JP2004020653A - Dielectric multilayer film filter element and optical part using the same - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば波長多重(WDM)伝送システムなどの光通信システムにおいて、帯域分離フィルタ、バンドパスフィルタ、利得等化フィルタ等の光学フィルタとして用いられる誘電体多層膜フィルタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信分野においては、例えば、光結合器、光分岐器、光合波器、光分波器、利得等化器などの光部品は、一般に、所定の特性を有する誘電体多層膜フィルタ素子と、光ファイバやレンズ等とを適宜組み合わせることにより構成されている。
【0003】
図12に、従来の誘電体多層膜フィルタ素子1の一例の概略断面図を示す。この誘電体多層膜フィルタ素子1は、光学ガラスなどからなる基板2の上に、誘電体多層膜からなる誘電体多層膜フィルタ3が形成されたものである。
誘電体多層膜とは、屈折率の異なる2種類以上の誘電体を薄膜とし、所定の膜厚および総膜数にて順次積層することによって得られる多層膜である。光の干渉現象に基づいて、用いる誘電体の屈折率、層数、各層の膜厚などを適切に設計することにより、フィルタ特性、ミラー特性などの所望の光学特性を有する誘電体多層膜を得ることができる。
本明細書においては、フィルタ特性を有する誘電体多層膜を誘電体多層膜フィルタ3と称する。
【0004】
次に、WDM伝送において、一般的に使用される各種の誘電体多層膜フィルタ3のいくつかを例示し、それらの光学特性について説明する。
まず、帯域分離フィルタ(エッジフィルタ)は、所定の波長以下または以上の光を通過し、他の波長の光を阻止するような特性を有する誘電体多層膜フィルタ3である。図13に帯域分離フィルタの損失スペクトルの一例を示す。図13に示すように、光の損失が所定の第1の値α以下となる帯域を透過域といい、光の損失が所定の第2の値β以上となる帯域を阻止域という。帯域分離フィルタにおいては、阻止域から透過域への立ち上がり特性が重要であり、具体的には、損失スペクトルの透過域と阻止域との間が急峻であるほど、すなわち、透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dが小さいほど、透過域と阻止域のアイソレーションが向上するので好ましい。透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dが大きく、透過域と阻止域のアイソレーションが低いと、例えば、光増幅器の励起光を阻止し、信号光のみを通過させる帯域分離フィルタの場合、励起光に基づく雑音が増加するなどの問題が生じるおそれがある。
【0005】
また、帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ)は、所定の帯域の光を通過し、他の波長の光を阻止するような特性を有する誘電体多層膜フィルタ3である。図14にバンドパスフィルタの損失スペクトルの一例を示す。図14に示すように、光の損失が所定の第1の値α以下となる帯域を透過域といい、光の損失が所定の第2の値β以上となる帯域を阻止域という。バンドパスフィルタにおいては、損失スペクトルの形状が矩形に近いほど、すなわち、透過域の帯域幅Bに比して、透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dが小さいほど、透過域の透過率が向上し、かつ、阻止域の透過率が減少するので、好ましいとされる。前記透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dが大きいと、WDM伝送の波長間のクロストークが増加するなどの問題が生じるおそれがある。
【0006】
また、利得等化フィルタは、所定の光増幅器の利得スペクトルに対して、該利得スペクトルの変動を相殺するような損失スペクトルを有する誘電体多層膜フィルタ3である。利得等化フィルタにおいては、その損失スペクトルと、目的とする光増幅器の利得スペクトルとの差、すなわち利得残差が小さいことが好ましい。この利得残差が大きいと、利得スペクトルの波長依存性を十分に解消することができないため、WDM伝送の波長間のクロストークが増加したり、受信機の受光レベル設定が困難になったりするなどの問題が発生するおそれがある。
【0007】
上述の誘電体多層膜フィルタ素子1は、一般的に、基板2となるガラス板上に、スパッタリング法や真空蒸着法などの手法を用いて、誘電体多層膜フィルタ3を形成したのち、該ガラス板を、所定の厚さまで研磨したり、所定の寸法に切断したりなどすることによって製造されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、光通信技術の発展に伴い、この種の誘電体多層膜フィルタ素子1の損失特性を一層向上させることが要求されている。
一般に、誘電体多層膜フィルタ3の各層は正弦波状の損失特性を有するので、誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルを上述のような好適な形状とするためには、誘電体多層膜フィルタ3の損失スペクトルを、目的とする損失スペクトルのフーリエ展開における高次の近似とすること、換言すれば、誘電体多層膜フィルタ3の層数を増加させることが好ましい。
しかしながら、誘電体多層膜フィルタ3の層数が増加すると、誘電体多層膜フィルタ3の総膜厚が増大するので、誘電体多層膜フィルタ3の応力が大きくなり、基板2が引っ張られて反り返りやすくなる。
【0009】
以下、誘電体多層膜フィルタ3の総膜厚と、基板2の反りの関係について、式を用いて説明する。
誘電体多層膜フィルタ3の総膜厚および総応力をそれぞれdF、σFとし、基板2の厚さ、ヤング率、ポアソン比を、それぞれDS、ES、νSとおくと、反り返った基板2の曲率半径Rは、Stoneyの式を用いて、下記式(1)により表すことができる。
【0010】
R=ESDS 2/{6dF(1−νS)σF} …… (1)
【0011】
また、基板2の反り量δは、基板2の半径rと曲率半径Rと、下記式(2)に示す関係にある。
【0012】
R≒r2/2δ (ただし、δ≪rとする) …… (2)
