JP2004020007A - 電子温調庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱電変換素子をもって効率的に冷却を可能とする電子冷蔵庫を提供する。
【解決手段】1以上の熱電変換素子モジュール(19)により庫内を冷却する電子冷蔵庫である。第1及び第2の均熱板(15,16) を有しており、第1の均熱板(15)及び第2の均熱板(16)とは前記熱電変換素子モジュール(19)の電極面よりも第面積を有しており、第2均熱板(16)の一端部を冷蔵庫の放熱部(17)に対向させて配すると共に、他端部に熱電変換素子モジュール(19)の放熱側電極(19a) を固設している。また、第1の均熱板(15)は前記熱電変換素子モジュール(19)の吸熱側電極面(19b) と伝熱的に関連して接続させるとともに、その少なくとも一部を庫内の冷却空気導入部(12)に対向させる。少なくとも第1均熱板(16)はヒートパイプ構造とすることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】1以上の熱電変換素子モジュール(19)により庫内を冷却する電子冷蔵庫である。第1及び第2の均熱板(15,16) を有しており、第1の均熱板(15)及び第2の均熱板(16)とは前記熱電変換素子モジュール(19)の電極面よりも第面積を有しており、第2均熱板(16)の一端部を冷蔵庫の放熱部(17)に対向させて配すると共に、他端部に熱電変換素子モジュール(19)の放熱側電極(19a) を固設している。また、第1の均熱板(15)は前記熱電変換素子モジュール(19)の吸熱側電極面(19b) と伝熱的に関連して接続させるとともに、その少なくとも一部を庫内の冷却空気導入部(12)に対向させる。少なくとも第1均熱板(16)はヒートパイプ構造とすることが好ましい。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の加熱/冷却素子である熱電変換素子が組み込まれた熱電変換素子モジュールを用いた電子温調庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気エネルギーを熱エネルギーに変換する熱電変換素子を利用すれば、対象物を電子的に冷却又は加熱できることが知られている。近年、その機能を利用して、冷媒ガスに代わり熱電変換素子を冷却手段として採用されたクールボックスや小型冷蔵庫、或いは加温ボックスや小型加熱庫などの電子温調庫が開発されている。
【0003】
この熱電変換素子を使用した熱交換器は、例えばアルミニウムからなる吸熱板と放熱フィンとの間に多数の熱電変換素子からなる熱電変換素子モジュールを介装した構造を備えている。熱電変換素子モジュールは、多数個のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とが交互に配され、その表裏面に例えば銅製の電極を交互に順次接続して構成されている。各電極に流す電流の方向を逆に変えれば、一面側の電極面が放熱面から吸熱面へと変わるため、その熱電変換素子モジュールの放熱面又は吸熱面を温調領域に向けるとともに、その吸熱面又は放熱面を庫外に向けて配すようにすれば、庫内を加熱又は冷却することができる。
【0004】
例えば、特開平8−242022号公報によれば、吸熱板及び放熱フィンの熱電変換素子モジュールと対向する面には、放熱側電極間及び吸熱側電極間を絶縁するために、それぞれアルマイトからなる薄い絶縁層が、陽極酸化法等によって形成される。吸熱板及び放熱フィンの熱膨張差の影響を避けるため、熱電変換素子モジュールを挟んで配される吸熱板及び放熱フィンの各絶縁層と各電極との間に、高熱伝導性のシリコングリースを介在させ、或いは一方の絶縁層と電極とを接着剤や半田により接合一体化している。熱電変換素子モジュールに電流を流して、放熱側電極と吸熱側電極との間に温度差を生じさせ、吸熱体と放熱フィンとの間で熱交換が行なわれる。
【0005】
特に、同公報の図50及び図51に示された第3実施例の説明によると、複数の熱伝変換素子モジュールの吸熱側電極面を庫内に向けて配するとともに、その放熱側電極面を庫外のダクトに配されているヒートパイプの板状受熱部にグリースや伝熱ゲルを介して取り付けている。このヒートパイプは前記受熱部からダクトの上流側に延設されており、その延設側の上端部に接続されたフィン付き放熱部が前記ダクトを傾斜して横切るように配した電子冷蔵庫が開示されている。この実施例によれば、ヒートパイプの内部にウィックを形成したヒートパイプ中に揮発性の作動媒体が封入され、この作動媒体が蒸発と凝縮とを繰り返すことにより、熱伝変換素子モジュールからの熱を吸熱して放散することができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この公報の第3実施例のごとき従来技術では、冷蔵庫の庫内の温まった空気の熱量を熱電変換素子モジュールの吸熱側電極面から吸収して、熱輸送の優れたヒートパイプから効率的に外部に放熱することができるため、熱の交換効率を高めることができる。しかしながら、この公報の前記実施例では、温熱を吸収する肝心の熱電変換素子モジュールの吸熱側電極面には格別の注意がなされておらず、単に同電極面を庫内に露呈しているだけであるため、特に熱伝達性に乏しい空気中から効率的に熱吸収がなされにくく、効率的な冷却を行うことができない。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、具体的には熱電変換素子をもって効率的な冷却を可能とする経済的な電子冷蔵庫を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
かかる目的は、本願第1発明の構成である熱電変換素子モジュールを用いた温調庫であって、1以上の熱電変換素子モジュールの最も庫外側の電極面と最も温調領域側の電極面とが、各電極面の面積よりも大きな面積をもつ均熱板を備えてなることを特徴とする電子温調庫により効果的に達成される。
【0009】
かかる構成によれば、1以上の熱電変換素子モジュールが配された温調庫内にあって、同温調庫内の最も庫外側に面している熱電変換素子モジュールの電極面と、温調庫内にあって最も温調しようとする領域に面している熱電変換素子モジュールの電極面との、それぞれに各電極面よりも大幅に大きな空気との接触面積をもち、伝熱性能に優れた、例えば銅板やアルミ板、或いは平板状のヒートパイプなどの均熱板を接合して一体化する。この接合にあたって、同一の熱電変換素子の表裏にそれぞれ均熱板を接合一体化する場合には、放熱側電極面と均熱板との接合は伝熱抵抗の小さい半田により接合一体化することが好ましく、吸熱側電極面と均熱板との接合には、熱電変換素子モジュールと均熱板との相対的な移動を許容するグリース類が好適である。
【0010】
放熱側電極に接合一体化される均熱板は、通電により熱電変換素子モジュール自体が発生する熱量と、庫内で温められた空気から吸収した熱量とを、効率的に放熱するための放熱板の機能を備えている。そのため、放熱側電極から均熱板への熱の移動が速やかになされるには、上述のごとく伝熱抵抗の小さい半田により接合一体化することが好ましく、その放熱機能を更に増加させるには、同均熱板の一部に多数のフィンが形成されていることが好ましい。このフィンの形成は、吸熱側電極に接合される均熱板についても同様である。また、温調庫内の最も庫外側に面している均熱板と、温調庫内にあって最も温調しようとする領域に対面している均熱板とは、熱接触を起こさないように熱的に遮断されていることが好ましい。
【0011】
かかる構成によって、熱電変換素子の放熱側電極及び吸熱側電極のいずれにも大きな面積をもち熱伝性能に優れた均熱板が接合一体化されているため、熱電変換素子モジュールの電極面が接触する空気量とは比較できないほどの広い領域において多くの空気と接触するようになるため、単に放熱量に止まらず、同時に吸熱量をも大幅に増加させることができ、熱交換効率も大幅に向上される。
【0012】
