JP2004018862A - Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting - Google Patents
Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004018862A JP2004018862A JP2002171075A JP2002171075A JP2004018862A JP 2004018862 A JP2004018862 A JP 2004018862A JP 2002171075 A JP2002171075 A JP 2002171075A JP 2002171075 A JP2002171075 A JP 2002171075A JP 2004018862 A JP2004018862 A JP 2004018862A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum
- chemical conversion
- conversion treatment
- ions
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Spray Control Apparatus (AREA)
- Coating Apparatus (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、塗装前処理装置および塗装前処理方法に関し、たとえば鉄とアルミニウムとの複合ボディが流れる塗装前処理ラインに用いて好ましい塗装前処理装置及び塗装前処理方法に関する。
【0002】
【背景技術】
重量軽減、剛性向上あるいはリサイクル性向上などの観点から、自動車ボディにもフード、トランクリッド、ドアインナ等々、アルミニウム部品の採用が検討されている。
【0003】
こうした鉄とアルミニウムとの複合ボディに対する前処理液として、たとえば特表2001−515959号公報には、第一のステップにて鉄部品にだけ化成処理を施し、第二のステップにてアルミニウム部品に化成処理を施すことが提案されている。
【0004】
この前処理方法で使用される化成処理液には、アルミニウムのエッチングと溶出したアルミを沈殿又はマスクするために、遊離又は複合結合したフッ化物イオンが添加されているが、必要以上にアルミ面に化成被膜が発生しないように、すなわち多量のスラッジが一度に蓄積しないように、遊離フッ化物濃度が8/T(g/L,Tは処理温度℃)未満に制限されている。
【0005】
ところが、上述した特表2001−515959号公報記載の前処理方法では、化成処理液にフッ化物イオンが含まれるため、槽内にアルミのスラッジが蓄積され、これを除去及び廃棄する必要がある。また、上述したように遊離フッ化物濃度を所定値以下に管理しないとアルミ面に必要以上の化成被膜が形成されるので、フッ化物濃度の制御管理及び補充液の制御管理の作業又はシステムが必要になる。
【0006】
さらに、鋼板の化成処理工程の後にアルミの化成処理工程が設けられるので、前処理工程の全長が長くなり、スペース、処理時間及び設備費の点で不利である。
【0007】
【発明の開示】
本発明は、鉄とアルミニウムの複合ボディに対しても、省スペース化、生産性向上、設備費・薬剤費・管理工数・排水処理負担の大幅低減を達成できる塗装前処理装置及び塗装前処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液が満たされ、被塗物が浸漬される処理槽と、前記処理槽の後段に設けられ、被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するアルミニウム化成処理手段と、前記アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、被塗物を洗浄液で洗浄するリンス手段と、を備えた塗装前処理装置が提供される(請求項1参照)。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明によれば、外板部の少なくとも一部にアルミニウム又はアルミニウム合金製部品を有する、鉄とアルミニウムとの複合自動車ボディを、重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液に浸漬させて処理する第1のステップと、前記自動車ボディをアルミニウム用化成処理液で処理する第2のステップと、洗浄液にて前記自動車ボディを洗浄する第3のステップと、を有する塗装前処理方法が提供される(請求項23参照)。
【0010】
本発明の塗装前処理装置及び塗装前処理方法では、処理槽に満たされた脱脂兼化成処理液にて被塗物のうちの鉄部品の脱脂処理と化成処理を行うとともに、アルミニウム部品の脱脂処理を行う。処理槽に満たされた本発明に係る脱脂兼化成処理液は、アルミニウムをエッチングするフッ化物を含まないので、処理槽内にアルミニウムのスラッジが蓄積することがない。
【0011】
本発明の処理槽に満たされた脱脂兼化成処理液では、被塗物のうちのアルミニウム部品については脱脂処理が行われるだけで化成被膜は形成されないので、次段のアルミニウム化成処理手段にてアルミニウム用化成処理液を吹き付けたり浸漬させたりする。特に、アルミニウム部品が被塗物の外板部にある場合は、スプレー処理のみによっても充分な化成被膜を形成することができる。また、アルミニウム部品が被塗物の内板部にある場合でも、浸漬処理を施すことにより、またスプレー装置による吹き付け方法を考慮することによっても充分な化成被膜を形成することができる。
【0012】
アルミニウム用化成処理液による処理を終えたら、次段のリンス手段にて被塗物全体を洗浄する。これにより、電着塗装などの下地としての塗装前処理が終了する。なお、電着塗装工程に送る前に被塗物を乾燥炉に搬送してもよい。
【0013】
本発明によれば、脱脂兼化成処理液にアルミニウムをエッチングするフッ化物を含まないので、処理槽にアルミのスラッジが蓄積するのを防止することができる。これにより、アルミニウムのスラッジ除去及び廃棄に要する作業工数やシステム費などを低減することができる。また、アルミニウムのスラッジそのものが生じないので、従来の前処理方法に比べてフッ化物の濃度管理に関する作業工数やシステム費を低減できる。
【0014】
さらに、脱脂兼化成処理槽の後段にアルミニウム部品の化成処理工程を設けているが、特にスプレー処理によって化成被膜を形成する場合には、浸漬処理に比べて工程スペースや設備費用が大幅に低減できる。工程スペースが低減されることにより、処理時間が短時間になり、自動車ボディの生産性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の塗装前処理装置の第1実施形態を示すシステム図であり、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。
【0016】
特に本例の塗装ラインに流れる自動車ボディBは、フード、トランクリッド、ドアなどの外板部にアルミニウム製部品が採用され、他の部品は鋼板からなる、鉄とアルミニウムの複合ボディであるが、本発明の塗装前処理装置は、全ての被塗物がこうした鉄−アルミ複合ボディに限定される必要はなく、鉄−アルミ複合ボディと鋼板製ボディとの混合ラインであってもよい。また、同じ鉄−アルミニウムの複合ボディでもアルミニウム部品の採用部位が異なる車種が混合して流れてもよい。
【0017】
同図に示すように、自動車ボディBは、ハンガHに搭載された状態で塗装搬送コンベアCによって搬送される。本実施形態では、塗装搬送ラインCに沿って2つのディッピング槽101,201が設けられ、図に矢印で示す搬送方向の上流側が脱脂処理及び化成処理を行うための処理槽101(以下、脱脂化成処理槽101ともいう。)であり、下流側が処理後のボディBを洗浄するためのリンス槽201である。処理槽101には脱脂兼化成処理液が満たされ、リンス槽201には純水が満たされている。
【0018】
本例で用いられる脱脂兼化成処理液は、脱脂処理、表面調整および化成処理といった3種類の処理を同一工程で行うことができる処理液である。こうした脱脂兼化成処理液としては、例えば、極性有機溶剤と、水と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンとを少なくとも含む処理液を用いることができる。この処理液を用いることにより、脱脂工程、表面調整工程及び化成工程をまとめて1つの工程で同時に行うことができ、大幅な処理工程の短縮、処理設備の簡略化、省スペース化、生産性の向上、薬剤コストの低減、薬剤管理の簡略化を図ることができる。
【0019】
本例の脱脂兼化成処理液をさらに詳細に説明すると、極性有機溶剤及び水の混合溶媒の重量比率は、2.8:7.2〜3.8:6.2、好ましくは3.0:7.0〜3.8:6.2、より好ましくは3.3:6.7〜3.8:6.2、より好ましくは3.3:6.7〜3.5:6.5、最も好ましくは3.5:6.5である。
【0020】
本例の極性有機溶剤としては、(−CH2−CH2−O−)n(ただし、n=1〜4)で示されるエチレングリコールその他の低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステル、プロピレングリコール又はジプロピレングリコールその他の低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールその他の低級アルキレングリコール、低級アルコール又はこれらのエステルを例示することができる。
【0021】