【0013】
従って、δ∝dFであるから、誘電体多層膜フィルタ3の総膜厚dFが厚いほど、基板2の反り(反り量δ)が大きくなる。
【0014】
このように基板2の反りが大きくなると、誘電体多層膜フィルタ3にクラックが発生したり、誘電体多層膜フィルタ3の一部が基板2から剥落したりするおそれが生じる。また、成膜中に誘電体多層膜の膜厚の制御を、例えば透過光の干渉現象を利用して行う場合、成膜中に基板2が反り返ると、膜厚にバラツキが発生し、得られる誘電体多層膜フィルタ3の特性が著しく低下するおそれがある。
【0015】
この問題に対処するため、図15に示すように、基板2の両面に第1および第2の誘電体多層膜フィルタ3a、3bを形成することにより、片面当りに形成される誘電体多層膜フィルタ3a、3bの膜数を低減した構成が提案されている。このような誘電体多層膜フィルタ素子1によれば、第1の誘電体多層膜フィルタ3aの応力と、第2の誘電体多層膜フィルタ3bの応力とが釣り合うため、基板2の反り返りが抑制されるものと考えられる。
【0016】
しかしながら、このような誘電体多層膜フィルタ素子1を製造する際、まず、基板2の一方の面に第1の誘電体多層膜フィルタ3aを形成し、次いで、他方の面に第2の誘電体多層膜フィルタ3bを形成するようにした場合、基板2の一方の面に第1の誘電体多層膜フィルタ3aを形成した時点では、第1の誘電体多層膜フィルタ3aの圧縮応力は釣り合っていないので、その圧縮応力により基板2が反り返り、引き続いてなされる第2の誘電体多層膜フィルタ3bの形成を高い精度にて成膜することができないという問題がある。
【0017】
この問題に関しては、特開平9−33719号公報に開示されているように、基板2を自在に反転することができる製造装置を用いて、前記第1および第2の誘電体多層膜フィルタ3a、3bの形成を複数の工程に分け、各工程ごとに基板2を反転して、第1の誘電体多層膜フィルタ3aと、第2の誘電体多層膜フィルタ3bとを徐々に交互に形成するようにした製造方法も提案されている。しかしながら、この製造方法に用いられる製造装置は、特殊な基板反転機構を必要とするので、実施が容易ではない。
【0018】
いずれにせよ、基板2の両面に、第1および第2の誘電体多層膜フィルタ3a、3bを形成した構成の誘電体多層膜フィルタ素子1においては、第1および第2の誘電体多層膜フィルタ3a、3bを合計すると層膜数は多くなるので、材料費や製造コストが増大する。
また、第1および第2の誘電体多層膜フィルタ3a、3bの光学特性に不一致があると、得られる誘電体多層膜フィルタ素子1の光学特性が劣化するので、製造工程が複雑になり、生産性や歩留まりが低下するという問題がある。
【0019】
これに対して、図16に示すように、第1および第2の基板2、2′を用意し、第1の基板2の一方の面に第1の誘電体多層膜フィルタ3を形成し、そして、第2の基板2′の一方の面に第2の誘電体多層膜フィルタ3′を形成したのち、前記第1および第2の基板2、2′を接着剤9などを用いて貼り合わせることにより誘電体多層膜フィルタ素子1を製造する方法も知られている。
【0020】
この製造方法は、比較的容易に実施することができるが、第1および第2の誘電体多層膜フィルタ3、3′の特性には多少のバラツキがあるので、貼り合わせ工程の前に、所望の特性が得られるような第1および第2の基板2、2′の組み合わせを決定するための検査を行い、さらに、貼り合わせ工程の後に所望の特性が得られたか確認するため、得られた誘電体多層膜フィルタ素子1の検査を行う必要がある。このように検査の回数が増加するので、製造コストや生産性が増大するという問題がある。
また、第1および第2の基板2、2′の部分を合わせた厚さは、通常の約2倍となるため、これらの2枚の基板2、2′による光路のズレが大きくなり、透過損失が増大するという問題もある。
【0021】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、誘電体多層膜フィルタの層数および総膜厚を従来に比して低減することができ、製造が容易であって、材料費や製造コストを削減することが可能な誘電体多層膜フィルタ素子を提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、基板の一方の面に1個の誘電体多層膜フィルタを形成し、他方の面に反射膜を形成した誘電体多層膜フィルタ素子によって解決される。
このような誘電体多層膜フィルタ素子を用いることにより、前記誘電体多層膜フィルタ素子に入射する入射光は、前記反射膜によって反射し、入射時と出射時の2回、同一の前記誘電体多層膜フィルタを通過するようになる。これにより、誘電体多層膜フィルタの層数を増加させたのと同等な効果が得られるので、誘電体多層膜フィルタ素子の光学特性が著しく改善される。
前記誘電体多層膜フィルタとしては、帯域分離フィルタ、バンドパスフィルタ、利得等化フィルタのいずれかを用いることが好ましい。
【0023】
上述の誘電体多層膜フィルタ素子を、誘電体多層膜フィルタが設けられている側の面を接着面として、GRINレンズの一方の端面に接着することにより、光部品が得られる。
この場合、GRINレンズの他方の端面上の所定の位置に、入力用光ファイバおよび出力用光ファイバを接続することが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の誘電体多層膜フィルタ素子1の一例を示す概略断面図である。この誘電体多層膜フィルタ素子1においては、基板2の一方の面に1個の誘電体多層膜フィルタ3が形成されており、他方の面に反射膜4が形成されている。ここで、誘電体多層膜フィルタ3とは、誘電体多層膜を有する種々の干渉フィルタであり、特に、所定の帯域の光を阻止する帯域分離フィルタ、所定波長帯域の光を通過させるバンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ)、所定の光増幅器の利得スペクトルを相殺するような損失スペクトルを有する利得等化フィルタが例示される。本発明においては、帯域分離フィルタは、所定波長より長波長の光を通過させるハイパスフィルタ(高域通過フィルタ)と、所定波長より短波長の光を通過させるローパスフィルタ(低域通過フィルタ)の総称とする。
【0025】
