【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸気弁の閉弁時期を遅らせることにより実膨張比に比較して実圧縮比を低下させるアトキンソンサイクル運転が公知である。このようなアトキンソンサイクル運転によれば、気筒内の圧縮端温度がそれほど高まることがないためにノッキングが発生し難く、また、ピストンの圧縮仕事を減少させることができる。それにより、ピストンの圧縮仕事減少分に対しての燃料噴射量を低減することができるだけでなく、ノッキング抑制のための点火時期遅角による機関出力減少を補うための燃料噴射量増加を防止することができ、全体的な燃料消費率を低減することが可能となる。
【0003】
しかしながら、このように吸気弁の閉弁時期を遅らせていると、そのままでは多量の吸気を気筒内へ供給することは難しく、一般的には、可変バルブタイミング機構を設けて、機関高負荷時等の必要吸気が多量となる時には、可変バルブタイミング機構によって吸気弁の閉弁時期を下死点へ向けて進角するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうして吸気弁の閉弁時期を進角すると、多量の吸気を気筒内に供給することはできるが、その一方で、実圧縮比が高まることとなる。それにより、圧縮端温度が高くなって、そのままではノッキングが発生することがあり、これを抑制するために点火時期が遅角され、必要な機関出力が得られるように燃料噴射量が増大させられる。
【0005】
特開平5−86951号公報には内燃機関の吸気系にスーパチャージャを設けることが提案されており、機関高負荷時等に多量の吸気を気筒内へ供給するためにスーパチャージャを作動させることも考えられる。こうして吸気を過給すれば、実圧縮比が高まっても圧縮端温度が高まることはないために、ノッキングは発生し難く、ノッキング抑制のための点火時期の遅角は必要ない。それにより、点火時期の遅角に伴って燃料噴射量が増大することはないが、スーパチャージャを作動させるには、機関出力の一部が使用されることとなるために、その分、必要な機関出力を得るために燃料噴射量を増大させなければならない。もちろん、スーパチャージャに代えて機関高負荷時にターボチャージャを作動させて吸気を過給するようにしても良いが、排気抵抗増加に伴う機関出力の減少を補うために、やはり、燃料噴射量を増大させなければならない。こうして、可変バルブタイミング機構、及び、スーパチャージャ又はターボチャージャのような過給機の一方だけを常に使用していたのでは、多量の吸気が必要となる時に燃料噴射量が増大して全体的な燃料消費率を十分に低減することができない。
【0006】
従って、本発明の目的は、アトキンソンサイクル運転を実施する内燃機関において、多量の吸気が必要となる時に、燃料噴射量の増大を最小限にして吸気不足を解消することができる内燃機関の制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の制御装置は、吸気弁閉弁時期を可変とする可変バルブタイミング機構と過給機とを具備してアトキンソンサイクル運転を実施する内燃機関の制御装置であって、必要吸気量を気筒内へ供給するために前記可変バルブタイミング機構によって前記吸気弁閉弁時期を所定開弁時期から進角することが必要となる時に、進角によりノッキングが発生するか否かを推定する推定手段を具備し、前記推定手段によりノッキングが発生すると推定された時には、前記吸気弁閉弁時期を進角させることなく、前記過給機を作動させて前記必要吸気量を気筒内へ供給することを特徴とする。
【0008】
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の制御装置は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記推定手段によりノッキングが発生すると推定された時には、前記ノッキングを抑制するのに必要な点火時期の遅角に伴う燃料噴射量の増加分が前記過給機の作動に伴う燃料噴射量の増加分を上回る場合にだけ、前記吸気弁閉弁時期を進角させることなく、前記過給機を作動させて前記必要吸気量を気筒内へ供給することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による制御装置が取り付けられた内燃機関の概略図である。同図において、1は機関本体、2は機関吸気系、3は機関排気系である。機関吸気系2において、インテークマニホルド2aの上流側にはスロットル弁4が配置され、スロットル弁4の上流側には吸気を冷却するためのインタークーラ5が配置され、最上流にはエアクリーナ6が配置されている。スロットル弁4は、ステップモータ等によって駆動され、アクセルペダルに連動せずに自由に開度設定可能なものである。
【0010】