エチレングリコール系の低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステルとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル等を例示することができる。
【0022】
また、プロピレングリコール又はジプロピレングリコールの低級アルキルエーテル又は低級アルキルエステルとしては、例えば、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びポリプロピレングリコールモノエチルエーテル等を例示することができる。
【0023】
また、低級アルコールとしては、炭素数1〜8、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4のアルコールを例示することができる。具体的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、第3ブチルアルコール、メトキシジメチルペンタノール、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール、及び2−エトキシメタノール等のグリコールエーテル等を例示することができる。
【0024】
エステル類としては、例えば、乳酸エチル、酢酸メトキシブチル及び乳酸ブチル等を例示することができる。
【0025】
上述の極性有機溶媒のうち、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種類以上のグリコール系化合物、又はこれらのグリコール系化合物と低級アルコールとの混合溶媒を採用することが最も好ましい。
【0026】
そして、これらグリコール系化合物におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。また低級アルコールとしては、炭素数1〜8のアルコールであることが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルコール、最も好ましくは炭素数1〜4のアルコールである。
【0027】
本例の脱脂兼化成処理液は、上記極性有機溶剤及び水の混合溶媒に、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含む。
【0028】
リン酸イオンは、混合溶媒100重量部に対して0.2〜0.5重量部含まれることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。このリン酸イオンの供給源は特に限定されることはなく、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、五酸化リン等を例示することができる。また、脱脂兼化成処理液に含まれる金属イオン(ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン)に対するアニオンとして供給することも可能である。
【0029】
亜鉛イオンは、リン酸イオンとともにリン酸亜鉛化成皮膜を形成する機能を有する。亜鉛イオンは、混合溶媒100重量部に対して0.5〜0.7重量部含まれることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。この亜鉛イオンの供給源は、例えば酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リン酸亜鉛等の無機酸塩等を例示することができる。
【0030】
ニッケルイオンは、未塗装の被塗物の耐食性を向上させる機能を有する。ニッケルイオンは、混合溶媒100重量部に対して0.09〜0.23重量部であることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。このニッケルイオンの供給源は、例えば、硝酸ニッケル、リン酸ニッケルといった無機酸塩等を例示することができる。
【0031】
マンガンイオンは、金属亜鉛を含む被塗物の湿潤塗装密着性を向上させる機能を有する。マンガンイオンは、混合溶媒100重量部に対して0.03〜0.16重量部であることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。このマンガンイオンの供給源は硝酸マンガン、リン酸マンガン等の無機酸塩等を例示することができる。
【0032】
硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンは、混合溶媒100重量部に対して3.5〜10.8重量部であることが好ましい。含有量がこの範囲から外れた場合、油混入量が多く、攪拌不良の際に、目的とする良好なリン酸亜鉛被膜が形成されない。
【0033】
ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンは、混合溶媒100重量部に対して0.8〜3.3重量部含まれることが好ましい。ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンは、脱脂兼化成処理液の水と相俟って被塗物の表面に形成されるリン酸亜鉛被膜の結晶を緻密にする機能を有する。このナトリウムイオン供給源としては硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウムを例示することができる。さらに、硝酸ナトリウムの一部又は全部を亜硝酸ナトリウムで置換することもできる。亜硝酸イオンの働きにより酸のエッチング力がさらに高められ、化成反応の促進が期待できる。
【0034】
また、ナトリウムイオンは、1価のアルカリ金属として共通するリチウムイオンに置換することもできる。具体的には、ナトリウムイオンとリチウムイオンの全体量のうち50%〜98%、好ましくは60%〜90%、さらに好ましくは70%〜80%をリチウムイオンに置換する。脱脂兼化成処理液にリチウムイオンを含ませることにより、リン酸亜鉛皮膜の結晶が更に緻密になり、塗装密着性が更に向上する。リチウムイオンの供給源は硝酸リチウム、リン酸リチウム、亜硝酸リチウム等の無機酸塩を例示することができる。
【0035】
ちなみに、脱脂兼化成処理液は、温度が40℃〜60℃の条件で、3分〜10分間処理することが好ましい。
【0036】
以上の配合を有する脱脂兼化成処理液を用いることで、脱脂兼化成処理液中に多量の油が混入しても、また脱脂兼化成処理液の攪拌状態が不良であっても、耐食性、塗膜密着性に優れたリン酸亜鉛化成皮膜を形成することができる。
【0037】
図1に戻り、処理槽101内の脱脂兼化成処理液は、配管105及びポンプ106によって吸引され、処理液補給タンク109を介して、配管111およびポンプ110によって処理槽101へ戻される。この配管105の途中に、塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103及び油分除去装置104が設けられ、これら塵埃除去装置102,化成スラッジ除去装置103及び油分除去装置104を通過することで、鉄粉などの塵埃、化成スラッジ及び油分が除去された極性有機溶剤と水とを含む処理液は、処理液補給タンク109に一時的に貯留される。そして、この処理液補給タンク109に、新規な脱脂兼化成処理液が収容された処理液タンク107からポンプ108によって新規な脱脂兼化成処理液が補給及び調整され、この調整された脱脂兼化成処理液が、既述した配管111およびポンプ110によって脱脂化成処理槽101に戻される。
【0038】
塵埃除去装置102は、処理槽101内の処理液に含まれた鉄粉等のゴミブツを除去するもので、除去されたゴミブツは廃棄され、ゴミブツが除去された処理液は次の化成スラッジ除去装置103に送られる。本例の塵埃除去装置102として用いることのできる具体的装置として、セットリングタンク、遠心式セパレータ、マグネット式セパレータを挙げることができる。これらセットリングタンク、遠心式セパレータ、マグネット式セパレータは、単独でも複合でも用いることができ、特に、セットリングタンクとマグネット式セパレータとを組み合わせた塵埃除去装置102は、ゴミブツの除去率が高く、最も好ましい。
【0039】
ただし、本例に係る塵埃除去装置102は、上述した3形態にのみ限定される趣旨ではなく、その他の形態のものも含まれる。また、本例の塵埃除去装置102は配管105に設けたが、処理槽101そのものの内部又は外部に設けることもできる。
【0040】
化成スラッジ除去装置103は、上述した塵埃除去装置102を通過した処理液に含まれる化成スラッジを除去するもので、除去された化成スラッジは廃棄され、化成スラッジが除去された処理液は、次の油分除去装置104へ送られる。この化成スラッジ除去装置103としては、処理槽101中の処理液のスラッジ濃度が、150ppm以内に抑制され、処理液を汚染することのないようなフィルターであれば、特に限定されず用いることができる。
【0041】
油分除去装置104は、上述した化成スラッジ除去装置103を通過した処理液に含まれる油分を除去するもので、除去された油分は廃棄され、油分が除去された処理液は、処理液補給タンク109へ送られる。本例にて用いることができる油分除去装置104としては、加温式油分除去装置、コアレッサー式油分除去装置、限外濾過式油分除去装置を挙げることができる。
【0042】
このうちの加温式油分除去装置は、ノニオン系界面活性剤が脱脂成分として含有されている水溶液に適用して好ましいもので、これを特定温度以上に加熱すると、それ自身が水に不溶化し、非イオン性界面活性剤からなる油相と水相との2相に油水分離するといった、ノニオン系界面活性剤の特徴を利用した油分除去装置である。
【0043】