このような構成とすることにより、図2に示すように、該誘電体多層膜フィルタ素子1に、誘電体多層膜フィルタ3の側の面から入射した光は、反射膜4にて反射されて、入射時に通過したものと同一の誘電体多層膜フィルタ3を介して出射するようになる。
【0026】
誘電体多層膜フィルタ3として、帯域分離フィルタを用いた場合に本発明によって奏される効果について、図3を参照して説明する。
従来の誘電体多層膜フィルタ素子1が、図3の破線に示すような損失スペクトルを示す場合、誘電体多層膜フィルタ3の特性が同等であれば、本実施の形態の誘電体多層膜フィルタ素子1によれば、入射光は誘電体多層膜フィルタ素子1内で反射して、入射時と出射時の2回、同一の前記誘電体多層膜フィルタ3を通過するので、光の損失は約2倍になる。従って、本実施の形態の誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルは、図3の実線に示すようなものとなる。
すなわち、誘電体多層膜フィルタ素子1に反射膜4を設けることにより、誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルがより急峻となり、波長帯域を分離する特性が向上すると考えられる。
【0027】
また、誘電体多層膜フィルタ3として、バンドパスフィルタを用いた場合についても、同様な考察が成立する(図4参照)。
すなわち、従来の誘電体多層膜フィルタ素子1が、図4の破線に示すような損失スペクトルを示す場合、誘電体多層膜フィルタ3の特性が同等であれば、本実施の形態の誘電体多層膜フィルタ素子1によれば、入射光は誘電体多層膜フィルタ素子1内で反射して、入射時と出射時の2回、同一の前記誘電体多層膜フィルタ3を通過するので、光の損失は約2倍になる。従って、本実施の形態の誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルは、図4の実線に示すようなものとなる。すなわち、誘電体多層膜フィルタ素子1に反射膜4を設けることにより、その損失スペクトルがより急峻となり、波長帯域を選択する特性が向上すると考えられる。
【0028】
また、誘電体多層膜フィルタ3として、利得等化フィルタを用いた場合の効果は、以下のように考えられる。本実施の形態の誘電体多層膜フィルタ素子1によれば、入射光は誘電体多層膜フィルタ素子1内で反射して、入射時と出射時の2回、同一の前記誘電体多層膜フィルタ3を通過するので、誘電体多層膜フィルタ3の実質的な層数は、実際の層数の2倍となる。このため、光増幅器の利得スペクトルの近似がより良好になるので、利得等化フィルタの利得平坦化特性が向上する。
【0029】
本実施の形態においては、前記誘電体多層膜フィルタ3は、2種類以上の屈折率の異なる誘電体を、所定の膜厚および膜数にて積層することにより製造することができる。誘電体多層膜フィルタ3の総膜数および各膜の材料は、用途等に応じて種々の条件を設定することができるが、例えば、SiO2、TiO2、ZrO2、Nb2O5、Ta2O5などの誘電体を70〜100層積層し、総膜厚を13〜18μmとしたものとすることができる。
【0030】
誘電体多層膜フィルタ3を構成するそれぞれの膜の材料や膜厚は、用途等に応じて種々の条件を設定することができ、また、例えば、コンピュータを用いた計算によって適切に設計することができる。
また、バンドパスフィルタにおいては、該バンドパスフィルタの中心波長をλ0とするとき、光学的膜厚(幾何学的膜厚×屈折率)が、λ0/4である高屈折率誘電体膜と低屈折率誘電体膜とを交互に積層し、その間に、適宜、低屈折率誘電体からなり、光学的膜厚がλ0/4より大きい(一般的には、λ0/2またはその整数倍)キャビティを設けることによって製造することができる。
【0031】
このような誘電体多層膜フィルタ3を基板2上に形成するためには、スパッタリング法、イオンアシスト法、真空蒸着法などの公知の適切な方法を用いて、厚さが2〜15mm、縦横の長さが50〜400mm程度であり、円形、矩形などの所定の形状のガラス板上に誘電体多層膜を積層させたのち、ガラス板を、所定の厚さまで研磨したり、所定の寸法に切断したりなどすることによって製造することができる。前記ガラス板としては、石英ガラスやホウケイ酸ガラスなど、適切な光学ガラスからなるガラス板を用いることができる。
【0032】
基板2の材料として、特許3107304号公報、特許3202981号公報、特開2001−318222号公報、特開2001−066425号公報に開示されているように、誘電体多層膜の誘電体よりも熱膨張係数の高いガラスを用いれば、成膜後に基板2が冷却されて収縮することにより、膜が圧縮応力を受けて誘電体の充填率が向上し、屈折率の温度変化が小さい誘電体多層膜を得ることができるので、特に好ましい。
より具体的には、−20〜+70℃における熱膨張係数が95×10−7/℃〜140×10−7/℃、ヤング率が85GPa以上であり、二珪酸リチウムやα−石英、α−クリストバライトなどからなる結晶相を析出させた結晶化ガラスからなるものが好ましく、例えば、株式会社オハラのWMSシリーズ(商標名)が例示される。
【0033】
反射膜4は、誘電体多層膜フィルタ3の透過域に含まれる所定の波長帯の光を全反射する特性を有する膜である。反射膜4としては、誘電体多層膜ミラー、金属膜ミラー、誘電体多層膜と金属膜からなる複合膜ミラーなどが例示される。
特に、反射膜4による光の吸収は少ないことが好ましいので、誘電体多層膜からなる誘電体多層膜ミラーを用いることが好ましく、例えば、SiO2、TiO2、ZrO2、Nb2O5、Ta2O5などの誘電体を20層以上積層し、総膜厚を4〜15μmとしたものを用いることができる。
【0034】
誘電体多層膜ミラーは、例えば、低屈折率材料と高屈折率材料とを交互に積層した誘電体多層膜において、各膜の光学的膜厚(厚さ×屈折率)を、使用波長帯域の中心波長の1/4倍とすることによって製造することができる。誘電体多層膜ミラーにおいては、膜厚の精度に1〜5%程度の誤差があっても、実用に適するものが得られるため、膜厚を制御するためには、該膜厚をセンサなどにて直接測定することなく、成膜に要した時間から膜厚を推定して制御するようにしても製造することができる。また、誘電体多層膜フィルタ3としての所定の寸法に切断し、研磨したあとの基板2上に直接成膜することもできる。
【0035】