インタークーラ5とエアクリーナ6との間において、機関吸気系2にはスーパチャージャのコンプレッサ7が配置され、コンプレッサ7をバイパスするバイパス通路8が設けられている。スーパチャージャのコンプレッサ7は、例えば、ルーツ式であり、クランクシャフト等の機関駆動軸にクラッチを介して連結され、このクラッチを接続することにより機関出力の一部を使用して駆動され、それにより過給が実施される。また、クラッチを切断すればコンプレッサ7は駆動されず、この時には、吸気はバイパス通路8を通り気筒内へ供給され、コンプレッサ7によって吸気抵抗が増加することはない。機関排気系3は、エキゾーストマニホルド3aの下流側に触媒コンバータ9が配置され、消音器(図示せず)を介して大気へ通じている。
【0011】
また、機関本体1には、少なくとも吸気弁の閉弁時期を可変とする可変バルブタイミング機構が設けられている。本実施形態の可変バルブタイミング機構は、カムシャフトに対してカムを相対回動させることにより、吸気弁の閉弁時期を開弁時期と共に変化させるものであるが、もちろん、吸気弁を電磁又は油圧駆動式として吸気弁の開弁時期及び閉弁時期を可変とするようにしても良い。
【0012】
本実施形態の内燃機関は、図2に実線矢印で示すクランク角度範囲において、吸気弁を開弁させ、すなわち、吸気上死点TDC直前の第一開弁クランク角度TO1において吸気弁の開弁を開始し、吸気下死点BDCを過ぎてピストンがある程度上昇する第一閉弁クランク角度TC1まで吸気弁を閉弁しないようにして、実膨張比に比較して実圧縮比を低下させるアトキンソンサイクル運転を実施する。
【0013】
このようなアトキンソンサイクル運転によれば、気筒内の圧縮端温度がそれほど高まることがなく、ピストンの圧縮仕事を減少させることができると共に燃料噴射量増加を伴うノッキング抑制のための点火時期遅角の必要はなく、全体的な燃料消費率を低減することが可能となる。
【0014】
しかしながら、このようなアトキンソンサイクル運転では、吸気弁の閉弁時期を遅らせているために、ピストンの上昇に伴って気筒内に吸入された吸気の一部は機関吸気系へ戻されることとなって、そのままでは多量の吸気を気筒内へ供給することは難しい。それにより、機関高負荷時等の必要吸気が多量となる時には、一般的に、図2に点線矢印で示すクランク角度範囲において吸気弁を開弁させるように、すなわち、可変バルブタイミング機構によって吸気弁の開弁時期を第一開弁TO1から第二開弁クランク角度TO2へ進角すると共に、吸気弁の閉弁時期を下死点へ向けて第一閉弁クランク角度TC1から第二閉弁クランク角度TC2へ進角するようになっている。
【0015】
このような吸気弁の閉弁時期の進角によって機関吸気系へ戻される吸気量は減少し、多量の吸気を気筒内に供給することが可能となる。しかしながら、その一方で、実圧縮比が高まることとなって圧縮端温度が高くなり、そのままではノッキングが発生することがある。実際的には、ノッキングを発生させないように点火時期が遅角され、この時には必要な機関出力を得るために燃料噴射量の増加が必要となる。
【0016】
多量の吸気を気筒内へ供給するために、吸気弁の閉弁時期を進角することなく、スーパチャージャを駆動して吸気を過給するようにしても良い。このような吸気過給によれば実圧縮比が高まることはなく、それにより、特に圧縮端温度が高まることはないために、ノッキングは依然として発生し難く、点火時期遅角に伴う燃料噴射量の増加は必要ない。しかしながら、この一方で、スーパチャージャを駆動するには、機関出力の一部が使用されることとなり、この機関出力の低下を補うために燃料噴射量の増加が必要となる。もちろん、過給器としてターボチャージャを使用する場合においても、やはり、排気抵抗増加に伴う機関出力の低下を補うために燃料噴射量を増加させなければならない。
【0017】
こうして、多量の吸気を気筒内へ供給するために、可変バルブタイミング機構だけを使用しても、又は、スーパチャージャ及びターボチャージャのような過給機だけを使用しても、全体的な燃料消費率を十分に低減することができない。
【0018】
本発明による制御装置は、この問題を解決するために、図3に示すフローチャートに従って、多量の吸気を必要とする時には、可変バルブタイミング機構による吸気弁の閉弁時期の進角と、スーパチャージャによる過給とを切り換えて実施するようになっている。
【0019】
先ず、ステップ101においては、機関負荷及び機関回転数等によって定まる現在の機関運転状態の必要吸気量Gnが、所定吸気量Gn’を越えるか否かが判断される。この判断が否定される時には、必要吸気量Gnを気筒内へ供給するために吸気弁の閉弁時期を通常のアトキンソンサイクル運転のための所定閉弁時期(第一閉弁クランク角度TC1)より進角する必要はなく、スロットル弁4の開閉制御により必要吸気量Gnを気筒内へ供給することができる。それにより、ステップ101における判断が否定される時には、そのままフローチャートを終了する。