ところで、温調庫には温度差が要求される2以上の冷却又は加熱領域を備えている場合がある。例えば、通常の冷蔵室と冷凍室のごとく温度差の大きな冷却領域を部屋ごとに仕切っている場合や、あるいは通常の冷蔵領域と野菜などの生鮮食品専用のチルト領域とを仕切ることなく連続させて設ける場合などがある。本願第2発明は、こうした庫内が冷却又は加熱温度差をもつ2以上の冷却/加熱領域を有している場合に好適に適用できる発明である。
【0013】
すなわち、その構成は熱電変換素子モジュールを用いた温調庫であって、複数の前記熱電変換素子モジュールと、複数の異なる温度調整領域とを備えており、前記複数の熱電変換素子モジュールが、全ての温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールと、1つの温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールとに振り分けられていることを特徴とする電子温調庫にある。
【0014】
複数の熱電変換素子モジュールが、全ての温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールと1つの温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールとに振り分ける具体的な手法としては、例えば複数の均熱板を用意して、それらの均熱板を複数の熱電変換素子モジュールの表裏電極面にそれぞれ順次接合させながら直列的に連結して配する。そして、各均熱板の一面を温度差のある複数の温調領域に向けるようにする。かかる構成を採用することにより、末端に配された均熱板は、その背面に接合された熱電変換素子モジュールにより冷却又は加熱されるとき、その前段に配された熱電変換素子モジュールにより冷却された前段の各均熱板による冷却と相まって、末端に配された前記均熱板に接触する空気を更に効果的に冷却又は加熱する。
【0015】
このように、空気の下流側に向けて直列的に配される複数の均熱板による冷却又は加熱能力は、空気の下流側に進むに連れてより高くなり、温度差の必要な各温調領域に適した調節温度が効率的に得られる。また、全体として投入電力が同一である場合に、所望の温調領域への冷却又は加熱空気の導入部を閉鎖すれば、その領域以降の下流側の温調空気の温調能力を増加させることができ、その下流側の温調領域を一時的に更に低温又は高温に調節することができる。
【0016】
こうした調節温度差のある複数の領域を温調するために、本発明にあっては他の温調手段として、熱媒液の循環系を備えた1以上の熱媒液による熱交換手段を併用することも可能である。そして、これら熱交換手段を途中に配された1以上の熱電変換素子モジュールに接続する。この場合、熱媒液を循環系に積極的に流して循環させると、熱電変換素子モジュールを介して前記均熱板を配した以上の能力が発揮され効率的に熱交換される。
【0017】
かかる構成によっても、循環系を流れる熱媒液は上流側から下流側に配された熱電変換素子により、下流側の温調領域に進むに従って順次強力に温調されていき、その温調温度は漸次変化して、各温調領域に見合った温調が可能となる。
さらに本発明にあっては、上述の構成に代えて冷却対象となる領域の要求温度に合わせて均熱板と液冷式熱交換手段とを任意に配列して、それらの接続部のそれぞれに熱電変換素子モジュールを介装することもできる。
【0018】
本発明における前記均熱板がヒートパイプ構造を備えていることが好ましい。上記各均熱板は、既述したとおり伝熱抵抗が小さい程よく、例えば銅板やアルミ板であってもよいが、最も好ましいのは熱輸送方向が制御できると同時に、その熱輸送量が通常の銅板やアルミ板と比較すると大幅に大きいヒートパイプ構造を採用することが望ましい。この場合、前記ヒートパイプ構造として外観が薄板状のヒートパイプを使えば、加工が容易性であること、また吸熱及び放熱面積を大きくとることができるため好ましく、更にはその吸熱部と放熱部とをそれぞれフィン構造として空気との接触面積を増加させることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の代表的な実施形態である小型の電子冷蔵庫を図示実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明の温調庫は、投入電力の方向を変えれば冷蔵庫あるいは加熱庫とすることができる。
図1は本発明の第1実施例による小型電子冷蔵庫の内部構成を概略的に示す説明図である。
【0020】
この実施例による電子冷蔵庫10は、冷蔵室11の背面側壁面11aの下部を開口させて冷却空気導入部12を形成している。この冷却空気導入部12には、室内に向けて冷却空気を送り出す冷却用ファン12aが取り付けられている。一方、冷蔵室11の背面側壁面11aの上部には冷蔵室11内の温風を排出する温風排出口13が開口している。また冷蔵室11の背面側壁面11aの外側には、同壁面11aとの間で、前記温風排出口13と前記冷却空気導入部12とをつなぐダクト14が形成され、冷蔵室11の内外を空気が循環する空気循環路を形成している。
【0021】
前記ダクト14の下半部は第1均熱板15により構成されており、その第1均熱板15の下部を上記冷却空気導入部12に対向させている。本実施例にあっては、前記第1均熱板15としてヒートパイプ構造を備えた薄板材(以下、ヒートプレートという。)が使われている。更に、この第1均熱板15の下部の前記冷却空気導入部12に対向する領域には、同冷却空気導入部12に向けて多数のフィン15aが突設されている。これは、特に空気を効率的に冷却するため、空気との接触面積を更に大きくするためである。このヒートプレートは市販されており、その熱輸送の基本原理は通常のヒートパイプと同様である。その熱輸送能力は、通常の金属などと異なりパイプの内外の温度差が僅かであっても、大量の熱を効果的に輸送する。一枚の金属板に単にフィンを形成しても、その冷却能力はフィンの突出長さによって律則されるため、突出長さが規制されある長さ以上に長くすることはできないが、特にこのヒートプレートを採用するときは、そのフィンの突出長さに制限されない。
【0022】
その構造と原理を図2の概念図に従って簡単に説明すると、ヒートプレートは図示せぬアルミニウム製の薄板材の間に、例えばフロリナート(米国、スリーエム社の商品名)のような作動流体を封入したヒートパイプ1が連続して配されており、その蒸発部2で受熱すると、作動液が核沸騰して気相が凝縮部3へと移動する。この気相の移動を利用して潜熱が輸送され、凝縮部3で気相が凝縮して放熱する。この凝縮した作動液は毛管現象を利用して受熱部2へと戻る。この作動液が変化して循環する間に、液相は自励振動を繰り返しながら顕熱を輸送する。
【0023】
本実施例にあっては、さらに前記第1均熱板15とは別の第2の均熱板16を、その上端部を冷蔵庫10の背面上部に形成された熱風放出口17に臨ませるとともに、同均熱板16の下端部を上記第1均熱板15の上端部に対向させて、冷蔵庫10の内壁に設けられた図示せぬ支持部により支持している。この第2均熱板16も上記第1均熱板15と同様の構造をもつヒートプレートを採用しており、前記熱風放出口17に相対する領域には、第1均熱板15と同様に冷却フィン16aが形成されている。これらの冷却フィン15a,16aはヒートプレートにロウ付けや半田付けなどにより一体化している。また、前記熱風放出口17には、庫内から庫外に向けて空気を送り出す放熱用ファン18が取り付けられている。
【0024】
また、同第2均熱板16の下端部の庫内側表面には多数の熱電変換素子が組み合わされた熱電変換素子モジュール19の放熱側電極19aが半田付け20により直接固着されている。更に、この熱電変換素子モジュール19の吸熱側電極19bは上記第2均熱板15の上端部背面と、例えばシリコーングリース21を介して接続されている。熱電変換素子モジュール19と各均熱板15,16との接続は、接触熱抵抗を小さくする点では半田付けによる方が好ましい、両均熱板15,16を熱電変換素子モジュール19の吸熱側及び放熱側の各電極19b,19aに半田付けにより固着すると、低温側電極と高温側電極との間の熱膨張差に基づき熱電変換素子モジュール19或いは第1及び第2均熱板15,16を破損させかねない。そこで、本実施例では熱電素子自体の発熱による熱量と温風からの吸熱量とを同時に輸送しなければならない第2均熱板16を熱電変換素子モジュール19の放熱側電極19aとを半田付けで固着して熱抵抗を小さくさせている。