反射膜4として、金属膜を用いる場合は、銀、金、アルミニウムなどの金属を蒸着などの方法により厚さ0.05〜2μmに成膜することによって反射膜4を形成することができる。また、誘電体多層膜と金属膜からなる複合膜ミラーは、誘電体多層膜と、金属膜を所定の順序で形成することによって製造することができる。
【0036】
本実施の形態の誘電体多層膜フィルタ素子1を製造するためには、例えば、以下の手順によることができる。
まず、基板2となるガラス板上に、スパッタリング法や真空蒸着法などの手法を用いて、誘電体多層膜フィルタ3を形成し、次いで、ガラス板の裏面に反射膜4を形成したのち、該ガラス板を所定の寸法に切断または研磨する。
または、まず、ガラス板上に誘電体多層膜フィルタ3を形成し、次いで、該ガラス板を所定の寸法に切断または研磨したのち、ガラス板の裏面に反射膜4を形成する手順によっても製造することが可能である。
【0037】
本発明の誘電体多層膜フィルタ素子1は、光が入射または出射する際の損失を低減するため、適切な入力ポートおよび出力ポートを設けて光部品とすることが好ましい。このような入力ポートおよび出力ポートは、入力用光ファイバおよび出力用光ファイバと、コリメータレンズとを用いることによって得ることができる。コリメータレンズとしては、球面レンズ、非球面レンズなど、いかなるものも使用することができるが、特に、GRINレンズを用いることが好ましい。
【0038】
図5は、本発明の光部品の第1の実施の形態を示す概略構成図である。図5において、符号1は誘電体多層膜フィルタ素子である。誘電体多層膜フィルタ素子1は、誘電体多層膜フィルタ3が形成されている側の面を接着面として、GRINレンズ10の一方の端面に接着されている。このGRINレンズ10の他方の端面には、それぞれ所定の位置に、入力用光ファイバ11と出力用光ファイバ12とが接着または融着などの適切な方法により接続されている。
【0039】
入力用光ファイバ11と出力用光ファイバ12の位置関係は、入力用光ファイバ11から入射した光が、GRINレンズ10と誘電体多層膜フィルタ3を介して誘電体多層膜フィルタ素子1に入射し、反射膜4により反射されたのち再び誘電体多層膜フィルタ3を介して誘電体多層膜フィルタ素子1から出射し、GRINレンズ10を介して出力用光ファイバ12に出射するような位置に調整される。GRINレンズ10と誘電体多層膜フィルタ素子1とを接着する接着剤としては、一般的なエポキシ系またはアクリル系の光学接着剤を用いることができる。
【0040】
GRINレンズ10は、概略、直径0.2〜3.0mm、長さ1〜5mm程度の円筒形状を有し、該円筒の底面を入射端面および出射端面として用いるレンズであり、光ファイバ用コリメータレンズとして幅広く用いられている。この種のGRINレンズ10には、半径方向に軸を中心とした屈折率分布が形成されている。これにより、平行光を光ファイバの一端面上に集束したり、光ファイバの一端から発散された光を平行化したりすることができる。
【0041】
GRINレンズ10には、端面が軸に垂直な平面であるもの、斜面となっているもの、曲面であるものなどが知られており、いずれのものも本発明の誘電体多層膜フィルタ素子1と組み合わせて使用することはできるが、本実施の形態の光部品においては、端面が軸に垂直な平面であるGRINレンズ10を用いることが好ましい。これにより、誘電体多層膜フィルタ素子1を直接GRINレンズ10の端面に接着することができ、光部品の構成が単純になる。従って、製造が容易になるとともに、GRINレンズ10または誘電体多層膜フィルタ素子1の端面における反射および損失を抑制することができる。
【0042】
このような構成によれば、入力用光ファイバ11から入射された光aは、誘電体多層膜フィルタ素子1によって所望のスペクトルを有する光とされるので、この出射光bは、出力用光ファイバ12を介して受け取ることができる。また、誘電体多層膜フィルタ素子1の誘電体多層膜フィルタ3によって阻止されて反射された反射光cは、GRINレンズ10を通過して、出力用光ファイバ12が接続されている位置とは異なる位置に出射されるので、クロストークが極めて低くなる。
【0043】
図6は、本発明の光部品の第2の実施の形態を示す概略構成図である。本実施の形態の光部品が、前記第1の実施の形態の光部品と異なる点は、出力用光ファイバ12が2本設けられていることである。第1の出力用光ファイバ12aは、入力用光ファイバ11から入射した光aが、GRINレンズ10を介して誘電体多層膜フィルタ素子1に入射し、反射膜4により反射されたのち再び誘電体多層膜フィルタ3を通過し、GRINレンズ10を介して、出力用光ファイバ12aに出射する位置に接続されている。これに対して、第2の出力用光ファイバ12bは、誘電体多層膜フィルタ3を通過せずに反射された光cを受け取る位置に接続されている。
【0044】
このような構成によれば、入射光aは、誘電体多層膜フィルタ素子1によって、所望のスペクトルを有する光bとされたのち、出力用光ファイバ12を介して受け取ることができる。また、誘電体多層膜フィルタ3に阻止されて反射された反射光cは、第2の出力用光ファイバ12bが接続されている位置に出射される。このように反射光cを受け取ることができるようにすれば、入射光aの分波や、モニタリングをすることができるので、極めて有用である。
【0045】
本実施の形態の光部品によれば、図7に示すように、第1の出力用光ファイバ12aに出力されるべき透過光は、誘電体多層膜フィルタ3を2回通過することにより、阻止域の損失が増大するので、阻止域の光の混入が減少し、アイソレーションが向上する。一方、第2の出力用光ファイバ12bに出力されるべき反射光は、誘電体多層膜フィルタ3の総膜厚が薄くなることにより、透過域の損失が減少し、反射減衰量を低減することができる。また、誘電体多層膜フィルタ3の反りが小さくなるので、クラックの発生や基板2からの剥落が抑制される。
【0046】
また、本発明の光部品の他の実施の形態としては、図8に示すように、コリメータレンズとして、球面レンズまたは非球面レンズ等14を用いたものが例示される。この場合は、前記球面レンズまたは非球面レンズ等14は、適切な支持部材など(図示せず)を用いて、誘電体多層膜フィルタ素子1と、入力用光ファイバ11または出力用光ファイバ12との間の適切な位置に配置される。
このような形態によっても、誘電体多層膜フィルタ素子1に入射または出射する光の損失を低減することができる。
