており、条件式(7−1)、(7−2)の値が小さい程装置全体をコンパクトにすることが可能となり、また、リレー光学系の画角が広くなり、大きな画面を呈示することになる。
【0037】
それぞれの下限の2.0より小さいと、接眼光学系とリレー光学系の距離が短くなり、リレー光学系からの射出角(画角)が大きくなりすぎ、リレー光学系を構成することが困難になる。それぞれの上限の20より大きいと、リレー光学系から接眼光学系の距離が長くなり、装置が大型化する。
【0038】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(7−1)、(7−2)と同様である。
【0039】
3.0≦fx(s)/fx(r)≦15 ・・・(8−1)
3.0≦fy(s)/fy(r)≦15 ・・・(8−2)
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。この条件式の下限及び上限の意味は条件式(7−1)、(7−2)と同様である。
【0040】
3.0≦fx(s)/fx(r)≦10 ・・・(9−1)
3.0≦fy(s)/fy(r)≦10 ・・・(9−2)
さて、接眼光学系として、もちろん、透過レンズ、透過フレネルレンズのような透過屈折作用を有するものであってもよい。また、フレネル反射面のような反射作用を有するものであってもよい。また、透過型回折光学素子、透過型ホログラム素子、反射型回折光学素子、反射型ホログラム素子のような回折作用を有するものであってもよい。
【0041】
特に、接眼光学系を、回折光学素子、ホログラム素子、フレネルレンズ、フレネル反射面等で製作することにより、薄型の接眼光学系を構成することが可能となる。
【0042】
また、回折光学素子やホログラム素子で接眼光学系を構成する場合に、その面に指向性の拡散性を持たせることができ、接眼光学系を経た光束を異なる2つ以上の方向に拡散できるようになり、画像を観察できる射出瞳の範囲を拡大するようにすることもできる。
【0043】
さらに、リレー光学系による1次像の収差補正がなされ、結像性能が良好な場合には、接眼光学系は回転対称な屈折力を有するもので十分観察することができる。このような回転対称な屈折力を有する光学部材は比較的大きな光学素子であるため、加工が容易であり、コストダウンの効果が大きい。
【0044】
一方、リレー光学系によって発生する偏心による収差を有している場合には、接眼光学系は回転非対称な屈折力を有すると、偏心によって発生する像の台形歪みや像面の傾き等の偏心収差を補正することが可能となる。また、リレー光学系を上記のように偏心光学系で構成すると、リレー光学系と偏心収差の補正を分担することができ、その収差補正を有効に行うことが可能となる。
【0045】
ところで、本発明における光学部材としては、図19に示すように、散乱性の低いスクリーンを使用することも有効である。拡散手段によって、観察者瞳位置近傍において射出瞳の大きさを実効的に大きくすることが可能となり、余り光量をロスすることなく、観察者の観察位置の自由度を向上させることができる。
【0046】
また、本発明における光学部材は接眼光学系として使うには、正の屈折力を有した部材、例えばフレネルレンズを配設することによって、観察者は拡大された虚像を観察することができる。一方、その光学部材を拡散板で構成すると、リレー光学系による実像が拡散板上に形成され、拡散板の効果によって視野角が広い表示画像となり、観察者は広い範囲(角度)で観察可能となり、2人以上で観察したいときには有効である。したがって、用途によってこの光学部材を切り替えられることが望ましい。
【0047】
また、本発明に使用する光学部材は、後記の実施例の光路図(例えば、図1〜図4)からも明らかなように、リレー光学系に比べて大きい光学素子となる。本発明の画像表示装置は携帯性が望まれるため、この部分が着脱が可能であることが、装置全体を小さくすることに有利である。
【0048】
ところで、リレー光学系の少なくとも1つの偏心プリズムの少なくとも1つの有効面以外の部分には、光を遮断する遮光手段が施されていることが、ゴースト光あるいはフレアー光を低減するのに有効である。外来光又は画像表示素子から発した光が透過面にて裏面反射し、正規の光路以外の光路を経て観察者眼球に到達することがある。その光はゴースト光あるいはフレアー光となって、観察画像の劣化を引き起こす。内部反射が生じる透過面又は反射面の有効領域以外の部分に反射防止コーティングを施すことで、このような影響を低減することが可能となる。例えば、図21に示すように、偏心プリズム73と74からなるリレー光学系の場合には、光路のゴーストが発生することがある。このような場合には、有効面外である部分に和墨等の黒色のコーティング75を施すことで、画像表示素子5から発した正規光以外の不要な光を取り除くことが可能となる。
【0049】
また、リレー光学系の少なくとも1つの有効面には、反射防止コーティングを施していることが、ゴースト光あるいはフレアー光を低減するのに有効である。外来光又は画像表示素子から発した光が透過面にて表面反射し、正規の光路以外の光路を経て観察者眼球に到達することがある。その光は、ゴースト光あるいはフレアー光となって観察画像の劣化を引き起こす。例えば、図22に示すように、偏心プリズム73と74からなるリレー光学系の場合に、偏心プリズム74の透過面A、Bに反射防止コーティングを施すことで、このような影響を低減することが可能となる。その他の透過面に同様のコーティングを施すことももちろん望ましく、透過率が高くなり全体の光利用効率が向上するメリットが生じる。
【0050】
なお、本発明においては、上記のように、リレー光学系に回転非対称の光学面を用いるが、回転非対称な曲面形状としては、限定的でないが、自由曲面を用いることが望ましい。自由曲面は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0051】
このような偏心光学系に用いる偏心プリズムとしては、プリズム内に光を入射する入射面と、その光をプリズム内で反射する1つ以上の反射面と、反射光をプリズム外に射出する射出面とを有する反射回数が1回以上の公知の種々のものが何れも使用可能である。
【0052】
このような偏心プリズムの例としては、2つの反射面を備え、入射面と第1反射面と第2反射面と射出面からなり、入射面と第1反射面とを結ぶ光路が第2反射面と射出面とを結ぶ光路とプリズム内で交差するようになっているものがある。このような形状の偏心プリズムは、収差補正の自由度が高くなり、収差の発生が少ない。さらに、2つの反射面の配置の対称性が高いので、この2つの反射面で発生する収差が2つの反射面相互で補正し合い、収差発生が少ない。また、光路がプリズム内で交差光路を形成する構成のために、単に光路を折り返す構造のプリズムに比較して光路長を長く取ることが可能で、光路長の長さの割にプリズムを小型化することができる。
【0053】
このような偏心プリズムの他の例としては、3つの反射面を備え、その中の第3反射面が入射面を兼用した面にて形成され、第1反射面が射出面を兼用した面にて形成されているものがある。このような形状の偏心プリズムは、3つの反射面を有するために3回の反射面にパワーを分散することが可能であり、収差発生を少なくすることが可能である。また、光路がプリズム内で交差する構成のために、単に光路を折り返す構造のプリズムに比較して光路長を長く取ることが可能である。
【0054】
また、2つの反射面を備え、入射面を兼用した第2反射面と、第1反射面と、射出面とからなる偏心プリズムを例示することができる。第2反射面と入射面とを兼用するこの形状の偏心プリズムは、第2反射面で光線を大きく屈曲させ、第1反射面は少ない屈曲角で光線を第2反射面へと反射するために、プリズム光学系の入射光線方向の厚さを薄くすることが可能なものである。
【0055】