【0020】
しかしながら、ステップ101における判断が肯定される時には、スロットル弁4を全開としても必要吸気量Gnを気筒内へ供給することはできず、ステップ102において、必要吸気量Gnを気筒内へ供給するのに必要な吸気弁の進角閉弁時期TCを算出する。この進角閉弁時期TCは必要吸気量Gnが多いほど下死点に近づけられることとなる。
【0021】
次いで、ステップ103では、吸気温度等を考慮して吸気弁の閉弁時期を進角閉弁時期TCとした場合における圧縮端温度tが算出される。ステップ104では、この圧縮端温度tが現在の機関運転状態においてノッキングを発生させる圧縮端温度t’より高いか否かが判断される。この判断が否定される時には、吸気弁を進角閉弁時期TCにおいて閉弁してもノッキングが発生することはなく、すなわち、燃料噴射量の増加を伴う点火時期の遅角は必要ない。それにより、ステップ109において、必要吸気量Gnを気筒内へ供給するためには、スーパチャージャ7を駆動させて燃料噴射量を増加させる必要はなく、可変バルブタイミング機構によって吸気弁の閉弁時期が進角閉弁時期TCとされる。
【0022】
しかしながら、ステップ104における判断が肯定される時、すなわち、吸気弁の閉弁時期をステップ102において算出された進角閉弁時期TCとするとノッキングが発生すると推定される時には、ステップ105において、この時の必要吸気量Gnを気筒内へ供給するのに、吸気弁の閉弁時期は所定閉弁時期TC1のままで、スーパチャージャ7を駆動して過給を実施するとした場合において、スーパチャージャ7の駆動損失を補うための燃料噴射量の増量分dQ1が算出される。
【0023】
次いで、ステップ106では、ステップ104で比較した二つの圧縮端温度の差t−t’が、ノッキングの大きさに対応する値となるために、この差を変数とする関数によって、発生するノッキングを抑制するのに必要な点火時期の遅角に伴う機関出力の低下を補うための燃料噴射量の増量分dQ2を算出する。
【0024】
次いでステップ107に進み、ステップ106において算出された吸気弁の閉弁時期を進角する場合の燃料噴射量の増量分dQ2が、ステップ105において算出されたスーパチャージャを駆動させる場合の燃料噴射量の増量分dQ1より多いか否かが判断される。この判断が否定される時には、必要吸気量Gnを気筒内へ供給するために、吸気弁の閉弁時期を進角させた方が燃料消費率において有利であり、すなわち、ノッキングを抑制するのに必要な点火時期の遅角量、及び、それに伴う機関出力の減少量はそれほど大きくなく、必要な燃料噴射量の増量分dQ2もそれほど多くないために、ステップ109において、可変バルブタイミング機構によって、吸気弁の閉弁時期はステップ102において算出された進角閉弁時期TCとされる。
【0025】
しかしながら、ステップ107における判断が肯定される時には、必要吸気量Gnを気筒内へ供給するために、スーパチャージャを駆動させた方が燃料消費率において有利であり、すなわち、ノッキングを抑制するのに必要な点火時期の遅角量、及び、それに伴う機関出力の減少量は大きく、必要な燃料噴射量の増量分dQ2が多くなるために、ステップ108において、スーパチャージャによる過給が実施される。
【0026】
こうして、本実施形態では、多量の吸気を気筒内へ供給することが必要となる時には、燃料噴射量の増量分を無くすように、又は、少なくするように、可変バルブタイミング機構による吸気弁の開弁時期の進角及びスーパチャージャによる過給のいずれかを選択するようになっている。
【0027】
前述のフローチャートにおいて、ステップ104でノッキングが発生すると推定されたにも係わらずに、ステップ107における判断が否定されてステップ109で吸気弁の閉弁時期を進角する機会は、必要吸気量Gnが所定吸気量Gn’を僅かに越えた場合だけであり、それほど多くはない。それにより、制御を簡素化するために、前述のフローチャートにおいてステップ105からステップ107を省略し、ステップ104において、ノッキングが発生すると推定された時には、ステップ108においてスーパチャージャによる過給を実施するようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明による内燃機関の制御装置は、アトキンソンサイクル運転を実施する内燃機関の制御装置であって、必要吸気量を気筒内へ供給するために可変バルブタイミング機構によって吸気弁閉弁時期を所定開弁時期から進角することが必要となる時に、進角によりノッキングが発生するか否かを推定する推定手段を具備し、推定手段によりノッキングが発生すると推定された時には、吸気弁閉弁時期を進角させることなく、過給機を作動させて必要吸気量を気筒内へ供給するようになっている。それにより、多量の吸気が必要となる時に、ノッキングが発生しないのであれば吸気弁の閉弁時期を進角して燃料噴射量の増量を防止し、ノッキングが発生するのであれば過給器を作動させて、燃料噴射量の増量分を少なくし、燃料噴射量の増大を最小限にして吸気不足を解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の制御装置が取り付けられる内燃機関を示す概略図である。
【図2】図1の内燃機関における吸気弁の開弁時期及び閉弁時期を示す図である。
【図3】本発明による制御装置により実施される制御フローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体
2…機関吸気系
3…機関排気径
7…コンプレッサ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a control device for an internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
Atkinson cycle operation is known in which the actual compression ratio is reduced as compared to the actual expansion ratio by delaying the closing timing of the intake valve. According to such an Atkinson cycle operation, knocking hardly occurs because the compression end temperature in the cylinder does not increase so much, and the compression work of the piston can be reduced. As a result, not only can the fuel injection amount for the compression work reduction of the piston be reduced, but also an increase in the fuel injection amount for compensating for a decrease in engine output due to ignition timing retardation for suppressing knocking can be prevented. Thus, the overall fuel consumption rate can be reduced.
[0003]
However, if the closing timing of the intake valve is delayed as described above, it is difficult to supply a large amount of intake air into the cylinder as it is, and in general, a variable valve timing mechanism is provided, and when the engine is heavily loaded, When the required intake air becomes large, the closing timing of the intake valve is advanced toward the bottom dead center by the variable valve timing mechanism.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
When the valve closing timing of the intake valve is advanced, a large amount of intake air can be supplied into the cylinder, but on the other hand, the actual compression ratio increases. As a result, the compression end temperature becomes high, and knocking may occur as it is. In order to suppress this, the ignition timing is retarded, and the fuel injection amount is increased so as to obtain the required engine output. .