【0047】
次に、本発明を、具体例に基づいて説明するが、これらの具体例は本発明を何ら制限するものではない。
【0048】
[帯域分離フィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子]
以下のように、誘電体多層膜フィルタ3として、1480nmの励起光と1550nmの信号光とを合分波する帯域分離フィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子1を製造した。
従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図12に示すような構造のものであって、誘電体多層膜フィルタ3の層数は81層であり、総膜厚は約18μmである。
従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図12に示すような構造のものであって、誘電体多層膜フィルタ3の層数は57層であり、総膜厚は約13μmである。
実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図1に示すような構造のものであって、誘電体多層膜フィルタ3の層数は57層であり、総膜厚は約13μmである。
基板2としては、BK7(ホウケイ酸ガラスの一種)からなるものを用いた。また、誘電体多層膜フィルタ3の高屈折率材料としてTa2O5、低屈折率材料としてSiO2を用いた。また、反射膜4は、Ta2O5とSiO2とからなる20層以上の誘電体多層膜ミラーである。
【0049】
これらの帯域分離フィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルを測定した。この結果を図9に示す。図9において、「81層」とは、従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1を示し、「57層」とは、従来例の誘電体多層膜フィルタ素子1を示し、「57層×2」とは、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1を示す。
【0050】
図13に示す、帯域分離フィルタの透過域を規定する損失値αを0.1dBとし、また、阻止域を規定する損失値βを30dBとして、透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dを求めた。このDの値は、この従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1では18nmであり、従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子1では33nmであり、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1では18nmであった。すなわち、従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子より、総膜数が約30%少ないにもかかわらず、透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dを同程度にすることができた。また、従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子と比較すると、反射膜を設けることによって、透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dを半分以下にすることができた。
【0051】
誘電体多層膜フィルタ3として、1550nmを中心とし、透過域の帯域幅Bが約0.8nmである狭帯域バンドパスフィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子1を製造し、特性を比較した。
従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図12に示すような構造のものであって、狭帯域バンドパスフィルタのキャビティ層の個数は4個である。
従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図12に示すような構造のものであって、狭帯域バンドパスフィルタのキャビティ層の個数は3個である。
実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図1に示すような構造のものであって、狭帯域バンドパスフィルタのキャビティ層の個数は3個である。
基板2としては、WMS−13(株式会社オハラ製の結晶化ガラス)からなるものを用いた。また、誘電体多層膜フィルタ3の高屈折率材料としてTa2O5、低屈折率材料としてSiO2を用いた。また、反射膜4は、Ta2O5とSiO2とからなる20層の誘電体多層膜ミラーである。
【0052】
これらの誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルを測定した。この結果を図10に示す。図10において、「4cavity」とは、従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1を示し、「3cavity」とは、従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子1を示し、「3cavity×2」とは、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1を示す。
【0053】
それぞれの誘電体多層膜フィルタ素子1について、図14に示す、狭帯域バンドパスフィルタの透過域を規定する損失値αを0.5dBとし、また、阻止域を規定する損失値βを25dBとして、透過域と阻止域との間の立ち上がり幅Dを求めた。このDの値は、従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1では0.40nmであり、従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子1では0.82nmであり、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1では0.40nmであった。すなわち、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1は、従来例の第1の誘電体多層膜フィルタ素子1よりキャビティ層の個数が少ないにもかかわらず、前記Dの値を同程度とすることができた。また、従来例の第2の誘電体多層膜フィルタ素子1と比較すると、反射膜4を設けることによって、前記Dの値を半分以下にすることができた。