さらに、2つの反射面を備え、入射面と、射出面を兼用した第1反射面と、第2反射面とからなる偏心プリズムを例示することができる。第1反射面と射出面を兼用するこのこの形状の偏心プリズムは、第1反射面で大きく光線を屈曲させ、さらに第2反射面は少ない屈曲角で光線を射出面へと反射するために、プリズム光学系の射出光線方向の厚さを薄くすることが可能なものである。
【0056】
さらに好ましくは、偏心プリズムは、対称面を1面のみ有する自由曲面を備え、プリズムを構成する各面は略同一面内の対称面を有していることが好ましい。この構成により、対称面と直交する方向には比較的有効径を広く取ることが可能となり、縦横比が2以上の横方向に大きな射出瞳径を取ることが可能となる。
【0057】
さて、以上のような対称面に垂直な方向に瞳径が大きい本発明の偏心光学系は、
1<EPDx/EPDy<100 ・・・(10−1)
を満たすことが望ましい。だだし、EPDxは瞳の最も長い軸方向の長さであり、EPDyは瞳の最も短い軸方向の長さである。
【0058】
上記条件式(10−1)は、瞳の形状を非円形とすることを表すものであり、その下限の1を越えて小さくなるときは、瞳が円形又は正方形に近い形になり、より明るい撮像及び像観察が行えなくなる。他方、上限の100を越えて大きくなるときは、光学系のパワーの瞳形成のための負荷が大きくなりすぎ、良好な結像性能が得られなくなる。
【0059】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。
【0060】
1.5<EPDx/EPDy<50 ・・・(10−2)
この条件式の下限及び上限の意味は前述と同様である。
【0061】
さらに望ましくは、次の条件式を満足することが重要である。
【0062】
2.0≦EPDx/EPDy<10 ・・・(10−3)
この条件式の下限及び上限の意味は前述と同様である。
【0063】
前記条件式(10−1)〜(10−3)の何れかを満足する入射瞳を形成するために、直交する2軸方向で大きさの異なる絞りを持ったリレー光学系として用いることができる。このようなリレー光学系は明るく小型のものとして構成することができる。
【0064】
小型の画像表示素子を接眼光学系近傍に拡大投影するリレー光学系に、上記のような対称面に垂直な方向に瞳径が大きい偏心光学系を用いることにより、小型のリレー光学系を構成することが可能となる。
【0065】
また、液晶表示素子等の小型の画像表示素子は生産性が良いことから、安価に高画素のものを入手することが可能である。できれば表示画像の対角の長さが1インチ以下の表示素子を用いることが望ましく、さらに好ましくは、0.5インチ以下の画像表示素子を使うことが、安価な画像表示装置を構成する場合に有利となる。
【0066】
このように小型の画像表示素子を用いる場合には、虫眼鏡のような光学系で拡大するだけでは拡大倍率が不足であり、十分な大きさの映像として観察することはできなかった。そこで、リレー光学系で画像表示素子の映像を一度拡大投影し、リレー光学系で投影された像をさらに接眼光学系で拡大すると同時に、リレー光学系からの光束を観察者眼球に収束する作用を有する接眼光学系により構成することが重要である。
【0067】
さらに、対称面方向(瞳の長軸に対して直交する方向)の観察可能範囲を広げるために、プリズムシートやレンチキュラーシート等のような1次元方向に拡散作用を有する拡散素子をリレー光学系による結像位置近傍に付加することが望ましい。その際は、その1次元方向に拡散作用を有する拡散素子の拡散方向を対称面に平行に配置することが好ましい。また、対称面と直交する方向に画像表示素子の長手方向を一致させることにより、対称面方向の光学面の有効径が小さくてすむことから、装置の小型化につながり、かつ、収差発生量が少なくなり好ましい。
【0068】
【発明の実施形態】
以下に、本発明の画像表示装置の光学系の数値実施例について説明する。
【0069】
実施例1〜5の構成パラメータは後記するが、以下の実施例の座標の取り方は、図1〜図2に示すように、射出瞳1(観察者瞳)位置から画像表示素子5に向う逆光線追跡で、軸上主光線2を、光学系の射出瞳1の中心を垂直に通り、画像表示素子5の中心に至る光線で定義する。そして、射出瞳1の中心を偏心光学系の偏心光学面の原点として、軸上主光線2に沿う方向をZ軸方向とし、射出瞳1から光学系の射出瞳1に面した面に向かう方向をZ軸正方向とし、光学系の対称面(偏心方向の平面)をY−Z平面とし、Z軸に直交し、画像表示素子5から離れる方向をY軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸とする。
【0070】
偏心面については、光学系の原点の中心からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸、非球面については、後記の(b)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0071】
また、本発明で用いられる自由曲面の面の形状は、例えば米国特許第6,124,989号(特開2000−66105号)の(a)式により定義される自由曲面であり、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0072】
また、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
【0073】
Z=(y2 /R)/[1+{1−(1+K)y2 /R2 }1 /2]
+Ay4 +By6 +Cy8 +Dy10+……
・・・(b)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、Kは円錐定数、A、B、C、D、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0074】
なお、データの記載されていない自由曲面、非球面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0075】
さて、以下に示す実施例1〜5は、観察画角は水平13°、垂直10°、観察者眼球位置に当たる射出瞳1から映像までの距離は400mmであり、横(X)、縦(Y)8.9×6.7mmの画像表示素子5を使用するものである。
【0076】
図1に実施例1の対称面(Y−Z面)に沿った断面図、図2にX−Z面に投影した光路図、図3、図4にそれぞれ図1、図2の画像表示素子5、リレー光学系4、接眼光学系3近傍の拡大図を示す。
【0077】
また、図5〜図8に実施例2のそれぞれ図1〜図4に対応する図を、図9〜図12に実施例3のそれぞれ図1〜図4に対応する図を示す。
【0078】
また、図13に実施例4の対称面(Y−Z面)に沿った断面図、図14に図13の光源7、照明光学系6、画像表示素子5、リレー光学系4、接眼光学系3近傍の拡大図を示す。また、図15〜図16に実施例5のそれぞれ図13〜図14に対応する図を示す。
【0079】
実施例1の画像表示装置の光学系は、図1〜図4に示すように、射出瞳1に面した接眼光学系3は、射出瞳1側の面がフレネル透過面、反対側の面が平面のフレネルレンズからなり、この接眼光学系3に面してリレー光学系4が配置されている。このリレー光学系4は、2つの偏心プリズム10、偏心プリズム11からなる。接眼光学系3に面した偏心プリズム10は、接眼光学系3に面する第1面21と、反射面の第2面22と、偏心プリズム11に面する第3面23とからなり、偏心プリズム11は、偏心プリズム10に面する第1面24と、画像表示素子5に面する第4面27と、第1面24と第4面27の間に配置された2つの反射面の第2面25、第3面26とからなる。偏心プリズム10及び偏心プリズム11は対称面(Y−Z面)に対して面対称な構成になっている。
【0080】