また、コアレッサー式油分除去装置は、水溶液中に数μmの大きさで分散している油滴をフィルターを通過させることにより水−油のエマルションを破壊することで、油滴を拡大成長させ、浮上回収することが可能な油分除去装置である。
【0044】
限外濾過式油分除去装置は、限外濾過、即ち、0.01〜0.001μm程度のメッシュからなるフィルターを用い、0.5〜5×10−5Pa程度の低圧力にて加圧もしくは吸引濾過することで、コロイド粒子を溶媒から分離する濾過方法を用いた油分除去装置である。
【0045】
これらの加温式油分除去装置、コアレッサー式油分除去装置、限外濾過式油分除去装置は、要求される油水分離度合いにより選択し、単独でも複合でも用いることができる。
【0046】
図1に示す処理槽101とリンス槽201との間には、自動車ボディBにアルミニウム用化成処理液を吹き付けるためのアルミ化成処理ゾーン300が設けられている。このアルミ化成処理ゾーン300は、吹き付けたアルミニウム用化成処理液が前段の処理槽101及び後段のリンス槽201に極力流入しないように、ブースの床面がその中央で最下面となるように傾斜している。
【0047】
また、このアルミ化成処理ゾーン300を通過する自動車ボディBにアルミニウム用化成処理液を吹き付けるためのノズル304が配管302に取り付けられており、アルミニウム用化成処理液が収容されたアルミニウム化成処理液補給タンク301からポンプ303によって当該化成処理液が供給される。図1に示す例では、自動車ボディBに対して、アルミニウム部品であるフード、トランクリッド及びドアにアルミニウム化成処理液を吹き付ける複数のノズル304が、ブースの天井面と側面とのそれぞれに設けられている。
【0048】
また、ブースの床面で集約されたアルミニウム用化成処理液は、回収槽307に回収され、配管308及びポンプ309によってアルミニウム化成処理液補給タンク301に戻される。なお、回収槽307に接続された配管308には、回収されたアルミニウム用化成処理液に含まれる塵埃を除去するための塵埃除去装置310、アルミニウムおよび鉄(前段の処理槽101の処理にて生じたもの)の化成スラッジを除去するための化成スラッジ除去装置311及び油分を除去するための油分除去装置312が設けられている。これら塵埃除去装置310、化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312は、それぞれ上述した塵埃除去装置102、化成スラッジ除去装置103および油分除去装置104で例示した具体例を用いることができる。
【0049】
本例で用いられるアルミニウム用化成処理液としては、特に限定されることはなく、たとえばヘキサフルオロチタネート、ヘキサフルオロジルコネートなどを例示することができる。こうした新規なアルミニウム化成処理液は、アルミニウム化成処理液タンク305に収容され、ポンプ306によってアルミニウム化成処理液補給タンク301に供給され、これによりノズル304から自動車ボディBに吹き付けられるアルミニウム化成処理液が調整される。
【0050】
ちなみに、アルミニウム用化成処理液は、pHが2.5〜10、温度が20℃〜70℃の条件で、20秒〜100秒間処理することが好ましい。
【0051】
アルミ化成処理ゾーン300の後段にはリンス槽201が設けられ、処理槽101およびアルミ化成処理ゾーン300にて化成皮膜が形成された自動車ボディBを純水にて洗浄する。本例では自動車ボディBをリンス槽201に浸漬させることにより自動車ボディBの外板および内板を洗浄するが、ディッピング処理以外のスプレー処理によっても実現することができる。
【0052】
なお、リンス槽201内の純水には自動車ボディBに付着した塵埃や化成スラッジ、油分が混入することから、配管202およびポンプ203にて吸引し、前段のアルミ化成処理ゾーン300の塵埃除去装置310に供給することで、これら塵埃、化成スラッジおよび油分を除去したのち、アルミニウム化成処理液の純水として再利用する。このとき、配管202およびポンプ203で吸引したリンス槽201内の洗浄液をアルミ化成処理ゾーン307の回収槽307に供給しても良い。また、図示は省略したが、新規な純水は別途設けられた純水供給装置からリンス槽201内に供給される。
【0053】
次に作用を説明する。
車体工程で溶接組立を終了したホワイトボディBは、塗装ハンガHに搭載された状態でオーバーヘッドコンベアCにより搬送され、最初に処理槽101に浸漬される。この処理槽101に浸漬されることにより、脱脂兼化成処理液の洗浄及び脱脂効果によって自動車ボディBに付着した鉄粉などのゴミブツや油分が処理槽101内に除去される。さらに、油分が除去された自動車ボディBのうち鋼板製部品については脱脂兼化成処理液と鉄との反応が生じ、ここにリン酸亜鉛の化成被膜が形成される。
【0054】
ただし、自動車ボディBのうちアルミニウム製部品については除塵及び脱脂が行われるだけで、脱脂兼化成処理液とは反応せず、化成被膜は形成されない。すなわち、本例の脱脂兼化成処理液にはアルミニウムをエッチングするフッ化物が含まれていないので、処理槽101にはアルミニウムの化成スラッジは蓄積されず、既述した従来の特表2001−515959号公報に開示された前処理方法に比べて、アルミのスラッジ除去及び廃棄に要する作業工数やシステム費などを低減することができる。また、アルミのスラッジそのものが生じないので、当該従来の前処理方法に比べて、フッ化物の濃度管理に関する作業工数やシステム費を低減できる。
【0055】
なお、処理槽101内の脱脂兼化成処理液はポンプ106によって配管105に吸引され、塵埃除去装置102を通過することにより処理液に含まれた鉄粉などのゴミブツが除去され、化成スラッジ除去装置103を通過することにより処理液に含まれた鉄の化成スラッジが除去され、さらに油分除去装置104を通過することにより処理液に含まれたプレス油などの油分が除去される。
【0056】
こうして塵埃、化成スラッジ及び油分が除去された脱脂兼化成処理液は、処理液補給タンク109に送られ、ここでフレッシュな脱脂兼化成処理液が処理液タンク107からポンプ108によって補給され、適切に調整されたのち配管111およびポンプ110によって処理槽101に戻される。このように処理槽101の脱脂兼化成処理液は配管105,111によって閉回路とされているので、材料費の低減によるコストダウンと、廃水処理工程の負担軽減とを図ることができる。また、脱脂兼化成処理液を用いることで前処理条件の管理工数を削減することができる。さらに、この脱脂兼化成処理液を用いることで水洗工程を大幅に削減することができ、洗浄液の使用量が減少することにより廃水処理工程の負担が軽減される。
【0057】
処理槽101を通過した自動車ボディBは、アルミ化成処理ゾーン300に送られ、ノズル304からアルミニウム用化成処理液が吹き付けられる。アルミニウム用化成処理液補給タンク301内の処理液はポンプ303によって吸引され、配管302を介してノズル304から自動車ボディBの主としてアルミニウム製部品に吹き付けられる。また、自動車ボディBに吹き付けられたアルミニウム用化成処理液は、ブースの床面で集約されて回収槽307に回収され、ここからポンプ309によって吸引される。そして、塵埃除去装置310,化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312を通過することによりアルミニウム処理液に含まれた塵埃、アルミニウムや鉄の化成スラッジ、油分が除去されたのち、配管308を介してアルミニウム化成処理液補給タンク301に戻される。
【0058】
このアルミ化成処理ゾーン300の処理によって、フード、トランクリッド及びドアなど外板部品として採用されたアルミニウム製部品の化成被膜処理を行うことができる。特に、これらアルミニウム製部品が自動車ボディBの外板部品に使用されていると、本例のようなスプレー処理のみによっても充分な化成被膜を形成することができ、その結果、アルミニウムの化成処理工程の長さを最小限に留めることができる。
【0059】
最後に、アルミ化成処理ゾーン300を通過した自動車ボディBは、リンス槽201に浸漬され、自動車ボディBに付着した処理液を洗浄する。こののち、自動車ボディを乾燥炉に搬送して乾燥させ、下地塗装である電着塗装工程に送る。このとき、リンス槽201内の洗浄液は配管202およびポンプ203によって配管308の塵埃除去装置310の上流に導かれ、塵埃除去装置310,化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312を通過したのち、アルミニウム化成処理液補給槽301に供給される。これにより、リンス槽201内の純水を有効活用することができる。
【0060】
第2実施形態
図2は、本発明の塗装前処理装置の第2実施形態を示すシステム図であり、第1実施形態と同様に、たとえば自動車ボディなどの被塗装物に対し、電着塗装の下地処理としての、脱脂処理、表面調整及び化成処理を行う塗装前処理工程を示している。本実施形態は、上述した第1実施形態に比べて、アルミ化成処理ゾーン300にディッピング槽313を採用した点が基本的に相違している。その他の構成については第1実施形態と同様であるため同一の構成部材には同一の符号を付す。
【0061】
本例のアルミ化成処理ゾーン300には、アルミニウム化成処理液が満たされたアルミニウム化成処理槽313が設けられ、コンベアCにて搬送されてきた自動車ボディBは、コンベアCの軌跡にしたがって全没または半没される。
【0062】