【0025】
また冷蔵庫10の背面壁部にあって、熱電変換素子モジュール19が固着されている領域に対応する部分に外気を導入する外気導入口22が形成されており、同外気導入口22と上記熱風放出口17とを庫内で連通させて、外気導入用のダクト23を形成している。この外気導入用用ダクト23は、その殆どが上記第2均熱板16の背面と冷蔵庫10の背面側内壁面との間の空間により形成される。その結果、高温とされた第2均熱板16の背面側表面には、前記熱風放出口17に取り付けられた放熱用ファン18を作動させることにより、大量の外気を導入して第2均熱板16に接触させて冷却し、第2均熱板16の熱輸送を促進させるようにしている。この大量の熱輸送を更に促進させるには、第2均熱板16の空気との接触面積を上記第1均熱板15の空気との接触面積よりも相対的に大きく設定する。
【0026】
上記熱電変換素子モジュール19の構成は、図3に示すように、多数個のp型熱電変換素子19cとn型熱電変換素子19dとを、例えば銅のプレート片からなる放熱側電極19aと吸熱側電極19bとを半田付けなどで接続して構成されている。そして、図示しない制御回路から所要の電流を流すことにより、放熱側電極19aと吸熱側電極19bとの間に温度差を生じさせ、放熱側電極19aに固着tれた第2均熱板16と吸熱側電極19bに接続された第1均熱板15との間で熱交換を行なわせる。
【0027】
かかる構成を備えた本実施例による電子冷蔵庫10にあっては、電源を入れると所定の電力が熱電変換素子モジュール19に投入されると同時に冷却用ファン12a及び放熱用ファン18を作動させる。熱電変換素子モジュール19に電流が流れると、第1の均熱板15に接触する空気中の熱を吸収して、その熱量を吸熱側電極19bから放電側電極19aへと移動させ、第2均熱板16を通ってその上端部熱風放出口17から冷蔵庫外へと放熱させる。
【0028】
このとき、同時に冷却用ファン12aが作動しており、冷蔵室内で温められた空気は第1均熱板15により冷却され、前記冷却用ファン12aを介して冷蔵室11の下部から内部に導入され、冷蔵室内で温められたのち、冷蔵室上部の温風排出口13からダクト14を通って下方に流れて第1均熱板15に接触して冷却される。これを繰り返して、冷蔵室内の温度を設定温度に制御される。このときの温度制御は、冷蔵室内の任意の位置に設置した図示せぬ温度検出器により検出された温度データに基づき、図示せぬ制御部からの指令により、熱電変換素子モジュール19に投入される電流の量を変化させ、或いは熱電変換素子モジュール19に投入する電力の入/切操作をすることによりなされる。
【0029】
また同時に、冷蔵庫10の背面上部に形成された熱風放出口17に取り付けられた放熱用ファン18も作動しており、熱電変換素子モジュール19の放熱側電極19bを介して第2均熱板16を輸送される熱量は、外気導入用ダクト23を通り第2均熱板16で温められた外気と共に熱風放出口17から積極的に外気中へと放出し続ける。前記外気通路23と庫内に形成された冷却用のダクト14とは熱的に遮断されているため、庫内を循環する冷却空気に対する放熱空気の熱的な影響が完全に遮断されることになる。
【0030】
図4は、本発明による別の実施例を示している。この実施例は、通常の冷蔵室の他に冷凍室を独立して備えた電子冷蔵庫110である。このように、本発明は冷却温度の異なる2以上の冷却領域を備えた電子冷蔵庫をも対象としている。ただし、例示する電子冷蔵庫110は冷蔵室111と冷凍室112とが独立しているが、更に冷蔵室内を通常の冷蔵室と野菜や精肉などの生鮮食品を貯蔵するチルト室とを仕切り壁を介することなく、それぞれの室内に見合った温度の冷却空気を、個々の冷却領域に送り込むようにすることも可能である。
【0031】
図示例による電子冷蔵庫110にあっては、上部に配された冷蔵室111と下部に配された冷凍室112とが独立している。各冷蔵室111と冷凍室112の背面側には本実施例による冷却機構が配されている。冷蔵室111の冷却機構は上記第1実施例と同様の機構から構成されており、その上部背面側壁部に温風排出口111aが形成され、同温風排出口111aは冷蔵室111の下部背面側壁部に形成された冷却空気導入口111bとダクト113を介して連通している。冷却空気導入口111bには、冷蔵室111内に冷却空気を送り込むための第1冷却用ファン114が取り付けられている。前記ダクト113の背面部の大部分は第3の均熱板であるヒートプレート115の吸熱面(蒸発部)から構成されている。
【0032】
この第3のヒートプレート115は、上記第1実施例における第1均熱板15よりも上下寸法を長く設定されており、その中間部の吸熱面には温風との接触面積を増加するために多数の第1冷却フィン115aが突設されている。この冷却フィン115aが突設された領域のヒートプレート115の背面部には、上記第1実施例と同様に、第1の熱電変換素子モジュール119の吸熱側電極119bが、放熱のための第2均熱板たる第1ヒートプレート116の下端部とグリースを介して接続されている。冷蔵庫110の上部背面側壁部には熱風放出口110aが形成され、同熱風放出口110aには放熱用ファン118が取り付けられており、この熱風放出口110aは外気導入用ダクト通路118aを介して外気導入口118bに連通させている。
【0033】
更に本実施例にあっては、図4に示すように、前記第3ヒートプレート115の下端部前面に、第2の熱電変換モジュール120の放熱側電極120aを半田付けにより固着している。この第2の熱電変換モジュール120の吸熱側電極120bは第1の均熱板である第1ヒートプレート117の背面の一部が半田付けにより固着されており、この第1ヒートプレート117の第2熱電変換モジュール120が接合された領域の前面にも、第1の多数の冷却フィン117aが突設されている。そして、前記第1ヒートプレート117の前面に上記冷凍室112が配されている。すなわち、本実施例では上記第3均熱板である第3ヒートプレート115を、上記第1実施例における第1均熱板と第2均熱板との間に介装して、それぞれの均熱板を第1及び第2の熱電変換モジュール119及び120を介して直列的に接続している。
【0034】
上記冷凍室112は、その上部背面壁部に温風排出口112aが形成され、その下部背面壁部に冷却空気導入口112bが形成されており、同冷却空気導入口112bと温風排出口112aとの間はダクト121をもって連結され冷却空気の循環通路を形成している。このダクト121の背面側壁面の大部分は上記第1ヒートプレート117の吸熱面により構成されている。前記冷却空気導入口112bには冷却空気を冷凍室112に積極的に送り込むための第2冷却用ファン122が取り付けられている。このように、冷凍室112の構造は上記冷蔵室111と実質的に変わるところはないが、その容量が小さいことと、後述するように、第1熱電変換素子モジュール119による吸熱作用の一部が活用できるため、第2熱電変換素子モジュール120の吸熱量を単一の熱電変換素子をもって冷却するときの吸熱量よりも少なくすることができる。
【0035】
本実施例による電子冷蔵庫110の冷蔵室111及び冷凍室112の冷却は、図示せぬ電源を入れることにより、第1及び第2の冷却用ファン114,122が作動を開始するとともに、第1及び第2の熱電変換素子モジュール119,120にそれぞれ所定量の電流が流れる。各熱電変換素子モジュール119,120は、それぞれの吸熱側電極119b及び120bに接続された第3ヒートプレート115と第1ヒートプレート117を介して第1ダクト113及び第2ダクト121内を流れる温風を冷却し、第1及び第2の冷却用ファン114,122の作動により、それぞれ冷蔵室111及び冷凍室112に冷却空気が送り込まれる。各第1および第3のヒートプレート117,115が吸収した熱量と、第1及び第2の熱電変換素子119及び120から発生する熱量とは、ともに第2の均熱板である第2のヒートプレート116を輸送され外部へと放熱される。
【0036】