画像表示素子5からの表示光は、偏心プリズム11の第4面27で屈折してプリズム内に入射し、第3面26と第2面25で内部反射を繰り返し、第4面27と第3面26とを結ぶ光路と第2面25と第1面24とを結ぶ光路とがプリズム内で交差して、反射光は第1面24で屈折してプリズム外に射出し、偏心プリズム10の第3面23から屈折してそのプリズム内に入射し、第2面22で反射して、第1面21から射出して、接眼光学系3のフレネルレンズ面上に画像表示素子5の拡大像を結像し、接眼光学系3で屈折された光束は射出瞳1に収束する。
【0081】
ここで、リレー光学系4の偏心プリズム11の第2面25近傍が射出瞳1と共役になっており、偏心プリズム11の第1面24の外形あるいはその面に設けた遮光部が射出瞳1の外形を決めることになる。したがって、この面24に横長の開口を形成することで、射出瞳1の形状を決めることも可能である。
【0082】
実施例2の画像表示装置の光学系のそれぞれ図1〜図4に対応する図を図5〜図8に示す。実施例2では、実施例1とリレー光学系4の構成のみが異なっている。リレー光学系4のみを説明すると、このリレー光学系4は、2つの偏心プリズム12、偏心プリズム13からなる。接眼光学系3に面した偏心プリズム12は、3面31〜33で構成された偏心プリズムであるが、実施例1の偏心プリズム10と異なる点は、構成する面の第1面31、第2面32、第3面33が何れも回転非対称な自由曲面で構成されていることである(実施例1では第1面21と第3面23は球面、第2面22は平面からなる。)。また、画像表示素子5に面した偏心プリズム13は、偏心プリズム12に面する第1面34と、画像表示素子5に面する第4面37と、第1面34と第4面37の間に配置された2つの反射面の第2面35、第3面36とからなるが、第2面35は透過と反射作用を有するハーフミラーである。また、第2面35は入射する偏光状態で反射と透過の異なる作用を有する偏光ビームスプリッター面(PBS面)であってももちろんよい。
【0083】
画像表示素子5からの表示光は、偏心プリズム13の第4面37で屈折してプリズム内に入射し、第2面35を透過して、第3面36で内部反射し、再び第2面35に入射するが今度は反射されて第1面34で屈折してプリズム外に射出する。偏心プリズム12の第3面33から屈折してそのプリズム内に入射し、第2面32で反射して、第1面31から射出して、接眼光学系3のフレネルレンズ面上に画像表示素子5の拡大像を結像し、接眼光学系3で屈折された光束は射出瞳1に収束する。
【0084】
偏心プリズム13の第2面35がPBS面の場合には、例えば、そのPBS面はP波を透過し、S波を反射する特性を有し、画像表示素子5から発する光はP波とする。画像表示素5から出た光は、偏心プリズム13の第2面35では100%透過し、第2面35と第3面36の間に挟み込んだ1/4波長板(図示せず)によって第3面36にて反射した後、再び第2面35に入射するときにはS波となっているため、今度は第2面35で100%反射して偏心プリズム13から射出する。したがって、この場合には、ハーフミラーでのロスが理論的には発生しないように構成することが可能である。
【0085】
実施例3の画像表示装置の光学系のそれぞれ図1〜図4に対応する図を図9〜図12に示す。実施例3では、実施例1とリレー光学系4の構成のみが異なっている。リレー光学系4のみを説明すると、このリレー光学系4は、レンズ16と偏心プリズム14の組み合わせからなる。レンズ16は、接眼光学系3に面しその方向に凸の凸面45と反対側の凹面46とからなる負メニスカスレンズからなり、偏心プリズム14は、実施例1の偏心プリズム11と同様に、レンズ16に面する第1面41と、画像表示素子5に面する第4面44と、第1面41と第4面44の間に配置された2つの反射面の第2面42、第3面43とからなる。
【0086】
画像表示素子5からの表示光は、偏心プリズム14の第4面44で屈折してプリズム内に入射し、第3面43と第2面42で内部反射を繰り返し、第4面44と第3面43とを結ぶ光路と第2面42と第1面41とを結ぶ光路とがプリズム内で交差して、反射光は第1面41で屈折してプリズム外に射出し、レンズ16の第2面46、第1面45を介して接眼光学系3のフレネルレンズ面上に画像表示素子5の拡大像を結像し、接眼光学系3で屈折された光束は射出瞳1に収束する。
【0087】
上記のように、レンズ16は負のパワーを有するレンズであり、リレー光学系4の射出側に配置されており、偏心プリズム14から射出する光束の画角を広げることになり、広画角のリレー光学系4に有利である。また、このレンズ16は回転対称の球面で構成されており、偏心した光学素子に比べ、製作性に優れ、コストも低く抑えることができる。
【0088】
実施例4の画像表示装置の光学系は、図13〜図14に示すように、実施例1と同様の接眼光学系3、リレー光学系4、及び、画像表示素子5の構成に、照明光学系6を配備したものである。
【0089】
リレー光学系4は、偏心プリズム10と偏心プリズム11からなっている。
【0090】
ここで、画像表示素子5は透過型液晶表示素子等の透過型の画像表示素子であり、背面から光を照射して画像を表示するものである。照明光学系6は、2枚のフレネルレンズからなり、光源7位置に瞳が形成するように設計されている。光源7は、LED等の発光素子そのものであっても、発光素子を積分球等の光源ボックスに入れたものであってもよく、その開口位置が照明系の瞳位置になるように配置される。そして、この光源7の開口と射出瞳1が略共役な関係になっている。
【0091】
実施例5の画像表示装置の光学系は、図15〜図16に示すように、接眼光学系3、リレー光学系4、及び、画像表示素子5の構成に、照明光学系6を配備したものである。
【0092】
照明光学系6は、1枚のフレネルレンズ17と、偏心プリズム15の一部からなり、実施例4と同様に、光源7位置に瞳が形成するように設計されている。
【0093】
リレー光学系4は、偏心プリズム12と偏心プリズム15からなっており、偏心プリズム15は1/4波長板8を挟んだ構成としている。
【0094】
ここで、画像表示素子5は反射型液晶表示素子、DMD等の反射型の画像表示素子であり、前面から光を照射(照明)して画像を表示するものである。
【0095】
光源7から発した光は、直線偏光(S波)であるとする。この実施例では省略しているが、必要があれば、光源7と偏心プリズム15の間に偏光板を配備してもよい。光源7からの光は、照明光学系6であるフレネルレンズ17を介して偏心プリズム15に入射面55から入射される。ここで、偏心プリズム15の入射面55は、正のパワーを有する非球面フレネル透過面である。そして、第2面52のPBS面では略全ての光が反射される。ここで、このPBS面はS波を反射し、P波を透過する特性を有している。
【0096】
第2面52で反射した光は、偏心プリズム15の第4面54から射出して反射型画像表示素子5を照明する。反射型画像表示素子5では、光の位相が90°回転し、光はP波となって表示光となる。再び第4面54から偏心プリズム15に入射し、PBS面の第2面52は略全てを透過し、1/4波長板8を介して反射面の第3面53で反射して、再び1/4波長板8を介してPBS面の第2面52に入射される。この過程で、光は1/4波長板8を2度通過するため、光の位相が90°回転して再びS波になり、第2面52では略全ての光が反射されて、第1面51を介して偏心プリズム15から射出する。その後は、実施例2と同様の光路を経て、接眼光学系3のフレネルレンズ面上に1次結像し、フレネルレンズを介して観察者眼球に導かれる。
【0097】
したがって、この場合には、光源7から射出した光は理論的には損失することなく観察者眼球に到達するため、明るい表示画面を呈示することができる。
【0098】
なお、実施例1〜5の偏心プリズム10の第1面21、第3面23は球面、偏心プリズム11の第1面24〜第4面27、偏心プリズム12の第1面31〜第3面33、偏心プリズム13の第1面34、第3面36、第4面37、偏心プリズム14の第1面41〜第4面44、偏心プリズム15の第1面51、第3面53、第4面54は回転非対称の自由曲面からなり、接眼光学系3、偏心プリズム15の照明光入射面55、照明光学系6の第1面61〜第6面66のフレネル透過面は回転対称非球面からなる。
【0099】
また、全ての実施例において、画像表示素子5の大きさは0.44インチ、射出瞳径はX方向、Y方向それぞれ45mm、25mmの長方形であり、接眼光学系3であるフレネルレンズの大きさは70×52.5mmである。
【0100】
一般に、観察光学系においては、光学系の射出瞳位置に観察者の瞳を置くことで像観察が可能であり、射出瞳径が大きい程広い範囲での観察が可能であるが、偏心光学系の場合は、射出瞳径を大きくとることは困難である。
【0101】
しかし、実施例1〜5にあげたような偏心プリズム光学系の場合は、対称面に垂直な方向においては隣接する有効径同士の干渉が起こらないため、対称面に垂直な方向に瞳径を拡大することは容易である。
【0102】
なお、実施例1〜5は、接眼光学系3は拡散性がないものとして設計されており、拡散性に関しては、所望の拡散性なり、拡散素子を利用して構成することができる。例えば、接眼光学系3近傍に上下方向に拡散性を持ったレンチキュラーシートを配置し、上下方向にのみ瞳を拡大することによりさらに広い観察範囲を確保することができる。
【0103】
さらに、接眼光学系3の位置に拡散板や白色の衝立て等のスクリーンを配備して画像を観察することもできる。拡散板の場合には、拡散板に実像が形成され、観察者はリレー光学系4側でもその反対側からでも観察することができる。拡散板の効果によって視野角が広がり、観察者は広い範囲でその実像を観察することが可能となる。
【0104】
なお、接眼光学系3が光を透過しないものの場合には、リレー光学系4側から観察することになる。
【0105】
また、リレー光学系4を結像光学系として用いることも可能である。実施例1〜5の画像表示素子5の位置を像面として、その位置に撮像素子を配備してリレー光学系5を撮像光学系として利用すると、小型で広角な撮像装置を実現することができる。
【0106】
以下に上記各実施例の数値データを示すが、以下の表中の“FFS”は自由曲面、“ASS”は非球面、“RE”は反射面、“FR”はフレネルレンズ面をそれぞれ示す。なお、物体面はリレー光学系4の投影像面、像面は画像表示素子5の表示面である。
【0107】
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 −157.99 偏心(3) 1.5254 56.2
5 ∞ (RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 299.98 偏心(5)
7 FFS▲1▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 FFS▲2▼(RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲3▼(RE) 偏心(8) 1.5254 56.2
10 FFS▲4▼ 偏心(9)
像 面 ∞ 偏心(10)
ASS▲1▼
R 68.57
K −3.1995×10−1
A 4.3416×10−6
B −4.0947×10−9
C 1.7057×10−12
D −2.6267×10−16
FFS▲1▼
C4 −5.1472×10−4 C6 −1.5069×10−2 C8 3.0631×10−4
C10 2.1897×10−4 C11 2.0732×10−5 C13 2.4133×10−5
FFS▲2▼
C4 5.2080×10−3 C6 −2.5319×10−4 C8 −1.0748×10−5
C10 −3.2873×10−5 C11 2.1223×10−6 C13 2.5333×10−6
C15 −1.1803×10−7
FFS▲3▼
C4 −6.7736×10−3 C6 −8.5717×10−3 C8 8.6353×10−5
C10 4.3112×10−5 C11 5.3135×10−7 C13 8.5944×10−7
C15 2.2577×10−7
FFS▲4▼
C4 4.1124×10−3 C6 2.3444×10−2 C8 2.8791×10−3
C10 −5.8599×10−4 C11 −2.9219×10−4 C13 −9.3164×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 0.00 Z 517.04
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 526.02
α 40.03 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −8.93 Z 515.39
α 73.70 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −14.41 Z 515.40
α 97.92 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −30.64 Z 521.42
α 106.52 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −18.54 Z 510.99
α 150.76 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −21.61 Z 529.78
α 165.85 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −21.86 Z 531.92
α 173.32 β 0.00 γ 180.00 。
【0108】
実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 FFS▲1▼ 偏心(3) 1.5254 56.2
5 FFS▲2▼(RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 FFS▲3▼ 偏心(5)
7 FFS▲4▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 ∞ (RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲5▼(RE) 偏心(8) 1.5254 56.2
10 FFS▲6▼ 偏心(9)
像 面 ∞ 偏心(10)
ASS▲1▼
R 68.03
K −6.5972×10−1
A 3.9266×10−6
B −3.9535×10−9
C 1.6320×10−12
D −2.4398×10−16
FFS▲1▼
C4 −3.1652×10−3 C6 −2.7454×10−3 C8 1.0624×10−4
C10 2.0124×10−4 C11 −4.6215×10−6 C13 −7.3875×10−6
C15 −6.1432×10−6
FFS▲2▼
C4 −7.7492×10−5 C6 3.5569×10−4 C8 3.2777×10−6
C10 2.9999×10−6 C11 6.1266×10−7 C13 4.6413×10−7
FFS▲3▼
C4 1.9537×10−3 C6 −3.6433×10−3 C8 8.6203×10−4
C10 −3.1066×10−5 C11 3.0533×10−5 C13 3.8666×10−5
FFS▲4▼
C4 −3.4198×10−4 C6 −6.9483×10−3 C8 1.1179×10−3
C10 6.1320×10−6 C11 4.5864×10−5 C13 6.9873×10−5
FFS▲5▼
C4 −1.0192×10−2 C6 −9.8741×10−3 C8 2.6150×10−6
C10 −1.5740×10−6 C11 −1.3783×10−6 C13 −3.8333×10−7
C15 2.5429×10−6
FFS▲6▼