ここで、全没処理、いわゆるフルディップ処理とは、自動車ボディBの全てをアルミニウム化成処理液に浸漬させる処理をいい、これに対して半没処理、いわゆるハーフディップ処理とは、自動車ボディBのドアパネルの上側のライン(図3のB1参照)から下部のみをアルミニウム化成処理液に浸漬させる処理をいう。それぞれの浸漬処理を行った場合の液面を図3に示す。自動車ボディBのうちアルミニウム材で構成された部品がドアパネルの上側ラインB1より上部にない場合、たとえばルーフパネルやピラーが鉄で構成されている場合には、自動車ボディBを全没させる必要はなく、アルミニウム材で構成された部品が浸漬されればよいのでハーフディップ処理を採用することもできる。また、ルーフパネルなどがアルミニウム材で構成されていても、自動車ボディBをハーフディップとして、ドアパネルの上側のラインB1から下部のアルミニウム製部品の化成処理を行うとともに、浸漬されないルーフなどにはスプレー装置でアルミニウム化成処理液を吹き付けるように構成してもよい。
【0063】
ハーフディップを採用すると、フルディップに比べて、処理槽やリンス槽の容量を小さく設定することができるので、アルミニウム化成処理液のイニシャルコストを低減することができるとともに、アルミニウム化成処理液の加温に要するエネルギーを低減することができる。
【0064】
ディッピング槽313内のアルミニウム化成処理液は、配管308及びポンプ309によってアルミニウム化成処理液補給タンク301に戻される。なお、ディッピング槽313に接続された配管308には、アルミニウム用化成処理液に含まれる塵埃を除去するための塵埃除去装置310、アルミニウムおよび鉄(前段の処理槽101の処理にて生じたもの)の化成スラッジを除去するための化成スラッジ除去装置311及び油分を除去するための油分除去装置312が設けられている。これら塵埃除去装置310、化成スラッジ除去装置311および油分除去装置312は、それぞれ上述した塵埃除去装置102、化成スラッジ除去装置103および油分除去装置104で例示した具体例を用いることができる。
【0065】
本例で用いられるアルミニウム用化成処理液としては、特に限定されることはなく、たとえばヘキサフルオロチタネート、ヘキサフルオロジルコネートなどを例示することができる。こうした新規なアルミニウム化成処理液は、アルミニウム化成処理液タンク305に収容され、ポンプ306によってアルミニウム化成処理液補給タンク301に供給されて、ここで適切な値に調整されたのち、配管302およびポンプ303によってディッピング槽313に供給される。
【0066】
本例の塗装前処理装置では、アルミニウム化成処理手段として、フルディップまたはハーフディップなどのディッピング槽313を採用しているので、特に内板部にアルミニウム材を採用した場合の処理に優れている。
【0067】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0068】
上述した実施形態の自動車ボディBは、ドア、トランクリッド及びドアなどの部品がアルミニウム製部品であったが、アルミニウム合金であってもよい。
【0069】
【実施例】
以下、本発明をさらに具体化した実施例及び比較例により本発明の効果を確認した。以下の実施例は、上述した実施形態で用いた脱脂兼化成処理液の効果を確認するためのものである。
【0070】
実施例
実施例の脱脂兼化成処理液は、極性有機溶剤としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGMEE)、ナトリウムイオンの供給源となるナトリウム化合物としての硝酸ナトリウム、リチウムの供給源となるリチウム化合物としての硝酸リチウム、リン酸イオンの供給源としてのオルトリン酸、亜鉛イオンの供給源となる亜鉛化合物としての硝酸亜鉛、ニッケルイオンの供給源となるニッケル化合物としての硝酸ニッケル、マンガンイオンの供給源となるマンガン化合物としての硝酸マンガンを用い、表1に示す配合により調整した。
【0071】
また、実施例のアルミニウム用化成処理液として、ヘキサフルオロジルコネート(ヘンケル社製Deoxylyte54C)を用いた。
【0072】
テストピースとして、冷延鋼板(CRS)、電気亜鉛メッキ鋼板(ZE)及びアルミニウム6111(AL)の3種類を用意し、アセトンで脱脂した後に、3種類の防錆油(コスモ石油社製ラクトクリーンK、出光興産製出光NR3、日本石油製ノンラストPN−1)の等量混合油を0.5g/m2 塗布し、試験用の油面を有するテストピースを作成した。このテストピースを上述した脱脂兼化成処理液及びアルミニウム用化成処理液を用いて表面処理し、得られたリン酸亜鉛被膜の性状及び性能、すなわち皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性及び二次塗装密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0073】
なお、脱脂兼化成処理液による処理はテストピースを処理液にディッピングすることにより行い、その処理時間は300秒とし、処理液の液温は40℃とした。また、アルミニウム用化成処理液による処理はテストピースに処理液をスプレーすることにより行い、スプレー時間を20秒、30秒及び100秒とした。アルミニウム用化成処理液のpHは4.0、液温は40℃とした。
【0074】
評価結果は、皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性、二次塗装密着性を、◎極めて良好、○良好、△少々劣る、×不良の4つに区分して行った。
【0075】
皮膜重量は、処理後のテストピースをドライヤーで乾燥させた後に計測した。ここでは皮膜重量として1m2あたりの重さ(g)に換算し、リン酸亜鉛化成処理膜が塗装下地として優れた防錆製及び塗装性を有するためには皮膜重量が2〜3.5g/m2程度の均一且つ緻密な結晶皮膜が求められるので、皮膜重量が2〜2.5g/m2であれば◎(極めて良好)、2.6〜3.5g/m2であれば○(良好)、1.5〜1.9g/m2であれば△(少々劣る)、1.5g/m2未満であれば×(不良)と評価した。
【0076】
結晶皮膜の緻密度合いは、処理後のテストピースの中央部から試料をサンプリングし、走査型電子顕微鏡(SEM)でリン酸亜鉛結晶皮膜の形状、大きさを観察した。
【0077】
本実施例においては、緻密度合を示す結晶サイズが5μm以下であればA(極めて良好)、5μm超〜10μm以下であればB(良好)、10μm超〜20μm以下であればC(少々劣る)、20μmより大きければD(不良)という基準に基づき評価した。
【0078】
一次塗装密着性は、処理後のテストピースに塗装を施して評価した。具体的には、処理後のテストピースに、電着塗料(神東ハーバーツ・オートモーティブ・システムズ(株)社製サクセード#80V)を、200Vの電圧をかけて3分間通電させたのち、170℃で20分間焼き付け、15〜20μmの電着膜厚を形成した。こうして得られた電着塗膜が形成されたテストピースを用いてJIS・K5400の碁盤目試験に従い、テストピースの塗装面を、NTカッタ−で1mm間隔で100個の升目に刻み、セロハン製テープ(ニチバン製、幅18mm)を貼り付け、2分経過後、セロハン製テープを剥離させた後に100個の升目のうち何個分の塗装膜が残存しているか、升目の個数で評価した。残存塗装膜の升数が100個であれば◎(極めて良好)、95〜99個であれば○(良好)、85〜94個であれば△(少々劣る)、84個以下であれば×(不良)と評価した。
【0079】
二次塗装密着性は、上述した一次塗装密着性試験と同様の電着塗膜を形成し、これを温水浸漬することで塗膜の密着性を意図的に劣化させた後の塗膜の密着性を評価するものである。温水浸漬は、電着塗膜が形成されたテストピースを、40℃±1℃の温水に1000時間浸漬する。なお、密着性の評価は、一次塗装密着性と同様にJIS・K5400の碁盤目試験に従って行った。
【0080】
【表1】
【0081】
比較例
実施例における脱脂兼化成処理液の極性有機溶剤と水との重量比率を1:9とした以外は実施例と同じ条件で脱脂兼化成処理液及びアルミニウム化成処理液を作製し、同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
考察
表1及び表2の結果からも明らかなように、比較例の塗装前処理方法では、皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性、二次塗装密着性の何れにおいても少々劣る〜不良であったのに対し、実施例の塗装前処理方法を採用することで、皮膜重量、結晶皮膜の緻密度合い、一次塗装密着性、二次塗装密着性の何れについても極めて良好〜少々劣るとなり、品質的にも問題がないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装前処理装置の実施形態を示すシステム図である。
【図2】本発明の塗装前処理装置の他の実施形態を示すシステム図である。
【図3】図2に示す塗装前処理装置における全没処理および半没処理を説明するための図である。
【符号の説明】
101…処理槽
201…リンス槽(リンス手段)
300…アルミニウム化成処理ゾーン(アルミニウム化成処理手段)
301…アルミニウム用化成処理液補給タンク
302…配管
303…ポンプ
304…ノズル
307…回収槽
308…配管
309…ポンプ[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a pre-painting apparatus and a pre-painting method, and more particularly to a pre-painting apparatus and a pre-painting method suitable for use in a pre-painting line in which a composite body of iron and aluminum flows.