この冷却にあたり、冷蔵室111は単に第1の熱電変換素子モジュール119の吸熱により冷却されるが、冷凍室112は第2の熱電変換素子モジュール120による冷却に、第1の熱電変換素子モジュール119による冷却が加わるため、冷蔵室111と冷凍室112とを独立する熱交換装置をもって単独に冷却する場合に較べて、効率的な冷却が可能となる。例えば、冷凍室112の室内を素早く冷凍温度まで下げたいときには、同冷蔵室用の第1冷却用ファン114を止めれば、第1及び第2の熱電変換素子モジュール119及び120による冷却能力の全てが冷凍室120の室内に向けられることになり、或いは冷凍室12の室内を解凍するときには、冷凍室専用の第2の冷却用ファン122の作動を停止させると共に、第2の熱電変換素子モジュール120に投入する電力を切ることにより、冷蔵室111の冷却を持続させたまま、無理なく解凍することができると同時に、節電にもつながる。
【0037】
図5は、本発明の第3実施例による電子冷蔵庫の概略構成を示している。この実施例にあっても、上記第2実施例と同様に、冷却温度の異なる2以上の冷却領域を備えた電子冷蔵庫に関するものである。第1実施例と異なるところは、上記第3ヒートプレート115に代えて液冷式熱交換装置を使っている点である。本実施例にあっては、冷蔵室151が冷蔵庫150の下部に配され、冷凍室152が冷蔵室151の上部に配されている。冷凍室152の構造は上記第2実施例の冷凍室112と実質的に変わるところがない。一方、冷蔵室151は背面に温風排出口や冷却空気の導入口が形成されておらず、図示せぬ前面の開閉扉が閉鎖状態にあるときは、完全な密封空間となる。
【0038】
また、上記第1実施例及び第2実施例にあっては、冷蔵庫10及び110の背面壁部の上部に熱風放出口10a,110aが形成されているが、本実施例では熱風放出口150aは冷蔵庫150の背面壁部の上下方向中間部に形成されている。勿論、後述する第2均熱板である第2ヒートパイプ156の上端を冷蔵庫150の上壁の近くまで延設する場合には、前記熱風放出口150aを第2ヒートパイプ156の上端部と対向する部位に形成することもできる。冷蔵庫内の背面側空間部に前記第2ヒートパイプ156が配されている。この第2ヒートパイプ156の上端部には、背面方向に多数の放熱フィン156aが突設されており、同放熱フィン156aを前記熱風放出口150aに対向させている。
【0039】
第2ヒートパイプ156の下端部前面には第1の熱電変換素子モジュール159の放熱側電極159aが半田により固着されており、その吸着側電極159bはグリースを介して第1の液冷式熱交換器160に接合されている。一方、上記冷凍室152の背面側ダクト161の下端には第1の均熱板である第1ヒートプレート155が配されており、その下端部の背面にグリースを介して第2の熱電変換素子モジュール162の吸熱側電極162bが接合されている。この第2熱電変換素子モジュール162の放熱側電極162aは第2の液冷式熱交換器163と半田により固着一体化されている。
【0040】
前記第1液冷式熱交換器160の冷媒液導入口と第2液冷式熱交換器163の冷媒液排出口との間はポンプ164を介して第1及び第2の配管165,166により接続されており、第1液冷式熱交換器160の冷媒液排出口と第2液冷式熱交換器163の冷媒液導入口との間を第3の配管167により接続させている。この第3の配管167は、図示は省略しているがジグザグ状に形成されており、これを上記冷蔵室151の背面に半田付けやロウ付けにより直接固着させている。
【0041】
以上の構成を備えた本実施例による電子冷蔵庫150に電源を投入すると、冷凍室152の冷却用ファン153、放熱用ファン158及びポンプ164が作動を開始するとともに、第1及び第2の熱電変換素子モジュール159,162に所定量の電流が流れる。第1熱電変換素子モジュール159は第1液冷式熱交換器160の内部を流れる冷媒液から熱を吸収して、同冷媒液を冷却し、ポンプ164により第3の配管167を介して上記第2液冷式熱交換器163に送り込む。このとき、第3の配管167を流れる冷却された冷媒液は、同配管167を介して冷蔵室151の背面を直接冷却し、同冷蔵室151の内部を冷却する。
【0042】
一方、第2熱電変換素子モジュール162は、第1のヒートプレート155の凝縮部から熱を吸収して冷却し、冷凍室152の内部を冷却すると同時に、その吸収した熱量と第2熱電変換素子モジュール162自体が発生させる熱量とを放熱させて、第2液冷式熱交換器163の内部を流れる冷媒液を温める。従って、この第2液冷式熱交換器163に導入される冷媒液は、冷蔵室151及び冷凍室152とを冷却するために吸収した熱量と第2熱電変換素子モジュール162自体が発生させる熱量により温められて相当に高温となる。
【0043】
こうして高温となった冷媒液は、ポンプ164により第1液冷式熱交換器160に強制的に送り込まれ、上述のように冷却されて冷蔵室151を冷却する。この第1液冷式熱交換器160を流れる冷媒液を冷却するため吸収した熱量と第1熱電変換素子モジュール159自体が発生する熱量は第1熱電変換素子モジュール159の放電側電極159aから放熱され、その熱量を第2のヒートパイプ156の上端部の凝縮部に輸送して、放熱用ファン158によって冷蔵庫から外部へと積極的に放熱させる。
【0044】
本実施例にあっては、冷凍室152の内部を解凍しようとしたり、或いは冷蔵室151の室内温度を更に下げたいときは、冷凍室152の冷却用ファン153の作動を停止させるとともに、第2熱電変換素子モジュール162に投入する電力を切ることにより、第1熱電変換素子モジュール159の全吸熱能力を冷蔵室151の冷却のために使われるようになり、冷凍室152の内部を解凍が可能となると同時に、冷蔵室151の室内温度を急速に低下させることができる。
【0045】
なお、以上は本発明の好適な実施例を例示したものであり、これらに限定されるものでないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において任意に変更し得るものである。例えば、上記第2及び第3実施例では冷蔵室と冷凍室を設けているが、更に生鮮食品類を保存するチルト室などを設けることもでき、また各室を独立して設けずに例えば冷蔵室とチルト室とを連通させて冷蔵領域及びチルト領域を連続して設けるようにすることができる。これらの場合、それぞれの冷却室又は冷却領域ごとに対応する熱電素子変換モジュールを設けるとともに、その冷却部を設けるようにすることが好ましい。更には、均熱板はヒートパイプに限らず、例えばアルミ板や銅板などの熱伝導率の高い金属板を使うこともできる。また、均熱板の枚数も液冷式熱交換器の個数も更に増やすことが可能であり、それらを冷却領域の要求により均熱板又は液冷式熱交換器のいずれかを選択して、これらを任意に組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である電子冷蔵庫の内部構造を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明に適用される均熱板の一種であるヒートプレートの構造と作動原理を概念的に示す説明図である。
【図3】本発明に適用される熱電変換素子モジュールの概略構造図である。
【図4】本発明の第2実施例である電子冷蔵庫の内部構造を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の第3実施例である電子冷蔵庫の内部構造を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヒートプレート(ヒートパイプ)
2 蒸発部
3 凝縮部
10,110,150 電子冷蔵庫
10a (冷蔵庫の)背面側壁面
11,111,151 冷蔵室
11a (冷蔵室の)背面側壁面
12 冷却空気導入部
12a,114,122,153 冷却用ファン
13,111a,112a 温風排出口
14,113,121,161 ダクト
15,117,155 第1均熱板(ヒートプレート)
15a,115a,117a,155a 冷却フィン
16,116,156 第2均熱板(ヒートプレート)
16a,116a,156a 熱風放熱フィン
17,110a,150a 熱風放出口
18,118,158 放熱用ファン
19,119,159 第1熱電変換素子モジュール