C4 2.2166×10−2 C6 2.9044×10−2 C8 −8.6760×10−5
C10 −1.9886×10−4 C11 −1.2770×10−4 C13 −3.2474×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y −6.43 Z 524.15
α 10.72 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y −9.61 Z 542.89
α 36.66 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −10.46 Z 523.38
α 81.86 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −11.47 Z 524.55
α 77.48 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −19.10 Z 529.61
α 114.26 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −14.99 Z 520.18
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −22.90 Z 538.24
α 155.83 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −24.03 Z 540.85
α 156.62 β 0.00 γ 180.00 。
【0109】
実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 42.68 偏心(3) 1.5163 64.1
5 11.82 偏心(4)
6 FFS▲1▼ 偏心(5) 1.5254 56.2
7 FFS▲2▼(RE) 偏心(6) 1.5254 56.2
8 FFS▲3▼(RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲4▼ 偏心(8)
像 面 ∞ 偏心(9)
ASS▲1▼
R 31.96
K −8.8582×10−1
A −2.0647×10−7
B −3.0494×10−11
C −2.1945×10−14
D 8.5889×10−18
FFS▲1▼
C4 2.1480×10−2 C6 3.7759×10−2 C8 2.9411×10−4
C10 2.2114×10−4 C11 −1.1066×10−4 C13 1.8659×10−5
C15 −1.5925×10−6
FFS▲2▼
C4 −4.0841×10−3 C6 6.1289×10−3 C8 1.8950×10−4
C10 4.1122×10−4 C11 −2.9237×10−5 C13 −1.0633×10−6
C15 2.9303×10−6
FFS▲3▼
C4 1.0165×10−2 C6 1.5674×10−2 C8 8.3906×10−5
C10 1.2388×10−4 C11 −2.2898×10−5 C13 7.8026×10−6
C15 1.0508×10−6
FFS▲4▼
C4 −7.9401×10−2 C6 −4.5515×10−2 C8 1.2594×10−2
C10 2.8616×10−3 C11 4.8238×10−4 C13 1.2746×10−3
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 0.00 Z 460.51
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 462.15
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y 0.00 Z 465.15
α −5.19 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −0.49 Z 480.88
α −29.29 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y 9.86 Z 476.02
α −79.03 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −8.84 Z 477.38
α −67.59 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −11.79 Z 472.47
α −93.33 β 0.00 γ 180.00 。
【0110】
実施例4
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 −157.99 偏心(3) 1.5254 56.2
5 ∞ (RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 299.98 偏心(5)
7 FFS▲1▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 FFS▲2▼(RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 FFS▲3▼(RE) 偏心(8) 1.5254 56.2
10 FFS▲4▼ 偏心(9)
像 面 ∞ 偏心(10)
12 ∞ 偏心(10) 1.5168 64.1
13 ∞ 偏心(11)
14 ASS▲2▼(FR) 偏心(12) 1.5254 56.2
15 ASS▲3▼(FR) 偏心(13)
16 ASS▲4▼(FR) 偏心(14) 1.5254 56.2
17 ASS▲5▼(FR) 偏心(15)
光 源 ∞ 偏心(16)
ASS▲1▼
R 68.57
K −3.1995×10−1
A 4.3416×10−6
B −4.0947×10−9
C 1.7057×10−12
D −2.6267×10−16
ASS▲2▼
R 16.20
K −1.3289×10+7
A −2.7343×10−3
ASS▲3▼
R 4.18
K −3.7255×10+1
A −2.6919×10−4
B −3.8086×10−5
ASS▲4▼
R −8.75
K −2.2622
A −2.1578×10−3
B 7.1256×10−5
ASS▲5▼
R 8.61
K 8.5731×10−1
A −2.2183×10−3
B 5.2832×10−5
FFS▲1▼
C4 −5.1472×10−4 C6 −1.5069×10−2 C8 3.0631×10−4
C10 2.1897×10−4 C11 2.0732×10−5 C13 2.4133×10−5
FFS▲2▼
C4 5.2080×10−3 C6 −2.5319×10−4 C8 −1.0748×10−5
C10 −3.2873×10−5 C11 2.1223×10−6 C13 2.5333×10−6
C15 −1.1803×10−7
FFS▲3▼
C4 −6.7736×10−3 C6 −8.5717×10−3 C8 8.6353×10−5
C10 4.3112×10−5 C11 5.3135×10−7 C13 8.5944×10−7
C15 2.2577×10−7
FFS▲4▼
C4 4.1124×10−3 C6 2.3444×10−2 C8 2.8791×10−3
C10 −5.8599×10−4 C11 −2.9219×10−4 C13 −9.3164×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 0.00 Z 517.04
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 0.00 Z 526.02
α 40.03 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −8.93 Z 515.39