【0054】
[利得等化フィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子]
誘電体多層膜フィルタ3として、利得差が約6dBであるCバンド(1530〜1565nm)用エルビウム添加光ファイバ光増幅器(FDFA)の利得を等化する誘電体多層膜フィルタ素子1を製造し、特性を比較した。
従来例の誘電体多層膜フィルタ素子1は、図12に示すような構造のものであって、層膜数は102層であり、総膜厚は約27μmである。
実施例の利得等化フィルタ素子は、図12に示すような構造のものであって、層膜数は82層であり、総膜厚は約15μmである。
基板2としては、WMS−13(株式会社オハラ製の結晶化ガラス)からなるものを用いた。また、誘電体多層膜フィルタ3の高屈折率材料としてTa2O5、低屈折率材料としてSiO2を用いた。また、反射膜4は、Ta2O5とSiO2とからなる20層以上の誘電体多層膜ミラーである。
【0055】
これらの誘電体多層膜フィルタ素子1の損失スペクトルを測定したところ、図11に示すようになった。
従来例の誘電体多層膜フィルタ素子1における利得残差は、0.18dBであるのに対し、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1における利得残差は、0.18dBであった。
この結果から明らかなように、実施例の誘電体多層膜フィルタ素子1によれば、従来例の誘電体多層膜フィルタ素子1と、実用的に同等の利得等化特性を得ることができ、しかも層膜数および総膜厚を大幅に減少させることができた。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の誘電体多層膜フィルタ素子1によれば、該誘電体多層膜フィルタ素子1に、誘電体多層膜フィルタ3の側の面から入射した光は、反射膜4にて反射されて、入射時に通過したものと同一の誘電体多層膜フィルタ3を介して出射するようになるので、誘電体多層膜フィルタの層数を増加させたのと同等の効果が得られる。従って、層数が同じ従来の誘電体多層膜フィルタと比較すれば、誘電体多層膜フィルタ3の特性を著しく向上させることができる。また、特性が同等の従来の誘電体多層膜フィルタと比較すれば、誘電体多層膜フィルタの層数および総膜厚が大幅に減少させられる。
【0057】
誘電体多層膜フィルタ3の層数が従来に比して少なくなり、反射膜4は、製造が極めて容易なものであるので、本発明の誘電体多層膜フィルタ素子1の製造は容易に実施可能である。しかも、誘電体多層膜フィルタ素子1の材料費や製造コストが低減され、歩留まりも向上する。また、誘電体多層膜フィルタ3の膜厚が薄くなることにより、誘電体多層膜フィルタ3の反りが小さくなり、クラックの発生や基板からの剥落が抑制される。
【0058】
本発明の光部品によれば、誘電体多層膜フィルタ素子1への光の入射または出射に伴う損失が低減される。誘電体多層膜フィルタ素子1をGRINレンズ10の端面に接着することにより、光部品の構成が単純になり、製造が容易になるとともに、GRINレンズ10または誘電体多層膜フィルタ素子1の端面における反射および損失を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体多層膜フィルタ素子の一例の概略断面図である。
【図2】本発明の誘電体多層膜フィルタ素子の作用を説明する図である。
【図3】誘電体多層膜フィルタとして、帯域分離フィルタを用いた場合に、本発明によって奏される効果を説明する図である。
【図4】誘電体多層膜フィルタとして、バンドパスフィルタを用いた場合に、本発明によって奏される効果を説明する図である。
【図5】本発明の光部品の第1の実施の形態の概略構成図である。
【図6】本発明の光部品の第2の実施の形態の概略構成図である。
【図7】本発明の光部品の第2の実施の形態によって奏される効果を説明する図である。
【図8】本発明の光部品の他の実施の形態の概略構成図である。
【図9】帯域分離フィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子の損失スペクトルの一例を示すグラフである。
【図10】狭帯域バンドパスフィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子の損失スペクトルの一例を示すグラフである。
【図11】利得等化フィルタを有する誘電体多層膜フィルタ素子の損失スペクトルの一例を示すグラフである。
【図12】従来の誘電体多層膜フィルタ素子の第1の例の概略断面図である。
【図13】従来の帯域分離フィルタの損失スペクトルの一例を示すグラフである。
【図14】従来のバンドパスフィルタの損失スペクトルの一例を示すグラフである。
【図15】従来の誘電体多層膜フィルタ素子の第2の例の概略断面図である。
【図16】従来の誘電体多層膜フィルタ素子の第3の例の概略断面図である。
【符号の説明】
1…誘電体多層膜フィルタ素子、2…基板、3…誘電体多層膜フィルタ、4…反射膜、10…GRINレンズ、11…入力用光ファイバ、12…出力用光ファイバ、12a…第1の出力用光ファイバ、12b…第2の出力用光ファイバ。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a dielectric multilayer filter element used as an optical filter such as a band separation filter, a bandpass filter, and a gain equalization filter in an optical communication system such as a wavelength division multiplexing (WDM) transmission system.