19a,119a,120a,
159a,162a 放熱側電極
19b,119b,120b,
159b,162b 吸熱側電極
19c p型熱電変換素子
19d n型熱電変換素子
20 半田付け
21 グリース
23,118a 外気導入用ダクト
112,152 冷凍室
115 第3均熱板(ヒートプレート)
118b 外気導入口
160,163 第1及び第2の液冷式熱交換器
164 ポンプ
165〜167 第1〜第3の配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の加熱/冷却素子である熱電変換素子が組み込まれた熱電変換素子モジュールを用いた電子温調庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気エネルギーを熱エネルギーに変換する熱電変換素子を利用すれば、対象物を電子的に冷却又は加熱できることが知られている。近年、その機能を利用して、冷媒ガスに代わり熱電変換素子を冷却手段として採用されたクールボックスや小型冷蔵庫、或いは加温ボックスや小型加熱庫などの電子温調庫が開発されている。
【0003】
この熱電変換素子を使用した熱交換器は、例えばアルミニウムからなる吸熱板と放熱フィンとの間に多数の熱電変換素子からなる熱電変換素子モジュールを介装した構造を備えている。熱電変換素子モジュールは、多数個のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子とが交互に配され、その表裏面に例えば銅製の電極を交互に順次接続して構成されている。各電極に流す電流の方向を逆に変えれば、一面側の電極面が放熱面から吸熱面へと変わるため、その熱電変換素子モジュールの放熱面又は吸熱面を温調領域に向けるとともに、その吸熱面又は放熱面を庫外に向けて配すようにすれば、庫内を加熱又は冷却することができる。
【0004】
例えば、特開平8−242022号公報によれば、吸熱板及び放熱フィンの熱電変換素子モジュールと対向する面には、放熱側電極間及び吸熱側電極間を絶縁するために、それぞれアルマイトからなる薄い絶縁層が、陽極酸化法等によって形成される。吸熱板及び放熱フィンの熱膨張差の影響を避けるため、熱電変換素子モジュールを挟んで配される吸熱板及び放熱フィンの各絶縁層と各電極との間に、高熱伝導性のシリコングリースを介在させ、或いは一方の絶縁層と電極とを接着剤や半田により接合一体化している。熱電変換素子モジュールに電流を流して、放熱側電極と吸熱側電極との間に温度差を生じさせ、吸熱体と放熱フィンとの間で熱交換が行なわれる。
【0005】
特に、同公報の図50及び図51に示された第3実施例の説明によると、複数の熱伝変換素子モジュールの吸熱側電極面を庫内に向けて配するとともに、その放熱側電極面を庫外のダクトに配されているヒートパイプの板状受熱部にグリースや伝熱ゲルを介して取り付けている。このヒートパイプは前記受熱部からダクトの上流側に延設されており、その延設側の上端部に接続されたフィン付き放熱部が前記ダクトを傾斜して横切るように配した電子冷蔵庫が開示されている。この実施例によれば、ヒートパイプの内部にウィックを形成したヒートパイプ中に揮発性の作動媒体が封入され、この作動媒体が蒸発と凝縮とを繰り返すことにより、熱伝変換素子モジュールからの熱を吸熱して放散することができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この公報の第3実施例のごとき従来技術では、冷蔵庫の庫内の温まった空気の熱量を熱電変換素子モジュールの吸熱側電極面から吸収して、熱輸送の優れたヒートパイプから効率的に外部に放熱することができるため、熱の交換効率を高めることができる。しかしながら、この公報の前記実施例では、温熱を吸収する肝心の熱電変換素子モジュールの吸熱側電極面には格別の注意がなされておらず、単に同電極面を庫内に露呈しているだけであるため、特に熱伝達性に乏しい空気中から効率的に熱吸収がなされにくく、効率的な冷却を行うことができない。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、具体的には熱電変換素子をもって効率的な冷却を可能とする経済的な電子冷蔵庫を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
かかる目的は、本願第1発明の構成である熱電変換素子モジュールを用いた温調庫であって、1以上の熱電変換素子モジュールの最も庫外側の電極面と最も温調領域側の電極面とが、各電極面の面積よりも大きな面積をもつ均熱板を備えてなることを特徴とする電子温調庫により効果的に達成される。
【0009】
かかる構成によれば、1以上の熱電変換素子モジュールが配された温調庫内にあって、同温調庫内の最も庫外側に面している熱電変換素子モジュールの電極面と、温調庫内にあって最も温調しようとする領域に面している熱電変換素子モジュールの電極面との、それぞれに各電極面よりも大幅に大きな空気との接触面積をもち、伝熱性能に優れた、例えば銅板やアルミ板、或いは平板状のヒートパイプなどの均熱板を接合して一体化する。この接合にあたって、同一の熱電変換素子の表裏にそれぞれ均熱板を接合一体化する場合には、放熱側電極面と均熱板との接合は伝熱抵抗の小さい半田により接合一体化することが好ましく、吸熱側電極面と均熱板との接合には、熱電変換素子モジュールと均熱板との相対的な移動を許容するグリース類が好適である。
【0010】
放熱側電極に接合一体化される均熱板は、通電により熱電変換素子モジュール自体が発生する熱量と、庫内で温められた空気から吸収した熱量とを、効率的に放熱するための放熱板の機能を備えている。そのため、放熱側電極から均熱板への熱の移動が速やかになされるには、上述のごとく伝熱抵抗の小さい半田により接合一体化することが好ましく、その放熱機能を更に増加させるには、同均熱板の一部に多数のフィンが形成されていることが好ましい。このフィンの形成は、吸熱側電極に接合される均熱板についても同様である。また、温調庫内の最も庫外側に面している均熱板と、温調庫内にあって最も温調しようとする領域に対面している均熱板とは、熱接触を起こさないように熱的に遮断されていることが好ましい。
【0011】
かかる構成によって、熱電変換素子の放熱側電極及び吸熱側電極のいずれにも大きな面積をもち熱伝性能に優れた均熱板が接合一体化されているため、熱電変換素子モジュールの電極面が接触する空気量とは比較できないほどの広い領域において多くの空気と接触するようになるため、単に放熱量に止まらず、同時に吸熱量をも大幅に増加させることができ、熱交換効率も大幅に向上される。
【0012】
ところで、温調庫には温度差が要求される2以上の冷却又は加熱領域を備えている場合がある。例えば、通常の冷蔵室と冷凍室のごとく温度差の大きな冷却領域を部屋ごとに仕切っている場合や、あるいは通常の冷蔵領域と野菜などの生鮮食品専用のチルト領域とを仕切ることなく連続させて設ける場合などがある。本願第2発明は、こうした庫内が冷却又は加熱温度差をもつ2以上の冷却/加熱領域を有している場合に好適に適用できる発明である。
【0013】
すなわち、その構成は熱電変換素子モジュールを用いた温調庫であって、複数の前記熱電変換素子モジュールと、複数の異なる温度調整領域とを備えており、前記複数の熱電変換素子モジュールが、全ての温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールと、1つの温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールとに振り分けられていることを特徴とする電子温調庫にある。
【0014】
複数の熱電変換素子モジュールが、全ての温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールと1つの温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールとに振り分ける具体的な手法としては、例えば複数の均熱板を用意して、それらの均熱板を複数の熱電変換素子モジュールの表裏電極面にそれぞれ順次接合させながら直列的に連結して配する。そして、各均熱板の一面を温度差のある複数の温調領域に向けるようにする。かかる構成を採用することにより、末端に配された均熱板は、その背面に接合された熱電変換素子モジュールにより冷却又は加熱されるとき、その前段に配された熱電変換素子モジュールにより冷却された前段の各均熱板による冷却と相まって、末端に配された前記均熱板に接触する空気を更に効果的に冷却又は加熱する。
【0015】
このように、空気の下流側に向けて直列的に配される複数の均熱板による冷却又は加熱能力は、空気の下流側に進むに連れてより高くなり、温度差の必要な各温調領域に適した調節温度が効率的に得られる。また、全体として投入電力が同一である場合に、所望の温調領域への冷却又は加熱空気の導入部を閉鎖すれば、その領域以降の下流側の温調空気の温調能力を増加させることができ、その下流側の温調領域を一時的に更に低温又は高温に調節することができる。
【0016】
こうした調節温度差のある複数の領域を温調するために、本発明にあっては他の温調手段として、熱媒液の循環系を備えた1以上の熱媒液による熱交換手段を併用することも可能である。そして、これら熱交換手段を途中に配された1以上の熱電変換素子モジュールに接続する。この場合、熱媒液を循環系に積極的に流して循環させると、熱電変換素子モジュールを介して前記均熱板を配した以上の能力が発揮され効率的に熱交換される。
【0017】
かかる構成によっても、循環系を流れる熱媒液は上流側から下流側に配された熱電変換素子により、下流側の温調領域に進むに従って順次強力に温調されていき、その温調温度は漸次変化して、各温調領域に見合った温調が可能となる。
さらに本発明にあっては、上述の構成に代えて冷却対象となる領域の要求温度に合わせて均熱板と液冷式熱交換手段とを任意に配列して、それらの接続部のそれぞれに熱電変換素子モジュールを介装することもできる。
【0018】
本発明における前記均熱板がヒートパイプ構造を備えていることが好ましい。上記各均熱板は、既述したとおり伝熱抵抗が小さい程よく、例えば銅板やアルミ板であってもよいが、最も好ましいのは熱輸送方向が制御できると同時に、その熱輸送量が通常の銅板やアルミ板と比較すると大幅に大きいヒートパイプ構造を採用することが望ましい。この場合、前記ヒートパイプ構造として外観が薄板状のヒートパイプを使えば、加工が容易性であること、また吸熱及び放熱面積を大きくとることができるため好ましく、更にはその吸熱部と放熱部とをそれぞれフィン構造として空気との接触面積を増加させることもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の代表的な実施形態である小型の電子冷蔵庫を図示実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明の温調庫は、投入電力の方向を変えれば冷蔵庫あるいは加熱庫とすることができる。
図1は本発明の第1実施例による小型電子冷蔵庫の内部構成を概略的に示す説明図である。
【0020】
この実施例による電子冷蔵庫10は、冷蔵室11の背面側壁面11aの下部を開口させて冷却空気導入部12を形成している。この冷却空気導入部12には、室内に向けて冷却空気を送り出す冷却用ファン12aが取り付けられている。一方、冷蔵室11の背面側壁面11aの上部には冷蔵室11内の温風を排出する温風排出口13が開口している。また冷蔵室11の背面側壁面11aの外側には、同壁面11aとの間で、前記温風排出口13と前記冷却空気導入部12とをつなぐダクト14が形成され、冷蔵室11の内外を空気が循環する空気循環路を形成している。
【0021】
前記ダクト14の下半部は第1均熱板15により構成されており、その第1均熱板15の下部を上記冷却空気導入部12に対向させている。本実施例にあっては、前記第1均熱板15としてヒートパイプ構造を備えた薄板材(以下、ヒートプレートという。)が使われている。更に、この第1均熱板15の下部の前記冷却空気導入部12に対向する領域には、同冷却空気導入部12に向けて多数のフィン15aが突設されている。これは、特に空気を効率的に冷却するため、空気との接触面積を更に大きくするためである。このヒートプレートは市販されており、その熱輸送の基本原理は通常のヒートパイプと同様である。その熱輸送能力は、通常の金属などと異なりパイプの内外の温度差が僅かであっても、大量の熱を効果的に輸送する。一枚の金属板に単にフィンを形成しても、その冷却能力はフィンの突出長さによって律則されるため、突出長さが規制されある長さ以上に長くすることはできないが、特にこのヒートプレートを採用するときは、そのフィンの突出長さに制限されない。
【0022】
その構造と原理を図2の概念図に従って簡単に説明すると、ヒートプレートは図示せぬアルミニウム製の薄板材の間に、例えばフロリナート(米国、スリーエム社の商品名)のような作動流体を封入したヒートパイプ1が連続して配されており、その蒸発部2で受熱すると、作動液が核沸騰して気相が凝縮部3へと移動する。この気相の移動を利用して潜熱が輸送され、凝縮部3で気相が凝縮して放熱する。この凝縮した作動液は毛管現象を利用して受熱部2へと戻る。この作動液が変化して循環する間に、液相は自励振動を繰り返しながら顕熱を輸送する。
【0023】
本実施例にあっては、さらに前記第1均熱板15とは別の第2の均熱板16を、その上端部を冷蔵庫10の背面上部に形成された熱風放出口17に臨ませるとともに、同均熱板16の下端部を上記第1均熱板15の上端部に対向させて、冷蔵庫10の内壁に設けられた図示せぬ支持部により支持している。この第2均熱板16も上記第1均熱板15と同様の構造をもつヒートプレートを採用しており、前記熱風放出口17に相対する領域には、第1均熱板15と同様に冷却フィン16aが形成されている。これらの冷却フィン15a,16aはヒートプレートにロウ付けや半田付けなどにより一体化している。また、前記熱風放出口17には、庫内から庫外に向けて空気を送り出す放熱用ファン18が取り付けられている。
【0024】
また、同第2均熱板16の下端部の庫内側表面には多数の熱電変換素子が組み合わされた熱電変換素子モジュール19の放熱側電極19aが半田付け20により直接固着されている。更に、この熱電変換素子モジュール19の吸熱側電極19bは上記第2均熱板15の上端部背面と、例えばシリコーングリース21を介して接続されている。熱電変換素子モジュール19と各均熱板15,16との接続は、接触熱抵抗を小さくする点では半田付けによる方が好ましい、両均熱板15,16を熱電変換素子モジュール19の吸熱側及び放熱側の各電極19b,19aに半田付けにより固着すると、低温側電極と高温側電極との間の熱膨張差に基づき熱電変換素子モジュール19或いは第1及び第2均熱板15,16を破損させかねない。そこで、本実施例では熱電素子自体の発熱による熱量と温風からの吸熱量とを同時に輸送しなければならない第2均熱板16を熱電変換素子モジュール19の放熱側電極19aとを半田付けで固着して熱抵抗を小さくさせている。
【0025】
また冷蔵庫10の背面壁部にあって、熱電変換素子モジュール19が固着されている領域に対応する部分に外気を導入する外気導入口22が形成されており、同外気導入口22と上記熱風放出口17とを庫内で連通させて、外気導入用のダクト23を形成している。この外気導入用用ダクト23は、その殆どが上記第2均熱板16の背面と冷蔵庫10の背面側内壁面との間の空間により形成される。その結果、高温とされた第2均熱板16の背面側表面には、前記熱風放出口17に取り付けられた放熱用ファン18を作動させることにより、大量の外気を導入して第2均熱板16に接触させて冷却し、第2均熱板16の熱輸送を促進させるようにしている。この大量の熱輸送を更に促進させるには、第2均熱板16の空気との接触面積を上記第1均熱板15の空気との接触面積よりも相対的に大きく設定する。
【0026】
上記熱電変換素子モジュール19の構成は、図3に示すように、多数個のp型熱電変換素子19cとn型熱電変換素子19dとを、例えば銅のプレート片からなる放熱側電極19aと吸熱側電極19bとを半田付けなどで接続して構成されている。そして、図示しない制御回路から所要の電流を流すことにより、放熱側電極19aと吸熱側電極19bとの間に温度差を生じさせ、放熱側電極19aに固着tれた第2均熱板16と吸熱側電極19bに接続された第1均熱板15との間で熱交換を行なわせる。