[0005]
Japanese Patent Laying-Open No. 5-86951 proposes providing a supercharger in an intake system of an internal combustion engine. In order to supply a large amount of intake air into a cylinder when the engine is under a high load, the supercharger may be operated. Conceivable. If the intake air is supercharged in this manner, even if the actual compression ratio increases, the compression end temperature does not increase, so that knocking does not easily occur, and there is no need to retard the ignition timing for suppressing knocking. As a result, the fuel injection amount does not increase with the retardation of the ignition timing, but a part of the engine output is used to operate the supercharger. In order to obtain engine output, the fuel injection amount must be increased. Of course, instead of the supercharger, the intake air may be supercharged by operating the turbocharger when the engine is heavily loaded.However, in order to compensate for the decrease in engine output due to the increase in exhaust resistance, the fuel injection amount also increased. I have to do it. In this way, if only one of the variable valve timing mechanism and the supercharger such as the supercharger or the turbocharger is always used, the fuel injection amount increases when a large amount of intake air is required, and the overall fuel injection amount increases. The fuel consumption rate cannot be reduced sufficiently.
[0006]
Therefore, an object of the present invention is to provide a control apparatus for an internal combustion engine that can solve the shortage of intake air by minimizing an increase in fuel injection amount when a large amount of intake air is required in an internal combustion engine that performs Atkinson cycle operation. It is to provide.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
A control device for an internal combustion engine according to claim 1 of the present invention is a control device for an internal combustion engine that performs an Atkinson cycle operation by including a variable valve timing mechanism for varying an intake valve closing timing and a supercharger. Therefore, when it is necessary to advance the intake valve closing timing from a predetermined opening timing by the variable valve timing mechanism in order to supply a required intake air amount into the cylinder, whether knocking occurs due to advancement. It is provided with estimating means for estimating whether or not knocking is estimated by the estimating means, without advancing the intake valve closing timing, operating the supercharger to reduce the required intake air amount. It is characterized in that it is supplied into a cylinder.
[0008]
According to a second aspect of the present invention, in the internal combustion engine control device according to the first aspect, when the knocking is estimated to occur by the estimating means, the knocking is suppressed. Only when the increase in the fuel injection amount due to the retardation of the ignition timing required exceeds the increase in the fuel injection amount due to the operation of the supercharger, without advancing the intake valve closing timing, The supercharger is operated to supply the required intake air amount into the cylinder.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a schematic diagram of an internal combustion engine equipped with a control device according to the present invention. In the figure, 1 is an engine main body, 2 is an engine intake system, and 3 is an engine exhaust system. In the engine intake system 2, a throttle valve 4 is disposed upstream of the intake manifold 2a, an intercooler 5 for cooling intake air is disposed upstream of the throttle valve 4, and an air cleaner 6 is disposed upstream of the intake manifold 2a. Have been. The throttle valve 4 is driven by a step motor or the like, and can freely set an opening degree without interlocking with an accelerator pedal.
[0010]
A supercharger compressor 7 is provided in the engine intake system 2 between the intercooler 5 and the air cleaner 6, and a bypass passage 8 that bypasses the compressor 7 is provided. The supercharger compressor 7 is, for example, of a roots type, is connected to an engine drive shaft such as a crankshaft via a clutch, and is driven by using a part of the engine output by connecting the clutch. Supercharging is implemented. Further, if the clutch is disengaged, the compressor 7 is not driven. At this time, the intake air is supplied into the cylinder through the bypass passage 8, and the intake resistance is not increased by the compressor 7. In the engine exhaust system 3, a catalytic converter 9 is arranged downstream of the exhaust manifold 3a, and communicates with the atmosphere via a silencer (not shown).
[0011]
Further, the engine main body 1 is provided with a variable valve timing mechanism that makes at least the closing timing of the intake valve variable. The variable valve timing mechanism of this embodiment changes the closing timing of the intake valve together with the opening timing by rotating the cam relative to the camshaft. The opening and closing timings of the intake valves may be made variable as a drive system.
[0012]
In the internal combustion engine of the present embodiment, the intake valve is opened in the crank angle range indicated by the solid line arrow in FIG. 2, that is, the intake valve is opened at the first open crank angle TO1 immediately before the intake top dead center TDC. Atkinson cycle operation that starts and does not close the intake valve until the first valve closing crank angle TC1 at which the piston rises to some extent past the intake bottom dead center BDC, and lowers the actual compression ratio compared to the actual expansion ratio. Is carried out.