[0002]
[Prior art]
In the optical communication field, for example, optical components such as an optical coupler, an optical splitter, an optical multiplexer, an optical demultiplexer, and a gain equalizer are generally a dielectric multilayer filter element having predetermined characteristics, It is configured by appropriately combining an optical fiber, a lens, and the like.
[0003]
FIG. 12 shows a schematic cross-sectional view of an example of a conventional dielectric
The dielectric multilayer film is a multilayer film obtained by forming two or more types of dielectric materials having different refractive indexes into thin films and sequentially stacking them at a predetermined film thickness and a total number of films. By appropriately designing the refractive index, the number of layers, and the thickness of each layer of the dielectric to be used based on the light interference phenomenon, a dielectric multilayer film having desired optical characteristics such as filter characteristics and mirror characteristics is obtained. be able to.
In this specification, a dielectric multilayer film having filter characteristics is referred to as a
[0004]
Next, some examples of various
First, the band separation filter (edge filter) is a
[0005]
The band-pass filter (band-pass filter) is a
[0006]
Further, the gain equalizing filter is a
[0007]
The above-described dielectric
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, with the development of optical communication technology, it has been required to further improve the loss characteristics of this type of dielectric
Generally, since each layer of the
However, when the number of layers of the
[0009]
Hereinafter, the relationship between the total thickness of the
The total film thickness and the total stress of the
[0010]
R = ESDS 2/ $ 6dF(1-νS) ΣF} …… (1)
[0011]
Further, the warpage amount δ of the
[0012]
R ≒ r2/ 2δ (where δ≪r) ... (2)
[0013]
Therefore, δ∝dFTherefore, the total thickness d of the
[0014]
When the warpage of the
[0015]
In order to deal with this problem, as shown in FIG. 15, by forming first and second
[0016]
However, when manufacturing such a dielectric
[0017]
Regarding this problem, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-33719, the first and second
[0018]
In any case, in the dielectric
In addition, if the optical characteristics of the first and second
[0019]
On the other hand, as shown in FIG. 16, first and
[0020]
Although this manufacturing method can be implemented relatively easily, the characteristics of the first and second
In addition, the total thickness of the first and
[0021]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and it is possible to reduce the number of layers and the total film thickness of a dielectric multilayer filter as compared with the related art, and it is easy to manufacture, and material cost and cost are reduced. An object of the present invention is to provide a dielectric multilayer filter element capable of reducing the manufacturing cost.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
The above problem is solved by a dielectric multilayer filter element in which one dielectric multilayer filter is formed on one surface of a substrate and a reflection film is formed on the other surface.
By using such a dielectric multilayer filter element, incident light incident on the dielectric multilayer filter element is reflected by the reflection film, and the same dielectric multilayer filter is used twice at the time of incidence and at the time of emission. It passes through the membrane filter. As a result, an effect equivalent to increasing the number of layers of the dielectric multilayer filter can be obtained, so that the optical characteristics of the dielectric multilayer filter element are significantly improved.
It is preferable to use any of a band separation filter, a bandpass filter, and a gain equalization filter as the dielectric multilayer filter.
[0023]
An optical component can be obtained by bonding the above-described dielectric multilayer filter element to one end surface of a GRIN lens with the surface on the side where the dielectric multilayer filter is provided as an adhesive surface.
In this case, it is preferable to connect an input optical fiber and an output optical fiber to predetermined positions on the other end surface of the GRIN lens.
[0024]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments.
FIG. 1 is a schematic sectional view showing an example of the dielectric
[0025]
With such a configuration, as shown in FIG. 2, light incident on the dielectric
[0026]
The effects achieved by the present invention when a band separation filter is used as the
In the case where the conventional dielectric
That is, it is considered that the provision of the
[0027]
Similar considerations hold when a bandpass filter is used as the dielectric multilayer filter 3 (see FIG. 4).
That is, when the conventional dielectric
[0028]
The effect when a gain equalizing filter is used as the
[0029]
In the present embodiment, the
[0030]
Various conditions can be set for the material and film thickness of each film constituting the dielectric
In a bandpass filter, the center wavelength of the bandpass filter is λ0When the optical film thickness (geometric film thickness × refractive index) is λ0/ 4 high-refractive-index dielectric films and low-refractive-index dielectric films are alternately laminated, between which a low-refractive-index dielectric is appropriately formed, and the optical film thickness is λ.0/ 4 (generally, λ0/ 2 or an integer multiple thereof).