【0027】
かかる構成を備えた本実施例による電子冷蔵庫10にあっては、電源を入れると所定の電力が熱電変換素子モジュール19に投入されると同時に冷却用ファン12a及び放熱用ファン18を作動させる。熱電変換素子モジュール19に電流が流れると、第1の均熱板15に接触する空気中の熱を吸収して、その熱量を吸熱側電極19bから放電側電極19aへと移動させ、第2均熱板16を通ってその上端部熱風放出口17から冷蔵庫外へと放熱させる。
【0028】
このとき、同時に冷却用ファン12aが作動しており、冷蔵室内で温められた空気は第1均熱板15により冷却され、前記冷却用ファン12aを介して冷蔵室11の下部から内部に導入され、冷蔵室内で温められたのち、冷蔵室上部の温風排出口13からダクト14を通って下方に流れて第1均熱板15に接触して冷却される。これを繰り返して、冷蔵室内の温度を設定温度に制御される。このときの温度制御は、冷蔵室内の任意の位置に設置した図示せぬ温度検出器により検出された温度データに基づき、図示せぬ制御部からの指令により、熱電変換素子モジュール19に投入される電流の量を変化させ、或いは熱電変換素子モジュール19に投入する電力の入/切操作をすることによりなされる。
【0029】
また同時に、冷蔵庫10の背面上部に形成された熱風放出口17に取り付けられた放熱用ファン18も作動しており、熱電変換素子モジュール19の放熱側電極19bを介して第2均熱板16を輸送される熱量は、外気導入用ダクト23を通り第2均熱板16で温められた外気と共に熱風放出口17から積極的に外気中へと放出し続ける。前記外気通路23と庫内に形成された冷却用のダクト14とは熱的に遮断されているため、庫内を循環する冷却空気に対する放熱空気の熱的な影響が完全に遮断されることになる。
【0030】
図4は、本発明による別の実施例を示している。この実施例は、通常の冷蔵室の他に冷凍室を独立して備えた電子冷蔵庫110である。このように、本発明は冷却温度の異なる2以上の冷却領域を備えた電子冷蔵庫をも対象としている。ただし、例示する電子冷蔵庫110は冷蔵室111と冷凍室112とが独立しているが、更に冷蔵室内を通常の冷蔵室と野菜や精肉などの生鮮食品を貯蔵するチルト室とを仕切り壁を介することなく、それぞれの室内に見合った温度の冷却空気を、個々の冷却領域に送り込むようにすることも可能である。
【0031】
図示例による電子冷蔵庫110にあっては、上部に配された冷蔵室111と下部に配された冷凍室112とが独立している。各冷蔵室111と冷凍室112の背面側には本実施例による冷却機構が配されている。冷蔵室111の冷却機構は上記第1実施例と同様の機構から構成されており、その上部背面側壁部に温風排出口111aが形成され、同温風排出口111aは冷蔵室111の下部背面側壁部に形成された冷却空気導入口111bとダクト113を介して連通している。冷却空気導入口111bには、冷蔵室111内に冷却空気を送り込むための第1冷却用ファン114が取り付けられている。前記ダクト113の背面部の大部分は第3の均熱板であるヒートプレート115の吸熱面(蒸発部)から構成されている。
【0032】
この第3のヒートプレート115は、上記第1実施例における第1均熱板15よりも上下寸法を長く設定されており、その中間部の吸熱面には温風との接触面積を増加するために多数の第1冷却フィン115aが突設されている。この冷却フィン115aが突設された領域のヒートプレート115の背面部には、上記第1実施例と同様に、第1の熱電変換素子モジュール119の吸熱側電極119bが、放熱のための第2均熱板たる第1ヒートプレート116の下端部とグリースを介して接続されている。冷蔵庫110の上部背面側壁部には熱風放出口110aが形成され、同熱風放出口110aには放熱用ファン118が取り付けられており、この熱風放出口110aは外気導入用ダクト通路118aを介して外気導入口118bに連通させている。
【0033】
更に本実施例にあっては、図4に示すように、前記第3ヒートプレート115の下端部前面に、第2の熱電変換モジュール120の放熱側電極120aを半田付けにより固着している。この第2の熱電変換モジュール120の吸熱側電極120bは第1の均熱板である第1ヒートプレート117の背面の一部が半田付けにより固着されており、この第1ヒートプレート117の第2熱電変換モジュール120が接合された領域の前面にも、第1の多数の冷却フィン117aが突設されている。そして、前記第1ヒートプレート117の前面に上記冷凍室112が配されている。すなわち、本実施例では上記第3均熱板である第3ヒートプレート115を、上記第1実施例における第1均熱板と第2均熱板との間に介装して、それぞれの均熱板を第1及び第2の熱電変換モジュール119及び120を介して直列的に接続している。
【0034】
上記冷凍室112は、その上部背面壁部に温風排出口112aが形成され、その下部背面壁部に冷却空気導入口112bが形成されており、同冷却空気導入口112bと温風排出口112aとの間はダクト121をもって連結され冷却空気の循環通路を形成している。このダクト121の背面側壁面の大部分は上記第1ヒートプレート117の吸熱面により構成されている。前記冷却空気導入口112bには冷却空気を冷凍室112に積極的に送り込むための第2冷却用ファン122が取り付けられている。このように、冷凍室112の構造は上記冷蔵室111と実質的に変わるところはないが、その容量が小さいことと、後述するように、第1熱電変換素子モジュール119による吸熱作用の一部が活用できるため、第2熱電変換素子モジュール120の吸熱量を単一の熱電変換素子をもって冷却するときの吸熱量よりも少なくすることができる。
【0035】
本実施例による電子冷蔵庫110の冷蔵室111及び冷凍室112の冷却は、図示せぬ電源を入れることにより、第1及び第2の冷却用ファン114,122が作動を開始するとともに、第1及び第2の熱電変換素子モジュール119,120にそれぞれ所定量の電流が流れる。各熱電変換素子モジュール119,120は、それぞれの吸熱側電極119b及び120bに接続された第3ヒートプレート115と第1ヒートプレート117を介して第1ダクト113及び第2ダクト121内を流れる温風を冷却し、第1及び第2の冷却用ファン114,122の作動により、それぞれ冷蔵室111及び冷凍室112に冷却空気が送り込まれる。各第1および第3のヒートプレート117,115が吸収した熱量と、第1及び第2の熱電変換素子119及び120から発生する熱量とは、ともに第2の均熱板である第2のヒートプレート116を輸送され外部へと放熱される。
【0036】
この冷却にあたり、冷蔵室111は単に第1の熱電変換素子モジュール119の吸熱により冷却されるが、冷凍室112は第2の熱電変換素子モジュール120による冷却に、第1の熱電変換素子モジュール119による冷却が加わるため、冷蔵室111と冷凍室112とを独立する熱交換装置をもって単独に冷却する場合に較べて、効率的な冷却が可能となる。例えば、冷凍室112の室内を素早く冷凍温度まで下げたいときには、同冷蔵室用の第1冷却用ファン114を止めれば、第1及び第2の熱電変換素子モジュール119及び120による冷却能力の全てが冷凍室120の室内に向けられることになり、或いは冷凍室12の室内を解凍するときには、冷凍室専用の第2の冷却用ファン122の作動を停止させると共に、第2の熱電変換素子モジュール120に投入する電力を切ることにより、冷蔵室111の冷却を持続させたまま、無理なく解凍することができると同時に、節電にもつながる。
【0037】
図5は、本発明の第3実施例による電子冷蔵庫の概略構成を示している。この実施例にあっても、上記第2実施例と同様に、冷却温度の異なる2以上の冷却領域を備えた電子冷蔵庫に関するものである。第1実施例と異なるところは、上記第3ヒートプレート115に代えて液冷式熱交換装置を使っている点である。本実施例にあっては、冷蔵室151が冷蔵庫150の下部に配され、冷凍室152が冷蔵室151の上部に配されている。冷凍室152の構造は上記第2実施例の冷凍室112と実質的に変わるところがない。一方、冷蔵室151は背面に温風排出口や冷却空気の導入口が形成されておらず、図示せぬ前面の開閉扉が閉鎖状態にあるときは、完全な密封空間となる。
【0038】
また、上記第1実施例及び第2実施例にあっては、冷蔵庫10及び110の背面壁部の上部に熱風放出口10a,110aが形成されているが、本実施例では熱風放出口150aは冷蔵庫150の背面壁部の上下方向中間部に形成されている。勿論、後述する第2均熱板である第2ヒートパイプ156の上端を冷蔵庫150の上壁の近くまで延設する場合には、前記熱風放出口150aを第2ヒートパイプ156の上端部と対向する部位に形成することもできる。冷蔵庫内の背面側空間部に前記第2ヒートパイプ156が配されている。この第2ヒートパイプ156の上端部には、背面方向に多数の放熱フィン156aが突設されており、同放熱フィン156aを前記熱風放出口150aに対向させている。
【0039】
第2ヒートパイプ156の下端部前面には第1の熱電変換素子モジュール159の放熱側電極159aが半田により固着されており、その吸着側電極159bはグリースを介して第1の液冷式熱交換器160に接合されている。一方、上記冷凍室152の背面側ダクト161の下端には第1の均熱板である第1ヒートプレート155が配されており、その下端部の背面にグリースを介して第2の熱電変換素子モジュール162の吸熱側電極162bが接合されている。この第2熱電変換素子モジュール162の放熱側電極162aは第2の液冷式熱交換器163と半田により固着一体化されている。
【0040】
前記第1液冷式熱交換器160の冷媒液導入口と第2液冷式熱交換器163の冷媒液排出口との間はポンプ164を介して第1及び第2の配管165,166により接続されており、第1液冷式熱交換器160の冷媒液排出口と第2液冷式熱交換器163の冷媒液導入口との間を第3の配管167により接続させている。この第3の配管167は、図示は省略しているがジグザグ状に形成されており、これを上記冷蔵室151の背面に半田付けやロウ付けにより直接固着させている。
【0041】
以上の構成を備えた本実施例による電子冷蔵庫150に電源を投入すると、冷凍室152の冷却用ファン153、放熱用ファン158及びポンプ164が作動を開始するとともに、第1及び第2の熱電変換素子モジュール159,162に所定量の電流が流れる。第1熱電変換素子モジュール159は第1液冷式熱交換器160の内部を流れる冷媒液から熱を吸収して、同冷媒液を冷却し、ポンプ164により第3の配管167を介して上記第2液冷式熱交換器163に送り込む。このとき、第3の配管167を流れる冷却された冷媒液は、同配管167を介して冷蔵室151の背面を直接冷却し、同冷蔵室151の内部を冷却する。
【0042】
一方、第2熱電変換素子モジュール162は、第1のヒートプレート155の凝縮部から熱を吸収して冷却し、冷凍室152の内部を冷却すると同時に、その吸収した熱量と第2熱電変換素子モジュール162自体が発生させる熱量とを放熱させて、第2液冷式熱交換器163の内部を流れる冷媒液を温める。従って、この第2液冷式熱交換器163に導入される冷媒液は、冷蔵室151及び冷凍室152とを冷却するために吸収した熱量と第2熱電変換素子モジュール162自体が発生させる熱量により温められて相当に高温となる。
【0043】
こうして高温となった冷媒液は、ポンプ164により第1液冷式熱交換器160に強制的に送り込まれ、上述のように冷却されて冷蔵室151を冷却する。この第1液冷式熱交換器160を流れる冷媒液を冷却するため吸収した熱量と第1熱電変換素子モジュール159自体が発生する熱量は第1熱電変換素子モジュール159の放電側電極159aから放熱され、その熱量を第2のヒートパイプ156の上端部の凝縮部に輸送して、放熱用ファン158によって冷蔵庫から外部へと積極的に放熱させる。
【0044】
本実施例にあっては、冷凍室152の内部を解凍しようとしたり、或いは冷蔵室151の室内温度を更に下げたいときは、冷凍室152の冷却用ファン153の作動を停止させるとともに、第2熱電変換素子モジュール162に投入する電力を切ることにより、第1熱電変換素子モジュール159の全吸熱能力を冷蔵室151の冷却のために使われるようになり、冷凍室152の内部を解凍が可能となると同時に、冷蔵室151の室内温度を急速に低下させることができる。
【0045】
なお、以上は本発明の好適な実施例を例示したものであり、これらに限定されるものでないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において任意に変更し得るものである。例えば、上記第2及び第3実施例では冷蔵室と冷凍室を設けているが、更に生鮮食品類を保存するチルト室などを設けることもでき、また各室を独立して設けずに例えば冷蔵室とチルト室とを連通させて冷蔵領域及びチルト領域を連続して設けるようにすることができる。これらの場合、それぞれの冷却室又は冷却領域ごとに対応する熱電素子変換モジュールを設けるとともに、その冷却部を設けるようにすることが好ましい。更には、均熱板はヒートパイプに限らず、例えばアルミ板や銅板などの熱伝導率の高い金属板を使うこともできる。また、均熱板の枚数も液冷式熱交換器の個数も更に増やすことが可能であり、それらを冷却領域の要求により均熱板又は液冷式熱交換器のいずれかを選択して、これらを任意に組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である電子冷蔵庫の内部構造を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明に適用される均熱板の一種であるヒートプレートの構造と作動原理を概念的に示す説明図である。
【図3】本発明に適用される熱電変換素子モジュールの概略構造図である。
【図4】本発明の第2実施例である電子冷蔵庫の内部構造を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の第3実施例である電子冷蔵庫の内部構造を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヒートプレート(ヒートパイプ)
2 蒸発部
3 凝縮部
10,110,150 電子冷蔵庫
10a (冷蔵庫の)背面側壁面
11,111,151 冷蔵室
11a (冷蔵室の)背面側壁面
12 冷却空気導入部
12a,114,122,153 冷却用ファン
13,111a,112a 温風排出口
14,113,121,161 ダクト
15,117,155 第1均熱板(ヒートプレート)
15a,115a,117a,155a 冷却フィン
16,116,156 第2均熱板(ヒートプレート)
16a,116a,156a 熱風放熱フィン
17,110a,150a 熱風放出口
18,118,158 放熱用ファン
19,119,159 第1熱電変換素子モジュール
19a,119a,120a,
159a,162a 放熱側電極
19b,119b,120b,
159b,162b 吸熱側電極
19c p型熱電変換素子
19d n型熱電変換素子
20 半田付け
21 グリース
23,118a 外気導入用ダクト
112,152 冷凍室
115 第3均熱板(ヒートプレート)
118b 外気導入口
160,163 第1及び第2の液冷式熱交換器
164 ポンプ
165〜167 第1〜第3の配管
Claims (2)
- 熱電変換素子モジュールを用いた温調庫であって、
1以上の熱電変換素子モジュールの最も庫外側の電極面と最も温調領域側の電極面とが、各電極面の面積よりも大きな面積をもつ均熱板を備えてなることを特徴とする電子温調庫。 - 熱電変換素子モジュールを用いた温調庫であって、
複数の前記熱電変換素子モジュールと、複数の異なる温度調整領域とを
備えてなり、
前記複数の熱電変換素子モジュールには、
複数の温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールと、1つの温調領域の温調に寄与する熱電変換素子モジュールとが存在する、
ことを特徴とする電子温調庫。
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