[0002]
[Background Art]
From the viewpoint of reducing weight, improving rigidity, or improving recyclability, the use of aluminum parts such as hoods, trunk lids, door inners, etc. in automobile bodies is being studied.
[0003]
As a pretreatment liquid for such a composite body of iron and aluminum, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-515959 discloses that a chemical treatment is performed only on an iron part in a first step, and a chemical conversion treatment is performed on an aluminum part in a second step. It has been proposed to perform processing.
[0004]
In the chemical treatment solution used in this pretreatment method, free or complex-bonded fluoride ions are added in order to precipitate or mask aluminum that has been eluted and eluted. The free fluoride concentration is limited to less than 8 / T (g / L, where T is the processing temperature (° C.)) so as to prevent the formation of a conversion coating, that is, to prevent a large amount of sludge from accumulating at one time.
[0005]
However, in the pretreatment method described in JP-T-2001-515959, since the chemical conversion treatment solution contains fluoride ions, aluminum sludge is accumulated in the tank, and it is necessary to remove and discard the sludge. In addition, if the concentration of free fluoride is not controlled to a predetermined value or less as described above, a chemical conversion coating is formed on the aluminum surface more than necessary, so that an operation or system for controlling and controlling the concentration of fluoride and controlling and controlling the replenisher is required. become.
[0006]
Further, since the aluminum chemical conversion treatment step is provided after the steel sheet chemical conversion treatment step, the total length of the pretreatment step is increased, which is disadvantageous in terms of space, processing time and equipment cost.
[0007]
DISCLOSURE OF THE INVENTION
The present invention provides a coating pretreatment apparatus and a coating pretreatment method that can achieve a space saving, an improvement in productivity, and a significant reduction in equipment costs, chemical costs, management man-hours, and wastewater treatment load even for a composite body of iron and aluminum. The purpose is to provide.
[0008]
To achieve the above object, according to the present invention, a mixed solvent of a polar organic solvent and water having a weight ratio of 2.8: 7.2 to 3.8: 6.2, sodium ion and / or lithium A treatment tank filled with a degreasing / chemical conversion treatment solution containing at least ions, phosphate ions, zinc ions, nickel ions, manganese ions, nitrate ions and / or nitrite ions, and immersed in an object to be coated; An aluminum chemical conversion treatment unit provided at a subsequent stage and treating an object to be coated with an aluminum chemical conversion treatment solution, and a rinsing unit provided at a stage subsequent to the aluminum chemical conversion treatment unit and washing the object to be coated with a cleaning liquid, were provided. A coating pretreatment device is provided (see claim 1).
[0009]
In order to achieve the above object, according to the present invention, a composite automobile body of iron and aluminum having a part made of aluminum or an aluminum alloy on at least a part of an outer plate part has a weight ratio of 2.8: A mixed solvent of 7.2 to 3.8: 6.2, a polar organic solvent and water, sodium ion and / or lithium ion, phosphate ion, zinc ion, nickel ion, manganese ion, nitrate ion and / or zinc ion. A first step of immersing the body in a degreasing and chemical conversion solution containing at least nitrate ions for treatment; a second step of treating the vehicle body with a chemical conversion solution for aluminum; and cleaning the vehicle body with a cleaning solution. And a third step of providing a pre-coating method (see claim 23).
[0010]
In the coating pretreatment apparatus and the coating pretreatment method of the present invention, the degreasing treatment and the chemical treatment of the iron parts of the article to be coated are performed with the degreasing and chemical conversion treatment liquid filled in the treatment tank, and the degreasing treatment of the aluminum parts. I do. Since the degreasing / chemical conversion treatment liquid according to the present invention filled in the treatment tank does not contain a fluoride for etching aluminum, aluminum sludge does not accumulate in the treatment tank.
[0011]
With the degreasing and chemical conversion treatment liquid filled in the treatment tank of the present invention, aluminum components of the coating object are only subjected to degreasing treatment and no chemical conversion coating is formed. Spraying or immersing the chemical conversion treatment solution. In particular, when the aluminum component is on the outer plate portion of the object to be coated, a sufficient conversion coating can be formed only by spraying. Further, even when the aluminum component is on the inner plate portion of the object to be coated, a sufficient chemical conversion film can be formed by performing the immersion treatment or by considering the spraying method using a spray device.
[0012]
After the treatment with the chemical conversion treatment solution for aluminum, the entire object to be coated is washed by the next-stage rinsing means. Thus, the pre-coating process as a base such as the electrodeposition coating is completed. The object to be coated may be conveyed to a drying oven before being sent to the electrodeposition coating step.
[0013]
According to the present invention, since the degreasing and chemical conversion treatment liquid does not contain a fluoride for etching aluminum, accumulation of aluminum sludge in the treatment tank can be prevented. As a result, it is possible to reduce the number of work steps and system cost required for removing and disposing of aluminum sludge. Further, since the aluminum sludge itself is not generated, the number of man-hours and system cost related to the concentration control of the fluoride can be reduced as compared with the conventional pretreatment method.
[0014]
Furthermore, a chemical conversion treatment step for aluminum parts is provided at a stage subsequent to the degreasing and chemical conversion treatment tank. Particularly when a chemical conversion coating is formed by spray treatment, the process space and equipment costs can be significantly reduced as compared with immersion treatment. . By reducing the process space, the processing time is shortened, and the productivity of the automobile body is improved.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
First embodiment
FIG. 1 is a system diagram showing a first embodiment of a coating pretreatment apparatus according to the present invention. For example, an object to be coated such as an automobile body is subjected to a degreasing treatment, a surface conditioning and a chemical conversion treatment as a base treatment for electrodeposition coating. 3 shows a pre-painting treatment step of performing the following.
[0016]
In particular, the automobile body B flowing through the coating line of this example is a composite body of iron and aluminum, in which aluminum parts are used for outer plates such as a hood, a trunk lid, and a door, and other parts are made of a steel plate. In the coating pretreatment device of the present invention, all the objects to be coated need not be limited to such an iron-aluminum composite body, and may be a mixed line of an iron-aluminum composite body and a steel plate body. In addition, even in the same iron-aluminum composite body, vehicle types having different adoption portions of aluminum parts may be mixed and flow.
[0017]
As shown in the figure, the vehicle body B is transported by a paint transport conveyor C while being mounted on a hanger H. In the present embodiment, two dipping
[0018]
The degreasing and chemical conversion treatment liquid used in this example is a treatment liquid capable of performing three types of treatments such as degreasing treatment, surface conditioning, and chemical conversion treatment in the same step. As such a degreasing / chemical conversion treatment solution, for example, a polar organic solvent, water, sodium ion and / or lithium ion, phosphate ion, zinc ion, nickel ion, manganese ion, nitrate ion and / or nitrite ion are used. A processing solution containing at least can be used. By using this processing liquid, the degreasing step, the surface conditioning step, and the chemical conversion step can be collectively performed in one step at the same time, greatly reducing the processing steps, simplifying the processing equipment, saving space, and improving productivity. Improvement, reduction in drug cost, and simplification of drug management can be achieved.