[0031]
In order to form such a
[0032]
As disclosed in JP-A-3107304, JP-A-3202981, JP-A-2001-318222, and JP-A-2001-066425, the material of the
More specifically, the coefficient of thermal expansion at −20 to + 70 ° C. is 95 × 10-7/ ℃ ~ 140 × 10-7/ C and a Young's modulus of 85 GPa or more, and preferably made of crystallized glass in which a crystal phase composed of lithium disilicate, α-quartz, α-cristobalite, or the like is precipitated. Name) is exemplified.
[0033]
The
In particular, since it is preferable that light absorption by the
[0034]
For example, in a dielectric multilayer film in which a low-refractive-index material and a high-refractive-index material are alternately laminated, an optical film thickness (thickness × refractive index) of each film is set to a value corresponding to a wavelength in a used wavelength band. It can be manufactured by making it 1/4 times the center wavelength. In the dielectric multilayer mirror, even if there is an error of about 1 to 5% in the accuracy of the film thickness, a mirror suitable for practical use can be obtained. It is also possible to manufacture by estimating and controlling the film thickness from the time required for film formation without directly measuring the film thickness. Alternatively, the
[0035]
When a metal film is used as the
[0036]
In order to manufacture the dielectric
First, a
Alternatively, first, the
[0037]
It is preferable that the dielectric
[0038]
FIG. 5 is a schematic configuration diagram showing a first embodiment of the optical component of the present invention. In FIG. 5,
[0039]
The positional relationship between the input
[0040]
The
[0041]
The
[0042]
According to such a configuration, since the light a incident from the input
[0043]
FIG. 6 is a schematic configuration diagram showing a second embodiment of the optical component of the present invention. The optical component of the present embodiment differs from the optical component of the first embodiment in that two output
[0044]
According to such a configuration, the incident light “a” can be converted into the light “b” having a desired spectrum by the dielectric
[0045]
According to the optical component of the present embodiment, as shown in FIG. 7, transmitted light to be output to the first output
[0046]
Further, as another embodiment of the optical component of the present invention, as shown in FIG. 8, a collimator lens using a spherical lens or an
With such an embodiment, it is possible to reduce the loss of light that enters or exits the dielectric
[0047]
Next, the present invention will be described based on specific examples, but these specific examples do not limit the present invention at all.
[0048]
[Dielectric multilayer filter element having band separation filter]
As described below, a dielectric
The first dielectric
The second dielectric
The dielectric
As the
[0049]
The loss spectrum of the dielectric
[0050]
The loss value α defining the transmission band of the band separation filter shown in FIG. 13 is set to 0.1 dB, the loss value β defining the stop band is set to 30 dB, and the rising width D between the transmission band and the stop band is set. I asked. The value of D is 18 nm in the first dielectric
[0051]
As the
The first dielectric
The conventional second dielectric
The dielectric
As the
[0052]
The loss spectra of these dielectric
[0053]
For each dielectric
[0054]
[Dielectric multilayer filter element having gain equalizing filter]
As the
The conventional dielectric
The gain equalizing filter element of the embodiment has a structure as shown in FIG. 12, and has 82 layers and a total film thickness of about 15 μm.
As the
[0055]
When the loss spectrum of these dielectric
The gain residual in the dielectric
As is clear from these results, according to the dielectric
[0056]
【The invention's effect】
As described above, according to the dielectric
[0057]
Since the number of layers of the
[0058]
According to the optical component of the present invention, the loss caused by the light entering or exiting the dielectric
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view of one example of a dielectric multilayer filter element of the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating the operation of the dielectric multilayer filter element of the present invention.
FIG. 3 is a diagram illustrating an effect achieved by the present invention when a band separation filter is used as a dielectric multilayer filter.
FIG. 4 is a diagram illustrating an effect achieved by the present invention when a bandpass filter is used as a dielectric multilayer filter.
FIG. 5 is a schematic configuration diagram of a first embodiment of the optical component of the present invention.
FIG. 6 is a schematic configuration diagram of a second embodiment of the optical component of the present invention.
FIG. 7 is a diagram illustrating an effect produced by a second embodiment of the optical component of the present invention.
FIG. 8 is a schematic configuration diagram of another embodiment of the optical component of the present invention.
FIG. 9 is a graph showing an example of a loss spectrum of a dielectric multilayer filter element having a band separation filter.
FIG. 10 is a graph showing an example of a loss spectrum of a dielectric multilayer filter element having a narrow band pass filter.
FIG. 11 is a graph showing an example of a loss spectrum of a dielectric multilayer filter element having a gain equalizing filter.
FIG. 12 is a schematic cross-sectional view of a first example of a conventional dielectric multilayer filter element.
FIG. 13 is a graph showing an example of a loss spectrum of a conventional band separation filter.
FIG. 14 is a graph showing an example of a loss spectrum of a conventional bandpass filter.
FIG. 15 is a schematic sectional view of a second example of a conventional dielectric multilayer filter element.
FIG. 16 is a schematic sectional view of a third example of a conventional dielectric multilayer filter element.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
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---|---|---|---|---|
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