[0013]
According to such an Atkinson cycle operation, the compression end temperature in the cylinder does not increase so much, the compression work of the piston can be reduced, and the ignition timing retard for suppressing knocking accompanied by an increase in the fuel injection amount is reduced. There is no need, and the overall fuel consumption rate can be reduced.
[0014]
However, in such an Atkinson cycle operation, since the closing timing of the intake valve is delayed, a part of the intake air taken into the cylinder with the rise of the piston is returned to the engine intake system. It is difficult to supply a large amount of intake air into the cylinder as it is. Accordingly, when a large amount of intake air is required, such as when the engine is under a high load, the intake valve is generally opened in a crank angle range indicated by a dotted arrow in FIG. 2, that is, by using a variable valve timing mechanism. Is advanced from the first valve opening TO1 to the second valve opening crank angle TO2, and the valve closing timing of the intake valve is moved from the first valve closing crank angle TC1 to the second valve closing crank toward the bottom dead center. The angle is advanced to the angle TC2.
[0015]
The amount of intake air returned to the engine intake system decreases due to the advance of the closing timing of the intake valve, and a large amount of intake air can be supplied into the cylinder. However, on the other hand, the actual compression ratio increases, the compression end temperature increases, and knocking may occur as it is. Actually, the ignition timing is retarded so that knocking does not occur, and at this time, the fuel injection amount needs to be increased to obtain a required engine output.
[0016]
In order to supply a large amount of intake air into the cylinder, the supercharger may be driven to supercharge the intake air without advancing the closing timing of the intake valve. According to such intake supercharging, the actual compression ratio does not increase, and therefore, the compression end temperature does not particularly increase. Therefore, knocking is still unlikely to occur, and the fuel injection amount associated with the ignition timing retard is reduced. No increase is needed. However, on the other hand, a part of the engine output is used to drive the supercharger, and it is necessary to increase the fuel injection amount to compensate for the decrease in the engine output. Of course, even when a turbocharger is used as a supercharger, the fuel injection amount must be increased in order to compensate for a decrease in engine output due to an increase in exhaust resistance.
[0017]
Thus, using only a variable valve timing mechanism to supply a large amount of intake air into the cylinder, or using only a supercharger such as a supercharger and a turbocharger, the overall fuel consumption is reduced. The rate cannot be reduced sufficiently.
[0018]
In order to solve this problem, the control device according to the present invention, when a large amount of intake air is required according to the flowchart shown in FIG. This is implemented by switching between supercharging and supercharging.
[0019]
First, in step 101, it is determined whether or not the required intake air amount Gn in the current engine operating state determined by the engine load and the engine speed exceeds a predetermined intake air amount Gn '. When this determination is denied, the intake valve closing timing is advanced from the predetermined closing timing (first valve closing crank angle TC1) for normal Atkinson cycle operation in order to supply the required intake air amount Gn into the cylinder. There is no need to make an angle, and the required intake air amount Gn can be supplied into the cylinder by opening and closing control of the throttle valve 4. Accordingly, when the determination in step 101 is denied, the flowchart ends.
[0020]
However, when the determination in step 101 is affirmative, the required intake air amount Gn cannot be supplied into the cylinder even if the throttle valve 4 is fully opened. The required advance valve closing timing TC of the intake valve is calculated. The advance valve closing timing TC is closer to the bottom dead center as the required intake air amount Gn increases.
[0021]
Next, at step 103, the compression end temperature t when the intake valve closing timing is set to the advanced valve closing timing TC in consideration of the intake air temperature and the like is calculated. In step 104, it is determined whether or not the compression end temperature t is higher than the compression end temperature t 'that causes knocking in the current engine operating state. When this determination is denied, knocking does not occur even if the intake valve is closed at the advanced valve closing timing TC, that is, there is no need to retard the ignition timing with an increase in the fuel injection amount. Accordingly, in step 109, in order to supply the required intake air amount Gn into the cylinder, it is not necessary to drive the supercharger 7 to increase the fuel injection amount, and the closing timing of the intake valve is changed by the variable valve timing mechanism. The advance valve closing timing TC is set.