[0019]
The degreasing and chemical conversion treatment liquid of this example will be described in more detail. The weight ratio of the mixed solvent of the polar organic solvent and water is 2.8: 7.2 to 3.8: 6.2, preferably 3.0: 7.2. 7.0-3.8: 6.2, more preferably 3.3: 6.7-3.8: 6.2, more preferably 3.3: 6.7-3.5: 6.5, Most preferably, it is 3.5: 6.5.
[0020]
Examples of the polar organic solvent in this example include (-CH2-CH2-O-)n(Where n = 1 to 4) ethylene glycol or other lower alkyl ethers or lower alkyl esters, propylene glycol or dipropylene glycol or other lower alkyl ethers or lower alkyl esters represented by (n = 1 to 4), diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol or others Lower alkylene glycols, lower alcohols or esters thereof.
[0021]
As the ethylene glycol-based lower alkyl ether or lower alkyl ester, for example, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol mono-n-butyl ether and other ethylene glycol ethers, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol mono-n-butyl ether and the like diethylene glycol ether And triethylene glycol mono-n-butyl ether, tetraethylene glycol mono-n-butyl ether, ethylene glycol monoethyl ether acetate, diethylene glycol monoethyl ether acetate and the like.
[0022]
Examples of the lower alkyl ether or lower alkyl ester of propylene glycol or dipropylene glycol include, for example, propylene glycol butyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, and polypropylene glycol monoethyl ether.
[0023]
In addition, examples of the lower alcohol include alcohols having 1 to 8, preferably 1 to 5, and more preferably 1 to 4 carbon atoms. Specific examples include glycol alcohols such as ethyl alcohol, isopropyl alcohol, tertiary butyl alcohol, methoxydimethylpentanol, diacetone alcohol, 2-methoxyethanol, and 2-ethoxymethanol.
[0024]
Examples of the esters include ethyl lactate, methoxybutyl acetate and butyl lactate.
[0025]
Among the above-mentioned polar organic solvents, at least one selected from the group consisting of diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, ethylene glycol monoalkyl ether, diethylene glycol monoalkyl ether, diethylene glycol dialkyl ether, and propylene glycol monoalkyl ether It is most preferred to employ more than one glycol compound or a mixed solvent of these glycol compounds and a lower alcohol.
[0026]
The alkyl group in these glycol compounds is preferably an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. The lower alcohol is preferably an alcohol having 1 to 8 carbon atoms, more preferably an alcohol having 1 to 5 carbon atoms, and most preferably an alcohol having 1 to 4 carbon atoms.
[0027]
The degreasing and chemical conversion solution of this example is obtained by adding sodium ion and / or lithium ion, phosphate ion, zinc ion, nickel ion, manganese ion, nitrate ion and / or nitrite ion to the above-mentioned mixed solvent of polar organic solvent and water. At least.
[0028]
It is preferable that the phosphate ion is contained in an amount of 0.2 to 0.5 part by weight based on 100 parts by weight of the mixed solvent. If the content is out of this range, the amount of oil mixed in is large, and the desired good zinc phosphate coating is not formed at the time of poor stirring. The source of the phosphate ions is not particularly limited, and examples thereof include orthophosphoric acid, pyrophosphoric acid, polyphosphoric acid, trimetaphosphoric acid, tetrametaphosphoric acid, and phosphorus pentoxide. It is also possible to supply as an anion to metal ions (sodium ion and / or lithium ion, zinc ion, nickel ion, manganese ion) contained in the degreasing / chemical conversion treatment liquid.
[0029]
Zinc ions have a function of forming a zinc phosphate chemical conversion film together with phosphate ions. The zinc ion is preferably contained in an amount of 0.5 to 0.7 parts by weight based on 100 parts by weight of the mixed solvent. If the content is out of this range, the amount of oil mixed in is large, and the desired good zinc phosphate coating is not formed at the time of poor stirring. Examples of the supply source of the zinc ion include inorganic acid salts such as zinc oxide, zinc carbonate, zinc nitrate, zinc chloride, zinc sulfate, and zinc phosphate.
[0030]
Nickel ions have a function of improving the corrosion resistance of the uncoated object. Nickel ions are preferably present in an amount of 0.09 to 0.23 parts by weight based on 100 parts by weight of the mixed solvent. If the content is out of this range, the amount of oil mixed in is large, and the desired good zinc phosphate coating is not formed at the time of poor stirring. Examples of the supply source of the nickel ions include inorganic acid salts such as nickel nitrate and nickel phosphate.
[0031]
Manganese ions have a function of improving wet coating adhesion of an object containing zinc metal. Manganese ion is preferably used in an amount of 0.03 to 0.16 parts by weight based on 100 parts by weight of the mixed solvent. If the content is out of this range, the amount of oil mixed in is large, and the desired good zinc phosphate coating is not formed at the time of poor stirring. Examples of the source of the manganese ion include inorganic acid salts such as manganese nitrate and manganese phosphate.
[0032]
The nitrate ion and / or nitrite ion is preferably 3.5 to 10.8 parts by weight based on 100 parts by weight of the mixed solvent. If the content is out of this range, the amount of oil mixed in is large, and the desired good zinc phosphate coating is not formed at the time of poor stirring.
[0033]
It is preferable that sodium ion and / or lithium ion be contained in an amount of 0.8 to 3.3 parts by weight based on 100 parts by weight of the mixed solvent. The sodium ions and / or lithium ions have a function of making the zinc phosphate coating crystals formed on the surface of the article to be dense together with the water of the degreasing and chemical conversion treatment solution. Examples of the sodium ion supply source include sodium nitrate, sodium phosphate, sodium nitrite, and sodium hydroxide. Further, part or all of sodium nitrate can be replaced with sodium nitrite. By the action of nitrite ions, the etching power of the acid is further enhanced, and the promotion of the chemical reaction can be expected.
[0034]
Further, the sodium ion can be replaced with a lithium ion which is common as a monovalent alkali metal. Specifically, 50% to 98%, preferably 60% to 90%, more preferably 70% to 80% of the total amount of sodium ions and lithium ions is replaced with lithium ions. By including lithium ions in the degreasing and chemical conversion treatment liquid, the crystals of the zinc phosphate film become more dense and the coating adhesion is further improved. Examples of the supply source of lithium ions include inorganic acid salts such as lithium nitrate, lithium phosphate, and lithium nitrite.
[0035]
Incidentally, it is preferable that the degreasing / chemical conversion treatment solution is treated at a temperature of 40 ° C to 60 ° C for 3 minutes to 10 minutes.
[0036]
By using the degreasing and chemical conversion treatment liquid having the above composition, even if a large amount of oil is mixed in the degreasing and chemical conversion treatment liquid, or even if the stirring state of the degreasing and chemical conversion treatment liquid is poor, corrosion resistance and A zinc phosphate conversion coating having excellent film adhesion can be formed.
[0037]
Returning to FIG. 1, the degreasing / chemical conversion treatment liquid in the
[0038]
The
[0039]
However, the
[0040]
The chemical
[0041]
The
[0042]
Of these, the heated oil removal device is preferably applied to an aqueous solution containing a nonionic surfactant as a degreasing component, and when heated to a specific temperature or higher, it itself becomes insoluble in water, This is an oil removing device that utilizes the characteristics of a nonionic surfactant, such as separating oil and water into two phases, an oil phase and a water phase, each of which is composed of a nonionic surfactant.
[0043]
In addition, the coalescer type oil removing device is a method of breaking down a water-oil emulsion by passing oil droplets dispersed in an aqueous solution with a size of several μm through a filter, thereby expanding and growing the oil droplets. It is an oil removal device that can float and recover.