α 73.64 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −14.41 Z 515.39
α 97.86 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −30.65 Z 521.40
α 106.46 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −18.54 Z 510.98
α 150.70 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −21.63 Z 529.77
α 165.79 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −21.88 Z 531.91
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y −22.00 Z 532.90
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(12)
X 0.00 Y −22.37 Z 536.08
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(13)
X 0.00 Y −22.49 Z 537.07
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(14)
X 0.00 Y −22.86 Z 540.23
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(15)
X 0.00 Y −22.98 Z 541.23
α 173.25 β 0.00 γ 0.00
偏心(16)
X 0.00 Y −23.37 Z 544.50
α 173.25 β 0.00 γ 0.00 。
【0111】
実施例5
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ −400.00
1 ∞(瞳)
2 ASS▲1▼(FR) 偏心(1) 1.4917 55.3
3 ∞ 偏心(2)
4 FFS▲1▼ 偏心(3) 1.5254 56.2
5 FFS▲2▼(RE) 偏心(4) 1.5254 56.2
6 FFS▲3▼ 偏心(5)
7 FFS▲4▼ 偏心(6) 1.5254 56.2
8 ∞ (RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
9 ∞ 偏心(8) 1.5168 64.1
10 ∞ 偏心(9) 1.5254 56.2
11 FFS▲5▼(RE) 偏心(10) 1.5254 56.2
12 ∞ 偏心(9) 1.5168 64.1
13 ∞ 偏心(8) 1.5254 56.2
14 FFS▲6▼ 偏心(11)
像 面 ∞ 偏心(12)
16 FFS▲6▼ 偏心(11) 1.5254 56.2
17 ∞ (RE) 偏心(7) 1.5254 56.2
18 ASS▲2▼(FR) 偏心(13)
19 ASS▲3▼(FR) 偏心(14) 1.4922 57.5
20 ASS▲4▼(FR) 偏心(15)
光 源 ∞ 偏心(16)
ASS▲1▼
R 68.03
K −6.5972×10−1
A 3.9266×10−6
B −3.9535×10−9
C 1.6320×10−12
D −2.4398×10−16
ASS▲2▼
R 14.59
K 6.0197×10−1
A 1.5829×10−5
B 2.6742×10−8
ASS▲3▼
R −12.97
K 2.4541×10−2
A −4.1591×10−6
B −6.2392×10−9
ASS▲4▼
R 38.78
K 4.8369×10−6
A 1.3466×10−10
B 6.6923×10−14
FFS▲1▼
C4 −3.1652×10−3 C6 −2.7454×10−3 C8 1.0624×10−4
C10 2.0124×10−4 C11 −4.6215×10−6 C13 −7.3875×10−6
C15 −6.1432×10−6
FFS▲2▼
C4 −7.7492×10−5 C6 3.5569×10−4 C8 3.2777×10−6
C10 2.9999×10−6 C11 6.1266×10−7 C13 4.6413×10−7
FFS▲3▼
C4 1.9537×10−3 C6 −3.6433×10−3 C8 8.6203×10−4
C10 −3.1066×10−5 C11 3.0533×10−5 C13 3.8666×10−5
FFS▲4▼
C4 −3.4198×10−4 C6 −6.9483×10−3 C8 1.1179×10−3
C10 6.1320×10−6 C11 4.5864×10−5 C13 6.9873×10−5
FFS▲5▼
C4 −1.0192×10−2 C6 −9.8741×10−3 C8 2.6150×10−6
C10 −1.5740×10−6 C11 −1.3783×10−6 C13 −3.8333×10−7
C15 2.5429×10−6
FFS▲6▼
C4 2.2166×10−2 C6 2.9044×10−2 C8 −8.6760×10−5
C10 −1.9886×10−4 C11 −1.2770×10−4 C13 −3.2474×10−4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z 400.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 401.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y −6.43 Z 524.15
α 10.72 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y −9.61 Z 542.89
α 36.66 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y −10.46 Z 523.38
α 81.86 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y −11.47 Z 524.55
α 77.48 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y −19.10 Z 529.61
α 114.26 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y −17.00 Z 523.26
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y −17.00 Z 521.26
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y −14.99 Z 520.18
α 156.41 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y −22.90 Z 538.24
α 155.83 β 0.00 γ 0.00
偏心(12)
X 0.00 Y −24.03 Z 540.85
α 156.62 β 0.00 γ 0.00
偏心(13)
X 0.00 Y −26.90 Z 527.17
α 76.11 β 0.00 γ 0.00
偏心(14)
X 0.00 Y −28.11 Z 526.87
α 75.70 β 0.00 γ 0.00
偏心(15)
X 0.00 Y −29.08 Z 526.62
α 75.29 β 0.00 γ 0.00
偏心(16)
X 0.00 Y −35.60 Z 524.85
α 75.19 β 0.00 γ 0.00 。
【0112】
上記実施例1の横収差を図17、図18に示す。これらの横収差図において、図17は図1に示した光路に対応し、画面垂直方向の最小、最大、中心像高における横収差を示す。図18は図2に示した光路に対応し、画面水平方向の最小、最大、中心像高における横収差を示す。なお、これらの横収差図において、括弧内に示された数字は(水平(X)画角,垂直(Y)画角)を表し、その画角における横収差を示す。
【0113】
次に、上記実施例1〜3の条件式(1−1)、(1−2)、(4−1)、(4−2)、(7−1)、(7−2)に関する値を示す。
【0114】
【0115】
ところで、実施例1〜5に例示したような画像表示装置は、例えば、図23、図24に示すような携帯情報端末や、図25、図26に示すような携帯電話の形態にも適用することができ、安価で消費電力の少ない、極めて携帯性に優れた装置を提供することができる。
【0116】
図23の場合は、接眼光学系3をフレネル反射鏡のような反射作用を有する光学素子76で構成する例である。この場合、画像表示装置の本体80上に、観察者側から見て、操作ボタン81をリレー光学系4より手前に配置することが望ましい。この配置により、操作ボタン81のボタン操作をする手で光路を遮ることがなく、ボタン操作する度に映像を遮断してしまう問題を避けることが可能となる。また、リレー光学系4は接眼光学系3の手前に配置することにより、接眼光学系3で反射された映像を無理なく観察することが可能となる。なお、図23において、観察者眼球位置をEで示し、この画像表示装置の射出瞳1の位置に観察者の両眼あるいは片眼Eを一致させることにより、表示映像を無理なく観察することができる。なお、画像表示素子5は、リレー光学系4の本体80側に配置されるが、図示を省く。
【0117】
さらに、図24の場合、接眼光学系3は、本体80から開閉する機構にすることによって、携帯時はポケット等に収納することが可能となる。また、このとき、電源も切断する機能を付けておくと、節電効果が高い。
【0118】
さらに、開閉は観察者側を本体80から持ち上げて開閉する方向にすることによって、接眼光学系3の光学面が収納時に表面に露出することがなく、光学系の光学面に汚れ等が付着し難くなりより好ましい。
【0119】
また、図24の場合は、接眼光学系3を少なくともフレネルレンズのような透過作用を有する光学素子77で構成するものである。この場合、画像表示装置の本体80上に、観察者側から見て、操作ボタン81を接眼光学系3より手前に配置することが望ましい。この配置により、操作ボタン81のボタン操作をする手で光路を遮ることがなく、ボタン操作する度に映像を遮断してしまう問題を避けることが可能となる。また、リレー光学系4の手前に接眼光学系3を配置することにより、無理なく映像を観察することが可能となる。
【0120】
また、図24の場合は、接眼光学系3をリレー光学系4側に倒して収納するようにすることが好ましい。これにより、リレー光学系4を保護するカバーの役目を接眼光学系3表面で代用することが可能となる。
【0121】
さらに、図23、図24のどちらの使用形態においても、リレー光学系4と接眼光学系3の間に反射鏡78(図24)を配置し、光路を折り曲げることにより、リレー光学系4から接眼光学系3までの距離を短くすることが可能となる。さらに好ましくは、その反射鏡78にパワーを持たせることにより、接眼光学系3の持つパワーを分散することが可能となり、より大画面の映像を鮮明に表示することが可能となる。また、その反射鏡78は接眼光学系3の下に収納するようにすることにより、その光学素子が露出することが防げ、防塵性が向上する。
【0122】
図25、図26は携帯電話90に接眼光学系3とリレー光学系4からなる画像表示装置を設けてその射出瞳1の位置でその表示映像を無理なく観察できるようにしたものであり、携帯電話90には、操作者の声を情報として入力するマイク部91と、通話相手の声を出力するスピーカ部92と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ93と、操作者が情報を入力する操作ボタン81と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を投影表示する本発明の画像表示装置が設けられている。図25は、図23に対応する構成で、接眼光学系3を携帯電話90に対して開閉する機構を持っており、携帯時は折り畳んでポケット等に収納することが可能となる。また、図26は、図24に対応する構成であるが、接眼光学系3は携帯電話90の本体表面に固定され、その内部にリレー光学系4と反射鏡78が取り付けられており、折り畳まずにそのままポケット等に収納するものである。
【0123】
以上の本発明の画像表示装置は例えば次のように構成することができる。
【0124】
〔1〕 画像表示素子と該画像表示素子の画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、
該リレー光学系は少なくとも2つの光学素子によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、該偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、
該リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材が配設されており、
該光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0125】
〔2〕 上記1において、前記接眼光学系は、レンズ、プリズム、フレネルレンズ、拡散板の少なくとも何れかを含んで構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0126】
〔3〕 上記1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、前記画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
0.6≦fx(r)/L≦3 ・・・(1−1)
0.6≦fy(r)/L≦3 ・・・(1−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
【0127】
〔4〕 上記1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系と前記接眼光学系のX方向、Y方向の合成焦点距離をfx(k)、fy(k)、前記画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
2.0≦fx(k)/L≦150 ・・・(4−1)
2.0≦fy(k)/L≦150 ・・・(4−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
【0128】
〔5〕 上記1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、前記接眼光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(s)、fy(s)とするとき、
2.0≦fx(s)/fx(r)≦20 ・・・(7−1)
2.0≦fy(s)/fy(r)≦20 ・・・(7−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
【0129】
〔6〕 上記1において、前記接眼光学系がフレネルレンズで構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0130】
〔7〕 上記1において、前記接眼光学系がフレネル反射面で構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0131】
〔8〕 上記1において、前記接眼光学系が透過型回折光学素子又は反射型回折光学素子で構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0132】
〔9〕 上記1において、前記接眼光学系が透過型ホログラム光学素子又は反射型ホログラム光学素子で構成されていることを特徴とする画像表示装置。
【0133】
〔9〕 上記1において、前記接眼光学系は回転対称な屈折力を有することを特徴とする画像表示装置。
【0134】
〔10〕 上記1において、前記接眼光学系は回転非対称な屈折力を有することを特徴とする画像表示装置。
【0135】
〔11〕 上記1において、前記光学部材は拡散作用を有する部材を含むことを特徴とする画像表示装置。
【0136】
〔12〕 上記1において、前記光学部材は切り換え及び着脱が可能なものであることを特徴とする画像表示装置。
【0137】
〔13〕 上記1において、前記リレー光学系の少なくとも1つの光学素子の少なくとも1つの有効面以外の部分には、光を遮断する遮光手段が施されていることを特徴とする画像表示装置。
【0138】
〔14〕 上記1において、前記リレー光学系の少なくとも1つの有効面には反射防止コーティングが施されていることを特徴とする画像表示装置。
【0139】
【発明の効果】
以上の本発明の画像表示装置によると、小型でも鮮明な画像を呈示することが可能な画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の画像表示装置の光学系の対称面に沿った断面図である。
【図2】本発明の実施例1の画像表示装置の光学系の対称面に対称面に直交する面に投影した光路図である。
【図3】図1の画像表示素子、リレー光学系、接眼光学系近傍の拡大図である。
【図4】図2の画像表示素子、リレー光学系、接眼光学系近傍の拡大図である。
【図5】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図1と同様の図である。
【図6】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図2と同様の図である。
【図7】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図3と同様の図である。
【図8】本発明の実施例2の画像表示装置の光学系の図4と同様の図である。
【図9】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図1と同様の図である。
【図10】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図2と同様の図である。
【図11】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図3と同様の図である。
【図12】本発明の実施例3の画像表示装置の光学系の図4と同様の図である。
【図13】本発明の実施例4の画像表示装置の光学系の対称面に沿った断面図である。
【図14】図13の画像表示素子、リレー光学系、接眼光学系近傍の拡大図である。
【図15】本発明の実施例5の画像表示装置の光学系の図13と同様の図である。
【図16】本発明の実施例5の画像表示装置の光学系の図14と同様の図である。
【図17】実施例1の図1に示した光路に対応する横収差図である。
【図18】実施例1の図2に示した光路に対応する横収差図である。
【図19】本発明の画像表示装置の接眼光学系の散乱性を説明するための図である。
【図20】散乱性が多い場合の図19に対応する図である。
【図21】リレー光学系に適用可能な遮光手段を説明するための図である。
【図22】リレー光学系に適用可能な反射防止コーティング手段を説明するための図である。
【図23】本発明の画像表示装置を携帯情報端末に適用した場合の斜視図である。
【図24】本発明の画像表示装置を携帯情報端末に適用した別の場合の斜視図である。
【図25】本発明の画像表示装置を携帯電話に適用した場合の斜視図である。
【図26】本発明の画像表示装置を携帯電話に適用した別の場合の斜視図である。
【符号の説明】
1…射出瞳
2…軸上主光線
3…接眼光学系
4…リレー光学系
5…画像表示素子
6…照明光学系
7…光源
8…1/4波長板
10、11、12、13、14、15…偏心プリズム
16…レンズ
17…照明用フレネルレンズ
21〜27、31〜37、41〜44、51〜54…偏心プリズムの光学面
45、46…レンズ面
55…偏心プリズムの照明光導入面
61〜66…フレネルレンズのレンズ面
70…光学部材
71…入射光
72…散乱光
73、74…偏心プリズム
75…黒色コーティング
76…反射作用を有する光学素子
77…透過作用を有する光学素子
78…反射鏡
80…画像表示装置本体
81…操作ボタン
90…携帯電話
91…マイク部
92…スピーカ部
93…アンテナ
E…観察者眼球位置
Claims (3)
- 画像表示素子と該画像表示素子の画像を拡大するリレー光学系とを備えた画像表示装置において、
該リレー光学系は少なくとも2つの光学素子によって構成され、少なくとも1つの光学素子は、屈折率が1より大きい媒質で満たされ、互いに偏心配置された少なくとも3面の光学面からなる偏心プリズムであり、該偏心プリズムの少なくとも2つの光学面は回転非対称な面で構成されており、
該リレー光学系の結像面近傍に画像を観察するための光学部材が配設されており、
該光学部材は正の屈折力を有する接眼光学系にて構成されていることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1において、前記接眼光学系は、レンズ、プリズム、フレネルレンズ、拡散板の少なくとも何れかを含んで構成されていることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1において、前記リレー光学系の偏心方向をY方向、それらと直交する方向をX方向とするとき、前記リレー光学系のX方向、Y方向の焦点距離をfx(r)、fy(r)、前記画像表示素子の対角方向の長さをLとするとき、
0.6≦fx(r)/L≦3 ・・・(1−1)
0.6≦fy(r)/L≦3 ・・・(1−2)
を満足することを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002172538A JP2004020693A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002172538A JP2004020693A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 画像表示装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103033972A (zh) * | 2011-09-29 | 2013-04-10 | 株式会社东芝 | 显示装置 |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172538A patent/JP2004020693A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013073204A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Toshiba Corp | 表示装置 |
US8912982B2 (en) | 2011-09-29 | 2014-12-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Display device |
CN103033972B (zh) * | 2011-09-29 | 2015-08-26 | 株式会社东芝 | 显示装置 |
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