[0022]
However, when the determination in step 104 is affirmative, that is, when it is estimated that knocking will occur when the intake valve closing timing is set to the advanced valve closing timing TC calculated in step 102, then in step 105, In order to supply the required intake air amount Gn into the cylinder, the closing timing of the intake valve is kept at the predetermined closing timing TC1, and the supercharger 7 is driven to perform supercharging. An increase dQ1 in the fuel injection amount for compensating for the drive loss is calculated.
[0023]
Next, in step 106, since the difference tt ′ between the two compression end temperatures compared in step 104 becomes a value corresponding to the magnitude of knocking, knocking generated by a function using this difference as a variable is determined. An increase dQ2 in the fuel injection amount for compensating for a decrease in the engine output due to the retardation of the ignition timing required for suppression is calculated.
[0024]
Next, the routine proceeds to step 107, where the increase dQ2 of the fuel injection amount when the valve closing timing of the intake valve calculated at step 106 is advanced is equal to the fuel injection amount at the time of driving the supercharger calculated at step 105. It is determined whether or not it is greater than the increase dQ1. When this determination is denied, in order to supply the required intake air amount Gn into the cylinder, it is advantageous to advance the closing timing of the intake valve in terms of the fuel consumption rate, that is, to suppress knocking. Since the required retard amount of the ignition timing and the accompanying decrease amount of the engine output are not so large, and the necessary increase amount dQ2 of the fuel injection amount is not so large, in step 109, the variable valve timing The valve closing timing is the advance valve closing timing TC calculated in step 102.
[0025]
However, when the determination in step 107 is affirmative, driving the supercharger is advantageous in terms of the fuel consumption rate in order to supply the required intake air amount Gn into the cylinder, that is, it is necessary to suppress knocking. Since the retard amount of the ignition timing and the accompanying decrease in engine output are large and the required increase dQ2 in the fuel injection amount is large, in step 108, supercharging is performed by the supercharger.
[0026]
Thus, in this embodiment, when it is necessary to supply a large amount of intake air into the cylinder, the opening of the intake valve by the variable valve timing mechanism is controlled so as to eliminate or reduce the increase in the fuel injection amount. Either advancement of the valve timing or supercharging by the supercharger is selected.
[0027]
In the above-described flowchart, despite the fact that knocking is estimated to occur in step 104, the determination in step 107 is denied, and the opportunity to advance the intake valve closing timing in step 109 is due to the required intake air amount Gn Only when the intake air amount slightly exceeds the predetermined intake air amount Gn ', but not so much. Accordingly, in order to simplify the control, steps 105 to 107 are omitted in the above-described flowchart, and when it is estimated that knocking will occur in step 104, supercharging by the supercharger is performed in step 108. May be.
[0028]
【The invention's effect】
A control device for an internal combustion engine according to the present invention is a control device for an internal combustion engine that performs an Atkinson cycle operation, wherein a variable valve timing mechanism is used to open an intake valve closing timing by a predetermined valve in order to supply a required intake air amount to a cylinder. Estimating means for estimating whether or not knocking occurs due to advancement is provided when it is necessary to advance from the timing. When it is estimated by the estimating means that knocking will occur, the intake valve closing timing is advanced. Without skewing, the supercharger is operated to supply the required intake air amount into the cylinder. Thus, when a large amount of intake air is required, if knocking does not occur, the closing timing of the intake valve is advanced to prevent an increase in the fuel injection amount, and if knocking occurs, the supercharger is removed. By operating, the increase in the fuel injection amount is reduced, and the increase in the fuel injection amount is minimized, so that the shortage of intake air can be eliminated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an internal combustion engine to which a control device for an internal combustion engine according to the present invention is attached.
FIG. 2 is a diagram showing an opening timing and a closing timing of an intake valve in the internal combustion engine of FIG. 1;
FIG. 3 is a control flowchart executed by the control device according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Engine body 2 ... Engine intake system 3 ... Engine exhaust diameter 7 ... Compressor