[0044]
The ultrafiltration type oil removing device uses an ultrafiltration, that is, a filter having a mesh of about 0.01 to 0.001 μm, and a filter of 0.5 to 5 × 10-5This is an oil removing apparatus using a filtration method of separating colloid particles from a solvent by applying pressure or suction filtration at a low pressure of about Pa.
[0045]
These heated oil removal equipment, coalescer oil removal equipment, and ultrafiltration oil removal equipment are selected according to the required degree of oil-water separation, and can be used alone or in combination.
[0046]
Between the
[0047]
Further, a
[0048]
The aluminum chemical treatment liquid collected on the floor of the booth is collected in the
[0049]
The chemical conversion treatment solution for aluminum used in this example is not particularly limited, and examples thereof include hexafluorotitanate and hexafluorozirconate. Such a new aluminum chemical conversion liquid is stored in an aluminum chemical
[0050]
Incidentally, the chemical conversion treatment solution for aluminum is preferably treated at a pH of 2.5 to 10 and a temperature of 20 ° C to 70 ° C for 20 seconds to 100 seconds.
[0051]
A
[0052]
Since dust, chemical sludge, and oil adhering to the vehicle body B are mixed into the pure water in the
[0053]
Next, the operation will be described.
The white body B that has been welded and assembled in the vehicle body process is transported by the overhead conveyor C while being mounted on the coating hanger H, and is first immersed in the
[0054]
However, aluminum parts of the automobile body B are only subjected to dust removal and degreasing, but do not react with the degreasing and chemical conversion treatment liquid, and no chemical conversion film is formed. In other words, since the degreasing and chemical conversion treatment liquid of this example does not contain a fluoride for etching aluminum, the chemical conversion sludge of aluminum is not accumulated in the
[0055]
The degreasing / chemical conversion treatment liquid in the
[0056]
The degreasing / chemical conversion treatment liquid from which the dust, the chemical sludge and the oil have been removed is sent to the treatment
[0057]
The automobile body B that has passed through the
[0058]
By the treatment in the aluminum
[0059]
Finally, the vehicle body B that has passed through the aluminum chemical
[0060]
Second embodiment
FIG. 2 is a system diagram showing a second embodiment of the coating pretreatment device of the present invention. As in the first embodiment, for example, an object to be coated such as an automobile body is used as a base treatment for electrodeposition coating. , A coating pretreatment step of performing degreasing treatment, surface conditioning and chemical conversion treatment. This embodiment is basically different from the above-described first embodiment in that a
[0061]
In the aluminum chemical
[0062]
Here, the full immersion treatment, so-called full dip treatment, refers to a treatment in which the entire vehicle body B is immersed in an aluminum chemical conversion solution, whereas the half immersion treatment, so-called half-dip treatment, This refers to a process in which only the lower part from the upper line (see B1 in FIG. 3) of the door panel is immersed in the aluminum chemical conversion solution. FIG. 3 shows the liquid surface after each immersion treatment. When the part made of aluminum material in the car body B is not above the upper line B1 of the door panel, for example, when the roof panel and the pillar are made of iron, the car body B does not need to be completely immersed. Since a component made of an aluminum material only needs to be immersed, a half dipping process can be employed. Even if the roof panel is made of an aluminum material, the car body B is used as a half-dip to perform chemical conversion treatment on the aluminum parts at the lower part from the upper line B1 of the door panel, and a spray device is used for a roof that is not immersed. May be configured to spray an aluminum chemical conversion solution.
[0063]
When a half-dip is used, the capacity of the treatment tank and rinsing tank can be set smaller than that of a full-dip, so that the initial cost of the aluminum chemical treatment liquid can be reduced and the aluminum chemical treatment liquid can be heated. Energy required for the operation can be reduced.
[0064]
The aluminum chemical conversion liquid in the
[0065]
The chemical conversion treatment solution for aluminum used in this example is not particularly limited, and examples thereof include hexafluorotitanate and hexafluorozirconate. Such a new aluminum chemical conversion liquid is stored in an aluminum chemical
[0066]
The coating pretreatment apparatus of this example employs a
[0067]
The embodiments described above are described for facilitating the understanding of the present invention, and are not described for limiting the present invention. Therefore, each element disclosed in the above embodiment is intended to include all design changes and equivalents belonging to the technical scope of the present invention.
[0068]
In the vehicle body B of the above-described embodiment, parts such as the door, the trunk lid, and the door are aluminum parts, but may be an aluminum alloy.
[0069]
【Example】
Hereinafter, the effects of the present invention were confirmed by Examples and Comparative Examples that further embody the present invention. The following examples are for confirming the effects of the degreasing and chemical conversion treatment liquid used in the above-described embodiment.
[0070]
Example
Examples of the degreasing and chemical conversion treatment solution include diethylene glycol monoethyl ether (DEGMEE) as a polar organic solvent, sodium nitrate as a sodium compound as a source of sodium ions, lithium nitrate as a lithium compound as a source of lithium, Orthophosphoric acid as a source of phosphate ions, zinc nitrate as a zinc compound as a source of zinc ions, nickel nitrate as a nickel compound as a source of nickel ions, manganese compound as a source of manganese ions Using manganese nitrate, the composition was adjusted as shown in Table 1.
[0071]
Hexafluorozirconate (Deoxylyte 54C manufactured by Henkel) was used as the chemical conversion treatment solution for aluminum in the examples.
[0072]
Three types of test pieces are prepared: cold-rolled steel sheet (CRS), galvanized steel sheet (ZE), and aluminum 6111 (AL). After degreasing with acetone, three kinds of rust-preventive oils (Lactclean manufactured by Cosmo Oil Co., Ltd.) K, Idemitsu Kosan Idemitsu NR3, Nippon Oil Co., Ltd. Nonlast PN-1) 0.5 g / m2A test piece having an oil surface for a test was formed by coating. The test piece was surface-treated with the above-described degreasing and chemical conversion treatment solution and a chemical conversion treatment solution for aluminum, and the properties and performance of the obtained zinc phosphate coating, that is, the coating weight, the density of the crystal coating, and the primary coating adhesion. And the secondary coating adhesion was evaluated. Table 1 shows the results.
[0073]
The treatment with the degreasing and chemical conversion treatment liquid was performed by dipping a test piece into the treatment liquid, the treatment time was 300 seconds, and the temperature of the treatment liquid was 40 ° C. The treatment with the chemical conversion treatment solution for aluminum was performed by spraying the treatment solution on the test piece, and the spray time was set to 20, 30, and 100 seconds. The pH of the chemical conversion treatment solution for aluminum was 4.0, and the solution temperature was 40 ° C.
[0074]
The evaluation results were carried out by classifying the coating weight, the density of the crystalline coating, the adhesion of the primary coating, and the adhesion of the secondary coating into four categories: 極 め て very good, 良好 good, △ slightly poor, and × bad.
[0075]
The film weight was measured after the test piece after the treatment was dried with a dryer. Here, the film weight is 1m2In terms of weight per unit weight (g), in order for the zinc phosphate chemical conversion coating to have excellent rust prevention and coating properties as a coating base, the coating weight is 2 to 3.5 g / m.2Since a uniform and dense crystalline film is required, the film weight is 2 to 2.5 g / m2.2◎ (very good), 2.6 to 3.5 g / m2○ (good), 1.5 to 1.9 g / m2Then △ (slightly inferior), 1.5 g / m2If less than, it was evaluated as x (poor).
[0076]
The density of the crystal film was determined by sampling a sample from the center of the test piece after the treatment, and observing the shape and size of the zinc phosphate crystal film with a scanning electron microscope (SEM).
[0077]
In this embodiment, A (extremely good) if the crystal size indicating the denseness is 5 μm or less, B (good) if it is more than 5 μm to 10 μm or less, and C (somewhat inferior) if it is more than 10 μm to 20 μm or less. If it is larger than 20 μm, it was evaluated based on the criterion of D (defective).
[0078]
The primary coating adhesion was evaluated by coating the test piece after the treatment. Specifically, an electrodeposition paint (Shindo # 80V manufactured by Shinto Herberts Automotive Systems Co., Ltd.) was applied to the treated test piece by applying a voltage of 200V for 3 minutes, and then the test piece was heated at 170 ° C. Baking was performed for 20 minutes to form an electrodeposited film thickness of 15 to 20 μm. Using the test piece on which the electrodeposition coating film thus obtained was formed, the coated surface of the test piece was cut into 100 squares at 1 mm intervals with an NT cutter according to JIS K5400 grid test, and a cellophane tape was used. (Nichiban, width 18 mm) was applied, and after 2 minutes, the cellophane tape was peeled off, and the number of coating films remaining in 100 cells was evaluated by the number of cells. 100 (extremely good) if the number of remaining coating films is 100, ((good) if 95 to 99, △ (slightly inferior) if 85 to 94, × if 84 or less (Poor).
[0079]
The secondary coating adhesion is determined by forming an electrodeposited coating similar to the primary coating adhesion test described above, and immersing it in warm water to deliberately degrade the adhesion of the coating and then adhere the coating. It evaluates sex. In hot water immersion, the test piece on which the electrodeposition coating film is formed is immersed in warm water at 40 ° C. ± 1 ° C. for 1000 hours. The adhesion was evaluated in accordance with the JIS K5400 grid test in the same manner as the primary coating adhesion.
[0080]
[Table 1]
[0081]
Comparative example
A degreasing / chemical conversion liquid and an aluminum chemical conversion liquid were prepared under the same conditions as in the example except that the weight ratio of the polar organic solvent and water of the degreasing / chemical conversion liquid in the example was 1: 9, and the same evaluation was performed. went. Table 2 shows the results.
[0082]
[Table 2]
[0083]
Consideration
As is clear from the results of Tables 1 and 2, the coating pretreatment method of the comparative example is slightly inferior in any of the coating weight, the density of the crystalline coating, the primary coating adhesion, and the secondary coating adhesion. On the other hand, by adopting the coating pretreatment method of the example, the coating weight, the denseness of the crystalline coating, the primary coating adhesion, the secondary coating adhesion is very good to slightly inferior, It was confirmed that there was no problem in quality.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a system diagram showing an embodiment of a coating pretreatment device of the present invention.
FIG. 2 is a system diagram showing another embodiment of the coating pretreatment device of the present invention.
FIG. 3 is a view for explaining a full immersion process and a half immersion process in the coating pretreatment apparatus shown in FIG. 2;
[Explanation of symbols]
101 ... treatment tank
201 ... Rinse tank (rinse means)
300 ... aluminum chemical conversion treatment zone (aluminum chemical conversion treatment means)
301 ... Chemical treatment liquid supply tank for aluminum
302 ... Piping
303 ... Pump
304 ... Nozzle
307 ... Recovery tank
308… Piping
309 ... Pump
Claims (33)
前記処理槽の後段に設けられ、前記被塗物をアルミニウム用化成処理液で処理するアルミニウム化成処理手段と、
前記アルミニウム化成処理手段の後段に設けられ、前記被塗物を洗浄液で洗浄するリンス手段と、を備えた塗装前処理装置。A mixed solvent of a polar organic solvent and water having a weight ratio of 2.8: 7.2 to 3.8: 6.2, sodium ion and / or lithium ion, phosphate ion, zinc ion, nickel ion, and manganese ion A treatment tank in which a degreasing and chemical conversion treatment solution containing at least nitrate ions and / or nitrite ions is filled, and an object to be coated is immersed;
Aluminum chemical conversion treatment means provided at the subsequent stage of the treatment tank and treating the object to be coated with a chemical conversion treatment solution for aluminum,
A rinsing means provided at a subsequent stage of the aluminum chemical conversion treatment means, for rinsing the object to be coated with a cleaning liquid;
重量比率が2.8:7.2〜3.8:6.2である極性有機溶剤及び水の混合溶媒と、ナトリウムイオン及び/又はリチウムイオン、リン酸イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン、硝酸イオン及び/又は亜硝酸イオンを少なくとも含有する脱脂兼化成処理液に浸漬させて処理する第1のステップと、
前記自動車ボディをアルミニウム用化成処理液にて処理する第2のステップと、
洗浄液にて前記自動車ボディを洗浄する第3のステップと、を有する塗装前処理方法。A composite automobile body of iron and aluminum having an aluminum or aluminum alloy part in at least a part of the outer plate portion,
A mixed solvent of a polar organic solvent and water having a weight ratio of 2.8: 7.2 to 3.8: 6.2, sodium ion and / or lithium ion, phosphate ion, zinc ion, nickel ion, and manganese ion A first step of immersing in a degreasing and chemical conversion treatment solution containing at least nitrate ions and / or nitrite ions for treatment;
A second step of treating the automobile body with a chemical conversion treatment solution for aluminum;
A third step of cleaning the automobile body with a cleaning liquid.
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002171075A JP2004018862A (en) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting |
EP03012556A EP1371756A2 (en) | 2002-06-12 | 2003-06-02 | Equipment and method of pretreatment before painting |
US10/454,795 US20040007249A1 (en) | 2002-06-12 | 2003-06-05 | Equipment and method of pretreatment before painting |
CNA031427405A CN1470673A (en) | 2002-06-12 | 2003-06-12 | Apparatus and method for pretreatment before painting |
CNA2005100651855A CN1680047A (en) | 2002-06-12 | 2003-06-12 | Pretreatment method for painting |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002171075A JP2004018862A (en) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004018862A true JP2004018862A (en) | 2004-01-22 |
Family
ID=31171022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002171075A Pending JP2004018862A (en) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004018862A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010106334A (en) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Nippon Parkerizing Co Ltd | Chemical conversion treatment liquid and chemical conversion treatment method for metal material |
-
2002
- 2002-06-12 JP JP2002171075A patent/JP2004018862A/en active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010106334A (en) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Nippon Parkerizing Co Ltd | Chemical conversion treatment liquid and chemical conversion treatment method for metal material |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1371756A2 (en) | Equipment and method of pretreatment before painting | |
US9435039B2 (en) | Protective conversion coating on mixed-metal substrates and methods thereof | |
JP2019518142A (en) | Method and flux for hot dip galvanizing | |
US6893556B2 (en) | Apparatus for pretreatment prior to painting | |
CN1970844A (en) | Aluminium basis material surface treatment method | |
US20240263315A1 (en) | Method for the cleaning and/or anti-corrosion pretreatment of a plurality of components comprising zinc-coated (zm) steel | |
JP2004018865A (en) | Coating pretreatment apparatus and coating pretreatment method | |
JP2004018862A (en) | Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting | |
CA2883030C (en) | Method for corrosion-protective serial surface treatment of metallic components | |
JP2004018868A (en) | Coating pretreatment device | |
JP2004018876A (en) | Coating pretreatment apparatus | |
JP2004018870A (en) | Pretreatment equipment for coating | |
JP2004018871A (en) | Coating pretreatment device | |
JP2004018864A (en) | Pretreatment apparatus to coating and pretreatment method to coating | |
JP2004018878A (en) | Coating pretreatment apparatus and coating pretreatment method | |
JP2004018869A (en) | Pretreatment apparatus for painting and pretreatment method for painting | |
JP2004018866A (en) | Coating pretreatment apparatus | |
JP2004353007A (en) | Method for recovering and reusing phosphate chemical processing liquid | |
JP2004018872A (en) | Equipment and method of pretreatment for coating | |
JP2004018875A (en) | Coating pretreatment device | |
JP2004018877A (en) | Coating pretreatment apparatus | |
JP2004018873A (en) | Pretreatment equipment for coating | |
JP2004018874A (en) | Pretreatment equipment for coating | |
JP2004018867A (en) | Pretreatment apparatus to coating and pretreatment method to coating | |
JP2004018863A (en) | Pretreatment equipment and method for coating |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040326 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060228 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060501 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060721 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |